JP2009216689A - 転がり軸受回転異常検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受の初期異常を、転がり軸受を駆動しながら、非接触で求めることを可能にする。
【解決手段】転がり軸受を形成するコロまたは玉1と保持器10によって確保されるコロまたは玉1間の溝2に着目し、この磁気抵抗の差を求めることで、コロまたは玉1の位置または速度を検知し、この情報を解析することで転がり軸受の異常を予知する。磁気を用いた計測方式のため、水蒸気とか油の浮遊するような悪環境でも、高分解能の位置検出が可能となる。この結果、大きなトラブルが発生する前に、転がり軸受等の交換が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】転がり軸受を形成するコロまたは玉1と保持器10によって確保されるコロまたは玉1間の溝2に着目し、この磁気抵抗の差を求めることで、コロまたは玉1の位置または速度を検知し、この情報を解析することで転がり軸受の異常を予知する。磁気を用いた計測方式のため、水蒸気とか油の浮遊するような悪環境でも、高分解能の位置検出が可能となる。この結果、大きなトラブルが発生する前に、転がり軸受等の交換が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明はコロまたは玉(1)と溝(2)との磁気抵抗変化に着目した、転がり軸受(13)の回転異常検出器に関する。
転がり軸受(13)は、自動車・飛行機・原子力とかファクトリーオートメーション等の産業分野において欠かせない機械要素である。
過負荷とか、潤滑油の不足とか異常な温度上昇によって、転がり軸受(13)の転動部に剥離等の異常が発生することが有った。
これらの異常は初期に発見されないと、機械全体の破損に繋がり、重大な事故となる可能性がある。
これらの異常は初期に発見されないと、機械全体の破損に繋がり、重大な事故となる可能性がある。
しかし、これ等のコロまたは玉(1)は自転しながら公転しており、また潤滑油等が付着しているため傷等の発見が困難であり、従来は動作時に発生する異常音を捉まえることで転がり軸受(13)の異常予知を行ってきた。
特許公開2007−78707 特許公開平05−196478 特許公開昭61−137001 「旭化成エレトロニクス/ホームページ/磁気センサ/ホール素子」 http://www.asahi−kasei.co.jp/ake/jp/product/hall/index.html 「リベックス/ホームページ/ラインレゾルバ」 http://www.levex.co.jp
従来から用いられてきた転がり軸受(13)の異常音から損傷状況を把握する方法では、当該の転がり軸受(13)以外の場所から発生した異常音との分離が難しく転がり軸受(13)の異常を正確に捉まえることが出来なかった。
転がり軸受(13)の回転状態を、光学式回転位置検出器を用いて計測を試みても振動、油等の存在する悪環境では計測が困難であった。
転がり軸受(13)の回転状態を潤滑油等の多い悪環境で計測するには、これ等に影響されない磁気の変化を捉えることが効果的であり、ここでは、コロまたは玉(1)と溝(2)によって生ずる磁気抵抗の差に着目した。
磁性体(1)と溝(2)の組合せで得られる被検出部に対し、外輪(12)または内輪(11)の内側面に平行してセンサヘッド(9)を配置する。
磁性体(1)と溝(2)の組合せで得られる被検出部に対し、外輪(12)または内輪(11)の内側面に平行してセンサヘッド(9)を配置する。
センサヘッド(9)内には、円周方向に4個の磁気センサ(3)でブリッジ(4)を組み、このブリッジを4組用意し、このブリッジ(4)に平行して磁石(5)を配置し、コロまたは玉(1)と溝(2)で形成されるピッチ(P)に対し、この組合せはそれぞれ1/4ピッチ毎に配置し、1番目と3番目のブリッジ(4)にsinωtに相当する入力信号を入れ、2番目と4番目のブリッジ(4)に90°位相したcosωtに相当する入力信号を入れる。
ブリッジの他の1対の頂角より出力信号(7)を取り出し、この出力信号(7)を三角関数の加法定理に従って加算して、加法出力信号(8)=K×sin(ωt−2×π×X/P)を形成し、入力信号(6)=sinωtとの位相差2×π×X/Pを計測することで、コロまたは玉(1)と溝(2)の位置および速度の異常な動きを検出することで、転がり軸受(13)の回転異常を求めることが出来る。
図1に基本的な構成を示す。
本発明は重要な機械要素である転がり軸受(13)の初期異常を、転がり軸受(13)を駆動しながら、非接触で求めることを可能にするものである。
従来は、動作時の異音等を解析して転がり軸受(13)の異常を求めていたが、他の機構物を通して音が伝わることがあり、コロまたは玉(1)と溝(2)の位置および速度を正確に求めることが困難であった。
従来は、動作時の異音等を解析して転がり軸受(13)の異常を求めていたが、他の機構物を通して音が伝わることがあり、コロまたは玉(1)と溝(2)の位置および速度を正確に求めることが困難であった。
磁気センサ(3)でブリッジ(4)を組むことで、センサヘッド(9)の温度変化に対して、温度ドリフトが少ない。
コロまたは玉(1)は保持器(10)で位置が固定されているため、これらの位置を計測するには、保持器(10)を外した位置となる。
溝(2)の後は空隙のため、コロまたは玉(1)と溝(2)との磁気抵抗の差が明確となり、被測定物とセンサヘッド(9)内の軟質磁性材(14)との隙間を2mm以上離すことが出来る。
溝(2)の後は空隙のため、コロまたは玉(1)と溝(2)との磁気抵抗の差が明確となり、被測定物とセンサヘッド(9)内の軟質磁性材(14)との隙間を2mm以上離すことが出来る。
コロまたは玉(1)は保持器(10)で保持されながら公転と、自転運動を行っているため、センサヘッド(9)の形状は外輪(12)または内輪(11)に円周上に合わせた形となる。
磁気センサブリッジ(4)は、転がり軸受(13)の外部に配置させるため、軟質磁性材(ヨーク)を用いて磁気回路を形成させる。
磁気センサブリッジ(4)は、転がり軸受(13)の外部に配置させるため、軟質磁性材(ヨーク)を用いて磁気回路を形成させる。
ここで得られた位置または速度情報を加工し、位置または速度信号の瞬時の変化から、コロまたは玉(1)または外輪(12)または内輪(11)のフレッティング磨耗等を推測することが可能となる。
本発明により、転がり軸受(13)の異常が、駆動状態に於いても計測できるため、大きなトラブルが発生する前に転がり軸受(13)の交換等によって事故の予防を講じることが可能になる。
1 コロまたは玉(強磁性体)
2 溝(非磁性体)
3 磁気センサ(ホール素子、MR素子、MI素子他)
4 ブリッジ
5 磁石
6 入力信号
7 出力信号
8 加法出力信号
9 センサヘッド
10 保持器
11 内輪
12 外輪
13 転がり軸受
14 軟質磁性材(ヨーク)
2 溝(非磁性体)
3 磁気センサ(ホール素子、MR素子、MI素子他)
4 ブリッジ
5 磁石
6 入力信号
7 出力信号
8 加法出力信号
9 センサヘッド
10 保持器
11 内輪
12 外輪
13 転がり軸受
14 軟質磁性材(ヨーク)
参考図:図4
近似式:
e1:A相 2次側磁気センサ出力電圧
e2:B相 2次側磁気センサ出力電圧
e3:C相 2次側磁気センサ出力電圧
e4:D相 2次側磁気センサ出力電圧
E=(e1−e3)−(e2−e4)
=φ0×(1+a×cos(2×π×X/P))×I×sinωt
−φ0(1−a×cos(2×π×X/P))×I×sinωt
−φ0×(1+a×sin(2×π×X/P))×Ixcosωt
+φ0×(1−a×sin(2×π×X/P))×I×cosωt
=2×a×φ0×I×(sinωt×cos(2×π×X/P)−cosωt×sin(2×π×X/P))
=K×sin(ωt−2×π×X/P)
E:出力電圧
e:各相出力電圧
φ0:基準となる磁束
a:各極での磁束変化係数
X:コロまたは玉の移動量
I:1次側磁気センサ入力信号の振幅
ω:1次側磁気センサ入力信号電気角速度
P:コロまたは玉と溝で形成されるピッチ
近似式:
e1:A相 2次側磁気センサ出力電圧
e2:B相 2次側磁気センサ出力電圧
e3:C相 2次側磁気センサ出力電圧
e4:D相 2次側磁気センサ出力電圧
E=(e1−e3)−(e2−e4)
=φ0×(1+a×cos(2×π×X/P))×I×sinωt
−φ0(1−a×cos(2×π×X/P))×I×sinωt
−φ0×(1+a×sin(2×π×X/P))×Ixcosωt
+φ0×(1−a×sin(2×π×X/P))×I×cosωt
=2×a×φ0×I×(sinωt×cos(2×π×X/P)−cosωt×sin(2×π×X/P))
=K×sin(ωt−2×π×X/P)
E:出力電圧
e:各相出力電圧
φ0:基準となる磁束
a:各極での磁束変化係数
X:コロまたは玉の移動量
I:1次側磁気センサ入力信号の振幅
ω:1次側磁気センサ入力信号電気角速度
P:コロまたは玉と溝で形成されるピッチ
Claims (2)
- 保持器(10)と内輪(11)および外輪(12)によって保持された強磁性体のコロまたは玉(1)と、等ピッチに形成された溝(2)とで形成された転がり軸受(13)に於いて、転がり軸受(13)の側面に平行して円周方向に軟質磁性材(14)と磁石(5)を4個組み込み、転がり軸受(13)と磁石(5)の隙間に、磁気センサ(3)で形成したブリッジ(4)を、磁気センサ(3)位置に合わせて4組配置し、各ブリッジ(4)の1対の頂角に正弦波の入力信号(6)を印加し、各ブリッジ(4)の他の1対の頂角から出力信号(7)を取り出し、磁石(5)とブリッジ(4)で形成される組合せを、コロまたは玉(1)と溝(2)で構成される1ピッチ間に、0ピッチ、1/4ピッチ、1/2ピッチ、3/4ピッチに相当する位置に配置し、各ブリッジ(4)から得られた出力信号(7)を、三角関数の加法定理に従って電気的に加算して加法出力信号(8)とし、この加法出力信号(8)と入力信号(6)との位相差を検出し、この位相差を1ピッチの位置に換算して転がり軸受(13)の回転方向の位置と速度の変動を検出し、転がり軸受(13)の損傷を求めるように形成した転がり軸受(13)回転異常検出器。
- 保持器(10)と内輪(11)および外輪(12)によって保持された強磁性体のコロまたは玉(1)と、等ピッチに形成された溝(2)とで形成された転がり軸受(13)に於いて、転がり軸受(13)の側面に平行して円周方向に軟質磁性材(14)と磁石(5)を6個組み込み、転がり軸受(13)と磁石(5)の隙間に、磁気センサ(3)で形成したブリッジ(4)を、磁気センサ(3)の位置に合わせて6組配置し、各ブリッジ(4)の1対の頂角に正弦波の入力信号(6)を印加し、各ブリッジ(4)の他の1対の頂角から出力信号(7)を取り出し、磁石(5)とブリッジ(4)で形成される組合せを、コロまたは玉(1)と溝(2)で構成される1ピッチ間に、0ピッチ、1/6ピッチ、1/3ピッチ、1/2ピッチ、2/3ピッチ、5/6ピッチに相当する位置に配置し、各ブリッジ(4)から得られた出力信号(7)を、三角関数の加法定理に従って電気的に加算して加法出力信号(8)とし、この加法出力信号(8)と入力信号(6)との位相差を検出し、この位相差を1ピッチの位置に換算して転がり軸受(13)の回転方向の位置と速度の変動を検出し、転がり軸受(13)の損傷を求めるように形成した転がり軸受(13)回転異常検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008100841A JP2009216689A (ja) | 2008-03-11 | 2008-03-11 | 転がり軸受回転異常検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008100841A JP2009216689A (ja) | 2008-03-11 | 2008-03-11 | 転がり軸受回転異常検出器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009216689A true JP2009216689A (ja) | 2009-09-24 |
Family
ID=41188686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008100841A Pending JP2009216689A (ja) | 2008-03-11 | 2008-03-11 | 転がり軸受回転異常検出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009216689A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107843429A (zh) * | 2016-09-19 | 2018-03-27 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 轴承状态监测控制方法及控制装置、监测设备、监测方法 |
JP2020024173A (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | 日本精工株式会社 | 磁気センサ装置 |
CN113219199A (zh) * | 2021-05-07 | 2021-08-06 | 武昌理工学院 | 一种雷达下腔体内轴杆转动检测方法 |
-
2008
- 2008-03-11 JP JP2008100841A patent/JP2009216689A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107843429A (zh) * | 2016-09-19 | 2018-03-27 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 轴承状态监测控制方法及控制装置、监测设备、监测方法 |
JP2020024173A (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | 日本精工株式会社 | 磁気センサ装置 |
JP7170257B2 (ja) | 2018-08-08 | 2022-11-14 | 日本精工株式会社 | 磁気センサ装置 |
CN113219199A (zh) * | 2021-05-07 | 2021-08-06 | 武昌理工学院 | 一种雷达下腔体内轴杆转动检测方法 |
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