JP2012532981A - 皮膜形成用組成物及びその組成物が塗布される皮膜 - Google Patents

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Abstract

多種のシランを重合し、以降、皮膜形成用組成物を重合するに際し、最初からラジカル開始剤を添加し、これを熱硬化して組成物からSi‐C‐Si結合を形成するが、結合される炭素(C)の個数を最大4個までにすることにより、このような炭素間結合鎖によって、従来の表面コーティング剤よりも表面硬度に優れた表面コーティング剤を製造し、究極的に被塗布体のスクラッチへの抵抗性などの機械的物性を向上させる皮膜形成用組成物及びその組成物が塗布される皮膜を提供する。
【解決手段】一般式RSiXで表れる3官能性シラン、一般式RSiX’で表れる3官能性シラン、一般式SiX”で表れる4官能性シランを、同時または順次に重合して得られるオリゴマ(ここで、Rは、アルキル基またはフェニル基の中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、Rは、一つ以上の不飽和結合を含む炭化水素基であり、X、X’及びX”は、互いに同一または異なる加水分解性基である)と、ラジカル開始剤と、前記オリゴマとラジカル開始剤を溶解する溶媒と、を含んで構成され、これらの成分が重合して形成される。

Description

本発明は、皮膜形成用組成物及びその組成物が塗布される皮膜に関し、より詳しくは、一般式RSiXで表れる3官能性シラン、一般式RSiX’で表れる3官能性シラン、一般式SiX”で表れる4官能性シランを同時または順次重合して得られるオリゴマ(ここで、Rは、アルキル基またはフェニル基の中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、Rは、一つ以上の不飽和結合を含む炭化水素基であり、X、X’及びX”は、互いに同一または異なる加水分解性基である)と、ラジカル開始剤と、前記オリゴマとラジカル開始剤を溶解する溶媒と、を含んで構成され、皮膜の硬度がより向上し、特に、出発物質であるシロキサンオリゴマの重合過程において、加熱によりSi‐C‐Si結合のC結合が最大4個まで生成するようにし、Si‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)構造により皮膜の硬度が大いに向上し、よって、究極的に基板などの被塗布材料の耐久性を増進させることができる皮膜形成用の組成物及びその組成物が塗布される皮膜を提供する。
ガラスは、反射性能、透明性などを特徴とする物性を有しており、これを用いて鏡を製造し、または投光性を有しており、自動車ガラス、窓ガラスなどに応用されている。しかし、ガラスは、衝撃に対する抵抗性が極めて小さく、瞬間的に添力が加えられる場合、たとえ小さい圧力であっても、容易に破損するという短所があった。
したがって、最近、同応用分野において、ガラスよりも耐衝撃性に優れた合成樹脂、すなわち、プラスチックが製造されて用いられている趨勢にある。プラスチックは、汽車、バス、タクシー、及び乗用車のような公共輸送手段におけるガラスが適用された分野を幅広く代替しており、ビーカー、フラスコなどの実験用具、めがね、望遠鏡、カメラなどの光学機構にもその適用領域を広げている。
特に、このようなプラスチックは、ガラスに比べて単位体積当たり重量が小さく、これを自動車などの輸送手段に適用する場合は、輸送手段の燃料使用量や電池消耗量を減らすことができるという長所があった。
しかし、プラスチックは、ガラスに比べて硬度が極めて低いため、スクラッチが生じやすく、それにより、プラスチックの透明性が低下し、その結果、プラスチックを適用した製品の全体が、短い使用期間にもかかわらず、古く見えてしまい、そのため、外観に不満を持った使用者による製品の代替時期を早めて製品寿命を不合理に短縮させるという問題点があった。
よって、プラスチックの優秀性を認定し、これを適用し続けるが、このようなプラスチックの脆弱点を補強することができる技術の開発が絶望されている。
このために講究された方案としては、プラスチックそのものの硬度と耐久性を向上させる方法、プラスチックの表面にそれよりも高硬度の離型物質を塗布する方法などがある。しかし、プラスチックそのものの硬度と耐久性を向上させるためには、関連技術への投資が行われなければならず、新物質開発という属性上、技術開発に長時間がかかり、開発された高硬度・高耐久性のプラスチックの形状加工技術などの加工技術の面でも、新たな条件が提示されなければならないなど、技術開発が簡単ではないという問題点があった。したがって、より簡易な方法として、離型物質を塗布する方案を講じてみてもよい。
このように、プラスチックの表面に離型物質を塗布することにより、プラスチック製品の全体の耐久性を向上させる技術と関連して、特許文献1では、非金属表面コーティング剤組成物に関する技術を開示している。より詳しくは、ポリシロキサンマクロマ無機樹脂化合物5〜40重量%、シランカップリング剤0.5〜8重量%、アクリル共重合体20〜80重量%、架橋剤2〜45重量%、及び溶剤10〜50重量%からなる非金属表面コーティング剤組成物を開示している。
特に、ガラス表面に前記組成物をさらに堅固に結合させるために、シランカップリング剤とアクリル共重合体を用いており、共重合反応によってC‐C系結合を生成し、これから熱硬化反応によってSi‐O結合を生成することにより、表面強度を向上させている。
しかしながら、ガラス表面をなしているSi‐O結合は、その硬度面において脆弱であり、依然としてスクラッチなどへの抵抗力が弱いという問題点があり、より高硬度を有する表面コーティング物質を開発する必要性が切実である。
大韓民国公開特許第1997‐42864号公報
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、多種のシランを重合し、以降、皮膜形成用組成物を重合するに際し、最初からラジカル開始剤を添加し、これを熱硬化して組成物からSi‐C‐Si結合を形成するが、結合される炭素(C)の個数を最大4個までにすることにより、このような炭素間結合鎖によって、従来の表面コーティング剤よりも表面硬度に優れた表面コーティング剤を製造し、究極的に被塗布体のスクラッチへの抵抗性などの機械的物性を向上させることにある。
上記目的を達成するために、本発明による皮膜形成用組成物は、一般式RSiXで表れる3官能性シラン、一般式RSiX’で表れる3官能性シラン、一般式SiX”で表れる4官能性シランを、同時または順次に重合して得られるオリゴマ(ここで、Rは、アルキル基またはフェニル基の中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、Rは、一つ以上の不飽和結合を含む炭化水素基であり、X、X’及びX”は、互いに同一または異なる加水分解性基である)と、ラジカル開始剤と、前記オリゴマとラジカル開始剤を溶解する溶媒と、を含んで構成され、これらの成分が重合して形成されることを特徴とする。
前記シランが、一般式RSiXで表れる3官能性シランのうち、アルキル基置換3官能性シランである場合、一般式CHSiXで表れるメチル基置換3官能性シランであり、RSiX’で表れる3官能性シランの場合、一般式CSiX’で表れるビニル基置換3官能性シランであることが好ましい。
前記加水分解性基(X、X’、X”)が、ハロゲン元素、水素、または炭素数1〜4の炭素化合物の中から選ばれる少なくと一つであることが好ましい。
前記炭素数1〜4の炭素化合物が、擬ハロゲン基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、オキシム基を含み、これらの少なくともいずれか一つであることが好ましい。
前記擬ハロゲン基がイソシアネートであり、アルコキシ基がメトキシまたはエトキシの中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、アシルオキシ基がアセトキシであり、オキシム基がメチルエチルケトンであることが好ましい。
前記ラジカル開始剤が、前記全てのシランの全重量を100とする場合、0.001〜1重量%であることが好ましい。
前記オリゴマを得るための重合方法が、ラジカル重合、加水分解重縮合、ラジカル重合と加水分解重縮合の順次反応、加水分解重縮合とラジカル重合の順次反応、及びラジカル重合と加水分解重縮合の同時反応の中から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。
前記ラジカル開始剤が、ケトンペルオキシド類、ペルオキシケタール類、ハイドロペルオキシド類、ジアルキルペルオキシド類、ジアクリルペルオキシド類、ペルオキシカーボネート類、ペルオキシ酸エステル類、ペルオキシアルキル化合物類の少なくともいずれか一つを含む有機ペルオキシドであることが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明による皮膜形成用組成物は、主鎖の構造が化学式1であるシロキサンオリゴマであり、加熱によって側鎖が架橋して化学式2の構造を生成することを特徴とする。
[化1]
‐(Si‐O‐)n
(nは、20以上の自然数である)
[化2]
Si‐(C‐)nSi
(nは、2以上4以下の自然数である)
前記皮膜形成用組成物は、基板上に塗布されることが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明による皮膜は、前記皮膜形成用組成物を基板上に塗布して形成されることを特徴とする。
本発明によると、皮膜形成用組成物から形成される皮膜の炭素(C)による結合構造を強化し、皮膜の表面硬度と耐磨耗性が顕著に増加し、特に表面スクラッチが防止される。
また、被塗布体との密着性が増進し、皮膜の剥離または亀裂が減少する。
また、特に熱開始剤を用いると、皮膜の全体的な硬化が迅速に行われるので、工程時間の短縮が可能となる。
また、特にラジカル開始剤を用いると、熱源が光源に比べて装備に要する費用面において安価であるので、工程に要する経費を減らすことができる。
また、基板などに塗布される皮膜が、従来の方法により製造され、または従来の成分で構成される皮膜に比べて、さらに高い硬度及び絶縁耐圧特性を有し、基板の耐久性が全体的に強化される。
以下、本発明の好適な実施例について詳述する。
本発明による塗布用組成物は、 一般式RSiXで表れる3官能性シラン、一般式RSiX’で表れる3官能性シラン、一般式SiX”で表れる4官能性シランを、同時または順次に重合して得られるオリゴマ(ここで、Rは、アルキル基またはフェニル基の中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、Rは、一つ以上の不飽和結合を含む炭化水素基であり、X、X’及びX”は、互いに同一または異なる加水分解性基である)と、ラジカル開始剤と、前記オリゴマとラジカル開始剤を溶解する溶媒と、を含んで構成される。
は、アルキル基またはフェニル基の中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、Rは、一つ以上の不飽和結合を含む炭化水素基であって、これらの具体例は後述する。
また、X、X’、X”は、加水分解性基であって、
(1)ハロゲン元素
(2)水素
(3)炭素数1〜4の炭素化合物
の少なくともいずれか一つを含むが、特に前記炭素化合物は、
(3‐1)シアニド、シアネート、イソシアネート、チオシアネートなどの擬ハロゲン基;
(3‐2)アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、アニリノ、フェニルメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、N‐フェニル‐N‐メチルアミノなどのアルキルアミノ基;
(3‐3)メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec‐ブトキシ、t‐ブトキシ、ベンジルなどのアルコキシ基;
(3‐4)アセトキシ、プロピルオキシ、ピバロイルオキシ、オクチルオキシ、ベンゾキシなどのアシルオキシ基;
(3‐5)メチルエチルケトオキシム、アセトアルドキシム、アセトンオキシム、ブチルアルドキシム、ヘキサノンオキシム、4‐ペンテン‐2オキシム、シクロペンタオキシム、シクロヘキサオキシム、2‐メチルシクロペンタオキシム、ベンズアルドキシム、アセトフェノキシム、ベンゾフェノキシム、ベンジルエチルケトオキシムなどのオキシム基;
などが挙げられる。
ここで、前記X、X’、X”は互いに同一または異なってもよい。
また、前記炭素数1〜4の炭素化合物のうち、好ましくは、擬ハロゲン基におけるイソシアネート、アルコキシ基におけるメトキシまたはエトキシの少なくともいずれか一つ、アシルオキシ基におけるアセトキシ、オキシム基におけるメチルエチルケトキシなどを用いることがよい。これは、上記範囲の炭素数を有する加水分解性基の場合、加水分解反応速度が大きく、加水分解度が高いからである。
また、水素及びハロゲン元素を加水分解性基とする加水分解反応を反応式で表れると、以下のようである。
Si‐H+HO=Si‐OH+H(高温または高pHの条件下で反応する)
Si‐Cl+HO=Si‐OH+HCl(極めて速い反応速度)
ここで、前記水素を加水分解性基として加水分解反応する場合は、高温または高pHの条件下で反応が起こり、ハロゲン元素(ここでは、塩素)を加水分解性として加水分解反応する場合は、極めて速い反応速度を示す特徴がある。
前記シランは、相互共重合反応により共重合体を形成している。
代表的に表現すると、主鎖の構造が‐(Si‐O‐)n(nは、20以上の自然数)であるシロキサンオリゴマを主成分とし、このようなシロキサンオリゴマを加熱すると、加熱により側鎖が架橋して、Si‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)を生成する皮膜形成用組成物に関するものが本発明である。
前記共重合体は、基本的にSi‐OH結合とSi‐CH=CH結合が混在している。前記各結合は、ラジカル開始剤の参与による熱硬化によって、Si‐O‐Si結合と、Si‐C‐C‐Si、Si‐C‐C‐C‐Si、Si‐C‐C‐C‐C‐Si結合とをそれぞれ生成し、これらの結合体が網状構造をなすようになる。
このうち、Si‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)で表れるSi‐C‐C‐Si、Si‐C‐C‐C‐Si、Si‐C‐C‐C‐C‐Siの結合構造は、二つのシロキサン鎖を極めて堅固に結合するので、Si‐O結合構造に比べて極めて高硬度を有し、このような結合構造が、皮膜及び被塗布体の機械的物性を向上させる決定的な役割をするようになる。特に、C結合鎖が含むCの個数が多いほど硬度が大いに向上するので、本発明は、このような多数のCを含むC結合鎖の生成にその特徴を有している
本発明は、熱開始剤を初期組成物に導入し、熱硬化過程で共重合体と同時に反応させることにより、Si‐(C‐)nSi結合(nは、2以上4以下の自然数である)を導き出し、皮膜の密度と硬度を向上させるのにその特徴があり、この点が従来技術と重大な差を生じることに注目すべきである。
Si‐O‐Si及びSi‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)形態の結合を生成する反応を、化学式で表れると、以下のようである。
(1)2Si‐OH→Si‐O‐Si+HO(モノマーの加水分解重縮合反応)
(2)2Si‐CH+[O]→Si‐CH‐CH‐Si+H
(3)Si‐CH+CH=CH‐Si‐+[O]→Si‐CH‐CH‐CH(OH)‐Si
(4)n_Si‐CH=CH→[‐CH(‐Si)‐CH‐CH(Si‐)‐CH‐]n
すなわち、熱硬化の際に、(1)の反応によってSi‐O‐Si結合体が、(2)〜(4)の反応によってSi‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)形態の結合を生成し、これらが重合することにより、これから生成する皮膜の表面硬度は、極めて高くなるといえる。
より具体的な重合方法は、以下のようであり、上述したような3種のシランは、後述する方法で重合させることにより、オリゴマを形成する。
(1)加水分解縮重合法
原料状態の各シランモノマー(3種)を混合した後、水と触媒を加えて加水分解し、シラノール基(SiOH)を生成させ、シラノール基を互いに反応させ縮重合させる。この際、原料状態のシランモノマーを相互混合せず、各種別で独立して加水分解し、シラノール基をそれぞれ生成させた後、これらを混合し、反応を誘導して縮重合させてもよい。
加水分解と縮重合は、相互異なった反応であるので、順次進行することが一般的であるが、加水分解工程と縮重合工程を同時に行うこともできる。また、加水分解の触媒と縮重合の触媒は、相互同一または異なってもよい。
また、シランモノマーは、予めアルコール、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素などの任意の有機溶媒に溶解し希釈して用いてもよい。この際、シランモノマーの希釈に用いられる溶媒は、シランモノマーまたは水と相溶性があるものが、反応の均一な進行のために好ましいが、このような相溶性が必須の要素ではなく、多少足りなくても可能である。
加水分解に用いられる水の量は、シランに含まれる1当量の加水分解性基に対して0.5〜10当量を加える。水の当量が0.5当量未満である場合、重合体の分子量が十分に大きくならず、また、10当量を超えると、シランモノマーの相対的な反応システム上の濃度が低下し、または水の相分離が起こるため、好ましくない。より好ましくは、水の当量は1.0〜5.0当量の範囲とすることがよい。
加水分解の触媒としては、塩酸、フッ酸、硝酸、硫酸、リン酸、過塩素酸、フルオロケイ酸(HSiF)などの無機酸;ギ酸、酢酸、乳酸、蓚酸、コハク酸、クエン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸;弱酸性イオン交換樹脂、強酸性イオン交換樹脂、活性酸化アルミニウムなどの固体酸;アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペラジン、ポリエチレンアミンなどのアミン類;水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ブチルトリメチルアンモニウム、水酸化トリフェニルホスホニウムなどの有機アルカリ;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどの金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリアルコキシド;塩化アルミニウム、トリフェニルホスフィン、三フッ化ホウ素酸などのルイス酸;塩化チタン(IV)、硫酸チタニル、硝酸チタニル、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ‐n‐ブトキシド、チタニウムテトラステアレート、ビスアセチルアセトナートジイソプロポキシチタン、テトラキスアセチルアセトナートチタンなどのチタン化合物;硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムsec‐ブトキシド、アセチルアセトナートジイソプロポキシアルミニウム、トリスアセチルアセトナートアルミニウムなどのアルミニウム化合物;などが用いられる。
その中でも、反応が比較的に穏やかに進行し、分離が長くかからない、硝酸、塩酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの揮発性酸が触媒として極めて好適である。
加水分解触媒の添加量は、触媒の種類によって異なるが、シランに対して0.0001〜1モル当量を用いる。
触媒として酸を用いる場合は、比較的に高濃度の0.001〜0.1モル当量、塩基を用いる場合は、0.0001〜0.01モル当量が好ましい。
触媒濃度が0.0001モル当量以下であると、反応速度が大幅に低下し、実際適用するのに適合せず、触媒濃度が1モル当量を超えると、反応速度が大きく上昇して制御が困難であり、触媒の分離工程を別途に進行しなければならないので、好ましくない。
加水分解及び縮重合工程の温度範囲は、モノマーの配合比率や触媒、希釈溶媒とその量に応じて、0℃程度の低温乃至還流温度の範囲であり、また、時間の範囲は、0.1時間〜30日の範囲とすることが好ましい。ここで、前記還流温度は、35〜180℃間がさらに好ましい。
前記還流温度は、使用する溶媒の種類によって決定され、0℃以下の場合は、触媒として用いる水が凝結するので、好ましくない。
例えば、触媒として0.01モル当量の有機酸を用いて、モノマーをエタノールと1:1の比率で希釈した場合、還流温度で2〜8時間反応させる。
このような共重合反応を行うに当たり、前記3種のシランにおいて異なる任意の官能性を有するもの、シラノールと共重合可能なOH基、イソシアネート、エポキシ化合物などをシランモノマーと共重合させてもよい。
また、上記した3種のシランを同時に重合しまたは様々な順序で順次に重合してもよい。
シラン、例えば、アルキル基置換3官能性シランを用いてもよいが、特に、メチル基置換3官能性シランを用いることが好ましく、このようなメチル基置換3官能性シランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルクロロジエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルメトキシジアセトキシシラン、メチルトリイソシアネートシラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランなどが挙げられる。
また、シランとしてフェニル基置換3官能性シランを用いてもよいが、このようなフェニル基置換3官能性シランとしては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリイソシアネートシラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランなどがある。
また、シランとして一つ以上の不飽和結合を含む炭化水素基を用いてもよいが、特に、ビニル基置換3官能性シランを用いることが好ましく、このようなビニル基置換3官能性シランとしては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルエトキシジアセトキシシラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランなどがある。
また、シランとして4官能性シランは、テトラメトキシシラン、テトラクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトライソシアネートシラン、テトラキス(メチルエチルケトオキシム)シランなどがある。このようなシランは、それぞれ単独で加水分解重合されてもよく、混合して加水分解重合されてもよい。
他のシランも用いられるが、その例としては、3‐メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3‐アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3‐メタクリロキシトリエトキシシランなどがある。
また、ホウ素、リン、アルミニウム、チタン、ジルコニウムなどのケイ素以外の元素を含む加水分解性化合物を共重合させることも可能である。
(2)ラジカル重合法
原料状態の各シランモノマー(3種)を混合した後、ラジカル開始剤を加えてモノマーを重合させる。
これは、加水分解後、熱開始剤を用いて硬化させる方式とは異なり、予めSi‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)結合を形成して、より高い反応効率が得られ、皮膜の硬度を大いに向上させるためである。
上述のように、ラジカル重合に寄与することは、好ましくはメチルシランとビニルシランであり、それぞれ以下のような反応で重合する。このラジカル反応によってシランのないオリゴマが形成される。
(1)Si‐CH+CH‐Si→SiCH‐CHSi(脱水反応)
(2)Si‐CH+CH=CH‐Si→Si‐CH(OH)‐CHCH‐Si
(3)Si‐CH=CH+CH=CH‐Si→Si‐CH=CH‐CHCH‐Si
但し、上記した(3)の反応は、一般のラジカル開始剤によっても進行するが、(1)、(2)の反応は、有機過酸化物(ペルオキシド)と急進的に反応することにより進行され得る。
具体的には、シランの全重量を100とすると、これに対して0.001〜1重量%のラジカル開始剤を加え、加熱中に攪拌して重合を行う。
このようなラジカル開始剤が1重量%以上である場合は、分子量が極めて小さくなる傾向にあり、0.001重量%以下である場合は、重合反応が起こらないので、前記ラジカル開始剤は、前記範囲で臨界的意義を有する。
ラジカル開始剤としては、加熱によりフリーラジカルを発生するといずれの物質でも可能であるが、好ましくは、アゾ化合物、アゾ‐アミド化合物、ペルオキシド、ジフェニルアルカン、ベンゾフェノン誘導体などが用いられるが、様々な溶媒に対する溶解性、高安定性として特徴付けられ、低温で高効率の重合反応が可能な有機ペルオキシドが好ましい。高温よりも低温で反応が起こることが、Si‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)結合がうまく行われる。
前記有機ペルオキシドの例として、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシドなどのケトンペルオキシド類;1,1‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、1,1‐ビス(t‐ヘキシルペルオキシ)シクロへキサン、1,1‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)‐2‐メチルシクロヘキサン、1,1‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)ブタン、3,3‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)ブチルペンタノエート、2,2‐ビス(4,4‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)シクロヘキシル)プロパンなどのペルオキシケータル類;p‐メンタンハイドロペルオキシド、ジソプロキシルベンゼンハイドロペルオキシド、1,1,3,3‐テトラメチルブチルハイドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t‐ブチルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ビス(2‐t‐ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,3‐ジメチル‐2,5‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)ヘキサン、t‐ブチルクミルペルオキシド、ジ‐t‐ヘキシルペルオキシド、ジ‐t‐ブチルペルオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)ヘキサン‐3などのジアルキルペルオキシド類;ジイソブチルペルオキシド、ビス(3,3,5‐トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジコハク酸ペルオキシド、ビス(3‐メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス(4‐メチルベンゾイル)ペルオキシドなどのジアクリルペルオキシド類;ジ‐n‐プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4‐t‐ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ビス(2‐エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ‐sec‐ブチルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート類;クミルペルオキシネオジカーボネート、1,1,3,3‐テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、t‐ヘキシルペルオキシピバレート、t‐ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3‐テトラメチルブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ビス(2‐エチルヘキサノイルペルオキシド)ヘキサン、t‐ヘキシルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t‐ブチルペルオキシリンゴ酸、t‐ブチルペルオキシ‐3,3,5‐トリメチルヘキサノエート、t‐ブチルペルオキシラウレート、t‐ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t‐ブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキシルモノカーボネート、t‐ヘキシルペルオキシベンゾエート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t‐ブチルペルオキシアセテート、t‐ブチルペルオキシド‐3‐メチルベンゾエート、t‐ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシ酸エステル類;t‐ブチルペルオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’‐テトラキス(t‐ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのペルオキシアルキル化合物類などがある。
また、分子量を制御するために、メルカプトプロピオン酸エステル、ジブトキシヒドロキシトルエン、メルカプトベンゾチアゾールなどの任意の連鎖反応添加剤を加えてもよい。
前記熱開始剤とシランの溶解及び希釈の目的で任意の有機溶媒を加えるが、このような溶媒は、コーティング時の乾燥速度やコーティング性能に応じて混合して用いる。選択可能な溶媒の種類は、以下のようである。
メタノール、エタノール、1‐プロパノール、2‐ブタノール、1‐ブタノール、2‐ブタノール、sec‐ブタン、1‐ペンタノール、2‐メチルブタノール、3‐メチルブタノール、2‐ペンタノール、4‐メチル‐2‐ペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、n‐ヘキサノール、フルフリルアルコール、フルフリルメタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn‐ブチルケトン、メチルt‐ブチルケトン、メチルn‐ペンチルケトン、メチルn‐ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、2,4‐ペンタンジオン、2,5‐ヘキサジオン、アセトフェノンなどのケトン類;n‐ペンタン、イソペンタン、n‐ヘキサン、イソへキサン、n‐ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、2,2,4‐トリエチルペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリエチルベンゼン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n‐プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼンなどのヒドロカーボン類;テトラヒドロフラン、2‐メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ‐n‐プロピルエーテル、ジイソプロビルエーテル、ジ‐n‐ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ‐n‐ヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、ビス(2−エチルヘキシル)エーテル、エチレンオキシド、1、2‐プロピレンオキシド、1,4‐ジオキサン、4‐メチルオキソラン、ジメチルジオキソラン、クレシルメチルエーテル、ジベンジルエーテル、ブチルフェニルエーテルなどのエーテル類;メチルアセテート、エチルアセテート、n‐プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n‐ブチルアセテート、イソブチルアセテート、sec‐ブチルアセテート、n‐ペンチルアセテート、sec‐ペンチルアセテート、メチルペンチルアセテート、2‐エチルブチルアセテート、2‐エチルヘキシルアセテート、ベンジルアセテート、シクロヘキシルアセテート、メチルシクロヘキシルアセテート、n‐ノニルアセテート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、エチルプロピオネート、n‐ブチルプロピオネート、イソアミルプロピオネート、メチルピルベート、エチルピルベート、ジエチルオキサレート、ジ‐n‐ブチルオキサレート、メチルラクテート、エチルラクテート、ブチルラクテート、n‐ペンチルラクテート、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、ジエチルマロネート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどのエステル類;γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、δ‐バレロラクトンなどのラクトン類;アセトニトリル、プロピオノニトリル、アクリロニトリルなどのニトリル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,2‐ペンタンジオール、2,4‐ペンタンジオール、2‐メチレンペンタン‐2,4‐ジオール、2,5‐ヘキサンジオール、2,4‐ヘプタンジオール、2‐エチルヘキサン‐1,3‐ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコール類;ヒドロキシアセトン(アセトール)、3‐ヒドロキシ‐3‐メチル‐2‐ブタノン、4‐ヒドロキシ‐3‐メチル‐2‐ブタノン、5‐ヒドロキシ‐2‐ペンタノン、4‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐2‐ペンタノンなどのヒドロキシケトン類;グリコールエーテル類として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールn‐ブチルエーテル、エチレングリコールモノn‐ペンチルエーテル、エチレングリコールモノn‐ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2‐エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノ2‐エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなどのエチレングリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどのエチレングリコールジエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノn‐ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテートなどのエチレングリコールアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn‐プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn‐ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt‐ブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテルなどのプロピレングリコールジエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn‐プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn‐ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテートなどのプロピレングリコールアセテート類;3‐メトキシ‐1‐ブタノール、3‐メトキシブチルアセテート、3‐メチル‐3‐メトキシ‐1‐ブタノール、3‐メトキシ‐1‐ブチルアセテート、3‐メチル‐3‐メトキシ‐1‐ブチルアセテートなどのブチレングリコール誘導体、ジエチルグリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn‐ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn‐ヘキシルエーテルなどのジエチレングリコールモノエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル類、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコールジエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノn‐ブチルエーテルアセテートなどのジエチレングリコールアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのジプロピレングリコールモノエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのジプロピレングリコールジエーテル類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリシラングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテルなどのジプロピレングリコールアセテート類;不均質化合物として、N‐メチルピロリジノン、N,N‐ジメチルイミダゾリジノン、ホルムアミド、N‐メチルホルムアミド、N‐エチルホルムアミド、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジエチルホルムアミド、N‐メチルアセトアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、N‐メチルプロピオンアミド、N,N‐ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3‐プロパンスルホンなどがある。
好ましくは100℃以下の沸点を有する溶媒を120〜160℃の沸点を有する溶媒と混合して用いることがよいが、その例として、エタノール、2‐プロパノール、sec‐ブチルアルコールからなる基と、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルイソブチルケトン、n‐プロピルアセテートからなる基を相互混合するものである。
全体の反応時間は、1〜12時間程度かかる。
また、前記加水分解縮重合とラジカル重合は、水、触媒、及びラジカル開始剤を同時に添加することにより、同時に進行させてもよい。
また、加水分解縮重合を行った後、ラジカル重合を行い、またはラジカル重合後、加水分解縮重合を行うように順序を定めてもよい。
前記塗布組成物には、前記必須成分の他、水、任意の有機溶媒、有機アミノ化合物や有機アンモニウム化合物、チタンや錫化合物などの反応促進触媒、任意の界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤などの密着促進剤などを所定の目的で加えてもよい。
また、アルコキシシランを含有した密着促進剤や界面活性剤は、シラン化合物と予め共重合させておいてもよい。
<実施例1>
本発明による塗布組成物を調製するための実施例1は、以下のようである。
(シロキサンの調製)
ビニルトリエトキシシラン190.3g、メチルトリエトキシシラン178.3g、テトラエトキシシラン208.3g、ブチルアセテート1リットルを約2リットル容量の三口フラスコに仕込み、フラスコの内容物を激しく攪拌しながら、1モル/リットル濃度の硝酸2mlと純水180mlを混合した溶液をフラスコに設置された滴下漏斗を用いて30分間滴下する。
その結果、フラスコの内容物では発熱反応が起こり、初期は白色の濁った溶液であったが、攪拌を持続した結果、無色透明な溶液となった。
(2)塗布組成物の調製
以降、内容物の温度が50℃以下となってから、還流冷却器を設置し、常圧下で加熱して3時間還流させる。
かくして得られたシロキサンに対して、表1の組成のように添加剤を混合し、0℃で12時間の間熟成した後、0.1μmのPTFEフィルタでろ過し、塗布組成物を調製した。
Figure 2012532981
#1:Bis(3‐methylbenzoyl) peroxide
#2:Bis(2‐t‐butylperoxyisopropyl)benzene
#3:Bis(2‐ethylhexyl)peroxydicarbonate
PGMEA:PropyleneGlycolMonomethylEtherAcetate
IPA:IsoprophylAlcohol
PGME:PropyleneGlycolMonomethylEther
このように調製された塗布液を無アルカリガラスに、回転数1000rpmで塗布した結果、500nmの透明薄膜が形成された。
本実施例では、被塗布体をガラスとしているが、被塗布体は背景技術において紹介したプラスチック、その他、その材料の形態に限定されず、様々なものを用いてもよい。
(3)物性評価
このように形成された薄膜を100℃の温度で15分間プリベークし、次いで250℃の温度で15分間硬化した後、可視光透過率、鉛筆硬度試験、及び絶縁耐圧試験を実施し、上記した表1に示した。
このようにして調製された組成物は、従来のラジカル開始剤を用いていない塗布組成物とは異なり、Si‐O結合以外も、Si‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)結合が生成し、結合強度が相対的に高くなり、これは、上述した化学反応式からも分かる。
したがって、表1から分かるように、本発明によって調製された塗布組成物は、従来のラジカル開始剤を排除して調製された塗布組成物に比べて硬度値が4倍以上高く測定されたことが分かり、絶縁耐圧も3倍以上高いことが分かる。但し、光線透過率は、ラジカル開始剤に依存する要素ではないので、両組成物間に差が観察されなかった。
<実施例2>
(1)シロキサンの調製
下記の表2によって、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランを、それぞれ組成を異ならせて配合し、約2リットル容量の三口フラスコに仕込み、溶媒としてブチルアセテート1リットル(208.3g)をさらに加えた後、フラスコの内容物を激しく攪拌しながら、1モル/リットル濃度の硝酸2mlと純水180mlを混合した溶液をフラスコに設置された滴下漏斗を用いて30分間滴下する。
その結果、フラスコの内容物では発熱反応が起こり、初期は白色の濁った溶液であったが、攪拌を持続した結果、無色透明な溶液となった。
Figure 2012532981
(2)塗布組成物の調製
以降、内容物の温度が50℃以下となってから、還流冷却器を設置し、常圧下で加熱して3時間還流させる。
かくして得られたシロキサンA〜Cに対して、下記の表3の組成のように添加剤を混合し、0℃で12時間の間熟成した後、0.1μmのPTFEフィルタでろ過し、塗布組成物を調製した。
Figure 2012532981
#1:Bis(3‐methylbenzoyl) peroxide
#2:Bis(2‐t‐butylperoxyisopropyl)benzene
#3:Bis(2‐ethylhexyl)peroxydicarbonate
PGMEA:PropyleneGlycolMonomethylEtherAcetate
IPA:IsoprophylAlcohol
PGME:PropyleneGlycolMonomethylEther
このように合成された塗布組成物を無アルカリガラスに、回転数1000rpmで塗布した結果、厚さ700nmの透明薄膜が、600rpmで塗布した結果、厚さ1μmの透明薄膜が形成された。
前記クラック限界膜厚さが2、3μmと示されたのは、600rpm未満で塗布したものに該当する。
本実施例では、被塗布体をガラスとしているが、被塗布体は背景技術において紹介したプラスチック、その他、その材料の形態に限定されず、様々なものを用いてもよい。
(3)物性評価
このように形成された薄膜を100℃の温度で15分間プリベークし、次いで250℃の温度で15分間硬化した後、可視光透過率、鉛筆硬度試験、及び絶縁耐圧試験を実施し、上記した表3に示した。
クラック限界膜厚さの測定には、塗布時、回転数を低下させ、膜を厚くし、硬化後、クラックの有無を目視で観察した。
このようにして調製された組成物は、従来のラジカル開始剤を用いていない塗布組成物とは異なり、Si‐O結合以外も、Si‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)結合が生成し、結合強度が相対的に高くなり、これは、上述した化学反応式からも分かる。
したがって、表3から分かるように、本発明によって調製された塗布組成物は、従来のラジカル開始剤を排除して調製された塗布組成物に比べて硬度値が4倍以上高く測定されたことが分かり、絶縁耐圧も3倍以上高いことが分かる。但し、光線透過率は、ラジカル開始剤に依存する要素ではないので、両組成物間に差が観察されなかった。
<実施例3>
本実施例では、上述した実施例1,2の塗布組成物と、本発明で適用したオリゴマ以外のオリゴマをラジカル開始剤と一緒に重合して調製した塗布組成物とを、それぞれ比較し、本発明の優秀性を立証しようする。
(1)シロキサンの調製
下記の表4によって、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランを、それぞれ組成を異ならせて配合し、約2リットル容量の三口フラスコに仕込み、溶媒としてブチルアセテート1リットル(208.3g)をさらに加えた後、フラスコの内容物を激しく攪拌しながら、1モル/リットル濃度の硝酸2mlと純水180mlを混合した溶液をフラスコに設置された滴下漏斗を用いて30分間滴下する。
その結果、フラスコの内容物では発熱反応が起こり、初期は白色の濁った溶液であったが、攪拌を持続した結果、無色透明な溶液となった。
Figure 2012532981
ここで、本発明は、フェニルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランの中から選ばれる少なくともいずれか一つ、ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランを、それぞれ一実施例とする3官能性シラン、4官能性シランを重合体の必須構成要素としているので、ビニル基置換3官能性シランとしてビニルトリメトキシシラン、または4官能性シランとしてテトラエトキシシランが除外されて重合されたC、Dは、比較例となる。
(2)塗布組成物の調製
以降、内容物の温度が50℃以下となってから、還流冷却器を設置し、常圧下で加熱して3時間還流させる。
かくして得られたシロキサンA〜Cに対して、下記の表5の組成のように添加剤を混合し、0℃で12時間の間熟成した後、0.1μmのPTFEフィルタでろ過し、塗布組成物を調製した。
Figure 2012532981
PGMEA:PropyleneGlycolMonomethylEtherAcetate
このように合成された塗布組成物を無アルカリガラスに、回転数1000rpmで塗布した結果、厚さ700nmの透明薄膜が、600rpmで塗布した結果、厚さ1μmの透明薄膜が形成された。
前記クラック限界膜厚さが2、1.5、1μmと示されたのは、600rpm未満で塗布したものに該当する。
本実施例では、被塗布体をガラスとしているが、被塗布体は背景技術において紹介したプラスチック、その他、その材料の形態に限定されず、様々なものを用いてもよい。
(3)物性評価
このように形成された薄膜を100℃の温度で15分間プリベークし、次いで250℃の温度で15分間硬化した後、可視光透過率、鉛筆硬度試験、及び絶縁耐圧試験を実施し、上記した表5に示した。
クラック限界膜厚さの測定には、塗布時、回転数を低下させ、膜を厚くし、硬化後、クラックの有無を目視で観察した。
このようにして調製された本発明による組成物は、ビニル基置換3官能性シラン、4官能性シランを全て適用せず、選択的に一つずつ適用した比較例の組成物に比べて硬度値が2〜4倍以上高く測定されたことが分かる。
これは、ビニル基置換3官能性シラン及び4官能性シランを含む重合体を用いる場合、2以上4以下の炭素数を有するオリゴマがさらに多く生成するからであると考えられる。
<実施例4>
本実施例では、本発明で適用したシランのうち、Rに該当するビニル基置換3官能性シランを、本発明の範囲内で他の炭化水素基に代替し、ラジカル開始剤を使用したものと使用しなかったものによって比較することにより、ラジカル開始剤を使用する本発明の優秀性を立証しようとする。
(1)シロキサンの調製
下記の表6によって、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルトリエトキシシランを、それぞれ組成を異ならせて配合し、約2リットル容量の三口フラスコに仕込み、溶媒としてブチルアセテート1リットル(208.3g)をさらに加えた後、フラスコの内容物を激しく攪拌しながら、1モル/リットル濃度の硝酸2mlと純水180mlを混合した溶液をフラスコに設置された滴下漏斗を用いて30分間滴下する。
その結果、フラスコの内容物では発熱反応が起こり、初期は白色の濁った溶液であったが、攪拌を持続した結果、無色透明な溶液となった。
Figure 2012532981
ここで、本発明は、フェニルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランの中から選ばれる少なくともいずれか一つ、テトラエトキシシランを、それぞれ一実施例とする3官能性シラン、4官能性シランを重合体の必須構成要素とし、ビニルトリメトキシシランの代わりに、他の炭素基を有する物質(3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)に代替して同じ効能があるかを確認した。
(2)塗布組成物の調製
以降、内容物の温度が50℃以下となってから、還流冷却器を設置し、常圧下で加熱して3時間還流させる。
かくして得られたシロキサンA〜Eに対して、下記の表7の組成のように添加剤を混合し、0℃で12時間の間熟成した後、0.1μmのPTFEフィルタでろ過し、塗布組成物を調製した。
Figure 2012532981
#2:Bis(2‐t‐butylperoxyisopropyl)benzene
PGME:PropyleneGlycolMonomethylEther
このように合成された塗布液を無アルカリガラスに、回転数1000rpmで塗布した結果、厚さ1μmの透明薄膜が形成された。
前記クラック限界膜厚さが3、4、5μmと示されたのは、600rpm未満で塗布したものに該当する。
本実施例では、被塗布体をガラスとしているが、被塗布体は背景技術において紹介したプラスチック、その他、その材料の形態に限定されず、様々なものを用いてもよい。
(3)物性評価
このように形成された薄膜を100℃の温度で15分間プリベークし、次いで250℃の温度で15分間硬化した後、可視光透過率、鉛筆硬度試験、及び絶縁耐圧試験を実施し、上記した表7に示した。
クラック限界膜厚さの測定には、塗布時、回転数を低下させ、膜を厚くし、硬化後、クラックの有無を目視で観察した。
このようにして調製された本発明による組成物は、ビニル基置換3官能性シランの代わりに、他の炭化水素基を含む物質を適用して調整した結果、ラジカル開始剤を使用した場合、ビニル基置換3官能性シランと類似した物性を示すことが分かり、但し、炭素間結合距離が長く、フレキシブルな特性を有するエポキシ基(3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の場合は、その物性に照らして、鉛筆硬度が相対的に低いことが分かるが、大きな差ではなかった。
また、ラジカル開始剤を使用したものと使用しなかったものによる差から、上述のように、ラジカル開始剤を使用したものは、Si‐O結合以外も、Si‐(C‐)nSi(nは、2以上4以下の自然数である)結合が生成し、結合強度が相対的に高く測定されたことが分かる。

Claims (11)

  1. 一般式RSiXで表れる3官能性シラン、一般式RSiX’で表れる3官能性シラン、一般式SiX”で表れる4官能性シランを、同時または順次に重合して得られるオリゴマ(ここで、Rは、アルキル基またはフェニル基の中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、Rは、一つ以上の不飽和結合を含む炭化水素基であり、X、X’及びX”は、互いに同一または異なる加水分解性基である)と、
    ラジカル開始剤と、
    前記オリゴマとラジカル開始剤を溶解する溶媒と、を含んで構成され、
    これらの成分が重合して形成されることを特徴とする皮膜形成用組成物。
  2. 前記シランが、一般式RSiXで表れる3官能性シランのうち、アルキル基置換3官能性シランである場合、一般式CHSiXで表れるメチル基置換3官能性シランであり、RSiX’で表れる3官能性シランの場合、一般式CSiX’で表れるビニル基置換3官能性シランであることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  3. 前記加水分解性基(X、X’、X”)が、ハロゲン元素、水素、または炭素数1〜4の炭素化合物の中から選ばれる少なくと一つであることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  4. 前記炭素数1〜4の炭素化合物が、擬ハロゲン基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、オキシム基を含み、これらの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項3に記載の皮膜形成用組成物。
  5. 前記擬ハロゲン基がイソシアネートであり、アルコキシ基がメトキシまたはエトキシの中から選ばれる少なくともいずれか一つであり、アシルオキシ基がアセトキシであり、オキシム基がメチルエチルケトンであることを特徴とする請求項4に記載の皮膜形成用組成物。
  6. 前記ラジカル開始剤が、前記全てのシランの全重量を100とする場合、0.001〜1重量%であることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  7. 前記オリゴマを得るための重合方法が、ラジカル重合、加水分解重縮合、ラジカル重合と加水分解重縮合の順次反応、加水分解重縮合とラジカル重合の順次反応、及びラジカル重合と加水分解重縮合の同時反応の中から選ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  8. 前記ラジカル開始剤が、ケトンペルオキシド類、ペルオキシケタール類、ハイドロペルオキシド類、ジアルキルペルオキシド類、ジアクリルペルオキシド類、ペルオキシカーボネート類、ペルオキシ酸エステル類、ペルオキシアルキル化合物類の少なくともいずれか一つを含む有機ペルオキシドであることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  9. 主鎖の構造が化学式1であるシロキサンオリゴマであり、加熱によって側鎖が架橋して化学式2の構造を生成することを特徴とする皮膜形成用組成物。
    [化1]
    ‐(Si‐O‐)n
    (nは、20以上の自然数である)
    [化2]
    Si‐(C‐)nSi
    (nは、2以上4以下の自然数である)
  10. 前記皮膜形成用組成物が、基板上に塗布されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の皮膜形成用組成物。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の皮膜形成用組成物を基板上に塗布して形成されることを特徴とする皮膜。
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