JP2013007359A - エンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に電磁ピックアップ式のクランク軸センサの遅れ補償を行うことが可能なエンジン制御装置を提供すること。
【解決手段】電磁ピックアップ式のクランク軸センサ11により出力されるNE信号にどの程度の遅れが生じるかを、そのクランク軸センサ11が実際に装着されるエンジンが回転したときのNE信号及び燃焼圧信号から求め、その遅れに応じた補正角度を算出して記憶する。このように、補正角度の算出及び記憶は、エンジン制御装置において自動的に行われるので、簡便に電磁ピックアップ式のクランク軸センサ11の遅れ補償を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのクランク軸の回転角度に同期して処理を行うエンジン制御装置に関する。
上述したようなエンジン制御装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1のエンジン制御装置では、エンジンの運転状態を監視するために、単位クランク角度(例えば1°CA)毎に、各気筒の燃焼圧を検出する。
具体的には、まず、単位クランク角度に相当する間隔よりも短い処理間隔で、燃焼圧信号のサンプリングを行い、サンプリングされた燃焼圧信号とサンプリング時刻とをサンプリングデータとして記憶しておく。また、クランク軸センサから出力される、単位クランク角度よりも大きなクランク角度(例えば10°CA)で周期的に変化するパルス状の回転信号から、単位クランク角度に相当する時刻を求める。そして、記憶されたサンプリングデータの中から、各単位クランク角度の時刻に最も近いサンプリング時刻を持った燃焼圧信号を抽出する。
このようにして、特許文献1のエンジン制御装置では、エンジン回転速度の変動によらず、単位クランク角度毎の燃焼圧を精度良く抽出できるようにしている。
特開2008−232034号公報
上記特許文献1のエンジン制御装置では、クランク軸センサとして、エンジンのクランク軸に固定されたロータと、そのロータの外周に対向して設けられ、ロータの外周に所定角度(10°CA)ごとの間隔で形成された歯による磁束変化を検出して、パルス状の回転信号を出力する電磁ピックアップ又はホールICを含む信号出力部とからなるセンサが用いられる。
ホールICや、磁気抵抗素子(MRE)などを用いたクランク軸センサの場合、ロータの回転に対して、ほぼ遅れのない回転信号を出力することができる。しかしながら、電磁ピックアップ式のクランク軸センサでは、ロータの歯による磁束変化に対して、出力されるパルス状の回転信号に遅れが発生する。このため、上述したような処理により単位クランク角度ごとの燃焼圧を求めても、その単位クランク角度を算出する基礎となる回転信号に誤差が含まれているので、単位クランク角度ごとの燃焼圧の検出精度も低下してしまう。
このような、回転信号の遅れによる問題は、燃焼圧の検出に限らず、電磁ピックアップ式のクランク軸センサによって検出される回転信号から算出されるクランク角に同期して、点火時期を制御したり、燃料噴射時期を制御したりする場合にも影響がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、簡便に電磁ピックアップ式のクランク軸センサの遅れ補償を行うことが可能なエンジン制御装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、請求項1に記載のエンジン制御装置は、
エンジンのクランク軸の回転角度に同期して処理を行うものであって、
エンジンのクランク軸の回転に応じた回転信号を出力する電磁ピックアップ式のクランク軸センサと、
エンジンの気筒内圧力を検出する圧力センサと、
エンジンの気筒内に燃料が噴射されず、燃焼が生じていない状態で、エンジンが回転しているときに、クランク軸センサから出力される回転信号、及び圧力センサによって検出される気筒内圧力を関連付けて記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶された回転信号から、気筒内において、ピストンが上死点に達した上死点クランク角度を算出するとともに、圧力センサによって検出された圧力が最大となる最大圧力クランク角度を算出し、上死点クランク角度と最大圧力クランク角度との差分から補正角度を算出して記憶する補正角度算出記憶手段と、
クランク軸センサによって検出された回転信号からクランク角度を求める際に、補正角度算出記憶手段に記憶された補正角度に基づいて補正した補正クランク角度を算出する補正クランク角度算出手段と、を備えることを特徴とする。
上述したように、請求項1に記載の発明によれば、電磁ピックアップ式のクランク軸センサにより出力される回転信号にどの程度の遅れが生じるかを、そのクランク軸センサが実際に装着されるエンジンが回転したときの回転信号及び燃焼圧から求め、その遅れに応じた補正角度を算出して記憶するようにしている。このように、補正角度の算出及び記憶は、エンジン制御装置において自動的に行われるので、簡便に、電磁ピックアップ式のクランク軸センサの遅れ補償を行うことができる。
なお、エンジンの気筒内で燃焼が生じていない状態でエンジンが回転している場合には、ピストンが上死点位置に達したとき気筒内圧力が最大となる。このため、圧力センサによって検出された圧力が最大となる最大圧力クランク角度を算出し、電磁ピックアップ式のクランク軸センサから出力された回転信号から求めた上死点クランク角度と比較することにより、回転信号にどの程度の遅れが生じているかを、角度の差分として正確に求めることができる。従って、この角度の差分を補正角度とすることで、電磁ピックアップ式のクランク軸センサから遅れが補正された正確なクランク角度を得ることができる。
請求項2に記載したように、エンジンは複数の気筒を有し、圧力センサは複数の気筒にそれぞれ設置され、補正角度算出記憶手段は、複数の気筒で順番に燃焼が行われるエンジンの1サイクルにおいて、各気筒ごとに補正角度を算出し、さらに、それらを平均化した補正角度を算出して保存することが好ましい。これにより、クランク軸センサが出力する回転信号や圧力センサが検出する気筒内圧力に、ノイズ等の影響によって誤差が含まれていたとしても、その誤差の影響を低減することができる。
さらに、請求項3に記載したように、補正角度算出記憶手段が、エンジンの1サイクルにおける、各気筒ごとに算出された補正角度を平均化したものを、さらに、複数サイクルに渡って平均化して算出した補正角度を保存するようにすれば、さらに補正角度の精度を高めることができる。
また、請求項4に記載したように、記憶手段に記憶された気筒内圧力に対して、ノイズを除去するためのフィルタ処理を行うフィルタ処理手段を備えることが好ましい。これにより、ノイズの影響を低減して、記憶手段に記憶された気筒内圧力の中から、精度良く最大の圧力を示す気筒内圧力を選択することができる。その結果、最大圧力を示す気筒内圧力に対応する最大圧力クランク角度の精度も向上する。
請求項5に記載したように、補正角度算出記憶手段は、所定の複数のエンジン回転数ごとに補正角度を算出して記憶し、補正クランク角度算出手段は、所定のエンジン回転数ごとに算出された補正角度に基づき、エンジン回転数と補正角度とを軸とする2次元グラフにおいて、算出された補正角度を結ぶ補正特性線を定め、クランク軸センサによって検出された回転信号からクランク角度を求める際には、その時点のエンジン回転数に応じた補正角度を2次元グラフから求め、その求めた補正角度を用いて補正クランク角度を算出することが好ましい。
電磁ピックアップ式のクランク軸センサの回転信号の遅れは、エンジンの回転数によって多少変化する。このため、請求項5に記載したように、複数のエンジン回転数ごとに算出された補正角度から補正特性線を定め、実際のエンジン回転数に応じた補正角度を2次元グラフから求めるようにすることで、より精度の高いクランク角度を得ることができる。
本実施形態によるエンジン制御装置の構成を示す構成図である。 NE信号とG信号との信号波形を示すタイムチャートである。 電磁ピックアップ式のクランク軸センサの遅れ特性に応じた補正角度の算出処理を示すフローチャートである。 燃焼圧センサから出力された、デジタルフィルタ処理を施す前の燃焼圧信号をなぞった波形を示す図である。 燃焼圧信号に対してデジタルフィルタ処理を施した後の、燃焼圧信号をなぞった波形を示す図である。 エンジン回転数と補正角度とを軸とする2次元グラフにおいて、補正特性線を示す図である。 補正角度を用いて補正された補正NE信号により、NE間隔や単位クランク角度ごとの時刻を求めた動作例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態によるエンジン制御装置に関して、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態によるエンジン制御装置(以下、ECU)1の構成を示す構成図である。なお、本実施形態では、例えば4気筒の4サイクルエンジン(図示せず)を制御対象とし、この4気筒エンジンは、#1気筒と#4気筒、#2気筒と#3気筒とが、それぞれのピストンが同じ位相で運動する気筒グループを構成する。
図1に示すように、ECU1は、信号処理回路2と、入力回路3と、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)4と、出力回路5とを備えている。このECU1において、エンジンに取り付けられたクランク軸センサ11からの回転信号(以下、NE信号)が、信号処理回路2を介してマイコン4に入力される。また、エンジンに取り付けられたカム軸センサ13からの気筒判別用信号(以下、G信号)が、信号処理回路2を介してマイコン4に入力される。
マイコン4は、上記NE信号に基づいて、クランク軸の基準位置や回転数を演算するとともに、上記NE信号とG信号とに基づいて、気筒判別を行う。さらに、マイコン4は、エンジンの各気筒に取り付けられた燃焼圧センサ15に加え、スタータスイッチ,アイドルスイッチ等の各スイッチ,吸入空気量を検出するエアフローメータ,エンジン冷却水温を検出する水温センサなどの各種のスイッチやセンサから出力される各運転状態信号を入力回路3を介して取り込む。そして、マイコン4は、取り込んだ各種のセンサ信号などに基づいて、各気筒の最適な点火時期、燃焼噴射期間(燃料噴射時期及び燃料噴射量)を演算し、それらを実現するための駆動信号を、出力回路5を介して、アクチュエータ6に出力する。
クランク軸センサ11は、クランク軸に嵌着されたシグナルロータ11aと、シグナルロータ11Aaの外周に対向し、その外周に例えば10°CAのピッチで等間隔に形成された歯を検出する電磁ピックアップを含む信号出力部11bとからなる電磁ピックアップ式のセンサである。
上記シグナルロータ11aの外周の1箇所に、歯が2個欠損した歯欠損部11kが形成されている。この歯欠損部11kは、図2に示すように、クランク軸が#1気筒の圧縮上死点(以下「TDC1」と記載、他の気筒についても同様)又はTDC4に対応するクランク角まで回転したときに、電磁ピックアップが対向するシグナルロータ11Aaの歯よりも、クランク軸の回転方向に10〜11歯分(100〜110℃A)離れたところに位置する。また、クランク軸がTDC3又はTDC2に対応するクランク角まで回転したときに電磁ピックアップと対向するシグナルロータ11aの歯は、TDC1又はTDC4で対向する歯と180℃A(クランク軸の半回転)離れたところに位置する。
このクランク軸センサ11は、クランク軸の回転に応じて、図2に示すように、歯欠損部11kに対応するクランク角を除き、所定のクランク角度(10°CA)を一周期とするパルス信号を出力する。ここで、以下の説明において、パルス信号が、ローレベル→ハイレベルに切り替わるパルスエッジを、NE信号の立ち上がりエッジと呼び、また、NE信号の立ち上がりエッジ間の間隔を、NE信号の立ち上がりエッジ間隔(以下、NE間隔)Bと呼ぶこととする。
クランク軸の回転位置が、シグナルロータ11aの歯欠損部11kが電磁ピックアップに対向する基準位置に到達したとき、NE信号の立ち上がりエッジ間隔が3倍長くなる。よって、NE信号には、10°CA毎に有効エッジとしての立ち上がりエッジが発生すると共に、クランク軸の回転位置が基準位置に到達すると、立ち上がりエッジが2個欠落した欠歯部が現れることとなる。
一方、カム軸センサ13は、クランク軸の回転に対して1/2の比率で減速回転するエンジンのカム軸に固定されたシグナルロータ13aと、そのシグナルロータ13aの外周に対向して設けられ、シグナルロータ13aの外周における凹凸に応じてハイレベルとローレベルとに変化するG信号を出力する磁気抵抗素子(MRE)式の信号出力部13bとから構成されている。
このシグナルロータ13aの外周は、半周分が凸で、他の半周分が凹となっている。従って、エンジンの1サイクル中に、カム軸センサ13から信号処理回路2を介してマイコン4に入力されるG信号は、図2に示すように、NE信号に欠歯部が現れる2回のタイミングにおいて相互に異なったレベルとなる。
これにより、NE信号に欠歯部が現れたときのG信号のレベルから、そのときのクランク位置を正確に特定して、気筒判別を行うことができる。例えば、NE信号に欠歯部が現れたときのG信号がローレベルならば、現在のクランク位置が基準位置であると特定することができ、その基準位置から所定のクランク角度だけ進んだ位置がTDC1やTDC3に対応すると判別することができる。逆に、NE信号に欠歯部が現れたときのG信号がハイレベルならば、現在のクランク位置が基準位置から360°CAだけ進んだクランク位置であり、そのクランク位置から所定のクランク角度だけ進んだ位置がTDC4やTDC2に対応すると判別することができる。
ここで、エンジンの各気筒に取り付けられた燃焼圧センサ15から出力されるセンサ信号(以下、燃焼圧信号)を用いた、燃焼圧の測定処理について説明する。本実施形態では、エンジンにおける燃焼状態が適切であるか否かを判断するための情報として、単位クランク角度(例えば1°CA)ごとに、燃焼圧信号を取り込む。この際、エンジンの回転速度が変動しても、単位クランク角度毎の燃焼圧を精度良く測定できるようにするために、特許文献1の発明と同様に、単位クランク角度に相当する間隔よりも短い処理間隔で、燃焼圧信号のサンプリングを行い、サンプリングされた燃焼圧信号とサンプリング時刻とをサンプリングデータとして記憶しておく。また、クランク軸センサ11から出力される、NE信号のNE間隔から、単位クランク角度に相当する時刻を求める。そして、記憶されたサンプリングデータの中から、各単位クランク角度の時刻に最も近いサンプリング時刻を持った燃焼圧信号を抽出する。
上述した測定処理を実行するため、マイコン4には、図示しないフリーランタイマと、インプットキャプチャ部とが設けられている。インプットキャプチャ部は、ハードウエアにより構成され、周知のインプットキャプチャ機能を実現するものである。このインプットキャプチャ部は、NE信号に立ち上がりエッジが発生すると、そのときのフリーランタイマの値をインプットキャプチャ部内のレジスタに開始時刻として記憶(キャプチャ)するとともに、後述のサンプリング周期Cで燃焼圧信号のサンプリングを開始する。また、インプットキャプチャ部は、次の立ち上がりエッジが発生すると、そのときのフリーランタイマの値をインプットキャプチャ部内のレジスタに終了時刻として記憶する。
このように、インプットキャプチャ部は、エッジが発生するごとに、その発生時刻をレジスタに記憶しておく。そして、マイコン4は、連続して発生したエッジに対応する発生時刻の差(終了時刻−開始時刻)を演算することにより、上述したNE間隔を算出する。なお、マイコン4は、さらに立ち上がりエッジが発生したとき、上述した終了時刻を開始時刻とし、新たな立ち上がりエッジの発生時刻を終了時刻として、NE間隔の算出を継続して行う。このようにしてNE間隔が算出されると、マイコン4は、NE間隔を単位クランク角度に相当する時間間隔Aに分割する。
一方、燃焼圧信号のサンプリング周期Cは、マイコン4により、単位クランク角度に相当する時間間隔Aよりも、十分に短い間隔に設定される。このサンプリング周期Cは、一定であっても、エンジン回転数などの運転状態に応じて変化するものであっても良い。サンプリング周期Cが経過するごとに、その時の燃焼圧信号と、フリーランカウンタの値(サンプリング時刻)とが、インプットキャプチャ部に記憶される。
そして、マイコン4は、上記開始時刻に、NE間隔から算出された時間間隔Aを加算していくことで、そのNE間隔に含まれる単位クランク角度に相当する時刻を算出し、それぞれの時刻に最も近似するサンプリング時刻を持つ燃焼圧信号を抽出して、保存する。なお、サンプリング時刻と単位クランク角度に相当する時刻が一致しない場合、その単位クランク角度に相当する時刻における燃焼圧信号を、隣接するサンプリング時刻を持った複数の燃焼圧信号から補間計算により算出しても良い。
上述した燃焼圧信号の測定処理を実行することにより、エンジン回転数の変動によらず、単位クランク角度ごとの燃焼圧を精度良く検出することができる。
ただし、本実施形態において使用される電磁ピックアップ式のクランク軸センサ11は、シグナルロータ11aの歯による磁束変化に対して、出力されるパルス状の回転信号に遅れが発生するという特性がある。このため、上述したような測定処理により単位クランク角度ごとの燃焼圧を求めても、その単位クランク角度を算出する基礎となるNE信号に、遅れによる誤差が含まれているので、単位クランク角度ごとの燃焼圧の検出精度も低下してしまう。
そのため、本実施形態では、電磁ピックアップ式のクランク軸センサ11により出力されるNE信号にどの程度の遅れが生じるかを、そのクランク軸センサ11が実際に装着されるエンジンが回転したときのNE信号及び燃焼圧信号から求め、その遅れに応じた補正角度を算出して記憶する。このように、補正角度の算出及び記憶は、エンジン制御装置において自動的に行われるので、簡便に電磁ピックアップ式のクランク軸センサ11の遅れ補償を行うことができる。
以下、エンジン制御装置における、補正角度の算出処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理は、エンジンをエンジンベンチに搭載し、さらに、エンジンの出力軸に、当該出力軸を回転させるための駆動モータを連結した状態で実行される。
まず、ステップS100では、駆動モータにより、データが必要な回転域の最小回転数でエンジンを回す。これにより、エンジンは、燃料の噴射及び点火が行われない状態で回転することになる。なお、データが必要な回転域は、例えば1000rpmから常用最大回転数までの回転範囲である。
続くステップS110では、単位クランク角度よりも短いサンプリング周期にて、各気筒に取り付けられた燃焼圧センサ15から出力される燃焼圧信号のサンプリングを行い、燃焼圧信号及びそのサンプリング時刻を保存しておく。
このとき、エンジンの各気筒にて燃焼が行われていないので、燃焼圧センサ15によって出力される燃焼圧信号は、各気筒内の容積の変化に対応したものとなる。つまり、燃焼圧信号は、各気筒のピストンが下死点(BDC)に達して気筒内容積が最大となったとき、最小値となり、上死点(TDC)に達して気筒内容積が最少となったとき、最大値となる。このため、燃焼圧センサ15によって検出された圧力が最大となる最大圧力クランク角度Xを算出すると、それは各気筒のTDC角度を正確に示すものとなる。
そこで、ステップS120では、各気筒の最大圧力クランク角度Xを算出すべく、まず、サンプリングした燃焼圧信号に対してデジタルフィルタ処理を行い、ノイズ成分を除去する。図4は、燃焼圧センサ15から出力された、デジタルフィルタ処理を施す前の燃焼圧信号をなぞった波形を示すものである。図4に示すように、デジタルフィルタ処理が施される前の燃焼圧信号はノイズ成分の影響を受けているため、波形が、多少歪んだり、細かく変動したりしている。このような燃焼圧信号に対してデジタルフィルタ処理を施した後の、燃焼圧信号をなぞった波形を図5に示す。図5の波形は、ノイズの影響が低減されているので、波形は滑らかに変化しており、その最大値も明確になっている。
ステップS120では、さらに、デジタルフィルタ処理を施した燃焼圧信号を対象として、その最大値を抽出するとともに、抽出した最大値に対応する最大圧力クランク角度Xを算出する。最大圧力クランク角度Xは、NE間隔Bに対する、NE間隔の開始時刻から最大値を示す燃焼圧信号のサンプリング時刻までの時間の割合から求めることができる。
続くステップS130では、クランク軸センサ11のNE信号とカム軸センサ13のG信号とから気筒判別を行うことにより、各気筒のTDC角度Yを得る。そして、ステップS140において、各気筒のTDC角度Yと最大圧力クランク角度Xとの角度差(X−Y)を算出する。この算出した角度差(X−Y)が、クランク軸センサ11の遅れ特性を示している。
続くステップS150では、各気筒ごとに算出された角度差(X−Y)の平均値Zを算出する。このように平均値Zを算出することにより、クランク軸センサ11が出力するNE信号に誤差が含まれていたり、燃焼圧信号にも多少のノイズ成分の影響が残っていたりした場合でも、角度差の精度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、一層の精度向上のため、上述した角度差(X−Y)の平均値Zの算出を、100サイクル分繰り返し、その100サイクル分の平均値Zをさらに平均化した平均値Wを求める。
そのため、ステップS160では、100サイクル分の平均値Zが蓄積されたかを判定し、まだ100サイクル分の平均値Zが蓄積されていないと判定されると、ステップS110からの処理を繰り返す。ステップS160にて、100サイクル分の平均値Zが蓄積されたと判定されると、ステップS170の処理に進み、100サイクル分の平均値Zをさらに平均化した平均値Wを算出するとともに、そのときのエンジン回転数でのクランク軸センサ11の遅れを補正する補正角度としてマイコン4に保存する。
ここで、図6に示すように、電磁ピックアップ式のクランク軸センサ11の遅れは、エンジン回転数によって変化する。そのため、ステップS170の後、ステップS180の処理に進み、駆動モータにより、エンジン回転数を所定の単位回転数だけ上昇させる。そして、ステップS190において、エンジン回転数が、必要な回転域の最大回転数まで到達したか否かを判定する。この判定処理において、最大回転数まで到達したと判定されるとステップS200の処理に進み、一方、最大回転数に達していないと判定されると、ステップS110からの処理を繰り返す。
ステップS200では、所定の回転域において単位回転数ごとに保存された補正角度を用いて、補正特性線を定める。具体的には、図6に示すように、エンジン回転数と補正角度とを軸とする2次元グラフにおいて、算出された補正角度を結ぶことにより補正特性線を定める。このようにして補正特性線を定めることにより、エンジン回転数の全域に亘って、対応する補正角度を算出することが可能になる。例えば、図6では、エンジン回転数が9000rpmである場合、遅れを補正する補正角度として3.5度が算出される例を示している。
例えば、クランク軸センサ11によって検出されたNE信号からクランク角度を求める際には、その時点のエンジン回転数に応じた補正角度を2次元グラフから求め、その求めた補正角度を用いて補正クランク角度を算出する。すなわち、一例として図7に示すように、クランク軸センサ11から出力された原NE信号を、補正角度分だけ進めた補正NE信号を算出する。そして、この補正NE信号から、上述したように、NE間隔Bや、単位クランク角度に対応する時間間隔Aごとの時刻を算出する。これにより、電磁ピックアップ式のクランク軸センサ11を用いながら、遅れが補正された正確なクランク角度を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本願発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、単位クランク角度ごとに燃焼圧を測定するエンジン制御装置について説明したが、本発明による効用は、そのような燃焼圧の測定に限られず、広く、クランク角度に同期した制御を行う限り、同様に得られるものである。例えば、通常のエンジン制御においても、クランク角に同期して、点火時期を制御したり、燃料噴射時期を制御したりするが、クランク軸センサとして電磁ピックアップ式のセンサを用いる場合には、本願発明を適用することにより、より高精度な制御を行いうる。
また、上述した実施形態では、補正角度によりNE信号を補正する例について説明したが、逆に、燃焼圧信号を、補正角度分遅れるように補正することも可能である。このようにしても、単位クランク角度ごとの正確な燃焼圧の測定を行うことができる。
1 エンジン制御装置
2 信号処理回路
3 入力回路
4 マイクロコンピュータ
5 出力回路
6 アクチュエータ
11 クランク軸センサ
13 カム軸センサ
15 燃焼圧センサ

Claims (5)

  1. エンジンのクランク軸の回転角度に同期して処理を行うエンジン制御装置であって、
    前記エンジンのクランク軸の回転に応じた回転信号を出力する電磁ピックアップ式のクランク軸センサと、
    前記エンジンの気筒内圧力を検出する圧力センサと、
    前記エンジンの気筒内に燃料が噴射されず、燃焼が生じていない状態で、前記エンジンが回転しているときに、前記クランク軸センサから出力される回転信号、及び前記圧力センサによって検出される気筒内圧力を関連付けて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された回転信号から、前記気筒内において、ピストンが上死点に達した上死点クランク角度を算出するとともに、前記圧力センサによって検出された圧力が最大となる最大圧力クランク角度を算出し、前記上死点クランク角度と前記最大圧力クランク角度との差分から補正角度を算出して記憶する補正角度算出記憶手段と、
    前記クランク軸センサによって検出された回転信号からクランク角度を求める際に、前記補正角度算出記憶手段に記憶された補正角度に基づいて補正した補正クランク角度を算出する補正クランク角度算出手段と、を備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記エンジンは複数の気筒を有し、前記圧力センサは前記複数の気筒にそれぞれ設置され、
    前記補正角度算出記憶手段は、前記複数の気筒で順番に燃焼が行われるエンジンの1サイクルにおいて、各気筒ごとに前記差分から補正角度を算出し、さらに、それらを平均化した補正角度を算出して保存することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記補正角度算出記憶手段は、前記エンジンの1サイクルにおける、各気筒ごとに算出された補正角度を平均化したものを、さらに、複数サイクルに渡って平均化して算出した補正角度を保存することを特徴とする請求項2に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記記憶手段に記憶された気筒内圧力に対して、ノイズを除去するためのフィルタ処理を行うフィルタ処理手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジン制御装置。
  5. 前記補正角度算出記憶手段は、所定の複数のエンジン回転数ごとに前記補正角度を算出して記憶し、
    前記補正クランク角度算出手段は、前記所定のエンジン回転数ごとに算出された補正角度に基づき、エンジン回転数と補正角度とを軸とする2次元グラフにおいて、算出された補正角度を結ぶ補正特性線を定め、前記クランク軸センサによって検出された回転信号からクランク角度を求める際には、その時点のエンジン回転数に応じた補正角度を前記2次元グラフから求め、その求めた補正角度を用いて前記補正クランク角度を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンジン制御装置。
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Citations (8)

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