JP2013003524A - 像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器 - Google Patents

像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2013003524A
JP2013003524A JP2011137505A JP2011137505A JP2013003524A JP 2013003524 A JP2013003524 A JP 2013003524A JP 2011137505 A JP2011137505 A JP 2011137505A JP 2011137505 A JP2011137505 A JP 2011137505A JP 2013003524 A JP2013003524 A JP 2013003524A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
image blur
optical axis
blur correction
magnetic flux
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011137505A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiko Sugiyama
友彦 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2011137505A priority Critical patent/JP2013003524A/ja
Publication of JP2013003524A publication Critical patent/JP2013003524A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

【課題】像振れ補正を高精度に実施するのに有利となる像振れ補正装置を提供する。
【解決手段】この像振れ補正装置は、ベース部材20に対し、像振れ補正レンズL3を保持するシフト部材21を光軸に直交する面内でシフト移動させて像振れを補正する。像振れ補正装置は、シフト部材21またはベース部材20のうち、一方がマグネット25pを保持し、他方がコイル27pを保持して、コイル27pへの通電によりシフト部材21をシフト移動させるアクチュエータと、マグネット25pの磁束密度を検知し、シフト部材21の位置を検出する制御回路に対して磁束密度を示す信号を出力する磁気抵抗素子29pとを有する。ここで、磁気抵抗素子29pは、マグネット25pによる磁束の検出方向がシフト部材21のストローク方向と同一で、かつ、マグネット25pの着磁境界から光軸方向にずれた位置に配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器に関する。
従来、デジタルカメラなどの光学機器において、撮影時の手振れなどにより生じやすい像振れを防止するための像振れ補正装置が存在する。この像振れ補正装置は、例えば、光学機器に備わるレンズ鏡筒において、像振れ状況を検出手段により検出し、その検出結果に基づいて像振れ補正用レンズを光軸に対して直交する面内でシフト移動させる構成を有するのが一般的である。この場合、光軸直交面において主振れを吸収する方向に補正レンズを移動させて、像振れによる結像位置のずれを補正することで、像振れが解消される。
この像振れ補正装置では、シフト移動した補正レンズの位置を検出する手段として、マグネットと磁気検出素子、または発光素子と受光素子などの組み合わせによる構成を採用するのが一般的である。このような位置検出素子は、光学機器の使用姿勢において、補正レンズが光軸に垂直な平面内での水平方向であるヨー方向、または鉛直方向であるピッチ方向の一方向の動きを想定した構成を有する。例えば、特許文献1は、磁気検出素子としてホール素子を用い、マグネットが駆動用と位置検出用との用途を兼ね備えた像振れ補正装置を開示している。この像振れ補正装置では、固定側のベース部材にマグネットを、かつ、可動側のシフト部材にヨークとコイルとを配置するシフトユニットを採用している。ここで、ホール素子は、コイルと対向するマグネット面に向かう方向に配置されており、マグネットに向かう光軸方向に磁束密度の検出感度を持つ。このホール素子を位置検出素子として用いる場合は、シフト移動枠と一体となったマグネットベースが駆動方向に変位した際の磁束密度の変化を検知することで、補正レンズの位置を検出することができる。
特開2009−222899号公報
ここで、特許文献1に示すような像振れ補正装置にて、像振れ補正をさらに高精度に実施するためには、補正レンズのシフト移動量を増加させる、すなわちロングストローク化を実現することが効果的である。しかしながら、位置検出素子としてホール素子を用いる場合には、補正レンズのロングストローク時に、出力特性の直線性、いわゆるリニアリティが満たされなくなるため、正確な位置検出を行うことが難しい。一方、例えば発光素子と受光素子とを組み合わせた位置検出素子は、補正レンズのロングストローク化のみに着目すれば好適であるが、コストが高く、配置スペースを大きく要する。したがって、この組み合わせによる位置検出素子は、業務用の光学機器に採用されているのが一般的で、特許文献1に示すような民生機用には不向きである。
これに対して、位置検出素子として、検出ストロークが長く、かつコストがホール素子と同等の磁気検出素子である磁気抵抗素子が存在する。しかしながら、特許文献1に示すような像振れ補正装置の構成において、ホール素子に換えてそのまま磁気抵抗素子を採用することには難点がある。例えば、磁気抵抗素子は、ホール素子の約1000倍の感度を持つため、像振れ補正装置内にて位置検出を成り立たせるためには、磁気抵抗素子をマグネット25p、25yから光軸方向に5倍程度大きく離間させた位置に配置しなければならない。したがって、磁気抵抗素子とコイルとが一体で動くことを考慮すると、マグネットとコイルとの間が光軸方向に離間することになり、補正レンズを駆動させるために必要となる推力が得られないことになる。さらに、ホール素子は、上述のとおりマグネットに向かう光軸方向に磁束密度の検出感度を持ち、光軸に直交する方向の磁束密度に対して、ほとんど検出感度を持たない。これに対して、磁気抵抗素子は、光軸に直交する方向に磁束密度の検出感度を持ち、光軸方向の磁束密度に対して、ほとんど検出感度を持たない。したがって、単にホール素子に換えて磁気抵抗素子を用いると、磁束密度の検出感度を有する方向と、補正レンズのシフト方向(ストローク方向)とが同一となり、適切に磁束密度を検出することが難しい。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、像振れ補正を高精度に実施するのに有利となる像振れ補正装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ベース部材に対し、像振れ補正レンズを保持するシフト部材を光軸に直交する面内でシフト移動させて像振れを補正する像振れ補正装置であって、シフト部材またはベース部材のうち、一方がマグネットを保持し、他方がコイルを保持して、コイルへの通電によりシフト部材をシフト移動させるアクチュエータと、マグネットの磁束密度を検知し、シフト部材の位置を検出する制御回路に対して磁束密度を示す信号を出力する磁気抵抗素子と、を有し、磁気抵抗素子は、マグネットによる磁束の検出方向がシフト部材のストローク方向と同一で、かつ、マグネットの着磁境界から光軸方向にずれた位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、像振れ補正を高精度に実施するのに有利となる像振れ補正装置を提供することができる。
レンズ鏡筒の構成を示す断面図である。 本実施形態に係るシフトユニットの各構成部品を示す分解斜視図である。 アクチュエータの構成を説明する概略図である。 ホール素子と磁気抵抗素子との特性比較表である。 シフトユニット内の磁束回路の概念図である。 強磁性体を配置しない場合の磁場解析結果を示すグラフである。 強磁性体を配置した場合の磁場解析結果を示すグラフである。 像振れ補正装置を含む光学機器の電気回路構成を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面等を参照して説明する。
まず、本発明の実施形態に係る像振れ補正装置の説明に際して、一例として像振れ補正装置が設置されるレンズ鏡筒の構成について説明する。なお、このレンズ鏡筒は、デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置(光学機器)に採用されるものとする。また、以下の各図において、レンズ鏡筒の光軸方向において被写体に対する方向にZ軸を取り、該Z軸に対する垂直平面において、鉛直方向(ピッチ方向)にY軸を取り、水平方向(ヨー方向)にX軸を取って説明する。図1は、レンズ鏡筒1の構成を示す概略断面図である。レンズ鏡筒1は、略円筒の形状を有する第1ホルダ2および第2ホルダ3と、CCDホルダ4とを備える。さらに、レンズ鏡筒1は、その内部に、第1群レンズL1と、第2群レンズL2と、第3群レンズL3と、第4群レンズL4との凸凹凸凸の光学素子群で構成される光学系(変倍光学系)と、撮像素子5とを備える。
第1ホルダ2は、レンズ鏡筒1のZ軸方向の前部に位置する固定鏡筒であり、第1群レンズL1と、第2群レンズL2とを備える。第1群レンズL1は、レンズ鏡筒1の最外周面に位置し、内周部にビス止めされる第1固定枠6に保持された光学素子である。第2群レンズL2は、第1ホルダ2の内部の第1移動枠7に保持され、光軸方向に移動することで変倍動作を行う光学素子である。また、第1ホルダ2は、第1移動枠7を駆動させるための不図示のズームモータと、Z軸方向に延設された2種類のガイドバーとを備える。ズームモータは、回転するロータと同軸のリードスクリューを有し、第1移動枠7に取り付けられたラックと噛合ったリードスクリューをロータにより回転させることにより、第2群レンズL2が光軸方向に移動する。第1ガイドバー8は、第1移動枠7をZ軸方向で移動可能に支持し、一方、不図示の第2ガイドバーは、第1移動枠7と係合させることで第1移動枠7の第1ホルダ2内での円周方向の回転を規制する。さらに、第1ホルダ2は、不図示であるが、第1移動枠7に形成された遮光部の光軸方向への移動を光学的に検知することで、第2群レンズL2が基準位置にあることを検出するためのズームリセットスイッチとして利用するフォトインタラプタを備える。
第2ホルダ3は、第1ホルダ2にビス止めにて接続され、レンズ鏡筒1の後部に位置する固定鏡筒であり、第3群レンズL3と、第4群レンズL4と、絞り装置9とを備える。第3群レンズL3は、第2ホルダ3の内部に設置された像振れ補正装置の駆動部としてのシフトユニット10に保持され、光軸に直交する面内で移動することで像振れ補正を実施する光学素子である。第4群レンズL4は、後述する撮像素子5の撮像面に対面しつつ、第2ホルダ3の内部の第2移動枠11に保持され、光軸方向に移動することで合焦動作を行う光学素子である。また、第2ホルダ3は、第2移動枠11を駆動させるためのボイスコイルモータ12と、Z軸方向に延設された2種類のガイドバーとを備える。ボイスコイルモータ12は、第2ホルダ3の内壁部に圧入固定されたヨークと、該ヨークの内側に設置されたマグネットと、第2移動枠11に固定され、ヨークに沿ってZ軸方向に移動するコイルとを備える。第4群レンズL4は、コイルに電流を流すことでローレンツ力を発生させ、第2移動枠11に固定されたコイルが移動することで光軸方向に移動する。第3ガイドバー13は、第2移動枠11をZ軸方向で移動可能に支持し、一方、不図示の第4ガイドバーは、第2移動枠11と係合させることで、第2移動枠11の第2ホルダ3内での円周方向の回転を規制する。また、第2ホルダ3は、不図示であるが、第2移動枠11に接着固定されたスケールに対して発光部から出射する光を照射し、受光部にて反射光を検知することで、第4群レンズL4の絶対位置を検出するための光学式センサを備える。さらに、絞り装置9は、第3群レンズL3を構成する前段レンズと後段レンズとの間に絞り羽根が位置するように設置し、光学系の開口径を変化させる装置である。なお、本実施形態では、2つのモーターにより2枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動させて開口径を変化させる、いわゆるギロチン式を採用する。
CCDホルダ4は、第2ホルダ3にビス止めにて接続され、レンズ鏡筒1の最後部に位置する撮像素子5を保持する保持部材である。撮像素子5は、第1〜4群の各レンズL1〜L4によって結像される被写体像を光電変換する撮像部である。この撮像素子5としては、本実施形態ではCCD(Charge
Coupled Device)イメージセンサを採用する。なお、撮像素子5として、例えばCMOS(Complementary
Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの他の種類の撮像素子を用いる場合もある。また、撮像素子5は、不図示であるが、各種配線を介し、レンズ鏡筒1を有する撮像装置内のメイン基板に接続される。
次に、本実施形態に係る像振れ補正装置について説明する。像振れ補正装置は、駆動部としてのシフトユニット10と、該シフトユニット10の動作を制御する不図示の制御回路とを含む。図2は、シフトユニット10の各構成部品を示す分解斜視図である。このシフトユニット10は、上述の通り、第2ホルダ3の内部にて位置決めの上、ビス止めにて設置される。シフトユニット10は、まず、シフトベース20と、シフト移動枠21と、マグネットベース22と、金属プレート23とを備える。なお、以下の各図において、ピッチ方向の構成要素には添え字pを、ヨー方向の構成要素には添え字yを付す。
シフトベース(ベース部材)20は、シフトユニット10の本体であり、後述する各アクチュエータのコイルおよびヨークを保持する保持部と、シフト移動枠21を光軸に直交する方向に移動可能とするボール24を収容するボールフォルダ20aとを有する。シフト移動枠(シフト部材)21は、像振れ補正レンズ(防振用光学素子)である第3群レンズL3を保持し、像振れを補正するために光軸に直交する方向に変位する部位である。マグネットベース22は、金属プレート23を介してシフト移動枠21とビス止めにて固定され、駆動用と位置検出用とを兼ねるマグネット25p、25yをそれぞれ圧入保持する部位である。マグネット25p、25yは、マグネットベース22に圧入されるので、該マグネットベース22との相対位置関係がずれることはない。また、位置検出機能を兼ねるマグネット25p、25yの位置は、第3群レンズL3を保持するシフト移動枠21に対して固定された位置となるので、マグネット25p、25yの位置により第3群レンズL3の位置を正確に検出することができる。金属プレート23は、シフトベース20とマグネットベース22との間で、光軸直交面内おける光軸回りの3箇所に配置されたボール24を支える板材である。この金属プレート23は、レンズ鏡筒1が衝撃を受けた場合、ボール24によってモールド部品であるマグネットベース22に打痕が付いたり、長期間の駆動で生じる磨耗によってシフトユニット10の駆動特性に劣化が生じたりすることを防止する機能を有する。なお、金属プレート23の材質としては、例えば、ステンレス鋼などが好適である。同様に、ボール24の材質としても、その近傍に配置されるマグネット25に吸引されないように、ステンレス鋼などが好適である。
ここで、ボール24をシフトベース20(ボールフォルダ20aの光軸方向端面)とマグネットベース22(金属プレート23の側面)とに当接させるための力は、マグネット25p、25yと、後述する固定ヨーク26p、26yとの間に作用する吸着力である。この吸着力により、マグネットベース22は、シフトベース20に近づく方向に付勢されるので、3つのボール24は、ボールフォルダ部20aの光軸方向端面と金属プレート23の側面に対して押圧状態で当接する。このとき、ボール24が当接する各面は、光学系の光軸に対して直交方向に広がっており、かつ、3つのボール24の呼び径は、同じである。したがって、3箇所のボールフォルダ20aにおいて光軸方向端面間の光軸方向における位置差を小さく抑えることができるので、シフト移動枠21に保持された第3群レンズL3を、光軸に対する倒れを生じさせることなく移動させることができる。
また、シフトユニット10は、第3群レンズL3を光軸直交面内で駆動するためのピッチ方向の角度変化による像振れを補正する第1アクチュエータと、ヨー方向の角度変化による像振れを補正する第2アクチュエータとの2箇所のアクチュエータを備える。まず、第1アクチュエータは、シフトベース20に固定される固定ヨーク26pおよびコイル27pと、マグネットベース22に固定されるマグネット25pとから構成される、いわゆるムービングマグネット型アクチュエータである。同様に、第2アクチュエータは、シフトベース20に固定される固定ヨーク26yおよびコイル27yと、マグネットベース22に固定されるマグネット25yとから構成される。このように、第1アクチュエータと第2アクチュエータとは、互いに90度の角度をなすように配置されているが、構成自体は、同一である。また、第1および第2アクチュエータは、ピッチ方向とヨー方向とにおいて、後述するそれぞれの位置検出センサからの情報に基づいて独立に駆動制御される。
図3は、位置検出センサを含むアクチュエータの構成を説明する概略図である。特に、図3(a)は、ピッチ方向の第1アクチュエータの周辺を拡大した断面図であり、図3(b)は、第1アクチュエータの部分に特化した分解斜視図である。まず、マグネットベース22は、光軸から放射方向に、一方がS−N、他方がN−Sに着磁されたマグネット25pと、該マグネット25pに吸着固定され、マグネット25pの光軸方向前側の磁束を閉じるためのヨーク28pとを備える。一方、シフトベース20は、マグネット25pと対向する位置に、コイル27pと、マグネット25pの光軸方向後側の磁束を閉じるための固定ヨーク26pとを備える。これらのマグネット25p、ヨーク28p、固定ヨーク26p、およびコイル27pにより、磁束回路が形成される。ここで、コイル27pに通電すると、マグネット25pの着磁境界に対して略直交する方向に、マグネット25pとコイル27pとの間に発生する磁力線相互の反発によるローレンツ力が発生し、マグネットベース22は、光軸に直交する方向に移動する。このような構成を有する第1および第2アクチュエータは、ピッチ方向とヨー方向との駆動を合成させることで、マグネットベース22を介してシフト移動枠21を光軸直交面内の所定の範囲内で自由に移動させることができる。なお、マグネットベース22が光軸に直交する方向で移動する際の摩擦は、ボール24がボールフォルダ部20aの側壁に当接しない限り、ボール24と金属プレート23との間と、ボール24とボールフォルダ部20aとの間とに発生する転がり摩擦のみである。したがって、マグネットベース22、すなわち第3群レンズL3を保持するシフト移動枠21は、吸着力が作用しているにも関わらず、極めてスムーズに光軸直交面内で移動することができ、かつ、微小な移動量制御も可能となる。なお、ボール24に潤滑油を塗布すれば、さらに摩擦力を低減させることができる。
また、本実施形態の像振れ補正装置は、シフト移動枠21(第3群レンズL3)の位置を検出するための位置検出機構として、ピッチ方向とヨー方向の双方にそれぞれ位置検出センサ29p、29yを備える。特に、本実施形態の位置検出センサ29p、29yとして、光軸に直交する方向の磁束密度成分を電気信号に変換する磁気抵抗素子を採用する。図4は、磁気抵抗素子の特性を説明するためのホール素子と磁気抵抗素子との特性比較表である。磁気抵抗素子は、従来のシフトユニットに採用されているホール素子と異なり、光軸に直交する方向の磁束密度成分(図中、磁束検出方向)を検出し、光軸方向に対しては、ほとんど感度を有しない。また、出力特性としては、ホール素子が磁極の符号により正負の値を示すのに対し、磁気抵抗素子は、磁極の符号によらず、絶対値として出力される。さらに、磁気抵抗素子は、ホール素子に比べて検出感度が約1000倍高い。このように、磁気抵抗素子は、信号を絶対値として出力するため、例えば、マグネット25pの着磁境界延長線40p上に配置されると、ストローク方向の磁束を検出することができない。そこで、本実施形態では、位置検出センサ29pは、着磁境界延長線40p上から光軸方向にずらした位置、特にこの場合には、図3(a)に示すように光軸方向の前側(シフト移動枠21側)にずらした位置に配置するものとする。一方、位置検出センサ29pのヨー方向(X軸方向)の配置位置は、図3(b)に示すようにマグネット25pの延設方向の長さに対する略中間位置とする。なお、これらの配置位置は、ヨー方向側の位置検出センサ29yについても同様である。さらに、位置検出センサ29p、29yは、第2ホルダ3の外側壁面の内部に収容され、FPC(フレキシブルプリントケーブル)30にハンダ付けされる。FPC30は、FPC押さえ金具を介してシフトベース20に位置決め固定される。これにより、FPC30の浮きや位置検出センサ29p、29yの位置のずれが防止される。
さらに、本実施形態の像振れ補正装置は、位置検出センサ29p、29yとして磁気抵抗素子を採用するに伴い、位置検出センサ29p、29yに対応するマグネット25p、25yにより形成される各磁束を収束するための強磁性体31p、31yを備える。この強磁性体31p、31yは、位置検出センサ29p、29yと、それに対応するマグネット25p、25yとの間にそれぞれ位置するように設置される。特に、強磁性体31p、31yは、図3(a)および図3(b)に示すように、各マグネット25p、25yにおける、位置検出センサ29p、29y側のマグネットの光軸に直交する側の面に当接させることが望ましい。これは、強磁性体31p、31yの位置を磁界内で安定して支持するためである。この場合、強磁性体31p、31yの支持方法としては、図3(a)に示すように、マグネットベース22による固定とする。また、強磁性体31p、31yの形状は、マグネット25p、25yによる磁束の形状と、マグネット25p、25yの側面に当接させることとを考慮して、薄板とすることが望ましい。なお、強磁性体31p、31yの材質は、強磁性の特性を有するものであれば、特に限定するものではない。
次に、シフトユニット10内に形成される磁束回路について説明する。図5は、一例としてシフトユニット10を構成するピッチ方向のマグネット25pによる磁束回路を示す概念図である。特に、図5(a)は、駆動用磁束回路41aを点線で示した図であり、図5(b)は、位置検出用磁束回路41bを点線で示した図である。まず、図5(a)において、マグネットベース22側のマグネット25pは、光軸から放射方向に着磁され、ヨーク28pは、マグネット25pの光軸方向の前側の磁束を収束する。一方、シフトベース20側のコイル27pは、シフトベース20に接着固定され、固定ヨーク26pは、マグネット25pの光軸方向の後側の磁束を収束する。これにより、駆動用磁束回路41aが点線矢印のように形成される。これに対して、図5(b)において、マグネット25pの側面に強磁性体31pを配置することで、強磁性体31pは、光軸に直交する方向の上側に向かう磁束、すなわち位置検出センサ29pに向かう磁束を収束し、位置検出用磁束回路41bが形成される。このように、マグネット25pの側面に強磁性体31pを配置すると、マグネット25pから位置検出センサ29pに向かう磁束密度が緩和される。
次に、本実施形態に係る像振れ補正装置の作用について説明する。まず、マグネットベース22がピッチ方向またはヨー方向に移動すると、位置検出センサ29p、29yは、位置検出用磁束回路においてマグネット25p、25yの光軸に直交する方向の磁束密度成分の変化を検知する。次に、位置検出センサ29p、29yは、この磁束密度の変化を示す信号(電気信号)を制御回路(例えば、レンズ鏡筒1内の専用回路、または後述するような光学機器側の制御回路など)に出力する。次に、制御回路は、位置検出センサ29p、29yからの信号を受信し、この信号に基づいて、マグネットベース22と一体のシフト移動枠21の位置、すなわち第3群レンズL3の位置を検出することができる。
特に本実施形態では、上記のように位置検出センサ29p、29yとして磁気抵抗素子を採用する。そして、この磁気抵抗素子は、マグネットに25p、25yよる磁束の検出方向がシフト移動枠21のストローク方向と同一で、かつ、着磁境界延長線40p上から光軸方向にずらした位置に配置される。これにより、磁気抵抗素子が検出する磁束密度には、シフト移動枠21のストローク方向の成分のみならず、光軸方向の成分も含まれることになり、位置検出センサ29p、29yは、好適に磁束密度を検知することができる。このように、本実施形態の像振れ補正装置では、検出ストロークが長い磁気抵抗素子を採用可能であることから、第3群レンズL3のロングストローク化を実現できる。さらに、磁気抵抗素子は、コストがホール素子と同等であることから、コスト面でも有利である。
さらに、本実施形態では、上記のようにマグネット25pの側面に強磁性体31pを配置する。ここで、マグネット25pの側面に強磁性体31pを配置しない場合と配置した場合との磁場解析結果について説明する。まず、図6は、強磁性体31pを配置しない場合の磁場解析結果を示すグラフである。具体的には、図6の上部に、ピッチ方向のマグネット25pの光軸に直交する側の面から位置検出センサ29pまでの距離d1を示す模式図を記載する。さらに、図6の下部に、上部の模式図に対応した距離d1(mm)に対する磁束密度(Gauss)の値を示すグラフを記載する。なお、磁気抵抗素子は、その出力が磁束密度に比例するため、ここでは磁束密度値を出力値として考えている。また、この磁場解析結果を得るに際し、第3群レンズL3の光軸に直交する面内における片側ストロークtを、予め1.2mmと設定している。このストロークtの値は、従来の第3群レンズの片側ストロークの値(0.7mm)よりも大きく、すなわちロングストロークである。なお、これらのストローク値は、従来の補正角の2倍の角度をストローク量に換算した値である。さらに、ロングストローク時のリニアリティは、5.0%以下としている。このような条件を踏まえて図6を参照すると、強磁性体31pを配置しない場合の位置検出センサ29pの位置、すなわち距離d1は、5.0mmとなる。
これに対して、図7は、図6に対応した、強磁性体31pを配置した場合の磁場解析結果を示すグラフである。この図7においても、磁場解析結果を得るに際しての条件は、図6の場合と同一である。図7を参照すると、強磁性体31pを配置した場合の位置検出センサ29pの位置、すなわち距離d2は、3.0mmとなる。なお、このときの強磁性体31pの厚さは、0.5mmとしている。このように、マグネット25pの光軸に直交する側の面に強磁性体31pを配置することで、位置検出センサ29pとして磁気抵抗素子を採用した場合でも、位置検出センサ29pを配置する距離を従来比40%程度短縮することができる。したがって、本実施形態の像振れ補正装置を採用することで、そのシフトユニット10を含むレンズ鏡筒を大型化することなく、第3群レンズL3のロングストローク化を実現できる。
以上のように、本実施形態によれば、補正レンズである第3群レンズL3のロングストローク化により、像振れ補正を高精度に実施するのに有利となる像振れ補正装置を提供することができる。なお、上記実施形態では、シフトユニット10は、ムービングマグネット型アクチュエータを用いてシフト移動枠21を駆動するものとしているが、本発明は、これに限定するものではない。例えば、シフト移動枠21の駆動機構として、本実施形態のマグネットベース側(可動側)にコイルを設け、一方、シフトベース側(固定側)にマグネットを設けた、いわゆるムービングコイル型アクチュエータも採用し得る。なお、このようなムービングコイル型アクチュエータを採用する場合には、磁気抵抗素子からなる位置検出センサをコイルが設置される可動側の光軸に直交する面に配置することとなる。さらに、上記実施形態では、第3群レンズL3を防振用光学素子としているが、例えば、光学系内のレンズを移動させることなく、撮像素子を移動させるような像振れ補正装置にも採用し得る。
(光学機器)
次に、上記実施形態に係る像振れ補正装置を採用したレンズ鏡筒を有する光学機器について説明する。図8は、光学機器の電気回路構成を示すブロック図であり、この光学機器としては、撮像装置であるデジタルスチルカメラを想定している。なお、図8において、シフトユニット10と同一構成のものには同一の符号を付す。まず、カメラ信号処理回路101は、複数の群レンズL1〜L4からなる光学系を通して撮像素子5に結像した被写体の像に対して、所定の増幅やγ補正などの処理を施す。次に、AFゲート102またはAEゲート103は、所定の処理を受けた映像信号から所定の領域のコントラスト信号を取り出す。ここで、AF回路104は、AFゲート102を通過したコントラスト信号から高域成分に関する1つ、または複数の出力を生成する。次に、CPU105は、AEゲート103の信号レベルに応じて、露出が最適であるかどうかを判別し、最適でない場合には、最適な絞り値またはシャッター速度で絞りシャッター駆動回路109を駆動制御する。また、オートフォーカス動作では、CPU105は、AF回路104にて生成された出力がピークを示すようにフォーカス駆動源を駆動するフォーカス駆動回路111を駆動制御する。また、適正露出を得るために、CPU105は、AEゲート103を通過した信号出力の平均値を所定の値として、絞りエンコーダ108の出力がこの所定の値となるように絞りシャッター駆動回路109を駆動制御して、開口径を調節する。さらに、ズーム動作では、CPU105は、ユーザーの指示を受けて、ズーム駆動回路112によりズームレンズ群を駆動するズーム駆動源110を制御する。なお、フォトインタラプタなどのエンコーダを用いたフォーカス原点センサ106は、フォーカスレンズ群の光軸方向の絶対位置を検出するための絶対基準位置を検知する。同様に、フォトインタラプタなどのエンコーダを用いたズーム原点センサ107は、ズームレンズ群の光軸方向の絶対位置を検出するための絶対基準位置を検知する。
さらに、振れ角度の検出は、例えば、光学機器に固定された振動ジャイロなどの角速度センサの出力を積分して行う。このとき、CPU105は、ピッチ方向の振れ角度検出センサ114、およびヨー方向の振れ角度検出センサ115のそれぞれの出力を処理する。具体的には、CPU105は、ピッチ側の振れ角度検出センサ114からの出力に基づいて、ピッチコイル駆動回路116を駆動制御し、第1アクチュエータのコイル27pへの通電を制御する。同様に、CPU105は、ヨー側の振れ角度検出センサ115からの出力に基づいて、ヨーコイル駆動回路117を駆動制御し、第2アクチュエータのコイル27yへの通電を制御する。以上の制御により、シフトユニット10内のシフト移動枠21が光軸に直交する面内でシフト移動する。また、CPU105は、ピッチ方向の位置検出センサ29p、およびヨー方向の位置検出センサ29yのそれぞれの出力を処理する。ここで、第3群レンズL3がシフト移動すると、レンズ鏡筒1内の通過光束が曲がる。したがって、CPU105は、光学機器に振れが生じることによって本来生ずる撮像素子5上での被写体像の変移を相殺する方向に、相殺する曲げ量だけ通過光束を曲げるように第3群レンズL3をシフト移動させる。これにより、光学機器が振れても結像している被写体像が撮像素子5上で動かない、いわゆる像振れ補正を行うことができる。さらに、CPU105は、各振れ角度検出センサ114、115により得られた光学機器の振れ信号と、各位置検出センサ29p、29yから得られたシフト量信号との差分に相当する信号に対して増幅、および適当な位相補償を行う。また、CPU105は、これらの増幅、および位相補償信号に基づいて、各コイル駆動回路116、117を制御し、シフト移動枠21をシフト移動させる。この制御により、上記の差分信号がより小さくなるように第3群レンズL3が位置決め制御され、目標位置に保たれる。本実施形態の光学機器は、上記の像振れ補正装置を採用することにより、第3群レンズL3のロングストローク化を図れることから像振れ補正をさらに高精度に実施できるので、さらなる高性能化を実現できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
10 シフトユニット
20 シフトベース
21 シフト移動枠
25p マグネット
25y マグネット
27p コイル
27y コイル
29p 位置検出センサ
29y 位置検出センサ
L3 第3群レンズ

Claims (5)

  1. ベース部材に対し、像振れ補正レンズを保持するシフト部材を光軸に直交する面内でシフト移動させて像振れを補正する像振れ補正装置であって、
    前記シフト部材または前記ベース部材のうち、一方がマグネットを保持し、他方がコイルを保持して、前記コイルへの通電により前記シフト部材をシフト移動させるアクチュエータと、
    前記マグネットの磁束密度を検知し、前記シフト部材の位置を検出する制御回路に対して前記磁束密度を示す信号を出力する磁気抵抗素子と、を有し、
    前記磁気抵抗素子は、前記マグネットによる磁束の検出方向が前記シフト部材のストローク方向と同一で、かつ、前記マグネットの着磁境界から光軸方向にずれた位置に配置されることを特徴とする像振れ補正装置。
  2. 前記磁気抵抗素子は、前記着磁境界から前記光軸方向の前記シフト部材の側へずれることを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
  3. 前記磁束を収束するための強磁性体を有し、
    前記強磁性体は、前記マグネットと前記磁気抵抗素子との間に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の像振れ補正装置。
  4. 前記強磁性体は、前記マグネットの光軸に直交する側の面に当接することを特徴とする請求項3に記載の像振れ補正装置。
  5. 複数のレンズを含む光学系と、撮像素子とを有する光学機器であって、
    前記光学系は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の像振れ補正装置を備えることを特徴とする光学機器。
JP2011137505A 2011-06-21 2011-06-21 像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器 Withdrawn JP2013003524A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011137505A JP2013003524A (ja) 2011-06-21 2011-06-21 像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011137505A JP2013003524A (ja) 2011-06-21 2011-06-21 像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013003524A true JP2013003524A (ja) 2013-01-07

Family

ID=47672124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011137505A Withdrawn JP2013003524A (ja) 2011-06-21 2011-06-21 像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013003524A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017009443A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 キヤノン株式会社 位置検出装置、制御方法およびプログラム
CN113064315A (zh) * 2014-12-17 2021-07-02 Lg伊诺特有限公司 透镜移动装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113064315A (zh) * 2014-12-17 2021-07-02 Lg伊诺特有限公司 透镜移动装置
US11360321B2 (en) 2014-12-17 2022-06-14 Lg Innotek Co., Ltd. Lens moving apparatus
CN113064315B (zh) * 2014-12-17 2022-10-25 Lg伊诺特有限公司 透镜移动装置
US11774775B2 (en) 2014-12-17 2023-10-03 Lg Innotek Co., Ltd. Lens moving apparatus
JP2017009443A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 キヤノン株式会社 位置検出装置、制御方法およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8582205B2 (en) Lens barrel and optical apparatus including the same
US8564675B2 (en) Image-shake correction device, lens barrel, and optical apparatus
US7747149B2 (en) Optical apparatus having image-blur correction/reduction system
JP5693163B2 (ja) 振れ補正装置、レンズ鏡筒、及び光学機器
JP4630565B2 (ja) 光学機器
JP2009222899A (ja) 像振れ補正装置
JP5483988B2 (ja) 像振れ補正装置
JP2013140309A (ja) 振れ補正装置、レンズ鏡筒、および光学機器
JP5294936B2 (ja) レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器
JP6376801B2 (ja) 像ブレ補正装置、レンズ鏡筒、及び光学機器
JP4448157B2 (ja) レンズ鏡筒、撮影装置および観察装置
JP2013104920A (ja) 光学素子駆動装置および光学機器
JP5464938B2 (ja) 光学防振ユニットおよび光学機器
JP2010204157A (ja) 振れ補正装置および光学機器
JP2013088684A (ja) 振れ補正装置、レンズ鏡筒、および光学機器
JP4522428B2 (ja) レンズ鏡筒、撮影装置及び観察装置
JP2013003524A (ja) 像振れ補正装置、およびそれを用いた光学機器
JP2011039103A5 (ja)
JP2010271513A (ja) 光学防振装置及び光学機器
JP2011150086A (ja) 振れ補正装置、及びそれを用いた光学機器
JP2010249858A (ja) レンズ鏡筒及びそれを有する撮像装置
JP2010276842A (ja) 像振れ補正装置
JP2016157031A (ja) レンズ駆動装置
JP2012093496A (ja) レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器
JP6157239B2 (ja) レンズ鏡筒、及び撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140902