JP2013007018A - ポリカーボネート樹脂用難燃剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤による。
【選択図】なし
Description
しかしながら、塩素や臭素を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物は、熱安定性の低下を招いたり、成形加工時における成形機のスクリューや成形金型の腐食を招いたりすることがあった。また、リン系難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂の特徴である高い透明性を阻害したり、耐衝撃性、耐熱性の低下を招いたりするため、その用途が制限されることがあった。加えて、これらのハロゲン系難燃剤及びリン系難燃剤は、製品の廃棄、回収時に環境汚染を惹起する可能性があるため、近年ではこれらの難燃剤を使用することなく難燃化することが望まれている。
難燃性能が高くともポリカーボネート樹脂への相溶性が低いと、ヘイズが大きくなるため、高い透明性が要求される分野や白濁のない高級感が要求される製品においては、使用できないという制限がある。例えば、トリフルオロメタンスルホン酸塩は、分子鎖が短いため、他の金属塩より難燃性能に優れるが、ヘイズが大きくなってしまうために使用し難い。
例えば、透明難燃ポリカーボネート樹脂として、透明性確保・色相悪化防止のため、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムを、0.08〜0.1質量%程度添加する場合があるが、この場合でも、射出成形時に徐冷がかかる厚肉部では、親水性であるノナフルオロブタンスルホン酸カリウムが凝集して白濁してしまい、厚肉部を有するような製品では使用が制限されてしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れ、成形品の白濁の問題がなく、ヘイズおよび色調に優れるポリカーボネート樹脂用難燃剤を提供することを目的とする。
したがって、本発明の難燃剤を使用することにより、難燃性に優れ、白濁の問題がなく、ヘイズおよび色調に優れるポリカーボネート樹脂成形品を得ることができる。
なお、本願明細書において、「〜」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂用難燃剤は、有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤である。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂難燃剤およびその成形方法等につき、詳細に説明する。
本発明の包接化合物を構成する難燃性化合物は、有機スルホン酸金属塩である。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属のうち、アルカリ金属がさらに好ましく、ナトリウム、カリウム、セシウムまたはリチウムがより好ましく、さらにはナトリウム、カリウム、セシウムが、特にはナトリウム、カリウムが好ましい。
また、含フッ素脂肪族スルホン酸金属塩としては分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩が特に好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等が好ましい。
芳香族スルホン酸金属塩としては芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム等のジフェニルスルホン−スルホン酸のアルカリ金属塩;パラトルエンスルホン酸ナトリウム、及びパラトルエンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸セシウム等のパラトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩;が特に好ましく、パラトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩がさらに好ましい。
本発明において、上記有機スルホン酸金属塩と包接化合物を形成する有機化合物として、クラウンエーテル化合物を使用する。
クラウンエーテル化合物とは、クラウンエーテル、及びクラウンエーテル構造を有するその誘導体を意味する。クラウンエーテル化合物は、[−CH2−CH2−Y−]の繰り返し単位を有する環を有する化合物であり、環を形成している−CH2−CH2−は置換されていてもよく、YはO、N、Sのヘテロ原子である。クラウンエーテル化合物としては、クラウンエーテル、酸素を硫黄で置換したチアクラウンエーテル、窒素で置換したアザクラウンエーテル、2環式のクラウンエーテルであるクリプタンド等が挙げられ、これらの中でもクラウンエーテルおよびアザクラウンエーテルが好ましく、特にクラウンエーテルが好ましい。
このようなクラウンエーテル化合物は、環の内側に酸素原子等が負に帯電しているため、この環の中に有機スルホン酸金属塩の金属カチオンを捕まえ、錯体を形成する能力を有する。
また、アザクラウンエーテルの例としては、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、4,10−ジアザ−12−クラウン−4、4,10−ジアザ−15−クラウン−5、4,13−ジアザ−18−クラウン−6、N,N’−ジベンゾイル−4,13−ジアザ−18−クラウン−6、N−フェニルアザ−15−クラウン−5等が挙げられる。
本発明の難燃剤は、上記有機スルホン酸金属塩と上記クラウンエーテル化合物との包接化合物からなる。クラウンエーテル化合物は、有機スルホン酸金属塩の金属カチオンを取り込み、安定な錯体を形成する機能を有する。このクラウンエーテルの極性空孔は、空孔径に適合したイオン径を有するカチオンを空孔内に取り込むので、金属カチオン種により使用するクラウンエーテル化合物を選択することが好ましい。たとえば、有機スルホン酸金属塩としてカリウム塩の場合は、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルを用いることが好ましく、ナトリウム塩の場合は、15−クラウン−5−エーテルを用いることが好ましい。
有機スルホン酸金属塩は元来親水性であって、ポリカーボネート樹脂への相溶性が低く微量の添加であっても白濁を生じる。しかし、有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して包接化合物とすることにより、有機スルホン酸金属塩がクラウンエーテル化合物の影響で油溶性となって、ポリカーボネート樹脂との相溶性が極めて向上する。そのため、白濁の問題を解消することができ、また、有機スルホン酸金属塩がクラウンエーテル化合物と錯体構造となることで、有機スルホン酸金属塩のイオン化を促進し、より微量の添加で難燃性の効果を達成することができる。
得られた包接化合物は、水あるいは有機溶媒に溶け難い場合は、加熱して均一溶液とし、その後冷却することで分離可能である。
また、この際の水を含有する包接化合物を、そのままポリカーボネート樹脂組成物を製造する際の混練機に、他の樹脂添加剤とともに供給することも好ましい。
さらには、少量の水と、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物、また他の樹脂添加剤を混合し、これを加熱攪拌して得られた水溶液を、ポリカーボネート樹脂に混合して、フレーク状にしたものも好ましく、このものはそのまま混練機等にフィードすることが可能となる。
本発明の有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物難燃剤を用いるポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
構造粘性指数Nとは、文献「化学者のためのレオロジー」(化学同人、1982年、第15〜16頁)にも詳記されているように、溶融体の流動特性を評価する指標である。通常、ポリカーボネート樹脂の溶融特性は、数式:γ=a・σNにより表示することができる。なお、前記式中、γ:剪断速度、a:定数、σ:応力、N:構造粘性指数、を表す。
このように構造粘性指数Nが高いことは、ポリカーボネート樹脂が分岐鎖を有することを意味し、このように構造粘性指数Nが高いポリカーボネート樹脂を含有することにより、ポリカーボネート樹脂成形品の燃焼時の滴下を抑制し、難燃性を向上させることができる。
分岐剤の具体例としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、また3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどが挙げられる。
その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜3モル%の範囲である。
なお、ポリカーボネート樹脂中の、所定Nポリカーボネート樹脂の含有量の上限に制限は無く、通常100質量%以下であるが、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。
本発明の難燃剤を使用する際には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、充填剤、光拡散剤、強化剤などが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂用難燃剤を使用したポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、本発明の有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物との包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜380℃の範囲である。
また、前述したように、少量の水と、有機スルホン酸金属塩とクラウンエーテル化合物、また他の樹脂添加剤を混合し、これを加熱攪拌して得られた水溶液を、ポリカーボネート樹脂に混合して、フレーク状物を得、これを混練機等にフィードすることも好ましい。
[ポリカーボネート樹脂]
ポリカーボネート樹脂として、下記のポリカーボネート樹脂(A1)〜(A3)を使用した。
(A1):三菱エンジニアリングプラスチックス製「ノバレックス(登録商標)M7027BF」 粘度平均分子量27,000、構造粘性指数N値1.4
(A2):三菱エンジニアリングプラスチックス製「ノバレックス(登録商標)M7020J」 粘度平均分子量20,000、構造粘性指数N値1.0
(A3):三菱エンジニアリングプラスチックス製「ユーピロン(登録商標)H−4000」 粘度平均分子量16,000、構造粘性指数N値1.0
包接化合物の難燃剤として、以下の難燃剤フレーク(B1)〜(B7)を用意した。
(B1):ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.1質量部と18−クラウン−6−エーテル0.0781質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B1)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
具体的には、混合物から水を留去した後、ラマン分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製:ALMEGA)において、励起レーザー:532nm、レーザー出力:100%、アパーチャ:50μm、露光時間:1秒、露光回数:4回、の条件で測定したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム単独では741cm−1、698cm−1、671cm−1、600cm−1、561cm−1、536cm−1にピークが、また18−クラウン−6−エーテル単独では821cm−1、578cm−1、414cm−1にピークが現れるのに対し、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物は上記2つのピークとは異なる870cm−1、830cm−1、748cm−1、735cm−1、546cm−1にピークが見られる。
水1.5質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.15質量部と18−クラウン−6−エーテル0.118質量部を温度98℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B2)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.1質量部と15−クラウン−5−エーテル0.0651質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B3)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと15−クラウン−5−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
アセトン0.5質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.1質量部とジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル0.105質量部を温度30℃にて溶解し、20分間攪拌した後、得られた溶液からアセトンを留去して、混合物(B4)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムとジベンゾ−18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
水1質量部に、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム0.0847質量部と18−クラウン−6−エーテル0.119質量部を温度90℃にて溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B5)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.08質量部と18−クラウン−6−エーテル0.0625質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B6)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
水1質量部に、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.06質量部と18−クラウン−6−エーテル0.0469質量部を温度95℃にて加熱溶解し、20分間攪拌した後、放冷して得られた水溶液を混合して、混合物(B7)を用意した。この混合物をLC/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)およびラマン分光光度計で分析したところ、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムと18−クラウン−6−エーテルとの包接化合物が生成していることが確認された。
離型剤として、以下の離型剤(C1)〜(C2)を使用した。
(C1):ペンタエリスリトールテトラステアレート
(C2):ステアリルステアレート
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記したポリカーボネート樹脂(A1)65質量部と(A2)15質量部をタンブラーにて20分間ブレンドして、ペレット原料とした。
また、上記ポリカーボネート樹脂(A3)19.70質量部に、上記離型剤(C1)0.1質量部、(C2)0.1質量部および、上記した混合物(B1)(ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物)を混ぜ合わせ、フレーク状原料を別途用意した。
原料投入口とダイを有する、1ベントを備えた東芝機械社製二軸押出機(TEM37BS)に、上記ペレット原料を48kg/hrの速度、上記フレーク状原料を12.6kg/hrの速度で供給し、スクリュー回転数400rpm、吐出量60.6kg/時間、バレル温度290℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
また、同様に、得られたペレットを120℃で6時間乾燥した後、日本製鋼所社製射出成形機J50を用い、金型温度80℃、シリンダー設定温度290℃の条件下で射出成形を行い、長さ125mm、幅13mm、厚さ2.5mmの燃焼試験用試験片を得た。
得られた厚さ2.5mmの燃焼試験用試験片について、UL94Vに準拠した垂直燃焼試験を行い、燃焼性結果は良好な順からV−0、V−1、V−2とし、規格外のものをNGと分類した。
JIS K−7136に準拠し、上記光学特性試験用試験片(厚み5mm)を用い、日本電色工業社製のNDH−2000型ヘイズメーターで、ヘイズを測定した。
JIS K7105に準じ、上記5mm厚の光学特性試験用試験片を用い、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、透過法によりL値、a値、b値およびYI値を測定した。
以上の評価結果を表1に示す。
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(A3)の使用量を19.65質量部、
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物として前記混合物(B2)を用い、フレーク状原料の押出機への供給速度を12.9kg/hrとした以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
実施例1において、包接化合物として前記混合物(B3)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
実施例1において、包接化合物として前記混合物(B4)を用い、フレーク状原料を12.0kg/hrの速度で供給した以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
実施例1において、包接化合物として前記混合物(B5)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
評価結果を表1に示す。
実施例1において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
実施例2において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例2と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
実施例5において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行った。
評価結果を表1に示す。
一方、包接化合物としなかった比較例では、難燃性は同レベルであるものの、5mm厚の厚肉成形品でヘイズ、明度、色調、イェローインデックスが、実施例のものに較べて、悪いことが分かる。
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記したポリカーボネート樹脂(A1)65質量部と(A2)15質量部をタンブラーにて20分間ブレンドして、ペレット原料とした。
また、上記ポリカーボネート樹脂(A3)19.70質量部に、上記離型剤(C1)0.1質量部、(C2)0.1質量部および、上記した混合物(B1)(ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物)を混ぜ合わせ、フレーク状原料を別途用意した。
原料投入口とダイを有する、1ベントを備えた東芝機械社製二軸押出機(TEM37BS)に、上記ペレット原料を48kg/hrの速度、上記フレーク状原料を12.6kg/hrの速度で供給し、スクリュー回転数400rpm、吐出量60.6kg/時間、バレル温度290℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上記で得られた厚さ3mmの光学特性試験用成形片を、プレッシャークッカー試験装置(平山製作所社製:HASTEST MODEL PC−SIII)を用いて、121℃、2atm、100%RHの条件で25時間および50時間処理した。0時間(処理前)の成形片とともに、JIS K7136に準拠し、上記光学特性試験用試験片(厚み3mm)の0時間(処理前)、25時間処理品および50時間処理品を用い、日本電色工業社製のNDH−2000型ヘイズメーターで、ヘイズを測定した。また、処理前後の試験片中のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を測定した。結果を表2に示す。
実施例6において、ポリカーボネート樹脂(A3)の使用量を19.72質量部、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物として前記混合物(B6)を用いた以外は、実施例6と同様に行った。
評価結果を表2に示す。
実施例6において、ポリカーボネート樹脂(A3)の使用量を19.74質量部、
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/18−クラウン−6−エーテル包接化合物として前記混合物(B7)を用いた以外は、実施例6と同様に行った。
評価結果を表2に示す。
実施例6において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例6と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
実施例7において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例7と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
実施例8において、18−クラウン−6−エーテルを使用しなかった以外は、実施例8と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
Claims (6)
- 有機スルホン酸金属塩をクラウンエーテル化合物に包接して得られた包接化合物からなるポリカーボネート樹脂用難燃剤。
- クラウンエーテル化合物が、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
- 有機スルホン酸金属塩が、有機スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
- 有機スルホン酸アルカリ金属塩のアルカリ金属が、K、Na、CsまたはLiであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
- 有機スルホン酸金属塩が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩または芳香族スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤。
- 有機スルホン酸金属塩およびクラウンエーテル化合物を、溶媒中で溶解し混合して包接化合物を得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂用難燃剤の製造方法。
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