JP2013008407A - ディスク駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスク回転数の高低にかかわらず、無用な騒音の発生を無くしながら、偏重心による振動の抑制効果を安定して発揮することができるディスク駆動装置を提供する。
【解決手段】筐体に弾性支持されたトラバースメカ3と、ターンテーブル7と一体回転するケース体30と、ケース体30の内部に収容され、回転体の振動を抑える位置に遠心力により重心移動する複数の鋼球8と、ケース体30に被さり、下降することで鋼球8の移動を拘束する上蓋31と、上蓋31とケース体30の相対回動により上蓋31を上下させるカム機構40,41と、上蓋31を下降側に付勢するスプリング43と、通電により非接触で上蓋31に制動力をかけ、それにより上蓋31をスプリング43に抗して上昇させる電磁石50とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、光ディスクや光磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体(ディスク)に情報を書き込んだり、記録した情報を読み出したりするのに用いられるディスク駆動装置に係わり、特に、ディスクの偏重心が原因で発生する振動を抑制するオートバランサ機能を備えたディスク駆動装置に関するものである。
ディスクの高速回転化に伴い、ディスクをターンテーブルにセットした際のディスクを含む回転体の偏重心による回転時の振動の抑制がますます重要になってきている。偏重心による回転時の振動を抑制する技術として、ターンテーブルと一体に回転して遠心力により回転体の周方向に重心移動するバランス材(例えば、バランス錘やバランス球)を備えたものが知られている。この種のバランス材を備えたディスク駆動装置では、ディスクの回転数が回転系の固有振動数を超えたとき、バランス材が偏重心と逆位相に移動することでアンバランスを打ち消すようになっている。
一般のディスク駆動装置では、ターンテーブルを回転駆動するスピンドルモータやディスク情報の書き込み・読み出しを行うピックアップユニットを搭載したトラバースメカが、外部からの振動の影響を受けないようにダンパを介して筐体に弾性支持されており、トラバースメカの固有振動数を超えたところに使用回転数領域を設定することで、共振による問題を回避するようにしている。
ところで、ディスク回転数が固有振動数より高い場合は、トラバースメカの振れ回り位相がディスクの偏重心による遠心力の位相とほぼ反転する関係にあることから、ディスクのアンバランスを打ち消す位置へバランス材が移動して振動抑制効果を発揮するが、ディスク回転数が固有振動数より低い場合は、振れ回り位相が偏重心とほぼ同位相となるため、ディスクのアンバランスをより悪化させる位置へバランス材が移動することになって、バランス材を搭載しない場合よりも反って偏重心による振動が悪化する問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に記載の技術では、固有振動数をできるだけ低く設定することにより、振動抑制効果を発揮できる領域を広くとれるようにし、低回転域での振動の問題の軽減化を図っている。
また、特許文献2に記載の技術では、回転停止時および低速回転時に、環状レーンの中心部に設けた永久磁石によりバランス材を吸引して内周側に保持し、固有振動数以上のときに遠心力で磁力に抗してバランス材がアンバランスを補正する位置に移動できるようにすることにより、低速域での振動の問題をできるだけ解消するようにしている。
また、特許文献3に記載の技術では、バネの先端に押え錘を付け、通常時はバランス材を押え錘で拘束しておき、固有振動数以上に回転数が上昇したときの遠心力で押え錘がバランス材から離れることで、バランス材がアンバランスを補正する位置に移動できるようにしている。
特開平10−188465号公報 特開2001−211602号公報 特開平11−191255号公報
しかし、前述の各特許文献に記載の技術には次のような問題があった。
即ち、特許文献1や特許文献2の技術においてバランス材として使用される複数個の鋼球は、ディスク回転停止時には位置が固定されておらず、その状態で外部からの振動により鋼球が移動した場合、鋼球同士が衝突したり鋼球が環状レーンの壁に衝突したりして騒音を発生するおそれがあり、車載用には適さないという問題があった。また、ディスクの回転起動時には、鋼球の慣性力により環状レーンの中を鋼球が高速で転動するため、摺動雑音が大きくなるという問題もあった。
また、特許文献1の技術では、ディスク駆動装置の性能を維持しながら固有振動数を小さくすることが難しいという問題があり、さらに、特許文献2の技術では、永久磁石からバランス材が離脱する際の回転数の設定が難しい上、離脱や吸着の際にバランス材の衝突音がうるさくなるという問題があった。
また、特許文献3の技術では、バネによる押え付け力をバランス材全体にわたって均一に作用させることが困難であり、バランス材が遠心力によって移動するときの動きを安定させることが難しいという問題があった。
本発明は、上記事情を考慮し、ディスク非回転時に外部から加振された場合やディスクの急激な加減速時に発生するバランス材による騒音を無くし、ディスク回転数の高低にかかわらず、無用な騒音の発生を無くしながら、偏重心による振動の抑制効果を安定して発揮することができる実現の容易な車載に適するディスク駆動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明のディスク駆動装置は、ターンテーブル(7)にセットされた情報記録媒体としてのディスク(1)を回転駆動するスピンドルモータ(5)及び前記ディスクに対して情報の書き込み及び/又は読み出しを行うピックアップユニット(6)を搭載し、ダンパ(4)を介して筐体に弾性支持されたトラバースメカ(3)と、前記ターンテーブル(7)と一体回転すると共に回転体(1,7,9)の軸線と直交する面内で重心移動自在に設けられ、回転体の回転数が前記トラバースメカ(3)の固有振動数を超えた際に回転体の振動を抑える位置に遠心力により重心移動するバランス材(8)と、外部からの操作により前記バランス材(8)を重心移動可能な自由状態と重心移動不可能な拘束状態のいずれかの状態に選択的に切り替えるバランス材の状態切替機構(50)と、を具備することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のディスク駆動装置であって、前記ターンテーブル(7)と一体回転するように、底壁(30a)と周側壁(30b)を有し上面が開放した円環形のケース体(30)が設けられ、前記ケース体(30)の内部に前記スピンドルモータ(5)の回転軸(9)と同軸に環状レーン(33)が設けられ、前記ケース体(30)の内部に、前記環状レーン(33)に沿って転動可能な複数の鋼球(8)が前記バランス材として収容され、前記ケース体(30)の上側に、ケース体(30)と一体回転すると共にケース体(30)に対して所定角度範囲だけ相対回動可能かつ軸線方向移動可能に上蓋(31)が被せられ、前記上蓋(31)とケース体(30)の間に、上蓋(31)がケース体(30)に対しケース体(30)の回転方向と同方向に相対回動した際に上蓋(31)を下降させることにより上蓋(31)の上壁(31a)を前記鋼球(8)に押圧させて鋼球(3)の移動を拘束し、一方、上蓋(31)がケース体(30)に対しケース体(30)の回転方向と逆方向に相対回動した際に上蓋(31)を上昇させることにより上蓋(31)の前記鋼球(8)に対する押圧を解除して鋼球(8)の自由な移動を許可するカム機構(40,41)が設けられ、更に前記上蓋(31)とケース体(30)の間に、上蓋(31)がケース体(30)に対しケース体(30)の回転方向と同方向に相対回動するよう付勢するスプリング(43)が設けられ、前記上蓋(31)の外側に、上蓋(31)に対し非接触で制動力を印加することで、前記スプリング(43)の付勢力に抗して前記上蓋(31)を、回転するケース体(30)に対しケース体(30)の回転方向と逆方向に相対回動させ、それにより前記上蓋(31)による鋼球(8)の拘束を解除する制動機構(50)が、前記バランス材の状態切替機構として設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載のディスク駆動装置であって、前記カム機構として、前記ケース体(30)の周側壁(30b)とそれに対向する前記上蓋(31)の周側壁(31b)の一方に、周方向に延びると共に軸線方向に傾斜した傾斜溝(41)が設けられ、他方に、前記傾斜溝(41)にスライド自在に係合する突起(40)が設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載のディスク駆動装置であって、前記上蓋(31)に導電性非磁性体よりなる渦電流発生域が設けられ、それに対向する外部位置に前記制動機構としての電磁石(50)が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ディスクを含む回転体の偏重心の自動修正に使用されるバランス材を通常状態では騒音を防ぐために固定しておくことができ、ディスク回転時には、外部からの操作により任意にバランス材の固定を解除して自由に重心移動できるように設定することができる。従って、トラバースメカの固有振動数を超える段階まで回転数が上昇することでバランス材が回転体の偏重心を打ち消す位置に重心移動した後でバランス材を再度固定することにより、低速回転から高速回転までのすべての回転数領域にわたり偏重心による振動を抑制することができ、安定したディスクの回転を実現することができると共に、バランス材による騒音についても防止することができる。しかも、いったん偏重心を補正する位置にバランス材が重心移動した後でバランス材を固定すると、ディスクを交換しない限りその固定した状態を保っておくことができるので、バランス材の無用な移動を無くすことができ、バランス材による無用な騒音の発生を無くすことができる。その結果、車載に適した製品の実現に寄与することができる。また、バランス材を移動自由な状態にするか移動不可能な状態にするかを任意に選択できるので、難しい設定が不要であり、実現が容易である。
本発明の実施形態のディスク駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 同ディスク駆動装置の要部構成を示す分解斜視図である。 同ディスク駆動装置の要部構成を示す断面図である。 同ディスク駆動装置の要部構成を示す平面図である。 高速回転時にバランス材に働く力の関係を示す概略平面図である。 低速回転時にバランス材に働く力の関係を示す概略平面図である。 ディスク回転数と磁界発生コイルへの通電期間の関係の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態のディスク駆動装置の概略構成を示す斜視図、図2はその要部構成を示す分解斜視図、図3は要部構成を示す断面図、図4は要部構成を示す平面図である。
図1に示すように、ディスク駆動装置Dは、図示しない筐体に、4つのダンパ(ゴム等の弾性支持脚)4を介して弾性支持されたトラバースメカ3を備えている。トラバースメカ3は、剛体であるシャーシ3a上に、情報記録媒体としての光ディスク1を回転駆動するスピンドルモータ5や光ディスク1に対して情報の書き込み及び/又は読み出しを行う光ピックアップユニット6を搭載したものであり、シャーシ3aがダンパ4によって弾性支持されていることにより、光ディスク1が回転することによる振動や外部からの振動を減衰することができるようになっている。
光ディスク1をセットするターンテーブル7は、図3に示すように、上向きに支持されたスピンドルモータ5の回転軸9の先端(上端)に取り付けられ、スピンドルモータ5は、シャーシ3aに固定された駆動コイル10と、駆動コイル10に対向する永久磁石11と、永久磁石11を支持すると共に回転軸9に一体に固定されたモータヨーク12とを有している。ターンテーブル7の上側には、図1に示すように、ターンテーブル7上にセットされた光ディスク1をターンテーブル7に対してチャッキングするクランパ2が設けられている。
光ピックアップユニット6は、光ディスク1の径方向に移動自在の光ピックアップや、光ピックアップを光ディスク1の半径方向に移動させる移動機構及び移動案内用のガイド機構等からなる。
ターンテーブル7の下側には、ターンテーブル7やスピンドルモータ5の回転軸9と一体に回転するように、図2及び図3に示すように、底壁30aと周側壁30bを有し上面が開放した円環形のケース体30が設けられている。このケース体30の内部には、スピンドルモータ5の回転軸9と同軸に環状レーン33が設けられており、ケース体30の内部には、この環状レーン33に沿って転動できるように、複数の鋼球8がバランス材として収容されている。
ケース体30及び複数の鋼球8はオートバランサ機構を構成しており、ケース体30が回転した際に、鋼球8はケース体30の周側壁30bの内面の転動面32上を周方向に転動する。そして、複数の鋼球8が同一半径上の経路(転動面32)に沿って周方向に移動することにより、複数の鋼球8よりなるバランス材全体の重心が回転体の軸線と直交する面内で移動し、偏重心を打ち消す作用をなす。ここで、回転体とは、スピンドルモータ5の回転軸9から光ディスク1までの一体回転するものを指す。
また、ケース体30の上側には、ケース体30と一体回転すると共に、ケース体30に対して所定角度範囲だけ相対回動可能かつ軸線方向(上下方向)移動可能に上蓋31が被せられており、図2に示すように、上蓋31とケース体30の間には、後述する傾斜溝41と突起40よりなるカム機構が設けられると共に、上蓋31がケース体30に対してケース体30の回転方向R1と同方向R1に相対回動するように付勢するスプリング(弾性体)43が設けられている。
この場合のカム機構は、上蓋31がケース体30に対しケース体30の回転方向R1と同方向R1に相対回動した際に、上蓋31を下降させ、それにより上蓋31の上壁31aを環状レーン33内の鋼球8に押圧させて、鋼球8の移動を拘束する役目を果たす。また、上蓋31がケース体30に対しケース体30の回転方向R1と逆方向R2に相対回動した際に、上蓋31を上昇させ、それにより上蓋31の鋼球8に対する押圧を解除して、鋼球8の自由な移動を許可する役目を果たす。
具体的には、ケース体30の周側壁30bの外面にピン状の突起40が設けられ、ケース体30の周側壁30bの外周面に対向する上蓋31の周側壁31bに、突起40とスライド自在に係合する傾斜溝41が設けられている。突起40と傾斜溝41は、ケース体30と上蓋31の周方向に間隔をおいて複数設けられており、各傾斜溝41は、周方向に延びると共に、ケース体30の回転方向R1の前端A側が下方に位置し回転方向R1の後端B側が上方に位置するように軸線方向に傾斜している。
そして、これら突起40と傾斜溝41の組み合わせによりカム機構が構成され、突起40と傾斜溝41の働きにより、上蓋31は、ケース体30に対してディスク回転方向R1と逆方向R2及び同方向R1に相対回動することにより上下動するようになっている。即ち、上蓋31がケース体30に対しケース体30の回転方向R1と同方向R1に相対回動して、傾斜溝41の後端Bに突起40が移動したとき、上蓋31がケース体30の底壁30aに対し接近する方向に下降することにより、上蓋31の上壁31aが鋼球8に押圧して、鋼球8の移動を拘束する。一方、上蓋31がケース体30に対しケース体30の回転方向R1と逆方向R2に相対回動して、傾斜溝41の前端Aに突起40が移動したとき、上蓋31がケース体30の底壁30aに対し離間する方向に上昇することにより、上蓋31の鋼球8に対する押圧が解除されて、鋼球8が自由に移動できる状態となる。
また、スプリング43は、上蓋31をケース体30に組み付けた状態で、一端が、上蓋31側に設けられたブラケット44に固定され、他端が、上蓋31のスリット45を通して上蓋31の上に突き出したケース体30側のブラケット42に固定されており、これにより、上蓋31をケース体30に対し、ケース体30の回転方向R1と同方向R1に回転付勢している。従って、上蓋31は、スプリング43によって常に下降側に付勢されており、自由状態において鋼球8を自由に移動しないように固定する設定となっている。
また、図1、図3、図4に示すように、上蓋31の周側壁31bに対向する外周側には、上蓋31に対し非接触で制動力を印加することができ、それにより、スプリング43の付勢力に抗して上蓋31を、回転するケース体30に対しケース体30の回転方向R1と逆方向R2に相対回動させ、上蓋31による鋼球8の拘束を解除する制動機構(後述する電磁石50)がバランス材の状態切替機構として設けられている。
この場合、上蓋31の少なくとも周側壁31bが渦電流発生域を構成するために導電性非磁性体(例えば、アルミニウムや銅等)で構成され、その外側に対向させて制動機構としての電磁石50が配置されている。電磁石50は、鉄心51と、磁界発生用コイル52とからなり、図1に示すように、トラバースメカ3のシャーシ3aに固定されており、磁界発生用コイル52に外部信号に基づいて直流電流を流すことにより、上蓋31の周側壁31bに磁界を作用させ、上蓋31の周側壁31bに生じる渦電流により、回転方向R1と逆方向R2の回転力(つまり制動力)が発生させることができ、それにより、上蓋31を上昇させて、上蓋31による鋼球8の拘束を解除し、鋼球8を自由に重心移動できる状態に保つ。
従って、電磁石50の通電を制御することにより、バランス材である鋼球8を重心移動可能な自由状態と重心移動不可能な拘束状態のいずれかの状態に選択的に切り替えることができる。
次に作用を説明する。
まず、バランス材である複数の鋼球8が移動を拘束されていないとき、回転に伴って鋼球8がどのように動くかについて説明する。
図5および図6は偏重心をともなった光ディスク1が回転した際の鋼球(バランス材)8が受ける力のベクトルを簡略化して示したものである。環状レーン33上には複数の鋼球8が収容されているが、この図では便宜上2個の鋼球8を示している。図中、9はスピンドルモータ5の回転軸、34はトラバースメカ3の振れ回り中心、35はトラバースメカ3の振れ回りによる遠心力、36はスピンドルモータ5の回転による遠心力、37は環状レーン33に沿った転動方向の分力を示している。
光ディスク1がダンパ4とトラバースメカ3による共振周波数(固有振動数のことであり、以下メカ共振周波数と記す)より高い回転数領域で回転している場合は、図5に示すように、光ディスク1に働く遠心力方向、即ち、偏重心方向とトラバースメカ3が振動する方向の位相がほぼ180度反転し、光ディスク偏重心方向に対し鋼球8が反対の位置に移動して回転体全体としてのバランスをとるように働き、光ディスク偏重心による振動を大幅に低減することができる。
偏重心をともなった光ディスク1を回転した場合、メカ共振周波数を上回る光ディスク回転数領域においてバランス材としての鋼球8が受ける力を示したものが図5であるが、トラバースメカ3が偏重心による振動により振れ回り運動を発生し、その回転中心である振れ回り中心34は、スピンドルモータ5の回転軸9より光ディスク偏重心方向に偏った位置に移動する。言い換えれば、メカ共振周波数を上回る光ディスク回転数領域においては、振れ回り中心位置を中心としてディスク偏重心方向とスピンドルモータ5の回転軸9の方向の位相はほぼ180度反転している。
図5に示すように、バランス材としての鋼球8にはスピンドルモータ5の回転軸9を中心とした遠心力36とトラバースメカ振れ回り中心34を中心とした遠心力35が働き、それぞれの力の合力として鋼球8が転動する方向への分力37が発生し、この力により光ディスク偏重心方向に対し180度反転した方向の位置へ鋼球8が移動する。
バランス材としての鋼球8がちょうど光ディスク偏重心方向と反対位置に移動したときにトラバースメカ振れ回りによる遠心力35とスピンドルモータ回転による遠心力36が同じ方向となることから、転動方向の分力37はゼロとなり、鋼球8の移動は完了し、光ディスクの偏重心を打ち消す。
一方、メカ共振周波数を下回る光ディスク回転数領域においてバランス材(鋼球8)が受ける力を示したものが図6であり、トラバースメカ3が偏重心による振動により振れ回り運動を発生し、その回転中心である振れ回り中心34は、スピンドルモータ5の回転軸9より光ディスク偏重心方向と反対方向に偏った位置に移動する。言い換えれば、メカ共振周波数を下回る光ディスク回転数領域においては、振れ回り中心位置を中心としてディスク偏重心方向とスピンドルモータ5の回転軸9の方向の位相はほぼ同一である。
図6に示すように、バランス材としての鋼球8にはスピンドルモータ5の回転軸9を中心とした遠心力36とトラバースメカ振れ回り中心34を中心とした遠心力35が働き、それぞれの力の合力として鋼球8が転動する方向への分力37が発生し、この力により光ディスク偏重心方向と同一の方向上の位置へ鋼球8が移動する。
バランス材としての鋼球8がちょうど光ディスク偏重心方向と同一方向の位置に移動したときにトラバースメカ振れ回りによる遠心力35とスピンドルモータ回転による遠心力36が同じ方向となることから、転動方向の分力37はゼロとなり、鋼球8の移動は完了するが、この場合すなわちメカ共振周波数を下回る光ディスク回転数領域においては、偏重心方向と鋼球8が移動し安定する方向が、ディスク回転軸(スピンドルモータ5の回転軸9)に対して同一方向となるために、偏重心がより悪化する結果となり、オートバランサ機構を搭載しない場合よりも偏重心による振動が大きくなるという不都合がある。
この点、本実施形態のディスク駆動装置Dでは、バランス材である鋼球8の移動を任意に拘束したり拘束を解除したりすることができるので、前述の不都合を生じないようにすることができる。
即ち、まず、光ディスク1が回転していない状態のときは、電磁石50に通電しない状態を保つ。この状態のとき、スプリング43の働きにより上蓋31が下降しているので、下降した上蓋31に押圧されることで、バランス材としての鋼球8は移動できない状態に保たれている。そして、この状態で光ディスク1の回転を開始することで、鋼球8を固定した状態のまま、ケース体30と上蓋31を一体に回転させることができる。従って、非回転時及びディスク起動加速時の鋼球8の移動による騒音を防ぐことができる。
次に、一旦回転体の固有振動数(メカ共振周波数)よりも高い回転数まで光ディスク1を回転させて、その状態で電磁石50に直流電流を通電する。そうすると、上蓋31の周側壁31bに渦電流が発生し、上蓋31にスプリング43の付勢力に抗した制動力がかかり、上蓋31がケース体30に対してケース体30の回転方向R1と逆方向R2に相対回動する。そして、これにより、上蓋31が上昇して、上蓋31による鋼球8への押圧が解除され、鋼球8が自由に動ける状態となる。従って、鋼球8は、図5に示すように、遠心力の作用により回転体のアンバランスを補正する位置に移動し、振動を抑制する働きをなす。
鋼球8が回転体のアンバランスを打ち消す位置に移動したら、その状態で電磁石50への通電を中止する。そうすると、上蓋31に対する制動力が無くなることで、上蓋31がスプリング43の付勢力により、ケース体30に対してケース体30の回転方向R1と同方向R1に相対回動する。そして、これにより、上蓋31が下降して鋼球8を押圧し、鋼球8をアンバランスを補正する位置のままに固定する。
その後は、すべての回転領域でアンバランスは打ち消されており、固有振動数より低い回転数においても、光ディスク1のアンバランスによる振動を抑えた安定回転を実現することができる。しかも、一度バランス材としての鋼球8を偏重心打ち消し位置に固定した後は、新たに光ディスク1を再チャッキングしない限り、その固定した状態を保っておくことができるため、バランス材の無用な移動を無くすことができ、バランス材による無用な騒音の発生を無くすことができる。その結果、車載に適した製品の実現に寄与することができる。また、バランス材を移動自由な状態にするか移動不可能な状態にするかは、電磁石50の通電制御により任意に選択できるので、難しい設定が不要であり、実現が容易である。
また、本実施形態のディスク駆動装置は、通常のディスク駆動装置に、バランス材である鋼球8を収容したケース体30、上蓋31、カム機構(突起40と傾斜溝41)、スプリング43、電磁石50を追加するだけで構成できるので、安価かつ簡単に改良することができる。
図7は、ディスク回転数と磁界発生コイルへの通電期間の関係の一例を示している。
一般に、商品として販売されている多くのパソコン周辺機器用記録再生ドライブ装置やビデオディスクレコーダに使用されている記録再生ドライブ装置(ディスク駆動装置)は、光ディスク回転数を高速且つ一定に保ち記録再生を行うCAV(等角速度)制御を行っている。
また、光ディスク回転による風切り音などの騒音の発生を押さえる場合は、データ転送速度は遅くなるが、CLV(等線速度)制御により記録再生を行う場合もあり、その場合は図7にも示すように、時間経過と共に光ディスク外周に進むにつれて徐々に回転数を低くしている。
図7に示した光ディスクの回転数変化において、メカ共振周波数を超える回転数に加速した後に電磁石50の磁界発生用コイル52へ短時間直流電流を通電しバランス材としての鋼球8の固定を解除し、ディスク偏重心が打ち消される位置へバランス材を転動させ、その後速やかに通電を終了し、バランス材を偏重心を打ち消す位置で固定する。その後はいかなる回転数においても、バランス材の固定を解除する必要はなく、常に振動が抑制された安定したディスク回転を維持することができる。
また、光ディスク1が載置されていない時に、スピンドルモータ5をメカ共振周波数を超える回転数で回転させ、電磁石50の磁界発生用コイル52に通電し、光ディスク1がない状態でのバランスがとれる位置にバランス材を移動させた後に通電を解除し、バランス材を固定しておくことにより、新たなディスクを載置した後の初回起動時にもディスク以外の回転バランスが取られた状態で回転を開始することができるため、従来のオートバランサ機構(バランス材の移動を任意に拘束する機能のないもの)のように、メカ共振周波数を超えるまでアンバランスな状態で回転を開始することがない。
なお、前記実施形態では、バランス材が複数の鋼球8により構成されている場合を示したが、遠心力により偏重心を補正する位置に重心移動するものであれば、どのようなバランス材を使用してもよい。
また、バランス材の状態切替機構として設ける制動機構についても、電磁石50以外のものを使用することも可能である。
1 光ディスク
3 トラバースメカ
4 ダンパ
5 スピンドルモータ
6 光ピックアップユニット
7 ターンテーブル
8 鋼球(バランス材)
9 スピンドルモータ回転軸
30 ケース体
30a 底壁
30b 周側壁
31 上蓋
33 環状レーン
40 突起(カム機構)
41 傾斜溝(カム機構)
43 スプリング
50 電磁石(制動機構、バランス材の状態切替機構)

Claims (4)

  1. ターンテーブルにセットされた情報記録媒体としてのディスクを回転駆動するスピンドルモータ及び前記ディスクに対して情報の書き込み及び/又は読み出しを行うピックアップユニットを搭載し、ダンパを介して筐体に弾性支持されたトラバースメカと、
    前記ターンテーブルと一体回転すると共に回転体の軸線と直交する面内で重心移動自在に設けられ、前記回転体の回転数が前記トラバースメカの固有振動数を超えた際に回転体の振動を抑える位置に遠心力により重心移動するバランス材と、
    外部からの操作により前記バランス材を重心移動可能な自由状態と重心移動不可能な拘束状態のいずれかの状態に選択的に切り替えるバランス材の状態切替機構と、を具備することを特徴とするディスク駆動装置。
  2. 前記ターンテーブルと一体回転するように、底壁と周側壁を有し上面が開放した円環形のケース体が設けられ、
    前記ケース体の内部に前記スピンドルモータの回転軸と同軸に環状レーンが設けられ、
    前記ケース体の内部に、前記環状レーンに沿って転動可能な複数の鋼球が前記バランス材として収容され、
    前記ケース体の上側に、ケース体と一体回転すると共にケース体に対して所定角度範囲だけ相対回動可能かつ軸線方向移動可能に上蓋が被せられ、
    前記上蓋とケース体の間に、上蓋がケース体に対しケース体の回転方向と同方向に相対回動した際に上蓋を下降させることにより上蓋の上壁を前記鋼球に押圧させて鋼球の移動を拘束し、一方、上蓋がケース体に対しケース体の回転方向と逆方向に相対回動した際に上蓋を上昇させることにより上蓋の前記球に対する押圧を解除して鋼球の自由な移動を許可するカム機構が設けられ、
    更に前記上蓋とケース体の間に、上蓋がケース体に対しケース体の回転方向と同方向に相対回動するよう付勢するスプリングが設けられ、
    前記上蓋の外側に、上蓋に対し非接触で制動力を印加することで、前記スプリングの付勢力に抗して前記上蓋を、回転するケース体に対しケース体の回転方向と逆方向に相対回動させ、それにより前記上蓋による鋼球の拘束を解除する制動機構が前記バランス材の状態切替機構として設けられていることを特徴とする請求項1に記載のディスク駆動装置。
  3. 前記カム機構として、前記ケース体の周側壁とそれに対向する前記上蓋の周側壁の一方に、周方向に延びると共に軸線方向に傾斜した傾斜溝が設けられ、他方に、前記傾斜溝にスライド自在に係合する突起が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のディスク駆動装置。
  4. 前記上蓋に導電性非磁性体よりなる渦電流発生域が設けられ、それに対向する外部位置に前記制動機構としての電磁石が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のディスク駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109899254A (zh) * 2019-03-11 2019-06-18 卢奕彰 重力联动装置

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CN109899254A (zh) * 2019-03-11 2019-06-18 卢奕彰 重力联动装置

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