JP2011150086A - 振れ補正装置、及びそれを用いた光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でシフト部材の光軸直交面内での回転運動を抑制する振れ補正装置を提供する。
【解決手段】振れ補正レンズL3を保持するシフト移動枠21と、該シフト移動枠21を複数のボール24を介して支持する装置本体20と、シフト移動枠21を駆動するアクチュエーター25、27とを有するシフトユニット10を備え、アクチュエーター25、27の駆動により、装置本体20に対してシフト移動枠21を光軸直交面内でシフト移動させて像振れを補正する振れ補正装置であって、シフトユニット10は、一方の端部を前記シフト移動枠21に接続し、他方の端部を装置本体20に接続して、シフト移動枠21の光軸直交面内での回転運動を抑制する力を作用させる弾性部材32を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、振れ補正装置、及びそれを用いた光学機器に関するものである。
デジタルカメラ等の光学機器において、撮影時の手振れ等により生じる光軸のずれを補正し光学防振を行うための振れ補正装置が存在する。この振れ補正装置は、光学機器に備わるレンズ鏡筒において、振れ補正レンズ群を光軸直交面内でシフト移動させるものが一般的である。例えば、特許文献1は、固定側のベース部材に駆動用磁石を、かつ、可動側のシフト部材にヨークとコイルとを配置した、所謂ムービングコイルタイプのシフトユニットを採用した振れ補正装置を開示している。このシフトユニットは、ベース部材とシフト部材との間に3個のボールを配置し、駆動用磁石とヨークとの間に働く磁気吸着力によって、シフト部材をベース部材に付勢してボールを挟持させている。このとき、シフト部材は、ボールによって光軸方向の移動が規制されているため、コイルと駆動用磁石との間に働くローレンツ力により、ボールを転がしながら光軸直交面内のみでシフト移動する。
しかしながら、特許文献1に示すようなシフトユニットは、振れ補正レンズ群を支持したシフト部材の光軸直交面内における回転運動により、以下のような影響を受ける。シフトユニットにおいて、シフト部材、若しくは固定側ベース部材のどちらか一方に配置された駆動用磁石と、他方に配置されたヨークとの間には、磁気吸着力が働く。そのため、駆動用磁石とヨークとには、磁気的に釣り合う位置が存在する。したがって、駆動用磁石とヨークとの位置関係が釣り合い位置から変化した場合は、元の位置に戻ろうとする力(以下、「引き戻し力」と表記する)が働く。このとき、シフト部材を光軸直交面内の鉛直方向(以下、「ピッチ方向」と表記する)と水平方向(以下、「ヨー方向」と表記する)とにそれぞれ駆動する2つの駆動部を持つシフトユニットにおいては、一方の位置変化に起因して、他方の引き戻し力が発生する。即ち、例えば、シフト部材をヨー方向に移動させた場合、ピッチ方向の駆動部においては、引き戻し力に起因してシフト部材を光軸直交面内で回転させるモーメントが発生する。したがって、シフト部材の光軸直交面内での回転を抑制する手段が無い場合は、振れ補正動作中にシフト部材が自由に回転し、固定部材に接触したり、引き戻し力の変化により駆動特性が変化して画像に乱れが生じたりすることがある。更に、シフトユニットは、磁石と磁気検出素子、若しくは発光素子と受光素子等の組み合わせで構成された位置検出センサを有する。この位置検出センサは、振れ補正レンズ群が光学機器の使用姿勢におけるピッチ方向、若しくはヨー方向のいずれか一方向の動きを想定している。したがって、シフト部材が大きく回転すると、位置検出センサは、出力特性が変化して正確な位置検出ができなくなり、所謂クロストークが発生する。また、シフト部材の回転による位置検出の変化は、フィードバック位置制御の発振を招くことがあり、振れ補正時の光学性能劣化の原因となる。
そこで、シフト部材の光軸直交面内における回転を抑制する手段として、シフト部材をピッチ方向、若しくはヨー方向に回転させることなく変位させる振れ補正装置が提案されている。例えば、特許文献2は、シフト部材の回転を規制するためのガイド軸を設けた振れ補正装置を開示している。
特開2002−196382号公報 特許3229899号公報
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の光学機器のコンパクト化及び低価格化が進んでいる。したがって、これらの光学機器に組み込まれるレンズ鏡筒も、小型、かつ、ローコストであることが求められる。更に、光学機器内の撮像素子の高画素化等により、撮影画像の高画質化が進んでいるため、振れ補正装置に対しては、更なる駆動性能の向上が望まれる。しかしながら、駆動性能を向上させるために、シフト部材の光軸直交面内における回転を抑制する手段として、特許文献2に示すようなガイド部材等を設けることは、振れ補正装置の小型化の妨げとなる。また、振れ補正装置の構成が複雑化し、部品点数が増加するため、ローコスト化が困難となる。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、簡単な構成でシフト部材の光軸直交面内での回転運動を抑制する振れ補正装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、振れ補正レンズを保持するシフト移動枠と、該シフト移動枠を複数のボールを介して支持する装置本体と、シフト移動枠を駆動するアクチュエーターとを有するシフトユニットを備え、アクチュエーターの駆動により、装置本体に対してシフト移動枠を光軸直交面内でシフト移動させて像振れを補正する振れ補正装置であって、シフトユニットは、一方の端部をシフト移動枠に接続し、他方の端部を装置本体に接続して、シフト移動枠の光軸直交面内での回転運動を抑制する力を作用させる弾性部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、振れ補正装置に弾性部材のみを追加することでシフト移動枠(シフト部材)の光軸直交面内での回転運動を抑制するので、シフトユニットの大型化やコストアップを抑えつつ、シフトユニットの駆動性能を向上させることが可能となる。
本発明の振れ補正装置を適用するレンズ鏡筒の構成を示す概略図である。 シフトユニットの各構成部品を示す分解斜視図である。 ピッチ方向の第1アクチュエーターを示す拡大断面図である。 第1アクチュエーターの各構成要素の相対位置を示す概略図である。 シフトユニットにおけるモーメント抑制の関係を示す概略図である。 本発明の光学機器の電気回路構成を示すブロック図である。 弾性部材のその他の配置を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面等を参照して説明する。
(振れ補正装置)
まず、本発明の実施形態に係る振れ補正装置の説明に際し、振れ補正装置が設置されるレンズ鏡筒の構成について説明する。なお、このレンズ鏡筒は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置(光学機器)に採用されるものとする。また、以下の各図において、レンズ鏡筒の光軸方向において被写体側に対する方向にZ軸を取り、該Z軸に対する垂直平面において、鉛直方向(ピッチ方向)にY軸を取り、水平方向(ヨー方向)にX軸を取って説明する。図1は、レンズ鏡筒1の構成を示す概略断面図である。レンズ鏡筒1は、略円筒の形状を有する第1ホルダ2及び第2ホルダ3と、CCDホルダ4とで形成される。更に、レンズ鏡筒1は、内部に、第1群レンズL1と、第2群レンズL2と、第3群レンズL3と、第4群レンズL4との凸凹凸凸の光学素子群で構成される変倍光学系と、撮像素子5とを備える。
第1ホルダ2は、レンズ鏡筒1のZ軸方向の前部に位置する固定鏡筒であり、第1群レンズL1と、第2群レンズL2とを備える。第1群レンズL1は、レンズ鏡筒1の最外周面に位置し、内周部にビス止めされる第1固定枠6に保持された光学素子である。第2群レンズL2は、第1ホルダ2の内部の第1移動枠7に保持され、光軸方向に移動することで変倍動作を行う光学素子である。また、第1ホルダ2は、第1移動枠7を駆動させるための不図示のズームモーターと、Z軸方向に延設された2種類のガイドバーとを備える。
ズームモーターは、回転するローターと同軸のリードスクリューを有し、第1移動枠7に取り付けられたラックと噛合ったリードスクリューをローターにより回転させることにより、第2群レンズL2が光軸方向に移動する。第1ガイドバー8は、第1移動枠7をZ軸方向で移動可能に支持し、一方、不図示の第2ガイドバーは、第1移動枠7と係合させることで、第1移動枠7の第1ホルダ2内での円周方向の回転を規制する。
第2ホルダ3は、第1ホルダ2にビス止めにて接続され、レンズ鏡筒1の後部に位置する固定鏡筒であり、第3群レンズL3と、第4群レンズL4と、絞り装置9とを備える。第3群レンズL3は、第2ホルダ3の内部に設置された振れ補正装置の駆動部であるシフトユニット10に保持され、光軸直交方向内で移動することで振れ補正を行う光学素子である。第4群レンズL4は、後述する撮像素子5の撮像面に対面しつつ、第2ホルダ3の内部の第2移動枠11に保持され、光軸方向に移動することで合焦動作を行う光学素子である。また、第2ホルダ3は、第2移動枠11を駆動させるためのボイスコイルモーター12と、Z軸方向に延設された2種類のガイドバーとを備える。ボイスコイルモーター12は、第2ホルダ3の内壁部に圧入固定されたヨークと、該ヨークの内側に設置されたマグネットと、第2移動枠11に固定され、ヨークに沿ってZ軸方向に移動するコイルとを備える。第4群レンズL4は、コイルに電流を流すことでローレンツ力が発生し、第2移動枠11に固定されたコイルが移動することで光軸方向に移動する。第3ガイドバー13は、第2移動枠11をZ軸方向で移動可能に支持し、一方、不図示の第4ガイドバーは、第2移動枠11と係合させることで、第2移動枠11の第2ホルダ3内での円周方向の回転を規制する。また、絞り装置9は、第3群レンズL3を構成する前段レンズと後段レンズとの間に絞り羽根が位置するように設置し、光学系の開口径を変化させる装置である。なお、本発明では、2つのモーターにより2枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動させて開口径を変化させる、所謂ギロチン式を採用する。
CCDホルダ4は、第2ホルダ3にビス止めにて接続され、レンズ鏡筒1の最後部に位置する撮像素子5を保持する保持部材である。撮像素子5は、第1〜4群の各レンズL1〜L4によって結像される被写体像を光電変換する撮像部である。この撮像素子5としては、本実施形態では、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを採用する。このほか、撮像素子5として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の他の種類の撮像素子を用いる場合もある。なお、撮像素子5は、各種配線を介し、レンズ鏡筒1を採用する撮像装置内の不図示のメイン基板に接続される。
次に、本発明のシフトユニット10について説明する。シフトユニット10は、上述の通り、第2ホルダ3の内部にて位置決めの上、ビス止めにて設置される振れ補正装置の駆動部である。図2は、シフトユニット10の各構成部品を示す分解斜視図である。シフトユニット10は、まず、シフトベース20と、シフト移動枠21と、マグネットベース22と、金属プレート23とを備える。
シフトベース20は、シフトユニット10の装置本体であり、後述する各アクチュエーターのコイル及びヨークを保持する保持部と、後述するシフト移動枠21を光軸直交方向に移動可能とするボール24を収容する3箇所のボールフォルダ20aとを有する。シフト移動枠21は、振れ補正レンズである第3群レンズL3を保持し、振れを補正するために光軸直交方向に変位する部位である。マグネットベース22は、金属プレート23を介してシフト移動枠21とビス止めにて固定され、駆動用と位置検出用とを兼ねるマグネット25を圧入保持する部位である。マグネット25は、マグネットベース22に圧入されるので、該マグネットベース22との相対位置関係がずれることはない。また、位置検出機能を兼ねるマグネット25の位置は、第3群レンズL3を保持するシフト移動枠21に対して固定された位置となるので、マグネット25の位置により第3群レンズL3の位置を正確に検出することができる。金属プレート23は、シフトベース20とマグネットベース22との間で、光軸直交面内おける光軸回りの3箇所に配置されたボール24を支える板材である。この金属プレート23は、レンズ鏡筒1が衝撃を受けた場合、ボール24によってモールド部品であるマグネットベース22に打痕が付いたり、長期間の駆動で生じる磨耗によってシフトユニット10の駆動特性に劣化が生じたりすることを防止する機能を有する。なお、金属プレート23の材質としては、例えば、ステンレス鋼等が好適である。同様に、ボール24の材質としても、その近傍に配置されるマグネット25に吸引されないように、ステンレス鋼等が好適である。
ここで、ボール24をシフトベース20(ボールフォルダ20aの光軸方向端面)とマグネットベース22(金属プレート23の側面)とに当接させるための力は、マグネット25と後述する固定ヨーク26との間に作用する吸着力である。この吸着力により、マグネットベース22は、シフトベース20に近づく方向に付勢されるので、3つのボール24は、ボールフォルダ部20aの光軸方向端面と金属プレート23の側面に対して押圧状態で当接する。このとき、ボール24が当接する各面は、光学系の光軸に対して直交方向に広がっており、かつ、3つのボール24の呼び径は同じである。したがって、3箇所のボールフォルダ20aにおいて光軸方向端面間の光軸方向における位置差を小さく抑えることができるので、シフト移動枠21に保持された第3群レンズL3を、光軸に対する倒れを生じさせず、光軸直交面内で移動させることができる。
また、シフトユニット10は、第3群レンズL3を光軸直交面内で駆動するためのピッチ方向の角度変化による像振れを補正する第1アクチュエーターと、ヨー方向の角度変化による像振れを補正する第2アクチュエーターとの2箇所のアクチュエーターを備える。第1及び第2アクチュエーターは、それぞれ、シフトベース20に固定される固定ヨーク26及びコイル27と、マグネットベース22に固定されるマグネット25とから構成される、所謂ムービングマグネット型アクチュエーターである。また、第1及び第2アクチュエーターは、ピッチ方向とヨー方向とにおいて、それぞれの位置センサ及び振れ検出センサからの情報に基づいて独立に駆動制御される。なお、ピッチ方向用の第1アクチュエーターと、ヨー方向用の第2アクチュエーターとは、互いに90度の角度をなすように配置されているが、構成自体は同一である。したがって、以下、ピッチ方向の第1アクチュエーターについてのみ説明し、ピッチ方向の構成要素には添え字pを、ヨー方向の構成要素には添え字yを付す。
図3は、ピッチ方向の第1アクチュエーターを拡大した断面図である。まず、マグネットベース22には、光軸から放射方向に2極着磁されたマグネット25pと、該マグネット25pの光軸方向前側の磁束を閉じるためのヨーク28pとが設置される。このヨーク28pは、マグネット25pに吸着固定される。一方、シフトベース20には、マグネット25pと対向する位置に、コイル27pと、マグネット25pの光軸方向後側の磁束を閉じるための固定ヨーク26pとが設置される。これらのマグネット25p、ヨーク28p、固定ヨーク26p、及びコイル27pにより、磁気回路が形成される。ここで、コイル27pに電流を流すと、マグネット25pの着磁境界に対して略直交する方向に、マグネット25pとコイル27pとの間に発生する磁力線相互の反発によるローレンツ力が発生し、マグネットベース22は、光軸直交方向に移動する。このような構成を有する第1及び第2アクチュエーターは、ピッチ方向とヨー方向の駆動を合成させることで、マグネットベース22を介してシフト移動枠21を光軸直交面内の所定の範囲内で自由に移動させることができる。なお、マグネットベース22が光軸直交方向で移動する際の摩擦は、ボール24がボールフォルダ部20aの側壁に当接しない限り、ボール24と金属プレート23との間、及びボール24とボールフォルダ部20aとの間にそれぞれ発生する転がり摩擦のみである。したがって、マグネットベース22、即ち、第3群レンズL3を保持するシフト移動枠21は、吸着力が作用しているにも関わらず、極めてスムーズに光軸直交面内で移動することができ、かつ、微小な移動量制御も可能となる。なお、ボール24に潤滑油を塗布すれば、更に摩擦力を低減させることができる。
また、シフトユニット10は、マグネットベース22(第3群レンズL3)の位置を検出するための位置センサ29を備える。位置センサ29は、磁束密度を電気信号に変換するホール素子であり、各コイル27の略中心に位置するように、フレキシブルプリントケーブル(FPC)30にハンダ付けされている。FPC30は、FPC押さえ金具31により、シフトベース20に対して位置決め固定される。これにより、FPC30の浮き、及び位置センサ29の位置のずれが防止される。位置センサ29は、マグネットベース22がピッチ方向又はヨー方向に駆動されたときに、マグネット25の磁束密度の変化を検出し、この磁束密度の変化を示す電気信号を出力する。そして、不図示のコントロール回路は、位置センサ29からの電気信号に基づいて、マグネットベース22の位置を検出することができる。
更に、シフトユニット10は、図2に示すように、一方の端部がシフトベース20に形成された引っ掛け部20bに掛り、他方の端部がシフト移動枠21に形成された引っ掛け部21aに掛る弾性部材32を備える。この弾性部材32は、シフトユニット10において、光軸方向を基準として第1及び第2アクチュエーターと対向する場所に位置するように設置される。また、本実施形態では、弾性部材32としてバネを採用する。まず、弾性部材32の作用の説明に際し、シフト移動枠21の移動と吸着力による引き戻し力との関係について説明する。図4は、ピッチ方向の第1アクチュエーターの各構成要素の相対位置を示す概略図である。特に、図4(a)は、シフト移動枠21に保持された第3群レンズL3の中心が光軸上にある場合の、第1アクチュエーターの各構成要素の配置と、そのとき作用する力とを示す。マグネット25pと固定ヨーク26pとの間に働く吸着力は、クーロンの法則で示されるように、2物体の磁荷の強さと距離の2乗の逆数に比例する。そのため、アクチュエーターの中心に対してマグネット25pと固定ヨーク26pとがそれぞれ対称形状であれば、ピッチ方向とヨー方向との吸着力は、それぞれの方向で釣り合った状態となる。即ち、マグネット25pと固定ヨーク26pの平面部との間に働く吸着力50a、50d、及びマグネット25pと固定ヨーク26pの凸状部との間に働く吸着力50b、50cが全て釣り合い、マグネット25pと固定ヨーク26pとの位置関係が定まる。このとき、ピッチ方向の引き戻し力60pは、ほぼゼロであり、ヨー方向の引き戻し力60yも、ほぼゼロである。図4(b)は、釣り合い状態での第1アクチュエーターをシフトユニット10の前方(被写体側)から見た概略図であり、図4(c)は、シフト移動枠21がピッチ方向に距離dだけ移動した状態での概略図である。図4(c)に示すように、釣り合い状態からマグネット25pと固定ヨーク26pとの位置関係が変化すると、引き戻し力60pはゼロではなくなる。即ち、第1アクチュエーター内では、磁気的に安定する図4(b)の釣り合い状態に戻そうとする方向に力が働く。しかしながら、第1アクチュエーターは、ヨー方向には移動していないため、引き戻し力60yは、図4(b)の状態と同じくほぼゼロのままである。一方、図4(d)は、シフト移動枠21がヨー方向に距離dだけ移動した状態での概略図である。この場合も、マグネット25pと固定ヨーク26pとの位置関係が変化するため、引き戻し力60yはゼロではなくなる。したがって、第1アクチュエーター内では、磁気的に安定する図4(b)の釣り合い状態に戻そうとする方向に力が働く。そして、第1アクチュエーターは、ヨー方向には移動していないため、引き戻し力60pは、図4(b)の状態と同じくほぼゼロのままである。ここで、マグネット25が第1アクチュエーターの中心から移動した量が大きいほど、引き戻し力60p、60yは大きくなる。
次に、本発明の特徴である弾性部材32を採用することによるシフトユニット10の作用について説明する。図5は、シフトユニット10を前方(被写体側)から見た場合の、引き戻し力によるモーメント抑制の関係を示す概略図である。ここで、シフト移動枠21をピッチ方向に移動させる場合を考える。このとき、コイル27pに電流を流すと、コイル27pから発生するローレンツ力により、シフト移動枠21をピッチ方向に駆動させる推力70が発生する。この推力70により、シフト移動枠21が距離dだけ移動すると同時に、シフト移動枠21に配置されたマグネット25pも、第1アクチュエーターの中心位置から距離dだけ移動する。そして、マグネット25pと固定ヨーク26pとの間に働く吸着力により、元の釣り合い位置に戻そうとするピッチ方向の引き戻し力が発生する。
ここで、推力70と、ピッチ側の第1アクチュエーターの引き戻し力61pは、推力方向軸と同一軸上で働いている。このとき、第1アクチュエーターでは、距離dだけ移動した位置にシフト移動枠21を保持しようとするフィードバック位置制御が行われ、コイル27pに通電される。したがって、引き戻し力61pは、コイル27pに発生するローレンツ力によって常に打ち消される。一方、ヨー側の第2アクチュエーターに働く引き戻し力62pは、推力70と同一軸上にはない。したがって、推力70と引き戻し力62pとによってシフト移動枠21を回転させる回転モーメント80が発生する。このとき、回転モーメント80の中心は、第1アクチュエーターの中心位置Dpである。即ち、回転モーメント80は、中心位置Dpと引き戻し力62pの発生中心位置Dyとの距離をLmとすると、引き戻し力62pと距離Lmとの積である。更に、シフト移動枠21には、弾性部材32により張力90が作用している。したがって、中心位置Dpと弾性部材32の作用点との距離をLsとすると、張力90と距離Lsとの積によるモーメント81が生じる。このモーメント81は、上述のモーメント80に対抗する成分を持つため、シフト移動枠21の回転運動は抑制される。このとき、モーメント80をMm、モーメント81をMsと定義すると、MmとMsとは、|Mm/ms|≧aの関係にある。更に、最大引き戻し力をFmax、弾性部材32の反力をfmaxと定義すると、Fmaxとfmaxとは、|Fmax/fmax|≧aの関係にある。ここで、a≧1である。したがって、弾性部材32を配置することで、シフトユニット10は、弾性部材32が無い場合に比べて、その回転モーメントを常に小さくすることができる。そのため、シフト移動枠21の回転運動が抑制され、シフトユニット10の駆動性能が向上する。
以上のように、本発明によれば、シフト移動枠21の移動時に、マグネット25とヨーク26との間に働く引き戻し力によるモーメントを、弾性部材32の張力によるモーメントで緩和させるので、シフト移動枠21の回転運動を抑制することができる。
(光学機器)
次に、本発明の振れ補正装置(シフトユニット10)を採用したレンズ鏡筒を有する光学機器(撮像装置)について説明する。図6は、光学機器の電気回路構成を示すブロック図である。なお、図6において、上図と同一構成のものには同一の符号を付す。まず、カメラ信号処理回路101は、複数のレンズ群L1〜L4からなる光学系を通して撮像素子5に結像した被写体の像に対して所定の増幅やγ補正等の処理を施す。次に、AFゲート102、若しくはAEゲート103は、所定の処理を受けた映像信号から所定の領域のコントラスト信号を取り出す。ここで、AF回路104は、AFゲート102を通過したコントラスト信号から高域成分に関する1つ若しくは複数の出力を生成する。次に、CPU105は、AEゲート103の信号レベルに応じて、露出が最適であるかどうかを判別して、最適でない場合には、最適な絞り値、若しくはシャッター速度で絞りシャッター駆動源109を駆動する。また、オートフォーカス動作では、CPU105は、AF回路104にて生成された出力がピークを示すようにフォーカス駆動源であるフォーカス駆動源駆動回路111を駆動制御する。また、適正露出を得る為に、CPU105は、AEゲート103を通過した信号出力の平均値を所定の値として、絞りエンコーダ108の出力がこの所定の値となるように絞りシャッター駆動源109を駆動制御して、開口径をコントロールする。更に、ズーム動作では、CPU105は、ユーザーの指示を受けて、ズーム駆動源駆動回路112によりズームレンズ群を駆動するようにズーム駆動源110を制御する。なお、フォトインタラプタ等のエンコーダを用いたフォーカス原点センサ106は、フォーカスレンズ群の光軸方向の絶対位置を検出するための絶対基準位置を検出する。フォトインタラプタ等のエンコーダを用いたズーム原点センサ107は、ズームレンズ群の光軸方向の絶対位置を検出するための絶対基準位置を検出する。
更に、振れ角度の検出は、例えば、光学機器に固定された振動ジャイロ等の角速度センサの出力を積分して行う。このとき、CPU105は、ピッチ方向の振れ角度検出センサ114、及びヨー方向の振れ角度検出センサ115のそれぞれの出力を処理する。具体的には、CPU105は、ピッチ振れ角度検出センサ114からの出力に基づいて、ピッチコイル駆動回路116を駆動制御し、図5における第1アクチュエーターのコイル27pへの通電を制御する。同様に、CPU105は、ヨー振れ角度検出センサ115からの出力に基づいて、ヨーコイル駆動回路117を駆動制御し、図5における第2アクチュエーターのコイル27yへの通電を制御する。以上の制御により、シフトユニット10内のシフト移動枠21が光軸直交面内でシフト移動する。また、CPU105は、ピッチ方向の位置検出センサ29p、及びヨー方向の位置検出センサ29yのそれぞれの出力を処理する。ここで、第3群レンズがシフト移動すると、レンズ鏡筒1内の通過光束が曲がる。したがって、CPU105は、光学機器に振れが生じることによって本来生ずる撮像素子5上での被写体像の変移を相殺する方向に、相殺する曲げ量だけ通過光束を曲げるように第3群レンズL3をシフト移動させる。これにより、光学機器が振れても結像している被写体像が撮像素子5上で動かない、所謂振れ補正を行うことができる。更に、CPU105は、ピッチ及びヨー振れ角度検出センサ114、115により得られた光学機器の振れ信号と、ピッチ及びヨー位置検出センサ29p、29yから得られたシフト量信号との差分に相当する信号に対して増幅、及び適当な位相補償を行う。また、CPU105は、これら増幅、及び位相補償信号に基づいて、ピッチ及びヨーコイル駆動回路116、117を制御し、シフト移動枠21をシフト移動させる。この制御により、上記の差分信号がより小さくなるように第3群レンズL3が位置決め制御され、目標位置に保たれる。本実施形態の光学機器では、上述の弾性部材32を有するシフトユニット10を採用することにより、シフト移動枠21の回転運動が抑制されるので、駆動性能が向上する。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。上記実施形態では、ムービングマグネット型のアクチュエーターを用いてシフト移動枠21を駆動する場合について説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、ムービングマグネット型のアクチュエーターに換えて、コイルをマグネットベース22側に配置し、一方、マグネット25をシフトベース20側に配置した、所謂ムービングコイル型のアクチュエーターを採用しても良い。また、上記実施形態では、弾性部材32として、バネを1つ用いてシフト移動枠21の回転運動を抑制している。しかしながら、本発明は、アクチュエーターの吸着力による引き戻し力に対抗するように弾性部材を配置すれば良いので、図7(a)〜図7(c)に示すような構成も可能である。
10 シフトユニット
20 シフトベース
21 シフト移動枠
24 ボール
25 マグネット
26 固定ヨーク
27 コイル
32 弾性部材
L3 第3群レンズ

Claims (5)

  1. 振れ補正レンズを保持するシフト移動枠と、該シフト移動枠を複数のボールを介して支持する装置本体と、前記シフト移動枠を駆動するアクチュエーターとを有するシフトユニットを備え、前記アクチュエーターの駆動により、前記装置本体に対して前記シフト移動枠を光軸直交面内でシフト移動させて像振れを補正する振れ補正装置であって、
    前記シフトユニットは、一方の端部を前記シフト移動枠に接続し、他方の端部を前記装置本体に接続して、前記シフト移動枠の光軸直交面内での回転運動を抑制する力を作用させる弾性部材を備えることを特徴とする振れ補正装置。
  2. 前記アクチュエーターは、前記シフト移動枠、若しくは前記装置本体のいずれか一方にマグネットを、他方にコイルを有し、該コイルに通電することにより前記移動枠を駆動することを特徴とする請求項1に記載の振れ補正装置。
  3. 前記アクチュエーターは、前記装置本体を被写体側から見た場合、光軸に対して鉛直方向及び水平方向の2箇所に設置され、
    前記弾性部材は、前記光軸を基準として前記アクチュエーターと対向する位置に設置されることを特徴とする請求項1及び2に記載の振れ補正装置。
  4. 前記弾性部材は、バネであり、
    前記回転運動を抑制する力は、前記バネの張力により生じるモーメントであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の振れ補正装置。
  5. 複数のレンズ群からなる光学系と、撮像素子とを有する光学機器であって、
    前記光学系は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の振れ補正装置を備えることを特徴とする光学機器。
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