JP2013001889A - サイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

サイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できるゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム、末端変性ブタジエンゴム、イソプレン系ゴム及びレジンを含有し、ゴム成分100質量%中の前記1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴムの含有量が10〜60質量%、前記末端変性ブタジエンゴムの含有量が7〜60質量%及び前記イソプレン系ゴムの含有量が20〜70質量%であるゴム組成物からなるサイドウォールを有する空気入りタイヤに関する。前記サイドウォールは、温度70℃、動歪み2%で測定したタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤ径方向の複素弾性率E*bとの比(E*a/E*b)が1.03〜2.0であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、サイドウォール用ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、自動車用タイヤのサイドウォールに用いるゴム組成物に対して、低燃費性に優れることが求められている。低燃費性を改善する方法として、変性剤により変性されたブタジエンゴム、ネオジウム触媒ハイシスBRやハイブリッド架橋剤を使用する方法などが知られている。
一方、サイドウォールには、操縦安定性、乗り心地性も求められる。一般に操縦安定性は複素弾性率E*が高いほど優れ、乗り心地性は複素弾性率E*が低いほど優れるため、操縦安定性と乗り心地性は二律背反の関係にある。
操縦安定性、乗り心地性をバランスよく得る方法として、ポリエチレンテレフタレート、粉細紙繊維、アラミド繊維などの微小繊維を使用することが知られているが、該微小繊維はゴムマトリックスと結合していないため、切り欠きや破壊の起点となるおそれがあり、耐亀裂成長性の点で問題がある。
また、サイドウォールには、通常、高粘度の高シスブタジエンゴムが用いられるが、加工性が悪く、フィラーの分散が悪いため低燃費性に問題がある。このように、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性、加工性を同時にバランスよく改善することは困難である。
特許文献1では、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム、天然ゴムなどを使用することにより低燃費性、耐亀裂成長性などを改善する方法が提案されているが、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性、加工性を同時に満足させる技術は未だに存在しない。
特開2006−63143号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できるゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム、末端変性ブタジエンゴム、イソプレン系ゴム及びレジンを含有し、ゴム成分100質量%中の前記1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴムの含有量が10〜60質量%、前記末端変性ブタジエンゴムの含有量が7〜60質量%及び前記イソプレン系ゴムの含有量が20〜70質量%であるゴム組成物からなるサイドウォールを有する空気入りタイヤに関する。
前記サイドウォールは、温度70℃、動歪み2%で測定したタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤ径方向の複素弾性率E*bとの比(E*a/E*b)が1.03〜2.0であることが好ましい。また、前記サイドウォールは、温度70℃、動歪み2%で測定したtanδが0.125未満であることが好ましい。
前記ゴム成分100質量%中の前記1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴムの含有量が10〜40質量%、前記末端変性ブタジエンゴムの含有量が25〜50質量%及び前記イソプレン系ゴムの含有量が30〜60質量%であることが好ましい。
また、前記末端変性ブタジエンゴムがスズ末端変性ブタジエンゴムであり、前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して硫黄を1.61〜2.3質量部含有することが好ましい。
前記ゴム組成物は、窒素吸着比表面積が25〜120m/gのカーボンブラック及び/又は窒素吸着比表面積が80〜240m/gのシリカを含有し、前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラック及び前記シリカの合計含有量が20〜40質量部であることが好ましい。
本発明によれば、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム、末端変性ブタジエンゴム、イソプレン系ゴム及びレジンを含有するゴム組成物からなるサイドウォールを有する空気入りタイヤであるので、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できる。
本発明の空気入りタイヤは、特定量の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム、末端変性ブタジエンゴム及びイソプレン系ゴムと、レジンとを含有するゴム組成物からなるサイドウォールを有する。
サイドウォールを構成するゴム組成物において、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)としては、タイヤ製造における汎用品を使用できるが、前述の性能が良好に得られるという点から、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶がBRと化学結合し、分散しているものが好ましい。
1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の融点は、好ましくは180℃以上、より好ましくは190℃以上であり、また、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下である。下限未満では、SPB含有BRによる操縦安定性の改善効果が充分に得られないおそれがあり、上限を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
SPB含有BR中において、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の含有量(沸騰n−ヘキサン不溶物の含有量)は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。2.5質量%未満では、補強効果(E*)が充分でないおそれがある。該含有量は好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下である。20質量%を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
上記ゴム組成物のゴム成分100質量%中において、SPB含有BR由来の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の含有量(沸騰n−ヘキサン不溶物の含有量)は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは4質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。上記範囲内であると、後述するE*a/E*bを良好に調整でき、本発明の効果が良好に得られる。
ゴム成分100質量%中のSPB含有BRの含有量は、10質量%以上、好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、耐亀裂成長性、加工性が充分に得られないおそれがある。該含有量は、60質量%以下、好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。
末端変性ブタジエンゴム(末端変性BR)としては特に限定されず、使用できる充填剤の種類(カーボンブラック、シリカなど)に応じて選択できるが、優れた低燃費性が得られるという理由から、スズ変性ブタジエンゴム(スズ変性BR)、下記式(1)で表される化合物により変性された変性ブタジエンゴム(S変性BR)が好ましく、スズ変性BRがより好ましい。
Figure 2013001889
(式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
上記スズ変性BRとしては特に限定されないが、リチウム開始剤により重合され、スズ原子の含有量が50〜3000ppm、ビニル含量が5〜50質量%、分子量分布が2以下のスズ変性BRが好ましい。
上記スズ変性BRは、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合を行った後、スズ化合物を添加することにより得られ、更に該スズ変性BR分子の末端はスズ−炭素結合で結合されていることが好ましい。
リチウム開始剤としては、アルキルリチウム、アリールリチウムなどのリチウム系化合物が挙げられる。スズ化合物としては、四塩化スズ、ブチルスズトリクロライドなどが挙げられる。
スズ変性BRのスズ原子の含有量は50ppm以上である。50ppm未満では、tanδが増大する傾向がある。また、スズ原子の含有量は3000ppm以下、好ましくは300ppm以下である。3000ppmを超えると、混練り物の加工性が悪化する傾向がある。
スズ変性BRの分子量分布(Mw/Mn)は2以下である。Mw/Mnが2を超えると、tanδが増大する傾向がある。分子量分布の下限は特に限定されないが、1以上であることが好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
スズ変性BRのビニル含量は、5質量%以上である。5質量%未満では、スズ変性BRの製造が困難である。該ビニル含量は50質量%以下、好ましくは20質量%以下である。50質量%を超えると、カーボンブラックの分散性が悪く、低燃費性、引張強さが低下する傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
上記S変性BRとしては、特開2010−111753号公報などに記載されているものが挙げられる。
式(1)において、優れた転がり抵抗特性、破断強度が得られるという点から、R、R及びRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)。R及びRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは3である。好ましい化合物を使用することにより、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性がバランス良く得られる。
式(1)で表される化合物の具体例としては、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、前述の性能を良好に改善できる点から、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
式(1)で表される化合物によるブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報などに記載されている方法など、従来公知の手法を使用できる。例えば、ブタジエンゴムと該化合物とを接触させることで変性でき、具体的には、アニオン重合によるブタジエンゴムの調製後、該ゴム溶液中に該化合物を所定量添加し、ブタジエンゴムの重合末端(活性末端)と該化合物とを反応させる方法などが挙げられる。
上記S変性BRのビニル含量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が35質量%を超えると、低燃費性が低下するおそれがある。上記ビニル含量の下限は特に限定されないが、好ましくは1質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。1質量%未満であると、耐熱性、耐劣化性が低下するおそれがある。
上記S変性BRの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10万以上、より好ましくは40万以上である。10万未満であると、充分な破壊強度及び耐屈曲疲労性が得られないおそれがある。Mwは、好ましくは200万以下、より好ましくは80万以下である。200万を超えると、加工性が低下して分散不良を引き起こし、充分な破壊強度が得られないおそれがある。
ゴム成分100質量%中の末端変性BRの含有量は、好ましくは7質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。7質量%未満であると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、加工性が低下する傾向がある。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、液状イソプレンゴム(L−IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などが挙げられる。NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20、ENR25など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、IRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、良好な破断時伸びが得られ、ロール加工性に優れるという点からNRが好ましい。また、より優れた加工性が得られるという点からNR及びIRの併用がより好ましい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。20質量%未満であると、破断伸びが充分に得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%を超えると、低燃費性が低下するおそれがある。
上記ゴム組成物において、SPB含有BR、末端変性BR及びイソプレン系ゴム以外に使用できるゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴムが挙げられる。
上記レジンとしては特に限定されないが、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性がバランスよく得られるという理由から、C5系石油樹脂、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂が好ましい。
C5系石油樹脂としては、ナフサ分解によって得られるC5留分中のオレフィン、ジオレフィン類を主原料とする脂肪族系石油樹脂などが挙げられる。
フェノール系樹脂としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂などが挙げられる。上記フェノール樹脂は、フェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるものであり、上記変性フェノール樹脂は、カシューオイル、トールオイル、アマニ油、各種動植物油、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミンなどの化合物を用いて変性したフェノール樹脂である。
フェノール系樹脂としては、硬化反応により良好な硬度が得られるという点から、変性フェノール樹脂が好ましく、カシューオイル変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂がより好ましい。
上記カシューオイル変性フェノール樹脂としては、下記式(2)で示されるものを好適に使用できる。
Figure 2013001889
式(2)中、pは、反応性が良く、分散性が向上する点で、1〜9の整数であり、5〜6が好ましい。
また、上記フェノール系樹脂として、非反応性アルキルフェノール樹脂を好適に使用できる。非反応性アルキルフェノール樹脂とは、鎖中のベンゼン環の水酸基のオルソ位及びパラ位(特にパラ位)において反応点を有さないアルキルフェノール樹脂をいう。ここで、非反応性アルキルフェノール樹脂としては、下記式(3)又は(4)で示されるものを好適に使用できる。
Figure 2013001889
式(3)中、mは整数である。適度なブルーム性という点で、mは1〜10が好ましく、2〜9がより好ましい。Rは、同一又は異なって、アルキル基を表し、ゴムとの親和性という点で、その炭素数は4〜15が好ましく、6〜10がより好ましい。
Figure 2013001889
式(4)中、rは整数である。適度なブルーム性という点で、rは1〜10が好ましく、2〜9がより好ましい。
上記フェノール系樹脂として、ブチルフェノールなどのアルキルフェノールと、アセチレンなどのアルキンとを反応させて得られるもの(縮合物)も好適に使用できる。
上記C5系石油樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。上記範囲内であると、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できる。
上記フェノール系樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好ましくは110℃以下である。上記範囲内であると、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できる。
上記クマロンインデン樹脂の軟化点は、好ましくは−20℃以上、より好ましくは0℃以上であり、好ましくは60℃以下、より好ましくは35℃以下、更に好ましくは15℃以下である。上記範囲内であると、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できる。
なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K6220:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記レジンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。0.5質量部未満では、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。10質量部を超えると、充分な低燃費性が得られない傾向がある。
上記ゴム組成物は、フェノール樹脂などの硬化作用を有する硬化剤を含むことが好ましい。上記硬化剤としては、上記硬化作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)、ヘキサメトキシメチロールメラミン(HMMM)、ヘキサメトキシメチロールパンタメチルエーテル(HMMPME)、メラミン、メチロールメラミンなどが挙げられる。なかでも、フェノール樹脂の硬度を上昇させる作用に優れるという点から、HMT、HMMM、HMMPMEが好ましい。
硬化剤の含有量の下限は、フェノール樹脂及び変性フェノール樹脂の合計量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。下限未満であると充分に硬化できない場合があり、上限を超えると硬化が不均一になるおそれ、押出し時に焼けが発生するおそれがある。
上記ゴム組成物はカーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、良好な補強性が得られ、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性がバランス良く得られる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は25m/g以上が好ましく、30m/g以上がより好ましく、120m/g以下が好ましく、50m/g以下がより好ましい。下限未満であると充分な破断伸びが得られないおそれがあり、上限を超えると低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
また、NSAの異なる2種のカーボンブラック(1)及び(2)を併用してもよく、これにより、低燃費性、破断時伸びが顕著に改善される。この場合、カーボンブラック(1)のNSAは25〜50m/gが好ましく、カーボンブラック(2)のNSAは100〜120m/gが好ましい。ここで、カーボンブラック(1)の含有量は、前述の改善効果が良好に得られるという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜30質量部であり、カーボンブラック(2)の含有量は好ましくは5〜30質量部である。
カーボンブラックの含有量(2種のカーボンブラックを用いる場合、その合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な操縦安定性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。60質量部を超えると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。
なお、上記ゴム組成物は、前述の成分を含有するため、上記範囲内のような少量のカーボンブラックであっても、良好な低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性が得られる。
上記ゴム組成物は、シリカを含有してもよい。これにより、低燃費性を改善できる。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは160m/g以上である。80m/g未満であると、充分な破壊強度が得られないおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは240m/g以下、より好ましくは220m/g以下である。240m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性が悪化するおそれがある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。5質量部未満であると、シリカを配合することによるtanδ低減や破断伸び向上の効果が充分に得られないおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。40質量部を超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性が悪化するおそれがある。また、押出し後冷却につれて押出し物が不均一にシュリンクし、ユニフォミティーが悪化するおそれがある。
上記ゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部である。上記範囲内であると、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性をバランス良く改善できる。
カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。20質量部未満では、充分な操縦安定性が得られないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは40質量部以下である。40質量部を超えると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。
上記ゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、各種老化防止剤、硫黄、加硫促進剤などを適宜配合できる。
上記ゴム組成物は、通常、硫黄を含む。硫黄の含有量は特に限定されないが、プライとの硫黄濃度差を適切に保つことができ、良好な破壊特性などが得られるという点から、ゴム成分100質量部に対して、1.61〜2.3質量部が好ましい。
なお、硫黄の含有量は、純硫黄分量であり、不溶性硫黄を用いる場合はオイル分を除いた含有量である。
本発明の空気入りタイヤのサイドウォールにおいて、温度70℃、動歪み2%で測定したタイヤ周方向の複素弾性率E*aと、温度70℃、動歪み2%で測定したタイヤ径方向(ラジアル方向)の複素弾性率E*bとの比(E*a/E*b)は、通常、1.03〜2.0である。E*a/E*bを上記範囲内に調整することにより、低燃費性、操縦安定性、乗り心地性及び加工性がバランス良く得られる。E*a/E*bは、1.1〜2.0に調整することがより好ましい。
本明細書において、タイヤ周方向、タイヤ径方向とは、具体的には特開2009−202865号公報の図1などに記載の方向である。
なお、本明細書において、E*a、E*bは、後述の実施例に記載の方法により測定される。
E*a/E*bは、SPB含有BRに由来する1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の量や、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の配向方向、押出し圧力などにより調整できる。
具体的には、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶をタイヤ周方向に配向させるほど、また、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の量を増加させるほどE*a/E*bを増加できる。また、ストリップワインド式押出し機により、ゴムストリップを高圧力で押出すことでE*a/E*bを増加できる。
E*aとしては、3.8〜5.5MPaが好ましい。また、E*bとしては、3〜3.8MPaが好ましい。上記範囲内であると、操縦安定性、乗り心地性、耐亀裂成長性が良好に得られる。
本発明の空気入りタイヤのサイドウォールにおいて、温度70℃、動歪み2%で測定したtanδは、0.125未満が好ましい。
なお、本明細書において、tanδは、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤなどとして好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練して作製したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのサイドウォールの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成形機上にて他のタイヤ部材とともに貼り合わせることで未加硫タイヤを形成し、更に、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。これにより、前述の成分を配合したサイドウォール(加硫ゴム組成物)を有するタイヤが得られる。
特に、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶をタイヤ周方向に配向でき、複素弾性率E*の異方性効果により優れた操縦安定性、乗り心地性が得られるという点から、カレンダーロールなどの公知のロールを用いて上記ゴム組成物(未加硫)から厚さ0.2〜1.5mmのゴムシートを作製する工程1と、該ゴムシートをタイヤ成形機上で積層し、サイドウォールを成形する工程2とを含む製造方法が好ましい。該製造方法としては、特開2009−202865号公報などに記載の製造方法が挙げられる。
上記ゴムシートの厚さの上限としては1.2mmがより好ましい。これにより、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶がタイヤ周方向に高圧力で配向されるため、所望のE*a/E*bが得られる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
IR:JSR(株)製のIR2200
変性BR1:日本ゼオン(株)製のBR1250H(リチウム開始剤を用いて重合したスズ変性BR、ビニル含量:10〜13質量%、Mw/Mn:1.5、スズ原子の含有量:250ppm)
変性BR2:旭化成ケミカルズ(株)製のN103(リチウム開始剤を用いて重合した変性BR、ビニル含量:12質量%、Mw/Mn:1.19、Mw:55万)
変性BR3:住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(リチウム開始剤を用いて重合した変性BR、ビニル含量:26質量%、Mw/Mn:1.34、Mw:67万)(R、R及びR=−OCH、R及びR=−CHCH、n=3)
BR150B:宇部興産(株)製のBR150B(ハイシスBR)
SPB含有BR1:宇部興産(株)製のVCR450(SPB含有BR、SPBの含有量:3.8質量%、SPBの融点:200℃、沸騰n−ヘキサン不溶物の含有量:3.8質量%)
SPB含有BR2:宇部興産(株)製のVCR412(SPB含有BR、SPBの含有量:12質量%、SPBの融点:200℃、沸騰n−ヘキサン不溶物の含有量:12質量%)
SPB含有BR3:宇部興産(株)製のVCR617(SPB含有BR、SPBの含有量:17質量%、SPBの融点:200℃、沸騰n−ヘキサン不溶物の含有量:15〜18質量%)
カーボンブラックN220:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:114m2/g)
カーボンブラックN660:東海カーボン(株)製のシーストV(N660)(NSA:35m/g)
カーボンブラックN550:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN550(NSA:40m/g)
シリカ:ローディア社製のZ1085Gr(NSA:90m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
レジン1:丸善石油化学(株)製のマルカレッツT−100AS(C5系石油樹脂:ナフサ分解によって得られるC5留分中のオレフィン、ジオレフィン類を主原料とする脂肪族系石油樹脂)(軟化点:100℃)
レジン2:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C10(クマロンインデン樹脂、軟化点:5〜15℃)
レジン3:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C30(クマロンインデン樹脂、軟化点:30℃)
レジン4:BASF社製のKoresin(ブチルフェノール及びアセチレンの縮合物、軟化点:142℃)
レジン5:(株)日本触媒製のSP1068(上記式(3)で表される非反応性アルキルフェノール樹脂:m=1〜10の整数、R=オクチル基)(軟化点:90℃)
レジン6:住友ベークライト(株)製のPR12686(上記式(2)で表されるカシューオイル変性フェノール樹脂、軟化点:100℃)
オイル:H&R(株)製のVivaTec500(TDAEオイル)
亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤6PPD:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
10%オイル含有不溶性硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミサルファー(二硫化炭素による不溶物60%以上の不溶性硫黄、オイル分:10質量%)(表1〜2の値は、純硫黄分量を示す)
HMT(硬化剤):三新化学工業(株)製のサンセラーHT(ヘキサメチレンテトラミン)
TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜11、15〜28及び比較例1〜10
表1〜2に示す配合に従って、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りした。次に、ロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォールに用いて未加硫タイヤを作製し、加硫することで試験用タイヤ(サイズ:245/40R18)を作製した。
実施例12〜14
ストリップワインド式押出し機を用いて、幅20mm、厚さ1mmのゴムシート(未加硫ゴム組成物)を押出し、高温状態のまま該ゴムシートをタイヤ成形機上で積層し、所定の形状の生厚みのサイドウォールを形成した点以外は、前述と同様の方法で、試験用タイヤを得た。
得られた未加硫ゴム組成物及び試験用タイヤを下記により評価し、結果を表1〜2に示した。
(粘弾性試験)
得られた試験用タイヤから、タイヤ軸を中心として周方向が長辺となる様に短冊状のゴム試験片を切り出しゴム試験片1(サイズ:縦20mm、横3mm、厚さ2mm)を得た。また、タイヤ軸を中心として半径方向(ラジアル方向)が長辺となる様に短冊状のゴム試験片を切り出しゴム試験片2(サイズ:ゴム試験片1と同様)を得た。
得られたゴム試験片1、2を用いて、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータVESを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%及び動歪2%(長辺方向の歪)の条件下で、損失正接tanδ、タイヤ周方向の複素弾性率E*a(MPa)、及びタイヤ径方向の複素弾性率E*b(MPa)を測定した。
tanδが小さいほど発熱性が低く、低燃費性が優れることを示す。E*が大きいほど剛性が高いことを示す。
なお、E*aが大きいほど微小操舵角でのハンドル応答性に優れ、操縦安定性が優れることを示す。E*bが小さいほど路面の凹凸吸収性に優れ、乗り心地性が優れることを示す。E*a/E*bが大きいほど、過渡特性(操舵角度をつけてのコーナリングの直後に、ハンドルを直進に戻した際の車両戻りの良さ)が優れることを示す。
また、前述の評価方法により測定したtanδについて、比較例1を100とし、各配合のtanδを指数表示した。tanδ(70℃)指数が大きいほど、低燃費性が優れることを示す。
(シート加工性)
各未加硫ゴム組成物について、押出し後の各未加硫ゴム組成物を所定のサイドウォールの形状に成形した成形品のエッジ状態、ゴムの焼け度合い、ゴム同士の粘着度合い、平坦さを目視、触覚により評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど、シート加工性が優れることを示している。
なお、エッジ状態については、最もエッジが真っ直ぐで滑らかな状態を良好とし、ゴムの焼け度合いについては、上記成形品から切り出した15cm角の2mmシートにおいて、ピッツ焼けゴム塊による凹凸がない状態を良好とし、平坦さについては、該シートが平坦で平面板に密着する状態を良好として評価した。
(操縦安定性、乗り心地性)
試験用タイヤを車両(3000cc)の全輪に装着させ、一般的な走行条件のテストコースにて実車走行を行なった。操舵時のコントロールの安定性(操縦安定性)及び乗り心地性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。操縦安定性指数が大きいほど操縦安定性が優れることを示し、乗り心地性指数が大きいほど乗り心地性が優れることを示す。
Figure 2013001889
Figure 2013001889
表1〜2から、所定量のSPB含有BR、末端変性BR及びイソプレン系ゴムと、レジンとを所定量配合したサイドウォールを有する実施例の空気入りタイヤでは、低燃費性、シート加工性、操縦安定性、乗り心地性がバランスよく得られた。特にストリップワインド式成型機を用いた実施例12〜14では、操縦安定性、乗り心地性が大きく改善された。
一方、SPB含有BR及び末端変性BRを配合していない比較例1では、4つの性能が全体的に低く、変性BRを配合していない比較例2や4、その配合量が少ない比較例6では、tanδ(70℃)指数が目標(>120)を超えず低燃費性が劣り、性能バランスが悪かった。SPB含有BRを配合していない比較例3、その配合量が少ない比較例5では、操縦安定性指数が目標(>104)を超えず操縦安定性が劣り、加工性も若干劣っていた。また、多量のNRを含む比較例7、少量のNRを含む比較例8では、操縦安定性指数が目標(>104)を超えず操縦安定性が劣り、性能バランスが悪かった。更に、多量のSPB含有BRを含む比較例9では、tanδ(70℃)指数が目標(>120)を超えず低燃費性が劣り、加工性も劣っていた。レジンを配合していない比較例10は、操縦安定性指数が目標(>104)を超えず操縦安定性が劣っていた。また、シート加工性指数も目標(>60)を超えず粘着性が不足し、タイヤ成型加工が困難であり、得られた試験用タイヤではサイドウォールとケース間に残存エアーが発生し、不具合が発生した。

Claims (6)

  1. 1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム、末端変性ブタジエンゴム、イソプレン系ゴム及びレジンを含有し、
    ゴム成分100質量%中の前記1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴムの含有量が10〜60質量%、前記末端変性ブタジエンゴムの含有量が7〜60質量%及び前記イソプレン系ゴムの含有量が20〜70質量%であるゴム組成物からなるサイドウォールを有する空気入りタイヤ。
  2. 前記サイドウォールは、温度70℃、動歪み2%で測定したタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤ径方向の複素弾性率E*bとの比(E*a/E*b)が1.03〜2.0である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイドウォールは、温度70℃、動歪み2%で測定したtanδが0.125未満である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴム成分100質量%中の前記1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴムの含有量が10〜40質量%、前記末端変性ブタジエンゴムの含有量が25〜50質量%及び前記イソプレン系ゴムの含有量が30〜60質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記末端変性ブタジエンゴムがスズ末端変性ブタジエンゴムであり、
    前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して硫黄を1.61〜2.3質量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物は、窒素吸着比表面積が25〜120m/gのカーボンブラック及び/又は窒素吸着比表面積が80〜240m/gのシリカを含有し、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラック及び前記シリカの合計含有量が20〜40質量部である請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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