基本的に、本発明は、メディア・センダにより提示されているメディア・オブジェクト又は当該メディア・オブジェクトを示す表示の提示を聞いているか又は閲覧しているユーザが自身のユーザ端末において入力コマンドを作成するだけで関連するメディア・プロバイダからのメディア・オブジェクトの購入を開始できる解決策を提供する。その場合、端末は、以下に説明する方法でメディア・オブジェクトの購入を実行するための動作を自動的に行う。従って、購入全体は自動的に完了され、ユーザは更なる労力を求められない。
本説明において、用語「メディア・オブジェクト」は、通常は音楽、映画、静止画又は動画である何らかの種類の音声、映像、画像、テキスト又はソフトウェアを表すものとして広義に理解されるべきであるが、本発明はそれらに限定されない。メディア・オブジェクトの表示は、例えば音声、画像、テキスト、アニメーション又はそれらの何らかの組合せである何らかの適切な方法でメディア・オブジェクトを参照する紹介、広告又は確認であってもよい。以下、メディア・オブジェクト又はその表示の提示を共にメディア・オブジェクトの提示と呼ぶ。従って、メディア・オブジェクトは、メディア・オブジェクト自体又はメディア・オブジェクトの表示を提示又は開示することによりユーザに対して提示されてもよい。
更に、購入は、ユーザが加入者であるホームネットワークオペレータ、あるいは例えば既知のいわゆる「Pay Pal」に類似する「購入ハンドラ」と呼ばれる別個の存在により制御され且つ課金されてもよい。購入ハンドラはメディア・プロバイダと信頼関係を有し、以下に更に詳細に説明する種々の課金及び報酬機能を処理するように構成される。購入ハンドラの機能は、以下に更に詳細に説明する購入の制御及び課金のためにコンテンツプロバイダにおいて更に実現されてもよい。
本解決策において、基本的に、関連するメディア送信側はメディア・センダ器によりメディア・オブジェクトを提示し、提示はユーザ端末の操作者により受信され且つ体験される。従って、本説明において、用語「メディア・センダ」は基本的に、メディア・オブジェクトを観察できる人にそれを提示する責任を有するメディア送信側により使用されるメディア提示機器を示す。メディア・センダは適切な再生部であってもよく、あるいは他の提示機器又は手段であってもよい。
メディア・オブジェクトは、少なくとも技術的な意味でメディア・プロバイダにより「所有」され、例えばラジオ又はTV放送局、あるいはディスクジョッキーであるメディア送信側により制御されるスピーカを介して再生される音声メディア、あるいは映像再生装置等を介して再生される映像又は画像等の視覚メディアであってもよい。
あるいは、メディア・オブジェクトは、本解決策に限定されない何らかの方法で提供、紹介、解説、開示又は表示されることによりユーザに対して提示されてもよい。
従って、メディア・オブジェクトは、例えば再生又は開示である異なる方法で提示されてもよい。更に、メディア・オブジェクトは、全体がある程度再生されてもよく、あるいはその限定部分のみが再生されてもよい。例えば、メディア・オブジェクトに関するティーザ、トレーラ又は他の提示が適切な方法でユーザに対して開示されてもよい。従って、本発明はメディア・オブジェクトを提示する何らかの特定の方法に限定されない。
従って、メディア送信側は、メディア・オブジェクトの販売を促進するために、提示を受信するユーザに対して提示されたメディア・オブジェクトを何らかの方法で提案、宣伝又は推薦するためにメディア・プロバイダと関連付けられるのが効果的である。
メディア・センダは、無線通信インタフェースを介して、メディア送信側を識別する送信機アイデンティティである「センダID」を含み且つ現在提示されているメディア・オブジェクトを識別するメディアアイデンティティである「メディアID」を更に含むメタデータ又はメタ情報を更に送信する。このメタデータはユーザ端末により取得される。ユーザの入力コマンドを受信した場合、ユーザ端末は少なくとも受信した送信機アイデンティティ及びメディアアイデンティを含む購入リクエストを送信できる。異なる実施形態によると、購入リクエストは、メディア・オブジェクトを所有するメディア・プロバイダ、あるいは以下に更に説明する別個の購入ハンドラ又はホームネットワークオペレータにより制御される購入制御部等に直接送信されてもよい。いずれの場合も、購入リクエストは、メディア・プロバイダ、購入ハンドラ又はホームネットワークオペレータに属してもよい論理購入制御部等により受信され且つ処理されてもよい。
例えばメタデータは、例えばBluetooth(登録商標)、赤外線又は他の何らかのNFC(近距離無線通信)技術を使用して、メディア・センダにおけるNFC送信機及びユーザ端末におけるNFC受信機を含む適切なNFC機器により別個の無線通信リンクでメディア・センダから端末に送信されてもよい。メディア・オブジェクトが、例えばそれ自体が既知である方法でいわゆる透かしアルゴリズムを使用して再生音声ストリームに符号化されて無線送信により提示される場合、メタデータは、メディアの提示内の重畳、埋め込み又は組み込み情報としてメディア・センダから更に送信されてもよい。本明細書において、用語「NFC」は、上記のメタデータをメディア・センダから端末にローカルに伝達するために使用可能である何らかの無線通信機構を広義に表すために使用される。更に、上記のセンダID及びメディアIDはメディア・センダから同一の方法で送信される必要がなく、異なる独立した機構により送信されてもよい。例えば、センダIDはBluetooth(登録商標)等の別個のNFCリンクで送信されてもよく、メディアIDはメディアの提示に埋め込まれるか又は組み込まれてもよい。あるいは、センダIDはメディアの提示に埋め込まれるか又は組み込まれてもよく、メディアIDは別個のNFCリンクで送信されてもよい。
上述のように、購入リクエストは、メディア・プロバイダ、ホームネットワークオペレータ又は別個の購入ハンドラに送信され且つ処理されてもよい。端末がホームネットワークオペレータ又は関連する購入ハンドラに対して購入リクエストを作成する場合、メディア・プロバイダは、ホームネットワークオペレータ又は購入ハンドラにより、受信したメディアIDにより識別されるメディア・オブジェクトを配信するように要求される。その場合、ホームネットワークオペレータ又は購入ハンドラはメディア・プロバイダと信頼関係を確立しているか又は対応する合意をしていると仮定する。その場合、メディア・プロバイダは、ホームネットワークオペレータ又は購入ハンドラからメディア配信に対する支払いを受け取ってもよい。その後、ユーザは、自身のオペレータによって、例えば通常の会費請求書、別個の請求書又はユーザの課金アカウントからのリアルタイムの引き落としによりメディア・オブジェクトの購入に対して課金されてもよい。
メディアの購入に対して、報酬又は手数料が上述のセンダIDから識別される関連するメディア送信側に更に提供されてもよい。本説明において、用語「報酬」は、使用された手順又は機構に関係なく、実行された購入に対するメディア送信側への何らかの金銭的報酬を示す。従って、この技術的解決策により、ユーザ、ホームネットワークオペレータ、使用される場合は購入ハンドラ、メディア・プロバイダ及びメディア送信側のうちのいずれか1人以上に対して有用である種々の異なるビジネスモデルが可能になることが容易に理解される。
メディア・オブジェクトを配信するようにメディア・プロバイダに要求する前に、ホームネットワークオペレータ又は購入ハンドラは、ユーザが所望のメディア・オブジェクトを購入することを許可されるかをチェックしてもよい。このチェックは、加入条件及び/あるいは予め定義された購入規則又はポリシーに従ってもよい。例えば、ユーザが以前の請求書の支払いを適切に行ったか、あるいはメディア・オブジェクトの価格又はサイズが事前に設定された制限を越えないことが必要とされてもよい。他の例において、未成年者が成人向け映画の購入を許可されないように、特定のユーザが制限された量のメディアデータ又は特定の種類のメディア(例えば、音声のみ)の購入のみを許可されるように、あるいはメディア・オブジェクトが特定の時刻、週又は季節にのみ購入可能であるように、特定の購入規則又はポリシーが異なるユーザに対して定義されてもよい。最後の条件は、使用される通信ネットワークにおけるトラフィックを制限し且つ輻輳を回避することが望ましい場合、データトラフィックの集中する時間帯において有用である場合がある。
図2を参照して、メディア・オブジェクトが端末ユーザに対して提示される場合にそれを購入できるようにする手順の一例を以下に説明する。ユーザはユーザ端末200を操作し、メディア・オブジェクト、あるいはティーザ、トレーラ又は他の開示等のメディア・オブジェクトの表示はメディア送信側により制御されるメディア・センダ202により提示される。提示されたメディア・オブジェクトはメディア・プロバイダ204により更に所有され、購入は購入制御部206により処理される。
本例において、購入制御部206は、加入者としてユーザを有するホームネットワークオペレータに属する。しかし、購入制御部206の説明された機能は、代わりにメディア・プロバイダ204において実現されてもよく、あるいはPay Pal等の別個の購入ハンドラにより制御されて実現されてもよい。
ホームネットワークは、モバイル又は固定アクセスネットワーク、あるいはIMS(IPマルチメディアサブシステム)ネットワークであってもよい。ホームネットワークオペレータ及びメディア・プロバイダは、ホームネットワークオペレータがメディア・オブジェクトの購入に対して加入者/ユーザに課金し且つ加入者にメディア・オブジェクトを配信するか又は加入者により指定されたメディア・プロバイダに購入に対する支払いを提供する責任を有するという点で信頼関係を確立していると更に仮定する。
第1のステップ2:1は、一般にメディア・オブジェクト又は当該メディア・オブジェクトを示す表示がメディア・センダ202により提示され、提示が端末200のユーザにより受信され且つ体験されることを示す。これは、本発明に限定されずに異なる方法で行われてもよく、メディア・センダ202は、ディスコ、レストラン又は店舗等のある程度公共の空間、あるいは家庭又は車内等のより私的な空間のスピーカ又はTV画面を介してメディア・オブジェクト又は表示を提示してもよい。
あるいは、メディア・センダ202は、例えばBluetooth(登録商標)である適切な通信リンクを介して端末200により受信され且つ音声、映像、画像又はテキスト等の形態で端末上に提示されるデータストリームを送信することによりメディア・オブジェクトを提示してもよい。その場合、データストリームは、パケットデータネットワークを介して伝達されてもよく、あるいはメディア・センダ202内の送信側NFC部等及び端末200内の受信側NFC部等によりローカルに伝達されてもよい
同時に、ステップ2:2に示すように、メディア・センダ202は、メディア送信側を識別するセンダID及び現在提示されているメディア・オブジェクトを識別するメディアIDを含むメタデータを自身のNFC部から更に送信する。メディア・センダ202により送信されたメタデータは、提示されたメディア・オブジェクトを所有するメディア・プロバイダを識別するメディア・プロバイダアイデンティティ「MPID」を更に含んでもよい。
メディアIDは、「CRID」(コンテンツ参照識別子)、「DII」(MPEG−21デジタル項目識別子)、「UPC」(統一商品コード)又は「ISAN」(国際標準視聴覚番号)等の既知のメディア識別規格に従うアイデンティティであってもよい。センダIDは、「ISIM」(IMS加入者識別モジュール)として既知であるIMS規格に従う加入者アイデンティティであってもよい。例えばxmp:identifier又はDublin Core、dc:contributor、dc:publisher及びdc:creatorである属性のいずれかを識別子として使用する既知の「Adobe XMPメタデータ」形式である既存のメタデータ形式の属性として上記のIDのいずれかを送信することもできる。本ステップにおいて、メディアID及びセンダIDは、このように一般に端末200によりメディア・センダ202から取得される。
次のステップ2:3は、ユーザが例えば端末上の「購入」ボタン等を押下することにより、現在再生又は開示されている提示されたメディア・オブジェクトを購入するための入力コマンドを端末200において作成することを示す。端末200は、少なくとも現在受信したメディアID及びセンダIDを含む購入リクエストメッセージを作成するソフトウェア機能性を有するように構成される。更なるステップ2:4において、メッセージは、入力コマンドに応じて購入制御部206に自動的に送信される。MPIDがメタデータに含まれる場合、端末が通常はCRIDにも利用されるURL(ユニバーサルリソースロケータ)等のHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)リンクをMPIDから作成できるようにMPIDを更に構成できてもよい。それにより、端末はHTTPリンクを使用して購入リクエストを送信できる。
端末200のユーザがホームネットワークにおいて加入者として既知であるため、本例において、受信された購入リクエストは適宜管理可能であり、すなわち、ユーザ及びユーザの端末の更なる識別及び認証を必要とせずに管理可能である。あるいは、端末はメディア・プロバイダ又は別個の購入ハンドラに購入リクエストを送信してもよく、他の例を参照してこれを以下に後述する。ソフトウェア機能性は製造時に端末にインストールされてもよく、あるいはサーバ等から取得されてもよい。これは本発明の範囲に含まれない。
オプションである次のステップ2:5において、購入制御部206は加入者が要求された購入を実行することを許可されるかをチェックしてもよい。このチェックは、加入条件及び/あるいは予め定義された購入規則又はポリシーに従ってもよい。本説明において、用語「購入規則」は、要求されたメディア・オブジェクトの購入が許可されるか否かを示してもよい何らかの規則、ポリシー又は加入条件を表すために使用される。購入規則は、購入制御部206がアクセスできる不図示の規則データベースに格納されてもよい。
上述のように、購入規則は、現在の端末ユーザのアイデンティティと、現在のユーザの場所と、以前の請求書の支払いと、ユーザのアカウントにおいて利用可能な金額と、要求されたメディア・オブジェクトの量と、サイズ又は価格と、要求されたメディアの種類と、現在の時刻と、週又は季節と、現在利用可能なネットワーク帯域幅と、である制限要素のいずれかに個別に依存するか又はそれらの組合せに依存してもよい。このように、購入規則は異なるユーザ又は端末に対して差別化されてもよく、これにより、使用された端末にログオンしたユーザ又は端末の性能に依存してもよい。本ステップにおいて、要求された購入が許可され且つ安全に実行されるかを調べるために、例えばユーザに関連付けられる銀行又はアカウントに連絡することによりユーザの信頼性が更にチェックされてもよい。
要求されたメディア・オブジェクトの購入が許可されると仮定する場合、購入制御部206は、例えば受信したメディアID及び/又はセンダIDに分解機構を適用することにより、受信した購入リクエストからメディア・プロバイダ204を識別できる。その後、更なるステップ2:6において、購入制御部206は、メディア・オブジェクトを例えばユーザ端末200に電子的に配信するか又は好適な配信先住所に物理的に配信するための要求をメディア・プロバイダ204に送信する。本例において、ホームネットワークオペレータ及びメディア・プロバイダが信頼関係を有するため、それらは配信リクエストを伝達するための専用通信チャネルを更に確立していてもよい。しかし、何らかの適切な通信リンク又はチャネルが本ステップにおいて使用されてもよく、本発明はこの点において限定されない。
従って、メディア・プロバイダ204は、次のステップ2:7で概略的に示すようにユーザ端末200にメディア・オブジェクトを配信するか、あるいは好適な配信先住所に配信する。本ステップにおいて、メディア・オブジェクトの配信は、本発明に限定されずに異なる方法で実行可能である。例えばメディア・オブジェクトは、例えばアップロードされたメディア・ファイルとしてユーザ端末200に電子的に配信されてもよい。その場合、メディア・ファイルは、ユーザがステレオ又はTV機器等の他の装置でメディアを再生できるようにするDRM(デジタル著作権管理)として既知である技術を使用して保護されてもよい。メディア・オブジェクトは、例えばCD、DVD又は他のデータ記憶装置である物理媒体により記憶されてユーザに更に配信されてもよい。
次の概略的なステップ2:8において、メディア・プロバイダ204は、ホームネットワークオペレータからステップ2:7のメディア配信に対する支払いを適切な方法で受信する。この動作は、本発明に限定されずに異なる方法で達成されてもよい。例えば、メディア・プロバイダ204は購入制御部206にアカウントクレームを送信してもよく、その後、購入制御部206はメディア・プロバイダ204にアカウント決済通知を送信してもよい。
更なるステップ2:9により示すように、メディア・オブジェクトの購入が実行された後、ユーザがメディア・センダ202により提示されたメディア・オブジェクトを購入した場合、購入制御部206はセンダIDから識別されたメディア送信側に報酬を更に提供する。最後に、ステップ2:10に示すように、ユーザ/加入者は購入に対して課金される。これは、通常の電話料金請求書又はメディア・オブジェクトの購入に対して発行された別個の請求書により実行されてもよい。また、課金は「リアルタイム」で実行されてもよく、すなわち、関係する金額がユーザのプリペイドアカウント等から引き落とされてもよい。
上述の手順の例は、異なる方法で変更可能である。例えば、メディア・センダ202からメディアID及びセンダIDを取得するステップ2:2はステップ2:3の入力コマンドに応じて実行されてもよく、その場合、端末200はメディア・センダ202に対して現在再生されているメディア・オブジェクトに関するメディア・クエリ又は「ポーリング」を自動的に送信する。その後、メディア・センダ202は、端末がメディアID及びセンダIDを取得するように適宜応答する。このクエリ及び応答の通信において、図示のNFC部が使用可能である。あるいは、メディアID及び/又はセンダIDは、別個の通信リンク又はチャネルを使用する代わりに、再生中のメディア・オブジェクトの重畳、埋め込み又は組み込み情報として伝達されてもよい。更に、ステップ2:7、2:8、2:9及び2:10は基本的に互いに独立しており、何らかの適切な順序で実行可能である。例えば、最初にユーザが課金されてもよく、その後、メディア・プロバイダに対して支払いが行われてもよく、メディア・センダに報酬が提供されてもよい。
メディア・センダは、本解決策を使用する異なる方法で実現されてもよい。例えばメディア・センダは、上述のように公的な空間に配置された再生機器であってもよく、あるいは、例えばユーザの家庭又は車内に配置された無線受信機であるユーザに属する機器であってもよい。その場合、メディア・センダにより上述の方法で送信されるメディア・オブジェクトの提示及びメタデータを放送するという意味で、メディア・センダはメディア送信側により制御される。
ユーザにより操作される通信端末において実行されるステップを有するフローチャートを示す図3を参照して、別の実施形態に係るメディア・オブジェクトを購入できるようにする手順を以下に説明する。図2と同様に、メディア・オブジェクトの提示はユーザにより受信されるためにメディア・センダにより送信され、メディア・オブジェクトはメディア・プロバイダにより所有される。
第1のステップ300において、上記の例のステップ2:3と同様に、端末は提示されたメディア・オブジェクトに対する購入コマンドをユーザから受信する。次のステップ302において、端末は、例えばBluetooth(登録商標)又は赤外線技術に基づく別個のNFCリンクを使用して、メディア・センダからメディアID及びセンダIDを取得する。上述のように、メディアID及びセンダIDは、メディア・オブジェクトの再生中に例えば別個の通信リンクで、メディアの重畳又は組み込み情報として、あるいはユーザから購入コマンドを受信した場合に端末により作成されるメディア・クエリに応じて、メディア・センダから自動的に取得されてもよい。従って、ステップ300及び302の動作の順序は実現例に応じて何らかの方法で選択されてもよい。更に、端末は上記の方法でメディア・センダからメディア・プロバイダアイデンティティを更に取得してもよい。
次に、端末はメディアID及びセンダIDを含み且つそれらを参照する購入リクエストメッセージを作成し、更なるステップ304において、上記の例のステップ2:4と同様に、メッセージは購入制御部又は同様の機能エンティティに送信される。実現例に応じて、購入リクエストメッセージは好適な配信先住所及び上述のメディア・プロバイダアイデンティティを更に含んでもよい。購入制御部は、ホームネットワークオペレータ、メディア・プロバイダ又は別個の購入ハンドラにおいて実現されてもよい。要求されたメディア・オブジェクトの購入が例えばホームネットワークオペレータ又はメディア・プロバイダにより制御されて許可される場合、端末及び/又はユーザは最終的にメディア・プロバイダから所望のメディア・オブジェクトを受信する。また、ユーザは、例えば通常の会費請求書、別個のメディア購入請求書又はユーザのアカウントからの引き落としにより、ホームネットワークオペレータにより課金される。あるいは、ユーザは適切な請求書又は伝票でメディア・プロバイダにより課金される。
購入制御部により実行されるステップを有するフローチャートを示す図4を参照して、別の実施形態に係るメディア・オブジェクトを購入できるようにする手順を以下に説明する。購入制御部は、メディア・プロバイダと信頼関係を有するホームネットワークオペレータ、メディア・プロバイダ自身又は別個の購入ハンドラに属してもよい。この場合も、メディア・オブジェクトはユーザ端末を操作するユーザに対してメディア・センダにより提示され、メディア・オブジェクトはメディア・プロバイダにより所有される。図4の処理は、破線矢印で示すように、ユーザ端末により実行された図3のステップ300〜304の続きとして実行可能である。
第1のステップ400において、メディアID及びセンダIDを含み且つそれらを参照する購入リクエストがユーザ端末から受信される。従って、これは図3のステップ304に基本的に対応する。購入リクエストは、メディア・オブジェクトを配信できるメディア・プロバイダを識別する特定のメディア・プロバイダアイデンティティを更に含んでもよく、これは、端末がメディア・センダからメディアID及びセンダIDと共に取得していてもよい。ユーザの適切な識別及び好適な配信先住所を更に含んでもよい。
次のステップ402において、要求された購入が許可されるかを判定するために、購入制御部は、例えば上述の予め定義された購入規則をチェックすることによりユーザが購入を行うことを許可されるかをチェックする。ステップ2:5に対して上述したように、例えば購入規則に関してユーザをチェックすることは、現在の端末ユーザのアイデンティティと、現在のユーザの場所と、ユーザのアカウントにおいて利用可能な金額と、以前の請求書の支払いと、要求されたメディアの量と、サイズ又は価格と、要求されたメディアの種類と、現在の時刻と、週又は季節と、現在利用可能なネットワーク帯域幅と、である制限要素のいずれか1つ以上に依存してもよい。
次のステップ404において、例えば購入規則に従って購入が許可されないと判定される場合、ステップ406において、適切な拒否メッセージが端末に送信されてもよい。あるいは、購入は許可され、更なるステップ408において、上記の例のステップ2:6と同様に、少なくとも受信したメディアIDを示し且つオプションでセンダID及び好適な配信先住所を示す配信リクエストがメディア・プロバイダに送信される。上述のように、メディア・プロバイダは購入リクエスト内のメディアID及び/又はセンダIDから識別されてもよく、あるいは、特定のメディア・プロバイダアイデンティティが購入リクエストに含まれる場合はそれから識別されてもよい。
次のステップ410において、購入は適切な方法でメディア・プロバイダにより承認され、それにより、ステップ408で要求されたメディアの配信に対する支払いがメディア・プロバイダに提供される。最後のステップ412は、メディア・オブジェクトの購入に対する報酬がステップ400で受信された購入リクエスト内のセンダIDから識別可能であるメディア送信側に更に提供されることを示す。購入がステップ404以降で許可される場合、購入制御部は上記の手順の何らかの時点で購入に対してユーザに課金してもよい。ここではこれをステップとして示さない。
図5は、更なる実施形態に係る信号伝送図を参照して、メディア購入を可能にする多少変更された手順を示す。この信号伝送手順には、基本的に、現在のユーザにより操作されるユーザ端末500、関連するメディア送信側により制御されるメディア・センダ502、加入者として現在の端末ユーザを有するホームネットワークオペレータ504及びメディア・プロバイダ506が関係する。上述のように、ホームネットワークオペレータ504の機能性は購入制御部等により達成されてもよい。この場合も、メディア・プロバイダ506により所有されるメディア・オブジェクトはメディア・センダ502により現在又は過去に提示され且つホームネットワークオペレータ504はメディア・プロバイダ506と信頼関係を有すると仮定する。図5のいくつかのステップは上記の図2〜図4の対応するステップに非常に類似しているため、それらを再度詳細に説明しない。
第1のステップ5:1において、ユーザ端末500は、提示されたメディア・オブジェクトを購入するための購入コマンドをユーザから受信する。本例では、次のステップ5:2において、端末500はメディア・センダ502にメディア・クエリを送信するか又は「ポーリング」して、提示されたメディア・オブジェクトを識別するようにメディア・センダ502に求める。それに応じて、次のステップ5:3において、メディア・センダ502は、例えばBluetooth(登録商標)又は赤外線技術に基づく別個のNFCリンクを使用して、ユーザ端末500に少なくともメディアID及びセンダIDを送信する。本例では図示しないが、実現例に応じて、メディア・センダ502は本ステップにおいてメディア・プロバイダアイデンティティを更に送信してもよい。
次のステップ5:4において、端末500は、少なくとも取得したメディアID及びセンダIDを含む購入リクエストメッセージを作成し、上記のステップ304及び2:4に対して同様に説明したように、ホームネットワークオペレータ504にメッセージを送信する。購入リクエストメッセージは、メディアID及びセンダIDに加えて、メディア・プロバイダアイデンティティがステップ5:3の応答メッセージに含まれる場合はメディア・プロバイダアイデンティティを含んでもよく、好適な配信先住所を更に含んでもよい。その後、次のステップ5:5において、オペレータ504は、上記のステップ402及び2:5に対して同様に説明したように、要求された購入が許可されるかを判定するために予め定義された購入規則に関してユーザをチェックする。更なるステップ5:6において、オペレータ504は、上記のステップ408及び2:6に対して同様に説明したように、メディア・プロバイダ506に配信リクエストを更に送信する。しかし、購入が許可されない場合、代わりのステップ5:6aに示すように、適切な拒否メッセージがユーザ端末500に送信されてもよい。
ホームネットワークオペレータ504との信頼関係に依拠して、メディア・プロバイダ506はユーザに要求されたメディア・オブジェクトを安全に配信できる。ここではこれをステップとして示さない。その後、更なるステップ5:7において、メディア・プロバイダ506はオペレータ504に配信確認を送信する。それに応じて、ステップ5:8において、上記のステップ410及び2:8に対して同様に説明したように、オペレータ504はメディア・プロバイダに支払いを提供することによりメディア・プロバイダ506から課金の承認を得る。ステップ5:9において、オペレータ504は、関連するメディア送信側にメディア・オブジェクトの購入に対する報酬を更に提供する。最後に、ホームネットワークオペレータ504は、最後のステップ5:10に概略的に示すように、例えば通常の電話料金請求書、別個の請求書又はプリペイドアカウントからの引き落としにより、配信されたメディア・オブジェクトに対して端末500のユーザに課金する。
上述の手順が本発明から逸脱することなく多くの方法で変更可能であることは、当業者には理解されるだろう。例えば、ユーザに課金するステップ5:10は、メディア・プロバイダ506に支払いを提供するステップ5:8及び/又はメディア送信側に報酬を提供するステップ5:9の前に実行されてもよい。更に、上述のように、メディアID及びセンダIDは別々に送信されてもよく、あるいは提示されたメディア・オブジェクトが再生される場合はその重畳情報として伝達されてもよく、それによりステップ5:2を省略できる。
図6は、基本的に図2〜図5の上述の実施形態のいずれかに係るメディア・プロバイダからメディア・オブジェクトを購入できるようにするために使用可能であるユーザ端末600、メディア・センダ602及び購入制御部604における構成の例を概略的に示すブロック図である。上記の例に対して説明したように、購入制御部604は、メディア・プロバイダ、ユーザにサービスを提供するネットワークオペレータ又は別個の購入ハンドラのいずれかに配置されるか又は少なくとも制御されてもよい。
ユーザ端末600は、例えば再生されることによりメディア・センダ602により提示されているメディア・オブジェクトを購入するための入力コマンド「IC」を現在のユーザから受信するように構成された入力部600aを備える。ユーザ端末600は、NFCリンクを介してメディア・センダ602からメディアID及びセンダIDを取得し且つオプションでメディア・プロバイダIDを更に取得するように構成されたNFC部600bを更に備える。図中ではこれらを全て「ID」と示す。上述のように、IDは、メディア・オブジェクトの提示中に、あるいはユーザから購入コマンドを受信した場合に端末により作成されるメディア・クエリに応じて、メディア・センダ602から端末600に伝達されてもよい。
更に、NFC部600bはメディア・センダ602からメディア・ストリームとして再生メディアを受信するように更に構成されてもよく、その場合、IDはメディアの重畳情報として又は別個のNFCチャネルを介して受信されてもよい。また、異なるIDを異なる方法で端末に伝達することもできる。本発明に限定されることなく、例えばメディアIDはメディアに重畳されてもよく、センダID及びメディア・プロバイダIDは別個のNFCチャネルを介して伝達されてもよい。あるいは、メディアIDは別個のNFCチャネルを介して伝達されてもよく、センダID及びメディア・プロバイダIDはメディアに重畳されてもよい。
ユーザ端末600は、提示されたメディア・オブジェクトを購入するための入力コマンドICをユーザから受信した場合に少なくともメディアID及びセンダIDを参照する購入リクエスト「R(ID:s)」を作成して購入制御部604に送信するように構成された購入リクエスタ600cを更に備える。
本例において、メディア・センダ602は、提示がスピーカ、あるいは映像又は画像再生装置のいずれかを介して端末600のユーザにより受信され且つ体験されるようにメディア・オブジェクト「M」を提示するように構成された提示部602aを備える。メディア・オブジェクトは、メディア・センダ602内のNFC部602bによりデータストリームとして送信されてもよい。これはNFC部600bにより受信され、端末において再生される。しかし、提示部602aは何らかの特定の提示技術に限定されない。NFC部602bは、「ID」で示す1つ以上のメディア関連識別を送信するように更に構成される。これは、提示されたメディア・オブジェクトを識別するメディアID及びメディア送信側を識別するセンダIDを少なくとも含み且つオプションで上述のようなメディア・プロバイダIDを更に含む。
あるいは、破線矢印で示すように、IDは提示部602aから重畳情報として伝達されてもよい。本明細書において、用語「伝達手段」は、IDが端末600に伝達される方法に応じて、図示のNFC部600b及び/又は提示部602aを表すために使用される。
メディアIDは、CRID、UPC、ISAN又はDII等の標準化された種類のメディアアイデンティティであってもよく、センダIDはIMS加入者アイデンティティISIMであってもよい。例えばxmp:identifier又はDublin Core、dc:contributor、dc:publisher及びdc:creatorである属性のいずれかを識別子として使用する既知の「Adobe XMPメタデータ」形式である既存のメタデータ形式の属性として上記のIDを送信することもできる。これらの属性又は識別子のいずれかは、メディア・オブジェクトが再生される場合にそれに埋め込まれるか、あるいは上述のように別個のNFCリンクを介して伝達された後に受信端末600のNFC部600bにより抽出されてもよい。しかし、一般に、本発明はこれらのメディア関連識別の何らかの特定の規格又は形式に限定されない。
購入制御部604は、少なくとも上記のメディアID及びセンダIDを含み且つそれらを参照する購入リクエスト「R(ID:s)」をユーザ端末600から受信するように構成された購入マネージャ604aを備える。購入マネージャ604aは、ステップ2:5、402及び5:5に対して上述したように、要求された購入が許可されるかを判定するために、例えばデータベース604b等に格納された予め定義された購入規則に関してユーザをチェックするように更に構成されてもよい。
購入制御部604は、購入が許可される場合にメディア・プロバイダに属する配信処理エンティティ「DH」606に受信したメディアID及び購入ユーザを示し且つオプションで好適な配信先住所を更に示す配信リクエスト「D」を送信するように構成された配信リクエスタ604cを更に備える。購入マネージャ604aは、購入リクエスト内のセンダIDからメディア・センダ602を識別するように更に構成される。購入マネージャ604aは、「MSP」608として概略的に示すメディア送信側にユーザによる提示されたメディア・オブジェクトの購入に対する報酬「C」を提供するように更に構成される。購入マネージャ604aは、ユーザへの要求されたメディア・オブジェクトへの配信に対する支払いをメディア・プロバイダに更に提供し(不図示)且つメディア・オブジェクトの購入に対してユーザに適切な方法で課金する(不図示)ように更に構成されてもよい。
尚、図6は、ユーザ端末600、メディア・センダ602及び購入制御部604における種々の可能な機能単位及び構成を論理的な意味で示すにすぎない。しかし、これらの機能は、実際には図示の構造に限定されない何らかの適切なソフトウェア及びハードウェア手段を使用して当業者により自由に実現される。
上述のように、端末ユーザは、上記の図2〜図6に対して説明した方法でユーザのホームネットワークオペレータを用いずにメディア・オブジェクトを購入できてもよい。図7を参照して、別個の購入ハンドラ706を用いてメディア・オブジェクトをそのように購入できるようにする手順の一例を以下に説明する。上記の例と同様に、ユーザはユーザ端末700を操作し、上述のように、メディア・オブジェクト又は表示はメディア送信側により制御されるメディア・センダ「A」702により再生又は提示される。提示されたメディア・オブジェクトは、ユーザに対して公表することによりメディア・オブジェクトを販売促進、宣伝又は開示するためにメディア・センダAを利用できるメディア・プロバイダ704により更に所有される。図中で概略的に示すように、メディア・プロバイダ704は、例えば販売を申し込んだ種々のメディア・オブジェクトを販売促進、宣伝又は開示するために、同様の方法で更なるメディア・センダB、C、D、...と関連してもよい。
基本的にステップ2:1に対して上述したように、第1のステップ7:1は、メディア・オブジェクトがメディア・センダ702により提示されることを示す。更なるステップ7:2において、メディア・センダ702は、例えばCRID、DII、UPC、ISAN又は上述のメタデータ属性の形式で提示されたメディア・オブジェクトを識別する「MID」で示すメディアID及びAのメディア送信側を識別する「SID(A)」で示すセンダIDを含み且つ本例ではメディア・プロバイダ704を識別する「MPID」で示すメディア・プロバイダIDを更に含むメタデータを更に送信する。SID(A)及びMPIDは、ISIM又は上述のメタデータ属性の形式であってもよい。MID、SID(A)及びMPIDは、例えばNFC部等を使用して端末700において受信可能であると仮定する。
次のステップ7:3において、ユーザは提示されたメディア・オブジェクトを購入するための入力コマンドを端末700で作成し、更なるステップ7:4において、端末700は受信したMPIDにより識別されるメディア・プロバイダ704に購入リクエストを送信する。別の実施形態において、端末700からの破線矢印により示すように、購入リクエストは代わりに購入ハンドラ706に送信されてよい。購入リクエストは少なくとも上記のMID及びSID(A)を含み、購入の完了時にメディア・オブジェクトが配信される好適な配信先住所「DA」を更に含んでもよい。
次のステップ7:5において、購入リクエストを受信したメディア・プロバイダ704は、要求された購入が許可され且つ安全に実行されるかを調べるために、別個の購入ハンドラ706にユーザ、並びに受信したMID及びSID(A)を示す購入チェック要求等を送信する。次のステップ7:6において、購入ハンドラ706は、例えば上述の方法で所定の購入規則に関してユーザの信頼性等に関する適切なチェックを実行する。この段階でユーザをチェックする処理は本発明に限定されず、例えば受信したMID及びSID(A)に基づいて何らかの所定の方法で行われてもよい。ユーザのチェックは、ユーザを信頼できるか及び/又はユーザが購入に対する支払いを行えるかを調べるためにユーザの銀行に連絡することを更に含んでもよい。
購入が許可される場合、更なるステップ7:7において、購入ハンドラ706はメディア・プロバイダ704に応答する適切な肯定応答メッセージ「OK」を適宜送信する。それにより、メディア・プロバイダ704は、次のステップ7:8において概略的に示すように、DAを受信した場合、それに従ってユーザにメディア・オブジェクトを配信でき、例えばユーザ端末700に配信するか又は住所等に配信できる。更に、ステップ7:9において、購入ハンドラ706は購入に対してユーザに適切な方法で更に課金する。
メディア・プロバイダ704は、受信した購入リクエストに含まれるSID(A)からAのメディア送信側を更に識別できる。最後のステップ7:10において、購入ハンドラ706は、ステップ7:5の購入チェック要求に含まれるSID(A)から識別されたメディア送信側にユーザによる提示されたメディアの購入に対する報酬を提供する。あるいは、メディア・プロバイダ704がメディア送信側に報酬を提供してもよい。
図8は、上記の図7の例に基本的に従って、メディア・オブジェクトを購入できるようにするために購入ハンドラにより実行されるステップを有する手順を示す。従って、メディア・プロバイダにより所有されるメディア・オブジェクトは、メディア送信側により制御されるメディア・センダにより提示され且つ端末ユーザに対して公表されると仮定する。ユーザの端末は、提示されたメディア・オブジェクトを識別するメディアID、すなわち「MID」及びメディア送信側を識別するセンダID、すなわち「SID」を少なくとも含むメタデータをメディア・センダから更に取得している。
第1のステップ800において、少なくともメディアID及びセンダIDを含み且つそれらを示す購入チェック要求は、それ以前にユーザ端末から購入リクエストを受信したメディア・プロバイダから受信される。従って、このステップは図7のステップ7:5に基本的に対応する。その後、次のステップ802において、上記の例のステップ7:6と同様に、購入ハンドラは要求された購入が許可され且つ実行可能であるかを判定するためにユーザの信頼性をチェックする。
次のステップ804で購入が許可されないと判定される場合、ステップ806において、適切な拒否メッセージがメディア・プロバイダに送信されてもよい。購入が許可される場合、更なるステップ808において、上記の例のステップ7:7と同様に、購入ハンドラは受信した購入チェック要求内のメディアIDからメディア・オブジェクトを識別し、メディア・プロバイダに購入確認メッセージを送信する。それにより、メディア・プロバイダはユーザにメディア・オブジェクトを適宜配信できる。
次のステップ810において、購入ハンドラは、購入に対してユーザに適切な方法で課金する。更に、最後のステップ812に示すように、購入ハンドラはメディア・プロバイダに支払いを提供し、ステップ800の購入チェック要求においてセンダIDを受信した場合はそれから識別できるメディア送信側に購入に対する報酬を更に提供してもよい。あるいは、メディア送信側への報酬は、ユーザにメディア・オブジェクトを配信した際にメディア・プロバイダにより提供されてもよい。
図9を参照して、端末ユーザがメディア・オブジェクトを購入できるようにする手順の別の例を以下に説明する。本例において、別個の購入ハンドラが使用され且つ上述のIDの管理者として動作する場合にそのようなIDが処理される方法を特に示す。例えば購入ハンドラは、ユーザにサービスを提供するネットワークオペレータにより制御されてもよい。
従って、ユーザは通信端末900を操作し、メディア送信側により制御されているメディア・センダ902からメディア・プロバイダ904により所有されているメディア・オブジェクトの提示を受信するか又は何らかの方法で公表される。図示する購入手順は、以下に説明する方法で購入ハンドラ906により制御される。
最初に、ステップ9:1〜9:4により示すように、メディア・センダ902及びメディア・プロバイダ904は、自身のアイデンティティSID及びMPIDをそれぞれ取得するために購入ハンドラ906に登録する。更に、メディア・プロバイダ904は、MIDとして種々のメディア・オブジェクトのアイデンティティを定義し、概略的なステップ9:5において、端末900のユーザ等の端末ユーザに対してメディア・オブジェクトの1つ以上を提示するようにメディア・センダ902に指示する。このステップにおいて、メディア・プロバイダ904はメディア・センダ902に自身のMPID及び1つ以上のMIDを適宜伝達する。
次のステップ9:6は、メディア・センダがメディア・オブジェクトを提示し且つ対応するMID、並びに登録されたSID及びMPIDを含む関連メタデータを送信し、それらが上述の方法で端末900により受信されることを示す。自身のユーザから購入コマンドを受信した場合、ステップ9:7において、端末900はメディア・オブジェクトに対する購入リクエストを送信し、これは購入ハンドラ906により受信される。購入リクエストは少なくともMID及びSIDを含み、オプションでMPID及び/又はメディア・オブジェクトが配信される好適な配信先住所DAを更に含む。あるいは、配信先住所は端末の通信アドレス又は電話番号から導出されてもよく、購入ハンドラ906において事前に設定されてもよい。
要求された購入が許可されることをチェックし且つ判定した後、更なるステップ9:8において、購入ハンドラ906は配信リクエストをメディア・プロバイダ904に送信するか、あるいは図6の例で説明したように関連する配信ハンドラに送信する。配信リクエストはMID及びDAを含む。しかし、DAがこのステップにおいて不要になるように、配信先住所はメディア・プロバイダ904において事前に設定されてもよい。次のステップ9:9において、メディア・プロバイダ904は、受信したMIDから所望のメディア・オブジェクトを識別し且つ受信したDA又は事前に設定された配信先住所に従ってそれを配信できる。
更に、ステップ9:10において、購入ハンドラ906は購入に対してユーザに課金する。最後の概略的なステップ9:11に示すように、購入ハンドラ906は、受信したSIDを使用して、ユーザによる提示されたメディア・オブジェクトの購入に対する報酬をメディア送信側に提供し、受信したMPIDを使用して、ユーザへのメディア・オブジェクトの配信に対する支払いをメディア・プロバイダ904に提供する。
上述の実施形態を使用することにより、便利で安全であると共にメディア・オブジェクトの購入を行うためにユーザに求められる労力及び注意が最小限である相対的に単純なメディア・オブジェクトを購入するための機構を得られる。これは、場合によっては「少額決済」と呼ばれる少額のメディア・オブジェクトの購入をサポートするのに特に望ましい場合がある。別の利点は、メディア・プロバイダとメディア送信側との間、並びにオプションで個別の購入ハンドラが使用される場合はその購入ハンドラ又はホームネットワークオペレータとの間でメディア・オブジェクトの購入に対する収入を分配できる点である。上記の実施形態のいくつかにおいて、ホームネットワークオペレータ又は購入ハンドラは、メディアの購入、並びに購入に対する支払い、課金及び報酬を実行する際のユーザとメディア・プロバイダとの間の信頼できる中間的存在として使用可能である。
特定の好適な実施形態を参照して本発明を説明したが、一般に、説明は本発明の概念を示すことを意図するにすぎず、本発明の範囲を限定すると考えられるべきではない。本発明の範囲は、添付の請求項により定義される。