JP6257439B2 - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天体撮影を行う撮像装置及び撮像方法に関する。
従来、天体を撮影する方法として固定撮影や追尾撮影等がある。
固定撮影は、デジタルカメラ(以下単に「カメラ」という)を三脚等に固定して、長秒露光撮影を行う方法である。この方法によれば、日周運動による星の移動軌跡と背景の景色とを一緒にした写真(星景写真)を撮影することができる。数分の露光時間ならば、高感度低ノイズのカメラを利用して、比較的容易に、そのような撮影が可能である。また、カメラのインターバル撮影機能を利用して、天体を短い露光時間で複数回撮影し、得られた複数の天体画像の中から高輝度画素を選択して一つの画像に合成する(比較明合成処理等)、といった後処理により星景写真を作成する方法等も行われている。
一方、追尾撮影は、カメラを赤道儀等の自動追尾機器に設置して、長秒露光撮影を行う方法である。この方法によれば、カメラの撮影方向が日周運動に合わせて動くようになることから、星が点像となる写真(星野写真)を撮影することができる。しかしながら、赤道儀等の自動追尾機器は、高価で精密な装置であり、設置も容易ではなく、誰もが気軽に利用できるものではなかった。そこで、後処理により星景写真を作成する上述の方法と同様に、画像処理による後処理で星野写真を作成する方法も実施されている。この方法では、カメラのインターバル撮影機能により得られた複数の天体画像間の相関が解析されて、並進ズレ量と回転ズレ量が算出され、画像変換後、重ね合わせ合成処理(コンポジット処理)等が行われる。しかしながら、相関解析に係る処理(位置合わせのための相関処理)は負荷の重い処理であり、星の輝度やノイズのレベルによっては相関度が低く識別が困難になる場合もある。また、画像変換に係る処理(画像合成のための回転変換処理等)も負荷の重い処理で、回転分解能(回転精度)によっては合成画像のボケ量が多くなる場合もある。このように、画像処理による後処理で星野写真を作成する方法は、演算コストの高い処理が必要で、撮影された画像数に比例して演算量が増大するという課題がある。このようなことから、星景写真の撮影に比べて星野写真は、未だ、システムのコストや工数を掛けずに気軽に撮影できる状況にはない。
こうしたなかで、カメラの手振れ防止機能を利用することで、誰もが気軽に星野写真を撮影することができるカメラも開発されている。
例えば、特許文献1には、そのようなカメラが提案されている。特許文献1のカメラでは、カメラが位置する場所の緯度φ、撮影光学系が狙う天体の方位A、天体の高度h、及び撮影光学系の焦点距離fから、単位時角Hにおける天体の方位Aの変位量dA/dHを下記式(1)、高度hの変位量dh/dHを下記式(2)、天球面上において、天の極と天体とを最短で結ぶ曲線と、天頂と天体とを最短で結ぶ曲線とがなす角θの変化量dθ/dHを下記式(3)により算出することが行われる。
dA/dH=sinφ+cosφ・tan(h)・cosA (1)
dh/dH=−sinA・cosφ (2)
dθ/dH=cosA・cosφ/cos(h) (3)
また、カメラが水平に構えられているときの、水平をX軸、垂直をY軸と定義したとき、天体像の撮像素子上での位置を一定に維持する追尾撮影を行うための撮像素子の単位時角あたりの移動量ΔX、ΔY、単位時角あたりの回転角Δθを下記式(4)、(5)、及び(6)により算出することが行われる。
ΔX=f・tan(dα/dH) (4)
ΔY=f・tan(dh/dH) (5)
Δθ=dθ/dH (6)
そして、撮像素子移動機構により撮像素子を単位時間あたりΔX、ΔY、Δθの速度で駆動制御することが行われる。
特開2010−122672号公報
しかしながら、特許文献1のカメラでは、天体が天頂に近づくと、cos(h)の値が0に近づき、結果として、上記式(3)の値が、1/cos(h)の項により、無限大に近づき、仮に天体が天頂に位置したときには、演算エラーになってしまう特異点がある。このことから、特許文献1のカメラでは、撮影位置や撮影方向等に制限があり、全天球方向を自由に撮影することができないという課題がある。
また、特許文献1のカメラでは、上述のように、天球面上において、天の極と天体とを最短で結ぶ曲線と、天頂と天体とを最短で結ぶ曲線とがなす角をθとし、上記式(3)、(6)により、撮像素子の単位時角あたりの回転角Δθが求められ、撮像素子を単位時間あたりΔθの速度で駆動制御することが行われる。このことから、特許文献1のカメラでは、カメラ姿勢基準の回転変位量で撮像素子を駆動制御するものとはなっておらず、大きな回転が発生するような天体の方角では誤差を生じ易くなるという課題もある。
以上のような実情を踏まえ、本発明は、全天球方向を高精度に追尾撮影可能な撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、撮像素子の撮像面に結像される被写体像に対して前記撮像素子を相対的に並進及び回転させる並進回転機構部と、日周運動による恒星の移動軌跡を算出する移動軌跡算出部と、前記移動軌跡算出部により算出された移動軌跡に基づいて、前記並進回転機構部による前記並進及び回転を制御する並進回転制御部と、を備え、前記移動軌跡算出部は、当該撮像装置の姿勢情報、当該撮像装置の位置情報、及び撮像日時情報から、当該撮像装置の光軸上の赤道座標上の恒星姿勢情報を算出する恒星姿勢算出部と、当該撮像装置の位置情報及び撮像日時情報から、赤道座標を地平座標に変換するための地平変換パラメータを算出する地平変換パラメータ算出部と、当該撮像装置の姿勢情報から、前記地平座標を撮像装置座標に変換するための撮像装置姿勢変換パラメータを算出する撮像装置姿勢変換パラメータ算出部と、前記地平変換パラメータ算出部により算出された地平変換パラメータを用いて、前記恒星姿勢算出部により算出された赤道座標上の恒星姿勢情報を、地平座標上の恒星姿勢情報に変換する地平座標変換部と、前記撮像装置姿勢変換パラメータ算出部により算出された撮像装置姿勢換パラメータを用いて、前記地平座標変換部により変換された地平座標上の恒星姿勢情報を、撮像装置座標上の恒星姿勢情報に変換する撮像装置座標変換部と、当該撮像装置の光学系の投影変換パラメータを用いて、前記撮像装置座標変換部により変換された撮像装置座標上の恒星姿勢情報を、前記撮像面上での撮像投影位置情報に変換する投影座標変換部と、を含む、撮像装置を提供する。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記移動軌跡算出部は、撮像開始時に取得した前記撮像投影位置情報と、前記撮像開始時から所定時間経過後に取得した前記撮像投影位置情報とを比較し、前記所定時間経過後の撮像投影位置変位量を算出する、撮像装置を提供する。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記移動軌跡算出部は、前記恒星姿勢算出部により算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換部により変換された撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量を算出する、撮像装置を提供する。
本発明の第4の態様は、第2の態様において、前記移動軌跡算出部は、前記恒星姿勢算出部により算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の赤経又は赤緯方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換部により変換された撮像投影位置情報から投影座標上の回転量を算出する、撮像装置を提供する。
本発明の第5の態様は、第2の態様において、前記移動軌跡算出部は、前記恒星姿勢算出部により算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を、前記恒星の方向を示す方向ベクトルと、前記恒星の赤経又は赤緯方向の少なくとも一つを示す方向ベクトルと、による恒星姿勢フレームとし、前記投影座標変換部により変換された前記撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量及び回転量を算出する、撮像装置を提供する。
本発明の第6の態様は、撮像素子の撮像面に結像される被写体像に対して前記撮像素子を相対的に並進及び回転させる並進回転機構部を含む撮像装置の撮像方法であって、日周運動による恒星の移動軌跡を算出する移動軌跡算出ステップと、前記移動軌跡算出ステップにより算出された移動軌跡に基づいて、前記並進回転機構部による前記並進及び回転を制御する並進回転制御ステップと、を備え、前記移動軌跡算出ステップは、前記撮像装置の姿勢情報、前記撮像装置の位置情報、及び撮像日時情報から、前記撮像装置の光軸上の赤道座標上の恒星姿勢情報を算出する恒星姿勢算出ステップと、前記撮像装置の位置情報及び撮像日時情報から、赤道座標を地平座標に変換するための地平変換パラメータを算出する地平変換パラメータ算出ステップと、前記撮像装置の姿勢情報から、前記地平座標を撮像装置座標に変換するための撮像装置姿勢変換パラメータを算出する撮像装置姿勢変換パラメータ算出ステップと、前記地平変換パラメータ算出ステップにより算出された地平変換パラメータを用いて、前記恒星姿勢算出ステップにより算出された赤道座標上の恒星姿勢情報を、地平座標上の恒星姿勢情報に変換する地平座標変換ステップと、前記撮像装置姿勢変換パラメータ算出ステップにより算出された撮像装置姿勢換パラメータを用いて、前記地平座標変換ステップにより変換された地平座標上の恒星姿勢情報を、撮像装置座標上の恒星姿勢情報に変換する撮像装置座標変換ステップと、前記撮像装置の光学系の投影変換パラメータを用いて、前記撮像装置座標変換ステップにより変換された撮像装置座標上の恒星姿勢情報を、前記撮像面上での撮像投影位置情報に変換する投影座標変換ステップと、を含む、撮像方法を提供する。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記移動軌跡算出ステップは、撮像開始時に取得した前記撮像投影位置情報と、前記撮像開始時から所定時間経過後に取得した前記撮像投影位置情報とを比較し、前記所定時間経過後の撮像投影位置変位量を算出する、撮像方法を提供する。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記移動軌跡算出ステップは、前記恒星姿勢算出ステップにより算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換ステップにより変換された撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量を算出する、撮像方法を提供する。
本発明の第9の態様は、第7の態様において、前記移動軌跡算出ステップは、前記恒星姿勢算出ステップにより算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の赤経又は赤緯方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換ステップにより変換された撮像投影位置情報から投影座標上の回転量を算出する、撮像方法を提供する。
本発明の第10の態様は、第7の態様において、前記移動軌跡算出ステップは、前記恒星姿勢算出ステップにより算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を、前記恒星の方向を示す方向ベクトルと、前記恒星の赤経又は赤緯方向の少なくとも一つを示す方向ベクトルと、による恒星姿勢フレームとし、前記投影座標変換ステップにより変換された前記撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量及び回転量を算出する、撮像方法を提供する。
本発明によれば、全天球方向を高精度に追尾撮影可能な撮像装置及び撮像方法を提供することができる。
一実施の形態に係る撮像装置であるカメラの構成例を示す図である。 駆動部の構成例を示す図である。 カメラの天体撮影動作を示すフローチャートの一例である。 初期恒星姿勢フレーム算出処理(S150)の詳細を示すフローチャートの一例である。 恒星姿勢フレーム変換処理(S230)の詳細を示すフローチャートの一例である。 天体撮影動作において行われる処理の一部(日周運動による恒星の移動軌跡を算出する処理)のデータフロー図である。 プロセスB1乃至B6で使用される4つの座標系を示す図である。 球面座標上の点を右手直交座標系による3つの単位ベクトルの組みで表した恒星姿勢フレームを示す図である。 地平座標系、カメラ座標系、及びカメラ画像面(カメラ撮像面)の初期位置の関係を示す図である。 赤道座標系から地平座標系への変換を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置であるカメラの構成例を示す図である。
図1に示したように、本実施形態に係るカメラ100は、光学系101、エンコーダ102、フォーカルプレーンシャッター(以下単に「シャッター」という)103、撮像素子104、駆動部105、システムコントローラ106、ブレ補正マイコン107、角速度センサ108a、加速度センサ108b、地磁気センサ108c、GPS(Global Positioning System)センサ108d、変倍操作部109、レリーズSW(スイッチ)110、EVF(Electronic View Finder)111、メモリカード112、時計回路113、及び通信部114を含む。
光学系101は、撮像素子104の撮像面に被写体像を結像すると共に、変倍操作部109により光軸方向に移動する。光学系101が移動すると、焦点距離が変化し、撮像素子104の撮像面に結像される被写体像の画角が変化する。光学系101の移動は、例えば、変倍操作部109の図示しないズームリングをユーザが操作することにより行われる。
エンコーダ102は、光学系101の光軸方向の位置を検出し、検出した位置情報をシステムコントローラ106に通知する。
シャッター103は、撮像素子104の撮像面近傍に配置され、システムコントローラ106からの駆動指示に応じて、撮像素子104の撮像面を露出状態又は遮光状態に切り替える。
撮像素子104は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等であって、撮像面に結像された被写体像を光電変換して電気信号に変換する。
駆動部105は、撮像素子104を支持すると共に、ブレ補正マイコン107からの駆動指示に応じて、撮像素子104を撮像面上において上下左右に移動させると共に回転させる。より詳しくは、撮像素子104の撮像面を、その撮像面を含む平面上において、上下左右に移動させると共に回転させる。なお、回転の際の回転軸は光軸となり、その回転により、撮像素子104の撮像面に結像された被写体像に対して撮像素子104が回転する。駆動部105の構成例については、図2を用いて後述する。
システムコントローラ106は、カメラ100の各部を制御して、カメラ100の全体動作を制御する。例えば、システムコントローラ106は、後述の天体撮影動作において、日周運動による恒星の移動軌跡を算出する処理や、その移動軌跡に基づいて駆動部105を駆動させる処理等を制御する。
ブレ補正マイコン107は、通常撮影動作において、角速度センサ108a及び加速度センサ108bの検出結果に基づいて、駆動部105を駆動するための駆動量を演算し、その駆動量に応じた駆動信号を駆動部105へ出力する。また、ブレ補正マイコン107は、後述の天体撮影動作において、加速度センサ108b及び地磁気センサ108cの検出結果を、システムコントローラ106に通知する。また、その天体撮影動作において、システムコントローラ106からの指示信号に応じて、駆動部105を駆動するための駆動量を演算し、その駆動量に応じた駆動信号を駆動部105へ出力する。
角速度センサ108aは、カメラ100に生じる3軸の回転運動を検出する。
加速度センサ108bは、カメラ100に生じる3軸方向の並進運動と重力加速度を検出する。これにより、重力ベクトルに対するカメラ100の傾きを取得することができる。
地磁気センサ108cは、3軸の直交する磁気センサを含み、地磁気を検出する。これにより、カメラ100を水平にしなくても、地磁気ベクトル方向を求めることで、カメラ100の方位角(以下単に「方位」ともいう)を取得することができる。
GPSセンサ108dは、カメラ100の現在位置を検出する。これにより、撮影場所(撮像場所)の経度及び緯度を取得することができる。取得された経度及び緯度の情報は、システムコントローラ106に通知される。
変倍操作部109は、図示しないズームリングを含み、そのズームリングをユーザが操作することにより、光学系101が移動すると共に焦点距離が変化する。なお、変倍操作部109は、手動により光学系101を移動させるものであってもよいし、電動により光学系101を移動させるものであってもよい。
レリーズSW110は、ユーザからの撮影開始指示及び撮影終了指示を受け付け、システムコントローラ106に通知する。なお、撮影開始指示及び撮影終了指示は、レリーズSW110を介して行われてもよいし、EVF111を介して行われてもよい。
EVF111は、撮像素子104から読み出された画像データ(映像データ)や、撮影条件やユーザへの操作指示等を表示する表示装置であり、例えば、液晶表示デバイスや有機EL表示素子等を含む。また、EVF111は、タッチパネルを含み、ユーザからの各種指示を受け付け、システムコントローラ106に通知する。例えば、EVF111は、ユーザからの撮影開始指示及び撮影終了指示を受け付け、システムコントローラ106に通知する。
メモリカード112は、撮像素子104から読み出されて、システムコントローラ106により所定の処理が行われた画像データ等が記録される。
時計回路113は、現在の日付(年月日)及び時刻を計数し、システムコントローラ106に通知する。
通信部114は、無線通信機能を備えた外部装置との間で無線通信を行う。これにより、システムコントローラ106は、通信部114を介して外部装置からのコマンドを受け付け、そのコマンドに応じた制御を行ったり、カメラ100のステータス情報や撮影画像情報を、通信部114を介して外部装置へ転送したりすること等ができる。なお、通信部114は、例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)や、Bluetooth(登録商標)等により無線通信を行う。
図2は、駆動部105の構成例を示す図である。
図2に示したように、駆動部105は、回転ステージ1051、θ軸駆動部1051a、Y軸ステージ1052、Y軸駆動部1052a、X軸ステージ1053、及びX軸駆動部1053aを含む。
回転ステージ1051は、Y軸ステージ1052に対して回転可能に支持され、θ軸駆動部1051aによって所定の範囲で回転する。
Y軸ステージ1052は、X軸ステージ1053に対してY軸方向(図2の上下方向)に移動可能に支持され、Y軸駆動部1052aによって所定の範囲で移動する。
X軸ステージ1053は、カメラ100に対してX軸方向(図2の左右方向)に移動可能に支持され、X軸駆動部1053aによって所定の範囲で移動する。
このように、駆動部105は、撮像素子104を、X軸方向、Y軸方向、及び回転方向に変位可能に、保持している。
なお、回転ステージ1051、Y軸ステージ1052、及びX軸ステージ1053の各ステージの変位量は、不図示の位置検出センサ(ポジションセンサ)によって検出され、システムコントローラ106に通知される。
以上のような構成を有するカメラ100において、駆動部105は、撮像素子の撮像面に結像される被写体像に対して撮像素子を相対的に並進及び回転させる並進回転機構部の一例である。また、システムコントローラ106の一部は、恒星姿勢算出部、地平変換パラメータ算出部、撮像装置姿勢変換パラメータ算出部、地平座標変換部、撮像装置座標変換部、及び投影座標変換部を含む移動軌跡算出部の一例である。ここで、移動軌跡算出部は、日周運動による恒星の移動軌跡を算出する。恒星姿勢算出部は、撮像装置の姿勢情報、撮像装置の位置情報、及び撮像日時情報から、撮像装置の光軸上の赤道座標上の恒星姿勢情報を算出する。地平変換パラメータ算出部は、撮像装置の位置情報及び撮像日時情報から、赤道座標を地平座標に変換するための地平変換パラメータを算出する。撮像装置姿勢変換パラメータ算出部は、撮像装置の姿勢情報から、地平座標を撮像装置座標に変換するための撮像装置姿勢変換パラメータを算出する。地平座標変換部は、地平変換パラメータ算出部により算出された地平変換パラメータを用いて、恒星姿勢算出部により算出された赤道座標上の恒星姿勢情報を、地平座標上の恒星姿勢情報に変換する。撮像装置座標変換部は、撮像装置姿勢変換パラメータ算出部により算出された撮像装置姿勢換パラメータを用いて、地平座標変換部により変換された地平座標上の恒星姿勢情報を、撮像装置座標上の恒星姿勢情報に変換する。投影座標変換部は、撮像装置の光学系の投影変換パラメータを用いて、撮像装置座標変換部により変換された撮像装置座標上の恒星姿勢情報を、撮像面上での撮像投影位置情報に変換する。また、システムコントローラ106の他の一部は、移動軌跡算出部により算出された移動軌跡に基づいて並進回転機構部による並進及び回転を制御する並進回転制御部の一例である。
次に、本実施形態に係るカメラ100の動作について説明する。
ここでは、その動作の一例として、星野写真を撮影するための天体撮影動作について説明する。なお、この天体撮影動作では、カメラ100が、図示しない架台付きの三脚により保持されているとする。架台は、カメラ100を所定の位置や向きに固定するための装置である。三脚は、架台を支えることでカメラ100を撮影場所に固定するためのものである。但し、撮影場所に固定し撮影方向を調整、保持できるような機構を備えていれば、架台付きの三脚以外のものにカメラ100が保持されてもよい。
図3は、カメラ100の天体撮影動作を示すフローチャートの一例である。
図3に示したように、カメラ100の電源が投入され、天体撮影動作が開始すると、まず、システムコントローラ106は、駆動部105の初期化を行う(S110)。より詳しくは、駆動部105の回転ステージ1051、Y軸ステージ1052、及びX軸ステージ1053を初期位置に移動する。これにより、撮像素子104が初期位置に移動する。
続いて、システムコントローラ106は、天体撮影関連情報の取得を行う(S120)。より詳しくは、時計回路113からの計数データを基に現在日時情報を取得し、GPSセンサ108dからの検出データを基に現在位置情報を取得し、地磁気センサ108cからの検出データを基に方位角情報を取得し、加速度センサ108bからの検出データを基に高度角情報及び回転角情報(傾き情報)を取得する。なお、現在日時情報は、撮影日時情報(撮像日時情報)でもある。また、現在位置情報は、撮影位置情報(撮像位置情報)でもある。また、方位角情報、高度角情報、及び回転角情報は、カメラ100の姿勢を示すカメラ姿勢情報でもある。
続いて、システムコントローラ106は、モニター表示を行う(S130)。より詳しくは、光学系101により結像された被写体像を撮像素子104により撮像し、得られた画像をEVF111に表示する。なお、このときに、S120で取得された天体撮影関連情報を重畳表示するようにしてもよい。
続いて、システムコントローラ106は、レリーズSW110又はEVF111を介して、ユーザからの撮影開始指示を受け付けたか否かを判定し(S140)、その判定結果がNoの場合には、処理がS120へ戻る。
なお、S110の処理が行われてS120及びS130の処理が繰り返し行われている状態は、天体撮影動作におけるアイドル状態である。このアイドル状態において、ユーザは、EVF111に表示されている画像を確認しながら、架台等を操作して被写体とする天体を画像内に捉える。そして、ユーザは、EVF111に表示されるターゲットとする恒星を含む画像が所望のフレーミングとなるように、変倍操作部109の図示しないズームリングを操作する。このときに、広角側で撮影を行う場合には、EVF111に表示される画像内のターゲットとする恒星が小さくなり確認し難い状況となるため、ユーザは、EVF111の表示画像拡大機能を利用してターゲットとする恒星を大きく表示させてフレーミング及び焦点合わせを行う。なお、EVF111に表示される画像上には、ターゲットとする恒星とカメラ100との方向関係が分かり易いように、光学中心軸となる画像中心位置を示す十字型のカーソル又はそれに準ずるマークが重畳表示される。フレーミングが行われると、システムコントローラ106では、エンコーダ102からの検出データを基に光学系101の焦点距離情報が取得される。なお、この光学系101の焦点距離情報も天体撮影関連情報である。このようにしてターゲットとする恒星のフレーミング及び焦点合わせが終了すると、ユーザは、レリーズSW110又はEVF111を介して撮影開始指示を行う。これにより、S140の判定結果がYesになって、S150以降の動作(追尾撮影動作)が開始する。
S140の判定結果がYesの場合、続いて、システムコントローラ106は、詳しくは図4を用いて説明するように、撮影開始時の恒星姿勢フレーム(初期恒星姿勢フレーム、赤道座標上の恒星姿勢フレーム)を算出する処理を行う(S150)。なお、フレームとは、例えば3次元機構学の分野で用いられる用語であって、右手直行座標系における3つの単位ベクトルの組のことである。
図4は、初期恒星姿勢フレーム算出処理(S150)の詳細を示すフローチャートの一例である。
図4に示したように、この初期恒星姿勢フレーム算出処理が開始すると、まず、システムコントローラ106は、追尾撮影動作の初期化を行う(S151)。より詳しくは、シャッター103を閉口状態にして撮像素子104の撮像面を遮光状態にすると共に撮像素子104の電荷を排出する静止画撮影準備処理等を行う。
続いて、システムコントローラ106は、S120で最後に取得された現在日時情報、現在位置情報、及びカメラ姿勢情報である方位角情報と高度角情報から、カメラ100の光軸が指し示す赤道座標上の位置を算出し(S152)、更に、その位置を赤道座標上の恒星姿勢フレームに変換する(S153)。なお、このときに、カメラ100の光軸が指し示す赤道座標上の位置に恒星が存在する必要はない。S152及びS153での算出及び変換の方法の詳細については、後述する。
S153が終了すると、処理が図3に示したフローチャートに戻り、続いて、システムコントローラ106は、S120で最後に取得されたカメラ姿勢情報である方位角情報、高度角情報、及び回転角情報に基づいて、地平座標をカメラ座標に変換するためのカメラ姿勢変換パラメータを算出する(S160)。なお、S160での算出の方法の詳細については、後述する。
続いて、システムコントローラ106は、撮影開始処理を行う(S170)。より詳しくは、システムコントローラ106は、シャッター103を開口状態にして撮像素子104の撮像面を露出状態にし、撮像素子104による撮像を開始する。
続いて、システムコントローラ106は、予めユーザにより設定されている露光時間(t_exp)及び追尾補正間隔時間(t_step)と、時計回路113からの計数データを基に取得した現在時刻(t_now)とから、下記式(7)、(8)を用いて、追尾補正時刻(t_mov)と、露光終了時刻(t_end)を算出する(S180)。
t_mov=t_now+t_step (7)
t_end=t_now+t_exp (8)
続いて、システムコントローラ106は、露光終了時刻(t_end)が追尾補正時刻(t_mov)よりも後の時刻か否か(t_end>t_movか否か)を判定する(S190)。ここで、その判定結果がNoの場合には、後述のS280へ進む。
一方、S190の判定結果がYesの場合、続いて、システムコントローラ106は、レリーズSW110又はEVF111を介して、ユーザからの撮影終了指示を受け付けたか否かを判定する(S200)。ここで、その判定結果がYesの場合には、後述のS280へ進む。
一方、S200の判定結果がNoの場合、続いて、システムコントローラ106は、時計回路113からの計数データを基に取得した現在時刻(t_now)が、追尾補正時刻(t_mov)よりも後の時刻か否か(t_now>t_movか否か)を判定する(S210)。ここで、その判定結果がNoの場合には、処理がS200へ戻る。
一方、S210の判定結果がYesの場合、続いて、システムコントローラ106は、予めユーザにより設定されている追尾補正間隔時間(t_step)と、時計回路113からの計数データを基に取得した現在時刻(t_now)とから、上記式(7)を用いて、次回の追尾補正時刻(t_mov)を算出する(S220)。
続いて、システムコントローラ106は、詳しくは図5を用いて説明するように、恒星姿勢フレームを変換する処理を行う(S230)。
図5は、恒星姿勢フレーム変換処理(S230)の詳細を示すフローチャートの一例である。
図5に示したように、この恒星姿勢フレーム変換処理が開始すると、まず、システムコントローラ106は、時計回路113からの計数データを基に取得した現在日時情報と、S120で最後に取得された現在位置情報とから、時角を算出する(S231)。なお、この時角は、赤道座標を地平座標に変換するための地平変換パラメータでもある。S231での算出の方法の詳細については、後述する。
続いて、システムコントローラ106は、S231で算出された地平変換パラメータ(時角)を用いて、S153で変換された赤道座標上の恒星姿勢フレームを、地平座標上の恒星姿勢フレームに変換する(S232)。なお、S232での変換の方法の詳細については、後述する。
続いて、システムコントローラ106は、S160で算出されたカメラ姿勢変換パラメータを用いて、S232で変換された地平座標上の恒星姿勢フレームを、カメラ座標上の恒星姿勢フレームに変換する(S233)。なお、S233での変換の方法の詳細については、後述する。
続いて、システムコントローラ106は、投影変換パラメータを用いて、S233で変換されたカメラ座標上の恒星姿勢フレームを、撮像面上での撮像投影位置情報に変換し、その撮像投影位置情報から、撮像面上の位置及び天体の回転角を算出する(S234)。なお、投影変換パラメータは、天体撮影動作におけるアイドル状態のときに最後に取得された光学系101の焦点距離情報である。S234での変換及び算出の方法の詳細については、後述する。
S234が終了すると、処理が図3に示したフローチャートに戻り、続いて、システムコントローラ106は、撮像面上での撮像素子104の初期位置と、S234で算出された撮像面上の位置及び天体の回転角とから、その両者の差分である上下左右方向の並進変位量及び回転角の変位量を算出すると共に、その変位量が打ち消される方向に、その並進変位量及び回転角の変位量の分だけ撮像素子104を移動させるようにブレ補正マイコン107に指示信号を出力する(S240)。
続いて、その指示信号が入力されたブレ補正マイコン107は、その指示信号に応じた撮像素子104の移動が、駆動部105の駆動範囲内か否かを判定する(S250)。
ここで、その判定結果がNoの場合、ブレ補正マイコン107は、駆動部105の駆動を行わずに、システムコントローラ106にエラー通知を行い(S260)、処理が後述のS280へ進む。
一方、S250の判定結果がYesの場合、ブレ補正マイコン107は、システムコントローラ106からの指示信号に応じて、駆動部105を駆動するための駆動量を演算し、その駆動量に応じた駆動信号を駆動部105へ出力する(S270)。これにより、その駆動信号に応じた位置に撮像素子104が移動する。
S270の後は、処理がS190へ戻る。
一方、S190の判定結果がNoの場合、S200の判定結果がYesの場合、又は、S260の後は、続いて、システムコントローラ106は、撮影終了処理を行う(S280)。より詳しくは、システムコントローラ106は、シャッター103を閉口状態にして撮像素子104の撮像面を遮光状態にして露光を終了し、そして、撮像素子104に蓄積されている電荷を読み出し、保存する形式に変換して、画像データとしてメモリカード112に記録する。なお、このときに、画像データと共に記録される、その画像データのタグ情報に天体撮影関連情報を含めるようにしてもよい。
S280が終了すると、天体撮影動作が終了する。
このような天体撮影動作により、追尾撮影動作中には、日周運動により生じる恒星の並進移動及び回転移動を打ち消す方向に撮像素子104が並進移動及び回転移動するようになるので、恒星が点像となる星野写真の撮影が可能になる。
図6は、図3乃至図5を用いて説明した天体撮影動作において行われる処理の一部(日周運動による恒星の移動軌跡を算出する処理)のデータフロー図である。
なお、図6において、プロセスB1は、図3のS150に対応し、プロセスB2は、図5のS231に対応し、プロセスB3は、図3のS160に対応し、プロセスB4は、図5のS232に対応し、プロセスB5は、図5のS233に対応し、プロセスB6は、図5のS234に対応する。また、図6において、t=0は、追尾動作開始時の時刻に対応し、t=t+xは、追尾補正間隔時間毎の時刻に対応する。また、図6では、説明の便宜のため、パラメータをPRMと記す。
図6に示したように、プロセスB1では、撮影日時(現在日時)情報、撮影位置(現在位置)情報、及びカメラ姿勢情報から、カメラ100の光軸上の赤道座標上の恒星姿勢フレームが算出される。
プロセスB2では、撮影日時(現在日時)情報及び撮影位置(現在位置)情報から、赤道座標を地平座標に変換するための地平変換パラメータが算出される。
プロセスB3では、カメラ姿勢情報から、地平座標をカメラ座標に変換するためのカメラ姿勢変換パラメータが算出される。
プロセスB4では、プロセスB2で算出された地平変換パラメータを用いて、プロセスB1で算出された赤道座標上の恒星姿勢フレームが、地平座標上の恒星姿勢フレームに変換される。
プロセスB5では、プロセスB3で算出されたカメラ姿勢変換パラメータを用いて、プロセスB4で変換された地平座標上の恒星姿勢フレームが、カメラ座標上の恒星姿勢フレームに変換される。
プロセスB6では、投影変換パラメータ(画像変換パラメータ)を用いて、プロセスB5で変換されたカメラ座標上の恒星姿勢フレームが、撮像面上での撮像投影位置情報に変換される。
このようなプロセスB1乃至B6の各プロセスについて、更に詳細に説明する。
はじめに、使用される用語について、次のように定義しておく。
まず、プロセスB1乃至B6で使用される4つの座標系を、図7に示すと共に、次のように定義しておく。
一つ目の座標系は、恒星の基準となる赤道座標系{E}であり、地球の自転軸と子午線を基準とし、地球の経緯度を宇宙に拡張した座標系である。
二つ目の座標系は、観測者であるユーザが立っている地平位置の経緯度座標(経度λ、緯度φ)で表され、重力軸と方位軸を基準軸とした地平座標系{H}である。
三つ目の座標系は、カメラ100の姿勢(方位A、高度H、傾きr)を基準としたカメラ座標系{C}である。高度hは、仰角ともいう。また、傾きrは、カメラ光軸回りの回転角である。基準位置は、地平座標の北に向いた水平垂直状態である。
四つ目の座標系は、ピンホールカメラモデルによるカメラの投影面を表す2次元座標面のUV座標系である。
なお、図7では、説明の便宜のため、カメラ座標系{C}のXc軸及びYc軸を含む2次元座標面の座標系をUV座標系として示している。また、図7では、説明の便宜のため、赤道座標系{E}、地平座標系{H}、及びカメラ座標系{C}の3つの3次元座標系が離れて示されているが、実際には、その各座標系の中心位置座標が一致する。
続いて、座標系関連の表記規則を次のように定義しておく。
atan2(y,x) :指定されたx座標とy座標のアークタンジェント (逆正接)を返す。角度は−π〜πの範囲内(−πを除く)のラジアンで示す。
また、右手直交座標系x、y、zを取り、その各々の単位ベクトルをi、j、kとしたとき、これら3主軸回りの回転を表す式は、下記式(9)のように表される。
続いて、パラメータを次のように定義しておく。
方位A :カメラの姿勢を表すパラメータであり、北を0°とし、東回りに東が90°、南が180°、西が270°となる。
高度h :カメラの姿勢を表すパラメータであり、水平状態を0°、光軸前方が天頂方向に向くと+90°、天底方向を向くと−90°となる。
傾きr :カメラの姿勢を表すパラメータであり、水平状態を0°、右側水平方向が天頂方向に向くと−90°、天底方向を向くと+90°となる。
経度λ、緯度φ :地球上の現在位置情報(地平座標系)を表す。
赤経α、赤緯δ :赤道座標上での恒星の極座標位置情報を表す。
これらの定義を踏まえ、プロセスB1乃至B6の各プロセスについて詳細に説明する。
天体撮影動作において、ユーザがフレーミングや焦点合わせ等を行い撮影条件が決まれば、カメラ姿勢は固定となる。このときのカメラ位置や姿勢などを初期天体撮影関連情報とすると、ターゲットとなる恒星の赤道座標位置は、初期天体撮影関連情報により、一意に決定される。時間と共に変動するのは、地球の自転により移動して見える恒星座標位置の方向と回転のみである。このような日周運動による恒星の移動軌跡の算出は、プロセスB1乃至B6によって実現される。
プロセスB1では、撮影開始時(露光開始時)の初期化処理として、初期恒星姿勢フレーム算出処理を行う。より詳しくは、カメラ姿勢情報(方位A、高度h)、現在日時情報、及び観測点の座標(現在位置)情報(経度λ、緯度φ)から、赤道座標系{E}での恒星座標位置(赤経α、赤緯δ)を求め(プロセスB1−1)、更に、この極座標系で表現された位置情報を、赤道座標系{E}での方向ベクトルの組み合わせで表した恒星姿勢フレームに変換する(プロセスB1−2)。
より具体的には、カメラ姿勢から赤道恒星極座標の算出が行われるプロセスB1−1が、次のようにして行われる。
カメラ姿勢方向ベクトル
を、赤道座標での恒星方向ベクトル
として、下記式(10)により求める。
上記式(10)の右辺の第3項は、下記式(11)により表される。
また、上記式(10)の右辺の第2項・第3項及び上記式(10)の右辺は、主軸回りの回転公式より、下記式(12)及び(13)のように展開される。
これより、赤経α、赤緯δは、下記式(14)により求めることができる。
また、赤道座標位置から恒星姿勢フレームの算出、すなわち、赤道座標位置(赤経α、赤緯δ)の極座標から赤道座標系{E}での恒星姿勢フレームへの変換が行われるプロセスB1−2が、次のようにして行われる。
極座標表現の赤道座標位置は、球面上の点座標を方向ベクトルで表したものであるので、時間と共に方位と高度が変化しても、その天空での回転情報は求められない。そこで、この球面座標上の点を右手直交座標系による3つの単位ベクトルの組みで表した恒星姿勢フレームとして拡張定義する。その座標系の関係を図8に示す。
図8に示したように、赤道座標の原点Oから、春分点方向及び天の北極方向にそれぞれXe軸とZe軸をとる直交座標系を考える。その基底ベクトルIを
とする。次に、赤経、赤緯を座標とする球面座標系を考える。天体(恒星)Sの方向ベクトル
の、天球上で天体Sから北及び東に向いた赤緯、赤経方向の単位ベクトルをそれぞれ
とする。赤道極座標から直交座標への変換は、下記変換式(15)により与えられる。
これにより、赤道座標上における恒星姿勢の直交座標フレーム
が求められる。
プロセスB3では、カメラ姿勢変換パラメータの算出を行う。より詳しくは、地平座標系{H}において、カメラ100の光軸方向が、恒星方向の姿勢(方位A、高度h、傾きr)と一致するような回転行列を算出する。この回転行列は、地平座標系{H}の基準位置から、カメラ座標系{C}の光軸方向ベクトルを恒星方向に向ける回転姿勢となり、地平座標系{H}からカメラ座標系{C}に変換するためのカメラ姿勢変換パラメータとなる。
より具体的には、そのカメラ姿勢変換パラメータの算出が、次のようにして行われる。
カメラ100は、恒星方向の天体にフレーミングされているので、この時(撮影開始時、初期化時)のカメラ姿勢(方位A、高度h、傾きr)から、カメラ姿勢変換パラメータ
を算出しておく。カメラ姿勢変換パラメータは、地平座標系{H}のベクトルを、カメラ座標系{C}のベクトルに変換するためのパラメータである。撮影中はカメラ100が固定されているので、初期化時に一度算出しておくことで、固定パラメータとして利用することができる。地平座標系{H}と、カメラ座標系{C}と、カメラ画像面(カメラ撮像面)の初期位置の関係を図9に示す。
図9に示したように、撮影開始時(初期化時)のカメラ姿勢が地平座標に対してXh軸にR(Roll)回転、Yh軸に対してP(Pitch)回転、Zh軸に対してY(Yaw)回転で与えられるならば、下記式(16)により回転姿勢行列
を求め、その回転姿勢行列から回転姿勢パラメータ
に変換することができる。
である。
図9に示したように、カメラ初期位置座標と地平座標系の座標軸の関係から、座標軸との回転量の関係は、
となる。
プロセスB2では、地平変換パラメータ(時角)の算出を行う。より詳しくは、赤道座標系{E}での恒星姿勢フレームを地平座標系{H}から見た恒星姿勢フレームに変換するための地平変換パラメータを、撮影位置情報と、撮影開始時刻(初期化時刻)からの所定時間(x秒)経過後の地方恒星時θと、を用いて求める。
より具体的には、次のような手順により求められる。まず、現在時刻(撮影開始時刻から所定時間経過後の時刻)から、下記式(17)、(18)を用いて、準ユリウス日(MJD)を求める。但し、グレゴリオ暦法による西暦年をY、月をM、日をDとする。1月のMを13、2月のMを14、YはどちらもY−1とする。
JD=[365.25Y]+[Y/400]-[Y/100]+[30.59(M-2)]+D+1721088.5 (17)
MJD=JD-2400000.5 (18)
ここで、上記式(17)の[ ]という表記は、小数点以下を切り捨てて、整数部分のみを残すことを意味する。
続いて、準ユリウス日(MJD)から、グリニッジ恒星時θG を求める。これは、特に精密な計算を行わない限り、下記式(19)を用いて、求めることができる。
θG=24・[0.67239+1.00273781(MJD-40000.0)] (19)
なお、上記式(19)は、2000.0分点に準拠する。また、上記式(19)の[ ]という表記は、小数点以下のみを残すことを意味する。
続いて、グリニッジ恒星時θG と撮影位置(観測位置)の経度λから、下記式(20)を用いて、地方恒星時θを求める。なお、地方恒星時θは、経度λにおいて南中している恒星の赤経αである。
θ=θG-λ (20)
地方恒星時θは、グリニッジの子午線からの離角15°毎に世界時に1時間を加減することによって与えられる。経度λの符号は、西経をプラス、東経をマイナスとする。
続いて、地方恒星時θと赤経αから、下記式(21)を用いて、時角Hを求める。
H=θ-α (21)
プロセスB4では、地平座標上の恒星姿勢フレームへの変換を行う。より詳しくは、プロセスB2で算出された地平変換パラメータを用いて、プロセスB1で算出された赤道座標上の恒星姿勢フレーム(初期化時に求めた恒星姿勢フレーム)を、現在時刻での地平座標系{H}から見た恒星姿勢フレームに変換する。
より具体的には、その変換が次のようにして行われる。
図10は、赤道座標系から地平座標系への変換を説明する図である。
図10に示したように、赤道座標上の恒星姿勢フレーム
を、Ze軸回りに地方恒星時θに相当する角度で回転させ(Xe→x´)、更にYe軸回りに緯度φの角度で回転させる(x´→Xh)演算を行うことで、現在の地平座標(経度λ、緯度φ)から見た恒星姿勢のフレーム
が求められる。これは、下記式(17)、(18)により求められる。
プロセスB5では、カメラ座標系から見た恒星姿勢フレームへの変換を行う。より詳しくは、初期化時にプロセスB3で算出されたカメラ姿勢変換パラメータを用いて、地平座標系{H}から見た恒星姿勢フレームを、カメラ座標系{C}から見た恒星姿勢フレームに変換する。このようにしてカメラ座標系{C}から見た恒星姿勢フレームを求めることで、初期カメラ位置からの回転姿勢フレームの変移量が求められる。
より具体的には、これらが下記式(19)、(20)を用いて行われる。
プロセスB6では、撮像面上での撮像投影位置情報への変換を行う。より詳しくは、光学系101の焦点距離情報等のUV座標系への投影変換パラメータ(画像変換パラメータ)を用いて、カメラ座標系{C}から見た恒星姿勢フレームを、投影位置座標である並進移動位置と、天体の回転角度位置を求める。
より具体的には、それが次のようにして行われる。
カメラ座標系{C}から見た恒星姿勢フレームを、
とおくと、恒星位置の撮像面上での座標位置(u,v)は、
となる。
ここで、
は、ピンホールカメラモデルにおけるカメラ撮像面のU、V方向のそれぞれの像倍率で、光学系101の焦点距離により換算される。通常の光学系では、
のどちらも同じ値である。また
は、カメラ画像上の光学中心座標位置を示すパラメータである。なお、ピンホールカメラモデルにおけるカメラ座標系とカメラ撮像面の関係は、図9に示したとおりである。
また、天体の回転角度は、
となり、赤経、赤緯方向の角度が求められ、どちらからでも天体の回転角度の計算が可能である。
このようにして撮像面上での恒星位置情報(並進移動位置)と天体の角度(回転角度位置)が求められると、初期位置からの変位量(日周運動による恒星の移動軌跡)を求めることができる。なお、初期位置の恒星姿勢フレームは、カメラ100の光軸(Zc軸)に恒星方向ベクトルが一致したベクトルなので、初期位置の並進移動位置は、投影座標面の中心位置となる((u0,v0)=(0,0))。従って、この中心位置からの変位量として求めることができる。そして、求められた変位量に基づいて駆動部105の駆動が制御され、撮像素子104が移動する。以降は、このような処理が、露光終了時刻になるまで、プロセスB1及びB3を除いて、一定時間(x)毎に繰り返し行われる。
以上、本実施形態に係るカメラ100によれば、恒星の絶対方位姿勢を求めるようにしたので、撮影地点や撮影方向によって演算に特異点が生じる等といった制限はなく、全天球方向を自由に撮影することができる。また、単位時間毎の移動変位量の積算を行わないことから、撮像面上の位置及び天体の回転角に誤差が生じることはなく、正確な位置を求めることができる。また、カメラ座標系における恒星の絶対位置として投影面上の座標位置を求めることができるので、常に初期化位置からの変位量を求めることができる。また、カメラ100を水平状態に保って設置させる必要もなく、カメラを自由に設置できる撮影環境を提供することができる。
なお、本実施形態に係るカメラ100では、各種の変形が可能である。
例えば、本実施形態では、恒星の位置(方位と高度)を示す方向ベクトルと天体の回転方向を示す方向ベクトルとを行列データとして定義し、行列演算で赤道座標系からカメラ座標系までの回転行列演算を行った。これを例えば、恒星の位置を示す方向ベクトルと天体の回転方向を示す方向ベクトルとをそれぞれ単独のベクトルによる回転演算で処理するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、プロセスB1により算出される赤道座標上の恒星姿勢情報を、恒星の方向を示す方向ベクトルと、恒星の赤経又は赤緯方向の少なくとも一つを示す方向ベクトルと、による恒星姿勢フレームとし、プロセスB6により変換された撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量及び回転量を算出した。これを例えば、プロセスB1により算出される赤道座標上の恒星姿勢情報を恒星の方向を示す方向ベクトルとして、プロセスB6により変換された撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量を算出すると共に、プロセスB1により算出される赤道座標上の恒星姿勢情報を恒星の赤経又は赤緯方向を示す方向ベクトルとして、プロセスB6により変換された撮像投影位置情報から投影座標上の回転量を算出する、ようにしてもよい。
また、例えば、本実施形態において、システムコントローラ106によって行われる処理の一部は、通信部114を介して、無線通信機能を備えた外部装置(例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット等の端末装置)により行われるようにしてもよい。この場合、システムコントローラ106は、例えば、天体撮影関連情報を外部装置へ送信し、外部装置側で図6に示したプロセスB1乃至B6を実行させ、その実行結果(演算結果)を外部装置から受信する。そして、その実行結果に基づいてブレ補正マイコン107に指示信号を送信し、駆動部105の駆動制御を行うようにしてもよい。
また、例えば、本実施形態において、システムコントローラ106によって行われる処理の一部は、通信部114を介して、無線通信機能を備えた複数の外部装置により分担されて行われるようにしてもよい。
また、例えば、本実施形態において、無線通信機能を備えた外部装置が、加速度センサ、地磁気センサ、及びGPSセンサ等の各種センサを搭載しており、システムコントローラ106が、その各種センサからの検出データを外部装置から受信することで天体撮影関連情報を取得するようにしてもよい。または、そのような外部装置が、その各種センサからの検出データを基に天体撮影関連情報を取得すると共に、その天体撮影関連情報を基に図6に示したプロセスB1乃至B6を実行し、その実行結果(演算結果)を、通信部114を介してシステムコントローラ106へ送信するようにしてもよい。但し、この場合には、カメラ100と外部装置とが剛体により固定され、両者の姿勢関係が既知である必要がある。
また、例えば、本実施形態において、無線通信機能を備えた外部装置がインターネットに接続されている場合に、インターネットから外部装置及び通信部114を介して得られたデータを基に、システムコントローラ106が、GPSセンサ108dの検出データに基づく現在位置情報、時計回路113の計数データに基づく現在日時情報、及び地磁気センサ108cの検出データに基づく方位角情報を補正し、その精度を向上させるようにしてもよい。
また、例えば、本実施形態において、通信部114は、USB(Universal Serial Bus)通信やRS232C通信等、有線通信を行うものであってもよい。
また、本実施形態では、駆動部105により撮像素子104を並進及び回転させることにより、撮像素子の撮像面に結像される被写体像に対して撮像素子を相対的に並進及び回転させる構成であった。これを例えば、光学系101を移動させることで撮像素子104の撮像面に結像される被写体像を並進させる光学系駆動部をカメラ100が更に備えて、その光学系駆動部により、撮像素子104の撮像面に結像される被写体像を並進させると共に、駆動部105により、撮像素子104を回転させることにより、撮像素子の撮像面に結像される被写体像に対して撮像素子を相対的に並進及び回転させる構成としてもよい。
以上、上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために本発明の具体例を示したものであり、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
100 カメラ
101 光学系
102 エンコーダ
103 シャッター
104 撮像素子
105 駆動部
106 システムコントローラ
107 ブレ補正マイコン
108a 角速度センサ
108b 加速度センサ
108c 地磁気センサ
108d GPSセンサ
109 変倍操作部
110 レリーズSW
111 EVF
112 メモリカード
113 時計回路
114 通信部
1051 回転ステージ
1051a θ軸駆動部
1052 Y軸ステージ
1052a Y軸駆動部
1053 X軸ステージ
1053a X軸駆動部

Claims (10)

  1. 撮像素子の撮像面に結像される被写体像に対して前記撮像素子を相対的に並進及び回転させる並進回転機構部と、
    日周運動による恒星の移動軌跡を算出する移動軌跡算出部と、
    前記移動軌跡算出部により算出された移動軌跡に基づいて、前記並進回転機構部による前記並進及び回転を制御する並進回転制御部と、
    を備え、
    前記移動軌跡算出部は、
    当該撮像装置の姿勢情報、当該撮像装置の位置情報、及び撮像日時情報から、当該撮像装置の光軸上の赤道座標上の恒星姿勢情報を算出する恒星姿勢算出部と、
    当該撮像装置の位置情報及び撮像日時情報から、赤道座標を地平座標に変換するための地平変換パラメータを算出する地平変換パラメータ算出部と、
    当該撮像装置の姿勢情報から、前記地平座標を撮像装置座標に変換するための撮像装置姿勢変換パラメータを算出する撮像装置姿勢変換パラメータ算出部と、
    前記地平変換パラメータ算出部により算出された地平変換パラメータを用いて、前記恒星姿勢算出部により算出された赤道座標上の恒星姿勢情報を、地平座標上の恒星姿勢情報に変換する地平座標変換部と、
    前記撮像装置姿勢変換パラメータ算出部により算出された撮像装置姿勢換パラメータを用いて、前記地平座標変換部により変換された地平座標上の恒星姿勢情報を、撮像装置座標上の恒星姿勢情報に変換する撮像装置座標変換部と、
    当該撮像装置の光学系の投影変換パラメータを用いて、前記撮像装置座標変換部により変換された撮像装置座標上の恒星姿勢情報を、前記撮像面上での撮像投影位置情報に変換する投影座標変換部と、
    を含む、
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記移動軌跡算出部は、撮像開始時に取得した前記撮像投影位置情報と、前記撮像開始時から所定時間経過後に取得した前記撮像投影位置情報とを比較し、前記所定時間経過後の撮像投影位置変位量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記移動軌跡算出部は、前記恒星姿勢算出部により算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換部により変換された撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量を算出する、
    ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
  4. 前記移動軌跡算出部は、前記恒星姿勢算出部により算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の赤経又は赤緯方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換部により変換された撮像投影位置情報から投影座標上の回転量を算出する、
    ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
  5. 前記移動軌跡算出部は、前記恒星姿勢算出部により算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を、前記恒星の方向を示す方向ベクトルと、前記恒星の赤経又は赤緯方向の少なくとも一つを示す方向ベクトルと、による恒星姿勢フレームとし、前記投影座標変換部により変換された前記撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量及び回転量を算出する、
    ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
  6. 撮像素子の撮像面に結像される被写体像に対して前記撮像素子を相対的に並進及び回転させる並進回転機構部を含む撮像装置の撮像方法であって、
    日周運動による恒星の移動軌跡を算出する移動軌跡算出ステップと、
    前記移動軌跡算出ステップにより算出された移動軌跡に基づいて、前記並進回転機構部による前記並進及び回転を制御する並進回転制御ステップと、
    を備え、
    前記移動軌跡算出ステップは、
    前記撮像装置の姿勢情報、前記撮像装置の位置情報、及び撮像日時情報から、前記撮像装置の光軸上の赤道座標上の恒星姿勢情報を算出する恒星姿勢算出ステップと、
    前記撮像装置の位置情報及び撮像日時情報から、赤道座標を地平座標に変換するための地平変換パラメータを算出する地平変換パラメータ算出ステップと、
    前記撮像装置の姿勢情報から、前記地平座標を撮像装置座標に変換するための撮像装置姿勢変換パラメータを算出する撮像装置姿勢変換パラメータ算出ステップと、
    前記地平変換パラメータ算出ステップにより算出された地平変換パラメータを用いて、前記恒星姿勢算出ステップにより算出された赤道座標上の恒星姿勢情報を、地平座標上の恒星姿勢情報に変換する地平座標変換ステップと、
    前記撮像装置姿勢変換パラメータ算出ステップにより算出された撮像装置姿勢換パラメータを用いて、前記地平座標変換ステップにより変換された地平座標上の恒星姿勢情報を、撮像装置座標上の恒星姿勢情報に変換する撮像装置座標変換ステップと、
    前記撮像装置の光学系の投影変換パラメータを用いて、前記撮像装置座標変換ステップにより変換された撮像装置座標上の恒星姿勢情報を、前記撮像面上での撮像投影位置情報に変換する投影座標変換ステップと、
    を含む、
    ことを特徴とする撮像方法。
  7. 前記移動軌跡算出ステップは、撮像開始時に取得した前記撮像投影位置情報と、前記撮像開始時から所定時間経過後に取得した前記撮像投影位置情報とを比較し、前記所定時間経過後の撮像投影位置変位量を算出する、
    ことを特徴とする請求項6記載の撮像方法。
  8. 前記移動軌跡算出ステップは、前記恒星姿勢算出ステップにより算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換ステップにより変換された撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量を算出する、
    ことを特徴とする請求項7記載の撮像方法。
  9. 前記移動軌跡算出ステップは、前記恒星姿勢算出ステップにより算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を前記恒星の赤経又は赤緯方向を示す方向ベクトルとし、前記投影座標変換ステップにより変換された撮像投影位置情報から投影座標上の回転量を算出する、
    ことを特徴とする請求項7記載の撮像方法。
  10. 前記移動軌跡算出ステップは、前記恒星姿勢算出ステップにより算出される前記赤道座標上の恒星姿勢情報を、前記恒星の方向を示す方向ベクトルと、前記恒星の赤経又は赤緯方向の少なくとも一つを示す方向ベクトルと、による恒星姿勢フレームとし、前記投影座標変換ステップにより変換された前記撮像投影位置情報から投影座標上の並進移動量及び回転量を算出する、
    ことを特徴とする請求項7記載の撮像方法。
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