JP2013006305A - 透湿性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量に優れ、且つ、不織布との貼り合わせ強度に優れ、かつ、衛生性に非常に優れ、更には肌触りに優れた、透湿性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】不織布の一方の面に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を塗布し、当該接着剤塗布面に吸水性基材フィルムを貼り合わせることを特徴とする透湿性フィルムである。
【選択図】図3

Description

本発明は、透湿性フィルムに関し、特に、肌触りが良く、吸放湿性、透湿性に優れていながら、不透水性を有し、かつ、優れた物理的強度を有するものである。
従来、透湿性を要求しつつ、微粒子や液体等の内容物が包装体外部に漏れることがない包装材料として、透湿性基材フィルムと不織布を貼り合わせた構成の積層フィルムが各種考案されている。
その代表的な例として、乾燥剤包装用フィルムがあり、乾燥剤包装用フィルムに求められる主たる性能には、透湿度の高さ、乾燥剤粉末が漏れない密閉性、及び、引き裂き性の悪さ等があって、これらの性能を満たす積層フィルムとして、二軸延伸ナイロンフィルム層と、前記二軸延伸ナイロンフィルム層の片面に積層された網状構造の強化材層と、前記強化材層に積層された、ヒートシール性を有する長繊維不織布層とを有する、通気性包装材料(出願文では通気性包装材料となっているが、実際には当出願発明品において通気性は無く、正しくは透湿性包装材料である)等の発明がなされている。(特許文献1参照)
また、耐熱性通気性基材と線状低密度ポリエチレンシートとを、パターン塗布した接着剤で貼り合わせることにより、基材の有する通気性を維持する工夫もなされている。(特許文献2参照)
特開2004−25662 実開昭63−51721
従来、フィルムの透湿性を判断する尺度として、文字通りフィルムの透湿度、即ち水蒸気透過度の数値が用いられている。水蒸気透過度の測定方法の基本は、被検フィルムの片面側を一定の高湿度状態に、残りの片面側を略絶乾状態に保ち、乾燥側に水蒸気がどれだけ透過するかを測定するもので、水蒸気の透過量が平衡状態の時の一定面積あたりの水蒸気透過重量を時間で割って表されている。
この表現方法は、被検フィルムが吸収した水蒸気の、厚み方向の濃度勾配が平衡に達してから後の水蒸気移動量を測定するものであり、比較的長期間の透湿性を判断するのに適していて、例えば、乾燥食品や、液状医薬品の包装材料の仕様を設計する際には大いに参考となるが、例えば、汗をかいた人間がフィルム上に座った場合、水で濡れた手にフィルムを被せる場合、焼きたてのパンをフィルムで包装した場合等、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量を判断するのには適しておらず、更には、当然ながら、フィルムに直接水が接触している場合の水分の吸放湿性は表現されていない。
このように短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量を表現するのに重要な尺度としてフィルムの吸水性であり、吸水性はほぼ吸水率の高さに置き換えて表現できる。但し、金属酸化物を蒸着したナイロンフィルムは基材となるナイロンフィルムの吸水率が高いため、データ上の吸水率は高くても、金属酸化物蒸着膜の水蒸気透過度が非常に低いため、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量は良好であると言えない。このような現象は、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム等、疎水性塗布膜を有するフィルムにも当てはまる。また、例えば厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの水蒸気透過度は約20g/m2・日であり、計算上、厚さ2.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの水蒸気透過度は約200g/m2・日となり、透湿性フィルムとしては良好な値を示すが、厚さ2.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを体に巻きつけてしまうと蒸れてしまう。
更に注意すべき材料は接着剤である。一般的に包装用フィルムの貼り合わせに用いられる二液硬化型ウレタン樹脂系接着剤は、透湿性を議論する場合、塗布膜の厚さが数μmであるため良好な透湿性能を示すが、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量を議論する場合には、吸水率があまり高くないため、好ましい材料とは言い難く、透湿性フィルムに使用する場合は、塗布量を少なくする、塗布面積を少なくする等の工夫が必要である。
特許文献1の場合、基材フィルム全面に接着剤を塗布して不織布を貼り合わせる方法が用いられているが、不織布表面は平面ではなく、不織布とフィルムを貼り合わせた場合、不織布とフィルム(接着剤)の接着面は、不織布表面の僅かな繊維としか接着していないため、接着剤塗布面には何も接着していない面が殆どで、基材フィルム表面を接着剤が無駄に覆ってしまっているため短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量が高くないという問題がある。
また、特許文献2のように、接着剤をパターンコートすることで基材フィルム表面を部分的に露出させる方法は、接着剤を全面に塗布する場合と比較して基材フィルムの透湿性を活用できるが、それでも接着剤塗布部において無駄に基材フィルム表面を覆う割合は全面接着剤塗布と同じであり、更には、接着剤未塗布部では不織布が貼り合わされていないので、もともと基材フィルムとの接触面積が少ない不織布との積層フィルムにおいて、貼り合わせ強度が不足してしまうという問題がある。
また、通常用いられる、二液硬化型ウレタン樹脂の溶剤溶液を基材フィルムに塗布し、溶剤を熱風乾燥させた後、不織布を貼り合わせるドライラミネーションの場合、樹脂分が吸着した溶剤を完全に除去することは不可能で、残留溶剤が発生し、特に肌に直接触れる用途では衛生面に問題があり、更には、通常の、二軸延伸フィルム等、通気性の無いフィルムであれば残留溶剤が表面に滲出する量はごく僅かだが、不織布の場合接着剤塗布面から直接外部に残留溶剤が出てくるため、衛生面の問題に加えて溶剤臭が強く、体に纏ったり、寝具や家具のカバーに用いたりした場合に、シックハウス症候群を引き起こしたり、頭痛や体調不良を訴える人が発生してしまう。
また、自動車の塗装面を保護する保護フィルムとして基材フィルムと不織布の積層フィルムを用いる場合にも、残留溶剤は塗装表面を侵してしまい、艶を無くしてしまう等の問題を引き起こす。
更に、ドライラミネーション用接着剤を不織布に塗布すると、接着剤が不織布の繊維間に染み込んで乾燥が困難となり、残留溶剤量が異常に上昇してしまうのみならず、不織布に染み込んだ接着剤が不織布を通り抜けて接着剤塗布部の圧胴に付着し、不織布が圧胴に巻きついてしまうため貼り合わせできない等の問題を引き起こす。
上記現状に鑑み、本発明は、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量に優れ、且つ、不織布との貼り合わせ強度に優れ、かつ、衛生性に非常に優れ、更には肌触りに優れた、透湿性フィルムを提供することを目的とする。
上記のような問題点を解決すべく種々研究を重ねた結果、本発明は、不織布の一方の面に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を塗布し、当該接着剤塗布面に吸水性基材フィルムを貼り合わせることを特徴とする透湿性フィルムを用いることにより、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量に優れ、且つ、不織布との貼り合わせ強度に優れ、かつ、衛生性に非常に優れ、更には肌触りに優れた、透湿性フィルムを提供するものである。また、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を用いることにより、溶剤臭が無く、衛生面で優れた透湿性フィルムを得ることができ、ヒトの体に接する用途や身に纏う用途に適した透湿性フィルムを提供できる。
請求項2は、前記吸水性基材フィルムが、プレーンセロハンフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム、親水性酸素バリア層コートナイロンフィルム、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムのいずれかからなることを特徴とする、透湿性フィルムである。吸水性基材フィルムとして、プレーンセロハンフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム、親水性酸素バリア層コートナイロンフィルム、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムのいずれかを使用することによって、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量が良好でありながら、水が透過しない透湿性フィルムを得ることができる。
請求項3は、前記不織布が、ナイロン、または、綿のいずれか、または、レーヨンとパルプの混合繊維の吸水性繊維からなることを特徴とする透湿性フィルである。吸水性繊維であるナイロン、または、綿のいずれか、または、レーヨンとパルプの混合繊維を用いることによって、体に纏う用途等においてより快適な肌触りを有する透湿性フィルムが得られる。
請求項4は、前記記載フィルムを用いて、吸水性基材フィルムの一方の面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムの残りの一面に、さらに、一方の面に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を塗布した不織布を貼り合わせることを特徴とする透湿性フィルムである。吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせることによって、吸水性フィルムが屈曲するときに発する乾いたフィルム音が発せられなくなり、体に纏う用途等において快適に使用することができ、かつ、透湿性フィルムを補強でき、補強できることによって縫製が容易に行えるようになる。
請求項5は、前記記載フィルムを用いて、吸水性基材フィルムの一方の面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムの、吸水性基材フィルムの残りの一面に、吸水性基材フィルムに接着剤を塗布するドライラミネーション、吸水性基材フィルムに接着剤を塗布するノンソルベントラミネーション、吸水性基材フィルムへの部分塗布によるホットメルトラミネーション、または、直線状に多数平行に押し出した溶融熱可塑性樹脂による押し出しラミネーションのいずれかの手段によって不織布を貼り合わせたことを特徴とする透湿性フィルムである。吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせることによって、吸水性フィルムが屈曲するときに発する乾いたフィルム音が発せられなくなり、体に纏う用途等において快適に使用することができ、かつ、透湿性フィルムを補強でき、補強できることによって縫製が容易に行えるようになる。
請求項6は、前記の透湿性フィルムからなる、座席カバー、椅子カバー、テーブル掛け等の家具類カバー、および、ふとんカバー、シーツ、枕カバー等の寝具類カバーである。上記の透湿性フィルムを用いることにより、特に座席カバー、椅子カバー、テーブル掛け等の家具類カバー、および、ふとんカバー、シーツ、枕カバー等の寝具類カバーにおいて、従来に無い、優れた商品を構成できる。
請求項7は、前記不織布が、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布、または、フラッシュ紡糸・サーマルボンド方式のポリエチレン不織布の非吸水性繊維からなることを特徴とする、請求項1から2記載の透湿性フィルムである。非吸水性繊維からなる不織布として、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布、または、フラッシュ紡糸・サーマルボンド方式のポリエチレンを選定することにより、水は通さないが水蒸気を通し、かつ、不織布面が水分を含み難いため乾燥した物体の保護に適した表面保護フィルムを得られ、被保護物表面に保護フィルムの接触痕が残り難いという効果が得られる。
請求項8は、前記の透湿性フィルムからなる、表面保護フィルムである。
請求項9は、不織布の一方の面に無溶剤型接着剤を塗布し、しかる後に当該接着剤塗布面に吸水性基材フィルムを貼り合わせることを特徴とする前記透湿性フィルムの製造方法である。
本発明の透湿性フィルムは、無溶剤型接着剤を用いた貼り合わせ方法を選定することにより、不織布に接着剤を塗布することが可能となり、無溶剤型接着剤を不織布に塗布し、吸水性基材フィルムを貼り合わせることによって、接着剤の塗布が不織布表面の吸水性基材フィルムとの接触面のみに、かつ、接触面全面に行われることにより、従来のフィルム全面に接着剤を塗布する貼り合わせ方法と比較して、貼り合わせ面に吸水性基材フィルム面が露出することによって吸水性基材フィルムの吸湿、または、吸水の阻害が顕著に減少し、しかも、基材フィルム全面に接着剤を塗布した場合と同等の接着強度を得ることができる。
本発明の透湿性フィルムは、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を用いたことにより、不織布に接着剤を塗布することが可能となり、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を不織布に塗布し、吸水性基材フィルムを貼り合わせることによって、接着剤の塗布が不織布表面の吸水性基材フィルムとの接触面のみに、かつ、接触面全面に行われることにより、従来のフィルム全面に接着剤を塗布する貼り合わせ方法を用いた透湿性フィルムと比較して、貼り合わせ面に吸水性基材フィルム面が露出することによって吸水性基材フィルムの吸湿、または、吸水の阻害が顕著に減少し、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量に優れ、しかも、基材フィルム全面に接着剤を塗布した場合と同等の接着強度を得ることができる。
また、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を用いることにより、溶剤臭が無く、衛生面で優れた透湿性フィルムを得ることができ、ヒトの体に接する用途や身に纏う用途に適した透湿性フィルムを提供できる。
本発明の透湿性フィルムは、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を用いた貼り合わせ方法を選定することにより、不織布に接着剤を塗布することが可能となり、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を不織布に塗布し、しかる後に、吸水性基材フィルムを貼り合わせることによって、接着剤の塗布が不織布表面の吸水性基材フィルムとの接触面のみに、かつ、接触面全面に行われることにより、従来のフィルム全面に接着剤を塗布する貼り合わせ方法と比較して、貼り合わせ面に吸水性基材フィルム面が露出することによって吸水性基材フィルムの吸湿、または、吸水の阻害が顕著に減少し、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量に優れ、しかも、基材フィルム全面に接着剤を塗布した場合と同等の接着強度を得ることができる透湿性フィルムの製造方法を提供するものである。
本発明に係る吸水性基材フィルムの片面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムの概略断面図である。 本発明に係る吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムの概略断面図である。 本発明に係る透湿性フィルムの吸水性基材フィルムと不織布を構成する繊維の接着状態を示す模式図である。 従来の方法で貼り合わせた透湿性フィルムの吸水性基材フィルムと不織布を構成する繊維の接着状態を示す模式図である。 一般的なノンソルベントラミネーターの概略図である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳しく説明する。
(貼り合わせ方法)本発明に係る透湿性フィルムは、図1に概略を示すように、接着剤層を介して吸水性基材フィルムと不織布を貼り合わせた構造を有し、図2は吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせた場合の概略を示す。
概略図では従来品との相違点は無いが、実際のフィルムでは明白な相違点がある。即ち、本発明に係る透湿性フィルムは、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を不織布に塗布し、当該二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤塗布面に吸水性基材フィルムを貼り合わせるため、接着剤は不織布表面に露出した繊維の表面にしか塗布されず、従って、不織布と吸水性基材フィルムとが接触する部分にのみ接着剤が塗布されるので、貼り合わせ面において吸水性基材フィルムに接着剤が付着せず露出している部分が形成され、吸水性基材フィルムの吸湿性、吸水性、または、放湿性を生かすことができる。図3は、本発明に係る透湿性フィルムの吸水性基材フィルムと不織布を構成する繊維の接着状態を示す模式図、図4は従来の方法で貼り合わせた透湿性フィルムの吸水性基材フィルムと不織布を構成する繊維の接着状態を示す模式図である。本発明に係る透湿性フィルムの製造方法において、不織布と吸水性基材フィルムとは、接触する部分のみで接着しているため、不織布と吸水性基材フィルムとは略線接着している。線でのみ接着しているということで、貼り合わせ強度が不足しているようにも思えるが、実際は従来の製造方法と同じ接着状態であって、本発明に係る透湿性フィルムのラミネート強度は劣っていない。
不織布への接着剤の塗布量は、多すぎると貼り合わせたフィルムが硬くなって、不織布の柔らかな風合いが損なわれたり、吸水性基材フィルムの露出面積が減少したりしてしまうのみならず、不織布が薄い場合は接着剤の裏抜けが生じて貼り合わせ後の巻き取りがブロッキングを起こしてしまう。このような現象は、同じ塗布量であっても、不織布の坪量が大きければ発生せず、坪量が小さければ発生し易い。また、少なすぎる場合は、当然接着強度が低下する。しかし、不織布の表面状態は、不織布の種類によって千差万別であり、例えば、ナイロン長繊維不織布の表面は繊維がむき出しで、平滑性が殆ど無い不織布の場合、接着剤が塗布される、コーティングロールと接触する部分の面積の割合が非常に少なく、このような場合、面積あたりの塗布量が通常のフィルム全面に接着剤を塗布する時の半分であっても、不織布表面の繊維に付着している接着剤の量はかなり多くなっている。また、フラッシュ紡糸・サーマルボンド方式の不織布や、パルプ分を多く含む不織布は、グラビア印刷を施すことができるほど平滑性が高く、このように平滑性が高い不織布に接着剤を塗布する場合は可能な限り塗布量を少なくすると良い。但し、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤は、貼り合わせ直後の、初期タック力が非常に弱く、貼り合わせ面が部分的に幅数mmのパイプ状に剥離してしまう、トンネリングに注意が必要である。このように、本発明に係る不織布面への二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤の塗布量を一概に決定することはできないが、経験的に、広くは0.2g/m2〜5.0g/m2の範囲で、好ましくは0.5g/m2〜3.0g/m2の範囲で貼り合わせを実施し、ブロッキングの有無や、貼り合わせたフィルムの風合いを見ながら、適宜塗布量を変更し、対応する必要がある。
また、本発明に係る二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤による貼り合わせに用いる装置は、図5に示す一般的なノンソルベントラミネーターを使用することができる。
また、接着剤としては、通常の二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を用いることができ、更に、一液型ウレタン樹脂系無溶剤系接着剤を用いても良い。
(吸水性基材フィルム)吸水性基材フィルムに求められる性能は、吸水性と透湿性である。
吸水性の指標としては、フィルムの吸水率が5%以上、好ましくは8%以上あると良い。
透湿性は、フィルムの水蒸気透過度が参考になるが、厚さが変わると水蒸気透過度も変わってしまい、例えば厚さ2.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの水蒸気透過度が200g/m2・日で、厚さ100μmのナイロンフィルムの水蒸気透過度が100g/m2・日で、厚さ100μmのナイロンフィルムの方が水蒸気透過度は低くても、吸水性基材フィルムとしては厚さ100μmのナイロンフィルムの方が優れているので、水蒸気透過度を参考にする場合、コーティングフィルムでなければ、基準となる厚さを設けて、基準となる厚さにおける水蒸気透過度を計算して判断すると良い。例えば、本発明に係る吸水性基材フィルムとして用いるフィルムの水蒸気透過度は、25μm換算で100g/m2・日以上あると良く、200g/m2・日以上あれば更に好適に用いることができる。
尚、例えば、セロハンフィルム等、表記方法が厚さではなく坪量である場合には、実際のフィルムの厚さと水蒸気透過度を測定すれば良い。
吸水性と透湿性に優れるフィルムとしては、プレーンセロハンフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム等のフィルムや、これらのフィルムに透湿性や吸湿性を阻害しない範囲でコーティングを施したフィルムが挙げられ、この他にも親水性酸素バリア層をコーティングしたナイロンフィルム、例えば、製品名「コーバリア」(株式会社興人製)、製品名「クラリスタN」(株式会社クラレ製)、製品名「ベセーラEA」(株式会社クレハ製)、製品名「HON(ダイセルバリューコーティング株式会社製)等の酸素バリア層コートナイロンフィルムも好適に使用できる。これらのフィルムのいずれかを使用することによって、透湿性が良好であり、特に短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量に優れながら、水が透過しない透湿性フィルムを得ることができる。但し、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、金属酸化物蒸着フィルム、金属蒸着フィルム等、水蒸気の透過を阻害する皮膜が設けられているフィルムは、水蒸気透過度が低く、使用しない。
尚、疎水性や吸水率が低い物質の塗膜であっても、厚さが非常に薄く吸水性基材フィルムの水蒸気透過度や吸水性に与える影響が殆ど無ければ使用しても差し支えない。但し、塗布厚の許容値は、その塗膜の性質により異なるので、実際に透湿性フィルムを製造して確認する必要がある。また、使用に際しては、より水分や湿気が多くなる面側に、吸水性基材フィルムのより吸水性の良好な面を配置すると良い。
また、吸水性基材フィルムには、公知の方法で文字や絵柄の印刷を施すことや、帯電防止剤、撥水剤等の表面改質剤を塗布することもできるが、不織布には厚薄があるため、巻き取ったときに裏移りして接着性を阻害する物質でなければ、不織布と貼り合わせる前に、吸水性基材フィルム単独で印刷やコーティングを施すと良い。印刷やコーティングに際しては、透湿性や吸湿性に与える影響を考慮し、場合によってはパターンコートを施す、塗布膜の厚さを極力薄くする等の工夫が必要である。
また、吸水性基材フィルムには、吸水性基材フィルム同士を積層したフィルムを用いることもできる。
吸水性基材フィルムを積層して積層吸水性基材フィルムとする場合、透湿度がなるべく低下しないように工夫して貼り合わせることが必要である。
具体的には、接着剤の塗布量を極力少なくする、接着剤を部分塗布するなどして、吸水性フィルムの透湿性を可能な限り利用できるような貼り合わせ方法を用いると良く、特に、ドライラミネーション、パターン塗布ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、スプレー塗布や線状塗布等の部分塗布によるホットメルトラミネーション、または、直線状に多数平行に押し出した溶融熱可塑性樹脂による押し出しラミネーション等の方法を、好適に用いることができる。
(不織布)本発明に係る透湿性フィルムに用いる不織布は、湿式、乾式といった製造方法、長繊維、短繊維といった繊維長は問わないが、用途により、硬さや肌触りの良さといった、使用者の使い勝手に応じて選定すれば良い。
特に、吸水性繊維からなる不織布は肌触りが良く、ナイロン、または、綿のいずれか、または、レーヨンとパルプの混合繊維からなる不織布は体に纏う用途に用いると良く、肌触りを阻害しない範囲であれば、補強用、ヒートシール用等の機能繊維を混合しても良い。特に肌触りがよいのは、上記繊維から、接着剤を用いず、サーマルボンド方式、ニードルパンチ方式、ウォーターパンチ方式等により製造した不織布である。
また、本発明に係る透湿性フィルムには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等、非吸水性、または、低吸水性樹脂からなる不織布も用いることができ、当然ながら、芯鞘構造からなる共押し出し複合繊維製不織布も利用できる。芯鞘構造で表面がポリエチレンからなる繊維のヒートシール性不織布としては、鞘部がポリエチレンテレフタレートからなる、製品名「エルベス」(ユニチカ株式会社製)等が、上市されている。
繊維表面がポリエチレン、または、ポリプロピレン等、接着性が良くない材質の場合、貼り合わせ強度を上げる必要があるときは、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等により表面張力を下げて接着性を向上させたり、プライマー、アンカーコート剤等、間接的に接着性を向上させる樹脂を塗布したり、接着剤の塗布量を多くして、繊維に接着剤が絡みつくようにしたりすると良い。
前記非吸水性繊維からなる不織布の中でも特に、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布、または、フラッシュ紡糸・サーマルボンド方式のポリエチレン、または、ポリプロピレン不織布は添加剤を殆ど含んでいないことから、これらを用いて製造した本発明に係る透湿性フィルムは、表面保護フィルムとして好適に用いることができる。吸水性基材フィルムと非吸水性繊維からなる不織布を貼り合わせた本発明に係る透湿性フィルムは、水は通さないが水蒸気を通し、かつ、不織布面が水分を含み難いため乾燥した物体の保護に適した表面保護フィルムを得ることができ、かつ、非吸水性繊維からなる不織布として、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布、または、フラッシュ紡糸・サーマルボンド方式のポリエチレン不織布を選定することにより、被保護物表面に保護フィルムの接触痕が残り難いという効果が得られる。
また、タテ・ヨコに繊維が交差している直交不織布(例えば、製品名「ミライフ」、JX日鉱日石ANCI株式会社製)、割繊維不織布(例えば、製品名「ワリフ」、JX日鉱日石ANCI株式会社製)、および、ネット状に繊維を交差させた不織布(例えば、製品名「コンウェッドネット」、JX日鉱日石ANCI株式会社製)等、空隙の多い不織布であっても、本発明に係る貼り合わせ方法を用いて、本発明に係る透湿性フィルムを製造することができる。
(不織布両面貼り)吸水性基材フィルムの片面のみならず、両面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムを製造することができる。
吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせることにより、吸水性フィルムが屈曲するときに発する、耳障りな乾いたフィルム音が発せられなくなり、体に纏う用途、寝具カバー類、家具カバー類等においてより快適に使用することができ、かつ、透湿性フィルムの両面を補強でき、補強できることによって縫製が容易に行えるようになり、また、縫製による針穴の広がりを防止することができる。更に、吸水性繊維からなる不織布の反対面にヒートシール性不織布を貼り合わせれば、ヒートシールを施して袋体を形成することができ、また、吸水性繊維からなる不織布の反対面にフラッシュ紡糸・サーマルボンド方式の不織布を貼りあわせた透湿性フィルムを用いて、吸水性繊維からなる不織布面を内側にして防護服を製造すれば、蒸れ難く、保温性に優れた防護服を得ることができる。
吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせる場合、両面ともに、不織布に無溶剤型接着剤を塗布して吸水性基材フィルム面と貼り合わせれば、透湿性に優れ、貼り合わせ強度が高く、風合いの優れた透湿性フィルムを得ることができる。
また、片面のみ本発明に係る貼り合わせ方法を用いて、残りの面は公知の貼り合わせ方法を用いて貼り合わせても構わない。
片面のみ公知の貼り合わせ方法を用いる場合、接着剤の塗布量を極力少なくしたり、接着剤を部分塗布するなどして、吸水性フィルムの透湿性を可能な限り利用できるような貼り合わせ方法を用いると良く、特に、ドライラミネーション、パターン塗布ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、スプレー塗布や線状塗布等の部分塗布によるホットメルトラミネーション、または、直線状に多数平行に押し出した溶融熱可塑性樹脂による押し出しラミネーション等の方法を、好適に用いることができる。
(透湿性フィルム)本発明に係る透湿性フィルムの用途は、前記の座席カバー、椅子カバー、テーブル掛け等の家具類カバー、ふとんカバー、シーツ、枕カバー等の寝具類カバー、防護服等の生地、および、表面保護フィルムに限定されず、液体は通さないが水蒸気を多く透過させたい各種の用途に用いることができる。
また、必要に応じて、面ファスナー、ボタン等を接着剤、粘着テープ、縫製等により装着することができる。
(実施例1)
次に、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1040mm、厚み40μmのポリビニルアルコールフィルム(製品名「ソルブロンNP」、アイセロ化学株式会社製)を選定し、ノンソルベントラミネーターを用いて、その片面に吸水性繊維からなる不織布として幅1040mm、坪量30g/m2の綿繊維不織布(製品名「コットエースP030S/A01」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.2g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、不織布に無溶剤型接着剤を塗布して吸水性基材フィルムと貼り合わせた、本発明に係る透湿性フィルムを得た。
(使い捨てシーツの製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅1020mmとした後、断裁機で長さ2050mmに切断して使い捨てシーツ及び布団カバーを得た。
前記シーツ又は布団カバーの不織布面を上にして敷き布団の上に敷いて睡眠した結果、無臭で、肌触りが良く、蒸れることなく汗を良く吸収するシーツ及び布団カバーであると共に、ポリビニルアルコールフィルムは柔軟性に富んで体によく馴染み、快適に睡眠できた。
また、前記シーツ又は布団カバーの上に水をこぼしても布団面に水が漏れることは無かった。
このような結果から、前記使い捨てシーツや布団カバーを病院等で用いれば、洗濯の手間が省けると共に、作業従事者の感染防止やシーツや布団カバー間の汚染物質転移防止等の効果が得られることが示唆される。特に、救急車で用いる寝台や担架のカバーに用いれば、血液や体液が布やクッションに染み込むことが無く、不用意な感染防止に役立つ。
Figure 2013006305
(実施例2−1)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1040mm、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「N1102」、東洋紡績株式会社製)を選定し、ノンソルベントラミネーターを用いて、そのコロナ処理面に幅1040mm、坪量40g/m2のナイロン長繊維不織布(製品名「ナイエースP0403WTO」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.0g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、不織布に無溶剤型接着剤を塗布してナイロンフィルムと貼り合わせた、本発明に係る透湿性フィルムを得た。
(枕カバーの製造)
前記透湿性フィルムを340mm幅にスリットした後、断裁機で750mmに切断し、長手方向の短部に両面粘着テープを用いて面ファスナーを取り付けて枕カバーを得た。
前記枕カバーを、不織布面が外側になるように枕に巻き付けて面ファスナーで固定し、就寝時に用いた結果、無臭で、肌触りが良く、蒸れることなく汗を良く吸収し、快適な睡眠が得られた。
(実施例2−2から実施例2−7)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、
実施例2−2:幅1040mm、坪量30g/m2のプレーンセロハンフィルム(コロナ処理なし、製品名「PL1」、フタムラ化学株式会社製)、
実施例2−3:幅1040mm、厚み20μmの未延伸ナイロンフィルム(片面コロナ処理あり、製品名「レイファンNO1401」、東レフィルム加工株式会社製)、
実施例2−4:幅1040mm、厚み15μmのMXDナイロン共押し出しナイロンフィルム(片面コロナ処理あり、製品名「ボニールSPY」、株式会社興人製)、
実施例2−5:幅1040mm、厚み15μmのMXDナイロンブレンドナイロンフィルム(片面コロナ処理あり、製品名「ユニアスロンTB−1000」、出光ユニテック株式会社製)、
実施例2−6:幅1040mm、厚み15μmのエチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム(片面コロナ処理あり、製品名「スーパーニールEP」、三菱樹脂株式会社製)、
実施例2−7:幅1040mm、厚み15μmの親水性酸素バリア層コートナイロンフィルム(コート面に接着性あり、製品名「コーバリア」、株式会社興人製)、および、
実施例2−8:幅1040mm、厚み15μmのエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム(コロナ処理なし、製品名「エバールEF−F」、株式会社クラレ製)
を選定し、ノンソルベントラミネーターを用いて、そのコロナ処理面、コート面、または、コロナ処理なしフィルムにおいては片面に幅1040mm、坪量40g/m2のナイロン長繊維不織布(製品名「ナイエースP0403WTO」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.0g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、不織布に無溶剤型接着剤を塗布してプレーンセロハンフィルム、未延伸ナイロンフィルム、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム、親水性酸素バリア層コートナイロンフィルム、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムと貼り合わせた、本発明に係る透湿性フィルム7種類を得た。(表1参照)
(枕カバーの製造)
実施例2−2から2−7の透湿性フィルムを340mm幅にスリットした後、断裁機で750mmに切断し、長手方向の短部に両面粘着テープを用いて面ファスナーを取り付けて枕カバーを得た。
前記枕カバーを、不織布面が外側になるように枕に巻き付けて面ファスナーで固定し、就寝時に用いた結果、表1に示した通り、いずれの透湿性フィルムも蒸れることなく汗を良く吸収し、肌触りが良く、不快な臭気が無く、快適な睡眠が得られた。
(比較例1)
(比較用フィルムの製造)
吸水性基材フィルムとして、幅1040mm、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「N1102」、東洋紡績株式会社製)を選定し、そのコロナ処理面にドライラミネーターを用いて二液硬化型ウレタン樹脂系接着剤を2.0g/m2塗布し、当該塗布面に幅1040mm、坪量40g/m2のナイロン長繊維不織布(製品名「ナイエースP0403WTO」、ユニチカ株式会社製)を貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、不織布に溶剤型接着剤を塗布してナイロンフィルムと貼り合わせた、比較例のフィルムを得た。
(枕カバーの製造)
前記透湿性フィルムを340mm幅にスリットした後、断裁機で750mmに切断し、長手方向の短部に両面粘着テープを用いて面ファスナーを取り付けて枕カバーを得た。
前記枕カバーを、不織布面が外側になるように枕に巻き付けて面ファスナーで固定し、就寝時に用いた結果、肌触りは良好であったが、接着剤を全面に塗布したためフィルムがゴワゴワして頭に馴染み難く、更には、残留溶剤の酢酸エチル臭があって快適な使用感は得られなかった。
(実施例3)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1020mm、厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「N1102」、東洋紡績株式会社製)を選定し、そのコロナ処理面に、ノンソルベントラミネーターを用いて、幅1020mm、坪量30g/m2のポリエチレンテレフタレート長繊維不織布(製品名「マリックス70300WSO」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.0g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、不織布に無溶剤型接着剤を塗布してナイロンフィルムと貼り合わせ本発明に係る透湿性フィルムを得た。
(表面保護フィルムの製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅1000mmとした後、断裁機で長さ1800mmに切断して表面保護フィルムを得た。
前記表面保護フィルムを、ナイロンフィルム面が外側になるように自動車のトランクリッドに被せ、余った部分は粘着テープでトランクリッドの裏側に固定し、トランクリッドを閉じて1週間そのままの状態で自動車を屋根の無い駐車場に放置した。
その結果、試験期間中に雨が降ったにも係らず、トランクリッド表面と表面保護フィルムで挟まれた領域に水滴や結露の付着は認められず、また、表面保護フィルムを除去したところ、表面保護フィルムに覆われていた部分は汚れが付着しておらず、かつ、不織布の跡が自動車の塗装面に残ることも無かった。
(比較例2)
(比較用フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1020mm、厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「N1102」、東洋紡績株式会社製)を選定し、そのコロナ処理面にドライラミネーターを用いて二液硬化型ウレタン樹脂系接着剤を2.0g/m2塗布し、当該塗布面に幅1020mm、坪量30g/m2のポリエチレンテレフタレート長繊維不織布(製品名「マリックス70300WSO」、ユニチカ株式会社製)を貼り合わせ、比較例に係るフィルムを得た。
(表面保護フィルムの製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅1000mmとした後、断裁機で長さ1800mmに切断して表面保護フィルムを得た。
前記表面保護フィルムを、ナイロンフィルム面が外側になるように自動車のトランクリッドに被せ、余った部分は粘着テープでトランクリッドの裏側に固定し、トランクリッドを閉じて1週間そのままの状態で自動車を屋根の無い駐車場に放置した。
その結果、試験期間中に雨が降ったことによって、表面保護フィルムで覆われた部分のトランクリッド表面にうっすらと水滴が付着し、また、表面保護フィルムを除去したところ、表面保護フィルムに覆われていた部分は保護フィルムの残留溶剤の影響で塗装が僅かに曇ってしまった。
(実施例4)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1040mm、厚み15μmの両面コロナ処理二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「N1202」、東洋紡績株式会社製)を選定し、その一方の面にグラビア印刷機を用いて「表面」という文字を裏刷りでエンドレス印刷した後、ノンソルベントラミネーターを用いて、前記印刷面の反対面に幅1040mm、坪量40g/m2のナイロン長繊維不織布(製品名「ナイエースP0403WTO」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.2g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングした後、前記吸水性基材フィルムの印刷面に、幅1040mm、坪量38g/m2の割繊維不織布(製品名「ワリフLX24」、JX日鉱日石ANCI株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤2.1g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、無溶剤型接着剤を塗布した不織布をナイロンフィルムの両面に貼り合わせた、本発明に係る吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムを得た。
(使い捨てシーツの製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅1020mmとした後、断裁機で長さ2050mmに切断して使い捨てシーツを得た。
前記シーツのナイロン不織布面を上にして敷き布団の上に敷いて睡眠した結果、無臭で、肌触りが良く、汗を良く吸収するシーツであると共に、柔軟性に富んで体によく馴染み、ナイロンフィルムの両面に不織布を貼り合わせたことによりフィルムが屈曲する際に発する音も殆ど無く、快適に睡眠できた。
また、前記シーツの上に水をこぼしても布団面に水が漏れることが無いのみならず、実施例1の透湿フィルムを割繊維不織布により補強した仕様であるが故に、非常に強靭な透湿性フィルムであった。
このような結果から、前記使い捨てシーツを病院等で用いれば、洗濯の手間が省けると共に、作業従事者の感染防止やシーツ間の汚染物質転移等の効果が得られることが示唆される。特に、救急車で用いる寝台や担架のカバーに用いれば、血液や体液が布やクッションに染み込むことが無く、不用意な感染防止に役立ち、更には、補強の効果で、シーツを持って患者を担架やストレッチャーからベッドや手術台に移動させることも可能である。
(テーブルカバーの製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅1020mmとした後、長さ1250mmに切断してテーブルカバーを得た。
前記テーブルカバーのナイロン不織布面を上にして幅900mm、長さ1100mmのテーブルの上に敷いて食事した結果、無臭で食品の食味に影響を及ぼすことがなく、肌触りが良いので肘を置いた感触が心地よく、また、前記テーブルカバーの上に水をこぼしてもテーブル面が水に濡れないのみならず、ナイロン不織布が水分を保持するのでテーブルの下に水が垂れ難く、衣服を汚し難いという副次的効果も得られた。
(実施例5)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅940mm、厚み15μmの両面コロナ処理二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「N1202」、東洋紡績株式会社製)を選定し、その一方の面に、ノンソルベントラミネーターを用いて、幅940mm、坪量30g/m2のレーヨン、パルプ混抄短繊維不織布(製品名「ニューソフロンL#300」、ユニ・チャーム国光ノンウーヴン株式会社製)の粗面に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.2g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングした後、吸水性基材フィルムの残りの面に、幅940mm、坪量40g/m2の芯鞘構造長繊維ポリエチレン不織布(製品名「エルベスS0403WDO」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.5g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、無溶剤型接着剤を塗布した不織布をナイロンフィルムの両面に貼り合わせた、本発明に係る吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムを得た。
(枕カバーの製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅920mmとした後、前記ポリエチレン不織布面をヒートシール面として、製袋機を用いて縦650mm、横450mm、シール幅10mmのピロー袋を製造し、枕カバーを得た。
前記枕カバーに枕を収納し、就寝時に用いた結果、肌触りが良く、快適な睡眠が得られた。
また、前記枕カバーに直接水枕を収納し、水枕カバーとして用いたところ、水枕のゴム臭が全くせず、ゴムのゴワゴワした感触が薄れ、好適に利用できた。
(座席カバーの製造)
前記透湿性フィルムのポリエチレン不織布面をヒートシール面として、製袋機を用いて縦450mm、横400mm、シール幅10mmのかます袋(二方シール袋)を製造し、座席カバーを得た。
当該座席カバーを一人用ソファーの背もたれに被せて使用した結果、肌触りが良く、接着剤臭がせず、しなやかな使用感が得られた。また、椅子カバー、テーブル掛けとして使用しても、蒸れることなく汗を良く吸収し、肌触りが良く、接着剤臭がせず、しなやかな使用感が得られた性能を示した。
(比較例3)
(比較用フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅940mm、厚み15μmの両面コロナ処理二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「N1202」、東洋紡績株式会社製)を選定し、その一方のコロナ処理面に、ノンソルベントラミネーターを用いて、二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を2.0g/m2塗布して、当該塗布面に幅940mm、坪量30g/m2のレーヨン、パルプ混抄短繊維不織布(製品名「ニューソフロンL#300」、ユニ・チャーム国光ノンウーヴン株式会社製)の粗面を貼り合わせ、35℃で2日間エージングした後、吸水性基材フィルムの残りの面に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤2.2g/m2を塗布して、幅940mm、坪量40g/m2の芯鞘構造長繊維ポリエチレン不織布(製品名「エルベスS0403WDO」、ユニチカ株式会社製)を貼り合わせ、35℃で2日間エージングすることにより、ナイロンフィルムの両面に接着剤を塗布して不織布を貼り合わせた、比較例のフィルムを得た。
(枕カバーの製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅920mmとした後、前記ポリエチレン不織布面をヒートシール面として、製袋機を用いて縦650mm、横450mm、シール幅10mmのピロー袋を製造し、枕カバーを得た。
前記枕カバーに枕を収納し、就寝時に用いた結果、肌触りは良好であったが、ナイロンフィルム面の両面全体に接着剤が塗布されているためナイロンフィルムの吸水性が若干阻害されてしまい、蒸れが感じられた。
(実施例6)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1040mm、厚み15μmの両面コロナ処理二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「ONMB」、ユニチカ株式会社製)を選定し、その一方の面に、ノンソルベントラミネーターを用いて、幅1040mm、坪量30g/m2のナイロン長繊維不織布(製品名「ナイエースP0303WTO」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.0g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングした後、吸水性基材フィルムの残りの面に、アンカーコート剤を塗布しつつTダイの多数のノズルから、溶融ポリエチレン樹脂を直線状に厚さ50μm、幅約2mmで、平行に2mm間隔で多数線状に押し出して、幅1040mm、坪量30g/m2の芯鞘構造長繊維ポリエチレン不織布(製品名「エルベスS0303WDO」、ユニチカ株式会社製)を貼り合わせることにより、ナイロンフィルムの片面に、不織布に無溶剤型接着剤を塗布して貼り合わせ、ナイロンフィルムの残りの片面に直線状に多数平行に押し出した溶融熱可塑性樹脂による押し出しラミネーションにより不織布を貼り合わせた、本発明に係る吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムを得た。
(防護服用生地の製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅1020mmの防護服用生地を得た。
前記防護服用生地を縦300mm、横300mmに切り取り、ポリエチレン不織布面同士を対向させて重ね合わせ、トレーシーラーを用いてシール幅1mmの手袋型熱板を当てて170℃×2秒のヒートシールを施した後、不要部を切り取って裏返し、手袋を得た。当該手袋は、丈夫で肌触りが良く、蒸れることがないので快適に使用できた。また、ナイロンフィルムを中間層に使用しているため、完璧なバクテリア不透過性が得られた。
(実施例7)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1040mm、厚み15μmの両面コロナ処理二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「ONB」、ユニチカ株式会社製)を選定し、その一方の面に、ノンソルベントラミネーターを用いて、幅1040mm、坪量30g/m2のナイロン長繊維不織布(製品名「ナイエースP0303WTO」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.0g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングした後、吸水性基材フィルムの残りの面に、スプレー方式ホットメルトラミネーションにより幅1040mm、坪量59.5g/m2のフラッシュ紡糸・サーマルボンド方式ポリエチレン不織布(製品名「タイベック2FS」、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社製)を貼り合わせることで、ナイロンフィルムの片面に、無溶剤型接着剤を塗布した不織布を貼り合わせ、残りの片面にスプレー式ホットメルトラミネーションで不織布を貼り合せた、本発明に係る吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムを得た。
(防護服用生地の製造)
前記透湿性フィルムの両端10mmずつをスリッターで切り落として幅1020mmの防護服用生地を得た。
前記防護服用生地を縦300mm、横300mmに切り取り、ポリエチレン不織布面同士を対向させて重ね合わせ、手袋の輪郭状にミシンで縫い合わせ、糸目の2mm外側で切り取って裏返し、手袋を得た。当該手袋は、縫い目も丈夫で肌触りが良く、蒸れることがないので快適に使用できた。尚、縫い目があるため完璧なバクテリア不透過性は得られなかったが、縫い目をテープで目張りすれば、バクテリア不透過性が得られることから、防護服用生地として非常に優れている。
(実施例8)
(透湿性フィルムの製造)
本発明に係る吸水性基材フィルムとして、幅1040mm、厚み15μmの両面コロナ処理二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「ONMB」、ユニチカ株式会社製)を選定し、その一方の面に、ノンソルベントラミネーターを用いて、幅1040mm、坪量30g/m2のナイロン長繊維不織布(製品名「コットエースC040S/A01」、ユニチカ株式会社製)に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤1.5g/m2を塗布して貼り合わせ、35℃で2日間エージングした後、吸水性基材フィルムの残りの面にホットメルト樹脂塗布量3.0g/m2のスプレー方式ホットメルトラミネーションにより、幅1040mm、坪量30g/m2の芯鞘構造長繊維ポリエチレン不織布(製品名「エルベスS0303WDO」、ユニチカ株式会社製)を貼り合わせることで、ナイロンフィルムの片面に、不織布に無溶剤型接着剤を塗布して貼り合わせ、ナイロンフィルムの残りの片面にスプレー方式ホットメルトラミネーションにより不織布を貼り合わせた、本発明に係る吸水性基材フィルムの両面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムを得た。
(ふとんカバーの製造)ダニ侵入防止
前記透湿性フィルムを長さ1520mmにカットし、ポリエチレン不織布が内面となるように縦方向の中心線に沿って二つ折りし、折り曲げ部の両端にシール間寸法が1500mmとなるように5mm幅のインパルスシーラーでヒートシールを施して袋状と成し、ふとんカバーの襟部を製造した。
次に、前記透湿性フィルムを長さ1520mmに2枚カットし、ポリエチレン不織布が内面となるように重ね合わせ、縦方向の両端にシール間寸法が1500mmとなるようにインパルスシーラーで5mm幅のヒートシールを施して筒状と成し、ふとんカバーの胴部を製造した。
更に、前記透湿性フィルムを長さ1520mm、幅650mmにカットし、ポリエチレン不織布が内面となるように重ね合わせ、縦方向の両端にシール間寸法が1500mmとなるようにインパルスシーラーで5mm幅のヒートシールを施して筒状と成し、ふとんカバーの末端部を製造した。
前記襟の部分と末端を裏返して前記胴部両側開口部に10mmずつ重なるように挿入し、当該重なり部分にインパルスシーラーで5mm幅のヒートシールを全幅に渡って施して前記3つの部品を結合させて幅約1500mm、長さ約2130mmの大きな袋構造を成すと共に、末部開口端のポリエチレン不織布面全幅に渡って面ファスナーを縫い付け、裏返すことによってふとんカバーを得た。
前記ふとんカバーに掛け布団を入れ、面ファスナーを閉じて就寝時に使用した。その結果、蒸れることなく汗を良く吸収し、襟部の肌触りが良く、臭気も無く、快適な睡眠が得られた。また、前記ふとんカバーの末端部以外は密封されていて、かつ、前記透湿性フィルムには通気性が無いため布団内部のダニが顔付近に出てくる心配が無く、また、綿はアレルギー反応を生じさせないので、敷き布団にも前記ふとんカバーを用いることによって喘息患者用寝具として好適に用いることができる。
本発明により、吸水性繊維からなる不織布を用いることによって、短時間における大量の水蒸気透過量や水分吸収量に優れ、且つ、不織布との貼り合わせ強度に優れ、且つ、溶剤臭が無く、更には肌触りに優れ、且つ、衛生面で優れた透湿性フィルムを得ることができ、ヒトの体に接する用途や身に纏う用途に適した透湿性フィルムを提供できる。本透湿性フィルムを利用することにより、防護服用生地など体に纏う用途や座席カバー、椅子カバー、テーブル掛け等の家具類カバー、および、ふとんカバー、シーツ、枕カバー等の寝具類カバーにおいて従来に無い、優れた商品を構成できる。また、吸水性基材フィルムと非吸水性繊維からなる不織布を貼り合わせることによって、水は通さないが水蒸気を通し、かつ、不織布面が水分を含み難いため乾燥した物体の保護に適した表面保護フィルムを得ることができる。
1 透湿性フィルム
2 不織布
3 接着剤
4 吸水性基材フィルム
5 繊維
10 ノンソルラミネーター
11 ピックアップロール
12 コーティングロール
13 ニップロール
14 圧着ロール

Claims (9)

  1. 不織布の一方の面に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を塗布し、当該接着剤塗布面に吸水性基材フィルムを貼り合わせることを特徴とする透湿性フィルム。
  2. 前記吸水性基材フィルムが、プレーンセロハンフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム、親水性酸素バリア層コートナイロンフィルム、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムのいずれかからなることを特徴とする、請求項1記載の透湿性フィルム。
  3. 前記不織布が、ナイロン、または、綿のいずれか、または、レーヨンとパルプの混合繊維の吸水性繊維からなることを特徴とする、請求項1から2記載の透湿性フィルム。
  4. 請求項1から3に記載フィルムを用いて、吸水性基材フィルムの一方の面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムの残りの一面に、さらに、一方の面に二液硬化型ウレタン樹脂系無溶剤型接着剤を塗布した不織布を貼り合わせることを特徴とする透湿性フィルム。
  5. 請求項1から3に記載フィルムを用いて、吸水性基材フィルムの一方の面に不織布を貼り合わせた透湿性フィルムの残りの一面に、さらに、吸水性基材フィルムにホットメルト樹脂を部分塗布するホットメルトラミネーション、または、直線状に多数平行に押し出した溶融熱可塑性樹脂による押し出しラミネーションのいずれかの手段によって不織布を貼り合わせることを特徴とする透湿性フィルム。
  6. 請求項1から5記載の透湿性フィルムからなる、座席カバー、椅子カバー、テーブル掛け等の家具類カバー、および、ふとんカバー、シーツ、枕カバー等の寝具類カバー。
  7. 前記不織布が、ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布、または、フラッシュ紡糸・サーマルボンド方式のポリエチレン不織布の非吸水性繊維からなることを特徴とする、請求項1から2記載の透湿性フィルム。
  8. 請求項1、2、7記載の透湿性フィルムからなる、表面保護フィルム。
  9. 不織布の一方の面に無溶剤型接着剤を塗布し、しかる後に当該接着剤塗布面に吸水性基材フィルムを貼り合わせることを特徴とする透湿性フィルムの製造方法。
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