JP2013009110A - 動画像復号装置及び動画像復号方法 - Google Patents

動画像復号装置及び動画像復号方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の視点の動画像を含むストリームデータを復号する際のコンシールメントでの画像乱れを低減する。
【解決手段】実施形態の動画像復号装置は、複数の視点の動画像を含むストリームデータに含まれるマクロブロックの誤りを検出する検出手段と、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスについて、同一視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、他の視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う補間手段とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、動画像復号装置及び動画像復号方法に関する。
従来、H.264/AVC(Advanced Video Coding)を複数の視点(ビュー)の動画像に拡張したH.264/MVC(Multiview Video Coding)のストリームデータを復号する動画像復号装置では、あるビューのピクチャに含まれるマクロブロックに誤りが混入し、そのマクロブロックを含むスライスが損傷を受けた場合、損傷を受けたスライスと関連する同一ビュー内のピクチャに含まれる他のマクロブロックの情報をもとに、損傷を受けたスライスを補間して復元するコンシールメント(欠落情報補間)が行われている。
特表2010−516102号公報
しかしながら、上述した従来技術では、同一ビューにおいて時間方向で異なるピクチャに含まれるマクロブロックでコンシールメントが行われるため、コンシールメント後の画像に多少の乱れが生じることがあった。特に、H.264/MVCのストリームデータにおいて、H.264/AVCに準拠したベースビュー以外の他のビューについては、同一ビューのピクチャによる予測から復号を行うだけでなく、異なるビュー間の予測からの復号も行われる。このため、ビュー間の予測から復号するマクロブロックが多いピクチャは、時間方向での相関性が弱く、従来のコンシールメントでは画像の乱れが生じ易かった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の視点の動画像を含むストリームデータを復号する際のコンシールメントでの画像乱れを低減することを可能とする動画像復号装置及び動画像復号方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の動画像復号装置は、複数の視点の動画像を含むストリームデータに含まれるマクロブロックの誤りを検出する検出手段と、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスについて、同一視点のピクチャを参照して復号する視点のスライスである場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、他の視点のピクチャを参照して復号する視点のスライスである場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う補間手段とを備える。
また、実施形態の動画像復号方法は、検出手段が、複数の視点の動画像を含むストリームデータに含まれるマクロブロックの誤りを検出する工程と、補間手段が、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスについて、同一視点のピクチャを参照して復号する視点のスライスである場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、他の視点のピクチャを参照して復号する視点のスライスである場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う工程とを含む。
図1は、複数の視点(ビュー)を含む動画像の一例を示す概念図である。 図2は、エラー検出ブロックを含むピクチャの一例を示す概念図である。 図3は、従来のコンシールメントを例示する概念図である。 図4は、実施形態にかかるコンシールメントを例示する概念図である。 図5は、実施形態にかかる動画像復号装置の構成を例示するブロック図である。 図6は、コンシールメント処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、補間方法の選択の一例を示すフローチャートである。 図8は、誤りが検出されたエラー検出ブロックを含むピクチャを例示する概念図である。 図9は、誤りが検出されたエラー検出ブロックを含むピクチャの復号順序で前のピクチャを例示する概念図である。 図10は、補間方法の選択の一例を示すフローチャートである。 図11は、誤りが検出されたエラー検出ブロックを含むピクチャを例示する概念図である。 図12は、誤りが検出されたエラー検出ブロックを含むピクチャの復号順序で前のピクチャを例示する概念図である。 図13は、映像再生装置の構成を例示するブロック図である。
以下、添付図面を参照して実施形態の動画像復号装置及び動画像復号方法を詳細に説明する。先ず、図1〜4を参照して実施形態の概要を説明する。図1は、複数の視点(ビュー)を含む動画像の一例を示す概念図である。図2は、エラー検出ブロックB20を含むピクチャP22の一例を示す概念図である。図3は、従来のコンシールメントを例示する概念図である。図4は、実施形態にかかるコンシールメントを例示する概念図である。
H.264/MVC等の複数のビューを含む動画像のストリームデータは、図1に示すように、H.264/AVC符号化方式に準拠したベースビューV0と、H.264/AVC符号化方式に加えてビュー間の予測符号化が行われるノンベースビューV1、V2とを含む構成である。なお、図示した「I」、「P」、「B」はフレームピクチャのタイプを示しており、「I」はIピクチャを、「P」はPピクチャを、「B」はBピクチャを示す。また、実施形態における動画像のストリームデータは、H.264/MVCに準拠するものとする。
具体的には、ベースビューV0は、時刻t0〜t4のピクチャP00〜P04において、実線の矢印で示したように、同一ビューであるベースビューV0のピクチャを参照しての画面間(フレーム間)予測符号化が行われている。例えば、PピクチャであるピクチャP02は前にあるIピクチャのピクチャP00を参照して符号化が行われ、BピクチャであるピクチャP01は前後のピクチャP00、P02を参照して符号化が行われる。ノンベースビューV1は、時刻t0〜t4のピクチャP10〜P14において、実線の矢印で示した同一ビュー内の画面間予測符号化に加えて、点線の矢印で示した異なるビュー間での予測符号化(インタービュー予測符号化)が行われる。以後の説明では、同一ビューのピクチャを参照した予測符号化(実線の矢印)を同一フレーム内も含め単にフレーム間予測符号化と呼び、異なるビュー間でのピクチャを参照した予測符号化(点線の矢印)をインタービュー予測符号化と呼んで区別する。
なお、各ピクチャにおける符号化・復号化は、複数のマクロブロックで構成されるスライス単位で行われる。このスライス単位で符号化・復号化する際に参照するピクチャ、すなわちフレーム間予測符号化で参照するピクチャやインタービュー予測符号化で参照するピクチャ等の情報は、付加情報としてストリームデータに含まれている。したがって、ストリームデータから動画像を復号する際には、付加情報をもとに、実線の矢印又は点線の矢印で示したピクチャを参照することで、予測符号化された画像データの復号が行われる。
ここで、図1に示すように、ピクチャP22に含まれるマクロブロックに誤りが混入したものとする。このマクロブロックにおける誤りの混入は、ストリームデータを通信する際のノイズなどで生じる。そして、マクロブロックにおける誤り混入の検出は、マクロブロックのCBP(Coded Block Pattern)数が突如大きな値になった場合などを検出して行われる。
具体的には、図2に示すように、ピクチャP22ではラスタ順に復号が行われており、エラー検出ブロックB20が誤り混入が検出されたマクロブロックである。なお、復号されるマクロブロックの順序は、図示したラスタ順だけでなく、インターリーブやワイプなどであってもよい。ピクチャP22において、ブロックB10は誤り混入が検出されずに復号されたブロック、ブロックB11はブロックB10の中でインタービュー予測符号化についての復号が行われたブロックである。また、補間対象ブロックB21はエラー検出ブロックB20の検出によりコンシールメントの対象となる、エラー検出ブロックB20を含むブロックである。エラー検出ブロックB20を含む補間対象ブロックB21は、誤りの混入により損傷を受けているため、予測符号化についての復号できないことから、他のマクロブロックの情報をもとに、損傷を受けたスライスを補間して復元するコンシールメントが行われることとなる。なお、図示例では、エラー検出ブロックB20を含む補間対象ブロックB21について、ピクチャP22の最後までを一つのスライスとする構成を例示しているが、さらに複数のスライスで分割されてもよいことは言うまでもないことである。
従来、エラー検出ブロックB20を含む補間対象ブロックB21についてのコンシールメントは、図3に示すように、同一ビュー内のピクチャに含まれるマクロブロックを参照して行われていた。具体的には、ピクチャP22の補間対象ブロックB21については、フレーム間予測符号化で参照される同一ビューV2のピクチャP21のマクロブロックで補間されていた。これに対し、実施形態のコンシールメントでは、異なるビュー間でのピクチャを参照して復号するブロックについては、異なるビュー間のピクチャであり、インタービュー予測符号化で参照されるピクチャのマクロブロックでの補間を行う。
具体的には、図4に示すように、ピクチャP22の補間対象ブロックB21については、インタービュー予測符号化で参照される異なるビューV1のピクチャP12のマクロブロックでの補間を行う。このように、異なるビュー間のピクチャP12を参照して復号する補間対象ブロックB21については、インタービュー予測符号化で参照されるピクチャP12のマクロブロックでの補間を行うことで、コンシールメントで補間されるマクロブロックの相関性がより強くなることから、画像乱れが生じにくくなる。なお、H.264/AVC符号化方式に準拠したベースビューV0で誤りの混入が検出されたマクロブロックを含むスライスについては、インタービュー予測符号化が行われないことから、従来どおりの同一ビュー内のピクチャに含まれるマクロブロックを参照して補間を行う。
次に、上述したコンシールメントを行う、実施形態にかかる動画像復号装置を説明する。図5は、実施形態にかかる動画像復号装置1の構成を例示するブロック図である。
図5に示すように、動画像復号装置1は、DSP(Digital Signal Processor)などであり、H.264/MVCのストリームデータを復号して再生画像データを出力する。具体的には、動画像復号装置1は、H.264/MVCのストリームデータを受け付けて再生画像データを出力する復号部10と、復号部10の制御を行う復号制御部20とを備える。復号部10は、シンタックス解析部11と、復号情報バッファ12と、信号処理部13と、コンシールメント処理部14と、フレームバッファ15とを備える。
シンタックス解析部11は、H.264/MVCのストリームデータの入力を受け付けて、所定の方式(実施形態ではH.264/MVCに準拠した方式)にしたがってストリームデータを解析し、復号情報を生成する。この復号情報は、具体的にはストリームデータのVCL(Video Coding Layer)やNAL(Network Abstraction Layer)などに含まれる画像の符号化データ、その符号化データの復号のための付加情報などである。生成した復号情報は復号情報バッファ12に出力されて記憶される。
また、シンタックス解析部11は、復号情報の符号化データに含まれるマクロブロックのCBP数をチェックするなどして、マクロブロックの誤りの有無を検出する。シンタックス解析部11によりマクロブロックの誤りが検出された場合は、そのマクロブロックに誤りがあることを、ピクチャ内におけるマクロブロックの位置を示す情報とともに復号制御部20に通知する。なお、マクロブロックの誤り検出については、CBP数のチェックだけでなく、いずれの検出方法であってもよい。例えば、各マクロブロックの先頭に挿入されているスキップランの長さが予め設定される上限長を超えるか否かをもとに誤り検出を行ってもよい。
復号情報バッファ12は、シンタックス解析部11より出力された復号情報を一時記憶する。復号情報バッファ12がスタックした復号情報は、復号制御部20の制御のもと、信号処理部13又はコンシールメント処理部14へ出力される。信号処理部13は、復号情報バッファ12からの復号情報の入力を受け付けて、受け付けた復号情報をもとに、所定の方式(実施形態ではH.264/MVCに準拠した方式)に従って符号化データを復号する信号処理を行う。復号されたデータ、すなわち復号されたスライスはフレームバッファ15に出力されて記憶される。
コンシールメント処理部14は、復号制御部20の制御のもと、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスのコンシールメント処理を行う(詳細は後述する)。コンシールメント処理により補間されたスライスはフレームバッファ15に出力されて記憶される。フレームバッファ15は、信号処理部13及びコンシールメント処理部14より出力されたスライスで構築されるフレーム画像のデータを一時記憶する。フレームバッファ15が一時記憶するフレーム画像は、例えばIDR(Instantaneous Decoder Refresh)ピクチャの復号を契機とする復号制御部20の制御をもとに、再生画像データとして出力される。この再生画像データの出力に従い、復号情報バッファ12、フレームバッファ15に一時記憶されたデータは消去される。
復号制御部20は、復号情報バッファ12に一時記憶される復号情報や、シンタックス解析部11より通知されるマクロブロックの誤りに関する情報を参照して、復号部10におけるストリームデータの復号を制御する。具体的には、復号制御部20は、誤りが検出されたマクロブロックの位置を示す情報をもとに、復号を行うスライス内のマクロブロックが誤りを含むか否かを確認する。誤りを含まない場合、復号制御部20は、復号を行うスライスに該当する復号情報を復号情報バッファ12より読み出して信号処理部13へ出力する。また、誤りを含む場合、復号制御部20は、コンシールメント処理部14を起動して、その誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスに該当する復号情報をコンシールメント処理部14へ出力する。
ここで、コンシールメント処理部14が行うコンシールメント処理の詳細を説明する。図6は、コンシールメント処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、復号制御部20により起動されて、コンシールメント処理部14によるコンシールメント処理が開始されると、コンシールメント処理部14は、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスに該当する復号情報をもとに、補間方法を選択する(S1)。具体的には、復号情報に含まれる付加情報を参照し、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスがフレーム間予測符号化で符号化されており、フレーム間予測で復号するスライスである場合には、同一ビュー内のピクチャに含まれるマクロブロックを参照した補間方法、すなわちH.264/AVC符号化方式に準拠した従来の補間方法(同一ビュー内補間)を選択する。また、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスがインタービュー予測符号化で符号化されており、インタービュー予測で復号するスライスである場合には、異なるビュー間のピクチャに含まれるマクロブロックを参照した補間方法(ビュー間補間)を選択する。次いで、コンシールメント処理部14は、選択した補間方法で、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスを補間する補間処理を行う(S2)。
なお、S1における補間方法の選択は、誤りが検出されたマクロブロックよりも前、すなわち過去に復号されたマクロブロックの予測方法に応じて行ってもよい。具体的には、過去に復号されたマクロブロックの予測方法がインタービュー予測であるマクロブロックの数が多い場合に、異なるビュー間のピクチャに含まれるマクロブロックを参照した補間方法を選択してよい。
図7は、補間方法の選択の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、復号制御部20は、復号情報バッファ12に一時記憶された付加情報を参照して、過去に復号されたブロックの予測方法を取得する(S11)。次いで、復号制御部20は、異なるビュー間で予測したインタービュー予測のマクロブロックの数が多く、その数が所定数を上回るか否かを判定する(S12)。インタービュー予測のマクロブロックの数が所定数を上回る場合(S12:YES)、復号制御部20は、ビュー間補間を選択し、コンシールメント処理部14にビュー間補間を行わせる(S13)。なお、インタービュー予測のマクロブロックの数が所定数を上回らない場合(S12:NO)、復号制御部20は、同一ビュー内補間を選択し、コンシールメント処理部14に同一ビュー内補間を行わせる(S14)。
このように、過去に復号されたマクロブロックにおいて、インタービュー予測で復号されたマクロブロックの数が所定数より多い場合は、異なるビュー間のピクチャとの相関性が強くなることから、異なるビュー間のピクチャに含まれるマクロブロックを参照した補間方法を選択することで、コンシールメント処理部14におけるコンシールメント処理による画像乱れが生じにくくなる。
なお、付加情報により参照する、過去に復号されたマクロブロックの範囲は、直近のIDRピクチャにより復号情報バッファ12のデータが消去された直後のマクロブロックまでであってもよいが、誤りが検出されたマクロブロックとの相関性が強いマクロブロックを選択したものであってもよい。具体的には、図8に示すように、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20を含むピクチャPNにおいて、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20の近傍にある復号済みの隣接ブロックB12、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20を含むピクチャPNにおいて復号済みであるブロックB10であってよい。
また、図9に示すように、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20を含むピクチャPNよりも前に復号されたピクチャPN−1において、エラー検出ブロックB20の位置に対応したブロックB30、ブロックB30よりも前のスライスであるブロックB31、ブロックB30を含むスライスであるブロックB32及びピクチャPN−1の全てのマクロブロック(ブロックB31及びブロックB32)のいずれであってもよい。
また、S1における補間方法の選択は、誤りが検出されたマクロブロックよりも前、すなわち過去に復号されたマクロブロックにおいて、インタービュー予測で復号されたマクロブロックの動きベクトルをもとにして求められた、動き補償の大きさ示す動き補償残差信号が予め設定された値よりも小さい場合に、異なるビュー間のピクチャに含まれるマクロブロックを参照した補間方法を選択してよい。この動きベクトルや動き補償残差信号は、信号処理部13において符号化データ(マクロブロック)を復号する信号処理を行う際に算出されて、マクロブロックの位置を示すインデックスとともにフレームバッファ15に一時記憶される。
図10は、補間方法の選択の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、復号制御部20は、インタービュー予測のマクロブロックの数が所定数を上回る場合(S12:YES)、それらのマクロブロックについてフレームバッファ15に一時記憶された動き補償残差信号が予め設定された値よりも小さいか否かを判定する(S12a)。動き補償残差信号が予め設定された値よりも小さい場合(S12a:YES)、復号制御部20は、ビュー間補間を選択し、コンシールメント処理部14にビュー間補間を行わせる(S13)。なお、動き補償残差信号が予め設定された値よりも小さくない場合(S12a:NO)、復号制御部20は、同一ビュー内補間を選択し、コンシールメント処理部14に同一ビュー内補間を行わせる(S14)。
このように、過去に復号されたマクロブロックにおいて、インタービュー予測で復号されたマクロブロックの動き補償の大きさが小さい場合は、異なるビュー間のピクチャとの相関性が強くなることから、異なるビュー間のピクチャに含まれるマクロブロックを参照した補間方法を選択することで、コンシールメント処理部14におけるコンシールメント処理による画像乱れが生じにくくなる。
次に、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスを補間するコンシールメント処理部14の補間処理について説明する。なお、同一ビュー内補間についてはH.264/AVC符号化方式に準拠した従来の補間方法で行われることから、以下では、ビュー間補間についての補間処理を図11、12を参照して説明する。図11は、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20を含むピクチャPNを例示する概念図である。図12は、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20を含むピクチャPNの復号順序で前のピクチャPN−1を例示する概念図である。
コンシールメント処理部14は、ビュー間補間を行う場合、補間対象ブロックに含まれるすべてのマクロブロックにおける動きベクトルを決定し、その決定した動きベクトルに対応するマクロブロックを参照して、補間対象ブロックの補間を行う。図11に示すように、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20(と同時に補間対象ブロックである)の動きベクトルをMV[k]、インタービュー予測で復号されたブロックB11の動きベクトルをMV[j]とする。また、図12に示すように、ピクチャPN−1において、エラー検出ブロックB20の位置に対応したブロックB30の動きベクトルをMV[k_col]、ブロックB11の位置に対応したブロックB33の動きベクトルをMV[j_col]とする。
ここで、コンシールメント処理部14は、ピクチャPN−1において、エラー検出ブロックB20の位置に対応したブロックB30の動きベクトルMV[k_col](第1の動き補償情報)の値をフレームバッファ15より読み出して、エラー検出ブロックB20の動きベクトルMV[k]として用いてよい。具体的には、MV[k]=MV[k_col]の式(A)として算出してよい。この場合は、動きベクトルMV[k]との相関性が強いと見込まれるMV[k_col]を用いることで、補間による画像乱れが生じにくくなる。
また、コンシールメント処理部14は、誤りが検出されたエラー検出ブロックB20を含むピクチャPNにおいて復号済みであるブロックB11の動きベクトルMV[j](第2の動き補償情報)の値と、ピクチャPN−1においてブロックB11の位置に対応したブロックB33の動きベクトルMV[j_col](第3の動き補償情報)の値とでMV[k_col]をフレームバッファ15より読み出し、スケーリング(補正)したものを、エラー検出ブロックB20の動きベクトルMV[k]として用いてよい。具体的には、MV[k]=MV[k_col]*MV[j]/MV[j_col]の式(B)として算出してよい。この場合は、エラー検出ブロックB20の動きベクトルMV[k]とする値の精度をより高めることが可能となる。
なお、式(A)のMV[k]をMVA、式(B)のMV[k]をMVBとして、MV[k]=(1−α)*MVA+α*MVBとして算出してもよい。ここで、αは0から1までの値をとる。αは、MV[k_col]のブロックB30と、MV[j_col]のブロックB33の動き補償における残差信号(それぞれR[k_col]、R[j_col])の大きさの比R[k_col]/R[j_col]としてよい。
次に、動画像復号装置1を用いる電子機器の一例としての映像再生装置を説明する。図13は、映像再生装置100の構成を例示するブロック図である。
図13に示すように、映像再生装置100は、動画像復号装置1としての処理を行うデータプロセッサ部110を備える構成である。具体的には、映像再生装置100は、光ディスク等の記録媒体203が用いられ、記録媒体203に記録されているデジタル形式の映像コンテンツデータ(映画、ドラマなどの映像コンテンツを再生するためのデータ)を読み取って映像コンテンツおよびインタラクティブデータ(映像コンテンツに関連して再生されるメニューデータ、アニメーションデータ、効果音データ、映像コンテンツの解説等のコンテンツ解説データ、クイズの問題などを含むデータ)を再生することができ、また、インターネット202を介してネットワークストレージ204に接続し、ネットワークストレージ204からも映像コンテンツデータを取得して映像コンテンツおよびインタラクティブデータを再生可能な構成を有している。
映像再生装置100は、ハードディスクドライブ102、フラッシュメモリ(Flash Memory)103、ディスクドライブ104およびネットワークコントローラ105を有し、いずれもバス119に接続されている。ハードディスクドライブ102は、高速回転する磁気ディスクに映像コンテンツデータ等のデジタルデータを記録して、デジタルデータの読み書きを行う。フラッシュメモリ103には、映像コンテンツデータ等のデジタルデータが記憶されてデジタルデータの読み書きが行われる。ディスクドライブ104は記録媒体203から映像コンテンツデータ等のデジタルデータを読み取り、再生信号を出力する機能を有している。ネットワークコントローラ105は、インターネット202を介してネットワークストレージ204との間で行われる映像コンテンツデータ等のデジタルデータの読み書きを制御する。
また、映像再生装置100は、MPU(Micro Processing Unit)106、メモリ部107、ROM部108およびビデオメモリ部109を有し、いずれもバス119に接続されている。MPU106は、ROM部108からメモリ部107に読み出された起動プログラムにしたがい起動され、また、プレイヤプログラムをROM部108からメモリ部107に読み出し、そのプレイヤプログラムにしたがってシステム初期化、システム終了などを制御し、システムマイコン116の処理を制御する。さらに、MPU106は、後述するデータプロセッサ部110に対して、記録媒体203、ネットワークストレージ204、ハードディスクドライブ102およびフラッシュメモリ103のいずれかから読み出される映像コンテンツデータから映像および音声を再生するように指示する。メモリ部107には、MPU106が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶される。ROM部108には、起動プログラム、プレイヤプログラムといったMPU106が実行するプログラムや、データプロセッサ部110が実行するプログラム(例えば、映像コンテンツデータ等の圧縮符号化されている動画音声データをデコードし、映像および音声を再生するための映像再生プログラム)、恒久的なデータなどが記憶されている。ビデオメモリ部109には、後述する復号された再生画像データが順次書き込まれる。
データプロセッサ部110は映像再生プログラムにしたがい作動して、圧縮符号化されている動画音声データを動画像データと音声データに分離してそれぞれをデコードし、映像および音声を再生する。システムマイコン116は、映像コンテンツの再生情報を表示パネル117へ表示させ、ユーザ入力装置118(リモコンまたは映像再生装置100に備えられた操作ボタン等の操作入力可能な装置)から入力される操作入力信号をバス119を介してMPU106に入力する。表示パネル117は、液晶表示パネルを有し、システムマイコン116の指示にしたがい、映像コンテンツおよびインタラクティブデータの再生に関する様々な情報を液晶表示パネルに表示する。
なお、実施形態の動画像復号装置1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。実施形態の動画像復号装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、実施形態の動画像復号装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の動画像復号装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
実施形態の動画像復号装置1で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
1…動画像復号装置、10…復号部、11…シンタックス解析部、12…復号情報バッファ、13…信号処理部、14…コンシールメント処理部、15…フレームバッファ、20…復号制御部、100…映像再生装置、102…ハードディスクドライブ、103…フラッシュメモリ、104…ディスクドライブ、105…ネットワークコントローラ、106…MPU、107…メモリ部、108…ROM部、109…ビデオメモリ部、110…データプロセッサ部、116…システムマイコン、117…表示パネル、118…ユーザ入力装置、119…バス、203…記録媒体、202…インターネット、204…ネットワークストレージ、B10、B11、B30〜B33…ブロック、B12…隣接ブロック、B20…エラー検出ブロック、B21…補間対象ブロック、P00〜P24、PN、PN−1…ピクチャ、t0〜t4…時刻、V0…ベースビュー、V1…ノンベースビュー、V2…ノンベースビュー
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の動画像復号装置は、複数の視点の動画像を含むストリームデータに含まれるマクロブロックの誤りを検出する検出手段と、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスについて、同一視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、他の視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、前記誤りが検出されたマクロブロックよりも前に復号されたマクロブロックにおいて、他の視点のピクチャを参照して復号されたマクロブロックの数が予め設定された所定数を上回る場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、前記他の視点のピクチャを参照して復号されたマクロブロックの数が予め設定された所定数を上回らない場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う補間手段とを備える
また、実施形態の動画像復号方法は、検出手段が、複数の視点の動画像を含むストリームデータに含まれるマクロブロックの誤りを検出する工程と、補間手段が、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスについて、同一視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、他の視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、前記誤りが検出されたマクロブロックよりも前に復号されたマクロブロックにおいて、他の視点のピクチャを参照して復号されたマクロブロックの数が予め設定された所定数を上回る場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、前記他の視点のピクチャを参照して復号されたマクロブロックの数が予め設定された所定数を上回らない場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う工程とを含む

Claims (7)

  1. 複数の視点の動画像を含むストリームデータに含まれるマクロブロックの誤りを検出する検出手段と、
    誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスについて、同一視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、他の視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う補間手段と、
    を備える動画像復号装置。
  2. 前記補間手段は、前記誤りが検出されたマクロブロックよりも前に復号されたマクロブロックにおいて、他の視点のピクチャを参照して復号されたマクロブロックの数が予め設定された所定数を上回る場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、
    前記他の視点のピクチャを参照して復号されたマクロブロックの数が予め設定された所定数を上回らない場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う、
    請求項1に記載の動画像復号装置。
  3. 前記補間手段は、前記誤りが検出されたマクロブロックよりも前に復号されたマクロブロックにおいて、他の視点のピクチャを参照して復号されたマクロブロックの動き補償の大きさを示す値が予め設定された値より小さい場合に、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う、
    請求項1又は2に記載の動画像復号装置。
  4. 前記誤りが検出されたマクロブロックよりも前に復号されたマクロブロックは、前記誤りが検出されたマクロブロックの近傍にある復号済みのマクロブロック、前記誤りが検出されたマクロブロックを含むピクチャにおいて復号済みであるマクロブロック、前記誤りが検出されたマクロブロックを含むピクチャよりも前に復号されたピクチャにおいて、当該誤りが検出されたマクロブロックの位置に対応したマクロブロック、前記誤りが検出されたマクロブロックを含むピクチャよりも前に復号されたピクチャの全てのマクロブロックの少なくともいずれか一つである、
    請求項2又は3に記載の動画像復号装置。
  5. 前記補間手段は、前記誤りが検出されたマクロブロックを含むピクチャよりも前に復号されたピクチャにおいて、当該誤りが検出されたマクロブロックの位置に対応したマクロブロックの動き補償を示す第1の動き補償情報をもとに、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動画像復号装置。
  6. 前記補間手段は、前記誤りが検出されたマクロブロックを含むピクチャにおいて復号済みであるマクロブロックの動き補償を示す第2の動き補償情報と、当該ピクチャよりも前に復号されたピクチャにおいて前記復号済みであるマクロブロックの位置に対応したマクロブロックの動き補償を示す第3の動き補償情報とをもとに、前記第1の動き補償情報を補正する、
    請求項5に記載の動画像復号装置。
  7. 動画像復号装置における動画像復号方法であって、
    検出手段が、複数の視点の動画像を含むストリームデータに含まれるマクロブロックの誤りを検出する工程と、
    補間手段が、誤りが検出されたマクロブロックを含むスライスについて、同一視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記同一視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行い、他の視点のピクチャを参照して復号するスライスである場合は、前記他の視点のピクチャに含まれるマクロブロックを用いた補間を行う工程と、
    を含む動画像復号方法。
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