JP2013005244A - 天体自動追尾撮影方法及び天体自動追尾撮影装置 - Google Patents

天体自動追尾撮影方法及び天体自動追尾撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非力なCPUでも、撮像エリアがその可動域を超えない範囲内で、なるべく長い撮影時間をリアルタイムかつ高精度に設定する。
【解決手段】撮像面の撮像エリア上での天体像の移動情報に基づいて、撮像エリアの所定時間あたりの光軸直交方向の理論平行移動量及び光軸と平行な軸回りの理論回転角度量を算出し、撮像エリアの可動域における、撮像エリアの基準姿勢位置からの光軸直交方向の実平行移動可能量及び光軸と平行な軸回りの実回転可能角度量を対応付けて保持する移動可能量テーブルを取得し、算出した撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量と、取得した移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量とを比較して、撮像エリアを該撮像エリアの可動域の範囲内で移動させながら天体自動追尾撮影を完了させるための撮影時間を設定する天体自動追尾撮影方法。
【選択図】図17

Description

本発明は、天体の静止撮影を可能にした天体自動追尾撮影方法及び天体自動追尾撮影装置に関する。
撮影装置を固定して長時間露出で天体撮影を行うと、地球の自転により撮影装置に対して相対的に天体が移動(日周運動)するため、天体の移動軌跡が直線状あるいは曲線状に写ってしまう。
長時間露出で天体を静止状態(光点状)にして撮影を行うには、自動追尾装置を備えた赤道儀を用いて天体に対して撮影装置を動かしながら撮影するのが一般的である。しかし、自動追尾装置を備えた赤道儀は高価であり、重く、扱いも容易ではなく、極軸を天の北極に向ける調整が不可欠である。
近年、撮影装置の撮影光学系によって撮像素子の撮像面に形成された天体像が、撮影中、撮像面の撮像エリアに対して固定されるように、撮像面の撮像エリアを移動させながら撮影(露出)する天体自動追尾撮影が提案されている(特許文献1、2)。
特許文献1では、撮像素子を所定の可動域内でX方向とY方向に移動させることができるステージ全体を回転させる構成で撮像素子(撮像エリア)を移動させている。
特許文献2では、所定の可動域内で、撮影光学系の光軸直交方向に平行移動及び撮影光学系の光軸と平行な軸回りに回転移動させることができる構成で撮像素子(撮像エリア)を移動させている。
特開2008−289052号公報 特開2010−122672号公報
しかし、天体像が撮影中撮像面の撮像エリアに対して固定されるように撮像エリアをどのように移動させればよいか(撮像エリア上での天体像の移動情報、追尾情報)を実用的なスピードで演算し制御するには、高性能なCPUが必要である。
特に特許文献2のように、所定の可動域内でX方向、Y方向の平行移動と撮影光学系の光軸と平行な軸回りに回転移動とを合成した形で撮像エリアを移動させる場合には、撮像エリアの平行移動と回転移動それぞれの可動域を考慮して、撮像エリアがその可動域を超えない範囲内で撮影時間(露出時間)を設定する必要がある。なぜなら、撮像エリアがその可動域を超えると、もはや追尾撮影が不能になってしまうのであるから、撮影可能時間を越える範囲まで追尾情報を演算するのはCPUに無駄な演算をさせて、さらに負担を増大させることになるからである。ここで、特許文献2のような撮影装置の防振駆動ユニットを利用する態様では、撮像エリアの可動域は、防振駆動ユニットとカメラボディの機械的リミットによって規定される。
ところが、撮影開始から撮像エリアがその可動域を超えるまでにかかる時間は、撮影開始時の撮像エリアの位置、撮像エリア上での天体像の移動情報(移動方向、移動速度、回転角、回転速度)、撮影対象の天体、撮影装置の設定、撮影日時、撮影場所などの種々の要因で変動する。このため、これら種々の要因が時々刻々と移り変わる中で常に、撮像エリアがその可動域を超えない範囲内で撮影時間(露出時間)を設定するのは難しい。また、明るく鮮明な画像を得るためには、撮像エリアがその可動域を超えない範囲内で、なるべく長い撮影時間(露出時間)を設定することが望ましい。
本発明は、以上の問題意識及び知見に基づいて完成されたものであり、非力なCPUでも、撮像エリアがその可動域を超えない範囲内で、なるべく長い撮影時間(露出時間)をリアルタイムかつ高精度に設定できる天体自動追尾撮影方法及び天体自動追尾撮影装置を得ることを目的とする。
本発明の天体自動追尾撮影方法は、日周運動によって撮影装置に対して相対運動する天体を撮影するために、前記撮影装置の撮影光学系によって撮像素子の撮像面に形成された天体像が、撮影中、前記撮像面の撮像エリアに対して固定されるように、前記撮像面の撮像エリアを移動させながら天体自動追尾撮影する天体自動追尾撮影方法であって、前記撮像面の撮像エリア上での天体像の移動情報に基づいて、前記撮像エリアの所定時間あたりの光軸直交方向の理論平行移動量及び光軸と平行な軸回りの理論回転角度量を算出する移動データ算出ステップ;前記撮像エリアの可動域における、前記撮像エリアの基準姿勢位置からの光軸直交方向の実平行移動可能量及び光軸と平行な軸回りの実回転可能角度量を対応付けて保持する移動可能量テーブルを取得する移動可能量テーブル取得ステップ;及び算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量と、取得した前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量とを比較して、前記撮像エリアを該撮像エリアの可動域の範囲内で移動させながら前記天体自動追尾撮影を完了させるための撮影時間を設定する撮影時間設定ステップ;を有することを特徴としている。
「撮像エリア」は、撮影装置の防振駆動ユニットを利用する態様では、撮像素子の全撮像領域を意味している。「撮像エリア」は、電子トリミングを利用する態様では、撮像素子の全撮像領域の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域を意味している。「撮像エリアの基準姿勢位置」は、例えば、矩形の撮像エリアの長辺が水平方向を向いており、かつ、矩形の撮像エリアの中心が撮影光学系の光軸と一致している位置を意味している。
前記移動データ算出ステップでは、前記所定時間を段階的に増やしながら、各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量を算出し、前記撮影時間設定ステップでは、算出した各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを順次判定し、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階の所定時間よりも短い撮影時間を設定することができる。
より具体的に、前記撮影時間設定ステップでは、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階よりも1つ前の段階の所定時間を撮影時間として設定することができる。
本発明の天体自動追尾撮影方法は、算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量に応じて、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる撮像エリアシフトステップをさらに有することができる。
この撮像エリアシフトステップでは、算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量とは反対方向の平行移動量及び回転角度量で、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせることが好ましい。
本発明の天体自動追尾撮影装置は、日周運動によって撮影装置に対して相対運動する天体を撮影するために、前記撮影装置の撮影光学系によって撮像素子の撮像面に形成された天体像が、撮影中、前記撮像面の撮像エリアに対して固定されるように、前記撮像面の撮像エリアを移動させながら天体自動追尾撮影する天体自動追尾撮影装置であって、前記撮像面の撮像エリア上での天体像の移動情報に基づいて、前記撮像エリアの所定時間あたりの光軸直交方向の理論平行移動量及び光軸と平行な軸回りの理論回転角度量を算出する移動データ算出手段;前記撮像エリアの可動域における、前記撮像エリアの基準姿勢位置からの光軸直交方向の実平行移動可能量及び光軸と平行な軸回りの実回転可能角度量を対応付けて保持する移動可能量テーブル;及び前記移動データ算出手段が算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量と、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量とを比較して、前記撮像エリアを該撮像エリアの可動域の範囲内で移動させながら前記天体自動追尾撮影を完了させるための撮影時間を設定する撮影時間設定手段;を有することを特徴としている。
前記移動データ算出手段は、前記所定時間を段階的に増やしながら、各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量を算出し、前記撮影時間設定手段は、前記移動データ算出手段が算出した各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを順次判定し、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階の所定時間よりも短い撮影時間を設定することができる。
より具体的に、前記撮影時間設定手段は、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階よりも1つ前の段階の所定時間を撮影時間として設定することが好ましい。
本発明の天体自動追尾撮影装置は、前記移動データ算出手段が算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量に応じて、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる撮像エリアシフト手段をさらに有することができる。
この撮像エリアシフト手段は、前記移動データ算出手段が算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量とは反対方向の平行移動量及び回転角度量で、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせることが好ましい。
前記移動可能量テーブルは、前記撮像エリアの光軸直交平面内の可動域を仮想的にマトリクス状に区画して、このマトリクス状の区画ごとに実回転可能角度量を保持するのが実際的である。
本発明の天体自動追尾撮影装置は、前記撮像エリアを、前記撮像素子の全撮像領域として、前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記撮像素子を撮影光学系の光軸に対して直交する方向に平行移動及び該光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有することができる。
本発明の天体自動追尾撮影装置は、前記撮像エリアを、前記撮像素子の全撮像領域の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域として、前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記トリミング領域を光軸直交方向に平行移動及び該光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有することができる。
本発明の天体自動追尾撮影装置は、前記撮像エリアを、前記撮像素子の全撮像領域の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域として、前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記撮影光学系の一部を偏心させることで天体像を撮影装置に対して移動させると共に、前記トリミング領域を撮影光学系の光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有することができる。
ここで言う「撮影光学系の光軸」とは、偏心調整前の初期状態における撮影光学系の光軸を意味する。
本発明の天体自動追尾撮影装置は、前記撮像エリアを、前記撮像素子の全撮像領域の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域として、前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記撮像素子を光軸直交方向に平行移動させると共に、前記トリミング領域を撮影光学系の光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有することができる。
本発明によれば、非力なCPUでも、撮像エリアがその可動域を超えない範囲内で、なるべく長い撮影時間(露出時間)をリアルタイムかつ高精度に設定できる天体自動追尾撮影方法及び天体自動追尾撮影装置が得られる。
本発明による天体自動追尾撮影装置であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。 図2(A)は撮像素子の撮像面がその可動域の中心に位置している状態を示す図であり、図2(B)は撮像素子の撮像面がその可動域の範囲内で平行移動している状態を示す図であり、図2(C)は撮像素子の撮像面がその可動域の範囲内で回転移動している状態を示す図である。 移動可能量テーブルのテーブルデータを示す図である。 北極点で天体撮影する様子を、天球の半径をrとして示した図である。 図4を真下から見た様子を説明する図である。 天体の軌道(円軌道)を異なる方向(a1)乃至(a4)から見た様子を説明する図である。 円軌道の天体を異なる方向(a1)乃至(a4)から撮影した場合の天体の軌跡の画像を示した図である。 天体にカメラを向けて、地球の自転により天体画像が描く軌跡を説明する図である。 天体が見かけ上楕円(円)軌道を描いて移動する場合、天体を撮像センサ中心にとらえて天体の移動に対して追尾する様子を説明する図である。 楕円と接線の関係を説明する図である。 本発明による天体自動追尾撮影を説明する天球図である。 同天球図上の、北極点、目標の天体及び天頂を結ぶ球面三角形を示した図である。 デジタルカメラがその撮影光軸回りに水平から傾いている様子を示した図である。 算出した撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量と、移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量との比較の様子を示す図である。 撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる様子を示す第1の図である。 撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる様子を示す第2の図である。 本発明による天体自動追尾撮影において撮影時間(露出時間)を設定する方法を示すフローチャートである。 本発明による別実施形態を示す図1に対応するブロック図である。 シフト量テーブルのテーブルデータを示す図である。
以下、図1ないし図19を参照して、本発明の天体自動追尾撮影装置をデジタルカメラ(撮影装置)10に適用した実施形態を説明する。
図1に示すように、デジタルカメラ10は、カメラボディ11と撮影レンズ101(撮影光学系101L)を備えている。カメラボディ11内には、撮影光学系101Lの後方に撮像センサ(撮像素子)13が配設されている。撮影光学系101Lの光軸LOと撮像センサ13の撮像面(撮像領域)14とは直交している。撮像センサ13は、撮像センサ駆動ユニット(移動手段)15に搭載されている。撮像センサ駆動ユニット15は、固定ステージと、この固定ステージに対して可動な可動ステージと、固定ステージに対して可動ステージを移動させる電磁回路とを有しており、可動ステージに撮像センサ13が保持されている。撮像センサ13(可動ステージ)は、光軸LOと直交する所望の方向に所望の移動速度で平行移動制御され、さらに光軸LOと平行な軸(光軸LOと直交する面内の何処かに位置する瞬間中心)を中心として所望の回転速度で回転制御される。このような撮像センサ駆動ユニット15は、例えば特開2007−25616号公報に記載されているカメラの像ブレ補正装置の防振駆動ユニットとして公知である。
図2(A)に示すように、撮像センサ13の撮像面14は、矩形をなしており、この矩形の撮像面14が撮像エリアを構成している。
図2(B)に示すように、撮像センサ13(撮像面14)は、その可動域16の範囲内で、撮影光学系101Lの光軸LOと直交するXY平面内で、所望の移動速度で平行移動制御される。以下では、図2(B)中の右方向へのX方向移動量と下方向へのY方向移動量を正の符号で示し、左方向へのX方向移動量と上方向へのY方向移動量を負の符号で示す。
図2(C)に示すように、撮像センサ13(撮像面14)は、その可動域16の範囲内で、撮影光学系101Lの光軸LOと平行な軸(光軸LOと直交する面内の何処かに位置する瞬間中心)を中心として、所望の回転速度で回転制御される。以下では、図2(C)中の反時計回り方向への回転角度量を正の符号で示し、時計回り方向への回転角度量を負の符号で示す。
撮像センサ13(撮像面14)の可動域16は、撮像センサ駆動ユニット15とカメラボディ11の機械的リミットによって規定される。
撮影レンズ101は、撮影光学系101L内に、絞り103を備えている。この絞り103の絞り値(開閉度合い)は、カメラボディ11内に備えられた絞り駆動制御機構17によって制御される。撮影レンズ101は、撮影光学系101Lの焦点距離情報fを検出する焦点距離検出装置105を備えている。
カメラボディ11は、撮像センサ13で撮像した画像を表示するLCDモニタ23と、撮像センサ13で撮像した画像を保存するメモリーカード25を備えている。またカメラボディ11は、電源スイッチ27と、レリーズスイッチ28と、設定スイッチ30とを備えている。電源スイッチ27は、デジタルカメラ10の電源のオンオフを切り替えるためのスイッチである。レリーズスイッチ28は、焦点調節処理、測光処理及び撮影処理を実行するためのスイッチである。設定スイッチ30は、天体自動追尾撮影モードや通常撮影モードなどの撮影モードを選択して設定するスイッチである。カメラボディ11は、撮像センサ駆動ユニット15を防振駆動ユニットとして用いる際にデジタルカメラ10に加わるブレを検出するためのX方向ジャイロセンサGSX、Y方向ジャイロセンサGSY、及び回転検出ジャイロセンサGSRを備えている。
カメラボディ11は、GPSユニット31と、方位角センサ33と、重力センサ35とを備えている。GPSユニット31は、デジタルカメラ10の撮影地点の緯度情報εを検出する。方位角センサ33は、デジタルカメラ10の撮影地点の撮影方位角情報Aを検出する。重力センサ35は水準機能を有しており、デジタルカメラ10の撮影地点の撮影仰角情報hと、図13に示すカメラボディ11(撮像センサ13)の姿勢情報ξを検出する。姿勢情報ξは、カメラボディ11(撮像センサ13)の基準位置からの撮影光軸LO(撮像センサ13の撮像面14の中心C)を中心とする回転角情報ξである。カメラボディ11(撮像センサ13)の基準位置は、例えば、矩形の撮像センサ13の長辺方向を水平方向Xとした位置であり、回転後の長辺方向X’とのなす角ξがこの回転角情報である。
カメラボディ11は、移動可能量テーブル36を備えている。移動可能量テーブル36は、デジタルカメラ10の各個体毎に決まる固体固有のテーブルであるので、デジタルカメラ10の製造時に、本実施形態の天体自動追尾撮影機能をデフォルトで備えさせる場合には、工場での製造時に取得してカメラボディ11内にメモリ部として備えられる。移動可能量テーブル36は、デジタルカメラ10の製造後に本実施形態の天体自動追尾撮影機能を追加させる場合には、サービスセンターで追記しても良いし、ファームウェアのアップデートによりデジタルカメラ10自身に取得させてカメラボディ11内のメモリ部に保存することにより備えてもよい。
図3に示すように、移動可能量テーブル36は、撮像センサ13(撮像面14)の可動域16における、撮像センサ13(撮像面14)の基準姿勢位置からの光軸直交方向の実平行移動可能量と、光軸と平行な軸回りの実回転可能角度量とを対応付けて保持している。本実施形態では、撮像センサ13(撮像面14)の基準姿勢位置を、矩形の撮像面14の長辺が水平方向(X軸)を向いており、かつ、矩形の撮像面14の中心が撮影光学系101Lの光軸LOと一致している位置(図2(A))に設定している。
より具体的に、移動可能量テーブル36は、撮影光学系101Lの光軸LOと直交するXY平面内で、撮像センサ13(撮像面14)の可動域16を基準姿勢位置からX、Y方向にそれぞれ±2mmとしたときに、この可動域16を8×8のマトリクス状(X、Y方向に0.5mm刻み)に仮想的に区画して、このマトリクス状の区画ごとに実回転可能角度量を保持している。
この移動可能量テーブル36によれば、撮像センサ13(撮像面14)がその基準姿勢位置からX、Y方向ともに−0.5mm〜+0.5mm(図2中の中央の4つの区画)にあるときは、−2°〜+2°の実回転可能角度量がある。一方、撮像センサ13(撮像面14)がその基準姿勢位置からX方向に+1.5mm〜+2.0mmでY方向に−2.0mm〜−1.5mm(図2中の右上端部の区画)にあるときは、−0.5°〜+0.3°の実回転可能角度量しかない。
本実施形態では、矩形の撮像センサ13(撮像面14)を用いていることから、撮像センサ13(撮像面14)の回転移動を考慮しなければ、撮像センサ13(撮像面14)の基準姿勢位置からの可動範囲は、X、Y方向に±何mmといったように単純に規定することができる。しかし、撮像センサ13(撮像面14)の回転移動を考慮すると、以下の理由により、撮像センサ13(撮像面14)の可動範囲が複雑になって規定しにくくなる。撮像センサ13(撮像面14)の実回転可能角度量は、撮像センサ13(撮像面14)が可動域16の中央付近にあるときは大きく、可動域16の端部に寄るほど小さくなる。また、撮像センサ13(撮像面14)の実回転可能角度量は、撮像センサ駆動ユニット15とカメラボディ11の機械的リミットによって一律な変化をして小さくなるわけではない。さらに、撮像センサ13(撮像面14)が可動域16内の同一位置や対称位置にあっても、時計回り方向、半時計回り方向で実回転可能角度量が異なることもある。
そこで本実施形態では、移動可能量テーブル36に、撮像センサ13(撮像面14)の基準姿勢位置からのX、Y方向移動量に対応する実回転可能角度量を保持させることで、撮像センサ13(撮像面14)の可動範囲を簡単かつ高精度に知ることができる。
カメラボディ11には、デジタルカメラ10の全体の機能を制御するCPU(移動データ算出手段、撮影時間設定手段、撮像エリアシフト手段、移動手段)21が搭載されている。
CPU21は、焦点距離検出装置105から入力した焦点距離情報fと、GPSユニット31から入力した緯度情報εと、方位角センサ33から入力した撮影方位角情報Aと、重力センサ35から入力した撮影仰角情報h及び姿勢情報ξと、移動可能量テーブル36のテーブルデータ(図3)に基づいて、撮像センサ駆動ユニット15を介して、撮像センサ13を平行移動制御及び回転制御する。
CPU21は、撮像センサ13(撮像面14)上での天体像の移動情報に基づいて、撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの光軸直交方向の理論平行移動量Δx、Δyと、光軸と平行な軸回りの理論回転角度量αとを算出する。
以下、図4ないし図13を参照して、CPU21が撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δyと理論回転角度量αとを算出する原理について説明する。
「北極点(緯度90゜)から撮影する場合」
地球上の北極点(緯度90゜)から撮影する場合とは、地軸(自転軸)の延長上に位置する北極星(天の極)が天頂と一致している状態(図4)での撮影である。
天球を有限の球体と見立てて、実際には無限大となるはずの天球の半径を図4のように有限のrとおき、デジタルカメラ10の撮影光学系101Lの光軸LOと北極星からのずれ角度(天の極方向と撮影光学系光軸LOとの成す角)をθとする。このとき、デジタルカメラ10の撮影仰角hは、90−θ(h=90−θ)である。
天球を図5のように真下から見た場合、すべての天体は北極星(天の極)を中心に円軌道を描く。その円軌道の半径をRと置く。円軌道の半径Rはデジタルカメラ10の撮影仰角hに依存するので、θで表すことができる。円軌道の半径Rは、
R = r × sinθ ・・・(1)
で与えられる。
円軌道の1周360°を24時間( = 1440分 = 86400秒)で一回りするとして、t秒でφ゜回転する場合、
φ = 0.004167 × t [deg] ・・・(2)
が成立する。
図6のように天体の描く軌道が円軌道であっても、円軌道を真下から見た構図(a1)の場合と、斜めから見た構図(a2)、(a3)、真横から見た構図(a4)の場合はそれぞれ図7の(a1)乃至(a4)に示したような画像となり、軌跡が異なるという結果が得られる。つまり、天体はあたかも円軌道を描いて動いているように見えるが、実際にカメラで撮影する場合には、カメラの撮影仰角hが結像状態に影響する。
これらの軌跡は、円を斜めから見ると楕円に見えることから、Xrを楕円の長軸側の半径、Yrを短軸側の半径として、
Xr = R = r × sinθ ・・・(3)
Yr = R × cosθ= r × sinθ × cosθ ・・・(4)
として求めることができる。
そこで、図5、図6、図8に示したように、天体にデジタルカメラ10を向けて、天体(地球)がφ゜回転したときの軌跡をX方向(天球の緯線方向)、Y方向(天球の経線方向)に分割して説明する。X方向の移動量xは、
x = R × sinφ ・・・(5)
となる。Y方向の移動量yは円軌道を見ている方向により異なる。
図8中において、矢印(D点からE点)で示した天体の軌跡は、(a1)のように天体の軌跡を真下から見た場合(θ= 0°)に完全な円軌道を描く。実際にはθ= 0では、円の半径Rも0となり点にしか見えないが、ここでは簡単のためRを有限の値で仮定する。このとき、Y方向の移動量yは最大になる。
そして、円軌道を構図(a2)、(a3)のように斜めに見ていくと移動量yは小さくなっていくので、構図(a4)のように円軌道を真横から見ると移動量yは最小(=0)となる。Y方向の移動量yの最大量Ymaxは円軌道の場合の図8から、
Ymax = R - R × cosφ ・・・(6)
となる。
よって移動量yは、
y = Ymax × cosθ = (R - R × cosφ) × cosθ ・・・(7)
となる。
(5)、(7)式中のRに(1)式を代入すると、移動量x、移動量yは、
x = r × sinθ × sinφ ・・・(8)
y = r × sinθ × cosθ(1 - cosφ) ・・・(9)
となる。
実際のデジタルカメラ10を用いて天球に対する計算をするには、天球のX方向、Y方向を撮像面14上に射影した方向に関し、撮像面14上での移動量ΔxとΔyを求める。無限大となる天球半径rは撮影レンズ101の焦点距離fで表して、
Δx = f × sinθ × sinφ ・・・(10)
Δy = f × sinθ × cosθ(1 - cosφ) ・・・(11)
により、移動量ΔxとΔyを演算する。
つまり、撮像センサ13の光軸直交面内での移動量は、デジタルカメラ10に装着された撮影レンズ101の焦点距離fによって変化する。
次に、撮影時に撮像センサ中心を中心として撮像センサ13をどれだけ回転すればよいかを求める。前述のように、デジタルカメラ10から天体を見た場合、天体の軌道は円もしくは楕円軌道として見える。図9のように点Fの天体が楕円(円)軌道を描いて移動する場合、点Fを撮像センサ中心(撮像面14の中心C)にとらえて、F→F'という移動に対し追尾するならば、撮像センサ中心CをΔx、Δy移動させればよい。しかし、点Fの周囲に例えばJという天体があった場合、点Jは、J→J'へと移動する。この点Jに対しても追尾を行うためには、撮像センサ中心Cを中心として撮像センサ13を回転させればよい。その回転角度は、点F'における楕円の接線Lの傾き角(点Fにおける楕円の接線と点F'における楕円の接線との成す角)αである。以下、カメラボディ11(撮像センサ13)の基準位置において、撮像センサ13の長辺方向をX軸、X軸と直交する短辺方向をY軸とする。
図10のようなX-Y座標系と楕円において、楕円上の点Kにおける楕円の接線Lの方程式は、
x0 × x/a2 + y0 × y/b2 = 1
となる。
図10において、点a、点bは、式(3)と(4)で示した楕円の長軸側の半径Xr、短軸側の半径Yrに相当する。
この接線Lの式をYについての方程式(Y=)の形に変形すると、
Y = -(b2 × x0)/(a2 × y0) × x - 1/(a2 × y0)
となる。
この楕円の接線LとX軸の成す角度が、画像中心を回転中心とする画像の回転角αである。
楕円の接線Lの傾きに直交する直線Qの傾きは、
-(b2 × x0)/(a2 × y0)
となるため、求める回転角αは、
α = arctan( -(b2 × x0)/(a2 × y0)) ・・・(12)
となる。
「緯度が90°以外の場合」
以上は、撮影地点の緯度が90°(つまり北極星(天の極)が真上にある場合)の説明である。次に、撮影地点の緯度が90°以外の場合について、さらに図11及び図12を参照して説明する。
北半球における天体撮影の様子を表す図11において、各符号を以下の通り定義する。
P:天の極
Z:天頂
N:真北
S:対象天体(撮影目標点)(説明の便宜上、この対象天体(恒星)は撮影画面14の中心であり、撮影レンズ101の光軸LOの延長線上に位置するものとする。但し、撮影するにあたり光軸をどれかの天体に一致させる必要が無いことは言うまでも無い)
ε:撮影地点の緯度
A:撮影方位角(撮影レンズ101が狙う天体Sの方位、又は撮影レンズ101の光軸LOと天球との交点の方位角)
h:撮影仰角(撮影レンズ10が狙う天体Sの高度、又は撮影レンズ101の光軸LOと天球との交点の高度)
H:対象天体Sの時角(通常、時角の単位は時間が使われるが、ここでは角度(1時間=15度)に換算して扱うこととする。)
δ:対象天体Sの赤緯
γ:天球面上において、天の極Pと対象天体Sとを最短で結ぶ曲線と、天頂Zと対象天体(恒星)Sとを最短で結ぶ曲線とがなす角。
図11において、北極星Pと目標点Sの間の角度である∠POSが求められれば、図4における角度θを∠POSに置き換えることで天体の軌跡を求めることができる。
∠POSは、球の半径を1とした場合の図12の曲線PSの長さに等しい。よって、∠POSは球面三角の余弦定理を用いて、
cos(∠POS) = cos(90 - ε) × cos(90 - h) + sin(90 - ε) × sin(90 - h)×cos(A)
= sin(ε) × sin(h) + cos(ε) × cos(h) × cos(A)
となるので、
∠POS = arccos[sin(ε) × sin(h) + cos(ε) × cos(h) × cos(A)]・・・(13)
となる。
ここで、式(8)乃至(11)のθを∠POSで置き換えると、任意の緯度εにおける天体のX方向移動量x、Y方向移動量yを求めることができる。
また、カメラ姿勢によって、移動方向の補正を行う必要がある。カメラを水平に構えたまま、撮影仰角hの方向に持ち上げて目標点Sへ向けた場合、水平と目標点Sの赤道がなす角はγとなる。なお、前述のように、カメラ姿勢は、デジタルカメラ10の撮影レンズ光軸LO回りの回転角のことであり、撮像面14の長手方向が水平の場合のカメラ姿勢を水平とする。
球面三角の正接定理より、
tan(γ) = sin(90 - ε) × sin(A)/(cos(90 - ε) × sin(90 - h) - sin(90 - ε) × cos(90 - h) × cos(A))
= cos(ε) × sin(A)/(sin(ε) × cos(h) - cos(ε) × sin(h) × cos(A))
となり、
γ = arctan[cos(ε) × sin(A)/(sin(ε) × cos(h) - cos(ε) × sin(h) × cos(A))]・・・(14)
となる。
よって、上記で求めたこのγを用いて、天体の移動量x、yを撮像面上の座標(カメラ(撮像素子)の縦横座標)における横方向移動量Δx、縦方向移動量Δyに変換するには、下記式(I)、(II)を使用する。
Δx = x × cos(γ) + y × sin(γ)・・・(I)
Δy = x × sin(γ) + y × cos(γ)・・・(II)
また、図13に示したように、デジタルカメラ10のカメラ姿勢(撮像センサ13)が撮影レンズ光軸LO回りに水平からξ傾いている(回転している)場合は、式(III)、(IV)によって撮像センサ13の横方向、縦方向移動量Δx、Δyを補正することができる。
Δx = x × cos(γ + ξ) + y × sin(γ + ξ)・・・(III)
Δy= x × sin(γ + ξ) + y × cos(γ + ξ)・・・(IV)
以上の撮像センサ13の横方向移動量Δx、縦方向移動量Δy、回転角αは、次のように算出される。
天球の北極点Pの方向は、日時にかかわらず変化しないと見なすことができるので、撮影地点の緯度から演算によって算出できる。さらに天頂Zの方向も、緯度から算出できる。従って、先ず、目標とする天体が撮像面14に投影されるように、デジタルカメラ10の構図を決めて固定する。このデジタルカメラ10の構図において、CPU21に、GPSユニット31から緯度情報εを入力し、方位角センサ33から撮影方位角情報Aを入力し、重力センサ35から撮影仰角情報h及び姿勢情報(回転角情報)ξを入力する。CPU21は、これらの入力情報から、図11、図12に示したように、天頂の点Z、天の極の点P、撮影画面中心の天体の点Sの位置を求める。
以上の3点Z、P、Sが求まれば、CPU21は、焦点距離検出装置105から入力した撮影レンズ101の焦点距離情報f及び姿勢情報(回転角情報)ξから、撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δyと理論回転角度量αとを算出する。
CPU21は、算出した撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αと、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量とを比較することで、撮像センサ13(撮像面14)をその可動域16の範囲内で移動させながら天体自動追尾撮影を完了させるための撮影時間を設定する。
より具体的にCPU21は、理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αを算出するための所定時間を段階的に増やしながら(Δt、2Δt、・・・)、各段階での理論平行移動量((Δx、Δy)、2(Δx、Δy)、・・・)及び理論回転角度量(α、2α、・・・)を算出する。CPU21は、算出した各段階での理論平行移動量及び理論回転角度量が、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを順次判定する。そしてCPU21は、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、その特定の段階の所定時間よりも短い撮影時間を設定する。例えばCPU21は、その特定の段階よりも1つ前の段階の所定時間を最大撮影時間として、その最大撮影時間以下の撮影時間を設定する。
図14の例では、可動域16(破線)に対して、撮像センサ13(撮像面14)の基準姿勢位置(図14(A))を初期位置(一点鎖線)とし、初期位置からの所定時間Δtにおける理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αは移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量の範囲内であるが(図14(B))、初期位置から所定時間2Δtにおける理論平行移動量2Δx、2Δy及び理論回転角度量2αは移動可能量テーブル36が保持する実回転可能角度量を超えている(図14(C))。従ってCPU21は、所定時間2Δtよりも1つ前の段階の所定時間Δtを最大撮影時間(最大露出時間)Tmaxとして、その最大撮影時間Tmax以下の撮影時間(露出時間)を設定する。
CPU21は、算出した撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αに応じて、撮像センサ13(撮像面14)の初期位置をシフトさせる。
例えばCPU21は、図15に示すように、算出した撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αとは反対方向の平行移動量−Δx、−Δy及び回転角度量−αで、撮像センサ13(撮像面14)の初期位置をシフトさせる(一点鎖線)。これにより、初期位置シフトをしなかった場合の最大撮影時間(撮影時間)Δtに比べて2倍の最大撮影時間(撮影時間)2Δtを得ることができる。
あるいはCPU21は、図16に示すように、撮像センサ13(撮像面14)の初期位置を、回転移動させることなく平行移動量−Δx方向、−Δy方向に可動域限界までシフトさせて初期位置(一点鎖線)としてもよい。これにより、初期位置シフトをしなかった場合の最大撮影時間(撮影時間)Δtよりも長い最大撮影時間(撮影時間)を得ることができる。
続いて、このデジタルカメラ10による天体自動追尾撮影において撮影時間(露出時間)を設定する方法について、図17のフローチャートを参照して説明する。
まずCPU21には、焦点距離検出装置105から撮影レンズ101の焦点距離情報fが入力され、GPSユニット31から緯度情報εが入力され、方位角センサ33から撮影方位角情報Aが入力され、重力センサ35から撮影仰角情報h及び姿勢情報ξが入力される(S1)。
次いでCPU21は、撮像センサ13(撮像面14)の理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αを算出するための所定時間TをΔt(例えば10秒)に設定する(S2)。
次いでCPU21は、入力した焦点距離情報f、緯度情報ε、撮影方位角情報A、撮影仰角情報h、及び姿勢情報ξと、設定した所定時間T(=Δt)とに基づいて、撮像センサ13(撮像面14)の所定時間T(=Δt)あたりの理論平行移動量Δx、Δyと理論回転角度量αとを算出する(S3)。
ここでCPU21は、例えば図15、図16に示すように、算出した所定時間T(=Δt)あたりの理論平行移動量Δx、Δyと理論回転角度量αに応じて、撮像センサ13(撮像面14)の移動開始前の初期位置をシフトさせてもよい。勿論、この初期位置のシフトを省略して、撮像センサ13(撮像面14)をその基準姿勢位置から移動させてもよい。
次いでCPU21は、移動可能量テーブル36を参照して、算出した所定時間T(=Δt)あたりの理論平行移動量Δx、Δyと理論回転角度量αが、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを判定する(S4、S5、S6)。
CPU21は、算出した所定時間T(=Δt)あたりの理論平行移動量Δx、Δyと理論回転角度量αがいずれも、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えていないと判定したときは(S4:YES、S5:YES、S6:YES)、所定時間TをT+Δt(例えば20秒)に設定する(S7)。
次いでCPU21は、設定した所定時間T(=2Δt)に基づいて、撮像センサ13(撮像面14)の所定時間T(=2Δt)あたりの理論平行移動量2(Δx、Δy)と理論回転角度量2αとを算出しなおす(S3)。
次いでCPU21は、移動可能量テーブル36を参照して、算出した所定時間T(=2Δt)あたりの理論平行移動量2(Δx、Δy)と理論回転角度量2αが、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを判定する(S4、S5、S6)。
以上のようにしてCPU21は、理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αを算出するための所定時間Tを段階的に増やしながら(T=Δt、2Δt、・・・)、各段階での理論平行移動量((Δx、Δy)、2(Δx、Δy)、・・・)及び理論回転角度量(α、2α、・・・)を算出する。CPU21は、算出した各段階での理論平行移動量((Δx、Δy)、2(Δx、Δy)、・・・)及び理論回転角度量(α、2α、・・・)が、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを順次判定していく(S3〜S7)。
この判定を続けていくとCPU21は、特定の段階の所定時間Tあたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定する(S4:NO、S5:NO、またはS6:NO)。
するとCPU21は、その特定の段階よりも1つ前の段階の所定時間T−Δtを最大撮影時間(最大露出時間)Tmaxとして設定する(S8)。CPU21は、設定した最大撮影時間TmaxをリアルタイムでLCDモニタ23に表示させる。最後にCPU21は、ユーザーの手入力または自動で、最大撮影時間Tmax以下の撮影時間(露出時間)を設定する(S9)。
CPU21は、設定した撮影時間(露出時間)が経過するまで、算出した所定時間T(=Δt)あたりの理論平行移動量Δx、Δyと理論回転角度量αに基づく移動軌跡に合わせて撮像センサ13(撮像面14)を平行移動制御及び回転移動制御しながら露出を行う。これにより、デジタルカメラ10の撮影光学系101Lによって撮像センサ13の撮像面14に形成された天体像が、撮影中、撮像センサ13の撮像面14に対して固定され、デジタルカメラ10を固定した状態で撮影するだけで各天体を見かけ上静止した状態で撮影することができる。
CPU21は、設定した露出時間が経過したら露出を終了する。CPU21は、撮像センサ13から撮影画像データを読み出して、ホワイトバランス調整や所定フォーマットへの変更等の画像処理を施す。最後にCPU21は、画像処理後の撮影画像データをLCDモニタ23に表示するとともに、所定フォーマットの画像ファイルとしてメモリーカード25に保存する。
以上のように、本実施形態の天体自動追尾撮影方法及び天体自動追尾撮影装置によれば、撮像センサ13(撮像面14)上での天体像の移動情報に基づいて、撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの光軸直交方向の理論平行移動量Δx、Δy及び光軸と平行な軸回りの理論回転角度量Δαを算出し、撮像センサ13(撮像面14)の可動域16における、撮像センサ13(撮像面14)の基準姿勢位置からの光軸直交方向の実平行移動可能量及び光軸と平行な軸回りの実回転可能角度量を対応付けて保持する移動可能量テーブル36を取得し、算出した撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量Δαと、取得した移動可能量テーブル36が保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量とを比較して、撮像センサ13(撮像面14)をその可動域16の範囲内で移動させながら天体自動追尾撮影を完了させるための撮影時間を設定する。これにより、撮像センサ13(撮像面14)がその可動域16を超えない範囲内で、なるべく長い撮影時間(露出時間)をリアルタイムかつ高精度に設定することができる。また、予め撮影可能な最大時間が解るため、天体像の移動情報(移動軌跡)のための計算についても撮影可能時間を超過した無駄な計算を行わなくて済み、CPU21が非力であっても、実用上十分な時間で演算処理をすることができる。
以上の実施形態では、CPU21による撮像センサ駆動ユニット15の駆動制御により、撮像センサ13(撮像面14)を物理的に平行移動及び回転させており、撮像面13の全撮像領域を「撮像エリア」としている。しかし、撮像センサ13の撮像面14の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域とし、このトリミング領域を「撮像エリア」とする態様も可能である。この態様にあっては、図1においてCPU21が、撮像センサ13にトリミング指示信号を送ることにより、撮像センサ13のトリミング領域を撮影光学系101Lの光軸LOに対して直交する方向に平行移動及びこの光軸LOと平行な軸回りに回転移動させながら撮影することができる。またこの態様では、撮像エリアであるトリミング領域の可動域は、撮像センサ13の撮像面14のサイズによって決まる。
以上の実施形態では、撮像センサ13を光軸と直交する方向及び光軸と平行な軸回りに回転させる撮像センサ駆動ユニット15を備えたが、この撮像センサ駆動ユニット15に代えて、撮影レンズ101内に撮像センサ13上の被写体位置を移動させる像ブレ補正レンズ(防振レンズ)108を搭載した像ブレ補正装置と、撮像センサを回転させる撮像センサ回転機構とを組み合わせて用いる態様も可能である。また、撮像センサを物理的に回転させる撮像センサ回転機構を、トリミング領域を回転移動させる形態に代えることも可能である。図18はその実施形態を示しており、CPU21が撮影レンズ101のレンズCPU106に防振駆動指示信号を送ることにより、レンズCPU106が防振駆動ユニット107を介して像ブレ補正レンズ108を光軸直交方向に駆動制御する。一方、CPU21が、撮像センサ13に回転指示信号を送ることにより、撮像センサ13を光軸LOと平行な軸回りに回転移動させる。あるいは、CPU21が、撮像センサ13にトリミング指示信号を送ることにより、撮像センサ13のトリミング領域を撮影光学系101の光軸LOと平行な軸回りに回転移動させる。ここで言う「撮影光学系101の光軸LO」とは、偏心調整前の初期状態における撮影光学系101の光軸LOを意味する。
以上の実施形態では、焦点距離検出装置105から入力した焦点距離情報fと、GPSユニット31から入力した緯度情報εと、方位角センサ33から入力した撮影方位角情報Aと、重力センサ35から入力した撮影仰角情報h及び姿勢情報ξとから、撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量Δαを算出している。しかし、撮像センサ13(撮像面14)の所定時間あたりの理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量Δαを算出する方法はこれに限定されず、種々の方法を用いることができる。
なお、カメラボディ11の製造時、撮像センサ13(撮像面14)の位置調整などによって撮像センサ13(撮像面14)の基準姿勢位置にズレΔx0、Δy0、α0が生じる場合がある。この場合は、理論平行移動量Δx、Δy及び理論回転角度量αに基準姿勢位置のズレ量を加味する(Δx+Δx0、Δy+Δy0、α+α0)ことで、正確な撮影時間(露出時間)の算出及び設定が可能になる。つまり、撮像センサ13(撮像面14)の初期位置は、必ずしも本実施形態のように、撮影光軸と撮像センサ中心が一致したような基準姿勢位置である必要は無く、Δx0、Δy0、α0に任意の値を入れて基準姿勢位置とすることも可能である。
この場合、図19に示すようなシフト量テーブルをカメラボディ11に保持させて、このシフト量テーブルに基づいてCPU21が撮像センサ13(撮像面14)の初期位置シフトをする態様も可能である。このシフト量テーブルは、図3の移動可能量テーブルのX、Y方向移動量と回転角度量の符号を反転させたものである。CPU21は、シフト量テーブルを用いて最大撮影時間(撮影時間)を算出し、この最大撮影時間(撮影時間)のときの理論平行移動量Δx1、Δy1及び理論回転角度量α1を求める。そしてCPU21は、上述のΔx0、Δy0、α0をそれぞれΔx0=−Δx1、Δy0=−Δy1、α0=−α1に置き換えて初期位置シフトさせることで、約2倍の最大撮影時間(撮影時間)を得ることができる。
10 デジタルカメラ(撮影装置)
11 カメラボディ
13 撮像センサ(撮像素子)
14 撮像面(撮像領域)
15 撮像センサ駆動ユニット(移動手段)
16 可動域
17 絞り駆動制御機構
21 CPU(移動データ算出手段、撮影時間設定手段、撮像エリアシフト手段、移動手段)
23 LCDモニタ
25 メモリーカード
27 電源スイッチ
28 レリーズスイッチ
30 設定スイッチ
31 GPSユニット
33 方位角センサ
35 重力センサ
36 移動可能量テーブル
101 撮影レンズ
101L 撮影光学系
103 絞り
105 焦点距離検出装置
106 レンズCPU
107 防振駆動ユニット
108 像ブレ補正レンズ
GSX X方向ジャイロセンサ
GSY Y方向ジャイロセンサ
GSR 回転検出ジャイロセンサ

Claims (16)

  1. 日周運動によって撮影装置に対して相対運動する天体を撮影するために、前記撮影装置の撮影光学系によって撮像素子の撮像面に形成された天体像が、撮影中、前記撮像面の撮像エリアに対して固定されるように、前記撮像面の撮像エリアを移動させながら天体自動追尾撮影する天体自動追尾撮影方法であって、
    前記撮像面の撮像エリア上での天体像の移動情報に基づいて、前記撮像エリアの所定時間あたりの光軸直交方向の理論平行移動量及び光軸と平行な軸回りの理論回転角度量を算出する移動データ算出ステップ;
    前記撮像エリアの可動域における、前記撮像エリアの基準姿勢位置からの光軸直交方向の実平行移動可能量及び光軸と平行な軸回りの実回転可能角度量を対応付けて保持する移動可能量テーブルを取得する移動可能量テーブル取得ステップ;及び
    算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量と、取得した前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量とを比較して、前記撮像エリアを該撮像エリアの可動域の範囲内で移動させながら前記天体自動追尾撮影を完了させるための撮影時間を設定する撮影時間設定ステップ;
    を有することを特徴とする天体自動追尾撮影方法。
  2. 請求項1記載の天体自動追尾撮影方法において、
    前記移動データ算出ステップでは、前記所定時間を段階的に増やしながら、各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量を算出し、
    前記撮影時間設定ステップでは、算出した各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを順次判定し、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階の所定時間よりも短い撮影時間を設定する天体自動追尾撮影方法。
  3. 請求項2記載の天体自動追尾撮影方法において、
    前記撮影時間設定ステップでは、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階よりも1つ前の段階の所定時間を撮影時間として設定する天体自動追尾撮影方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影方法において、
    算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量に応じて、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる撮像エリアシフトステップをさらに有する天体自動追尾撮影方法。
  5. 請求項4記載の天体自動追尾撮影方法において、
    前記撮像エリアシフトステップでは、算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量とは反対方向の平行移動量及び回転角度量で、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる天体自動追尾撮影方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影方法において、
    前記移動可能量テーブルは、前記撮像エリアの光軸直交平面内の可動域を仮想的にマトリクス状に区画して、このマトリクス状の区画ごとに実回転可能角度量を保持している天体自動追尾撮影方法。
  7. 日周運動によって撮影装置に対して相対運動する天体を撮影するために、前記撮影装置の撮影光学系によって撮像素子の撮像面に形成された天体像が、撮影中、前記撮像面の撮像エリアに対して固定されるように、前記撮像面の撮像エリアを移動させながら天体自動追尾撮影する天体自動追尾撮影装置であって、
    前記撮像面の撮像エリア上での天体像の移動情報に基づいて、前記撮像エリアの所定時間あたりの光軸直交方向の理論平行移動量及び光軸と平行な軸回りの理論回転角度量を算出する移動データ算出手段;
    前記撮像エリアの可動域における、前記撮像エリアの基準姿勢位置からの光軸直交方向の実平行移動可能量及び光軸と平行な軸回りの実回転可能角度量を対応付けて保持する移動可能量テーブル;及び
    前記移動データ算出手段が算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量と、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量とを比較して、前記撮像エリアを該撮像エリアの可動域の範囲内で移動させながら前記天体自動追尾撮影を完了させるための撮影時間を設定する撮影時間設定手段;
    を有することを特徴とする天体自動追尾撮影装置。
  8. 請求項7記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記移動データ算出手段は、前記所定時間を段階的に増やしながら、各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量を算出し、
    前記撮影時間設定手段は、前記移動データ算出手段が算出した各段階の所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量及び実回転可能角度量を超えているか否かを順次判定し、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階の所定時間よりも短い撮影時間を設定する天体自動追尾撮影装置。
  9. 請求項8記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記撮影時間設定手段は、特定の段階の所定時間あたりの理論平行移動量又は理論回転角度量が、前記移動可能量テーブルが保持する実平行移動可能量又は実回転可能角度量を超えていると判定したときに、前記特定の段階よりも1つ前の段階の所定時間を撮影時間として設定する天体自動追尾撮影装置。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記移動データ算出手段が算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量に応じて、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる撮像エリアシフト手段をさらに有する天体自動追尾撮影装置。
  11. 請求項10記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記撮像エリアシフト手段は、前記移動データ算出手段が算出した前記撮像エリアの所定時間あたりの理論平行移動量及び理論回転角度量とは反対方向の平行移動量及び回転角度量で、前記撮像エリアの移動開始前の初期位置をシフトさせる天体自動追尾撮影装置。
  12. 請求項7ないし11のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記移動可能量テーブルは、前記撮像エリアの光軸直交平面内の可動域を仮想的にマトリクス状に区画して、このマトリクス状の区画ごとに実回転可能角度量を保持している天体自動追尾撮影装置。
  13. 請求項7ないし12のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記撮像エリアは、前記撮像素子の全撮像領域であり、
    前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記撮像素子を撮影光学系の光軸に対して直交する方向に平行移動及び該光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有する天体自動追尾撮影装置。
  14. 請求項7ないし12のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記撮像エリアは、前記撮像素子の全撮像領域の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域であり、
    前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記トリミング領域を光軸直交方向に平行移動及び該光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有する天体自動追尾撮影装置。
  15. 請求項7ないし12のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記撮像エリアは、前記撮像素子の全撮像領域の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域であり、
    前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記撮影光学系の一部を偏心させることで天体像を撮影装置に対して移動させると共に、前記トリミング領域を撮影光学系の光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有する天体自動追尾撮影装置。
  16. 請求項7ないし12のいずれか1項記載の天体自動追尾撮影装置において、
    前記撮像エリアは、前記撮像素子の全撮像領域の一部を電子的にトリミングしたトリミング領域であり、
    前記移動データ算出手段が算出した理論平行移動量及び理論回転角度量に基づいて、前記撮像素子を光軸直交方向に平行移動させると共に、前記トリミング領域を撮影光学系の光軸と平行な軸回りに回転移動させる移動手段を有する天体自動追尾撮影装置。
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