JP2013006464A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】客室と吸気ダクトを仕切るグリルから空調ユニットの吸気口までの吸気系統における圧力損失を大幅に低減し、空調ユニットに導入できる空気量を大幅に増大できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】空気の吐出口と吸気口を有し空気温度を調節する空調ユニット13と、客室との間にグリル14を有する空気室16と、空気室内に空気導入口12aを有し空気室16内の空気を空調ユニット13の吸気口まで導入する吸気ダクト12とを備える。グリル14は、総面積が空気導入口12aの面積より大きい複数の吸気孔17を有し、空気室16は、グリル14から空気導入口12aまでの流路面積が空気導入口より大きく設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道等車両用の空調装置に関する。
鉄道等の車両には客室内の温度調節のために空調装置が設けられている。この空調装置は、客室内の空気を空調ユニットまで導入する吸気系統と、空調ユニットで温度調節した空気を客室内に供給する供給系統とを有する。空調ユニットは、基本的には家庭用エアコンと同じ構造であり、コンプレッサ等を備えているものが用いられている。
車両用空調装置は、例えば特許文献1〜9に開示されている。
特開2010−247560号公報、「新交通システム」 特許第4206298号公報、「鉄道車両」 特許第4531598号公報、「鉄道車両」 特開平5−147423号公報、「車両用空調装置」 特開2001−63565号公報、「鉄道車両の空調装置」 特開2005−225412号公報、「車両用空調装置」 特開2008−18918号公報、「車両の空調装置」 特開2009−119943号公報、「鉄道車両の排気口構造」 特開2010−247554号公報、「車両用空調装置の吸気ダクト構造」
例えば特許文献1に記載されている空調装置は、車両の床下に空調ユニットを設け、この空調ユニットの吐出側に空調ダクトを接続し、この空調ダクトの吐出口を客室の側面に上向きに設けている。
この構造によって、空調ユニットを支持するための特別な仕組みを必要とせず、また床下に空調ユニットを設けたことによって、走行安定性を実現している。
ここで、図1に示すように、鉄道車両10における空調装置1は、グリル4を通過した客室5内の空気を、吸気ダクト2を経由して吸引し、これを空調ユニット3において予め定められた温度にした後に客室5内に供給している。
このグリル4は、客室5と吸気ダクト2を仕切るために設置されており、客室5において吸気ダクト2を乗客に見せないことによって美観を維持するための役割を果たし、かつ、客室5に置かれていた物等が吸気ダクト2内に入り込むことを防ぐ役割を果たしている。
しかし、従来においては、グリル4と吸気ダクト2における空気導入口2aが直接接続しているため、グリル4の吸気孔を吸気ダクト2の形状に合わせて設計する必要があった。
そのため、例えば、吸気ダクト2を左右2ヶ所に設置した空調装置1の場合においては、図2に示すように、その吸気ダクト2における空気導入口2aの位置に合わせて、グリル4の吸気孔7を設けていた。
その結果、グリル4の吸気孔7の総面積は、吸気ダクト2の空気導入口2aの面積より小さく、グリル4の吸気孔7の総面積により、空調ユニット3に導入できる空気量が制限されていた。
さらに、吸引した空気の流路は、吸気ダクト2の形状に依存するため、特に吸気ダクト2における空気導入口2aの面積が十分に取れない場合や、空気導入口2aから空調ユニット3まで何ヶ所か吸気ダクト2を屈折させる必要がある場合には、吸気ダクト2内で圧力損失が発生し、吸気不良(冷房不良)の原因となる場合があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案したものである。すなわち、本発明の目的は、客室と吸気ダクトを仕切るグリルから空調ユニットの吸気口までの吸気系統における圧力損失を大幅に低減し、空調ユニットに導入できる空気量を大幅に増大できる車両用空調装置を提供することにある。
本発明によれば、空気の吐出口と吸気口を有し空気温度を調節する空調ユニットと、
客室との間にグリルを有する空気室と、
空気室内に空気導入口を有し空気室内の空気を空調ユニットの吸気口まで導入する吸気ダクトとを備え、
グリルは、総面積が空気導入口の面積より大きい複数の吸気孔を有し、
空気室は、グリルから空気導入口までの流路面積が空気導入口より大きく設定されている、ことを特徴とする車両用空調装置が提供される。
上記本発明の構成によれば、グリルに設けられた複数の吸気孔の総面積が空気導入口の面積より大きいので、吸気孔を通過する空気の流速を空気導入口より低くでき、グリルで発生する圧力損失を低減することができる。
また、吸気ダクトは空気室内に空気導入口を有し、空気室は、グリルから空気導入口までの流路面積が空気導入口より大きく設定されているので、空気室内における空気の流速を空気導入口より低くでき、空気室内で発生する圧力損失を低減することができる。
従って、客室と吸気ダクトを仕切るグリルから空調ユニットの吸気口までの吸気系統における圧力損失を大幅に低減し、空調ユニットに導入できる空気量を大幅に増大できる
従来の車両用空調装置の断面図である。 従来のグリルを客室から見た場合の正面図である。 本発明の車両用空調装置の断面図である。 本発明のグリルを客室から見た場合の正面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図3は、本発明の車両用空調装置の断面図である。
この図において、11は車両用空調装置、12は吸気ダクト、13は空調ユニット、14はグリル、15は客室、16は空気室、20は鉄道車両である。
また、図4は、本発明のグリルを客室から見た場合の正面図である。
この図において、17,17a,17bは吸気孔である。
車両用空調装置11は、客室15の空気を、グリル14、空気室16及び吸気ダクト12を経由して、空調ユニット13によって吸引する。その後、空調ユニット13において、吸引した空気を予め定められた温度に調整し、空調ダクト(図示せず)を経由して客室15に吐出している。
空調ユニット13は、この例においては、コンプレッサ、凝縮器、蒸発器、ファン、膨張弁等をユニット化して構成されており、客室15の空気を吸引するための吸気ダクト12及び調整した空気を客室15に排出するための空調ダクト(図示せず)と接続されている。
また、この例においては、空調ユニット13は、鉄道車両20の天井近くに設置すると、その重量から走行安定性を損なう可能性があるため、床下に設置されている。
グリル14は、客室15と空気室16の間を仕切るために、この例においては客室15の長手方向の端部に設置されており、客室15において吸気ダクト12を乗客に見せないことによって美観を維持するための役割を果たし、かつ、客室15に置かれていた物等が吸気ダクト12内に入り込むことを防ぐ役割を果たしている。
この例において、吸気ダクト12はグリル14に直接接続せず、空気室16内に空気導入口12aを有する。すなわち、グリル14と吸気ダクト12との間に空気室16を有している。
この構成によって、吸気ダクト12の空気導入口12aの形状に合わせてグリル14の吸気孔17aの形状を設計する必要がなく、また、吸気ダクト12の空気導入口12aの大きさに制限されることなく、グリル14の吸気孔17aを設けることが可能になる。
また、吸気ダクト12をグリル14に直付けさせる必要がなくなったことにより、吸気ダクト12の空気導入口12aの形状を十分に広く設計することが可能になり、かつ、吸気ダクト12の経路において折れ曲がっている部分を減らすことが可能になる。
そのため、吸気ダクト12の空気導入口12aの形状に起因する圧力損失発生からなる吸気不良を解消することが可能になる。
この例において、グリル14は、総面積が空気導入口12aの面積より大きい複数の吸気孔17を有する。
この構成により、吸気孔17を通過する空気の流速を空気導入口12aより低くでき、グリル14で発生する圧力損失を低減することができる。
また、空気室16は、グリル14から空気導入口12aまでの流路面積が空気導入口12aより大きく設定されている。
この構成により、空気室16内における空気の流速を空気導入口12aより低くでき、空気室16内で発生する圧力損失を低減することができる。
なお、この例において、吸気ダクト12の一端が空気室16内に突出しているが、空気抵抗を低減するために、この突出部がない形で設置する構造であってもよい。
空気室16は、電気機器等が設置してあるスペースであってよく、空気の流路が確保できれば、例えば、機械室等を代用する形でもよい。
図4においては、グリル14は、鉄道車両20の幅方向に水平に伸び、客室15の床に対して垂直に設置される垂直面14aと、垂直面14aの上部において客室15の床に対して傾いて設置される傾斜面14bから構成される。
そのため、グリル14は、空気室16の内側に凹んだ凹面を有する。
従来は、グリル14と吸気ダクト12の空気導入口12aが直付されていたため、グリル14の形状を吸気ダクト12側に凹んだ形状にすることはできなかったが、グリル14と吸気ダクト12との間に空気室16を設けたことによって、グリル14の形状を自在に設計することが可能になったものである。
複数の吸気孔17(17a,17b)は、グリル14の凹面に水平方向及び上方向に設けられている。
この構成によって、従来の垂直面14aにおける吸気孔17aからの吸引だけでなく、傾斜面14bにおける吸気孔17bからの吸引が可能になるため、吸気孔17(17a,17b)の総面積を空気導入口12aの面積より大きくでき、車両用空調装置11全体としての空気の吸引量を増加させることが可能になる。
また、傾斜面14bは、垂直面14aに対して45°〜90°程度の傾斜をもって設置される構造であってよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
11 車両用空調装置、12 吸気ダクト、
12a 空気導入口、13 空調ユニット、
14 グリル、14a 垂直面、14b 傾斜面、
15 客室、16 空気室、
17,17a,17b 吸気孔、20 鉄道車両

Claims (2)

  1. 空気の吐出口と吸気口を有し空気温度を調節する空調ユニットと、
    客室との間にグリルを有する空気室と、
    空気室内に空気導入口を有し空気室内の空気を空調ユニットの吸気口まで導入する吸気ダクトとを備え、
    グリルは、総面積が空気導入口の面積より大きい複数の吸気孔を有し、
    空気室は、グリルから空気導入口までの流路面積が空気導入口より大きく設定されている、ことを特徴とする車両用空調装置。
  2. グリルは、車両の長手方向端部に幅方向に水平に延びかつ空気室の内側に凹んだ凹面を有し、
    複数の吸気孔は、グリルの凹面に水平方向及び上方向に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
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