以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材である。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者が発射ハンドル31を握ってレバー32を時計方向に回転させると、発射ハンドル31の回転角度に応じた打球力で発射装置165(図3参照)から遊技球が発射される。発射された遊技球は、遊技領域20の上部位置に案内され、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の表面に沿って落下する。なお、発射装置165による遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を操作することによって一時的に停止される。また、皿39と近接配置された取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱に落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。また、遊技領域20における大入賞口23の下方には、始動口21,22、又は入賞口23,24に入らなかった遊技球を遊技領域20の外に排出する排出口26が設けられている。
第1始動口21及び第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下に並んで配置されている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを条件として、大当たり抽選が実行される。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第1特別図柄抽選」と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第2特別図柄抽選」と呼び、これらの抽選を総称して「特別図柄抽選」と呼ぶものとする。
第1始動口21と第2始動口22との間には、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有する電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、一対の羽根部材が閉じた閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されており、不図示の電動ソレノイドが作動することによって閉姿勢から開姿勢に姿勢変化する。
電動チューリップ27の一対の羽根部材が閉姿勢の状態では、第1始動口21を構成する部材及び電動チューリップ27によって第2始動口22への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口22に入ることはない。これに対して、遊技球がゲート25を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口22への遊技球の進入経路が開放されて、遊技球が第2始動口22に入賞可能となる。すなわち、第2特別図柄抽選の実行が可能な状態となる。ちなみに、普通入賞口24に遊技球が入賞した場合には抽選は実行されないが、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合よりも多い賞球が払い出される。
大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが配置されている。特別図柄抽選に当選していない状態では、このプレートが遊技盤2の表面と同一平面を形成する姿勢となっているために、大入賞口23に遊技球が入らない状態となっている。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、プレートの下端側を軸としてプレートの上端側が遊技盤2の前方へ傾倒して大入賞口23が開放され、特別遊技が実行される。この特別遊技では、例えば、所定の条件(大入賞口23が開放されてから30秒が経過、又は大入賞口23への9個の遊技球の入賞)を満たすまで大入賞口23を開放してから閉塞する動作が、所定回数繰り返される。このため、特別遊技が実行されることにより、遊技者が多量の賞球を獲得することができる。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入って入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると3個の賞球が払い出され、大入賞口23に遊技球が入賞すると14個の賞球が払い出され、普通入賞口24に遊技球が入賞すると10個の賞球が払い出される。なお、遊技球がゲート25を通過しても賞球が払い出されることはない。
遊技盤2又は枠部材3には、上記発射ハンドル31及びレバー32の他に、各種演出を行う液晶表示器5、盤ランプ8、枠ランプ36、可動役物7、及びスピーカ35が設けられている。
図1に示されるように、遊技盤2の表面における遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する液晶表示器5が設けられている。液晶表示器5には、例えば、通常の演出として、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像、特別遊技中に払い出される賞球数等が表示される。また、遊技者による遊技が行われていないときには、客待ち演出として、液晶表示器5に客待ち画面(例えばデモ画面)が表示される。
盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することで光による演出を行う。枠ランプ36は、発光色、発光パターン、及び光の放射方向を変化させることで光による演出を行う。可動役物7は、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回転することによって可動役物7自体の動きと光による演出を行う。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
また、皿39と近接する位置に、遊技者が操作を行う操作手段としての演出ボタン37及び演出キー38が設けられている。演出ボタン37は、遊技者が操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー38は、十字キーとして機能する周辺キーと、決定ボタンとして機能する中央キーとを有して構成されている。
[遊技開始時に行われる演出切替処理の概要]
続いて、図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1において遊技開始時に行われる演出切替処理の概要について説明する。ここで、図2は、発射ハンドル31がタッチされたタイミングで行われる演出切替処理について説明するための説明図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、液晶表示器5に客待ち画面が表示されている状態(図2の上図参照)で遊技者が発射ハンドル31にタッチすると、液晶表示器5に表示されている客待ち画面が通常の演出画面に切り替えられる(図2の下図参照)。また、前の遊技者が遊技を止めてから通常の演出画面が客待ち画面に戻る前に次の遊技者が発射ハンドル31にタッチすると、液晶表示器5に表示されている通常の演出画面の演出モードがAモードからCモードに切り替えられる。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、遊技開始時において第1始動口21に遊技球が入賞したタイミングではなく、遊技者が発射ハンドル31にタッチしたタイミングで演出の切り替えが行われるので、遊技者が遊技を開始したという十分な実感を得ることができる。以下、このような演出切替処理を実現するためのパチンコ遊技機1の構成及び動作について詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図1の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図3は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図3に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、ランプ制御部150、及び発射制御部160を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払出賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
この遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、及び普通入賞口スイッチ(SW)117が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、遊技球が第1始動口21に入賞したことを検出してその検出信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、遊技球が第2始動口22に入賞したことを検出してその検出信号を遊技制御部100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、電動チューリップ27の一対の羽根部材を姿勢変化させるための電動ソレノイドを作動させる。この電動チューリップ開閉部113の動作は、普通図柄抽選に当選した場合の遊技制御部100からの指示に基づいて行われる。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート25を通過したことを検出してその検出信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口23に入賞したことを検出してその検出信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口制御部116は、特別図柄抽選に当選した場合の遊技制御部100からの指示に基づいて、大入賞口23を開放してから閉塞するラウンドを繰り返す。この大入賞口制御部116は、大入賞口23のプレートを作動させる電動ソレノイド等を有して構成されている。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口24に入賞したことを検出してその検出信号を遊技制御部100に出力する。
遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検出信号が入力されたタイミングで取得した乱数を用いて第1特別図柄抽選を実行し、第2始動口スイッチ112からの検出信号が入力されたタイミングで取得した乱数を用いて第2特別図柄抽選を実行する。そして、特別図柄抽選に当選すると、大入賞口制御部116を介して大入賞口23の開閉を制御する。また、CPU101は、特別図柄抽選の結果に応じて決定した特別図柄抽選の当選確率の変動設定や、特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータ、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを通知するための情報(後述する保留コマンド)等を演出制御部130へ送信する。
CPU101は、ゲートスイッチ114から入力されたタイミングで取得した乱数を用いて普通図柄抽選を実行する。そして、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ27を動作させる。
CPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、又は普通入賞口スイッチ117からの検出信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを不図示の払出制御部に指示し、払出制御部120からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
また、遊技制御部100には、表示器4が接続されている。この表示器4は、図には示されていないが、第1特別図柄表示器、第2特別図柄表示器、第1特別図柄保留表示器、第2特別図柄保留表示器、普通図柄表示器、普通図柄保留表示器、及び遊技状態表示器から構成されている。CPU101は、第1特別図柄抽選を実行すると、第1特別図柄表示器に第1特別図柄を変動表示させた後、その抽選結果を示す第1特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、第2特別図柄抽選を実行すると、第2特別図柄表示器に第2特別図柄を変動表示させた後、その抽選結果を示す第2特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、保留された第1特別図柄抽選の保留数を第1特別図柄保留表示器に表示させ、第2特別図柄抽選の保留数を第2特別図柄保留表示器に表示させる。
CPU101は、普通図柄抽選を実行すると、普通図柄表示器に普通図柄を変動表示させてからその抽選結果を示す普通図柄を停止表示させる。また、特別図柄抽選と同様に保留される普通図柄抽選の保留数を普通図柄保留表示器に表示させる。
CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器に表示させる。
[払出制御部120の構成]
払出制御部120は、CPU121、ROM122、及びRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120のCPU121は、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを指示するコマンドを遊技制御部100から受信すると、そのコマンドによって指定された数だけ賞球を払い出すように払出モータ125の駆動を制御する。ここで、払出モータ125は、遊技盤2の裏面側に配置された球タンクから皿39へ遊技球を送り出すモータである。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128が接続されている。払出球検出部126は、払出モータ125により球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球有り検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、発射装置165へ供給される遊技球や球タンクから払い出された賞球で皿39が満タンになったことを検出する。払出制御部120は、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130のCPU131は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータや、電動チューリップ27の動作パターンを示す情報等に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37又は演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。CPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、及びRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、及びスピーカ35から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンド及びROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPへ出力することにより、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理し、データ処理後の音響データをスピーカ35へ出力する。
VDPは、液晶表示器5に表示される演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5へ出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、フレームバッファに描画された演出画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5へ出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータ、及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ36、盤ランプ8、可動役物7に設けられた役物ランプのそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、及び役物ランプの発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、可動役物7の動作を制御する。
[発射制御部160の構成]
発射制御部160は、CPU161、ROM162、RAM163、及び発射制御回路164を備えている。CPU161は、ROM162に記憶されたプログラムに基づいて、発射装置164に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。RAM163は、CPU161が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。発射制御回路164は、発射装置165による遊技球の発射を制御する。
図3に示されるように、発射制御部160には、上述した発射装置165、発射ハンドル31、及び停止ボタン33の他に、タッチセンサ166が接続されている。タッチセンサ166は、遊技者が発射ハンドル31にタッチした(触れた)ことを検知するものであり、発射ハンドル31において遊技者が発射ハンドル31を把持した際に遊技者の手が触れる位置に設けられている。このタッチセンサ166としては、例えば静電容量式のタッチセンサが使用されるが、他の方式のタッチセンサであってもよい。図には示されていないが、発射ハンドル31の内部には、複数の検知電極が設けられており、これらの検知電極は、検知回路に接続されている。このタッチセンサ166の検知回路は、遊技者が発射ハンドル31にタッチしたときの検知電極とグランドとの間の静電容量の変化を検知して、その検知信号を出力する。
[発射制御回路164の構成]
図4は、発射制御回路164の内部構成を示すブロック図である。図4に示されるように、発射制御回路164は、ハンドル回転角検出回路1641、発射強度指令信号生成回路1642、発射強度信号生成回路1643、発射タイミング信号生成回路1644、及び発射駆動回路1645を備える。
ハンドル回転角検出回路1641は、発射ハンドル31の回転により抵抗値が変化する可変抵抗器311の抵抗値に応じた電圧の回転角信号を発射強度指令信号生成回路1642及び発射強度信号生成回路1643に出力する。
発射強度指令信号生成回路1642は、ハンドル回転角検出回路1641からの回転角信号に応じた発射強度を示す発射強度指令信号を発射タイミング信号生成回路1644に出力する。
発射強度信号生成回路1643は、ハンドル回転角検出回路1641からの回転角信号の信号レベルに応じた発射強度信号を生成する。
発射タイミング信号生成回路1644は、タッチセンサ166からの検知信号が入力されている場合に、発射強度指令信号生成回路1642からの発射強度指令信号に基づいて、発射タイミング信号を生成する。具体的には、発射強度が強い場合(発射ハンドル31の回転角が大きい場合)には短い励磁時間とし、発射強度が弱い場合(発射ハンドル31の回転角が小さい場合)には長い励磁時間としたパルス幅を有する発射タイミング信号を生成する。また、発射タイミング信号生成回路1644は、遊技球を発射する時間間隔(例えば0.6秒間隔)で発射タイミング信号を発射駆動回路1645に出力する。
発射駆動回路1645は、信号合成回路1646及び駆動回路1647を備える。信号合成回路1646は、発射強度信号生成回路1643からの発射強度信号と、発射タイミング信号生成回路1644からのタイミング信号を合成して合成信号を生成する。駆動回路1647は、信号合成回路1646により合成された合成信号に基づいて、発射装置165のソレノイド1651を駆動させる。
発射制御部160がこのような発射制御回路164を有していることにより、遊技者が発射ハンドル31を握ってレバー32を時計方向に回転させると、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で発射装置165から遊技球が発射される。その際、発射ハンドル31の回転角度が小さくなるほど遊技球が発射される速度が小さくなり、逆に発射ハンドル31の回転角度が大きくなるほど遊技球が発射される速度が大きくなるように、発射装置165による遊技球の発射動作が発射制御回路164によって制御される。このように、遊技者による発射ハンドル31の操作に応じて発射装置165が動作する。
[遊技制御部100による主要動作]
次に、図5を参照しつつ、遊技制御部100において実行される主要動作について説明する。ここで、図5は、遊技制御部100によって実行される主要動作の一例を示すフローチャートである。なお、図5以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいてCPU101が発行する命令に従って行われる。
乱数更新処理(ステップS1)では、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数の更新を行う。ここで、大当たり乱数は、特別図柄抽選の当選(大当たり)又は落選(ハズレ)を決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に、当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選又は落選を決定するための乱数である。これらの乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が後述するステップS2やステップS3の処理で取得され、ステップS4の処理やステップS5の処理で使用される。
始動口スイッチ(SW)処理(ステップS2)では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112から検出信号が出力された場合に、特別図柄抽選の保留数を更新する処理や乱数を取得する処理等を実行する。この始動口スイッチ処理については、図6に基づいて後に詳述する。
ゲートスイッチ(SW)処理(ステップS3)では、CPU101は、ゲートスイッチ114から検出信号が出力された場合に、ステップS5の普通図柄処理に使用される普通図柄乱数を取得する処理等を行う。
特別図柄処理(ステップS4)では、CPU101は、特別図柄抽選を実行し、表示器4の第1特別図柄表示器又は第2特別図柄表示器を用いて特別図柄を変動表示してから特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示するための処理を実行する。この特別図柄処理については、図7に基づいて後に詳述する。
普通図柄処理(ステップS5)では、CPU101は、ステップS3の処理で取得された普通図柄乱数がその当選値と一致するか否かを判定し、表示器4の普通図柄表示器に普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を行う。
大入賞口処理(ステップS6)では、CPU101は、特別図柄抽選に当選した場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口23の開閉を制御する。
電動チューリップ処理(ステップS7)では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理において普通図柄乱数がその当選値と一致すると判定した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ27を動作させる。
賞球処理(ステップS8)では、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力処理(ステップS9)では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部130へ送信する。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
以下、図6を参照しつつ、遊技制御部100による始動口スイッチ処理について説明する。ここで、図6は、図5のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。CPU101は、図6に示されるように、第1始動口スイッチ111からの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS21)。CPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS21:YES)、第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1をROM102から読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が最大保留数Umax1未満であるか否かを判定する(ステップS22)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS22:YES)、RAM103に記憶されている保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS23)。そして、CPU101は、ステップS23の処理によって保留した第1特別図柄抽選のための乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS24)。そして、CPU101は、第1特別図柄抽選が保留されたことを通知する保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS25)。
CPU101は、第1始動口スイッチ111が「OFF」であると判定した場合(ステップS21:NO)、保留数U1が最大保留数Umax1未満ではないと判定した場合(ステップS22:NO)、又はステップS25の処理を行った場合、第2始動口スイッチ112からの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS27)。CPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS27:YES)、第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2をROM102から読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判定する(ステップS28)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS28:YES)、RAM103に記憶されている保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS29)。そして、CPU101は、ステップS29の処理によって保留した第2特別図柄抽選のための乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得してRAM103に格納する(ステップS30)。そして、CPU101は、第2特別図柄抽選が保留されたことを通知する保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS31)。
一方、第2始動口スイッチ112が「OFF」であると判定された場合(ステップS27:NO)、保留数U2が最大保留数Umax2未満ではないと判定された場合(ステップS28:NO)、又はステップS31の処理が行われた場合、始動口スイッチ処理が終了されて、図5のステップS3におけるゲートスイッチ処理に処理が進められる。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
図7は、図5のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図7に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS41)。特別遊技中であるとCPU101によって判定された場合(ステップS41:YES)、既に何らかの大当たりを表す特別図柄が選択されて停止表示されている状態であるため、特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理が終了されて、図5のステップS5における普通図柄処理に処理が進められる。
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS41:NO)、表示器4による特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS42)。CPU101は、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS42:NO)、RAM103に記憶されている保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS43)。CPU101は、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS43:YES)、RAM103に記憶されている保留数U2を「1」減算した値に書き換える(ステップS44)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄抽選が保留されていない)と判定した場合(ステップS43:NO)、RAM103に記憶されている保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS45)。CPU101は、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS45:YES)、RAM103に記憶されている保留数U1を「1」減算した値に書き換える(ステップS46)。
CPU101は、ステップS44又はステップS46の処理を行った後、大当たり判定処理を実行する(ステップS47)。具体的には、ステップS44の処理に続いてステップS47の処理を実行する場合、CPU101は、ROM102から大当たりの当選値を読み出し、第2始動口22への遊技球の入賞を契機としてステップS30(図6参照)の処理で取得されてRAM103に格納された最古の大当たり乱数がこの大当たりの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS46の処理に続いてステップS47の処理を実行する場合、CPU101は、ROM102から大当たりの当選値を読み出し、第1始動口21への遊技球の入賞を契機としてステップS24(図6参照)の処理で取得されてRAM103に格納された大当たり乱数がこの大当たりの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、CPU101は、複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた図柄乱数をROM102から読み出す。そして、上述した当選値と一致するか否かの判定に使用した大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数が、複数種の大当たりのいずれの大当たりに割り当てられた図柄乱数と一致するかに応じて、大当たりの種類を判定する。そして、この大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてRAM103にセット(格納)する。一方、大当たりの判定結果がハズレである場合には、特別図柄抽選に落選したことを表すハズレ図柄を設定情報としてRAM103にセットする。
CPU101は、ステップS47の処理によって大当たり抽選の結果に応じた大当たり図柄又はハズレ図柄を設定情報としてセットした後に、変動パターン選択処理を実行する(ステップS48)。具体的には、ステップS47の大当たり判定処理で大当たりしたと判定した場合、大当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。一方、ハズレと判定した場合、ROM102に記憶されているリーチ乱数をRAM103に読み出し、ステップS47の大当たり判定処理に使用した大当たり乱数及び図柄乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、このROM102から読み出したリーチ乱数と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを判定する。そして、リーチ演出を行うと判定した場合にはリーチ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットし、リーチ演出を行わないと判定した場合にはハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の乱数値とを対応付けたテーブルである。
次に、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを参照して、ステップS47の大当たり判定処理に使用した大当たり乱数及び図柄乱数と一緒に取得された変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択することによって特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。このようにして選択された変動パターンは、設定情報としてRAM103にセットされる。
ステップS47の大当たり判定処理及びステップS48の変動パターン選択処理を行った後、CPU101は、大当たり判定処理を行ってセットした図柄の設定情報、変動パターン選択処理を行ってセットした変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す遊技状態情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS49)。この変動開始コマンドは、表示器4における第1特別図柄表示器又は第2特別図柄表示器で行われる特別図柄の変動表示に伴って液晶表示器5で行われる装飾図柄の変動表示の開始を指示するコマンドであって、図5のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
ステップS49の処理に続いて、CPU101は、ステップS49の処理でセットされた変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS50)、変動時間の計測を開始する(ステップS51)。この変動時間を示す情報は、RAM103に一時的に格納される。なお、ステップS50における特別図柄の変動表示は、ステップS44の処理に続いて行われる場合には表示器4が備える第2特別図柄表示器を用いて行われ、ステップS46の処理に続いて行われる場合には表示器4が備える第1特別図柄表示器を用いて行われる。
CPU101は、ステップS51の処理によって変動時間の計測を開始した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS42:YES)、ステップS51における変動時間の計測開始からステップS48の変動パターン選択処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS52)。変動時間が経過していないとCPU101によって判定された場合(ステップS52:NO)、特別図柄処理が終了されて、図5のステップS5における普通図柄処理に処理が進められる。
一方、CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS52:YES)、液晶表示器5における装飾図柄の変動表示の終了を指示する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS53)、ステップS50の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS54)、計測した変動時間をリセットする(ステップS55)。なお、ステップS53の処理でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、変動時間をリセットした後、大当たりと判定した場合に大入賞口制御部116を介して大入賞口23の開閉制御を開始するといった停止中処理を実行する(ステップS56)。
なお、CPU101は、保留数U1が「1」以上ではない(特別図柄抽選が保留されていない)と判定した場合(ステップS45:NO)、遊技中ではないことを示す客待ちコマンドをRAM133にセットする(ステップS58)。この客待ちコマンドは、図5のステップS9における出力処理によって演出制御部130へ送信される。ステップS58の処理が行われると、特別図柄抽選が終了されて、図5のステップS5における普通図柄処理に処理が進められる。
[演出制御部130によるタイマ割込処理]
図8は、演出制御部130によって実行されるタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。演出制御部130は、遊技制御部100で行われる主要動作(図5参照)と同様に、図8に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図8以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131が発行する命令に従って行われる。
演出制御部130のCPU131は、まず、遊技制御部100からコマンドを受信した場合に、コマンド受信処理を実行する(ステップS101)。このコマンド受信処理の詳細については、図9及び図10に基づいて後述する。
CPU131は、ステップS101のコマンド受信処理に続いて、演出ボタン37からの操作信号の入力の有無に基づいて、演出ボタン37が操作されたか否かを判定する(ステップS102)。CPU131は、演出ボタン37が操作されたと判定した場合(ステップS102:YES)、演出ボタン37が操作されたことを画像音響制御部140及びランプ制御部150に通知するための演出ボタンコマンドをRAM133にセットする(ステップS103)。この演出ボタンコマンドが画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信されることにより、演出ボタン37の操作入力に基づく演出上の効果を実現するための処理が行われる。
CPU131は、ステップS103の処理を行った場合、又は演出ボタン37が操作されていないと判定した場合(ステップS102:NO)、コマンド送信処理を実行する(ステップS104)。具体的には、ステップS101やステップS103の処理によってRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。このコマンド送信処理が行われることにより、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御部140に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物7の動作による演出の実行がランプ制御部150に対して指示される。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
続いて、図9及び図10を参照しつつ、演出制御部130によって実行されるコマンド受信処理について説明する。ここで、図9及び図10は、図8のステップS101におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。
演出制御部130のCPU131は、図6に基づいて上述したステップS25又はステップS31の処理によってセットされた保留コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS1011)。ここで、保留コマンドを受信していないとCPU131によって判定された場合(ステップS1011:NO)、後述するステップS1014に処理が進められる。
CPU131は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1011:YES)、RAM133に記憶されている保留数の値を「1」加算した値に更新する(ステップS1012)。具体的には、遊技制御部100から受信した保留コマンドを解析して、第1特別図柄抽選が保留されたのか、或いは第2特別図柄抽選が保留されたのかを判別する。そして、第1特別図柄抽選が保留されたと判別した場合には第1特別図柄抽選の保留数の値を「1」加算した値に書き換え、第2特別図柄抽選が保留されたと判別した場合には第2特別図柄抽選の保留数の値を「1」加算した値に書き換える。
次に、CPU131は、液晶表示器5に保留表示画像を追加表示させる処理を画像音響制御部140に実行させる保留表示更新処理を実行する(ステップS1013)。具体的には、第1特別図柄抽選が保留された場合には第1特別図柄抽選が保留されたことを示す保留表示画像を1つ追加表示する処理を画像音響制御部140に実行させ、第2特別図柄抽選が保留された場合には第2特別図柄抽選が保留されたことを示す保留表示画像を1つ追加表示する処理を画像音響制御部140に実行させる。
CPU131は、ステップS1013の処理を実行した場合、又は保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1011:NO)、例えば遊技制御部100から変動開始コマンドを受信してからの経過時間に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS1014)。CPU131は、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS1014:NO)、図7のステップS49の処理でセットされた変動開始コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS1015)。
CPU131は、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1015:YES)、後述するステップS1031の処理又はステップS1045の処理に基づく経過時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS1016)。ここで、経過時間の計測中であると判定した場合(ステップS1016:YES)、CPU131は、RAM133に記憶されているそれらの経過時間をリセットして計測を終了する(ステップS1017)。
CPU131は、ステップS1017の処理を実行した場合、又は経過時間の計測中ではないと判定した場合(ステップS1016:NO)、変動開始コマンドを解析して(ステップS1018)、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報(図柄、変動パターン等)に基づいて演出パターンを決定する(ステップS1019)。このステップS1019の処理が行われることにより、液晶表示器5に表示される装飾図柄の変動パターン、可動役物7の動作パターンや発光パターン、盤ランプ8や枠ランプ36の発光パターン、スピーカ35から出力される音声の出力パターンといった演出の内容が決定される。
そして、CPU131は、変動パターンの設定情報に基づく液晶表示器5での装飾図柄の変動表示の開始、及びステップS1019の処理で決定した演出パターンに対応する演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM133にセットする(ステップS1020)。
この変動演出開始コマンドは、図8のステップS104におけるコマンド送信処理によって画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信される。これにより、演出制御部130で決定された演出が画像音響制御部140及びランプ制御部150によって実現されることになる。つまり、装飾図柄を変動表示する液晶表示器5、音声等を出力するスピーカ35、光による演出を行う盤ランプ8と枠ランプ36、及び光と動きによる演出を行う可動役物7によって、演出制御部130において決定された演出が開始される。
CPU131は、ステップS1020の処理に続いて、RAM133に記憶されている保留数の値を「1」減算した値に更新する(ステップS1021)。ここで、変動開始コマンドにより第1特別図柄抽選の実行に伴う演出の開始が指示された場合には第1特別図柄抽選の保留数の値を「1」減算した値に書き換え、第2特別図柄抽選の実行に伴う演出の開始が指示された場合には第2特別図柄抽選の保留数の値を「1」減算した値に書き換える。
そして、CPU131は、液晶表示器5に表示されている保留表示画像を消去させる処理を画像音響制御部140に実行させる保留表示更新処理を実行する(ステップS1022)。具体的には、変動開始コマンドにより第1特別図柄抽選の実行に伴う演出の開始が指示された場合には第1特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像の中で最古の保留表示画像を画面から消去させる。また、変動開始コマンドにより第2特別図柄抽選の実行に伴う演出の開始が指示された場合には第2特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像の中で最古の保留表示画像を画面から消去させる。なお、このステップS1022の処理を実行する際に液晶表示器5に複数の保留表示画像が表示されている場合には、ステップS1022の処理で消去されなかった残りの保留表示画像をシフトさせる(表示位置をずらす)処理も併せて実行させる。
続いて、CPU131は、上記ステップS1019の処理で決定した演出パターンの内容に基づいて、その演出パターンの演出がいわゆるモード移行を伴うものであるか否かを判定する(ステップS1023)。ここで、モード移行を伴うものであると判定した場合(ステップS1023:YES)、RAM133に記憶されている演出モードを特定するためのモード情報を更新する(ステップS1024)。
CPU131は、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行中であると判定した場合(ステップS1014:YES)、図7のステップS53の処理でセットされた変動停止コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS1026)。CPU131は、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1026:YES)、上記ステップS1020の処理に応じて開始された演出の終了を画像音響制御部140及びランプ制御部150に対して指示するための変動演出終了コマンドをRAM133にセットする(ステップS1027)。この変動演出終了コマンドは、図8のステップS104におけるコマンド送信処理によって画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信される。
CPU131は、ステップS1024の処理を行った場合、モード移行を伴わないと判定した場合(ステップS1023:NO)、又は変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1015:NO)、図10に示されるように、遊技制御部100から客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1030)。ここで、客待ちコマンドは、図7のステップS58の処理でセットされるコマンドであり、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選がいずれも保留されていない状態になったことを契機として、この保留がない状態を通知するために遊技制御部100から送信されるコマンドである。
CPU131は、客待ちコマンドを受信したと判定した場合(ステップS1030:YES)、RTC134を用いて、客待ちコマンドを受信してからの経過時間である第1時間の計測を開始する(ステップS1031)。
CPU131は、客待ちコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1030:NO)、第1時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS1032)。この第1時間は、RAM133に記憶される。
CPU131は、第1時間の計測中であると判定した場合(ステップS1032:YES)、ハンドルタッチから第1設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1033)。具体的には、CPU131は、予め設定された第1設定時間をROM132から読み出し、ステップS1031の処理で計測を開始した第1時間が第1設定時間(例えば40秒)を超えたか否かを判定する。
CPU131は、第1設定時間が経過したと判定した場合(ステップS1033:YES)、画像音響制御部140に客待ち演出を開始させる(ステップS1034)。具体的には、CPU131は、液晶表示器5に通常の演出画像とは異なる客待ち画面を表示する処理や、通常の演出では出力されない客待ち用の音をスピーカ35から出力する処理を画像音響制御部140に開始させる。そして、CPU131は、ステップS1031の処理で計測を開始した第1時間をリセットする(ステップS1035)。
ところで、図4に基づいて上述したように、遊技者が発射ハンドル31にタッチすると、そのハンドルタッチがタッチセンサ166によって検知されて、タッチセンサ166の検知回路から発射制御回路164に検知信号が入力される。発射制御部160のCPU161は、このようにして発射制御回路164に検知信号が入力されると、発射ハンドル31のタッチオン(遊技者が発射ハンドル31に触れたこと)を通知するためのタッチ情報を出力する。このタッチ情報は、払出制御部120として機能する払出制御基板と、遊技制御部100として機能する遊技制御基板とを介して演出制御部130に入力される。すなわち、払出制御部120及び演出制御部130は、発射制御部160からのタッチ情報を演出制御部130に中継送信する。
CPU131は、ステップS1031の処理を行った場合、ステップS1035の処理を行った場合、又は第1設定時間が経過していないと判定した場合(ステップS1033:NO)、発射制御部160からのタッチ情報を受信したか否かを判定する(ステップS1037)。ここで、タッチ情報を受信していないとCPU131によって判定された場合(ステップS1037:NO)、一連のコマンド受信処理が終了して図8のステップS102に処理が進められる。
CPU131は、タッチ情報を受信したと判定した場合(ステップS1037:YES)、例えば、画像音響制御部140から液晶表示器5の動作状況を示す情報を取得して、液晶表示器5に客待ち画面を表示する客待ち演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS1038)。すなわち、タッチセンサ166によりハンドルタッチが検知された検知タイミングで液晶表示器5によって実行されている演出が、遊技開始前に行われる客待ち演出であるか、又は遊技開始後に行われる通常の演出であるかを判別する。
CPU131は、客待ち演出の実行中であると判定した場合(ステップS1038:YES)、図2(A)に基づいて上述したように、客待ち演出から通常の演出への切替処理を実行する(ステップS1039)。具体的には、CPU131は、例えば、客待ち演出が開始される前に液晶表示器5に表示されていた、装飾図柄が停止した状態の通常の演出画像を液晶表示器5に再度表示させる処理を画像音響制御部140に実行させる。ここで、装飾図柄が停止した状態の通常の演出画像を表示させることとしているのは、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選がいずれも保留されていない状態であるからである。
このように、CPU131は、タッチセンサ166による検知タイミングで液晶表示器5によって実行されている演出が客待ち演出であると判別した場合、検知タイミングでその客待ち演出が通常の演出へと変化するように、演出の切り替えを行う。そして、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると、装飾図柄の変動表示を伴う通常の演出が開始されることになる。
なお、ここでは、客待ち演出が開始される前の通常の演出画面を再度表示させることとしているが、例えばRAM133に記憶されているモード情報に基づいて、客待ち演出が開始される前の通常の演出画面とは演出モードが異なる通常の演出画面に切り替わるように演出の切替処理を行ってもよい。
CPU131は、客待ち演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS1038:NO)、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選がいずれも保留されていない状態で、前回の演出切り替えから第2設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1040)。具体的には、CPU131は、予め設定された第2設定時間をROM132から読み出し、後述するステップS1045の処理で計測を開始した第2時間が第2設定時間(例えば20秒)を超えたか否かを判定する。ここで、第2設定時間が経過していないとCPU131によって判定された場合(ステップS1040:NO)、一連のコマンド受信処理が終了して図8のステップS102に処理が進められる。
CPU131は、前回の演出切り替えから第2設定時間が経過したと判定した場合(ステップS1040:YES)、液晶表示器5に表示されている通常の演出の演出モードを切り替えるために、以下の処理を実行する。すなわち、CPU131は、まず演出モード選択処理を実行する(ステップS1041)。具体的には、CPU131は、RAM133に記憶されているモード情報に基づいて現在の演出モードを特定する。そして、CPU131は、予め設定されてROM132に記憶されている複数の演出モードから現在の演出モードを除く残りの演出モードのいずれかを例えば乱数を用いた抽選により選択する。
次に、CPU131は、図2(B)に基づいて上述したように、液晶表示器5に表示されている通常の演出を、ステップS1041の処理で選択した演出に切り替える処理を画像音響制御部140に実行させる(ステップS1042)。このステップS1042の処理によって、液晶表示器5に表示されている背景やその色、登場するキャラクタ等が変化する。そして、CPU131は、RAM133に記憶されているモード情報を、ステップS1042の処理で切り替えられた演出モードを示す情報に書き換えるモード情報更新処理を実行する(ステップS1043)。
このように、CPU131は、ハンドルタッチの検知タイミングで液晶表示器5によって実行されている演出が通常の演出であると判別した場合(ステップS1038で「NO」)、検知タイミングで演出モードが変化するように演出の切り替えを行う。
そして、CPU131は、RAM133に記憶されている第2時間をリセットし(ステップS1044)、演出モードが切り替えられてからの経過時間である第2時間の計測を開始する(ステップS1045)。
ところで、客待ちコマンドを受信してからの経過時間(第1時間)の計測中(ステップS1032で「YES」)は、ステップS1037に処理が進められる。このため、客待ち演出ではなく装飾図柄の変動表示を伴わない通常の演出が実行されている場合、タッチ情報が受信される毎に(遊技者が発射ハンドル31にタッチする毎に)演出モードが切り替えられてしまう。すなわち、遊技者が発射ハンドル31に対するタッチオンとタッチオフとを短時間で繰り返すことによって、演出モードの切り替えが必要以上に行われてしまう。
そこで、本実施形態では、演出モードが切り替えられてからの経過時間(第2時間)が所定時間(第2設定時間)に達するまでの間、ステップS1040で「NO」と判定して、ステップS1041以降の処理を行わないこととしている。すなわち、前回の演出モードの切り替えから所定時間が経過するまでは、液晶表示器5による演出の切り替えを禁止することとしている。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、タッチセンサ166によってハンドルタッチが検知されると、その検知タイミングで、液晶表示器5によって実行される演出が切り替えられる。このため、遊技者が遊技を開始したタイミング(本実施形態では発射ハンドル31に触れたタイミング)と、液晶表示器5による演出が切り替わるタイミングとが一致するため、遊技者が遊技を開始したという十分な実感を得ることができる。
また、本実施形態では、タッチセンサ166による検知タイミングで通常の演出が実行されている場合には、次の遊技者が遊技を開始する際に、その演出モードが変化する。したがって、客待ち演出が開始されずに次の遊技者が遊技を開始する場合であっても、検知タイミングで演出の態様が変化するので、遊技者が遊技を開始したという十分な実感を得ることができる。
ところで、例えば同じ遊技者が把持していた発射ハンドル31を離した直後に再度発射ハンドル31を把持した場合に、遊技開始タイミングではないにも拘わらず演出モードが切り替わってしまうという問題がある。本実施形態では、演出が切り替えられてから所定時間(第2設定時間)が経過するまでは、タッチセンサ166によって検知された検知タイミングでの演出の切り替えが禁止されるので、このような問題が生じるのを効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、タッチセンサ166による検知タイミングで、客待ち演出から通常の演出へと演出が切り替わるので、遊技者は、その演出の切り替わりを認識することにより、遊技を開始したという十分な実感を得ることができる。
[変形例]
なお、上記実施形態では、遊技者が発射ハンドル31に触れたことをタッチセンサ166が検知した検知タイミングで演出の切り替えが行われる場合について説明したが、検知タイミングは、発射装置165による遊技球の発射が開始されたことが発射制御部160のCPU161によって検知されたタイミングであってもよい。
また、上記実施形態では、演出が切り替えられてからの経過時間(第2時間)が所定時間(第2設定時間)に達するまでの間は演出の切り替えが禁止される場合について説明したが、このような禁止処理を行わないようにしてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。