JP2013006193A - 成形品離型方法、および成形品離型装置 - Google Patents

成形品離型方法、および成形品離型装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、容易にかつ確実に成形品を成形型から無理なく離型させることができ、離型に必要な適切な推力で押し出しピンを駆動して、消費電力量を低減させることが可能な成形品離型方法と、その装置を提供する。
【解決手段】成形品離型装置は、成形型1内で成形された成形品Mを成形型1から取り出すべく離型させるためのものであって、成形品Mと接触する部分2に衝撃を付与する衝撃付与手段5を備えている。成形型1内で成形された成形品Hと接触する部分2に衝撃を付与することにより、成形時に成形型1に貼り付いた状態の成形品Mを成形型1から引き離し、または、その貼り付き力を弱めることとなる。そのため、成形品Mを成形型1から容易にかつ確実に離型させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、成形品離型方法、および成形品離型装置に関し、特に、成形型内で成形された成形品を前記成形型から離型させる方法と、その装置に関するものである。
たとえば、ダイカスト成形装置においては一般に、互いに開閉される複数の金型からなる成形型を有している。そして、成形型内のキャビティで溶融材料が固化することにより成形された成形品は、成形型を開くときに金型のキャビティ面に貼り付いている。そこで、この金型には、貼り付いた成形品をキャビティ面から突き出すための押し出しピンを設け、型開き時にこの押し出しピンの基端部に設けられた突き出しプレートを油圧シリンダなどのアクチュエータにより押圧して、突出しピンの先端をキャビティ面から突き出して成形品をキャビティ面から引き離し(離型)、成形品を取り出すことが一般に行われている。さらに、成形品を金型から離型させたときに、この成形品を不用意に落下させることなく成形型から取り出すために、成形品を把持するチャック部を備えた成形品取出装置が設けられている。
このような成形品を成形型から離型させるための従来の技術としては、たとえば特許文献1が知られている。特許文献1には、金型と、前記金型のキャビティを減圧する減圧装置と、前記金型のキャビティに連通する連通孔に貫装される貫装部材と、前記貫装部材と前記金型との間の電気抵抗を測定する抵抗測定装置と、を具備するダイカスト装置が開示されている。そして、特許文献1におけるダイカスト装置は、前記貫装部材が、前記キャビティに向かって突出することによりダイカスト品を前記金型から剥離する押し出しピンであることが開示されている。
また、特許文献1には、金型のキャビティに連通する連通孔に貫装される貫装部材と前記金型との間の電気抵抗を測定する抵抗測定工程と、前記金型のキャビティを減圧する減圧工程と、を具備するダイカスト方法が開示されている。そして、特許文献1におけるダイカスト方法は、前記貫装部材が、前記キャビティに向かって突出することによりダイカスト品を前記金型から剥離する押し出しピンであることが開示されている。
そして、特許文献1には、「 押し出しプレート18は板状の部材であり、図示せぬアクチュエータ(例えば、油圧シリンダ)の伸長・収縮により金型2(可動型4)に対して接近する方向および離間する方向に移動可能である。」、「 金型2を開くと押し出しプレート18が可動型4に対して接近する方向に移動し、押し出しピン14・15・16・17はキャビティ5に向かって突出する。その結果、ダイカスト品が押し出しピン14・15・16・17により押され、可動型4から剥離される。」などと記載されている(0040)。
すなわち、従来の技術では、特許文献1に記載されているように、成形型を型開きし成形品を離型させて取り出すときに、油圧シリンダなどのアクチュエータによって押し出しプレートを移動させて、押し出しピンをキャビティ面から突出させていた。
特開2008−173680号公報
しかしながら、上記従来の技術にあっては、成形型に貼り付いた成形品の離型抵抗が大きいと、押し出しピンを突き出させるためのアクチュエータの駆動負荷が大きくなることから、想定し得る最大の駆動負荷に合わせて比較的大きな推力を有する大型のアクチュエータを設ける必要があるためにコストがかかるという問題や、アクチュエータの推力に必要となる電力などの動力の消費量が多くなるなどの問題があった。また、上記従来の技術にあっては、離型抵抗の大小や成形品の重量などに関係なく、アクチュエータを一定の推力で駆動させていたため、離型抵抗の大きい部分(つまり、成形品が強固にキャビティ面に貼り付いている部分)では、アクチュエータの大きな推力によって成形品に無理な力が加えられて歪みが発生するなどの問題もあった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、容易にかつ確実に成形品を成形型から無理なく離型させることができる成形品離型方法と成形品離型装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、容易にかつ確実に離型に必要な適切な推力で押し出しピンを駆動して、押し出しピンを駆動する駆動源の動力消費量を低減させることが可能な成形品離型方法と成形品離型装置を提供することを目的とする。
請求項1の成形品離型方法に係る発明は、上記目的を達成するため、成形型内で成形された成形品を前記成形型から離型させる方法であって、成形品と接触する部分に衝撃を付与することを特徴とするものである。
また、請求項4の成形品離型装置に係る発明は、上記目的を達成するため、成形型内で成形された成形品を前記成形型から離型させる装置であって、成形品と接触する部分に衝撃を付与する衝撃付与手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、成形型内で成形品が成形されてから型開きして成形品を取り出すまでの間に、たとえば成形型、押し出しピン、成形品取出装置のチャック部など、成形装置の成形品と接触する部分に衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きを無くしまたは軽減するため、少ない動力消費量で成形型内で成形された成形品を成形型から容易にかつ確実に離型させることが可能な成形品離型方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、衝撃付与手段によって成形品と接触する部分に衝撃を付与する。この衝撃を付与する成形装置の成形品と接触する部分としては、たとえば成形型、押し出しピン、成形品取出装置のチャック部などとすることができる。また、衝撃を付与するタイミングとしては、成形型内で成形品が成形されてから型開きして成形品を取り出すまでの間で任意に設定することができる。成形装置の成形品と接触する部分に衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きが無くなりまたは軽減されるため、少ない動力消費量で成形型内で成形された成形品を成形型から容易にかつ確実に離型させることが可能な成形品離型装置を提供することができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に相当し、(4)項が請求項3に相当し、(6)項が請求項4に相当し、(7)項が請求項5に相当し、(9)項が請求項6に相当する。
(1) 成形型内で成形された成形品を前記成形型から離型させる方法であって、
成形品と接触する部分に衝撃を付与することを特徴とする成形品離型方法。
(1)項の発明では、成形型内で固化した成形品を取り出すに際して、成形装置の成形品と接触する部分に衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きを無くしまたは軽減するため、少ない動力消費量で成形型内で成形された成形品を成形型から容易にかつ確実に離型させることができる。なお、衝撃を付与する回数は1回または複数回で任意に設定することができる。また、付与する衝撃の大きさは、成形品の成形型に対して想定される貼り付き具合によって任意に設定することができる。
(2) 成形型が成形品を突き出す押し出しピンを有しており、該押し出しピンが成形品と接触していない場合に、
前記押し出しピンを前記成形型のキャビティ面から突き出して前記成形品に当接させた以後に、前記押し出しピンに衝撃を付与することを特徴とする(1)項に記載の成形品離型方法。
(2)項の発明では、(1)項に記載の発明において、押し出しピンを成形型のキャビティ面から突き出して成形品に当接させた状態で、押し出しピンに衝撃を付与する。そのため、衝撃が押出しピンを介して成形品に伝達されて、成形品の成形型に対する貼り付きを確実に無くしまたは軽減することができる。なお、押し出しピンに対して衝撃を付与する方向は、その軸方向であって成形品に向かう方向に設定することができる。
(3) 前記押し出しピンの推力を調整可能とすることを特徴とする(2)項に記載の成形品離型方法。
(3)項の発明では、(2)項に記載の発明において、押し出しピンをアクチュエータにより成形型のキャビティ面から突き出させるときの推力を調整可能とすることにより、成形品を適切な力で確実に突き出すことができるとともに、アクチュエータの電力などの動力消費量を低減させることができる。
(4) 前記成形型が型開きしたときに前記成形品をチャック部で把持して成形型から取り出す成形品取出装置を備えている場合に、
前記成形品と接触する部分として、前記成形品を把持したチャック部に対して衝撃を付与することを特徴とする(1)項に記載の成形品離型方法。
(4)項の発明では、(1)項に記載の発明において、型開きしてから成形品取出装置のチャック部で成形品を把持する。そして、チャック部に対して衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きを確実に無くしまたは軽減することができ、したがって、成形品取出装置によって成形品を容易にかつ確実に成形型外に移動させることができる。
(5) 前記成形品と接触する部分として、前記成形型に対して衝撃を付与することを特徴とする(1)項に記載の成形品離型方法。
(5)項の発明では、(1)項に記載の発明において、前記成形型に対して衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きを確実に無くしまたは軽減することができる。なお、成形型に対して衝撃を付与するタイミングは、成形品が成形型内で固化している状態であれば型開きする前から、型開きして成形品を成形型外に移動させるまでの間で任意に設定することができる。
(6) 成形型内で成形された成形品を前記成形型から離型させる装置であって、
成形品と接触する部分に衝撃を付与する衝撃付与手段を備えていることを特徴とする成形品離型装置。
(6)項の発明では、衝撃付与手段によって成形品と接触する部分に衝撃を付与する。成形装置の成形品と接触する部分に衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きが無くなりまたは軽減されるため、少ない動力消費量で成形型内で成形された成形品を成形型から容易にかつ確実に離型させることができる。
(7) 成形型が成形品を突き出す押し出しピンを有している場合に、
前記衝撃付与手段は、前記押し出しピンに衝撃を付与するものであることを特徴とする(6)項に記載の成形品離型装置。
(7)項の発明では、(6)項に記載の発明において、衝撃付与手段が押し出しピンに衝撃を付与することにより、衝撃が押出しピンを介して成形品に伝達されて、成形品の成形型に対する貼り付きを確実に無くしまたは軽減することができる。なお、この衝撃を付与するとき、押し出しピンが成形型のキャビティ面から突き出て成形品に当接した状態であることが望ましい。衝撃付与手段が押し出しピンに衝撃を付与する方向は、押し出しピンの軸方向であって成形品に向かう方向に設定することができる。
(8) 前記押し出しピンの推力が調整可能であることを特徴とする(7)項に記載の成形品離型装置。
(8)項の発明では(7)項に記載の発明において、押し出しピンをアクチュエータにより成形型のキャビティ面から突き出させるときの推力が調整可能であることにより、成形品を適切な力で確実に突き出すことができるとともに、アクチュエータの電力などの動力消費量を低減させることができる。
(9) 前記成形型が型開きしたときに前記成形品をチャック部で把持して成形型から取り出す成形品取出装置を備えている場合に、
前記衝撃付与手段は、前記成形品を把持したチャック部に対して衝撃を付与するものであることを特徴とする(6)項に記載の成形品離型装置。
(9)項の発明では、(6)項に記載の発明において、成形品取出装置は、型開きしてからチャック部で成形品を把持する。そして、衝撃付与手段がチャック部に対して衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きを確実に無くしまたは軽減することができ、したがって、成形品取出装置によって成形品を容易にかつ確実に成形型外に移動させることができる。
(10) 前記衝撃付与手段は、前記成形型に対して衝撃を付与するものであることを特徴とする(6)項に記載の成形品離型方法。
(10)項の発明では、(6)項に記載の発明において、前記成形型に対して衝撃を付与することにより、成形品の成形型に対する貼り付きを確実に無くしまたは軽減することができる。なお、成形型に対して衝撃を付与するタイミングは、成形品が成形型内で固化している状態であれば型開きする前から、型開きして成形品を成形型外に移動させるまでの間で任意に設定することができる。
本発明の成形品離型装置を備えた成形型の実施の一形態を説明するために型閉じした状態で示した断面図である。 図1の状態から型開きした状態を説明するために示した断面図である。 図2の状態から押し出しピンを成形型のキャビティ面から突き出して成形品に当接させた状態で押し出しプレートを介して押し出しピンに衝撃を付与した状態を説明するために示した断面図である。 図3の状態から押し出しピンをさらに突き出して成形品を成形型から突き出した状態を説明するために示した断面図である。 本発明と従来の技術における押し出しピンの推力の大きさを比較するために示したグラフである。 本発明と従来の技術における押し出しピンを駆動するためのアクチュエータの消費電力を比較するために示したグラフである。 成形品取出装置の成形品を把持したチャック部に対して衝撃を付与する実施の形態を説明するために示した断面図である。 成形型に対して衝撃を付与する実施の形態を説明するために示した断面図である。
最初に、本発明の成形品離型装置の実施の一形態を、ダイカスト成形機など、鋳造用の成形型に適用する場合によって図1に基づいて説明する。
本発明の成形品離型装置は、概略、成形型1内で成形された成形品Mを成形型1から取り出すべく離型させるためのものであって、成形品Mと接触する部分として、この実施の形態の場合には押し出しピン2に衝撃を付与する衝撃付与手段5を備えている。
図1に示した実施の形態における成形型1は、一対で構成されており、相対向して配置されており、一方の成形型1が他方の成形型1に対して移動することにより、型閉じして内部に成形品Mの形状に応じたキャビティ10を形成し、また、型開きして成形品Mを取り出すことが可能となっている。
成形型1の少なくともいずれか一方1には、成形品Mを押し出すために、複数の押し出しピン2が摺動可能に配設されている。各押し出しピン2の先端面は、図1に示したように、成形時においてはその配設された成形型1のキャビティ面10aと協働してキャビティ10を構成する。各押し出しピン2の基端部は、共通の押し出しプレート3に接続されている。押し出しプレート3は、後述するアクチュエータによって押圧されて各押し出しピン2を前進させてキャビティ面10aから突出させ、また、バネなどによって各押し出しピン2を後退させてキャビティ10を構成するように、移動される。なお、キャビティ10には湯口が連設されており、プランジャ装置により射出された溶湯が湯口を介してキャビティ10内に充填される。
衝撃付与手段5は、成形品Mと接触している部分であって衝撃を付与する箇所と対向するように設けられたハンマ50と、衝撃を付与する箇所に打撃を加えるようハンマ50を移動させる駆動源(後述するが、図3、図7、および図8に示した矢印51を参照)とを備えている。駆動源51は、たとえば圧縮空気によって作動するエアシリンダなどを採用することができる。衝撃を付与する力は、ハンマ50の質量や駆動源51によってハンマ50を移動させる速度(駆動源51がエアシリンダである場合には、このエアシリンダに供給する圧縮空気の圧力など)などによって調整することができる。さらに、衝撃付与手段5は、図1〜図4に示したような単独で設ける場合に限定されることはなく、たとえば、押し出しプレート3の角隅部近傍を同時に、または順次衝撃を付与するよう構成することもできる。
押し出しピン2のアクチュエータは、この実施の形態の場合、インバータ制御により押し出しピンの少なくとも前進時の推力を制御することが可能な電動機が採用されている。
次に、本発明の成形品離型方法の実施の一形態を、上述したように構成された成形品離型装置がダイカスト成形機の成形型1に適用されている場合によって、その作動とともに、図1〜図6に基づいて説明する。
本発明の成形品離型方法は、概略、成形型1内で成形された成形品Mと接触する部分として、この実施の形態では押し出しピン2に衝撃を付与することにより、成形品Mを成形型1から取り出すべく離型させるものである。
図1は、一対からなる成形型1、1内のキャビティ10により所定形状の成形品Mを成形した状態を示したものであり、図2は成形型1を型開きした状態を示したものであり、図3はアクチュエータによって押し出しプレート3を押圧して押し出しピン2をキャビティ面10aから突き出させてその先端面が成形品Mに当接した状態を示したものであり、図4はさらにアクチュエータによって押し出しプレート3を押圧して押し出しピン2をキャビティ面10aから突き出させて成形品Mを成形型1から離型させた状態を示したものである。また、図5は、図1〜図4に示した本発明による実施の形態と、押し出しピン2のみによって成形品を離型させる従来の技術との、押し出しピン2の推力の大きさを比較するために示したグラフであり、図6は図1〜図4に示した本発明による実施の形態により複数回の成形を行った場合(たとえば10ショット)と、押し出しピン2のみによって成形品Mを離型させる従来の技術との、押し出しピン2を駆動するためのアクチュエータの消費電力を比較するために示したグラフである。
ダイカスト成形では一般に、押し出しピン2を後退させて、成形型1、1を型閉じし所定の力で型締した状態で、その内部に押し出しピン2の先端面と協働して形成されたキャビティ10に所定量の溶湯を所定の圧力で射出充填する。そして、溶湯がキャビティ10
内で冷却されて固化すると、所定形状の成形品Mが成形されることとなる。このとき、図1に示したように、成形品Mは、温度の低下に伴って収縮し、成形型1のキャビティ面10aから僅かに離れる場合がある。しかしながら、成形品Mは、その表面形状などによって成形型1のキャビティ面10aに貼り付いた状態となっている。
成形品Mを取り出すに際しては、最初に、図2に示したように成形型1を型開きし、続いてアクチュエータにより押し出しプレート3を押圧して押し出しピン2をキャビティ面10aから突き出す。これにより、図3に示したように、押し出しピン2の先端面が成形品Mの表面に当接されることとなる。押し出しプレート3を押圧するアクチュエータがインバータ制御可能な電動機によって構成されているため、押し出しピン2の先端面が成形品Mに当接したことは、アクチュエータの電力消費量など、負荷の変化を検知することにより容易にかつ確実に検知することができる。
この実施の形態においては、押し出しピン2の先端面が成形品Mに当接したことを検知してから、エアシリンダなどの駆動源によってハンマ50を所定の速度で移動させて、押し出しプレート3に衝撃を付与する。ハンマ50による衝撃は、押し出しプレート3を介して押し出しピン2の軸方向に伝達され、その結果、成形時に成形型1に貼り付いた状態の成形品Mを成形型1から引き離し、または、その貼り付き力を弱めることとなる。
ここで、図5を参照すると、従来の技術では、アクチュエータにより押し出しピン2を前進させるだけであるため、押し出しピン2の先端面が成形品Mに当接して(T1)、さらに前進させて離型させるときにはアクチュエータの推力を大幅に上昇させて、成形品Mを成形型1から離型させる(T2)。そして、離型してからさらに成形品Mを突き出して成形品Mが完全に成形型1から離れるまで(T3)、アクチュエータの推力をさらに上昇させる必要がある。そのため、従来の技術では、押し出しピンを前進駆動するためのアクチュエータが、比較的大型のものである必要があった。
これに対して、この実施の形態では、押し出しピン2の先端面が成形品Mに当接して(T1)から、衝撃付与手段5のハンマ50が押し出しプレート3を介して押し出しピン2に衝撃を付与して(T2.1)、成形品Mを成形型1から引き離し、または、その貼り付き力を弱めることができるため、成形型1内で成形された成形品Mを成形型1から容易にかつ確実に離型させることができる。さらに、衝撃を付与してから(T2.1)さらに成形品Mを突き出して、成形品Mが完全に成形型1から離れるまで(T3)、押し出しピン2を突き出させるように前進駆動するアクチュエータを適切な推力となるようにインバータ制御することが可能となるため、比較的大型のアクチュエータを採用する必要がなく、また、アクチュエータの消費電力量を低減させることができる。
その結果、図6に示したように、従来の技術により複数回の成形(たとえば10ショット)を行った場合(つまり、成形時間を積算した場合)の消費電力量と比較して、上述した実施の形態により複数回の成形を行った場合の消費電力量が少なくて済む。
次に、本発明の別の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。なお、以下においては、上述した実施の形態と同様または相当する部分について同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
図7は第2の実施の形態を示したものであり、図8は第3の実施の形態を示したものである。
図7に示した第2の実施の形態では、成形型1の近傍に成形品取出装置4が設けられており、この成形品取出装置4の成形品Mを把持するチャック部40に衝撃付与手段5が設けられている。成形品取出装置4は、たとえば多関節アームを有するロボットなどによって構成することができる。チャック部40は、ロボットのアームの先端に設けられ、開閉することにより成形品Mの把持と解放を行うことができるように構成されている。
衝撃付与手段5は、成形品Mを把持した状態のチャック部40に対してハンマ50が衝撃を付与するよう配設されている。なお、チャック部40に対してハンマ50が衝撃を付与する方向は、図7に示したように押し出しピン2の突出し方向と直交する方向に限定されることはなく、押し出しピン2の突出し方向と平行に衝撃を付与するよう衝撃付与手段5を配置することもできる。
この実施の形態においては、キャビティ10内に射出充填された溶湯が固化して成形品Mの成形が完了した後、型開きして成形品取出装置4のチャック部40により成形品Mを把持する。そして、押し出しピン2の先端面が成形品Mに当接するまでに、衝撃付与手段5のハンマ50により成形品Mを把持した状態のチャック部40に対して衝撃を付与する。これにより、成形品Mは成形型1から引き離されるか、または、その貼り付き力が弱められるため、成形型1内で成形された成形品Mを成形型1から容易にかつ確実に離型させることができる。また、衝撃を付与してから成形品Mを押し出しピン2が突き出すため、押し出しピン2を突き出させるように駆動するアクチュエータを適切な推力となるようにインバータ制御することができるため、比較的大型のアクチュエータを採用する必要がなく、また、アクチュエータの消費電力量を低減させることができる。
図8に示した第3の実施の形態では、成形型1に対してハンマ50が衝撃を付与し得るように、衝撃付与手段5が設けられている。なお、成形型1に対してハンマが衝撃を付与する方向は、図8に示したようにその成形型1と他方の成形型との相対的な型開き方向と直交する方向に限定されることはなく、型開き方向と平行に衝撃を付与するよう衝撃付与手段を配置することもできる。
この実施の形態においては、キャビティ10内に射出充填された溶湯が固化して成形品Mの成形が完了した後であれば、成形型1を型開きする前(図1を参照)から、型開きして押し出しピン2の先端面が成形品Mに当接するまでの間に、衝撃付与手段5のハンマ50により成形型1に対して衝撃を付与することができる。これにより、成形品Mは成形型1から引き離されるか、または、その貼り付き力が弱められるため、成形型1内で成形された成形品Mを成形型1から容易にかつ確実に離型させることができる。また、衝撃を付与してから成形品Mを押し出しピン2が突き出すため、押し出しピン2を突き出させるように駆動するアクチュエータを適切な推力となるようにインバータ制御することができるため、比較的大型のアクチュエータを採用する必要がなく、また、アクチュエータの消費電力量を低減させることができる。
なお、本発明は、衝撃付与手段によって各部分に付与する衝撃の回数を1回のみとすることなく、必要に応じて複数回に設定することができる。
本発明は、ダイカスト成形装置における成形型に対する離型に限定されることはなく、ダイカスト成形以外の鋳造品、または、射出成形による樹脂製成形品の離型にも適用することができる。
1:成形型、 2:押し出しピン、 3:押し出しプレート、 4:成形品取出装置
5:衝撃付与手段、 M:成形品、 10a:キャビティ面、 40:チャック部、 50:ハンマ、 51:駆動源

Claims (6)

  1. 成形型内で成形された成形品を前記成形型から離型させる方法であって、
    成形品と接触する部分に衝撃を付与することを特徴とする成形品離型方法。
  2. 成形型が成形品を突き出す押し出しピンを有しており、該押し出しピンが成形品と接触していない場合に、
    前記押し出しピンを前記成形型のキャビティ面から突き出して前記成形品に当接させた以後に、前記押し出しピンに対して衝撃を付与することを特徴とする請求項1に記載の成形品離型方法。
  3. 前記成形型が型開きしたときに前記成形品をチャック部で把持して成形型から取り出す成形品取出装置を備えている場合に、
    前記成形品と接触する部分として、前記成形品を把持したチャック部に対して衝撃を付与することを特徴とする請求項1に記載の成形品離型方法。
  4. 成形型内で成形された成形品を前記成形型から離型させる装置であって、
    成形品と接触する部分に衝撃を付与する衝撃付与手段を備えていることを特徴とする成形品離型装置。
  5. 成形型が成形品を突き出す押し出しピンを有している場合に、
    前記衝撃付与手段は、前記押し出しピンに衝撃を付与するものであることを特徴とする請求項4に記載の成形品離型装置。
  6. 前記成形型が型開きしたときに前記成形品をチャック部で把持して成形型から取り出す成形品取出装置を備えている場合に、
    前記衝撃付与手段は、前記成形品を把持したチャック部に対して衝撃を付与するものであることを特徴とする請求項4に記載の成形品離型装置。
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