JP2003259184A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JP2003259184A
JP2003259184A JP2002060930A JP2002060930A JP2003259184A JP 2003259184 A JP2003259184 A JP 2003259184A JP 2002060930 A JP2002060930 A JP 2002060930A JP 2002060930 A JP2002060930 A JP 2002060930A JP 2003259184 A JP2003259184 A JP 2003259184A
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image pickup
imaging
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divided exposure
divided
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JP2002060930A
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Hideaki Yoshida
英明 吉田
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天体などのように一定の動きを持つ被写体を像
ぶれなく撮影するという追尾型撮影に最適な分割露光撮
像を実現する。 【解決手段】システムコントローラ112には、天体追
尾撮像に必要なパラメータを自動的に算出するためのパ
ラメータ算出部112bと、分割露光撮像を制御するた
めの分割露光制御部112cとが設けられている。パラ
メータ算出部112bは、所定時間間隔で複数回の試行
撮像を実行し、その試行撮像の結果に基づいて分割露光
撮像の分割数Ndと、分割露光撮像による各回の分割露
光で得られた画像間の位置ずれを補正するための移動補
正パラメータなどを算出する。分割露光制御部112c
による分割露光撮像は、パラメータ算出部112bによ
って算出された分割数Ndに基づいて行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCCD等の固体撮像
素子を用いた撮像装置に関し、特に天体撮影のための長
時間露光撮影を実行可能な撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CCD等の固体撮像素子を用いた
ディジタルスチルカメラにおいては、その撮像によって
得られた画像信号の画質向上を目的とした様々な特殊駆
動が考えられている。
【0003】例えば、本出願人は、先に、長時間シャッ
タ時等に生じる手ぶれ画像の記録を防ぐために、全露光
時間を複数の部分露光時間に分割して複数回の撮像(露
光および信号読出し)を行なった後に信号加算によって
1枚の画像を生成する分割露光撮像を使用し、各回の部
分露光撮像にて得られた複数の画像間で位置ずれの補正
を行ってから信号加算を行なう技術を提案している。
(特願平11−201350号明細書) この分割露光撮像の技術により手ぶれ画像の記録を招く
ことなく、長時間露光撮像を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
分割露光撮像においては、手ぶれ画像の記録を防ぐとい
う観点から各回の分割露光時間そのものを長く設定する
ことはできない。このため、CCDの板面照度が低下す
るほど、すなわち適正露出を得るために必要な全露光時
間が長くなるほど、必要な分割数は大きくなり、この分
割数の増加に伴って各回の分割露光画像の信号レベルは
低下されることになる。この分割露光画像の信号レベル
の低下は、後段のA/D変換における量子化ノイズの増
大を招き、結果として画質の低下が引き起こされること
になる。
【0005】このように、像ぶれを防止するという観点
からは分割数を大きく設定して各部分露光時間を短くす
ることが望ましいが、画質という観点からは分割数は少
なく設定することが望ましい。
【0006】よって、分割露光撮像時には、適正露出を
得るために必要な全露光時間をどの程度の分割数に分割
して露光を行うかが実際上極めて重要となる。これは、
特に天体撮影を目的に長時間露光を行うような場合に顕
著となる。すなわち、天体撮影を目的に長時間露光を行
う場合には、カメラ自体を三脚に固定して撮影すること
により手ぶれは生じないものの、天体自体の日周運動に
より、カメラの画枠内における天体の位置は長時間露光
の期間中に移動することになる。この場合、画枠内の天
体の移動速度は撮影画角、つまり撮影に使用する望遠鏡
の倍率等によっても大きく異なることとなるから、惑星
等の動きを追跡しながらその惑星の像自体をぶれなく撮
影するという天体追尾撮影を行う場合には、像ぶれ画像
の記録を招かない範囲で、且つ量子化ノイズの増大を招
かないように、適正な分割数を決めることが必要となる
のである。
【0007】また、従来の分割露光撮像においては、各
回の部分露光撮像にて得られた複数の画像間の位置ずれ
補正は、それら部分露光画像間の相関を解析してずれ量
を算出することによって行われている。しかし、加算前
の個々の部分露光画像は基本的に露光不足の画像である
ので、分割数が大きくなると部分露光画像間の相関を正
しく解析することが困難となる場合もあり、また分割数
に比例して相関演算のための演算量が増大するという問
題も招くことになる。
【0008】本発明は上述の事情を考慮してなされたも
のであり、その目的とするところは、例えば天の赤道付
近(極軸付近以外の)の星などのように一定の動きを持
つ被写体を像ぶれなく撮影するという天体追尾撮影に適
した撮像制御を行うことが可能な撮像装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明は、固体撮像素子と、この固体撮像素子を制
御して全露光時間を複数Ndの露光に分割して露光する
分割露光撮像を実行する分割露光制御手段と、前記固体
撮像素子によって得られた撮像信号に対してデジタル演
算を施す信号処理手段とを有する撮像装置であって、前
記撮像装置の撮像モードを天体追尾撮像モードに設定す
るモード設定手段と、前記モード設定手段により前記撮
像モードが前記天体追尾撮像モードに設定された場合、
前記分割露光撮像による被写体の本撮像を開始する前
に、前記固体撮像素子を制御して前記本撮像の予定露光
時間よりも短い露光時間による所定時間間隔の複数回の
試行撮像を実行し、当該複数回の試行撮像の結果に基づ
いて前記被写体の移動に伴う像ぶれを防止可能な、前記
分割露光撮像における露光時間の分割数Ndを算出する
パラメータ算出手段と、前記算出された分割数Ndによ
る分割露光撮像を前記分割露光制御手段を用いて行うこ
とにより、前記被写体の本撮像を実行する制御手段とを
具備することを特徴とする。
【0010】この撮像装置によれば、天体などのように
一定の動きを持つ被写体を長時間露光によって撮像する
時にその被写体像を像ぶれなく記録するための撮像モー
ドとして天体追尾撮像モードが用意されている。この天
体追尾撮像モードを用いて被写体の撮影を行う場合に
は、その本撮像の開始前に、その本撮像の予定露光時間
よりも短い露光時間による所定時間間隔の複数回の試行
撮像が実行される。これら所定時間間隔の複数回の試行
撮像により、撮影に使用している望遠鏡の倍率等も考慮
した状態で、固体撮像素子の画枠に対する天体等の被写
体の動きを予め把握することが出来るので、被写体とな
る天体等の移動に伴う像ぶれを防止可能な、分割露光撮
像における露光時間の分割数Ndを適切に算出すること
が出来る。そして、その算出された分割数Ndによる分
割露光撮像が実行され、これにより適正露出を得るため
の全露光時間を分割数Ndの部分露光時間に分割した分
割露光撮像による本撮像が行われる。よって、画枠に対
する天体の移動速度等に合わせて分割数Ndを最適化し
た、天体追尾撮影を実現することができる。
【0011】また、複数回の試行撮像の結果に基づい
て、分割数Ndのみならず、分割露光撮像による各回の
分割露光で得られた画像間の位置ずれを補正するための
移動補正パラメータをも一緒に算出することで、後段の
信号処理では画像間の位置ずれ量を算出する必要が無く
なるため、位置ずれ補正を容易に行うことが可能とな
る。
【0012】また、天体の日周運動は固体撮像装置の画
枠を基準としてみると、一定速度の平行移動と見なせる
ので、前記パラメータ算出手段は、前記複数回の試行撮
像により得られた複数の画像間の相関により前記被写体
の移動方向と移動速度を求め、これに基づいて前記分割
数Ndおよび前記移動補正パラメータを算出するように
構成すればよい。
【0013】また、本発明は、固体撮像素子と、この固
体撮像素子を制御して全露光時間を複数Ndの露光に分
割して露光する分割露光撮像を実行する分割露光制御手
段と、前記固体撮像素子によって得られた撮像信号に対
してデジタル演算を施す信号処理手段とを有する撮像装
置であって、前記撮像装置の撮像モードを天体追尾撮像
モードに設定するモード設定手段と、撮像指令を出力す
る撮像指令手段と、前記モード設定手段により前記撮像
モードが前記天体追尾撮像モードに設定された状態で前
記撮像指令が出力された場合には、被写体となる天体の
本撮像を開始する前に、前記固体撮像素子を制御して前
記本撮像の予定露光時間よりも短い露光時間による所定
時間間隔の複数回の試行撮像を実行し、当該複数回の試
行撮像より得られた複数の画像間の相関に基づいて被写
体となる天体の移動方向および移動速度を求め、これに
基づいて被写体となる天体の移動に伴う像ぶれを防止可
能な前記分割露光撮像における露光時間の分割数Nd
と、当該分割露光撮像による各回の分割露光で得られた
分割露光画像間の位置ずれを補正するための移動補正パ
ラメータとを算出するパラメータ算出手段と、前記算出
された分割数Ndによる分割露光撮像を前記分割露光制
御手段を用いて行うことにより、前記被写体となる天体
の本撮像を実行する制御手段とを具備することを特徴と
する。
【0014】この撮像装置においては、撮像モードを天
体追尾撮像モードに設定した状態で、レリーズ操作など
の撮像指令操作を行うと、自動的に複数回の試行撮像が
行われて被写体となる天体の移動方向および移動速度が
求められ、これに基づいて分割数Ndと移動補正パラメ
ータが算出される。そして、算出した分割数Ndによる
分割露光撮像が自動実行される。これにより、天体追尾
撮像モードにおいては、撮像装置を被写体に向けてセッ
トしてレリーズ操作を行うだけで、天体追尾撮像に必要
な全てのパラメータが自動的に取得されて、分割露光撮
像による天体追尾撮像が実行されるので、被写体となる
天体を像ぶれなく撮影するという天体追尾撮影に最適な
撮像制御を実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1には、本発明の一実施形態に係
わる撮像装置の構成が示されている。ここでは、ディジ
タルスチルカメラとして実現した場合を例示して説明す
ることにする。図中101は撮像レンズ系、102はレ
ンズ系101を駆動するためのレンズ駆動機構、103
はレンズ系101の絞りを制御するための露出制御機
構、104はメカニカルシャッタ、105は被写体像を
光電変換するためのCCDカラー撮像素子、106は撮
像素子105を駆動するためのCCDドライバ、107
はアナログゲインコントロールアンプ(GCA)107
a,A/D変換器107b等を含むプリプロセス回路、
108は色信号生成処理,マトリックス変換処理,その
他各種のデジタル演算処理を行なうディジタルプロセス
回路、109はカードインターフェース、110はメモ
リカード、111はLCD画像表示系を示している。デ
ィジタルプロセス回路108には、デジタル演算処理の
ためのバッファメモリ108aおよび信号処理部108
bが設けられている。
【0016】また、図中の112は各部を統括的に制御
するためのシステムコントローラ(CPU)、113は
各種SWからなる操作スイッチ系、114は操作状態及
びモード状態等を表示するための操作表示系、115は
レンズ駆動機構102を制御するためのレンズドライ
バ、116は発光手段としてのストロボ、117は露出
制御機構103及びストロボ116を制御するための露
出制御ドライバ、118は各種設定情報等を記憶するた
めの不揮発性メモリ(EEPROM)を示している。
【0017】本実施形態のカメラにおいては、システム
コントローラ112が全ての制御を統括的に行ってお
り、露出制御機構103およびメカシャッタ104とC
CDドライバ106によるCCD撮像素子105の駆動
を制御して露光(電荷蓄積)及び信号の読み出しを行な
い、それをプリプロセス回路107を介してA/D変換
してディジタルプロセス回路108に取込んで、ディジ
タルプロセス回路108内で各種信号処理を施した後に
カードインターフェース109を介してメモリカード1
10に記録するようになっている。
【0018】CCDカラー撮像素子105としては、例
えば縦型オーバーフロードレイン構造でインターライン
型のものなどが用いられる。CCD撮像素子105の駆
動制御は、CCDドライバ106から出力される各種駆
動信号(全電荷排出パルスCDP、画素部から垂直転送
路への電荷移送のための電荷読み出しパルスTGP、お
よび垂直駆動パルス、水平駆動パルス等)を用いて行わ
れる。全電荷排出パルスCDPは、各画素(光電変換
部)の最大電荷蓄積レベル(オーバーフローレベルOF
L)を決定するための基板バイアス電圧(VSUB)に
重畳して出力されるパルス(VSUBパルス)であり、
この全電荷排出パルスCDPの出力により各画素の電荷
を基板(オーバーフロードレイン)に排出してリセット
することができる。
【0019】また、システムコントローラ112には、
図示のように、本カメラの撮像モードを設定するための
モード設定部112aが設けられている。本カメラに
は、例えば単写モード、連写モード等の通常撮影のため
の撮像モードに加え、特殊撮像モードとして天体追尾撮
像モードが用意されている。モード設定部112aは、
操作スイッチ系113に設けられたモード設定ボタンの
操作に応じて本カメラの撮像モードを天体追尾撮像モー
ドに設定する。ここで、天体追尾撮像モードとは、被写
体となる惑星などの天体を像ぶれなく撮影することを目
的とした長時間露光モードであり、その本撮像は分割露
光撮像を用いて実行される。
【0020】さらに、システムコントローラ112に
は、天体追尾撮像に必要なパラメータを自動的に算出す
るためのパラメータ算出部112bと、分割露光撮像を
制御するための分割露光制御部112cと、分割露光撮
像の際にアナログゲインコントロールアンプ(GCA)
107aに適用するゲインアップ率の設定および制御を
行うゲイン制御部112dとが設けられている。
【0021】パラメータ算出部112bは、所定時間間
隔で複数回の試行撮像(非分割)を実行し、その試行撮
像の結果に基づいて分割露光撮像の分割数Ndと、分割
露光撮像による各回の分割露光で得られた画像間の位置
ずれを補正するための移動補正パラメータなどを算出す
る。移動補正パラメータは、分割露光に対する毎回の移
動距離と移動方向を示す。各回の試行撮像は分割露光撮
像が必要となる露光時間よりも短い露光時間で行われ、
分割露光撮像は用いられない。分割露光制御部112c
による分割露光撮像は、パラメータ算出部112bによ
って算出された分割数Ndに基づいて行われる。すなわ
ち、この分割露光撮像では、測光結果や上述の試行撮像
の結果に基づいて算出された適正露光時間(全露光時
間)が、上記算出された分割数Nd回の部分露光時間に
分割され、各部分露光時間毎の露光(露光および信号読
みだし)が実行される。
【0022】図2には、分割露光撮像の撮像シーケンス
の一例が示されている。ここでは、全露光時間(Ttota
l)を4分割する場合が例示されている。
【0023】例えば、分割露光撮像をCDPとTGパル
スによる純電子シャッタを用いて制御する場合を想定す
ると、メカシャッタ104を開いている状態で全電荷排
出パルスCDPによる全電荷排出を行うことにより露光
が開始される。そして、試行撮像結果等に基づいて決め
られた各分割露光時間が経過するたびにTGパルスを出
力し、かつその毎回のTGパルスに対応して垂直・水平
駆動パルスによる転送路駆動を実行することにより、全
露光時間(Ttotal)の間に複数回(ここでは4回)の
露光(露光および信号読出し)が順次実行される。
【0024】各回の部分露光撮像にて得られた撮像信号
S1〜S4は、アナログゲインコントロールアンプ(G
CA)107aによってゲインアップされた後にA/D
変換器107bでA/D変換される。そして、A/D変
換後の撮像信号S1〜S4に対して信号処理部108b
によるデジタル演算(像移動補正加算処理)が施され
る。このデジタル演算では、移動補正パラメータに基づ
いて、部分露光画像である撮像信号S1〜S4間の位置
ずれの補正を行ってからそれらの信号加算が行われ、そ
してその加算結果を定数で除することにより、一つの長
時間露光画像が得られる。この長時間露光画像は適宜各
種信号処理が施された後にメモリカード110に記録さ
れる。
【0025】このような分割露光撮像に際しては、露光
時間が短くなることで各回のA/D量子化ノイズが大き
くなることを回避するために適宜ゲインアップが行われ
る。この場合、アナログゲインコントロールアンプ(G
CA)107aのゲインアップ比率は、ゲイン制御部1
12dの制御の下に、分割数Ndと、アナログゲインコ
ントロールアンプ(GCA)107aの最大ゲインアッ
プ比率Gmとを考慮して設定される。
【0026】図3には、天体追尾撮像モード時における
一連の撮像シーケンスの流れが示されている。
【0027】天体追尾撮像モードにおいては、撮像指令
(レリーズトリガ)に応答して、まず、パラメータ算出
部112bの制御の下に、複数回(最低2回)の試行撮
像が一定時間間隔で実行される。各回の試行撮像の露光
時間としては、量子化ノイズが増大しないような一定の
露光時間以上で、且つ長時間露出のための特別な撮像制
御が不要な範囲内の露光時間が用いられる。また、必要
に応じてアナログゲインコントロールアンプ107aの
ゲインアップ率Gを通常撮影時(非分割時)の標準ゲイ
ンG0よりも高く設定して、量子化ノイズの低減を図る
ようにしても良い。
【0028】そして、複数回の試行撮像の結果得られた
画像間の相関演算などがパラメータ算出部112bの制
御の下に信号処理部108bによって行われることによ
り、撮像画枠に対する天体等の被写体の移動速度および
移動方向などが求められ、それら移動速度および移動方
向等に基づいて分割露光撮像に必要なパラメータとし
て、分割数Ndおよび移動補正パラメータなどが算出さ
れる。この後、分割露光撮像による本撮像が実行され
る。この本撮像では、適正露出を得るための全露光時間
Ttotal を、算出された分割数Nd個の部分露光期間に
分割した分割露光撮像が実行され、これにより分割数N
d回分の部分露光画像が得られる。そして、移動補正パ
ラメータに基づいて、部分露光画像間の位置ずれの補正
を行ってからそれらの信号加算が行われる。
【0029】このように、天体追尾撮像モードにおいて
は、撮像装置を被写体に向けてレリーズ操作を行うだけ
で、天体追尾撮像に必要な全てのパラメータが自動的に
取得されて、分割露光撮像による天体追尾撮像が実行さ
れる。
【0030】次に、図4のフローチャートを参照して、
パラメータ算出処理の手順の一例について説明する。
【0031】レリーズ操作が行われると、最初に、例え
ば露光時間Tt、間隔Tbで例えば2回の試行撮像が実
行される(ステップS101)。この場合、上述したよ
うに必要に応じて標準ゲインG0よりも高いゲイン(G
0に対するゲインアップ比率G)を適用してもよい。次
いで、試行撮像によって取得された各画像の平均信号レ
ベル(取得レベル)と目標レベルとの比、さらには試行
撮像で用いた露光時間Ttとゲインアップ比率Gとを考
慮して、標準ゲインG0を用いた場合に適正露出となる
ような適正露光時間(全露光時間=Ttotal)が算出さ
れる(ステップS102)。
【0032】Ttotal=(目標レベル/取得レベル)×
G×Tt 次いで、2回の試行撮像で得られた2つの画像間の相関
演算を行うことにより、画枠全体の被写体像に関する移
動方向と移動距離(D)が算出される(ステップS10
3)。移動距離(D)は画素数またはライン数で表現さ
れる。そして、移動距離(D)と撮影時間間隔Tbとか
ら移動速度を求め(=D/Tb)、その移動速度(=D
/Tb)と所定のぶれ許容量δから、各回の分割露光時
間Tdが、 Td×(D/Tb)≦δ の条件を満たすように算出される(ステップS10
4)。
【0033】この場合、分割露光時間Tdはその露光時
間中に像ぶれが生じない範囲でできるだけ大きく設定す
ることがより好ましいので、この例では分割露光時間T
dは Td=(δ/D)×Tb を目標とすることになる。
【0034】そして、適正露光時間Ttotalと分割露光
時間Tdとから、分割数Ndが算出される(ステップS
105)。 Nd=Ttotal/Td 実際には、Ndは整数であるので、Ttotal/Tdを下
回らない最小の整数が分割数Ndとして決定される。言
い換えれば結局、Td×(D/Tb)≦δを満たす最大
値をTdとして採用していることになる。
【0035】この後、分割露光に対する毎回の移動距離
dが求められる(ステップS106)。本例では、Td
×(D/Tb)≦δを満たす最大値をTdとして決めて
いるので、分割露光に対する毎回の移動距離dはδとな
る。
【0036】なお、適正露光時間Ttotalについては、
例えば公知の測光によって設定するようにしてもよい。
【0037】次に、天体追尾撮影におけるTtotal、T
d、Ndの具体例とその場合のゲイン制御について説明
する。ここでは、カメラは三脚で固定し、赤道義などの
専用追尾装置を用いることなく、ある天体に着目して本
発明の自動追尾撮影を行うものとする。Ttotalの例示
値としては T1=4sとT2=64s(約1分)を想
定する。すなわち適正露光時間は使用する望遠鏡の口径
やカメラの感度等により当然異なるが、以下では総合的
にT1あるいはT2で適正露光に達する板面照度が得ら
れている2つのケースを想定するものとする。
【0038】また各分割露光時間Tdとしては1sが算
出されたものとする。すなわち、約40倍程度の倍率の
望遠鏡を標準画角レンズ(画角約46deg)に使用した
場合を想定すれば、最終的な撮影画角は約1.2degと
なる。これに対して日周運動は約0.004deg/sで
あるから、1分割露光時間Td当たりの天体の移動量が
画角約1.2degよりも十分に小さくなる(例えば画角
の1/300)ことを条件に、分割露光時間Tdを決め
ると、各分割露光時間Tdは1sとなる。すなわち分割
数NdとしてはNd1=4またはNd2=64の分割露
光撮像を行なうことになる。
【0039】分割露光撮像に際してのゲインアップ設定
は、図5のフローチャートに示す手順で実行される。な
お、以下では、アナログゲインコントロールアンプ(G
CA)107aのゲインアップ量の限界値である最大ゲ
インアップ比率は、Gmに制限されているものとする。
ここで、最大ゲインアップ比率Gmとは、通常撮影(非
分割)時に使用される標準ゲインG0に対するゲインア
ップ比率Gの使用(設定)可能な最大値である。アナロ
グゲインコントロールアンプ(GCA)107aの最大
ゲインが標準ゲインG0の8倍(G0×8=18dB)
であるとすると、最大ゲインアップ比率Gmは8とな
る。
【0040】(甲)T1=4sすなわちNd=Nd1=
4の場合には、NdがGm以下であるから、ゲインアッ
プ比率GはNd1(4)に設定される(ステップS11
1,S112)。この後、Nd1=4の分割露光撮像が
実行されるが(ステップS114)、A/D変換器10
7bに入力される時点での各分割撮像信号の信号レベル
は通常撮影(非分割)の場合と同じであるから量子化ノ
イズの増大は発生しない。
【0041】(乙)T2=64sすなわちNd=Nd2
=64の場合には、NdがGm以上であるから、ゲイン
アップ比率G=Gm=8に設定する(ステップS11
1,S113)。この後、Nd2=64の分割露光撮像
が実行される(ステップS114)。A/D変換器10
7bに入力される時点での各分割撮像信号の信号レベル
は通常撮影(非分割)の場合よりも低下し、これに伴い
量子化ノイズの増大が生じるが、ゲインアップした分
(18dB)だけは量子化ノイズに対する改善効果が得
られる。すなわち可能な範囲で量子化ノイズを最小化し
ていることになる。
【0042】そして、分割露光撮像で得られた各回の分
割撮像信号に対してデジタル信号処理(像移動補正加
算)が施されることにより、記録画像が生成される(ス
テップS115)。
【0043】次に、像移動補正加算処理の手順について
説明する。
【0044】上記各回の分割露光による分割露光撮像信
号(S[k](i,j):ただしi,jは任意画素の座標、kは
何回目の部分露光撮像かを示す)間の動き情報である動
きベクトル(V[k]=(x[k],y[k]))は、上述の移動補
正パラメータ(移動方向、移動距離d)で与えられる。
V[k]=(x[k],y[k])の値は kによらず一定である。そ
して、この動きベクトル情報に基づいて各回の撮影画枠
をシフトさせつつ加算を行ない最終的な撮像画像Sout
(i,j)を生成する。
【0045】ここで、図6に示すように、Sout(i,j)は
生成画像の画枠サイズに対応した所定の画素数p×q
(1≦i≦p,1≦j≦q)を有したものであり、ぶれ
による移動分を見込んでCCD105の全画枠(有効撮
像エリア)よりも少し小さいサイズに設定する。
【0046】加算処理に際して、第k回目の露光分まで
加算が終わった中間的なSout(i,j)をSout[k](i,j)と
記す。また初回の露光(k=1)の時は撮影画枠中心つ
まり生成画像画枠の中心は図6のように有効撮像エリア
の中央に設定されているが、説明を簡略化するため有効
撮像エリアの座標はこの状態において生成画像の座標
(i,j)と同数値となるように設定されているものとす
る。(従って、この状態における生成画枠外には負値座
標も存在する。) 上記動きベクトルV[k]=(x[k],y[k])の定義を (1)S[k](i+x[k],j+y[k])=S[k-1](i,j) (k=2
〜n) とし、V[1]からV[k]までの総和である累積動きベクト
ルΣV[k]を (2)ΣV[k]=(Σx[k],Σy[k])=(x[1]+x[2]+・・
・+x[k],y[1]+y[2]+・・・+y[k]) とすると、毎回の加算処理は (甲)については (3)Sout[1](i,j)=S[1](i,j)×1/Nd1 (1
≦i≦p,1≦j≦q)Sout[k](i,j)=Sout[k-1](i,
j)+S[k](i+Σx[k],j+Σy[k])×1/Nd1 (乙)については (3)Sout[1](i,j)=S[1](i,j)×1/Gm (1
≦i≦p,1≦j≦q)Sout[k](i,j)=Sout[k-1](i,
j)+S[k](i+Σx[k],j+Σy[k])×1/Gm で表わすことができる。
【0047】このように、最大ゲインアップ比率Gmも
考慮して、NdがGm以下の場合にはゲインアップ比率
をNdに、NdがGm以上の場合にはゲインアップ比率
をGmにそれぞれ設定し、そして加算処理では、Ndが
Gm以下の場合にはNd個の分割露光撮像信号の加算平
均、またNdがGm以上の場合にはNd個の分割露光撮
像信号の加算値をGmで除す という演算処理を用いる
ことで、可能な範囲で量子化ノイズを最小に設定するこ
とが可能となり、より高画質の天体撮影を実現できる。
【0048】以上のように、本実施形態によれば、天体
の日周運動は極軸付近を除けば撮像画枠を基準としてみ
ると、近似的には一定速度の平行移動と見なせることに
着眼し、分割露光撮像による本撮像の開始前に、複数回
の試行撮像を自動的に実行して分割数と移動補正パラメ
ータを求めることにより、被写体となる天体の追尾撮像
に最適な条件で分割露光撮像を行うことが出来、また位
置ずれ補正も容易に行うことが可能となる。
【0049】なお、この他にも以下のような様々な実施
形態が考えられる。
【0050】・全露光の開始は、上記では電荷排出パル
スCDPの最終出力によって行なっているが、これに変
えて(事前にメカシャッタを閉成しておき、電荷排出パ
ルスCDPの最終出力の後にこの)メカシャッタを開成
することによって全露光を開始させても良い。
【0051】・全露光時間の終了はCCD105への被
写体光の入力を遮光すればよいので、メカシャッタを併
用しても良い。
【0052】・像移動加算処理は必ずしもカメラ内部で
行う必要はなく、移動補正パラメータや適用ゲインアッ
プ率などの像移動加算処理に必要なパラメータを分割露
光型撮像で得られた複数の部分画像を含む画像ファイル
に付帯させて記憶しておくことにより、カメラ外部の任
意の画像処理装置で像移動加算処理を行うことも出来
る。
【0053】・天体追尾撮影への適用が最も好適である
が、ほぼ一定の動きを持つ被写体であれば、天体以外の
ものへの適用も可能である。
【0054】また、上記実施形態には種々の段階の発明
が含まれており、開示される複数の構成要件における適
宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例え
ば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要
件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で
述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられてい
る効果が得られる場合には、この構成要件が削除された
構成が発明として抽出され得る。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画枠に対する被写体の移動速度等に合わせて分割数Nd
を最適化した分割露光撮像を行うことが可能となり、例
えば天体などのように一定の動きを持つ被写体を像ぶれ
なく撮影するという追尾型撮影に最適な撮像装置を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるディジタルカメラ
の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態で用いられる分割露光撮像の撮像シ
ーケンスを示すタイミングチャート。
【図3】同実施形態で用いられる天体追尾撮像モード時
における一連の撮像シーケンスの流れを示す図。
【図4】同実施形態で用いられるパラメータ算出処理の
手順を示すフローチャート。
【図5】同実施形態で用いられるゲインアップ設定動作
を説明するフローチャート。
【図6】同実施形態で用いられるCCDの有効撮像エリ
アと生成画像画枠との関係を示す図。
【符号の説明】
101…レンズ系 102…レンズ駆動機構 103…露出制御機構 104…メカシャッタ 105…CCDカラー撮像素子 106…CCDドライバ 107…プリプロセス回路 107a…ゲインコントロールアンプ 107b…A/D変換器 108…ディジタルプロセス回路 108b…信号処理部 109…カードインターフェース 110…メモリカード 112…システムコントローラ 112a…モード設定部 112b…パラメータ算出部 112c…分割露光制御部 112d…ゲイン制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体撮像素子と、この固体撮像素子を制御
    して全露光時間を複数Ndの露光に分割して露光する分
    割露光撮像を実行する分割露光制御手段と、前記固体撮
    像素子によって得られた撮像信号に対してデジタル演算
    を施す信号処理手段とを有する撮像装置であって、 前記撮像装置の撮像モードを天体追尾撮像モードに設定
    するモード設定手段と、 前記モード設定手段により前記撮像モードが前記天体追
    尾撮像モードに設定された場合、前記分割露光撮像によ
    る被写体の本撮像を開始する前に、前記固体撮像素子を
    制御して前記本撮像の予定露光時間よりも短い露光時間
    による所定時間間隔の複数回の試行撮像を実行し、当該
    複数回の試行撮像の結果に基づいて前記被写体の移動に
    伴う像ぶれを防止可能な、前記分割露光撮像における露
    光時間の分割数Ndを算出するパラメータ算出手段と、 前記算出された分割数Ndによる分割露光撮像を前記分
    割露光制御手段を用いて行うことにより、前記被写体の
    本撮像を実行する制御手段とを具備することを特徴とす
    る撮像装置。
  2. 【請求項2】前記パラメータ算出手段は、前記複数回の
    試行撮像の結果に基づいて、前記分割数Ndと、前記分
    割露光撮像による各回の分割露光で得られた分割露光画
    像間の位置ずれを補正するための移動補正パラメータと
    を算出するように構成されたものであることを特徴とす
    る請求項1記載の撮像装置。
  3. 【請求項3】前記信号処理手段は、前記分割露光撮像に
    より得られたNd個の分割露光画像に対してその間の位
    置ずれを前記移動補正パラメータに基づいて補正した後
    に加算するデジタル演算を施すことを特徴とする請求項
    2記載の撮像装置。
  4. 【請求項4】前記パラメータ算出手段は、前記複数回の
    試行撮像により得られた複数の画像間の相関により前記
    被写体の移動方向と移動速度を求め、これに基づいて前
    記分割数Ndおよび前記移動補正パラメータを算出する
    ように構成されたものであることを特徴とする請求項2
    記載の撮像装置。
  5. 【請求項5】固体撮像素子と、この固体撮像素子を制御
    して全露光時間を複数Ndの露光に分割して露光する分
    割露光撮像を実行する分割露光制御手段と、前記固体撮
    像素子によって得られた撮像信号に対してデジタル演算
    を施す信号処理手段とを有する撮像装置であって、 前記撮像装置の撮像モードを天体追尾撮像モードに設定
    するモード設定手段と、 撮像指令を出力する撮像指令手段と、 前記モード設定手段により前記撮像モードが前記天体追
    尾撮像モードに設定された状態で前記撮像指令が出力さ
    れた場合には、被写体となる天体の本撮像を開始する前
    に、前記固体撮像素子を制御して前記本撮像の予定露光
    時間よりも短い露光時間による所定時間間隔の複数回の
    試行撮像を実行し、当該複数回の試行撮像より得られた
    複数の画像間の相関に基づいて被写体となる天体の移動
    方向および移動速度を求め、これに基づいて被写体とな
    る天体の移動に伴う像ぶれを防止可能な前記分割露光撮
    像における露光時間の分割数Ndと、当該分割露光撮像
    による各回の分割露光で得られた分割露光画像間の位置
    ずれを補正するための移動補正パラメータとを算出する
    パラメータ算出手段と、 前記算出された分割数Ndによる分割露光撮像を前記分
    割露光制御手段を用いて行うことにより、前記被写体と
    なる天体の本撮像を実行する制御手段とを具備すること
    を特徴とする撮像装置。
  6. 【請求項6】前記信号処理手段は、前記分割露光撮像に
    より得られたNd個の分割露光画像に対してその間の位
    置ずれを前記移動補正パラメータに基づいて補正した後
    に加算するデジタル演算を施すことを特徴とする請求項
    5記載の撮像装置。
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