JP2013007018A - ポリカーボネート樹脂用難燃剤およびその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂用難燃剤およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性に優れ、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れるので成形品の白濁の問題がなく、ヘイズおよび色調に優れるポリカーボネート樹脂用難燃剤を提供する。
【解決手段】有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤による。
【選択図】なし

Description

本発明はポリカーボネート樹脂用難燃剤およびその製造方法に関し、詳しくは、ポリカーボネート樹脂に配合して難燃化するために使用される新規なポリカーボネート樹脂用難燃剤に関し、さらに詳しくは、難燃性に優れ、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れるので成形品の白濁の問題がなく、ヘイズおよび色調に優れるポリカーボネート樹脂用難燃剤およびその製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、機械的物性、電気的特性に優れた樹脂であり、例えば自動車材料、電気電子機器材料、住宅材料、その他の工業分野における部品製造用材料等に幅広く利用されている。特に、難燃化されたポリカーボネート樹脂組成物は、コンピューター、ノートブック型パソコン、携帯電話、プリンター、複写機等のOA・情報機器等の部材として好適に使用されている。
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与する手段としては、従来、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に配合することがなされてきた。
しかしながら、塩素や臭素を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物は、熱安定性の低下を招いたり、成形加工時における成形機のスクリューや成形金型の腐食を招いたりすることがあった。また、リン系難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂の特徴である高い透明性を阻害したり、耐衝撃性、耐熱性の低下を招いたりするため、その用途が制限されることがあった。加えて、これらのハロゲン系難燃剤及びリン系難燃剤は、製品の廃棄、回収時に環境汚染を惹起する可能性があるため、近年ではこれらの難燃剤を使用することなく難燃化することが望まれている。
かかる状況下、近年、有機アルカリ金属塩化合物および有機アルカリ土類金属塩化合物に代表される金属塩化合物が有用な難燃剤として数多く検討されている。有機金属塩化合物を難燃剤として用いると、比較的少量で効果が得られ、かつ、ポリカーボネート樹脂が本来有する耐衝撃性等の機械的物性、耐熱性、電気的特性などの性質を損なわずに難燃性を付与できるためである。
金属塩化合物によるポリカーボネートの難燃化技術としては、例えば、炭素数4〜8のパーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩を利用する方法(特許文献1参照)、炭素数1〜3のパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩を配合する方法(特許文献2参照)等の、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩化合物を用いて芳香族ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与する手法;非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウム塩を含有させる方法(特許文献3参照)、非ハロゲン系芳香族スルホン酸カリウム塩を含有させる方法(特許文献4参照)等の、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩化合物を用いて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に難燃性を付与する手法が提案されている。
これら金属塩系難燃剤化合物は、ポリカーボネート樹脂に対する相溶性、難燃性が比較的良くかつポリカーボネート樹脂の色相をあまり悪化させないので、優れた難燃剤であり、実用上問題がないレベルの相溶性を有しているものの、これら化合物(具体的には、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム等が特に好適に使用される。)は、基本的に親水性であり、ポリカーボネート樹脂への相溶性は良くない。
難燃性能が高くともポリカーボネート樹脂への相溶性が低いと、ヘイズが大きくなるため、高い透明性が要求される分野や白濁のない高級感が要求される製品においては、使用できないという制限がある。例えば、トリフルオロメタンスルホン酸塩は、分子鎖が短いため、他の金属塩より難燃性能に優れるが、ヘイズが大きくなってしまうために使用し難い。
また、難燃効果を高めるために、添加量を増やそうとしても、ある量を超えると、ヘイズの悪化が顕著となってしまって、増量できない。さらに、難燃剤の増量はポリカーボネート樹脂成形品の色相悪化を招くので、好ましくない。
例えば、透明難燃ポリカーボネート樹脂として、透明性確保・色相悪化防止のため、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムを、0.08〜0.1質量%程度添加する場合があるが、この場合でも、射出成形時に徐冷がかかる厚肉部では、親水性であるノナフルオロブタンスルホン酸カリウムが凝集して白濁してしまい、厚肉部を有するような製品では使用が制限されてしまう。
特公昭47−40445号公報 特公昭54−32456号公報 特開2000−169696号公報 特開2001−181493号公報
このように、金属塩化合物による難燃化は、使用目的によっては必ずしも充分といえず、特に、厚肉部を有するようなポリカーボネート樹脂成形品で、高い透明性や白濁のない高級感が要求される製品においては、欠陥となる場合がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れ、成形品の白濁の問題がなく、ヘイズおよび色調に優れるポリカーボネート樹脂用難燃剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の金属塩化合物を環状エーテル化合物で包接した包接化合物が、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れ、成形品の白濁の問題がなく、ヘイズおよび色調に優れる難燃剤となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、クラウンエーテル化合物が、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテルから選ばれる少なくとも1種であるポリカーボネート樹脂用難燃剤が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、有機スルホン酸金属塩が、有機スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とするポリカーボネート樹脂用難燃剤が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、有機スルホン酸アルカリ金属塩のアルカリ金属が、K、Na、CsまたはLiであることを特徴とするポリカーボネート樹脂用難燃剤が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、有機スルホン酸金属塩が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩または芳香族スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とするポリカーボネート樹脂用難燃剤が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、有機スルホン酸金属塩およびクラウンエーテル化合物を、溶媒中で溶解し混合して包接化合物を得ることを特徴とする、第1〜5のいずれかの発明の難燃剤ポリカーボネート樹脂用難燃剤の製造方法が提供される。
本発明の難燃剤は、有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接した包接化合物とすることにより、有機スルホン酸金属塩がクラウンエーテルの影響で油溶性となって、ポリカーボネート樹脂との相溶性が極めて向上し、そのため、白濁の問題を解消することができ、また、有機スルホン酸金属塩がクラウンエーテル化合物と錯体構造となることで、有機スルホン酸金属塩のイオン化を促進し、より微量の添加で難燃性の効果を達成することができる。
したがって、本発明の難燃剤を使用することにより、難燃性に優れ、白濁の問題がなく、ヘイズおよび色調に優れるポリカーボネート樹脂成形品を得ることができる。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明する。
なお、本願明細書において、「〜」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[1.概要]
本発明のポリカーボネート樹脂用難燃剤は、有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤である。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂難燃剤およびその成形方法等につき、詳細に説明する。
[2.有機スルホン酸金属塩]
本発明の包接化合物を構成する難燃性化合物は、有機スルホン酸金属塩である。
有機スルホン酸金属塩が有する金属の種類としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属;マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属;並びに、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブテン(Mo)等が挙げられるが、なかでもアルカリ金属又はアルカリ土類金属であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂の燃焼時の炭化層形成を促進し、難燃性をより高めることができると共に、ポリカーボネート樹脂が有する耐衝撃性等の機械的物性、耐熱性、電気的特性などの性質を良好に維持できるからである。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属のうち、アルカリ金属がさらに好ましく、ナトリウム、カリウム、セシウムまたはリチウムがより好ましく、さらにはナトリウム、カリウム、セシウムが、特にはナトリウム、カリウムが好ましい。
このような有機スルホン酸金属塩の例を挙げると、有機スルホン酸リチウム(Li)塩、有機スルホン酸ナトリウム(Na)塩、有機スルホン酸カリウム(K)塩、有機スルホン酸ルビジウム(Rb)塩、有機スルホン酸セシウム(Cs)塩、有機スルホン酸マグネシウム(Mg)塩、有機スルホン酸カルシウム(Ca)塩、有機スルホン酸ストロンチウム(Sr)塩、有機スルホン酸バリウム(Ba)塩、等が挙げられる。この中でも特に、有機スルホン酸ナトリウム(Na)塩、有機スルホン酸カリウム(K)塩化合物、有機スルホン酸セシウム(Cs)塩化合物等の有機スルホン酸アルカリ金属塩が好ましい。
有機スルホン酸金属塩のうち、好ましいものとしては、含フッ素脂肪族スルホン酸の金属塩、含フッ素脂肪族スルホン酸イミドの金属塩、芳香族スルホン酸の金属塩、芳香族スルホンアミドの金属塩が挙げられる。
その中でも好ましいものの具体例を挙げると、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸セシウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸カリウム、デカフルオロ−4−(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサンスルホン酸カリウム等の、分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩;
ノナフルオロブタンスルホン酸マグネシウム、ノナフルオロブタンスルホン酸カルシウム、ノナフルオロブタンスルホン酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸カルシウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウム等の、分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ土類金属塩;
ジフルオロメタンジスルホン酸ジナトリウム、ジフルオロメタンジスルホン酸ジカリウム、テトラフルオロエタンジスルホン酸ジナトリウム、テトラフルオロエタンジスルホン酸ジカリウム、ヘキサフルオロプロパンジスルホン酸ジカリウム、ヘキサフルオロイソプロパンジスルホン酸ジカリウム、オクタフルオロブタンジスルホン酸ジナトリウム、オクタフルオロブタンジスルホン酸ジカリウム等の、分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族ジスルホン酸のアルカリ金属塩;等の、含フッ素脂肪族スルホン酸の金属塩、
ビス(パーフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム、ビス(パーフルオロプロパンスルホニル)イミドナトリウム、ビス(パーフルオロプロパンスルホニル)イミドカリウム、ビス(パーフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム、ビス(パーフルオロブタンスルホニル)イミドナトリウム、ビス(パーフルオロブタンスルホニル)イミドカリウム、トリフルオロメタン(ペンタフルオロエタン)スルホニルイミドカリウム、トリフルオロメタン(ノナフルオロブタン)スルホニルイミドナトリウム、トリフルオロメタン(ノナフルオロブタン)スルホニルイミドカリウム、トリフルオロメタン等の、分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族ジスルホン酸イミドのアルカリ金属塩;
シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドリチウム、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドナトリウム、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム等の、分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する環状含フッ素脂肪族スルホンイミドのアルカリ金属塩;等の、含フッ素脂肪族スルホン酸イミドの金属塩、
ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、(ポリ)スチレンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸カリウム、(ポリ)スチレンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸カリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、トリクロロベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸セシウム、(ポリ)スチレンスルホン酸セシウム、パラトルエンスルホン酸セシウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸セシウム、トリクロロベンゼンスルホン酸セシウム等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩;
パラトルエンスルホン酸マグネシウム、パラトルエンスルホン酸カルシウム、パラトルエンスルホン酸ストロンチウム、パラトルエンスルホン酸バリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸マグネシウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩;等の、芳香族スルホン酸金属塩等、
サッカリンのナトリウム塩、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミドのカリウム塩、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドのカリウム塩、N−(フェニルカルボキシル)−スルファニルイミドのカリウム塩等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホンアミドのアルカリ金属塩;等の、芳香族スルホンアミドの金属塩等が挙げられる。
上述した例示物の中でも、含フッ素脂肪族スルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩がより好ましく、含フッ素脂肪族スルホン酸金属塩が、特に好ましい。
また、含フッ素脂肪族スルホン酸金属塩としては分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩が特に好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等が好ましい。
芳香族スルホン酸金属塩としては芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム等のジフェニルスルホン−スルホン酸のアルカリ金属塩;パラトルエンスルホン酸ナトリウム、及びパラトルエンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸セシウム等のパラトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩;が特に好ましく、パラトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩がさらに好ましい。
なお、有機スルホン酸金属塩は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[3.クラウンエーテル化合物]
本発明において、上記有機スルホン酸金属塩と包接化合物を形成する有機化合物として、クラウンエーテル化合物を使用する。
クラウンエーテル化合物とは、クラウンエーテル、及びクラウンエーテル構造を有するその誘導体を意味する。クラウンエーテル化合物は、[−CH−CH−Y−]の繰り返し単位を有する環を有する化合物であり、環を形成している−CH−CH−は置換されていてもよく、YはO、N、Sのヘテロ原子である。クラウンエーテル化合物としては、クラウンエーテル、酸素を硫黄で置換したチアクラウンエーテル、窒素で置換したアザクラウンエーテル、2環式のクラウンエーテルであるクリプタンド等が挙げられ、これらの中でもクラウンエーテルおよびアザクラウンエーテルが好ましく、特にクラウンエーテルが好ましい。
このようなクラウンエーテル化合物は、環の内側に酸素原子等が負に帯電しているため、この環の中に有機スルホン酸金属塩の金属カチオンを捕まえ、錯体を形成する能力を有する。
具体的には、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、12−クラウン−4−エーテル、21−クラウン−7−エーテル、24−クラウン−8−エーテル、30−クラウン−10−エーテルなどのクラウンエーテル、及び、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−14−クラウン−4−エーテル、ジベンゾ−15−クラウン−5−エーテル、ジベンゾ−12−クラウン−4−エーテル、ジベンゾ−21−クラウン−7−エーテル、ジベンゾ−24−クラウン−8−エーテル、ジベンゾ−30−クラウン−10−エーテル、ベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、ベンゾ−15−クラウン−5−エーテル、ベンゾ−12−クラウン−4−エーテル、トリベンゾ−24−クラウン−8−エーテル、ジシクロヘキシル−12−クラウン−4−エーテル、ジシクロヘキシル−15−クラウン−5−エーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6−エーテル、n−オクチル−12−クラウン−4−エーテル、n−オクチル−15−クラウン−5−エーテル、n−オクチル−18−クラウン−6−エーテル等のクラウンエーテル誘導体、クラウンに長い鎖のついたラリアットや2環式のクラウンであるクリプタンドなどの上記以外のクラウンエーテル類が挙げられる。
また、アザクラウンエーテルの例としては、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、4,10−ジアザ−12−クラウン−4、4,10−ジアザ−15−クラウン−5、4,13−ジアザ−18−クラウン−6、N,N’−ジベンゾイル−4,13−ジアザ−18−クラウン−6、N−フェニルアザ−15−クラウン−5等が挙げられる。
本発明においては、これらのクラウンエーテル化合物の中でも、15−クラウン−5−エーテル、18−クラウン−6−エーテル又はジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルを用いることが好ましいが、これらのクラウンエーテルは、有機スルホン酸金属塩として好ましいカリウム塩またはナトリウム塩のカチオンイオンサイズの観点から、これらイオンとの錯体を形成しやすいので好ましい。
[4.有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物]
本発明の難燃剤は、上記有機スルホン酸金属塩と上記クラウンエーテル化合物との包接化合物からなる。クラウンエーテル化合物は、有機スルホン酸金属塩の金属カチオンを取り込み、安定な錯体を形成する機能を有する。このクラウンエーテルの極性空孔は、空孔径に適合したイオン径を有するカチオンを空孔内に取り込むので、金属カチオン種により使用するクラウンエーテル化合物を選択することが好ましい。たとえば、有機スルホン酸金属塩としてカリウム塩の場合は、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルを用いることが好ましく、ナトリウム塩の場合は、15−クラウン−5−エーテルを用いることが好ましい。
有機スルホン酸金属塩は元来親水性であって、ポリカーボネート樹脂への相溶性が低く微量の添加であっても白濁を生じる。しかし、有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して包接化合物とすることにより、有機スルホン酸金属塩がクラウンエーテル化合物の影響で油溶性となって、ポリカーボネート樹脂との相溶性が極めて向上する。そのため、白濁の問題を解消することができ、また、有機スルホン酸金属塩がクラウンエーテル化合物と錯体構造となることで、有機スルホン酸金属塩のイオン化を促進し、より微量の添加で難燃性の効果を達成することができる。
なお、本発明において、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物は、それらが1:1のモル比での包接錯体化合物を形成しているものに限定されず、例えば、複数のクラウンエーテル化合物の極性空孔間に、有機スルホン酸金属塩の金属カチオンが何らかの相互作用にて配位するような構造を形成しているもの等、各種形態のものであってよく、具体的には、有機スルホン酸金属塩:クラウンエーテル化合物の比率が1:2あるいは2:3あるいは3:4、等のモル比であっても構わない。
有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物の製造法は、公知のいかなる方法によっても可能である。例えば、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物を、必要に応じて水または温水、有機溶媒を使用して、混合攪拌あるいは、所望の温度に加熱しながら混合攪拌することで製造できる。有機溶媒としては、芳香族炭化水素系化合物、脂肪族炭化水素系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物、エステル系化合物、テルペン系化合物等の溶媒が単独または混合溶媒として使用される。具体的には、アセトン、トルエン、キシレン、ヘキサン、へプタン、ケロシン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
得られた包接化合物は、水あるいは有機溶媒に溶け難い場合は、加熱して均一溶液とし、その後冷却することで分離可能である。
包接化合物の簡便で好ましい製造方法として、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物を水または温水中で混合して得ることができる。生成した包接化合物が水に溶け難い場合は加熱して均一溶液とした後、冷却して2相に分離したものから得ることができる。
また、この際の水を含有する包接化合物を、そのままポリカーボネート樹脂組成物を製造する際の混練機に、他の樹脂添加剤とともに供給することも好ましい。
さらには、少量の水と、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物、また他の樹脂添加剤を混合し、これを加熱攪拌して得られた水溶液を、ポリカーボネート樹脂に混合して、フレーク状にしたものも好ましく、このものはそのまま混練機等にフィードすることが可能となる。
有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物を使用する際の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂に対して、0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上、特に好ましくは0.04質量%以上であり、上限は1質量%以下、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下である。含有量が少なすぎると難燃性が不十分となる可能性があり、逆に多すぎてもポリカーボネート樹脂の熱安定性の低下、並びに、成形品の外観不良及び機械的強度の低下、あるいは金型の汚染が生ずる可能性がある。
[5.ポリカーボネート樹脂]
本発明の有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物難燃剤を用いるポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
該芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられる。また、ジヒドロキシ化合物の一部として、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物、又はシロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマーもしくはオリゴマー等を併用すると、難燃性の高いポリカーボネート樹脂を得ることができる。
ポリカーボネート樹脂の好ましい例としては、ジヒドロキシ化合物として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とを併用したポリカーボネート樹脂が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、制限はないが、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、好ましくは10,000〜40,000、より好ましくは14,000〜32,000である。粘度平均分子量がこの範囲であると、成形性が良く、且つ機械的強度の大きい成形品が得られる。ポリカーボネート樹脂の最も好ましい分子量範囲は16,000〜30,000である。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)及び溶融法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、溶融法で製造したポリカーボネート樹脂に、末端のOH基量を調整する後処理を施したポリカーボネート樹脂も好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、構造粘性指数Nが所定範囲にあるポリカーボネート樹脂を一定割合以上含有することが好ましい。
構造粘性指数Nとは、文献「化学者のためのレオロジー」(化学同人、1982年、第15〜16頁)にも詳記されているように、溶融体の流動特性を評価する指標である。通常、ポリカーボネート樹脂の溶融特性は、数式:γ=a・σにより表示することができる。なお、前記式中、γ:剪断速度、a:定数、σ:応力、N:構造粘性指数、を表す。
上述の数式において、N=1のときはニュートン流動性を示し、Nの値が大きくなるほど非ニュートン流動性が大きくなる。つまり、構造粘性指数Nの大小により溶融体の流動特性が評価される。一般に、構造粘性指数Nが大きいポリカーボネート樹脂は、低剪断領域における溶融粘度が高くなる傾向がある。このため、構造粘性指数Nが大きいポリカーボネート樹脂を別のポリカーボネート樹脂と混合した場合、得られる成形品の燃焼時の滴下を抑制し、難燃性を向上させることができる。ただし、得られるポリカーボネート樹脂組成物の成形性を良好な範囲に維持するためには、このポリカーボネート樹脂の構造粘性指数Nは過度に大きくないことが好ましい。
従って、ポリカーボネート樹脂は、構造粘性指数Nが、通常1.2以上、好ましくは1.25以上、より好ましくは1.28以上であり、また、通常1.8以下、好ましくは1.7以下のポリカーボネート樹脂、好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂を一定割合以上含有することが好ましい。
このように構造粘性指数Nが高いことは、ポリカーボネート樹脂が分岐鎖を有することを意味し、このように構造粘性指数Nが高いポリカーボネート樹脂を含有することにより、ポリカーボネート樹脂成形品の燃焼時の滴下を抑制し、難燃性を向上させることができる。
なお、構造粘性指数Nは、例えば特開2005−232442号公報に記載されているように、上述の式を誘導した、Logη=〔(1−N)/N〕×Logγ+Cによって表示することも可能である。なお、前記式中、N:構造粘性指数、γ:剪断速度、C:定数、η:見かけの粘度、を表す。この式から分かるように、粘度挙動が大きく異なる低剪断領域におけるγとηからN値を評価することもできる。例えば、γ=12.16sec−1及びγ=24.32sec−1でのηからN値を決定することができる。
構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂は、例えば、特開平8−259687号公報、特開平8−245782号公報に記載されているように、溶融法(エステル交換法)によって芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを反応させる際、触媒の条件または製造条件を選択することにより、分岐剤を添加することなく、構造粘性指数が高く、加水分解安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
また、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂は、常法に従って、ホスゲン法あるいは溶融法(エステル交換法)で製造する際に、分岐剤を使用する方法によって製造することもできる。
分岐剤の具体例としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、また3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどが挙げられる。
その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜3モル%の範囲である。
構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、メチレンクロライドを溶媒として用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量が16,000〜30,000の範囲が好適である。
ポリカーボネート樹脂は、上述した構造粘性指数Nが所定範囲にあるポリカーボネート樹脂(以下、このポリカーボネート樹脂を「所定Nポリカーボネート樹脂」と称す場合がある。)を、ポリカーボネート樹脂中、通常20質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上含むことが望ましい。このように所定Nポリカーボネート樹脂と組合せることにより、必要以上に押出し時のトルク上昇を招かないため、生産性の低下を招きにくくなる。すなわち、成形性と生産性をいずれも顕著に発揮できることになる。
なお、ポリカーボネート樹脂中の、所定Nポリカーボネート樹脂の含有量の上限に制限は無く、通常100質量%以下であるが、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。
また、ポリカーボネート樹脂は、上述した所定Nポリカーボネート樹脂以外に、構造粘性指数Nが上記の所定範囲外であるポリカーボネート樹脂を含んでいてもよい。その種類に制限は無いが、なかでも直鎖状ポリカーボネート樹脂が好ましい。所定Nポリカーボネート樹脂と直鎖状ポリカーボネート樹脂とを組み合わせることにより、得られるポリカーボネート樹脂組成物の難燃性(滴下防止性)と成形性(流動性)のバランスをとりやすいという利点が得られる。この観点から、ポリカーボネート樹脂は、所定Nポリカーボネート樹脂と、直鎖状ポリカーボネート樹脂とから構成されるものを用いることが特に好ましい。なお、この直鎖状ポリカーボネート樹脂の構造粘性指数Nは通常1〜1.15程度である。
さらにポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。前記の使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体;導光板;自動車窓ガラス、自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材;水ボトル等の容器;メガネレンズ;防音壁、ガラス窓、波板等の建築部材などが挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
[5.その他の添加剤]
本発明の難燃剤を使用する際には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、充填剤、光拡散剤、強化剤などが挙げられる。
[6.ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリカーボネート樹脂用難燃剤を使用したポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、本発明の有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜380℃の範囲である。
また、前述したように、少量の水と、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物、また他の樹脂添加剤を混合し、これを加熱攪拌して得られた水溶液を、ポリカーボネート樹脂に混合して、フレーク状物を得、これを混練機等にフィードすることも好ましい。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
実施例および比較例に使用した原料は以下のとおりである。
[ポリカーボネート樹脂]
ポリカーボネート樹脂として、下記のポリカーボネート樹脂(A1)〜(A3)を使用した。
(A1):三菱エンジニアリングプラスチックス製「ノバレックス(登録商標)M7027BF」 粘度平均分子量27,000、構造粘性指数N値1.4
(A2):三菱エンジニアリングプラスチックス製「ノバレックス(登録商標)M7020J」 粘度平均分子量20,000、構造粘性指数N値1.0
(A3):三菱エンジニアリングプラスチックス製「ユーピロン(登録商標)H−4000」 粘度平均分子量16,000、構造粘性指数N値1.0
[難燃剤(B)]
包接化合物の難燃剤として、以下の難燃剤フレーク(B1)〜(B7)を用意した。
(B1):ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.1質量部と18−クラウン−6−エーテル0.0781質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B1)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
具体的には、混合物から水を留去した後、ラマン分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製:ALMEGA)において、励起レーザー:532nm、レーザー出力:100%、アパーチャ:50μm、露光時間:1秒、露光回数:4回、の条件で測定したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム単独では741cm−1、698cm−1、671cm−1、600cm−1、561cm−1、536cm−1にピークが、また18−クラウン−6−エーテル単独では821cm−1、578cm−1、414cm−1にピークが現れるのに対し、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物は上記2つのピークとは異なる870cm−1、830cm−1、748cm−1、735cm−1、546cm−1にピークが見られる。
(B2):ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物
水1.5質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.15質量部と18−クラウン−6−エーテル0.118質量部を温度98℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B2)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
(B3):ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/15−クラウン−5−エーテル包接化合物
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.1質量部と15−クラウン−5−エーテル0.0651質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B3)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと15−クラウン−5−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
(B4):ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル包接化合物
アセトン0.5質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.1質量部とジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル0.105質量部を温度30℃にて溶解し、20分間攪拌した後、得られた溶液からアセトンを留去して、混合物(B4)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムとジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
(B5):トリフルオロメタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物
水1質量部に、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム0.0847質量部と18−クラウン−6−エーテル0.119質量部を温度90℃にて溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B5)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
(B6):ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.08質量部と18−クラウン−6−エーテル0.0625質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B6)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
(B7):ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.06質量部と18−クラウン−6−エーテル0.0469質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B7)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
[離型剤(C)]
離型剤として、以下の離型剤(C1)〜(C2)を使用した。
(C1):ペンタエリスリトールテトラステアレート
(C2):ステアリルステアレート
(実施例1)
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記したポリカーボネート樹脂(A1)65質量部と(A2)15質量部をタンブラーにて20分間ブレンドして、ペレット原料とした。
また、上記ポリカーボネート樹脂(A3)19.70質量部に、上記離型剤(C1)0.1質量部、(C2)0.1質量部および、上記した混合物(B1)(ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物)を混ぜ合わせ、フレーク状原料を別途用意した。
原料投入口とダイを有する、1ベントを備えた東芝機械社製二軸押出機(TEM37BS)に、上記ペレット原料を48kg/hrの速度、上記フレーク状原料を12.6kg/hrの速度で供給し、スクリュー回転数400rpm、吐出量60.6kg/時間、バレル温度290℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを120℃で6時間乾燥した後、日本製鋼所社製射出成形機J50を用い、金型温度80℃、シリンダー設定温度290℃の条件下で射出成形を行い、長さ65mm、幅45mm、厚さ5mmの光学特性試験用試験片を得た。
また、同様に、得られたペレットを120℃で6時間乾燥した後、日本製鋼所社製射出成形機J50を用い、金型温度80℃、シリンダー設定温度290℃の条件下で射出成形を行い、長さ125mm、幅13mm、厚さ2.5mmの燃焼試験用試験片を得た。
[難燃性評価(UL)]
得られた厚さ2.5mmの燃焼試験用試験片について、UL94Vに準拠した垂直燃焼試験を行い、燃焼性結果は良好な順からV−0、V−1、V−2とし、規格外のものをNGと分類した。
[ヘイズ(Haze)]
JIS K−7136に準拠し、上記光学特性試験用試験片(厚み5mm)を用い、日本電色工業社製のNDH−2000型ヘイズメーターで、ヘイズを測定した。
[色相およびYI値]
JIS K7105に準じ、上記5mm厚の光学特性試験用試験片を用い、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、透過法によりL値、a値、b値およびYI値を測定した。
以上の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(A3)の使用量を19.65質量部、
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物として前記混合物(B2)を用い、フレーク状原料の押出機への供給速度を12.9kg/hrとした以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、包接化合物として前記混合物(B3)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、包接化合物として前記混合物(B4)を用い、フレーク状原料を12.0kg/hrの速度で供給した以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、包接化合物として前記混合物(B5)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例2と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例5において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 2013007018
表1から明らかなように、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合を含有する実施例の成形体は、難燃性に優れ、5mm厚の厚肉成形品でも白濁の問題もなく、極めて良好なヘイズを示し、色調にも優れることが分かる。
一方、包接化合物としなかった比較例では、難燃性は同レベルであるものの、5mm厚の厚肉成形品でヘイズ、明度、色調、イェローインデックスが、実施例のものに較べて、悪いことが分かる。
(実施例6)
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記したポリカーボネート樹脂(A1)65質量部と(A2)15質量部をタンブラーにて20分間ブレンドして、ペレット原料とした。
また、上記ポリカーボネート樹脂(A3)19.70質量部に、上記離型剤(C1)0.1質量部、(C2)0.1質量部および、上記した混合物(B1)(ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物)を混ぜ合わせ、フレーク状原料を別途用意した。
原料投入口とダイを有する、1ベントを備えた東芝機械社製二軸押出機(TEM37BS)に、上記ペレット原料を48kg/hrの速度、上記フレーク状原料を12.6kg/hrの速度で供給し、スクリュー回転数400rpm、吐出量60.6kg/時間、バレル温度290℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを120℃で6時間乾燥した後、日本製鋼所社製射出成形機J50を用い、金型温度80℃、シリンダー設定温度290℃の条件下で射出成形を行い、長さ65mm、幅45mm、厚さ3mmの光学特性試験用成形片を試験片として得た。
[湿熱促進試験]
上記で得られた厚さ3mmの光学特性試験用成形片を、プレッシャークッカー試験装置(平山製作所社製:HASTEST MODEL PC−SIII)を用いて、121℃、2atm、100%RHの条件で25時間および50時間処理した。0時間(処理前)の成形片とともに、JIS K7136に準拠し、上記光学特性試験用試験片(厚み3mm)の0時間(処理前)、25時間処理品および50時間処理品を用い、日本電色工業社製のNDH−2000型ヘイズメーターで、ヘイズを測定した。また、処理前後の試験片中のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を測定した。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例6において、ポリカーボネート樹脂(A3)の使用量を19.72質量部、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物として前記混合物(B6)を用いた以外は、実施例6と同様に行った。
評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例6において、ポリカーボネート樹脂(A3)の使用量を19.74質量部、
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物として前記混合物(B7)を用いた以外は、実施例6と同様に行った。
評価結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例6において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例6と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例7において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例7と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例8において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例8と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2013007018
表2から明らかなように、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合を含有する実施例の成形体は、湿熱促進試験後のヘイズ上昇(白濁)抑制効果があることが確認できる。
本発明の難燃剤は、難燃性に優れ、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れるので成形品の白濁の問題がなく、ヘイズに優れるポリカーボネート樹脂用難燃剤で、各種のポリカーボネート樹脂成形品に極めて好適に利用でき、産業上の利用性は非常に高いものがある。特に、ヘイズが大きいと、厚肉部を有する成形片を射出成形した場合に、厚肉部が著しく白濁してしまい、透明製品に使用できない場合が多々ある。本発明による、高い難燃性能を維持しつつ厚肉部のヘイズを著しく低減できる難燃剤は、透明難燃ポリカーボネート樹脂の利用分野を大きく広げる難燃技術であって、極めて有用である。更には、本発明の難燃剤を使用することで、色調に優れた透明製品を得ることができ、極めて有用である。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1または2の発明において、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩のアルカリ金属が、K、Na、CsまたはLiであることを特徴とするポリカーボネート樹脂用難燃剤が提供される。

Claims (6)

  1. 有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤。
  2. クラウンエーテル化合物が、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
  3. 有機スルホン酸金属塩が、有機スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
  4. 有機スルホン酸アルカリ金属塩のアルカリ金属が、K、Na、CsまたはLiであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
  5. 有機スルホン酸金属塩が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩または芳香族スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
  6. 有機スルホン酸金属塩およびクラウンエーテル化合物を、溶媒中で溶解し混合して包接化合物を得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤の製造方法。
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