図1は、電子写真プロセスを利用した画像形成装置を示し、この場合、一般的な静電作像手法を用いたカラー画像形成装置について示したものであるが、もちろん、本発明としてこれに限定するものではない。この画像形成装置は、装置本体1の下部に配設される給送装置100と、この給送装置100の上部に配設される画像形成部3とを備える。
給送装置100は、後述詳細に説明するが、記録媒体束41が積載収納される媒体収容体47と、この媒体収容体47の記録媒体束41に上方から接触しつつ駆動して記録媒体束41から媒体を給送するための給送手段4と、媒体収容体47と給送手段とを収納する収納箱体10とを備える。なお、記録媒体束41は、複数枚のシート状の記録媒体を積層したものであり、収納箱体10は、ケーシングを構成する装置本体1に収納される。
給送手段(給送部4)は、回転軸75と給紙ローラ42と有し、この給紙ローラ42に相対向する分離体としての分離パッド43と、この給紙ローラ42とで、給紙ローラ42がその軸心廻りに回転することによって、媒体収容体47に収容された記録媒体束41から1枚の記録媒体が送出(給送)される。媒体収容体47から給送された記録媒体が縦搬送ローラ44、45によりレジストローラ81へと搬送される。そして、記録媒体の先端がレジストローラ81とレジストテンションローラ80のニップに突き当たり、先端の整合が行われる。レジストローラ81は、トナー像と記録媒体の転写位置を合わせるように回転する。
画像形成部(作像装置)3は、水平方向に配設された転写ベルト装置5と、この転写ベルト装置5との上方に水平方向に並んで配設された4つの画像形成ユニット(現像機)30M、30C、30Y、30Kを有する。ここで、一つの現像機30Kについて説明すると、像担持体としての感光体(感光体ドラム)31Kを備え、この感光体31Kの外周側に、感光体31Kの表面を帯電する帯電ローラ32Kと、感光体31K上の静電潜像にトナーを現像する現像ローラ33Kと、記録媒体にトナーを転写させる転写ローラ50Kと、転写後の残トナーを掻きとるクリーニング部(図示省略)等が配置されている。他の現像機においても同様である。
画像形成ユニット30M、30C、30Y、30Kの上方には、露光手段としての光学ユニット2が配設されている。光学ユニット2は、レーザ光を感光体ドラム31へ照射する。
転写ベルト装置5は、無端状の転写ベルト21と、駆動ローラ52、従動ローラ51とを備え、転写ベルト21が駆動ローラ52及び従動ローラ51に巻回張架される構造となっている。また、転写ベルト21の上部走行辺の内側には、各画像形成ユニット30M、30C、30Y、30Kの感光体ドラム31にそれぞれ対向する位置に、転写バイアスが印加される転写ローラ50が転写ベルト21に接触するように配置されている。
このように、転写ベルト装置5を通過することによって、記録媒体に画像が転写される。そして、画像が転写された記録媒体は、定着装置6に搬送され、この定着装置6で画像が定着される。定着装置6は、記録媒体に画像を定着する定着部材としての定着ローラ60と、当該定着ローラ60に対向して定着ニップを形成する対向部材としての加圧ローラ61とを備える。また、定着ローラ60内に配設された加熱手段としてのヒータ(図示省略)が配置されている。加圧ローラ61は定着ローラ60に対して所定の圧力で圧接しており、互いに圧接する圧接部において定着ニップを形成している。
定着装置6にて画像が定着された記録媒体は、排出装置7を介して装置本体1の上部の排出部1aに反転排紙される。排出装置7は、搬送ローラ72,73、及び排紙ローラ70、71を備える。なお、この装置本体1には手差しトレイ9が設けられている。
次に本発明の給送装置100について説明する。給送装置100は、図2と図3等に示すように、前記したように媒体収容体47と、給送手段4と、媒体収容体47と給送手段4とを収納する収納箱体10とを備え、収納箱体10に媒体収容体47が収納された状態等においては、この媒体収容体47は保持体46に保持される。
この場合、平面的に見て給送手段4による給送方向上流側及び/又は給送方向下流側への収納箱体10に対する媒体収容体の出し入れとなる第1方向操作と、前記第1方向操作の出し入れ方向と直交する方向の媒体収容体の出し入れとなる第2方向操作とが可能である。ここで、第1方向操作における出し入れ方向は、図2の矢印A1、A2方向である。すなわち、矢印A1が第1方向操作における引き出し方向であり、矢印A2は第1方向操作における挿入方向(収納方向)である。また、第2方向操作における出し入れ方向は、図8に示す矢印B1、B2方向である。すなわち、矢印B1が第2方向操作における引き出し方向であり、矢印B2は第2方向操作における挿入方向(収納方向)である。
このため、装置本体(ケーシング)1は、給送方向に沿った媒体収容体47の出し入れ口(開口部)28Aが形成される前壁1Aと、給送方向と直交する方向に沿った出し入れ口(開口部)28Aが形成される一方の側壁1Bと、前壁1Bに対向する後壁1Dと、前記一方の側壁1Bに対向する他方の側壁Cと、排出部1aを有する上壁1Eと、上壁1Eに対向する底壁1Fとを備える。そして、前壁1Aと側壁1B、1Cと後壁1Dとには外装カバー140が付設されている。前壁1Aおよび一方の側壁1Bの装着される外装カバー140は、その下辺に矩形状の切欠部141が形成された矩形平板体にて構成される。なお、この切欠部141に開口部カバー48A、48Bが嵌合状となる。
媒体収容体47は、図4と図5等に示すように、底壁65と、この底壁の外周縁から立設される周壁66とを有する。周壁66は、前壁66aと後壁66bと、一対の側壁66c,66dとからなる。また、底壁65には、媒体収容体47に収容された記録媒体束41の給送方向下流側を上昇させる底板49が付設されている。
前壁66aには第1開口部カバー48Aが付設される。第1開口部カバー48Aはその前面中央下部に取手部67が設けられている。また、第1開口部カバー48Aは、媒体収容体47側に設けられた収容体側係合部(この場合、ピン部材47a)と、第1開口部カバー48A側に設けられた外装側係合部(この場合、ピン部材47aが係脱自在に係合する係合孔48a)とを介して取り付けられる。
すなわち、媒体収容体47の一方の側壁66cの前壁66a側と、媒体収容体47の前壁66aの他方の側壁66d側の突設される突出片68とに、それぞれ、上下一対ずつピン部材47aが設けられている。この場合、各ピン部材47aは図5の矢印B2方向側に突出されている。また、第1開口部カバー48Aの裏面の幅方向両端部側に一対の孔形成片69、69を設け、各孔形成片69、69にそれぞれ、上下一対ずつ係合孔48aが設けられている。この場合、一方の側壁66c側に設けられたピン部材47a、47aと、他方の側壁66d側のピン部材47a、47aとは、給送方向に沿って位置ずれしている。
このため、図5に示す状態から、媒体収容体47に対して、第1開口部カバー48Aを媒体収容体47の前壁66aに沿って矢印B1方向にスライドさせていけば、各係合孔48aにピン部材47aが嵌合(係合)する。すなわち、第1開口部カバー48Aに対して、媒体収容体47の前壁66aを第1開口部カバー48Aの裏面に沿って矢印B2方向にスライドさせていれば、各係合孔48aにピン部材47aが嵌合(係合)する。これによって、第1開口部カバー48Aを矢印A1に引張っても、A2方向に押しても、第1開口部カバー48Aとともに、媒体収容体47は移動する。すなわち、第1開口部カバー48Aを介して第1方向操作における媒体収容体47の出し入れ(第1開口部カバー48Aの取手部67を用いた出し入れ)では、第1開口部カバー48Aと媒体収容体47とが一体状に第1方向操作の出し入れが可能となる。
これに対して、この第1開口部カバー48Aが装着された状態(図2と図3と図6と図7等に示す状態)において、第1開口部カバー48Aに対して、媒体収容体47を図5に示す矢印B1方向に引張れば、図4と図5等に示すように、第1開口部カバー48Aと媒体収容体47とが分離した状態となる。
このため、媒体収容体47の前壁66aの前面の下部には、図5等に示すように、ガイドレール15が設けられるともに、第1開口部カバー48Aの裏面の下部には、このガイドレール15を受けるガイドレール16(図4参照)が設けられている。すなわち、図2等に示すように、収納箱体に収納された状態において、媒体収容体47側のガイドレール15が第1開口部カバー48A側のガイドレール16に受けられた状態であって、この状態から、媒体収容体47を第2方向操作における矢印B1方向に引き出せば、ガイドレール15がガイドレール16上を摺動して引き出される。また、引き出された状態から、第1開口部カバー48A側のガイドレール16上に媒体収容体47側のガイドレール15を載置した状態として、媒体収容体47を押し込んで行けば、ガイドレール15がガイドレール16上を摺動して押し込まれる。
媒体収容体47を保持する保持体46は、図6に示すように、底壁26と、この底壁26の外周縁から立設される周壁27とからなる。周壁27は、後壁27bと、一対の側壁27c、27dとからなる。このため、この周壁27には、媒体収容体47の出入り口28Aが形成される。
図6に示すように、保持体46の各側壁27c、27dの下部にガイドレール35が設けられるとともに、図7に示すように、媒体収容体47の各側壁66c、66dの外面の下部にガイドレール36が設けられている。この場合、側壁27c、27dの内面間寸法を側壁66c、66dの外面間寸法よりも僅かに大きく設定する。
このため、図6に示す状態から、媒体収容体47のガイドレール36を、保持体46のガイドレール35上に載置し、保持体46に対して媒体収容体47を押し込んでいけば、ガイドレール36がガイドレール35上を摺動(スライド)して、媒体収容体47が保持体46に対して押し込まれて、収納状態となる。また、逆にこの収納状態から媒体収容体47を引き出せば、ガイドレール36がガイドレール35上を摺動(スライド)して、保持体46から出入り口28Aを介して媒体収容体47を引き出すことができる。
また、保持体46の側壁27dの外面側には第2開口部カバー48Bが一体的に付設されている。この第2開口部カバー48Bの表面の中央下部には取手部55(図2等参照)が設けられている。
ところで、図6に示すように、保持体46には保持体側係合部(この場合、係合ピン46b)が設けられるとともに、図7に示すように、媒体収容体47には収容体側係合部(この場合、係合ピン46bに係脱自在に係合する係合孔47b)が設けられている。
図6に示すように、係合ピン46bは、保持体46の後壁27bの一方の側壁27c側と、他方の側壁27dの開口端側とに設けられる。この場合、他方の側壁27dの開口端側には、ピン形成片38が設けられ、このピン形成片38に係合ピン46bが設けられている。
また、図7に示すように、係合孔47bは、媒体収容体47の後壁66bの一方の側壁66c側と、媒体収容体47の他方の側壁66dの前壁66a側に設けられている。この場合、媒体収容体47の他方の側壁66dの前壁66a側に、外側方に突出する孔形成片40が設けられ、この孔形成片40に係合孔47bが設けられている。
このため、媒体収容体47を出入り口28Aを介して保持体46に挿入して収納状態とすれば、保持体46の係合ピン46bが媒体収容体47の係合孔47bに係合(嵌合)する。
この係合状態では、第1開口部カバー48Aの取手部67を把持して媒体収容体47を保持体46から矢印A1方向に沿って引き出せば、媒体収容体47を出入り口28Aを介して引き出すことができ、引き出した状態から、第1開口部カバー48Aの取手部67を把持して媒体収容体47を矢印A2方向に沿って挿入していれば、媒体収容体47を出入り口28Aを介して保持体46に収納することができる。
ところが、保持体46に媒体収容体47が収納された状態では、前記したように、保持体46の係合ピン46bが媒体収容体47の係合孔47bに係合(嵌合)しているので、第2方向操作における矢印B1、B2方向の出し入れでは、保持体46と媒体収容体47とが安定した一体状の出し入れが可能となる。
給送手段4を構成する給紙ローラ42は、その回転軸75が、保持体46の出入り口28Aの上方位置に回転自在に枢支される。すなわち、図6に示すように、側壁27c、27dの出入り口側端部に起立片76,76を立設し、この起立片76,76に設けた枢支孔76a,76aに回転軸75が回転自在に挿通されている。このため、回転軸75は、矢印B1、B2方向に沿って配設されることになる。
図8(b)等に示すように、回転軸75の反第2開口部カバー側の端部にはギア部材78が設けられ、このギア部材78が、収納箱体10側に設けられた回転駆動力伝達手段(例えば、カップリング)79に接続される。この場合、第2方向操作における媒体収容体47の出し入れによって、ギア部材78は回転駆動力伝達手段79に脱着される。
ところで、収納箱体10は、図8に示すように、背面枠12と、側面枠13と、前方支柱11とを有する枠体95を備える。背面枠12の内面の下部にガイドレール12aが設けられ、また、保持体46の後壁27bの外面の下部にガイドレール90(図8(b)参照)が設けられている。
保持体46に支持されている媒体収容体47を収納箱体10に収納する場合、図8に示すように、本体側に第1開口部カバー48Aが留置された状態であり、側面枠13に対向する面が開口状となっている。つまり、出入り口28Bが形成される。このため、この状態において、媒体収容体47のガイドレール15を、第1開口部カバー48Aのガイドレール16上に載置するともに、背面枠12のガイドレール12aに、保持体46の後壁27bのガイドレール90を載置する。
この状態で、第2開口部カバー48Bの取手部55を把持した状態で、矢印B2の方向に挿入していけば、ガイドレール15がガイドレール16上を摺動(スライド)するとともに、ガイドレール90がガイドレール12a上を摺動(スライド)する。これによって、保持体46に支持されている媒体収容体47を出入り口28Bを介して収納箱体10に収納することができる。
逆に、収納状態において、第2開口部カバー48Bの取手部55を把持した状態で、矢印B1の方向に引き出せば、ガイドレール15がガイドレール16上を摺動(スライド)するとともに、ガイドレール90がガイドレール12a上を摺動(スライド)する。これによって、保持体46に支持されている媒体収容体47を出入り口28Bを介して収納箱体10、ひいてはから引き出すことができる。
ところで、この実施例に示す装置本体1では、図9〜図12等に示すように、矩形平板形状の取手カバー110が着脱自在に装着されている。この場合、開口部カバー48Bの外表面に凹窪部111及び外装カバー140の外表面に凹窪部112が形成される。すなわち、開口部カバー48Bの凹窪部111は、取手部55の外側に設けられた矩形状の凹部であり、外装カバー140の凹窪部112は、図11等に示すように、開口部カバー48Bが開口部28Bに収納された状態で、開口部カバー48Bの凹窪部111に連結される扁平矩形状の凹部である。このため、凹窪部111、112で、取手カバー110が嵌合する嵌合凹所113が形成される。
このカバー110は、第1係合手段115と第2係合手段116とで、装着状態が維持される。第1係合手段115は、図11と図12に示すように、弾性変形可能な係合爪120と、この係合爪120が係脱可能に係合する係合孔121とからなる。この場合、係合爪120は、カバー110の裏面の上辺側にこのカバー110と一体に形成されるものであって、カバー110の裏面から突出される断面矩形状の本体部120aと、この本体部120aの先端に設けられるフック部120bとからなる。また、係合孔121は外装カバー140の凹窪部112に設けられる矩形状の孔部からなる。係合爪120が弾性的に変形しつつ先端フック部120bが係合孔121を介して、装置本体1内に嵌入し、このフック部120bが外装カバー140の裏面側に係合する。なお、弾性変形可能な係合爪120としては、例えば、ABSやPS等の熱可塑性樹脂の汎用プラスチックにて構成できる。
また、第2係合手段116は、差込爪122と、この差込爪122が抜き差し可能に差し込まれる差込孔123とからなる。この場合、図12に示すように、カバー110の裏面の下辺側にバー部材125を設け、このバー部材125の両端部に、矩形平板形状の小片からなる前記差込爪122が垂下されている。また、底壁1Fにおける取手部対応部位に扁平矩形状の孔部を設けることによって、前記差込孔123を形成する。したがって、カバー110の差込爪122を底壁1Fの差込孔123に差し込むことができる。
このため、このカバー110を装着する場合、まず、カバー110をその上辺が外装カバー140から離れるように傾斜状として、上方から差込爪122を嵌合凹所113に差し込んで、カバーの下辺を中心にカバー110の上辺を外装カバー140に接近させることによって、係合爪120を係合孔121に嵌入させる。これによって、図9に示すように、カバー110が嵌合凹所113に嵌合した状態となって、装置本体1に取り付けられ、取手部55を覆うことになる。
この図9に示す状態では、外装カバー140の外表面と、開口部カバー48Bの外表面(凹窪部111を省く外表面)と、カバー110の外表面とが同一平面上に配設される。この場合、カバー110の外周縁と嵌合凹所113の外周縁との間、および開口部カバー48Bの外周縁と出入り口28Bの外周縁および外装カバー140の切欠部141の外周縁との間には、それぞれ隙間が生じないようにするのが好ましい。
ところで、給送方向の開口部カバー48Aおよび外装カバー140に凹窪部111、112にも形成され、これによって、カバー110が嵌合される嵌合凹所113が形成される。また、前面カバーAの凹窪部112には係合孔121,121が設けられるとともに、取手部67に対応する底壁1Fには差込孔123,123が設けられる。
このため、嵌合凹所113にカバー110を嵌合させることができる。これによって、取手部67をこのカバー110にて覆うことができる。この場合も、外装カバー140の外表面と、開口部カバー48Aの外表面(凹窪部111を省く外表面)と、カバー110の外表面とが同一平面上に配設される。この場合、カバー110の外周縁と嵌合凹所113の外周縁との間、および開口部カバー48Aの外周縁と出入り口28Aの外周縁および外装カバー140の切欠部141の外周縁との間には、それぞれ隙間が生じないようにするのが好ましい。
本発明の給送装置では、媒体収容体47の2方向の着脱が可能となる。これによって、記録媒体補給時・ジャム除去時の操作性の向上を図ることができ、また装置設置場所の多様化を図れる給送装置を提供できる。しかも、従来のように、底板を抑えるための機構も設けることなく、安定してこの方向に沿って媒体収容体を出し入れできる。このため、装置構成の簡素化を図ることができて、低コスト化を達成できる。
媒体収容体47を外周側から保持するための保持体46を備えることによって、収納箱体10側の構成、媒体収容体側の構成、及び保持体側の構成の簡略化を図ることができ、生産性の向上を図ることができ、しかも、媒体収容体の2方向の出し入れ動作を安定させることができる。特に、通常多く使用する第1方向操作時における出し入れでは、保持体46が収納箱体側に留置されるものであり、軽量の媒体収容体47の出し入れとなって操作性の向上を図ることができる。
給送手段4が保持体46に一体的に保持されているので、第1方向操作及び第2方向操作の動作が安定して、しかも、少ない部品点数にて、これらの動作を行う構成を達成できる。
給送手段4の回転軸75を第2方向に沿った出し入れによって、回転駆動力伝達手段79に脱着が可能であるので、第2方向操作によって、媒体収容体47とともに給送手段4が取り出されても、再度、媒体収容体47を挿入(セット)する場合に、回転駆動力伝達手段79との連結を安定して行うことができ、操作性に優れる。
給送手段4の回転軸75が保持体46の出入り口28Aの上方部位に枢支されているので、回転軸75を安定して回転自在に枢支することができ、記録媒体の給送を安定して行うことができる。
媒体収容体47に分離体が付設されているので、従来において必要としていた分離機構(給送手段4である給紙ローラ42と分離体である分離パッド43とを分離するための機構)を必要とせず、部品点数の削減を図るとともに構成の簡素化を図ることができ、低コスト化を達成できる。
第1開口部カバー48Aを備えているので、取り出し方向前方部を保護することができるとともに、媒体収容体47の剛性の向上を図ることができ、さらには、収納箱体側の媒体収容体収容部位の剛性の向上を図ることができる。このため、媒体収容体47を収納箱体10に収容した状態であっても、収納箱体10から取り出した状態であっても、収納箱体10の剛性を大とすることができ、小型の給送装置を提供することができる。
第1開口部カバー48Aに取手部67を設けているので、第1方向操作時の操作が安定して、記録媒体の補給作業等の迅速化を達成できる。
第2方向操作における媒体収容体47の挿入方向に沿った移動によって、収容体側係合部と開口部カバー側係合部とが係合するので、第1方向操作及び第2方向操作を簡単な構成で安定して行うことができ、しかも、構成のシンプル化、高精度締結部分の削減が可能となって、低コスト化を図ることができる。
第2開口部カバー48Bを備えているので、保持体46の剛性の向上を図ることができ、媒体収容体47を安定した状態で保持できて、第2方向操作における媒体収容体47の出し入れが安定する。
第2開口部カバー48Bに取手部55を設けているので、第2方向操作時の操作が安定して、記録媒体の補給作業等の迅速化を達成できる。
第2方向操作における媒体収容体47の挿入方向に沿った移動によって、収容体側係合部と保持体側係合部とが係合するので、第1方向操作及び第2方向操作を簡単な構成で安定して行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
取手カバー110は取り外しが可能であるので、取手カバー110を取り外せば、取手部55が露出する。この露出状態では、この取手部55の操作にて、給送方向と直交する方向に媒体収容体47を出し入れすることができる。また、取手カバー110を取り付ければ、取手部55がこの取手カバー110にて覆われることになって、この取手部55が外部に露出することがない。このため、ユーザがこの取手部55を操作することがなくなって、媒体収容体47の誤操作が無くなる。
この実施例では、給送方向開口部28Aの取手部67が露出した状態である。この露出状態では、この給送方向開口部28Aの取手部の操作にて、給送方向に媒体収容体を出し入れすることができる。また、給送方向開口部の取手カバー110を取り付ければ、この取手部67が取手カバー110にて覆われることになって、この取手部67が外部に露出することがない。このため、この実施例の装置では、媒体収容体47の出し入れ方向を、給送方向と、この給送方向と直交する方向との2方向のいずれか一方を選択することができ、ユーザにとって使い勝手がよいものとなる。
また、この実施例では、取手カバー110が装着された状態で、取手カバー110の外表面と開口部カバー48Aの外表面とが同一平面上に配設されるので、装置本体1が意匠的に優れるものとなる。
第1係合手段115や第2係合手段116を設けることによって、取手カバー110の取り付け・取り外しが容易となる。しかも、安定して装着状態を維持できる。また、第1係合手段115の係合爪120や第2係合手段116の差込爪122が取手カバー110と一体成形されているのが好ましい。このように構成することによって、少ない部品点数で結合手段115,116を構成でき、低コスト化及び生産性の向上を図ることができる。
ところで、図13に示すものでは、外装カバー140の凹窪部112の上辺端縁中央部に半円形状の切欠部130が設けられている。すなわち、図13に示すように、カバー110の装着状態において、ユーザはこの切欠部130に指を挿入して、このカバー110を取り外す動作を行うことができる。この場合、切欠部130に指を挿入して、カバー110を挿入した指で引っ掛けて、このカバー110を倒すように引張ることによって、係合爪120を係合孔121から引き抜けば、カバー110を取り外すことができる。すなわち、このような切欠部130を設けることによって、カバー110の取り外し性の向上を図ることができる。
次に図14は、外装カバー140に凹窪部112を形成しないものである。この場合、図15に示すように、カバー110を、矩形平板状の本体部110aと、この本体部110aの上辺に折り曲げ部110bを介して連設される扁平矩形状の副部110cとからなる。このため、副部110cは本体部110aよりも壁部1B側に位置する。
また、図示を省略しているが、副部110cには、前記図12に示すような係合爪120が設けられるとともに、本体部110aの下辺には図12に示すような差込爪122が設けられている。そして、装置本体1側には係合孔121、121、及び差込孔123,123が設けられている。
この場合、第2開口部カバー48Bが装置本体1に挿入された状態では、図15(a)に示すように、その外表面が、底壁1Fの外端縁と一致する状態となる。このため、側壁1Bは、底壁1Fの外端縁よりも内方へ所定寸だけ後退した状態となる。
この図15(a)に示す状態からカバー110の差込爪122を差込孔123に差し込むとともに、係合爪120を係合孔121に係合させることによって、図16に示すように、このカバー110を装置本体1に装着することができる。
ところで、側壁1Bの装着される外装カバー140は、その下辺に矩形状の切欠部141が形成された矩形平板体にて構成される。このため、図16に示す状態において、外装カバー140を、その切欠部141を介して開口部カバー48Bが外部へ露出するように、側壁1Bに装着することになる。この状態では、外装カバー140と、開口部カバー48Bの外表面(凹窪部111を省く外表面)と、カバー110の本体部110aの外表面とが同一平面上に配設される。また、外装カバー140の切欠部141の外周縁と、カバー110の本体部110aの外周縁と、開口部カバー48Bの外周縁との間には隙間が形成されないのが好ましい。
次に図17と図18に示すものでは、カバー110は、図15に示すカバー110と同様、矩形平板形状の本体部110aと、折り曲げ部110bを介して本体部110aに連設される扁平矩形状の副部110cとを備えたものである。この場合、カバー110の本体部110aの外形を開口部カバー48Bの外形とほぼ同一としている。
このため、開口部カバー48Bには凹窪部111が設けらない。これに対して、図示省略するが、カバー110には、係合爪120,120及び差込爪122,122が設けられているとともに、図18に示すように、装置本体1には係合孔121、121及び差込孔123、123が設けられている。
このため、図18に示す状態からカバー110の差込爪122を差込孔123に差し込むとともに、係合爪120を係合孔121に係合させることによって、図17に示すように、このカバー110を装置本体1に装着することができる。これによって、開口部カバー48Bの外表面をカバー110にて覆うことができる。この状態で、外装カバー140を、その切欠部141を介して開口部カバー48Bが外部へ露出するように、側壁1Bに装着することになる。この際、外装カバー140の外表面と、カバー110の本体部110aの外表面とが同一平面上に配設される。また、外装カバー140の切欠部141の外周縁と、カバー110の本体部110aの外周縁との間には隙間が形成されないのが好ましい。
この図17と図18に示すものでは、装置本体の外表面の分断線を少なくすることができて装置本体は意匠的に優れることになる。
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。本発明に係る画像形成装置は、電子写真複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等がある。また、図4に示す開口部カバー側係合部が係合孔48aであり、図5に示す収容体側係合部がピン部材47aであったが、逆に、開口部カバー側係合部をピン部材とするとともに、収容体側係合部を係合孔としてもよい。図6に示す保持体側係合部が係合ピン46bであり、図7に示す収容体側係合部が係合孔47bであったが、逆に、保持体側係合部を係合孔とするとともに、収容体側係合部をピン部材としてもよい。
ところで、ピン部材47aとしては、前記実施例のように、給送方向に直交する方向に離間した位置に、それぞれ、上下2個ずつ配設するようにすることによって、ガタツキを有効に防止できる。このため、ガタツキを防止できれば、実施例の位置に限るものではない。要は、第1方向操作における出し入れにおいて、第1開口部カバー48Aと媒体収容体47とが分離せず、第2方向操作における引き出しにおいて、第1開口部カバー48Aが収納箱体側に留置でき、かつ、第2方向操作における挿入において、第1開口部カバー48Aと媒体収容体47とが連結されるものであればよい。
前記実施形態では、第1方向操作における取出しは、給送方向下流側への取出しであったが、給送方向上流側へ取り出すようにしてもよい。なお、本発明の記録媒体には、一般にコピー等に用いられる普通紙、OHPシート、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m2相当以上の厚紙、封筒等の用紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シート等を含むものである。
給送方向の出し入れを構成する開口部が形成された前壁側(外装カバー140)側においても、図13に示すような切欠部130を形成したものであっても、図14から図16に示すようなカバー110や外装カバー140を用いるものであっても、図17と図18に示すカバー110や外装カバー140を用いるものであってもよい。
前記実施例では、係合爪120をカバー110側に設け、係合孔121を装置本体側に設けたが、係合爪120を装置本体側に設けるとともに、係合孔121をカバー110側に設けるようにしてもよい。また、差込爪122を装置本体側に設けるとともに、差込孔123をカバー110側に設けるようにしてもよい。
差込孔123を底壁1Fに設けることなく、開口部カバー48B等に設けてもよい。
また、係合爪120や差込爪122として、各2個に限るものではなく、増減は任意であり、このため、係合孔121や差込孔123は係合爪120や差込爪122の数に応じて種々変更することができる。
図13に示すように、切欠部130を設ける場合、前記実施例では、1つであったが、2個以上も設けてもよい。また、切欠部130の大きさや形状等としても、ユーザが指を挿入して、取り外せる範囲で種々変更できる。
カバー110を係合する手段として、前記実施例に記載した係合手段115,116を用いることなく、ねじ結合等の他の係合手段を用いてもよい。なお、前記実施例では、係合爪120や差込爪122をカバー110と一体成形されたものであったが、勿論別部材にて構成して、その後一体化するようにしてもよい。このように、別部材とすることによって、カバー110側の材質と、係合爪120や差込爪122の材質とを同一としたり、相違したものとしたりできる。
なお、前記実施例の画像形成装置では、図9等に示すように、給送方向と直交する方向における出し入れを可能とする開口部28Bを塞いだ状態で、使用するのを基本とするので、図9等に示す状態で、通常が工場から出荷される。しかしながら、開口部28Bを塞いでいる開口部カバー110をユーザ等が取り外して、開口部A側を塞ぐような使用が可能である。この場合、図13に示すような切欠部130が形成されたものが好ましいものとなる。