略語及び定義
本明細書で用いる略語は、別段の指定がなければ、化学及び生物学の分野内での、その慣例的な意味を有する。
本明細書に記載するいくつかの化合物の命名法は、CambridgeSoft(登録商標)から利用できる、ChemDraw Ultraバージョン10.0を用いて同定され得る。
左から右に書かれた、その慣例的な化学式によって置換基が特定される場合、これらは右から左へ構造を書いたものに起因する、化学的に同一の置換基を等しく包含し、例えば、-CH2O-は、-OCH2-に等しい。
「アルキル」の語は、それ自体又は別の置換基の一部として、別段の記載がなければ、直鎖(すなわち、非分枝)若しくは分枝鎖、又はこれらの組合せを意味し、完全に飽和されていてもよく、一価不飽和若しくは多価不飽和でもよく、指定された炭素原子の数を有する2価及び多価基を含むことができる(すなわち、C1〜C10は1個から10個の炭素を意味する)。飽和炭化水素基の例には、それだけには限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、(シクロヘキシル)メチルなどの基;例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの同族体及び類似体が含まれる。不飽和のアルキル基は、一つ又は複数の2重結合又は3重結合を有するものである。不飽和のアルキル基の例には、それだけには限定されないが、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-及び3-プロピニル、3-ブチニル、及び高級の同族体及び異性体が含まれる。アルコキシは、酸素リンカー(-O-)を介して分子の残部に結合しているアルキルである。
「アルキレン」の語は、それ自体又は別の置換基の一部として、アルキルに由来する2価の基を意味し、それだけには限定されないが-CH2CH2CH2CH2-によって例示される。典型的には、アルキル(又は、アルキレン)基は、1個から24個までの炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は1個から6個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキレン基はメチレン及びメチルメチレンである。
「シクロアルキル」の語は、それ自体、又は他の語と組み合わせて、別段の記載がなければ、「アルキル」の環状バージョンを表す。さらに、シクロアルキルは複数の環を含むことができるが、アリール及びヘテロアリール基を除外する。シクロアルキルの例として、それだけには限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル、ノルボルニルなどが含まれる。「シクロアルキレン」の語は、それ自体、又は別の置換基の部分として、それだけには限定されないが-シクロヘキシル-によって例示されるように、シクロアルキルに由来する2価の基を意味する。
「ヘテロシクロアルキル」の語は、それ自体、又は他の語と組み合わせて、少なくとも1個の炭素原子、並びにO、N、P、Si、及びSからなる群から選択される少なくとも1個の輪状ヘテロ原子を含む(窒素原子及びイオウ原子は場合により酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子は場合により4級化されていてよい)、安定な飽和又は不飽和環状炭化水素の基を表す。(一つ又は複数の)ヘテロ原子であるO、N、P、S、及びSiは、ヘテロシクロアルキル基のあらゆる内部の位置、又はヘテロシクロアルキル基が分子の残りに結合している位置に配置されてよい。さらに、ヘテロシクロアルキルは複数の環を含むことができるが、アリール基及びヘテロアリール基は除外される。ヘテロシクロアルキルの例として、それだけには限定されないが、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニルなどが含まれる。「へテロシクロアルキレン」の語は、それ自体、又は別の置換基の部分として、それだけには限定されないが、
によって例示されるように、ヘテロシクロアルキルに由来する2価の基を意味する。
「シクロアルキル-アルキル」及び「ヘテロシクロアルキル-アルキル」の語は、それぞれアルキル置換しているシクロアルキル基、及びアルキル置換しているヘテロシクロアルキルを意味し、この場合アルキル部分は親構造に結合している。非限定的な例として、シクロプロピル-エチル、シクロブチル-プロピル、シクロペンチル-ヘキシル、シクロヘキシル-イソプロピル、1-シクロヘキセニル-プロピル、3-シクロヘキセニル-t-ブチル、シクロヘプチル-ヘプチル、ノルボルニル-メチル、1-ピペリジニル-エチル、4-モルホリニル-プロピル、3-モルホリニル-t-ブチル、テトラヒドロフラン-2-イル-ヘキシル、テトラヒドロフラン-3-イル-イソプロピルなどが含まれる。シクロアルキル-アルキル及びヘテロシクロアルキル-アルキルも、アルキル基(例えば、メチレン基)の炭素原子が、例えば酸素原子によって置換されている置換基を含む(例えば、シクロプロポキシメチル、2-ピペリジニルオキシ-t-ブチルなど)。
「アリール」の語は、別段の記載がなければ、多価不飽和の芳香族炭化水素置換基を意味する。アリールは、さらなる縮合環(例えば、1個から3個の環)を含むことができ、さらに縮合しているアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及び/又はヘテロシクロアルキル環を含む。アリール基の例として、それだけには限定されないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニルが含まれる。「ヘテロアリール」の語は、N、O、及びSから選択される1個から4個の輪状のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を指し、窒素及びイオウ原子は場合により酸化されており、(一つ又は複数の)窒素原子は場合により4級化されている。ヘテロアリール基は、輪状炭素又は輪状ヘテロ原子で、分子の残りに結合していてよい。ヘテロアリールは、さらに縮合しているアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及び/又はへテロシクロアルキル環を含む、さらなる縮合環(例えば、1個から3個の環)を含むことができる。ヘテロアリール基の非限定的な例は、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル(purinyl)、2-ベンズイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル、及び6-キノリルである。置換アリール及びヘテロアリール環系の置換基は、以下に記載される。
「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」の語は、それぞれアリール及びヘテロアリールに由来する2価の基を意味する。アリーレン及びヘテロアリーレンの二つの結合価の各々は、環のあらゆる位置(例えば、
)に位置することができる。アリーレンの非限定的な例として、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレンなどが含まれる。ヘテロアリーレン基の例として、それだけには限定されないが、ピリジニレン、オキサゾリレン、チオアゾリレン、ピラゾリレン、ピラニレン、及びフラニレンが含まれる。
「アラルキル」の語は、アルキル置換アリール基を示し、アルキル部分が親構造に結合している。例として、ベンジル、フェネチル、フェニルビニル、フェニルアリル、ピリジメチルなどがある。「へテロアラルキル」は、アルキル残基を介して親構造に結合しているヘテロアリール部分を示す。例として、フラニルメチル、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチルなどが含まれる。アラルキル及びへテロアラルキルにはまた、アルキル基(例えば、メチレン基)の炭素原子が、例えば、酸素原子によって置換されている置換基が含まれる(例えば、フェノキシメチル、2-ピリジルオキシメチル、3-(1-ナフチルオキシ)プロピルなど)。
「ハロ」又は「ハロゲン」の語は、それ自体、又は別の置換基の部分として、別段の記載がなければ、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「ハロ(C1〜C4)アルキル」の語は、それだけには限定されないが、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
「置換されている」の語は、部分の一つ又は複数の水素原子の、1価又は2価の基での置換を指す。「場合により置換されている」は、部分が置換されていてよく、又は非置換であってよいことを示す。「場合により置換されている」及び「置換されている」の語のない部分は、非置換の部分を意図する(例えば、「フェニル」は、置換されているフェニル又は場合により置換されているフェニルとの指摘がなければ非置換のフェニルを意図する)。
本明細書で用いられる「薬学的有効量」、「治療上有効な量」、「有効量」の語、及びこれらの語の類似語は、特定された状態(例えば、疾患、障害など)、又は一つ若しくは複数のその症状に対して所望の薬理学的効果及び/若しくは生理学的効果をもたらす量、並びに/又はその状態若しくは症状の発生を完全若しくは部分的に予防する量を指し、並びに/又は状態及び/若しくは状態に起因し得る有害作用に対する部分的若しくは完全な治癒の点から治療的であってよい。メマプシン2β-セクレターゼによって媒介される状態に関して、薬学的有効量又は治療上有効な量は、とりわけ、メマプシン2β-セクレターゼの拮抗作用をもたらすのに十分な量を含む。緑内障に関して、薬学的有効量又は治療上有効な量は、とりわけ、眼内圧を低減し、並びに/又は網膜神経節細胞(RGC)の喪失を停止し、逆転し、及び/若しくは低減するのに十分な量を含む。ある実施形態では、薬学的有効量は、個体に予防的に投与したとき、状態を予防するのに十分である。
「薬学的有効量」又は「治療上有効な量」は、投与する組成物、治療/予防される状態、治療又は予防される状態の重症度、個体の年齢及び相対的な健康度、投与経路及び形態、受け持ちの医師又は獣医師の判断、並びに本明細書に提供する教示を考慮して当業者が理解する他の要因に応じて変動する。
本明細書で用いられる「薬学的に適切な担体」又は「薬学的に許容できる担体」は製薬上の賦形剤、例えば、抽出物と有害に反応しない、経腸適用又は非経口適用に適する、製薬上、生理学的に許容できる有機又は無機の担体物質を指す。
本明細書に記載する、治療/予防の方法、並びに化合物、及びその組成物の使用に関して用いる場合、「それを必要とする」個体は、治療される状態が診断され、又は以前に治療されている個体であってよい。予防に関して、それを必要とする個体は、状態の危険がある個体であってもよい(例えば、状態の家族歴、状態の危険性を示す生活様式の要因など)。
いくつかの変形において、個体は、本明細書に記載する一つ又は複数の状態を有すると同定されている。熟練した医師による本明細書に記載する状態の同定は、当技術分野において日常的であり、例えば、アルツハイマー病の場合は記憶の喪失により、統合失調症などの症状を示すことにより、並びに緑内障の場合はコントラスト感度若しくは視力の低減及び/又は喪失により、個体又は他者によって疑われることもある。
いくつかの実施形態では、個体は、本明細書に記載する一つ又は複数の状態に感受性であると同定されている。個体の感受性は、それだけには限定されないが、遺伝的プロファイリング、家族歴、病歴(例えば、関連の状態の出現)、生活様式又は習慣を含む、当業者が理解する数々の危険因子及び/又は診断方法のいずれか一つ又は複数に基づくことができる。
いくつかの実施形態では、個体は、それだけには限定されないが、ウシ、ウマ、ネコ、ウサギ、イヌ、齧歯動物、又は霊長動物を含めた哺乳動物である。いくつかの実施形態では、哺乳動物は霊長動物である。いくつかの実施形態では、霊長動物はヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、成人、小児、及び早産児を含むヒトである。いくつかの実施形態では、個体は非哺乳動物である。いくつかの変形において、霊長動物は、チンパンジー並びに他の類人猿及び猿の種などの、非ヒトの霊長動物である。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、及びネコなどのペット;ラット、マウス、及びモルモットなどの齧歯動物を含めた実験動物などである。非哺乳動物の例として、それだけには限定されないが、トリなどが含まれる。「個体」の語は、特定の年齢又は性別を示すものではない。
「薬学的に許容できる塩」は、生物学的活性を保持し、個体(例えば、ヒト)に対して薬物又は医薬品として投与することができる塩である。
本明細書で用いられる「異性体」は、エナンチオマー、ジアステレオマー、並びに全ての配座異性体、回転異性体(rotomer)、及び互変異性体を含めて、本明細書の式において言及される化合物の全ての立体異性体を含む。
本明細書で用いられる「遷移状態のアイソスター」又は「アイソスター」は、ヒドロキシエチルアミン連結基-CH(OH)-CH2-NH-を含む化合物である。このアイソスターは、本明細書では「ヒドロキシエチルアミンアイソスター」とも呼ばれる。ヒドロキシルエチルアミン連結基は、ペプチドの、天然又は非天然のアミノ酸の対の間に見出すことができる。ヒドロキシルエチルアミン基は、アミド結合の加水分解の遷移状態のアイソスターである。
本明細書で用いられる「アミロイド前駆タンパク質」又は「APP」は、β-セクレターゼ部位を含むβ-アミロイド前駆体を意味する。
本明細書で用いられる「メマプシン-2」は、国立バイオテクノロジー情報センター(「NCBI」)アクセッション番号NP036236によって識別されるタンパク質を意味し(「β-部位APP-切断酵素1」若しくは「BACE-1」、又は総称的に「β-セクレターゼ(β-secretase)」若しくは「β-セクレターゼ(beta-secretase)」と呼ばれることもある)、タンパク質分解性の活性を保持する同族体、イソ型、及びそのサブドメインを含む。活性のメマプシン2タンパク質及びタンパク質フラグメント(並びにその核酸コード配列)の配列同一性は、すべての目的で全文が参照として本明細書に組み入れられる、米国出願第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)に既に開示され、詳しく論じられている。
本明細書で用いられる「メマプシン-1」は、国立バイオテクノロジー情報センター(「NCBI」)アクセッション番号NP036237によって識別されるタンパク質(「β-部位APP-切断酵素2」又は「BACE-2」と呼ばれることもある)、並びに/又は、以前に開示され、すべての目的でその全文が参照として本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)に既に開示され、詳しく論じられるものを意味し、タンパク質分解活性を保持する同族体、イソ型、及びそのサブドメインを含む。
本明細書で用いられる「カテプシンD」は、国立バイオテクノロジー情報センター(「NCBI」)アクセッション番号NP036236によって識別されるタンパク質(「β-部位APP-切断酵素1」又は「BACE-1」と呼ばれることもある)、及び又は、酵素構造データベース(Enzyme Structure Database)サブクラスEC3.4.23.5によって識別されるタンパク質を意味し、タンパク質分解性の活性を保持する同族体、イソ型、及びそのサブドメインを含む。
「β-セクレターゼ部位」は、活性メマプシン2又はその活性フラグメントによって切断されるアミノ酸配列である。特異的なβ-セクレターゼ部位も、すべての目的で全文が参照として本明細書に組み入れられる、米国出願第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)に既に記載され、詳しく論じられ、Swedish変異の配列及び天然β-アミロイド前駆タンパク質切断配列を含んでいる。したがって、β-セクレターゼ阻害薬を、β-アミロイド前駆タンパク質、β-アミロイド前駆タンパク質の化合物、又はβ-アミロイド前駆タンパク質のフラグメントなどの基質のβ-セクレターゼ部位の加水分解を低減するその能力について試験することができる。
「ベータ-セクレターゼ阻害薬」(すなわち、β-セクレターゼ阻害薬)は、阻害薬の非存在下における活性に比べて、メマプシン-2のタンパク質分解性の活性を低減することができる化合物を意味する。
本明細書で用いられる「チトクロームP450 3A4」又は「CYP3A4」は、例えば、Celsisからの製品InVitroCYP(商標)M-class(商標)Human Liver Microsomesにおいて見出すことができる、Genbank配列受託番号AF280107;HGNC:2637;Enzyme ID:1.1.1.161によって同定されるタンパク質を指す。
「約」に関して、本明細書における値又はパラメータは、値又はパラメータそれ自体を対象とする変形を含む(記載する)。例えば、「約X」に関する記載は「X」の記載を含む。
本明細書で用いられる語である「一つの(a)」又は「一つの(an)」は、一つ又は複数を意味する。
I.β-セクレターゼ阻害薬
一態様では、β-セクレターゼ酵素(メマプシン2)の触媒活性を媒介する(例えば、阻害する)化合物を提供する。これらの化合物は、本明細書では「β-セクレターゼ阻害化合物」、又は「メマプシン2β-セクレターゼ阻害薬」と呼ばれることがある。この態様では、この化合物は、式(I):
[式中、
R1は、A1-L1-であり、
R2は、水素、-N(R8)R9、-S(O)2R11、-C(O)R12、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
又はR1及びR2はこれらが結合している窒素と一緒になって、A1-L1-で置換されている5員ヘテロシクロアルキル環を形成し、
A1は、場合により置換されているヘテロアリールであり、
A2は、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択される、場合により置換されている部分であり、
R3及びR5は、各々独立に、水素、-N(R8)R9、-S(O)2R11、-C(O)R12、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
L1及びL4は、各々独立に、結合、-N(R17)-、-S(O)q-、又は場合により置換されているアルキレンであり、
R4、R6、R7A、及びR7Bは、各々独立に、水素、ハロゲン、-OH、-NO2、-N(R8)R9、-OR10、-S(O)nR11、-C(O)R12、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、-アルキル-OR10、-アルキル-N(R8)R9、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
又はR7A及びR7Bは一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル環を形成し、
R8は、独立に、水素、-C(O)R13、-S(O)2R14、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R9は、独立に、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R10は、独立に、-C(O)R13、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R11は、独立に、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、nが2である場合、R11も-NR15R16であってよく、nが1又は2である場合、R11は水素ではなく、
R12及びR13は、各々独立に、水素、-N(R18)R19、-OR19、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R14は、独立に、水素、-N(R18)R19-、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R15、R16、R17、R18、及びR19は、各々独立に、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
n及びqは、各々独立に、0、1、又は2である]
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物である。
本明細書に記載する任意の実施形態では、A2は環状スルホンアミドで置換されている。
式(I)の場合により置換されている部分上の置換基(例えば、任意の、場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及び/又はへテロアラルキル上の置換基)は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ(例えば、-NH2、若しくはジアルキルアミノ)、イミノ、シアノ、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ハロアルキル(例えば、-CCl3、若しくはCF3)、チオ、スルホニル、チオアミド、アミジノ、イミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、アルキル、アルコキシ、アルコキシ-アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ(-OCOR)、アミノカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキル-カルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、カルバモイル(-NHCOOR又はOCONHR-)、ウレア(-NHCONHR-)、アリールなどから選択される一つ、二つ、三つ又はそれを超える基であってよく、この場合、Rはあらゆる適切な基、例えば、アルキル又はアルキレンである。いくつかの実施形態では、場合により置換されている部分は、本明細書に記載する通り、選ばれた基のみで場合により置換されている。いくつかの実施形態では、上記の基(例えば、アルキル基)は、例えば、アルキル(例えば、メチル若しくはエチル)、ハロアルキル(例えば、-CCl3、-CH2CHCl2、若しくは-CF3)、シクロアルキル(例えば、-CH3H5、-C4H7、-C5H9)、アミノ(例えば、-NH2若しくはジアルキルアミノ)、アルコキシ(例えば、メトキシ)、ヘテロシクロアルキル(例えば、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、アゼチジン)、ヒドロキシル、及び/又はヘテロアリール(例えば、オキサゾリル)で場合により置換されている。いくつかの実施形態では、置換基は、それ自体場合により置換されている。いくつかの実施形態では、置換基はそれ自体置換されていない。置換基上に置換される基は、例えば、カルボキシル、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノカルボニル、-SR、チオアミド、-SO3H、-SO2R、又はシクロアルキルであってよく、この場合、Rはあらゆる適切な基、例えば、水素又はアルキルである。
これらの実施形態のいくつかでは、A1は、場合により置換されている5員から7員のヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリールは1位、2位、3位、4位、若しくは5位でL1に結合しており、並びに/又はヘテロアリールは1位、2位、3位、4位、及び/若しくは5位(の一つ若しくは複数)が置換されている)。他の実施形態では、A1は、場合により置換されている5員のヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリールは1位、2位、3位、4位、若しくは5位でL1に結合しており、並びに/又はヘテロアリールは1位、2位、3位、4位、及び/若しくは5位(の一つ若しくは複数)が置換されている)。
これらの実施形態のいくつかでは、A1は、ピラゾリル、フラニル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、チアゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエノ-ピラゾリル、チアナフテニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、イソキノリニル、イソインドリル、アクリジニル、ベンゾイサゾリル、ピラジニル、ピロリニル、インドリル、及びベンゾジアゼピニルからなる群から選択される、場合により置換されている部分である。
これらの実施形態のいくつかでは、A1は、ピリジル(例えば、場合により置換されている3-ピリジル、例えば、3-(5-置換)ピリジル)、チアゾリル(例えば、場合により置換されている2-チアゾリル、又は場合により置換されている4-チアゾリル、例えば、2-(4-置換)チアゾリル、又は4-(2-置換)チアゾリル)、オキサゾリル(例えば、場合により置換されている2-オキサゾリル、又は場合により置換されている4-オキサゾリル、例えば、2-(4-置換)オキサゾリル、又は4-(2-置換)オキサゾリル)、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、ピリミジル、オキサジアゾリル、ピラニル、及びフラニルからなる群から選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、A1は、チアゾリル(例えば、場合により置換されている2-チアゾリル、又は場合により置換されている4-チアゾリル、例えば、2-(4-置換)チアゾリル又は4-(2-置換)チアゾリル)、オキサジアゾリル、及びオキサゾリル(例えば、場合により置換されている2-オキサゾリル、又は場合により置換されている4-オキサゾリル、例えば、2-(4-置換)オキサゾリル、又は4-(2-置換)オキサゾリル)からなる群から選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、A1は、場合により置換されているピリジル(例えば、場合により置換されている3-ピリジル、例えば、3-(5-置換)ピリジル)である。いくつかの実施形態では、A1は、場合により置換されているチアゾリル(例えば、場合により置換されている2-チアゾリル、又は場合により置換されている4-チアゾリル、例えば、2-(4-置換)チアゾリル、又は4-(2-置換)チアゾリル)である。いくつかの実施形態では、A1は、場合により置換されているオキサゾリル(例えば、場合により置換されている2-オキサゾリル、又は場合により置換されている4-オキサゾリル、例えば、2-(4-置換)オキサゾリル、又は4-(2-置換)オキサゾリル)である。いくつかの実施形態では、A1は、場合により置換されているオキサジアゾリルである。いくつかの実施形態では、A1は場合により置換されているイミダゾリルである。いくつかの実施形態では、A1は場合により置換されているピラゾリルである。いくつかの実施形態では、A1は場合により置換されているイソキサゾリルである。いくつかの実施形態では、A1は場合により置換されているピリミジルである。いくつかの実施形態では、A1は場合により置換されているフラニルである。いくつかの実施形態では、A1は場合により置換されている2-チアゾリルである。いくつかの実施形態では、A1は場合により置換されている2-オキサゾリルである。
式(I)の場合により置換されているA1上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、チオール、チオアルキル、スルホニル、チオアミド、アミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシ-アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキル-カルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、カルバモイル、及びウレアから選択される、一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているA1上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。いくつかの実施形態では、A1は、一つ又は複数の-OCH3で置換されているピリジルである。いくつかの実施形態では、A1(例えば、チアゾリル)は、(例えば、A1の1位、2位、3位、又は4位が)メチルなどのアルキルで置換されている。これらの実施形態のいくつかでは、アルキル(例えば、メチル)は1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F)。
これらの実施形態のいくつかでは、L1は、結合、又は場合により置換されているアルキレンである。他の実施形態では、L1は、-N(R17)-、-S(O)q-、又は場合により置換されているアルキレンである。他の実施形態では、L1は、-N(R17)-、又はS(O)q-である。他の実施形態では、L1は-N(R17)-である。他の実施形態では、L1は-S(O)q-である。他の実施形態では、L1は結合である。他の実施形態では、L1は場合により置換されているアルキレンである。他の実施形態では、L1は場合により置換されているC1〜C6アルキレンである。他の実施形態では、L1はC1〜C6アルキレンである(例えば、メチレン又はメチルメチレン)。他の実施形態では、L1は分枝C1〜C6アルキレンである(例えば、メチルメチレン)。他の実施形態では、L1はメチレンである。他の実施形態では、L1はメチルメチレンである。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているL1上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
これらの実施形態のいくつかでは、化合物は式(II):
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、A1、A2、L1、L4、R2、R3、R4、R5、R7A、及びR7Bは、式(I)の考察において上記で定義した通りである。
これらの実施形態のいくつかでは、R2は、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R2は、水素、又はアルキル、シクロアルキル、及びシクロアルキル-アルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R2は、水素、又は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、水素、又は場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は水素である。いくつかの実施形態では、R2は場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は場合により置換されているC1〜C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は場合により置換されているC3〜C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R2はメチルである。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているR2上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。いくつかの実施形態では、場合により置換されているR2上の置換基は、メチル及びシクロプロピルから選択される。
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、A1、A2、L1、L4、R3、R4、R5、R6、R7A、及びR7Bは、式(I)の考察において上記で定義した通りである。
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
これらの実施形態のいくつかでは、L
1は結合であり、A
1は、式:
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
いくつかの実施形態では、L
1は結合であり、A
1は、式:
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
いくつかの実施形態では、R6は、水素、ハロゲン、-OH、-N(R8)R9、-OR10、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R6は、水素、又はアリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R6は、水素、ハロゲン(例えば、F又はCl)、場合により置換されているアルキル(例えば、ハロアルキル)、又は場合により置換されている-OR10(例えば、場合により置換されている-O-アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、若しくはこれらのハロゲン化されている変異体)である。いくつかの実施形態では、R6は、水素、F、場合により置換されている(C1〜C4)アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、-CF3、-CHF2、-CH2F)、場合により置換されている-O-(C1〜C4)アルキル(例えば、-OCH2F、OCHF2などの1、2、又は3個のフルオロ基で置換されている、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、又はイソプロポキシなどの-O-(C1〜C4)アルキル)である。いくつかの実施形態では、R6は、水素又はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R6はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R6は水素である。
式I、II、及びIIIのいくつかの実施形態では、A2は、場合により置換されているアリーレン、場合により置換されているヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、A2は、フェニレン、ピリジニレン、オキサゾリレン、チオアゾリレン、ピラゾリレン、ピラニレン、及びフラニレンからなる群から選択される、場合により置換されている部分である。
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、
R20、R21、及びR22は、独立に、水素、ハロゲン、-N(R24)R25、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
Yは、-N=又はC(R23)=であり、R23は、水素、ハロゲン、-NO2、-N(R24)R25、-OR26、-S(O)tR27、又はC(O)R28、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
tは、0、1、及び2から選択され、
R24及びR25は、独立に、水素、-C(O)R29、若しくは-S(O2)R30、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R29は、独立に、水素、-N(R31)R32、又はOR33;アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R31、R32、及びR33は、独立に、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R30は、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R26は、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R27は、-N(R34)R35、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R34及びR35は、各々独立に、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R28は、-OR36、-N(R37)R38、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分であり、
R36、R37、及びR38は、各々独立に、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。
を有し、式中、R20、R21、及びR22は上記で定義してある。
を有し、式中、R20、R21、及びR22は上記で定義した通りである。
を有し、式中、R20、R21、及びR22は上記で定義した通りである。
を有し、式中、R20、R21、及びR22は上記で定義した通りである。
を有し、式中、R20、R21、及びR22は上記で定義した通りである。
を有し、式中、R20、R21、及びR22は上記で定義した通りである。
を有し、式中、R20及びR22は上記で定義した通りである。
これらの実施形態のいくつかでは、Yは-C(R23)=である。他の実施形態では、Yは-N=である。
を有し、式中、R23は上記で定義した通りである。
これらの実施形態のいくつかでは、R
23は、水素、ハロゲン、-N(R
24)R
25、-OR
26、-S(O)
tR
27、-C(O)R
28、又は場合により置換されているヘテロシクロアルキルである。他の実施形態では、R
23は、水素、-N(R
24)R
25(例えば、-N(アルキル)アルキルスルホンアミド、例えば、N-メチル-メタンスルホンアミド)、又は場合により置換されているヘテロシクロアルキル(例えば、場合により置換されている環状スルホンアミド)である。他の実施形態では、R
23は、水素、又はN(R
24)R
25(例えば、-N(アルキル)アルキルスルホンアミド、例えば、N-メチル-メタンスルホンアミド)である。他の実施形態では、R
23は水素である。他の実施形態では、R
23は、-N(R
24)R
25(例えば、-N(アルキル)アルキルスルホンアミド、例えば、N-メチル-メタンスルホンアミド)、又は場合により置換されているヘテロシクロアルキル(例えば、環状スルホンアミド)である。他の実施形態では、R
23は、-N(R
24)R
25(例えば、-N(アルキル)アルキルスルホンアミド、例えば、N-メチル-メタンスルホンアミド)である。他の実施形態では、R
23は、場合により置換されているヘテロシクロアルキル(例えば、場合により置換されている環状スルホンアミド、例えば、場合により置換されている、
である。他の実施形態では、R23は-OR26である。他の実施形態では、R23は-S(O)tR27である。他の実施形態では、R23は-C(O)R28である。いくつかの実施形態では、R23は、水素;アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R23は、アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R23はメチルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R23は、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R23は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R23は、アリール及びヘテロアリールから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているアリールである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、R23は、ピリジル、フェニル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、ピリミジル、ピラニル、及びフラニルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R23は、チアゾリル、オキサジアゾリル、及びオキサゾリルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているフェニルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているピリジルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているチアゾリルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているオキサゾリルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているオキサジアゾリルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているイミダゾリルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているピラゾリルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているイソキサゾリルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているピリミジルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているピラニルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されているフラニルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されている2-チアゾリルである。いくつかの実施形態では、R23は場合により置換されている2-オキサゾリルである。
場合により置換されているR23上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、チオール、チオアルキル、スルホニル、チオアミド、アミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシ-アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキル-カルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、カルバモイル、及びウレアから選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているR23上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
これらの実施形態のいくつかでは、R24及びR25は、独立に、水素、又はアルキル及びヘテロアルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R24及びR25は、独立に、水素、又は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R24及びR25の少なくとも一つは水素である。いくつかの実施形態では、R24及びR25は水素である。いくつかの実施形態では、R24及びR25の少なくとも一つは、場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R24及びR25は、独立に、場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R24及びR25の少なくとも一つはメチルである。いくつかの実施形態では、R24及びR25は、独立に、水素、場合により置換されているアルキル、-C(O)R29、又はS(O2)R30である。いくつかの実施形態では、R24及びR25の一つは、-C(O)R29、又はS(O2)R30である。いくつかの実施形態では、R24及びR25の一つは-C(O)R29である。いくつかの実施形態おいて、R24及びR25の一つはS(O2)R30である。
これらの実施形態のいくつかでは、R29は、独立に、水素、場合により置換されているアルキル、-N(R31)R32、又はOR33である。いくつかの実施形態では、R29は、独立に、水素、又は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R29は水素である。いくつかの実施形態では、R29は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R29はメチルである。いくつかの実施形態では、R29は、独立に、-N(R31)R32、又はOR33である。いくつかの実施形態では、R29は-N(R31)R32である。いくつかの実施形態では、R29は-OR33である。
これらの実施形態のいくつかでは、R31、R32、及びR33は、独立に、水素、又は場合により置換されているアルキルである。
これらの実施形態のいくつかでは、R30は、水素、場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R30は、場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R30はメチルである。
これらの実施形態のいくつかでは、R20、R21、及びR22は、独立に、水素、又は場合により置換されているC1〜C10アルキルである。いくつかの実施形態では、R20、R21、及びR22は、独立に、水素、又は場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R20、R21、及びR22の少なくとも一つは水素である。いくつかの実施形態では、R20、R21、及びR22は水素である。
これらの実施形態のいくつかでは、R22は水素である。いくつかの実施形態では、R22は水素であり、R20、及びR21は、独立に、水素、又は場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R22は水素であり、R20及びR21は、独立に、水素又はメチルである。いくつかの実施形態では、R22は水素であり、R20及びR21の一つはメチルである。いくつかの実施形態では、R20、R21、及びR22の少なくとも一つは-N(R24)R25である。いくつかの実施形態では、R20は-N(R24)R25である。いくつかの実施形態では、R21は-N(R24)R25である。いくつかの実施形態では、R22は-N(R24)R25である。
これらの実施形態のいくつかでは、R3は、水素、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びへテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R3は、水素、又はアルキル、シクロアルキル、及びシクロアルキル-アルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R3は、水素、又は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、水素、又は場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は水素である。いくつかの実施形態では、R3は、場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3はメチルである。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているR3上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、(C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
これらの実施形態のいくつかでは、R4は水素である。いくつかの実施形態では、R4は、アルキル及びヘテロアルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R4は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R4は、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R4は、アリール及びヘテロアリールから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R4は場合により置換されているアリール(例えば、フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、又は3-フルオロフェニル)である。いくつかの実施形態では、R4は場合により置換されているへテロアリールである。いくつかの実施形態では、R4は、一つ又は複数のハロゲンで場合により置換されているフェニルである。いくつかの実施形態では、R4は、フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、又は3-フルオロフェニルである。いくつかの実施形態では、R4は、フェニル又は3-フルオロフェニルである。いくつかの実施形態では、R4はフェニルである。いくつかの実施形態では、R4は3,5-ジフルオロフェニルである。いくつかの実施形態では、R4は3-フルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているR4上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
これらの実施形態のいくつかでは、L4は、結合、又は場合により置換されているアルキレンである。いくつかの実施形態では、L4は結合である。いくつかの実施形態では、L4は、場合により置換されているアルキレンである。いくつかの実施形態では、L4は場合により置換されているC1〜C6アルキレンである。いくつかの実施形態では、L4はC1〜C6アルキレンである。いくつかの実施形態では、L4はメチレンである(例えば、L4-R4が、(例えば、-CH2-フェニル又はCH2-ジフルオロフェニル)である場合)。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているL4上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
これらの実施形態のいくつかでは、R5は、水素、-C(O)R12、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R5は、水素、-C(O)tBu、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R5は、水素、又は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R5は、水素、又は場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R5は水素である。いくつかの実施形態では、R5は、場合により置換されているC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R5はC1〜C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R5は場合により置換されているC1〜C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5はC1〜C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5はメチルである。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているR5上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
これらの実施形態のいくつかでは、R
7A及びR
7Bは、式:
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
これらの実施形態のその他では、R
7A及びR
7Bは、式:
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
これらの実施形態のその他では、R
7A及びR
7Bは、式:
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
これらの他の実施例において、R
7A及びR
7Bは、ピロリジンヘテロシクロアルキル環の同じ炭素原子上に置換されている。いくつかの実施形態では、R
7A及びR
7Bは、式:
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
いくつかの他の実施形態では、R
7A及びR
7Bは、式:
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
に従ってピロリジンヘテロシクロアルキル環上に置換されている。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは水素である。いくつかの実施形態では、R7Aは水素である。いくつかの実施形態では、R7Bは水素である。いくつかの実施形態では、R7Aは水素であり、R7Bは水素以外である。いくつかの実施形態では、R7Bは水素であり、R7Aは水素以外である。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、ハロゲン、-OH、-N(R8)R9、-OR10、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、ハロゲン、-OH、-N(R8)R9、-OR10、又はアルキル、-アルキル-OR10、及びアルキル-N(R8)R9から選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、ハロゲン、又はアルキル、-アルキル-OR10(例えば、-CH2O-フェニル)、及びアルキル-N(R8)R9(例えば、-CH2N(R8)-フェニル)から選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、アルキル、又はアルキル-OR10(例えば、-CH2O-フェニル)、-アルキル-N(R8)R9(例えば、-CH2N(R8)-フェニル)から選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、-アルキル-OR10(例えば、-CH2O-フェニル、-CH(アルキル)O-フェニル)、-アルキル-N(R8)R9(例えば、-CH2N(R8)-フェニル)から選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合により置換されているアルキル-OR10(例えば、場合により置換されている-CH2O-フェニル、又はCH(アルキル)O-フェニル)である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合により置換されている-アルキル-N(R8)R9(例えば、場合により置換されている-CH2N(R8)-フェニル、例えば-CH2N(アルキル)-フェニル)である。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、ハロゲン、-OH、-OR10、又はアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、又はアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、又は場合により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、-OH、-NO2、-N(R8)R9、-OR10、-S(O)nR11、-C(O)R12である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、-OH、-NO2、-N(R8)R9、-OR10、-SR11である。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、-N(R8)R9、-OR10、又はSR11である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、独立に、水素、-OH、-OR10、又は場合により置換されているアリールである。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは-OR10(例えば、-O-アルキル(例えば、-O-C1-C6アルキル、例えば、-OCH2CHCH2などの不飽和アルキル、又はOCH(CH3)2などの飽和アルキル)、-O-シクロアルキル、-O-アルキル-シクロアルキル、-O-ヘテロシクロアルキル、-O-アルキル-ヘテロシクロアルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-O-ヘテロアリール、及びO-ヘテロアラルキル)から選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合により置換されている-O-アルキル-アリール(例えば、場合により置換されている-O-CH2Ph、若しくは-O-CHCH2Ph、例えば、3-置換されている-O-CH2Ph、若しくは-O-CHCH2Ph)、又は場合により置換されている-O-アルキル-ヘテロアリール(例えば、-O-CH2-ヘテロアリール、及び/又はヘテロアリールがピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、ピリミジル、及びフラニルから選択される場合)である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。いくつかの実施形態では、R7Aはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。いくつかの実施形態では、R7Bはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)である。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合によりヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、アリール(例えば、3-置換フェニル)及びヘテロアリールから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合により置換されているアリール(例えば、3-置換フェニル)である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合により置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、C1〜C6アルキル、C5〜C7シクロアルキル、5員から7員のヘテロシクロアルキル、6員のアリール、及び5員から7員のヘテロアリールから選択される、場合により置換されている部分である。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、フェニル(例えば、3-置換フェニル)、ピラゾリル(例えば、場合により置換されている3-ピラゾリル、場合により置換されている4-ピラゾリル、又は場合により置換されている5-ピラゾリル、例えば、3-(5-置換)ピラゾリル、4-(1-置換)ピラゾリル、又は5-(3-置換)ピラゾリル)、フラニル、イミダゾリル、イソキサゾリル(例えば、場合により置換されている3-イソキサゾリル、又は場合により置換されている5-イソキサゾリル、例えば、3-(5-置換)イソキサゾリル、又は3-(5-置換)イソキサゾリル)、オキサジアゾリル、オキサゾリル(例えば、場合により置換されている2-オキサゾリル、又は場合により置換されている4-オキサゾリル、例えば、2-(4-置換)オキサゾリル、又は4-(2-置換)オキサゾリル)、ピロリル、ピリジル(例えば、場合により置換されている3-ピリジル、例えば、3-(5-置換)ピリジル)、ピリミジル、ピリダジニル、チアゾリル(例えば、場合により置換されている2-チアゾリル、又は場合により置換されている4-チアゾリル、例えば、2-(4-置換)チアゾリル、又は4-(2-置換)チアゾリル)、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエノ-ピラゾリル、チアナフテニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、イソキノリニル、イソインドリル、アクリジニル、ベンゾイサゾリル、ジメチルヒダントイン、ピラジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、モルホリニル、インドリル、ジアゼピニル、アゼピニル、チエピニル、ピペリジニル、及びオキセピニルから選択される、場合により置換されている部分である。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは場合により置換されているアルキルであり、又はR7A及びR7Bは一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル環を形成する。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは、水素、場合により置換されているアルキルから選択され、又はR7A及びR7Bは一緒になって、場合により置換されているC3〜C7シクロアルキル環(例えば、縮合環、若しくはスピロC3〜C7シクロアルキル環)を形成する。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは一緒になって、場合により置換されているC4〜C6シクロアルキル環(例えば、縮合環、又はスピロC4〜C6シクロアルキル環)を形成する。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bは一緒になって、場合により置換されているシクロヘキシル環(例えば、縮合環、又はスピロシクロヘキシル環)を形成する。
いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、ピリジル(例えば、場合により置換されている3-ピリジル、例えば、3-(5-置換)ピリジル)、フェニル(例えば、3-置換フェニル)、チアゾリル(例えば、場合により置換されている2-チアゾリル、又は場合により置換されている4-チアゾリル、例えば、2-(4-置換)チアゾリル、又は4-(2-置換)チアゾリル)、オキサゾリル(例えば、場合により置換されている2-オキサゾリル、又は場合により置換されている4-オキサゾリル、例えば、2-(4-置換)オキサゾリル、又は4-(2-置換)オキサゾリル)、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル(例えば、場合により置換されている3-ピラゾリル、場合により置換されている4-ピラゾリル、又は場合により置換されている5-ピラゾリル、例えば、3-(5-置換)ピラゾリル、4-(1-置換)ピラゾリル、又は5-(3-置換)ピラゾリル)、イソキサゾリル(例えば、場合により置換されている3-イソキサゾリル、又は場合により置換されている5-イソキサゾリル、例えば、3-(5-置換)イソキサゾリル、又は3-(5-置換)イソキサゾリル)、ピリミジル、及びフラニルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、ピリジル及びフェニルから選択される、場合により置換されている部分である。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合により置換されているピリジルである。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、場合により置換されているフェニルである。いくつかの実施形態では、R7A及びR7Bの少なくとも一つは、一つ又は複数のフルオロ基で置換されているフェニルである。
場合により置換されているR7A及びR7B上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、チオール、チオアルキル、スルホニル、チオアミド、アミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジモ、スルホンアミド、カルボキシ、ホルミル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシ-アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキル-カルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、カルバモイル、及びウレアから選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
いくつかの実施形態では、場合により置換されているR7A及びR7B上の置換基は、それだけには限定されないが、ヒドロキシル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、又はC1〜C6アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシは各々、1〜3個のハロゲンで場合により置換されている(例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-OCH2F、OCHF2))から選択される一つ、二つ、三つ、又はそれを超える基であってよい。
これらの実施形態のいくつかでは、nは0又は2である。他の実施形態では、nは1又は2である。他の実施形態では、nは0である。他の実施形態では、nは1である。他の実施形態では、nは2である。
これらの実施形態のいくつかでは、qは0又は2である。他の実施形態では、qは1又は2である。他の実施形態では、qは0である。他の実施形態では、qは1である。他の実施形態では、qは2である。
いくつかの実施形態では、化合物は式(II)の化合物、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A1は、場合により置換されているヘテロアリール(例えば、5員のヘテロアリール)であり、A2は、場合により置換されているアリーレン(例えば、場合により置換されているフェニレン)、又は場合により置換されているヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン(pyridylene))であり、L1及びL4は、各々独立に、場合により置換されているアルキレン(例えば、メチレン、又はメチルメチレン)であり、R2及びR3は、各々独立に、水素、又は場合により置換されているアルキルであり、R4は、場合により置換されているアリール(例えば、フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、又は3-フルオロフェニル)であり、R5は、水素、場合により置換されているアルキル、又はC(O)R12(例えば、-C(O)OtBu)であり、R7A及びR7Bは、各々独立に、水素、ハロゲン、-OH、-N(R8)R9、-OR10、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、-アルキル-OR10、-アルキル-N(R8)R9、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。
いくつかの実施形態では、化合物は式(II)の化合物、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A1は、場合により置換されているチアゾリル(例えば、場合により置換されている2-チアゾリル、若しくは場合により置換されている4-チアゾリル)、又は場合により置換されているオキサゾリル(例えば、場合により置換されている2-オキサゾリル、若しくは場合により置換されている4-オキサゾリル)であり、A2は、場合により置換されているフェニレンであり、L1及びL4は、各々独立に、アルキレン(例えば、メチレン若しくはメチルメチレン)であり、R2は、水素、又は場合により置換されているC1〜C3アルキルであり、R3、R5、R7Bは各々、水素であり、R4は、場合により置換されているアリール(例えば、フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、若しくは3-フルオロフェニル)であり、R7Aは、水素、ハロゲン、-OH、-N(R8)R9、-OR10、又はアルキル、-アルキル-OR10、-アルキル-N(R8)R9、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。
いくつかの実施形態では、化合物は式(II)の化合物、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A
1は、場合により置換されている2-チアゾリル(例えば、2-(4-置換)チアゾリル)であり、A
2は、
であり、式中、R
23は、水素、N-メチル-メタンスルホンアミド、又はアルキル(例えば、一つ、二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されているアルキル)、ヘテロアリール(例えば、C
1〜C
4アルキルで場合により置換されているヘテロアリール、C
1〜C
4アルキルは二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されていてよい)、及びヘテロシクロアルキル(例えば、場合により置換されている
などの場合により置換されている環状スルホンアミド)から選択される、場合により置換されている部分であり、L
1及びL
4は各々メチレンであり、R
2はメチルであり、R
3、R
5、R
7A、及びR
7Bは各々水素であり、R
4は、フェニル、3,5ジ-フルオロフェニル、又は3-フルオロフェニルである。これらの実施形態のいくつかでは、R
23は、水素、N-メチル-メタンスルホンアミド、
である。
いくつかの実施形態では、化合物は式(II)の化合物、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A
1は、場合により置換されている2-オキサゾリル(例えば、2-(4-置換)オキサゾリル)であり、A
2は、
であり、式中、R
23は、水素、N-メチル-メタンスルホンアミド、又はアルキル(例えば、一つ、二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されているアルキル)、ヘテロアリール(C
1〜C
4アルキルで場合により置換されているヘテロアリール、C
1〜C
4アルキルは二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されていてよい)、及びヘテロシクロアルキル(例えば、場合により置換されている
などの場合により置換されている環状スルホンアミド)から選択される、場合により置換されている部分であり、L
1及びL
4は各々メチレンであり、R
2はメチルであり、R
3、R
5、R
7A、及びR
7Bは各々水素であり、R
4は、フェニル、3,5ジ-フルオロフェニル、又は3-フルオロフェニルである。これらの実施形態のいくつかでは、R
23は、水素、N-メチル-メタンスルホンアミド、
である。
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A
1は、場合により置換されているヘテロアリールであり、R
23は環状スルホンアミドであり、R
5は、水素、又はt-ブチオキシカルボニル(butyoxycarbonyl)であり、R
4は、場合により置換されているアリールであり、R
7Aは、水素、ハロゲン、-OH、-N(R
8)R
9、-OR
10、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、-アルキル-OR
10、-アルキル-N(R
8)R
9、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキル、-OH、又は-OBnから選択される、場合により置換されている部分である。これらの実施形態のいくつかでは、A
1は、場合により置換されているチアゾリル、又は場合により置換されているオキサゾリルであり、R
5は水素であり、R
4は、場合により置換されているフェニルであり、R
7Aは、水素、ハロゲン、-OH、-N(R
8)R
9、-OR
10、-アルキル-OR
10、又は場合により置換されているアルキルであり; 又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物である。これらの実施形態のいくつかでは、A
1は、2-(4-メチル)チアゾリル又は2-(4-メチル)オキサゾリルであり、R
23は、
であり、R5は水素であり、R4は、フェニル、3,5ジ-フルオロフェニル、又は3-フルオロフェニルであり、R7Aは、水素、又はOR10であり;又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物である。
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A1はチアゾリルであり、R23は、水素、-N(CH3)SO2Me、オキサゾリル、又はピロリルであり、R5は、水素、又はt-ブチオキシカルボニルであり、R7Aは、水素、-OH、又はOBnである。
いくつかの実施形態では、化合物は式(III)の化合物であり、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A1は、場合により置換されているヘテロアリール(例えば、5員のヘテロアリール)であり、A2は、場合により置換されているアリーレン(例えば、フェニレン)、又は場合により置換されているヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり、L1は結合であり、L4は場合により置換されているアルキレン(例えば、場合により置換されているメチレン)であり、R3は、水素、又は場合により置換されているアルキルであり、R4は、場合により置換されているアリール(例えば、フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、若しくは3-フルオロフェニル)であり、R5は、水素、場合により置換されているアルキル、又はC(O)R12(例えば、-C(O)OttBu)であり、R6は、水素、ハロゲン、-OR10、場合により置換されているアルキルであり、R7A及びR7Bは、各々独立に、水素、ハロゲン、-OH、-N(R8)R9、-OR10、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、-アルキル-OR10、-アルキル-N(R8)R9、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。
いくつかの実施形態では、化合物は式(III)の化合物、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A1は、場合により置換されているチアゾリル(例えば、場合により置換されている2-チアゾリル、若しくは場合により置換されている4-チアゾリル)、又は場合により置換されているオキサゾリル(例えば、場合により置換されている2-オキサゾリル、若しくは場合により置換されている4-オキサゾリル)であり、A2は場合により置換されているフェニレンであり、L1は結合であり、L4は場合により置換されているアルキレン(例えば、メチレン)であり、R3、R5、及びR7Bは各々水素であり、R4は場合により置換されているアリール(例えば、フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、若しくは3-フルオロフェニル)であり、R6は、水素、ハロゲン(例えば、F)、場合により置換されている-O(C1〜C5)アルキル(例えば、一つ、二つ、若しくは三つのフルオロ基で場合により置換されているメチル、エチル、プロピル)、場合により置換されている(C1〜C5)アルキル(例えば、一つ、二つ、若しくは三つのフルオロ基で場合により置換されているメトキシ、エトキシ、プロポキシ)であり、R7Aは、水素、ハロゲン、-OH、-N(R8)R9、-OR10、又はアルキル、-アルキル-OR10、-アルキル-N(R8)R9、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルから選択される、場合により置換されている部分である。
いくつかの実施形態では、化合物は式(III)の化合物、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A
1は、場合により置換されている2-チアゾリル(例えば、2-(4-置換)チアゾリル)であり、A
2は、
であり、式中、R
23は、水素、又はアルキル(例えば、一つ、二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されているアルキル)、ヘテロアリール(例えば、C
1〜C
4アルキルで場合により置換されているヘテロアリール、C
1〜C
4アルキルは一つ、二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されていてよい)、及びヘテロシクロアルキル(例えば、場合により置換されている
など、場合により置換されている環状スルホンアミドであってよい)から選択される場合により置換されている部分であり、L
1は結合であり、L
4はメチレンであり、R
3、R
5、R
6、R
7A、及びR
7Bは各々水素であり、R
4はフェニル、3,5ジ-フルオロフェニル、又は3-フルオロフェニルである。これらの実施形態のいくつかでは、R
23は、オキサゾリル(例えば、2-オキサゾリル)、ピラジル(例えば、2-ピラジル)、水素、場合により置換されているメチル(例えば、ジ-フルオロメチル)、N-メチルメタンスルホンアミド、
から選択される。
いくつかの実施形態では、化合物は式(III)の化合物、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A
1は、場合により置換されている2-オキサゾリル(例えば、2-(4-置換)オキサゾリルなど)であり、A
2は、
であり、式中、R
23は、水素、又はアルキル(例えば、一つ、二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されているアルキル)、ヘテロアリール(例えば、C
1〜C
4アルキルで場合により置換されているヘテロアリール、C
1〜C
4アルキルは二つ、三つ、若しくはそれを超えるハロゲンで場合により置換されていてよい)、及びヘテロシクロアルキル(例えば、場合により置換されている
など、場合により置換されている環状スルホンアミド)から選択される、場合により置換されている部分であり、L
1は結合であり、L
4はメチレンであり、R
3、R
5、R
6、R
7A、及びR
7Bは各々水素であり、R
4はフェニル、3,5ジ-フルオロフェニル、又は3-フルオロフェニルである。これらの実施形態のいくつかでは、R
23は、オキサゾリル(例えば、2-オキサゾリル)、ピラジル(例えば、2-ピラジル)、水素、場合により置換されているメチル(例えば、ジ-フルオロメチル)、N-メチルメタンスルホンアミド、
から選択される。
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A
1は、場合により置換されているヘテロアリールであり、R
23は環状スルホンアミドであり、R
5は、水素、又はt-ブチオキシカルボニルであり、R
4は、場合により置換されているアリールであり、R
7Aは、水素、ハロゲン、-OH、-N(R
8)R
9、-OR
10、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、-アルキル-OR
10、-アルキル-N(R
8)R
9、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル-アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキル、-OH、又はOBnから選択される場合により置換されている部分である。これらの実施形態のいくつかでは、A
1は、場合により置換されているチアゾリル、又は場合により置換されているオキサゾリルであり、R
5は水素であり、R
4は、場合により置換されているフェニルであり、R
7Aは、水素、ハロゲン、-OH、-N(R
8)R
9、-OR
10、-アルキル-OR
10、又は場合により置換されているアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、A
1は、2-(4-メチル)チアゾリル、又は2-(4-メチル)オキサゾリルであり、R
23は、
であり、R5は水素であり、R4は、フェニル、3,5ジ-フルオロフェニル、又は3-フルオロフェニルであり、R7Aは、水素、又はOR10であり;又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物である。
を有し、又は薬学的に許容できるその塩若しくは溶媒和物であり、式中、A1は、チアゾリル又はオキサゾリルであり、A23は、水素、メチル、ジフルオロメチル、-N(CH3)SO2Me、オキサゾリル、ピロリル、ピリジル、又はピラジニルであり、R5は、水素、又はt-ブチオキシカルボニルであり、R7Aは、水素、-OH、又はOBnである。
いくつかの実施形態では、表1の化合物のいずれか一つ、任意の組合せ、又は全てを提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)は、実質的に純粋な形態である。別段の指摘がなければ、「実質的に純粋な」は、15%を超える不純物を含まない化合物の調製物を意図し、この場合、不純物は、指摘する阻害化合物以外の化合物を意図するが、他の形態の阻害化合物(例えば、指摘する化合物の、異なる塩形態、又は異なる立体異性体、配座異性体、回転異性体、若しくは互変異性体)を含まない。一変形において、実質的に純粋な化合物の調製物を提供し、この場合、調製物は25%以下の不純物、又は20%以下の不純物、又は10%以下の不純物、又は5%以下の不純物、又は3%以下の不純物、又は1%以下の不純物、又は0.5以下%の不純物を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、異なる立体化学的形態の化合物の合計量が、15%以下、又は10%以下、又は5%以下、又は3%以下、又は1%以下で存在する(例えば、S,S化合物が、R,R:S,R;及びR,S型の合計が15%以下、又は10%以下、又は5%以下、又は3%以下、又は1%以下で存在する場合)。
本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)、並びにそれらを用いる方法は、別段の記載がなければ、溶媒和物及び/又は水和物の全ての形態を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物は、非溶媒和の形態、及び溶媒和の形態(即ち、溶媒和物)において存在することができる。化合物は、水和物の形態(即ち、水和物)も含むことができる。
本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)、並びにそのような化合物の塩を用いる方法は、別段の記載がなければ、化合物の全ての塩の形態を含む。化合物は、本明細書に記載する化合物の任意の塩の非塩(non-salt)の形態、及び本明細書に記載する化合物のあらゆる塩の他の塩も全て含む。いくつかの実施形態では、化合物の塩は、薬学的に許容できる塩である。化合物の塩基性の官能基の所望の塩を、当業者には知られている方法によって、化合物を酸で処理することによって調製することができる。化合物の酸性の官能基の所望の塩を、当業者に知られている方法によって、化合物を塩基で処理することによって調製することができる。酸性化合物の無機塩の例として、それだけには限定されないが、アルカリ金属及びアルカリ土類の塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、ビスマス塩、及びカルシウム塩、アンモニウム塩、並びにアルミニウム塩が含まれる。酸性化合物の有機塩の例として、それだけには限定されないが、プロカイン、ジベンジルアミン、N-エチルピペリジン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、トリメチルアミン、及びトリエチルアミン塩が含まれる。塩基性化合物の無機塩の例として、それだけには限定されないが、塩酸塩及び臭化水素塩が含まれる。塩基性化合物の有機塩の例として、それだけには限定されないが、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、及びコハク酸塩が含まれる。いくつかの実施形態では、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)-酒石酸塩、(-)-酒石酸塩、又はラセミ混合物を含むこれらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、及びグルタミン酸などのアミノ酸との塩の形態における化合物。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物は、クエン酸塩(例えば、モノクエン酸塩、水素クエン酸塩、若しくは二水素クエン酸塩)、及び/又はメシレート塩(例えば、ジメシレート)として存在する。これらの塩は、当業者に知られている方法によって調製することができる。
中性の形態の化合物は、従来の方法で、塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を単離することによって再生するのが好ましい。親の形態の化合物は、極性溶媒中の溶解性など、ある種の物理的性質において、様々な塩の形態と異なる。
塩の形態の他に、プロドラッグの形態における化合物も提供する。本明細書に記載する、プロドラッグの化合物は、生理学的条件下で容易に化学変化を起こして所望の化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を提供する化合物である。さらに、プロドラッグを、ex vivoの環境において化学的又は生物学的な方法によって、本明細書に記載する化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬と経皮パッチリザバー中に配置される場合、本明細書に記載する化合物に徐々に変換され得る。
化合物の代謝産物も包含する。代謝産物は、一次代謝産物及び/又は二次代謝産物を含むことができる。しかし、対象において自然に生じる物質の代謝産物は、特許請求する化合物から除外される。
化学構造又は化学名において立体化学が明確に指摘されなければ、化学構造又は化学名は、指摘する化合物の全ての可能な立体異性体、配座異性体、回転異性体、及び互変異性体を包含するものとする。例えば、キラル炭素原子を含む化合物は、(R)鏡像異性体及び(S)鏡像異性体の両方を包含するものとする。複数のキラル炭素原子を含む化合物(例えば、ヒドロキシエチルアミンアイソスター内の両方の炭素)は、全ての鏡像異性体並びにジアステレオマー((R,R)、(S,S)、(R,S)、及び(R,S)異性体を含む)を包含するものとする。化合物が、特定の立体化学配置(例えば、ヒドロキシエチルアミンアイソスターに対して2S、3R)において明確に指摘される場合、化合物は、他の実施形態では、別の特定の立体化学配置(例えば、ヒドロキシエチルアミンアイソスターに対して2R、3S)及び/又は立体化学配置の混合物において記載され得る。
組成物は、このような立体異性体の混合物として化合物を含むことができ、この場合混合物は、等量又は不等量の鏡像異性体(例えば、S,S及びR,R)であってよく、又はジアステレオマー(例えば、S,S及びR,S若しくはS,R)であってよい。組成物は、あらゆる比率の立体異性体の、二つ、三つ、又は四つのこのような立体異性体の混合物として化合物を含むことができる。
を有する式Iの化合物を提供する。式(Ib)において、A1、A2、L1、L4、R2、R3、R4、R5、R6、R7A、及びR7Bは、式(I)の考察において上記で定義した通りである。
を有する式Iの化合物を提供する。式(Ic)において、A1、A2、L1、L4、R2、R3、R4、R5、R6、R7A、及びR7Bは、式(I)の考察において上記で定義した通りである。
を有する式Iの化合物を提供する。式(IIb)において、A1、A2、L1、L4、R2、R3、R4、R5、R7A、及びR7Bは、式(I)及び(II)の考察において上記で定義した通りである。
を有する式Iの化合物を提供する。式(IIc)において、A1、A2、L1、L4、R2、R3、R4、R5、R7A、及びR7Bは、式(I)及び(II)の考察において上記で定義した通りである。
を有する式Iの化合物を提供する。式(IIb)において、A1、A2、L1、L4、R3、R4、R5、R6、R7A、及びR7Bは、式(I)及び(III)の考察において上記で定義した通りである。
を有する式Iの化合物を提供する。式(IIIc)において、A
1、A
2、L
4、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7A、及びR
7Bは、式(I)及び(III)の考察において上記で定義した通りである。
式(IIId)において、A1、A2、L4、R3、R4、R5、R6、R7A、及びR7Bは、式(I)及び(III)の考察において上記で定義した通りである。
本明細書の化合物は、このような化合物を構成する一つ又は複数の原子の、非天然の割合の原子の同位体も含むこともある。例えば、化合物を、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、又は炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射標識してもよい。本発明の化合物の同位体の変形は全て、放射性であっても又は放射性でなくても企図される。
記載する通り、化合物の、あらゆる又は全ての、立体化学の、鏡像異性体の、ジアステレオマーの、立体構造の、回転異性体の、互変異性体の、同位体の、溶媒和物、水和物、塩、及び薬学的に許容できる塩が、本明細書に開示する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)の全ての使用に含まれる。
A.キャリア部分
すべての目的で全文が参照として本明細書に組み入れられる、米国出願第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)では、キャリア部分のある、及びそれのないアイソスターのβ-セクレターゼ阻害薬は、ヒトアミロイド前駆タンパク質のSwedish変異を発現するtg2576マウスにおいてAβ生成を効果的に低減することが示された(Hsiao,K.ら、Science、274巻、99〜102頁(1996年))。したがって、当業者であれば、本明細書の化合物を、キャリア部分とともに、又はそれなしで投与することができることを理解するであろう。
本明細書で用いる「キャリア部分」は、本明細書のβ-セクレターゼ阻害化合物に共有結合又は非共有結合しており、化合物が血液脳関門(BBB)を通過する能力を増強する化学部分を意味する。本明細書のβ-セクレターゼ阻害薬は、キャリア部分と共有結合性相互作用(例えば、ペプチド結合)により、又は非共有性相互作用(例えば、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス引力)により結合又は複合していることがある。共有結合によって結合しているキャリア部分は、本明細書の化合物上のあらゆる好適な部位(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、カルボキシレート基)に結合していてよい。一つ又は複数のキャリア部分を、本明細書の化合物上に用いることができる。化合物上の複数のキャリア部分は同一であってよく(例えば、複数のペプチジルキャリア部分)、又は異なっていてよい(例えば、リフィリック(liphilic)のキャリア部分及びペプチジルキャリア部分)。本明細書の化合物上の複数のキャリア部分の結合は同一であってよく(例えば、両方とも共有結合によって結合している)、又は異なっていてもよい(例えば、一つが共有結合によって結合し、一つが非共有結合によって結合している)。
血液脳関門は、脳における細胞外液と、毛細血管の管腔における血液との間に存在する、透過性の関門である。この関門は、脳における毛細血管と、他の組織に見られる毛細血管との間の構造上の相違に由来する。脳の毛細血管の構造上の相違の中で最も著しいのは、内皮細胞間の密着結合である。これらの特殊化した密着結合は、脳の外部にある毛細血管の内皮細胞における3〜33オーム/cm2に比べて、1500〜2000オーム/cm2という非常に高い経内皮の電気抵抗を作り出し、他の器官に観察される水ベースの傍細胞の拡散を低減している(Brightman,M.、Bradbury MWB(編集)、Physiology and Pharmacology of the blood-brain barrier.Handbook of experimental pharmacology、103頁、Springer-Verlag、Berlin、(1992年);Lo,E.H.ら、Brain Res.Rev.、38巻、140〜148頁(2001年))。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書の化合物は、キャリア部分に共有結合している(上記の式で、記号Yで表される)。
あらゆる好適なキャリア部分を、本明細書で用いることができる。有用なキャリア部分には、例えば、親油性キャリア部分、酵素基質キャリア部分、ペプチジルキャリア部分、及びナノ粒子キャリア部分が含まれる。キャリア部分は、また、オリゴ糖単位、或いは、リン酸エステル若しくは脂質エステル、又は、グリコシダーゼ、ホスファターゼ、エステラーゼ、リパーゼ、若しくはリソソーム及びエンドソームにおける他の加水分解酵素によって切断される他の加水分解可能な結合によって化合物に連結している他の分子も含んでいることもある。キャリア部分は、グアニジン、アミノ、又はイミダゾールの官能基を含んでいることがある。
1.親油性キャリア部分
親油性キャリア部分は、化合物の全体の親油性を増大し、それによってBBBを介した通過を助けるものである。親油性は、当技術分野では周知のあらゆる適切な取組みを用いて定量化することができる。例えば、オクタノールと水との間の分配係数(log Po/w)を測定し、それによって親油性の度合いを示してもよい。いくつかの実施形態では、親油性キャリア部分のlog Po/wは、1.5〜2.5である。親油性キャリア部分は、当技術分野では広く知られており、例えば、Lambert,D.M.,,Eur J Pharm Sci.、11巻、S15〜27頁(2000年)で詳しく論じられている。化合物の親油性を増大するのに用いられる、例示の親油性キャリア部分には、修飾された、又は無修飾のジグリセリド、脂肪酸、及びリン脂質が含まれる。
いくつかの親油性キャリア部分が、BBBを通過した後に酵素が媒介する酸化を受け、親水膜不透過性形態のキャリア部分となり、これはBBBの後方に捕捉されたままである(Bodorら、Pharmacol Ther、76巻、1〜27頁(1997年);Bodorら、American Chemical Society、Washington,DC、317〜337頁(1995年);Chenら、J Med Chem、41巻、3773〜3781頁(1998年);Wuら、J Pharm Pharmacol、54巻、945〜950頁(2002年))。酵素が媒介する酸化を受ける、例示の親油性キャリア部分には、1,4-ジヒドロトリゴネリン(Palominoら、J Med Chem、32巻、622〜625頁(1989年));血液脳関門を通過してテストステロン及びジドブジンを運搬するのに用いられて上首尾であったアルキルホスホネートキャリア部分(Somogyi,G.ら、Int J Pharm、166巻、15〜26頁(1998年));並びに酵素的に酸化されてイオン性のピリジニウム塩になる親油性ジヒドロピリジンキャリア部分(Bodorら、Science、214巻(18)、1370〜1372頁(1981年))が含まれる。
2.ペプチジルキャリア部分
ペプチジルキャリア部分は、BBBを通過する化合物の輸送を助けるのに用いられるペプチド(ポリペプチド、タンパク質、抗体、及び抗体フラグメントを含む)から、部分的に又は全体的に構成される部分である(Wuら、J Clin Invest、100巻、1804〜1812頁(1997年);米国特許第4,801,575号;Pardridgeら、Adv Drug Deliv Rev、36巻、299〜321頁(1999年))。
ペプチジルキャリア部分は、BBBの内皮細胞上の対応するリガンド又は受容体を標的にする、特異的なペプチド輸送系、受容体、又はリガンドと相互作用することができる。特異的な輸送系は、キャリア介在性の、又は受容体介在性のいずれかの、BBBを通過する輸送を含み得る(米国特許出願第20040110928号)。例示的なペプチジルキャリア部分には、インスリン(Pardridgeら、Nat Rev Drug Discov、1巻、131〜139頁(2002年));エンケファリン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、アルギニン-バソプレシンなどの小型ペプチド(Bergley、J Pharm Pharmacol、48巻、136〜146頁(1996年));Banksら、Peptides、13巻1289〜1294頁(1992年))、Hanら、AAPS Pharm.Si.、2巻E6、(2000年));WO-A-89/10134に記載されているものなどのキメラのペプチド;米国特許出願第20030216589号に公開されているものなどのアミノ酸誘導体;tatペプチド(Schwarze,S.R.ら、Science、285巻、1569〜1572頁(1999年));ポリアルギニンペプチド(Wender,P.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、97巻、13003〜13008頁(2000年));インスリン様成長因子-1、インスリン様成長因子-2;トランスフェリン;レプチン;低比重リポタンパク質(Pardridge、Nat.Rev.Drug Discov.、1巻、131〜139頁(2002年);Colmaら、Pharm.Res.、17巻、266〜274頁(2000年);Pardridge、Endocrine Rev、7巻、314〜330頁(1986年);Goldenら、J Clin Invest、99巻、14〜18頁(1997年);Bickelら、Adv.Drug Deliv.Rev.、46巻(1〜3)、247〜79頁(2001年));及び塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)(米国特許出願第20040102369号)が含まれる。
米国出願第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)は、蛍光のtat複合したアイソスターのβ-セクレターゼ阻害薬とインキュベートした細胞の共焦点顕微鏡画像は、細胞の内側での不均等な分布を示したことを開示している。ある程度の蛍光強度の高さは、エンドソーム及びリソソームの細胞内の小胞の構造と関連していた。これは、tatキャリア部分は、リソソーム又はエンドソーム内のプロテアーゼによって修飾されていた可能性があり、リソソーム又はエンドソームのコンパートメントを出ることができなかった阻害物質をもたらしていたことを示していた。リソソーム及びエンドソームは、カテプシンA、B、C、D、H、及びLなどの加水分解酵素を含む多くのタンパク質分解酵素を含んでいる。これらのいくつかは、カテプシンD及びHなどのエンドペプチダーゼである。他は、カテプシンA及びCなどのエキソペプチダーゼであり、カテプシンBは、エンドペプチダーゼ及びエキソペプチダーゼ両方の活性が可能である。これらのタンパク質分解酵素の特異性は十分に広く、阻害化合物からtatペプチドを加水分解してなくし、したがってアイソスターの阻害薬からキャリアペプチドを加水分解してなくす。このように、tat及び他のキャリアペプチドは、アイソスターの阻害薬をリソソーム及びエンドソームに特異的に送達するのに特に有用であることが示されている。注射などの機序により哺乳動物に投与すると、複合した化合物は細胞を透過し、リソソーム及びエンドソームの内側に浸透する。リソソーム及びエンドソームにおけるプロテアーゼは、次いでtatを加水分解し、それによってリソソーム及びエンドソームからの逸脱を防ぐ。
キャリアペプチドは、リソソーム及びエンドソームのタンパク質分解酵素によって加水分解可能である、オリゴ-L-アラニンなどのtat又は他のベーシックなペプチドであってよい。リソソーム又はエンドソームのタンパク質分解酵素の切断を受けやすい特異的なペプチド結合を装着してもよく、それによって阻害薬からキャリア化合物の除去が促進される。例えば、ジペプチドであるPhe-Phe、Phe-Leu、Phe-Tyrなどは、カテプシンDによって切断される。
一実施形態では、ペプチジルキャリア分子には、tat-ペプチド(Schwarze,S.R.ら、Science、285巻、1569〜1572頁(1999年))、又は9個のアルギニン残基(Wender,P.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、97巻、13003〜13008頁(2000年))などの陽イオン性の官能基が含まれる。有用な陽イオン性の官能基には、例えば、グアニジン、アミノ、及びイミダゾールの官能基が含まれる。このように、陽イオン性の官能基は、リジン、アルギニン、及びヒスチジン残基の側鎖などのアミノ酸側鎖をやはり含む。いくつかの実施形態では、ペプチジルキャリア分子は、1〜10個の陽イオン性の官能基を含むことがある。本明細書の化合物が、キャリア部分と複合又は結合している場合は、得られた複合体を、本明細書では「キャリアペプチド-阻害薬」複合体、又は「CPI」と呼ぶことがある。CPI複合体を、in vitroのサンプルに、又は哺乳動物に投与することができ、それによってin vitroのサンプル又は哺乳動物における細胞中に本明細書の化合物又は化合物(複数)のための輸送ビヒクルとして働く。キャリア部分及びCPI複合体は、本明細書の化合物が細胞及び血液脳関門を効果的に浸透して、メマプシン2がAPPを切断して引き続きAβを産生するのを阻害する能力の増大をもたらす。
吸着介在性トランスサイトーシス(AME)は、それによってペプチジルキャリア部分がBBBを通過することができる代替の機序をもたらす。AMEは、管腔の原形質膜に対するキャリア部分の最初の結合が、アニオン部位との静電気的な相互作用、又は糖残基との特異的な相互作用のいずれかによって媒介される点で、他の形態のトランスサイトーシスと異なる。AMEを介した取り込みは、C末端の構造及びキャリア部分の塩基性度によって決定される。例示的な吸着性ペプチジルキャリア部分の例には、等電点が塩基性であるペプチド及びタンパク質(陽イオン性タンパク質)、並びにいくつかのレクチン(糖タンパク質結合性タンパク質)が含まれる。Tamai,I.らJ.Pharmacol.Exp.Ther.、280巻、410〜415頁(1997年);Kumagai,A.K.ら、J.Biol.Chem.、262巻、15214〜15219頁(1987年)を参照されたい。
ペプチジルキャリア部分は、抗体キャリア部分も含む。抗体キャリア部分は、抗体又はそのフラグメントを含むキャリア部分である。典型的には、抗体又は抗体フラグメントは、モノクローナル抗体であり、又はそれに由来する。抗体キャリア部分は、細胞の受容体、又は脳の毛細血管内皮細胞の管腔表面上に発現されるトランスポーターに結合する(米国特許出願第20040101904号)。例示的な抗体又はそのフラグメントには、ヒトインスリン受容体に結合するMAb83〜14(Pardridgeら、Pharm Res.、12巻、807〜816頁(1995年));抗トランスフェリン抗体(Li,J.Y.ら、Protein Engineering、12巻、787〜796頁(1999年));及び、上記に論じたようにBBBを通過することが知られている内在性のタンパク質又はペプチドを擬するモノクローナル抗体が含まれる。
3.ナノ粒子キャリア部分
ナノ粒子キャリア部分は、一般に直径又は長さが1ミクロン未満の固体のコロイド性のキャリアである。化合物は、ナノ粒子キャリア部分にカプセル化され、その上に吸着され、又はその表面に共有結合することができる。ナノ粒子キャリア部分は、エンケファリン化合物であるヘキサペプチドのダラグリン(dalagrin);ロペラミド、ツボセラリン(tubocerarine)、及びドキソルビシンを含む、様々な化合物を脳に上首尾に送達するのに用いられている(Ambikanandanら、J.Pharm Pharmaceut Sci、6巻(2)、252〜273頁(2003年))。脳中への輸送を助ける他に、ポリソルベート-80などの非イオン性界面活性剤はナノ粒子をコーティングするのに用いることができ、流出ポンプを阻害するのに用いることがある。Zordan-Nudo,T.ら、Cancer Res、53巻、5994〜6000頁(1993年)。ナノ粒子キャリア部分を製造するための例示的な材料には、ポリアルキルシアノアクリレート(PACA)(Bertlingら、Biotechnol.Appl.Biochem.、13巻、390〜405頁(1991年));ポリブチルシアノアクリレート(PBCA)(Chavanyら、Pharm.Res.、9巻、441〜449頁(1992年));表面上に吸着されポリソルベート80でコーティングされたポリブチルシアノアクリレートとペプチド-医薬複合体(Kreuter,J.ら、Brain Res、674巻、171〜174頁(1995年)、Kreuter,J.、Adv Drug Deliv Rev、47巻、65〜81頁(2001年)、Kreuter,J.、Curr Med Chem、2巻、241〜249頁(2002年));ポリイソヘキシルシアノアクリレート(PIHCA)(Chavanyら、Pharm.Res.、11巻、1370〜1378頁(1994年));ポリヘキシルシアノアクリレート(PHCA)(Zobelら、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.7:483-493(1997));及び、PEG化したポリシアノアクリレート(Pilar,C.,et al.,Pharm Res、18巻(8)、1157〜1166頁(2001年))が含まれる。
4.リンカー部分
リンカー部分は、キャリア部分を本明細書のβ-セクレターゼ阻害薬に結合させるのに用いることがある。例えば、長いスペーサーアームを導入するためのポリマー技術(例えば、PEG化)をリンカー分子と組み合わせて用いて、化合物とキャリアとの間の立体障害を防ぐことができる(Yoshikawa,T.ら、J Pharmacol Exp Ther、263巻、897〜903頁1992年)。リンカー部分は、切断可能でも、又は切断不可能でもよい。
切断可能なリンカー分子には、切断可能な部分が含まれる。本明細書では、例えば、リン酸エステル、エステル、ジスルフィドなどを含むあらゆる好適な切断可能な部分が有用であり得る。切断可能な部分には、ペプチダーゼ、グリコシダーゼ、ホスファターゼ、エステラーゼ、リパーゼ、又は他の加水分解酵素などの生体の酵素が切断することができる部分も含まれる。切断可能なリンカー分子は、キャリア部分が化合物の生物活性を妨害する場合に特に有用である。例示の切断可能なリンカー分子には、N-スクシンイミジル-3-2-ピリジルジチオプロプリオネート(SPDP)、又はN-ヒドロスクシンイミド(NHS)が含まれる。
切断不可能なリンカー分子は、生物学的な条件及び酵素に対して一般的に安定である結合を介したキャリア部分の化合物への結合に関与するものである。切断不可能なリンカー分子は、キャリア部分が化合物の生物活性を妨害しない場合に典型的に用いられる。例示の切断不可能なリンカー分子には、チオエーテル(例えば、m-マレイミドベンゾイルN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS));アミド(例えば、N-ヒドロスクシンイミド(NHS-XX-)、伸長したアミド(例えば、N-ヒドロスクシンイミドポリエチレングリコール(NHS-PEG)、及び伸長したヒドラジド結合(例えば、ヒドラジド-PEG-ビオチン-)、アビジン-ビオチン、及びPEGリンカーが含まれる(Ambikanandanら、J.Pharm Pharmaceut Sci、6巻(2)、252〜273頁(2003年);Pardridge、Adv Drug Deliv Rev、36巻、299〜321頁(1999年);米国特許第6,287,792号)。
II.一般的な合成方法
本明細書の化合物は、一般的によく知られている合成方法の好適な組合せにより合成される。本明細書の化合物を合成するのに有用な技術は、本明細書に記載する教示に照らして、当業者には容易に明らかであり利用可能である。以下の考察は、本明細書の化合物を構築するのに使用できる様々な方法のある種のものを説明するために提供される。しかし、考察は、本明細書の化合物を調製するのに有用である反応又は反応の順序の範囲を規定しようとするものではない。
本明細書に記載する阻害化合物を合成するための方法は、以下のN1-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド(9a)、及びN-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド(9b)に対する合成を適応させることによる。
スキーム1は、ヒドロキシアミンピロリジンフラグメントの例示の合成を示す。1-フェニル-2-ニトロエタンを、例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)などの弱塩基を用いて、(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレート(実験セクションにおける合成)と、カップリングすることができる。次いで、ニトロ基を、NiCl
2及びNaBH
4などの還元条件下、アミンに転換して、(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(4)などの所望のヒドロキシルアミンピロリジンフラグメントを産生する。或いは、以下の実験セクションに記載するように、ヒドロキシアミンピロリジンフラグメントを、Evansのキラル補助基であるオキサゾリジノンを用いて産生してもよい。
ピロリジンフラグメント上の様々な置換基を、例えば、4のベンジル保護基を除去し、その後直鎖状ヒドロキシルアミン部分を保護することにより、(4S,5R)-ベンジル4-ベンジル-5-((2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレートを産生することによって合成してもよい。次いで、遊離のヒドロキシルを、当技術分野において知られている技術(例えば、Mitsunobu化学反応、Appel反応など)を用いて、様々な官能性に転換することができる。
スキーム2は、所望の阻害薬9a及び9bの例示の合成を示す。部分的に保護されているイソフタレート5を、アミン6a又は6bにカップリングし(例えば、チオニルクロライド、若しくはHOBtと一緒のEDCIなど、あらゆる適切なカップリング剤を用いて)、その後塩基性条件下(例えば、NaOH若しくはLiOH)エステル加水分解して、それぞれ7a又は7bを産生することができる。4などのヒドロキシアミンピロリジンフラグメントを、次いで、適切なカップリング条件下(例えば、Py-BOP、若しくはHOBtと一緒のEDCI)、7a又は7bの遊離のカルボキシレートにカップリングして、それぞれ8a又は8bを産生することができる。酸性条件下(例えば、HCl)、残りのBoc保護基を除去することにより、対応する阻害薬9a又は9bを得る。
III.β-セクレターゼ阻害薬の活性
有用なβ-セクレターゼ阻害薬を開発するために、メマプシン2の触媒活性を選択的に媒介する、例えば低減することができる候補の阻害薬を、in vitroで同定し、Aβの生成を低減するそれらの能力について引き続き試験することができる。阻害化合物の活性を、当技術分野で周知の方法、及び/又は本明細書に示す方法を利用してアッセイすることができる。
メマプシン2の触媒活性を低減する化合物を、組換えの又は天然に存在する生物学的に活性なメマプシン2を用いて、同定し、試験することができる。メマプシン2は、天然の細胞に見出すことができ、in vitroで単離することができ、又は細胞で同時発現若しくは発現することができる。阻害薬の非存在下における活性に対する、阻害薬の存在下でのメマプシン2の触媒活性の低減の測定は、当技術分野で知られている様々な方法を用いて行うことができる。
例えば、メマプシン2の存在下でペプチドのβ-セクレターゼ部位の加水分解における検出可能な低減をもたらす化合物の能力について、化合物を試験してもよい。これらのデータは、例えば、Ki、見かけのKi、Vi/Vo、又は阻害パーセントで表すことができる。Kiは、化合物が所与の酵素(例えば、メマプシン2、メマプシン1、及び/又はカテプシンD)を阻害する能力を示す阻害平衡定数である。Ki値が数値的に低いほど、本明細書の化合物が酵素に対して親和性が高いことを示している。Ki値は、基質と無関係であり、見かけのKiから変換される。
見かけのKiは、確立された技術に従って基質の存在下で決定する(例えば、Bieth,J.、Bayer-Symposium V、Proteinase Inhibitors、463〜469頁、Springer-Verlag、ベルリン(1994年)を参照されたい)。見かけのKiに対する標準誤差は、よく知られている技術を使用して(例えば、その教示がその全文において本明細書に参照として組み入れられるBieth,J.、Bayer-Symposium V、Proteinase Inhibitors、463〜469頁、Springer-Verlag、ベルリン(1994年)、Ermolieff,J.ら、Biochemistry、39巻、12450〜12456頁(2000年)を参照されたい)、様々な濃度の本明細書の化合物で測定したVi/Voのデータの非線形の回帰からの誤差である(例えば、約10nMと約1000nMとの間)。Vi/Voは、阻害薬の非存在下(Vo)又は存在下(Vi)における酵素による、酵素の基質の最初の変換速度の比を表している(Ermolieffら、Biochemistry、40巻、12450〜12456頁(2000年))。1.0というVi/Vo値は、化合物が試験した濃度で酵素を阻害しないことを示している。1.0未満というVi/Vo値は、本明細書の化合物が酵素活性を阻害することを示している。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)は、メマプシン2β-セクレターゼ活性を低減することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、(例えば、本明細書に記載するあらゆる阻害アッセイを用いて)約10μM、5μM、1μMのいずれか一つ未満、或いは、約750、500、400、300、200、100、50、25、10、5、2、若しくは1nMのいずれか一つ未満;又は約1から5、1から10、1から100、1から300、1から500、1から1000、100から500、200から500、300から500、100から750、200から750、300から750、400から750、500から750、100から1000、250から1000、500から1000、若しくは750から1000nMのメマプシン2β-セクレターゼのKi及び/又は見かけのKiを有する。いくつかの実施形態では、化合物は、(例えば、本明細書に記載するあらゆる阻害アッセイを用いて)約300nM未満、301nMから500nM、又は501nMを超えるメマプシン2β-セクレターゼのKi及び/又は見かけのKiを有する。
化合物が、メマプシン2の存在下でペプチドのβ-セクレターゼ部位の加水分解を媒介する、例えば低減することができることを同定したら、化合物が他の酵素に比べてメマプシン2を選択的に阻害する能力について、化合物をさらに試験してもよい。典型的には、他の酵素は、メマプシン1又はカテプシンDなどのペプチド加水分解酵素;又はチトクロームP450 3A4(CYP3A4)などの別の対象のファミリーからのものである。カテプシンDの触媒活性又はメマプシン1の触媒活性を低減する化合物を、組換え又は天然に存在する、生物学的に活性な酵素を用いて試験する。カテプシンD又はメマプシン1の触媒活性は、in vitroで単離され、又は細胞で共発現若しくは発現された天然の細胞に見出すことができる。本明細書に記載する化合物による阻害を、当業者にはよく知られている方法、又は本明細書に別の方法で記載されている方法などの、標準のin vitro又はin vivoのアッセイを用いて測定する。
例えば、化合物の存在下、メマプシン2が基質ペプチドを加水分解する程度を、同化合物がメマプシン1及び/又はカテプシンDの基質ペプチドのβ-セクレターゼ部位の切断を阻害する程度に比べて決定することにより、化合物の選択性を測定してもよい。例示の基質のペプチドはメマプシン2の活性を決定するのに有用であり、FS-2(MCA-SEVNLDAEFR-DNP;配列番号2)(Bachem Americas、Torrance、カリフォルニア州)などの、APP、及びその誘導体をメマプシン2を含む。例示の基質のペプチドはメマプシン1及びカテプシンDの活性を測定するのに有用であり、例えば、ELDLAVEFWHDR(配列番号1)の配列を含むペプチドを含む。これらの基質ペプチドは、既知のペプチド合成方法、固相ペプチド合成(例えば、FMOCアミノ酸カップリングなど)を使用して合成することができる。これらのデータは、例えば、Ki、見かけのKi 、Vi/Vo、又は阻害パーセントで表すことができ、メマプシン1又はカテプシンDの触媒活性に比べた、メマプシン2の触媒活性に対する化合物の阻害を表している。例えば、本明細書の阻害化合物と、メマプシン1又はカテプシンDとの間の反応のKiが1000であり、本明細書の阻害化合物とメマプシン2との間の反応のKiが100である場合、阻害化合物は、メマプシン2のβ-セクレターゼ活性を、メマプシン1又はカテプシンDに対して10倍の選択性で阻害する。
本明細書に記載する化合物は、チトクロームP450 3A4(CYP3A4)の存在下、メマプシン2を選択的に阻害することができ得る。CYP3A4は、生体異物の代謝において重要な役割を果たす。CYP3A4を阻害すると、他の治療薬の代謝を変調することによって不必要な医薬間相互作用をもたらすことがある。多くの患者、とりわけ、アルツハイマー病などの状態に対する治療を求める高齢の患者は、様々な状態に対して複数の治療薬が処方されており、CYPAA4の阻害によって引き起こされる医薬間相互作用は極めて望ましくない。したがって、CYP3A4を超えてメマプシン2を選択的に阻害する能力は(例えば、CYP3A4に対して効果なし、又は最小の効果)、不必要な医薬間相互作用を低減する助けとなることがあり、毒性の低減及びβ-セクレターゼ阻害薬の有効性の増大をもたらす。本明細書に記載するいくつかの化合物は、チトクロームP450 3A4の存在下、メマプシン2の顕著な選択的阻害を表すことが示されている。例えば、N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドは、およそ50.38nMのM2のKi及びCYP3A4のKi=11.5μMを有することが決定された(以下のデータを参照されたい)。比較すると、N-((2S,3R)-4-((5-tert-ブチルピリミジン-3-イル)メチルアミノ)-3-ヒドロキシ-1-フェニルブタン-2-イル)-3-メチル-5-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドは、N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドと比べるとピロリジン環がなく、およそ9.29nMのM2のKi、及びCYP3A4のKi=0.717μMを有する(以下のデータを参照されたい)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)は、CYP3A4に比べてメマプシン2を選択的に低減することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)は、メマプシン1、カテプシンD、及び/又はCYP3A4に比べてメマプシン2を選択的に低減することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約2倍を超える選択性で、又は約3、5、7、10、25、50、75、100、300、200、500、750、1000、2000、5000、若しくは10000倍のいずれか一つを超える選択性で、メマプシン1、カテプシンD、及び/又はCYP3A4に比べてメマプシン2を選択的に低減することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、(例えば、本明細書に記載するあらゆる阻害アッセイを用いて)約10μM、5μM、1μM未満、又は、約750、500、400、300、250、200、100、75、50、25、10、5、2、若しくは1 nMのいずれか一つ未満;又は約1から5、1から10、1から100、1から250、1から500、1から1000、100から500、200から500、300から500、100から750、200から750、250から750、300から750、400から750、500から750、100から1000、250から1000、500から1000、若しくは750から1000nMのいずれかのメマプシン2β-セクレターゼのKi及び/又は見かけのKiを有し、約10μM、5μM、1μMを超え、或いは、約750、500、400、300、200、100、50、25、10、5、2、若しくは1nMいずれか一つを超え;又は約1から5、1から10、1から100、1から300、1から500、1から1000、100から500、200から500、300から500、100から750、200から750、300から750、400から750、500から750、100から1000、250から1000、500から1000、若しくは750から1000nMのいずれかのメマプシン1及び/又はカテプシンDのKi及び/又は見かけのKiを有する。いくつかの実施形態では、化合物は、(例えば、本明細書に記載するあらゆる阻害アッセイを用いて)約10μM、5μM、1μM未満、又は、約750、500、400、300、250、200、100、50、25、10、5、2、若しくは1nMのいずれか一つ未満;又は約1から5、1から10、1から100、1から250、1から500、1から1000、100から500、200から500、300から500、100から750、200から750、250から750、400から750、500から750、100から1000、250から1000、500から1000、若しくは750から1000nMのいずれかのメマプシン2β-セクレターゼのKi及び/又は見かけのKiを有し、約100μM、50μM、25μM、10μM、5μM、1μMを超え、又は、約750、500、400、300、200、100、50、25、10、5、2、若しくは1nMのいずれか一つを超え;又は約1から5、1から10、1から100、1から300、1から500、1から1000、100から500、200から500、300から500、100から750、200から750、300から750、400から750、500から750、100から1000、250から1000、500から1000、若しくは750から1000nMのいずれかのCYP3A4のKi及び/又は見かけのKiを有する。
メマプシン2の存在下でペプチドのβ-セクレターゼ部位の加水分解に検出可能な低減(又は、その他にメマプシン2に対する作用の選択性)を引き起こす能力を示す化合物を、それらが、β-アミロイドタンパク質(Aβ)の量又は生成に検出可能な低減を引き起こす能力について、細胞モデル又は動物モデルで試験することができる。例えば、メマプシン2のアイソスターの阻害薬を、培養した細胞でAβの生成を低減するその能力について試験している(その内容が参照として本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)、及び国際出願番号PCT/US06/13342(公開番号WO06/110668)を参照されたい)。簡潔に述べると、阻害薬を、ヒトAPP Swedish変異体(又はLondon変異、又は二重変異体)をコードする核酸構築物、及び必要であれば、ヒトメマプシン2をコードする核酸構築物を安定に形質移入した細胞(例えば、ヒト胎児腎臓(HEK293)細胞、Hela細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、又は神経芽細胞腫系統M17細胞)の培養物に加えることができる。Aβの免疫沈降の後、SDSゲル電気泳動により、阻害薬の存在下及び非存在下で生成されたAβの量を検出し、定量することができる。
細胞培養物の他に動物モデルを用いて、メマプシン2の阻害薬がAβの生成を低減する能力について試験してもよい。例えば、ヒトアミロイド前駆タンパク質のSwedish変異を発現する動物(例えば、tg2576マウス)(Hsiao,K.ら、Science、274巻、99〜102頁(1996年)に、阻害薬を腹腔内注射してもよい。次いで、血漿を回収し、捕捉ELISA(BioSource International、Camarillo、カリフォルニア州)によってAβレベルを決定してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)は、細胞のAβ生成を低減することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、(例えば、本明細書に記載するAβ阻害アッセイを用いて)約10μM、5μM、1μM未満、又は、約750、500、400、300、200、100、50、25、10、5、2、若しくは1nM未満;又は約1から5、1から10、1から100、1から300、1から500、1から1000、100から500、200から500、300から500、100から750、200から750、300から750、400から750、500から750、100から1000、250から1000、500から1000、若しくは750から1000nMのIC50で細胞のAβ生成を低減することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、(例えば、本明細書に記載するAβ阻害アッセイを用いて)1μM未満の、1μMと5μMの間の、又は5μMを超えるIC50で細胞のAβ生成を低減することができる。
動物モデルの器官、又は細胞コンパートメント内における阻害薬の存在は、阻害薬に複合した蛍光タグ、及び共焦点顕微鏡による可視化を用いて確認してもよい(その内容全体が参照として本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)を参照されたい)。
哺乳動物から得たサンプルは、血漿若しくは血清サンプルなどの液体サンプルであってもよく、又は脳生検などの組織サンプルであってもよい。β-アミロイドタンパク質の量、又はβ-アミロイドタンパク質の生成における低減を、標準の技術(例えば、ウェスタンブロット、及びELISAアッセイ)を用いて測定することができる。
メマプシン2-β-セクレターゼ阻害薬を同定するためのアッセイのさらなる例を、以下の実施例のセクションで述べる。メマプシン2、メマプシン1、カテプシンD、及びCYP3A4の活性、並びにこれらの酵素の活性を低減する物質の活性をアッセイするための他の方法は、当技術分野では知られている。好適なアッセイ方法の選択は、特に本明細書に提供する教示に照らして、当業者の能力内に十分ある。
IV.肝ミクロソームにおける肝固有クリアランス
本明細書の化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)は、一つ又は複数の好ましい医薬動態学的性質を有していてよい。例えば、β-セクレターゼ阻害化合物が個体における肝臓クリアランスに抵抗する能力は、結果として化合物が長期間治療薬として利用可能であることとなり、これは、例えば、より低投与量及び/又は頻度のより低い投与の助けとなり得る。したがって、肝臓クリアランスの低いβ-セクレターゼ阻害化合物は、毒性を潜在的に低下させる利点を有することがあり、患者のコンプライアンスを改善することがある。本明細書に記載するいくつかの化合物は、著しく低い肝固有クリアランスの性質を表すことが示されている。例えば、N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドは、およそ337mL/分/kgの肝ミクロソームにおける肝固有クリアランスを有することが決定された(下記のデータを参照されたい)。比較すると、N-((2S,3R)-4-((5-tert-ブチルピリジン-3-イル)メチルアミノ)-3-ヒドロキシ-1-フェニルブタン-2-イル)-3-メチル-5-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドは、N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドに比べるとピロリジン環がなく、1000mL/分/kgを超える、肝ミクロソームにおける肝固有クリアランスを有する(下記のデータを参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)は、LC/MS/MSによって測定して、約1000mL/分/kg、900mL/分/kg、800mL/分/kg、700mL/分/kg、600mL/分/kg、500mL/分/kg、300mL/分/kg、200mL/分/kg、150mL/分/kg、100mL/分/kg、75mL/分/kg、50mL/分/kg、又は25mL/分/kg未満の肝ミクロソームにおける肝固有クリアランスを有する(アッセイの詳細は、実施例セクションを参照されたい)。
V.製剤
別の一態様では、メマプシン2β-セクレターゼ阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を、薬学的に許容できる担体などの担体と一緒に含む製剤(例えば、薬剤製剤)を提供する。製剤は、本明細書に開示する阻害薬の、光学異性体、ジアステレオマー、又は薬学的に許容できる塩を含むことができる。製剤中に含まれるメマプシン2β-セクレターゼ阻害薬は、上記に記載したように、キャリア部分に共有結合によって結合していてよい。或いは、製剤中に含まれるメマプシン2β-セクレターゼ阻害薬は、キャリア部分に共有結合によって連結していない。
適切な薬学的に許容できる担体には、水、塩溶液(例えば、リンゲル溶液)、アルコール、油、ゼラチン、及び炭水化物、例えば、ラクトース、アミロース又はデンプン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが含まれる。このような調製物は滅菌することができ、所望により、意図される使用する化合物と有害性に反応しないことが好ましい、補助剤、例えば、滑沢剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、バッファー、着色剤、及び/又は芳香性物質などと混合することができる。
本明細書に記載する化合物は、個体に、単独で投与することができ、又は同時投与することができる。同時投与は、化合物の個々の、又は併用の(一つを超える化合物)、同時又は逐次的な投与を含むことを意味する。したがって、調製は、所望される場合には、(例えば、代謝的分解を低減するために)特定の状態の治療に関連する他の有効物質と組み合わせることもできる。
本明細書に記載するβ-セクレターゼ阻害薬(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を、広範囲の、経口の、非経口の、及び局所の剤形で、調製し、投与することができる。したがって、本明細書の化合物は、注射により(例えば、静脈内に、筋肉内に、皮内に、皮下に、十二指腸内に、又は腹腔内に)投与することができる。また、本明細書に記載する化合物を、吸入により、例えば鼻腔内に、投与することができる。さらに、本明細書の化合物を、経皮的に投与することができる。本明細書の化合物を、局所的に(例えば、局所用点眼薬又は軟膏などの眼投与)投与することもできる。本明細書に記載する阻害化合物を投与するのに、複数の投与経路(例えば、筋肉内、経口、経皮)を用いることができることも想定される。したがって、薬学的に許容できる担体又は賦形剤、及び本明細書に記載する一つ若しくは複数の阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を含む薬剤製剤も提供する。
本発明に記載する化合物から薬剤製剤を調製するためには、薬学的に許容できる担体は、固体でも、又は液体でもよい。固体の形態の調製物には、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性の顆粒剤が含まれる。固体の担体は、一つ又は複数の物質であることができ、これは希釈剤、着香料、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料として働くこともできる。
粉末剤では、担体は、微細な固体であり、これは微細にした有効成分との混合物の形である。錠剤では、有効成分を、必要な結合の性質を有する担体と適切な割合で混合し、望ましい形状及び大きさに圧縮する。
粉末剤及び錠剤は、有効成分を5%から70%まで含むことが好ましい。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどである。「調製」の語は、有効化合物を、他の担体とともに又はそれなしで有効成分が担体によって取り囲まれているカプセル剤を提供する担体としてのカプセル化材料と一緒に配合することを含み、担体はしたがってそれと関連していることが意図される。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤を、経口投与に適する固体の剤形として用いることができる。
坐剤を調製するためには、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ワックスを最初に融解し、攪拌しながらその中に有効成分を均一に分散させる。溶融した均一の混合物を、次いで、好都合な大きさの型の中に注ぎ、放冷し、それによって凝固させる。
液体の形態の調製物には、溶液剤、懸濁剤、及び乳剤、例えば、水又は水/プロピレングリコール溶液が含まれる。非経口の注射には、液体調製物を、ポリエチレングリコール水溶液における溶液に配合することができる。
非経口の適用が必要とされ、又は望まれる場合は、本明細書の化合物に特に適した混合物は注射可能の、滅菌溶液剤、好ましくは油性若しくは水溶性の液剤、及び懸濁剤、乳剤、又は、坐剤を含む埋め込みである。特に、非経口投与のための担体には、デキストロース水溶液、生理的食塩水、純水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ラッカセイ油、ゴマ油、ポリオキシエチレン-ブロックポリマーなどが含まれる。アンプルは、好都合な単位投与量である。本明細書の化合物を、また、リポソーム中に組み入れることができ、又は経皮のポンプ若しくはパッチにより投与することができる。本明細書における使用に適した薬剤混合物は、当業者にはよく知られており、例えば、その両方の教示が参照として本明細書に組み入れられる、Pharmaceutical Sciences(17版、Mack Pub.Co.、Easton、ペンシルベニア州)、及びWO96/05309に記載されている。
眼投与調製物(例えば、緑内障治療の使用における)には、それだけには限定されないが、当業者には知られている、場合によりさらなる担体、安定化剤などを有する食塩水中の製剤が含まれる。
経口の使用に適する水溶液剤は、有効成分を水に溶解し、適切な着色料、香料、安定化剤、及び増粘剤を所望により加えることにより調製することができる。経口の使用に適する懸濁水溶液剤は、微細の有効成分を、天然又は合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他のよく知られている懸濁化剤などの粘稠性の材料とともに水に分散することにより作成することができる。
使用の直前に経口投与用の液体の形態の調製物に変換することが意図される、固体の形態の調製物も含まれる。このような液体の形態には、溶液剤、懸濁剤、及び乳剤が含まれる。これらの調製物は、有効成分の他に、着色料、香料、安定化剤、バッファー、人工及び天然の甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含むことができる。
薬剤調製物は、単位投与量形態であることが好ましい。このような形態では、調製物は適切な量の有効成分を含む単位投与量に細分される。単位投与量形態は、包装された調製物であることができ、パッケージは、小包にされた錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の粉末などの、別々の量の調製物を含む。また、単位投与量形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はトローチ剤それ自体であることができ、又は好適な数の包装形態におけるあらゆるものであることができる。
本明細書に記載する製剤を含む単位投与量形態も提供する。これらの単位投与量形態は、単回又は複数回の単位投与量において適切な包装において貯蔵することができ、さらに滅菌し、密封してもよい。例えば、薬剤製剤(例えば、薬剤製剤の投与量、又は単位投与量形態)は、(i)阻害薬(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)、並びに(ii)薬学的に許容できる担体を含むことができる。いくつかの実施形態では、製剤は一つ又は複数の他の化合物(若しくは薬学的に許容できるその塩)も含む。様々な変形において、製剤における阻害化合物の量は、あらゆる以下の範囲:約5から約50mg、約20から約50mg、約50から約100mg、約100から約125mg、約125から約150mg、約150から約175mg、約175から約200mg、約200から約225mg、約225から約250mg、約250から約300mg、約300から約350mg、約350から約400mg、約400から約450mg、又は約450から約500mgにおいて含まれる。いくつかの実施形態では、製剤における化合物の量(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/若しくは表1の任意の化合物を含む投与量若しくは単位投与量形態)は、化合物の、約5mgから約500mg、例えば、約30mgから約300mg、又は約50mgから約200mgの範囲にある。
いくつかの化合物では水における溶解性が限られていることがあり、したがって組成物に界面活性剤又は他の好適な共溶媒を必要とすることがある。このような共溶媒には、ポリソルベート20、60、及び80、プルロニック(Pluronic)F-68、F-84、及びP-103、シクロデキストリン、ポリオキシ35ヒマシ油、又は当業者には知られている他の物質が含まれる。このような共溶媒は、重量で約0.01%と約2%の間のレベルで典型的に使用される。
製剤を調剤する上での変動性を低減するために、懸濁剤又は乳剤の製剤の成分の物理的分離を低減するために、かつ/又はその他の方法で製剤を改善するために、単純な水溶液の粘度よりも大きい粘度が望ましいことがある。このような粘度上昇剤には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、前述の組合せ、並びに当業者には知られている他の物質が含まれる。これらの物質は、重量で約0.01%と約2%の間のレベルで、典型的に使用される。上記の補助剤のあらゆるものの許容量の決定は、当業者によって容易に確認される。
記載される製剤は、持続性の放出及び/又は快適性を提供するための成分をさらに含むことがある。このような成分には、高分子量の陰イオン性のムコ模倣(mucomimetic)ポリマー、ゲル化の多糖類、及び微細の医薬キャリア基質が含まれる。これらの成分は、米国特許第4,911,920号、第5,403,841号、第5,212,162号、及び第4,861,760号に、より詳しく論じられている。これらの特許の内容全体が、すべての目的でその全文が参照として本明細書に組み入れられる。
A.有効な投与量
記載される薬剤製剤は、有効成分(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)が有効量で、すなわち、その意図された目的を達成するのに有効な量で含まれる製剤を含む。特定の適用に有効な実際の量は、とりわけ、治療する状態に依存する。例えば、アルツハイマー病を治療するための方法で投与する場合、このような組成物は、望ましい結果(例えば、β-セクレターゼ活性又はβ-アミロイド生成の低減)を達成するのに有効な、ある量の有効成分を含む。本明細書の化合物の有効量を決定することは、特に、本明細書における詳しい開示に鑑みて、当業者の能力内に十分ある。
哺乳動物に投与する投与量及び頻度は、メマプシン2の活性の増大、又はβ-アミロイドタンパク質の蓄積の増大をもたらす疾患、哺乳動物が別の疾患に罹患しているか、及びその投与経路;大きさ、年齢、性別、健康、体重、肥満度指数、及び受容者の食事;治療する疾患(例えば、アルツハイマー病)の性質及び症状の程度、同時の治療の種類、治療する疾患からの合併症、又は他の健康に関連する問題を含めた、様々な要因に応じて変化することができる。他の治療用のレジメン又は物質を、本明細書に記載する方法及び化合物と組み合わせて用いることができる。確立された投与量の調節及び操作(例えば、頻度及び間隔)は、当業者の能力内に十分ある。
本明細書に記載したあらゆる化合物について、有効量を細胞培養アッセイから最初に決定することができる。標的の濃度は、本明細書に記載した方法又は当技術分野で知られている方法を用いて測定して、メマプシン2の活性を低減することができる有効化合物の濃度である。
当技術分野ではよく知られているように、ヒトで使用するための治療上有効な量を、動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒトに対する投与量を配合して、動物で有効であることが見出されている濃度を達成することができる。上記に記載したように、ヒトにおける投与量を、メマプシン2の阻害をモニターし、投与量を上方又は下方に調節することにより、調節することができる。当技術分野でよく知られている上記に記載した方法及び他の方法に基づいて、ヒトにおける最大の効力を達成するために投与量を調節することは、特に本明細書に提供する教示に照らして、当業者の能力内に十分ある。
投与量は、個体の要求及び使用する化合物に応じて変化することがある。個体に投与する投与量は、長期にわたって個体における有益な治療上の反応を達成するのに十分でなければならない。投与量のサイズは、また、あらゆる有害な副作用の存在、性質、及び程度によって決定される。特定の状況にふさわしい投与量の決定は、開業医の技量の範囲内である。一般的に、治療は、化合物の最適の投与量未満である、より少ない投与量で開始する。その後、投与量を少々増加し、環境下での最適な効果に達するまで増大する。一実施形態では、投与量範囲は0.001%から10%w/vまでである。別の一実施形態では、投与量範囲は0.1%から5%w/vまでである。
用いることができる投与量のさらなる例は、約0.1μg/kg体重から約300mg/kg体重の投与量範囲内、又は約1.0μg/kg体重から約40mg/kg体重の投与量範囲内、又は約1.0μg/kg体重から約20mg/kg体重の投与量範囲内、又は約1.0μg/kg体重から約10mg/kg体重の投与量範囲内、又は約10.0μg/kg体重から約10mg/kg体重の投与量範囲内、又は約100μg/kg体重から約10mg/kg体重の投与量範囲内、又は約1.0mg/kg体重から約10mg/kg体重の投与量範囲内、又は約10mg/kg体重から約100mg/kg体重の投与量範囲内、又は約50mg/kg体重から約150mg/kg体重の投与量範囲内、又は約100mg/kg体重から約200mg/kg体重の投与量範囲内、又は約150mg/kg体重から約250mg/kg体重の投与量範囲内、又は約200mg/kg体重から約300mg/kg体重の投与量範囲内、又は約250mg/kg体重から約300mg/kg体重の投与量範囲内の有効量である。用いることができる他の投与量は、約0.01 mg/kg体重、約0.1mg/kg体重、約1mg/kg体重、約10mg/kg体重、約20mg/kg体重、約30mg/kg体重、約40mg/kg体重、約50mg/kg体重、約75mg/kg体重、約100mg/kg体重、約125mg/kg体重、約150mg/kg体重、約175mg/kg体重、約200mg/kg体重、約225mg/kg体重、約250mg/kg体重、約275mg/kg体重、又は約300mg/kg体重である。本明細書の化合物を単回一日量において投与してもよく、又は一日量全体を一日2回、3回、又は4回に分割した投与量で投与してもよい。
本明細書に提供する教示を利用して、実質的な毒性を引き起こさず、それでも特定の個体に現れた臨床症状を治療するのに完全に有効である、有効な予防上又は治療上の治療レジメンを計画することができる。この計画は、化合物の作用強度、相対的なバイオアベイラビリティー、個体の体重、有害な副作用の存在及び重症度、好ましい投与様式、並びに選択された物質の毒性のプロファイルなどの要因を考慮することにより、有効化合物を注意深く選択することを伴わなければならない。
B.キット
本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物、それらの製剤及び投与量形態)を投与するためのキットも提供する。
ある実施形態では、キットは、本明細書に開示する少なくとも一つの製剤の投与量を含むことができる。キットは、適切な包装、及び/又は製剤を用いるための指示をさらに含むことができる。キットは、その製剤を送達するための手段も含むことができる。
キットは、本明細書に記載する一つ又は複数の化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/若しくは表1の任意の化合物)と組み合わせて用いるための他の医薬品を含むことができる。いくつかの変形において、(一つ又は複数の)医薬品は、一つ又は複数の抗精神病薬であってよい。これらの薬剤を、別々の形態において提供してもよく、又は、このような混合が本明細書に記載する薬剤若しくは化合物いずれかの有効性を低減しないのであれば、且つ投与経路に適合するのであれば、本明細書に記載する化合物と混合してもよい。同様に、キットは、本明細書に記載する状態の治療又は予防において有効であると当業者に知られている、補助的療法のためのさらなる薬剤、又は他の薬剤を含むことができる。
キットは、組成物の調製及び投与、組成物の副作用、並びにあらゆる他の関連の情報に好適な指示を場合により含むことができる。指示は、それだけには限定されないが、印刷物、ビデオテープ、コンピュータ可読のディスク、光ディスク、又はインターネットベースの指示に対する指導を含めたあらゆる適切な様式であってよい。
別の一態様では、本明細書に開示する製剤の投与量を含む第1の容器、及び使用のための指示を含む、本明細書に記載する状態に罹患している、又は感受性である個体を治療するためのキットを提供する。容器は、当技術分野において知られており、貯蔵及び静脈内製剤の送達に好適なあらゆるものであってよい。ある実施形態では、キットは、組成物の調製物を個体に投与するための、薬学的に許容できる担体、希釈剤、アジュバントなどを含む第2の容器をさらに含む。
例えば、1〜3日間、1〜5日間、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月又はそれを超える長期間、個体に有効な治療を提供するために、本明細書に記載する十分な投与量の阻害薬(その製剤を含む)を含むキットも提供することができる。
キットは、複数回投与量の化合物及び使用のための指示も含むことができ、貯蔵、並びに病院薬局及び調剤薬局などの薬局における使用に十分な量において包装されてよい。
キットは、単位投与量形態又は多目的形態のいずれかにおいて包装される、本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/若しくは表1の任意の化合物)を含むことができる。キットは、複数単位の単位投与量形態を含むこともできる。ある実施形態では、単位投与量形態の、本明細書に記載する化合物を提供する。他の実施形態では、マルチドーズ形態(例えば、ブリスターパックなど)における化合物を提供することができる。
C.毒性
特定の化合物に対する毒性と治療効果との間の比が、その治療指数であり、LD50(50%の人口に致死的である化合物の量)とED50(50%の人口に有効である化合物の量)との間の比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイ及び/又は動物の研究から得られた治療指数のデータを、ヒトで使用するための投与量の範囲を策定するのに用いることができる。このような化合物の投与量は、毒性がほとんど又はまったくないED50を含む血漿濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用する剤形、及び利用する投与経路に応じて、この範囲内で変化することができる。例えば、Finglら、The Pharmacological Basis of Therapeutics、第1章、1頁、1975年を参照されたい。正確な製剤、投与経路及び投与量は、個体の状態、及び化合物を用いる特定の方法を考慮して、個々の医師が選択することができる。
VI.メマプシン2β-セクレターゼの活性を低減する方法
別の一態様では、本明細書のβ-セクレターゼ阻害化合物を、β-セクレターゼ阻害薬の非存在下における、メマプシン2の活性の量、β-セクレターゼ部位の加水分解、及びβ-アミロイドタンパク質の蓄積にそれぞれ比べて、メマプシン2の活性を低減するための、メマプシン2基質のβ-セクレターゼ部位の加水分解を低減するための、かつ/又は、β-アミロイドタンパク質の蓄積を低減するための方法で使用することができる。
例示の一実施形態では、メマプシン2の活性を低減する方法を提供する。この方法は、メマプシン2を、本明細書のβ-セクレターゼ阻害化合物と接触させることを含む。メマプシン2を、あらゆる好適な環境で接触させることができる(例えば、in vitro、in vivo)。メマプシン2の活性は、β-セクレターゼ阻害薬の非存在下における活性の量に比べて低減する。
別の例示の一実施形態では、本明細書に記載の阻害薬(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を用いてメマプシン2の活性を選択的に媒介する(例えば、低減する)方法を提供する。メマプシン2の活性を選択的に低減するということは、メマプシン2が、阻害薬の非存在下におけるその活性に比べて低減するだけではなく、ペプチド加水分解酵素(例えば、カテプシンD、メマプシン1)及び/又はチトクロームP450 3A4などの別の酵素に対する阻害薬の作用により、活性における低減に比べて大きな度合いで低減することを意味している。例えば、上記に記載したように、酵素の活性における低減は、阻害定数(Ki)によって表すことができる。阻害薬がメマプシン2の活性を選択的に低減する場合、本明細書に記載の阻害化合物とメマプシン2との間の反応のKiは、本明細書の阻害化合物と別のペプチド加水分解酵素及び/又はチトクロームP4503A4との間の反応のKiよりも小さい。
いくつかの実施形態では、阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/若しくは表1の任意の化合物)とメマプシン2の間の反応のKiは、阻害化合物と別のペプチド加水分解酵素(例えば、カテプシンD、メマプシン1)の間の反応のKiよりも低い。いくつかの関連の実施形態では、阻害薬は、メマプシン1に比べてメマプシン2の活性を選択的に低減する。他の関連の実施形態では、阻害薬は、カテプシンDに比べてメマプシン2の活性を選択的に低減する。いくつかの実施形態では、阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/若しくは表1の任意の化合物)とメマプシン2の間の反応のKiは、阻害化合物とチトクロームP450 3A4の間の反応のKiよりも低い。例示の一実施形態では、本明細書の阻害化合物とメマプシン2の間の反応のKiは、本明細書の阻害化合物と別のペプチド加水分解酵素及び/又はチトクロームP450 3A4の間の反応のKiよりも少なくとも2倍低い。別の例示の実施形態では、本明細書の阻害化合物とメマプシン2の間の反応のKiは、本明細書の阻害化合物と別のペプチド加水分解酵素及び/又はチトクロームP450 3A4の間の反応のKiより、少なくとも3、5、7、10、25、50、75、100、300、200、500、750、1000、2000、5000、又は10000倍低い。
このように、メマプシン2の活性を選択的に低減する方法を提供する。方法は、メマプシン2をβ-セクレターゼ阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)と接触させることを含む。関連の一実施形態では、方法は、メマプシン1の存在下、メマプシン2をβ-セクレターゼ阻害薬と接触させることを含む。関連の一代替の実施形態では、方法は、カテプシンDの存在下、メマプシン2をβ-セクレターゼ阻害薬と接触させることを含む。さらに別の関連の一実施形態では、方法は、カテプシンD及びメマプシン1の存在下、メマプシン2をβ-セクレターゼ阻害薬と接触させることを含む。さらに別の一実施形態では、方法は、チトクロームP450 3A4の存在下、メマプシン2をβ-セクレターゼ阻害薬と接触させることを含む。なお別の関連の一実施形態では、方法は、カテプシンD、メマプシン1、及びチトクロームP450 3A4の存在下、メマプシン2をβ-セクレターゼ阻害薬と接触させることを含む。
いくつかの実施形態では、メマプシン2β-セクレターゼの活性は、β-セクレターゼ基質のβ-セクレターゼ部位の加水分解を測定することによって決定してもよい。このように、メマプシン2をβ-セクレターゼ阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/若しくは表1の任意の化合物)と接触させることによって、β-セクレターゼ基質のβ-セクレターゼ部位の加水分解を低減する方法を記載する。いくつかの実施形態では、β-セクレターゼ部位の加水分解は、阻害薬の非存在下における加水分解の量に比べて低減する。他の実施形態では、加水分解は、メマプシン1及び/又はカテプシンDによる加水分解に比べて選択的に低減する。このように、サンプルにおけるメマプシン1及び/又はカテプシンDに比べて、β-アミロイド前駆タンパク質のβ-セクレターゼ部位の加水分解を選択的に低減する方法を提供する。この方法は、メマプシン2を、β-セクレターゼ阻害化合物と接触させることを含む。
別の一実施形態では、メマプシン2を、阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)と接触させることにより、サンプルにおけるβ-アミロイドタンパク質の量を低減する方法を提供する。サンプルにおけるβ-アミロイドタンパク質の量は、阻害薬の非存在下でのサンプルにおけるβ-アミロイドタンパク質の量に比べて低減する。したがって、β-アミロイドタンパク質の蓄積は、それによって低減する。
メマプシン2を、あらゆる適切な環境又はあらゆる適切なサンプルにおいて接触させることができる。例えば、メマプシン2は、in vitroで、細胞内で、又は哺乳動物内で接触させることができる。典型的には、成分がメマプシン2の酵素活性を実質的に妨害しないように、in vitroの溶液が選択される(例えば、水溶液)。いくつかの実施形態では、in vitroの溶液は、哺乳動物のサンプルなどの生物学的サンプルを含む。例示の哺乳動物のサンプルには、血漿又は血清のサンプル、及び脳の生検などの組織サンプルが含まれる。メマプシン2を阻害薬と接触させるあらゆる好適な細胞又は細胞のサンプルを、選択することができる。細胞は、以前に記載されているように(米国特許出願公開第20040121947号(その内容が参照として本明細書に組み入れられる)、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)を参照されたい)、内在性のメマプシン2、又は組換えのメマプシン2を含むことができる。例示的な細胞には、ヒト胎児性腎臓(HEK293)細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、又は神経芽細胞腫系統M17細胞Hela細胞、293細胞が含まれる。例示の一実施形態では、本明細書の化合物を、β-アミロイド前駆タンパク質のβ-セクレターゼ部位の加水分解を阻害するために、哺乳動物に投与する(例えば、マウス、ウサギ、又はヒト)。
VII.アルツハイマー病を治療する方法
別の一態様では、本明細書のβ-セクレターゼ阻害化合物を、β-セクレターゼ活性、β-アミロイド前駆タンパク質のβ-セクレターゼ部位の加水分解、及び/又はβ-アミロイドタンパク質の蓄積に関連する及び/又はそれらによって媒介される疾患又は状態の治療に使用することができる。典型的には、哺乳動物の疾患又は状態を治療する。例示の一実施形態では、疾患はアルツハイマー病である。
したがって、いくつかの実施形態では、有効量の本発明のβ-セクレターゼ阻害薬(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)をそれを必要とする哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物におけるアルツハイマー病を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体は、アルツハイマー病の一つ又は複数の症状を有する。いくつかの実施形態では、個体は、アルツハイマー病と診断されている。阻害薬で治療する哺乳動物は、ヒトの霊長動物、非ヒトの霊長動物、及び/又は非ヒトの哺乳動物(例えば、齧歯動物、イヌ)であってよい。一実施形態では、β-セクレターゼ活性を低減する(メマプシン1及びメマプシン2の活性を阻害する)本明細書の化合物を哺乳動物に投与する。別の一実施形態では、メマプシン2の活性を選択的に低減する化合物を哺乳動物に投与する。関連の一実施形態では、化合物は、メマプシン1の活性を低減するのに、最小の効果を有し、又はまったく効果がない。したがって、また、それを必要とする対象におけるアルツハイマー病を治療する方法を提供し、その方法は、有効量のβ-セクレターゼ阻害化合物を対象に投与することを含む。例示の一実施形態では、β-セクレターゼ阻害化合物は、上記に記載したように薬剤製剤の一部分である。
本明細書の阻害化合物を、β-セクレターゼ活性(例えば、メマプシン2の活性)に関連する個体における疾患又は状態の治療で使用することができ、これは、特にアルツハイマー病で、疾患又は状態の進行を停止、逆転、又は低減することができる。いくつかの実施形態では、個体は、β-セクレターゼ活性に関連する疾患又は状態の、一つ又は複数の症状を有する。いくつかの実施形態では、個体は、β-セクレターゼ活性に関連する疾患又は状態を有すると診断されている。メマプシン2の活性を低減する化合物の他に、メマプシン2の活性を選択的に低減する化合物は、メマプシン2の活性及び別のペプチド加水分解酵素(例えば、カテプシンD又はメマプシン1)の両方に関連する疾患又は状態又は生物学的過程よりも、メマプシン2の活性に関連する疾患又は病状又は生物学的過程を治療するのに有用である。
例えば、メマプシン1もメマプシン2も、β-セクレターゼ部位でアミロイド前駆タンパク質(APP)を切断して、β-アミロイドタンパク質(本明細書では、Aβ、又はβ-アミロイドタンパク質とも呼ばれる)を形成する。したがって、メマプシン1もメマプシン2も、β-セクレターゼ活性を有する。(Hussain,I.ら、J.Biol.Chem.、276巻、23322〜23328頁(2001年))。しかし、メマプシン1のβ-セクレターゼ活性は、メマプシン2のβ-セクレターゼ活性よりも著しく低い(Hussain,I.ら、J.Biol.Chem.、276巻、23322〜23328頁(2001年))。メマプシン2は、脳、及び膵臓、及び他の組織に局在し(Lin,X.ら、Proc.Natl.Acad Sci.USA、97巻、1456〜1460頁(2000巻))、メマプシン1は、胎盤に優先的に局在する(Lin,X.ら、Proc.Natl.Acad Sci.USA、97巻、1456〜1460頁(2000年))。アルツハイマー病は、β-セクレターゼ(本明細書ではメマプシン2、ASP2、及びBACEとも呼ぶ)によるAPPの切断の結果としての脳におけるAβの蓄積に関連する。したがって、メマプシン1の活性に比べてメマプシン2の活性を選択的に阻害する化合物を使用する方法は、アルツハイマー病などのメマプシン2に関連する疾患の治療において重要であり得る。メマプシン2の活性を選択的に阻害することで、本明細書の化合物は、アルツハイマー病の治療における使用に対する適切な医薬の候補となっている。
VIII.緑内障を治療する方法
別の一態様において、本明細書のβ-セクレターゼ阻害化合物を、視力の喪失に関連する疾患(例えば、緑内障)の治療において用いることができる。いくつかの実施形態では、それを必要とする個体に本明細書のβ-セクレターゼ阻害薬(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)の有効量を投与するステップを含む、個体における緑内障(例えば、閉塞隅角緑内障及び開放隅角緑内障)を治療する方法を提供する。例示の一実施形態では、β-セクレターゼ阻害化合物は、上記に記載する通り、薬剤製剤の一部分である。
いくつかの態様では、本明細書の阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を、β-セクレターゼ活性に関連する疾患又は状態の治療において用いることができ、化合物は、緑内障(例えば、閉塞隅角緑内障及び開放隅角緑内障)の進行を、停止、逆行又は低減することができる。いくつかの実施形態では、本明細書の阻害化合物を、網膜神経節細胞(RGC)の喪失を停止、逆行又は低減するのに用いることができる。他の実施形態では、本明細書の化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を、眼内圧(IOP)を改善又は低減するのに用いる。
本明細書に記載する化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を用いて、それだけには限定されないが、経口的(例えば、錠剤、又はカプセルの形態において)、非経口的(例えば、前眼房中への、静脈内、筋肉内、若しくは皮下への注射) 外用(例えば、局所用点眼薬又は軟膏)を含む、いくつかの知られている投与経路の一つによって緑内障を治療するのに用いることができる。本明細書の化合物を、緑内障治療の間の徐放用に調合してもよい。
本明細書の化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)で緑内障を治療するためのさらなる実施形態は、Guoら、Proc. Natl. Acad. Sci.、14巻、13444〜13449頁(2007年); Yamamotoら、Neuroscience Letters、370巻、61〜64頁(2004年);及び/又はUrcolaら、Exp. Eye Research、83巻、429〜437頁(2006年)における方法の一つ又は複数を適用することによって記載されている。これら出願の内容は、その全文が参照によって本明細書に組み入れられる。
A.CNSにβ-セクレターゼ阻害薬を投与する方法
本明細書の阻害化合物(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)を、侵襲性の、又は非侵襲性の方法のいずれかによりCNSに投与することができる。非侵襲性の投与方法には、血液脳関門の統合性を侵害する機械的又は物理的手段の使用を必要としない方法が含まれる。典型的には、非侵襲性の方法には、免疫リポソームの使用、血液脳関門破壊(BBBD)、又は嗅覚経路が含まれる。
免疫リポソームは、脳の毛細血管内皮細胞上に発現されている受容体又はトランスポーターに結合する抗体又は抗体フラグメントがリポソームの表面に結合しているリポソームである。例示の免疫リポソームは、ポリマー(例えば、PEG化)技術を、キメラペプチドの技術のそれと組み合わせたものである。例えば、抗体又はそのフラグメントの相補的な反応基に結合させるために、反応基を一端に含むPEG2000誘導体を含む単層の脂質の小胞中に、β-セクレターゼ阻害薬をパッケージしてもよい。相補的な反応基は、当技術分野ではよく知られており、例えば、アミン及び活性化したカルボキシル酸、チオール及びマレイミドなどが含まれる(すべてが、すべての目的でその全文が参照として本明細書に組み入れられる、Ambikanandan et al.ら、J.Pharm Pharmaceut Sci、6巻(2)、252〜273頁(2003年);Huwylerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93巻、14164〜14169頁(1996年);及びHuwylerら、J Pharmcol Exp Ther.、282巻、1541〜1546頁(1997年);並びに米国特許第6,372,250号)。
血液脳関門の破壊は、血液脳関門を構成する内皮細胞間の堅固な接合部の統合性が一時的に失われることである。典型的には、一過性の血液脳関門破壊(BBBD)と組み合わせて、化合物を全身的又は頚動脈間の注射により投与する。BBBDを誘発するのに有用な例示の薬剤には、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの溶剤、エタノール(EtOH)、金属(例えば、アルミニウム)、X線照射、病理学的状態の誘発(例えば、高血圧、高炭酸血症、低酸素症、又は虚血)、抗悪性腫瘍薬(例えば、VP-16、シスプラチン、ヒドロキシウレア、フルオロウラシル、及びエトポシド)、又は痙攣薬のメトラゾールと抗痙攣薬のペントバルビタールとの同時全身投与(Ambikanandanら、J.Pharm Pharmaceut Sci、6巻(2)、252〜273頁、(2003年));血管作動性のロイコトリエン(Blackら、J Neurosurg、81巻(5)、745〜751頁(1994年));ブラジキニン、ヒスタミン、又は合成ブラジキニン化合物であるRMP-7の頚動脈内注入(Millerら、Science、297巻、1116〜1118頁(2002年);Matsukadoら、Neurosurgery、39巻、125〜133頁(1996年);Abbottら、Mol Med Today、2巻、106〜113頁(1996年);Emerichら、Clin Pharmacokinet、40巻、105〜123頁(2001))、ヒアルロニダーゼ(米国特許出願公開第20030215432号;Kreilら、Protein Sci.、4巻(9)、1666〜1669頁(1995年));及びマンニトールなどの不活性な高張液、又はアラビノースの頚動脈注射(Neuwelt,E.A.ら、Neuwelt EA(編集)、Implications of the Blood Brain Barrier and its Manipulation:Clinical Aspects.、第2巻、Plenum Press、ニューヨーク(1989年);Neuweltら、J Nucl Med、35巻、1831〜1841頁(1994年);Neuweltら、Pediatr Neurosurg、21巻、16〜22頁(1994年);Krollら、Neurosurg、42巻、1083〜1099頁(1998年);Rapoport、Cell Mol Neurobiol、20巻、217〜230頁(2000年);及びDoranら、Neurosurg、36巻、965〜970頁(1995年))が含まれる。
嗅覚経路投与は経鼻の通路の上部第3における嗅覚神経への、化合物の経鼻送達である。経鼻送達後、化合物は嗅覚の知覚神経に添って戻し輸送されて、著しい濃度を脳脊髄液(CSF)及び嗅球でもたらす(Thorneら、Brain Res、692巻(1〜2)、278〜282頁(1995年);Thorneら、Clin Pharmacokinet、40巻、907〜946頁(2001年);Illum、Drug Discov Today、7巻、1184〜1189頁(2002年);米国特許第6,180,603号、米国特許第6,313,093号、及び米国特許出願公開第20030215398号)。
侵襲性の投与方法は、血液脳関門の物理的な侵害を伴い、典型的には、CSF中に、又は直接、脳の実質中に化合物を導入するための機械的若しくは物理的な手段による方法である。典型的には、侵襲性の投与方法は、化合物の注入又は外科的埋め込みを含み得る。
注射の方法では、BBBを物理的に侵害し、化合物をCSF中に直接送達するために針を用いる。例示の注射方法には、脳室内、くも膜下腔内、又は腰椎内の投与経路が含まれ、体外のリザーバを通して化合物を注入することも含むことができる(Krewsonら、Brain Res、680巻、196〜206頁(1995年);Harbaughら、Neurosurg.、23巻(6)、693〜698頁(1988年);Huangら、J Neurooncol、45巻、9〜17頁(1999年);Boboら、Proc Natl Acad Sci USA、91巻、2076〜2082頁(1994年);Neuwaltら、Neurosurg、38巻(4)、1129〜1145頁(1996年))。
外科的な埋め込み方法では、化合物を、脳の実質中に直接配置する。例示の外科的埋め込み方法には、化合物を、脳の間質中に直接配置したポリ無水物のウェハー中に組み入れることを含むことができる(Bremetら、Sci Med、3巻(4)、1〜11頁(1996年);Bremら、J Control Release、74巻、63〜67頁(2001年))。
IX.結晶化した複合体
別の一態様では、メマプシン2タンパク質及び本明細書のβ-セクレターゼ阻害薬を含む結晶化した複合体を提供する。アイソスターの化合物と共結晶を形成するのに有用なメマプシン2タンパク質(例えば、メマプシン2タンパク質フラグメント、膜貫通タンパク質)などは、以前に詳しく論じられている(米国特許出願公開第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)を参照されたい)。これらのメマプシン2タンパク質は、本明細書に記載するβ-セクレターゼ阻害薬(例えば、式I、II、III、実施例2、及び/又は表1の任意の化合物)と結晶化した複合体を形成させる点で、同様に有用である。
結晶化した複合体は、米国特許出願公開第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)に記載されている技術を使用して形成することができる。簡潔に述べると、タンパク質をコードする核酸構築物を産生し、哺乳動物の宿主細胞(例えば、Hela細胞、293細胞)若しくは細菌の宿主細胞(例えば、大腸菌(E.coli))などの宿主細胞で発現させ、精製し、本明細書の化合物若しくは化合物(複数)と結晶化する。結晶化したタンパク質の回折分解能の限界を、例えば、X線回折又は中性子回折技術によって決定することができる。
例示の一実施形態では、結晶化したタンパク質は、約4.0Δを超えないX線回折分解能の限界を有することができる。結晶化したタンパク質は、また、約4.0Δ、約3.5Δ、約3.0Δ、約2.5Δ、約2.0Δ、約1.5Δ、約1.0Δ、又は約0.5Δを超えない、X線回折分解能の限界を有することができる。いくつかの実施形態では、結晶化したタンパク質は、また、約2Δを超えないX線回折分解能の限界を有することができる。結晶化したタンパク質の回折分解能の限界は、標準のX線回折技術を使用して決定することができる。
他の例示の一実施形態では、結晶化した複合体のβ-セクレターゼ阻害薬は、S3'結合ポケット、S4'結合ポケット、及び/又はS4結合ポケットにおいて、前記タンパク質と会合している。S3'、S4'、及びS4結合ポケットは、米国特許出願公開第20040121947号、及び国際出願番号PCT/US02/34324(公開番号WO03/039454)に詳しく論じられている。
本明細書で用いられた語及び表現は、記述の関係上用いられるもので、限定的なものではなく、そのような語及び表現の使用において、示され記載された同等の特徴、又はその部分を排除する意図はなく、様々な変更形態が可能であることが理解される。さらに、想定される範囲から逸脱することなしに、本明細書に記載するあらゆる実施形態の任意の一つ又は複数の特徴を、本明細書に記載するあらゆる他の実施形態の任意の一つ又は複数の他の特徴と組み合わせてもよい。例えば、本明細書に記載するβ-セクレターゼ阻害薬の特徴は、本明細書に記載する、疾患状態を治療する方法、及び/又は薬剤製剤に、等しく適用可能である。本明細書に引用する、出版物、特許、及び特許出願はすべて、すべての目的で、その全文が参照として本明細書に組み入れられる。
実施例
選択されたβ-セクレターゼ阻害薬及び前駆化合物の調製
記載するβ-セクレターゼ阻害薬及び前駆化合物の合成は、その内容が全文、参照によって本明細書に組み入れられる、2006年4月10日出願の、WO2006/110668、「β-セクレターゼ活性を阻害する化合物及びその使用方法(Compounds Which Inhibit Beta-Secretase Activity and Methods of Use Thereof)」、とりわけその明細書に記載する合成方法に関して、例えば、150〜153段落及び215〜285段落に関連し、その内容が全文、参照によって本明細書に組み入れられる、2007年7月26日出願の、米国仮特許出願第60/952,198号、「β-セクレターゼ活性を阻害する化合物及びその使用方法(Compounds Which Inhibit Beta-Secretase Activity and Methods of Use Thereof)」、とりわけその明細書に記載する合成方法に関して、83〜86段落及び161〜354段落に関連する。
下記で合成する前駆化合物は、本明細書に提供する化合物を作成する方法において有用である。提供する手引きを用いて(例えば、スキーム1の例示の合成)、当業者であれば、下記の前駆化合物の例示の合成は、よく知られている技術、及び広範囲の阻害化合物(例えば、実施例2の化合物)に到達するための本明細書に提供する教示を用いて改変され得ることを直ちに認めるであろう。記載されているある種の出発材料、及び記載されていないいくつかの前駆化合物は市販されており、例えば、Sigma-Aldrich、Alfa Aesar、又はRyan Scientificから購入することができる。
NMRスペクトルは、Varian MercuryモデルVX-300 NMRスペクトロメーター上で収集した。NMR溶媒は、Cambridge Isotope Laboratoriesから購入した。
阻害化合物の合成において用いた溶媒は、Aldrich、VWR、及びEMDから購入した。溶媒は、ACS Reagent Grade又はそれ以上のものであり、さらなる精製なしで用いた。
実施例1.1:アミン構成要素の合成
実施例1.1.1:(4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミン
-78℃のTHF中メチルチアゾール(1.0g、10.1mmol)を、n-BuLi(1.6M、7.56mL)で30分間処理し、DMF(1.4mL、18.2mmol)を滴下添加した。得られた反応混合液を室温に温めた。開始材料が消失した(TLCにより)後、反応混合液を0℃に再冷却し、LAH(0.69g、18.5mmol)を加えた。混合液を室温に温め、1時間撹拌し、NH4Cl水溶液で反応をクエンチし、EtOAcで希釈した。有機溶液を分離し、EtOAcで2回抽出し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、淡黄色油状の対応するアルコールを得た。1H-NMR: (300 MHz, CDCl3), δ: 6.89 (s, 1 H); 4.95 (s, 2 H); 2.48 (s, 3 H)。
メチルチアゾールメタノール(0.57g、4.4mmol)を、ジクロロメタン中0℃で、塩化メシル(0.42mL、5.4mmol)及びトリエチルエチルアミンで処理した。得られた混合液を20分間撹拌し、その後NH4Cl水溶液でクエンチした。有機層から溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、油状の対応するメシレートがもたらされた。次いで、メシレート(0.25g、1.2mmol)をDMF中に溶解し、アジ化ナトリウム(0.62g、9.6mmol)を加えた。混合液を、2時間、加熱還流し、その後冷却しNH4Cl水溶液で洗浄した。有機層から溶媒を蒸発させ、対応するアジ化物を得た。アジ化物(0.14g、0.91mmol)を酢酸エチル中に溶解し、Pd(OH)2(0.07g)を加え、懸濁液を、水素雰囲気下で5時間撹拌した。懸濁液をセライトを通してろ過した。溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、黄色油状の所望のメチルチアゾールメチルアミンがもたらされた。1H-NMR: (300 MHz, CDCl3), δ: 6.74 (m, 1 H); 4.09 (m, 2 H); 2.37 (s, 3 H)。
一代替の合成経路を用いて、NaBH4(0.75g、19.9mmol、1.3eq)を、撹拌している、0℃の無水MeOH30ml中4-メチルチアゾール-2-カルバルデヒド(Aldrich、1.7ml、2.0g、15.3mmol、1eq)溶液に加えた。45分後、溶媒を真空中で除去した。残渣を飽和NH4Cl水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した(×3)。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し(×1)、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒を真空中除去した。フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、定量的収率の(4-メチルチアゾール-2-イル)メタノールを得た。
ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)(1.2eq)及び1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデク-7-エン(DBU)(1.2eq)を、アルゴン雰囲気下、撹拌している、(4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール(1eq)の無水トルエン7ml溶液に加えた。一夜撹拌した後、溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、2-(アジドメチル)-4-メチルチアゾールを得た。
2-(アジドメチル)-4-メチルチアゾールをMeOH5ml中に溶解した。Pd(OH)2(炭素上、20重量%)を加え、混合液をH2下で一夜、激しく撹拌した。混合液をセライトを通してろ過し、ろ過ケーキをMeOHですすいだ。溶媒を真空下で除去し、(4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミンを得た。
実施例1.1.2:N-メチル-1-(4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミン
Ti(OiPR)4(1.3eq)を、撹拌しながら、Ar雰囲気下0℃のMeNH2(MeOH中2.0M、3eq)に加えた。15分後、4-メチルチアゾール-2-カルバルデヒド(1eq)を加え、溶液を2〜3時間撹拌した。NaBH4(1.4eq、大量の場合はバッチで)を加え、0℃から室温で一夜撹拌し、その後真空下で溶媒を除去した。残渣を水/CH2Cl2で希釈し、白色沈殿物が形成した。次いで、混合液をセライトを通してろ過して白色沈殿物を除去し、層を分離した。水層をCH2Cl2で抽出し(×3)、有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒を真空下で除去して粗製生成物を得た。カラムクロマトグラフィーにより精製し、収率80〜90%で純粋生成物を得た。
実施例1.2:環状アミン構成要素の合成
実施例1.2.1:(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾール
市販の(R)-1-(ベンジルオキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(Synthetech、9.97g、40.0mmol)の1,4-ジオキサン(60mL)溶液に、ピリジン(2mL)、(Boc)2O(11.35mL、52mmol)及びNH4HCO3(3.98g、50.4mmol)を加え、12時間撹拌した。溶媒を全て蒸発させ、EtOAcで希釈し、水、5%H2SO4、及び食塩水で洗浄した。有機層を、無水Na2SO4上で乾燥し、濃縮した。定量的収量の(R)-ベンジル2-カルバモイルピロリジン-1-カルボキシレートが産生され、さらなる精製なしで後のステップにおいて用いた。
(R)-ベンジル2-カルバモイルピロリジン-1-カルボキシレート(9.97g、40.0mmol)の1,2-DME(2000mL)溶液に、Lawesson試薬(8.9g、0.55mmol)を加え、4時間撹拌した。溶媒を全て蒸発させ、飽和NaHCO3100mLで希釈し、エーテルで抽出した(2×200mL)。有機層を合わせ、無水Na2SO4上で乾燥し、濃縮した。粗製(R)-ベンジル2-カルバモチオイルピロリジン(carbamothioylpyrrolidine)-1-カルボキシレートを、さらなる精製なしで次のステップに続けた。
(R)-ベンジル2-カルバモチオイルピロリジン-1-カルボキシレート(約40mmol)のEtOH(120mL)溶液に、クロロアセトン(4.7mL、60mmol)を加え、75℃で6時間加熱した。反応を室温に冷却し、NaHCO3飽和水溶液100mL中に注いだ。減圧下でエタノールを蒸発させ、酢酸エチルで水層を抽出した(2×200mL)。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカゲル上クロマトグラフィー(35%酢酸エチル/80%ヘキサン)にかけて、3ステップの後、収率86%で(R)-ベンジル2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートを産生した。
AcOH(60mL)中HBrを、室温の、(R)-ベンジル2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(ニート)に加えた。1時間後、激しく撹拌しながら、エーテル(150mL)をゆっくりと加えた。撹拌を10分間続け、5〜10分間静置した。上清をデカントした。上清が無色になるまで、このプロセスを3〜4回繰り返した。半固体を水(50mL)中に溶解し、1NLiOHでpH約8にし、5%MeOH/95%CHCl3で抽出して(3×100mL)、(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾール4.0gを得た。
実施例1.2.2:(S)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾール
(S)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾールを、市販のCbz-L-プロリン(Aldrich)から出発して、(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾールの調製と同じ手順にしたがって調製した。
実施例1.2.3: (R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)オキサゾール
0℃の、L-セリンメチルエステル塩酸塩(Aldrich、5.0g、32.0mmol)のCH2Cl2(150mL)溶液に、Et3N(4.88mL、35.2mmol)、Cbz-D-プロリン(8.01g、32.0mmol)、及びDCC(7.26g、35.2mmol)を順次加えた。反応を室温に温め、一夜撹拌した。溶媒を全て蒸発させ、残渣を酢酸エチルと一緒に粉砕し、沈殿物をろ去した。ろ液を低圧下で濃縮し、シリカゲル上クロマトグラフィー(70%酢酸エチル/30%クロロホルム)にかけて、(R)-ベンジル2-((S)-3-ヒドロキシ-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イルカルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート8.5gを得た。
Deoxo-flour(4.5mL、24.16mmol)を、-20℃の、(R)-ベンジル2-((S)-3-ヒドロキシ-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イルカルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(8.5g、22.0mmol)のCH2Cl2(150mL)溶液に滴下添加した。溶液を30分間撹拌し、BrCCl3(7.8mL、79.0mmol)を滴下添加し、次いでDBU(11.8mL、79mmol)を滴下添加した。反応を2〜3℃で10時間撹拌し、NaHCO3飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、シリカゲル上クロマトグラフィー(10%酢酸エチル/90%クロロホルム)にかけて、6.95の(R)-メチル2-(1-(ベンジルオキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)オキサゾール-4-カルボキシレートを得た。
0℃の、(R)-メチル2-(1-(ベンジルオキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)オキサゾール-4-カルボキシレート(6.95g、21.1mmol)のTHF(50mL)溶液に、LiBH4(32mL、THF中2.0M、63.2mmol)を加えた。反応を室温に温め、3時間撹拌した。酢酸エチル(25mL)を滴下添加し、30分間撹拌した。反応を0℃に冷却し、1NHCl 50mLを滴下添加し、水100mLで希釈した。次いで、これを酢酸エチルで抽出し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮し、シリカゲル上クロマトグラフィー(3%MeOH/97%クロロホルム)にかけて、(R)-ベンジル2-(4-ヒドロキシメチル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート4.1gを得た。
(R)-ベンジル2-(4-ヒドロキシメチル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.1g、3.64mmol)のHMPA(18mL)溶液に、メチルトリフェノキシホスホニウムヨウ化物(3.29g、7.28mmol)を加え、30分間撹拌した。次いで、NaCNBH3を加え、反応を50℃で3時間加熱し、氷冷水100mLに注ぎ、エーテルで抽出した(2×100mL)。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮し、シリカゲル上クロマトグラフィー(50%酢酸エチル/50%ヘキサン)にかけて、(R)-ベンジル2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート180mgを得た。
室温の、(R)-ベンジル2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(ニート)に、AcOH(60mL)中HBrを加えた。1時間後、激しく撹拌しながら、エーテル(20mL)をゆっくりと加えた。撹拌を10分間続け、5〜10分間静置した。上清をデカントした。上清が無色になるまで、このプロセスを3〜4回繰り返した。半固体を水(50mL)中に溶解し、1NLiOHでpH約8にし、5%MeOH/95%CHCl3で抽出した。
実施例1.3:イソフタレート構成要素の合成
実施例1.3.1:3-(メトキシカルボニル)-5-(N-メチルメチルスルホンアミド)安息香酸
室温の、撹拌している、ジメチル5-アミノイソフタレート(2.09g、10mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、ピリジン(2.43mL、30mmol)を加えた。0℃で、メタンスルホニルクロリド(0.86mL、11mmol)を加え、得られた混合液を室温で一夜撹拌した。次いで、反応混合液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(50mL)を加えた。得られた白色沈殿物をろ過し、ヘキサンで洗浄して、収率95%(2.715g)の白色固体のジメチル5-(メチルスルホンアミド)イソフタレートがもたらされた。
室温の、撹拌している、NaH(0.24g、10mmol、油分散中60%)のDMF10mL中懸濁液に、ジメチル5-(メチルスルホンアミド)イソフタレート(1.435g、5mmol)を加え、その後ヨードメタン(0.62mL、10mmol)を添加した。5時間後、H2O(25mL)によって反応をクエンチした。次いで、反応混合液をEtOAcで抽出し、H2Oでさらに洗浄して過剰のDMFを除去し、無水Na2SO4上で乾燥し、濃縮した。このようにして得た粗製生成物をヘキサンで洗浄して、収率91%(1.37g)の白色固体のジメチル5-(N-メチルメチルスルホンアミド)イソフタレートがもたらされた。
ジメチル5-(N-メチルメチルスルホンアミド)イソフタレート(0.842g、2.8mmol)を、THF:MeOH(1:1)(8mL)及びH2O(3mL)中に溶解した。固体のNaOH(0.112g、2.8mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合液を減圧下濃縮した。飽和NaHCO3(10mL)を反応混合液に加え、トルエンで抽出し(て<10%の未反応の開始材料を除去し)た。水溶液を希HCl(10%)で酸性化し、EtOAcで抽出し、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させ、減圧下で乾燥して白色固体の3-(メトキシカルボニル)-5-(N-メチルメチルスルホンアミド)安息香酸(75%、0.598g)がもたらされ、これをさらなる精製なしで用いた。
穏やかに還流している、1.9g(15.3mmol)の5-フルオロ-m-キシレンの、ピリジン約13.5mL及び水約9.5mL中の溶液に、KMnO413.8g(87.3mmol)をいくつかの部分に分けて加えた。混合液を約7時間還流し、その後亜硫酸ナトリウムを加えて過剰のKMnO4をクエンチした。温い混合液をろ過し、1NHClを加えてpH=3にした。ろ液をEtOAcで洗浄し、NaClで飽和させ、(80mLCHCl3:10mLMeOH:10mLH2O)の混合液の抽出液で3〜4回抽出した。抽出液を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して淡黄色固体の5-フルオロイソフタル酸約400mg(収率14%)がもたらされた。
実施例1.3.3:3-(メトキシカルボニル)-5-メチル安息香酸
MeOH(37.5ml)/THF(112.5ml)中5-メチルイソフタル酸(Aldrich、5g、27.7)に、濃H2SO4(1.25ml)を加え、65℃で8時間撹拌した。反応混合液を室温に冷却し、溶媒を除去した。次いで、反応混合液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。粗製の残渣をカラムクロマトグラフィーにかけて白色固体の3-(メトキシカルボニル)-5-メチル安息香酸2.5gを得た。
実施例1.3.4:ジメチル5-(オキサゾール-2-イル)イソフタレート
撹拌している、-78℃のオキサゾール(0.28mL、4.2mmol)のTHF(10mL)溶液に、nBuLi(ヘキサン中1.6N溶液2.8mL、4.4mmol)を加えた。30分後、ZnCl2(0.5M溶液20mL、10mmol)を加え、反応混合液を1時間、最高0℃まで温めた。得られた混合液にジメチル5-ヨードイソフタレート(1.28g、4.0mmol)及びPd(PPh3)4を加え、5時間加熱還流した。反応混合液を室温に冷却し、EtOAc及びH2Oで希釈した。層を分離し、有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)によって精製してジメチル5-(オキサゾール-2-イル)イソフタレート(568mg、54%)がもたらされた。
実施例1.3.5:3-(メトキシカルボニル)-5-(オキサゾール-5-イル)安息香酸
撹拌している、ジエチル5-ヒドロキシイソフタレート(4.0g、15.9mmol)のHOAc(40mL)溶液に、H2O(40mL)中CAN(19g、34.9mmol)溶液を滴下添加した。反応混合液を70℃で6時間加熱し、その間に溶液の色が赤色から無色に変わった。反応混合液を室温に冷却し、H2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、NaHCO3飽和水溶液、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、白色固体のジエチル5-ホルミルイソフタレート(3.93g、99%)がもたらされた。1H NMR (CDCl3): δ 10.17 (s, 1H), 8.95-8.96 (m, 1H), 8.74-8.75 (m, 2H), 4.50(q, J = 7.2Hz, 4H), 1.47 (t, J = 7.2 Hz, 6H)。
撹拌している、ジエチル5-ホルミルイソフタレート(529mg、2.1mmol)及びp-トルエンスルホニルメチルイソシアン化物(483mg、2.5mmol)のDME(15mL)及びMeOH(15mL)溶液に、K2CO3を加えた。得られた混合液を4時間加熱還流し、室温に冷却した。溶媒を除去し、残渣をEtOAc及びH2O中に溶解した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×20mL)。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して9(103mg、19%)がもたらされた。1H NMR (CDCl3): δ 8.63 (s, 1H), 8.49 (s, 2H), 8.00 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 4.00 (s, 6H)。
実施例1.3.6:ジメチル5-(1H-ピロール-1-イル)イソフタレート
2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン(0.74ml、0.76g、5.74mmol、1.2eq)を、Ar下、撹拌している、ジメチル5-アミノイソフタレート(1.0g、4.78mmol、1eq)の酢酸7ml中懸濁液に加えた。混合液を135℃で加熱還流した。45分後、反応を室温に冷却し、溶媒を真空下で除去した。残渣を飽和NaHCO3/EtOAc水溶液中で一夜撹拌した。層を分離した。有機層をNaHCO3飽和水溶液(×1)、水(×2)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、生成物0.288g(1.11mmol、収率23%)を得た。かなりの量の粗製生成物も回収した。
実施例1.3.7:ジメチル5-(ピリジン-2-イル)イソフタレート
THF(20ml)中ジメチル5-ヨードイソフタレート(Matrix Scientific、800mg、2.5mmol)に、2-ピリジンボロン酸N-フェニルジエタノールアミンエステル(Aldrich、1.8g、6.6mmol)、K2CO3(912mg、6.6mmol)、トリフェニルホスフィン(173mg、0.66mmol)、を加え、その後Pd(OAc)2及びヨウ化第一銅(251mg、1.32mmol)を加えた。24時間還流後、反応混合液をセライトパッドを通してろ過した。残渣の溶媒を減圧下ロタバップ上蒸発させ、粗製物を酢酸エチル中に溶解した。不溶性の材料をろ去し、得られた残渣を蒸発乾固し、カラム精製して(60%酢酸エチル/40%ヘキサン)、黄色固体のジメチル5-(ピリジン-2-イル)イソフタレート400mgを得た。
実施例1.3.8:ジメチル5-(ピラジン-2-イル)イソフタレート
トルエン(10ml)中ジメチル5-ブロモイソフタレート(617mg、2.26mmol)に、2-トリブチルスタニルピラジン(1g、2.71mmol)を加え、その後Pd(PPh3)4(102mg、0.09mmol)を加えた。次いで、反応混合液を22時間還流した。次いで、反応混合液をセライトを通してろ過し、揮発性物質を真空下除去した。粗製の残渣をカラムクロマトグラフィーにかけて(50%酢酸エチル/50%ヘキサン)、淡黄色固体のジメチル5-(ピラジン-2-イル)イソフタレート455mgを得た。
実施例1.3.9:ジメチル5-モルホリノイソフタレート
トルエン(10ml)中ジメチル5-ブロモイソフタレート(Matrix Scientific、1.0g、3.66mmol)に、モルホリン(sigma-aldrich)(351mg、4.03mmol)を加え、その後BINAP(sigma-aldrich)(100mg、0.16mmol)、炭酸セシウム(sigma-aldrich)(1.7g、5.12mmol)、及びPd(OAc)2(sigma-aldrich)(25mg、0.11mmol)を加えた。次いで、反応混合液を80℃で48時間加熱した。次いで、反応混合液をセライトを通してろ過し、揮発性物質を真空下除去した。粗製残渣を、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を、水、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにかけて(30%酢酸エチル/70%ヘキサン)、淡黄色シロップ状のジメチル5-モルホリノイソフタレート550mgを得た。
実施例1.3.10:2’,4’-ジフルオロビフェニル-3,5-ジカルボン酸
DMF(30mL)中ジメチル5-ブロモイソフタレート(1.7g、6.3mmol)、2,4-ジフルオロフェニルボロン酸(1.0g、6.3mmol)、及びNa2CO3(25mL、1M水溶液)を含む溶液を、Ar下、10分間脱気した。Pd(PPh3)4(727mg、0.63mmol)を加え、混合液を2分間脱気した。得られた混合液を4時間85℃に加熱し、室温に冷却した。混合液をNH4Clで希釈し、EtOAcで抽出した(3×30mL)。水層を1NHClでpH3に酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム中10%メタノール)によって精製して、無色油状の2’,4’-ジフルオロ-5-(メトキシカルボニル)ビフェニル-3-カルボン酸(107mg)、及びオフホワイト固体の2’,4’-ジフルオロビフェニル-3,5-ジカルボン酸(533mg)がもたらされた。
実施例1.3.11:3-メトキシ-5-(メトキシカルボニル)安息香酸
撹拌している、ジメチル5-メトキシイソフタレート(Aldrich、1eq)の1:3MeOH/THF(MeOHの体積≒NaOHの体積)溶液に、1NNaOH(0.9eq)を加えた。一夜撹拌した後、ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去し、残渣を、NaHCO3飽和水溶液で希釈した。混合液をEtOAcで抽出した(×2)。水層を、濃HClでpH約3に調節し、EtOAcで抽出した(×3)。好適な有機物を合わせ、水(×1)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、生成物を得た。
実施例1.3.12:ジメチル5-(4-クロロブタンアミド)イソフタレート
撹拌している、4-クロロ酪酸(0.029ml、0.35g、2.87mmol、1.2eq)のSOCl2(2ml、3.27g、27.5mmol、11.5eq)溶液に、Et3N(触媒)を1滴加え、混合液を80℃に加熱した。1.5時間後、反応を室温に冷却し、溶媒を真空下で除去した。フラスコを空にし、Arで充填し戻した(×3)。残渣を無水CH2Cl22ml中に溶解した。得られた溶液を、撹拌している、ジメチル5-アミノイソフタレートの無水CH2Cl28ml中懸濁液に滴下添加した。1時間後、Et3N(1ml、0.73g、7.17mmol、3eq)を加えた。2時間後、溶媒を真空下で除去し、得られた残渣をEtOAcに溶解した。有機層をNaHCO3飽和水溶液(×2)、水(×3)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、生成物0.6353g(2.0mmol、収率85%)を得た。
実施例1.3.13:ジメチル5-(2-オキソピロリジン-1-イル)イソフタレート
無水DMF5ml中に溶解したジメチル5-(4-クロロブタンアミド)イソフタレート(0.635g、2.02mmol、1eq)の溶液を、Ar下、0℃で、撹拌している、無水DMF2ml中NaH(油中60%分散液、0.101g、2.53mmol、1.25eq)に滴下添加した。反応を0℃から室温で一夜撹拌した。一夜撹拌した後、反応を19時間100℃に加熱した。室温に冷却後、反応を氷水中に注いでクエンチした。混合液をEtOAcで抽出した(×1)。有機層を、水(×4)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、生成物0.3487g(1.26mmol、収率62%)を得た。
実施例1.3.14:ジメチル5-(ジメチルアミノ)イソフタレート
0℃の、撹拌している、ジエステル(1.5g、7.17mmol、1eq)のCH3CN(50ml)溶液に、CH2O(37%水溶液)(3.2ml、3.49g、43.0mmol、6eq)を加えた。15分後、NaBH3CN(1.09g、16.49mmol、2.3eq)を加えた。反応を、HOAcでpH約7に調節した。一夜、0℃から室温で撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAcとNaHCO3飽和水溶液の間で分配した。層を分離した。有機層を、水(×3)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ジメチル5-(ジメチルアミノ)イソフタレート1.62g(6.83mmol、収率95%)を得た。
実施例1.3.15:ジメチル5-(トリフルオロメトキシ)イソフタレート
1,3-ジブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(Aldrich、0.6g、1.9mmol、1eq)を、Ar下、無水DMF(4ml)中に溶解した。5分間、Arで脱気した後、反応にPd(PPh3)4(0.6502g、0.56mmol、30mol%)及びZn(CN)2(0.2422g、2.06mmol、1.1eq)を順次加えた。反応を一夜、撹拌しながら85℃に加熱した。0℃に冷却後、反応をEt2Oで希釈し、過剰のNH4OHでクエンチした。0℃で1時間撹拌した後、層を分離した。有機層を、水(×4)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションにより除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5-(トリフルオロメトキシ)イソフタロニトリル0.3126g(1.5mmol、収率78%)を得た。
EtOH(6ml)中5-(トリフルオロメトキシ)イソフタロニトリル(0.3126g、1.5mmol、1eq)を、1NKOH(6ml、6mmol、4eq)で処理し、80℃で一夜還流した。室温に冷却後、揮発物をロータリーエバポレーションにより除去した。混合液を、濃HClでpH=1〜2に調節した。溶液をCHCl3中10%MeOHで抽出した(×4)。有機物を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、粗製5-(トリフルオロメトキシ)イソフタル酸を得、これを精製なしで用いた。
Ar下、撹拌している、粗製5-(トリフルオロメトキシ)イソフタル酸(約1.5mmol)の無水CH2Cl2(10ml)中懸濁液に、MeOH(0.24ml、0.19g、6mmol、4eq)を加えた。0℃に冷却後、混合液を、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.6499g、3.15mmol、2.1eq)及び4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.0183g、0.15mmol、10mol%)で順次処理した。一夜撹拌した後、反応をNaHCO3飽和水溶液で希釈し、得られた混合液を綿を通してろ過した。層を分離し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、無色油状のジメチル5-(フルオロメトキシ)イソフタレート0.265g(0.95mmol、5-(トリフルオロメトキシ)イソフタロニトリルからの収率64%)を得た。
実施例1.3.16:ジメチル3’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-3,5-ジカルボキシレート
トルエン(15ml)中、ジメチル5-ブロモイソフタレート(市販の供給源:Matrix Scientific)(1.106g、4.05mmol)に、m-トリフルオロメチルフェニルボロン酸(市販の供給源:Sigma-aldrich)(1.0g、5.26mmol)を加え、その後S-Phos(市販の供給源:Alfa-Aesar)(66mg、0.16mmol)、K3PO4(市販の供給源:Alfa-Aesar)(1.72g、8.10mmol)、及びPd(OAc)2(市販の供給源:sigma-aldrich)(18mg、0.08mmol)を加えた。次いで、反応混合液を1.5時間、90℃に加熱し、次いでセライトを通してろ過し、揮発物を真空下除去した。粗製の残渣をジエチルエーテルと水の間で分配した。有機層を1N水酸化ナトリウム溶液、水、及び食塩水で洗浄し、次いで濃無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/90%ヘキサン)によって精製して、白色固体のジメチル3’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-3,5-ジカルボキシレート1.0gを得た。
実施例1.3.17:ジメチル5-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)イソフタレート
トルエン(15ml)中ジメチル5-ブロモイソフタレート(市販の供給源:Matrix Scientific)(1.57g、5.77mmol)に、4,4-ジフルオロピペリジンHCl塩(市販の供給源:sigma-aldrich)(1.0g、6.34mmol)を加え、その後BINAP(市販の供給源:sigma-aldrich)(162mg、0.26mmol)、炭酸セシウム(市販の供給源:sigma-aldrich)(4.5g、13.85mmol)、及びPd(OAc)2(市販の供給源:sigma-aldrich)(39mg、0.173mmol)を加えた。次いで、反応混合液を80℃で48時間加熱し、次いで、セライトを通してろ過し、揮発物を真空下除去した。粗製の残渣をジエチルエーテルと水の間で分配した。有機層を6NHCl、水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残渣を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/80%ヘキサン)によって精製して、淡黄色シロップ状のジメチル5-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)イソフタレート800mgを得た。
実施例1.3.18:ジメチル5-シクロプロピルイソフタレート
丸底フラスコにPd(OAc)2(市販の供給源:sigma-aldrich)(41mg、0.18mmol)、XPhos(市販の供給源:sigma-aldrich)(175mg、0.366mmol)、シクロプロピルトリフルオロボレートカリウム(市販の供給源:sigma-aldrich)(1.57g、10.98mmol)、及びK3PO4(市販の供給源:Alfa-Aesar)(5.83g、27.45mmol)を充填した。次いで、アルゴン下、ジメチル5-ブロモイソフタレート(2.5g、9.15mmol)及びトルエン/H2O(3:1)(40mL)をシリンジによって加え、反応を100℃で24時間撹拌し、室温に冷却し、H2Oで希釈した。反応混合液を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥した(Na2SO4)。溶媒を真空下で除去し、粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc90:10で溶離)により精製して、淡黄色固体のジメチル5-シクロプロピルイソフタレート1.1gを得た。
実施例1.3.19:ジメチル5-(トリフルオロメチル)イソフタレート
DMF(25ml)中、メチル-2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)アセテート(市販の供給源:sigma-aldrich)(3.5ml、27.49mmol)、ヨウ化銅(市販の供給源:sigma-aldrich)(2.74g、14.37mmol)、及びジメチル5-ヨードイソフタレート(市販の供給源:Matrix Scientific)(4.0g、12.5mmol)の混合液を、アルゴン雰囲気下、70℃で6時間撹拌した。次いで、反応を室温に冷却し、DCMで希釈し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮してシロップがもたらされた。カラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/90%ヘキサン)によって精製を行って、白色固体の純粋なジメチル5-(トリフルオロメチル)イソフタレート1.5gを得た。
実施例1.3.20:ジメチル5-(トリフルオロメチル)イソフタレート
ジメチル5-ヨードイソフタレート(市販の供給源:Matrix Scientific)(3.2g、9.99mmol)に、DMSO(20ml)中メタンスルフィン酸ナトリウム(市販の供給源:sigma-aldrich)(1.22g、11.99mmol)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(市販の供給源:sigma-aldrich)(88mg、0.99mmol)、及び(CuOTf)2.PhH(市販の供給源:sigma-aldrich)(251mg、0.499mmol)を加えた。反応混合液を、24時間、110℃で加熱し、次いで室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。沈澱した固体をろ過し、ろ液を水、食塩水で洗浄し、乾燥した。粗製の残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体のジメチル5-(トリフルオロメチル)イソフタレートがもたらされた。
実施例1.3.21:ジメチル5-(1H-イミダゾール-1-イル)イソフタレート
DMSO(25ml)中、イミダゾール(市販の供給源:sigma-aldrich)(580mg、8.53mmol)、炭酸カリウム(5.18g、37.5mmol)、ヨウ化銅(市販の供給源:sigma-aldrich)(357mg、1.87mmol)、L-プロリン(431mg、3.75mmol)、及びジメチル5-ヨードイソフタレート(市販の供給源:Matrix Scientific)(3.0g、9.37mmol)の混合液を、アルゴン雰囲気下、110℃で24時間撹拌した。反応を室温に冷却し、次いで、酢酸エチルで希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を水で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮してシロップを得た。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(90%酢酸エチル/10%ヘキサン)によって精製して、白色固体のジメチル5-(1H-イミダゾール-1-イル)イソフタレート500mgがもたらされた。
実施例1.3.22:ジメチル5-(チアジナニル-S,S-ジオキシド)イソフタレート
丸底フラスコに、1,4-ブタン-スルタム(sultam)(1.07g、7.91mmol) (市販の供給源:Combi-blocks)、酢酸パラジウム(15mg、0.066mmol) (市販の供給源:sigma-aldrich)、Xantphos(57mg、0.099mmol) (市販の供給源:sigma-aldrich)、及び炭酸セシウム(3.0g、9.23mmol) (市販の供給源:sigma-aldrich)を充填した。ジオキサン(15ml)を加え、その後ジメチル5-ブロモイソフタレート(1.8g、6.59mmol) (市販の供給源:Matrix Scientific)を加えた。次いで、フラスコを30分間、100℃に加熱し、次いで室温に冷却し、ジクロロメタンで希釈した。スラリーをセライトパッドを通してろ過した。揮発物を除去し、粗製材料をクロマトグラフィー(90%酢酸エチル/10%ヘキサン)にかけて、淡黄色固体のジメチル5-(チアジナニル-S,S-ジオキシド)イソフタレート700mgを得た。
実施例1.3.23:ジメチル5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)イソフタレート
ジオキサン40ml及び水16ml中、ジメチル5-ブロモイソフタレート(2.1g、8.0mmol) (市販の供給源:Matrix Scientific)、1-メチル-4-ピラゾエルボロン酸ピナコールエステル(1-Methyl-4-pyrazoelboronic acid pinacol ester) (2.0g、9.61mmol) (市販の供給源:sigma-aldrich)、及びK2CO3(3.32g、24.0mmol) (市販の供給源:sigma-aldrich)の混合液に、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(653mg、0.80mmol)(市販の供給源:sigma-aldrich)を加えた。反応混合液を6時間、80℃で加熱し、次いで、真空下で濃縮した。残渣を、70%酢酸エチル/30%ヘキサンでフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、褐色固体のジメチル5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)イソフタレート1.3gを得た。
実施例1.4:イソフタレート/アミンカップリング
実施例1.4.1:(R)-3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸
室温の、CH2Cl2(4mL)中モノメチルイソフタレート(Aldrich、124mg、0.7mmol)に、塩化チオニル(5ml)を加え、反応混合液を2時間還流した。次いで、揮発物を、減圧下、ロタバップ上で除去した。この混合液に、(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾールを加え、その後トリエチルアミンを加えた(1滴)。反応混合液を室温で3時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、水、食塩水で洗浄し、乾燥した。粗製の残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、(R)-メチル3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート155mgを得た。
(R)-メチル3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート(155mg、0.49mmol)のTHF(5mL)溶液に1NLiOH(2mL)を加え、反応混合液を室温で1時間撹拌した。次いで、揮発物を、減圧下、ロタバップ上で除去した。次いで、反応混合液を水で希釈し、1NHClでpH約3に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、蒸発させて、酸性の、(R)-3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸132mgを得た。
実施例1.4.2:(R)-3-フルオロ-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸
記載した一般的なカップリング反応条件にしたがって、(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾール(182mg、1.1mmol)及び5-フルオロイソフタル酸(210mg、1.1mmol)をカップリングして、オフホワイト固体の(R)-3-フルオロ-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸(232.4mg、63%)がもたらされた。
実施例1.4.3:(R)-メチル3-(ヒドロキシメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート
(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾール(511mg、3.037mmol)及び3-(ヒドロキシメチル)-5-(メトキシカルボニル)安息香酸(702.5mg、3.34mmol)のDCM(50mL)中溶液に、ジイソプロピルチラミン(diisopropylthylamine)(3mL、過剰)、HOBt(410mg、3.34mmol)、及びEDCI(754.1mg、3.948mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一夜撹拌した。反応混合液をクロロホルムで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、分離した。水層を、クロロホルムでもう1回抽出した。有機層を合わせ、濃縮して残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィーで精製して所望の化合物(840mg)を生成した。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 8.011 (m, 1.5 H), 7.876 (br, 0.5 H), 7.683 (m, 1 H), 6.749 (m, 1 H), 5.579 (m, 0.7 H), 5.061 (br, 0.3 H), 4.641 (br, 1.2 H), 4.525 (br, 0.8 H), 3.875 (m, 3 H), 3.692 (m, 1 H), 3.457 (m, 1 H), 2.345 (m, 5 H), 2.034 (m, 2 H)。
実施例1.4.4:3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)安息香酸
イソフタル酸モノメチル(Mono-Methyl isophthalate)(0.054g、0.30mmol)を、EDCI(0.064g、0.33mmol)、HOBt(0.046g、0.34mmol)、DIPEA(0.07mL、0.4mmol)、及びメチルチアゾールメチルアミン(0.046g、0.36mmol)で処理した。得られた混合液を、アルゴン下、室温で15時間撹拌し、その後水でクエンチした。層を分離し、水層をCHCl3で抽出した(2×20mL)。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。得られた油をTHF(5mL)中に溶解し、これに1.0NLiOH(水溶液)3mLを加えた。得られた混合液を1.5時間、素早く撹拌した。揮発物をロータリーエバポレーションによって除去し、得られた水溶液をCHCl3で抽出した(×3)。次いで、水溶液を1NHCl(水溶液)でpH1に酸性化し、CHCl3で抽出した(×3)。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して対応するイソフタル酸がもたらされた。この生成物(0.042g、0.11mmol)をDMF中に溶解し、NaH(0.015g、0.62mmol)及びMeI(0.04mL、0.64mmol)で処理し、一夜撹拌した。揮発物をロータリーエバポレーションによって除去し、得られた溶液を1NLiOHで希釈し、CHCl3で抽出した(×3)。次いで、水溶液を1NHCl(水溶液)でpH1に酸性化し、CHCl3で抽出した(×3)。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮してN-メチル-N-(4-メチル-チアゾール-2-イルメチル)-イソフタラミン酸(isophthalamic acid)がもたらされた。1H-NMR: (300 MHz, CDCl3), δ: 8.16 (m, 2H), 7.70 (m, 1H), 7.51 (m, 1H), 6.91 (s, 1H), 5.05 (s, 1.5H), 4.75 (s, 0.5H), 3.2-3.0 (m, 3H), 2.46 (s, 3H)。
実施例1.4.5:(R)-3-(N-メチルメチルスルホンアミド)-5-(1-フェニルエチルカルバモイル)安息香酸
室温の、撹拌している、3-(メトキシカルボニル)-5-(N-メチルメタン-5-イルスルホンアミド)安息香酸(0.215g、0.75mmol)、EDC(0.172g、0.9mmol)、HOBt(0.122g、0.9mmol)のDMF/CH2Cl2(1:5mL)溶液に、α-メチルベンジルアミン(0.1mL、0.75mmol)を加え、その後ジイソプロピルエチルアミン(0.5mL)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。次いで、水を加え、反応混合液をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。このようにして得た粗製生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl3中3%MeOH)によって精製して対応するアミド10(0.343g)がもたらされ、これをTHF:MeOH(1:1)(6mL)及びH2O(2mL)中に溶解した。固体NaOH(80mg、2.0mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。反応混合液を減圧下濃縮した。NaHCO3(10mL)飽和溶液を反応混合液に加え、トルエンで抽出して有機不純物を除去した。水性反応混合液を希HCl(10%)で酸性化し、EtOAcで抽出し、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させ、減圧下乾燥して、白色固体の3-(N-メチルメタン-5-イルスルホンアミド)-5-((1-フェニルエチル)カルバモイル)安息香酸(0.198g、60%)を得た。
実施例1.4.6:3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)-5-(N-メチル-メチルスルホンアミド)安息香酸
室温の、撹拌している、3-(メトキシカルボニル)-5-(N-メチルメチルスルホンアミド)安息香酸(0.393g、1.37mmol)、N-メチル-1-(4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミン(185mg、1.3mmol)のDCM溶液に、トリエチルアミン(1mL、過剰)、Py-BOP(784mg、1.507mmol)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。次いで水を加え、反応混合液をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。このようにして得た粗製生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル中2%MeOH)によって精製して対応するアミド(0.510g)を得、これをTHF:MeOH(1:1)(15:15mL)及びH2O(2mL)中に溶解した。固体のNaOH(146mg、3.645mmol)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。反応混合液にNaHCO3飽和溶液(10mL)を加え、トルエンで抽出して有機不純物を除去した。水性反応混合液を希HCl(10%)で酸性化し、EtOAcで抽出し、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させ、減圧下乾燥して、粗製3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)-5-(N-メチル-メチルスルホンアミド)安息香酸を得、これを次のステップにおいて直接用いた。
実施例1.4.7:(R)-3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)安息香酸
EDCI・HCl(0.372g、1.9mmol、1.3eq)及びHOBT・H2O(0.202g、1.5mmol、1.0eq)を、Ar下、0℃の、撹拌している、3-(メトキシカルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)安息香酸(0.37g、1.5mmol、1eq)の無水CH2Cl2溶液8mlに加えた。得られた溶液を、DIPEA(0.78mL、4.5mmol、3.0eq)及び(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾール(0.252、1.5mmol、1.0eq)の無水CH2Cl2溶液2mlで処理した。反応を0℃から室温で一夜撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を水でクエンチし、得られた混合液をEtOAcで抽出した(×1)。有機層を水(×2)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、(R)-メチル3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンゾエート0.8308g(2.5mmol、収率65%)を得た。
1NLiOH(3.0mL)を、撹拌している、(R)-メチル3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンゾエート(0.38g、2.5mmol、1eq)のTHF(3ml)溶液に加えた。2時間撹拌した後、媒体を1NHClでpH約3に調節し、10%MeOH/90%EtOAc/で抽出した(×2)。有機物を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、生成物(R)-3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)安息香酸0.28g(収率76%)を得た。
実施例1.4.8:(R)-2-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)イソニコチン酸
撹拌している、CH2Cl25mL中4-(メトキシカルボニル)ピコリン酸(3R-Chemから市販)95.6mg(0.528mmol)、EDCI111mg(0.577mmol)、及びHOBt80.7mg(0.597mmol)の混合液に、CH2Cl210mL中(R)-4-メチル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾール(J-Star Research, Inc)92.7mg(0.551mmol)及びジイソプロピルエチルアミン400μLを加えた。溶液を室温で約52時間撹拌した後、CHCl3及びH2Oを加えた。水層をCHCl3で抽出し、抽出物を合わせてH2O(2×)及び食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(CombiFlash、100%EtOAc)により精製し、不純物をいくらか含む、橙色油状の(R)-メチル2-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)イソニコチネートがもたらされた。
(R)-メチル2-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)イソニコチネート45.9mg(0.139mmol)及び2NNaOH(水溶液)110μLの、THF2mL及びMeOH1mL溶液を、室温で5時間撹拌した。さらなる2NNaOH(20μL)を加え、45分後、溶液を濃縮した。1NHClでpHを2に調節し、水も加えた。水層を(CHCl340mL:H2O5mL:MeOH5mL)の抽出物で3×抽出した。抽出物を合わせ、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮して(R)-2-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)イソニコチン酸がもたらされ、これをさらなる精製なしで次の反応において用いた。
実施例1.5:カップリングしたアミドの修飾
実施例1.5.1:(R)-メチル3-ホルミル-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート
(R)-メチル3-(ヒドロキシメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート(560mg、1.554mmol)のDCM(60mL)溶液に、Dess-Martinペルヨージナン(790.8mg、1.864mmol)を室温で加えた。2時間撹拌した後、混合液を、1MNa2S2O3水溶液(30mL)及びNaHCO3飽和水溶液(30mL)の混合液中に注ぎ、これをDCMで3回抽出した。有機層を合わせ、真空中濃縮し、残渣をフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製して生成物を得た(530mg)。1H NMR (CDCl3): δ: 10.094, 9.933 (s,s, 1 H), 8.592-7.908 (m, 3 H), 6.796 (s, 1 H), 5.661 (m, 0.65 H), 5.083 (m, 0.35 H), 3.969-3.743 (m, 4 H), 3.515 (m, 1 H), 2.429-2.308 (m, 5 H), 2.145-1.939 (m, 2 H)。
実施例1.5.2:(R)-メチル3-(フルオロメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート
-78℃の、乾燥DCM(40mL)中(R)-メチル3-(ヒドロキシメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート(280mg、0.777mmol)に、[ビス(2-メトキシエチル)アミノ]イオウトリフルオリド(0.17mL、0.932mmol)をゆっくりと加え、同じ温度で2時間撹拌し、次いで一夜、室温に温めた。反応をNaHCO3飽和水溶液で注意深くクエンチし、クロロホルムで3回抽出した。有機溶媒を合わせ、無水Na2SO4上で乾燥し、真空下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製してモノフルオリド(177mg)を得た。1H NMR (CDCl3): δ: 8.211-7.784 (m, 2.7 H), 7.420 (s, 0.3 H), 6.778 (s, 1 H), 5.645-5.076 (m, 3 H), 3.929-3.741 (m, 4 H), 3.519 (m, 1 H), 2.428-2.325 (m, 5 H), 2.088-1.930 (m, 2 H)。
実施例1.5.3:(R)-3-(ジフルオロメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸
-78℃の、(R)-メチル3-ホルミル-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンゾエート(530mg、1.47mmol)のCH2Cl2(50mL)溶液に、[ビス(2-メトキシエチル)アミノ]イオウトリフルオリド(0.46mL、2.49mmol)をゆっくりと加え、次いでエタノールを数滴加え、混合液を同じ温度で2時間撹拌した。得られた混合液を室温に温め、一夜撹拌した。溶液をゆっくりと飽和NaHCO3中に注ぎ、塩化メチレンで3回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、真空下で蒸発させた。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより純粋な(R)-メチル3-(ジフルオロメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸(422mg)を得た。1H NMR (CDCl3): δ: 8.330-7.919 (m, 2.7 H), 7.528 (s, 0.3 H), 6.902-6.368 (m, 3 H), 5.638 (m, 0.7 H), 5.048 (m, 0.3 H), 3.946-3.746 (m, 4 H), 3.488 (m, 1 H), 2.412-2.312 (m, 5 H), 2.112-1.950 (m, 2 H)。
固体のNaOH(63.14mg、1.578mmol)を、上記のエステル(460mg、1.212mmol)のTHF/MeOH/H2O(15mL/15mL/2mL)溶液に加え、50℃で1時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。水で希釈し、希HCl(10%)で酸性化し、EtOAcで抽出し、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させ、減圧下で乾燥して、白色固体の純粋な(R)-3-(ジフルオロメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸を得、これをさらなる同定なしで次のステップの反応に直接用いた。
実施例1.6:ヒドロキシアミンピロリジンの合成
実施例1.6.1:(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
撹拌している、0℃の、DMSO(20mL)中(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニルプロパン-1-オール(5g、15mmol)溶液に、Et3N(8.4mL、60mmol)及びSO3・Pyを加えた。得られた混合液を1時間撹拌し、H2O(20mL)及びEtOAc(30mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×30mL)。有機層を合わせ、H2O、5%クエン酸、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%EtOAc)により精製して(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニルプロパナール(4.42g、90%)がもたらされた。
撹拌している、-78℃の、(-)-スパルテイン(1.8g、7.7mmol)のエーテル(30mL)溶液に、sec-BuLi(7.2mL、10mmol)を滴下添加し、その後エーテル中N-Boc-ピロリジン(1.3g、7.7mmol)を加えた。得られた混合液を-78℃で2時間撹拌し、エーテル中(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニルプロパナール(3.8g、11.5mmol)をゆっくりと加えた。反応混合液を20分間撹拌し、HoAc(1mL)を加え、室温まで温めた。H2Oを加え、層を分離した。水層をEtOAcで抽出した(2×30mL)。有機層を合わせ、5%クエン酸、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、淡黄色泡状固体の(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.6g、43%)がもたらされた。
水素バルーンを、撹拌している、(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.5g、3.0mmol)、Pd(OH)2(500mg)のMeOH(30mL)溶液に入れた。撹拌を17時間続け、得られた混合液をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、オフホワイト固体の、生成物(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(950mg、99%)がもたらされた。
実施例1.6.2:(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート
塩化アセチル(2.45mL、34.53mmol)を、不活性な雰囲気下、反応フラスコ中のMeOH(25mL)にゆっくりと加えた。これに、シス-4-ヒドロキシ-D-プロリン(3.235g、24.67mmol)の溶液を加え、8時間還流した。反応混合液を室温に冷却し、エーテル(200mL)中に注いだ。沈澱した固体を吸引ろ過し、乾燥して、定量的収率の(2R,4R)-メチル4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩を得た。これを精製なしで進めた。
(2R,4R)-メチル4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩(4.4g、24.67mmol)のアセトン及び水(3:2、30mL)溶液に、Et3N(6.8mL、49.28mmol)、DMAP(150mg、1.2mmol)を加えた。次いで、(Boc)2O(8.0mL、34.54mmol)をゆっくりと加え、反応を一夜撹拌した。アセトンを全て除去し、EtOAcで希釈し、0.5NHCl、水、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して(2R,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-ヒドロキシピロリジン1,2-ジカルボキシレート(定量的)6.0gを得た。
0℃の、(2R,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(3.1g、12.64mmol)のDMF(20mL)溶液に、BnBr(3.3mL、27.81mmol)を加え、その後Ag2O(3.22g、13.90mmol)を加え、36時間撹拌した。次いで、エーテル50mLを反応混合液に加え、ろ過した。ろ液をエーテルでさらに希釈し、水、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。30%EtOAc/70%ヘキサンで精製し、(2S,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-(ベンジルオキシ)ピロリジン1,2-ジカルボキシレート3.59g(85%)を得た。
(2S,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(3.59g、10.7mmol)のTHF(25mL)溶液に、0℃のLiBH4(6.4mL、THF中2.0M、12.84mmol)を加え、反応を室温に温め、一夜撹拌した。次いで、反応を0℃に冷却し、水30mLをゆっくりと加え、その後1NHClをpH約4になるまで滴下添加した。次いで、これをEtOAcで抽出し、飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。40%EtOAc/70%ヘキサンで精製し、(2S,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート2.9g(88%)を得た。
0℃の、(2S,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(910mg、2.97mmol)のDMSO溶液に、Et3N(1.65mL、11.89mmol)及びSO3.Py(947mg、5.94mmol)を加えた。反応を室温に温め、30分間撹拌し、エーテルで希釈し、5%クエン酸水溶液、食塩水で洗浄し、乾燥して定量的収率の(2S,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレートを得た。次いで、この化合物を、精製なしで、以下に記載するいずれかの方法で進めた。
方法A:nBuLi(ヘキサン中1.6M、7.6ml、12.2mmol、1.5eq)を、-78℃の、撹拌している、(S)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン(Aldrich、1.5g、11.6mmol、1eq)の無水THF20ml溶液にゆっくりと加えた。10分後、3-フェニルプロパノール塩化物(Aldrich、1.9ml、2.15g、12.8mmol、1.1eq)を滴下添加した。反応を0℃に温めた。1時間後、反応を、NH4Cl飽和水溶液でクエンチした。反応を、0℃から室温で一夜撹拌した。反応を、水/EtOAc間で分配し、層を分離した。有機層を水(×2)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(S)-4-イソプロピル-3-(3-フェニルプロパノイル)オキサゾリジン-2-オン2.73g(10.44mmol、収率90%)を得た。
Bu2BOTf(CH2Cl2中1.0M、9.7ml、9.7mmol、1.1eq)を、Ar下、0℃で、撹拌している、(S)-4-イソプロピル-3-(3-フェニルプロパノイル)オキサゾリジン-2-オン(2.2943g、8.78mmol、1eq)の、無水CH2Cl240ml溶液に加えた。5分後、DIPEA(1.76ml、1.3g、10.97mmol、1.15eq)を非常にゆっくりと加えた。1時間後、反応を-78℃に冷却した。(2S,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレート(2.6810g、8.78mmol、1eq;合成を上記に示す)の無水CH2Cl25ml溶液を滴下添加した。反応を、-78℃から室温で一夜撹拌した。反応を0℃に冷却し、pH=7リン酸バッファー(30ml)で処理し、その後H2O230%水溶液(2.6ml)で処理した。1時間後、層を分離した。水層をCH2Cl2で抽出した(×1)。有機物を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-ベンジル-1-ヒドロキシ-3-((S)-4-イソプロピル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-オキソプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート3.243g(5.72mmol、収率65%)を得た。
(4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-ベンジル-1-ヒドロキシ-3-((S)-4-イソプロピル-2-オキサゾリジン-3-イル)-3-オキソプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(2.4511g、4.33mmol、1eq)を、THF/水(20ml:5ml)中に溶解した。溶液にゴム製隔壁で蓋をし、0℃に冷却した。撹拌しながら、H2O2(30%水溶液、4.4ml、4.9g、43.3mmol、10eq)を滴下添加した。溶液を、LiOH・H2O(0.3629g、8.65mmol、2eq)の溶液で処理し、水(4ml)中に溶解し、冷却槽を除去した。7〜8時間後、反応を0℃に冷却し、過剰のNa2SO3(2M、25ml)でクエンチした。30分後、溶液を、1NHClでpH約2に注意深く調節し、CH2Cl2で抽出した(×2)。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し(×1)、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製した後、CH2Cl2/ヘキサンから再結晶させ、((2S,3S)-2-ベンジル-3-((4R)-4-(ベンジルオキシ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-3-ヒドロキシプロパン酸1.3299g(2.9mmol、収率67%)を得た。
DPPA(0.66ml、0.84g、3.07mmol、1.05eq)を、Ar下、撹拌している、(2S,3S)-2-ベンジル-3-((4R)-4-(ベンジルオキシ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-3-ヒドロキシプロパン酸(1.3299g、2.9mmol、1eq)の無水トルエン20ml溶液に加えた。80℃に加熱した後、Et3N(0.45ml、0.32g、3.21mmol、1.1eq)を加えた。2時間後、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を水で希釈しCH2Cl2で抽出した(×2)。有機物を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート1.2741g(2.8mmol、収率94%)を得た。
Ba(OH)2・8H2O(0.7567g、2.4mmol、5eq)を、撹拌している、(4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.2.26g、0.48mmol、1eq)の1,4-ジオキサン/水(4ml:2ml)溶液に加えた。反応を105℃で加熱還流した。3時間後、反応を室温に冷却した。混合液をCH2Cl2/食塩水で希釈し、ろ過した。層を分離した。水層をCH2Cl2で抽出した(×1)。有機物を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(2R,4R)-tert-ブチル-2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート0.0827g(0.21mmol、収率43%)を得た。
方法B:0℃で、メタノール(100mL)中ニトロメタン(21.03g、0.344mol)及びベンズアルデヒド(33.24g、0.313mol)を混合することにより、1-フェニル-2-ニトロエタンを調製した。水酸化ナトリウム水溶液(15.66g/40mL水)を30分かけて撹拌している溶液に加えた。0℃の範囲の温度でもう1時間撹拌を続けた。混合液を水(100mL)で希釈し、濃HCl32mLを含むクラッシュアイス上に注いだ。黄色固体が沈澱して出、これをエーテルで3回抽出した。有機層を合わせ、水、炭酸ナトリウム飽和水溶液、食塩水で洗浄し、濃縮して、褐色から黄色の固体がもたらされ、この固体を少量のEtOHから再結晶させて黄色固体25gを得た。黄色固体(24.7g)を、室温で、温度を保つための水浴を用いてジメチルスルホキシド(100mL)及び酢酸(20mL)中に溶解し、1.5時間かけて水素化ホウ素ナトリウム(3.76g)を部分に分けて加えた。得られた溶液をさらに30分間撹拌し、酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(200mL)、炭酸ナトリウム飽和水溶液、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し、濃縮し、精製して(シリカゲルクロマトグラフィー)、淡黄色液体の1-フェニル-2-ニトロエタン(21g、85%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.301 (m,5 H), 4.656 (m, 2 H), 3.364 (t, J = 7.5 Hz, 2 H)。
1-フェニル-2-ニトロエタン(2.1g、13.73mmol)のTHF(15mL)中の氷冷した溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1.0M溶液6.9mL)を加えた。得られた溶液を5分間撹拌した後、THF(10mL)中(2S,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレート(2.1g、6.867mmol)をゆっくりと加え、90分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水(3×50mL)、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、精製して(シリカゲルクロマトグラフィー、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出)、シロップ状の(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-2-ニトロ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.1g、35%)を得た。
0℃の、(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-2-ニトロ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.4g、1.189mmol)のメタノール溶液に、塩化ニッケル六水和物(0.0154g、0.12mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.225g、5.945mmol)を、1分間かけて部分に分けて加えた。得られた混合液を30分間撹拌し、次いで濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、セライトを通してろ過した。有機層を分離し、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濃縮してシロップを得、これをフラッシュクロマトグラフィーで精製して、所望の、白色固体の(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(170mg)を得た。
実施例1.6.3:(2R,5S)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-5-フェニルピロリジン-1-カルボキシレート
4-メチルモルホリン(0.17ml、0.16g、1.57mmol、1.1eq)を、Ar下、0℃の、撹拌している、(2R,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボン酸(NeoMPS、0.4167g、1.43mmol、1eq)の無水1,2-ジメトキシエタン(2ml)溶液に加えた。得られた溶液に、iブチルクロロホルメート(0.21ml、0.21g、1.57mmol、1.1eq)を滴下添加した。30分後、混合液を、Ar下、氷冷したフラスコ中にろ過した。水(2ml)中に溶解したNaBH4(0.0812g、2.15mmol、1.5eq)を加え、ガス発生が止まるまで反応を回転させた。反応を水で希釈し、EtOAcで抽出した(×1)。有機層を、水(×2)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(2R,5S)-tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-5-フェニルピロリジン-1-カルボキシレート0.3658g(1.32mmol、収率92%)を得た。
(2R,5S)-tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-5-フェニルピロリジン-1-カルボキシレート(0.3658g、1.32mmol、1eq)を、Ar下、撹拌しながら無水DMSO(2ml)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、得られた固体をEt3N(0.74ml、0.5g、5.27mmol、4eq)で処理し、その後SO3・ピリジン(0.4198g、2.64mmol、2eq)で処理した。30分後、冷却槽を除去した。室温で30分間撹拌した後、反応をEt2Oで希釈し、層を分離した。有機層を5%クエン酸水溶液(×4)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、(2R,5S)-tert-ブチル2-ホルミル-5-フェニルピロリジン-1-カルボキシレート0.3213g(1.16mmol、収率88%)を得た。
次いで、所望のアミンである(2R,5S)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-5-フェニルピロリジン-1-カルボキシレートを、上記で((2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートに対して記載した方法を用いて産生した。
実施例1.6.4:(2R,4S)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート
塩化チオニル(9.7mL、133.46mmol)を、氷冷した、(2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(7g、53.382mmol)の無水メタノール(110mL)中懸濁液に加えた。10分間撹拌し、次いで一夜室温に温めた。濃縮し、メタノールを加え、再び濃縮した。結晶様固体をジエチルエーテルで2回すすぎ、真空下で乾燥して、粗製の(2R,4R)-メチル4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩を得、これを次のステップに直接用いた。
0℃の、(2R,4R)-メチル4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩の、アセトン/水(120mL/80mL)溶液に、トリエチルアミン(24mL)、DMAP(0.706g、5.078mmol)、及びジ-tert-ブチルジカーボネート(22.5g、102.888mmol)をゆっくりと加えた。得られた混合液を撹拌し、一夜室温に温めた。溶媒を真空下除去し、酢酸エチルで希釈し、0.5MHCl水溶液、水、炭酸ナトリウム飽和水溶液、食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、濃縮してシロップを得、これをフラッシュクロマトグラフィーで精製して、白色固体の(2R,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレートを生成した(12.83g、2段階で98%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 4.370 (m, 2 H), 3.838 (d, J = 5.1 Hz, 3 H), 3.739 (m, 1 H), 3.556 (m, 1 H), 2.256 (m, 1 H), 2.134 (m, 1 H), 1.500 (d, J = 12.3 Hz, 9H)。
-78℃の、(2R,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(750mg、3.058mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、Deoxo-Fluor(0.73mL、3.975mmol)を加えた。得られた混合液を、一夜、撹拌し、室温に温め、次いで氷浴中冷却し、クロロホルムで希釈し、炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチした。室温に温め、分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、油状の(2S,4S)-1-tert-ブチル2-メチル4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(540mg、72%)がもたらされた。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 5.193 (m, 0.5 H), 5.019 (m, 0.5 H), 4.417(m, 1 H), 3.933 (m, 1 H), 3.838 (d, J = 5.1 Hz, 3 H), 3.589 (m, 1 H), 2.516 (m, 1 H), 2.111 (m, 1 H), 1.500 (d, J = 12.3 Hz, 9H)。
氷冷した、(2S,4S)-1-tert-ブチル2-メチル4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(530mg、2.413mmol)のTHF(20mL)溶液に、水素化ホウ素リチウム(2MTHF溶液、1.6mL)を加えた。得られた溶液を、一夜、撹拌し、室温に温めた。氷浴中冷却し、希釈した酢酸(水60mL中0.3mL)をゆっくりと加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を炭酸ナトリウム飽和水溶液、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、濃厚油状の、(2S,4S)-tert-ブチル4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(460mg)がもたらされた。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 5.193 (m, 0.5 H), 5.019 (m, 0.5 H), 4.127(m, 1 H), 3.933-3.764 (m, 2 H), 3.598-3.346 (m, 2 H), 2.335 (m, 2 H), 1.477 (s, 9H)。
氷冷した、(2S,4S)-tert-ブチル4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.460g、2.098mmol)のDMSO(4mL)溶液に、トリエチルアミン(1.2mL、8.4mmol)及び三酸化イオウ-ピリジン複合体(0.670g、4.196mmol)を加えた。得られた混合液を30分間撹拌し、室温に温め、30分間撹拌し、ジエチルエーテルで希釈し、5%クエン酸水溶液、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濃縮して、油状の(2S,4S)-tert-ブチル4-フルオロ-2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレート(350mg)がもたらされ、これをさらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。
氷冷した、1-フェニル-2-ニトロエタン(487mg、3.222mmol)のTHF(10mL)溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1.0M溶液2.9mL)を加えた。得られた溶液を5分間撹拌した後、THF(6mL)中(2R,4S)-tert-ブチル4-フルオロ-2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレート(350mg、1.611mmol)をゆっくりと加え、90分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水(3×50mL)、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、精製して(シリカゲルクロマトグラフィー、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出)、所望の化合物である、白色固体の、(2R,4S)-tert-ブチル4-フルオロ-2-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-2-ニトロ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.17g、22%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.534-7.311 (m, 5 H), 5.423 (s, 0.5 H), 5.232 (s, 0.5 H), 4.803 (s, 2 H), 4.411 (m, 1 H), 4.187 (m, 1 H), 3.611-3.258 (m, 4 H), 2.385 (m, 2 H), 1.623 (s, 9H)。
次いで、所望のアミンである(2R,4S)-tert-ブチル2-((1R,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレートを、上記(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートに対して記載した方法を用いて、メタノール中NiCl2及びNaBH4を用いて産生した。
実施例1.6.5:(R)-tert-ブチル5-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-2,2-ジメチルピロリジン-1-カルボキシレート
NaBH4(0.65g、17.1mmol、1.5eq)を、Ar下、撹拌している、NiCl2・XH2O(0.74g、5.7mmol、0.5eq)の無水MeOH(60ml)溶液に部分に分けて加えた。得られた溶液を30分間、超音波処理した。撹拌しながら、メチル4-メチル-4-ニトロペンタノエート(Aldrich、1.8ml、2.0g、11.4mmol、1eq)を滴下添加した。さらなるNaBH4(1.3g、34.3mmol、3eq)を部分に分けて加え、反応を週末にわたって撹拌した。混合液をセライトを通してろ過し、揮発物をロータリーエバポレーションによって除去した。残渣をCH2Cl2と飽和NaHCO3水溶液の間で分配した。層を分離した。水層をCH2Cl2で抽出した(×1)。有機物を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5,5-ジメチルピロリジン-2-オン0.7115g(6.3mmol、収率55%)を得た。
Ar下、LiAlH4(0.2863g、7.5mmol、1.2eq)の無水THF(7.5ml)中混合液を、撹拌しながら60℃に加熱した。5,5-ジメチルピロリジン-2-オン(0.7115g、6.3mmol、1eq)の無水THF(3ml)溶液を、還流冷却器を通して滴下添加した。反応を60℃で一夜撹拌した。反応を0℃に冷却し、水(2ml)及び1NNaOH(1ml)を順次滴下添加することによってクエンチした。混合液をセライトを通してろ過し、Et2Oで希釈した。層を分離し、有機層をNa2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって注意深く除去し、揮発性の2,2-ジメチルピロリジン生成物0.4385g(4.4mmol、収率70%)を得た。
Ar下、撹拌している、2,2-ジメチルピロリジン(0.4385g、4.4mmol、1eq)の無水CH2Cl2(6ml)溶液を、Et3N(1.2ml、0.89g、8.8mmol、2eq)及びDMAP(0.0270g、0.22mmol、5mol%)で順次処理した。(Boc)2O(1.2ml、1.16g、5.3mmol、1.2eq)を滴下添加した。反応を一夜撹拌した。反応を0.1NHCl(×1)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって注意深く除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、その後溶媒をロータリーエバポレーションによって注意深く除去し、揮発性のtert-ブチル2,2-ジメチルピロリジン-1-カルボキシレート生成物0.3585g(1.8mmol、収率41%)を得た。
次いで、(R)-tert-ブチル5-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-2,2-ジメチルピロリジン-1-カルボキシレートを、本明細書に記載する非置換のピロリジンと同じ順序によって調製した。
実施例1.6.6: (2R,5R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-5-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
SOCl2(0.14ml、0.23g、1.9mmol、10mol%)を、Ar下、撹拌している、(R)-5-オキソピロリジン-2-カルボン酸(Aldrich、2.5g、19.4mmol、1eq)の無水MeOH(20ml)中懸濁液に滴下添加した。均一な溶液が徐々に形成した。一夜撹拌した後、揮発物をロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を、NaHCO3飽和水溶液でpH>7に調節し、CH2Cl2で抽出した(×3)。有機物を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、少量の不純物とともに(R)-メチル5-オキソピロリジン-2-カルボキシレートを得た。
Ar下、撹拌している、(R)-メチル5-オキソピロリジン-2-カルボキシレート(1.1876g、8.3mmol、1eq)の無水CH2Cl2(20ml)溶液を、DMAP(0.1014g、0.83mmol、10mol%)及びEt3N(1.3ml、0.92g、9.13mmol、1.1eq)で処理した。(Boc)2O(2.86ml、2.7g、12.4mmol、1.5eq)を滴下添加した。反応を一夜撹拌した。反応を食塩水で希釈し、層を分離した。有機層をNa2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(R)-1-tert-ブチル2-メチル5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボキシレート1.3133g(5.4mmol、収率65%)を得た。
Ar下、撹拌している、(R)-1-tert-ブチル2-メチル5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(1.3133g、5.4mmol、1eq)の無水THF(6ml)溶液をおよそ50℃に冷却した。MeMgBr(Et2O中3.0M、2.16ml、6.5mmol、1.2eq)を滴下添加した。2時間後、反応を冷凍室(およそ-20℃)に移して一夜静置した。反応をNH4Clでクエンチし、1NHClでpH=2〜3に調節し、EtOAcで抽出した(×2)。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し(×1)、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュシステムにより精製し、(R)-メチル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-オキソヘキサノエート1.1717g(4.5mmol、収率84%)を得た。
TFA(2ml、大過剰量)を、Ar下、撹拌している、(R)-メチル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-オキソヘキサノエート(1.1717g、4.5mmol、1eq)の無水CH2Cl2(2ml)溶液に加えた。5時間後、揮発物をロータリーエバポレーションによって除去して、(R)-メチル5-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレートを得、これを精製なしで用いた。
EtOH(12ml)中、上記の(R)-メチル5-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレートを、一夜、60psiのH2下、10%Pd/C(0.15g)と一緒に振った。混合液をセライトを通してろ過し、EtOHをロータリーエバポレーションによって除去して、粗製の(2R,5R)-メチル5-メチルピロリジン-2-カルボキシレートを得、これを精製なしで用いた。
Ar下、撹拌している、粗製の(2R,5R)-メチル5-メチルピロリジン-2-カルボキシレート(約4.5mmol)の無水CH2Cl2(10ml)溶液を、Et3N(1.3ml、0.9g、9.0mmol、2eq)及びDMAP(0.0275g、0.225mmol、5mol%)で順次処理した。(Boc)2O(1.14ml、1.08g、4.95mmol、1.1eq)を滴下添加し、週末にわたって反応を撹拌した。反応を、0.1NHCl(×1)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(2R,5S)-1-tert-ブチル2-メチル5-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシレート0.7829g(3.2mmol、ケトエステルからの収率72%)を得た。
次いで、(2R,5R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-5-メチルピロリジン-1-カルボキシレートを、(2R,5S)-1-tert-ブチル2-メチル5-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシレートから、本明細書に記載する(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成と同様の方法で合成した。
実施例1.6.7:(2R,4R)-tert-ブチル4-(アリルオキシ)-2-((4S,5S)-4-ベンジル-2,2-ジメチルオキサゾリジン-5-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
-78℃の、4-(R)-ベンジルオキシ-2-(R)-(1-(R)-ヒドロキシ-2-(S)-アミノ-3-フェニルプロピル)-ピロリジン-I-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.12g、4.97mmol)の無水DMF溶液に、Teoc-O-スクシンイミジル(1.35g、5.22mmol)及びトリエチルアミン(1mL、7.455mmol)を加えた。得られた混合液を1時間撹拌し、次いで室温に温め、一夜撹拌した。反応混合液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮してシロップを得、これを精製して、純粋な所望のTeoc-保護した化合物(2.45g、2ステップで86%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.400-7.233 (m, 10 H), 4.594 (s, 2 H), 4.153-4.012 (m, 4 H), 3.883-3.411 (m, 5 H), 3.102 (m, 1 H), 2.933 (m, 1 H), 2.360 (m, 1 H), 2.115 (m, 1 H), 2.145 (m, 1 H), 1.466 (s, 4 H), 1.239 (s, 5 H), 0.890 (m, 2 H), 0.006 (s, 9 H)。
上記のTeoc-保護した化合物(2.81g、4.93mmol)の無水ベンゼン溶液に、ジメトキシプロパン(3mL、24.61mmol)及びPPTS(133mg、2.46mmol)を加えた。得られた混合液を2時間、80℃に加熱し、濃縮して黄色シロップを得、これをカラムで直接精製して、純粋な所望の、Teoc-保護した2,2-ジメチルオキサゾリジン化合物(2.75g、92%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.349-7.114 (m, 10 H), 4.643-4.451 (m, 2 H), 4.211-4.107 (m, 4 H), 3.710 (m, 2 H), 3.407 (m, 1 H), 2.994 (m, 1 H), 2.587 (m, 1 H), 1.992 (m, 1 H), 1.747 (s, 3 H), 1.610 (m, 1 H), 1.469 (m, 12 H), 0.388 (m, 2 H), 0.084 (s, 9 H)。
酢酸エチル中上記の化合物(2.70g、4.42mmol)を、一夜、バルーン圧力下、Pd(OH)2(600mg、木炭上20%)で水素付加した。得られた混合液をセライトを通してろ過し、溶媒を蒸発させて、白色固体を得(2.7g、定量的収率)、これをさらなる精製なしで次のステップに直接用いた。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.209 (m, 5 H), 4.535 (m, 1 H), 4.359-4.213 (m, H), 4.101 (m, 1 H), 3.865 (m, 1 H), 3.4210 (m, 2 H), 2.786 (m, 1 H), 2.305 (m, 1 H), 2.108 (m, 1 H), 1.776 (s, 2 H), 1.576 (s, 6 H), 1.447 (s, 9 H), 0.846 (m, 0.6 H), 0.596 (m, 1.4 H), 0.015 (m, 9 H)。
0℃の、アルコール(761mg、1.46mmol)及びヨウ化アリル(0.2ML、2.19mmol)の無水DMF溶液に、水素化ナトリウム(76mg、鉱物油中60%)をゆっくりと加えた。得られた混合液を室温に温め、1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水を充填した分液漏斗中に注いだ。有機層を水で2回、食塩水で1回洗浄し、濃縮して淡黄色シロップを得、これをカラムで精製して、純粋な所望のアリルエーテル(760mg、93%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.242 (m, 5 H), 5.892 (m, 1 H), 5.308-5.137 (m, 2 H), 4.207-4.077 (m, 5 H), 3.914 (m, 1 H), 3.717 (m, 2 H), 3.354 (m, 1 H), 3.002 (m, 1 H), 2.559 (m, 2 H), 1.969 (m, 1 H), 1.748 (s, 3 H), 1.660 (m, 1 H), 1.498 (s, 12 H), 0.392 (m, 2 H), 0.083 (s, 9 H)。
アリルエーテル(86.4mg、0.154mmol)のアセトニトリル溶液に、TBAF(0.15mL、THF中1M)及びフッ化カリウム(18mg、0.31mmol)を加えた。得られた混合物を50℃まで加熱し、一夜撹拌し、酢酸エチルで希釈し、炭酸ナトリウム飽和溶液を充填した分液漏斗中に注いだ。有機層を水及び食塩水で洗浄し、濃縮して(2R,4R)-tert-ブチル4-(アリルオキシ)-2-((4S,5S)-4-ベンジル-2,2-ジメチルオキサゾリジン-5-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートがもたらされ、これをさらなる精製なしで次のステップの反応に直接用いた(60mg、93%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.195 (m, 5 H), 5.914 (m, 1 H), 5.339-5.164 (m, 2 H), 4.116-3.887 (m, 4 H), 3.610-3.420 (m, 2 H), 3.334-2.889 (m, 3 H), 2.643-2.073 (m, 3 H), 1.463 (m, 15 H)。
実施例1.6.8:(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルピロリル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート
4-(R)-ベンジルオキシ-2-(R)-(1-(R)-ヒドロキシ-2-(S)-ニトロ-3-フェニルプロピル)-ピロリジン-I-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.2g、4.82mmol)の酢酸エチル/メタノール(2:1)中溶液を、一夜、バルーン圧力下、Pd(OH)2(1.2mg、木炭上20%)で水素付加した。得られた混合液をセライトを通してろ過し、溶媒を蒸発させて、シロップを得(1.67g)、これをさらなる精製及びキャラクタリゼーションなしで次のステップに直接用いた。0℃のメタノール中のシロップに、塩化ニッケル六水和物(1.18g、9.12mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(1.04g、27.34mmol)を5分間かけて部分に分けて加えた。得られた混合液を室温で30分間撹拌し、次いで、水10mLでクエンチし、濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、セライトを通してろ過した。有機層を分離し、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮してシロップを得、これを精製して白色固体の(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルピロリル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレートを得た(1.27g、2段階の反応に対して全体で73%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3+CD3OD), δ: 7.357-7.150 (m, 5 H),4.233 (m, 2 H), 3.742 (m, 1 H), 3.544-3.403 (m, 2 H), 3.243-3.058 (m, 2 H), 2.496-2.339 (m, 2 H), 2.055 (m, 1 H), 1.464 (s, 9H)。
実施例1.6.9:(2R,4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2,2-ジメチルオキサゾリジン-5-イル)-4-プロポキシピロリジン-1-カルボキシレート
0℃の、(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルピロリル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(619mg、1.84mmol)のメタノール溶液に、ジベンジルジカーボネート(632mg、2.21mmol)及びトリエチルアミン(0.38mL、2.76mmol)を加えた。得られた混合液を15分間撹拌し、次いで、1時間、室温に温めた。反応溶媒を蒸発させ、混合液をクロロホルムで希釈し、0.2MHCl溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮してシロップを得、これを精製して、純粋な(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(740mg、86%)がもたらされた。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.264 (m, 10 H), 5.003 (m, 2 H), 4.482-3.754 (m, 4 H), 3.448 (m, 2 H), 3.205-2.711 (m, 2 H), 2.164 (s, 2 H), 1.452 (m, 5 H), 1.279 (m, 4 H)。
(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレートの無水ベンゼン溶液に、ジメトキシプロパン(1mL、7.86mmol)及びPPTS(42.3mg、1.57mmol)を加えた。得られた混合液を2時間、80℃に加熱し、濃縮して黄色シロップを得、これをカラムで直接精製して、純粋な、(4S,5R)-ベンジル4-ベンジル-5-((2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(570mg、59%)を得た。
0℃の、無水DMF中(4S,5R)-ベンジル4-ベンジル-5-((2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(240mg、0.47mmol)に、水素化ナトリウム(28.2mg、鉱物油中60%)を加え、同じ温度で30分間撹拌し、次いで反応混合液にヨウ化アリル(158mg、0.94mmol)を加え、一夜室温に温めた。反応を酢酸エチルで希釈し、水を充填した分液漏斗中に注いだ。有機層を水で2回、食塩水で1回洗浄し、濃縮して淡黄色シロップを得、これをカラムで精製して、純粋な(4S,5R)-ベンジル5-((2R,4R)-4-(アリルオキシ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-4-ベンジル-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(100mg)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.201 (m, 10 H), 5.942-5.813 (m, 1 H), 5.308-5.141 (m, 2 H), 4.880 (m, 1 H), 4.235 (m, 3 H), 4.097 (m, 3 H), 3.915 (m, 1 H), 3.720 (m, 3 H), 3.376 (m, 1 H), 2.557 (m, 2 H), 1.957 (m, 1 H), 1.775 (s, 3 H), 1.530 (s, 3 H), 1.489 (s, 9 H)。
(4S,5R)-ベンジル-5-((2R,4R)-4-(アリルオキシ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-4-ベンジル-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(95mg、0.173mmol)の酢酸エチル溶液に、Pd(OH)2(木炭上20%、30mg)を加えた。得られた混合液を水素バルーン下、一夜水素付加した。混合液をセライトを通してろ過し、溶媒を蒸発させて、白色固体の所望の(2R,4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2,2-ジメチルオキサゾリジン-5-イル)-4-プロポキシピロリジン-1-カルボキシレート(95mg、定量的収率)を得、これをさらなる精製なしで次のステップに直接用いた。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.259 (m, 5 H), 4.317 (m, 1 H), 3.919 (m, 2 H), 3.657-3.224 (m, 4 H), 2.910 (m, 2 H), 2.685 (m, 1 H), 2.438-1.975 (m, 2 H), 1.586 (m, 2 H), 1.470 (s, 9 H), 1.246 (s, 3 H), 0.940 (m, 6 H)。
実施例1.6.10:(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
通常のカップリング手順にしたがって、Bocジフルオロフェニルアラニン(1.5g、5.0mmol)及びN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(536mg、5.5mmol)をカップリングして、無色油状の(S)-tert-ブチル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルカルバメート(1.44g、84%)がもたらされた。
(S)-tert-ブチル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルカルバメート(1.44g、4.2mmol)を、0℃で、ジオキサン(4.0N、2.1mL、8.4mmol)中HClで処理した。得られた溶液を4時間撹拌し、室温まで温めた。溶媒を減圧下除去し、残渣をCHCl3及びNaHCO3飽和水溶液で希釈した。層を分離し、水層をCHCl3で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、黄色油状の(S)-2-アミノ-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-メトキシ-N-メチルプロパンアミド(1.02g、99%)がもたらされた。
撹拌している(S)-2-アミノ-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-メトキシ-N-メチルプロパンアミド(1.02g、4.2mmol)のエタノール(15mL)及びH2O(3mL)溶液に、K2CO3(1.74g、12.6mmol)及び臭化ベンジル(1.1mL、9.2mmol)を加えた。反応混合液を室温で18時間撹拌し、クロロホルムで希釈し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をクロロホルム及び水で希釈した。層を分離し、水層をCHCl3で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%EtOAc)によって精製して、黄色油状の(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-メトキシ-N-メチルプロパンアミド(455.3mg、26%)がもたらされた。
0℃の、撹拌している、(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-メトキシ-N-メチルプロパンアミド(1.08g、2.5mmol)のエーテル(40mL)溶液に、LiAlH4(106mg、2.8mmol)を加えた。得られた溶液を1時間撹拌し、硫酸水素ナトリウム溶液(1.0M、10mL)でゆっくりとクエンチした。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×30mL)。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、黄色油状の(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)プロパノール(934mg、99%)がもたらされた。
-78℃の、撹拌している、(-)-スパルテイン(398mg、1.7mmol)のエーテル(20mL)溶液に、sec-BuLi(1.6mL、2.2mmol)を滴下添加し、その後エーテル中N-Boc-ピロリジン(292mg、1.7mmol)を加えた。得られた混合液を-78℃で2時間撹拌し、エーテル中(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)プロパナール(propanal)(934mg、2.5mmol)をゆっくりと加えた。反応混合液を40分間撹拌し、HoAc(1mL)を加え、室温まで温めた。H2Oを加え、層を分離した。水層をEtOAcで抽出した(2×30mL)。有機層を合わせ、5%クエン酸、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)によって精製して、淡黄色油状の(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(213mg、23%)がもたらされた。
撹拌している、(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(213mg、0.4mmol)、Pd(OH)2(100mg)のMeOH(10mL)溶液上に、水素バルーンを置いた。撹拌を24時間続け、得られた混合液をセライトのパッドを通してろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、白色固体の(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(157mg、99%)がもたらされた。
実施例1.6.11:(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-3-(3-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
撹拌している、3-フルオロフェニルアラニン(2g、10.9mmol)のジオキサン(40mL)及びH2O(20mL)溶液に、K2CO3(6.0g、44mmol)及び臭化ベンジル(4.1mL、35mmol)を加えた。反応混合液を室温で18時間撹拌し、濃縮した。残渣をEtOAc及びNH4Cl飽和水溶液で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%EtOAc)によって精製して、無色油状の(S)-ベンジル2-(ジベンジルアミノ)-3-(3-フルオロフェニル)プロパノエート(3.82g、77%)がもたらされた。
0℃の、撹拌している、(S)-ベンジル2-(ジベンジルアミノ)-3-(3-フルオロフェニル)プロパノエート(3.8g、8.4mmol)のTHF(80mL)溶液に、LiAlH4(637mg、16.8mmol)を加えた。得られた溶液を1.5時間撹拌し、水(0.6mL)、20%NaOH(0.6mL)、及び食塩水(2mL)でゆっくりとクエンチした。混合液を減圧下ろ過及び濃縮して、無色油状の(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3-フルオロフェニル)プロパン-1-オール(2.88g、99%)がもたらされた。
0℃の、撹拌している(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3-フルオロフェニル)プロパン-1-オール(2.8g、8.4mmol)のDMSO(10mL)溶液に、Et3N(4.7mL、34mmol)及びSO3・Py(2.7g、16.8mmol)を加えた。得られた混合物を1時間撹拌し、H2O(20mL)及びEtOAc(30mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×30mL)。有機層を合わせ、H2O、5%クエン酸、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3-フルオロフェニル)プロパナール(2.7g、90%)を得た。
(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-3-(3-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレートを、(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-(3-フルオロフェニル)プロパナールから、本明細書に記載する標準的手順を用いて産生した。
実施例1.6.12:(S)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート
0℃の、撹拌している、N-Boc-ピロリジノン(1.0g、5.4mmol)のCH2Cl2溶液に、Deoxo-fluoro(3mL、16.2mmol)を加えた。得られた溶液を15時間撹拌し、NaHCO3飽和水溶液でクエンチした。層を分離し、水層をCHCl3で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中15%EtOAc)によって精製して、オフホワイト固体のtert-ブチル3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート(0.8g、71%)がもたらされた。
0℃の、撹拌している、ジベンジルフェニルアラニノール(5g、15mmol)のDMSO(20mL)溶液に、Et3N(8.4mL、60mmol)及びSO3・Pyを加えた。得られた混合液を1時間撹拌し、H2O(20mL)及びEtOAc(30mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×30mL)。有機層を合わせ、H2O、5%クエン酸、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%EtOAc)によって精製して(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニルプロパナール(4.42g、90%)がもたらされた。
次いで、tert-ブチル3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート及び(S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニルプロパナールをカップリングし、本明細書に記載した通りにさらに処理して、(S)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレートがもたらされた。
実施例1.6.13: (R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート
氷冷した、(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(0.65g、1.25mmol)のDMSO(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.7mL、5.0mmol)及び三酸化イオウ-ピリジン複合体(0.397g、2.5mmol)を加えた。得られた混合液を30分間撹拌し、室温に温め、30分間撹拌し、ジエチルエーテルで希釈し、水で3回洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、油状の(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-オキソピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレートがもたらされ、これをフラッシュクロマトグラフィーで精製した(580mg、91%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.263 (m, 5 H), 4.419-4.262 (m, 3 H), 4.201-3.820 (m, 3 H), 3.678 (m, 1 H), 2.839 (m, 3 H), 2.491 (m, 1 H), 1.684-1.438 (m, 15 H), 0.938-0.696 (m, 2 H), -010 (s, 9 H)。
(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-オキソピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(0.34g、0.655mmol)のDCD溶液に、室温でDeoxo-Fluoro(0.36mL、1.97mmol)を加えた。得られた混合液を一夜撹拌し、クロロホルムで希釈し、炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。有機物を分離し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して油状の表題化合物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーで精製して(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシレート(210mg)がもたらされた。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 7.197 (m, 5 H), 4.235 (m, 3 H), 3.901 (m,2 H), 3.556 (m, 1 H), 3.135 (m, 1 H), 2.849-2.511 (m, 3 H), 2.382 (m, 1 H), 1.735-1.329 (m, 15 H), 0.520 (m, 2 H), -0.055 (s, 9 H)。
実施例1.6.14:(R)-tert-ブチル2-((1R,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
0℃の、撹拌している、(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(853mg、1.7mmol)のDMSO(5mL)溶液に、Et3N(0.95mL、6.8mmol)及びSO3・Py(542mg、3.4mmol)を加えた。得られた混合液を室温に温め、53時間撹拌し、H2O(20mL)及びEtOAc(30mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×15mL)。有機層を合わせ、H2O、5%クエン酸、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中15%EtOAc)によって精製して、無色油状の(R)-tert-ブチル2-((S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニルプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(452mg、54%)がもたらされた。
撹拌している(R)-tert-ブチル2-((S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニルプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(452mg、0.91mmol)のメタノール(10mL)溶液に、NaBH4(41mg、1.1mmol)を加えた。反応混合液を20時間加熱還流し、室温に冷却した。溶媒を減圧下除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)によって精製して、白色固体の(1R,7aR)-1-((S)-1-(ジベンジルアミノ)-2-フェニルエチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-3(1H)-オン(86.4mg、22%)がもたらされた。
撹拌している、(1R,7aR)-1-((S)-1-(ジベンジルアミノ)-2-フェニルエチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-3(1H)-オン(80mg、0.19mmol)のジオキサン(4mL)及びH2O(2mL)溶液にBa(OH)2・8H2Oを加えた。得られた混合液を105℃で20時間加熱し、室温に冷却し、H2O及びCHCl3で希釈した。混合液をセライトのパッドを通してろ過し、層を分離した。水層をCHCl3で抽出した(2×15mL)。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、オフホワイト固体の(1S,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-1-オール(66.4mg、84%)がもたらされた。
撹拌している、(1S,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-1-オール(66mg、0.16mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.046mL、0.32mmol)及びBoc2O(0.045mL、0.2mmol)及びDMAP(19mg、0.16mmol)を加えた。得られた混合液を室温で18時間撹拌し、NH4Cl飽和水溶液でクエンチした。層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した(2×15mL)。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)によって精製して、無色油状の(R)-tert-ブチル2-((1R,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(67.9mg、85%)がもたらされた。
(R)-tert-ブチル2-((1R,2S)-2-(ジベンジルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレートを、本明細書に記載する手順を用いて、(R)-tert-ブチル2-((1R,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレートに還元した。
実施例1.6.15:(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボキシレート
Et3N(0.045ml、0.033g、0.33mmol、1.5eq)及びTeoc-O-スクシンイミジル(0.0591g、0.23mmol、1.05eq)を、Ar下、撹拌している、(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.0926g、0.22mmol、1eq)の無水1,4-ジオキサン(2ml)溶液に順次加えた。一夜撹拌した後、反応をEtAOcで希釈し、水(×2)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-2-(((2-(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート0.1178g(0.21mmol、収率94%)を得た。
Ar下、撹拌している、(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-2-(((2-(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)アミノ)プロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.239g、0.42mmol、1eq)の無水ベンゼン(3ml)溶液を、ジメトキシプロパン(0.26ml、0.22g、2.09mmol、5eq)及びピリジニウムp-トルエンスルホネート(0.0526g、0.209mmol、0.5eq)と順次処理した。混合液を80℃に加熱した。3時間後、熱を止め、反応を、80℃から室温で一夜撹拌した。混合液を綿を通してろ過し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート0.2177g(0.36mmol、収率85%)を得た。
20%Pd(OH)2/C(0.022g、10重量%)を、(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(0.2177g、0.36mmol、1eq)のEtOH(3ml)溶液に加えた。混合液をH2(バルーン圧力)下激しく撹拌した。3時間後、混合液をセライトを通してろ過し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート0.1558g(0.30mmol、収率83%)を得た。
Ar下、(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(0.0906g、0.17mmol、1eq)の無水DMF(2ml)溶液を、撹拌しながら0℃に冷却した。光から保護した後、溶液をMeI(0.022ml、0.049g、2eq)及びNaH(油中60%分散物、0.0104g、1.5eq)で順次処理した。1時間後、冷却槽を除去した。3時間後、反応を水でクエンチし、EtOAcで希釈した。層を分離した。有機層を水(×3)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メトキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート0.0797g(0.15mmol、収率88%)を得た。
Ar下、撹拌している(4S,5R)-2-(トリメチルシリル)エチル4-ベンジル-5-((2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メトキシピロリジン-2-イル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(0.0797g、0.15mmol、1eq)の無水CH3CN(2ml)溶液を、KF(0.0260g、0.45mmol、3eq)及びTBAF(THF中1.0M、0.22ml、0.22mmol、1.5eq)で順次処理した。得られた混合液を50℃に加熱した。48時間後、混合液を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、NaHCO3飽和水溶液中に注いだ。層を分離した。有機層を水(×2)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒を溶媒をロータリーエバポレーションによって除去して、粗製の(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボキシレートを得、これを精製なしで用いた。
実施例1.6.16: (2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-フェノキシピロリジン-1-カルボキシレート
(2R,4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(850mg、1.88mmol)のMeOH(20mL)溶液に、約400mgの10%Pd/Cを加え、60psiで12時間水素付加した。触媒をろ去して、(2R,4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレートを定量的に得、さらなる精製なしで次のステップに用いた。
0℃の、TPP(360mg、1.37mmol)のTHF(10mL)溶液に、DIAD(0.27mL mg、1.37mmol)を加えた。5分後、THF(10mL)中(2R,4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(360mg、1.15mmol)を加えた。さらに5分後、酢酸(0.065mL、1.15mmol)を加え、反応を1.5時間撹拌した。次いでこれを、pH約7のバッファーでクエンチし、EtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮し、精製して、(2R,4S)-tert-ブチル4-アセトキシ-2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート300mgを得た。
K2CO3(350mg、2.53mmol)を、(2R,4S)-tert-ブチル4-アセトキシ-2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(300mg、1.15mmol)のMeOH(15mL)溶液に加え、2.5時間撹拌した。溶媒を全て蒸発させ、EtOAcで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機物をNa2SO4上で乾燥し、濃縮し、精製して、(2R,4S)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート260mg(収率87%)を得た。
0℃の、TPP(314mg、1.20mmol)のTHF(6mL)溶液に、DIAD(0.023mL mg、1.20mmol)を加えた。5分後、THF(6mL)中(2R,4S)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(260mg、1.0mmol)を加えた。さらに5分後、フェノール(0.065mL、1.15mmol)を加え、反応を12日間撹拌した。次いで、これをpH約7のバッファーでクエンチし、EtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮し、精製して、(2R,4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-フェノキシヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート100mg(収率23%)を得た。
Ba(OH)2・8H2O(315mg、1.0mmol)を、撹拌している(2R,4R)-tert-ブチル2-((4S,5S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-4-フェノキシピロリジン-1-カルボキシレート(100、0.22mmol)の1,4-ジオキサン/水(4ml:2ml)溶液に加えた。反応を105℃で加熱還流した。3時間後、反応を室温に冷却した。混合液をCH2Cl2/食塩水で希釈し、ろ過した。層を分離した。水層をCH2Cl2で抽出した(×1)。有機物を合わせNa2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-フェノキシヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート45mg(収率49%)を得た。
実施例1.7:ヒドロキシルアミン/イソフタレートカップリング
実施例1.7.1:(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
HOBT・H2O(0.0218g、0.16mmol、1.1eq)を、Ar下、0℃の、撹拌している(R)-3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸(0.0464g、0.15mmol、1eq)の無水CH2Cl23ml溶液に加えた。30分後、EDCI・HCl(0.0308g、0.16mmol、1.1eq)を加えた。2時間後、得られた溶液を、(4R)-tert-ブチル-2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.0625g、0.15mmol、1eq)及びDIPEA(0.064ml、0.047g、0.37mmol、2.5eq)の無水CH2Cl22ml溶液で処理した。反応を、0℃から室温で一夜撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を水でクエンチし、EtOAcで抽出した(×1)。有機層を水(×2)、食塩水(×1)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート0.0876g(0.12mmol、収率81%)を得た。
実施例1.7.2:(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-2-(3-(フルオロメチル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
撹拌している、(R)-3-(フルオロメチル)-5-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)安息香酸(131.3mg、0.3768mmol)及び(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(153mg、0.3589mmol)のDCM溶液に、室温で、トリエチルアミン(1mL、過剰)及びPy-BOP(205.4mg、0.3948mmol)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。次いで水を加え、反応混合液をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。このようにして得た粗製生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体の(2R,4R)-tert-ブチル-4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-2-(3-(フルオロメチル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(220mg)がもたらされた。
実施例1.7.3:(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)ベンズアミド) -3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
上記に記載した通常のカップリング手順にしたがって、3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)安息香酸(92.8mg、0.32mmol)及びアミノ-アルコール-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(102mg、0.32mmol)をカップリングさせて、淡黄色油状の(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(54.6mg、29%)がもたらされた。
実施例1.7.4: N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(アリルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド
撹拌している、(2R,4R)-tert-ブチル4-(アリルオキシ)-2-((4S,5S)-4-ベンジル-2,2-ジメチルオキサゾリジン-5-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート及び(R)-3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)安息香酸(63.5mg、0.15mmol)の無水塩化メチレン溶液に、PyBOP試薬(82.4mg、0.16mmol)及びトリエチルアミン(0.2mL、過剰)を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。次いで水を加え、反応混合液をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗製生成物を精製することにより、(2R,4R)-tert-ブチル4-(アリルオキシ)-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(50mg、44%)を得、これを室温でジオキサン(6mL)及びメタノール(0.5mL)中4MHCl中に溶解した。反応混合液を室温で16時間撹拌した。次いで、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を加え、混合液をクロロホルムで3回抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。このようにして得た粗製生成物を、塩基性アルミナカラムクロマトグラフィーによって精製した後、N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(アリルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミドがもたらされた。
実施例1.7.5:(2R,4R)-tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
撹拌している、(2R,4R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(552mg、1.64mmol)、(R)-3-(2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)安息香酸(723.6mg、1.723mmol)のDCM溶液に、トリエチルアミン(1mL、過剰)、EDCI(376.1mg、1.97mmol)及びHOBt(243.7mg、1.8mmol)を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。次いで、水を加え、反応混合液をクロロホルムで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮した。このようにして得た粗製生成物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の(2R,4R)-tert-ブチル4-ヒドロキシ-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(760mg、66%)がもたらされた。1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ: 8.483-8.255 (m, 2 H), 7.951-7.674 (m, 2 H), 7.262 (m, 6 H), 6.801 (s, 1 H), 5.632 (m, 0.7 H), 5.106 (m, 0.3 H), 4.375 (m, 2 H), 4.228-4.040 (m, 3 H), 3.684 (m, 1 H), 3.461 (m, 2 H), 3.262-2.893 (m, 2 H), 2.454 (s, 3 H), 2.387 (m, 1 H), 2.238-1.905 (m, 5 H), 1.455 (s, 6 H), 1.325 (s, 3 H)。
実施例1.8:カップリング後修飾
実施例1.8.1:N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド
Ar下、撹拌している、(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.0876g、0.12mmol、1eq)の無水MeOH0.5ml溶液を、1,4-ジオキサン中HCl(4.0M、0.5ml、2.0mmol、大過剰)で処理した。1時間後、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。得られた残渣を、NaHCO3飽和水溶液/CH2Cl2中撹拌した。30分後、層を分離した。有機層をNa2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションにより除去した。塩基性アルミナ上フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、0.0402g(0.064mmol、収率54%)のN-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドを得た。
実施例1.8.2: N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル) -3-フェニルプロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド
BBr3(CH2Cl2中1.0M、0.11ml、0.11mmol、3eq)を、Ar下、0℃で、撹拌している、(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(-3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.0264g、0.037mmol、1eq)の無水CH2Cl22ml溶液に加えた。40分後、反応をMeOH(1ml)でクエンチし、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を水で希釈し、1NHClでpH約2に調節し、CH2Cl2で抽出した(×2)。水層をNaHCO3飽和水溶液でpH>7に調節し、CH2Cl2中10%MeOHで抽出した(×3)。CH2Cl2中10%MeOHの分画を合わせ、Na2SO4上で乾燥した。無機物をろ去し、溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド0.0022g(0.004mmol、収率11%)を得た。
実施例1.8.3: N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド
0℃の、撹拌している、(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(50.8mg、0.09mmol)のCH2Cl2(5ml)溶液にTFA(1mL)を加えた。得られた溶液を室温まで温めながら4時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣をCHCl3及びNaHCO3飽和水溶液で希釈した。層を分離し、水層をCHCl3で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム中20%メタノール)によって精製してN1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミドがもたらされた。
実施例1.8.4:N-((1R,2S)-1-(2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-(フルオロメチル-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド
(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-2-(-3-(フルオロメチル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレートを、室温で、ジオキサン(6mL)及びメタノール(0.5mL)中4MHCl中に溶解した。反応混合液を室温で16時間撹拌した。次いで、炭酸ナトリウム飽和溶液を加え、混合液をクロロホルムで3回抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。このようにして得た粗製生成物を塩基性アルミナカラムクロマトグラフィーによって精製した後、最終化合物(145mg)がもたらされた。
実施例1.8.5: N1-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド
本明細書に記載する通常のカップリング手順にしたがい、3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)安息香酸(38mg、0.13mmol)及び(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-2-アミノ-3-(3,5-ジフルオロメチル)-1-ヒドロキシプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(48.5mg、0.13mmol)をカップリングして、淡黄色油状の(R)-tert-ブチル2(1S,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-2-(3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)ベンズアミド)プロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(76.6mg、94%)がもたらされた。
メタノール(1mL)中(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-2-(3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)ベンズアミド)プロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート(76mg、0.12mmol)を、0℃の、ジオキサン中HCl(4.0N、3mL)で処理した。得られた溶液を4時間撹拌し、室温まで温めた。溶媒を減圧下除去し、残渣をCHCl3及びNaHCO3飽和水溶液で希釈した。層を分離し、水層をCHCl3で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、オフホワイト固体のN1-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド(41mg、65%)がもたらされた。
(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート: 1H NMR (CDCl
3): δ 7.82-7.88 (m, 2H), 7.57-7.59 (m, 1H), 7.41-7.46 (m, 1H), 7.15-7.25 (m, 5H), 6.87 (s, 1H), 4.95 (m, 2H), 4.63 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.68 (m, 1H), 3.44-3.47 (m, 1H), 3.32-3.34 (m, 1H), 2.88-3.09 (m, 2H), 3.00 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 2.14 (m, 1H), 1.84-1.90 (m, 3H), 1.49 (s, 9H)
N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:(7.3 mg、18 %)(白色固体として)。
1H NMR (CDCl
3): δ 7.59 (m, 2H), 7.41-7.43 (m, 1H), 7.33-7.37 (m, 1H), 6.98-7.23 (m, 5H), 6.85 (s, 1H), 4.86 (m, 2H), 4.18 (m, 1H), 3.53 (m, 1H), 3.22-3.28 (m, 1H), 3.12-3.16 (m, 2H), 3.00 (m, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.64-2.72 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 1.81-2.07 (m, 4H).
(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート: 1H NMR (CDCl
3): δ 7.98 (s, 1H), 7.88-7.91 (m, 1H), 7.80-7.82 (m, 1H), 7.63-7.66 (m, 1H), 7.36-7.42 (m, 1H), 7.09-7.26 (m, 5H), 5.31-5.36 (m, 1H), 4.57 (m, 1H), 4.12-4.14 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 3.67-3.70 (m, 2H), 3.44-3.50 (m, 2H), 3.31 (m, 1H), 2.97-3.04 (m, 1H), 2.82-2.90 (m, 1H), 2.27-2.32 (m, 1H), 2.01-2.18 (m, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.82-1.94 (m, 4H), 1.48 (s, 9H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.78-7.84 (m, 2H), 7.67 (m, 1H), 7.45-7.47 (m, 1H), 7.01-7.23 (m, 6H), 5.21 (m, 2H), 4.24 (m, 2H), 3.73 (m, 2H), 3.55-3.61 (m, 1H), 3.26-3.37 (m, 2H), 3.06 (s, 2H), 2.87 (m, 1H), 2.22-2.26 (m, 1H), 1.76-2.06 (m, 7H).
(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-(N-メチルメチルスルホンアミド)-5-((R)-1-フェニルエチルカルバモイル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 8.129-7.974 (m, 3 H), 7.380-7.183 (m, 10 H), 5.323 (m, 1 H), 4.662 (m, 1 H), 4.026 (m, 1 H), 3.494 (m, 1 H), 3.349 (m, 5 H), 2.967 (m, 2 H), 2.869 (m, 3 H), 2.176 (m, 2 H), 1.900 (m, 2 H), 1.615 (m, 3 H), 1.542 (s, 9 H).
(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-メチル-5-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 7.847 (m, 1 H), 7.724 (m, 1 H), 7.528 (m, 1 H), 7.374-7.181 (m, 6 H), 5.406 (m, 0.75 H), 4.862 (m, 0.25 H), 4.607 (m, 1 H), 4.057 (m, 1 H), 3.871-3.712 (m, 2 H), 3.530 (m, 2 H), 3.368 (m, 1 H), 3.090-2.906 (m, 2 H), 2.410 (s, 3 H), 2.188 (s, 3 H), 2.365-1.812 (m, 8 H), 1.541 (s, 9 H).
(R)-tert-ブチル2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-(メチル((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)カルバモイル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 8.631 (s, 1 H), 8.352 (m, 2 H), 8.032 (s, 1 H), 7.757 (s, 1 H), 7.268 (m, 5 H), 6.934 (s, 1 H), 5.008 (s, 1.4 H), 4.695 (br, 1.6 H), 4.062 (m, 1 H), 3.730 (m, 1 H), 3.501 (m, 1 H), 3.396 (m, 1 H), 3.165-2.898 (m, 5 H), 2.485 (s, 3 H), 2.188 (m, 1 H), 1.897 (m, 3 H), 1.572 (s, 9 H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-メチル-5-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 7.670 (s, 1 H), 7.594 (s, 1 H), 7.476 (s, 1 H), 7.344-6.979 (m, 6 H), 5.354 (m, 0.79 H), 4.812 (m, 0.19 H), 4.374 (m, 1 H), 3.742 (m, 2 H), 3.463 (m, 1 H), 3.201 (m, 2 H), 3.016 (m, 2 H), 2.823 (m, 1 H), 2.371 (s, 3 H), 2.172 (s, 3 H), 2.246-1.702 (m, 8 H).
N1-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.85-7.50 (m, 3H), 7.42-7.04 (m, 13H), 6.95-6.72 (m, 2H), 4.97 (m, 1H), 4.65-4.39 (m, 4H), 4.11 (m, 1H), 3.80-3.68 (m, 1H), 3.50 (m, 2H), 3.26-2.90 (m, 7H), 2.48 (m, 3H), 2.18 (m, 2H).
N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.86-7.64 (m, 3H), 7.53-7.35 (m, 6H), 7.34-7.14 (m, 14H), 6.93 (m, 2H), 4.96 (m, 2H), 4.66 (m, 1H), 4.37 (m, 3H), 3.98 (m, 1H), 3.68 (m, 2H), 3.39-3.28 (m, 2H), 3.16-2.86 (m, 5H), 2.46 (s, 3H).
N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-(N-メチルメチルスルホンアミド)-N3-((R)-1-フェニルエチル)イソフタルアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 8.065 (s, 1 H), 7.910 (s, 1 H), 7.734 (s, 1 H), 7.380-7.122 (m, 10 H), 5.259 (m, 1 H), 4.348 (m, 1 H), 3.721 (m, 1 H), 3.234 (s, 3 H), 3.166 (m, 2 H), 2.946 (m, 2 H), 2.791 (s, 4 H), 1.855-1.675 (m, 4 H), 1.538 (d, J = 6.6 Hz, 3 H).
N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-5-(オキサゾール-5-イル)イソフタルアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.89 (m, 2H), 7.60-7.68 (m, 2H), 7.38 (m, 1H), 7.07-7.25 (m, 5H), 6.90 (s, 1H), 4.93 (m, 2H), 4.38 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 3.34-3.36 (m, 2H), 3.21-3.24 (m, 1H), 2.95-3.11 (m, 2H), 2.98 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 1.74-1.93 (m, 4H).
N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-5-(1H-ピロール-1-イル)イソフタルアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.54-7.72 (m, 2H), 7.35-7.41 (m, 1H), 7.15-7.25 (m, 5H), 7.00 (s, 2H), 6.90 (m, 1H), 6.31 (s, 2H), 4.93 (m, 2H), 4.36 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.17-3.27 (m, 2H), 2.89-3.09 (m, 3H), 2.97 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 1.77-1.85 (m, 4H).
3-(ジフルオロメチル)-N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 7.936 (s, 1 H), 7.818 (s, 1 H), 7.755 (s, 1 H), 7.247 (m, 5 H), 6.872 (s, 1 H), 6.614 (m, 1 H), 5.599 (m, 0.70 H), 5.042 (m, 0.30 H), 4.370 (m, 1 H), 3.775 (m, 2 H), 3.430 (m, 1 H), 3.204 (m, 2 H), 2.982 (m, 3 H), 2.452 (s, 3 H), 2.323 (m, 1 H), 2.093 (m, 1 H), 2.005-1.759 (m, 4 H).
N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)-5-(オキサゾール-2-イル)イソフタルアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 8.367-7.763 (m, 3 H), 7.265 (m, 7 H), 6.943 (s, 1 H), 4.987 (s, 1.3 H), 4.685 (br, 0.7 H), 4.395 (s, 1 H), 3.810 (m, 1 H), 3.271-3.147 (m, 3 H), 3.040 (s, 3 H), 3.005-2.848 (m, 2 H), 2.478 (s, 3 H), 1.943-1.712 (m, 4 H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.47 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 7.13-7.25 (m, 6H), 6.94 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.33 (m, 2H), 5.63 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.59-3.73 (m, 2H), 3.39-3.46 (m, 1H), 3.30-3.32 (m, 1H), 3.18-3.24 (m, 1H), 2.95-3.09 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.30-2.40 (m, 2H), 2.05-2.14 (m, 1H), 1.76-1.97 (m, 5H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 8.20-8.36 (m, 2H), 7.86-7.96 (m, 1H), 7.72-7.80 (m, 1H), 7.01-7.40 (m, 7H), 5.34-5.44 (m, 1H), 4.32- 4.54 (m, 1H), 3.64-4.00 (m, 3H), 3.50-3.61 (m, 1H), 2.82-3.40 (m, 5H), 2.03 (s, 3H), 2.00-2.44 (m, 2H), 1.64-2.02 (m, 6H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.82 (s, 1H), 7.69-7.50 (m, 2H), 7.42-7.19 (m, 11H), 6.60-6.58 (m, 1H), 5.39-5.35 (m, 0.6H), 4.80 (m, 0.2H), 4.58-4.38 (m, 3H), 4.09-4.08 (m, 1H), 3.85-3.66 (m, 2H), 3.51-3.36 (m, 2H), 3.21-3.03 (m, 3H), 2.84-2.79 (m, 1H), 2.40-1.89 (m, 8H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 8.18-8.32 (m, 2H), 7.84-7.92 (m, 1H), 7.72-7.80 (m, 1H), 7.01-7.40 (m, 5H), 6.80-6.88 ( m,1H), 5.34-5.44 (m, 1H), 4.32- 4.54 (m, 1H), 3.64-4.00 (m, 3H), 3.50-3.61 (m, 1H), 2.82-3.40 (m, 5H), 2.01 (s, 3H), 2.00-2.44 (m, 2H), 1.64-2.02 (m, 6H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(ピラジン-2-イル)ベンズアミド:1H NMR (300MHz, CDCl
3): δ 1.65-2.32 (m, 11H), 2.37-3.78 (m, 8H), 4.31-4.36 (m, 1H), 5.53-5.57 (m, 1H), 7.08-7.19 (m, 7H), 7.79-8.91 (m, 5H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(ピラジン-2-イル)ベンズアミド:1H NMR (300MHz, CDCl
3): δ 1.74-2.20 (m, 11H), 2.39-3.89(m, 8H), 4.30-4.34 (m, 1H), 5.37-5.40 (m, 1H), 7.14-7.30 (m, 6H), 7.63-9.01 (m, 6H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.80 (s, 1H), 7.67-7.54 (m, 2H), 7.45-7.19 (m, 12H), 6.81-6.68 (m, 1H), 6.48-6.19 (m, 1H), 5.69-5.65 (m, 0.7H), 5.09-5.07 (m, 0.2H), 4.59-4.50 (m, 2H), 4.40 (m, 1H), 3.80-3.61 (m, 2H), 3.50-3.35 (m, 2H), 3.20-3.06 (m, 3H), 2.84-2.80 (m, 1H), 2.47-2.32 (m, 5H), 2.20-2.06 (m, 4H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-(N-メチルメチルスルホンアミド)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD): δ 7.732-7.354 (m, 3 H), 7.181 (m, 5 H), 6.772, 6.648 (m, 1 H), 5.547 (m, 0.7 H), 5.100 (m, 0.3 H), 4.293 (m, 1 H), 3.713 (m, 2 H), 3.450 (m, 1 H), 3.236 (s, 3 H), 3.145 (m, 2 H), 2.916 (m, 3 H), 2.788 (s, 3 H), 2.403 (s, 3 H), 2.235 (m, 1 H), 2.064 (m, 2 H), 1.937-1.676 (m, 5 H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(ピリジン-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): δ 1.89-2.40 (m, 11H), 2.40-4.09(m, 8H), 4.65-4.69 (m, 1H), 5.43-5.46 (m, 1H), 7.11-7.34 (m, 7H), 7.78-8.70 (m, 6H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 7.66-7.52 (m, 2H), 7.42-7.18 (m, 14H), 7.02-6.74 (m, 4H), 6.38-6.32 (m, 2H), 5.68-5.64 (m, 0.7H), 5.11-5.08 (m, 0.3H), 4.60-4.40 (m, 3H), 4.19-4.12 (m, 2H), 3.91 (m, 1H), 3.68 (m, 2H), 3.50-3.41 (m, 4H), 3.23-3.07 (m, 3H), 2.88-2.85 (m, 1H), 2.49-2.30 (m, 5H), 2.18-1.87 (m, 7H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.46 (m, 2H), 7.36 (m, 1H), 7.32 (m, 1H), 7.12-7.27 (m, 5H), 6.92 (m, 2H), 6.30 (m, 2H),5.33 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.61-3.80(m, 3H), 3.41-3.43 (m, 1H), 3.15-3.24 (m, 2H), 2.89-3.06 (m, 2H), 2.31-2.38 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.04-2.13 (m, 1H), 1.75-1.94 (m, 6H).
N1-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-5-(N-メチルメチルスルホンアミド)-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD): δ 8.255-7.621 (m, 3 H), 7.217 (m, 5 H), 6.925 (s, 1 H), 4.956 (s, 1.2 H), 4.674 (br, 0.8H), 4.360 (m, 1 H), 3.864 (m, 1 H), 3.335 (s, 3 H), 3.443-3.200 (m, 2 H), 3.054 (s, 3 H), 3.118-2.951(m, 2 H), 2.891 (s, 3 H), 2.842 (m, 1 H), 2.472 (s, 3 H), 1.919 (m, 4 H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-(N-メチルメチルスルホンアミド)-5-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD): δ 7.789-7.433 (m, 3 H), 7.200 (m, 6 H), 5.313 (m, 0.7 H), 4.901 (m, 0.3H), 4.321 (m, 1 H), 3.783 (m, 2 H), 3.496 (m, 1 H), 3.283 (s, 3 H), 3.246 (m, 2 H), 2.984 (m, 2 H), 2.838 (s, 3 H), 2.802 (m, 1 H), 2.373 (m, 1 H), 2.161 (s, 3 H), 2.083 (m, 2 H), 1.908 (m, 2 H), 1.787 (m, 3 H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((2R,5S)-5-フェニルピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.90-7.84 (m, 1H), 7.70-7.60 (m, 2H), 7.42-7.21 (m, 12H), 6.82-6.36 (m, 2H), 5.67-5.63 (m, 0.7H), 5.11-5.09 (m, 0.2H), 4.51-4.47 (m, 1H), 4.23-4.18 (m, 1H), 3.96-3.66 (m, 3H), 3.51-3.46 (m, 2H), 3.28-3.08 (m, 2H), 2.47-2.33 (m, 5H), 2.28-1.90 (m, 5H), 1.80-1.67 (m, 1H).
2',4'-ジフルオロ-N3-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N5-メチル-N5-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)ビフェニル-3,5-ジカルボキサミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.76 (m, 2H), 7.66 (m, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.09-7.32 (m, 5H), 6.86-6.94 (m, 4H), 4.89 (m, 2H), 4.37 (m, 1H), 3.64-3.68 (m, 1H), 3.13-3.21 (m, 2H), 2.99 (s, 3H), 2.89-3.04 (m, 2H), 2.77-2.83 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 1.64-1.85 (m, 4H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((2S,5R)-5-フェニルピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.78 (m, 1H), 7.67-7.60 (m, 2H), 7.48-7.19 (m, 13H), 6.79-6.61 (m, 1H), 6.38-6.08 (m, 1H), 5.67-5.62 (m, 0.7H), 5.05-5.02 (m, 0.2H), 4.32-4.22 (m, 2H), 3.88 (m, 1H), 3.69-3.62 (m, 1H), 3.47-3.16 (m, 5H), 3.05-2.98 (m, 1H), 2.48-2.20 (m, 5H), 2.14-1.85 (m, 5H), 1.76-1.63 (m, 1H).
3-フルオロ-N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.51 (s, 1H), 7.13-7.26 (m, 7H), 6.77 (s, 1H), 5.54-5.59 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 3.60-3.66 (m, 2H), 3.38 (m, 1H), 3.11-3.16 (m, 2H), 2.92-2.99 (m, 2H), 2.79-2.85 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.28-2.39 (m, 2H), 2.02-2.09 (m, 1H), 1.82-1.91 (m, 1H), 1.70-1.74 (m, 4H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-モルホリノベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): δ 1.82-2.41 (m, 11H), 2.80-3.90(m, 16H), 4.26-4.30 (m, 1H), 5.46-5.49 (m, 1H), 6.76-7.37 (m, 9H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-メトキシ-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:1H NMR (CDCl
3): δ 7.06-7.25 (m, 8H), 6.75 (s, 1H), 5.55-5.59 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.57-3.65 (m, 2H), 3.37-3.41 (m, 1H), 3.10-3.22 (m, 2H), 2.89-3.03 (m, 2H), 2.76-2.78 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.24-2.34 (m, 2H), 1.99-2.05 (m, 1H), 1.80-1.91 (m, 1H), 1.63-1.78 (m, 4H).
(2R,4R)-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-((1S,2S)-2-(3-(フルオロメチル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3), δ: 8.147-7.852 (m, 3 H), 7.406 (m,10 H), 6.961, 6.879 (br, 1 H), 5.804-5.267 (m, 3 H), 4.813-4.596 (m, 3 H), 4.439-4.060 (m, 3 H), 3.907-3.596 (m, 3 H), 3.372 (m, 1 H), 3.102 (m, 1 H), 2.611 (s, 3 H), 2.648-2.469 (m, 3 H), 2.219 (m, 2 H), 2.092 (m, 1 H), 1.627 (s, 9H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-(フルオロメチル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 7.728-7.590 (m, 3 H), 7.405-7.084 (m, 10 H), 6.728 (m, 1 H), 5.623 (m, 0.5 H), 5.416 (s, 0.6 H), 5.287 (m, 0.8 H), 5.127 (s, 0.2 H), 4.520 (m, 2 H), 4.370 (m, 1 H), 4.059 (m, 1 H), 3.656 (m, 2 H), 3.364 (m,2 H), 3.210-3.024 (m, 3 H), 2.799 (m, 1 H), 2.442 (s, 3 H), 2.442-2.296 (m, 2 H), 2.184-1.821 (m, 4 H).
(2R,4S)-tert-ブチル4-フルオロ-2-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-2-(3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド)-3-フェニルプロピル)ピロリジン-1-カルボキシレート
N-((1R,2S)-1-((2R,4S)-4-フルオロピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 8.12 (s, 2H), 7.80 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.20-7.11 (m, 6H), 6.88-6.84 (m,1H), 6.80 (s, 1H), 5.66-5.60 (m, 1H), 5.32-5.24 (m, 0.5H), 5.12-5.06 (m, 0.5H), 4.64- 4.34 (m, 1H), 3.74-3.50 (m, 3H), 3.50-3.32 (m, 1H), 3.32-2.90 (m, 4H), 2.44-1.82 (m, 11H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(2-オキソピロリジン-1-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.13 (s, 1H), 7.78-7.44 (m, 2H), 7.29-7.04 (m, 8H), 6.78-6.63 (m, 1H), 5.62-5.58 (m, 0.7H), 5.08-5.06 (m, 0.2H), 4.37 (m, 1H), 3.89-3.41 (m, 6H), 3.19-2.83 (m, 6H), 2.64-2.54 (m, 2H), 2.43-2.27 (m, 5H), 2.13-2.03 (m, 4H), 1.93-1.70 (m, 5H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.76 (s, 1H), 7.57-7.63 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.16-7.23 (m, 6H), 6.75 (m, 1H), 5.60 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 3.60-3.66 (m, 2H), 3.39-3.43 (m, 1H), 3.00-3.22 (m, 4H), 2.91 (m, 1H), 2.83 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.27-2.36 (m, 2H), 2.02 (m, 1H), 1.67-1.93 (m, 3H).
N1-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.72 (m, 2H), 7.48 (m, 1H), 7.34-7.40 (m, 1H), 6.79-6.96 (m, 4H), 6.54-6.60 (m, 1H), 4.61-4.91 (m, 2H), 4.36 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 2.81-3.19 (m, 8H), 2.42 (s, 3H), 1.66-1.85 (m, 4H).
3-(ジメチルアミノ)-N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.30-7.14 (m, 6H), 6.98 (s, 1H), 6.90-6.68 (m, 3H), 6.63-6.54 (m, 1H), 5.61-5.57 (m, 0.7H), 5.05-5.03 (m, 0.3H), 4.34 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 3.61-3.56 (m, 2H), 3.45-3.37 (m, 1H), 3.20-3.00 (m, 4H), 2.97-2.73 (m, 9H), 2.42-2.32 (m, 5H), 2.10-1.99 (m, 2H), 1.92-1.71 (m, 5H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-3'-(トリフルオロメチル)ビフェニル-3-カルボキサミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.68-2.38 (m, 11H), 2.42-3.18 (m, 5H), 3.22-3.45 (m, 1H), 3.47-3.68 (m, 2H), 4.26-4.41 (m, 1H), 5.60-5.64 (m, 1H), 6.77 (s, 1H), 7.18-7.79 (m, 12H).
N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.80 (s, 1H), 7.56-7.64 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 6.78-6.83 (m, 3H), 6.61 (m, 1H), 5.60-5.65 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 3.65-3.71 (m, 3H), 3.45-3.48 (m, 1H), 3.14-3.23 (m, 2H), 2.85-3.03 (m, 3H), 2.44 (s, 3H), 2.32-2.41 (m, 2H), 2.04-2.11 (m, 1H0, 1.73-1.95 (m, 3H).
N-((1R,2R)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-(フルオロメチル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.86-7.80 (m, 1H), 7.70-7.57 (m, 2H), 7.33-7.16 (m, 11H), 6.96-6.91 (m, 1H), 6.79-6.62 (m, 1H), 5.65-5.60 (m, 0.6H), 5.45-5.15 (m, 2H), 5.05-5.03 (m, 0.2H), 4.63-4.40 (m, 3H), 4.03-4.01 (m, 1H), 3.74-3.64 (m, 2H), 3.49-3.41 (m, 1H), 3.16-2.84 (m, 5H), 2.44-2.31 (m, 5H), 2.05-1.82 (m, 6H).
3-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.72-2.42 (m, 15H), 2.85-3.90(m, 12H), 4.36-4.41 (m, 1H), 5.60-5.64 (m, 1H), 6.81 (s, 1H), 7.09-7.31 (m, 8H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4S)-4-フルオロピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.80-7.72 (m, 1H), 7.70-7.50 (m, 2H), 7.44-7.32 (m, 1H), 7.32-7.10 (m, 5H), 6.75 ( s, 1H), 6.32 ( d, J = 7.0 Hz 1H) 5.63-5.58 (m, 1H), 5.26-5.22 (m, 0.5H), 5.08-5.02 (m, 0.5H), 4.38-4.20 (m, 1H), 3.86-3.38 (m, 4H), 3.24-2.82 (m, 4H), 2.42-2.12 (m, 5H), 2.10-1.72 (m, 4H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((S)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.81 (s, 1H), 7.70-7.65 (m, 2H), 7.46-7.41 (m, 1H), 7.32-7.18 (m, 8H), 6.78-6.64 (m, 1H), 6.54-6.23(m, 1H), 5.66-5.62 (m, 0.7H), 5.06-5.05 (m, 0.2H), 4.34 (m, 1H), 3.72-3.63 (m, 1H), 3.48-3.40 (m, 1H), 3.32-3.28 (m, 2H), 3.15-2.90 (m, 5H), 2.44-2.29 (m, 6H), 2.14-2.03 (m, 2H), 1.96-1.67 (m, 6H).
N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 8.14 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.86-6.90 (m, 2H), 6.78 (m, 1H), 6.54-6.57 (m, 1H), 5.60-5.64 (m, 1H), 4.35 (m, 1H), 3.63-3.70 (m, 2H), 3.16-3.39 (m, 3H), 2.86-3.04 (m, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.32-2.38 (m, 1H), 2.04-2.10 (m, 1H), 1.88-1.94 (m, 2H), 1.73-1.78 (m, 4H).
3-シクロプロピル-N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 0.65-0.98 (m, 4H), 1.72-2.43 (m, 12H), 2.80-3.20(m, 5H), 3.38-3.42 (m, 1H), 3.52-3.64 (m, 2H), 4.32-4.41 (m, 1H), 5.60-5.64 (m, 1H), 6.79 (s, 1H), 7.19-7.38 (m, 7H), 7.49 (s, 1H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,5R)-5-メチルピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.77 (s, 1H), 7.65-7.59 (m, 2H), 7.40-7.16 (m, 8H), 6.77-6.64 (m, 1H), 6.46-6.15 (m, 1H), 5.63-5.59 (m, 0.8H), 5.05-5.03 (m, 0.2H), 4.42-4.32 (m, 1H), 3.70-3.62 (m, 1H), 3.55-3.39 (m, 2H), 3.23-2.99 (m, 5H), 2.42-2.29 (m, 6H), 2.13-2.01 (m, 2H), 1.96-1.80 (m, 5H), 1.32-1.16 (m, 2H), 1.10 (d, 3H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 8.22-8.23 (m, 2H), 7.81 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.19-7.34 (m, 9H), 6.77 (s, 1H), 5.62 (m, 1H), 4.44-4.56 (m, 2H), 4.39 (m, 1H0, 4.03 (m, 1H), 3.65-3.68 (m, 2H), 3.38-3.42 (m, 2H), 3.02-3.17 (m, 3H), 2.70-2.76 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.35-2.38 (m, 1H), 2.03-2.11 (m, 4H), 1.93 (m, 1H).
N-((1R,2S)-3-(3-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.77 (s, 1H), 7.52-7.60 (m, 2H), 7.27-7.32 (m, 1H), 7.07-7.18 (m, 2H), 6.92-6.99 (m, 2H), 6.78-6.83 (m, 1H), 5.56-5.58 (m, 1H), 4.33 (m, 1H), 3.58-3.80 (m, 2H), 3.39-3.43 (m, 1H0, 3.08-3.13 (m, 2H), 2.86-2.98 (m, 2H), 2.77-2.82 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.27-2.35 (m, 2H), 1.99-2.03 (m, 1H), 1.64-1.71 (m, 3H).
N1-((1R,2S)-3-(3-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.64-7.70 (m, 2H), 7.48 (m, 1H), 7.31-7.36 (m, 1H), 7.10-7.17 (m, 1H), 6.94-7.00 (m, 3H), 6.80-6.85 (m, 2H), 4.61-4.88 (m, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.60-3.64 (m, 1H), 3.09-3.16 (m, 2H), 2.85-3.00 (m, 5H), 2.76-2.81 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.83 (m, 1H), 1.64-1.70 (m, 3H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-ニトロベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.73-2.42 (m, 11H), 2.83-3.27(m, 5H), 3.26-3.28 (m, 1H), 3.67-3.72 (m, 2H), 4.33-4.48 (m, 1H), 5.57-5.61 (m, 1H), 6.79 (s, 1H), 7.16-7.33(m, 5H), 8.11 (s, 1H), 8.35-8.41 (m, 2H).
3-クロロ-N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.68-2.43 (m, 11H), 2.85-3.22 (m, 5H), 3.38-3.46 (m, 1H), 3.59-3.83 (m, 2H), 4.28-4.44 (m, 1H), 5.57-5.62 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 7.17-7.32 (m, 6H), 7.30-7.61 (m, 2H).
N-((1S,2S)-1-((S)-3,3-ジフルオロピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.71 (s, 1H), 7.56-7.59 (m, 2H), 7.32-7.37 (m, 1H), 7.22-7.25 (m, 5H), 6.78 (s, 1H), 5.59-5.62 (m, 1H), 4.28 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 3.61-3.65 (m, 2H), 3.41-3.46 (m, 2H), 3.01-3.26 (m, 4H), 2.28-2.43 (m, 6H), 2.07 (m, 1H), 1.93 (m, 1H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,5R)-5-メチルピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.61-7.48 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 7.28-7.12 (m, 7H), 6.94 (s, 2H), 6.80-6.70 (m, 2H), 6.39-6.28 (m, 2H), 5.64-5.59 (m, 0.7H), 5.06-5.04 (m, 0.3H), 4.38-4.37 (m, 1H), 3.68-3.55 (m, 2H), 3.45-3.37 (m, 1H), 3.29-3.01 (m, 5H), 2.45-2.30 (m, 6H), 2.13-2.05 (m, 2H), 1.98-1.85 (m, 4H), 1.35-1.25 (m, 2H), 1.13 (d, 3H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4S)-4-フルオロピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(1H-ピロール-1-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.46-7.30 (m, 2H), 7.29-7.11 (m, 7H), 6.88-6.77 (m, 3H), 6.70-6.62 (m, 1H), 6.33-6.28 (m, 2H), 5.63-5.59 (m, 0.7H), 5.30 (m, 0.5H), 5.12-5.03 (m, 0.7H), 4.36-4.35 (m, 1H), 3.74-3.54 (m, 3H), 3.43-3.35 (m, 1H), 3.27-2.96 (m, 4H), 2.45-2.29 (m, 8H), 2.18-2.00 (m, 2H), 1.95-1.84 (m, 1H).
N1-((1R,2S)-1-((2R,4S)-4-フルオロピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.80-7.40 (m, 4H), 7.30-7.16 (m, 5H), 6.92-6.80 (m, 1H), 6.36 ( d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.26-5.22 (m, 0.5H), 5.08-5.02 (m, 0.5H), 5.00-4.92 (m, 1H), 4.38-4.30 (m, 1H), 3.70-3.52 (m, 2H), 3.24-2.90 (m, 6H), 2.40 ( s, 3H), 2.42-2.12 (m, 5H).
N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-2-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)イソニコチンアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ8.59-8.61 (m, 1H), 8.24-8.25 (m, 1H), 7.92-7.99 (m, 1H), 7.57-7.59 (m, 1H), 6.73-6.86 (m, 4H), 6.59-6.66 (m, 1H), 5.61-5.65 (m, 1H), 4.27-4.41 (m, 1H), 3.76-3.97 (m, 1H), 3.55-3.76 (m, 2H), 3.40-3.49 (m, 1H), 3.21-3.33 (m, 1H), 2.84-3.21 (m, 4H), 2.43 (s, 3H), 2.31-2.48 (m, 1H), 1.90-2.27 (m, 1H), 1.63-1.90 (m, 6H).
3-シクロプロピル-N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 0.62-0.99 (m, 4H), 1.52-2.20 (m, 6H), 2.29-2.41 (m, 5H), 2.72-3.81(m, 9H), 4.22-4.38 (m, 1H), 5.51-5.61 (m, 1H), 6.52-6.67 (m, 5H), 7.30-7.54 (m, 2H).
N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(ピラジン-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.72-2.42 (m, 11H), 2.88-3.24 (m, 3H), 3.46-3.94 (m, 5H), 4.32-4.42 (m, 1H), 5.58-5.63 (m, 1H), 6.55-6.85 (m, 3H), 7.16-7.26 (m, 1H), 7.92 (s, 1H), 8.17-8.23 (m, 2H), 8.50-8.55 (m, 2H), 8.98 (s, 1H).
N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-メチル-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 8.50 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.18-8.02 (m, 1H), 7.80-7.22 (m, 4H), 6.58-6.40 (m, 1H), 5.32-5.20 (m, 1H), 4.80-4.40 (m, 2H), 4.40-4.32 (m, 1H), 4.20-3.98 ( m, 2H), 3.96-3.60 (m, 3H), 3.33 ( s, 3H), 3.20 ( s, 3H), 3.28-2.86 (m, 4H), 2.86-2.50 (m, 6H).
N-((1R,2S)-3-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.75 (s, 1H), 7.57-7.62 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.16-7.21 (m, 2H), 6.87-6.93 (m, 2H), 6.77 (s, 1H), 5.58-5.61 (m, 1H), 4.32 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 3.59-3.67 (m, 2H), 3.41-3.44 (m, 1H), 3.08-3.21 (m, 2H), 2.81-3.00 (m, 4H), 2.42 (s, 3H), 2.29-2.38 (m, 2H), 2.02-2.07 (m, 1H), 1.80-1.92 (m, 1H), 1.66-1.78 (m, 2H).
N1-((1R,2S)-3-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-N3-メチル-N3-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチル)イソフタルアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.66-7.72 (m, 2H), 7.46-7.50 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.16-7.21 (m, 2H), 6.85-6.91 (m, 4H), 4.60-4.90 (m, 2H0, 4.35 (m, 1H), 3.62-3.66 (m, 1H), 3.10-3.20 (m, 2H), 2.90-2.97 (m, 5H), 2.80-2.88 (m, 1H), 2.43 (m, 3H), 1.84-1.87 (m, 1H), 1.66-1.72 (m, 3H).
N-((1R,2S)-1-((R)-5,5-ジメチルピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.84 (s, 1H), 7.70-7.61 (m, 2H), 7.45-7.40 (m, 1H), 7.37-7.16 (m, 7H), 6.78-6.65 (m, 1H), 6.28-6.04 (m, 1H), 5.65-5.61 (m, 0.7H), 5.08 (m, 0.2H), 4.34-4.37 (m, 1H), 3.73-3.65 (m, 1H), 3.51-3.43 (m, 3H), 3.15-3.09 (m, 2H), 2.44-2.30 (m, 6H), 2.15-2.04 (m, 3H), 1.93-1.88 (m, 3H), 1.66-1.50 (m, 2H), 1.28-1.13 (m, 6H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-(メチルスルホニル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.62-2.16 (m, 6H), 2.21-2.42(m, 5H), 2.78-3.12 (m, 8H), 3.26-3.41 (m, 1H), 3.62-3.78(m, 2H), 4.31-4.36 (m, 1H), 5.53-5.57 (m, 1H), 6.81 (s, 1H), 7.12-7.38(m, 5H), 8.12-8.21 (m, 3H).
N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3), δ: 8.200 (m, 2 H), 7.92 (m, 1 H), 7.680 (m, 1 H), 7.293 (s, 1 H), 7.166 (m, 1 H), 6.828 (m, 2 H), 6.529 (m, 1 H), 5.307 (m, 0.7 H), 4.757 (m, 0.3 H), 4.331 (m, 1 H), 3.704 (m, 2 H), 3.475 (m, 2 H), 3.166 (m, 2 H), 2.923 (m, 1 H), 2.785 (m, 1 H), 2.329 (m, 1 H), 2.107 (m, 4 H), 1.852 (m, 3 H), 1.713 (m, 3 H).
N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(アリルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3), δ: 8.344 (s, 1 H), 8.248 (s, 1 H), 7.873 (s, 1 H), 7.723 (s, 1 H), 7.259-7.089 (m, 6 H), 6.782 (s, 0.8 H), 6.646 (s, 0.2 H), 5.878 (m, 1 H), 5.577 (m, 0.7 H), 5.277-5.075 (m, 2.3 H), 4.329 (m, 1 H), 4.019-3.828 (m, 3 H), 3.703 (m, 2 H), 3.485-3.341 (m, 1 H), 3.221 (m, 2 H), 3.073 (m, 1 H), 2.917 (m, 1 H), 2.674 (m, 2 H), 2.410 (s, 3 H), 2.294 (m, 1 H), 2.136-1.863 (m, 4 H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-ヨード-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.61-2.16 (m, 6H), 2.21-2.40(m, 5H), 2.78-3.16 (m, 5H), 3.24-3.40 (m, 1H), 3.56-3.70 (m, 2H), 4.22-4.40 (br s, 1H), 5.42-5.56 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 7.13-7.22(m, 5H), 7.60 (s, 1H), 7.75-7.82 (m, 2H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.61-2.18 (m, 6H), 2.21-2.42(m, 5H), 2.81-3.21 (m, 5H), 3.32-3.42 (m, 1H), 3.62-3.76 (m, 2H), 4.24-4.40 (br s, 1H), 5.56-5.61 (m, 1H), 6.81 (s, 1H), 7.12-7.38(m, 5H), 7.80 (br s, 2H), 7.88 (s, 1H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.91 (s, 1H), 7.68-7.60 (m, 3H), 7.46-7.32 (m, 7H), 7.11-6.88 (m, 2H), 5.81-5.77 (m, 0.7H), 5.20-5.18 (m, 0.3H), 4.58 (m, 1H), 3.88-3.85 (m, 3H), 3.64-3.60 (m, 1H), 3.45-3.03 (m, 8H), 2.63-2.46 (m, 6H), 2.35-2.24 (m, 2H), 2.17-1.89 (m, 7H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-フェノキシピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.78 (s, 1H), 7.69-7.62 (m, 2H), 7.44-7.38 (m,1H), 7.38-7.18 ( m, 7H), 6.98-6.80 (m, 3H), 6.80 ( s, 1H), 6.56-6.40 (m,1H), 5.68-5.60 ( m, 1H), 4.84-4.78 (m, 1H), 4.42-4.24 (m, 1H), 3.96-3.60 (m, 2H), 3.51-3.20 (m, 3H), 3.20-2.92 (m, 3H), 2.44( s, 3H), 2.44-2.24 (m, 3H), 2.16-1.80 (m, 5H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド。
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((2R,4R)-4-プロポキシピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl3+CD3OD), δ: 8.309 (m, 2 H), 7.724 (m, 1 H), 7.208 (m, 6 H), 6.786 (s, 0.9 H), 6.652 (s, 0.1 H), 5.581 (m, 0.8 H), 5.084 (m, 0.2 H), 4.326 (m, 1 H), 3.942 (m, 1 H), 3.749-3.608 (m, 2 H), 3.496-3.194 (m, 5 H), 3.091 (m, 1 H), 2.934 (m, 1 H), 2.676-2.259 (m, 3 H), 2.415 (s, 3 H), 2.099-1.864 (m, 4 H), 1.575 (m, 2 H), 0.898 (t, 3 H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-(1H-イミダゾール-1-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.98-2.45 (m, 11H), 3.02-3.98 (m, 8H), 4.43-4.58 (m, 1H), 5.56-5.60 (m, 1H), 6.81 (s, 1H), 7.12-7.42 (m, 8H), 7.62-7.80 (m, 3H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(チアジナニル-S,S-ジオキシド)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.62-2.40 (m, 15H), 2.76-3.79 (m, 12H), 4.24-4.38 (m, 1H), 5.56-5.60 (m, 1H), 6.81 (s, 1H), 7.13-7.42 (m, 5H), 7.60-7.78(m, 3H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-フェノキシピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ8.20-8.28 (m, 2H), 7.8 ( s, 1H), 7.72 ( s, 1H), 7.38-7.12 ( m, 8H), 6.98-6.78 (m, 3H), 6.80 ( s, 1H), 5.68-5.60 ( m, 1H), 4.84-4.78 (m, 1H), 4.44-4.32 (m, 1H), 3.96-3.60 (m, 2H), 3.48-2.96 (m, 5H), 2.46( s, 3H), 2.46-2.28 (m, 2H), 2.20-1.80 (m, 5H).
N-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (CDCl
3): δ 7.99 (s, 1H), 7.48-7.82 (m, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.16-7.28 (m, 6H), 6.94 (d, 1H), 6.75 (m, 1H), 5.63 (m, 1H), 4.37 (m, 1H), 2.80-3.94 (m, 9H), 2.71 (m, 1H), 2.21-2.50 (m, 5H), 1.48-2.19 (m, 4H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-メトキシピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ8.30-8.16 (m, 2H), 7.92-7.83 (m, 1H), 7.71-7.54 (m, 1H), 7.32-7.18 (m, 7H), 6.91-6.61 (m, 2H), 5.65-5.61 (m, 0.7H), 5.06-5.03 (m, 0.2H), 4.36-4.35 (m, 1H), 3.93-3.84 (m, 2H), 3.69-3.55 (m, 2H), 3.44-3.38 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.25-3.04 (m, 3H), 2.71-2.67 (m, 1H), 2.44-2.32 (m, 5H), 2.22 (s, 1H), 2.16-1.87 (m, 5H).
N-((1S,2S)-1-ヒドロキシ-1-((2R,4R)-4-メトキシピロリジン-2-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.79 (s, 1H), 7.66-7.51 (m, 2H), 7.44-7.39 (m, 1H), 7.34-7.18 (m, 7H), 6.78-6.66 (m, 1H), 6.37-6.12 (m, 1H), 5.65-5.61 (m, 0.7H), 5.07-5.05 (m, 0.2H), 4.39-4.31 (m, 1H), 3.89 (m, 1H), 3.70-3.55 (m, 3H), 3.48-3.32 (m, 5H), 3.18-3.04 (m, 3H), 2.79-2.74 (m, 1H), 2.44-2.29 (m, 6H), 2.14-1.83 (m, 5H).
N-((1R,2S)-1-((R)-4,4-ジフルオロピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(オキサゾール-2-イル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3+CD
3OD), δ: 8.193 (m, 2 H), 7.720 (m, 1 H), 7.221 (m, 6 H), 6.799 (s, 0.9 H), 6.634 (s, 0.1 H), 5.577 (m, 0.8 H), 5.037 (m, 0.2 H), 4.303 (m, 1 H), 3.829-3.588 (m, 2 H), 3.521-3.359 (m, 2 H), 3.308-2.873 (m, 4 H), 2.505-2.192 (m, 4 H), 2.419 (s, 3 H), 2.056 (m, 2 H), 1.912 (m, 2 H).
3-クロロ-N-((1R,2S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.72-2.36 (m, 6H), 2.27-2.41 (m, 5H), 2.46-2.97 (m, 5H), 3.38-3.45 (m, 1H), 3.56-3.72 (m, 2H), 4.28-4.44 (m, 1H), 5.52-5.58 (m, 1H), 7.40-7.60 (m, 7H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300MHz, CDCl
3): 1.64-2.08 (m, 6H), 2.08-2.39 (m, 4H), 2.42-3.21 (m, 5H), 3.40-3.46 (m, 1H), 3.44-3.66 (m, 2H), 3.64-3.90 (m, 4H), 4.34-4.44 (m, 1H), 5.57-5.62 (m, 1H), 6.78 (s, 1H), 7.22-7.33 (m, 7H), 7.38-7.68 (m, 3H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((2R,4R)-4-(ピリジン-2-イルオキシ)ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミド:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ8.16 (m, 1H), 7.78 ( s, 1H), 7.69-7.48 (m, 2H), 7.44-7.38 (m,1H), 7.38-7.16 ( m, 6H), 6.88-6.60 (m, 3H), 6.40 ( m, 1H), 5.66-5.60 ( m, 1H), 5.46-5.40 ( m, 1H), 4.44-4.24 (m, 1H), 3.94-3.60 (m, 2H), 3.51-3.20 (m, 2H), 3.20-3.01 (m, 4H), 2.44( s, 3H), 2.44-2.22 (m, 3H), 2.16-1.80 (m, 4H).
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(チアジナニル-S,S-ジオキシド)ベンズアミド。
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-(5-フルオロフェニル)-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(チアジナニル-S,S-ジオキシド)ベンズアミド。
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-フェニル-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-([1,2]チアゾリジル-S,S-ジオキシド)ベンズアミド。
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-([1,2]チアゾリジル-S,S-ジオキシド)ベンズアミド。
N-((1R,2S)-1-ヒドロキシ-3-(5-フルオロフェニル)-1-((R)-ピロリジン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-([1,2]チアゾリジル-S,S-ジオキシド)ベンズアミド。
メマプシン2β-セクレターゼ活性の阻害
化合物の、メマプシン2の蛍光基質に対する活性の阻害を測定することにより、化合物の効力を決定した。Ermolieffらが記載した手順を用いて、動力学的な阻害実験を行った(Biochemistry、39巻、12450〜12456頁(2000年)、その教示は、全文が本明細書に組み入れられる)。簡潔に述べると、pH4、37℃で、メマプシン2酵素を化合物と20分間プレインキュベートすることにより、アッセイを行った。活性の測定を、蛍光性基質であるFS-2(Bachem Americas、Torrance、カリフォルニア州)MCA-SEVNLDAEFR-DNP(配列番号2)を加えることにより開始した。基質は、β-セクレターゼ切断部位にSwedish変異のアミノ酸を有する、ヒトアミロイド前駆タンパク質(APP)の10個のアミノ酸に由来するものであった。末端のアミノ酸をアルギニンからリジンに改変して、自己蛍光による検出のための官能基での誘導体化を促進した。基質の「コア」のペプチドのアミノ酸配列は、SEVNLDAEFK(配列番号3)である。アミノ末端を(7-メトキシクマリン-4-イル)アセチル(MCA)で誘導体化し、末端残基のリジン側鎖のイプシロンアミン(配列SEVNLDAEFK(配列番号3)におけるK)を、2,4-ジニトロフェニル(DNP)で誘導体化した。結果を表1に示す(「M2 Ki」)。
表1及び2では、M2 Kiのデータでは、「+」は、Kiが750nMを超えることを示し、「++」はKiが750nmから250nmまでであることを示し、「+++」はKiが250nm未満であることを示す。M2 IC50のデータでは、「+」は、IC50が1000nMを超えることを示し、「++」はIC50が1000nMから500nMまでであることを示し、「+++」はIC50が500nM未満であることを示す。CD Ki及びM1 Kiのデータでは、「+」は、Kiが>500nMを超えることを表し、「++」はKiが500nmから300nmまでであることを表し、「+++」はKiが300nm未満であることを表す。CYP3A4 Kiデータでは、「-」はKiが1μM未満であることを表し、「+」は、Kiが1μMを超え5μM未満であることを表し、「++」はKiが5μMから10μMまでであることを表し、「+++」はKiが10μMを超えることを表す。in vivoのクリアランスデータ(HLM CL)では、「+」は、クリアランス値が700mL/分/kgを超えることを表し、「++」はクリアランス値が700mL/分/kgから400mL/分/kgであることを表し、「+++」はクリアランス値が400 mL/分/kg未満であることを表す。例えば、N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルオキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)ベンズアミドは、M2 Ki=50.38nM、M2 IC50=290.7nM、CYP3A4 Ki=11.5μM、及びHLM CL=337の値を有し、表1においてそれぞれ「+++」、「+++」、「+++」、及び「+++」と表される。さらなる一例において、N-((1R,2S)-1-((2R,4R)-4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-2-イル)-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン-2-イル)-3-((R)-2-(4-メチルチアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボニル)-5-(1H-ピロール-1-イル)ベンズアミドは、M2 Ki=9.21nM、M2 IC50=55.6nM、CathD Ki=48.85nM、M1 Ki=623.91nMの値を有し、表1においてそれぞれ「+++」、「+++」、「+++」、及び「+」と表される。
メマプシン1β-セクレターゼ活性及びカテプシンD活性の阻害
基質のペプチドである、NH3-ELDLAVEFWHDR-CO2 (配列番号1)を、10%氷酢酸中2mg/mLに溶解し、0.009M NaOH中に希釈して、pH4.1でμM濃度を得た。37℃で平衡にした後、アリコートのメマプシン2を加えることによって反応を開始させた。時間間隔でアリコートを除去し、等体積のMALDI-TOFマトリックス(α-ヒドロキシケイ皮酸のアセトン溶液、20mg/ml)と合わせ、直ちにステンレススチール製のMALDIサンプルプレート上に2回ずつスポットした。PE Biosystems Voyager DEで、MALDI-TOF質量分析法を行った。機器は、加速電圧25000で、150nsの遅延でポジティブモードで操作した。質量電荷比(m/z)のイオンが、650〜2000原子質量単位の範囲で検出された。Voyager Data Explorerモジュールによりデータを分析して、基質、及び所与の混合物における対応する生成物の質量種に対するイオン強度のデータを得た。相対的な生成物の形成を、生成物のシグナル強度の、生成物及び対応する基質両方のシグナル強度の和に対する比率として計算した。単位時間当たりに形成された相対的な生成物を、モデル:
1-e-κT
を用いた生成物の最初の15%の生成物の形成を表すデータの非線形の回帰分析から得た。式中、κは、相対的な加水分解速度定数であり、Tは時間(秒)である。開始速度は非阻害の対照に対して表され、上記の通り競合的阻害の強力結合に対して適合させた。
細胞のAβ IC50の決定
メマプシン2の活性に対する化合物の効力を、Aβ生成の細胞のアッセイで決定した。細胞膜を上首尾に透過する化合物は、エンドソームのコンパートメントにおいてメマプシン2の活性を阻害する能力を示し、したがってAβの生成を阻害する。London及びSwedish変異を有するヒトAPP695を過剰発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、10%のコンフルエントでマルチウェルプレートに接種した。化合物をDMSOに溶解して1mM付近の濃度とし、培地中に希釈して最終濃度を4μM付近にした(最終0.4%DMSO)。化合物を段階的に希釈し、接種48時間後のマルチウェルプレートにおける細胞に適用した。5%CO2、37℃で24時間、インキュベートを継続した。アリコートを除去し、サンドイッチELISA(BioSource International)を用いてAβ40含量についてアッセイした。コントロールのインキュベーションに対する、化合物の濃度の範囲にわたるAβ40の量を、4パラメータのIC50モデルに適合させた。結果を上記表1に示す(「M2 IC50」)。
CYP3A4阻害の決定
化合物に対する医薬間相互作用の可能性を評価するために、主要な代謝性チトクロームCYP450イソ型3A4を阻害する効力を評価した。阻害定数Kiを、CYP3A4の基質であるミダゾラムの代謝の阻害に対して決定した。
アッセイ手順
最近公開されたプロトコールを少々改変したものにしたがって、CYP3A4 Kiアッセイを行った(Di, L., Kerns、E.H., Li, S.Q.、及びCarter, G.T.、(2007) Comparison of cytochrome P450 inhibition assays for drug discovery using human liver microsomes with LC-MS, rhCYP450 isozymes with fluorescence, and double cocktail with LC-MS.、International Journal of Pharmaceutics、335巻、1-11頁)。P450阻害アッセイを、振盪培養器中37.2℃で96ウエルプレートにおいて行った。最終タンパク質濃度0.1mg/mLタンパク質のヒト肝ミクロソーム(HLM)及び1.25μMから10μMの範囲の基質濃度とともに、化合物を100%DMSO中5mM保存液から希釈し、0.078μMから10μMの最終7濃度でインキュベートした(最終の各インキュベート中0.1%DMSO)。
アッセイを、リン酸バッファー(100mM、pH7.4)及びNADPH再生系(MgCl2、3.3mM;G6P、3.3mM;G6PD、1U/ml;NADP+、1.3mM)の両方に対して標準化した。8個の反復の対照試料(0.1%DMSO、化合物なし)を調製した。HLM+基質保存液、2%DMSO中試験品10μL、及び基質を混合することによってアッセイ(200μL)を設定した後、再生系混合液を添加して反応を開始した。下記に記載する通り、20分、30分、及び40分インキュベートした後、反応をクエンチした。
反応のクエンチ及びMS-Prep
加湿した振盪培養器中、特定の時間インキュベートした後、反応混合液20μLを除去し、冷アセトニトリル200μLを加えることによって反応を終結させた。試料を、Solvinertフィルタープレート中、1000×gで15分間遠心分離した。レセプタープレートを、40℃の高速真空によって乾燥した。試料を、10%アセトニトリル、10%DMSO、80%H2Oからなる再構成バッファーで再構成し、濃度100ng/mlの内部標準を加えた。LC-MS/MSを用いてMS分析を完了した。CYP3A4代謝物に特異的なSRM(342>203)の変換をモニタリングすることによって、1’-ヒドロキシミダゾラムの形成を測定した。
Kiの決定
データを、対照のインキュベートに対するミダゾラム代謝物の相対量として表した。相対量と最初の基質濃度を乗じ、インキュベート期間で除すことによって、初速度を得た。切片[I]=-Kiを複数の基質濃度で決定するDixon法(Dixon, M. (1953年) Biochemical Journal、55巻、170〜171頁)によってKiを決定するために、データを初速度の逆数に変換し、阻害薬濃度に対して表した。結果を上記表1に提供する(「CYP 3A4 Ki」)。
肝ミクロソームにおける肝固有クリアランスの決定
200mMのNa+K+リン酸バッファー(pH7.4)500μlに、1mM EDTA溶液100μlを加え、その後2mgタンパク質/mlのヒト肝ミクロソーム100μlを加えた。10μlアリコートの試験化合物(50%アセトニトリル中20mM保存液)を、H2O40μlでさらに希釈した(合計アッセイ容積750μl)。アッセイ混合液を37℃で5分間インキュベートする。4mM NADPH溶液250μlを加えることによってアッセイを開始した。インキュベートを37℃で続けた。0、5、10、20、及び30分の持続時間に対して別々の反応混合液を調製した。100%アセトニトリル150μlを加えることによって個々の反応を停止した。内部標準(100ng/mlジアゼパム溶液10μl)を加えた。別々の各反応における試験化合物の濃度を、標準の手順にしたがってLC/MS/MS及び試験化合物に対する標準曲線を用いて測定した。
肝ミクロソームにおける肝固有クリアランスを、動物及びヒトの対象におけるin vitroのクリアランスの生理学的パラメータに対する関係を詳述している、Davies及びMorris (Davies, B.及びMorris, T. (19930) Physiological parameters in laboratory animals and humans. Pharm Res.、10巻、1093〜1095頁)によって記載されている手順にしたがって決定した。
各時間点で残存する化合物の量を、最初の(0分)インキュベートに存在する量に対して表した。相対量対時間の関係を用いて、ミクロソームアッセイにおける化合物の半減期を決定した。濃度非依存性の速度定数k1を、直角双曲線の適合から決定した:
残存の%=100*(e-k1T)
式中、Tは相対量対時間の関係からの時間(分)である。或いは、k1は式の変形から決定され、
k1=0.693/t1/2
であった。
in vivoのクリアランスへの変換は、関係式(Davies及びMorris、1993年)から得られた:
式中、v=代謝速度であり、[S]は化合物の濃度であり、体積はmLで表される。固有クリアランス速度が低ければ、in vivoの代謝及びクリアランスについての傾向が低減することが実証される。結果を表1に提供する(「HLM CL」)。