JP2004201056A

JP2004201056A - 電子追尾式天体写真撮影法

Info

Publication number: JP2004201056A
Application number: JP2002367735A
Authority: JP
Inventors: Satoyuki Ito; 伊藤智行
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2002-12-19
Filing date: 2002-12-19
Publication date: 2004-07-15

Abstract

【課題】高価な機械装置や高価な電子部品を使用しない安価な、そして１回の撮影で広い範囲を撮影可能な、天体写真撮影方法を提供する。
【解決手段】電子的に天体の日周運動を追尾して天体を撮影することを特徴とする、電子追尾式天体写真撮影法。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、天体写真の撮影方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の天体写真の撮影法を、図２に示す。撮影は下記の手順で行われる。
【０００３】
（イ）天体は暗いので露出時間が長い。このため、カメラ（３）を固定して撮影を行うと、天体（１）が日周運動（２）によりずれて写ってしまう。これを防止するため、撮影の間、カメラ（３）全体に回転運動（４）を与え、天体の日周運動（２）を追尾しておく。
【０００４】
（ロ）カメラの焦点面に置かれたＣＣＤ（５）には、たくさんの受光部（６）とこれに１対１で対応する蓄電部（７）が格子状に並んでいる。撮影を始めると、受光部（６）面上にできた天体像（１３）の光により自由電子（８）が発生し、対応する蓄電部（７）に蓄えられる。
【０００５】
（ハ）撮影終了後、自由電子（８）を送り方向（９）に隣の蓄電部（７）へ送る。このとき、全ての自由電子（８）は、同時に移動し、移動の前後で個々の蓄電部（７）に入っている自由電子（８）は、互いに混ざることのない構造となっている。この移動前に最端位置の蓄電部（７）に入っていた自由電子（８）は、隣の末端蓄電部（１０）へ移動する。
【０００６】
（ニ）末端蓄電部（１０）に入っていた自由電子（８）は、検出部（１１）へ順番に送られ、画像情報として出力される。出力された画像情報は電子回路（１２）へ入り、データ保存などの処理を施される。
【０００７】
（ホ）（ニ）の動作が終了したら、再び残りの全ての自由電子（８）を（ハ）の要領で一つ隣の蓄電部（７）に移動させる。この動作を全ての自由電子（８）が検出部（１１）より画像情報として出力されるまで繰り返す。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の従来技術によれば、下記の欠点がある。
【０００９】
日周運動（２）を正確に追尾するため、高価で精密な機械装置を必要とする。
【００１０】
撮影後、ＣＣＤ（５）内に蓄えられた情報を迅速に処理する必要があるため、高価で高速な電子部品を用いた電子回路（１２）を必要とする。
【００１１】
一回の撮影で得られる画像はＣＣＤ（５）に並んだ受光部（６）の範囲内だけであり、広い範囲を撮影する場合は、撮影を繰り返し行い、得られた画像を貼り合わせる必要がある。
【００１２】
そこで、この発明は、下記を課題とする。
【００１３】
電子的に天体を追尾することにより、高価な機械装置や高価な電子部品を使用しない安価な、そして１回の撮影で広い範囲を撮影可能な、天体写真撮影方法を提供する。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項１の発明は、電子的に天体の日周運動を追尾して天体を撮影することを特徴とする、電子追尾式天体写真撮影法である。
【００１５】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を、下記に示す。
【００１６】
図１に示すように、ＣＣＤ（５）を組み込んだカメラ（３）を用意する。カメラ（３）は自由電子（８）の送り方向（９）と、受光部（６）上での天体像（１３）の動きの方向が合致するように固定する。
【００１７】
撮影を始めると、受光部（６）面上にできた天体像（１３）の光により自由電子（８）が発生し、対応する蓄電部（７）に蓄えられる。
【００１８】
天体（１）は日周運動（２）により移動する。このため、ある時間後の天体像（１３）は一つ隣の受光部（６）上へ移動している。これを放置しておくと、撮影後に得られる天体写真は天体像（１３）が線状にずれたものになってしまう。
【００１９】
そこで、この移動にあわせて、全ての自由電子（８）をいっせいに一つ隣の蓄電部（７）へ移動させる。この動作により、自由電子（８）はこれを生み出した天体像（１３）と同じ位置にある蓄電部（８）へ移動し、新たに発生した自由電子（８）も同一の蓄電部（７）に蓄えられる。
【００２０】
撮影中、天体（１）の日周運動（２）に合わせてこの動作を繰り返すことにより、ずれのない天体写真を得ることができる。
【００２１】
撮影中に移動して、末端蓄電部（１０）に入った自由電子（８）は、検出部（１１）より画像情報として出力され、処理される。この作業は次の自由電子（８）が末端蓄電部（１０）へ送られるまでに完了すればよい、このため、低速で安価な電子部品を使った電子回路（１２）を採用することができる。
【００２２】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、カメラ（３）を天体（１）の日周運動（２）に合わせて回転運動させることが不要となるため、高価な追尾のための機械装置が不要となり、また、撮影中に随時画像情報を処理すればよいため、低速で安価な電子部品を使用して、天体写真を撮影することが出来るようになる。
【００２３】
また、撮影時間を任意に延長することで、天体（１）の日周運動（２）方向の撮影範囲を伸ばすことが出来る。撮影を夜のあいだ中続けると、日周運動（２）方向に約180度の範囲を撮影することが出来るようになる。
【００２４】
「他の実施形態」
この撮影方式に用いるＣＣＤ（５）は、現在生産されているフルフレーム式ＣＣＤを用いるのが適当であるが、同様の機能を持つ受光素子であれば、効果に変わりはない。
【００２５】
同一の撮影時間での撮影範囲を変更したい場合、撮影中にカメラに任意の回転運動（４）を与えてＣＣＤ（５）上の天体像（１３）の移動速度を変え、変更することができる。ただし、この場合は回転運動（４）を与えるための機械装置が必要となる。
【００２６】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、高価な追尾のための機械装置を用いず、安価な電子部品を使用した、一回の撮影で広い範囲を撮影できる、安価な天体写真撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施方法を示す斜視図である。
【図２】従来の技術の実施方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
１天体
２日周運動
３カメラ
４回転運動
５ＣＣＤ
６受光部
７蓄電部
８自由電子
９送り方向
１０末端蓄電部
１１検出部
１２電子回路
１３天体像

Claims

電子的に天体の日周運動を追尾して天体を撮影することを特徴とする、電子追尾式天体写真撮影法。