JP2013005641A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転負荷の軽重にかかわらず多相交流電源の欠相を確実に検出でき、その検出に必要な製作費用を抑制できる電力変換装置の提供。
【解決手段】本発明は、3相交流電源1の交流を直流に整流する整流部2と、整流部2で整流された脈流を平滑化する平滑部3と、平滑部3で平滑化された直流を交流に変換するインバータ部3と、3相交流電源1のいずれかの相の欠損を検出する欠相検出部7とを備えている。欠相検出部7は、平滑部2の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出し、このリプル電圧を基準値と比較し、この比較結果を出力する。また、欠相検出部7は、インバータ部4に接続される負荷6に供給する電力を検出し、この検出電力に応じてリプル電圧を比較する際に使用する基準値を変更(補正)する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流を直流に変換する機能などを備えている電力変換装置に関する。
従来、この種の電力変換装置としては、例えば図7に示すようなものが知られている。
この電力変換装置は、図7に示すように、整流部2と、平滑部3と、インバータ部4と、欠相検出部5とを備え、インバータ部4に電動機などの負荷6を接続して使用する。
整流部2は、ダイオード21〜26からなり、3相交流電源1の交流を直流に整流する。平滑部3は、リアクター31と平滑コンデンサ32からなり、整流部2で整流された脈流電圧を平滑化する。インバータ部4は、トランジスタ41〜46と、これらに並列に接続されるダイオード41a〜46aとからなり、平滑部3で平滑化された直流電圧を交流に変換する。
欠相検出部5は、3相交流電源1のいずれかの相の欠損の有無を検出するものである。このため、欠相検出部5は、図7に示すように、平滑部3の出力電圧を分圧する分圧抵抗50a、50bを含んでいる。さらに、欠相検出部5は、図8に示すように、電圧検出回路51と、リプル電圧演算器52と、メモリ53と、比較器54とを備えている。
電圧検出回路51は、分圧抵抗50bの両端の電圧V1を検出し、この検出電圧V1をリプル電圧演算器52に出力する。リプル電圧演算器52は、検出電圧V1に基づいて平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧を演算し、この演算したリプル電圧を比較器54に出力する。
一方、メモリ53には、比較器54が比較の際に使用する基準電圧が予め設定されて記憶されるとともに、その設定基準電圧が比較器54に出力されている。そこで、比較器54は、入力されたリプル電圧を基準電圧と比較し、リプル電圧が基準電圧以上の場合には、欠相であると判断し、例えばインバータ部4の駆動を停止する。
しかし、図7に示す電力変換装置では、平滑部3に接続されるインバータ部4の容量およびインバータ部4に接続される負荷6に対する供給電力量が変化すると、この変化に伴って平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧の大きさも変化する。例えば、負荷6に対する供給電力量が低下すると、実際に欠相していても、リプル電圧が設定基準電圧よりも小さくなり、欠相の検出ができなくなるという問題がある。
この場合に、基準電圧を小さな値に設定しておけば、欠相の検出は可能となるが、負荷6の供給電力が増加した場合、あるいは3相交流電源1の電圧相間のアンバランスが大きくなると、実際に欠相していなくてもリプル電圧が基準電圧を越えてしまい、欠相と判断されてしまう場合がある。
このような誤検出を防止するために、特許文献1に記載の発明が提案されている。
この特許文献1の発明は、図7に示す従来装置と同様に、整流部と、平滑部と、インバータ部と、欠相検出部とを備え、インバータ部で3相電動機を駆動させる。
そして、欠相検出部は、3相電動機の始動開始時から所定時間内に、平滑部の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出し、この検出リプル電圧を設定基準電圧と比較し、検出リプル電圧が設定基準電圧以上の場合には欠相であると判断し、3相電動機の動作を停止させる。
しかし、特許文献1の発明では、3相電動機が定格負荷付近での運転中には欠相検出部が欠相を検出できるが、運転中の負荷が小さくなるにつれて欠相を検出できなくなる。また、所定時間を経過後に電源接続部の断線が発生した場合には、欠相を検出できないという問題がある。
さらに、3相交流電源における欠相を検出するために、各相ごとに電流検出器を設ける方式が知られているが、専用の回路や部品を追加する必要があり、欠相検出のための費用が嵩んでしまうという欠点がある。
特開2006−87186号公報
上記のように、図7の従来装置や特許文献1の発明では、運転負荷が軽負荷の場合には、3相交流電源のいずれかの相に欠損があっても、欠相検出部が欠相を検出できない。この場合には、整流部や平滑部などには劣化や異常がないので、欠相の検出ができなくても直ちに問題とならない場合がある。
しかし、例えば、図7の従来装置を新たに設置して稼働を開始した当初、運転負荷が軽負荷の場合には欠相を検出できず、運転途中に重負荷となって欠相が検出されたときに、装置全体の運転および周辺機器の動作を停止するなどして、修理を行わなくてはならない。この結果、欠相を速やかに検出できない上に、修理に必要以上の手間と費用がかかるという問題がある。
このような背景の下では、運転負荷が軽負荷の場合においても、速やかに電源の欠相を検出することにより、試運転時などの欠相を確実に検出でき、後の不具合を事前に改善することができる新たな装置が望まれる。さらに、その新たな装置は、欠相検出のための製作費用が嵩むのを抑制できることも望まれる。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、運転負荷の軽重にかかわらず多相交流電源の欠相を確実に検出でき、その検出に必要な製作費用の抑制が図れる電力変換装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成からなる。
本発明の電力変換装置は、多相交流電源の交流を直流に整流する整流部と、前記整流部で整流された脈流を平滑化する平滑部と、前記平滑部で平滑化された直流を交流に変換するインバータ部と、前記多相交流電源のいずれかの相の欠損を検出する欠相検出部と、を備え、前記欠相検出部は、前記平滑部の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出するリプル検出部と、前記リプル検出部が検出したリプル電圧を基準値と比較し、この比較結果を出力する比較部と、前記インバータ部に接続される負荷に供給する電力を検出する電力検出部と、前記電力検出部の検出電力に応じて前記基準値を変更する基準値変更部と、を備えている。
また、本発明では、前記電力検出部は、前記平滑部の出力電圧と前記インバータ部に流れる電流とをそれぞれ検出し、前記検出電圧と前記検出電流とに基づいて前記電力を演算するようにした。
さらに、本発明では、前記電力検出部は、前記平滑部の出力電圧を検出し、当該検出電圧と前記インバータ部の出力周波数とに基づいて前記電力を演算するようにした。
また、本発明では、前記電力検出部は、前記平滑部の出力電圧を検出するとともに、前記インバータ部の出力周波数に応じて前記インバータ部に流れる電流を推定し、前記検出電圧と前記推定電流とに基づいて前記電力を演算するようにした。
さらに、本発明の他の電力変換装置は、多相交流電源の交流を直流に整流する整流部と、前記整流部で整流された脈流を平滑化する平滑部と、前記平滑部で平滑化された直流を交流に変換するインバータ部と、前記多相交流電源のいずれかの相の欠損を検出する欠相検出部と、を備え、前記欠相検出部は、前記平滑部の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出するリプル検出部と、前記リプル検出部が検出したリプル電圧を基準値と比較し、この比較結果を出力する比較部と、前記インバータ部に流れる電流を検出し、当該検出電流に応じて前記基準値を変更する基準値変更部と、を備えている。
また、本発明では、前記基準値変更部は、前記インバータ部の出力周波数に応じて前記基準値を変更するようにした。
さらに、本発明では、前記欠相検出部は、前記インバータ部の動作の開始から終了までの期間にわたって前記多相交流電源の欠相の有無を検出するようにした。
このように、本発明では、欠相検出部が、平滑部の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出する一方、インバータ部に接続される負荷に供給する電力などを検出し、その検出電力などに応じて比較器が比較する際の基準値を変更するようにした。このため、本発明によれば、運転負荷の軽重にかかわらず多相交流電源の欠相を確実に検出できる。
また、本発明では、欠相検出部が上記の構成要素からなるので、外付け部品を減らして集積回路化やパケージ化が可能であり、欠相検出に必要な製作費用を抑制できる。
本発明の電力変換装置の第1実施形態の構成を示す図である。 図1に示す欠相検出部の構成を示すブロック図である。 欠相時のリプル電圧と負荷電力の関係を示す図である。 本発明の電力変換装置の第2実施形態における欠相検出部の構成を示すブロック図である。 本発明の電力変換装置の第3実施形態における欠相検出部の構成を示すブロック図である。 本発明の電力変換装置の第4実施形態における欠相検出部の構成を示すブロック図である。 従来装置の構成を示す図である。 図7に示す欠相検出部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の電力変換装置の第1実施形態の構成を示す図である。
この電力変換装置の第1実施形態は、図1に示すように、整流部2と、平滑部3と、インバータ部4と、欠相検出部7とを備え、インバータ部4に電動機などの各種の負荷6を接続して使用する。
整流部2は、多相交流電源である3相交流電源1の交流を直流に整流するものである。この整流部2は、ダイオード21〜26が三相ブリッジ整流回路を構成する。すなわち、ダイオード21、22が直列接続されて第1アームを構成し、ダイオード23、24が直列接続されて第2アームを構成し、ダイオード25、26が直列接続されて第3アームを構成する。そして、その3つのアームの共通接続点のそれぞれが、3相交流電源1の対応する3つの出力端子に接続されている。
平滑部3は、整流部2で整流された脈流電圧を平滑化するものである。この平滑部3は、リアクター31と平滑コンデンサ32からなる。リアクター31は、一端が整流部2の一方の出力端に接続され、他端が平滑用コンデンサ32の一端に接続されている。平滑用コンデンサ32の他端は、整流部2の他方の出力端に接続されている。
インバータ部4は、平滑部3で平滑化された直流電圧を交流に変換するものである。このインバータ部4は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)からなる6個のトランジスタ41〜46と、これらに並列に接続されるダイオード41a〜46aとを備えている。そして、トランジスタ41〜46は、2個ずつ直列に接続して3つのスイッチングアームを構成し、この3つのスイッチングアームが第1電源ラインL1と第2電源ラインL2との間に接続されている。
欠相検出部7は、3相交流電源1のいずれかの相が遮断または不良の有無、すなわちいずれかの相の欠損の有無を検出するものである。また、欠相検出部7は、インバータ部4が負荷6を駆動する場合に、その駆動の開始から終了までの全期間にわたって常に検出動作を行う。
このため、欠相検出部7は、図1に示すように、平滑部3の出力電圧(インバータ部4に供給される直流電圧)を検出するための分圧抵抗70a、70bと、インバータ部4に流れる電流を検出するための電流検出抵抗70cとを含んでいる。
分圧抵抗70a、70bは直列接続され、この直列回路が平滑コンデンサ32と並列に接続されている。すなわち、分圧抵抗70a、70bは平滑部3の出力端子間に直列に接続され、平滑部3の出力電圧を分圧するようになっている。
電流検出抵抗70cは、第2電源ラインL2の途中であって、平滑部3とインバータ部4とを接続する部分に介挿されている。なお、電流検出抵抗70cは、第1電源ラインL1の途中であって、平滑部3とインバータ部4とを接続する部分に介挿するようにしても良い。
(欠相検出部の構成)
次に、図1の欠相検出部7の具体的な構成について、図2を参照して説明する。
欠相検出部7は、図2に示すように、電圧検出回路71と、リプル電圧演算器72と、直流電圧演算器73と、電流検出回路74と、電流演算器75と、電力演算器76と、メモリ77と、基準電圧演算器78と、比較器79とを備えている。
ここで、電圧検出回路71やリプル電圧演算器72がリプル検出部に相当する。また、電圧検出回路71、直流電圧演算器73、電流検出回路74、電流演算器75、および電力演算器76などが電力検出部に相当する。さらに、比較器79が比較部に相当し、基準電圧演算器78が基準値変更部に相当する。
さらに具体的に説明すると、電圧検出回路71は、平滑部3の出力電圧を分圧抵抗70bで分圧した電圧V1を検出し、この検出電圧V1をリプル電圧演算器72と直流電圧演算器73にそれぞれ出力するものである。
リプル電圧演算器72は、電圧検出回路71の検出電圧V1に基づき、平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧を演算し、この演算したリプル電圧を比較器79に出力するものである。
直流電圧演算器73は、電圧検出回路71から出力される検出電圧V1に基づき、平滑部3から出力される直流電圧を演算し、この演算した直流電圧を電力演算器76に出力するものである。
電流検出回路74は、電流検出抵抗70cの両端に発生する電圧V2を検出し、この検出電圧V2を電流演算器55に出力するものである。
電流演算器75は、電流検出回路74から出力される検出電圧V2に基づき、電流検出抵抗70cに流れる電流、すなわち、インバータ部4に流れる電流を演算し、この演算した電流を電力演算器76に出力するものである。
電力演算器76は、直流電圧演算器73の演算する直流電圧と電流演算器75が演算する電流とに基づき、負荷6に供給される供給電力を演算し、この演算した電力を基準電圧演算器78に出力するものである。
メモリ77は、比較部79が比較の際に使用する基準電圧(基準値)を予め設定でき、この設定基準電圧を記憶するとともに、その設定基準電圧を基準電圧演算器78に出力するものである。
基準電圧演算器78は、メモリ77から出力される設定基準電圧を、電力演算器76が演算する電力に応じて変更(補正)する演算を行い、その変更した基準電圧(基準値)を比較器79に出力するものである。
比較器79は、リプル電圧演算器72から出力されるリプル電圧を基準電圧演算器78から出力される基準電圧(基準値)と比較し、この比較結果に応じた信号を出力するものである。
(第1実施形態の動作)
次に、第1実施形態の動作例について、図1および図2を参照して説明する。
この第1実施形態では、3相交流電源1の交流は、整流部2で直流に整流される。そして、整流部2で整流された脈流電圧は平滑部3で平滑化され、平滑部3からは直流電圧が出力される。この直流電圧は、インバータ部4で交流に変換され、この変換された交流が負荷6に供給される。
このようなインバータ部4による負荷6の駆動に伴い、欠相検出部7は、その駆動の開始から終了までの全期間にわたって常に以下のような検出動作を行う。
分圧抵抗70a、70bは、平滑部3の直流電圧を分圧させる。そして、分圧抵抗70bの両端の電圧V1は、電圧検出回路71で検出されて、リプル電圧演算器72と直流電圧演算器73にそれぞれ出力される。リプル電圧演算器72は、電圧検出回路71からの検出電圧V1に基づき、平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧を演算し、この演算されたリプル電圧は比較器79に出力される。
直流電圧演算器73は、電圧検出回路71から出力される検出電圧V1に基づき、平滑部3の出力電圧、すなわちインバータ部4に供給される直流電圧を演算し、この演算された直流電圧は電力演算器76に出力される。電流検出回路74は、電流検出抵抗70cの両端に発生する電圧V2を検出し、この検出電圧V2は電流演算器55に出力される。
電流演算器75は、電流検出回路74の検出電圧V2に基づき、電流検出抵抗70cに流れる電流、すなわち、インバータ部4に流れる電流を演算し、この演算された電流は電力演算器76に出力される。電力演算器76は、直流電圧演算器73で演算された直流電圧と電流演算器75で演算された電流とに基づき、負荷6に供給される供給電力を演算し、この演算された電力は基準電圧演算器78に出力される。
ここで、直流電圧演算器73で演算される直流電圧はインバータ部4から負荷6に供給される交流電圧に相当し、電流演算器75で演算される電流はインバータ部4から負荷6に供給される交流電流に相当する。このため、電力演算器76で演算される電力は、負荷6に供給される電力に相当する。
メモリ77には、比較部79が比較の際に使用する基準電圧が予め設定されており、この設定基準電圧はメモリ77に記憶されているとともに、その設定基準電圧が基準電圧演算器78に出力されている。このため、基準電圧演算器78は、メモリ77から出力される設定基準電圧を、電力演算部76で演算された電力の増減に応じて変更(補正)するための演算を行い、その変更された基準電圧が比較器79に出力される。
比較器79は、リプル電圧演算器72から出力されるリプル電圧を基準電圧演算器78から出力される基準電圧と比較し、比較結果に応じた信号を出力する。例えば、比較器79は、その比較の結果、リプル電圧が基準電圧以上の場合には、欠相であると判断し、インバータ部4の駆動を停止させるための信号を出力する。
次に、基準電圧演算器78が上記の演算処理を行う理由について、図3を参照して説明する。
平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧は、インバータ部4で駆動される負荷6に供給する電力の増減に伴って変化し、例えば図3に示すように、負荷6の電力とほぼ比例する関係にある。図3によれば、負荷の電力が1000〔W〕のときにはリプル電圧が17〔V〕であり、2000〔W〕のときには34〔V〕である。
このため、比較器79がリプル電圧の比較を行う際の基準電圧を、負荷6の電力量に応じて補正をしないと、比較器79はその比較動作を適切に行うことができない。
そこで、この実施形態では、メモリ77に予め設定する基準電圧は、負荷6を定格負荷(定格電力)で運転するときに応じた基準電圧とした。そして、基準電圧演算器78は、負荷6が定格負荷以外(定格電力以外)で運転する場合には、電力演算部76が演算する電力に応じて、そのメモリ77の設定基準電圧を比例近似により増減させる演算を行い、補正するようにした。
以上のように、この第1実施形態では、平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出し、この検出リプル電圧を基準電圧と比較器79で比較し、この比較結果を出力する一方、インバータ部4の負荷6に供給する電力量を求め、この求めた電力量の増減に応じて比較器79が比較の際に使用する基準電圧を変更して補正するようにした。
このため、第1実施形態によれば、負荷6に対する供給電力の大小のかかわらず、すなわち、運転負荷の軽重にかかわらず3相交流電源の欠相を確実に検出できる。
また、第1実施形態では、欠相検出部7の構成要素のうち、外付けとする要素は分圧抵抗70a、70bおよび電流検出抵抗70cだけで良く、図2に示す他の構成要素は集積回路化やパッケージ化が可能である。このため、第1実施形態によれば、欠相検出に必要な製作費用を抑制できる。
(第2実施形態)
本発明の電力変換装置の第2実施形態は、図1に示す第1実施形態と同様に、整流部2と、平滑部3と、インバータ部4とを備え、図1および図2に示す欠相検出部7を図4に示す欠相検出部7aに置き換えたものである。また、その置き換えに伴い、図1の電流検出抵抗70cを省略するようにした。
図4に示す欠相検出部7aは、図2に示す欠相検出部7と同様に、3相交流電源1のいずれかの相の欠損の有無を検出するものである。また、欠相検出部7aは、インバータ部4が負荷6を駆動する場合に、その駆動の開始から終了までの全期間にわたって常に検出動作を行う。
しかし、欠相検出部7aは、図2に示す欠相検出部7の電流検出回路74および電流演算器75を、周波数設定器81および電流推定器82に置き換えるようにした。
このように構成したのは、負荷6がファン(送風機)の場合には、一般的に負荷6の電力はインバータ部4の出力周波数のほぼ3乗に比例するため、その出力周波数が既知であれば、それを利用して負荷6の電力が推定できるからである。
そこで、欠相検出部7aでは、インバータ部4の出力周波数から負荷6の負荷電流を推定し、この推定した負荷電流を電力演算器76が負荷6の電力を演算するときに使用するようにした。
このため、欠相検出部7aでは、図2の電流検出回路74および電流演算器75を、図4に示すように、周波数設定器81および電流推定器82に置き換えるようにし、その置換以外の部分の構成要素は図2の欠相検出部7の構成要素と共通するようにした。
具体的には、周波数設定器81には、インバータ部4の出力周波数が設定され、この設定周波数を電流推定器82に出力するようにした。また、電流推定器82は、周波数設定器81で設定される周波数に基づいて負荷6の電流を推定し、この推定した電流を電力演算器76に出力するようにした。
さらに、電力演算器76は、直流電圧演算器73で演算された直流電圧と電流推定器82で推定された電流とに基づき、負荷6に供給される供給電力を演算し、この演算された電力を基準電圧演算器78に出力するようにした。
以上のように、第2実施形態では、インバータ部4の出力周波数を使用することにより負荷電流を推定し、この推定した負荷電流を用いて負荷6の電力を演算するようにしたので、第1実施形態における電流検出抵抗70cを省略できる(図1参照)。
また、第2実施形態は、負荷6がファンの場合に限るものではなく、ファン以外の負荷であっても、インバータ部4の出力周波数と負荷電流あるいは負荷電力との間に一定の相関がある場合に適用でき、この場合に第1実施形態と同様の効果が実現できる。
(第3実施形態)
本発明の電力変換装置の第3実施形態は、図1に示す第1実施形態と同様に、整流部2と、平滑部3と、インバータ部4とを備え、図1および図2に示す欠相検出部7を図5に示す欠相検出部7bに置き換えたものである。
図5に示す欠相検出部7bは、図2に示す欠相検出部7と同様に、3相交流電源1のいずれかの相の欠損の有無を検出するものである。また、欠相検出部7bは、インバータ部4が負荷6を駆動する場合に、その駆動の開始から終了までの全期間にわたって常に検出動作を行う。
上記のように、欠相検出部7は、リプル電圧を求める一方、負荷6における電圧と電流をそれぞれ検出し、この検出した電流と電圧によって負荷6の電力を求めるようにした。さらに、その求めた電力に応じて設定基準電圧を補正し、比較器79では、その求めたリプル電圧を補正した基準電圧と比較するようにした。
しかし、平滑部3から出力される直流電圧の変化が、負荷6の電力の演算において大きな影響を与えないことがわかっている場合には、負荷6の電流だけを検出し、この検出電流に応じて設定基準電圧を補正することができる。
そこで、欠相検出部7bは、負荷6の電力を演算することなく、負荷6の電流を検出し、この検出した電流の大きさに応じて設定基準電圧を補正し、比較器79では、その求めたリプル電圧を補正した基準電圧と比較するようにした。
このため、欠相検出部7bは、図5に示すように、電圧検出回路71と、リプル電圧演算器72と、電流検出回路74と、電流演算器75と、メモリ77と、基準電圧演算器83と、比較器79とを備えている。
ここで、電圧検出回路71やリプル電圧演算器72がリプル検出部に相当する。また、電流検出回路74、電流演算器75、および基準電圧演算器83が基準値変更部に相当する。さらに、比較器79が比較部に相当する。
さらに具体的に説明すると、電圧検出回路71は、平滑部3の出力電圧を分圧抵抗70bで分圧した電圧V1を検出し、この検出電圧V1をリプル電圧演算器72に出力するようにした。リプル電圧演算器72は、電圧検出回路71からの検出電圧V1に基づき、平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧を演算し、この演算したリプル電圧を比較器79に出力するようにした。
電流検出回路74は、電流検出抵抗70cの両端に発生する電圧V2を検出し、この検出電圧V2を電流演算器55に出力するようにした。電流演算器75は、電流検出回路74から出力される検出電圧V2に基づき、電流検出抵抗70cに流れる電流、すなわち、インバータ部4に流れる電流を演算し、この演算した電流を基準電圧演算器83に出力するようにした。
メモリ77は、比較部79が比較の際に使用する基準電圧を予め設定でき、この設定基準電圧を記憶するとともに、その設定基準電圧を基準電圧演算器83に出力するようにした。基準電圧演算器83は、メモリ77から出力される設定基準電圧を、電流演算器75から出力される負荷電流の大きさに応じて変更(補正)する演算を行い、その変更した基準電圧を比較器79に出力するようにした。
比較器79は、リプル電圧演算器72から出力されるリプル電圧を基準電圧演算器83から出力される基準電圧と比較し、比較結果に応じた信号を出力するようにした。例えば、比較器79は、その比較の結果、リプル電圧が基準電圧以上の場合には、欠相であると判断し、インバータ部4の駆動を停止させるための信号を出力する。
以上のように、第3実施形態では、平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出し、この検出リプル電圧を基準電圧と比較器79で比較し、この比較結果を出力する一方、インバータ部4の負荷6に流れる電流を検出し、この検出電流の増減に応じて比較器79が比較の際に使用する基準電圧を変更して補正するようにした。
このため、第3実施形態によれば、負荷に対する供給電力の大小のかかわらず、すなわち、運転負荷の軽重にかかわらず3相交流電源の欠相を確実に検出できる。
また、第3実施形態では、欠相検出部7bを構成する要素のうち、外付けとする要素は分圧抵抗70a、70bおよび電流検出抵抗70cだけで良く、図5に示す他の構成要素は集積回路化やパッケージ化が可能である。このため、第3実施形態によれば、欠相検出に必要な製作費用を抑制できる。
(第4実施形態)
本発明の電力変換装置の第4実施形態は、図1に示す第1実施形態と同様に、整流部2と、平滑部3と、インバータ部4とを備え、図5に示す欠相検出部7bを図6に示す欠相検出部7cに置き換えたものである。また、その置き換えに伴い、図1の電流検出抵抗70cを省略するようにした。
図6に示す欠相検出部7cは、図5に示す欠相検出部7bと同様に、3相交流電源1のいずれかの相の欠損の有無を検出するものである。また、欠相検出部7cは、インバータ部4が負荷6を駆動する場合に、その駆動の開始から終了までの全期間にわたって常に検出動作を行う。
この欠相検出部7cは、欠相検出部7bと同様に平滑部3から出力される直流電圧の変化が、負荷の電力の演算において大きな影響を与えないことがわかっている場合であって、欠相検出部7aのようにインバータ部4の負荷6が上記のファンのような動作条件を満たす場合に適用でき、インバータ部4の出力周波数に応じて設定基準電圧を補正するようにした。
このため、欠相検出部7cでは、図5の電流検出回路74および電流演算器75を、図6に示すように、周波数設定器81に置き換え、その置換以外の部分の構成要素は図5の欠相検出部7bの構成要素と共通するようにした。
具体的には、周波数設定器81には、インバータ部4の出力周波数が設定され、この設定周波数を基準電圧演算器83に出力するようにした。また、基準電圧演算器83は、メモリ77から出力される設定基準電圧を、周波数設定器81に設定されているインバータ部4の出力周波数に応じて変更(補正)するための演算を行い、その変更された基準電圧を比較器79を出力するようにした。
以上のように、第4実施形態では、平滑部3の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出し、この検出リプル電圧を基準電圧と比較器79で比較し、この比較結果を出力する一方、インバータ部4の出力周波数に応じて比較器79が比較の際に使用する基準電圧を変更して補正するようにした。
このため、第4実施形態によれば、負荷に対する供給電力の大小のかかわらず、すなわち、運転負荷の軽重にかかわらず3相交流電源の欠相を確実に検出できる。
また、第4実施形態では、欠相検出部7cの構成要素のうち、外付けとする要素は分圧抵抗70a、70bだけで良く、図6に示す他の構成要素は集積回路化やパッケージ化が可能である。このため、第4実施形態によれば、欠相検出に必要な製作費用を抑制することができる。
1…3相交流電源、2…整流部、3…平滑部、4…インバータ部、6…負荷、7、7a〜7b…欠相検出部、70a、70b…分圧抵抗、70c…電流検出抵抗、71…電圧検出回路、72…リプル電圧演算器、73…直流電圧演算器、74…電流検出回路、75…電流演算器、76…電力演算器、77…メモリ、78、83…基準電圧演算器、79…比較器、81…周波数設定器、82…電流推定器、

Claims (7)

  1. 多相交流電源の交流を直流に整流する整流部と、
    前記整流部で整流された脈流を平滑化する平滑部と、
    前記平滑部で平滑化された直流を交流に変換するインバータ部と、
    前記多相交流電源のいずれかの相の欠損を検出する欠相検出部と、を備え、
    前記欠相検出部は、
    前記平滑部の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出するリプル検出部と、
    前記リプル検出部が検出したリプル電圧を基準値と比較し、この比較結果を出力する比較部と、
    前記インバータ部に接続される負荷に供給する電力を検出する電力検出部と、
    前記電力検出部の検出電力に応じて前記基準値を変更する基準値変更部と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記電力検出部は、前記平滑部の出力電圧と前記インバータ部に流れる電流とをそれぞれ検出し、前記検出電圧と前記検出電流とに基づいて前記電力を演算することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記電力検出部は、前記平滑部の出力電圧を検出し、当該検出電圧と前記インバータ部の出力周波数とに基づいて前記電力を演算することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力検出部は、前記平滑部の出力電圧を検出するとともに、前記インバータ部の出力周波数に応じて前記インバータ部に流れる電流を推定し、前記検出電圧と前記推定電流とに基づいて前記電力を演算することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 多相交流電源の交流を直流に整流する整流部と、
    前記整流部で整流された脈流を平滑化する平滑部と、
    前記平滑部で平滑化された直流を交流に変換するインバータ部と、
    前記多相交流電源のいずれかの相の欠損を検出する欠相検出部と、を備え、
    前記欠相検出部は、
    前記平滑部の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出するリプル検出部と、
    前記リプル検出部が検出したリプル電圧を基準値と比較し、この比較結果を出力する比較部と、
    前記インバータ部に流れる電流を検出し、当該検出電流に応じて前記基準値を変更する基準値変更部と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  6. 多相交流電源の交流を直流に整流する整流部と、
    前記整流部で整流された脈流を平滑化する平滑部と、
    前記平滑部で平滑化された直流を交流に変換するインバータ部と、
    前記多相交流電源のいずれかの相の欠損を検出する欠相検出部と、を備え、
    前記欠相検出部は、
    前記平滑部の出力電圧に含まれるリプル電圧を検出するリプル検出部と、
    前記リプル検出部が検出したリプル電圧を基準値と比較し、この比較結果を出力する比較部と、
    前記インバータ部の出力周波数に応じて前記基準値を変更する基準値変更部と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  7. 前記欠相検出部は、前記インバータ部の動作の開始から終了までの期間にわたって前記多相交流電源の欠相の有無を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちのいずれか1項に記載の電力変換装置。
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