JP2012529889A - Mek及び2−ブタノールの炭素効率のよい生合成のための微生物及び方法 - Google Patents

Mek及び2−ブタノールの炭素効率のよい生合成のための微生物及び方法 Download PDF

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Abstract

非天然微生物は、MEKを産生するのに十分な量で発現するMEK経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を有する。MEK経路には、アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、3−オキソブチルアルデヒド還元酵素、3−オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)から選択される酵素を含む。2-ブタノール経路にはさらに、MEK還元酵素を含む。MEK又は2-ブタノールを産生する方法には、MEK又は2-ブタノールを産生する条件下及び十分な時間で、これらの生物を培養することを含む。
【選択図】図1

Description

本出願は、それらの各々のすべての内容が引用により本明細書により組み込まれる2009年6月10日に出願された米国仮出願シリアル番号第61/185,969号及び2009年6月15日に出願された米国仮出願シリアル番号第61/187,238号の優先権の利益を要求する。
(本発明の背景)
本発明は、一般的には汎用品及び専門化学物質の産生に関し、より具体的には、メチルエチルケトン(MEK)及び2-ブタノールを産生する統合されたバイオプロセスに関する。
MEKは、コーティング、接着剤、及びインク、並びに化学物質中間体のための大容積溶媒として主として用いられる四炭素ケトンである。MEKへの主要な商業的経路は、第二級ブタノール(s-ブタノール)の脱水である。必要なs-ブタノールは、n-ブテンの硫酸水和を介して入手可能である。s-ブタノールをMEKに転換する上で、アルコール蒸気は、亜鉛又は酸化銅を触媒として含む多岐管反応器に供給される。反応は、約400〜500℃の間で、及び4バール未満の圧力で実施される。また、ラネーニッケル又はクロム酸銅を150℃で用いる液相法が採用される。水素がとり除かれ、濃縮物が分画によって脱水される。MEK相は、得られた水‐ケトン共沸混合物から分離し、さらに蒸留によって精製される。
MEK産生のための別の方法は、パラジウム及び塩化銅(II)を触媒として用いる溶液におけるn-ブテンの直接的な酸化を包含する。また、MEKは、ブタンベースの酢酸製造における副産物として生成することができる。MEKがフェノール産生由来の副産物として入手可能であるなおも別のプロセスが開発された。このフェノール製造において、MEK及びアセトンは、副産物として生成される。
これらのプロセスの多くは、高い温度を必要とするエネルギー示強性である。MEKの産生のために触媒プロセスは、高価な金属を同様に必要とし得る。したがって、MEK及び2-ブタノールの石油ベースの合成の使用を低下させる組成物及び方法についての需要が存在する。本発明は、この需要を満たし、関連する利点を同様に提供する。
いくつかの実施態様において、本発明は、MEKを産生するのに十分な量で発現するMEK経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含むMEK経路を有する微生物を含む非天然微生物を提供する。MEK経路には、アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む。
いくつかの実施態様において、本発明は、2-ブタノールを産生するのに十分な量で発現する2-ブタノール経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む2-ブタノール経路を有する微生物を含む非天然微生物を提供する。2-ブタノール経路には、アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、MEK還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む。
いくつかの実施態様において、本発明は、MEK経路を有する非天然微生物を培養することを含む、MEKを産生する方法を提供する。該経路には、MEKを産生する条件下及び十分な時間で、MEKを産生するのに十分な量で発現するMEK経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。MEK経路には、アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む。
いくつかの実施態様において、本発明は、2-ブタノール経路を有する非天然微生物を培養することを含む、2-ブタノールを産生する方法を提供する。該経路には、2-ブタノールを産生する条件下及び十分な時間で、2-ブタノールを産生するのに十分な量で発現する2-ブタノール経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。2-ブタノール経路には、アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、MEK還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む。
図1は、アセトアセチル‐CoAからMEKに至る経路を示す。酵素は、A)アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、B)アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、C)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、D)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、E)MEK酸化還元酵素、F)3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、G)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、H)MEK還元酵素である。各反応について提供される共因子は例示的である。例えば、NADPH、還元型フラボドキシン、還元型フェレドキシン、又は他の電子供与体は、酸化/還元反応においてNADHに置換することができる。同様に、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン、又は他のアミノ供与体(amino donor)は、グルタミン酸に置換することができる。 図2は、アラニンからMEKに至る経路を示す。酵素は、A)AKPチオラーゼ、B)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、C)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、D)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、E)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、F)AKPデアミナーゼ、G)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、H)AKPデカルボキシラーゼ、I)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、J)MEK酸化還元酵素、並びにK)MEK還元酵素である。AKPは、2-アミノ-4-オキソペンタノアートであり、MEKは、メチルエチルケトンである。各反応について提供される共因子は例示的である。例えば、NADPH、還元型フラボドキシン、還元型フェレドキシン、又は他の電子供与体は、酸化/還元反応においてNADHに置換することができる。同様に、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン、又は他のアミノ供与体は、グルタミン酸に置換することができる。 図3は、A)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、B)2-(ヒドロキシメチル)グルタラートデヒドラターゼ、C)フマラーゼ、D)3-デヒドロキナートデヒドラターゼ、E)シクロヘキサノンヒドラターゼ、及びF)2-ケト-4-ペンテノアートデヒドラターゼの酵素活性を示す。 図4は、デカルボキシラーゼ、すなわち(A)アコニタートデカルボキシラーゼ、(B)4-オキサロクロトナートデカルボキシラーゼ、(C)シンナマートデカルボキシラーゼ、及び(D)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ(理論値)を示す。
本発明は、MEK及び2-ブタノールのための生合成産生能を有する細胞及び生物の設計及び作出に一部関する。本発明は特に、MEK経路酵素をコードする1つ以上の核酸を導入することによって、MEK及び2-ブタノールを産生することのできる微生物の設計に関する。
一実施態様において、本発明は、MEK及び2-ブタノールの生合成産生のための代謝的設計を同定する大腸菌代謝のインシリコでの化学量論的モデルを利用する。本明細書に説明される結果は、代謝経路が、大腸菌及び他の細胞又は生物におけるMEK及び2-ブタノールなどの下流産物の生合成を達成するよう設計及び組換え操作することができることを示している。例えば、インシリコでの設計のためのMEKの生合成産生は、設計された代謝的遺伝子型を有する株の構築によって確認される。これらの代謝的に操作された細胞又は生物はまた、理論的最大増殖にアプローチする条件下を含む、MEK生合成をさらに増強するための適応進化に供することができる。
ある実施態様において、設計された株のMEK生合成特徴は、該株を遺伝的に安定にし、連続したバイオプロセスにおいて特に有用とする。個別の株の設計戦略はアセトアセチル‐CoA又はアラニンのいずれかから代謝経路を生じるMEK及び2-ブタノールに至る大腸菌又は他の宿主生物への異なる非天然性又は異種性の反応能の組み込みを用いて同定される。これらの代謝経路の各々から大腸菌におけるMEKの生合成を結果として生じるインシリコでの代謝設計を同定した。MEKはさらに還元産物2-ブタノールへとさらに加工することができる。
プラットフォームの計算上の成分を介して同定される株は、MEK、2-ブタノール、又は他の中間体及び/若しくは下流産物の生合成産生をもたらす推定された任意の代謝的変更を遺伝子操作することによって、実際の産生へとつぎ込むことができる。なおもさらなる実施態様において、これらの化合物の生合成産生を呈する株は、生成物の生合成をさらに増強するための適応進化に供することができる。適応進化後の生成物の生合成収量のレベルはまた、システムの計算上の構成要素によって推定することができる。
本明細書で使用する場合、用語「非天然」は、本発明の微生物(microbial organism)又は微生物(microorganism)に関して使用される場合、該微生物が、基準(referenced)種の野生型株を含む天然株の基準種において通常認められない少なくとも1つの遺伝的変更を有することを意味することが意図される。遺伝的変更には、例えば、代謝ポリペプチドをコードする発現可能核酸、他の核酸付加、核酸欠失及び/又は当該微生物の遺伝物質の他の機能的な破壊を導入する修飾を含む。このような修飾には、例えば、基準種に対し異種性、相同、又は異種性及び相同の両ポリペプチドのコード領域及びその機能的断片を含む。追加的な修飾には、例えば、該修飾が遺伝子又はオペロンの発現を変更する非コード調節領域を含む。典型的な代謝ポリペプチドには、MEK又は2-ブタノール生合成経路の内の酵素又はタンパク質を含む。
代謝修飾とは、その天然状態から変更した生化学的反応をいう。それゆえ、非天然微生物は、代謝ポリペプチド又はその機能的断片をコードする核酸に対する遺伝的修飾を有することができる。例示的な代謝修飾は、本明細書に開示される。
本明細書で使用する場合、用語「単離される」は、微生物に関して使用される場合、該基準微生物が天然に認められるときにもつ少なくとも1つの構成要素を実質的に含まない生物を意味することを意図する。該用語には、その自然環境で認められるいくつか又は全ての構成要素とは全く異なる微生物を含む。また、該用語には、該微生物が非天然環境で認められるときにいくつか又は全ての構成要素とは全く異なる微生物を含む。それゆえ、単離された微生物は、天然に認められる場合のような他の物質、又は非天然環境で増殖し、保存し、若しくは維持される場合のような他の物質から、部分的に若しくは完全に分離される。単離された微生物の具体的な例には、部分的に純粋な微生物、実質的に純粋な微生物、及び非天然の培地で培養された微生物を含む。
本明細書で使用する場合、用語「微生物(microbial)」、「微生物(microbial organism)」又は「微生物(microorganism)」は、古細菌、細菌又は真核生物のドメイン内に含まれる微視的細胞として存在する任意の生物を意味することを意図する。それゆえ、該用語は、微視的サイズを有する原核若しくは真核の細胞若しくは生物を包含するよう意図され、全ての種の細菌、古細菌及び真正細菌、並びに酵母及び真菌などの真核微生物を含む。また、該用語には、生化学的産生のために培養することのできる任意の種の細胞培養物も含む。
本明細書で使用する場合、用語「CoA」又は「補酵素A」とは、活性のある酵素系を形成するためにその存在が多くの酵素(アポ酵素)の活性に必要とされる有機的補助因子又は補欠分子族(酵素の非タンパク質部分)を意味することを意図する。補酵素Aは特定の縮合酵素において機能し、アセチル又は他のアシル基転移において、並びに脂肪酸合成及び酸化、ピルビン酸酸化において、及び他のアセチル化において作用する。
本明細書で使用する場合、用語「実質的に嫌気性」は、培養又は増殖条件に関して使用する場合、酸素量が液体培地中の溶存酸素について約10%未満飽和していることを意味することを意図する。また、該用語は、約1%未満の酸素の雰囲気で維持される液体又は固体培地の密封チャンバーを含むことも意図する。
本明細書において使用する場合、「外来性」は、該基準分子又は該基準活性が宿主微生物に導入されることを意味することを意図する。該分子は、例えば、宿主染色体への組み込みなどによる宿主遺伝材料へのコード核酸の導入によって、又はプラスミドなどの非染色体性遺伝材料として、導入することができる。それゆえ、該用語は、コード核酸の発現に関して使用する場合、発現可能な形態でのコード核酸の微生物への導入をいう。生合成活性に関して使用する場合、該用語は、宿主基準生物に導入される活性をいう。供給源は、例えば、宿主微生物への導入後に該基準活性を発現する相同若しくは異種性のコード核酸であり得る。それゆえ、用語「内在性」とは、宿主に存在する基準分子又は活性をいう。同様に、該用語は、コード核酸の発現に関して使用する場合、微生物内に含まれるコード核酸の発現をいう。用語「異種性」とは基準種以外の供給源に由来する分子又は活性をいうのに対し、「相同」とは宿主微生物に由来する分子又は活性をいう。したがって、本発明のコード核酸の外来性発現は、異種性若しくは相同のいずれか又は両方のコード核酸を利用することができる。
本発明の非天然微生物は、安定した遺伝的変更を含むことができ、これは該変更の損失なしに5世代を超えて培養することのできる微生物をいう。一般に、安定した遺伝的変更には、10世代を超えて持続する修飾を含み、特に安定した修飾は約25世代を超えて持続し、より特定には、安定した遺伝的修飾は50世代を超える(無制限を含む。)。
当業者は、本明細書に例示される代謝修飾を含む遺伝的変更が、大腸菌などの好適な宿主生物及びそれらの相応する代謝反応、又は所望の代謝経路のための遺伝子などの所望の遺伝材料に好適な供給源生物に関して説明されることを理解するであろう。しかしながら、多種多様な生物の完全なゲノム配列決定及びゲノム科学領域における高水準の技術を考慮すると、当業者は、本質的に他の全ての生物に対して本明細書に提供される教示及びガイダンスを容易に適用することができるであろう。例えば、本明細書に例示した大腸菌の代謝的変更は、該基準種以外の種からの同じ若しくは類似したコード核酸を組み込むことにより、他の種に容易に適用することができる。このような遺伝的変更には、例えば、一般的には種ホモログの遺伝的変更、特に、オルソログ、パラログ又は非オルソロガス遺伝子置換を含む。
オルソログは、垂直系統に関連し、かつ異なる生物において実質的に同じ若しくは同一の機能の原因となる遺伝子(gene)又は遺伝子(genes)である。例えば、マウスエポキシド加水分解酵素及びヒトエポキシド加水分解酵素は、エポキシドの加水分解の生物学的機能のためのオルソログとみなすことができる。遺伝子は、例えば該遺伝子が相同であること、又は共通祖先からの進化により関連することを示すのに十分な量の配列類似性を共有する場合、垂直系統によって関連する。また、遺伝子は、該遺伝子が共通祖先から、該一次配列類似性が同定できない程度まで進化したことを示すのに十分な量の三次元構造を共有するが、必ずしも配列類似性を共有しない場合、オルソログとみなすこともできる。オルソロガスである遺伝子は、約25%〜100%アミノ酸配列同一性の配列類似性を有するタンパク質をコードすることができる。また、25%未満のアミノ酸類似性を共有するタンパク質をコードする遺伝子は、該タンパク質の三次元構造も類似性を示す場合、垂直系統により生じたとみなすこともできる。組織プラスミノーゲン活性化因子及びエラスターゼを含むセリンプロテアーゼファミリー酵素のメンバーは、共通祖先から垂直系統により生じたものとみなされる。
オルソログには、例えば進化を通じて、構造又は全体的な活性において分岐した遺伝子又はエンコードされた遺伝子の遺伝子産物を含む。例えば、ある種が2つの機能を呈する遺伝子産物をコードし、かつこのような機能が第二の種において異なる遺伝子へと分離した場合、該3つの遺伝子及びそれらの相応する産物はオルソログであるとみなされる。生化学的産物の産生のために、当業者は、導入又は破壊されるべき代謝活性を有するオルソロガス遺伝子が非天然微生物の構築のために選択されるべきことを理解するであろう。単離可能な活性を呈するオルソログの例は、異なる活性が、2つ以上の種間の、又は単一種内の異なる遺伝子産物に分離される場合である。具体的な例は、エラスターゼタンパク質分解及びプラスミノーゲンタンパク質分解(2種類のセリンプロテアーゼ活性)の、異なった分子へのプラスミノーゲン活性化因子及びエラスターゼとしての分離である。第二の例は、マイコプラズマ5'-3'エキソヌクレアーゼ、及びショウジョウバエDNAポリメラーゼIII活性の分離である。第一の種由来のDNAポリメラーゼは、第二の種由来のエキソヌクレアーゼ又はポリメラーゼのいずれか又は両方に対するオルソログとみなすことができ、逆もまた真である。
対照的に、パラログは、例えば、複製とそれに続く進化的分岐に関連するホモログであり、類似の又は共通した、しかし同一ではない機能を有する。パラログは、例えば、同種から若しくは異種から生じ、又は由来し得る。例えば、ミクロソームのエポキシド加水分解酵素(エポキシド加水分解酵素I)及び可溶性エポキシド加水分解酵素(エポキシド加水分解酵素II)は、これらが、異なった反応を触媒し、該同種において異なる機能を有する共通祖先から共進化した2つの異なる酵素を表すので、パラログとみなすことができる。パラログは、相同であり、又は共通祖先からの共進化を通じて関連していることを示唆する、互いに有意な配列類似性を有する同種由来のタンパク質である。パラログタンパク質ファミリーの群には、HipAホモログ、ルシフェラーゼ遺伝子、ペプチダーゼ、及びその他を含む。
非オルソロガス遺伝子置換は、異なる種の基準遺伝子機能と置換することのできる1つの種からの非オルソロガス遺伝子である。置換には、例えば、異なる種の基準機能と比較して、起源の種において実質的に同じ又は類似の機能を果たすことのできるものを含む。一般に、非オルソロガス遺伝子置換は、該基準機能をコードする公知の遺伝子に構造的に関連するものとして同定することができるが、より構造的に関連が低いものの機能的に類似する遺伝子及び該遺伝子の相応する遺伝子産物は、それでもなお本明細書に使用される用語の意味の内に収まる。機能的類似性は、例えば、置換しようとする機能をコードする遺伝子と比較して、非オルソロガス遺伝子産物の活性部位又は結合領域において少なくとも若干の構造類似性を必要とする。それゆえ、非オルソロガス遺伝子には、例えば、パラログ又は関連のない遺伝子を含む。
それゆえ、シクロヘキサノン生合成能力を有する本発明の非天然微生物を同定及び構築することにおいて、当業者は、本明細書に提供される教示及びガイダンスを、代謝修飾の同定がオルソログの同定及び封入又は不活性化を含むことのできる特定の種に適用することで理解するであろう。パラログ及び/又は非オルソロガス遺伝子置換が、類似若しくは実質的に類似の代謝反応を触媒する酵素をコードする基準微生物に存在する程度まで、当業者はこれらの進化的に関連する遺伝子を利用することもできる。
オルソログ、パラログ及び非オルソロガス遺伝子置換は、当業者に周知の方法により決定することができる。例えば、2つのポリペプチドについての核酸配列又はアミノ酸配列の検査は、比較された配列間の配列同一性及び類似性を明らかにするであろう。このような類似性に基づいて、当業者は、該タンパク質が共通祖先から進化を介して関連することを示すために類似性が十分に高いかどうかを決定することができる。Align、BLAST、Clustal W、及びその他などの当業者に周知のアルゴリズムは、生の配列類似性又は同一性を比較及び決定し、さらに、重み又はスコアを割り当てることができる配列の間隙の存在又は有意性を決定する。このようなアルゴリズムも当業者に公知であり、ヌクレオチド配列の類似性又は同一性を決定するのに同様に適用できる。相関性を決定するのに十分な類似性についてのパラメータは、統計的類似性を算出するための周知の方法、又はランダムポリペプチドにおける類似の対(match)を見出す見込み、及び決定された対の有意性に基づいて算出される。2つ以上の配列に関するコンピュータ比較は、所望の場合、当業者によって視覚的に最適化されることもできる。関連する遺伝子産物又はタンパク質は、高い類似性、例えば、25%〜100%の配列同一性を有すると予測することができる。関連性のないタンパク質は、十分なサイズのデータベースが走査される(約5%)場合、偶然生じることが予測されるのと本質的に同じである同一性を有することができる。5%〜24%の配列は、該比較された配列が関連していると結論づけるのに十分な相同性を表すことができ、又は表すことができない。データセットのサイズを考慮してこのような対の有意性を決定するための追加的な統計的分析を実行して、これらの配列の関連性を決定することができる。
BLASTアルゴリズムを使用する2つ以上の配列の関連性を決定するための例示的なパラメータは、例えば、先に記載したものであることができる。簡潔にいうと、アミノ酸配列整列は、BLASTPバージョン2.0.8(1999年1月5日)及び以下のパラメータを使用して実施することができる:マトリックス: 0 BLOSUM62;間隙開口:11;間隙伸長:1;x_ドロップオフ:50;期待値:10.0;文字サイズ:3;フィルター:オン。核酸配列整列は、BLASTNバージョン2.0.6(1998年9月16日)及び以下のパラメータを使用して実施することができる:対:1;ミスマッチ:−2;間隙開口:5;間隙伸長:2;x_ドロップオフ:50;期待値:10.0;文字サイズ:11;フィルター:オフ。当業者は、どの修飾を上記パラメータに導入して、該比較の厳密性を増加又は減少させることができるか、例えば、2つ以上の配列の相関性を決定することができるかを知っているであろう。
本発明は、MEKを産生するのに十分な量で発現するMEK経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含むMEK経路を有する非天然微生物を提供する。MEK経路には、アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)から選択される酵素を含む。
特に、本発明の非天然微生物には、1セットのMEK経路酵素を含み、この中で、該セットの酵素は、MEKに至る経路を規定する。各セット内で、1つ以上の酵素は、外来的に導入することができる。MEK経路を完成させる例示的なセットの酵素には、以下を含む:
(1)アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(3)MEK酸化還元酵素;
(1)アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素;
(1)アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、並びに(7)グルタマート脱水素酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素;並びに
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素。
MEKに至る先の任意の経路は、各核酸がMEK経路酵素をコードするセットを完成させるのに必要とされる2、3、4、5、6、7の、すなわち最大ですべての核酸を含む1つ以上の外来性核酸の導入によって提供される必要な酵素機能を有することができる。MEKを産生する本発明の非天然微生物には、異種性核酸である少なくとも1つの外来性核酸を含むことができる。このような非天然微生物は、実質的に嫌気性の培地において培養することができる。
また、本発明は、2-ブタノールを産生するのに十分な量で発現する2-ブタノール経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む2-ブタノール経路を有する非天然微生物を提供する。2-ブタノール経路には、、アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、MEK還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)から選択される酵素を含む。
特に、本発明の非天然微生物には、1セットの2-ブタノール経路酵素を含み、この中で、該セットの酵素は、2-ブタノールに至る経路を規定する。各セット内で、1つ以上の酵素は、外来的に導入することができる。2-ブタノール経路を完成させる例示的なセットの酵素には、以下を含む:
(1)アセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(3)MEK酸化還元酵素、並びに(4)MEK還元酵素;
(1)アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素;
(1)アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドトランスアミナーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、(7)MEK還元酵素、並びに(8)グルタマート脱水素酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素;並びに
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素。
2-ブタノールに至る先の任意の経路は、各核酸が2-ブタノール経路酵素をコードするセットを完成させるのに必要とされる2、3、4、5、6、7、8の、すなわち最大ですべての核酸を含む1つ以上の外来性核酸の導入によって提供される必要な酵素機能を有することができる。加えて、2-ブタノールを産生する本発明の非天然微生物には、異種性核酸である少なくとも1つの外来性核酸を含むことができる。このような非天然微生物は、実質的に嫌気性の培地において培養することができる。
追加的な実施態様において、本発明は、MEK又は2-ブタノールの経路を有する非天然微生物を提供し、この中で、非天然微生物は、アセトアセチル‐CoAから3-オキソブタノールに、3-オキソブタノールからブテノンに、ブテノンからMEKに、及びMEKから2-ブタノールにからなる群から選択される基質から生成物に転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。あるいは、非天然微生物は、アセトアセチル‐CoAから3-オキソブチルアルデヒドに、アセトアセチル‐CoAから3-オキソブタノールに、3-オキソブチルアルデヒドから3-オキソブタノールに、3-オキソブタノールからブテノンに、ブテノンからMEKに、及びMEKから2-ブタノールからなる群から選択される基質から生成物に転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。したがって、本発明は、図1に示されるものなど、MEK又は2-ブタノールの経路の基質及び生成物を転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む非天然微生物を提供する。
追加的な実施態様において、本発明は、MEK又は2-ブタノールの経路を有する非天然微生物を提供し、この中で、非天然微生物は、アラニンからAKPに、AKPから2,4-ジオキソペンタノアートに、2,4-ジオキソペンタノアートから3-オキソブチルアルデヒドに、3-オキソブチルアルデヒドから3-オキソブタノールに、3-オキソブタノールからブテノンに、ブテノンからMEKに、及びMEKから2-ブタノールにからなる群から選択される基質から生成物に転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。あるいは、非天然微生物は、アラニンからAKPに、AKPからアセチルアクリラートに、アセチルアクリラートからブテノンに、ブテノンからMEKに、MEKから2-ブタノールにからなる群から選択される基質から生成物に転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。なおも別の代替案において、非天然微生物は、アラニンからAKPに、AKPから4-アミノブタン-2-オンに、4-アミノブタン-2-オンからブテノンに、ブテノンからMEKに、及びMEKから2-ブタノールにからなる群から選択される基質から生成物に転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。したがって、本発明は、図2に示されるものなど、MEK又は2-ブタノールの経路の基質及び生成物を転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む非天然微生物を提供する。
MEK又は2-ブタノールの経路を含む微生物として本明細書で一般的に説明されているが、本発明が、MEK又は2-ブタノールの経路の中間体を産生するのに十分な量で発現するMEK又は2-ブタノールの経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む非天然微生物を追加的に提供することは理解される。例えば、本明細書に開示されるように、MEK又は2-ブタノールの経路は、図1及び2に例示されている。それゆえ、MEK又は2-ブタノールを産生するMEK又は2-ブタノールの経路を含む微生物に加えて、本発明は、MEK又は2-ブタノールの経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む非天然微生物を追加的に提供し、ここで、微生物は、MEK又は2-ブタノール経路中間体、例えば、3-オキソブチルアルデヒド、3-オキソブタノール、4-アミノブタン-2-オン、ブタノン、アセチルアクリラート、又は2,4-ジオキソペンタノアートを産生する。
図1及び図2の経路を含む、実施例において説明され及び図において例示されるような、本明細書に開示される任意の経路を利用して、所望の通り任意の経路の中間体又は生成物を産生する非天然微生物を作出することができる。本明細書に開示されるように、中間体を産生するような微生物を、下流の経路酵素を発現する別の微生物と併用して、所望の生成物を産生することができる。しかしながら、MEK又は2-ブタノール経路中間体を産生する非天然微生物を利用して、該中間体を所望の生成物として産生することができることは理解される。
本発明は、一般的に代謝反応、反応物若しくはその産物に関して、又は基準代謝反応、反応物、若しくは産物と会合若しくは触媒する酵素を、又は会合するタンパク質をコードする1つ以上の核酸若しくは遺伝子に特に関して本明細書に説明される。本明細書で別段の明確な記載がない限り、当業者は、反応に対する引用はまた、反応の反応物及び産物に対する引用も構成することを理解するであろう。同様に、本明細書で別段の明確な記載がない限り、反応物又は産物に対する引用はまた、反応を引用し、これらの代謝構成体の任意に対する引用はまた、基準反応、反応物、又は産物を触媒する酵素又は包含されるタンパク質をコードする遺伝子(gene)又は遺伝子(genes)を引用する。同じく、代謝生化学、酵素学、及びゲノム科学の周知の分野を考慮すると、遺伝子又はコード核酸に対する本明細書での引用はまた、相応するコードした酵素、及び該酵素が触媒する反応、又は反応、並びに反応の反応物及び産物を会合するタンパク質に対する引用も構成する。
本発明は、MEK産生を触媒する酵素をコードする遺伝子を発現する非天然微生物に一部関する。本明細書に開示されるMEKの産生のための経路は、共通の中心代謝前駆体:(1)アセトアセチル‐CoA、並びに(ii)アラニン及びアセチル‐CoAに基づいている。これらの経路を成功裏に操作することには、十分な活性及び特異性を有する適切なセットの酵素を同定すること、それらの相応する遺伝子を産生宿主へとクローニングすること、産生宿主におけるこれらの遺伝子の発現を最適化すること、発酵条件を最適化すること、並びに発酵後の産生物形成についてアッセイすることを含む。
いくつかの実施態様において、MEK及び2-ブタノールに至る経路は、アセトアセチル‐CoAから進行する。他の実施態様において、MEK及び2-ブタノールに至る経路は、アラニン及びアセチル‐CoAを2-アミノ-4-オキソペンタノアート(AKP)に転換する酵素であるAKPチオラーゼを利用する。すべての経路は、酸化還元的に平衡であり、嫌気性条件下で利用されるグルコース1モルあたり1.00モルのMEKの最大理論的MEK収量を達成することができる。該経路は、最大理論的MEK収量で利用されるグルコース1モルあたり1.75モルのATPのエネルギー収量を有する。
MEKは、図1に示すような最小3つの酵素工程を有するいくつかの経路においてアセトアセチル‐CoAから生成することができる。第一の経路において、アセトアセチル‐CoAは、3-オキソブタノールに還元される。この還元は、二機能性CoA依存性アルデヒド/アルコール酸化還元酵素によって(工程A)、又はこれらの機能をコードする個別の酵素によって(工程B、工程C)触媒される。3-オキソブタノールは次に、脱水されてブテノンとなり(工程D)、次にブテノンを還元してMEKを形成する(工程E)。
アセトアセチル‐CoAからMEKを生成する代替経路は、4-アミノブタン-2-オンを通じて進行する。この経路において、アセトアセチル‐CoAはまず、CoA依存性酸化還元酵素であるアセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素によって3-オキソブチルアルデヒドに還元される(工程B)。次に、3-オキソブチルアルデヒドは、アミノトランスフェラーゼ又はアミノ化する酸化還元酵素によって4-アミノブタン-2-オンに転換される(工程F)。生成物4-アミノブタン-2-オンは、ブテノンに脱アミノされ(工程G)、次にブテノンを還元してMEKを形成する(工程E)。
図1に詳述される経路は、大腸菌において利用されるグルコース1モルあたり1.0モルのMEK収量(0.40g/g)を達成することができる。該経路のエネルギー収量は、最大MEK収量において利用されるグルコース1モルあたり1.75モルのATPである。生成物およびエネルギー収量の計算は、以下を仮定する:1)ピルベートフォルマート‐リアーゼ及び/又はピルビン酸脱水素酵素は機能的であり、2)グルタマート脱水素酵素は、宿主生物に存在しており、並びに3)MEKは、拡散性機序によって細胞を出る。
また、アセトアセチル‐CoAからMEK産生する生物を作出する先に説明した経路は、MEK還元酵素活性を有する酵素が存在する場合、2-ブタノールを産生するために適用することができる。2-ブタノール産生生物は、大腸菌において利用されるグルコース1モルあたり1モルの2-ブタノールの生成物収量(0.41g/g)を達成することができる。2-ブタノールが拡散によって細胞を出ると仮定すると、この経路は好ましいエネルギー特性を有し、1モル/モルの最大2-ブタノール収量で利用されるグルコース1モルあたり2モルのATPのATP収量を伴う。また、MEK収量を算出するのに用いられる過程がここで適用される。
アラニンからMEKへの転換は、図2に示すような最小4つの酵素工程を必要とするいくつかの経路によって達成することができる。これらの経路のすべての第一の工程において、アラニン及びアセチル‐CoAは、高度に選択的な酵素である2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼによって接合する。この反応の生成物である2-アミノ-4-オキソペンタノアート(AKP)は次に、図2に示すように、トランスアミノ化され、還元され、脱炭酸され、又は脱アミノされることができる。
1つの経路において、アミノトランスフェラーゼ又はアミノ化する酸化還元酵素(工程B)は、AKPをアルファ‐ケトグルタラートと構造上類似の2-ケト酸である2,4-ジオキソペンタノアートに転換する。次に、2,4-ジオキソペンタノアートは、2-ケト酸デカルボキシラーゼによって3-オキソブチルアルデヒドに転換される(工程C)。次に、3-オキソブチルアルデヒドは3-オキソブタノールに還元され(工程D)、3-オキソブタノールは次に脱水及び還元されて、MEKを形成する(工程E及び工程J)。代替的な経路において、AKPは、アセチルアクリラートに脱アミノされる(工程F)。アセチルアクリラートは、ブテノンに脱炭酸され(工程G)、それが次にMEK酸化還元酵素によってMEKに転換される(工程J)。なおも別の経路は、アミノ酸デカルボキシラーゼによるAKPの脱炭酸を必要とする(工程H)。次に、脱炭酸生成物である4-アミノブタン-2-オンをブテノンに脱アミノする(工程I)。脱アミノ生成物であるブテノンを次に、MEKに還元する(工程J)。
図2に詳述した経路は、大腸菌において嫌気性条件下で1.0モル/モル(0.40g/g)のMEK収量を達成することができる。該経路のエネルギー収量は、最大MEK収量で利用されるグルコース1モルあたり1.75モルのATPである。収量計算を大腸菌において実施し、宿主生物は以下を含むと仮定する:1)機能的ピルベートフォルマート‐リアーゼ及び/又はピルビン酸脱水素酵素、並びに2)共因子としてNADHを利用するグルタマート脱水素酵素、3)アラニンを生成する経路、並びに4)MEK生成物の拡散性輸送。
また、アラニンからMEKを産生する生物を作出するための先に説明した3つの経路は、MEK還元酵素活性を有する酵素が存在する場合に、2-ブタノールを産生するよう適用することができる。2-ブタノール産生生物は、大腸菌において利用されるグルコース1モルあたり1モルの2-ブタノールの生成物収量(0.41g/g)を達成することができる。2-ブタノールが受動拡散によって細胞を出ると仮定すると、この経路は、好ましいエネルギー特性を有し、1モル/モルの2-ブテノール収量で利用されるグルコース1モルあたり2モルのATPのATP収量を伴う。また、MEK収量を算出するために用いられる仮定がここに適用される。
図1及び図2に示す形質転換を実施する酵素を下記に説明する。いくつかの実施態様において、追加的な遺伝子は、MEK及び/又は2-ブタノール収量を改良することのできる酵素であるグルタマート脱水素酵素を提供する。
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、adhE、adhE2、mcr、Rcas_2929、NAP1_-02720、MGP2080_00535、及びFARから選択される遺伝子によってコードされるアセトアセチル‐CoA脱水素酵素(二機能性)を有する。
図1の工程Aのアセトアセチル‐CoAから3-オキソブタノールへの転換は、二機能性CoA依存性アルコール形成酸化還元酵素であるアセトアセチル‐CoA脱水素酵素によって触媒される。アシル‐CoAからアルコールに転換する例示的な2工程酸化還元酵素には、アセチル‐CoAからエタノールに(例えば、大腸菌由来のadhE(Kesslerらの文献(FEBS Lett. 281:59-63(1991))))、及びブチリル‐CoAからブタノールに(例えば、クロストリジウム・アセトブチリカム由来のadhE2(Fontaineらの文献(J. Bacteriol. 184:821-830(2002))))など、基質を転換するものを含む。アセチル‐CoAをエタノールに還元することに加えて、リゥコノストック・メゼンテロイデスにおけるadhEによってコードされる酵素は、分岐鎖化合物イソブチルアルデヒドをイソブチリル‐CoAに酸化することが示されている(Kazahayaらの文献(J. Gen. Appl. Microbiol. 18:3-55(1972));Kooらの文献(Biotechnol. Lett. 27:505-510(2005)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表1に示す。
Figure 2012529889
別の例示的な酵素は、マロニル‐CoAを3‐HPに転換することができる。この活性を有するNADPH依存性酵素は、3-ヒドロキシプロピオナート回路に参加するクロロフレクサス・アウランティアクス(aurantiacus)において特徴づけた。300kDaの質量を有するこの酵素は、高度に基質特異的であり、他の公知の酸化還元酵素との配列類似性をほとんど示さない(Hugler、上述)。他の生物が類似の経路を有する生物情報学を通じての徴候がある(Klattらの文献(Environ. Microbiol. 9:2067-2078(2007)))。ロゼイフレクサス・キャステンホルツィイ、エリスロバクター種NAP1、及び海生ガンマプロテオバクテリアHTCC2080を含む他の生物における酵素は、配列類似性によって推測することができる。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表2に示す。
Figure 2012529889
より長鎖のアシル‐CoA分子は、アルコール形成脂肪アシル‐CoA還元酵素(FAR)をコードするホホバ(シンモンドシア・キネンシス(Simmondsia chinensis))FAR(GenBank AAD38039.1)などの酵素によって還元することができる。大腸菌におけるその過剰発現は結果的に、FAR活性及び脂肪アルコールの蓄積を生じる(Metzらの文献(Plant Physiology 122:635-644(2000)))。
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、acr1、sucD、bphG、adhE、Msed_709、mcr、asd‐2、Saci_2370、Ald、及びeutEから選択される遺伝子によってコードされるアセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素を有する。
アセトアセチル‐CoAから3-オキソブチルアルデヒドへの還元は、CoA依存性アルデヒド脱水素酵素によって実施することができる。いくつかのアシル‐CoA脱水素酵素は、アシル‐CoAをその相応するアルデヒドに還元することができる。このような酵素をコードする例示的な遺伝子には、脂肪アシル‐CoA還元酵素をコードするアシネトバクター・カルコアセチカスacr1(Reiser及びSomervilleの文献(J. Bacteriology 179:2969-2975(1997)))、アシネトバクター種M‐1脂肪アシル‐CoA還元酵素(Ishigeらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 68:1192-1195(2002)))、並びにクロストリジウム・クルイベリにおけるsucD遺伝子によってコードされるCoA依存性及びNADP依存性スクシナートセミアルデヒド脱水素酵素(Sohling及びGottschalkの文献(J. Bacteriol. 178:871-880(1996)))を含む。ポルフィロモナス・ジンジバリスのsucDは、別のスクシナートセミアルデヒド脱水素酵素である(Takahashiらの文献(J. Bacteriol. 182:4704-4710(2000)))。bphGによってコードされるシュードモナス種におけるアシル化するアセトアルデヒド脱水素酵素は、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、及びホルムアルデヒドを酸化及びアシル化することが示されているように用いることのできるなおも別の酵素である(Powlowskiらの文献(J. Bacteriol. 175:377-385(1993)))。アセチル‐CoAをエタノールに還元することに加えて、リゥコノストック・メゼンテロイデスにおけるadhEによってコードされる酵素は、分岐鎖化合物イソブチルアルデヒドをイソブチリル‐CoAに酸化することが示されている(Kazahayaらの文献(J. Gen. Appl. Microbiol. 18:43-55(1972));Kooらの文献(Biotechnol. Lett. 27:505-510(2005)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表3に示す。
Figure 2012529889
アシル‐CoAをその相応するアルデヒドに転換する追加的な酵素は、マロニル‐CoAをマロン酸セミアルデヒドに転換するマロニル‐CoA還元酵素である。マロニル‐CoA還元酵素は、好熱酸性古細菌における3-ヒドロキシプロピオン酸回路を介した独立栄養性炭素固定における鍵酵素である(Bergらの文献(Science 318:1782-1786(2007));Thauer, R. K.の文献(Science 318:1732-1733(2007)))。該酵素は、NADPHを共因子として利用し、メタロスファエラ種及びスルホロブス種において特徴づけられている(Alberらの文献(J. Bacteriol. 188:8551-8559(2006));Huglerらの文献(J. Bacteriol. 184:2404-2410(2002)))。該酵素は、メタロスファエラ・セデュラにおけるMsed_0709によってコードされている(Alberらの文献(上述);Bergらの文献(Science 318:1782-1786(2007)))。スルホロブス・トコダイ(tokodaii)由来のマロニル‐CoA還元酵素をコードする遺伝子を大腸菌においてクローニング及び異種性に発現させた(Alberらの文献(上述))。また、この酵素は、メチルマロニル‐CoAからその相応するアルデヒドへの転換を触媒することが示されている(WO2007/141208)。これらの酵素のアルデヒド脱水素酵素官能性は、クロロフレクサス・アウランティアクス由来の二機能性脱水素酵素と類似しているが、配列類似性はほとんどない。両酵素マロニル‐CoA還元酵素は、アスパルチル-4-ホスファートからアスパラギン酸セミアルデヒドへの還元及び同時の脱リン酸化を触媒する酵素であるアスパラギン酸‐セミアルデヒド脱水素酵素と高い配列類似性を有する。追加的な遺伝子は、スルホロブス・ソルファタリカス及びスルホロブス・アシドカルダリウスを含む他の生物におけるタンパク質との配列相同性によって見出すことができ、下記に列挙されている。CoAアシル化アルデヒド脱水素酵素についてのなおも別の遺伝子は、クロストリジウム・ベイジェリンキイ由来のald遺伝子である(Tothらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 65:4973-4980(1999)))。この酵素は、アセチル‐CoA及びブチリル‐CoAをそれらの相応するアルデヒドに還元することが報告されている。この遺伝子は、ネズミチフス菌及び大腸菌のアセトアルデヒド脱水素酵素をコードするeutEと非常に類似している(Tothらの文献(上述))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表4に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、alrA、ADH2、yqhD、bdhI、bdhII、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidhから選択される遺伝子によってコードされる3-オキソブチルアルデヒド還元酵素を有する。
3-オキソブチルアルデヒドから3-オキソブタノールへの還元は、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素官能性を有する酵素によって達成することができる。アルデヒドからアルコールへの転換を触媒する酵素(すなわち、アルコール脱水素酵素又は等価のアルデヒド還元酵素)をコードする例示的な遺伝子には、C2-C14の鎖長に対する基質特異性を有する中鎖アルコール脱水素酵素をコードするalrA(Taniらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 66:5231-5235(2000)))、出芽酵母由来のADH2(Atsumiらの文献(Nature 451:86-89(2008)))、C3よりも長い分子に対して優先性を有する大腸菌由来のyqhD(Sulzenbacherらの文献(J. Mol. Biol. 342:489-502(2004)))、並びにブチルアルデヒドをブタノールに転換するクロストリジウム・アセトブチリカム由来のbdhI及びbdhII(Walterらの文献(J. Bacteriol. 174:7149-7158(1992)))を含む。yqhDの遺伝子産物は、アセトアルデヒド、マロンジアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びアクロレインの還元を、NADPHを共因子として用いて触媒する(Perezらの文献(J. Biol. Chem. 283:7346-7353(2008)))。ザイモモナス・モビリス由来のADH1は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びアクロレインを含むいくつかのアルデヒドに及ぼす活性を有することが示されている(Kinoshitaらの文献(Appl. Microbiol. Biotechnol. 22:249-254(1985)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表5に示す。
Figure 2012529889
また、4-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素活性を呈する酵素(EC1.1.1.61)は、このカテゴリーに収まる。このような酵素は、ラルストニア・ユートロファ(Bravoらの文献(J. Forensic Sci. 49:379-387(2004)))、クロストリジウム・クルイベリ(Wolff及びKenealyの文献(Protein Express. Purif. 6:206-212(1995)))、及びシロイヌナズナ(Breitkreuzらの文献(J. Biol. Chem. 278:41552-41556(2003)))において特徴づけられている。なおも別の遺伝子は、ゲオバチルス・サーモグルコシダシウス由来のアルコール脱水素酵素adhIである(Jeonらの文献(J. Biotechnol. 135:127-133(2008)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表6に示す。
Figure 2012529889
別の例示的な酵素は、3-ヒドロキシイソブチラートのメチルマロナートセミアルデヒドへの可逆的酸化を触媒する3-ヒドロキシイソブチラート脱水素酵素である。この酵素は、バリン、ロイシン、及びイソロイシンの分解に関与し、細菌、真核生物、及び哺乳類において同定されている。サーマス・サーモフィルスHB8由来のP84067によってコードされる酵素は、構造的に特徴づけられている(Lokanathらの文献(J. Mol. Biol. 352:905-917(2005)))。ヒト3-ヒドロキシイソブチラート脱水素酵素の可逆性は、同位体標識された基質を用いて示された(Manning及びPollittの文献(Biochem. J. 231:481-484(1985)))。この酵素をコードする追加的な遺伝子には、ヒト(Hawesらの文献(Methods Enzymol. 324:218-228(2000)))及びアナウサギ(Chowdhuryらの文献(Biosci. Biotechnol. Biochem. 60:2043-2047(1996));Hawesらの文献(上述))における3hidh、緑膿菌におけるmmsb、並びにプチダ菌におけるdhat(Aberhart及びHsuの文献(J. Chem. Soc. [Perkin 1]6:1404-1406(1979));Chowdhuryらの文献(Biosci, Biotechnol. Biochem. 67:438-441(2003));Chowdhuryの文献((1996)上述))を含む。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表7に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、hmd、BACCAP_02294、ANACOL_02527、NtherDRAFT_2368、dmdA、dmdB、fumA、fumB、fumC、fumH、fum1、MmcB、MmcC、aroD、aroQ、及びmhpDから選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる3-オキソブタノールデヒドラターゼを有する。
図1の工程Dにおいて、3-オキソブタノールは3-オキソブタノールデヒドラターゼによって脱水されて、ブテノンを形成する。いくつかの酵素は、水のアルファ、ベータ脱離を触媒することが公知である。例示的な酵素には、2-(ヒドロキシメチル)グルタラートデヒドラターゼ(EC4.2.1.‐)、フマラーゼ(EC4.2.1.2)、3‐デヒドロキナートデヒドラターゼ(EC4.2.1.10)、シクロヘキサノンヒドラターゼ(EC4.2.1.‐)、及び2-ケト-4-ペンテノアートデヒドラターゼ(EC4.2.1.80)を含む。
2-(ヒドロキシメチル)グルタラートデヒドラターゼは、2-(ヒドロキシメチル)グルタラートを2-メチレン-グルタラートに脱水する[4Fe-4S]含有酵素であり、ユウバクテリウム・バーケリ(旧クロストリジウム・バーケリ)におけるニコチン酸異化作用におけるその役割について研究されている(Alhapelらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103:12341-12346(2006)))。高い配列相同性を有する類似の酵素は、バクテロイデス・カピロスス、アネロトランカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、及びナトラネロビウス・サーモフィリウス(Natranaerobius thermophilius)において発見されている。これらの酵素は、[4Fe-4S]含有細菌セリンデヒドラターゼのアルファサブユニット及びベータサブユニットと相同である(例えば、tdcG、sdhB、及びsdaAによってコードされる大腸菌酵素)。ユウバクテリウム・バーケリにおける類似の官能性を有する酵素は、ジメチルマエアート(dimethylmaeate)を水和して、(2R,3S)-2,3-ジメチルマラートを形成するアコニターゼファミリーにおける可逆的Fe2+依存性及び酸素感受性酵素であるジメチルマレアートヒドラターゼである。この酵素は、dmdABによってコードされる(Alhapelらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103:12341-12346(2006));Kollmann‐Koch及びEggererの文献(Physiol Chem. 265:847‐857(1984)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表8に示す。
Figure 2012529889
フマラートヒドラターゼ(akaフマラーゼ)酵素は、フマラートからマラートへの可逆的水和を天然に触媒する。基質としての3-オキソブタノールと反応するフマラートヒドラターゼの能力は説明されていないが、構造情報はこの酵素について入手可能であり、該酵素は、活性、阻害、及び局在を変更させるよう成功裏に操作されたことがある(Weaver, T.の文献(Acta Crystallogr. D Biol. Crystallogr. 61:1395-1401(2005)))。大腸菌はm、増殖条件によって調節される3つのフマラーゼ:FumA、FumB、及びFumCを有する。FumBは、酸素感受性であり、嫌気性条件下でのみ活性がある。FumAは、微嫌気性条件下で活性があり、FumCは、好気性増殖における唯一の活性酵素である(Guestらの文献(J. Gen. Microbiol. 131:2971-2984(1985));Tsengらの文献(J. Bacteriol. 183:461-467(2001));Woodsらの文献(Biochim. Biophys. Acta 954:14-26(1988)))。追加的な酵素は、カンピロバクター・ジェジュニ(Smithらの文献(Int. J. Biochem. Cell Biol. 31:961-975(1999)))、サーマス・サーモフィルス(Mizobataらの文献(Arch. Biochem. Biphys. 355:49-55(1998)))、及びラット(Kobayashiらの文献(J. Biochem. 89:1923-1931(1981)))において見出されている。高い配列相同性を有する類似の酵素には、シロイヌナズナ由来のfum1、及びコリネバクテリウム・グルタミクム由来のfumCを含む。ペロトマクルム・サーモプロピオニカム由来のMmcBCフマラーゼは、2つのサブユニットを有する別のクラスのフマラーゼである(Shimoyamaらの文献(FEMS Microbiol. Lett. 270:207-213(2007)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表9に示す。
Figure 2012529889
ベータ-ヒドロキシケトンを脱水することのできる別の酵素は、デヒドロキナーゼとしても公知の3-デヒドロキナートデヒドラターゼである。この酵素は、3-デヒドロキナートを可逆的に脱水して3-デヒドロ-シキマートを形成する(図3、転換A)。I型及びII型の2つの異なる種類のデヒドロキナーゼは、同一の反応を触媒するが、アミノ酸組成、構造、及び触媒機序において異なる(Gourleyらの文献(Nat Struct. Biol. 6:521-525(1999));Kleanthousらの文献(Biochem. J. 282(パート3):687-695(1992)))。高解像度構造データは、チフス菌由来のI型酵素について(Gourleyらの文献(上述))並びに結核菌(Gourleyらの文献(上述))及びストレプトミセス・セリカラー(Roszakらの文献(Structure 10:493-503(2002)))由来のII型酵素について入手可能である。また、デヒドロキナーゼは、ヘリコバクター(Heliobacter)・ピロリ(Bottomleyの文献(Biochem. J 319:(パート2):559-565(1996)))、チフス菌、及び大腸菌(Chaudhuriらの文献(Biochem. J 275:(パート1))1-6(1991)))においてクローニング、精製、及び特徴づけられている。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表10に示す。
Figure 2012529889
アリサイクリフィルス・デニトリフィカンスK601の細胞抽出物において特徴づけられている2-シクロヘキセノンヒドラターゼ(Dangelらの文献(Arch. Microbiol. 152:271-279(1989)))は、3-ヒドロキシシクロヘキサノンから2-シクロヘキセノンへの脱水を触媒する。
最後に、3-オキソブチルアルデヒドは、2-オキソペンテノアートヒドラターゼ(EC4.2.1.80)の未変性の基質と類似している。この酵素は、2-ケト-4-ペンテノアートから2-ヒドロキシペンタ-2,4-ジエノアートへの脱水を触媒する。大腸菌及びバークホルデリア・キセノボランス(Burkholderia xenovorans)の2-ヒドロキシペンタジエノアートヒドラターゼを精製及び特徴づけた(Pollard及びBuggの文献(Eur. J. Biochem. 251:98-106(1998));Wang及びSeahの文献(FEBS J. 272:966-974(2005)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表11に示す。
Figure 2012529889
追加的な酵素は、2-メチルマラートデヒドラターゼであり、シトラマラートヒドロラーゼとも呼ばれ、シトラマラートからの水のアルファ、ベータ脱離を触媒してメサコナートを形成する可逆的ヒドロラーゼである。この酵素は、破傷風様菌において精製及び特徴づけられている(Wang及びBarkerの文献(J. Biol. Chem. 244:2516-2526(1969)))。また、この酵素の活性は、グルタマート分解VI経路の脈絡で、シトロバクター属及びモルガネラ属におけるいくつかの細菌において検出されている(Kato及びAsanoの文献(Arch. Microbiol. 168:457-483(1997)))。
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、NtRed1、YML131W、AtDBR1、P2、PulR、PtPPDBR、ALH1、enr、fadH、clcE、tfdFII、及びmacAから選択される遺伝子によってコードされるMEK酸化還元酵素を有する。
ブテノン(2-オキソブテンとしても公知)からMEKへの還元は、NAD(P)依存性エノン還元酵素であるMEK酸化還元酵素によって触媒される。エノン還元酵素活性を有する酵素は、原核生物、真核生物、及び植物において同定されている(Shimodaらの文献(Bull. Chem. Soc. Jap. 77:2269-2272(2004));Wanner及びTresslの文献(Eur. J. Biochem. 255:271-278(1998)))。出芽酵母の細胞質画分由来の2つのエノン還元酵素が精製及び特徴づけられ、2-オキソブテンを基質として受容してMEKを形成することが発見された(Wanner及びTresslの文献(上述))。シアノバクテリアシネココッカスPCC7942種の細胞抽出物は、2-オキソブテンを含む種々の環状及び非環状エノン基質をそれらの相応するアルキルケトンに還元した。(Shimodaらの文献(上述))。また、他の生物におけるエノン還元酵素は、この転換を触媒することができる。
NtRed1によってコードされる、タバコ由来の組換えNADPH依存性エノン還元酵素は、大腸菌において機能的に発現し及び特徴づけられた(Matsushimaらの文献(Bioorg. Chem. 36:23-28(2008)))。この還元酵素は、環外エノイルケトンプレゴンに関して機能的である(Matsushimaらの文献(上述))が、基質としての2-オキソブテンに関しては試験されていなかった。遺伝子座YML131Wでの出芽酵母における酵素は、NtRed1と30%同一性を有する(e値=1e-26)。NtRed1のアミノ酸配列は、シロイヌナズナ由来の2-アルケナール還元酵素、シロイヌナズナ由来のゼータ-クリスタリンホモログ、セイヨウハッカ(Menthe piperita)由来のプレゴン還元酵素、及びタエダマツ由来のフェニルプロペナールアルケン還元酵素と有意な相同性を共有する。これらの酵素は、α,β-不飽和ケトン又はアルデヒドのアルケンの還元を触媒することが公知である。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表12に示す。
Figure 2012529889
2-アルケナール還元酵素は、アルデヒド及びケトンのα,β-不飽和二重結合の還元を触媒する。オオムギ(barley)アルケナールヒドロゲナーゼALH1は、1-オクテン-3-オンを含む広範な範囲の基質についての活性を用いて同定された(2-オキソブテンは、1-ブテン-3-オンである。)(Hambraeus及びNybergの文献(J. Agric. Food Chem. 53:8714-8721(2005)))。オオムギ(Hordeum vulgare)ALH1 cDNAは、大腸菌においてクローニング及び発現した(Hambraeus及びNybergの文献(上述))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表13に示す。
Figure 2012529889
また、2-エノアート還元酵素活性を有する酵素(EC1.3.1.31)はこの転換を触媒することができる。2-エノアート還元酵素は、広範な種々のα,β-不飽和カルボン酸及びアルデヒドのNADH依存性還元を触媒することが公知である(Rohdichらの文献(J. Biol. Chenm. 276:5779-5787(2001)))。クロストリジウム・チロブチリクム及びクロストリジウム・サーモアセチクム(thermoaceticum)(現在名ムーレラ・サーモアセチクム)によってコードされる酵素は、標的転換と同様に、2-ブテノアートからブタノアートへの還元を触媒する(Geisel及びSimonの文献(Arch. Microbiol. 135:51-57(1983));Rohdichらの文献(上述);Verhaertらの文献(Eur. J. Biochem. 187:73-79(1990)))。クロストリジウム・クルイベリの近年公表されたゲノム配列において、エノアート還元酵素についての9のコード配列が報告されており、そのうち1つが特徴づけられている(Seedorfらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105:2128-2133(2008)))。クロストリジウム・チロブチリクム及びムーレラ・サーモアセチクムの両方に由来するenr遺伝子は、クローニング及び配列決定されており、互いに59%同一性を示す。また、前者の遺伝子は、クロストリジウム・クルイベリにおける特徴づけられた遺伝子とおよそ75%の類似性を有することが見出されている(Geisel及びSimonの文献(上述))。Enrが、大腸菌におけるジエノイルCoA還元酵素(fadH)と非常に類似していることは、これらの配列結果に基づいて報告されている(Rohdichらの文献(上述))。また、クロストリジウム・サーモアセチクムenr遺伝子は、大腸菌において触媒活性のある形態で発現する(Rohdichらの文献(上述))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表14に示す。
Figure 2012529889
3-オキソアジパート酸化還元酵素(マレイルアセタート還元酵素)は、2-マレイルアセタート(4-オキソヘキサ-2-エンジオアート)から3-オキソアジパートへの還元を触媒する。該反応は、2つの末端カルボキシル基の付加を伴う標的転換に非常に類似している。該酵素活性は、シュードモナス種B13株において同定及び特徴づけられ(Kaschabek及びReinekeの文献(J. Bacteriol. 177:320-325(1995));Kaschabek及びReinekeの文献(J. Bacteriol. 175:6075-6081(1993)))、コード遺伝子がクローニング及び配列決定された(Kasbergらの文献(J. Bacteriol. 179:3801-3803(1997)))。3-オキソアジパート酸化還元酵素についての遺伝子には、シュードモナス種B13株由来のclcE(Kasbergらの文献(上述))、ロドコッカス・オパカス由来のmacA遺伝子(Seibertらの文献(J. Bacteriol. 180:3503-3508(1998)))、カプリアビダス・ネカトール(ラルストニア・ユートロファ335Tとしても公知)由来のmacA遺伝子(Seibertらの文献(Microbiology, 150:463-472(2004)))、及びラルストニア・ユートロファJMP134由来のtfdFII(Seibertらの文献(J. Bacteriol, 180:6745-6754(1993)))を含む。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表15に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、SkyPYD4、SkUGA1、UGA1、Abat、Gta‐1、gabT、及びpuuEから選択される遺伝子によってコードされる3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼを有する。
図1の工程Fにおいて、4-アミノブタン-2-オンをアミノ基転移して、3-オキソブチルアルデヒドを形成する。この転換は、ベータ-アミノトランスフェラーゼ又は末端アミンに対して優先性を有するアミノトランスフェラーゼによって触媒することができる。この反応を実施することのできる酵素には、ベータ-アラニン/アルファ-ケトグルタラートアミノトランスフェラーゼ、3-アミノ-2-メチルプロピオナートトランスアミナーゼ、及びGABAアミノトランスフェラーゼを含む。ベータ-アラニンからマロニル-セミアルデヒドを介して3-HPを生成するためのベータ-アラニン/アルファ-ケトグルタラートアミノトランスフェラーゼが説明されている(Jessenらの文献(WO/2008/027742))。また、サッカロミセス・クルイベリにおけるSkPYD4の遺伝子産物は、アミノ基供与体としてベータ-アラニンを優先的に使用することが示された(Andersen及びHansenの文献(Gene 124:105-109(1993)))。SkUGA1は、出芽酵母GABAアミノトランスフェラーゼのホモログであるUGA1をコードする(Ramosらの文献(Eur. J. Biochem. 149:401-404(1985)))のに対し、SkPYD4は、β-アラニン及びGABAアミノ基転移の両方に関与する酵素をコードする(Andersen及びHansenの文献(上述))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表16に示す。
Figure 2012529889
3-アミノ-2-メチルプロピオナートトランスアミナーゼは、メチルマロナートセミアルデヒドから3-アミノ-2-メチルプロピオナートへの転換を触媒する。該酵素は、ラット及びイノシシにおいて特徴づけられており、Abatによってコードされ(Kakimotoらの文献(Biochim. Biophys. Acta 156:374-380(1968));Tamakiらの文献(Methods Enzymol. 324:376-389(2000)))、この中で、ベータ-アラニン、4-アミノブタノアート、及び3-アミノブタノアートを含む代替基質をアミノ基転移することが示されている。ラット3-アミノ-2-メチルプロピオナートトランスアミナーゼに対する高い配列相同性を有する他の生物における酵素には、線虫におけるGta‐1及び枯草菌におけるgabTを含む。加えて、遺伝子gabTによってコードされる大腸菌における未変性4-アミノブチラート(GABA)アミノトランスフェラーゼのうちの1つは、広範な基質特異性を有することが示されている(Liuらの文献(Biochemistry 43:10896-10905(2004));Schulzeらの文献(Appl, Environ Microbiol. 56:1-6(1990)))。puuEの遺伝子産物は、大腸菌における他の4-アミノブチラートトランスアミナーゼを触媒する(Kuriharaらの文献(J. Biol. Chem. 280:4602-2608(2005)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表17に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、aspA及びansBから選択される遺伝子によってコードされる4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼを有する。
ブテノンを形成するために脱アミノされる4-アミノブタン-2-オンの脱アミノ化は、アスパルターゼによるアスパルタートからフマラートへの脱アミノ化と類似している。該酵素は研究されており、いくつかの結晶構造が入手可能である。大腸菌酵素は、アスパルタートフェニルメチルエステル、アスパラギン、ベンジル-アスパルタート、及びマラートなどの代替基質と反応することが示されている(Maらの文献(Ann N.Y. Acad Sci. 672:60-65(1992)))。定向進化は、この酵素に関して実施され、基質特異性を変更させる(Asanoらの文献(Biomol. Eng. 22:95-1001(2005)))。また、アスパルターゼ官能性を有する酵素は、インフルエンザ菌(Sjostromらの文献(Biochim. Biophys. Acta 1324:182-190(1997)))、蛍光菌(Takagiらの文献(J. Biochem. 96:545-552(1984)))、枯草菌(Sjostromらの文献(上述))、及び霊菌(Takagi及びKisumiの文献(J. Bacteriol. 161:1-6(1985)))において特徴づけられている。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表18に示す。
Figure 2012529889
類似の反応は、メサコナートを介したグルタマート発酵経路に関与する酵素であるメチルアスパルターゼ(EC4.3.1.2)によって触媒される(Katoらの文献(Arch. Microbiol. 168:457-463(1997)))。
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、ortA、ortB、Amet_2368、Amet_2369、Teth512_1478、Teth514_1479、TTE1235、及びthrCから選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼを有する。
AKPチオラーゼ(AKPT)は、クロストリジウム・スティックランディにおけるオルニチン分解に関与するピリドキサルホスファート依存性酵素である(Jengらの文献(Biochemistry 13:2898-2903(1974));Kenkliesらの文献(Microbiology 145 パート4):819-826(1999)))。AKPTのアルファサブユニット及びベータサブユニット(or‐2(ortA)及びor‐3(ortB))をコードする遺伝子クラスターが近年説明され、該酵素の生化学的特性が特徴づけられた(Fonknechtenらの文献(J. Bacteriol. 191:3162-3167(2009)))。該酵素は、両反応において作動することができ、アラニンのD-異性体と反応する。酵素操作又は定向進化は、該酵素が、一次基質に関して追加的な経路多用途性を提供する基質としてのL-アラニンとともに機能できるようにし得る。クロストリジウム・スティックランディ由来のAKPTは特徴づけられているが、そのタンパク質配列はまだ公表されていない。高い配列相同性を有する酵素は、クロストリジウム・ディフィシル、アルカリフィルス・メタリレディゲンス(Alkaliphilus metalliredigenes)QYF、サーモアナエロバクターX514種、及びサーモアナエロバクター・テングコンゲンシス(tengcongensis)MB4において見出される(Fonknechtenらの文献(上述))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表19に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、aspC、AAT2、ASP5、Got2、avtA、serC、及びdatから選択される遺伝子によってコードされるAKPアミノトランスフェラーゼを有する。
2-アミノ-4-オキソペンタノアート(AKP)から2,4-ジオオキソペンタノアートへの転換は、アミノトランスフェラーゼファミリーの酵素によって達成される。この転換についての適切なアミノトランスフェラーゼの選択は、基質の立体化学に依存し得る。基質がD-立体配置にある場合、D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.21)を利用することができるのに対し、L-立体異性体は、アスパルタートアミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.1)などのL-アミノトランスフェラーゼを用いる。
アスパルタートアミノトランスフェラーゼは、アスパルタートからアルファ-ケトグルタラートにアミノ基を転移し、グルタマートとオキサロアセタートを形成する。アスパルタートは、2-アミノ-4-オキソペンタノアートと構造が類似している。この転換は、例えば、大腸菌由来のaspC(Yagiらの文献(FEBS Lett. 100:81-84(1979));Yagiらの文献(Methods Enzymol. 113:83-89(1985)))、出芽酵母由来のAAT2(Yagiらの文献(J. Biochem. 92:34-43(1982)))、及びシロイヌナズナ由来のASP5(de la Torreeらの文献(Plant J. 46:414-425(2006));Kwok及びHansonの文献(J. Exp. Bot. 55:595-604(2004));Wilkie及びWarrenの文献(Protein Expr. Purif. 12:381-389(1998)))の遺伝子産物によって触媒される。ラット由来の酵素は、2-アミノヘキサン二酸及び2,4-ジアミノ酪酸などの代替基質をアミノ基転移することが示されている(Racasensらの文献(Biochemistry 19:4583-4589(1980)))。また、他のアミノ酸様基質に作用するアミノトランスフェラーゼは、この転換を触媒することができる。バリンアミノトランスフェラーゼは、バリン及びピルベートから2-ケトイソバレラート及びアラニンへの転換を触媒する。大腸菌遺伝子avtAは、このような酵素の1つをコードする(Whalen及びBergの文献(J. Bacteriol. 150:739-746(1982))。また、この遺伝子産物は、α-ケトブチラートのアミノ化を触媒して、α-アミノブチラートを生じる(Whalen及びBergの文献(J. Bacteriol. 158:571-574(1984)))。大腸菌serCの遺伝子産物は、2つの反応、すなわちホスホセリンアミノトランスフェラーゼ及びホスホヒドロキシトレオニンアミノトランスフェラーゼを触媒し(Lam及びWinklerの文献(J. Bacteriol. 172:6518-6528(1990)))、非リン酸化基質に及ぼす活性は検出することができなかった(Drewkeらの文献(FEBS Lett. 390:179-182(1996)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表20に示す。
Figure 2012529889
基質がD-立体異性体に存在する場合、アミノ基転移は、D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ及びD-アラニンアミノトランスフェラーゼ(DAAT)としても公知のD-アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.21)によって触媒することができる。このクラスの酵素は、種特異的であるその広範な基質特異性について特筆される。datによってコードされるバチルス属YM‐1種由来のD-アミノトランスフェラーぜは、クローニング、配列決定されており(Tanizawaらの文献(J. Biol. Chem. 264:2450-2454(1989)))、結晶構造が解析されている(Piesachらの文献(Biochemistry 37:4958-4967(1998)))。また、この酵素を操作して、基質特異性を変更させている(Gutierrezらの文献(Eur. J. Biochem. 267:7218-7223(2000));Gutierrezらの文献(Protein Eng. 11:53-58(1998)))。追加的な遺伝子は、バチルス・リケニフォルミスATCC 10716(Taylor及びFotheringhamの文献(Biochim. Biophys. Acta 1350:38-40(1989)))、スタフィロコッカス・ヘモリチカス(Pucciらの文献(J. Bacteriol. 177:336-342(1995)))、及び枯草菌(Martinez‐Carrion及びJenkinsの文献(J. Biol. Chem. 240:3538-3546(1965)))において見出される。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表21に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、ilvB‐1、kgd、及びkdcAから選択される遺伝子によってコードされる2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼを有する。
図2の工程Cにおいて、2,4-ジオキソペンタノアートは脱炭酸されて、3-オキソブチルアルデヒドを形成する。2,4-ジオキソペンタノアートは、ピルベートデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.1)及びベンゾイルホルマートデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.7)の未変性基質と類似している。ケト酸デカルボキシラーゼとも呼ばれるピルベートデカルボキシラーゼ(PDC)は、アルコール発酵において用いられる酵素であり、ピルベートからアセトアルデヒドへの脱炭酸を触媒する。出芽酵母由来の該酵素は、2-ケトブチラート、2-ケトバレラート、3-ヒドロキシピルベート、及び2-フェニルピルベートを含む脂肪族2-ケト酸について広範な基質範囲を有する(Li及びJordanの文献(Biochemistry 38:10004-10012(1999)))。この酵素は、活性を変更させるために操作され、大腸菌において機能的に発現する(Killenberg‐Jabsらの文献(Eur. J. Biochem. 268:1698-1704(2001));Li及びJordanの文献(上述);ter Schureらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 64:1301-1307(1998)))。また、pdcによってコードされるザイモモナス・モビルス(Zymomonas mobilus)由来のPDCは、広範な基質範囲を有し、異なる基質に対する親和性を変更させるよう操作されている(Siegertらの文献(Protein Eng. Des Sel 18:345-357(2005)))。この酵素の結晶構造は入手可能である(Killenberg‐Jabsらの文献(上述))。他の十分に特徴づけられたPDC酵素には、アセトバクター・パストリアンス(pasteurians)(Chandraらの文献(Arch. Microbiol. 176:443-451(2001)))及びクルイベロミセス・ラクチス(Kriegerらの文献(Eur. J. Biochem. 269:3256-3263(2002)))由来のものを含む。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表22に示す。
Figure 2012529889
PDCのように、ベンゾイルホルマートデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.7)は、広範な基質範囲を有し、操作されている。プチダ菌由来の該酵素は研究されており、この酵素の結晶構造は入手可能である(Hassonらの文献(Biochemistry 37:9918-9930(1998));Polovnikovaらの文献(Biochemistry 42:1820-1830(2003)))。プチダ菌酵素の活性部位における2つの残基の位置指定突然変異誘発は、天然及び非天然の基質の親和性(Km)を変更させた(Sigertらの文献(上述))。この酵素の特性は、定方向の操作によってさらに修飾されている(Lingenらの文献(Protein Eng 15:585-593(2002));Lingenらの文献(Chembiochem. 4:721-726(2003)))。また、mdlCによってコードされる緑膿菌は、実験的に特徴づけられている(Barrowmanらの文献(FEMS Microbiology Lett. 34:57-60(1986)))。シュードモナス・スタッツェリ、蛍光菌、及び他の生物に由来する追加的な遺伝子は、配列相同性によって、又はプチダ菌において発達した増殖選択系を用いて同定することができる(Henningらの文献(Appl. Environ. Microbiol 72:7510-7517(2006)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表23に示す。
Figure 2012529889
2-オキソ酸を脱炭酸することのできる別の酵素は、アルファ-ケトグルタラートデカルボキシラーゼ(KGD)である。結核菌由来のKDC(Tianらの文献(Proc. Natl Acad. Sci USA 102:10670-10675(2005)))は、クローニング及び特徴づけられている。KDC酵素活性は、ブラディリゾビウム・ジャポニクム及びメソリゾビウム・ロティを含むいくつかの種の根粒菌において検出されている(Greenらの文献(J. Bacteriol. 182:2838-2844(2000)))。KDCコード遺伝子(複数可)は、これらの生物において単離されていないが、ゲノム配列は入手可能であり、各ゲノムにおけるいくつかの遺伝子は、推定KDCとして注解されている。また、ユーグレナ・グラシリス由来のKDCが特徴づけられている(Shigeoka及びNakanoの文献(Arch. Biochem. Biophys. 288:33-38(1991)))。N末端から開始する最初の20のアミノ酸を、MTYKAPVKDVKFLLDKVFKV(配列番号1)と配列決定した(Shigeoka及びNakanoの文献(上述))。該遺伝子は、KDC活性についてこのN末端配列を含む遺伝子を試験することによって同定することができる。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表24に示す。
Figure 2012529889
この工程を触媒するためのなおも別の酵素は、分岐鎖アルファ-ケト酸デカルボキシラーゼ(BCKA)である。このクラスの酵素は、3〜6の炭素鎖長で変動する種々の化合物に作用することが示されている(Oku及びKanedaの文献(J. Biol. Chem. 263:18386-18396(1988));Smitらの文献(Appl Environ. Microbiol 71:303-311(2005)))。乳酸連鎖球菌における酵素(kdcA、AAS49166.1)は、2-オキソブタノアート、2-オキソヘキサノアート、2-オキソペンタノアート、3-メチル-2-オキソブタノアート、4-メチル-2-オキソブタノアート、及びイソカプロアートを含む種々の分岐鎖及び直鎖基質に関して特徴づけられている(Smitらの文献(上述))。該酵素は、構造的に特徴づけられている(Bertholdらの文献(Acta Crystallogr. D Biol Crystallagr. 63:1217-1224(2007)))。乳酸連鎖球菌酵素とザイモモナス・モビルスのピルベートデカルボキシラーゼとの間の配列整列は、触媒残基及び基質認識残基がほぼ同一であることを示しており(Seigertらの文献(Protein Eng Des Sel 18:345-357(2005)))、それによりこの酵素は、定方向の操作に用いることができる。BCKAによるアルファ-ケトグルタラートの脱炭酸は、枯草菌において検出された;しかしながら、この活性は、他の分岐鎖基質に及ぼす活性と比較して低かった(5%)(Oku及びKanedaの文献(上述))。追加的なBCKA遺伝子は、乳酸連鎖球菌タンパク質配列との相同性によって同定することができる。この酵素に対する高いスコアのBLASTpの的中物(hit)の多くは、インドールピルベートデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.74)として注解されている。インドールピルベートデカルボキシラーゼ(IPDA)は、植物及び植物性細菌におけるインドールピルベートからインドールアセトアルデヒドへの脱炭酸を触媒する酵素である。
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、aspA及びansBから選択される遺伝子によってコードされるAKPデアミナーゼを有する。この経路の工程2において、2-アミノ-4-ケトペンタノアートは脱アミノされて、アセチルアクリラートを形成する。類似の転換であるアスパルタートからフマラートへの脱アミノ化は、アスパルターゼによって触媒される。この酵素についての遺伝子は、先に説明されており、表18に列挙されている。
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、CAD、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B5691、Reut_B5692、pad1、pdc、pofK、padC、及びpadから選択される遺伝子によってコードされるアセチルアクリラートデカルボキシラーゼを有する。
工程3において、アセチルアクリラートは、2-オキソブテン(ブテノン)に脱炭酸される。類似の反応は、図4に示されるように、酵素アコニタートデカルボキシラーゼ、4-オキサロクロトナートデカルボキシラーゼ、及びシンナマートデカルボキシラーゼによって触媒される。
アコニタートデカルボキシラーゼは、カンジダ属の株において、及びまた繊維状真菌アスペルギルス・テレウスにおいて、インタコナート生合成における最終的な工程を触媒する(Bonnarmeらの文献(J. Bacteriol. 177:3573-3578(1995));Willke及びVorlopの文献(App. Microbiol. Biotechnol. 56:289-295(2001)))。シス-アコニタートデカルボキシラーゼ(CAD)(ATEG_09971、EC4.1.1.16)が同定されており、アスペルギルス・テレウス及び他の関連真菌において広範に研究されている。近年、該遺伝子がクローニングされ及び機能的に特徴づけられている(Kanamasaらの文献(Appl. Microbiol. Biotechnol. 80:223-229(2008))及びPCT/NL2008/050499)。
4-オキサロクロナートデカルボキシラーゼは、数多くの生物から単離されており、特徴づけられている。この酵素をコードする遺伝子には、シュードモナス種(600株)におけるdmpH及びdmpE(Shinglerらの文献(J. Bacteriol. 174:711-724(1992)))、プチダ菌由来のxylII及びxylIII(Kato及びAsanoの文献(Arch. Microbiol. 168:457-463(1997));Lian及びWhitmanの文献(J. Am. Chem. Soc. 116:10403-10411(1994));Stanleyらの文献(Biochemistry 39:3514(2000)))、並びにラルストニア・ユートロファJMP134由来のReut_B5691及びReut_B5692(Hughesらの文献(J. Bacteriol. 158:79-83(1984)))を含む。シュードモナス種(600株)由来の酵素をコードする遺伝子は、大腸菌においてクローニング及び発現している(Shinglerらの文献(上述))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表25に示す。
Figure 2012529889
シンナマート(フェニルアクリラート)及び置換シンナマート誘導体から相応するスチレン誘導体への転換を触媒する追加的なクラスのデカルボキシラーゼが特徴づけられている。これらの酵素は通常、種々の生物に存在し、大腸菌においてクローニング及び発現したこれらの酵素をコードする特異的な遺伝子は、出芽酵母由来のpad1(Clausenらの文献(Gene 142:107-112(1994)))、ラクトバチルス・プランタルム由来のpdc(Barthelmebsらの文献(Appl. Environ Microbio. 67:1063-1069(2001));Qiらの文献(Metab. Eng. 9:268-276(2007));Rodriguezらの文献(J. Agric. Food Chem. 56:3068-3072(2008)))、クレブシエラ・オキシトカ(Hashimotoらの文献(J. Biochem. 106:76-80(1989));Uchiyamaらの文献(Biosci Biotechnol. Biochem. 72:116-123(2008)))、ペディオコッカス(Pedicoccus)・ペントサセウス(Barthelmebsらの文献(上述))由来のpofK(pad)、並びに枯草菌及びバチルス・プミルス由来のpadC(Cavinらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 64:1466-1471(1998)))である。また、蛍光菌由来のフェルラ酸デカルボキシラーゼが精製及び特徴づけられている(Huangらの文献(J. Bacteriol. 176:5912-5918(1994)))。重要なことに、このクラスの酵素は、安定していることが示されており、外来性の又は内部に結合したいずれかの共因子を必要とせず、したがって、これらの酵素が生体内変化に有用なものとなっている(Sariaslani, F.S., Annu. Rev. Microbiol. 61:51-69(2007))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表26に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、lysA、Odc1、及びpanDから選択される遺伝子によってコードされるAKPデカルボキシラーゼを有する。
図の工程Hにおいて、2-アミノ-4-ケトペンタノアートは脱炭酸されて、4-アミノブタン-2-オンを形成する。この転換は、アミノ酸デカルボキシラーゼによって触媒される。適切なデカルボキシラーゼの選択は、4-アミノ-4-オキソペンタノアートの立体化学的立体配置に依存する。この化合物がD-立体配置にある場合、D-アミノ酸デカルボキシラーゼを利用することができる。1つのこのようなD-アミノ酸デカルボキシラーゼは、ジアミノピメラートデカルボキシラーゼ(DDC、EC4.1.1.20)である。この酵素は、リシン生合成の最終工程:メソ-ジアミノピメラートのD-立体中心の脱炭酸を触媒する。DDCは、大腸菌(Momanyらの文献(Acta Crystallogr. D Biol. Crystallogr. 58:549-552(2002)))、結核菌(Andersen及びHansenらの文献(Gene 124:105-109(1993));Gokulanらの文献(J. Biol. Chem. 278:18588-18596(2003));Kefalaらの文献(Acta Crystallogr. Sect. F. Struct. Biol. Cryst. Commun. 61:782-784(2005)))、メチロフィルス・メチロトロファス(Tsujimotoらの文献(J. Biotechnol. 124:327-337(2006)))、及びヘリコバクター・ピロリ(Huらの文献(J. Biol. Chem. 283:21284-21293(2008)))を含む多くの生物において研究されている。あるいは、オルニチンのD-異性体に及ぼす弱い活性を有するヒト由来のオルニチンデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.17)(Fitzgerald及びFlanaganの文献(DNA 8:623-634(1989));Quらの文献(Biochem. J. 375:465-470(2003)))は、工程Hにおける脱炭酸に好適であり得る。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表27に示す。
Figure 2012529889
2-アミノ-4-ケトペンタノアートがL-立体化学を呈する場合、この転換についての例示的な酵素は、アスパルタートデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.11)である。2-アミノ-4-ケトペンタノアートは、この酵素の未変性基質であるアスパルタートとの構造的類似性を有する(図2)。アスパルタートデカルボキシラーゼは、パントテナート生合成に関与し、大腸菌における遺伝子panDによってコードされている(Duschらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 65:1530-1539(1999));Merkel及びNicholsの文献(FEMS Microbiol. Lett. 143:247-252(1996));Ramjeeらの文献(Biochem. J. 323(パート3):661-669(1997));Schmitzbergerらの文献(EMBO J. 22:6193-6204(2003)))。結核菌(Chopraらの文献(Pan D. Protein Expr. Purif. 25:533-540(2002)))及びコリネバクテリウム・グルタミクム(glutanicum)(Duschらの文献(上述))由来の酵素は、大腸菌において発現及び特徴づけられている。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表28に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、sadh、adhA、及びAdhからなる群から選択される遺伝子によってコードされるMEK還元酵素を有する。
メチルエチルケトン還元酵素、又はそれに代わるものとして、2-ブタノール脱水素酵素は、MEKの還元を触媒して、2-ブタノールを形成する。例示的な酵素は、ロドコッカス・ルーバー(Kosjekらの文献(Biotechnol. Bioeng. 86:55-62(2004)))及びパイロコッカス・フリオサス(van der Oostらの文献(Eur. J. Biochem. 268:3062-3068(2001)))において見出すことができる。この転換が可能な追加的な第二級アルコール脱水素酵素には、クロストリジウム・ベイジェリンキイ由来のadh(Hanaiらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 73:7814-7818(2007));Jojimaらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 77:1219-1224(2008)))及びサーモアナエロバクター・ブロッキイ由来のadh(Hanaiらの文献(上述);Peretzらの文献(Anaerobe 3:259-270(1997)))を含む。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表29に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、GDH2、rocG、gdh1、gdh2、及びGDHから選択される遺伝子によってコードされるグルタマート脱水素酵素を有する。
図2のアラニン経路を触媒する追加的な遺伝子は、NADH依存性グルタマート脱水素酵素である。この酵素は、ECクラス1.4.1.2であり、大腸菌において天然には見出されない。NADH依存性グルタマート脱水素酵素の過剰発現は、出芽酵母の操作された株においてエタノール産生を改良することが発見された(Rocaらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 69:4732-4736(2003)))。例示的な遺伝子は、枯草菌(Khanらの文献(Biosci. Biotechnol. Biochem. 69:1861-1870(2005)))、タバコ(Purnellらの文献(Planta 222:167-180(2005))、イネ(Abikoらの文献(Plant Cell Physiol. 46:1724-1734(2005)))、ハロフェラックス・メディテラネイ(Diazらの文献(Extremophiles 10:105-115(2006)))、及びハロバクテリウム・サリナラム(Haydenらの文献(FEMS Microbiol. Lett. 211:37-41(2002)))において見出される。タバコ酵素は、gdh1及びgdh2によってコードされるアルファサブユニット及びベータサブユニットから構成される(Purnellらの文献(上述))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表30に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHから選択される遺伝子によってコードされる3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)を有する。
3-オキソブチルアルデヒドから4-アミノブタン-2-オンへの転換は、アミノ化する酸化還元酵素によって触媒することができる。このクラス(EC1.4.1)におけるたいていの酵素は、受容体としてのNAD+又はNADP+を用いてアルファ-アミノ酸の酸化的脱アミノ化を触媒するが、該反応は典型的には可逆的である。アミノ酸に関して作動する例示的な酸化還元酵素には、gdhAによってコードされるグルタマート脱水素酵素(脱アミノ化)、ldhによってコードされるロイシン脱水素酵素(脱アミノ化)、及びnadXによってコードされるアスパルタート脱水素酵素(脱アミノ化)を含む。大腸菌由来のgdhA遺伝子産物(Korberらの文献(J. Mol. Biol. 234:1270-1273(1993));McPherson及びWoottonの文献(Nucl. Acids Res. 11:5257-5266(1983)))、サーモトガ・マリティマ由来のgdh(Kortらの文献(Extremophiles 1:52-60(1997));Lebbinkらの文献(J. Mol. Biol. 280:287-296(1998));Lebbinkらの文献(J. Mol. Biol. 289:357-269(1999)))、及びハロバクテリウム・サリナラム由来のgdhA1(Ingoldsbyらの文献(Gene 349:237-244(2005)))は、グルタマートから2-オキソグルタラート及びアンモニアへの可逆的相互転換を触媒し、その間、NADP(H)、NAD(H)、又はその両方をそれぞれ好む。バチルス・セレウスのldh遺伝子は、ロイシン、イソロイシン、バリン、及び2-アミノブタノアートを含む幅広い範囲の基質を有するLeuDHタンパク質をコードする(Ansorge及びKulaの文献(Biotechnol. Bioeng. 68:557-562(2000));Stoyanらの文献(J. Biotechnol. 54:77-80(1997)))。アスパルタート脱水素酵素をコードするサーモトガ・マリティマ(maritime)由来のnadX遺伝子は、NADの生合成に関与する(Yangらの文献(J. Biol. Chem. 278:8804-8808(2003)))。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表31に示す。
Figure 2012529889
lysDH遺伝子によってコードされるリシン6-脱水素酵素(脱アミノ化)は、L-リシンのε-アミノ基の酸化的脱アミノ化を触媒して、2-アミノアジパート-6-セミアルデヒドを形成し、それが順に非酵素的に環化して、Δ1-ピペリデイン(piperideine)-6-カルボキシラートを形成する(Misono及びNagasakiの文献(J. Bacteriol. 150:398-401(1982)))。例示的な酵素は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Heydariらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 70:937-942(2004)))、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Hashimotoらの文献(J. Biochem. 106:76-80(1989));Misono及びNagasakiの文献(上述))、及びアクロモバクター・デニトリフィカンス(Ruldeekulthamrongらの文献(BMB Rep 41:790-795(2008)))において見出すことができる。このような酵素は、アジパートセミアルデヒドと2-アミノアジパート-6-セミアルデヒドの間の構造的類似性を考慮すると、アジパートセミアルデヒドを6-アミノカプロアートに転換するのに特に良好である。これらの遺伝子と関連した有用なGenBank情報の要約を下記の表32に示す。
Figure 2012529889
いくつかの実施態様において、非天然微生物は、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHから選択される遺伝子によってコードされるAKP酸化還元酵素(アミノ化)を有する。アミノ化する酸化還元酵素は、AKPを2,4-ジオキソペンタノアートに転換することができる。また、先に並びに表31及び表32に説明した3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)についての遺伝子は、ここで適用可能である。
本発明の非天然微生物は、1つ以上のMEK又は2-ブタノールの生合成経路に関与する酵素又はタンパク質の1つ以上をコードする発現可能な核酸を導入することによって作出することができる。生合成のために選択された宿主微生物に応じて、特定のMEK又は2-ブタノールの生合成経路のいくつか又はすべてについての核酸を発現させることができる。例えば、選択された宿主が、所望の生合成経路についての1つ以上の酵素又はタンパク質を欠損している場合、該欠損している酵素(複数可)又はタンパク質(複数可)についての発現可能な核酸は、その後の外来性発現のために宿主へと導入される。あるいは、選択された宿主が、いくつかの経路遺伝子の内在性発現を呈するが、その他では欠損している場合、コード核酸は、MEK又は2-ブタノール生合成を達成するために、欠損している酵素(複数可)又はタンパク質(複数可)にとって必要とされる。したがって、本発明の非天然微生物は、外来性酵素又はタンパク質活性を導入して所望の生合成経路を得ることによって作出することができ、あるいは生合成経路は、1つ以上の内在性酵素又はタンパク質とともに、MEK又は2-ブタノールなどの所望の生成物を生成する1つ以上の外来性酵素又はタンパク質活性を導入することによって得ることができる。
選択された宿主微生物のMEK又は2-ブタノール生合成経路構成体に応じて、本発明の非天然微生物には、少なくとも1つの外来性に発現するMEK又は2-ブタノールの経路をコードする核酸、及び1つ以上のMEK又は2-ブタノールの生合成経路についての最大ですべてのコード核酸を含むであろう。例えば、MEK又は2-ブタノールの生合成は、相応するコード核酸の外来性発現を通じて、経路酵素又はタンパク質を欠損している宿主において確立することができる。MEK又は2-ブタノールの経路のすべての酵素又はタンパク質を欠損している宿主において、該経路のすべての酵素又はタンパク質の外来性発現を含むことができるが、宿主が経路酵素又はタンパク質のうちの少なくとも1つを含む場合でさえ、経路のすべての酵素又はタンパク質が発現することができることは理解される。例えば、MEK又は2-ブタノールの生成のための経路におけるすべての酵素又はタンパク質の外来性発現を含むことができる。
本明細書に提供される教示及びガイダンスを考慮すると、当業者は、発現可能な形態を導入するためのコード核酸の数が、選択された宿主微生物のMEK又は2-ブタノールの経路欠損に少なくとも対応するであろうことを理解するであろう。それゆえ、本発明の非天然微生物は、本明細書に開示されたMEK又は2-ブタノールの生合成経路を構成する酵素又はタンパク質をコードする1、2、3、4、5、6、7、8、最大ですべての核酸を有することができる。いくつかの実施態様において、非天然微生物にはまた、MEK若しくは2-ブタノールの生合成を促進若しくは最適化する、又は他の有用な機能を宿主微生物に与える他の遺伝的修飾を含むことができる。このような他の1つの機能性には、例えば、アセトアセチル-CoA又はアラニンなどのMEK又は2-ブタノールの経路前駆体の1つ以上の合成の増強を含むことができる。
一般的に、宿主微生物は、所望の前駆体の新規産生、又は宿主微生物によって天然に産生された前駆体の高い産生のいずれかを提供する天然分子として又は操作された生成物としてのいずれかとして、MEK又は2-ブタノールの経路の前駆体を産生するよう選択される。例えば、アセトアセチル-CoAは、大腸菌などの宿主生物において天然に産生される。宿主生物を操作して、本明細書に開示される前駆体の産生を増大させることができる。加えて、所望の前駆体を産生するよう操作された微生物は、宿主生物として使用することができ、さらに操作して、MEK又は2-ブタノールの経路の酵素又はタンパク質を発現させることができる。
いくつかの実施態様において、本発明の非天然微生物は、MEK又は2-ブタノールを合成する酵素能力を含む宿主から作出される。この具体的な実施態様において、MEK又は2-ブタノールの経路生成物の合成又は蓄積を増加させて、例えばMEK又は2-ブタノールの産生の方にMEK又は2-ブタノールの経路反応を駆動することは有用であり得る。高い合成又は蓄積は、例えば、上記のMEK又は2-ブタノールの経路の酵素又はタンパク質の1以上をコードする核酸の過剰発現により達成することができる。MEK又は2-ブタノールの経路の酵素(enzyme)若しくは酵素(enzymes)及び/又はタンパク質(protein)若しくはタンパク質(proteins)の過剰発現は、例えば、内在性の遺伝子(gene)若しくは遺伝子(genes)群の外来性発現により、又は異種性の遺伝子(gene)若しくは遺伝子(genes)群の外来性発現により、起こすことができる。それゆえ、天然生物は、例えば、MEK又は2-ブタノールの生合成経路の酵素又はタンパク質をコードする1、2、3、4、5、6、7、8、すなわち最大ですべての核酸の過剰発現を通じて、MEK又は2-ブタノールを産生する本発明の非天然微生物であるように容易に作出することができる。加えて、非天然生物は、MEK又は2-ブタノールの生合成経路の酵素の活性の亢進を結果的に生じる内在性遺伝子の突然変異誘発により作出することができる。
特に有用な実施態様において、コード核酸の外来性発現が採用される。外来性発現は、宿主及び応用に対する発現エレメント及び/又は調節エレメントをカスタマイズして仕立てる能力を与えて、使用者により制御される所望の発現レベルを達成する。しかしながらまた、内在性発現は、誘導性プロモーター又は他の調節エレメントに連関された場合、遺伝子のプロモーターの負の調節性のエフェクター又は誘導を取り除くことなどによって、他の実施態様において利用することができる。従って、天然の誘導性プロモーターを有する内在性遺伝子は、適切な誘導剤を提供することにより上方制御することができ、又は、内在性遺伝子の調節領域は、誘導性の調節エレメントを組み込むように操作することができ、これにより所望の時に一度に、内在性遺伝子の高い発現の調節が可能となる。同様に、誘導性プロモーターは、非天然微生物に導入される外来性遺伝子のための調節エレメントとして含まれ得る。
本発明の方法において、本発明の非天然微生物を作出するために、任意の1以上の外来性核酸を微生物に導入することができることは理解される。該核酸は、例えば、該微生物へMEK又は2-ブタノールの生合成経路を与えるように導入することができる。あるいは、コード核酸は、MEK又は2-ブタノールの生合成能力を与えるのに必要とされる反応のいくつかを触媒する生合成能力を有する中間微生物を作出するために導入することができる。例えば、MEK又は2-ブタノールの生合成経路を有する非天然微生物は、アセトアセチル-CoA脱水素酵素及び3-オキソブタノールデヒドラターゼ、又はアセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素及び3-オキソブチルアルデヒド(3-oxbutryaldehyde)アミノトランスフェラーゼの組み合わせ、並びにこれらに類するものなど、所望の酵素又はタンパク質をコードする少なくとも2つの外来性核酸を含むことができる。したがって、生合成経路の2つ以上の酵素又はタンパク質の任意の組み合わせが、本発明の非天然微生物に含まれ得ることは理解される。同様に、所望の生合成経路の酵素及び/又はタンパク質の組み合わせがその相応する所望の生成物の生成を生じる限り、生合成経路の3以上の酵素又はタンパク質の任意の組み合わせ、例えば、アセトアセチル-CoA脱水素酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、及びMEK酸化還元酵素などが所望のとおり本発明の非天然微生物に含まれ得ることは理解される。同様に、所望の生合成経路の酵素及び/又はタンパク質の組み合わせがその相応する所望の生成物の生成を生じる限り、本明細書に開示される生合成経路の4、5、6、7、8、又はそれより多くの酵素又はタンパク質の任意の組み合わせは、所望のとおり、本発明の非天然微生物に含まれ得る。
本明細書に説明されるMEK又は2-ブタノールの生合成に加えて、本発明の非天然微生物及び方法はまた、互いに様々な組み合わせにおいて、及び他の経路により生成物の生合成を達成するための当該技術分野において周知の他の微生物及び方法との種々の組み合わせにおいても利用することができる。例えば、MEK又は2-ブタノールの産生体の使用以外でMEK又は2-ブタノールのを産生するための1つの選択肢は、MEK又は2-ブタノールの経路中間体をMEK又は2-ブタノールに転換することのできる別の微生物の添加を介することである。このような手順の1つには、例えば、MEK又は2-ブタノールの経路中間体を産生する微生物の発酵を含む。次に、MEK又は2-ブタノールの経路中間体はMEK又は2-ブタノールの経路中間体をMEK又は2-ブタノールに転換する第二の微生物のための基質として使用することができる。MEK又は2-ブタノールの経路中間体は、第二の微生物の別の培養液に直接添加することができ、あるいはMEK又は2-ブタノールの経路中間体産生体の元の培養液は、例えば細胞分離によりこれらの微生物から枯渇させることができ、次に、その後の第二の微生物の該発酵ブロスへの添加は、中間体の精製工程なしで最終生成物を産生するために利用できることができる。
他の実施態様において、本発明の非天然微生物及び方法は、例えば、MEK又は2-ブタノールの生合成を達成するための幅広い種々の下位経路において組み立てることができる。これらの実施態様において、本発明の所望の生成物のための生合成経路は、異なる微生物へと分離することができ、該異なる微生物は、最終生成物を産生させるために共培養することができる。このような生合成スキームにおいて、1つの微生物の生成物は、最終生成物が合成されるまでの第二の微生物のための基質である。例えば、MEK又は2-ブタノールの生合成は、1つの経路中間体の別の経路中間体又は生成物への転換のための生合成経路を含む微生物を構築することにより達成することができる。あるいは、MEK又は2-ブタノールはまた、同じ容器内の2つの微生物を使用する共培養又は共発酵を通じて、微生物から生合成で産生でき、ここで、該第一の微生物は、MEK又は2-ブタノールの中間体を産生し、該第二の微生物は該中間体をMEK又は2-ブタノールに転換する。
本明細書に提供される教示及びガイダンスを考慮すると、当業者は、本発明の非天然微生物及び方法にとって、他の微生物、下位経路を有する他の非天然微生物の共培養物、並びにMEK又は2-ブタノールを産生するための周知の他の化学的及び/又は生化学的手順の組み合わせとの幅広い種々の組み合わせ及び順列が存在することを理解するであろう。
MEK又は2-ブタノールの経路酵素又はタンパク質のためのコード核酸の供給源には、例えば、該コードされた遺伝子産物が当該基準反応を触媒することのできる任意の種を含むことができる。このような種には、古細菌及び真正細菌を含む細菌、並びに酵母、植物、昆虫、動物、及びヒトを含む哺乳動物を含む真核生物を含むがこれらに限定されない、原核生物及び真核生物の両方を含む。このような供給源のための例示的な種には、例えば、大腸菌、及び本明細書に開示されるか、又は相応の遺伝子のための供給源生物として利用可能な、他の例示的な種を含む。しかしながら、395種の微生物ゲノム並びに種々の酵母、真菌、植物、及び哺乳動物のゲノムを含む、現在550超の種に利用可能な完全ゲノム配列(これらのうち半分超は、NCBIなどの公共データベースで利用可能である。)を用いて、例えば、公知の遺伝子のホモログ、オルソログ、パラログ及び非オルソロガス遺伝子置換、及び生物間での遺伝的変更の相互交換を含む、関連する種又は離れた種における1以上の遺伝子についての必要なMEK又は2-ブタノールの生合成活性をコードする遺伝子の同定は常用的であり、かつ当該技術分野において周知である。従って、大腸菌などの特定の生物に関して本明細書で説明されるMEK又は2-ブタノールの生合成を可能にする代謝的変更は、原核生物及び真核生物などを含む他の微生物に容易に適用することができる。本明細書に提供される教示及びガイダンスを考慮すると、当業者は、1つの生物において例示される代謝的変更が他の生物に同様に等しく適用することができるということを知っているであろう。
代替的なMEK又は2-ブタノールの生合成経路が、関連性のない種において存在する場合などの、いくつかの場合において、MEK又は2-ブタノールの生合成は、例えば、同様の、しかし同一ではない代謝反応を触媒して、当該基準反応を置き換える、関連性のない種からの、パラログ(paralog)又はパラログ(paralogs)の外来性発現により宿主種に付与することができる。代謝ネットワーク中の特定の差異が、異なる生物間に存在するので、当業者は、異なる生物間の実際の遺伝子使用が異なり得ることを理解するであろう。しかしながら、本明細書に提供される教示及びガイダンスを考慮すると、当業者はまた、本発明の教示及び方法をすべての微生物に、本明細書に例示されたものと同様の代謝的変更を用いることで適用して、MEK又は2-ブタノールを合成するであろう関心対象の種において微生物を構築することができることも理解するであろう。
宿主微生物は、例えば、細菌、酵母、真菌又は発酵プロセスに適用できる任意の他の種々の微生物から選択することができ、非天然微生物はこれらにおいて作出することができる。例示的な細菌には、大腸菌、クレブシエラ・オキシトカ、アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンス(succiniciproducens)、アクチノバチルス・スクシノゲネス(succinogenes)、マンヘミア・スクシニシプロデュセンス(succiniciproducens)、リゾビウム・エトリ、枯草菌、コリネバクテリウム・グルタミクム、グルコノバクター・オキシダンス、ザイモモナス・モビリス、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトバチルス・プランタルム、ストレプトマイセス・セリカラー、クロストリジウム・アセトブチリカム、蛍光菌、及びプチダ菌から選択される種を含む。例示的な酵母又は真菌には、出芽酵母、分裂酵母、クルイベロミセス・ラクチス、クルイベロミセス・マルキシアヌス(marxianus)、アスペルギルス・テレウス、クロコウジカビ、及びピキア・パストリスから選択される種を含む。大腸菌は、遺伝子工学に好適な十分に特徴づけられた微生物であるので、特に有用な宿主生物である。他の特に有用な宿主生物には、出芽酵母などの酵母を含む。
非天然MEK又は2-ブタノール産生宿主の発現レベルを構築及び試験する方法は、例えば、当該技術分野において周知の組換え法及び検出法により実施することができる。このような方法は、例えば、Sambrookらの文献「分子クローニング:実験室マニュアル第3版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Ed.)」(Cold Spring Harbor Laboratory, New York(2001));及びAusubelらの文献「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」(John Wiley and Sons, Baltimore, MD(1999))において説明されているのを認めることができる。
MEK又は2-ブタノールの産生のための経路に関係する外来性核酸配列は、抱合、電気穿孔法、化学的形質転換、形質導入、トランスフェクション及び超音波形質転換を含むがこれらに限定されない当該技術分野において周知の技術を使用して、安定して又は一過的に宿主細胞へと導入することができる。大腸菌又は他の原核細胞における外来性発現のために、真核生物核酸の遺伝子又はcDNAにおけるいくつかの核酸配列は、N‐末端ミトコンドリアシグナル若しくは他のターゲッティングシグナルなどのターゲッティングシグナルをコードすることができ、該ターゲッティングシグナルは、所望の場合、原核宿主細胞への形質転換の前に除去することができる。例えば、ミトコンドリアリーダー配列の除去は、大腸菌における高い発現をもたらした(Hoffmeisterらの文献(J. Biol. Chem. 280:4329-4338(2005)))。酵母又は他の真核細胞の外来性発現のために、遺伝子は、リーダー配列を付加せずに細胞質において発現することができ、又は宿主細胞に適するミトコンドリアターゲッティング又は分泌シグナルなどの好適なターゲッティング配列の付加により、ミトコンドリア若しくは他の細胞小器官を標的にすることができ、若しくは分泌のために標的とすることができる。従って、ターゲッティング配列を取り除くか又は含むための核酸配列への適切な修飾は、望ましい特性を与えるために外来性核酸配列に組み込むことができることは理解される。さらに、遺伝子は、タンパク質の最適化された発現を達成するために、当該技術分野において周知の技術を用いるコドン最適化に供することができる。
発現ベクター(vector)又は発現ベクター(vectors)は、本明細書に例示されるように、宿主生物において機能的な発現制御配列に作用可能に連結された核酸をコードする1以上のMEK又は2-ブタノールの生合成経路を含むように構築することができる。本発明の微生物宿主生物での使用に適用できる発現ベクターには、例えば、宿主染色体への安定した組込みのために作用可能なベクター及び選択配列又は標識を含む、プラスミド、ファージベクター、ウイルスベクター、エピソーム及び人工染色体を含む。加えて、発現ベクターには、1以上の選択可能な標識遺伝子及び適切な発現制御配列を含むことができる。また、例えば、抗生物質若しくは毒素に対する耐性を提供し、栄養要求性欠損を補完し、又は培地にはない必須栄養素を供給する、選択可能な標識遺伝子も含まれ得る。発現制御配列には、当該技術分野において周知である、構成的プロモーター及び誘導性プロモーター、転写エンハンサ、転写ターミネーター、及びこれらに類するものを含むことができる。2以上の外来性コード核酸が同時発現すべきである場合、両方の核酸は、例えば、単一の発現ベクターへと、又は別々の発現ベクターの中に、挿入できる。
単一ベクター発現のために、コード核酸は、1つの共通発現制御配列に操作的に連結することができ、又は1つの誘導性プロモーター及び1つの構成的プロモーターなどの異なる発現制御配列に操作的に連結することができる。代謝経路若しくは合成経路に関係する外来性核酸配列の形質転換は、当該技術分野において周知の方法を使用して確認することができる。このような方法には、例えば、mRNAのノーザンブロット法若しくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅などの核酸分析、又は遺伝子産物の発現についての免疫ブロット法、又は導入される核酸配列若しくはその相応の遺伝子産物の発現を試験するのに好適な他の分析法を含む。外来性核酸が所望の生成物を産生するように十分な量で発現することは当業者に理解され、発現レベルが当該技術分野において周知のかつ本明細書に開示される方法を使用して十分な発現を得るように最適化することができることは更に理解される。
本発明はさらに、MEK経路を有する非天然微生物を培養することを含む、MEKを産生する方法を提供する。該経路には、MEKを産生する条件下及び十分な時間で、MEKを産生するのに十分な量で発現するMEK経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。MEK経路には、アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)から選択される酵素を含む。
MEK経路には、以下から選択される1セットのMEK経路酵素を含む:
(1)アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(3)MEK酸化還元酵素;
(1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素;
(1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、並びに(7)グルタマート脱水素酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素。
同様に、2-ブタノールの産生のために、MEK還元酵素の包含は、以下の2-ブタノール酵素セットを提供する:
(1)アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(3)MEK酸化還元酵素、並びに(4)MEK還元酵素;
(1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素;
(1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドトランスアミナーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、(7)MEK還元酵素、並びに(8)グルタマート脱水素酵素;
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素;並びに
(1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素。
MEK又は2-ブタノールの産生について試験するのに好適な精製及び/又はアッセイは、周知の方法を使用して実施することができる。三つ組の培養物などの好適な複製物は、試験されるべき操作された株ごとについて増殖させることができる。例えば、操作された産生宿主の生成物及び副産物の形成をモニターすることができる。最終生成物及び中間体、及び他の有機化合物は、HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)、GC‐MS(ガスクロマトグラフィー‐質量分析)、LC‐MS(液体クロマトグラフィー‐質量分析)又は当該技術分野において周知の常用手順を使用する他の好適な分析法などの方法により分析することができる。また、発酵ブロスにおける生成物の放出は、培養上清を用いても試験することができる。副産物及び残余のグルコースは、例えば、グルコース及びアルコールのための屈折率検出器、並びに有機酸のための紫外線検出器を使用するHPLC(Linらの文献(Biotechnol. Bioeng. 90:775-779(2005)))、又は当該技術分野において周知の他の好適なアッセイ及び検出法により定量化することができる。また、外来性DNA配列由来の個々の酵素活性又はタンパク質活性は、当該技術分野において周知の方法を使用してアッセイすることもできる。例えば、MEK酸化還元酵素活性をアッセイするために、ブテノン及びNADHを細胞抽出物に添加する。MEK形成は、NADHの減少によって達成され、このことは、NADHが340nmの波長の光を吸収し、450nmの波長で二次(蛍光)光子を放射するので、蛍光によってアッセイされる。
MEK又は2-ブタノールは、当該技術分野において周知の種々の方法を使用して、培養物中の他の成分から分離することができる。このような分離法には、例えば、抽出手順、並びに連続液体‐液体抽出、浸透気化法、膜濾過、膜分離、逆浸透、電気透析、蒸留、結晶化、遠心分離、抽出濾過、イオン交換クロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、及び限外濾過を含む方法を含む。上記の方法のすべては、当該技術分野において周知である。
本明細書に説明される任意の非天然微生物を培養して、本発明の生合成生成物を産生及び/又は分泌させることができる。例えば、MEK又は2-ブタノール産生体は、MEK又は2-ブタノールの生合成産生のために培養することができる。
MEK又は2-ブタノールの産生のために、組換え株は、炭素源及び他の必須栄養素を有する培地において培養される。全体のプロセスの経費を削減するために、発酵槽における嫌気的条件を維持することは大変望ましい。このような条件は、例えば、最初に窒素を培地に散布(sparging)して、それから中隔及び圧着キャップでフラスコを封止することで得ることができる。増殖が嫌気的に観察されない株について、微好気性状態は、限られた通気のための小開口を用いて中隔を穿孔することにより適用することができる。例示的な嫌気的条件は先に説明されており、かつ当該技術分野において周知である。例示的な好気性状態及び嫌気性状態は、例えば、2007年8月10日に出願の米国特許出願シリアル番号第11/891,602号に説明されている。本明細書に開示されるように、発酵は、バッチ、供給バッチ又は連続様式で実施することができる。
所望の場合、培地のpHは、所望のpH、特に、所望のpHに培地を維持するために必要なNaOH若しくは他の塩基などの塩基又は酸の添加によるほぼ7のpHなどの中性のpHに維持することができる。増殖速度は、分光光度計(600nm)を使用する光学密度を、及び経時的に炭素源枯渇をモニターすることによるグルコース取り込み速度を測定することにより決定することができる。
増殖培地には、例えば、非天然微生物に炭素源を供給することのできる任意の炭水化物源を含むことができる。このような源には、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、及びデンプンなどの糖を含む。炭水化物の他の源には例えば、再生可能原料及びバイオマスを含む。本発明の方法における供給原料として使用することのできるバイオマスの例示的な種類には、セルロースバイオマス、ヘミセルロースバイオマス、及びリグニン原料又は原料部分を含む。このようなバイオマス原料は、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース、フルクトース及びデンプンなどの炭素源として有用な炭水化物基質を含む。本明細書に提供される教示及びガイダンスを考慮すると、当業者は、先に例証されたもの以外の再生可能原料及びバイオマスも、MEK又は2-ブタノールの産生のための本発明の微生物を培養するために使用することができることを理解するであろう。
先に例示されたものなどの再生可能原料に加え、本発明のMEK又は2-ブタノール微生物は、その炭素源として合成ガスにおける増殖のために修飾することもできる。この具体的な実施態様において、1以上のタンパク質又は酵素は、MEK若しくは2-ブタノール産生生物において発現し、合成ガス又は他の気体の炭素源の利用のための代謝経路を提供する。
合成ガス(syngas)または産生体ガスとしても公知の合成ガス(synthesis gas)は、農業作物及び残渣を含む、バイオマス材料などの石炭の気化の及び炭素原性材料の主要生成物である。合成ガスは、H2及びCOから主としてなる混合物であり、石炭、石炭油、天然ガス、バイオマス、及び廃棄物性有機物質を含むがこれらに限定されない任意の有機原料の気化から得ることができる。気化は一般的に、高い燃料対酸素比の下で実施される。大部分はH2及びCOであるが、合成ガスはまた、より少量のCO2及び他の気体を含むことができる。したがって、合成ガスは、CO及び追加的にはCO2などの気体性炭素の対費用効果の高い原料を提供する。
Wood‐Ljungdahl経路は、CO及びH2からアセチル-CoA及びアセタートなどの他の生成物への転換を触媒する。また、CO及び合成ガスを利用することのできる生物は一般的に、Wood‐Ljungdahl経路によって包含される同じ基礎セットの酵素及び形質転換を通じて、CO2及びCO2/H2混合物を利用する能力を有する。CO2からアセタートへの微生物によるH2依存性転換は長く認識されており、後に、COがまた同じ生物によって使用することができ、かつ同じ経路が関与することが明らかとなった。多くのアセトゲンは、CO2の存在下で増殖することが示されており、水素が必要な還元当量を供給するために存在する限り、アセタートなどの化合物を生じることが示されている(例えば、Drake「酢酸産生(Acetogenesis)」(pp. 3-60 Chapman and Hall, New York, (1994))参照)。このことは、下記式によって要約することができる:
2 CO2 + 4 H2 + n ADP + n Pi → CH3COOH + 2 H2O + n ATP
それゆえ、Wood‐Ljungdahl経路を有する非天然微生物は、CO2とH2の混合物を同様に、アセチル-CoA及び他の所望の生成物の生成のために利用することができる。
Wood‐Ljungdahl経路は、当該技術分野で周知であり、2つの分岐:(1)メチル分岐及び(2)カルボニル分岐に分離することのできる12の反応からなる。メチル分岐は、合成ガスをメチル-テトラヒドロ葉酸(メチル-THF)に転換するのに対し、カルボニル分岐は、メチル-THFをアセチル-CoAに転換する。メチル分岐における反応は、以下の酵素又はタンパク質によって順に触媒される:フェレドキシン酸化還元酵素、ギ酸脱水素酵素、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロデヒドラターゼ、メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素、及びメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素。カルボニル分岐における反応は、以下の酵素又はタンパク質によって順に触媒される:メチルテトラヒドロ葉酸:コリノイドタンパク質ンメチルトランスフェラーゼ(例えば、AcsE)、コリノイド鉄-硫黄タンパク質、ニッケル-タンパク質集合タンパク質(例えば、AcsF)、フェレドキシン、アセチル-CoAシンターゼ、一酸化炭素脱水素酵素、及びニッケル-タンパク質集合タンパク質(例えば、CooC)。十分な数のコード核酸を導入して、MEK又は2-ブタノールの経路を生じるために本明細書に提供された教示及びガイダンスに従い、当業者は、同じ操作設計がまた、宿主生物に不在のWood‐Ljungdahl酵素又はタンパク質をコードする少なくとも核酸を導入することに関して実施することができることを理解するであろう。それゆえ、修飾された生物が、完全なWood‐Ljungdahl経路を含むというような、1つ以上のコード核酸の本発明の微生物への導入は、合成ガス利用能をもたらすであろう。
加えて、また、一酸化炭素脱水素酵素及び/又はヒドロゲナーゼ活性と共役した還元的(逆向きの)トリカルボン酸回路は、CO、CO2、及び/又はH2からアセチル-CoA及びアセタートなどの他の生成物への転換に使用することができる。還元的TCA経路を介して炭素を固定することのできる生物は、1つ以上の以下の酵素を利用することができる:ATPシトラート-リアーゼ、シトラートリアーゼ、アコニターゼ、イソシトラート脱水素酵素、アルファ-ケトグルタラート:フェレドキシン酸化還元酵素、スクシニル-CoAシンテターゼ、スクシニル-CoAトランスフェラーゼ、フマラート還元酵素、フマラーゼ、リンゴ酸脱水素酵素、NAD(P)H:フェレドキシン酸化還元酵素、一酸化炭素脱水素酵素、及びヒドロゲナーゼ。具体的には、一酸化炭素脱水素酵素及びヒドロゲナーゼによるCO及び/又はH2から抽出される還元当量を利用して、アセチル-CoA又はアセタートへの還元的TCA回路を介してCO2を固定する。アセタートは、アセチル-CoAトランスフェラーゼ、アセタートキナーゼ/ホスホトランスアセチラーゼ、及びアセチル-CoAシンテターゼなどの酵素によってアセチル-CoAに転換することができる。アセチル-CoAは、ピルビン酸:フェレドキシン酸化還元酵素、及び糖新生の酵素によって、MEK/2-ブタノール前駆体、グリセルアルデヒド-3-リン酸、ホスホエノールピルビン酸、及びピルビン酸に転換することができる。十分な数のコード核酸を導入して、MEK/2-ブタノール経路を生じるための、本明細書に提供される教示及びガイダンスに従い、当業者は、同じ操作設計がまた、宿主生物に不在の還元的TCA経路酵素又はタンパク質をコードする少なくとも核酸を導入することに関して実施することができることを理解するであろう。それゆえ、修飾された生物が完全な還元的TCA経路を含むというような、1つ以上のコード核酸を本発明の微生物に導入することは、合成ガス利用能をもたらすであろう。
したがって、本明細書に提供される教示及びガイダンスを考慮すると、当業者は、炭水化物などの炭素源において増殖する場合に本発明の生合成された化合物を分泌する非天然微生物を作出することができることを理解するであろう。このような化合物には、例えば、MEK又は2-ブタノール、及びMEK又は2-ブタノールの経路の任意の中間代謝物を含む。必要とされることのすべては、1以上の必要とされる酵素活性又はタンパクにおいて質活性を操作して、例えば、MEK又は2-ブタノールの生合成経路の一部若しくは全部の包含を含む、所望の化合物又は中間体の生合成を達成することである。したがって、本発明は、炭水化物又は他の炭素源において増殖する場合にMEK又は2-ブタノールを産生及び/又は分泌する非天然微生物を、並びに炭水化物又は他の炭素源において増殖する場合にMEK又は2-ブタノールの経路に示される任意の中間代謝物を産生及び/又は分泌する非天然微生物を提供する。本発明のMEK又は2-ブタノール産生微生物は、中間体、例えば、3-オキソブチルアルデヒド又はAKPから合成を開始させることができる。
本発明の非天然微生物は、本明細書に例証される当該技術分野において周知の方法を使用して、MEK又は2-ブタノールを産生するのに十分な量のMEK又は2-ブタノールの経路酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの核酸を外来的に発現するよう構築される。本発明の微生物は、MEK又は2-ブタノールを産生するのに十分な条件下で培養されることが理解される。本明細書に提供される教示及びガイダンスに従い、本発明の非天然微生物は、約0.1〜2000mM以上の細胞内濃度を結果として生じるMEK又は2-ブタノールの生合成を達成することができる。一般的に、MEK又は2-ブタノールの細胞内濃度は、約3〜2000mM、いくつかの実施態様においては約50〜1750mM、及び他の実施態様においては、約600mM、900mM、1200mM、1500mM、又はそれより多くを含む約500〜1500mMである。これらの例示的な範囲の各々の間の及び該各々を上回る細胞内濃度も、本発明の非天然微生物から達成することができる。
いくつかの実施態様において、培養条件には、嫌気性の又は実質的に嫌気性の増殖条件又は維持条件を含む。例示的な嫌気的条件は既に説明されており、当該技術分野において周知である。発酵プロセスのための例示的な嫌気的条件は本明細書に説明されており、例えば、2007年8月10日に出願の米国特許出願シリアル番号第11/891,602号に説明されている。任意のこれらの条件は、非天然微生物と共に、並びに当該技術分野において周知の他の嫌気的条件と共に、採用することができる。このような嫌気的条件の下で、MEK又は2-ブタノールの産生体は、5〜10mM以上の細胞内濃度で、並びに本明細書に例証される他のすべての濃度で、MEK又は2-ブタノールを合成することができる。先の説明が細胞内濃度に関する場合であっても、MEK若しくは2-ブタノール産生性微生物は、細胞内にMEK若しくは2-ブタノールを産生することができ、及び/又は培地中に生成物を分泌することができることは理解される。
本明細書に開示された培養条件及び発酵条件に加えて、MEK又は2-ブタノールの生合成を達成するための増殖条件には、浸透圧保護剤の培養条件への追加を含むことができる。ある実施態様において、本発明の非天然微生物は、浸透圧保護剤の存在下で本明細書に説明されるように、持続、培養、又は発酵することができる。簡潔には、浸透圧保護剤とは、浸透圧調節物質として作用しかつ本明細書に説明される微生物が浸透圧ストレスを生き残るのを助ける化合物をいう。浸透圧保護剤には、ベタイン、アミノ酸、及び糖トレハロースを含むが、これらに限定されない。このようなものの制限のない例は、グリシンベタイン、プラリンベタイン、ジメチルテチン、ジメチルスルホニオプロプリオナート(dimethylslfonioproprionate)、3-ジメチルスルホニオ-2-メチルプロプリオナート、ピペコン酸、ジメチルスルホニオアセタート、コリン、L-カルニチン、及びエクトインである。一態様において、浸透圧保護剤は、グリシンベタインである。本明細書に説明される微生物を浸透圧ストレスから保護するのに好適な浸透圧保護剤の量及び種類が、使用される微生物によるであろうことは当業者に理解される。培養条件における浸透圧保護剤の量は、例えば、約0.1mM以下、約0.5mM以下、約1.0mM以下、約1.5mM以下、約2.0mM以下、約2.5mM以下、約3.0mM以下、約5.0mM以下、約7.0mM以下、約10mM以下、約50mM以下、約100mM以下、又は約500mM以下であり得る。
培養条件には、例えば、液体培養手順並びに発酵及び他の大規模培養手順を含むことができる。本明細書で説明される場合、本発明の生合成産物の特に有用な収量は、嫌気性培養条件又は実質的に嫌気性の培養条件の下で得ることができる。
本明細書で説明する場合、MEK又は2-ブタノールの生合成を達成するための1つの例示的な増殖条件には、嫌気性培養条件又は発酵条件を含む。ある実施態様において、本発明の非天然微生物は、嫌気性条件又は実質的に嫌気性の条件下で持続、培養、又は発酵することができる。簡潔には、嫌気性条件とは、酸素のない環境を指す。実質的に嫌気性の条件には、例えば、培地中の溶存酸素濃度が飽和の0〜10%にとどまるような培養、バッチ発酵、又は連続発酵を含む。実質的に嫌気性の条件にはまた、1%未満の酸素の雰囲気で維持される密封チャンバーの内側の液体培地中に若しくは固形寒天上で細胞を増殖させること又は静置することを含む。酸素のパーセントは、例えば、培養物にN2/CO2混合物又は他の好適な非酸素ガス(gas)又は非酸素ガス(gases)を散布することによって維持することができる。
本明細書に説明される培養条件は、MEK又は2-ブタノールの製造のために規模拡大し及び連続的に増殖することができる。例示的な増殖手順には、例えば、流加バッチ発酵及びバッチ分離;流加バッチ発酵及び連続分離、又は連続発酵及び連続分離を含む。これらのプロセスはすべて、当該技術分野において周知である。発酵手順は、MEK又は2-ブタノールの商業的な量の生合成産生に特に有用である。一般的に、及び非連続培養手順を用いるものとして、MEK又は2-ブタノールの連続産生及び/又はほぼ連続した産生は、対数期の増殖を維持及び/又はほぼ維持するのに十分な栄養素及び培地における本発明の非天然MEK又は2-ブタノール産生性生物を培養することを含む。このような条件下での連続培養には、例えば、1、2、3、4、5、6若しくは7日又はそれより長い日数を含むことができる。加えて、連続培養には、1、2、3、4若しくは5週又はそれより長い週数でかつ最長数ヵ月を含むことができる。あるいは、本発明の生物は、特定の適用に好適な場合、何時間も培養することができる。連続培養条件及び/又はほぼ連続した培養の条件には、これらの例示的な期間の間の時間的間隔をすべて含むこともできることは理解されるべきである。本発明の微生物を培養する時間は、所望の目的のために十分な量の生成物を産生するのに十分な期間であることが更に理解される。
発酵手順は、当該技術分野において周知である。簡潔にいうと、MEK又は2-ブタノールの生合成産生のための発酵は、例えば、流加バッチ発酵及びバッチ分離;流加バッチ発酵及び連続分離、又は連続発酵及び連続分離において利用することができる。バッチ発酵手順及び連続発酵手順の例は、当該技術分野において周知である。
相当量のMEK又は2-ブタノールの連続産生のための本発明のMEK又は2-ブタノール産生体を使用する先の発酵手順に加え、該MEK又は2-ブタノール産生体は、例えば、所望の場合、化学合成手順に同時に供して、該生成物を他の化合物へと転換することもできるか、又は該生成物を該発酵培養物から分離し、順次化学的転換に供して該生成物を他の化合物へと転換することもできる。
定向進化は、酵素の特性を改良及び/又は変化させるために具体的な遺伝子を標的とした突然変異の導入を包含する強力なアプローチである。改良及び/又は変化した酵素は、多くの酵素バリアントの自動スクリーニングを可能にする高感度高処理量スクリーニングアッセイの開発及び実施を通じて同定することができる(例えば、104超)。反復ラウンドの突然変異誘発及びスクリーニングを典型的に実施して、最適化した特性を有する酵素を生じる。また、突然変異誘発のための遺伝子の領域を同定するのに役立つことのできる計算アルゴリズムも開発されており、作製及びスクリーニングするのに必要な酵素バリアントの数を有意に減少させることができる。
分岐バリアントライブラリーを作製するのに有効であるよう数多くの定向進化技術が開発されており(総説については、Hibbert, E. G.、F. Baganz、H. C. Hailes、J. M. Ward、G. J. Lye、J. M. Woodley、及びP. A. Dalbyの文献「生物触媒プロセスの定向進化(Directed evolution of biocatalytic processes)」(Biomol.Eng 22:11-19, 2005);Huisman, G. W.及びJ. J. Lalondeの文献「化学プロセス適用のための酵素進化(Enzyme evolution for chemical process applications)」(p. 717-742, 2007,R. N. Patel(編)「医薬産業及びバイオテクノロジー産業における生物触媒(Biocatalysis in the pharmaceutical and biotechnology industries)」CRC Press);Otten, L. G.及びW. J. Quaxの文献「定向進化:現在の生物触媒の選択(Directed evolution: selecting today's biocatalysts)」(Biomol.Eng 22:1-9,2005);並びにSen, S., D. Venkata, V, and B. Mandalの文献「酵素機能を改良するための定向進化における開発(Developments in directed evolution for improving enzyme functions)」(Appl Biochem.Biotechnol 143:212-223, 2007)を参照されたい。)、これらの方法は、多くの酵素クラスを通じて幅広い範囲の特性の改良に成功裏に適用されている。
定向進化技術によって改良及び/又は変化した酵素特徴には、例えば、選択性/特異性(非天然基質の転換のため);温度安定性(頑強な高温処理のため);pH安定性(より低いpH条件又はより高いpH条件下でのバイオプロセシングのため);基質又は生成物の耐性(それにより高い生成物力価を達成することができる。);結合(Km)(非天然基質を含むよう基質結合を拡張する。);阻害(Ki)(生成物、基質、又は鍵となる中間体による阻害を除去する。);活性(kcat)(所望の流れを達成するよう酵素反応速度を増大させる。);発現レベル(タンパク質収量及び全体的な経路の流れを増大させる。);酸素安定性(好気性条件下での空気感受性酵素の操作のため);並びに嫌気性活性(酸素の不在下での好気性酵素の操作のため)を含む。
以下の例示的な方法は、具体的な酵素の所望の特性を標的とするための遺伝子の突然変異誘発及び多様化のために開発されている。任意のこれらを使用して、デカルボキシラーゼ酵素の活性を変化/最適化することができる。
EpPCR(Pritchardらの文献(J Theor. Biol 234:497-509(2005))は、Mn2+イオンの添加による、dNTP濃度を偏向させることによる、又は他の条件的変動による、PCR反応におけるDNAポリメラーゼの忠実度を低下させることによって、ランダム点突然変異を導入する。関心対象の標的遺伝子に突然変異誘発を限局するための5工程クローニングプロセスは、下記を包含する:1)関心対象の遺伝子のエラープローンPCR増幅;2)制限酵素消化;3)所望のDNA断片のゲル精製;4)ベクターへの連結反応;5)好適な宿主への遺伝子バリアントの形質転換及び改良された性能のためのライブラリーのスクリーニング。本方法は、単一の遺伝子において複数の突然変異を同時に作製することができ、該方法は有用であり得る。多数の突然変異体をEpPCRによって作製することができ、それにより高処理量スクリーニングアッセイ又は選択法(特にロボット工学を使用する。)は、望ましい特徴を有する突然変異体を同定するのに有用である。
エラープローン・ローリングサークル増幅(Error-prone Rolling Circle Amplification)(epRCA)(Fujiiらの文献(Nuc. Acids Res 32:e145(2004));およびFujiiらの文献(Nat. Protoc. 1:2493-2497(2006)))は、epPCRと同じ要素の多くを有するが、例外として、環状プラスミド全体をテンプレートとして使用し、最後の2ヌクレオチドにおけるエキソヌクレアーゼ耐性チオリン酸連鎖を有するランダムな6マーを使用してプラスミドを増幅した後に細胞への形質転換を実施して、細胞の中でプラスミドを縦列反復配列で再環状化させる。Mn2+濃度を調整することは、突然変異率を幾分変動させることができる。この技術は、単純なエラープローン単一工程法を使用して、3〜4突然変異/kbpでプラスミドの完全なコピーを作製する。制限酵素消化又は特異的プライマーは必要とされない。加えて、本方法は典型的には、キットとして入手可能である。
DNA又はファミリーシャッフリング(Stemmer, W. P.の文献(Proc Natl Acad Sci U S. A. 91:10747-10751(1994));及びStemmer, W. P.の文献(Nature 370:389-391(1994)))は典型的には、DNAポリメラーゼの存在下でアニーリング及び伸長の周期によって再構築されるランダム断片のプールを生じて、キメラ遺伝子のライブラリーを作製するために、Dnase I又はEndo Vなどのヌクレアーゼを用いた2以上のバリアント遺伝子の消化を包含する。断片は互いに刺激し、かつ、組換えは、1つのコピーが別のコピーを刺激する場合に生じる(テンプレート切り替え)。この方法は、1kbp超のDNA配列を用いて使用することができる。断片の再構築によって作製される突然変異性の組換え体に加え、本方法は、エラープローンPCRと類似の速度で伸長工程において点突然変異を導入する。該方法を使用して、抗原性を与え得る有害なランダム中立突然変異を除去することができる。
付着伸長(Staggered Extension)(StEP)(Zhaoらの文献(Nat. Biotechnol 16:258-261(1998)))は、テンプレート刺激後に、変性及び非常に短い時間のアニーリング/伸長(5秒程度短い。)を用いる反復した周期の2工程PCRを必要とする。増殖する断片は、異なるテンプレートとアニーリングし、かつさらに伸長し、全長の配列を作製するまで反復される。テンプレート切り替えとは、結果として生じるほとんどの断片が複数の親を有することを意味する。低忠実度のポリメラーゼの組み合わせ(Taq及びMutazyme)は、反対の変異性のスペクトルのため、エラープローン偏向を低下させる。
ランダム刺激組換え(Random Priming Recombination)(RPR)において、ランダム配列プライマーを使用して、テンプレートの異なるセグメントと相補的な多くの短いDNA断片を作製する(Shaoらの文献(Nucleic Acids Res 26:681-683(1998)))。epPCRを介する塩基誤組換え及び誤刺激は、点突然変異を与える。短いDNA断片は、相同性に基づいて互いに刺激し、反復した温度周期によって組換えされ、全長へと再構築される。この工程の前のテンプレートの除去は、低い親組換え体を保証する。この方法は、ほとんどの他の方法と同様に、複数の反復にわたって実施され、異なる特性を進化させることができる。本技術は、配列の偏りを回避し、遺伝子の長さとは無関係であり、適用にとって親DNAを極めてほとんど必要としない。
ヘテロ二本鎖組換えにおいて、直鎖状プラスミドDNAを使用して、ミスマッチ修復によって修復されるヘテロ二本鎖を形成する(Volkovらの文献(Nucleic Acids Res 27:e18(1999));並びにVolkovらの文献(Methods Enzymol. 328:456-463(2000)))。ミスマッチ修復工程は、少なくとも幾分突然変異誘発性である。ヘテロ二本鎖は、直鎖状ホモ二本鎖よりも効率的に形質転換する。この方法は、大きな遺伝子及び、オペロン全体にとって好適である。
一過性テンプレートにおけるランダムキメラ形成(Random Chimeragenesis on Transient Templates)(RACHITT)(Cocoらの文献(Nat. Biotechnol 19:354-359(2001)))は、Dnase I断片化と一本鎖DNAのサイズ分画とを採用する。相同的断片は、ポリメラーゼの不在下で、相補的一本鎖DNA足場とハイブリッド形成する。任意の重複するハイブリッド形成していない断片の末端はエキソヌクレアーゼによって刈り込まれる。断片間の間隙は充填された後、連結して、(Uを含んで増幅を妨げる)足場とハイブリッド形成した全長の多様な鎖のプールを与える。次に、足場を破壊し、PCR増幅によって、多様な鎖と相補的な新たな鎖によって置き換える。該方法は、唯一の親に由来する1つの鎖(足場)を包含するのに対し、刺激する断片は、他の遺伝子に由来し;親足場はこれに対して選択される。従って、親断片との再アニーリングは生じない。重複する断片は、エキソヌクレアーゼを用いて刈り込まれる。さもなくば、これは、DNAシャッフリング及びStEPと概念的に類似している。それゆえ、同胞がなく、不活性物がほとんどなく、かつシャッフリングされていない親がないべきである。本技術は、ほとんどないか又は0の親遺伝子が作製され、かつはるかに多い乗換えが、標準的なDNAシャッフリングに対して結果として生じることができるという利点を有する。
切断型テンプレートに関する組換え伸長(Recombined Extension on Truncated templates)(RETT)は、テンプレートのプールとして使用される一方向性一本鎖DNA断片の存在下でプライマーから一方向性に増殖する鎖のテンプレート切り替えを必要とする(Leeらの文献(J. Molec. Catalysis 26:119-129(2003)))。DNAエンドヌクレアーゼは使用しない。一方向一本鎖DNAは、ランダムプライマーを用いたDNAポリメラーゼによって又はエキソヌクレアーゼを用いた連続欠失によって作製される。一方向一本鎖DNAは、テンプレートのみであり、プライマーではない。ランダムプライミング及びエキソヌクレアーゼは、DNAシャッフリング/RACHITTの酵素切断に当てはまるものとして配列の偏りを導入しない。RETTは、非常に短い伸長の替わりに通常のPCR条件を使用するので、StEPよりも最適化するのが容易であることができる。組換えは、PCR工程の構成要素として生じ、直接的なシャッフリングはない。本方法はまた、休止の欠如により、StEPよりもランダムであることができる。
縮重オリゴヌクレオチド遺伝子シャッフリング(Degenerate Oligonucleotide Gene Shuffling)(DOGS)において、縮重プライマーを使用して、分子間の組換えを制御し(Bergquist及びGibbsの文献(Methods Mol. Biol 352:191-204(2007)));Bergquistらの文献(Biomol. Eng 22:63-72(2005));Gibbsらの文献(Gene 271:13-20(2001));これを使用して、DNAシャッフリングなどの他の方法の傾向を制御して、親遺伝子を再生することができる。この方法は、選択された遺伝子セグメントのランダム突然変異誘発(epPCR)と組み合わせることができる。該方法は、親配列の再編成を遮断する良好な方法であり得る。エンドヌクレアーゼは必要ではない。作製されたセグメントの入力された濃度を調整することによって、所望の骨格に対して偏向させることができる。この方法によって、制限酵素消化なしで関連性のない親からのDNAシャッフリングが可能となり、ランダム突然変異誘発法の選択が可能となる。
ハイブリッド酵素の作製のための増加性切断(Incremental Truncation for the Creation of Hybrid Enzymes)(ITCHY)は、関心対象の遺伝子又は遺伝子断片の1塩基対の欠失をともなうコンビナトリアルライブラリーを作製する(Ostermeierらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci. U. S.A. 96:3562-3567(1999));Ostermeierらの文献(Nat. Biotechnol. 17:1205-1209(1999)))。切断は、2つの異なる遺伝子のピースに関して反対方向で導入される。これらを互いに連結し、融合をクローニングする。本技術は、2つの親遺伝子間の相同性を必要としない。ITCHYがDNAシャッフリングと組み合わされる場合、システムはSCRATCHYと呼ばれる(下記参照)。両方の主要な利点は、親遺伝子間の相同性についての必要性がなく;例えば、大腸菌とヒト遺伝子の間の機能的融合を、ITCHYを介して作製した。ITCHYライブラリーを作製する場合、すべての起こり得る乗換えを捕捉する。
ハイブリッド酵素の作製のためのチオ‐増加性切断(Thio-Incremental Truncation for the Creation of Hybrid Enzymes)(THIO‐ITCHY)は、ITCHYとほぼ同じであるが、例外は、ホスホチオアートdNTPを使用して切断を生じることである(Lutz, S.、 M. Ostermeier、及びS. J. Benkovicの文献「アルファ-ホスホチオアートヌクレオチドを用いたタンパク質工学のための増加性切断ライブラリーの迅速な作製(Rapid generation of incremental truncation libraries for protein engineering using alpha-phosphothioate nucleotides)」(Nucleic Acids Res 29:E16, 2001))。ITCHYと比較して、THIO‐ITCHYは、最適化するのがより簡単であり得、より高い再現性及び調整性を提供する。
DNAシャッフリングと組み合わせたSCRATCHY‐ITCHYは、DNAシャッフリング及びITCHYの組み合わせであり;それゆえ、複数の乗換えを可能にする(Lutzらの文献(Proc.Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98:11248-11253(2001)))。SCRATCHYは、ITCHY及びDNAシャッフリングの最良の特色を組み合わせる。計算推定は、最適化において使用することができる。SCRATCHYは、配列同一性が80%を下回る場合、DNAシャッフリングよりも有効である。
ランダム浮動突然変異誘発(RNDM)において、突然変異は、epPCR後の、使用可能な活性を保持するものについてのスクリーニング/選択を介して実施される(Bergquistらの文献(Biomol. Eng 22:63-72(2005)))。次に、これらをDOGSにおいて使用して、複数の活性のある突然変異体間の、又は活性のある突然変異といくつかの他の望ましい親の間の融合を有する組換え体を作製する。中立変異の単離を促進するよう設計され;その目的は、この活性が元の遺伝子におけるよりも高いか又は低いかどうかを、保持された触媒活性についてスクリーニングすることである。RNDMは、スクリーニングが、背景を上回る活性を検出することができる場合、高処理量アッセイにおいて使用可能である。RNDMは、多様性を生じる上で、DOGSに対するフロントエンドとして使用されてきた。該技術は、シャッフリング又は他のその後の工程の前に活性についての必要条件を課し;中立浮動ライブラリーは、より小さなライブラリーから活性におけるより高い/より迅速な改良を結果として生じることが示されている。epPCRを用いて公表されているが、このことは他の大規模突然変異誘発法に適用され得る。
配列飽和突然変異誘発(Sequence Saturation Mutagenesis)(SeSaM)は、ランダム突然変異誘発法であり、1)ホスホチオアートヌクレオチドのランダム組み込み及び切断を用いてランダム長断片のプールを生じ;このプールをテンプレートとして使用して、2)イノシンなどの「普遍的な」塩基の存在下で伸長し;3)イノシン含有相補物(complement)の複製は、ランダムな塩基組み込み及び結果として突然変異誘発を与える(Wongらの文献(Biotechnol J. 3:74-82(2008));Wongの文献(Nucleic Acids Res 32:e26(2004));及びWongらの文献(Anal. Bioichem. 341:187-189(2005)))。本技術を用いて、単純な方法を使用して2〜3日以内に突然変異体の大きなライブラリーを作製することが可能であり得る。このことは、DNAポリメラーゼの突然変異性の偏りと比較して非常に非定向性である。このアプローチの差は、本技術をepPCRと相補的(又は代替的)にする。
合成シャッフリングにおいて、重複するオリゴヌクレオチドを設計して、「標的におけるすべての遺伝的多様性」をコードし、シャッフリングされた後代について非常に高い多様性を可能にする(Nessらの文献(Nat. Biotechnol 20:1251-1255(2002)))。本技術において、シャッフリングされるべき断片を設計することができる。このことは、結果として生じる後代の多様性を増大させることを助ける。配列/コドンの偏りを設計して、より密接に関連する配列にアプローチする速度でより離れて関連する配列を作製することができ、テンプレート遺伝子を物理的に有する必要がない。
ヌクレオチド交換及び切除技術(Nucleotide Exchange and Excision Technology)NexTは、dUTPの組み込みに次ぐウラシルDNAグリコシラーゼ及びその後のピペリジンによる処理の組み合わせを活用して、エンドポイントDNA断片化を実施する(Mullerらの文献(Nucleic Acids Res 33:e117(2005)))。遺伝子は、プルーフリーディングポリメラーゼによる内部PCRプライマー伸長を用いて再構築する。シャッフリングのための大きさは、変動するdUPT::dTTP比を用いて直接的に制御可能である。このことは、ウラシルの組み込み及び切断のための単純な方法を用いたエンドポイント反応である。本方法を用いて、8-オキソ-グアニンなどの他のヌクレオチドアナログを使用することができる。加えて、該技術は、非常に短い断片(86bp)を用いて十分作用し、低いエラー率を有する。DNAの化学的切断は、非常に少数のシャッフリングされていないクローンを生じさせる。
配列相同性非依存性タンパク質組換え(Sequence Homology-Independent Protein Recombination)(SHIPREC)において、リンカーを使用して、2つの遠隔に/関連していない遺伝子間の融合を促進させ;ヌクレアーゼ処理を使用して、2つの間のある範囲のキメラを生じる。結果は、これらの融合の単一の乗換えライブラリーである(Sieberらの文献(Nat. Biotechnol 19:456-460(2001)))。このことは、限定された種類のシャッフリングを生じ;突然変異誘発は別個のプロセスである。この技術は、2つの関連していない親遺伝子の各々の画分を変動させながら、キメラのライブラリーを作製することができる。相同性は必要ではない。SHIPRECを、哺乳類CP450のN-末端領域と融合した細菌CP450のヘム結合ドメインを用いて試験し;このことは、より可溶性の酵素における哺乳類活性を生じた。
遺伝子部位飽和突然変異誘発(Gene Site Saturation Mutagenesis)(GSSM)において、出発材料は、インサートを有するスーパーコイル二本鎖DNAプラスミドであり、2つのプライマーは、突然変異に所望の部位で縮重する(Krezらの文献(Methods Enzymol. 388:3-11(2004)))。プライマーは、関心対象の突然変異を招来し、DNAの反対鎖において同じ配列とアニーリングし;プライマーの中間部における突然変異及び各側に隣接する〜20ヌクレオチドの正確な配列を生じる。プライマーの配列は、NNN又はNNK(コード化)及びMNN(非コード化)である(N=4種すべて、K=G,T、M=A,C)。伸長後、DpnIを使用して、ダム‐メチル化した(dam-methylated)DNAを消化し、野生型テンプレートを除去する。本技術は、所与の座(すなわち1つのコドン)におけるすべての起こり得るアミノ酸置換を探索する。該技術は、ノンセンスコドンを有さない1つの部位におけるすべての起こり得る置換の発生を容易にし、たいていの起こり得る対立遺伝子の等しい又はほぼ等しい提示を容易にする。標的酵素の構造、機序、又はドメインに関する先行知識を必要としない。シャッフリング又は遺伝子再構築後の場合、本技術は、単一部位の上方突然変異のすべての起こり得る組み合わせを含む組換え体の多様なライブラリーを作製する。本技術の組み合わせの有用性は、50超の異なる酵素の成功裏の進化について示されており、また、所与の酵素における2つ以上の特性についても示されている。
コンビナトリアルカセット突然変異誘発(Combinatorial Cassette Mutagenesis)(CCM)は、限定された領域を多数の起こり得るアミノ酸配列変更と置き換えるための短いオリゴヌクレオチドカセットの使用を包含する(Reidhaar‐Olsonらの文献(Methods Enzymol. 208:564-586(1991));及びRedhaar‐Olsonらの文献(Science 241:53-57(1998)))。2つの部位又は3つの部位での同時置換は、本技術を用いて可能である。加えて、該方法は、限定された範囲の部位で起こり得る配列変化の大きな多重度を試験する。該方法は、ラムダリプレッサーDNA結合ドメインの情報内容を探索するために使用されてきた。
コンビナトリアル多重カセット突然変異誘発(Combinatorial Multiple Cassette Mutagenesis)(CMCM)は、CCMと本質的に同様であるが、例外は、より大きなプログラムの一部として採用されることである:1)高い突然変異率でのepPCRの使用により、2)ホットスポット及びホット領域を同定した後、3)CMCMによる伸長で、タンパク質配列空間の規定された領域をカバーする(Reetzらの文献(Angew. Chem. Int. Ed Engl. 40:3589-3591(2001)))。CCMを使用するので、本方法は、標的領域にわたるすべての起こり得る変更を実質的に試験することができる。ランダム突然変異及びシャッフリングされた遺伝子を作製するための方法とともに使用する場合、多様なシャッフリングされたタンパク質を作製する優れた手段を提供する。このアプローチは、酵素のエナンチオ選択性を51倍増大させる点で成功していた。
ミューテーター株技術において、条件的tsミューテータープラスミドは、ランダムな20〜4000倍の増加と選択の間の天然の突然変異頻度とを可能にし、選択が必要とされない場合、有害な突然変異の蓄積を遮断させる(Selifonovaらの文献(Appl Environ Microbiol 67:3645-3649(2001)))。この技術は、DNAポリメラーゼIIIの突然変異体サブユニットをコードする、プラスミド由来のmutD5遺伝子に基づいている。このサブユニットは、内在性DNAポリメラーゼIIIに結合し、該プラスミドを有する任意の株におけるポリメラーゼIIIのプルーフリーディング能を損なう。広範な範囲の塩基置換及びフレームシフト突然変異が生じる。有効な使用のために、ミューテータープラスミドは、所望の表現型に一旦達成すると、除去されるべきであり;このことは、41℃でのプラスミド治療を可能にする複製の温度感受性起源を通じて達成される。ミューテーター株が、かなりの時間探索されたことは留意すべきである(例えば、Winterらの文献(J. Mol. Biol, 260, 359-3680(1996))を参照されたい。)。本技術において、非常に高い自発性の突然変異率が観察される。条件的特性は、所望されていない背景突然変異を最小化する。本技術は、突然変異誘発率を亢進し、かつ所望の表現型をより迅速に達成するために、適応進化と組み合わされ得る。
「探索型突然変異誘発(Look-Through Mutagenesis)(LTM)は、選択されたアミノ酸の組み合わせ突然変異を評価及び最適化する多次元突然変異誘発法である」(Rajpalらの文献(Proc Natl Acad Sci U. S. A 102:8466-8471(2005)))。起こり得るすべてのアミノ酸変化を有する各部位を飽和させるよりもむしろ、9の1セットを選択して、アミノ酸R基化学の範囲をカバーする。1部位あたりより少数の変化は、複数の部位をこの種類の突然変異誘発に供する。低いナノモル濃度からピコモル濃度までの抗体に対する結合親和性における800倍超の増加が、この方法を通じて達成された。これは、ランダムな組み合わせの数を最小化する合理的アプローチであり、スクリーニングされるべきクローンの数を著しく減少させることによって、改良された形質を見出す能力を高めるべきである。このことは、抗体工学に適用され、具体的には、結合親和性を増大させ及び/又は解離を低下させる。該技術は、スクリーニング又は選択のいずれかと組み合わせることができる。
遺伝子再構築は、複数の遺伝子に一度に、又は単一の遺伝子のキメラ(複数の突然変異)の大きなライブラリーを作製することに適用することのできるDNAシャッフリング法である(www.verenium.com/Pages/Technology/EnzymeTech/TechEnzyTGR.htmlにおけるワールドワイドウェブ)。典型的には本技術を、所望の改良のために表される配列空間を質問するために、超高処理量スクリーニングとの併用で使用する。本技術は、相同性とは無関係の複数の遺伝子組換えを可能にする。乗換え事象の正確な数及び位置は、生物情報学的分析を介して設計された断片を使用してあらかじめ決定することができる。本技術は、非常に高レベルの多様性をもたらし、親遺伝子の再形成を本質的に有さず、低レベルの不活性遺伝子を有する。GSSMと組み合わせると、大きな範囲の突然変異を、改良された活性について試験することができる。該方法は、DNAシャッフリングの「配合」及び「微調整」を可能にし、例えば、コドンの使用は最適化することができる。
インシリコタンパク質設計自動化PDAは、特定の倍数を有する構造的に規定されたタンパク質骨格を固定し、かつ倍数及び全体的なタンパク質エネルギー性を安定化させることのできるアミノ酸置換のための配列空間を検索する、最適化アルゴリズムである(Hayesらの文献(Proc Natl Acad Sci U. S. A 99:15926-15931(2002)))。この技術は、タンパク質アミノ酸変動に対する構造的耐性を検索するために、インシリコでの構造ベースのエントロピー予測を可能にする。統計的メカニクスを適用して、各位置におけるカップリング相互作用を算出し‐アミノ酸置換に対する構造的耐性は、カップリングの尺度である。究極的には、本技術は、構造特徴の統合性を維持しながら、タンパク質特性の所望の修飾を生じるよう設計される。該方法は、非常に多数の起こり得る配列バリアント(1050)のフィルタリングを計算上評価し可能にする。試験するための配列バリアントの選択は、最も好ましい熱力学に基づいた予測と関連しており、安定性と連関した表面上は唯一の安定性又は特性を、本技術を用いて効果的に扱うことができる。該方法は、いくつかの治療用タンパク質において、特に免疫グロブリンを操作する上で、成功裏に使用されてきた。インシリコの予測は、極端に多数の潜在的なバリアントを試験するのを回避する。既存の3次元構造に基づいた予測は、仮説上の構造に基づいた予測よりも成功しそうである。本技術は、複数の同時突然変異の標的指向化(targeted)スクリーニングを容易に予測及び可能にすることができ、数の指数関数的増加により、純粋に実験的な技術を用いて可能ではないこともある。
反復性飽和突然変異誘発(Iterative Saturation Mutagenesis)(ISM)は、1)構造/機能の知識を使用して、酵素の改良にありがちな部位を選択すること、2)Stratagene QuikChange(又は他の好適な手段)を使用して選択された部位における飽和突然変異誘発、3)所望の特性についてのスクリーニング/選択、4)改良されたクローンを用いて、別の部位及び持続した反復でやり直すことを包含する(Reetzらの文献(Nat. Protoc. 2:891-903(2007));及びReetzらの文献(Angew. Chem. Int. Ed Engl. 45:7745-7751(2006)))。これは、所与の位置における起こり得るすべての置き換えが、スクリーニング/選択についてなされることを保証する立証された方法論である。
突然変異誘発のための上記の任意の方法は、単独で又は任意の組み合わせで使用することができる。加えて、所望の進化方法の任意の1つ又は組み合わせは、適応進化の技術と組み合わせて使用することができる。
より良好な産生体を作出するために、代謝モデリングを利用して、増殖条件を最適化することができる。また、モデリングを使用して、経路の利用を追加的に最適化する遺伝子ノックアウトを設計することができる(例えば、米国特許公報US 2002/0012939、US 2003/0224363、US 2004/0029149、US 2004/0072723、US 2003/0059792、US 2002/0168654、及びUS 2004/0009466、並びに米国特許第7,127,379号を参照されたい。)。モデリング分析は、MEK又は2-ブタノールのより効率的な産生の方へ代謝を移行させることが細胞増殖に及ぼす効果に関して、信頼性のある予測を可能にする。
所望の生成物の生合成を助力する代謝的変更を同定及び設計するための1つの計算方法は、OptKnock計算フレームワークである(Burgardらの文献(Biotechnol. Bioeng. 84:647-657(2003)))。OptKnockは、標的生成物を過剰産生する遺伝的に安定した微生物を結果として生じる遺伝子の欠失戦略又は破壊戦略を示唆する代謝モデリング及びシミュレーションプログラムである。具体的には、該フレームワークは、所望の生化学物質を細胞増殖の絶対的な副産物となることを余儀なくさせる遺伝的操作を示唆するために、微生物の完全な代謝的及び/又は生化学的ネットワークを検討する。戦略的に配置された遺伝子欠失又は他の機能的遺伝子破壊を通じて、生化学的産生を細胞増殖と連関させることによって、バイオリアクターでの長期間後の該操作された株に課される増殖淘汰圧は、増殖と連関した強制的な生化学的産生の結果として、性能の向上をもたらす。最後に、遺伝子欠失が構築される場合、OptKnockにより選択される遺伝子がゲノムから完全に除去されるはずなので、該設計された株はその野生型状態に復帰するごくわずかな可能性がある。それゆえ、この計算方法論を使用して所望の生成物の生合成をもたらす代替経路を同定することができるか、又は所望の生成物の生合成の更なる最適化のために非天然微生物との関連で使用することができるかのいずれかである。
簡潔にいうと、OptKnockは、細胞代謝をモデル化するための計算方法及びシステムを指すために本明細書において使用される用語である。OptKnockプログラムは、特定の制約を流動バランス分析(FBA)モデルに組み込むモデル及び方法のフレームワークに関する。これらの制約には、例えば、質的な動力学的情報、質的な調節情報、及び/又はDNAマイクロアレイ実験データを含む。また、OptKnockは、例えば、遺伝子の付加又は欠失の存在下で、流動バランスモデルに由来する流動境界を厳しくすること、及びその後代謝ネットワークの性能限界を探査することにより、種々の代謝的課題に対する解も計算する。OptKnock計算フレームワークは、代謝ネットワークの性能限界の有効な問い合わせを可能にするモデル考案の構築を可能にし、その結果としての混合整数線形プログラム課題を解決するための方法を提供する。本明細書においてOptKnockと称される代謝的なモデリング方法及びシミュレーション方法は、例えば、2002年1月10日に出願の米国公報2002/0168654、2002年1月10日に出願の国際特許第PCT/US02/00660号、及び2007年8月10日に出願の米国公報2009/0047719に説明されている。
生成物の生合成産生を助力する代謝的変更を同定及び設計する別の計算方法は、SimPheny(登録商標)と称される代謝モデリング及びシミュレーションシステムである。この計算方法及びシステムは、2002年6月14日に出願のU.S.公報2003/0233218、及び2003年6月13日に出願の国際特許出願第PCT/US03/18838号に説明されている。SimPheny(登録商標)は、インシリコでネットワークモデルを作成し、かつ生物系の化学反応を介する質量、エネルギー又は電荷の流れを模倣して、該系における化学反応の任意の及び全ての起こり得る機能性を含む解空間を規定し、それにより該生物系に許容されるある範囲の活性を測定するために使用することのできるシステムである。本アプローチは、該解空間が、該包含される反応の公知の化学量論などの制約、並びに反応による最大流と関連する反応熱力学制約及び容量制約により規定されるので、制約系モデリングと呼ばれる。これらの制約により規定される空間は、該生物系の、又はその生化学成分の表現型の能力及び挙動を決定するために調べることができる。
生物系は柔軟で、かつ多くの異なる経路で同じ結果に到達することができるので、これらの計算的アプローチは生物学的実体と整合する。生物系は、すべての生体系が対面しなければならない根本的制約により制限された進化的機構により設計される。それゆえ、制約系モデリング戦略は、これら全般的実体を包含する。更に、制約の厳しさを介して更なる制限をネットワークモデルに連続的に課す能力は結果的に、該解空間のサイズの減少を生じ、これにより生理学的性能又は表現型を予測することのできる精度を高める。
本明細書に提供される教示及びガイダンスを考慮すると、当業者は、種々の計算フレームワークを代謝モデリング及びシミュレーションに適用して、宿主微生物の所望の化合物の生合成を設計及び実施することができる。このような代謝モデリング方法及びシミュレーション方法には、例えば、SimPheny(登録商標)及びOptKnockとして先に例証される計算システムを含む。本発明の引例のために、いくつかの方法は、モデリング及びシミュレーションのためのOptKnock計算フレームワークに関して本明細書に説明される。当業者は、OptKnockを当該技術分野において周知の任意のそのような他の代謝モデリング及びシミュレーション計算フレームワーク及び方法に対して使用する、代謝的変更の同定、設計及び実施の適用法を知っているであろう。
先に説明した方法は、破壊するための1セットの代謝反応を提供する。該セットの範囲内の各反応の除去又は代謝的修飾は結果的に、該生物の増殖相の間の必須生成物として、所望の生成物を生じることができる。該反応は公知であるので、二層性のOptKnock課題への解はまた、該セットの反応内の各反応を触媒する1以上の酵素をコードする関連した遺伝子(gene)又は遺伝子(genes)も提供する。1セットの反応及び各反応に関与する酵素をコードする相応する該反応の遺伝子の同定は、一般的に、自動化されたプロセスであり、該反応と、酵素とコード遺伝子の関係を有する反応データベースとの相関を介して達成される。
一旦同定されると、所望の生成物の産生を達成するために破壊されるはずの該セットの反応は、該セット内の各代謝反応をコードする少なくとも1つの遺伝子の機能的な破壊により標的の細胞又は生物において行う。該反応セットの機能的な破壊を達成する1つの特に有用な手段は、各コード遺伝子の削除によるものである。しかしながら、いくつかの場合において、例えば、プロモーター若しくは調節因子のためのシス結合部位などの調節領域の突然変異、欠失を含む他の遺伝的異常により、又は任意のいくつかの位置でのコード配列の切り詰めにより該反応を破壊することは、有益であり得る。これらの後者の異常は、該遺伝子セットの決して全部ではない欠失を生じ、例えば、生成物の連関の迅速な評価が望まれる場合、又は遺伝的復帰があまり起こりそうにない場合に有用であり得る。
破壊するためのさらなるセットの反応をもたらす、又は所望の生成物の増殖と連関した生合成を含む生合成を結果的に生じることのできる代謝修飾をもたらす先に説明した二層性のOptKnock課題に対する追加的な生産的解を同定するために、整数カットと称される最適化方法を行うことができる。本方法は、先に例証したOptKnock課題を、各反復での整数カットと称される追加的な制約の組み込みで反復して解くことにより進められる。整数カット制約は、解決手順が、生成物の生合成を増殖に強制的に連関させる任意の先行反復において同定されたものと全く同じセットの反応を選択することを効果的に防止する。例えば、既に同定された増殖連関代謝修飾が破壊のための反応1、2及び3を指定する場合、追随する制約は、同じ反応が、その後の解において同時に考慮されるのを防止する。整数カット方法は、当該技術分野において周知であり、例えばBurgardらの文献(Biotechnol. Prog. 17:791-797(2001))において説明されているのが認められ得る。代謝モデリング及びシミュレーションのためのOptKnock計算フレームワークと組み合わせた、本明細書に説明されるすべての方法の使用に関して、該方法と同様に、反復的な計算分析の冗長性を低減する整数カット法はまた、例えばSimPheny(登録商標)を含む当該技術分野において周知の他の計算フレームワークと共に適用することもできる。
本明細書に例示される方法は、標的生化学的生成物の産生と、同定された遺伝的変更を有するように操作された細胞又は生物の増殖との必須の連関を含む、所望の生成物を生合成的に産生する細胞及び生物の構築を可能にする。それゆえ、本明細書に説明される計算方法は、OptKnock又はSimPheny(登録商標)から選択されるインシリコ法により同定される代謝修飾の同定及び実施を可能にする。代謝修飾のセットには、例えば、1以上の生合成経路酵素の添加及び/又は例えば遺伝子欠失による破壊を含む1以上の代謝反応の機能的な破壊を含むことができる。
先に論議したように、OptKnock方法論は、長期の増殖選択に供する場合、変異体微生物ネットワークがそれらの計算的に予測された最高増殖の表現型の方へ進化することができるという前提で開発された。換言すれば、該アプローチは、選択圧の下で自己最適化する生物の能力を強化する。OptKnockフレームワークは、ネットワーク化学量論に基づく生化学的産生と細胞増殖の間の連関を余儀なくする遺伝子欠失の組み合わせの網羅的な列挙を可能にする。最適な遺伝子/反応ノックアウトの同定は、結果として生じるネットワークのための最適な増殖の解が、関心対象の生化学物質を過剰産生するように、活性のある反応のセットを選択する二層性の最適化課題の解を必要とする(Burgardらの文献(Biotechnol. Bioeng. 84:647-657(2003)))。
大腸菌代謝のインシリコ化学量論的モデルを採用して、既に例証されたように、並びに例えば、米国特許公報US 2002/0012939、US 2003/0224363、US 2004/0029149、US 2004/0072723、US 2003/0059792、US 2002/0168654及びUS 2004/0009466並びに米国特許第7,127,379号において説明されているように、代謝経路のための必須遺伝子を同定することができる。本明細書に開示するように、OptKnock数学的フレームワークは、所望の生成物の増殖連関産生をもたらすピンポイントでの遺伝子欠失に適用することができる。更に、二層性のOptKnock課題の解は、1セットの欠失のみを提供する。意味のあるすべての解、すなわち、増殖連関産生形成をもたらすノックアウトの全セットを列挙するために、整数カットと称される最適化技術を行うことができる。これは、先に論議したように、各反復における整数カットと称される追加的な制約の組み込みを用いてOptKnock課題を反復的に解くことを必要とする。
本発明の種々の実施態様の活性に実質的に影響を及ぼさない改変も、本明細書に提供される本発明の定義内に含まれることは理解される。したがって、以下の実施例は、本発明を説明するよう意図されるものであるが制限するよう意図されるものではない。
(実施例I)
(アセトアセチル-CoAを中間体として用いるMEK合成)
本実施例は、アセトアセチル-CoAを前駆体として用いる、MEKを産生することのできる微生物の作出を説明する(図1における工程A、D及びE)。MEKの産生のための遺伝子を大腸菌に挿入する。
大腸菌を標的生物として用い、図1の経路を操作する。大腸菌は、MEKを産生することのできる非天然微生物を作出するための良好な宿主を提供する。大腸菌は、遺伝子操作に敏感に反応し、嫌気性条件又は微好気性条件の下で効果的に、エタノール、酢酸、ギ酸、乳酸、及びコハク酸のような種々の生成物を産生することができることが公知である。
MEKを産生するよう操作された大腸菌株を作出するために、既に説明したように、開示された経路(工程A、D、及びE)において利用される該酵素をコードする核酸を、周知の分子生物学法を用いて大腸菌において発現させる(Ausubelらの文献「分子生物学における最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」(John Wiley and Sons, Baltimore, MD (1999));Sambrookらの文献「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」(Cold Spring Harbor Laboratory, New York (2001)))。2分子のアセチル-CoAを縮合して、アセトアセチル-CoAを形成するatoB(受入番号:NP_416728.1)によってコードされる未変性チオラーゼを大腸菌が有することに留意されたい。さらに、アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、及びMEK酸化還元酵素の活性をそれぞれコードする遺伝子であるadhE2(AAK09379.1)、hmd(ABC88407.1)、及びYML131W(AAS56318.1)を、PA1/lacOプロモーターの下でpZE13ベクター(Expressys, Ruelzheim, Germany)へとクローニングする。このプラスミドを大腸菌株MG1655へと形質転換し、アセトアセチル-CoAを介したMEK合成に必要とされるタンパク質及び酵素を発現させる。アセトアセチル-CoAの高い利用可能性のため、atoBは、同じベクター又は別の互換性のあるプラスミドにおいて発現することができ、大腸菌へと同様に形質転換する。
結果として生じる遺伝子操作された生物を、当該技術分野で周知の手順に従って、グルコース含有培地において培養する(Ausubelらの文献(上述);Sambrookらの文献(上述))。経路遺伝子の発現は、例えば、ノーザンブロット法、mRNAのPCR増幅、免疫ブロット法を含む、ポリペプチド発現又は酵素活性を決定するための当該技術分野で周知の方法を用いて確証される。発現した酵素の酵素活性は、個々の活性に特異的なアッセイを用いて確認される。MEKを産生するよう操作された大腸菌株の能力は、HPLC、ガスクロマトグラフィー‐質量分析(GCMS)又は液体クロマトグラフィー‐質量分析(LCMS)を用いて確認される。
機能的なMEK合成経路を有するよう操作された微生物株は、該経路の効率的な利用のための最適化によってさらに増加する。簡潔には、操作された株を評価して、任意の外来性遺伝子が律速レベルで発現するかどうかを決定する。発現は、例えば追加的な遺伝子コピー数の導入によって経路を通じて流れを制限することのできる低レベルで発現した任意の酵素について増大する。
より良好な産生体を作出するために、代謝モデリングを利用して、増殖条件を最適化する。また、モデリングを使用して、経路の利用を追加的に最適化する遺伝子ノックアウトを設計する(例えば、米国特許公報US 2002/0012939、US 2003/0224363、US 2004/0029149、US 2004/0072723、US 2003/0059792、US 2002/0168654、及びUS 2004/0009466、並びに米国特許第7,127,379号を参照されたい。)。モデリング分析は、MEKのより効率的な産生の方へ代謝を移行させることが細胞増殖に及ぼす効果に関して、信頼性のある予測を可能にする。1つのモデリング法は、二層性最適化アプローチであるOptKnockであり(Burgardらの文献(Biotechnol. Bioeng. 84:647-657(2003)))、MEKのより良好な産生を集約的に結果として生じる遺伝子ノックアウトを選択するために適用される。また、適応進化を使用して、例えば、アセトアセチル-CoA中間体又はMEK生成物のより良好な産生体を作出することができる。適応進化を実施して、増殖特徴及び産生特徴の両方を改良する(Alperらの文献(Science 314:1565-1568(2006));Fong及びPalssonの文献(Nat. Genet. 36:1056-1058(2004)))。結果に基づいて、モデリング、遺伝子操作、及び適応進化のその後のラウンドをMEK産生体に適用して、産生をさらに増大させることができる。
MEKの大規模産生のために、組換え生物を、当該技術分野で公知の培地を用いて発酵槽において培養し、嫌気性条件下で該生物の増殖を支持する。発酵は、バッチ、供給バッチ、又は連続様式のいずれかで実施する。嫌気性条件は、まず培地に窒素を散布し、次に培養容器を封止することによって維持される(例えば、フラスコは、中隔及び圧着キャップを用いて封止することができる。)。また、微好気性条件は、限られた通気のための小開口を提供することによって利用することができる。培地のpHは、H2SO4などの酸の添加によって、7のpHに維持される。増殖速度は、分光光度計(600nm)を用いて光学密度を測定することによって決定され、グルコース取り込み速度は、炭素源枯渇を経時的にモニターすることによって決定される。望ましくないアルコール、有機酸、及び残余のグルコースなどの副産物は、HPX‐087カラム(BioRad)を備え、グルコース及びアルコールのために屈折率検出器を、有機酸のために紫外線検出器を用いるHPLC(Shimadzu)によって定量化することができる(Linらの文献(Biotechnol. Bioeng. 90:775-779(2005)))。
(実施例II)
(アラニンを中間体として用いるMEK合成)
本実施例は、工程A、B、C、D、E、及びJを介して図2のアラニン経路を用いてMEKを産生することのできる微生物の作出を説明する。MEKの産生のための遺伝子を大腸菌に挿入する。
大腸菌を標的生物として使用して、図2に示されるMEK産生経路を操作する。大腸菌は、MEKを産生することのできる非天然微生物を作出するための良好な宿主を提供する。大腸菌は、遺伝子操作に敏感に反応し、嫌気性条件又は微好気性条件の下で効果的に、エタノール、酢酸、ギ酸、乳酸、及びコハク酸のような種々の生成物を提供することができることが公知である。
MEKを産生するよう操作された大腸菌株を作出するために、既に説明した、アラニン経路において利用される酵素をコードする核酸を大腸菌において、周知の分子生物学法を用いて発現させる(例えば、Ausubelの文献(上述);Sambrookの文献(上述)を参照されたい)。特に、AKPチオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、及び2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼの活性をそれぞれコードする遺伝子ortA(YP_001086914.1)、ortB(YP_001086915.1)、 dat(P19938)、及びpdc(P06672)をPA1/lacOプロモーターの下で、pZE13ベクター(Expressys, Ruelzheim, Germany)へとクローニングする。加えて、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、及びグルタマート脱水素酵素の活性をそれぞれコードするyqhD遺伝子(NP_417484.1)、hmd遺伝子(ABC88407.1)、YML131 W遺伝子(AAS56318.1)、及びGDH2遺伝子(NP_010066.1)を、PA1/lacOプロモーターの下で、pZA33ベクター(Expressys, Ruelzheim, Germany)へとクローニングする。2セットのプラスミドを大腸菌株MG1655へと形質転換して、アラニン経路を介したMEK合成に必要とされるタンパク質及び酵素を発現させる。大腸菌が、D-アラニンを形成する能力を有することに留意されたい。しかしながら、D-アラニンレベルは、先のベクターか又は第三の互換性のあるプラスミドのいずれかにおいてアラニンラセマーゼをコードするalr(NP_418477)又はdadX(AAC74274)を発現して、大腸菌に形質転換することによって潜在的に増大することができる。
結果として生じる遺伝子操作された生物を、当該技術分野で周知の手順に従って、グルコース含有培地において培養する(例えば、Ausubelらの文献(上述);Sambrookらの文献(上述)を参照されたい。)。アラニン経路遺伝子の発現は、例えば、ノーザンブロット法、mRNAのPCR増幅、免疫ブロット法を含む、ポリペプチド発現又は酵素活性を決定するための当該技術分野で周知の方法を用いて確証される。発現した酵素の酵素活性は、個々の活性に特異的なアッセイを用いて確認される。操作された大腸菌株がMEKを産生する能力は、HPLC、ガスクロマトグラフィー‐質量分析(GCMS)、又は液体クロマトグラフィー‐質量分析(LCMS)を用いて確認される。
機能的MEK合成経路を有するよう操作された微生物株は、該経路の効率的な利用のための最適化によってさらに増加する。簡潔には、操作された株を評価して、任意の外来性遺伝子が律速レベルで発現するかどうかを決定する。発現は、例えば追加的な遺伝子コピー数の導入によって該経路を通じた流れを制限することのできる低レベルで発現した任意の酵素について増大する。
より良好な産生体を作出するために、代謝モデリングを利用して、増殖条件を最適化する。また、モデリングを使用して、前記経路の利用を追加的に最適化する遺伝子ノックアウトを設計する(例えば、米国特許公報US 2002/0012939、US 2003/0224363、US 2004/0029149、US 2004/0072723、US 2003/0059792、US 2002/0168654、及びUS 2004/0009466、並びに米国特許第7,127,379号を参照されたい。)。モデリング分析は、MEKのより効率的な産生の方へ代謝を移行させることが細胞増殖に及ぼす効果に関して、信頼性の高い予測を可能にする。1つのモデリング法は、二層性最適化アプローチであるOptKnockであり(Burgardらの文献(Biotechnol. Bioeng. 84:847-657(2003)))、MEKのより良好な産生を集約的に結果として生じる遺伝子ノックアウトを選択するよう適用される。また、適応進化を使用して、例えばアラニン若しくは2-アミノ-4-オキソペンタノアート中間体又はMEK生成物のより良好な産生体を作出することができる。適応進化を実施して、増殖特徴及び産生特徴の両方を改良する(Alperらの文献(Science 314:1565-1568(2006));Fong及びPalssonの文献(Nat. Genet. 36:1056-1058(2004)))。本結果に基づいて、モデリング、遺伝子操作、及び適応進化のその後のラウンドをMEK産生体に適用して、産生をさらに増大させることができる。
MEKの大規模な産生のために、先のアラニン経路を含む生物を、当該技術分野で公知の培地を用いて発酵槽において培養し、嫌気性条件下で生物の増殖を支持する。発酵は、バッチ、供給バッチ、又は連続様式のいずれかで実施される。嫌気性条件は、まず培地に窒素を散布した後、培養容器を封止することによって維持される(例えば、フラスコは、中隔又は圧着キャップを用いて封止することができる。)。また、微好気性条件は、限られた通気のための小開口を提供することによって利用することができる。培地のpHは、H2SO4などの酸の添加によって、7のpHに維持される。増殖速度は、分光光度計(600nm)を用いて光学密度を測定することによって決定され、グルコース取り込み速度は、炭素源枯渇を経時的にモニターすることによって決定される。望ましくないアルコール、有機酸、及び残余のグルコースなどの副産物は、HPX‐087カラム(BioRad)を備え、グルコース及びアルコールのために屈折率検出器を、有機酸のために紫外線検出器を用いるHPLC(Shimadzu)によって定量化することができる(Linらの文献(Biotechnol. Bioeng., 90:775-779(2005)))。
(実施例III)
(アセトアセチル-CoAを中間体として用いる2-ブタノール合成)
本実施例は、アセトアセチル-CoAを前駆体として用いる2-ブタノールを産生することのできる微生物の作出を説明する(図1における工程A、D、及びE)。2-ブタノールの産生のための遺伝子を大腸菌に挿入する。
大腸菌を標的生物として用いて、図1の経路を操作する。大腸菌は、2-ブタノールを産生することのできる非天然微生物を作出するための良好な宿主を提供する。大腸菌は、遺伝子操作に敏感に反応し、嫌気性条件又は微好気性条件の下で効果的に、エタノール、酢酸、ギ酸、乳酸、及びコハク酸のような種々の生成物を産生することができることが公知である。
2-ブタノールを産生するよう操作された大腸菌株を作出するために、既に説明したように開示された経路(工程A、D、及びE)において利用される酵素をコードする核酸を、周知の分子生物学法を用いて大腸菌において発現させる(Ausubelの文献(上述);Sambrookの文献(上述))。大腸菌が、2分子のアセチル-CoAを縮合してアセトアセチル-CoAを形成するatoB(受入番号:NP_416728.1)によってコードされる未変性のチオラーゼを有することに留意されたい。さらに、アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、3-オキソブタノールデヒドラターゼMEK酸化還元酵素、及びMEK還元酵素の酵素をコードするadhE2遺伝子(AAK09379.1)、hmd遺伝子(ABC88407.1)、YML131W遺伝子(AAS56318.1)、及びsadh遺伝子(CAD36475)は、アセトアセチル-CoAを介した2-ブタノール合成に必要とされる。アセトアセチル-CoAの高い利用可能性のため、atoB遺伝子は、同じベクター又は別の互換性のあるプラスミドにおいて発現することができ、同様に大腸菌へと形質転換される。
結果として生じる遺伝子操作された生物を、当該技術分野で周知の手順に従って、グルコース含有培地において培養する(例えば、Ausubelらの文献(上述);Sambrookらの文献(上述)を参照されたい。)。経路遺伝子の発現は、例えば、ノーザンブロット法、mRNAのPCR増幅、免疫ブロット法を含む、ポリペプチド発現又は酵素活性を決定するための当該技術分野で周知の方法を用いて確証される。発現した酵素の酵素活性は、個々の活性に特異的なアッセイを用いて確認される。操作された大腸菌株が2-ブタノールを産生する能力は、HPLC、ガスクロマトグラフィー‐質量分析(GCMS)、又は液体クロマトグラフィー‐質量分析(LCMS)を用いて確認される。
機能的2-ブタノール合成経路を有するよう操作された微生物株は、該経路の効率的な利用のための最適化によってさらに増加する。簡潔には、操作された株を評価して、任意の外来性遺伝子を律速レベルで発現するかどうかを決定する。発現は、例えば、追加的な遺伝子コピー数の導入によって該経路を通じて流れを制限することのできる低レベルで発現した任意の酵素について増大する。
より良好な産生体を作出するために、代謝モデリングを利用して、増殖条件を最適化する。また、モデリングを使用して、経路の利用を追加的に最適化する遺伝子ノックアウトを設計する(例えば、米国特許公報US 2002/0012939、US 2003/0224363、US 2004/0029149、US 2004/0072723、US 2003/0059792、US 2002/0168654、及びUS 2004/0009466、並びに米国特許第7,127,379号を参照されたい。)。モデリング分析は、2-ブタノールのより効率的な産生の方へ代謝を移行させることが細胞増殖に及ぼす効果に関して、信頼性のある予測を可能にする。1つのモデリング法は、二層性最適化アプローチであるOptKnockであり(Burgardらの文献(Biotechnol. Bioeng. 84:647-657(2003)))、MEKのより良好な産生を集約的に結果として生じる遺伝子ノックアウトを選択するために適用される。また、適応進化を使用して、例えば、アセトアセチル-CoA中間体又は2-ブタノール生成物のより良好な産生体を作出することができる。適応進化を実施して、増殖特徴及び産生特徴の両方を改良する(Alperらの文献(Science 314:1565-1568(2006));Fong及びPalssonの文献(Nat. Genet. 36:1056-1058(2004)))。結果に基づいて、モデリング、遺伝子操作、及び適応進化のその後のラウンドを2-ブタノール産生体に適用して、産生をさらに増大させることができる。
2-ブタノールの大規模産生のために、組換え生物を、当該技術分野で公知の培地を用いて発酵槽において培養し、嫌気性条件下で該生物の増殖を支持する。発酵は、バッチ、供給バッチ、又は連続様式のいずれかで実施する。嫌気性条件は、まず培地に窒素を散布し、次に培養容器を封止することによって維持される(例えば、フラスコは、中隔及び圧着キャップを用いて封止することができる。)。また、微好気性条件は、限られた通気のための小開口を提供することによって利用することができる。培地のpHは、H2SO4などの酸の添加によって、7のpHに維持される。増殖速度は、分光光度計(600nm)を用いて光学密度を測定することによって決定され、グルコース取り込み速度は、炭素源枯渇を経時的にモニターすることによって決定される。望ましくないアルコール、有機酸、及び残余のグルコースなどの副産物は、HPX‐087カラム(BioRad)を備え、グルコース及びアルコールのために屈折率検出器を、有機酸のために紫外線検出器を用いるHPLC(Shimadzu)によって定量化することができる(Linらの文献(Biotechnol. Bioeng., 90:775-779(2005)))。
(実施例IV)
(アラニンを中間体として用いる2−ブタノール合成)
本実施例は、工程A、B、C、D、E、及びJを介した図2のアラニン経路を用いて、2-ブタノールを産生することのできる微生物の作出を説明する。2-ブタノールの産生のための遺伝子を大腸菌に挿入する。
大腸菌を標的生物として用い、図2に示されるように、2-ブタノール産生経路を操作する。大腸菌は、2-ブタノールを産生することのできる非天然微生物を作出するための良好な宿主を提供する。大腸菌は、遺伝子操作に敏感に反応し、嫌気性条件又は微好気性条件の下で効果的に、エタノール、酢酸、ギ酸、乳酸、及びコハク酸のような種々の生成物を産生することができることが公知である。
2-ブタノールを産生するよう操作された大腸菌株を作出するために、すでに説明したような、アラニン経路において利用される酵素をコードする核酸を、周知の分子生物学法を用いて大腸菌において発現させる(例えば、Ausubelの文献(上述);Sambrookの文献(上述)を参照されたい。)。特に、AKPチオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、及び2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼの活性をそれぞれコードするortA遺伝子(YP_001086914.1)、ortB遺伝子(YP_001086915.1)、dat遺伝子(P19938)、及びpdc遺伝子(P06672)を、PA1/lacOプロモーターの下で、pZE13ベクター(Expressys, Ruelzheim, Germany)へとクローニングする。加えて、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、MEK還元酵素、及びグルタマート脱水素酵素をそれぞれコードするyqhD遺伝子(NP_417484.1)、hmd遺伝子(ABC88407.1)、YML131W遺伝子(AAS56318.1)、sadh遺伝子(CAD36475)、及びGDH2遺伝子(NP_010066.1)を、PA1/lacOプロモーターの下で、pZA33ベクター(Expressys, Ruelzheim, Germany)へとクローニングする。2セットのプラスミドを大腸菌株MG1655へと形質転換して、アラニン経路を介したMEK合成に必要とされるタンパク質及び酵素を発現させる。大腸菌がD-アラニンを形成する能力を有することに留意されたい。しかしながら、D-アラニンレベルは、先のベクター又は第三の互換性のあるプラスミドのいずれかにおいて、アラニンラセマーゼをコードするalr(NP_418477)又はdadX(AAC74274)を発現させ、大腸菌へと形質転換することによって潜在的に増大することができる。
結果として生じる遺伝子操作された生物を、当該技術分野で周知の手順に従って、グルコース含有培地において培養する(例えば、Ausubelらの文献(上述);Sambrookらの文献(上述)を参照されたい。)。アラニン経路遺伝子の発現は、例えば、ノーザンブロット法、mRNAのPCR増幅、免疫ブロット法を含む、ポリペプチド発現又は酵素活性を決定するための当該技術分野で周知の方法を用いて確証される。発現した酵素の酵素活性は、個々の活性に特異的なアッセイを用いて確認される。2-ブタノールを産生するよう操作された大腸菌株の能力は、HPLC、ガスクロマトグラフィー‐質量分析(GCMS)又は液体クロマトグラフィー‐質量分析(LCMS)を用いて確認される。
機能的な2-ブタノール合成経路を有するよう操作された微生物株は、該経路の効率的な利用のための最適化によってさらに増加する。簡潔には、操作された株を評価して、任意の外来性遺伝子が律速レベルで発現するかどうかを決定する。発現は、例えば追加的な遺伝子コピー数の導入によって経路を通じて流れを制限することのできる低レベルで発現した任意の酵素について増大する。
より良好な産生体を作出するために、代謝モデリングを利用して、増殖条件を最適化する。また、モデリングを使用して、経路の利用を追加的に最適化する遺伝子ノックアウトを設計する(例えば、米国特許公報US 2002/0012939、US 2003/0224363、US 2004/0029149、US 2004/0072723、US 2003/0059792、US 2002/0168654、及びUS 2004/0009466、並びに米国特許第7,127,379号を参照されたい。)。モデリング分析は、2-ブタノールのより効率的な産生の方へ代謝を移行させることが細胞増殖に及ぼす効果に関して、信頼性のある予測を可能にする。1つのモデリング法は、二層性最適化アプローチであるOptKnockであり(Burgardらの文献(Biotechnol. Bioeng. 84:647-657(2003)))、MEKのより良好な産生を集約的に結果として生じる遺伝子ノックアウトを選択するために適用される。また、適応進化を使用して、例えば、アラニン若しくは2-アミノ-4-オキソペンタノアート中間体又は2-ブタノール生成物のより良好な産生体を作出することができる。適応進化を実施して、増殖特徴及び産生特徴の両方を改良する(Alperらの文献(Science 314:1565-1568(2006));Fong及びPalssonの文献(Nat. Genet. 36:1056-1058(2004)))。結果に基づいて、モデリング、遺伝子操作、及び適応進化のその後のラウンドを2-ブタノール産生体に適用して、産生をさらに増大させることができる。
2-ブタノールの大規模産生のために、先のアラニン経路含有生物を、当該技術分野で公知の培地を用いて発酵槽において培養し、嫌気性条件下で該生物の増殖を支持する。発酵は、バッチ、供給バッチ、又は連続様式のいずれかで実施する。嫌気性条件は、まず培地に窒素を散布し、次に培養容器を封止することによって維持される(例えば、フラスコは、中隔及び圧着キャップを用いて封止することができる。)。また、微好気性条件は、限られた通気のための小開口を提供することによって利用することができる。培地のpHは、H2SO4などの酸の添加によって、7のpHに維持される。増殖速度は、分光光度計(600nm)を用いて光学密度を測定することによって決定され、グルコース取り込み速度は、炭素源枯渇を経時的にモニターすることによって決定される。望ましくないアルコール、有機酸、及び残余のグルコースなどの副産物は、HPX‐087カラム(BioRad)を備え、グルコース及びアルコールのために屈折率検出器を、有機酸のために紫外線検出器を用いるHPLC(Shimadzu)によって定量化することができる(Linらの文献(Biotechnol. Bioeng., 775-779(2005)))。
本出願を通じて、種々の刊行物が括弧内に引用されている。これらの全体におけるこれらの刊行物全体における開示は、本発明の属する技術分野の状態をより完全に説明するために、本出願において引用により本明細書により組み込まれる。
本発明は、開示された実施態様に関して説明されているが、当業者は、具体的な実施例及び先に詳述された研究が本発明を説明するものにすぎないことを容易に認識するであろう。種々の変更が、本発明の精神を逸脱せずに実施することができることは理解されるべきである。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。

Claims (108)

  1. MEKを産生するのに十分な量で発現するMEK経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含むMEK経路を有する微生物を含み、該MEK経路は、アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、3‐オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む、非天然微生物。
  2. 前記MEK経路が、下記からなる群から選択される1セットのMEK経路酵素を含む、請求項1に記載の非天然微生物:
    (1)アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(3)MEK酸化還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、並びに(7)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素。
  3. MEK経路酵素を各々コードする2つの外来性核酸を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  4. MEK経路酵素を各々コードする3つの外来性核酸を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  5. MEK経路酵素を各々コードする4つの外来性核酸を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  6. MEK経路酵素を各々コードする5つの外来性核酸を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  7. MEK経路酵素を各々コードする6つの外来性核酸を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  8. MEK経路酵素を各々コードする7つの外来性核酸を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  9. 前記アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)が、adhE、adhE2、mcr、Rcas_2929、NAP1_02720、MGP2080_00535、及びFARからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  10. 前記アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素が、acr1、sucD、bphG、adhE、Msed_709、mcr、asd‐2、Saci_2370、Ald、及びeutEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  11. 前記3-オキソブチルアルデヒド還元酵素が、alrA、ADH2、yqhD、bdhI、bdhII、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidhからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  12. 前記3-オキソブタノールデヒドラターゼが、hmd、BACCAP_02294、ANACOL_02527、NtherDRAFT_2368、dmdA、dmdB、fumA、fumB、fumC、fumH、fumI、MmcB、MmcC、aroD、aroQ、及びmhpDからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  13. 前記MEK酸化還元酵素が、NtRed1、YML131W、AtDBR1、P2、PulR、PtPPDBR、ALH1、enr、fadH、clcE、tfdFII、及びmacAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  14. 前記3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼが、SkyPYD4、SkUGA1、UGA1、Abat、Gta‐1、gabT、及びpuuEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  15. 前記4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  16. 前記2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼが、ortA、ortB、Amet_2368、Amet_2369、Teth512_1478、Teth514_1479、TTE1235、及びthrCからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  17. 前記AKPアミノトランスフェラーゼが、aspC、AAT2、ASP5、Got2、avtA、serC、及びdatからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  18. 前記2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼが、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、ilvB‐1、kgd、及びkdcAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  19. 前記AKPデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  20. 前記アセチルアクリラートデカルボキシラーゼが、CAD、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B5691、Reut_B5692、pad1、pdc、pofK、padC、及びpadからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  21. 前記AKPデカルボキシラーゼが、lysA、Odc1、及びpanDからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  22. 前記グルタマート脱水素酵素が、GDH2、rocG、gdh1、gdh2、及びGDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  23. 前記3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  24. 前記AKP酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  25. 前記少なくとも1つの外来性核酸が異種性核酸である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  26. 前記非天然微生物が実質的に嫌気性培地中にある、請求項1又は2のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  27. 2-ブタノールを産生するのに十分な量で発現する2-ブタノール経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む2-ブタノール経路を有する微生物を含み、該2-ブタノール経路は、アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、MEK還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む、非天然微生物。
  28. 前記2-ブタノール経路が、下記からなる群から選択される1セットの2-ブタノール経路酵素を含む、請求項27に記載の非天然微生物:
    (1)アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(3)MEK酸化還元酵素、並びに(4)MEK還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドトランスアミナーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、(7)MEK還元酵素、並びに(8)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素。
  29. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする2つの外来性核酸を含む、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  30. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする3つの外来性核酸を含む、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  31. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする4つの外来性核酸を含む、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  32. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする5つの外来性核酸を含む、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  33. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする6つの外来性核酸を含む、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  34. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする7つの外来性核酸を含む、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  35. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする8つの外来性核酸を含む、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  36. 前記アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)が、adhE、adhE2、mcr、Rcas_2929、NAP1_02720、MGP2080_00535、及びFARからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  37. 前記アセトアセチル‐CoAアルデヒド脱水素酵素が、acr1、sucD、bphG、adhE、Msed_709、mcr、asd‐2、Saci_2370、Ald、及びeutEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  38. 前記3-オキソブチルアルデヒド還元酵素が、alrA、ADH2、yqhD、bdhI、bdhII、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidhからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  39. 前記3-オキソブタノールデヒドラターゼが、hmd、BACCAP_02294、ANACOL_02527、NtherDRAFT_2368、dmdA、dmdB、fumA、fumB、fumC、fumH、fum1、MmcB、MmcC、aroD、aroQ、及びmhpDからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  40. 前記MEK酸化還元酵素が、NtRed1、YML131W、AtDBR1、P2、PulR、PtPPDBR、ALH1、enr、fadH、clcE、tfdFII、及びmacAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  41. 前記MEK還元酵素が、sadh、adhA、及びAdhからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  42. 前記3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼが、SkyPYD4、SkUGA1、UGA1、Abat、Gta‐1、gabT、及びpuuEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  43. 前記4−アミノブタン-2-オンデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  44. 前記2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼが、ortA、ortB、Amet_2368、Amet_2369、Teth512_1478、Teth514_1479、TTE1235、及びthrCからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  45. 前記AKPアミノトランスフェラーゼが、aspC、AAT2、ASP5、Got2、avtA、serC、及びdatからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  46. 前記2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼが、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、ilvB‐1、kgd、及びkdcAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  47. 前記AKPデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  48. 前記アセチルアクリラートデカルボキシラーゼが、CAD、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B5691、Reut_B5692、pad1、pdc、pofK、padC、及びpadからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  49. 前記AKPデカルボキシラーゼが、lysA、Odc1、及びpanDからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  50. 前記グルタマート脱水素酵素が、GDH2、rocG、gdh1、gdh2、及びGDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  51. 前記3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  52. 前記AKP酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  53. 前記少なくとも1つの外来性核酸が異種性核酸である、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  54. 前記非天然微生物が実質的に嫌気性培地中にある、請求項27又は28のいずれか一項に記載の非天然微生物。
  55. MEKを産生する条件下及び十分な時間で、MEKを産生するのに十分な量で発現するMEK経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含むMEK経路を有する非天然微生物を培養することを含み、該MEK経路は、アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む、MEKを産生する方法。
  56. 前記MEK経路が、下記からなる群から選択される1セットのMEK経路酵素を含む、請求項55に記載の方法:
    (1)アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(3)MEK酸化還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、並びに(4)MEK酸化還元酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、並びに(7)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)グルタマート脱水素酵素。
  57. 前記微生物が、MEK経路酵素を各々コードする2つの外来性核酸を含む、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記微生物が、MEK経路酵素を各々コードする3つの外来性核酸を含む、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記微生物が、MEK経路酵素を各々コードする4つの外来性核酸を含む、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記微生物が、MEK経路酵素を各々コードする5つの外来性核酸を含む、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記微生物が、MEK経路酵素を各々コードする6つの外来性核酸を含む、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記微生物が、MEK経路酵素を各々コードする7つの外来性核酸を含む、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)が、adhE、adhE2、mcr、Rcas_2929、NAP1_02720、MGP2080_00535、及びFARからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素が、acr1、sucD、bphG、adhE、Msed_709、mcr、asd‐2、Saci_2370、Ald、及びeutEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記3-オキソブチルアルデヒド還元酵素が、alrA、ADH2、yqhD、bdhI、bdhII、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidhからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記3-オキソブタノールデヒドラターゼが、hmd、BACCAP_02294、ANACOL_02527、NtherDRAFT_2368、dmdA、dmdB、fumA、fumB、fumC、fumH、fum1、MmcB、MmcC、aroD、aroQ、及びmhpDからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記MEK酸化還元酵素が、NtRed1、YML131W、AtDBR1、P2、PulR、PtPPDBR、ALH1、enr、fadH、clcE、tfdFII、及びmacAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼが、SkyPYD4、SkUGA1、UGA1、Abat、Gta‐1、gabT、及びpuuEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼが、ortA、ortB、Amet_2368、Amet_2369、Teth512_1478、Teth514_1479、TTE1235、及びthrCからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記AKPアミノトランスフェラーゼが、aspC、AAT2、ASP5、Got2、avtA、serC、及びdatからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼが、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、ilvB‐1、kgd、及びkdcAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記AKPデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記アセチルアクリラートデカルボキシラーゼが、CAD、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B5691、Reut_B5692、pad1、pdc、pofK、padC、及びpadからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記AKPデカルボキシラーゼが、lysA、Odc1、及びpanDからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記グルタマート脱水素酵素が、GDH2、rocG、gdh1、gdh2、及びGDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記AKP酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記少なくとも1つの外来性核酸が異種性核酸である、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記非天然微生物が実質的に嫌気性培地中にある、請求項55又は56のいずれか一項に記載の方法。
  81. 2-ブタノールを産生する条件下及び十分な時間で、2-ブタノールを産生するのに十分な量で発現する2-ブタノール経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む2-ブタノール経路を有する非天然微生物を培養することを含み、該2-ブタノール経路は、アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、3-オキソブタノールデヒドラターゼ、MEK酸化還元酵素、MEK還元酵素、3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKPアミノトランスフェラーゼ、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、AKPデアミナーゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、AKPデカルボキシラーゼ、グルタマート脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、及びAKP酸化還元酵素(アミノ化)からなる群から選択される酵素を含む、2-ブタノールを産生する方法。
  82. 前記2-ブタノール経路が、下記からなる群から選択される1セットの2-ブタノール経路酵素を含む、請求項81に記載の方法:
    (1)アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)、(2)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(3)MEK酸化還元酵素、並びに(4)MEK還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(3)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素
    (1)アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素、(2)3-オキソブチルアルデヒドトランスアミナーゼ及び/又は3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、並びに(5)MEK還元酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPアミノトランスフェラーゼ及び/又はAKP酸化還元酵素(アミノ化)、(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素、(5)3-オキソブタノールデヒドラターゼ、(6)MEK酸化還元酵素、(7)MEK還元酵素、並びに(8)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデアミナーゼ、(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素
    (1)AKPチオラーゼ、(2)AKPデカルボキシラーゼ、(3)4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼ、(4)MEK酸化還元酵素、(5)MEK還元酵素、並びに(6)グルタマート脱水素酵素。
  83. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする2つの外来性核酸を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする3つの外来性核酸を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする4つの外来性核酸を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする5つの外来性核酸を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする6つの外来性核酸を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする7つの外来性核酸を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記微生物が、2-ブタノール経路酵素を各々コードする8つの外来性核酸を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記アセトアセチル-CoA脱水素酵素(二機能性)が、adhE、adhE2、mcr、Rcas_2929、NAP1_02720、MGP2080_00535、及びFARからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記アセトアセチル-CoAアルデヒド脱水素酵素が、acr1、sucD、bphG、adhE、Msed_709、mcr、asd‐2、Saci_2370、Ald、及びeutEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記3-オキソブチルアルデヒド還元酵素が、alrA、ADH2、yqhD、bdhI、bdhII、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidhからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記3-オキソブタノールデヒドラターゼが、hmd、BACCAP_02294、ANACOL_02527、NtherDRAFT_2368、dmdA、dmdB、fumA、fumB、fumC、fumH、fum1、MmcB、MmcC、aroD、aroQ、及びmhpDからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記MEK酸化還元酵素が、NtRed1、YML131W、AtDBR1、P2、PulR、PtPPDBR、ALH1、enr、fadH、clcE、tfdFII、及びmacAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記MEK還元酵素が、sadh、adhA、及びAdhからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記3-オキソブチルアルデヒドアミノトランスフェラーゼが、SkyPYD4、SkUGA1、UGA1、Abat、Gta‐1、gabT、及びpuuEからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記4-アミノブタン-2-オンデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼが、ortA、ortB、Amet_2368、Amet_2369、Teth512_1478、Teth514_1479、TTE1235、及びthrCからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前記AKPアミノトランスフェラーゼが、aspC、AAT2、ASP5、Got2、avtA、serC、及びdatからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  100. 前記2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼが、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、ilvB‐1、kgd、及びkdcAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  101. 前記AKPデアミナーゼが、aspA及びansBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  102. 前記アセチルアクリラートデカルボキシラーゼが、CAD、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B5691、Reut_B5692、pad1、pdc、pofK、padC、及びpadからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  103. 前記AKPデカルボキシラーゼが、lysA、Odc1、及びpanDからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  104. 前記グルタマート脱水素酵素が、GDH2、rocG、gdh1、gdh2、及びGDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  105. 前記3-オキソブチルアルデヒド酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  106. 前記AKP酸化還元酵素(アミノ化)が、gdhA、gdh、gdhA1、ldh、nadX、及びlysDHからなる群から選択される遺伝子によってコードされる、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  107. 前記少なくとも1つの外来性核酸が異種性核酸である、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
  108. 前記非天然微生物が実質的に嫌気性培地中にある、請求項81又は82のいずれか一項に記載の方法。
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