JP2013002002A - ゴム製品を補強するための補強用コードおよびそれを用いたゴム製品 - Google Patents

ゴム製品を補強するための補強用コードおよびそれを用いたゴム製品 Download PDF

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Abstract

【課題】水や油が存在する環境下で繰返し応力を与えても強度低下が小さい補強用コードを提供する。
【解決手段】本発明の補強用コードでは、それに含まれるストランドが1つのみである。そのストランドは、束ねられて一方向に撚られた複数のフィラメントによって構成されたフィラメントの束と、その束の少なくとも表面に形成された被膜とによって構成されている。その束は、実質的に、ガラス繊維フィラメント、炭素繊維フィラメント、アラミド繊維フィラメント、またはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維フィラメントによって構成されている。その束に含まれるフィラメントの数は、250〜48000本の範囲にある。フィラメントの束の撚り数は、20〜400回/mの範囲にある。被膜は、ゴムラテックスと架橋剤とを含む水性処理剤によって形成された被膜である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム製品を補強するための補強用コード、およびそれを用いたゴム製品に関する。
自動車用の内燃機関のカムシャフト駆動、インジェクションポンプなどの補機駆動、および、産業機械の動力の伝達には、ゴムベルトやチェーンが使用されている。近年、カムシャフト駆動用として、金属チェーンが使用されることが増えている。しかし、燃費向上などの観点から、動力伝達効率に優れるゴムベルトの使用があらためて検討されている。ゴムベルトは、金属チェーンに比べて強度や弾性力が高く、高負荷や高屈曲の条件でも使用できる。また、ゴムベルトは、寸法安定性にも優れている。しかし、油や水が存在する環境下ではゴムベルトの強度が著しく低下する場合があるため、ゴムベルトの用途は限定されている。
水や油が付着する環境下でも強度が低下しないゴムベルトは長く研究されてきたが、ゴムベルトに要求されるすべての性能を満足する製品は、まだ実現されていない。
一般的に、ゴムベルトは、ゴムとゴムに埋め込まれた補強用コードとを含む。ゴムベルトの強度は補強用コードの強度に依存するため、補強用コードはゴムベルトの寿命を決定する重要な部材である。
ゴムベルトの耐熱、耐水、および耐油性を改良するために、補強用コードについて種々の提案がなされてきた。例えば、特許文献1(特開平06−212572号公報)は、レゾルシン−ホルムアルデヒド水溶性縮合物およびニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスを含む処理剤を開示している。
また、特許文献2(特開2003−268678号公報)は、レゾルシン・ホルムアルデヒド水溶性縮合物およびブタジエン・アクリロニトリル共重合体ラテックスのみからなる処理剤を開示している。
また、特許文献3(国際出願公開WO2006/001385)は、被膜を介して密着した複数のストランドを含むコードを用いることによって、コード内部への水や油の侵入を防ぐ手法を開示している。この手法によって、複数のストランドを含むコードの耐久性は大幅に向上した。しかし、より厳しい条件においてコードを使用できるように、コードの特性の更なる向上が求められている。
特開平06−212572号公報 特開2003−268678号公報 国際出願公開WO2006/001385
油や水がかかる環境下でゴムベルトを使用すると、ベルトの端面から水や油がベルト内の補強用コードにまで浸透することがある。浸透した水や油は、補強用コードに塗布された接着剤を膨潤させたり、ストランド間の隙間に入ってベルトとコードの一体性を失わせたりすることによって、ゴムベルトの強度を急激に低下させることがある。補強用繊維に塗布される接着剤として耐油性が高い接着剤を用いても、ストランド間へ油が浸透することを完全に防ぐことは容易ではない。そのため、油や水がある環境で使用する場合には、それらがない環境で使用する場合に比べて、補強用コードの強度が低下しやすい。
補強用コードとして用いられるガラス繊維コードは、たとえば、以下の方法で作製される。まず、200〜600本程度のガラス繊維フィラメントの束に接着剤を塗布して下撚りをすることによって、ストランドを形成する。次に、このストランドを複数本撚り合わせることによって、ガラス繊維コードを得る。上述したように、ストランド間の空隙をなくす方法が従来から提案されている。しかし、ゴムベルトが使用されると、補強用コードのストランド間に、繰り返し、せん断力が加わる。その結果、ストランド間に亀裂が生じ、その亀裂に水や油が浸透して補強用ベルトの強度が低下する恐れがある。このような強度の低下は、ガラス繊維フィラメントの代わりに炭素繊維フィラメントを用いた場合でも、同様に生じる恐れがある。
このような状況において、本発明の目的の1つは、水や油が存在する環境下で繰返し応力を与えても強度低下が小さい補強用コード、およびそれを用いたゴム製品を提供することである。
本発明の補強用コードは、ゴム製品を補強するための補強用コードであって、含まれるストランドが1つのみであり、前記ストランドは、束ねられて一方向に撚られた複数のフィラメントによって構成された前記フィラメントの束と、前記束の少なくとも表面に形成された被膜とによって構成されており、前記束は、実質的に、ガラス繊維フィラメント、炭素繊維フィラメント、アラミド繊維フィラメント、またはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維フィラメントによって構成されており、前記束に含まれる前記フィラメントの数が250〜48000本の範囲にあり、前記フィラメントの束の撚り数が20〜400回/mの範囲にあり、前記被膜は、ゴムラテックスと架橋剤とを含む水性処理剤によって形成された被膜である。
本発明のゴム製品は、本発明の補強用コードで補強されている。
本発明の補強用コードに含まれるストランドは1本のみであり、ストランドの表面に被膜が形成されている。そのため、複数のストランドで構成された補強用コードに比べて、本発明の補強用コードは、水および/または油が付着する環境下におけるゴムベルトの耐屈曲疲労性を大きく改善できる。また、本発明の補強用コードの製造では、複数のストランドを束ねて撚り合わせる工程、すなわち、上撚りの工程を省略できる。そのため、本発明によれば、補強用コードを安価に製造できる。
本発明の補強用コードを含むゴム製品の一例を示す、一部断面斜視図である。 実施例で行われた屈曲試験を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本発明の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。また、以下で説明する化合物は、特に記載がない限り、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
[補強用コード]
本発明の補強用コードは、ゴム製品を補強するためのコードである。この補強用コードに含まれるストランドは、1つのみである。そのストランドは、束ねられて一方向に撚られた複数のフィラメント(補強用繊維フィラメント)によって構成されたフィラメントの束と、その束の少なくとも表面に形成された被膜とによって構成されている。フィラメントの束は、実質的に、ガラス繊維フィラメント、炭素繊維フィラメント、アラミド繊維フィラメント、またはPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維フィラメントによって構成されている。フィラメントの束に含まれるフィラメントの数は、250〜48000本の範囲にある。フィラメントの束の撚り数は、20〜400回/mの範囲にある。被膜は、ゴムラテックスと架橋剤とを含む水性処理剤によって形成された被膜である。以下では、被膜の形成に用いられる水性処理剤を、「水性処理剤(A)」という場合がある。
なお、フィラメントの束は、フィラメントの束を複数本束ねたものであってもよい。この場合、複数本のフィラメントの束のそれぞれには、撚りがかけられていない。
水性処理剤(A)は、ゴムのラテックスを主成分として含む。ここで、主成分とは、その固形分が、水性処理剤(A)の固形分の50質量%以上を占める成分を意味する。水性処理剤(A)は、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、カルボキシル変性されたニトリルゴム、およびカルボキシル変性された水素化ニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1つのゴムのラテックスを主成分として含むことが好ましい。水性処理剤(A)は、これらのゴムラテックスの1種類のみを含んでもよいし、これらのゴムラテックスの複数種を含んでもよい。これらのゴムラテックスは、油による膨潤が小さく耐油性に優れる点で好ましい。なお、この明細書において、「ニトリルゴム」という用語は、特に記載がない限り、水素化もカルボキシル変性もされていないニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム)を意味する。
水性処理剤(A)は、上記のゴムラテックスに加えて、他のゴムラテックスを含んでもよい。他のゴムラテックスの例には、ブタジエン・スチレン共重合体ラテックス、ジカルボキシル化ブタジエン・スチレン共重合体ラテックス、ビニルピリジン・ブタジエン・スチレンターポリマーラテックス、クロロプレンラテックス、ブタジエンラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンラテックスが含まれる。水性処理剤(A)は、これらのゴムラテックスを複数種含んでもよい。
水性処理剤(A)の固形分に占めるラテックスのゴムの割合は、好ましくは60質量%以上(たとえば67〜80質量%)である。ラテックスが多いほど被膜は柔軟になるが、その一方で、被膜の接着性が低下する。そのため、水性処理剤(A)に占めるゴムの割合は、マトリックスゴムとの相溶性や接着のしやすさを考慮して決定することが好ましい。水性処理剤(A)の固形分に占めるゴムの割合が50質量%より小さいと、補強用コードの柔軟性が低下し、ゴム製品(たとえばゴムベルト)の寿命が短くなる場合がある。
水性処理剤(A)は、架橋剤を含む。この架橋剤によって、マトリックスゴムとの接着性を向上できる。水性処理剤(A)に含まれる架橋剤の例には、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系架橋剤、ラウリルメタアクリレートやメチルメタアクリレートなどのメタアクリレート系架橋剤、DAF(ジアリルフマレート)、DAP(ジアリルフタレート)、TAC(トリアリルシアヌレート)およびTAIC(トリアリルイソシアヌレート)などのアリル系架橋剤、ビスマレイミド、フェニールマレイミドおよびN,N’−m−フェニレンジマレイミドなどのマレイミド系架橋剤、芳香族または脂肪族の有機ジイソシアネート、ポリイソシアネート、芳香族ニトロソ化合物、硫黄、および過酸化物が含まれる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。これらの架橋剤は、水性処理剤に含まれるゴムラテックスの種類、および補強用コードが埋め込まれるマトリックスゴムの種類などを考慮して選択される。また、これら架橋剤は、水分散体の形態で用いることが、水性処理剤中に均質に存在させるためには好ましい。架橋剤は、マレイミド系架橋剤、有機ジイソシアネート、および芳香族ニトロソ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つであってもよい。
上記の架橋剤の中でも、マレイミド系架橋剤およびポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。マレイミド系架橋剤の中でも、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンは、水に分散したときの安定性がよく、架橋効果が高く、架橋後の耐熱性も高いので、好適に用いられる。マレイミド系架橋剤およびポリイソシアネートは、それぞれ、ゴムラテックスと組み合わせることによって、補強用コードとマトリックスゴムとの接着性を特異的に高めることができる。特に、カルボキシル変性された水素化ニトリルゴムのラテックスとマレイミド系架橋剤との組み合わせは、接着性をより高めることができるため好ましい。
水性処理剤(A)は、レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物を含まないことが好ましい。その場合、補強用コードの製造時に、ホルムアルデヒドおよびアンモニアなどの環境負荷の大きい物質を使用しなくてもよくなるため、作業者のための環境対策が不要になる。ただし、水性処理剤(A)は、レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物を含んでもよい。
好ましい一例では、本発明の補強用コードは、複数のフィラメントを束ねたものに水性処理剤(A)を塗布した後、その束ねたものを一方向に撚ることによって形成される。
水性処理剤(A)の構成成分(溶媒を除く)は、溶媒中に分散または溶解される。水性処理剤(A)の溶媒は、50質量%以上の割合で水を含む水性溶媒である。水性溶媒中の水の含有率は、80質量%以上や90質量%以上や100質量%であってもよい。水性溶媒としては、取り扱い性がよく、構成成分の濃度管理が容易であり、有機溶媒と比較して環境負荷が格段に軽減されることから、水が好適に用いられる。なお、水性溶媒は、低級アルコールなどを含んでいてもよい。低級アルコールの例には、炭素数が4以下や3以下のアルコール(たとえばメタノールやエタノールやプロパノール)が含まれる。ただし、水性溶媒は、低級アルコール以外の有機溶媒を含まないことが好ましい。
水性処理剤(A)は、ゴムラテックスおよび架橋剤に加えて他の成分を含んでもよい。たとえば、水性処理剤(A)は、カーボンブラックやシリカなどの充填材や、樹脂、可塑剤、老化防止剤、安定剤、金属酸化物などを含んでいてもよい。
マトリックスゴムとの接着性を向上するために、本発明の補強用コードは、上記被膜(第1の被膜)上に形成された第2の被膜を備えてもよい。第2の被膜を形成する処理剤は、水性処理剤(A)と同じでもよいし、異なってもよい。たとえば、成分や溶媒が水性処理剤(A)とは異なる処理剤で第2の被膜を形成してもよい。第2の被膜によって、補強用コード内への水や油の浸透を防ぐ効果を高めることができる。そのため、第2の被膜は、水や油がゴム製品に付着する環境において使用される補強用コードに、特に好ましく形成される。
フィラメントの束の撚り数、すなわち、フィラメントの束に加えられた撚りの数は、20〜400回/mの範囲にあり、20〜200回/mの範囲にあることが好ましく、30〜160回/mの範囲にあることがより好ましい。フィラメントが炭素繊維フィラメントである場合、30〜120回/mの範囲にあることが好ましい。撚りの方向に限定はなく、S方向であってもよいし、Z方向であってもよい。
以下では、フィラメントの束を構成する主要なフィラメント(ガラス繊維フィラメント、炭素繊維フィラメント、アラミド繊維フィラメント、またはPBO繊維フィラメント)を「主要フィラメント」という場合がある。なお、ある1つの繊維フィラメントが主要フィラメントである補強用コードでは、それ以外の繊維フィラメントは主要フィラメントではない。本発明の補強用コードにおいて、フィラメントの束は、実質的に、ガラス繊維フィラメント、炭素繊維フィラメント、アラミド繊維フィラメント、またはPBO繊維フィラメントによって構成されている。ここで、「実質的に」とは、発明の効果に大きな影響を与えない程度に、フィラメントの束が、主要フィラメント以外のフィラメントを含んでもよいことを意味する。
典型的には、フィラメントの束(ストランド)は、ガラス繊維フィラメントのみ、炭素繊維フィラメントのみ、アラミド繊維フィラメントのみ、またはPBO繊維フィラメントのみによって構成される。ただし、本発明の効果が得られる限り、フィラメントの束(ストランド)は、主要フィラメント以外のフィラメント(補強用繊維フィラメント)を含んでもよい。たとえば、フィラメントの束は、主要フィラメント以外のフィラメントを、断面積に占める割合が10%以下(たとえば5%以下や1%以下)となる割合で含んでもよい。主要フィラメント以外のフィラメントに特に限定はなく、補強用繊維として一般的に用いられている繊維のフィラメントを用いることができる。
ストランド(フィラメントの束)に含まれるフィラメントの数は、250〜48000本の範囲にあり、1000〜24000本の範囲や、1200〜12000本の範囲にあってもよい。ストランド(フィラメントの束)に含まれるフィラメントの数は、たとえば、250本、1000本、3000本、6000本、12000本、24000本、または48000本であってもよい。
ガラス繊維フィラメントのガラスの種類に特に限定はなく、たとえば、Cガラス、Eガラス、高強度ガラス(Uガラス(日本板硝子株式会社製)、Kガラス(日本板硝子株式会社製)、Sガラスであってもよい。これらの中でも、高強度ガラスは、ベルトの強度が大きくなる点で好ましい。ガラス繊維フィラメントの直径に特に限定はなく、たとえば5ミクロン〜11ミクロンの範囲にあってもよい。ガラス繊維フィラメントの直径は、屈曲性を向上させるために、5ミクロン〜11ミクロンの範囲にあることが好ましく、5ミクロン〜7ミクロンの範囲にあることがより好ましい。別の観点では、ガラス繊維フィラメントの平均直径は、5ミクロン〜11ミクロンの範囲にあることが好ましく、5ミクロン〜7ミクロンの範囲にあることがより好ましい。通常、ガラス繊維フィラメントには、紡糸をする製造工程において、フィラメントを束ねるための集束剤が付与されている。集束剤は耐油性が高いものが望ましいが、その種類は限定されず、たとえば、アクリル系集束剤、エポキシ系集束剤、ラテックス系集束剤などの一般的なものを使用できる。
被膜の質量は、フィラメントの束の質量の7〜30%の範囲(たとえば、10〜25%の範囲や15〜20%の範囲)にあってもよい。この範囲は、フィラメントがガラス繊維フィラメントである場合、フィラメントが炭素繊維フィラメントである場合、フィラメントがアラミド繊維フィラメントである場合、および、フィラメントがPBO繊維フィラメントである場合のいずれの場合にも適用できる。被膜の量が多いと、コードが柔軟になって屈曲性は向上する。しかし、被膜の量が多すぎると、油の影響が大きくなったり、また、ゴム製品内における寸法安定性が低下したりする場合がある。一方、被膜の量が少なすぎると、補強用繊維を充分に保護することができず、その結果、ゴム製品の寿命が低下する場合がある。フィラメントがガラス繊維フィラメントである場合、被膜の質量は、フィラメントの束の質量の10〜25%の範囲(好ましくは15〜20%の範囲)にあってもよい。フィラメントが炭素繊維フィラメントである場合、フィラメントがアラミド繊維フィラメントである場合、および、フィラメントがPBO繊維フィラメントである場合には、被膜の質量は、フィラメントの束の質量の7〜30%の範囲(好ましくは15〜25%の範囲)にあってもよい。
水性処理剤(A)において、架橋剤の質量は、ゴムラテックスのゴムの質量の10〜100%の範囲(たとえば25〜70%の範囲)にあってもよい。
本発明の補強用コードは、水や油が付着する環境下でも良好な強度を維持できるので、様々なゴム製品の補強に適用可能である。例えば、耐熱性と耐屈曲疲労性に加えて、水や油などが付着する可能性があるタイミングベルトなどの補強用コードとしても好適に利用できる。
炭素繊維フィラメントの種類に特に限定はない。炭素繊維フィラメントの直径に特に限定はなく、たとえば4ミクロン〜12ミクロンの範囲にあってもよい。炭素繊維フィラメントの直径は、4ミクロン〜12ミクロンの範囲にあることが好ましく、5ミクロン〜7ミクロンの範囲にあることがより好ましい。別の観点では、炭素繊維フィラメントの平均直径は、4ミクロン〜12ミクロンの範囲にあることが好ましく、5ミクロン〜7ミクロンの範囲にあることがより好ましい。
好ましい一例では、フィラメントの束は、3000〜7000本の範囲のガラス繊維フィラメント(フィラメントの直径は5μm〜11μmの範囲)によって構成され、たとえば、5000〜7000本の範囲のガラス繊維フィラメント(フィラメントの直径は7μm〜9μmの範囲)によって構成される。好ましい他の一例では、1000〜48000本の範囲の炭素繊維フィラメント(フィラメントの直径は4μm〜12μmの範囲)によって構成され、たとえば、1000〜12000本の範囲の炭素繊維フィラメント(フィラメントの直径は5μm〜7μmの範囲)によって構成される。好ましい他の一例では、250〜5000本の範囲のアラミド繊維フィラメント(フィラメントの直径は8μm〜13μmの範囲)によって構成され、たとえば、250〜2000本の範囲のアラミド繊維フィラメント(フィラメントの直径は11μm〜13μmの範囲)によって構成される。好ましい他の一例では、250〜5000本の範囲のPBO繊維フィラメント(フィラメントの直径は8μm〜30μmの範囲)によって構成され、たとえば、250〜1000本の範囲のPBO繊維フィラメント(フィラメントの直径は10μm〜30μmの範囲)によって構成される。
[ゴム製品]
本発明のゴム製品は、本発明の補強用コードで補強されたゴム製品である。ゴム製品に特に限定はない。本発明のゴム製品の例には、自動車や自転車のタイヤ、および、伝動ベルトなどが含まれる。伝動ベルトの例には、噛み合い伝動ベルトや摩擦伝動ベルトなどが含まれる。噛み合い伝動ベルトの例には、自動車用タイミングベルトなどに代表される歯付きベルトが含まれる。摩擦伝動ベルトの例には、平ベルト、丸ベルト、Vベルト、Vリブドベルトなどが含まれる。
本発明のゴム製品は、本発明の補強用コードをゴム組成物(マトリックスゴム)に埋め込むことによって形成されている。補強用コードをマトリックスゴム内に埋め込む方法は特に限定されず、公知の方法を適用してもよい。本発明のゴム製品(たとえばゴムベルト)には、本発明の補強用コードが埋め込まれている。そのため、本発明のゴム製品は、高い強度および高い耐屈曲疲労性を備え、さらに、水や油が付着する環境下でも強度低下が少ないという特長を有する。したがって、本発明のゴム製品は、車輌用エンジンのタイミングベルトなどの用途に特に適している。
本発明の補強用コードが埋め込まれるゴム組成物のゴムは、特に限定されず、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、水素化ニトリルゴムなどであってもよい。水素化ニトリルゴムおよびアクリル酸亜鉛誘導体を分散させた水素化ニトリルゴムから選ばれる少なくとも1つのゴムは、耐水性および耐油性の観点から、好ましい。マトリックスゴムは、さらに、カルボキシル変性された水素化ニトリルゴムを含んでもよい。なお、補強用コードの被膜とゴム製品のゴム組成物とが同じ種類のゴムを含むか、または、同じ種類のゴムからなることが、接着性の点で好ましい。
ゴム製品の一例として、歯付きベルトを図1に示す。図1に示す歯付ベルト10は、ベルト本体11および複数の補強用コード12を含む。ベルト本体11は、ベルト部13と、一定間隔でベルト部13から突き出した複数の歯部14とを含む。補強用コード12は、ベルト部13の内部に、ベルト部13の周方向(長手方向)に延びるような方向に配置されて、埋め込まれている。補強用コード12は、本発明の補強用コードである。
[補強用コードの製造方法]
本発明の補強用コードの製造方法の一例を以下に説明する。なお、本発明の補強用コードについて説明した事項は以下の製造方法に適用できるため、重複する説明を省略する場合がある。また、以下の製造方法で説明した事項は、本発明の補強用コードに適用できる。この製造方法の一例は、以下の工程(i)および(ii)を含む。
工程(i)では、複数のフィラメントを束ねて、その表面に水性処理剤(A)を塗布したのち、水性処理剤(A)中の溶媒を除去する。具体的には、まず、複数のフィラメントを引き揃えて1つの束とし、その束の表面に水性処理剤(A)を塗布する。その後、水性処理剤(A)中の溶媒を除去する。フィラメントの束は、実質的に、ガラス繊維フィラメントまたは炭素繊維フィラメントで構成される。
工程(i)によって被膜が形成される。水性処理剤(A)を塗布する方法に限定はなく、たとえば、フィラメントの束を水性処理剤(A)中に浸漬してもよい。上述したように、フィラメントの束は、実質的にガラス繊維フィラメントまたは炭素繊維フィラメントからなる。溶媒を除去する方法に限定はなく、たとえば、乾燥炉を用いて溶媒を除去してもよい。溶媒を除去するための乾燥条件は特に限定されない。たとえば、80〜300℃の雰囲気下で0.1〜2分間乾燥することによって、溶媒を除去してもよい。
工程(ii)では、被膜が形成されたフィラメントの束を一方向に撚る。撚る方向は、S方向であってもよいし、Z方向であってもよい。フィラメントの数および撚り数は、上述したため、説明を省略する。このようにして、本発明の補強用コードが製造される。工程(ii)では、工程(i)で形成されたフィラメントの束を複数本撚り合わせることはない。すなわち、工程(ii)では、工程(i)で形成されたフィラメントの束1つに対して撚りを加える。
本発明の補強用コードを製造するための他の一例を以下に説明する。この製造方法は、以下の工程(I)および(II)を含む。
工程(I)では、複数のフィラメントを1つにまとめて撚りを加える。具体的には、複数のフィラメントを引き揃えて1つの束とし、その束に対して撚りを加える。工程(I)によって、撚られたフィラメントの束が形成される。フィラメントの種類、数、および撚り数は、上述した通りである。
工程(II)では、撚られたフィラメントの束の表面に水性処理剤(A)を塗布した後、水性処理剤(A)中の溶媒を除去する。水性処理剤(A)の塗布方法および溶媒の除去方法は上述した通りである。工程(II)によって、被膜を備える本発明の補強用コードが得られる。
なお、上記被膜(第1の被膜)の上に他の被膜(第2の被膜)を形成する場合には、第1の被膜の上に処理剤を塗布し、その処理剤中の溶媒を除去することによって第2の被膜を形成すればよい。
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明する。まず、ガラス繊維フィラメントを用いた補強用コードの実施例について説明する。
(実施例1〜6)
まず、高強度ガラスからなり、平均直径が7μmであるガラス繊維フィラメントが200本集束されることによって構成されたガラス繊維を用意した。そして、このガラス繊維を6本引き揃えてフィラメントの束とし、その束を、以下の表1に示す組成の水性処理剤に浸漬した後、200℃で2分間乾燥させて、1本のガラス繊維コードを得た。このガラス繊維コードに、80回/mの割合で一方向に撚りをかけ、実施例1の補強用コードを作製した。
水性処理剤の組成を変えることを除いて実施例1と同様の条件で、実施例2〜6の補強用コードを作製した。実施例2〜6で用いられた水性処理剤の組成を表1に示す。なお、実施例1〜6の補強用コードにおいて、被膜の質量は、ガラス繊維フィラメントの束の質量の18%であった。
Figure 2013002002
(比較例1〜4)
水性処理剤の組成を変えることを除いて実施例1と同様の条件で、比較例1〜4の補強用コードを作製した。比較例1〜4で用いられた水性処理剤の組成を表1に示す。
(実施例7〜13)
ガラス繊維フィラメントの数を以下の表2に示す数に変えたことを除いて実施例1と同じ条件で、実施例7〜13の補強用コードを作製した。
(比較例5〜6)
ガラス繊維フィラメントの数を以下の表2に示す数に変えたことを除いて実施例1と同じ条件で、比較例5および6の補強用コードを作製した。
Figure 2013002002
(比較例7〜14)
実施例1に示す補強用繊維(ガラス繊維フィラメントの束)に代えて以下の表3に示す補強用繊維を用いたことを除いて、実施例1と同じ条件で、比較例7〜14の補強用コードを作製した。
Figure 2013002002
表3に示すように、比較例7〜14では、補強用繊維として、複数のストランドによって構成された補強用繊維を用いた。
比較例7の補強用コードは2つのストランドを含む。それぞれのストランドは、600本のガラス繊維フィラメント(実施例1と同じガラス繊維フィラメント)を引き揃えて水性処理剤を塗布して乾燥した後、80回/mの下撚りを加えることによって形成した。このように形成されたストランドを2本束ねて80回/mの上撚りを加えることによって比較例7の補強用コードを得た。なお、下撚りの撚り方向と上撚りの撚り方向とは逆である。他の比較例8〜14も、フィラメントの数および/またはストランドの数が異なることを除き、比較例7と同様の方法で作製した。
次に、実施例1〜13および比較例1〜14の補強用コードのそれぞれを、以下の表4に示す組成を有するゴムに埋め込んで、屈曲試験用の試験片(サイズ:200mm×10mm×3mm)を作製した。
Figure 2013002002
次に、それぞれの試験片について、水および油が付着していない状態で10万回屈曲させる屈曲試験を行った。また、それぞれの試験片について、水が付着した状態で10万回屈曲させる屈曲試験を行った。また、それぞれの試験片について、油が付着した状態で10万回屈曲させる屈曲試験を行った。屈曲試験は、図2に示す屈曲試験機20を用いて行った。それぞれの試験片について、屈曲試験前および屈曲試験後の引張強度を測定した。ここで、引張強度は、一般的に用いられる引張試験機と一般的に用いられるコードグリップとを用いて引張試験を実施し、その際に得られた破断強度である。なお、単位はN/コードである。
屈曲試験機20は、直径10mmの1個の平プーリ21と、モータ(図示せず)と、4個のガイドプーリ22とを備える。まず、作製された試験片23を、5個のプーリに架けた。そして、試験片23の一端23aにおもりをつけて、試験片23に10Nの荷重を加えた。その状態で、試験片23の他端23bを図2の矢印の方向に1万回往復運動させ、平プーリ21の部分で試験片23を繰り返し屈曲させた。屈曲試験は室温で行った。このようにして、試験片23の屈曲試験を行ったのち、屈曲試験後の試験片の引張強度を測定した。
そして、屈曲試験前の試験片の引張強度を100%としたときの、屈曲試験後の試験片の引張強度の割合、すなわち強度保持率(%)を求めた。この引張強度の保持率の値が高いほど耐屈曲疲労性に優れていることを示す。実施例1〜6および比較例1〜4についての結果を表5に示す。
Figure 2013002002
実施例1、7〜13および比較例5および6についての結果を表6に示す。
Figure 2013002002
比較例7〜14についての結果を表7に示す。
Figure 2013002002
表5〜7に示されるように、比較例の補強用コードを用いたゴムベルトに比べて、実施例の補強用コードを用いたゴムベルトは、水や油が付着しても強度の低下が小さかった。
以下では、炭素繊維フィラメントを用いた補強用コードの実施例について説明する。
(実施例14〜16)
まず、炭素繊維フィラメント12000本を束ねて、フィラメントの束とした。炭素繊維フィラメントには、平均直径が7ミクロンのものを用いた。
その束を、以下の表8に示す組成の水性処理剤(A)に浸漬した後、200℃で2分間乾燥させて、第1の被膜を有する1本の炭素繊維コードを得た。この炭素繊維コードに、60回/mの割合で一方向に撚りをかけた。なお、表8に示す配合比は、固形分の配合比である。
Figure 2013002002
次に、マトリックスゴムとの接着性を向上させるために、第2の被膜を形成した。具体的には、以下の表9に示す組成を有する処理剤を上記第1の被膜の上に塗布して乾燥することによって、第2の被膜を形成した。このようにして、実施例14の補強用コードを得た。
Figure 2013002002
第1の被膜を形成するための水性処理剤(A)の組成を変えることを除いて実施例14と同様の条件で、実施例15および16の補強用コードを作製した。実施例15および16で用いられた水性処理剤(A)の組成を表8に示す。
(比較例15および16)
ストランドの構成を変更することを除いて、実施例14と同様の条件で、比較例15および16の補強用コードを作製した。比較例15および16で用いられた水性処理剤(A)の組成を表10に示す。比較例15の補強用コードは、以下の手順で作製した。まず、6000本の炭素繊維フィラメントの束に、水性処理剤(A)を塗布して乾燥させることによって被膜を形成した。その後、当該フィラメントの束に60回/mの下撚りを加えてストランドを作製した。次に、同様の方法でもう1本ストランドを作製した。作製された2本のストランドを束ねて、60回/mの上撚りを加えた。下撚り方向と上撚り方向とは逆方向とした。次に、実施例14と同様の方法で、束ねられた2本のストランドの表面に第2の被膜を形成した。このようにして、比較例15の補強用コードを作製した。
比較例16の補強用コードは、以下の手順で作製した。まず、3000本の炭素繊維フィラメントの束に、表10に示す水性処理剤(A)を塗布して乾燥させることによって、被膜を形成した。その後、当該フィラメントの束に60回/mの下撚りを加えたストランドを作製した。同様の方法によって、さらに3本のストランドを作製した。作製された4本のストランドを束ねて、60回/mの上撚りを加えた。下撚り方向と上撚り方向とは逆方向とした。次に、実施例14と同様の方法で、束ねられた4本のストランドの表面に第2の被膜を形成した。このようにして、比較例16の補強用コードを作製した。なお、表10に示す配合比は、固形分の配合比である。また、表10に示す2種類のゴムラテックスは、それぞれ、表8に示す2種類のゴムラテックスと同じである。
Figure 2013002002
なお、実施例14〜16および比較例15〜16の補強用コードにおいて、第1の被膜の質量は、フィラメントのトータルの質量の20%であった。
次に、実施例14〜16および比較例15〜16の補強用コードのそれぞれを、上記の表4に示す組成を有するゴムに埋め込んで、屈曲試験用の試験片(サイズ:300mm×10mm×3mm)を作製した。
次に、ガラス繊維フィラメントを用いた実施例1の試験片と同様の条件で、屈曲試験を行った。そして、屈曲試験前の試験片の引張強度を100%としたときの、屈曲試験後の試験片の引張強度の保持率(%)を求めた。結果を表8および10に示す。
表8および10に示すように、実施例14〜16の補強用コードは、比較例15および16の補強用コードに比べて、強度保持率が高かった。
以上、本発明の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づいて他の実施形態に適用できる。
本発明は、ゴム製品を補強するための補強用コード、およびそれを用いたゴム製品に利用できる。
10 歯付ベルト
11 ベルト本体
12 補強用コード
13 ベルト部
14 歯部

Claims (16)

  1. ゴム製品を補強するための補強用コードであって、
    含まれるストランドが1つのみであり、
    前記ストランドは、束ねられて一方向に撚られた複数のフィラメントによって構成された前記フィラメントの束と、前記束の少なくとも表面に形成された被膜とによって構成されており、
    前記束は、実質的に、ガラス繊維フィラメント、炭素繊維フィラメント、アラミド繊維フィラメント、またはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維フィラメントによって構成されており、
    前記束に含まれる前記フィラメントの数が250〜48000本の範囲にあり、
    前記フィラメントの束の撚り数が20〜400回/mの範囲にあり、
    前記被膜は、ゴムラテックスと架橋剤とを含む水性処理剤によって形成された被膜である、補強用コード。
  2. 前記被膜の質量が、前記フィラメントの束の質量の10〜25%の範囲にある、請求項1に記載の補強用コード。
  3. 前記水性処理剤において、前記架橋剤の質量が前記ゴムラテックスのゴムの質量の10〜100%の範囲にある、請求項1または2に記載の補強用コード。
  4. 前記被膜の質量が、前記フィラメントの束の質量の7〜30%の範囲にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の補強用コード。
  5. 前記フィラメントの束が、ガラス繊維フィラメントによって構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の補強用コード。
  6. 前記フィラメントの束が、炭素繊維フィラメントによって構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の補強用コード。
  7. 前記フィラメントの束が、アラミド繊維フィラメントによって構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の補強用コード。
  8. 前記フィラメントの束が、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維フィラメントによって構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の補強用コード。
  9. 前記水性処理剤は、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、カルボキシル変性されたニトリルゴム、およびカルボキシル変性された水素化ニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1つのゴムのラテックスを主成分として含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の補強用コード。
  10. 前記架橋剤が、マレイミド系架橋剤およびポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の補強用コード。
  11. 前記水性処理剤が、レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物を含まない、請求項1〜10のいずれか1項に記載の補強用コード。
  12. 前記ストランドは、前記複数のフィラメントを束ねたものに前記水性処理剤を塗布した後、その束ねたものを一方向に撚ることによって形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の補強用コード。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の補強用コードで補強されたゴム製品。
  14. 伝動ベルトである、請求項13に記載のゴム製品。
  15. 噛み合い伝動ベルトまたは摩擦伝動ベルトである、請求項14に記載のゴム製品。
  16. 歯付ベルト、平ベルト、丸ベルト、Vベルト、またはVリブドベルトである、請求項15に記載のゴム製品。
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