JP2013007672A - センサ付き転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部でノイズ磁場が発生する場合でも、ノイズ磁場の悪影響を受けにくく、回転輪の回転状態を高精度で測定することが可能なセンサ付き転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】深溝玉軸受10は、回転輪である内輪1の回転状態を測定するセンサ20を備えている。センサ20は、内輪1と一体に回転可能に内輪1に取り付けられた環状磁石であるエンコーダ22と、エンコーダ22とセンサギャップを空けて対向するように固定輪である外輪2に取り付けられた磁気検出素子24と、環状磁石であるエンコーダ22から生じる磁場のうちノイズ磁場であるラジアル方向磁場を磁気検出素子24から遮断する磁気シールド28と、を備えている。磁気シールド28は、磁気検出素子24の周方向両側に隙間を空けて対向するように設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、軌道輪の回転状態を測定するセンサを備える転がり軸受装置に関する。
従来、回転輪の回転状態(例えば回転速度、回転方向、回転角度)を測定する磁気センサを備えた転がり軸受が知られている。このようなセンサ付き転がり軸受においては、検出すべき磁場以外の磁場(以下「ノイズ磁場」と記すこともある)を磁気センサが検出してしまい、回転輪の回転状態の測定結果に誤差が生じるおそれがあった。そのため、ノイズ磁場を磁気センサから遮断して、磁気センサへの悪影響を低減するセンサ付き転がり軸受が提案されている。
例えば特許文献1には、磁気経路を形成する磁性リングを備えたセンサ付き転がり軸受が開示されている。モータ等から発生する漏洩磁場は、最も磁気抵抗の小さい磁性リングを流れることになるため、この漏洩磁場が磁気センサに与える悪影響が抑制される。
特開2002−174258号公報
しかしながら、特許文献1に開示のセンサ付き転がり軸受は、外部磁場を遮断するものであるため、センサ付き転がり軸受の内部でノイズ磁場が発生する場合には、十分な効果が得られないおそれがあった。
例えば、回転輪に取り付けられた環状磁石と、固定輪(非回転輪)に取り付けられた磁気検出素子とをセンサギャップを空けて対向させて磁気センサを構成したセンサ付き転がり軸受においては、環状磁石のS極とN極との境界部分又はその近傍に磁気検出素子が位置している際には、磁気検出素子がノイズ磁場を検出してしまうおそれがあった。
すなわち、環状磁石のS極とN極との境界部分には、図6に示すように、環状磁石の周方向に沿う検出方向磁場と、環状磁石の径方向外方側に弓状に延びるラジアル方向磁場とが発生している。よって、磁気検出素子の位置が前記境界部分に近いほど、ノイズ磁場であるラジアル方向磁場を検出しやすいので、回転輪の回転状態の測定結果に誤差が生じるおそれがあった。例えば、磁気検出素子がパルス信号を出力する場合はピッチ、デューティ比等、アナログ信号を出力する場合はピッチ、振幅、オフセット等に誤差が生じるおそれがあった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、内部でノイズ磁場が発生する場合でも、ノイズ磁場の悪影響を受けにくく、回転輪の回転状態を高精度で測定することが可能なセンサ付き転がり軸受装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の態様は次のような構成からなる。すなわち、本発明の一態様に係るセンサ付き転がり軸受装置は、回転可能な回転輪と、前記回転輪を回転可能に支持する固定輪と、前記回転輪が有する軌道面と前記固定輪が有する軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体と、前記回転輪の回転状態を測定するセンサと、を備え、以下の4つの条件を満足する。
条件A:前記センサは、前記回転輪と一体に回転可能に前記回転輪に取り付けられた被検出部と、前記被検出部とセンサギャップを空けて対向するように前記固定輪に取り付けられた検出部と、を有し、前記回転輪の回転に伴う前記被検出部の回転状態を前記検出部によって測定するようになっている。
条件B:前記被検出部は環状磁石である。
条件C:前記検出部は、磁気検出素子、又は、磁気検出素子及び該磁気検出素子からの出力信号を増幅する増幅器を備える磁気検出器である。
条件D:前記環状磁石から生じる磁場のうち、前記環状磁石の周方向に沿う方向の磁場以外の磁場を前記検出部から遮断する磁気シールドを、前記検出部の周方向両側の少なくとも一方に対向するように設けた。
このようなセンサ付き転がり軸受装置においては、複数個の前記検出部を周方向間隔を空けて前記固定輪に配することができる。そして、2個の前記検出部を周方向に並べて隣接させ、これら2個の前記検出部の間に前記磁気シールドを設けてもよいし、2個の前記検出部を電気角90°又は180°の位相差を設けて前記固定輪に配してもよい。
また、磁気シールドは軟磁性体で構成することが好ましい。軟磁性体としてはパーマロイ、電磁軟鉄、又はケイ素鋼が好ましい。
さらに、前記磁気検出素子は磁気抵抗効果素子又はホール素子とすることができる。さらに、前記磁気検出素子は、前記回転状態を示すパルス信号を出力するものでもよいし、前記回転状態を示すアナログ信号を出力するものでもよい。
さらに、前記検出部と前記被検出部とをセンサギャップを空けてアキシアル対向させてもよいし、ラジアル対向させてもよい。
さらに、前記環状磁石は、周方向にS極とN極の2極に着磁した2極着磁としてもよいし、周方向にS極とN極を交互に4極以上着磁した多極着磁としてもよい。
本発明のセンサ付き転がり軸受装置は、環状磁石から生じる磁場のうち、環状磁石の周方向に沿う方向の磁場以外の磁場を検出部から遮断する磁気シールドを、検出部の周方向両側の少なくとも一方に対向するように設けたので、内部でノイズ磁場が発生する場合でも、ノイズ磁場の悪影響を受けにくく、回転輪の回転状態を高精度で測定することが可能である。
本発明に係るセンサ付き転がり軸受装置の一実施形態の構造を示す斜視図である。 図1のセンサ付き転がり軸受装置の分解斜視図である。 磁気検出素子と磁気シールドの配置を説明する図である。 本実施形態の変形例を示す、磁気検出素子と磁気シールドの配置を説明する図である。 本実施形態の別の変形例を示す、磁気検出素子と磁気シールドの配置を説明する図である。 環状磁石から生じるノイズ磁場を説明する図である。
本発明に係るセンサ付き転がり軸受装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係るセンサ付き転がり軸受装置の一実施形態の構造を示す斜視図であり、図2は、図1のセンサ付き転がり軸受装置の分解斜視図である。また、図3は、図1のセンサ付き転がり軸受装置に備えられた磁気検出素子と磁気シールドの配置を説明する図である。
本実施形態の深溝玉軸受10は、外周面に軌道面を有する内輪1と、内輪1の軌道面に対向する軌道面を内周面に有する外輪2と、内輪1の軌道面と外輪2の軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体(玉)3と、内輪1及び外輪2の間に転動体3を保持する保持器(図示せず)と、を備えている。なお、保持器は備えていなくてもよい。また、内輪1の外周面及び外輪2の内周面の間に形成された軸受内部空間に、潤滑剤(例えば潤滑油,グリース)を封入してもよい。
この深溝玉軸受10は、内輪1の内周面を例えば回転シャフト(図示せず)に嵌合して回転可能な回転輪とし、外輪2の外周面を例えば軸受ハウジング(図示せず)に固定して、回転輪である内輪1を回転可能に支持する固定輪(すなわち非回転輪)とすることができる。すなわち、深溝玉軸受10を、図示しない回転シャフトと軸受ハウジングとの間に介装すれば、軸受ハウジングに対して回転シャフトを回転可能に支持することができる。ただし、これとは逆に、内輪1を固定輪とし、外輪2を回転輪としてもよいことは勿論である。
そして、内輪1及び外輪2の間の隙間の開口を覆う図示しない密封装置(接触式、非接触式いずれでもよく、例えば鋼製のシールドやゴムシールがあげられる)が、深溝玉軸受10の軸方向(軸受中心軸方向)の一方の端部のみに備えられており、他方の端部には、回転輪である内輪1の回転の状態(例えば回転速度、回転方向、回転角度)を測定するセンサ20が取り付けられている。
次に、センサ20の構成について説明する。センサ20は、回転輪である内輪1と一体に回転可能に内輪1に取り付けられた被検出部22と、被検出部22とセンサギャップを空けて対向するように固定輪である外輪2に取り付けられた検出部24と、を有している。そして、内輪1の回転に伴って内輪1と同一の回転状態で回転する被検出部22の回転の状態を、検出部24によって測定できるようになっている。
センサ20としては、磁気状態の変化(磁場の強弱や向き(具体的には、磁束密度の変動)など)を検知する磁気センサが使用されている。そして、この磁気センサの被検出部22として、2極以上に着磁された環状の磁石(以下、「エンコーダ22」と記す)を適用するとともに、検出部24として、磁気状態の変化(例えば磁束密度の変動)を検出する磁気検出素子(以下、「磁気検出素子24」と記す)を適用している。
ここで、磁気検出素子24とエンコーダ22について、さらに説明する。本実施形態においては、センサ20は2個の磁気検出素子24を備えている。そして、図3に示すように、2個の磁気検出素子24は、エンコーダ22の周方向に間隔を空けて並べて隣接されている。
磁気検出素子としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗効果素子(MR素子)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)等が使用可能である。これらの中でもホール素子は安価であるため、センサ付き転がり軸受装置を低コストで製造することができる。また、磁気抵抗効果素子は高感度であるので、高感度のセンサ付き転がり軸受装置を得ることができる。
ただし、磁気検出素子24の代わりに磁気検出器を用いてもよい。磁気検出器は、磁気検出素子と、該磁気検出素子からの出力信号を増幅する増幅器と、を備えている。磁気検出素子からの出力信号の磁束に対する変化量は小さいので、磁気検出器は磁気検出素子からの出力信号を増幅器で増幅し、増幅された信号を出力するようになっている。増幅器としては、例えばオペアンプ(operational amplifier )が使用される。
一方、エンコーダ22に着磁させる磁極数は、内輪1の回転速度や磁気検出素子24の検出精度などに応じて任意に設定すればよく、例えば、エンコーダ22の周方向半分の円周面がS極に着磁され、残り半分の円周面がN極に着磁された2極着磁としてもよい。2極着磁とすることにより、回転輪の絶対回転角度をセンサ20で測定することが可能である。
ただし、着磁させた磁極数が多いほど磁気検出素子24において磁気状態の変化を検出し易くなり、深溝玉軸受10の回転状態(例えば回転速度、回転方向、回転角度)の測定精度を高めることができるため、周方向にS極とN極を交互に4極以上着磁した多極着磁とすることが好ましい。例えば、エンコーダ22は、その円周面(磁極面)に、N極とS極とを交互に50個ずつ一定のピッチで周方向に着磁させた合計100極の磁極を有する環状磁石とすることができる。多極着磁とした場合は、多周期のパルス信号やアナログ信号を得ることができる。また、多極着磁とした場合は、絶対回転角度位置を算出することはできないが、相対回転角度位置を正確に算出することができる。
さらに、センサ20には、所定の回路が配線された基板30(以下、「回路基板30」と記す) が設けられており、回路基板30によって磁気検出素子24に所定の電源装置(図示せず) から電力が供給されるとともに、磁気検出素子24から出力された信号(エンコーダ22の回転状態を示す電気信号) が所定の信号処理部(図示せず) に送信されるセンサ構造となっている。
この場合、磁気検出素子24や信号処理部は、回路基板30に直接接続させてもよいし、信号ケーブル(図示せず) などを介して接続させてもよい。本実施形態においては、円環状の回路基板30に磁気検出素子24が直接接続されている。図2においては磁気検出素子24は図示されていないが、回路基板30の軸方向両端面のうちエンコーダ22に対向する側の端面(図2においては、下方を向く面)に、磁気検出素子24が接続されている。
さらに、センサ20は磁気シールド28を備えている。前述したように、環状磁石のS極とN極との境界部分には、環状磁石の周方向に沿う検出方向磁場と、環状磁石の径方向外方側に弓状に延びるラジアル方向磁場とが発生している。この磁気シールド28は、環状磁石であるエンコーダ22から生じる磁場のうち、エンコーダ22の周方向に沿う方向の磁場以外の磁場、すなわちノイズ磁場であるラジアル方向磁場を磁気検出素子24から遮断するためのものである。
この磁気シールド28は略板状をなしており、回路基板30から軸方向に突出している。そして、磁気シールド28は、図3に示すように、磁気検出素子24の周方向両側に隙間を空けて対向するように設けられていて(すなわち、磁気検出素子24は周方向両側を磁気シールド28で挟まれている)、磁気検出素子24の周方向側面は磁気シールド28の板面で囲まれている。本実施形態においては、図3に示すように、2個の磁気検出素子24が周方向に間隔を空けて並べて隣接されているので、これら2個の磁気検出素子24の間には、1個の磁気シールド28を配すれば十分であり、この1個の磁気シールド28により、2個の磁気検出素子24の周方向片側面が囲まれている。
本実施形態の深溝玉軸受10において、エンコーダ22は、内輪1に固定されて、内輪1とともに回転している。図2に示す構成においては、一例として、エンコーダ22が、磁性材料製の磁石ホルダ32に、例えば接着、溶接等の慣用の固着手段により固定されており、この磁石ホルダ32を内輪1に取り付けることにより、エンコーダ22が内輪1に対して固定されている。
なお、磁石ホルダ32は円環状をなし、外輪2、転動体3、保持器、及び後述するセンサカバー26と接触しないように、その内径部が内輪1に固定されている。これにより、エンコーダ22は、磁気検出素子24と対向した状態で、外輪2、転動体3、及び保持器のいずれとも接触することなく、内輪1と同一の回転状態で内輪1とともに回転することができる。
一方、磁気検出素子24は、軸方向のセンサギャップを空けてエンコーダ22と対向するように、回路基板30と接続された状態で略環状のセンサカバー26に保持されており、センサカバー26を外輪2の軸方向端部に取り付けることで、外輪2に対して固定されている。センサカバー26は、その外径部が外輪2に固定され、深溝玉軸受10が回転シャフトに取り付けられた際にはセンサカバー26の内径部の先端と回転シャフトの外周面との間に所定の隙間が生じるように構成されている。
なお、図1,2に示す例では、磁気検出素子24の軸方向端面とエンコーダ22の軸方向端面(磁極面) とが軸方向のセンサギャップを空けてアキシアル対向するように、磁気検出素子24がエンコーダ22に対して位置付けられている。アキシアル対向とすることにより、センサ付き転がり軸受装置の径方向の寸法を小さくすることができる。ただし、磁気検出素子24とエンコーダ22の相対的な位置関係は、磁気検出素子24の素子配設面とエンコーダ22の磁極面とが対向していれば、図1に示す相対位置に限定されるものではない。
例えば、磁気検出素子24の径方向内方の面とエンコーダ22の外周面とを径方向のセンサギャップを空けてラジアル対向させてもよいし、磁気検出素子24の径方向外方の面とエンコーダ22の内周面とを径方向のセンサギャップを空けてラジアル対向させてもよい。これらの場合には、相互の対向面である磁気検出素子24の径方向内方の面又は径方向外方の面を素子配設面として構成するとともに、エンコーダ22の外周面又は内周面を磁極面として構成すればよい。ラジアル対向とすることにより、センサ付き転がり軸受装置の軸方向の寸法を小さくすることができる。
エンコーダ22と磁気検出素子24を、前述したように内輪1及び外輪2に対して位置付けることで、エンコーダ22が磁気検出素子24と対向した状態、具体的には、エンコーダ22の軸方向端面(磁極面) が磁気検出素子24の軸方向端面(素子配設面) と対向した状態で、内輪1とともに回転する構造とすることができる。
すなわち、深溝玉軸受10において、内輪1が回転すると、これとともに磁石ホルダ30及びエンコーダ22も回転し、磁気検出素子24に対する磁極(N極及びS極) の位置が交互に連続して変化する。このとき、磁気検出素子24を通過する磁束(より具体的には、磁束の磁束密度や磁束の向き) が連続的に変化し、かかる変化を磁気検出素子24により検出することで、エンコーダ22の位置や角度などの情報を得ることができる。
そして、磁気検出素子24によって検出された磁束の変化を回路基板30で電気信 号に変換するとともに、当該電気信号(データ) を信号処理部(図示せず) に送信し、当該信号処理部において、単位時間当たりのエンコーダ22の位置や角度などの変動量を演算処理することで、深溝玉軸受10(具体的には、エンコーダ22が固定された内輪1) の回転状態を測定することが可能となる。
このような本実施形態の深溝玉軸受10は、磁気シールド28を備えているので、エンコーダ22から生じる磁場のうち、エンコーダ22の周方向に沿う方向の磁場以外の磁場、すなわちノイズ磁場であるラジアル方向磁場が磁気検出素子24から遮断される。その結果、エンコーダ22の周方向に沿う検出方向磁場が磁気検出素子24によって検出され、ラジアル方向磁場が磁気検出素子24に検出されることはほとんどない。よって、センサ20の内部でノイズ磁場が発生しても、ノイズ磁場の悪影響を受けにくく、磁気検出素子24の検出感度が高まるとともに、出力信号の誤差が小さくなる。したがって、回転輪の回転状態を高精度で測定することが可能である。
磁気シールド28の形状、大きさ、厚さ等は、ノイズ磁場であるラジアル方向磁場を磁気検出素子24から遮断することが可能であれば特に限定されるものではないが、形状は板状が好ましく、大きさは磁気検出素子24の周方向側面と同一又は周方向側面よりも大きいことが好ましい。
また、磁気検出素子24の周方向片側に磁気シールド28を設ければ、ノイズ磁場を磁気検出素子24から遮断することが可能であるが、磁気検出素子24の周方向両側に磁気シールド28を設ける方が、すなわち、磁気検出素子24を周方向両側から磁気シールド28で挟んだ方が、ノイズ磁場であるラジアル方向磁場を磁気検出素子24から遮断する効果が高い。
さらに、磁気シールド28の材質は、ノイズ磁場を磁気検出素子24から遮断することが可能であれば特に限定されるものではないが、ヒステリシスが小さくノイズ磁場を遮断する効果が高いことから、パーマロイ、電磁軟鉄、ケイ素鋼等の軟磁性体が好ましい。そして、上記の軟磁性体の中では、ヒステリシスが特に小さいことから、パーマロイがより好ましい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、磁気検出素子24の数が2個である場合を例示して説明したが、センサ20に設ける磁気検出素子24の数は、深溝玉軸受10の回転状態の測定に対して要求される精度などに応じて任意に設定すればよい。すなわち、センサ20は、1個の磁気検出素子24で深溝玉軸受10の回転状態を測定する構成であってもよいし、2個以上の磁気検出素子24で深溝玉軸受10の回転状態を測定する構成であってもよい。
センサ20に設ける磁気検出素子24の数が2個以上である場合は、その周方向位置を考慮することが望ましい。例えば、2個の磁気検出素子24をセンサ20に設けた場合は、前述したように、2個の磁気検出素子24を周方向に並べて隣接させてもよいが(すなわち、小さな周方向間隔を空けて配してもよいが)、大きな周方向間隔を空けて配してもよい。例えば、2個の磁気検出素子24は、磁気状態の変化を検出するタイミングにおいて、その電気角(信号正弦波の1周期を360°とした場合の位相) を例えば90°又は180°ずらして(90°又は180°の位相差を設けて) 位置付けられるように、回路基板30に対して接続してもよい。
図4に示すように、電気角90°の位相差を設けると、磁気検出素子24がアナログ信号を出力する場合には、2個の磁気検出素子24からの出力信号が90°の位相差で得られるので、回転輪の回転角度を算出することができる。また、図5に示すように、電気角180°の位相差を設けると、差動出力が得られるので、ノイズに強い出力信号を得ることができる。
また、例えば、3個の磁気検出素子24をセンサ20に設けた場合は、当該3個の磁気検出素子24は、その電気角を例えば120°ずらして(120°の位相差を設けて) 位置付けられるように、回路基板30に対して接続してもよい。さらに、例えば、4個の磁気検出素子24をセンサ20に設けた場合は、当該4個の磁気検出素子24は、その電気角を例えば90°ずらして(90°の位相差を設けて) 位置付けられるように、回路基板30に対して接続してもよい。
これにより、かかる位相差を考慮して各磁気検出素子24における磁気変化の検出結果を比較することで、より正確に深溝玉軸受10(具体的には、内輪1及びエンコーダ22) の回転状態を測定することができる。
さらに、磁気検出素子24は、パルス信号を出力するタイプのものでもよいし、アナログ信号を出力するタイプのものでもよい。パルス信号を出力するタイプの場合は、エンコーダとして適用することができる。また、アナログ信号を出力するタイプの場合は、回転輪の回転角度を測定することができる。
さらに、本実施形態においては、センサカバー26の材質について特段の説明はしなかったが、エンコーダ22が回転する際に生じる磁気状態の変化に影響を及ぼすことのない材料(例えば、樹脂等の非金属材料や、非磁性の金属材料や、磁性材を非磁性材でコーティングしたもの等) で構成することが好ましい。また、センサカバー26の材質を磁性の金属材料とすれば、センサカバー26が磁気シールドとしての機能を有することとなる。その結果、センサ20の外部の磁場を遮断し、センサ20が外部磁場の影響を受けることを抑制することができる。すなわち、エンコーダ22の回転以外の要因により磁気状態が変化することを抑制し、エンコーダ22の回転による磁気状態の変化のみを磁気検出素子24で検出することができる。その結果、磁気検出素子24において磁気状態の変化を正確且つ確実に検出し易くなり、内輪2の回転状態の計測精度を高めることができる。
さらに、本実施形態においては、転がり軸受の例として深溝玉軸受をあげて説明したが、本発明は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,自動調心ころ軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
1 内輪
2 外輪
3 転動体
10 深溝玉軸受
20 センサ
22 エンコーダ
24 磁気検出素子
26 センサカバー
28 磁気シールド
32 磁石ホルダ

Claims (14)

  1. 回転可能な回転輪と、前記回転輪を回転可能に支持する固定輪と、前記回転輪が有する軌道面と前記固定輪が有する軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体と、前記回転輪の回転状態を測定するセンサと、を備え、以下の4つの条件を満足することを特徴とするセンサ付き転がり軸受装置。
    条件A:前記センサは、前記回転輪と一体に回転可能に前記回転輪に取り付けられた被検出部と、前記被検出部とセンサギャップを空けて対向するように前記固定輪に取り付けられた検出部と、を有し、前記回転輪の回転に伴う前記被検出部の回転状態を前記検出部によって測定するようになっている。
    条件B:前記被検出部は環状磁石である。
    条件C:前記検出部は、磁気検出素子、又は、磁気検出素子及び該磁気検出素子からの出力信号を増幅する増幅器を備える磁気検出器である。
    条件D:前記環状磁石から生じる磁場のうち、前記環状磁石の周方向に沿う方向の磁場以外の磁場を前記検出部から遮断する磁気シールドを、前記検出部の周方向両側の少なくとも一方に対向するように設けた。
  2. 複数個の前記検出部を周方向間隔を空けて前記固定輪に配したことを特徴とする請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  3. 2個の前記検出部を周方向に並べて隣接させ、これら2個の前記検出部の間に前記磁気シールドを設けたことを特徴とする請求項2に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  4. 2個の前記検出部を電気角90°又は180°の位相差を設けて前記固定輪に配したことを特徴とする請求項2に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  5. 前記磁気シールドを軟磁性体で構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  6. 前記軟磁性体がパーマロイ、電磁軟鉄、又はケイ素鋼であることを特徴とする請求項5に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  7. 前記磁気検出素子が磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  8. 前記磁気検出素子がホール素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  9. 前記磁気検出素子は、前記回転状態を示すパルス信号を出力することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  10. 前記磁気検出素子は、前記回転状態を示すアナログ信号を出力することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  11. 前記検出部と前記被検出部とをセンサギャップを空けてアキシアル対向させたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  12. 前記検出部と前記被検出部とをセンサギャップを空けてラジアル対向させたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  13. 前記環状磁石は、周方向にS極とN極の2極に着磁した2極着磁であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  14. 前記環状磁石は、周方向にS極とN極を交互に4極以上着磁した多極着磁であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
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