JP2012532669A - 腹膜透析のための簡易化された腹膜平衡試験 - Google Patents

腹膜透析のための簡易化された腹膜平衡試験 Download PDF

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Abstract

簡易化された腹膜平衡試験(S−PET)について開示する。長時間に及ぶ腹膜平衡試験(PET)の代わりに、簡易化された手順は、血液試料を必要とせず、僅か2つまたは3つの試料からのデータを使用し、ユーザの腹膜を分類し得る。典型的には、透析患者または他の人物の腹膜あるいは腸間膜は、高輸送膜、高平均輸送膜、低平均輸送膜、または低輸送膜として分類される。S−PETは、血液試料を提出する必要なく、ユーザによって、自宅で行われ得る。試料を分析するためのキットは、自宅での使用のために具備され得る。キットは、使い捨て細片、マイクロ流体分析器、または化学試薬を使用し、あるいは代替として、光学または伝導性分析機器等の再使用可能分析機器を含み得る。

Description

本開示は、概して、薬剤送達システムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、簡易化された腹膜平衡試験を実施するためのシステム、方法、および装置を含む。試験は、患者および介護者が、患者が腹膜透析から利益を享受するかどうかを決定することをより容易に支援するであろう。試験はまた、患者に投与され得る、特定の最適療法を決定するのを支援するために有用である。
種々の原因によって、個人の腎臓系は機能しなくなる可能性がある。腎不全は、いくつかの生理的障害および問題を引き起こす。水分、ミネラル、および毎日の代謝負荷の排出のバランスは、もはや可能ではなく、窒素代謝の毒性最終生成物(尿素、クレアチニン、尿酸等)は、血液および組織中に蓄積する可能性がある。腎不全および腎機能低下は、透析によって治療されている。透析は、正常に機能している腎臓によって、そうでなければ除去されたであろう老廃物、毒素、および過剰な水分を体から除去する。腎機能の代替としての透析療法は、治療によって命が救われるため、多くの人々にとって非常に重要である。
血液透析および腹膜透析は、腎機能の損失を治療するために一般に使用される2種類の透析療法である。血液透析(「HD」)治療は、患者からの老廃物、毒素、および過剰な水分を除去するために、患者の血液を利用する。患者は、血液透析機に接続され、患者の血液は、機械を通して送出される。血液が血液透析機に、およびそこから流動可能なように、カテーテルが患者の動脈および静脈に挿入される。血液は、機械の透析器を通過し、血液からの老廃物、毒素、および過剰な水分が除去される。浄化された血液は、患者に戻される。大量の透析液、例えば、約120リットルが、単回血液透析療法中、血液を透析するために消費される。血液透析療法は、数時間続き、概して、1週間に約3または4回治療センタにおいて実施される。
血液を伴う腎不全治療の別の形態は、血液濾過(「HF」)であり、患者の血液からの毒素の対流輸送に依存する、別の腎代替療法である。本療法は、治療中、体外回路に置換液または補液を添加することによって達成される(典型的には、10〜90リットルのそのような流体)。その置換液および治療と治療の間に患者によって蓄積される流体は、HF治療の過程にわたって、限外濾過され、中分子および大分子の除去に特に有益である対流輸送機構を提供する。
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散浄化を組み合わせる、別の血液治療様式である。HDFは、標準的な血液透析と同様に、透析器内を流動する透析液を使用し、拡散浄化を提供する。加えて、置換液が体外回路に直接提供され、対流浄化を提供する。
腹膜透析は、透析液とも呼ばれ、カテーテルを介して、患者の腹膜腔内に注入される、透析溶液を使用する。透析液は、腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分は、拡散および浸透によって、患者の血流から、腹膜を通して、透析液中へと通過する、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して生じる。使用済み透析液は、患者から排出され、患者から、老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルは、反復される。
腹膜透析機械は、本タスクを達成するために使用される。そのような機械は、例えば、特許文献1〜12の米国特許に説明されており、それらはすべて、各特許が、全体として、ベージ毎に、本明細書に記載されるかのように、参照することによって、その全体として組み込まれる。
持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、潮流APD、および連続流腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々の種類の腹膜透析療法が存在する。CAPDは、手動透析療法である。患者は、埋め込まれたカテーテルを排液管に手動で接続し、使用済み透析液流体が腹膜腔から排出されることを可能にする。次いで、患者は、カテーテルを未使用透析液のバッグに接続し、カテーテルを通して未使用透析液を患者自身に注入する。患者は、未使用透析液バッグからカテーテルを外し、透析液が腹膜腔内に滞留することを可能にし、ここで、老廃物、毒素、および過剰な水分の輸送が生じる。滞留期間後、患者は、手動透析手順を、例えば、1日4回反復し、各治療は、約1時間続く。手動の腹膜透析は、患者からかなりの時間および努力を必要とし、改善のための十分な余地が残っている。特に、患者のための滞留時間の選択において、改良の余地がある。
自動腹膜透析(「APD」)は、透析療法が排出、充填、および滞留サイクルを含む点において、CAPDと類似している。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に自動でサイクルを実施する。APD機械によって、患者は、手動で治療サイクルを行う必要性がなく、かつ日中に供給品を運ぶ必要もない。APD機械は、埋め込まれたカテーテル、未使用透析液源またはバッグ、および流体排液管に流体接続する。APD機械は、透析液源からカテーテルを通して患者の腹膜腔に未使用透析液を送出し、透析液が腔内に滞留することを可能にし、老廃物、毒素および過剰な水分の輸送が生じることを可能にする。源は、複数の滅菌透析液溶液バッグである可能性がある。
APD機械は、使用済み透析液を腹膜腔からカテーテルを通して排液管に送出する。手動プロセスと同様に、APD中にいくつかの排出、充填、および滞留サイクルが生じる。「最終充填」は、CAPDおよびAPDの最後に生じ、次回の治療まで患者の腹膜腔内に残る。
CAPDおよびAPDは両方とも、使用済み透析流体を排液管に送るバッチタイプシステムである。潮流システムは、改良されたバッチシステムである。潮流によって、長い期間にわたって患者から流体を全て除去する代わりに、わずかな時間増分の後、流体の一部が、除去および交換される。
連続流またはCFPDシステムは、使用済み透析液を廃棄する代わりに、浄化または再生する。これらのシステムは、ループを通して、流体を患者の内外に送出する。透析液は、1つのカテーテル管腔を通して、腹膜腔に流入し、別のカテーテル管腔に流出する。患者から流出する流体は、例えば、ウレアーゼを採用し、酵素的に尿素をアンモニアに変換する尿素除去カラムを介して、透析液から老廃物を除去する再構成デバイスを通過する。次いで、アンモニアは、腹膜腔への透析液の再導入に先立って、吸着によって、透析液から除去される。アンモニアの除去を監視するために、追加のセンサが採用される。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
上述の腎不全治療システムのそれぞれでは、水(電解質および他の中性溶質とともに)が、透析器または腹膜等の膜を横断して移動する、プロセスである、限外濾過を制御することが重要である。例えば、腹膜透析における限外濾過は、患者の腹膜をまたぐ血液と透析液との間の浸透圧および静水圧の結果である。また、尿素濃度、β−ミクログロブリン、クレアチニン濃度等、患者の血流中の代謝物質の濃度を制御することも重要である。これらはそれぞれ、多くの他の変数とともに、腹膜透析結果を構成する。
各患者は、異なり、例えば、特有の腹膜、その独自の分離特性、および腹膜透析に対するその特有の応答を保有する。各患者はまた、同様に輸送特性に影響を及ぼす、体表面積(BSA)および体内総水分量に関しても異なる。各患者は、限外濾過率に関連する、輸送特性の観点からも異なる。各患者はまた、透析への応答、すなわち、所与の充填量、特定の透析流体等を使用して、所与の期間において除去される、水および老廃物の量の観点からも異なる。
患者間の基本的差異の1つは、水および代謝老廃物が、患者の血流から、腹膜を通して通過する速度である。水および老廃物が、腹膜を通過すると、それらは、患者の腹膜腔内に留置された透析療法流体中へと吸収され、次いで、患者から除去される。腹膜平衡試験(PET)は、膜貫通輸送の相対的速度を決定する。次いで、患者は、老廃物除去のスピードおよび透析流体からのブドウ糖の吸収のスピードに応じて、高速輸送体、高平均輸送体、低平均輸送体、または低速輸送体として分類可能である。高、平均、および低輸送体等、他の腹膜輸送分類または部類もまた、使用され得る。患者はまた、患者の身長および体重にのみ依存する、その全体的体表面積(BSA)の観点から分類され得る。
一般に、水除去の速度は、老廃物除去の速度と異なり、両方とも、患者の輸送種類に依存し、間接的に、患者の膜輸送種類に関連する。例えば、高速輸送体は、代謝老廃物を迅速に通すことが可能であるが、透析溶液からのブドウ糖は、体内に急速に吸収される。その結果、透析液中のブドウ糖濃度は、低下し、浸透勾配または駆動力は、患者の輸送種類に応じて、可変期間内で減少する。例えば、高輸送体は、自動腹膜透析(APD)において使用されるように、高浸透勾配の影響が依然として存在する、短滞留時間からより利益を享受し得る。
反対に、浸透勾配は、低輸送患者の場合、より長い期間の間、維持され、大量の限外濾過液除去をもたらすであろう。そのような患者は、持続的携帯型腹膜透析(CAPD)等、長滞留時間から利益を享受する可能性が高く、恐らく、単回夜間交換のみで済む。療法に対する患者の応答に関する非常に有用な情報は、PETを患者に実施することによって習得可能である。次いで、PETの結果を使用して、その患者のための最良の結果につながるであろう療法を投与可能となる。
しかしながら、現在のPET試験は、また、血液試験を必要とする。クレアチニン等の患者の血液中のある老廃産物のレベルの確認のために、少なくとも1つの血液試料を必要とする試験は、また、透析液中の物質の濃度と、血漿中の物質の濃度の比率を計算するために、技術者にとって、時間がかかる。したがって、PETは、患者の一般的特性を決定する際に有益である可能性があるが、PETを実施する際の困難点は、患者にとって最も好適な療法を決定する際の相当な障壁となり得る。これは、本PETが、患者が透析センタを訪問することを必要とし、血液試料を採取するための看護士の時間ならびに患者の時間を必要とし、患者に不快感をもたらすためである。試験に付随するコストもまた、患者、その保険会社、または最終支払者によって、負担されなければならない。必要とされるのは、透析への患者の応答を決定するより良い方法であって、治療が、その患者のための適切な療法結果をもたらすが、患者にとって、より費用効果的かつ低侵襲的であるような、より便宜的試験である。
米国特許第5,350,357号明細書 米国特許第5,324,422号明細書 米国特許第5,421,823号明細書 米国特許第5,431,626、明細書 米国特許第5,438,510号明細書 米国特許第5,474,683号明細書 米国特許第5,628,908号明細書 米国特許第5,634,896号明細書 米国特許第5,938,634号明細書 米国特許第5,989,423号明細書 米国特許第7,153,286号明細書 米国特許第7,208,092号明細書
本開示の一実施形態は、簡易化された腹膜平衡試験を実施するためのシステム(「S−PET」)である。システムは、コンピュータと、コンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体上のソフトウェアプログラムとを含み、ソフトウェアプログラムは、患者の透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間からのみ、透析流体の試料中の物質の少なくとも2つの濃度に関する入力を受け取るようにプログラムされ、ソフトウェアプログラムは、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を含み、式中、CDは、時間tにおける透析流体中の物質の濃度であって、CDeqは、物質の平衡濃度であって、CDは、透析流体中の物質の初期濃度であって、tは、時間であって、τは、物質に対する患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である。本実施形態では、ソフトウェアプログラムは、式を使用して、物質の平衡濃度を計算するようにプログラムされ、透析流体中の物質の平衡濃度は、患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しい。ソフトウェアはさらに、患者の腸間膜の少なくとも1つの輸送特性を示唆するようにプログラムされる。別の実施形態では、ソフトウェアは、患者の腸間膜が、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される、輸送特性を有するかどうかを示唆するようにプログラムされる。
本開示の別の実施形態は、簡易化された腹膜平衡試験を実施するためのシステムである。システムは、腹膜透析機械と、腹膜透析機械を操作するためのコンピュータと、コンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体上のソフトウェアプログラムとを含み、ソフトウェアプログラムは、患者の透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間からのみ、透析流体の試料中の物質の少なくとも2つの濃度に関する入力を受け取るようにプログラムされ、ソフトウェアプログラムは、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を含み、式中、CDは、時間tにおける透析流体中の物質の濃度であって、CDeqは、透析流体中の物質の平衡濃度であって、患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、透析流体中の物質の初期濃度であって、tは、時間であって、τは、物質に対する患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である。本実施形態では、ソフトウェアプログラムは、式を使用して、入力を用いて、物質の平衡濃度および物質の平衡時定数を計算し、患者の腸間膜が、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される、膜輸送特性を有するかどうかを示唆するようにプログラムされる。
本開示のさらなる実施形態は、簡易化された腹膜平衡試験を実施するための方法である。方法は、透析療法の開始後、透析流体の少なくとも2つの試料を採取するステップであって、試料は、少なくとも2つの別個の時間に採取される、ステップと、透析流体中の物質の濃度に関してのみ、透析流体試料を分析するステップとを含む。方法はまた、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を使用して、CDeqを計算するステップを含み、式中、CDは、時間tにおける透析流体中の物質の濃度であって、CDeqは、透析流体中の物質の平衡濃度であって、患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、透析流体中の物質の初期濃度であって、tは、時間であって、τは、物質に対する患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である。別の実施形態では、方法はまた、周知の分類から膜輸送特性の分類を選択するステップを含む。
本開示のさらに別の実施形態は、簡易化された腹膜平衡試験を実施するための方法である。方法は、腹膜透析療法を患者に投与するステップを含み、透析療法の開始後、透析流体の少なくとも2つの試料を採取するステップを含み、試料は、少なくとも約1時間間隔を空けた時間において採取される。方法はまた、透析流体試料中のクレアチニン、尿素、またはブドウ糖の濃度に関してのみ、透析流体試料を分析するステップと、次いで、デジタルコンピュータと、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)であって、式中、CDは、時間tにおける透析流体中の物質の濃度であって、CDeqは、透析流体中の物質の平衡濃度であって、患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、透析流体中の物質の初期濃度であって、tは、時間であって、τは、物質に対する患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である、式とを使用して、CDeqを計算するステップとを含む。方法はまた、膜輸送特性の分類を選択するステップを含む。
本開示の実施形態は、患者の膜輸送特性の合理的近似値が、透析液流体の僅か2つまたは3つの試料によって利用可能であるという点において、利点を有する。別の利点は、より便利な試験によって、患者の膜輸送特性を分類可能であることである。別の利点は、血液試料および血液試料の後続分析が必要ではないことである。したがって、血液試料の採取または血液試料の分析の取得が不便な自宅または他の場所において、S−PETを施行可能である。
さらなる特徴および利点は、本明細書に説明されており、以下の発明を実施するための形態および図面から明らかとなるであろう。
図1は、患者の膜分類の従来技術の描写である。 図2は、従来技術が、どのように患者を適切に分類に配置し損なっているかのグラフである。 図3Aから3Dは、簡易化されたPET試験が、どのようにデータ点を使用して、患者を分類に分類するかを描写するチャートである。 図3Aから3Dは、簡易化されたPET試験が、どのようにデータ点を使用して、患者を分類に分類するかを描写するチャートである。 図3Aから3Dは、簡易化されたPET試験が、どのようにデータ点を使用して、患者を分類に分類するかを描写するチャートである。 図3Aから3Dは、簡易化されたPET試験が、どのようにデータ点を使用して、患者を分類に分類するかを描写するチャートである。 図4は、本明細書に開示される分類方法を描写する工程図である。
腹膜平衡試験は、Zyblut Twardowski et al.in 「Peritoneal Equilibration Test」,Perit.Dial.Bull、7(3),pp.138−47(1987)(以下、「Zyblut 1987」).および「Clinical Value of Standardized Equilibration Tests in CAPD Patients.」,Blood Purif,7,pp.95−108(1989)の研究まで遡る。本研究および続く多くの研究は、概して、横座標またはx−軸に、D/Dの比率、すなわち、使用済み透析流体中のブドウ糖の濃度と、未使用透析流体中の同一物質の初期濃度の比率をグラフ化した、図1によって概略され得る。グラフはまた、縦座標またはy−軸に、使用済み透析液中のクレアチニンの濃度と、血漿中のクレアチニンの濃度、D/Pの比率、すなわち、使用済み透析流体中の濃度と、患者の血漿中の濃度の比率を表す。
透析患者は、実際には、一般集団であるが、図1に示されるように、4つの分類のうちの1つに、その腹膜の輸送特性によって、分離され得る。「高」または「H」輸送体は、「低」または「L」輸送体と比較して、透析液流体中とその血液中の老廃産物溶質の濃度のより高い比率と、透析流体中のブドウ糖と透析流体中のブドウ糖の初期濃度のより低い比率とを有する。中間輸送特性を伴う患者は、「高平均」または「HA」輸送体、あるいは「低平均」または「LA」輸送体として分類され得る。もっと簡単に言えば、高輸送体は、その腸間膜を通して、より高速に溶質を移動させ、より高いD/P比率を達成するが、透析液流体中のブドウ糖もまた、高速に輸送し、したがって、使用済み透析流体中に、溶質と初期溶質(D/D)のより低い比率が存在する。低輸送体は、その腸間膜を通して、より低速に溶質を移動させるが、使用済み透析流体中において、より高い比率の溶質を達成する。高平均および低平均輸送体は、これらの2つの間の中間である。
高輸送体のための療法を処方する際、療法が、より高い限外濾過のために、より大量の透析流体およびより短い滞留時間を伴うはずであることは、明白である。低輸送体の場合、より少量の透析流体が、より長い滞留時間と組み合わされ、より高い限外濾過およびより多くの溶質除去の両方を達成し得る。
図1は、これらのチャートが、どのように準備されたかについての多くの詳細は省略した、概略チャートである。当業者に周知のように、これらのチャートは、実際には、最初に、時間尺度として構築され、時間が、横座標にプロットされ、D/DまたはD/Pが、縦座標にプロットされている。Zyblut 1987を参照されたい。次いで、D/DおよびD/Pの比率は、時間要素を排除し、プロットされ得る。結果は、患者が整然と分類されているかのように見える、見事な解決となっている。
実際は、標準的PET試験は、患者の動的分析を含む場合、患者の膜輸送分類を決定するために厳密には必要ではないが、試験交換に先立って、3.86%または2.27%ブドウ糖溶液による、全体的8から12時間の夜間交換を伴い得る。一技法は、次いで、12分間にわたって、腹部から完全に排水し、次いで、10分間にわたって、約2リットルの2.27%ブドウ糖を注入する。初期試料を採取するために、注入直後、患者は、左右反転されられ、ブドウ糖、尿素、およびクレアチニンのための10ml試料を含め、200mlが排水される。次いで、残りの190mlは、滞留のために戻され、本試料採取手順は、30分、1時間、2時間、および3時間等のいくつかの間隔で反復され、それぞれ、排水および次の2リットル注入を伴う。2時間の試料が採取された後、血液試料もまた、血中尿素窒素(「BUN」)およびクレアチニンの試験のために、採取される。最終注入および滞留が、4時間の時点で行われた後、排水および総廃液量の測定が続く。試料が標準的PETにおいて採取される時間には、多くの可能性のある変形例が存在する。
上述の測定が行われると、D/Dブドウ糖およびD/Pクレアチニンの結果が、上述のものに類似するチャートにおいて使用され、患者の腹膜を4つの分類のうちの1つに分類する。本手順は、血液試料を含め、必要とされる試料の数のため、労働集約的であって、患者にとって非常に煩わしい。
1989年以来、より高速のPET試験を考案するために、多くの試みが成されてきたが、上述の方法は、依然として、腹膜透析患者の腹膜機能にアクセスするために、広く容認され、適用されている。Adcockらは、初期ブドウ糖濃度および他の中間試料を測定せず、血漿試料および最後の4時間の時点のみを使用する、より高速な方法を提案している。Adcock et al.,「Clinical Experience and Comparative Analysis of the Standard and Fast Periotoneal Equilibration Tests(PET)」,Advances in Peritoneal Dialysis,vol.8,pp.59−61(1992)。La Miliaは、標準的4時間滞留を、3.86%ブドウ糖溶液を使用した1時間の滞留で代用した方法を提案しているが、依然として、血液試料を必要とするものである。La Milia et al.,「Mini Periotoneal Equilibration Test: A simple and fast method to assess free water and small solute trasport across the peritoneal membrane」,Kidney Int’l 68,pp.840−846(2005)。
しかしながら、分類方式の現実は、図2により良く描写されている。臨床データが利用可能な1,000例の患者に関する研究では、意外にも、上述の試験および容認されている分類が、約40%の患者を正確に分類していないことが発見されている。図2は、D/PおよびD/D軸の両方に対する調査の結果を描写する。これらのデータは、上述のように、標準的PETを使用した結果を描写する。したがって、約40%の患者は、4つの分類のいずれにも適合しない。別の言い方をすると、上述の長時間にわたり、複雑なPET手順は、全患者の約半分を正確に分類していないことになる。上述のより短時間のPETもまた、少なくとも約同程度の割合の患者を誤分類または分類に失敗するであろうことが予測される。
S−PETの改良手順
本開示は、低労働集約的であって、より効果的な試料採取として記述され得るものを使用する、新しい試験S−PETについて説明する。HomeChoice(登録商標)透析機械等の腹膜透析機械は、試験を実施する際に有用である。本試験では、透析流体の試料は、尿素、クレアチニン、およびブドウ糖含有量の分析のために採取される。血液試料は、採取されず、2.27%ブドウ糖(DianealTM2.27%)または3.86%ブドウ糖(DianealTM3.86%)透析溶液のいずれかが、使用され得る。測定は、最初、30分、1時間、2時間、および4時間の時点において行われ得る。これらの試験に基づいて、曲線適合の予測が、透析流体中の最終クレアチニン濃度に対して行われる。試験は、代わりに、例えば、4時間および8時間における示度値等、2つまたは3つの示度値のみに基づいてもよく、あるいは試験は、1時間、2時間、および8時間において行われ得る。試験の開始時の示度値は、例えば、ゼロとして、患者から、最も有用ではない試験である可能性が高いものを受ける際の不快感および労力を排除する。代替として、他の時間点が使用され得る。
図3Aから3Dは、血液試料を含む、患者の4つの分類のためのクレアチニンの試験の結果をグラフ的に描写する。グラフはそれぞれ、透析流体の注入後の期間に対してプロットされた、クレアチニン濃度試験の結果を表示する。各グラフはまた、約2時間の時点で採取された血漿クレアチニン濃度を示す。各グラフ内の最終点は、Microsoft Corp.,Redmond、WA,U.S.A.から市販のExcelTMまたはThe MathWorks Inc.,Natick,MA,U.S.A.から市販のMatLabTM等の標準的曲線適合プログラムを使用した、患者に対する平衡クレアチニン濃度の予測である。
図3Aでは、典型的高輸送患者に対する透析流体は、クレアチニンの急速成長濃度を有することが認められる。本分類の患者では、クレアチニン濃度は、約4から5時間後に、最大値に到達する。したがって、約4から5時間の滞留期間後のクレアチニン除去には、何ら利点がない。試験結果は、単純に、点が示される間隔で、試験開始時と2時間および4時間後に、10ml試料を患者に注入し、次いで、除去することによって、達成される。次いで、曲線適合を使用して、非常に長い滞留時間において達成されるであろう溶質に対する最終または平衡濃度を予測する。コンピュータは、データに対する曲線適合を見つける際に有用である。図3Aに見られるように、曲線適合は、良好であって、約8mg/dLの最終予測は、約7.5mg/dLの4時間測定値に非常に近い。
これらの試験が施行された時、血漿試料もまた、確認のために、約2時間の時点で採取された。高輸送患者の血漿試料は、2時間の時点において、約8.5mg/dLの血漿クレアチニン濃度を有していた。図3Aから3Dにおいて採取され、表示される血漿濃度試料は、血漿濃度が、予測通り、膜輸送スピードに逆相関していることを裏付ける。すなわち、クレアチニンクリアランスが低下するのに伴って、より多くのクレアチニンが、患者の血漿中に残る。
類似結果は、高平均輸送体として分離され得る患者、すなわち、腹膜が、高輸送体のものより透過性が低い患者の場合の図3Bに見られる。これらの患者の場合、クレアチニンの平衡濃度は、約7mg/dLの図3B内の湾曲の終了時において予測され、約6.5mg/dLの4時間試料濃度に非常に近い。血漿試料は、高輸送患者より少し高い、約9mg/dLのクレアチニン濃度を示し、高輸送患者と比較して、少量のクレアチニンがこれらの患者から除去されたことを示唆する。
図3Cは、低平均輸送体として分類され得る腹膜を伴う、患者に対する結果を描写する。4時間試料中のクレアチニン濃度は、高平均輸送体に対して示されるものより少し低い、約6mg/dLであった。しかしながら、平衡クレアチニン濃度に対する予測は、約7mg/dLであって、高平均輸送体に対するものに非常に近い。血漿試料は、高および高平均輸送体と比較して、約11mg/dLと、有意に多くのクレアチニンを示す。
図3Dは、低輸送患者、すなわち、腹膜が物質移動の影響を最も受けにくい患者に対する結果を描写する。図3Dが描写するように、輸送体の他の3つの分類と比較して、最初の4時間では、クレアチニン濃度に急激な上昇はない。しかしながら、濃度は、より長い期間にわたって、継続して上昇し、平衡濃度に対して結果として生じる最終予測は、約7.5mg/dLと、低平均および高平均輸送体に近似する。2時間の時点における血漿クレアチニンレベルは、約11mg/dLと、低平均輸送体に類似し、高または高平均のいずれかとして分類される膜を伴う患者より有意に高い。したがって、高または高平均として分類される腹膜を伴う患者は、透析2時間後、低または低平均腹膜を伴う患者より低いクレアチニンレベルを有することが認められる。
図3Aから3Dは、使用済み透析流体中のクレアチニンレベルの上昇を描写する。尿素が、着目溶質として使用される場合、類似の一連の湾曲が生じるであろうが、腹膜を横断する小尿素分子のより高速な輸送のため、湾曲間の差異は、顕著となりにくい。当然ながら、透析流体中のブドウ糖は、ブドウ糖が、透析流体から、腹膜を横断して、輸送され、患者の血液中に注入されるのに伴って、減少することが予測されるであろう。高輸送体は、ブドウ糖の高速注入を認めることが予測される一方、低輸送体は、より遅い注入を予測するであろう。ブドウ糖は、透析流体中において、浸透物質であるため、透析流体からのブドウ糖の損失は、限外濾過のための駆動力を提供する際のその効果を低下させる。
本研究を施行する間に、図3Aから3Dに描写されたデータが、以下の式を使用して、湾曲に適合され得ることが発見された。
(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)
式中、CDは、透析流体試料が採取される別個の時間のうちの1つにおける、少なくとも1つの物質の濃度であって、CDeqは、少なくとも1つの物質の平衡濃度であって、CDは、少なくとも1つの物質の初期濃度であって、tは、別個の時間のうちの1つであって、τは、患者の腸間膜の輸送特性を表す、平衡時定数である。CDeqおよびτは、採取された試料中の測定溶質濃度に基づいて、本式および曲線適合プログラムを使用して、予測され得る。CDeqは、透析流体中の物質の平衡濃度であって、平衡時、すなわち、長期間後の患者の血液中の物質の濃度に略等しい。
本研究において使用された限定数の患者において、輸送体の4つの分類に対する平衡時定数は、それぞれ、高、高平均、低平均、および低輸送体に対するクレアチニンの場合、それぞれ、107分、175分、242分、ならびに406分であることが見出された。最終的一連の数を決定するためには、多数の患者を伴う臨床研究が施行されるべきである。ブドウ糖および尿素に対する時定数は、異なることが予測される。一実施形態では、式は、コンピュータソフトウェアプログラムの一部を成し、特定の患者に対する物質のCDeqを導出するために必要な計算を実施するために、コンピュータメモリに入力される、またはコンピュータにアクセス可能な媒体上に置かれる。
試験結果は、種々の方法で分析およびグラフ化され、その有用性を増加させ、また、より困難な従来のPETではなく、新しい労力節約試験手順が使用可能であることの信頼性を向上させ得る。尿素およびクレアチニンの場合、透析流体中の平衡レベルを予測する能力は、血漿尿素およびクレアチニンの同等レベルが必要とされないことを意味する。これらの相関は、信頼性を伴って使用され得、労力の節約は、患者および介護者の両方にとって、手順をより容易にする。情報が、患者からの透析液の追加の試料から利用可能である場合、追加のデータ点が、上述の式において使用され得る。
本手順の利点の1つは、結果を取得するために、より容易な手順が重要である、種々の状況において使用され得ることである。血液試料は、明らかなように、有用であるが、厳密には、図3Aから3Dに見られるものに類似する結果を得るために必要ではない。したがって、試験は、病院、外来、または自宅でも、実施され得る。これは、例えば、患者または介護者が、患者の膜の輸送特性が変化したことが疑われる理由を有する場合、最新情報として、有用となり得る。
更新された試験結果によって、患者または介護者は、医師に、変化を警告し、処方の変更が適切であり得ることを示唆し得る。医師または介護者は、試験結果を使用して、該当する場合、以前の試験結果と比較し、着目患者に対する試験結果の変化が、実際に存在するかどうかを確認し得る。これらの試験結果は、Baxter International Inc.,Deerfield,IL,USAから市販のPDAdequest(登録商標)またはRenSoftftTM等の好適なソフトウェアと併用され得る。次いで、本ソフトウェアは、医師によって使用され、患者のための処方を更新し得る。
透析流体からの試料は、診療所または病院における標準的実験器具によって分析され得る。自宅で試料を分析するために、試料を分析するためのツールまたは器具を伴う、自宅キットを有することが有用である。試験結果を分析するためのキットは、より小型の物質特定器具、試験細片、器具に挿入するための透析流体試料用のキュベット、好適なポンプ等を含み得る。いくつかの特定の手順は、後述される。
S−PETのための分析
試験は、Baxter HomeChoice(登録商標)腹膜透析機械等の標準的腹膜透析機械を使用して、実施され、試料が採取され得る。機械は、透析の開始時と2時間および4時間等、適切な時間において、試料を採取するようにプログラムされる。別の実施例では、試料は、2時間および8時間、または4時間および8時間において、採取され得る。次いで、試料は、ブドウ糖、尿素、またはクレアチニン等の適切な溶質または複数の溶質のために分析される。自動腹膜透析(「APD」)を使用する患者の場合、機械は、所望に応じてプログラムされ、患者は、適切な溶質を検出または測定するための必要ツールを含む、キットあるいは消耗品を既に具備し得る。これらのツールは、化学試薬、試験細片、光学構成要素、伝導性セル、pHセル等を含み得る。
例えば、マイクロ流体化学分析器システムを使用して、透析液中の物質、すなわちクレアチニン、尿素、およびブドウ糖の濃度を検出可能である。マイクロ流体システムは、小型チャネル、ポンプ、および検出システムから成り得る。マイクロ流体チャネルは、好ましい表面張力特性を達成し、透析液の移動の誘導、すなわち、受動的送出を行うために、材料表面特性を改変するように、化学的に処理され得る。代替として、能動的マイクロポンプを使用して、マイクロ流体分析器内の透析液を移動可能である。本移動を使用して、マイクロ体積透析液試料を採取し、適切な分析のための検出器に経由可能である。同一技法、または種々の技法、すなわち、化学、試薬、光学、あるいは他の技法を使用して、所望の物質濃度のレベルを検出し得る。マイクロ流体分析器は、透析療法のために、患者によって使用される、使い捨てセットの一部であり得、またはそうでなくてもよい。マイクロ流体使い捨てシステムは、例えば、Weidmann Plastics Technology,AG、Rapperswil−Jona,Switzerland、およびThinXXS Microtechnology AG,Zweibrucken,Germanyから利用可能である。
別の実施例では、試験細片および計測値が、ブドウ糖およびクレアチニンに対して使用され得る。そのようなシステムは、CardioChek and Bioscanner Creatinine Test Stripsの商標名にて、Polymer Systems Technology,Inc., Indianapolis,IN,USAから利用可能である。試験細片は、例えば、米国特許第6,130,054号および米国特許出願公報第2006/0228767号に説明されており、両方とも、参照することによって、その全体として本明細書に組み込まれる。尿素のための試験細片もまた、例えば、米国特許第6,699,720号に説明されている。そのような分析細片およびその他は、典型的には、着目検体または溶質との反応のための1つ以上の試薬によって含浸される。次いで、反応は、着目検体の濃度を示す、色変化または外観変化をもたらす。幅約3から5mm、長さ5から10cmの細片等、紙またはプラスチックの細片に加え、これらの使い捨て単回使用デバイスは、小型容器またはキュベットの形態をとり得る。容器またはキュベットは、着目溶質または検体を検出するための試薬によって、含浸される、またはその内側に塗膜され得る。透析流体試料が採取された後、試料は、容器内に送出または排出される。容器は、必要に応じて、短滞留時間が与えられてもよく、次いで、濃度が、色変化、1つ以上の線の表出、または他の外観変化によって示される。
光学方法は、周知であって、特に、尿素の濃度を試験するために有用である。そのような検定キットは、例えば、BioAssay Systems,Hayward,CA,USAから利用可能である。分析技術における当業者に周知の他の方法は、伝導性プローブ、pHメータ等を含む。試料が、処方または適切な時間間隔で採取されると、着目溶質または複数の溶質を検出するための多くの方法が存在する。使い捨てか再使用可能であるかにかかわらず、これらの技法は、自宅あるいは高度医療または化学実験が利用可能である環境において、有効に作用するであろう。
一実施形態では、自宅デバイスまたはキットは、試験細片、試薬、あるいは主要着目溶質、例えば、クレアチニン、尿素、またはブドウ糖のうちの1つ以上の分析のために、透析流体の試料を採取するように設計された測定デバイスを含み得る。したがって、着目されるように、APDを使用する患者の場合、透析機械は、上述の手段のうちの1つによって、試料を採取し、着目溶質を測定するための使い捨て付属品またはキットを含み得る。CAPDを使用する患者の場合、一定サービスを提供する機械はなく、簡易化された腹膜平衡試験(S−PET)を実施するための自宅キットは、分析のための必要試薬、デバイス、または細片を含み得る。透析流体の適切な試料採取のためのポンプは、例えば、ThinXXS Microtechnology AG,Zweibrucken,Germanyから入手され得る。Bimorポンプは、Nitto−Kohki Inc.,of Tokyo,Japanから利用可能である。動電学的ポンプもまた、Eksigent Technologies,Inc,Dublin、CA、USAから利用可能である。
改良試験はまた、限外濾過液(「UF」)、すなわち、腹膜を横断し、最終的に、透析の際、患者から排出される体積に増加をもたらす、水の量の測定を含み得る。生成されるUFの量は、患者輸送状態の重要な決定要因である。生成されるUFの量は、HomeChoiceTM腹膜透析機械内の平衡チャンバ等の標準的APD機械によって測定可能である。代わりに、一体型スケールが使用され得る。CAPD患者の場合、スケールまたは流量測定デバイスが使用され得る。これらの測定のいずれも、高または高平均輸送膜を伴う患者は、低または低平均輸送膜を伴う患者より迅速に限外濾過液を生成する傾向にあるという理解の下、S−PETにおいて使用され、患者の輸送分類を決定するのを支援し得る。
上述の方法は、図4の工程図または他の実施形態に概略され得る。図4の方法は、腹膜透析療法を投与するためのプロセスの一部として、S−PETを患者に実施するために使用される。試験は、腹膜透析療法を患者に投与するステップ41と、また、2つの別個の時間において、透析療法から透析流体の少なくとも2つの試料を採取するステップ42とを伴う。上述のように、時間は、療法の開始時の初期試料に続いて、2時間および4時間後の追加の試料を含み得る。代替として、ゼロ濃度が、初期試料に対して想定され、2つの試料が、後の時間に採取され得る。試料は、尿素、クレアチニン、またはブドウ糖等、着目検体の濃度のために分析される。分析は、典型的には、化学、光学、比色、または他の容認分析技法を介して、施行される。当然ながら、より多くの試料が採取され得、試料が、着目溶質に対するその実際の平衡値Deqにより近づくので、滞留時間が長いほど、典型的にはより良い。
一実施形態では、2つのそのような試料が、そのクレアチニン濃度のために採取および分析され得る43。また、式を使用して、適切な物質に対する時定数を計算し得、同時に、または独立して達成され得る。式は、2つの未知数、Deqおよび時定数を有することに留意されたい。次いで、これらの濃度を使用して、上述の式および時定数を使用して、図3Aから3D毎に、クレアチニンの平衡濃度Deqを計算し得る44。ある期間にわたる、周知の輸送種類に対する、以前にコンパイルされた物質の濃度の表またはグラフと試料を比較する等、他の分析計算技法が使用され得る。次いで、これらの分析技法のうちの1つを使用して、分析の結果を周知の輸送特性と相関させる45。次いで、どの輸送分類が、患者に対する試験結果に最も近く一致するかについて、選択を行う46。
当然ながら、血漿(P)中のクレアチニンのレベルが、周知であるか、または患者に対して予測され得る場合、4時間の時点Dまたは他の時間のクレアチニンのレベルは、適切な時間における血液レベルに対する4時間の時点のクレアチニンの相対的濃度である、D/P等のD/Pを計算するために使用され得る。次いで、表を使用して、D/Pを輸送群の既知の分類と比較し得、次いで、適切な分類または選択が、行われ得る。これらの表ならびにその他はまた、必要な計算が、コンピュータによって達成され得るように、コンピュータメモリに入力され得る。コンピュータは、腹膜透析機械を操作するために使用される同一コンピュータであり得、または異なるコンピュータであり得る。一般に、適切な療法を処方するために、患者の分類を決定することは厳密には必要でないことがある。患者からのデータは、図2に描写されるもの等のグラフと併用され、必ずしも、特定の輸送分類を決定することなく、適切な療法を決定し得る。
別の実施形態では、かつ図4に関して、2つ以上の試料が、そのブドウ糖濃度のために、採取および分析され得る43。4時間の時点のブドウ糖の濃度は、ブドウ糖の初期濃度によって除算され得、すなわち、D/Dの値が決定され、したがって、療法の開始時のブドウ糖の濃度に対する4時間の時点のブドウ糖の濃度を決定するための数学的演算を実施する44。次いで、結果は、図4等のグラフを使用して、既知の特性の群の表と比較され得る45。次いで、膜輸送特性の適切な分類が、グラフまたはソフトウェアを使用することによって、容認または既知の分類から選択され得る46。また、単純に、Baxter International,Inc.から市販のPD AdequestTMまたはRenalSoftTM等の腹膜透析ソフトウェアプログラムへの入力として、試験結果を使用することも可能である。
追加の計算および精緻化は、追加の情報が利用可能となるに伴って、プロセスの際に行われ得る。例えば、試験の開始時と2および4時間等の3つの異なる時間における溶質レベルと、初期適合を予測するための上述の式で使用される平衡時定数と、分類選択とを使用して、測定がなされ得る。次いで、第4のデータ点が、予測され、4つのデータ点を使用して、2回目の反復を実行し、データを精緻化し、より良い近似値を達成し得る。
患者のいくつかの群に対して、さらなる配慮が必要とされ得る。例えば、ブドウ糖レベルは、糖尿病患者を取り扱う際には、特別な注意が必要とされ得る。糖尿病患者におけるブドウ糖レベルは、一定ではない場合があり、したがって、透析流体からのブドウ糖の輸送は、患者の血液中のブドウ糖レベルが制御下にあるか、あるいは正常範囲(例えば、70−99mg/dL)外に上昇または降下しているどうかに応じて、非常に変動し得る。ブドウ糖レベルにのみ依存する代わりに、ブドウ糖レベルの代わりに、またはそれに加え、クレアチニンまたは尿素を使用することが賢明であろう。他の着目老廃産物もまた、使用され得る。
本明細書に説明される本好ましい実施形態への種々の変更および修正は、当業者には明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつ意図された利点を軽減することなく、行うことが可能である。したがって、そのような変更および修正は、添付する特許請求の範囲に包含されることを意図する。
本発明はさらに、例えば、以下を提供する。
(項目1)
簡易化された腹膜平衡試験を実施するためのシステムであって、
コンピュータと、
該コンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体上のソフトウェアプログラムと
を備え、
該ソフトウェアプログラムは、透析流体の試料中の物質の少なくとも2つの濃度に関する入力を受け取るようにプログラムされ、該試料は、患者の透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間からのものであり、
該ソフトウェアプログラムは、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を含み、式中、CDは、時間tにおける該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該物質の平衡濃度であり、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数であり、
該ソフトウェアプログラムは、該式を使用して、該物質のCDeqを計算するようにプログラムされ、該CDeqは、該患者の血液中の該物質の平衡濃度に略等しく、該ソフトウェアプログラムは、該患者の腸間膜の少なくとも1つの輸送特性を示唆するようにさらにプログラムされている、システム。
(項目2)
前記少なくとも2つの試料は、夜間サイクルからの第1の試料と、後続サイクルからの第2の試料とを含む、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記ソフトウェアプログラムは、透析液の追加の試料中の物質の濃度に関する追加の入力を受け取り、少なくとも1つの追加の計算を行い、前記輸送特性の示唆を確認するように構成されている、項目1または2に記載のシステム。
(項目4)
腹膜透析機械をさらに含み、前記コンピュータは、該腹膜透析機械を操作するように構成されている、項目1〜項目3のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
前記透析流体の試料中の物質を分析するためのキットをさらに含み、該キットは、該物質に対する指標を伴う使い捨て細片または容器を備えている、項目1〜項目4のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
前記キットは、前記透析流体の試料を分析のための使い捨てまたは再使用可能容器に送出するためのポンプをさらに含む、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記ソフトウェアプログラムは、前記患者の腸間膜が、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される輸送特性を有するかどうかを示唆するようにさらにプログラムされている、項目1〜項目6のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
簡易化された腹膜平衡試験を実施するためのシステムであって、
腹膜透析機械と、
該腹膜透析機械を操作するためのコンピュータと、
該コンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体上のソフトウェアプログラムと
を備え、
該ソフトウェアプログラムは、透析流体の試料中の物質の少なくとも2つの濃度に関する入力を受け取るようにプログラムされ、該試料は、患者の透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間からのものであり、
該ソフトウェアプログラムは、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を含み、式中、CDは、該別個の時間のうちの一方における該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該物質の平衡濃度であり、該患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数であり、
該ソフトウェアプログラムは、該式を使用して、入力を用いて、該物質のCDeqおよび該物質の平衡時定数を計算し、該患者の腸間膜が、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される膜輸送特性を有するかどうかを示唆するようにプログラムされている、システム。
(項目9)
前記ソフトウェアプログラムは、透析療法の所望の結果を受け取り、少なくとも1つの透析療法セッションのパラメータを計算するように操作可能である、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記所望の結果は、ブドウ糖吸収、クレアチニンクリアランス、尿素クリアランス、または限外濾過量から成る群から選択される、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記計算されるパラメータは、ブドウ糖濃度、滞留時間、療法量、および充填量を含む、項目9に記載のシステム。
(項目12)
透析流体の少なくとも2つの試料中の物質を分析するためのキットをさらに含み、該キットは、マイクロ流体キット、使い捨て細片を伴うキット、および該物質に対する指標を有する容器を伴うキットから成る群から選択される、項目8〜項目11のいずれか一項に記載のシステム。
(項目13)
簡易化された腹膜平衡試験を実施する方法であって、
透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間に、少なくとも2つの透析流体の試料を採取するステップと、
該透析流体中の物質の濃度に対して、該少なくとも2つの透析流体試料を分析するステップと、
式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を使用して、CDeqを計算するステップと
を含み、
式中、CDは、時間tにおける該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該透析流体中の物質の平衡濃度であり、患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である、
方法。
(項目14)
既知の分類から膜輸送特性の分類を選択するステップをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記分類は、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記物質は、クレアチニン、尿素、およびブドウ糖から成る群から選択される、項目13〜項目15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記物質に対する前記患者の追加の透析液試料を分析するステップと、該分析するステップの結果を前記計算するステップにおいて使用するステップとをさらに含む、項目13〜項目16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記計算するステップは、デジタルコンピュータを使用して達成され、前記式は、該デジタルコンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体に組み込まれている、項目13〜項目17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記少なくとも2つの試料は、約4時間または8時間の滞留時間の後に採取された試料を含む、項目13〜項目18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記分析するステップは、マイクロ流体化学分析器を使用して施行される、項目13〜項目19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記分析するステップは、再使用可能分析システムを使用して施行される、項目13〜項目20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
簡易化された腹膜平衡試験を実施する方法であって、
腹膜透析療法を患者に投与するステップと、
該透析療法の開始後、透析流体の少なくとも2つの試料を採取するステップであって、該試料は、少なくとも約1時間分離された時間において採取される、ステップと、
該少なくとも2つの透析流体試料中のクレアチニン、尿素、またはブドウ糖の濃度に対してのみ、該透析流体試料を分析するステップと、
デジタルコンピュータと、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)とを使用して、CDeqを計算するステップであって、式中、CDは、時間tにおける該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該透析流体中の物質の平衡濃度であり、該患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である、ステップと、
膜輸送特性の分類を選択するステップと
を含む、方法。
(項目23)
前記分類を選択するステップの後に、腹膜透析サイクルに対して腹膜透析機械をプログラミングするステップをさらに含む、項目22に記載の方法。

Claims (23)

  1. 簡易化された腹膜平衡試験を実施するためのシステムであって、
    コンピュータと、
    該コンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体上のソフトウェアプログラムと
    を備え、
    該ソフトウェアプログラムは、透析流体の試料中の物質の少なくとも2つの濃度に関する入力を受け取るようにプログラムされ、該試料は、患者の透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間からのものであり、
    該ソフトウェアプログラムは、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を含み、式中、CDは、時間tにおける該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該物質の平衡濃度であり、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数であり、
    該ソフトウェアプログラムは、該式を使用して、該物質のCDeqを計算するようにプログラムされ、該CDeqは、該患者の血液中の該物質の平衡濃度に略等しく、該ソフトウェアプログラムは、該患者の腸間膜の少なくとも1つの輸送特性を示唆するようにさらにプログラムされている、システム。
  2. 前記少なくとも2つの試料は、夜間サイクルからの第1の試料と、後続サイクルからの第2の試料とを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ソフトウェアプログラムは、透析液の追加の試料中の物質の濃度に関する追加の入力を受け取り、少なくとも1つの追加の計算を行い、前記輸送特性の示唆を確認するように構成されている、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 腹膜透析機械をさらに含み、前記コンピュータは、該腹膜透析機械を操作するように構成されている、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記透析流体の試料中の物質を分析するためのキットをさらに含み、該キットは、該物質に対する指標を伴う使い捨て細片または容器を備えている、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記キットは、前記透析流体の試料を分析のための使い捨てまたは再使用可能容器に送出するためのポンプをさらに含む、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記ソフトウェアプログラムは、前記患者の腸間膜が、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される輸送特性を有するかどうかを示唆するようにさらにプログラムされている、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 簡易化された腹膜平衡試験を実施するためのシステムであって、
    腹膜透析機械と、
    該腹膜透析機械を操作するためのコンピュータと、
    該コンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体上のソフトウェアプログラムと
    を備え、
    該ソフトウェアプログラムは、透析流体の試料中の物質の少なくとも2つの濃度に関する入力を受け取るようにプログラムされ、該試料は、患者の透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間からのものであり、
    該ソフトウェアプログラムは、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を含み、式中、CDは、該別個の時間のうちの一方における該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該物質の平衡濃度であり、該患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数であり、
    該ソフトウェアプログラムは、該式を使用して、入力を用いて、該物質のCDeqおよび該物質の平衡時定数を計算し、該患者の腸間膜が、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される膜輸送特性を有するかどうかを示唆するようにプログラムされている、システム。
  9. 前記ソフトウェアプログラムは、透析療法の所望の結果を受け取り、少なくとも1つの透析療法セッションのパラメータを計算するように操作可能である、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記所望の結果は、ブドウ糖吸収、クレアチニンクリアランス、尿素クリアランス、または限外濾過量から成る群から選択される、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記計算されるパラメータは、ブドウ糖濃度、滞留時間、療法量、および充填量を含む、請求項9に記載のシステム。
  12. 透析流体の少なくとも2つの試料中の物質を分析するためのキットをさらに含み、該キットは、マイクロ流体キット、使い捨て細片を伴うキット、および該物質に対する指標を有する容器を伴うキットから成る群から選択される、請求項8〜請求項11のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 簡易化された腹膜平衡試験を実施する方法であって、
    透析療法の開始後の少なくとも2つの別個の時間に、少なくとも2つの透析流体の試料を採取するステップと、
    該透析流体中の物質の濃度に対して、該少なくとも2つの透析流体試料を分析するステップと、
    式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)を使用して、CDeqを計算するステップと
    を含み、
    式中、CDは、時間tにおける該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該透析流体中の物質の平衡濃度であり、患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である、
    方法。
  14. 既知の分類から膜輸送特性の分類を選択するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記分類は、高輸送特性、高平均輸送特性、低平均輸送特性、および低輸送特性から成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記物質は、クレアチニン、尿素、およびブドウ糖から成る群から選択される、請求項13〜請求項15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記物質に対する前記患者の追加の透析液試料を分析するステップと、該分析するステップの結果を前記計算するステップにおいて使用するステップとをさらに含む、請求項13〜請求項16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記計算するステップは、デジタルコンピュータを使用して達成され、前記式は、該デジタルコンピュータにアクセス可能なコンピュータ可読媒体に組み込まれている、請求項13〜請求項17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記少なくとも2つの試料は、約4時間または8時間の滞留時間の後に採取された試料を含む、請求項13〜請求項18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記分析するステップは、マイクロ流体化学分析器を使用して施行される、請求項13〜請求項19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記分析するステップは、再使用可能分析システムを使用して施行される、請求項13〜請求項20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 簡易化された腹膜平衡試験を実施する方法であって、
    透析療法の開始後、透析流体の少なくとも2つの試料を採取するステップであって、該試料は、少なくとも約1時間分離された時間において採取される、ステップと、
    該少なくとも2つの透析流体試料中のクレアチニン、尿素、またはブドウ糖の濃度に対してのみ、該透析流体試料を分析するステップと、
    デジタルコンピュータと、式(CD−CDeq)=(CD−CDeq)e−(t/τ)とを使用して、CDeqを計算するステップであって、式中、CDは、時間tにおける該透析流体中の物質の濃度であり、CDeqは、該透析流体中の物質の平衡濃度であり、患者の血液中の物質の平衡濃度に略等しく、CDは、該透析流体中の物質の初期濃度であり、tは、時間であり、τは、該物質に対する該患者の腸間膜の輸送特性の平衡時定数である、ステップと、
    膜輸送特性の分類を選択するステップと
    を含む、方法。
  23. 前記分類を選択するステップの後に、腹膜透析サイクルに対して腹膜透析機械をプログラミングするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
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