<実施の形態1>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1を手前側から眺めた図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型の構成を有するものであって、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット10(10Y、10M、10C、10K)を備えている。また、画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成され、画像形成装置1を構成する各装置および各部の動作を制御する制御部80を備えている。さらに、画像形成装置1は、タッチパネル等により構成され、ユーザから受けた指示を制御部80に出力するとともに制御部80からの情報をユーザに提示するユーザインタフェース部(UI)90を備えている。さらにまた、画像形成装置1は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や画像読取装置(スキャナ)等から画像データ等を受信する受信部70を有している。
また、画像形成装置1は、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されるとともにこのトナー像を保持する中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20上のトナー像を用紙(記録材)Pに一括転写(二次転写)する二次転写装置30とを備えている。ここで、各画像形成ユニット10、中間転写ベルト20、および二次転写装置30は、用紙Pに画像を形成する画像形成部として捉えることができる。
また、画像形成ユニット10の各々は、回転可能に取り付けられた感光体ドラム11を備えている。また、画像形成ユニット10の各々において、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12、感光体ドラム11を露光して静電潜像を書き込む露光装置13、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。さらに、画像形成ユニット10の各々には、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写装置15、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラム清掃装置16が設けられている。
次に、中間転写ベルト20は、それぞれが回転可能に設けられた3本のロール部材21〜23に掛け渡され、回転するように設けられている。これら3本のロール部材21〜23のうち、ロール部材22は、中間転写ベルト20を駆動するようになっている。また、ロール部材23は、中間転写ベルト20を挟んで二次転写ロール31に対向配置されており、これら二次転写ロール31およびロール部材23によって二次転写装置30が構成されている。なお、中間転写ベルト20を挟んでロール部材21と対向する位置には、中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するベルト清掃装置24が設けられている。
また、画像形成装置1には、二次転写装置30に向けて搬送される用紙Pが通過する第1搬送経路R1、二次転写装置30を通過した後の用紙Pが通過する第2搬送経路R2、定着装置50(後述)よりも下流側にて第2搬送経路R2から分岐するとともに第1搬送経路R1の下方まで延び、用紙Pを用紙反転装置100(後述)に導く第3搬送経路R3、用紙反転装置100(後述)を通過した用紙を再び第1搬送経路R1に導く第4搬送経路R4が設けられている。ここで、第1搬送経路R1〜第4搬送経路R4では、用紙Pが有する4つの側辺のうちの互いに対向する関係の2つの側辺(一の側辺とこの一の側辺とは反対側に位置する他方の側辺:詳細は後述する)が、これらの搬送経路に沿って移動するように、用紙Pの搬送が行われる。
そして、本実施の形態の画像形成装置1は、第3搬送経路R3から搬入された用紙Pの表裏を反転して第4搬送経路R4に搬出する用紙反転装置100をさらに備えている。この用紙反転装置100は、第1搬送経路R1における用紙搬送方向および第3搬送経路R3における用紙搬送方向に沿う軸線を中心に、用紙Pを反転させる機能を有している。すなわち、本実施の形態の用紙反転装置100は、用紙Pにおける用紙搬送方向の先端および後端の関係を変えることなく、用紙Pの2つの側端(側辺)の関係を反転させる。そして、この用紙反転装置100は、第3搬送経路R3に接続される搬入経路Raと、第4搬送経路R4に接続される搬出経路Rcと、搬入経路Raから供給されてきた用紙Pの表裏を反転させて搬出経路Rcに供給する反転経路Rbとを有している。
なお、用紙反転装置100における用紙Pの搬入側となる第3搬送経路R3には、用紙Pの通過を検知する用紙検知センサ60が取り付けられている。
さらに、本実施の形態では、画像形成装置1の筐体2に開口3が形成されている。ここで、第2搬送経路R2に沿って搬送されてきた用紙Pのうち、第3搬送経路R3に導かれないものは、この開口3を通じて筐体2の外部に排出され、不図示の用紙積載部上に積載される。なお筐体2に隣接させて処理装置(不図示)を設け、開口3から排出されてくる用紙Pに対し穴あけなどの処理をさらに行うこともできる。
また、画像形成装置1は、第1搬送経路R1に用紙Pを供給する第1用紙供給装置40Aと、第1用紙供給装置40Aよりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられ、第1搬送経路R1に用紙Pを供給する第2用紙供給装置40Bとをさらに備えている。なお、第1用紙供給装置40Aおよび第2用紙供給装置40Bは同様に構成されており、第1用紙供給装置40Aおよび第2用紙供給装置40Bの各々には、用紙Pを収容する用紙収容部41、用紙収容部41に収容された用紙Pを取り出して搬送する取り出しロール42が設けられている。
また、第1搬送経路R1上であって二次転写装置30の上流側には、第1搬送経路R1上の用紙Pを二次転写装置30に向けて搬送する第1搬送ロール44が設けられている。さらに、第1搬送ロール44に向けて用紙Pを搬送する第2搬送ロール45、第2搬送ロール45に向けて用紙Pを搬送する第3搬送ロール46、第3搬送ロール46に向けて用紙Pを搬送する第4搬送ロール47が設けられている。ここで、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45、第3搬送ロール46、第4搬送ロール47は、搬送経路に沿って用紙Pを搬送する搬送手段として捉えることができる。
またこれらの搬送ロールの他に、第1搬送経路R1、第2搬送経路R2、第3搬送経路R3、および第4搬送経路R4には、これらの搬送経路上に位置する用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。なお、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45、第3搬送ロール46、第4搬送ロール47、および搬送ロール48は、回転可能に設けられ互いに押し合う一対のロール状部材によって構成されるとともに一方のロール状部材が回転駆動されることで用紙Pの搬送を行う。
また本実施の形態では、第2搬送ロール45と第3搬送ロール46との間に、用紙Pの先端部が突き当てられる突き当て部材43が設けられている。本実施の形態では、この突き当て部材43に対して用紙Pの先端部が突き当てられることで、用紙Pのスキュー(搬送方向に対する用紙Pの傾き)が補正されるようになっている。なお、突き当て部材43により用紙Pのスキューが補正された後、この突き当て部材43は第1搬送経路R1から退避する。
また、画像形成装置1は、第2搬送経路R2上に、二次転写装置30により用紙P上に二次転写された画像をこの用紙Pに定着させる定着装置50をさらに備えている。この定着装置50は、内蔵されたヒータ(不図示)により加熱される加熱ロール50Aと、加熱ロール50Aを押圧する押圧ロール50Bとを有している。そして、この定着装置50では、加熱ロール50Aと押圧ロール50Bとの間を用紙Pが通過することで、用紙Pが加熱および加圧され、用紙P上の画像が用紙Pに定着される。
さらに、二次転写装置30と定着装置50との間には、二次転写装置30を通過した用紙Pを定着装置50へ搬送するベルト搬送部49が設けられている。ベルト搬送部49は、周回移動するベルトを有しており、このベルトの上に用紙Pを載せて用紙Pの搬送を行う。
また、本実施の形態の画像形成装置1では、第1用紙供給装置40A等から供給された用紙Pの第1面に画像を形成することができるのに加え、用紙Pの第2面に画像を形成することができるようになっている。より具体的に説明すると、この画像形成装置1では、定着装置50を通過した用紙Pの表裏が用紙反転装置100によって反転され、表裏が反転された用紙Pが再度二次転写装置30へと搬送される。そして二次転写装置30にて用紙Pの第2面に対して画像が転写される。その後、この用紙Pは定着装置50を再び通過し、転写されたこの画像は用紙Pに定着される。これにより、用紙Pの第1面のみならず、第2面にも画像が形成されるようになる。
図2は、図1に示す用紙反転装置100の全体構成を示す斜視図である。
本実施の形態の用紙反転装置100は、4本の支柱および各支柱を接続するステーを備えた枠体101と、枠体101に取り付けられて用紙Pの反転搬送に用いられる用紙案内部200とを備えている。
これらのうち、用紙案内部200は、第3搬送経路R3(図1参照)から用紙Pが搬入される搬入部210と、搬入部210から送られてきた用紙Pの表裏を反転させる反転部220と、反転部220から送られてきた用紙Pを第4搬送経路R4(図1参照)に搬出する搬出部230とを備えている。ここで、本実施の形態では、搬出部230が搬入部210の上方に配置されており、しかも、上方からみたときに、搬出部230と搬入部210とが重なっている。一方、反転部220は、搬入部210および搬出部230に対し、図2において手前側すなわち図1に示す画像形成装置1において手前側となる位置に配置されている。これにより、用紙反転装置100では、用紙案内部200を構成する搬入部210および搬出部230の間に、空間が形成されている。
また、搬入部210には、第3搬送経路R3から用紙Pを受け取るための搬入経路Raが、反転部220には、搬入経路Raから用紙Pを受け取るための反転経路Rbが、搬出部230には、反転経路Rbから用紙Pを受け取り且つ受け取った用紙Pを第4搬送経路R4に受け渡すための搬出経路Rcが、それぞれ設けられている。したがって、用紙案内部200において、搬入経路Ra、反転経路Rbおよび搬出経路Rcは、互いに接続されることにより、連続した搬送経路を構成している。
ここで、搬入部210は、互いに対向して配置されることで搬入経路Raを形成する第1搬入案内板211および第2搬入案内板212を備えている。この例では、第1搬入案内板211が、第2搬入案内板212からみて用紙反転装置100の外側(下方)に位置しており、第2搬入案内板212の上方に、上述した空間が形成されている。
また、反転部220は、互いに対向して配置されることで反転経路Rbを形成する第1反転案内板221および第2反転案内板222を備えている。この例では、第2反転案内板222が、第1反転案内板221からみて用紙反転装置100の外側に位置しており、第2反転案内板222のうち第1反転案内板221とは逆側となる側方に、上述した空間が形成されている。
さらに、搬出部230は、互いに対向して配置されることで搬出経路Rcを形成する第1搬出案内板231および第2搬出案内板232を備えている。この例では、第1搬出案内板231が、第2搬出案内板232からみて用紙反転装置100の外側(上方)に位置しており、第2搬出案内板232の下方に、上述した空間が形成されている。
なお、搬入部210、反転部220および搬出部230には、それぞれ、用紙Pを搬送する複数個の搬送ロールを設けているが、この詳細については後述する。
<用紙Pの搬送方向>
図3は、用紙反転装置100に設けられる各搬送経路と各搬送経路における用紙Pの搬送方向との関係を説明するための図である。なお、図3に示す各搬送経路は、図2に示す用紙反転装置100を斜め奥側から眺めた場合に対応している。
ここで、本実施の形態では、用紙反転装置100を通過する用紙Pの各部を、次のように規定する。まず、用紙Pは、矩形状となっており、第3搬送経路R3から搬入経路Raに搬入されてくる用紙Pにおいて、搬送方向の先頭を用紙先端Plと呼び、搬送方向の後尾を用紙後端Ptと呼ぶ。また、第3搬送経路R3から搬入経路Raに搬入されてくる用紙Pにおいて、搬送方向の左側端を用紙第1側端Ps1と呼び、搬送方向の右側端を用紙第2側端Ps2と呼ぶ。さらに、第3搬送経路R3から搬入経路Raに搬入されてくる用紙Pにおいて、上方を向く面を用紙表面Pfと呼び、下方を向く面を用紙裏面Pbと呼ぶ。
ここで、本実施の形態では、用紙先端Plが前辺に、用紙後端Ptが後辺に、用紙第1側端Ps1が第1の側辺に、そして用紙第2側端Ps2が第2の側辺に、それぞれ対応している。
搬入経路Raには、第3搬送経路R3から、用紙表面Pfが上方を向くとともに、用紙先端Plを先頭とし且つ用紙後端Ptを後尾として、用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2に倣う搬入方向Da1に沿って、用紙Pが送られてくる。また、搬入経路Raからは、反転経路Rbに向けて、用紙表面Pfが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う受渡方向Da2に沿って、用紙Pが送り出される。
反転経路Rbには、搬入経路Raから、用紙表面Pfが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う反転方向Dbに沿って、用紙Pが送られてくる。なお、搬入経路Raと反転経路Rbとの境界部において、受渡方向Da2および反転方向Dbは同じ向きとなっている。ここで、反転方向Dbは湾曲した形状(U字状)となっており、反転経路Rb内を搬送される用紙Pは、上方からみたときの用紙第1側端Ps1と用紙第2側端Ps2との関係が逆転し、その表裏(用紙表面Pfおよび用紙裏面Pb)の関係が反転された状態となって搬送されていく。これにより、反転経路Rbからは、用紙裏面Pbが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う反転方向Dbに沿って、用紙Pが送り出される。
搬出経路Rcには、反転経路Rbから、用紙裏面Pbが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う受取方向Dc1に沿って、用紙Pが送られてくる。なお、反転経路Rbと搬出経路Rcとの境界部において、反転方向Dbおよび受取方向Dc1は同じ向きとなっている。また、搬出経路Rcからは、第4搬送経路R4に向けて、用紙裏面Pbが上方を向くとともに、用紙先端Plを先頭とし且つ用紙後端Ptを後尾として、用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2に倣う搬出方向Dc2に沿って、用紙Pが送り出される。
ここで、本実施の形態では、搬入方向Da1が第1方向に、受渡方向Da2が第2方向に、反転方向Dbが第3方向に、受取方向Dc1が第4方向に、そして搬出方向Dc2が第5方向に、それぞれ対応している。また、搬入経路Raおよび搬出経路Rcが、それぞれ搬送路に対応している。さらに、搬入経路Raにおいて、搬入方向Da1が入力方向に、受渡方向Da2が出力方向に、それぞれ対応している。さらにまた、搬出経路Rcにおいて、受取方向Dc1が入力方向に、搬出方向Dc2が出力方向に、それぞれ対応している。
このように、本実施の形態の用紙反転装置100では、第3搬送経路R3から供給される用紙Pの進行方向を、搬入経路Raにおいて90°転換させて反転経路Rbに供給し、搬入経路Raから供給される用紙Pを、反転経路Rbにおいて180°回転させることでその表裏を反転させて搬出経路Rcに供給し、反転経路Rbから供給される用紙Pの進行方向を、搬出経路Rcにおいて90°転換させて第4搬送経路R4に供給している。このとき、搬入経路Raにおける搬入方向Da1および搬出経路Rcにおける搬出方向Dc2は同じ向きとなっている。そして、用紙Pは、用紙反転装置100の通過前後において、搬送方向に対する用紙先端Plおよび用紙後端Ptの関係は変わらない一方、搬送方向に対する用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2の関係が逆転することにより、用紙表面Pfおよび用紙裏面Pbが反転されることになる。
<各搬送経路および各搬送部の構成>
図4は、本実施の形態の用紙反転装置100における各搬送経路および各搬送部の構成を説明するための図である。なお、図4は、用紙反転装置100における搬入経路Ra、反転経路Rbおよび搬出経路Rcを、平面上に展開した状態を示している。
この用紙反転装置(反転搬送部)100は、搬入部210に設けられ、用紙Pを搬入方向Da1に沿って搬送する搬入搬送部300および用紙Pを受渡方向Da2に沿って搬送する上流側反転搬送部400Aを備えている。また、この用紙反転装置100は、反転部220に設けられ、用紙Pを反転方向Dbに沿って搬送する中流側反転搬送部400Bを備えている。さらに、この用紙反転装置100は、搬出部230に設けられ、用紙Pを受取方向Dc1に沿って搬送する下流側反転搬送部400Cおよび用紙Pを搬出方向Dc2に沿って搬送する搬出搬送部500を備えている。なお、本実施の形態では、搬入部210に設けられる上流側反転搬送部400A、反転部220に設けられる中流側反転搬送部400Bおよび搬出部230に設けられる下流側反転搬送部400Cを、まとめて反転搬送部400と称する。
ここで、本実施の形態では、搬入搬送部300が第1搬送部に、上流側反転搬送部400Aが第2搬送部に、中流側反転搬送部400Bが第3搬送部に、下流側反転搬送部400Cが第4搬送部に、そして搬出搬送部500が第5搬送部に、それぞれ対応している。また、搬入部210では、搬入搬送部300が入力搬送部に、上流側反転搬送部400Aが出力搬送部に、それぞれ対応する。さらに、搬出部230では、下流側反転搬送部400Cが入力搬送部に、搬出搬送部500が出力搬送部に、それぞれ対応する。
これらのうち、搬入部210に設けられる搬入搬送部300は、搬入方向Da1の上流側から順に、第3搬送経路R3に最も近い第1搬入ロール対301、第2搬入ロール対302、第3搬入ロール対303、第4搬入ロール対304、第5搬入ロール対305および第6搬入ロール対306を備えている。一方、搬入部210に設けられる上流側反転搬送部400Aは、受渡方向Da2の上流側から順に、上流側第1反転ロール対401、上流側第2反転ロール対402、上流側第3反転ロール対403、および反転経路Rbに最も近い上流側第4反転ロール対404を備える。
また、反転部220に設けられる中流側反転搬送部400Bは、反転方向Dbの上流側から順に、搬入経路Raに最も近い中流側第1反転ロール対411、中流側第2反転ロール対412、および搬出経路Rcに最も近い中流側第3反転ロール対413を備える。
さらに、搬出部230に設けられる下流側反転搬送部400Cは、受取方向Dc1の上流側から順に、反転経路Rbに最も近い下流側第1反転ロール対421、下流側第2反転ロール対422、下流側第3反転ロール対423および下流側第4反転ロール対424を備える。一方、搬出部230に設けられる搬出搬送部500は、搬出方向Dc2の上流側から順に、第1搬出ロール対501、第2搬出ロール対502、第3搬出ロール対503、第4搬出ロール対504、第5搬出ロール対505、および第4搬送経路R4に最も近い第6搬出ロール対506を備える。
そして、搬入経路Raでは、搬入搬送部300を構成する第3搬入ロール対303と第4搬入ロール対304との間に、上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第1反転ロール対401〜上流側第3反転ロール対403が配置されている。一方、搬出経路Rcでは、搬出搬送部500を構成する第3搬出ロール対503と第4搬出ロール対504との間に、下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第2反転ロール対422〜下流側第4反転ロール対424が配置されている。
ここで、本実施の形態では、第3搬送経路R3から搬入経路Raに至る用紙Pの搬送において、搬送されてくる用紙Pの用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2(ともに図3参照)の中央位置を、第3搬送経路R3および搬入経路Raに対し直線状に設定された搬入方向搬送基準線Laと一致させるようにしている。そして、搬入経路Raにおいて、搬入搬送部300を構成する第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306は、それぞれ、搬入方向搬送基準線Laを跨ぐように配置されている。
また、本実施の形態では、搬入経路Raから反転経路Rbを介して搬出経路Rcに至る用紙Pの搬送において、搬送されてくる用紙Pの用紙先端Pl(図3参照)の位置を、搬入経路Ra、反転経路Rbおよび搬出経路Rcに対し直線状に設定された反転方向搬送基準線Lbと一致させるようにしている。ここで、反転方向搬送基準線Lbは、搬入経路Raでは、搬入搬送部300を構成する第6搬入ロール対306よりも搬入方向Da1の下流側を通り、且つ、搬出経路Rcでは、搬出搬送部500を構成する第6搬出ロール対506よりも搬出方向Dc2の下流側を通るようになっている。
さらに、本実施の形態では、搬出経路Rcから第4搬送経路R4に至る用紙Pの搬送において、搬送されてくる用紙Pの用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2(ともに図3参照)の中央位置を、第4搬送経路R4および搬出経路Rcに対し直線状に設定された搬出方向搬送基準線Lcと一致させるようにしている。そして、搬出経路Rcにおいて、搬出搬送部500を構成する第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506は、それぞれ、搬出方向搬送基準線Lcを跨ぐように配置されている。
<搬送ロール対の構成>
図5は、用紙反転装置100の各搬送部に設けられた搬送ロール対の構成を説明するための図である。ここで、図5(a)は、搬入部210に設けられた搬入搬送部300における第1搬入ロール対301の構成の一例を示している。また、図5(b)は、搬入部210に設けられた上流側反転搬送部400Aにおける上流側第1反転ロール対401の構成の一例を示している。さらに、図5(c)は、反転部220に設けられた中流側反転搬送部400Bにおける中流側第2反転ロール対412の構成の一例を示している。さらにまた、図5(d)は、搬出部230に設けられた下流側反転搬送部400Cにおける下流側第4反転ロール対424の構成の一例を示している。そして、図5(e)は、搬出部230に設けられた搬出搬送部500における第1搬出ロール対501の構成の一例を示している。
図5(a)に示すように、搬入搬送部300を構成する第1搬入ロール対301は、外部から駆動を受けて回転する搬入主動ロール300aと、搬入主動ロール300aに対向して配置され、搬入主動ロール300aの回転に伴って回転する搬入従動ロール300bとを備えている。また、搬入搬送部300を構成する第2搬入ロール対302〜第6搬入ロール対306(図4参照)も、それぞれ、搬入主動ロール300aと搬入従動ロール300bとを備えている。そして、本実施の形態では、第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306を構成する各搬入主動ロール300aが、搬入部210(図2参照)において固定側となる第1搬入案内板211(図2参照)に取り付けられており、第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306を構成する各搬入従動ロール300bが、搬入部210(図3参照)において可動側(開閉可能な側)となる第2搬入案内板212(図3参照)に取り付けられている。
なお、第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306は、それぞれ一対の回転体としての機能を有しており、これらにおいて、各搬入主動ロール300aは主動回転体として、また、各搬入従動ロール300bは従動回転体として、それぞれ機能している。
ここで、搬入主動ロール300aは、金属で構成されるとともに搬入経路Ra(図4参照)において受渡方向Da2に沿って伸びるシャフト3001aと、このシャフト3001aに取り付けられる2つのゴムロール3002aとを備えている。そして、搬入主動ロール300aでは、ゴムロール3002aが、それぞれ円柱状の形状を有している。
一方、搬入従動ロール300bは、金属で構成されるとともに搬入経路Ra(図4参照)において受渡方向Da2に沿って伸びるシャフト3001bと、このシャフト3001bに対し、搬入主動ロール300aに設けられた2つのゴムロール3002aとそれぞれ対向する位置に取り付けられる2つの樹脂ロール3002bとを備えている。そして、搬入従動ロール300bでは、各樹脂ロール3002bにおいて、受渡方向Da2の下流側となる一端側が円柱状の形状を有する一方、受渡方向Da2の上流側となる他端側がテーパ状の形状(テーパ部)を有している。
図5(b)に示すように、上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第1反転ロール対401は、外部から駆動を受けて回転する反転主動ロール400aと、反転主動ロール400aに対向して配置され、反転主動ロール400aの回転に伴って回転する反転従動ロール400bとを備えている。また、上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第2反転ロール対402〜上流側第4反転ロール対404(図4参照)も、それぞれ、反転主動ロール400aと反転従動ロール400bとを備えている。そして、本実施の形態では、上流側第1反転ロール対401〜上流側第4反転ロール対404を構成する各反転主動ロール400aが、搬入部210(図2参照)において固定側となる第1搬入案内板211(図2参照)に取り付けられており、上流側第1反転ロール対401〜上流側第4反転ロール対404を構成する各反転従動ロール400bが、搬入部210(図2参照)において可動側(開閉可能な側)となる第2搬入案内板212(図2参照)に取り付けられている。
なお、上流側第1反転ロール対401〜上流側第4反転ロール対404は、それぞれ一対の回転体としての機能を有しており、これらにおいて、各反転主動ロール400aは主動回転体として、また、各反転従動ロール400bは従動回転体として、それぞれ機能している。さらに、上流側第1反転ロール対401〜上流側第4反転ロール対404において、各反転主動ロール400aは出力側主動回転体として、また、各反転従動ロール400bは出力側従動回転体として、それぞれ機能している。
ここで、上流側反転搬送部400Aにおける反転主動ロール400aは、金属で構成されるとともに搬入経路Ra(図4参照)において搬入方向Da1に沿って伸びるシャフト4001aと、このシャフト4001aに取り付けられる2つのゴムロール4002aとを備えている。そして、上流側反転搬送部400Aにおける反転主動ロール400aでは、ゴムロール4002aが、それぞれ円柱状の形状を有している。
一方、上流側反転搬送部400Aにおける反転従動ロール400bは、金属で構成されるとともに搬入経路Ra(図4参照)において搬入方向Da1に沿って伸びるシャフト4001bと、このシャフト4001bに対し、反転主動ロール400aに設けられた2つのゴムロール4002aとそれぞれ対向する位置に取り付けられる2つの樹脂ロール4002bとを備えている。そして、上流側反転搬送部400Aにおける反転従動ロール400bでは、各樹脂ロール4002bにおいて、搬入方向Da1の下流側となる一端側が円柱状の形状を有する一方、搬入方向Da1の上流側となる他端側がテーパ状の形状(テーパ部)を有している。
なお、上流側第4反転ロール対404において、反転主動ロール400aでは、1本のシャフト4001aに4つのゴムロール4002aが取り付けられており、反転従動ロール400bでは、1本のシャフト4001bに4つの樹脂ロール4002bが取り付けられている。
図5(c)に示すように、中流側反転搬送部400Bを構成する中流側第2反転ロール対412は、外部から駆動を受けて回転する反転主動ロール400aと、反転主動ロール400aに対向して配置され、反転主動ロール400aの回転に伴って回転する反転従動ロール400bとを備えている。また、中流側反転搬送部400Bを構成する中流側第1反転ロール対411および中流側第3反転ロール対413(図4参照)も、それぞれ、反転主動ロール400aと反転従動ロール400bとを備えている。そして、本実施の形態では、中流側第1反転ロール対411〜中流側第3反転ロール対413を構成する各反転主動ロール400aが、反転部220(図2参照)において固定側となる第1反転案内板221(図2参照)に取り付けられており、中流側第1反転ロール対411〜中流側第3反転ロール対413を構成する各反転従動ロール400bが、反転部220(図2参照)において可動側(開閉可能な側)となる第2反転案内板222(図2参照)に取り付けられている。
ここで、中流側反転搬送部400Bにおける反転主動ロール400aは、金属で構成されるとともに反転経路Rb(図4参照)において反転方向Dbと交差し且つ搬入方向Da1および搬出方向Dc2に沿って伸びるシャフト4001aと、このシャフト4001aに取り付けられる4つのゴムロール4002aとを備える。そして、中流側反転搬送部400Bにおける反転主動ロール400aでは、ゴムロール4002aが、それぞれ円柱状の形状を有している。
一方、中流側反転搬送部400Bにおける反転従動ロール400bは、金属で構成されるとともに反転経路Rbにおいて反転方向Dbと交差し且つ搬入方向Da1および搬出方向Dc2に沿って伸びるシャフト4001bと、このシャフト4001bに対し、反転主動ロール400aに設けられた4つのゴムロール4002aとそれぞれ対向する位置に取り付けられる4つの樹脂ロール4002bとを備えている。そして、中流側反転搬送部400Bにおける反転従動ロール400bでは、各樹脂ロール4002bが、それぞれ円柱状の形状を有している。
図5(d)に示すように、下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第4反転ロール対424は、外部から駆動を受けて回転する反転主動ロール400aと、反転主動ロール400aに対向して配置され、反転主動ロール400aの回転に伴って回転する反転従動ロール400bとを備えている。また、下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第1反転ロール対421〜下流側第3搬送ロール対423(図4参照)も、それぞれ、反転主動ロール400aと反転従動ロール400bとを備えている。そして、本実施の形態では、下流側第1反転ロール対421〜下流側第4反転ロール対424を構成する各反転主動ロール400aが、搬出部230(図2参照)において固定側となる第1搬出案内板231(図2参照)に取り付けられており、下流側第1反転ロール対421〜下流側第4反転ロール対424を構成する各反転従動ロール400bが、搬出部230(図2参照)において可動側(開閉可能な側)となる第2搬出案内板232(図3参照)に取り付けられている。
なお、下流側第1反転ロール対421〜下流側第4反転ロール対424は、それぞれ一対の回転体としての機能を有しており、これらにおいて、各反転主動ロール400aは主動回転体として、また、各反転従動ロール400bは従動回転体として、それぞれ機能している。さらに、下流側第1反転ロール対421〜下流側第4反転ロール対424において、各反転主動ロール400aは入力側主動回転体として、また、各反転従動ロール400bは入力側従動回転体として、それぞれ機能している。
ここで、下流側反転搬送部400Cにおける反転主動ロール400aは、金属で構成されるとともに搬出経路Rc(図4参照)において搬出方向Dc2に沿って伸びるシャフト4001aと、このシャフト4001aに取り付けられる2つのゴムロール4002aとを備えている。そして、下流側反転搬送部400Cにおける反転主動ロール400aでは、ゴムロール4002aが、それぞれ円柱状の形状を有している。
一方、下流側反転搬送部400Cにおける反転従動ロール400bは、金属で構成されるとともに搬出経路Rc(図4参照)において搬出方向Dc2に沿って伸びるシャフト4001bと、このシャフト4001bに対し、反転主動ロール400aに設けられた2つのゴムロール4002aとそれぞれ対向する位置に取り付けられる2つの樹脂ロール4002bとを備えている。そして、下流側反転搬送部400Cにおける反転従動ロール400bでは、各樹脂ロール4002bにおいて、搬出方向Dc2の下流側となる一端側が円柱状の形状を有する一方、搬出方向Dc2の上流側となる他端側がテーパ状の形状(テーパ部)を有している。
なお、下流側第1反転ロール対421において、反転主動ロール400aでは、1本のシャフト4001aに4つのゴムロール4002aが取り付けられており、反転従動ロール400bでは、1本のシャフト4001bに4つの樹脂ロール4002bが取り付けられている。
図5(e)に示すように、搬出搬送部500を構成する第1搬出ロール対501は、外部から駆動を受けて回転する搬出主動ロール500aと、搬出主動ロール500aに対向して配置され、搬出主動ロール500aの回転に伴って回転する搬出従動ロール500bとを備えている。また、搬出搬送部500を構成する第2搬出ロール対502〜第6搬出ロール対506(図4参照)も、それぞれ、搬出主動ロール500aと搬出従動ロール500bとを備えている。そして、本実施の形態では、第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506を構成する各搬出主動ロール500aが、搬出部230(図2参照)において固定側となる第1搬出案内板231(図2参照)に取り付けられており、第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506を構成する各搬出従動ロール500bが、搬出部230(図2参照)において可動側(開閉可能な側)となる第2搬出案内板232(図2参照)に取り付けられている。
なお、第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506は、それぞれ一対の回転体としての機能を有しており、これらにおいて、各搬出主動ロール500aは主動回転体として、また、各搬出従動ロール500bは従動回転体として、それぞれ機能している。さらに、第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506において、各搬出主動ロール500aは出力側主動回転体として、また、各搬出従動ロール500bは出力側従動回転体として、それぞれ機能している。
ここで、搬出主動ロール500aは、金属で構成されるとともに搬出経路Rc(図4参照)において受取方向Dc1に沿って伸びるシャフト5001aと、このシャフト5001aに取り付けられる2つのゴムロール5002aとを備えている。そして、搬出主動ロール500aでは、ゴムロール5002aが、それぞれ円柱状の形状を有している。
一方、搬出従動ロール500bは、金属で構成されるとともに搬出経路Rc(図4参照)において受取方向Dc1に沿って伸びるシャフト5001bと、このシャフト5001bに対し、搬出主動ロール500aに設けられた2つのゴムロール5002aとそれぞれ対向する位置に取り付けられる2つの樹脂ロール5002bとを備えている。そして、搬出従動ロール500bでは、各樹脂ロール5002bにおいて、受取方向Dc1の下流側となる一端側が円柱状の形状を有する一方、受取方向Dc1の上流側となる他端側がテーパ状の形状(テーパ部)を有している。
<各搬送経路と各搬送ロール対との関係>
図6は、本実施の形態の用紙反転装置100における各搬送経路と各搬送ロール対との関係を説明するための図である。ここで、図6(a)〜(e)は、図5(a)〜(e)にそれぞれ対応している。すなわち、図6(a)は、搬入部210(図2参照)における、搬入経路Raと第1搬入ロール対301との関係を示している。また、図6(b)は、搬入部210(図2参照)における、搬入経路Raと上流側第1反転ロール対401との関係を示している。さらに、図6(c)は、反転部220(図2参照)における、反転経路Rbと中流側第2反転ロール対412との関係を示している。さらにまた、図6(d)は、搬出部230(図2参照)における、搬出経路Rcと下流側第4反転ロール対424との関係を示している。そして、図6(e)は、搬出部230(図2参照)における、搬出経路Rcと第1搬出ロール対501との関係を示している。
図6(a)に示すように、第1搬入ロール対301を構成する搬入主動ロール300aおよび搬入従動ロール300bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、第1搬入ロール対301を接触させた場合には、搬入主動ロール300aおよび搬入従動ロール300bの両者が搬入経路Raに進出した状態となる。これに対し、第1搬入ロール対301を離隔させた場合には、搬入主動ロール300aが搬入従動ロール300bから遠ざかることで、搬入従動ロール300bは搬入経路Raに進出した状態を維持する一方、搬入主動ロール300aは搬入経路Raから退避した状態となる。なお、第1搬入ロール対301とともに搬入搬送部300を構成する第2搬入ロール対302〜第6搬入ロール対306(図4参照)も、第1搬入ロール対301と同じ接離動作を行う。
図6(b)に示すように、上流側第1反転ロール対401を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、上流側第1反転ロール対401を接触させた場合には、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が搬入経路Raに進出した状態となる。これに対し、上流側第1反転ロール対401を離隔させた場合には、反転主動ロール400aが反転従動ロール400bから遠ざかることで、反転従動ロール400bは搬入経路Raに進出した状態を維持する一方、反転主動ロール400aは搬入経路Raから待避した状態となる。なお、上流側第1反転ロール対401とともに上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第2反転ロール対402〜上流側第4反転ロール対404(図4参照)も、上流側第1反転ロール対401と同じ接離動作を行う。
図6(c)に示すように、中流側第2反転ロール対412を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、常時接触するように構成されている。このとき、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が反転経路Rbに進出した状態となる。なお、中流側第2反転ロール対412とともに中流側反転搬送部400Bを構成する中流側第1反転ロール対411および中流側第3反転ロール対413(図4参照)も、中流側第2反転ロール対412と同様に、常時接触するように構成されている。
図6(d)に示すように、下流側第4反転ロール対424を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、下流側第4反転ロール対424を接触させた場合には、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が搬出経路Rcに進出した状態となる。これに対し、下流側第4反転ロール対424を離隔させた場合には、反転主動ロール400aが反転従動ロール400bから遠ざかることで、反転従動ロール400bは搬出経路Rcに進出した状態を維持する一方、反転主動ロール400aは搬出経路Rcから待避した状態となる。なお、下流側第4反転ロール対424とともに下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第1反転ロール対421〜下流側第3反転ロール対423(図4参照)も、下流側第4反転ロール対424と同じ接離動作を行う。
図6(e)に示すように、第1搬出ロール対501を構成する搬出主動ロール500aおよび搬出従動ロール500bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、第1搬出ロール対501を接触させた場合には搬出主動ロール500aおよび搬出従動ロール500bの両者が搬出経路Rcに進出した状態となる。これに対し、第1搬出ロール対501を離隔させた場合には、搬出主動ロール500aが搬出従動ロール500bから遠ざかることで、搬出従動ロール500bは搬出経路Rcに進出した状態を維持する一方、搬出主動ロール500aは搬出経路Rcから待避した状態となる。なお、第1搬出ロール対501とともに搬出搬送部500を構成する第2搬出ロール対502〜第6搬出ロール対506(図4参照)も、第1搬出ロール対501と同じ接離動作を行う。
<進退機構600及び回転機構700>
図7は、上流側第1反転ロール対401を進退させる進退機構600および上流側第1反転ロール対401を回転させる回転機構700の構成の一例を示す図である。ここで、図7(a)は、接触状態に設定された上流側第1反転ロール対401および進退機構600を、搬入方向Da1の下流側から眺めた図である。また、図7(b)は、離隔状態に設定された上流側第1反転ロール対401および進退機構600を、搬入方向Da1の下流側から眺めた図である。さらに、図7(c)は、離隔状態に設定された上流側第1反転ロール対401、進退機構600および回転機構700を、受渡方向Da2の下流側から眺めた図である。さらにまた、図7(d)は、回転機構700を搬入方向Da1の下流側から眺めた図である。
本実施の形態の進退機構600は、上流側第1反転ロール対401における反転主動ロール400aを反転従動ロール400bに対し進退させるための進退用モータ601と、進退用モータ601の回転軸に取り付けられるギアを含むギア列602と、ギア列602を構成する1つのギアに固定して取り付けられる主動側カム用シャフト603と、主動側カム用シャフト603に対し軸方向に2箇所に取り付けられる主動側カム604とを備える。また、進退機構600は、反転主動ロール400aのシャフト4001aに対し、主動側カム用シャフト603に設けられた2つの主動側カム604と対向する位置にそれぞれ取り付けられたボールベアリング605と、反転主動ロール400aのシャフト4001aの両端にそれぞれ取り付けられ、反転主動ロール400aを回転可能に支持する主動側軸受606と、2つの主動側軸受606のそれぞれに対応して、第1搬入案内板211のうち搬入経路Raを形成する面とは反対側となる面に固定して取り付けられ、主動側軸受606を介して反転主動ロール400aを搬入経路Raに近づく側および搬入経路Raから遠ざかる側に移動可能に支持する主動側軸受ガイド607とを備える。さらに、進退機構600は、上流側第1反転ロール対401における反転従動ロール400bのシャフト4001bの両端にそれぞれ取り付けられ、反転従動ロール400bを回転可能に支持する従動側軸受611と、2つの従動側軸受611のそれぞれに対応して、第2搬入案内板212のうち搬入経路Raを形成する面とは反対側となる面に固定して取り付けられ、反転従動ロール400bを搬入経路Raに近づく側および搬入経路Raから遠ざかる側に移動可能に支持する従動側軸受ガイド612と、両端が第2搬入案内板212のうち搬入経路Raを形成する面とは反対側となる面に固定して取り付けられ、中央部が従動側軸受611のうち従動側軸受ガイド612にて支持される部位よりも外側となる部位に接触して配置されるスプリング613とを備える。
一方、本実施の形態の回転機構700は、上流側第1反転ロール対401において反転主動ロール400aを回転させるための回転用モータ701と、回転用モータ701の回転軸に取り付けられるモータ側プーリ702と、反転主動ロール400aにおけるシャフト4001aの一端側に固定して取り付けられるロール側プーリ703と、無端状の形状を有し、モータ側プーリ702とロール側プーリ703とに掛け渡されるタイミングベルト704とを備える。
では、離隔状態にある上流側第1反転ロール対401を接触状態に移行させる動作(以下では接触動作と呼ぶ)について説明を行う。なお、接触動作における初期状態では、進退用モータ601が駆動を停止しており、上流側第1反転ロール対401、進退機構600が、図7(b)、(c)に示す位置関係におかれ、回転機構700が図7(d)において実線で示す状態におかれている。また、接触動作における初期状態において、回転用モータ701は駆動を停止しており、上流側第1反転ロール対401を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、ともに回転を停止している。このとき、反転従動ロール400bに設けられた各樹脂ロール4002bは搬入経路Raに進出し且つ搬入経路Raを塞がない位置におかれ、反転主動ロール400aに設けられた各ゴムロール4002aは搬入経路Raから退避した位置におかれる。
この例においては、接触動作の開始に伴い、回転用モータ701が回転を開始する。すると、回転用モータ701の回転に伴い、モータ側プーリ702、タイミングベルト704およびロール側プーリ703を介して、上流側第1反転ロール対401の反転主動ロール400aが回転を開始する。なお、このとき、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは非接触となっているため、反転従動ロール400bは回転を停止したままとなっている。
次に、進退用モータ601が回転を開始する。すると、進退用モータ601の回転に伴い、ギア列602および主動側カム用シャフト603を介して各主動側カム604が回転を開始する。そして、進退用モータ601は、各主動側カム604が図7(b)に示す状態から半回転し、図7(a)に示す状態となったときに回転を停止する。このような各主動側カム604の回転に伴い、各ボールベアリング605は、各主動側カム604のカム面によって、搬入経路Raに近づく側へと押し上げられる。その結果、各主動側カム604が取り付けられたシャフト4001aを含む反転主動ロール400aは、搬入経路Raを挟んで対向する反転従動ロール400bに近づいていき、搬入経路Ra内に進出した後、搬入経路Ra内において、反転主動ロール400aに設けられた各ゴムロール4002aと、反転従動ロール400bに設けられた各樹脂ロール4002bとが、互いに接触する。なお、このとき搬入経路Raに用紙Pが存在している場合には、用紙Pを介して、反転主動ロール400aと反転従動ロール400bとが接触することになる。
反転従動ロール400bに反転主動ロール400aが接触することに伴い、反転従動ロール400bは、搬入経路Raから遠ざかる側に向かう力を、反転主動ロール400aより受ける。その結果、反転従動ロール400bは、搬入経路Raから遠ざかる側に移動しようとする。ここで、本実施の形態では、反転従動ロール400bのシャフト4001bの両端に取り付けられた従動側軸受611が、第2搬入案内板212に取り付けられたスプリング613を介して、搬入経路Raに近づく側に向かう力を受けている。このため、反転従動ロール400bは、各従動側軸受611および各従動側軸受ガイド612によって第2搬入案内板212に支持された状態を維持しつつ、反転主動ロール400aによる押し付け力とスプリング613による押し付け力とが均衡した位置で静止する。
一方、反転従動ロール400bに反転主動ロール400aが接触することに伴い、反転従動ロール400bは、反転主動ロール400aからの駆動力を受けて回転を開始する。このとき、反転主動ロール400aと反転従動ロール400bとの接触位置は、搬入経路Raの内側にある。なお、離隔状態から接触状態に移行する際に、回転用モータ701およびモータ側プーリ702に対し、ロール側プーリ703が、図7(d)において図中に実線で示す位置から図中に破線で示す位置へと移動する。このとき、回転用モータ701に取り付けられるモータ側プーリ702と反転主動ロール400a側に取り付けられるロール側プーリ703との間の位置変動は、タイミングベルト704にて吸収されることになり、位置変動に関わらず反転主動ロール400aの回転駆動が続行される。
続いて、接触状態にある上流側第1反転ロール対401を離隔状態に移行させる動作(以下では離隔動作と呼ぶ)について説明を行う。なお、離隔動作における初期状態では、進退用モータ601が駆動を停止しており、上流側第1反転ロール対401、進退機構600が、図7(a)に示す位置関係におかれ、回転機構700が図7(d)において破線で示す状態におかれている。また、離隔動作における初期状態において、回転用モータ701は駆動を続行しており、上流側第1反転ロール対401を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、ともに回転を続行している。このとき、反転主動ロール400aに設けられた各ゴムロール4002a、および、反転従動ロール400bに設けられた各樹脂ロール4002bは、搬入経路Raに進出した位置におかれる。
離隔動作の開始に伴い、回転用モータ701が回転を停止する。すると、回転用モータ701が回転を停止することに伴い、モータ側プーリ702、タイミングベルト704、ロール側プーリ703とともに、反転主動ロール400aが回転を停止する。また、反転主動ロール400aが回転を停止するのに伴い、反転主動ロール400aに接触する反転従動ロール400bも回転を停止する。なお、このとき搬入経路Raに用紙Pが存在している場合には、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bに挟まれた用紙Pの搬送も停止される。
続いて、進退用モータ601が回転を開始する。すると、進退用モータ601の回転に伴い、ギア列602および主動側カム用シャフト603を介して各主動側カム604が回転を開始する。そして、進退用モータ601は、各主動側カム604が図7(a)に示す状態から半回転し、図7(b)に示す状態となったときに回転を停止する。このような各主動側カム604の回転に伴い、各ボールベアリング605は、各主動側カム604のカム面によって、搬入経路Raから遠ざかる側へと押し下げられる。その結果、各主動側カム604が取り付けられたシャフト4001aを含む反転主動ロール400aは、搬入経路Raを挟んで対向し且つ接触する反転従動ロール400bから遠ざかっていき、搬入経路Ra内において、反転主動ロール400aに設けられた各ゴムロール4002aが、反転従動ロール400bに設けられた各樹脂ロール4002bから離隔し、さらに搬入経路Raからも退避する。
反転従動ロール400bから反転主動ロール400aが離隔することに伴い、反転従動ロール400bは、搬入経路Raから遠ざかる側に向かう力を、反転主動ロール400aより受けなくなる一方で、スプリング613および従動側軸受ガイド612を介して、搬入経路Raに近づく側に向かう力を受け続ける。その結果、反転従動ロール400bは、搬入経路Raに近づく側に移動しようとする。ここで、本実施の形態では、反転従動ロール400bのシャフト4001bの両端に取り付けられた従動側軸受611の、搬入経路Ra側に向かう移動が、それぞれに対応して設けられた従動側軸受ガイド612によって規制されている。このため、反転従動ロール400bは、各従動側軸受611および各従動側軸受ガイド612によって第2搬入案内板212に支持された状態を維持しつつ、スプリング613による押し付け力により各従動側軸受ガイド612の搬入経路Ra側の端部に突き当たった位置で静止する。このとき、反転従動ロール400bに設けられた各樹脂ロール4002bは、搬入経路Raに進出した状態を維持しつつ、搬入経路Raを塞がない位置におかれる。
なお、接触状態から離隔状態に移行する際に、回転用モータ701およびモータ側プーリ702に対し、ロール側プーリ703が、図7(d)において図中に破線で示す位置から図中に実線で示す位置へと移動する。このとき、回転用モータ701に取り付けられるモータ側プーリ702と反転主動ロール400a側に取り付けられるロール側プーリ703との間の位置変動は、タイミングベルト704にて吸収される。
なお、ここでは、上流側第1反転ロール対401を例として説明を行ったが、上流側第1反転ロール対401とともに上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第2反転ロール対402〜上流側第4反転ロール対404にも、進退機構600および回転機構700が設けられている。また、搬入搬送部300を構成する第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306、下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第1反転ロール対421〜下流側第4反転ロール対424、そして搬出搬送部500を構成する第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506にも、進退機構600および回転機構700が設けられている。一方、中流側反転搬送部400Bを構成する中流側第1反転ロール対411〜中流側第3反転ロール対413については、これらを回転駆動するための回転機構700が設けられているものの、これらを進退駆動するための進退機構600は設けられていない。
<反転搬送動作>
では、本実施の形態の用紙反転装置100による用紙Pの反転搬送動作について説明する。ここで、図8は、各搬送部の動作を説明するタイミングチャートである。
まず、図4に示すように、初期状態では、搬入搬送部300を構成する第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306は、離隔状態且つ回転停止状態に設定される。また、上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第1反転ロール対401〜上流側第4反転ロール対404が、離隔状態且つ回転停止状態に設定される。さらに、中流側反転搬送部400Bを構成する中流側第1反転ロール対411〜中流側第3反転ロール対413が、回転停止状態に設定される。さらにまた、下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第1反転ロール対421〜下流側第4反転ロール対424が、離隔状態且つ回転停止状態に設定される。そして、搬出搬送部500を構成する第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506が、離隔状態且つ回転停止状態に設定される。
例えば、図1に示すように、用紙Pの両面に画像を形成する場合、第1搬送経路R1内を搬送され、各画像形成ユニット10および定着装置50によって第1面に画像が形成された用紙Pは、第2搬送経路R2を介して第3搬送経路R3に搬送される。また、図3に示すように、第3搬送経路R3において、用紙Pは、用紙先端Plを先頭とし、用紙表面Pfが上方を向いた状態で搬送されてくる。このとき、制御部80は、UI90等によって入力された用紙Pの、用紙第1側端Ps1から用紙第2側端Ps2に至る長さ(以下では用紙幅と称する)に基づき、用紙Pにおける用紙幅の中央位置が、搬入方向搬送基準線La(図4参照)と重なるように、用紙Pを搬送させる。
次に、第3搬送経路R3において、用紙検知センサ60(図1参照)により用紙Pの用紙先端Plの通過が検知された結果(図8の符号a参照)に基づき、制御部80(図1参照)は、搬入搬送部300の回転動作および接触動作を開始させる。これに伴い、搬入経路Raでは、搬入搬送部300が、接触状態に設定されるとともに回転を開始する(図8の符号b参照)。
続いて、図4に示すように、用紙Pが、第3搬送経路R3内から搬入経路Ra内へと、搬入方向Da1に沿って移動する。このとき、搬入経路Raでは、搬入搬送部300が、接触状態に設定されるとともに回転している。一方、搬入経路Raでは、上流側反転搬送部400Aが、離隔状態に設定されるとともに回転を停止している(図8の符号c参照)。したがって、第3搬送経路R3から搬入経路Ra内に進入してきた用紙Pは、搬入搬送部300により挟まれつつ、用紙先端Plを先頭とし、用紙表面Pfが上方を向いた状態で、搬入方向Da1に沿って移動していく。ここで、本実施の形態では、離隔状態に設定された上流側反転搬送部400Aにおける各反転従動ロール400bが、搬入経路Raに進出したままとなっている(図6(b)参照)が、各反転従動ロール400bに設けられた樹脂ロール4002bがテーパ状の形状を有している(図5(b)参照)ため、各反転従動ロール400bが、用紙Pを搬入方向Da1に沿って搬送する際の妨げとはなりにくい。
それから、制御部80は、用紙検知センサ60によって用紙Pの用紙先端Plの通過が検知されてからの経過時間に基づき、用紙Pにおける用紙先端Plの位置が、反転方向搬送基準線Lb(図4参照)に到達するタイミングで、搬入搬送部300の回転動作を停止させる(図8の符号d参照)。その結果、搬入経路Ra内の用紙Pは、用紙第1側端Ps1が反転経路Rbに対向し、用紙表面Pfが上方を向いた状態で停止する。このとき、搬入経路Ra内で停止する用紙Pは、その大きさおよび向きに関わらず、その用紙幅の中央位置が搬入方向搬送基準線Laと重なった状態となり、且つ、その用紙先端Plの位置が反転方向搬送基準線Lbと重なった状態となる。
次に、制御部80は、上流側反転搬送部400Aの接触動作を開始させる。これに伴い、搬入経路Raでは、上流側反転搬送部400Aが、接触状態に設定される(図8の符号e参照)。よって、搬入経路Ra内の用紙Pには、搬入搬送部300を構成する各搬入主動ロール300aに加え、上流側反転搬送部400Aを構成する各反転主動ロール400aが接触する。
続いて、制御部80は、搬入搬送部300の離隔動作を開始させる。これにより、搬入経路Ra内の用紙Pには、搬入搬送部300を構成する各搬入主動ロール300aが接触しなくなるが、上流側反転搬送部400Aを構成する各反転主動ロール400aが接触する状態は維持される(図8の符号f参照)。よって、用紙Pが搬入主動ロール300a及び反転主動ロール400aのいずれにも接触していない状態となることなく、用紙Pの受渡しが行われる。
次に、制御部80は、上流側反転搬送部400Aの回転動作を開始させる。これに伴い、搬入経路Raでは、上流側反転搬送部400Aが回転を開始する(図8の符号g参照)。一方、このとき、搬入経路Raでは、搬入搬送部300が、離隔状態に設定されるとともに回転を停止している。したがって、搬入経路Ra内で停止していた用紙Pは、上流側反転搬送部400Aにより挟まれつつ、用紙第1側端Ps1を先頭とし、用紙表面Pfが上方を向いた状態で、受渡方向Da2に沿って移動していく。ここで、本実施の形態では、離隔状態に設定された搬入搬送部300における各搬入従動ロール300bが、搬入経路Raに進出したままとなっている(図6(a)参照)が、各搬入従動ロール300bに設けられた樹脂ロール3002bがテーパ状の形状を有している(図5(a)参照)ため、各搬入従動ロール300bが、用紙Pを受渡方向Da2に沿って搬送する際の妨げとはなりにくい。
なお、この例では、制御部80が、上流側反転搬送部400A及び下流側反転搬送部400C(図4参照)の接触動作を同時に開始させる。これにより、搬出経路Rcでは、下流側反転搬送部400Cが接触状態になる(図8の符号e参照)。さらに、制御部80が、上流側反転搬送部400A、中流側反転搬送部400B、及び下流側反転搬送部400C(図4参照)の回転動作を同時に開始させる。これにより、反転経路Rbでは中流側反転搬送部400Bが回転を開始し、搬出経路Rcでは下流側反転搬送部400Cが回転を開始する(図8の符号g参照)。
このとき、搬入経路Raでは、上流側反転搬送部400Aが、接触状態に設定されるとともに回転している。また、このとき、反転経路Rbでは、中流側反転搬送部400Bが回転している。さらに、このとき、搬出経路Rcでは、下流側反転搬送部400Cが、接触状態に設定されるとともに回転している。一方、このとき、搬出経路Rcでは、搬出搬送部500(図4参照)が、離隔状態に設定されるとともに回転を停止している(図8の符号i参照)。
したがって、搬入経路Raから反転経路Rbに進入してきた用紙Pは、上流側反転搬送部400Aおよび中流側反転搬送部400Bにより挟まれつつ、用紙第1側端Ps1を先頭とし、用紙表面Pfが上方を向いた状態で、先頭側が反転方向Dbに沿い且つ後端側が受渡方向Da2に沿って移動していく。それから、反転経路Rbに進入してきた用紙Pは、中流側反転搬送部400Bにより挟まれつつ、用紙第1側端Ps1を先頭とし、用紙表面Pfが上方を向いた状態から用紙裏面Pbが上方を向いた状態へと移行しつつ、反転方向Dbに沿って移動していく。その後、反転経路Rbから搬出経路Rcに進入してきた用紙Pは、下流側反転搬送部400Cおよび中流側反転搬送部400Bにより挟まれつつ、用紙第1側端Ps1を先頭とし、用紙裏面Pbが上方を向いた状態で、先頭側が受取方向Dc1に沿い且つ後端側が反転方向Dbに沿って移動していく。搬入経路Raから反転経路Rbを経て搬出経路Rcに至る間、用紙Pは、その用紙先端Plの位置が、反転方向搬送基準線Lb(図4参照)と重なるように搬送されていく。
ここで、本実施の形態では、離隔状態に設定された搬出搬送部500における各搬出従動ロール500bが、搬出経路Rcに進出したままとなっている(図6(e)参照)が、各搬出従動ロール500bに設けられた樹脂ロール5002bがテーパ状の形状を有している(図5(e)参照)ため、各搬出従動ロール500bが、用紙Pを受取方向Dc1に沿って搬送する際の妨げとはなりにくい。
それから、制御部80は、例えば上流側反転搬送部400Aによる用紙Pの搬送を開始してからの経過時間に基づき、用紙Pにおける用紙幅の中央位置が、搬出方向搬送基準線Lc(図4参照)に到達するタイミングで、下流側反転搬送部400Cの回転動作を停止させる(図8の符号j参照)。その結果、搬出経路Rc内の用紙Pは、用紙先端Plが第4搬送経路R4に対向し、用紙裏面Pbが上方を向いた状態で停止する。このとき、搬出経路Rc内の用紙Pは、その大きさおよび向きに関わらず、その用紙先端Plの位置が反転方向搬送基準線Lbと重なった状態となり、且つ、その用紙幅の中央位置が搬出方向搬送基準線Lcと重なった状態となる。
ここで、本実施の形態では、搬送される用紙Pの大きさとは無関係に、搬入経路Raにおける搬入方向搬送基準線Laから、反転経路Rbを介して、搬出経路Rcにおける搬出方向搬送基準線Lcに至る距離が決まる。したがって、搬入経路Raから反転経路Rbを介して搬出経路Rcに用紙Pを搬送する期間は、用紙Pの搬送速度が一定である場合、用紙Pの大きさに関わらず一定となる。さらに説明をすると、上流側反転搬送部400A、中流側反転搬送部400B、及び下流側反転搬送部400Cが回転動作する期間は、用紙Pの搬送速度が一定である場合、用紙Pの大きさに関わらず一定となる。
なお、この例では、制御部80が、上流側反転搬送部400A、中流側反転搬送部400B、及び下流側反転搬送部400Cの回転停止動作を同時に開始させる(図8の符号j参照)。
次に、制御部80は、搬出経路Rc内で用紙Pを停止させた後、搬出搬送部500の接触動作を開始させ、搬出経路Rcでは、搬出搬送部500が、接触状態に設定される(図8の矢印k参照)。よって、搬出経路Rc内の用紙Pには、下流側反転搬送部400Cを構成する各反転主動ロール400aに加え、搬出搬送部500を構成する搬出主動ロール500aが接触する。
続いて、制御部80は、下流側反転搬送部400Cの離隔動作を開始させる。これにより、搬出経路Rc内の用紙Pには、下流側反転搬送部400Cを構成する各反転主動ロール400aが接触しなくなるが、搬出搬送部500を構成する搬出主動ロール500aが接触する状態は維持される(図8の符号l参照)。よって、用紙Pが反転主動ロール400a及び搬出主動ロール500aのいずれにも接触していない状態となることなく、用紙Pの受渡しが行われる。
次に、用紙Pが、搬出経路Rc内を搬出方向Dc2に沿って移動する。このとき、制御部80は、搬出搬送部500の回転動作を開始させる。これにより、搬出経路Rcでは、搬出搬送部500が回転を開始する(図8の符号m参照)。一方、このとき、搬出経路Rcでは、下流側反転搬送部400Cが、離隔状態に設定されるとともに回転を停止している。したがって、搬出経路Rc内で停止していた用紙Pは、搬出搬送部500により挟まれつつ、用紙先端Plを先頭とし、用紙裏面Pbが上方を向いた状態で、搬出方向Dc2に沿って移動していく。その後、用紙Pは、搬出経路Rcから第4搬送経路R4(図4参照)に搬出される。ここで、本実施の形態では、離隔状態に設定された下流側反転搬送部400Cにおける各反転従動ロール400bが、搬出経路Rcに進出したままとなっている(図6(d)参照)が、各反転従動ロール400bに設けられた樹脂ロール4002bがテーパ状の形状を有している(図5(d)参照)ため、各反転従動ロール400bが、用紙Pを搬出方向Dc2に沿って搬送する際の妨げとはなりにくい。
そして、制御部80は、搬出経路Rcから用紙Pが搬出された後のタイミングで、搬出搬送部500の回転動作を停止させ、さらに搬出搬送部500の離隔動作を開始させる(図8の符号n参照)。これにより、搬出経路Rcでは、下流側反転搬送部400Cおよび搬出搬送部500の両者が、ともに離隔状態となる。
その後、図1に示すように、用紙反転装置100によって表裏が反転された用紙Pは、第4搬送経路R4から第1搬送経路R1を介して、再び各画像形成ユニット10および定着装置50に向けて搬送されていくことになる。
ここで、本実施の形態では、搬入搬送部300、上流側反転搬送部400A、中流側反転搬送部400B、下流側反転搬送部400C、及び搬出搬送部500が、それぞれ用紙Pを受け渡す際に、用紙Pの搬送方向上流側に位置する搬送部と、この上流側に位置する搬送部と連続して用紙Pの搬送方向下側に位置する搬送部との少なくとも一方が用紙Pを挟み込みながら受渡しを行う。よって、用紙Pが搬入搬送部300、上流側反転搬送部400A、中流側反転搬送部400B、下流側反転搬送部400C、及び搬出搬送部500のいずれにも接触していない状態となることなく、用紙Pの受渡しが行われる。
また、本実施の形態では、制御部80が搬入搬送部300、上流側反転搬送部400A、中流側反転搬送部400B、下流側反転搬送部400C、及び搬出搬送部500の接離状態及び回転停止状態を制御することによって、搬送される用紙Pの姿勢が乱れることが抑制される。
また、本実施の形態では、搬出経路Rcから第4搬送経路R4に向かい搬出方向Dc2に沿って搬送される用紙Pの用紙先端Plの位置が、用紙Pの大きさに関わらず反転方向搬送基準線Lbにて揃えられることになる。したがって、用紙Pが、用紙反転装置100から第4搬送経路R4および第1搬送経路R1を介して各画像形成ユニット10に到達するまでの期間は、用紙Pの搬送速度が一定である場合、用紙Pの大きさに関わらず一定となる。このため、反転搬送される用紙Pの第2面に画像形成を行う場合において、各画像形成ユニット10での画像形成タイミングを、用紙Pの大きさに関わらず揃えることが可能になる。
本実施の形態において、用紙反転装置100の搬入経路Raおよび搬出経路Rcの両者にて、各経路から各主動ロール(搬入主動ロール300a、反転主動ロール400a、搬出主動ロール500a)を退避させているのは、次の理由による。まず、主動ロールは、外部から回転駆動を受けることがあるため、搬送に供しない主動ロールが経路内に残っている場合には、搬送に供しない主動ロールが、搬送に供する他の主動ロールによる用紙Pの搬送の妨げとなる懸念がある。また、本実施の形態では、各主動ロールが、各従動ロールを構成する樹脂ロールよりも高い摩擦係数を有するゴムロールを備えていることから、搬送に供しない主動ロールが経路内に残っている場合には、搬送に供しない主動ロールが、搬送に供する他の主動ロールによる用紙Pの搬送の妨げとなる懸念がある。そこで、本実施の形態では、各経路において、樹脂ロールを備える各従動ロールを各経路に残す一方、ゴムロールを供える各主動ロールを各経路から退避させる構成を採用した。
<実施の形態2>
図9は、本実施の形態の用紙反転装置100における各搬送経路と各搬送ロール対との関係を説明するための図である。ここで、図9(a)〜(e)は、図5(a)〜(e)にそれぞれ対応している。すなわち、図9(a)は、搬入部210(図2参照)における、搬入経路Raと第1搬入ロール対301との関係を示している。また、図9(b)は、搬入部210(図2参照)における、搬入経路Raと上流側第1反転ロール対401との関係を示している。さらに、図9(c)は、反転部220(図2参照)における、反転経路Rbと中流側第2反転ロール対412との関係を示している。さらにまた、図9(d)は、搬出部230(図2参照)における、搬出経路Rcと下流側第4反転ロール対424との関係を示している。そして、図9(e)は、搬出部230(図2参照)における、搬出経路Rcと第1搬出ロール対501との関係を示している。
図9(a)に示すように、第1搬入ロール対301を構成する搬入主動ロール300aおよび搬入従動ロール300bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、第1搬入ロール対301を接触させた場合には、搬入主動ロール300aおよび搬入従動ロール300bの両者が搬入経路Raに進出した状態となる。これに対し、第1搬入ロール対301を離隔させた場合には、搬入主動ロール300aおよび搬入従動ロール300bが互いに遠ざかることで、搬入主動ロール300aおよび搬入従動ロール300bの両者が搬入経路Raから退避した状態となる。なお、第1搬入ロール対301とともに搬入搬送部300を構成する第2搬入ロール対302〜第6搬入ロール対306(図4参照)も、第1搬入ロール対301と同じ接離動作を行う。
図9(b)に示すように、上流側第1反転ロール対401を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、上流側第1反転ロール対401を接触させた場合には、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が搬入経路Raに進出した状態となる。これに対し、上流側第1反転ロール対401を離隔させた場合には、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bが互いに遠ざかることで、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が搬入経路Raから待避した状態となる。なお、上流側第1反転ロール対401とともに上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第2反転ロール対402〜上流側第4反転ロール対404(図4参照)も、上流側第1反転ロール対401と同じ接離動作を行う。
図9(c)に示すように、中流側第2反転ロール対412を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、常時接触するように構成されている。このとき、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が反転経路Rbに進出した状態となる。なお、中流側第2反転ロール対412とともに中流側反転搬送部400Bを構成する中流側第1反転ロール対411および中流側第3反転ロール対413(図4参照)も、中流側第2反転ロール対412と同様に、常時接触するように構成されている。
図9(d)に示すように、下流側第4反転ロール対424を構成する反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、下流側第4反転ロール対424を接触させた場合には、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が搬出経路Rcに進出した状態となる。これに対し、下流側第4反転ロール対424を離隔させた場合には、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bが互いに遠ざかることで、反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bの両者が搬出経路Rcから待避した状態となる。なお、下流側第4反転ロール対424とともに下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第1反転ロール対421〜下流側第3反転ロール対423(図4参照)も、下流側第4反転ロール対424と同じ接離動作を行う。
図9(e)に示すように、第1搬出ロール対501を構成する搬出主動ロール500aおよび搬出従動ロール500bは、互いに接触し且つ離隔することが可能となるように構成されている。そして、第1搬出ロール対501を接触させた場合には搬出主動ロール500aおよび搬出従動ロール500bの両者が搬出経路Rcに進出した状態となる。これに対し、第1搬出ロール対501を離隔させた場合には、搬出主動ロール500aおよび搬出従動ロール500bが互いに遠ざかることで、搬出主動ロール500aおよび搬出従動ロール500bの両者が搬出経路Rcから待避した状態となる。なお、第1搬出ロール対501とともに搬出搬送部500を構成する第2搬出ロール対502〜第6搬出ロール対506(図4参照)も、第1搬出ロール対501と同じ接離動作を行う。
図10は、上流側第1反転ロール対401を進退させる進退機構600構成の一例を説明するための図である。ここで、図10は、上流側第1反転ロール対401のうちの反転従動ロール400b側のみを示しており、反転主動ロール400aを進退させる進退機構600および反転主動ロール400aを回転させる回転機構700については、実施の形態1で説明したものと同じである(図7参照)。そして、図10(a)は接触状態に設定された場合の反転従動ロール400bを、図10(b)は離隔状態に設定された場合の反転従動ロール400bを、それぞれ示している。
本実施の形態の進退機構600は、例えばギア列602(図7参照)にクラッチ等を介して取り付けられる従動側カム用シャフト621と、従動側カム用シャフト621に対し軸方向に2箇所に取り付けられる従動側カム622と、例えば第2搬入案内板212に固定して取り付けられるレバー用シャフト623と、このレバー用シャフト623を軸として回転可能に取り付けられ、一端側が従動側カム622のカム面に、他端側が反転従動ロール400bのシャフト4001bに、それぞれ接触配置されるレバー624とをさらに備える。
なお、ここでは、上流側第1反転ロール対401を例として説明を行ったが、上流側第1反転ロール対401とともに上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第2反転ロール対402〜上流側第4反転ロール対404にも、進退機構600および回転機構700が設けられている。また、搬入搬送部300を構成する第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306、下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第1反転ロール対421〜下流側第4反転ロール対424、そして搬出搬送部500を構成する第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506にも、進退機構600および回転機構700が設けられている。一方、中流側反転搬送部400Bを構成する中流側第1反転ロール対411〜中流側第3反転ロール対413については、これらを回転駆動するための回転機構700が設けられているものの、これらを進退駆動するための進退機構600は設けられていない。
そして、本実施の形態では、このような構成を採用することで、搬入搬送部300、上流側反転搬送部400A、下流側反転搬送部400C、および搬出搬送部500を構成する各ロール対の離隔動作に伴い、各ロール対を構成する主動ロールおよび従動ロールの両者を、各搬送経路から退避させることが可能になる。これに伴い、搬入経路Raおよび搬出経路Rcのそれぞれにおける用紙Pの搬送および用紙搬送方向の変更において、搬送とは無関係の搬送ロール対が、用紙Pの搬送をさらに妨げにくくなる。また、本実施の形態の構成を採用した場合は、搬入搬送部300、上流側反転搬送部400A、下流側反転搬送部400C、および搬出搬送部500を構成する各ロール対における従動ロールに、図5等に示したテーパ部を設けなくてもよくなる。
さて、上述の実施形態においては、説明を省略したが、用紙反転装置100においては、突き当て部材(ストッパー)等の部材に用紙Pを突き当てることなく用紙Pの搬送を停止させる。すなわち、搬入搬送部300、上流側反転搬送部400A、中流側反転搬送部400B、下流側反転搬送部400C、および搬出搬送部500それぞれの回転を停止することにより、用紙Pの搬送を停止させる。よって、突き当て部材の位置変更等を伴わずに、制御部80の制御によって用紙Pの停止位置を変更し得る。
また、上述の実施形態においては、搬入搬送部300を構成する第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306を連動させて同時に接離状態及び回転停止状態を切り替える構成を説明したがこれに限定されない。例えば、第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306の接離状態及び回転停止状態をそれぞれ独立に切り替えるよう制御する構成であってもよい。具体的には、用紙Pが、第3搬送経路R3内から搬入経路Ra内へ搬入方向Da1に沿って移動し搬入搬送部300の回転動作を停止した後に、第3搬入ロール対303のみが搬入経路Ra内の用紙Pと接触した状態を維持する。一方、他の搬入ロール対(第1搬入ロール対301、第2搬入ロール対302、第4搬入ロール対304〜第6搬入ロール対306)は用紙Pから離間させる構成であってもよい。
また、上流側反転搬送部400Aを構成する各上流側第1反転ロール対401〜上流側第3反転ロール対403をそれぞれ独立に制御する構成であってもよい。また、下流側反転搬送部400Cを構成する各下流側第1反転ロール対421〜下流側第3搬送ロール対423をそれぞれ独立に制御する構成であってもよい。また、搬出搬送部500を構成する第1搬出ロール対501〜第6搬出ロール対506をそれぞれ独立に制御する構成であってもよい。
さらに、上流側反転搬送部400A及び下流側反転搬送部400Cを連動して接離状態及び回転停止状態を切り替える構成を説明したがこれに限定されない。上流側反転搬送部400A及び下流側反転搬送部400Cをそれぞれ独立に制御する構成であってもよい。
また、例えば、搬入搬送部300から上流側反転搬送部400Aに用紙Pが受け渡される際、搬入搬送部300を構成する各第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306及び上流側反転搬送部400Aを構成する各上流側第1反転ロール対401〜上流側第3反転ロール対403のいずれにも接触していない状態となると、用紙Pの位置ずれが発生し得る。また、用紙Pの位置ずれに伴い、用紙Pのスキュー(斜行)やレジずれ(画像位置のずれ)等も生じ得る。なお、上述では説明を省略したが、画像形成装置1内には、空気流(エアフロー)が生じる場合もある。画像形成装置1内に空気流が生じる場合は、用紙Pの位置ずれがより発生しやすい。
また、例えば、搬入搬送部300から上流側反転搬送部400Aに用紙Pが受け渡される際において、搬入搬送部300を構成する各第1搬入ロール対301〜第6搬入ロール対306が用紙Pを搬送するときに、上流側反転搬送部400Aを構成する各反転主動ロール400aおよび反転従動ロール400bが接触した状態であると、用紙Pのジャム(紙詰まり)や、用紙Pの損傷が発生し得る。
また、上流側反転搬送部400Aを構成する上流側第1反転ロール対401〜上流側第4反転ロール対404及び下流側反転搬送部400Cを構成する下流側第1反転ロール対421〜下流側第3搬送ロール対423のそれぞれの形状を、下流ロールまでの距離に応じて定める必要がないため、大型化が抑制され設置面積が小さくなる。
なお、前記第1搬送部及び前記第2搬送部が前記記録材に接触している時間が重複することを特徴とする反転搬送装置であってもよい。これにより、本構成を有していない場合に比較して、第1搬送部及び第2搬送部が同時に記録材を解放し記録材の姿勢が乱れることを抑制することができる。
また、前記第4搬送部及び前記第5搬送部が前記記録材に接触している時間が重複することを特徴とする反転搬送装置であってもよい。これにより、本構成を有していない場合に比較して、第4搬送部及び第5搬送部が同時に記録材を解放し記録材の姿勢が乱れることを抑制することができる。
また、前記第1搬送部、前記第2搬送部、前記第4搬送部、前記第5搬送部の接離動作をそれぞれ独立で制御することを特徴とする反転搬送装置であってもよい。これにより、記録材の姿勢が乱れることをより抑制することができる。
また、前記第1搬送部及び前記第2搬送部、前記第4搬送部及び前記第5搬送部の接離動作を連動させることを特徴とする反転搬送装置であってもよい。また、前記第1搬送部及び前記第2搬送部、前記第4搬送部及び前記第5搬送部をそれぞれリンク機構により連結する構成であってもよい。これらにより、接離動作の機構をより簡略化することができる。