JP2012519653A - Cdc7キナーゼ阻害剤としてのチエノピリミジン - Google Patents

Cdc7キナーゼ阻害剤としてのチエノピリミジン Download PDF

Info

Publication number
JP2012519653A
JP2012519653A JP2011537754A JP2011537754A JP2012519653A JP 2012519653 A JP2012519653 A JP 2012519653A JP 2011537754 A JP2011537754 A JP 2011537754A JP 2011537754 A JP2011537754 A JP 2011537754A JP 2012519653 A JP2012519653 A JP 2012519653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
mmol
substituent
optionally substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011537754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012519653A5 (ja
JP5645839B2 (ja
Inventor
裕哉 大黒
倉澤  修
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Publication of JP2012519653A publication Critical patent/JP2012519653A/ja
Publication of JP2012519653A5 publication Critical patent/JP2012519653A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5645839B2 publication Critical patent/JP5645839B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D495/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D495/02Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D495/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

本発明は、式(I):
Figure 2012519653

[式中の各記号は、明細書に記載のとおりである。]で表される化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグに関し、これらは癌の予防または治療に有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、複素環化合物およびその用途に関する。より詳細には、強力なcell division cycle 7 (cdc7) 阻害活性を有し、癌の予防・治療等に有用な縮合複素環化合物およびその用途に関する。
(発明の背景)
がんは非制御性の増殖疾患として特徴づけられる。ほとんどのがん細胞は、それらに対応する正常細胞よりも急速に増殖する。細胞分裂周期において、染色体の複製は必須であり、S期におけるDNA複製は厳格に制御されている。DNA複製を阻害することはがん治療の有効な療法であることが確認されており、例えば、ゲムシタビン、5−フルオロウラシルの活性代謝産物及びヒドロキシウレア(HU)などの阻害剤が、広く臨床で使用されている。
cdc7は進化上よく保存されたセリン/スレオニンキナーゼであり、DNA複製の開始に重要な役割を果たしている(Jiang W et al., EMBO J. 1999 Oct 15;18(20):5703-13)。cdc7のキナーゼ活性はその活性化パートナーとの結合によって制御されている。G1後期とS期との間に、cdc7はDbf4(ASKとしても知られる)と複合体を形成し、その基質をリン酸化することによって、G1期からS期への移行を制御している(Masai H et al., J Cell Physiol. 2002 Mar;190(3):287-96)。さらに、最近の研究により、cdc7はDNA複製とDNA損傷シグナル伝達経路の両方に重要な役割を果たしていることが報告されている(Kim JM et al., Oncogene. 2008 May 29;27(24):3475-82)。
最近、cdc7キナーゼはがん治療の魅力的なターゲットとして大いに注目をされつつある。多くのがん細胞株や乳がん、大腸がん、肺がんおよび他の原発性腫瘍において、cdc7キナーゼの過剰発現が観察される(Bonte D et al., Neoplasia. 2008 Sep;10(9):920-31)。Dbf4のコピー数はいくつかの細胞株で増加していた。原発性乳がんにおいて、cdc7およびDbf4の発現の増大はp53活性の消失と高度に相関している。興味深いことに、siRNAによりcdc7キナーゼを減少させると、がん細胞と悪性転換していない線維芽細胞とでは異なる応答を示す。siRNAによるcdc7キナーゼの減少はがん細胞においてS期停止及びアポトーシスを引き起こすのに対し、正常線維芽細胞はp53活性依存的にG1期に停止される(Montagnoli A et al., Cancer Res. 2004 Oct 1;64(19):7110-6)。DNA(複製)ライセンシングチェックポイントの阻害もまた、cdc7阻害と類似した表現型を引き起こす(Shreeram S et. al., Oncogene. 2002 Sep 26;21(43):6624-32)。さらに、cdc7は複製ストレス下の細胞で活性化され、cdc7が枯渇するとヒドロキシウレアやエトポシドにより誘導されるアポトーシスが増大した(Tenca P et al., J Biol Chem. 2007 Jan 5;282(1):208-15)。従って、cdc7阻害剤は、単剤として、あるいは他の化学療法剤と組み合わせて、がんの選択的治療に有用である。
本発明の化合物と構造が類似するcdc7阻害作用を有する化合物としては、以下が知られている。
1)特許文献1には、cdc7、PKA、Aktの阻害作用を有する化合物として以下が記載されている。
Figure 2012519653
2)特許文献2には、cdc2、cdc7の阻害作用を有する化合物として以下が記載されている。
Figure 2012519653
(式中、Rは、水素原子、アミノ、アリールアミノ等を;
およびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル、アミノ、アリールアミノ等を;
、R’、RおよびR’は、独立して、水素原子、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、複素環基等を;
は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル等を示す。)
WO2005/095386号 WO2005/014572号
薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点で優れたcdc7阻害薬は、治療上優れた効果を期待することができる。従って、本発明の目的は、低毒性でありかつ医薬品として十分満足できる、cdc7阻害作用を有する化合物を提供することにある。
本発明者は、以下の式(I)で表される化合物が、優れたcdc7阻害作用を有することを見出し、さらに検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1) 式
Figure 2012519653
[式中、
XおよびYは、
(1) Xが硫黄原子でありかつYが炭素原子であるか、または
(2) Xが炭素原子でありかつYが硫黄原子であり;
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、または置換基を有していてもよい複素環基であり、
は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、またはアシルであり、
は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、またはアシルであるか、
あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい環を形成してもよく;
は、置換基を有していてもよい複素環基であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基である]
で表される化合物またはその塩(本明細書中、「化合物(I)」と略記する場合がある);
(2) Xが、硫黄原子であり、かつ、Yが、炭素原子である、上記(1)記載の化合物;
(3) Rが、水素原子または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である、上記(1)または(2)記載の化合物;
(4) Rが、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物;
(5) Rが、水素原子、または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物;
(6) RとRとが、結合して、置換基を有していてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−8シクロアルカン、または置換基を有していてもよい、架橋していてもよい5または6員の非芳香族複素環を形成してもよい、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物;
(7) Rが、置換基を有していてもよい芳香族複素環基である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の化合物;
(8) Rが、水素原子である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の化合物;
(9) Xが硫黄原子であり;
Yが炭素原子であり;
が、
(1)水素原子;または
(2)(a)ハロゲン原子、
(b)ヒドロキシ基、
(c)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(d)(i)アミノ基、および
(ii)ニトロ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(e)芳香族複素環基、および
(f)非芳香族複素環カルボニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;
であり、
が、
(1)(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基、および
(c)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;または
(2)C6−14アリール基;
であり、
が、
(1)水素原子;
(2)(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基、および
(c)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;または
(3)−CO−ORA1(式中、RA1は、水素原子またはC1−6アルキル基);
であるか、あるいは
とRとが、結合して、
(1)(a)ハロゲン原子、
(b)ヒドロキシ基、
(c)オキソ基、
(d)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(e)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(f)C3−10シクロアルキル基、および
(g)(i)C6−14アリール基、および
(ii)1ないし3個のC6−14アリール基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−8シクロアルカン;または
(2)(a)(i)C6−14アリール基、
(ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(iii)C3−10シクロアルキル−カルボニル基、および
(iv)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい芳香族複素環基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(c)芳香族複素環基、
(d)(i)ハロゲン原子、
(ii)C1−6アルコキシ基、
(ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(iii)C6−14アリール基、
(iv)芳香族複素環基、および
(v)C1−6アルキル−カルボニル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、
(e)1ないし3個のC6−14アリール基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、
(f)C6−14アリール−カルボニル基、
(g)C6−14アリールオキシ−カルボニル基、
(h)1ないし3個のC6−14アリール基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル−カルボニル基、
(i)芳香族複素環カルボニル基、
(j)非芳香族複素環カルボニル基、および
(k)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、架橋していてもよい5または6員の非芳香族複素環;
を形成してもよく;
が、
(a)ハロゲン原子、
(b)アミノ基、
(c)C7−13アラルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、および
(d)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいスルファモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環または5または6員の芳香族複素環と縮合していてもよい5または6員の芳香族複素環基であり;かつ
が、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基である、
上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物;
(10) 1’−エチル−6’−(ピリジン−4−イル)−1’H−スピロ[シクロペンタン−1,2’−チエノ[3,2−d]ピリミジン]−4’(3’H)−オン、またはその塩;
(11) 1,2−ジメチル−6−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,2−d]ピリミジン−4(1H)−オン、またはその塩;
(12) 2−フルオロ−6’−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1’H−スピロ[シクロヘキサン−1,2’−チエノ[3,2−d]ピリミジン]−4’(3’H)−オン、またはその塩;
(13) 化合物(I)のプロドラッグ;
(14) 化合物(I)またはそのプロドラッグを含有してなる医薬;
(15) Cell division cycle 7阻害剤である、上記(14)記載の医薬;
(16) 癌の予防または治療剤である、上記(14)記載の医薬;
(17) 哺乳動物に対し、化合物(I)またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるCell division cycle 7阻害方法;
(18) 哺乳動物に対し、化合物(I)またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物における癌の予防または治療方法;
(19) Cell division cycle 7阻害剤を製造するための、化合物(I)またはそのプロドラッグの使用;
(20) 癌の予防または治療剤を製造するための、化合物(I)またはそのプロドラッグの使用;
等に関する。
本発明化合物は、低毒性でかつcdc7阻害作用が強い。従って、本発明は臨床上有用な、癌の予防または治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤を提供することができる。
(発明の詳細な説明)
以下、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
本明細書中の「ハロゲン原子」は、特に断りのない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。
本明細書中の「C1−6アルキル(基)」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。
本明細書中の「C1−10アルキル(基)」としては、例えば、上記C1−6アルキル(基)で例示した基に加えて、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルが挙げられる。
本明細書中の「C2−10アルケニル(基)」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニルが挙げられる。
本明細書中の「C2−10アルキニル(基)」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルが挙げられる。
本明細書中の「C3−10シクロアルキル(基)」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、アダマンチルが挙げられる。
本明細書中の「C3−10シクロアルケニル(基)」としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルが挙げられる。
本明細書中の「C4−10シクロアルカジエニル(基)」としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルが挙げられる。
本明細書中の「C6−14アリール(基)」としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリルが挙げられる。
本明細書中の「C7−13アラルキル(基)」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ビフェニリルメチルが挙げられる。
本明細書中の「C1−6アルコキシ(基)」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。
本明細書中の「C1−6アルコキシ−カルボニル(基)」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中の「C1−6アルキル−カルボニル(基)」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、イソブタノイル、ペンタノイル、イソペンタノイル、ヘキサノイルが挙げられる。
本明細書中の「複素環基」としては、芳香族複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
本明細書中の「芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4ないし7員(好ましくは5または6員)の単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えば、これら4ないし7員の単環式芳香族複素環基に対応する環と、1または2個の窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族複素環(例、チオフェン)およびベンゼン環から選ばれる1または2個が縮合した環から誘導される基が挙げられる。
芳香族複素環基の好適な例としては、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、トリアジニル(例、1,2,4−トリアジン−1−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル)等の単環式芳香族複素環基;
キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、6−キノリル)、イソキノリル(例、3−イソキノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル、6−キノキサリル)、ベンゾフリル(例、2−ベンゾフリル、3−ベンゾフリル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンズオキサゾリル(例、2−ベンズオキサゾリル)、ベンズイソオキサゾリル(例、7−ベンズイソオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−5−イル)、ベンゾトリアゾリル(例、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−5−イル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)、イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル、2H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−2−イル)、ピラゾロピリジニル(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−3−イル)、ピラゾロチエニル(例、2H−ピラゾロ[3,4−b]チオフェン−2−イル)、ピラゾロトリアジニル(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)等の縮合芳香族複素環基;
が挙げられる。
本明細書中の「非芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4ないし7員(好ましくは5または6員)の単環式非芳香族複素環基および縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら4ないし7員の単環式非芳香族複素環基に対応する環と、1または2個の窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族複素環(例、チオフェン)およびベンゼン環から選ばれる1または2個の環が縮合した環から誘導される基、ならびに該基の部分飽和により得られる基が挙げられる。また、当該非芳香族複素環基は、架橋していてもよく、架橋した非芳香族複素環基としては、アザビシクロ[3.2.1]オクタンが挙げられる。
非芳香族複素環基の好適な例としては、オキセタニル(例、2−オキセタニル、3−オキセタニル)、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、ピペリジノ、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、モルホリニル(例、モルホリノ)、チオモルホリニル(例、チオモルホリノ)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、3−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメチレンイミン−1−イル)、オキサゾリジニル(例、オキサゾリジン−2−イル)、チアゾリジニル(例、チアゾリジン−2−イル)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−3−イル)、オキサゾリニル(例、オキサゾリン−2−イル)、チアゾリニル(例、チアゾリン−2−イル)、イミダゾリニル(例、イミダゾリン−2−イル、イミダゾリン−3−イル)、ジオキソリル(例、1,3−ジオキソール−4−イル)、ジオキソラニル(例、1,3−ジオキソラン−4−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、2−チオキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル、ピラニル(例、4−ピラニル)、テトラヒドロピラニル(例、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル)、チオピラニル(例、4−チオピラニル)、テトラヒドロチオピラニル(例、2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル)、1−オキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1−オキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、テトラヒドロフリル(例、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル)、ピラゾリジニル(例、ピラゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−3−イル)、ピラゾリニル(例、ピラゾリン−1−イル)、テトラヒドロピリミジニル(例、テトラヒドロピリミジン−1−イル)、ジヒドロトリアゾリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラヒドロトリアゾリル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、アゼパニル(例、アゼパン−3−イル)等の単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−1−イル)、ジヒドロイソインドリル(例、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)、ジヒドロベンゾフラニル(例、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)、ジヒドロベンゾジオキシニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、ジヒドロベンゾジオキセピニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピニル)、テトラヒドロベンゾフラニル(例、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル)、クロメニル(例、4H−クロメン−2−イル、2H−クロメン−3−イル)、ジヒドロキノリニル(例、1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)、テトラヒドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)、ジヒドロイソキノリニル(例、1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)、テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)、ジヒドロフタラジニル(例、1,4−ジヒドロフタラジン−4−イル)等の縮合非芳香族複素環基;
が挙げられる。
化合物(I)が互変異性体を有する場合には、いずれの異性体も化合物(I)に包含される。
例えば、化合物(I)の部分構造、式
Figure 2012519653
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]が、式
Figure 2012519653
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]である化合物も化合物(I)に含まれる。
また、化合物(I)が部分構造として、4−ピラゾリル基を有する場合、該4−ピラゾリル基は、
Figure 2012519653
のいずれであってもよい。
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、または置換基を有していてもよい複素環基であり、
は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、またはアシルであり、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、
は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、またはアシルであるか、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。
、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C2−10アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C4−10シクロアルカジエニル基、C6−14アリール基が挙げられる。
上記のC3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基およびC4−10シクロアルカジエニル基は、それぞれベンゼン環と縮合して縮合環を形成してもよい。このような縮合環基としては、例えば、インダニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニルが挙げられる。また、ノルボルナニル、アダマンチル等の橋かけ式炭化水素基も前記炭化水素基に含まれる。
前記「炭化水素基」として例示した、前記C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基およびC2−10アルキニル基は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、以下の置換基A群が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
(置換基A群)
(1)C3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロヘキシル);
(2)(a)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b)ヒドロキシ基、
(c)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(d)ハロゲン原子、
(e)アミノ基、および
(f)ニトロ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル、ナフチル);
(3)(a)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b)ヒドロキシ基、
(c)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、および
(d)ハロゲン原子
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、チエニル、フリル、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル);
(4)(a)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b)ヒドロキシ基、
(c)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(d)ハロゲン原子、および
(e)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル);
(5)(a)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、
(c)ハロゲン原子およびC6−14アリール基(例、フェニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、
(d)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、
(e)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基、
(f)C6−14アリール基(例、フェニル)、および
(g)芳香族複素環基(例、チエニル、フリル、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル)
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基;
(6)(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基、
(c)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(d)C6−14アリール基(例、フェニル)、
(e)芳香族複素環基(例、インドリル)、および
(f)C1−6アルキル−カルボニル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基;
(7)(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基、
(c)C6−14アリール基(例、フェニル)、および
(d)複素環基(例、テトラヒドロフリル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基;
(8)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル);
(9)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基;
(10)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいチオカルバモイル基;
(11)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいスルファモイル基;
(12)カルボキシ基;
(13)ヒドロキシ基;
(14)(a)ハロゲン原子、
(b)カルボキシ基、
(c)C1−6アルコキシ基、
(d)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、
(e)C1−6アルキル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基、
(f)複素環基(例、テトラヒドロフリル)、および
(g)C3−10シクロアルキル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基;
(15)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC2−6アルケニルオキシ基(例、エテニルオキシ);
(16)C7−13アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ);
(17)C6−14アリールオキシ基(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ);
(18)C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ);
(19)(a)ハロゲン原子、および
(b)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニル基(例、ベンゾイル);
(20)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル);
(21)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環カルボニル基(例、ピラゾリルカルボニル、ピラジニルカルボニル、イソキサゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、チアゾリルカルボニル);
(22)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニル基(例、ピロリジニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル);
(23)C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェノキシカルボニル);
(24)C7−13アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル);
(25)メルカプト基;
(26)(a)ハロゲン原子、および
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ);
(27)C7−13アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ);
(28)C6−14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ);
(29)シアノ基;
(30)ニトロ基;
(31)ハロゲン原子;
(32)C1−3アルキレンオキシ基(例、メチレンオキシ、エチレンオキシ);
(33)C1−3アルキレンジオキシ基;
(34)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、および
(b)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキルオキシ基(例、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ)。
また、前記「炭化水素基」として例示した、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C4−10シクロアルカジエニル基、C6−14アリール基は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、以下の置換基B群が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
(置換基B群)
(1)前記置換基A群として例示した基;
(2)(a)ハロゲン原子、
(b)カルボキシ基、
(c)ヒドロキシ基、
(d)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(e)C1−6アルコキシ基、
(f)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基、
(g)C3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロヘキシルカルボニル)、および
(h)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、ピリジル、ピロリル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;
(3)(a)ハロゲン原子、
(b)カルボキシ基、
(c)ヒドロキシ基、
(d)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(e)C1−6アルコキシ基、および
(f)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC2−6アルケニル基(例、エテニル、1−プロペニル);
(4)(a)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b)ヒドロキシ基、
(c)C1−6アルコキシ基、
(d)ハロゲン原子、
(e)アミノ基、および
(f)ニトロ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC7−13アラルキル基(例、ベンジル)。
、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」としては、芳香族複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
前記「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、前記置換基B群として例示した基と同様のものが挙げられる。また該複素環基が非芳香族複素環基である場合、置換基としてオキソ基がさらに含まれる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
とRが結合して形成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1または2個含んでいてもよい5ないし7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の具体例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンが挙げられる。
該「含窒素複素環」は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、前記置換基B群として例示した基と同様のものが挙げられる。また該含窒素複素環が非芳香族含窒素複素環である場合、置換基としてオキソ基がさらに含まれる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
またはRで示される「アシル」としては、例えば、式:−CORA1、−CO−ORA1、−SOA1、−SOA1、−SORA1、−CO−NRA2B2、−SONRA2B2[式中、RA1は、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。RA2およびRB2は、独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはRA2およびRB2は、隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成する]で表される基が挙げられる。
A1、RA2またはRB2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
A1、RA2またはRB2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
A1、RA2またはRB2で示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」としては、例えば、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」と同様のものが挙げられる。
A1、RA2またはRB2で示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、前記置換基B群として例示した基と同様のものが挙げられる。また該複素環基が非芳香族複素環基である場合、置換基としてオキソ基がさらに含まれる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
A2とRB2が隣接する窒素原子と共に形成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、RとRが結合して形成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」と同様のものが挙げられる。
A2とRB2が隣接する窒素原子と共に形成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」は、置換可能な位置に1なしい5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、前記置換基B群として例示した基と同様のものが挙げられる。また該含窒素複素環が非芳香族含窒素複素環である場合、置換基としてオキソ基がさらに含まれる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
またはRで示される「アシル」は、好ましくは、
(1)ホルミル基;
(2)カルボキシ基;
(3)(i)ハロゲン原子、
(ii)アミノ基、
(iii)カルボキシ基、
(iv)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(v)C6−14アリール基(例、フェニル)、および
(vi)C1−6アルコキシ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基;
(4)(i)ハロゲン原子、
(ii)C6−14アリール基(例、フェニル)、
(iii)C1−6アルコキシ基、および
(iv)複素環基(例、テトラヒドロフリル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基;
(5)C3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル);
(6)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニル基(例、ベンゾイル);
(7)(i)(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(c)C6−14アリール基(例、フェニル)、
(d)C1−6アルコキシ基、および
(e)芳香族複素環基(例、フリル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(ii)C3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、
(iii)(a)ハロゲン原子、
(b)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、および
(c)C1−6アルコキシ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、
(iv)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、および
(v)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、ピリジル)
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基;
(8)(i)ハロゲン原子、および
(ii)C6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル);
(9)(i)ハロゲン原子、および
(ii)C1−6アルキル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル);
(10)C3−10シクロアルキルスルホニル基(例、シクロプロピルスルホニル);
(11)(i)(a)ハロゲン原子、および
(b)オキソ基で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、ピロリジニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいスルファモイル基;
(12)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいチオカルバモイル基;
(13)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環カルボニル基(例、フリルカルボニル、チエニルカルボニル、ピラゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、イソオキサゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル);
(14)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニル基(例、テトラヒドロフリルカルボニル、テトラヒドロピラニルカルボニル);
が挙げられる。
とRが結合して形成する「置換基を有していてもよい環」における「環」としては、例えば、C3−10シクロアルカン、C3−10シクロアルケン、C4−10シクロアルカジエン、C6−14芳香族炭化水素、複素環が挙げられる。
該C3−10シクロアルカン、C3−10シクロアルケンおよびC4−10シクロアルカジエンとしては、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示したC3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基およびC4−10シクロアルカジエニル基に対応する環が挙げられる。
該C6−14芳香族炭化水素としては、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示したC6−14アリール基に対応する環が挙げられる。
該複素環としては、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」として例示した芳香族複素環基および非芳香族複素環基に対応する環が挙げられる。
とRが結合して形成する「置換基を有していてもよい環」における「環」は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、前記置換基B群として例示した基と同様のものが挙げられる。また該環が非芳香族複素環である場合、置換基としてオキソ基がさらに含まれる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
は、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、置換基を有していてもよい複素環基等であり、より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基等である。
は、さらに好ましくは、
(1)水素原子;
(2)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル);
等である。
別の実施態様では、Rは、さらに好ましくは、
(1)水素原子;
(2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)ヒドロキシ基、
(c)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)
(d)(i)アミノ基、および
(ii)ニトロ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、
(e)芳香族複素環基(例、ピリジル)、および
(f)非芳香族複素環カルボニル基(例、モルホリニルカルボニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);
等である。
は、好ましくは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基等であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基等である。
は、さらに好ましくは、
(1)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);
(2)C6−14アリール基(例、フェニル);
等である。
別の実施態様では、Rは、さらに好ましくは、
(1)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル)、および
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);
(2)C6−14アリール基(例、フェニル);
等である。
は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、−CORA1、−CO−ORA1、−SOA1、−SOA1、−SORA1、−CO−NRA2B2(式中の各基は前記と同義である)等であり、より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、−CO−ORA1(式中、RA1は前記と同義である)等であり、さらに好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基等である。
は、特に好ましくは、
(1)水素原子;
(2)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);
等である。
別の実施態様では、Rは、特に好ましくは、
(1)水素原子;
(2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル)、および
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);
(3)−CO−ORA1(式中、RA1は、水素原子またはC1−6アルキル基)(例、メトキシカルボニル);
等である。
あるいは、好ましくは、RとRとが結合して、置換基を有していてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−8シクロアルカン)、置換基を有していてもよい、架橋していてもよい複素環(好ましくは、非芳香族複素環)等を形成する。
より好ましくは、RとRとが結合して、置換基を有していてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−8シクロアルカン);置換基を有していてもよい、架橋していてもよい非芳香族複素環(好ましくは、5または6員の非芳香族複素環);等を形成する。
さらに好ましくは、RとRとが結合して、
(1)C3−8シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン);
(2)1ないし3個のC7−13アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル)で置換されていてもよい5または6員の非芳香族複素環(例、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン);
等を形成する。
別の実施態様では、さらに好ましくは、
(1)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)ヒドロキシ基、
(c)オキソ基、
(d)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(e)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、
(f)C3−10シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)、および
(g)(i)C6−14アリール基(例、フェニル)、および
(ii)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−8シクロアルカン(例、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、インダン);
(2)(a)(i)C6−14アリール基(例、フェニル)、
(ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(iii)C3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロヘキシルカルボニル)、および
(iv)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、ピリジル、ピロリル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、
(b)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、
(c)芳香族複素環基(例、ピリジル、ピリミジニル)、
(d)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、
(ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル)、
(iii)C6−14アリール基(例、フェニル)、
(iv)芳香族複素環基(例、インドリル)、および
(v)C1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル)およびC1−6アルコキシ−カルボニル基(例、tert−ブトキシカルボニル)から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、プロピオニル)、
(e)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)、
(f)C6−14アリール−カルボニル基(例、ベンゾイル)、
(g)C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、
(h)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル)、
(i)芳香族複素環カルボニル基(例、ピリジルカルボニル)、
(j)非芳香族複素環カルボニル基(例、テトラヒドロフリルカルボニル)、および
(k)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、架橋していてもよい5または6員の非芳香族複素環(例、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロチオピラン、1−オキシドテトラヒドロチオピラン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン);
等を形成する。
は、置換基を有していてもよい複素環基である。
で示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」としては、例えば、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」と同様のものが挙げられる。
で示される「置換基を有していてもよい複素環基」における「複素環基」は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、前記置換基B群として例示した基と同様のものが挙げられる。また該複素環基が非芳香族複素環基である場合、置換基としてオキソ基がさらに含まれる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
は、好ましくは、置換基を有していてもよい芳香族複素環基等であり、より好ましくは、置換基を有していてもよい、ベンゼン環または5または6員の芳香族複素環と縮合していてもよい5または6員の芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピロロピリジル、キノリル)等である。さらに好ましくは、
(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)アミノ基、
(c)C7−13アラルキル基(例、2−フェニルエチル)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、および
(d)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいスルファモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環または5または6員の芳香族複素環と縮合していてもよい5または6員の芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピロロピリジル、キノリル)等である。
は、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基である。
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」は、置換可能な位置に1ないし5個(好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(例、臭素原子)、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)等であり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(例、臭素原子)、C1−6アルキル基(例、メチル)等であり、特に好ましくは、水素原子である。
XおよびYは、
(1)Xが硫黄原子でありかつYが炭素原子であるか、または
(2)Xが炭素原子でありかつYが硫黄原子である。
すなわち、式(I)は、
Figure 2012519653
である。
XおよびYは、好ましくは、Xが硫黄原子でありかつYが炭素原子である。
化合物(I)の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物A−1]
Xが硫黄原子であり;
Yが炭素原子であり;
が、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または置換基を有していてもよい複素環基であり、
が、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基であるか、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、
が、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、−CORA1、−CO−ORA1、−SOA1、−SOA1、−SORA1、または−CO−NRA2B2(式中の各基は前記と同義である)であるか、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよいC3−10シクロアルカン、または置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく;
が、置換基を有していてもよい複素環基であり;かつ
が、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である、
化合物(I)。
[化合物B−1]
Xが硫黄原子であり;
Yが炭素原子であり;
が、水素原子、または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、
が、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基であり、
が、水素原子、または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であるか、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくはC3−8シクロアルカン)、または置換基を有していてもよい非芳香族複素環(好ましくは、5または6員の非芳香族複素環)を形成してもよく;
が、置換基を有していてもよい芳香族複素環基(好ましくは、5または6員の芳香族複素環基)であり;かつ
が、水素原子である、
化合物(I)。
[化合物C−1]
Xが硫黄原子であり;
Yが炭素原子であり;
が、
(1)水素原子;または
(2)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル);
であり、
が、
(1)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);または
(2)C6−14アリール基(例、フェニル);
であり、
が、
(1)水素原子;または
(2)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);
であるか、あるいは
とRとが、結合して、
(1)C3−8シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン);または
(2)1ないし3個のC7−13アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル)で置換されていてもよい5または6員の非芳香族複素環(例、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン);
を形成してもよく;
が、5または6員の芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、ピラゾリル)であり;かつ
が、水素原子である、
化合物(I)。
[化合物A−2]
Xが硫黄原子であり;
Yが炭素原子であり;
が、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または置換基を有していてもよい複素環基であり、
が、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基であるか、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、
が、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、−CORA1、−CO−ORA1、−SOA1、−SOA1、−SORA1、または−CO−NRA2B2(式中の各基は前記と同義である)であるか、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−10シクロアルカン、または置換基を有していてもよい、架橋していてもよい複素環を形成してもよく;
が、置換基を有していてもよい複素環基であり;かつ
が、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である、
化合物(I)。
[化合物B−2]
Xが硫黄原子であり;
Yが炭素原子であり;
が、水素原子、または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、
が、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基であり、
が、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または−CO−ORA1(式中、RA1は前記と同義である)であるか、あるいは
とRとが、結合して、置換基を有していてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくはC3−8シクロアルカン)、または置換基を有していてもよい、架橋していてもよい非芳香族複素環(好ましくは、5または6員の非芳香族複素環)を形成してもよく;
が、置換基を有していてもよい、ベンゼン環または5または6員の芳香族複素環と縮合していてもよい芳香族複素環基(好ましくは、5または6員の芳香族複素環基)であり;かつ
が、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基である、
化合物(I)。
[化合物C−2]
Xが硫黄原子であり;
Yが炭素原子であり;
が、
(1)水素原子;または
(2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)ヒドロキシ基、
(c)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)
(d)(i)アミノ基、および
(ii)ニトロ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、
(e)芳香族複素環基(例、ピリジル)、および
(f)非芳香族複素環カルボニル基(例、モルホリニルカルボニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);
であり、
が、
(1)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル)、および
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);または
(2)C6−14アリール基(例、フェニル);
であり、
が、
(1)水素原子;
(2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル)、および
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル);または
(3)−CO−ORA1(式中、RA1は、水素原子またはC1−6アルキル基)(例、メトキシカルボニル);
であるか、あるいは
とRとが、結合して、
(1)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)ヒドロキシ基、
(c)オキソ基、
(d)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(e)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、
(f)C3−10シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)、および
(g)(i)C6−14アリール基(例、フェニル)、および
(ii)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−8シクロアルカン(例、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、インダン);または
(2)(a)(i)C6−14アリール基(例、フェニル)、
(ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(iii)C3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロヘキシルカルボニル)、および
(iv)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、ピリジル、ピロリル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、
(b)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、
(c)芳香族複素環基(例、ピリジル、ピリミジニル)、
(d)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、
(ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル)、
(iii)C6−14アリール基(例、フェニル)、
(iv)芳香族複素環基(例、インドリル)、および
(v)C1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル)およびC1−6アルコキシ−カルボニル基(例、tert−ブトキシカルボニル)から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、プロピオニル)、
(e)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)、
(f)C6−14アリール−カルボニル基(例、ベンゾイル)、
(g)C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、
(h)1ないし3個のC6−14アリール基(例、フェニル)で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル)、
(i)芳香族複素環カルボニル基(例、ピリジルカルボニル)、
(j)非芳香族複素環カルボニル基(例、テトラヒドロフリルカルボニル)、および
(k)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、架橋していてもよい5または6員の非芳香族複素環(例、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロチオピラン、1−オキシドテトラヒドロチオピラン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン);
を形成してもよく;
が、
(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)アミノ基、
(c)C7−13アラルキル基(例、2−フェニルエチル)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、および
(d)C1−6アルキル基(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいスルファモイル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環または5または6員の芳香族複素環と縮合していてもよい5または6員の芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピロロピリジル、キノリル)であり;かつ
が、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基である、
化合物(I)。
[化合物D]
1’−エチル−6’−(ピリジン−4−イル)−1’H−スピロ[シクロペンタン−1,2’−チエノ[3,2−d]ピリミジン]−4’(3’H)−オン(実施例27)、またはその塩;
1,2−ジメチル−6−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,2−d]ピリミジン−4(1H)−オン(実施例104)、またはその塩;および
2−フルオロ−6’−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1’H−スピロ[シクロヘキサン−1,2’−チエノ[3,2−d]ピリミジン]−4’(3’H)−オン(実施例122)、またはその塩;
化合物(I)における塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸との塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸との塩が挙げられる。
以下に、化合物(I)の製造法について述べる。
なお、以下の反応式中の化合物は、塩を形成している場合も含み、このような塩としては、例えば化合物(I)における塩と同様のものが挙げられる。
また、各工程で得られた化合物は、反応液のまま粗生成物として次の反応に用いることもできる。あるいは、該化合物は常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
化合物(I)は、例えば、以下の反応式で示される方法またはこれに準じた方法により得られる。
(反応式1)
Figure 2012519653
[式中、Gは、−CO−または−C(OR101−(式中、R101は、C1−6アルキル基(好ましくはメチル、エチル)を示す)を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。]
この反応において、化合物(I)は、化合物(II)と化合物(III)とを反応させることにより製造することができる。
化合物(III)は水和物であってもよい。
本反応における化合物(III)の使用量は、化合物(II)に対して、通常1〜1000当量、好ましくは3〜100当量である。
該反応は、溶媒中で行うのが好ましい。また本反応は、化合物(II)に対して、p-トルエンスルホン酸、濃塩酸、濃硫酸などの酸を約0.01〜1当量、好ましくは0.05〜0.2当量使用してもよい。
該反応における溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、低級有機酸(例、酢酸)、ジオキサン、アルコール類(例、エタノール)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
該反応は、加熱下(約40〜200℃、好ましくは約60〜150℃)に行うことができ、反応時間は、通常約15分〜72時間、好ましくは約1〜20時間である。
化合物(III)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
化合物(II)は、例えば、以下の反応式で示される方法により製造することができる。
(反応式2)
Figure 2012519653
[式中、Rは、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を表す。その他の記号は前記と同意義を示す。]
(A法)
化合物(IV)は、化合物(V)にRに対応するハライドを反応させることにより製造することができる。
該ハライドとしては、例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなどのアルキルハライド;ブロモベンゼン、4−クロロピリジンなどのアリールハライドが挙げられる。該ハライドの使用量は、化合物(V)に対して、例えば、約1〜10当量である。
この反応は塩基の存在下に行うことが好ましい。塩基としては、例えば、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、tert-ブトキシカリウムが挙げられる。塩基の使用量は、化合物(V)に対して、例えば、約1〜10当量である。
反応溶媒としては、例えば、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)が挙げられる。
該反応は、冷却下(約0〜10℃)、室温下(約15〜30℃)または加熱下(約40〜60℃)に行うことができ、反応時間は通常約1〜48時間、好ましくは約1〜10時間である。
ハライドとしてアリールハライドを使用する場合、パラジウム錯体を触媒として用いて一般にブッフバルド反応と称される条件を適用してもよい。パラジウム錯体としては、例えば、酢酸パラジウムとXantphosもしくはBINAPとの組み合わせが挙げられる。
該触媒の使用量は、化合物(V)に対して、例えば、約0.01〜1当量である。
この反応は、室温下(約15〜30℃)または加熱下(約40〜180℃)に行い、反応時間は通常約1〜48時間、好ましくは約1〜10時間である。
また、化合物(IV)は、化合物(V)とRに対応するアルデヒド類またはその等価体と還元剤とを用いて還元的アミノ化反応を行うことでも製造することができる。
該アルデヒド類としては、例えば、ベンズアルデヒドなどが挙げられる。該アルデヒド類の使用量は、化合物(V)に対して、例えば、約2〜20当量である。該アルデヒド類の等価体としては、例えば、2−メトキシプロペンが挙げられる。該アルデヒド類の等価体の使用量は、化合物(V)に対して、例えば、約2〜20当量である。
還元剤としては、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。該還元剤の使用量は、化合物(V)に対して、例えば、約2〜10当量である。
反応溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ジクロロメタンなどのハロゲン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
この反応は、室温下(約15〜30℃)に行うことができ、反応時間は通常約2〜72時間、好ましくは約2〜24時間である。
化合物(V)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
(B法)
B法では、化合物(IV)を加水分解反応に付した後、得られたカルボン酸をアンモニアと縮合反応させることにより、化合物(II)を製造することができる。
該加水分解反応には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの水酸化アルカリ金属が用いられる。水酸化アルカリ金属の使用量は、化合物(IV)に対して、例えば、約1〜10当量である。
反応溶媒としては、例えば、水と、メタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;などの有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。
該反応は、室温下(約15〜30℃)または加熱下(約40〜100℃)に行うことができ、反応時間は、通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
得られたカルボン酸またはその塩(例えば、ナトリウム塩)と、公知の縮合反応条件、例えば、塩化アンモニウム、トリエチルアミン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)とともにN,N−ジメチルホルムアミド中で反応させることにより、化合物(II)を製造することが出来る。
また、化合物(I)は、以下の反応式で示される方法によって製造することもできる。
(反応式3)
Figure 2012519653
[式中、Rは、Br、ClまたはIを示し、Rは、ホウ酸基、ホウ酸エステル基(例、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)、トリフルオロメタンスルホニル基、または置換基を有するスタニル基(例、トリブチルスタニル)を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。]
この反応では、化合物(VI)を一般に鈴木反応やStille反応として知られる反応またはそれに類似した反応に付すことにより、化合物(I)を製造することができる。
本反応では、通常、パラジウム触媒の存在下、化合物(VI)と化合物(VIII)とを反応させる。
化合物(VIII)の使用量は、化合物(VI)に対して、約1〜3当量である。
本反応は、塩基の存在下に行なってもよい。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムが挙げられる。該塩基の使用量は、化合物(VI)に対して、約2〜20当量である。
パラジウム触媒としては、例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。該パラジウム触媒の使用量は、化合物(VI)に対して、約0.01〜1当量である。
反応溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン)、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、水、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
該反応は、室温下(約15〜30℃)または加熱下(約40〜150℃)に行うことができ、反応時間は、通常約1〜50時間、好ましくは約1〜20時間である。
また、化合物(VI)を、ビス(ピナコラト)ジボロンなどを用いてホウ酸誘導体へと変換した後、ハロゲン化物(例、4−クロロピリジン)もしくはトリフラートと前述の条件により反応させることにより化合物(I)を製造することもできる。
化合物(VIII)は自体公知の手段を適用して製造することができる。
化合物(VI)は、例えば、以下の反応式で示される方法により製造することができる。
(反応式4)
Figure 2012519653
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
この反応において、化合物(VI)は、上記反応式1と同様にして、化合物(VII)と化合物(III)とを反応させることにより製造することができる。化合物(III)の使用量は、化合物(VII)に対して、通常1〜1000当量、好ましくは3〜100当量である。該反応は、加熱下(約40〜200℃、好ましくは約60〜150℃)に行うことができ、反応時間は、通常約15分〜72時間、好ましくは約1〜20時間である。
化合物(III)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
化合物(VII)は、例えば、以下の反応式で示される方法により製造することができる。
(反応式5)
Figure 2012519653
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
(A法)
化合物(VIIIa)は、上記反応式2のA法と同様にして、化合物(IX)から製造することができる。
(B法)
化合物(VII)は、上記反応式2のB法と同様にして、化合物(VIIIa)から製造することができる。
化合物(IX)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
化合物(I)のRが、置換基を有していていもよいチアゾリルである化合物(Ia)は、以下の反応式で示される方法により製造することができる。
(反応式6)
Figure 2012519653
[式中、R102は置換基を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。]
102で示される置換基としては、Rで示される「置換基を有していてもよい複素環基」が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
化合物(Ia)は、化合物(X)に化合物(XI)を反応させることにより製造することができる。
化合物(XI)の使用量は、化合物(X)に対して、例えば、約0.5〜2当量である。
反応溶媒としては、例えば、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
該反応は、約20〜100℃、好ましくは約20〜80℃で行うことができ、反応時間は通常約0.5〜24時間、好ましくは約2〜16時間である。
化合物(X)および(XI)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
化合物(I)のRが、ピラゾリルである化合物(Ib)は、以下の反応式で示される方法により製造することができる。
(反応式7)
Figure 2012519653
[式中、各記号は前記と同意義を示す。]
化合物(Ib)は、化合物(XII)とN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMFDMA)、次いでヒドラジンを反応させることにより製造することができる。
DMFDMAの使用量は、化合物(XII)に対して、例えば、約2〜50当量である。
ヒドラジンの使用量は、化合物(XII)に対して、例えば、約1〜10当量である。
DMFDMAと反応させる工程においては、通常反応溶媒を用いない。ヒドラジンを反応させる工程において、反応溶媒としては、例えば、エタノール、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
該反応は、約40〜120℃、好ましくは約40〜80℃で行うことができ、反応時間は通常約1〜24時間、好ましくは約2〜8時間である。
化合物(XII)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
化合物(VII)は、以下の反応式で示される方法によって製造することもできる。
(反応式8)
Figure 2012519653
[式中、PGは保護基を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。]
(A法)
化合物(XIII)は、化合物(IX)を加水分解反応に付し、保護基(PG)を有するアミン類と縮合反応を行なうことにより、製造することができる。
該保護基としては、4−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基などが挙げられる。
該加水分解反応には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの水酸化アルカリ金属が用いられる。
反応溶媒としては、例えば、水と、メタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;などの有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。
該反応は、室温下(約15〜30℃)または加熱下(約40〜100℃)に行うことができ、反応時間は、通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
得られたカルボン酸またはその塩(例えば、ナトリウム塩)と、公知の縮合反応条件、例えば、4−メトキシベンジルアミン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)とともにN,N−ジメチルホルムアミド中で反応させることにより、化合物(XIII)を製造することが出来る。
(B法)
この反応において、化合物(XIV)は、上記反応式1と同様にして、化合物(XIII)と化合物(III)とを反応させることにより製造することができる。
(C法)
化合物(XV)は、上記反応式2のA法と同様にして、化合物(XIV)から製造することが出来る。
(D法)
化合物(VII)は、化合物(XV)を酸と反応させることにより、製造することができる。
該反応には、トリフルオロ酢酸、塩酸などの酸が用いられる。酸の使用量は、化合物(XV)に対して、通常5〜1000当量、好ましくは10〜1000当量である。
該反応は、室温下(約15〜30℃)または加熱下(約40〜100℃)に行い、反応時間は、通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
化合物(I)に、自体公知の手段を適用してさらに置換基変換、すなわち置換基の導入や官能基変換を行い、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。
置換基変換の方法としては、公知の一般的方法が用いられるが、例えば、エステルの加水分解によるカルボキシ基への変換、カルボキシ基のアミド化によるカルバモイル基への変換、カルボキシ基の還元によるヒドロキシメチル基への変換、カルボニル基の還元やアルキル化によるアルコール体への変換、カルボニル基の還元的アミノ化、カルボニル基のオキシム化、アミノ基のアシル化、アミノ基のウレア化、アミノ基のスルホニル化、アミノ基のアルキル化、アミンによる活性ハロゲンの置換またはアミノ化、ヒドロキシ基のアルキル化、ヒドロキシ基の置換またはアミノ化などが挙げられる。
この置換基の導入や官能基変換を行うに際し、目的以外の反応が起きる反応性部位が存在する場合は、必要に応じて自体公知の手段によりその反応性部位に事前に保護基を導入し、目的の反応を行った後にその保護基をやはり自体公知の手段により除去して、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。
例えば、原料化合物や中間体が、置換基としてアミノ基、カルボキシル基または水酸基を有する場合、これらの基は、ペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基で保護されていてもよい。この場合、反応後に、必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル)、トリチル基、フタロイル基、N,N−ジメチルアミノメチレン基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、C7−11アラルキル基(例、ベンジル)、フェニル基、トリチル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
水酸基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、フェニル基、トリチル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
上記した保護基の除去方法としては、自体公知の方法、例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley and Sons 編(1980)に記載の方法が挙げられる。具体的には、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミドなど)などを使用する方法や還元法などが挙げられる。
また、原料化合物の置換基の種類によっては、上記製造法によって製造された化合物を原料として、上記置換基変換によって置換基が異なる原料化合物を製造することができる。
本反応における生成物である化合物(I)は単一の化合物として、または混合物として製造されてもよい。
かくして得られた化合物(I)は、自体公知の分離手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により単離、精製することができる。
化合物(I)が遊離体として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって目的とする塩に変換することができ、逆に塩として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または、目的とする他の塩に変換することができる。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶)によりそれぞれを単品として得ることができる。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
また、化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的性質(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性および安定性)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)は、溶媒和物(例、水和物)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。
化合物(I)は同位元素(例、H、H、14C、35S、125I)などで標識されていもよく、これらも化合物(I)に包含される。
化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物);化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物);化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物)等が用いられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
化合物(I)またはそのプロドラッグ(明細書中、「本発明化合物」と略記することがある)は、cdc7阻害活性を有し、臨床上有用な、癌の予防または治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤として有用である。
本発明化合物は、cdc7に対し強い阻害活性を示し、かつ、本発明化合物は、薬効発現、薬物動態(例、吸収性、分布、代謝、排泄)、溶解性(例、水溶性)、他の医薬品との相互作用(例、薬物代謝酵素(例、CYP3A4)阻害作用)、安全性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心臓毒性、癌原性)、安定性(例、化学的安定性、酵素に対する安定性)の点でも優れているので、医薬として有用である。
従って、本発明化合物は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト)に対して、過剰(異常)なcdc7作用を阻害するために用いることができる。
本発明化合物は、cdc7により影響される可能性のある疾患、例えば、癌[例えば、大腸癌(例えば、結腸癌、直腸癌、肛門癌、家族性大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、消化管間質腫瘍)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、悪性中皮腫)、中皮腫、膵臓癌(例えば、膵管癌、膵内分泌腫瘍)、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、胃癌(例えば、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌)、十二指腸癌、小腸癌、乳癌(例えば、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、炎症性乳癌)、卵巣癌(例えば、上皮性卵巣癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣性胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍)、精巣腫瘍、前立腺癌(例えば、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌、原発性肝癌、肝外胆管癌)、甲状腺癌(例えば、甲状腺髄様癌)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌、腎盂と尿管の移行上皮癌)、子宮癌(例えば、子宮頚部癌、子宮体部癌、子宮肉腫)、脳腫瘍(例えば、髄芽細胞腫、神経膠腫、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫、下垂体腺腫)、網膜芽細胞腫、皮膚癌(例えば、基底細胞腫、悪性黒色腫)、肉腫(例えば、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、軟部肉腫)、悪性骨腫瘍、膀胱癌、血液癌(例えば、多発性骨髄腫、白血病、悪性リンパ腫、ホジキン病、慢性骨髄増殖性疾患)、原発不明癌]の予防剤または治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤、アポトーシス促進剤などの医薬として用いられる。
なかでも、本発明化合物は、血液癌、乳癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌などに有効である。
本発明化合物は、そのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、医薬として、前記した哺乳動物に経口的または非経口的に投与することができる。
以下、本発明化合物を含有してなる医薬(「本発明の医薬」と略記する場合がある)について詳述する。
本発明化合物を経口投与する場合の本発明の医薬の剤形としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、バッカル錠、口腔内速崩錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤(例、口腔粘膜貼付フィルム)等の経口剤が挙げられる。また、非経口投与する場合の本発明の医薬の剤形としては、例えば、注射剤、注入剤、点滴剤、坐剤が挙げられる。また、適当な基剤(例、酪酸の重合体、グリコール酸の重合体、酪酸−グリコール酸の共重合体、酪酸の重合体とグリコール酸の重合体との混合物、ポリグリセロール脂肪酸エステル)と組み合わせて徐放性製剤とすることも有効である。
本発明化合物を上記の剤形に製造する方法(本発明の医薬を製造する方法)としては、当該分野で一般的に用いられている公知の製造方法(例えば、日本薬局方に記載の方法)を適用することができる。また、上記の剤形に製造する場合には、必要に応じて、その剤形に製造する際に製剤分野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤等の添加剤を適宜、適量含有させて製造することができる。
例えば、本発明化合物を錠剤に製造する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含有させて製造することができ、丸剤及び顆粒剤に製造する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤を含有させて製造することができる。また、散剤及びカプセル剤に製造する場合には賦形剤等を、シロップ剤に製する場合には甘味剤等を、乳剤または懸濁剤に製する場合には懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を含有させて製造することができる。
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムが挙げられる。
結合剤の例としては、5ないし10重量%デンプンのり液、10ないし20重量%アラビアゴム液またはゼラチン液、1ないし5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリンが挙げられる。
崩壊剤の例としては、でんぷん、炭酸カルシウムが挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルクが挙げられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップが挙げられる。
界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイトが挙げられる。
乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80が挙げられる。
更に、本発明化合物を上記の剤形に製造する場合には、所望により、製剤分野において通常用いられる着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適宜、適量添加することができる。
注射剤としては、静脈注射剤のほか、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等が含まれ、また持続性製剤としては、イオントフォレシス経皮剤等が含まれる。
かかる注射剤は、自体公知の方法、すなわち、本発明化合物を無菌の水性液もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製される。注射用の水性液としては、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム等)等が挙げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、HCO−50)と併用してもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油等が挙げられ、溶解補助剤として、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール)等と配合してもよい。調製された注射液は、通常、アンプルに充填される。
本発明の医薬中の本発明化合物の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約2ないし85重量%、さらに好ましくは約5ないし70重量%である。
本発明の医薬中の添加剤の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約1ないし99.9重量%、好ましくは約10ないし90重量%である。
本発明化合物は、安定かつ低毒性で安全に使用することができる。本発明化合物の1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、癌の治療目的で患者に経口投与する場合には、成人(体重約60kg)1日当りの投与量は、有効成分(本発明化合物)として約1ないし1000mg、好ましくは約3ないし300mg、さらに好ましくは約10ないし200mgであり、これらを1回または2ないし3回に分けて投与することができる。
本発明化合物を非経口的に投与する場合は、通常、液剤(例えば、注射剤)の形で投与する。本発明化合物の1回投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法等によっても異なるが、例えば、注射剤の形にして、通常体重1kgあたり約0.01ないし約100mg、好ましくは約0.01ないし約50mg、より好ましくは約0.01ないし約20mgの本発明化合物を静脈注射により投与するのが好都合である。
本発明化合物は、他の薬物と併用して用いることができる。具体的には、本発明化合物は、ホルモン療法剤、化学療法剤、免疫療法剤または細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤等の薬物と併用して用いることができる。以下、本発明化合物と併用し得る薬物を併用薬物と略記する。
「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド)、5α−レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール)、甲状腺ホルモン、およびそれらのDDS(Drug Delivery System)製剤が用いられる。
「化学療法剤」としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤が用いられる。
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシンおよびそれらのDDS製剤が用いられる。
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビン)、アミノプテリン、ネルザラビン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチンおよびそれらのDDS製剤が用いられる。
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシンおよびそれらのDDS製剤が用いられる。
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセル、ビノレルビンおよびそれらのDDS製剤が用いられる。
「免疫療法剤」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール、抗CTLA4抗体が用いられる。
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」における「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、TGFα〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insulin-like growth factor)−1、IGF−2〕、(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、FGF−10〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−2(interleukin-2)、NGF(nerve growth factor)、PDGF(platelet-derived growth factor)、TGFβ(transforming growth factor β)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、ヘレグリン、アンジオポエチン〕が用いられる。
「細胞増殖因子の受容体」としては、上記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなるものであってもよく、具体的には、EGF受容体、ヘレグリン受容体(例、HER3)、インシュリン受容体、IGF受容体−1、IGF受容体−2、FGF受容体−1またはFGF受容体−2、VEGF受容体、アンジオポエチン受容体(例、Tie2)、PDGF受容体等が用いられる。
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」としては、EGF阻害剤、TGFα阻害剤、ハーレギュリン阻害剤、インシュリン阻害剤、IGF阻害剤、FGF阻害剤、KGF阻害剤、CSF阻害剤、EPO阻害剤、IL−2阻害剤、NGF阻害剤、PDGF阻害剤、TGFβ阻害剤、HGF阻害剤、VEGF阻害剤、アンジオポエチン阻害剤、EGF受容体阻害剤、HER2阻害剤、HER4阻害剤、インシュリン受容体阻害剤、IGF−1受容体阻害剤、IGF−2受容体阻害剤、FGF受容体−1阻害剤、FGF受容体−2阻害剤、FGF受容体−3阻害剤、FGF受容体−4阻害剤、VEGF受容体阻害剤、Tie−2阻害剤、PDGF受容体阻害剤、Abl阻害剤、Raf阻害剤、FLT3阻害剤、c−Kit阻害剤、Src阻害剤、PKC阻害剤、Trk阻害剤、Ret阻害剤、mTOR阻害剤、Aurora阻害剤、PLK阻害剤、MEK(MEK1/2)阻害剤、MET阻害剤、CDK阻害剤、Akt阻害剤、ERK阻害剤等が用いられる。より具体的に例示すると、抗VEGF抗体(例、Bevacizumab)、抗HER2抗体(例、Trastuzumab、Pertuzumab)、抗EGFR抗体(例、Cetuximab、Panitumumab、Matuzumab、Nimotuzumab)、抗VEGFR抗体、、抗HGF抗体、Imatinib mesylate、Erlotinib、Gefitinib、Sorafenib、Sunitinib、Dasatinib、Lapatinib、Vatalanib、4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-[3-(1-ピロリジニル)プロポキシ]キナゾリン(AZD-2171)、Lestaurtinib、Pazopanib、Canertinib、Tandutinib、3-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロベンジルオキシ)-5-[3-[4-(1-ピロリジニル)ブチル]ウレイド]イソチアゾール-4-カルボキサミド(CP-547632)、Axitinib、N-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-2-(ピリジン-4-イルメチルアミノ)ピリジン-3-カルボキサミド(AMG-706)、Nilotinib、6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)フェニル]-N-[1(R)-フェニルエチル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(AEE-788)、Vandetanib、Temsirolimus、Everolimus、Enzastaurin、N-[4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)ピリミジン-2-イルスルファニル]フェニル]シクロプロパンカルボキサミド(VX-680)、リン酸 2-[N-[3-[4-[5-[N-(3-フルオロフェニル)カルバモイルメチル]-1H-ピラゾール-3-イルアミノ]キナゾリン-7-イルオキシ]プロピル]-N-エチルアミノ]エチル エステル(AZD-1152)、4-[9-クロロ-7-(2,6-ジフルオロフェニル)-5H-ピリミド[5,4-d][2]ベンズアゼピン-2-イルアミノ]安息香酸(MLN-8054)、N-[2-メトキシ-5-[(E)-2-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ビニルスルホニルメチル]フェニル]グリシン ナトリウム塩(ON-1910Na)、4-[8-シクロペンチル-7(R)-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イルアミノ]-3-メトキシ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド(BI-2536)、5-(4-ブロモ-2-クロロフェニルアミノ)-4-フルオロ-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボヒドロキサム酸 2-ヒドロキシエチルエステル(AZD-6244)、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-0325901)、エベロリムス(RAD001)等が用いられる。
上記の薬剤の他に、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、トポテカン)、トポイソメラーゼII阻害薬(例、ソブゾキサン)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタミンD類)、他の血管新生阻害薬(例、フマギリン、さめ抽出物、COX−2阻害薬)、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシン)、ビスホスホン酸(例、パミドロネート、ゾレドロネート)、サリドマイド、5アザシチジン、デシタビン、プロテアソーム阻害薬(例、ボルテゾミブ)、抗CD20抗体等の抗腫瘍性抗体、毒素標識抗体等も用いることができる。
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)治療期間を長く設定することができる、
(4)治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
以下、本発明化合物と併用薬物を併用する場合を「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明化合物と併用薬物を併用する場合の投与形態としては、例えば、
(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、
(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)
が挙げられる。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬物を0.01ないし100重量部用いればよい。
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明化合物または(および)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤とした後に、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト)に対して、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体と同様のものが挙げられる。また、更に必要に応じ、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加剤を適宜、適量用いることもできる。
本発明の併用剤における本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし90重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度である。
また、本発明化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
本発明の併用剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
例えば、本発明化合物または併用薬物は、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン)、安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール)、緩衝剤(例、リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール)等と共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール等の溶解補助剤に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。
また、自体公知の方法に従い、本発明化合物または併用薬物に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウム)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000)を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。コーティングに用いられるコーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、プルロニックF68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸共重合体)および色素(例、ベンガラ、二酸化チタン)が用いられる。経口投与用製剤は速放性製剤、徐放性製剤のいずれであってもよい。
さらに、自体公知の方法に従い、本発明化合物または併用薬物を、油性基剤、水性基剤または水性ゲル基剤と混合することにより、油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製、ドイツ)〕、中鎖脂肪酸のグリセリド〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製、ドイツ)〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油)が挙げられる。また、水性基剤としては、例えば、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコールが挙げられる。水性ゲル基剤としては、例えば、天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体が挙げられる。
上記徐放性製剤としては、徐放性マイクロカプセル剤等が挙げられる。該徐放性マイクロカプセル剤は、自体公知の方法、例えば、下記〔2〕に示す方法に従って製造される。
本発明化合物は、固形製剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤)等の経口投与用製剤に成型するか、坐剤等の直腸投与用製剤に成型するのが好ましい。特に経口投与用製剤が好ましい。
併用薬物は、薬物の種類に応じて上記した剤形とすることができる。
以下に、〔1〕本発明化合物または併用薬物の注射剤およびその調製、〔2〕本発明化合物または併用薬物の徐放性製剤または速放性製剤およびその調製、〔3〕本発明化合物または併用薬物の舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤およびその調製について具体的に示す。
〔1〕注射剤およびその調製
本発明化合物または併用薬物を水に溶解してなる注射剤が好ましい。該注射剤には、安息香酸塩または/およびサリチル酸塩を含有させてもよい。
該注射剤は、本発明化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩または/およびサリチル酸塩の双方を水に溶解することにより得られる。
上記安息香酸、サリチル酸の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、その他トロメタモール等の有機塩基との塩が挙げられる。
注射剤中の本発明化合物または併用薬物の濃度は、0.5ないし50w/v%、好ましくは3ないし20w/v%程度である。また安息香酸塩または/およびサリチル酸塩の濃度は、0.5ないし50w/v%、好ましくは3ないし20w/v%程度である。
また、本注射剤には、一般に注射剤に使用される添加剤、例えば、安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール)、緩衝剤(例、リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム)、分散剤(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール)を適宜配合することができる。これらの添加剤は、一般に注射剤に通常用いられる割合で配合される。
注射剤は、pH調節剤の添加により、pH2ないし12、好ましくはpH2.5ないし8.0に調整するのがよい。
注射剤は、本発明化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩または/およびサリチル酸塩の双方を、また必要により上記添加剤を水に溶解することにより得られる。これらの溶解はどのような順序で行ってもよく、従来の注射剤の製法と同様に適宜行うことができる。
注射用水溶液は加温するのがよく、また通常の注射剤と同様に、例えば、濾過滅菌、高圧加熱滅菌等を行うことにより注射剤として供することができる。
注射用水溶液は、例えば、100ないし121℃の条件で5ないし30分高圧加熱滅菌するのがよい。
さらに多回分割投与製剤として使用できるように、溶液の抗菌性を付与した製剤としてもよい。
〔2〕徐放性製剤または速放性製剤およびその調製
本発明化合物または併用薬物を含んでなる核を所望により水不溶性物質や膨潤性ポリマー等の被膜剤で被覆してなる徐放性製剤が好ましい。例えば、1日1回投与型の経口投与用徐放性製剤が好ましい。
被膜剤に用いられる水不溶性物質としては、例えば、エチルセルロース、ブチルセルロース等のセルロースエーテル類、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート等のポリビニルエステル類、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート共重合体、エトキシエチルメタクリレート/シンナモエチルメタクリレート/アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリメタクリレート、ポリメタクリルアミド、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(メタクリル酸アンヒドリド)、グリシジルメタクリレート共重合体、とりわけオイドラギットRS−100、RL−100、RS−30D、RL−30D、RL−PO、RS−PO(アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチル・アンモニウムエチル共重合体)、オイドラギットNE−30D(メタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体)等のオイドラギット類(ローム・ファーマ社)等のアクリル酸系ポリマー、硬化ヒマシ油(例、ラブリワックス(Lubri wax)(フロイント産業))等の硬化油、カルナバワックス、脂肪酸グリセリンエステル、パラフィン等のワックス類、ポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
膨潤性ポリマーとしては、酸性の解離基を有し、pH依存性の膨潤を示すポリマーが好ましく、胃内のような酸性領域では膨潤が少なく、小腸や大腸等の中性領域で膨潤が大きくなる酸性の解離基を有するポリマーが好ましい。
このような酸性の解離基を有し、pH依存性の膨潤を示すポリマーとしては、例えば、カーボマー(Carbomer)934P、940、941、974P、980、1342等、ポリカーボフィル(polycarbophil)、カルシウムポリカーボフィル(calcium polycarbophil)(前記はいずれもBFグッドリッチ社製)、ハイビスワコー103、104、105、304(いずれも和光純薬(株)製)等の架橋型ポリアクリル酸重合体が挙げられる。
徐放性製剤に用いられる被膜剤は、親水性物質をさらに含んでいてもよい。
該親水性物質としては、例えば、プルラン、デキストリン、アルギン酸アルカリ金属塩等の硫酸基を有していてもよい多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキルを有する多糖類、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールが挙げられる。
徐放性製剤の被膜剤における水不溶性物質の含有率は、約30ないし約90%(w/w)、好ましくは約35ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約40ないし75%(w/w)であり、膨潤性ポリマーの含有率は、約3ないし約30%(w/w)、好ましくは約3ないし約15%(w/w)である。被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよく、その場合被膜剤における親水性物質の含有率は、約50%(w/w)以下、好ましくは約5ないし約40%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし約35%(w/w)である。ここで上記%(w/w)は、被膜剤液から溶媒(例、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール)を除いた被膜剤組成物に対する重量%を示す。
徐放性製剤は、以下に例示するように薬物を含む核を調製し、次いで得られた核を、水不溶性物質や膨潤性ポリマー等を加熱溶解あるいは溶媒に溶解または分散させた被膜剤液で被覆することにより製造される。
I.薬剤を含む核の調製
被膜剤で被覆される薬物を含む核(以下、単に核と称することがある)の形態は特に制限されないが、好ましくは顆粒あるいは細粒等の粒子状に形成される。
核が顆粒または細粒の場合、その平均粒子径は、好ましくは約150ないし約2,000μm、さらに好ましくは約500ないし約1,400μmである。
核の調製は通常の製造方法で実施することができる。例えば、薬物に適当な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤等を混合し、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法により調製する。
核の薬物含量は、約0.5ないし約95%(w/w)、好ましくは約5.0ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約30ないし約70%(w/w)である。
核に含まれる賦形剤としては、例えば、白糖、乳糖、マンニトール、グルコース等の糖類、澱粉、結晶セルロース、リン酸カルシウム、コーンスターチが用いられる。中でも、結晶セルロース、コーンスターチが好ましい。
結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プルロニックF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉が用いられる。崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol)、架橋型ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)が用いられる。中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。滑沢剤、凝集防止剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびその無機塩、また潤滑剤としてポリエチレングリコールが用いられる。安定化剤としては、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸が用いられる。
核は上記製造法以外にも、例えば、核の中心となる不活性担体粒子上に水、低級アルコール(例、メタノール、エタノール等)等の適当な溶媒に溶解した結合剤をスプレーしながら、薬物あるいはこれと賦形剤、滑沢剤等との混合物を少量ずつ添加して行なう転動造粒法、パンコーティング法、流動層コーティング法や溶融造粒法によっても調製することができる。不活性担体粒子としては、例えば、白糖、乳糖、澱粉、結晶セルロース、ワックス類で製造されたものが使用でき、その平均粒子径は約100μmないし約1,500μmであるものが好ましい。
核に含まれる薬物と被膜剤とを分離するために、防護剤で核の表面を被覆してもよい。防護剤としては、例えば、前記親水性物質や、水不溶性物質が用いられる。防護剤は、好ましくはポリエチレングリコールやヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキルを有する多糖類、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが用いられる。該防護剤は、安定化剤として、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸や、タルク等の滑沢剤を含んでいてもよい。防護剤を用いる場合、その被覆量は核に対して約1ないし約15%(w/w)、好ましくは約1ないし約10%(w/w)、さらに好ましくは約2ないし約8%(w/w)である。
防護剤は通常のコーティング法により被覆することができ、具体的には、防護剤を、例えば、流動層コーティング法、パンコーティング法により核にスプレーコーティングすることで被覆することができる。
II.核の被膜剤による被覆
前記Iで得られた核を、前記水不溶性物質及びpH依存性の膨潤性ポリマー、および親水性物質を加熱溶解あるいは溶媒に溶解または分散させた被膜剤液により被覆することにより、徐放性製剤が製造される。
核の被膜剤液による被覆方法として、例えば、噴霧コーティングする方法が挙げられる。
被膜剤液中の水不溶性物質、膨潤性ポリマーまたは親水性物質の組成比は、被膜中の各成分の含有率がそれぞれ前記含有率となるように適宜選ばれる。
被膜剤の被覆量は、核(防護剤の被覆量を含まない)に対して約1ないし約90%(w/w)、好ましくは約5ないし約50%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし約35%(w/w)である。
被膜剤液の溶媒としては、水または有機溶媒を単独であるいは両者の混液を用いることができる。混液を用いる際の水と有機溶媒との混合比(水/有機溶媒:重量比)は、1ないし100%の範囲で変化させることができ、好ましくは1ないし約30%である。該有機溶媒としては、水不溶性物質を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の低級アルコール、アセトン等の低級アルカノン、アセトニトリル、クロロホルム、メチレンクロライドが用いられる。このうち低級アルコールが好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。水及び水と有機溶媒との混液が、被膜剤の溶媒として好ましく用いられる。この時、必要であれば被膜剤液中に、被膜剤液安定化のために、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸を加えてもよい。
噴霧コーティングにより被覆する場合の操作は、通常のコーティング法により実施することができ、具体的には、被膜剤液を、例えば、流動層コーティング法、パンコーティング法により核にスプレーコーティングすることで実施することができる。この時必要であれば、タルク、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸等を滑沢剤として、グリセリン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、クエン酸トリエチル、セチルアルコール、ステアリルアルコール等を可塑剤として添加してもよい。
被膜剤による被膜後、必要に応じてタルク等の帯電防止剤を混合してもよい。
速放性製剤は、液状(溶液、懸濁液、乳化物等)であっても固形状(粒子状、丸剤、錠剤等)であってもよい。速放性製剤としては、経口投与剤、注射剤等非経口投与剤が用いられるが、経口投与剤が好ましい。
速放性製剤は、通常、活性成分である薬物に加えて、製剤分野で慣用される担体、添加剤や賦形剤(以下、賦形剤と略称することがある)を含んでいてもよい。用いられる賦形剤は、製剤賦形剤として常用される賦形剤であれば特に限定されない。例えば、経口固形製剤用の賦形剤としては、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセルPH101等)、粉糖、グラニュー糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システインが挙げられ、好ましくはコーンスターチおよびマンニトール等が挙げられる。これらの賦形剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用できる。賦形剤の含有量は、速放性製剤全量に対して、例えば、約4.5ないし約99.4w/w%、好ましくは約20ないし約98.5w/w%、さらに好ましくは約30ないし約97w/w%である。
速放性製剤における薬物の含量は、速放性製剤全量に対して、約0.5ないし約95w/w%、好ましくは約1ないし約60w/w%の範囲から適宜選択することができる。
速放性製剤が経口固形製剤の場合、通常上記成分に加えて、崩壊剤を含有する。このような崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム(五徳薬品製、ECG−505)、クロスカルメロースナトリウム(例えば、旭化成(株)製、アクジゾル)、クロスポビドン(例えば、BASF社製、コリドンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学(株))、カルボキシメチルスターチ(松谷化学(株))、カルボキシメチルスターチナトリウム(木村産業製、エキスプロタブ)、部分α化デンプン(旭化成(株)製、PCS)が用いられ、例えば、水と接触して吸水、膨潤、あるいは核を構成している有効成分と賦形剤との間にチャネルを作る等により顆粒を崩壊させるものを用いることができる。これらの崩壊剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用できる。崩壊剤の配合量は、用いる薬物の種類や配合量、放出性の製剤設計等により適宜選択されるが、速放性製剤全量に対して、例えば、約0.05ないし約30w/w%、好ましくは約0.5ないし約15w/w%である。
速放性製剤が経口固形製剤である場合、上記の組成に加えて、所望により固形製剤において慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、結合剤(例えば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン)、滑沢剤(例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸(例えば、アエロジル(日本アエロジル)))、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤)、着色剤(例えば、タール系色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタン、リボフラビン類)、必要ならば、矯味剤(例えば、甘味剤、香料)、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤が用いられる。また、安定化剤として酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸を加えてもよい。
上記結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドン等が好ましく用いられる。
速放性製剤は、通常の製剤の製造技術に基づき、前記各成分を混合し、必要により、さらに練合し、成型することにより調製することができる。上記混合は、一般に用いられる方法、例えば、混合、練合により行われる。具体的には、例えば、速放性製剤を粒子状に形成する場合、前記徐放性製剤の核の調製法と同様の手法により、バーチカルグラニュレーター、万能練合機(畑鉄工所製)、流動層造粒機FD−5S(パウレック社製)等を用いて混合し、その後、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法等により造粒することにより調製することができる。
このようにして得られた速放性製剤と徐放性製剤とは、そのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に常法により別々に製剤化後、同時あるいは任意の投与間隔を挟んで組み合わせて投与する製剤としてもよく、また両者をそのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に一つの経口投与製剤(例、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル)に製剤化してもよい。両製剤を顆粒あるいは細粒に製造して、同一のカプセル等に充填して経口投与用製剤としてもよい。
〔3〕舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤およびその調製
舌下錠、バッカル製剤、口腔内速崩壊剤は、錠剤等の固形製剤であってもよいし、口腔粘膜貼付錠(フィルム)であってもよい。
舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤としては、本発明化合物または併用薬物と賦形剤とを含有する製剤が好ましい。また、滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤等の補助剤を含有していてもよい。また、吸収を容易にし、生体内利用率を高めるために、β−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体(例、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)等を含有していてもよい。
上記賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられ、特に、ステアリン酸マグネシウムやコロイドシリカが好ましい。等張化剤としては、塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、サッカロース、グリセリン、尿素等が挙げられ、特にマンニトールが好ましい。親水性担体としては、結晶セルロース、エチルセルロース、架橋性ポリビニルピロリドン、軽質無水珪酸、珪酸、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム等の膨潤性親水性担体が挙げられ、特に結晶セルロース(例、微結晶セルロース等)が好ましい。水分散性ポリマーとしては、ガム(例、トラガカントガム、アカシアガム、グアーガム)、アルギン酸塩(例、アルギン酸ナトリウム)、セルロース誘導体(例、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ゼラチン、水溶性デンプン、ポリアクリル酸(例、カーボマー)、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリカーボフィル、アスコルビン酸、パルミチン酸塩等が挙げられ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が好ましい。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。安定化剤としては、システイン、チオソルビトール、酒石酸、クエン酸、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸、グリシン、亜硫酸ナトリウム等が挙げられ、特に、クエン酸やアスコルビン酸が好ましい。
舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤は、本発明化合物または併用薬物と賦形剤とを自体公知の方法により混合することにより製造することができる。さらに、所望により上記した滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤、着色剤、甘味剤、防腐剤等の補助剤を混合してもよい。上記成分を同時に若しくは時間差をおいて混合した後、加圧打錠成形することにより舌下錠、バッカル錠または口腔内速崩壊錠が得られる。適度な硬度を得るため、打錠成形の過程の前後において必要に応じ水やアルコール等の溶媒を用いて加湿・湿潤させ、成形後、乾燥させて製造してもよい。
粘膜貼付錠(フィルム)に成型する場合は、本発明化合物または併用薬物および上記した水分散性ポリマー(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤等を水等の溶媒に溶解させ、得られる溶液を流延させて(cast)フィルムとする。さらに、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、保存剤、着色剤、緩衝剤、甘味剤等の添加物を加えてもよい。フィルムに適度の弾性を与えるために、ポリエチレングリコールやプロピレングリコール等のグリコール類を含有させたり、口腔の粘膜ライニングへのフィルムの接着を高めるために、生物接着性ポリマー(例、ポリカーボフィル、カルボポール)を含有させてもよい。流延は、非接着性表面に溶液を注ぎ、ドクターブレード等の塗布用具で均一な厚さ(好ましくは10ないし1000ミクロン程度)にそれを広げ、次いで溶液を乾燥してフィルムを形成することにより達成される。このように形成されたフィルムは、室温若しくは加温下乾燥させ、所望の表面積に切断すればよい。
好ましい口腔内速崩壊剤としては、本発明化合物または併用薬物と、本発明化合物または併用薬物に対して不活性である水溶性若しくは水拡散性キャリヤーとの網状体からなる固体状の急速拡散投与剤が挙げられる。該網状体は、本発明化合物または併用薬物を適当な溶媒に溶解した溶液から構成されている組成物から溶媒を昇華することによって得られる。
該口腔内速崩壊剤の組成物中には、本発明化合物または併用薬物に加えて、マトリックス形成剤と二次成分とを含んでいるのが好ましい。
該マトリックス形成剤としては、ゼラチン類、デキストリン類ならびに大豆、小麦ならびにオオバコ(psyllium)種子蛋白等の動物性蛋白類若しくは植物性タンパク類;アラビアゴム、グアーガム、寒天ならびにキサンタン等のゴム質物質;多糖類;アルギン酸類;カルボキシメチルセルロース類;カラゲナン類;デキストラン類;ペクチン類;ポリビニルピロリドン等の合成ポリマー類;ゼラチン−アラビアゴムコンプレックス等から誘導される物質が含まれる。さらに、マンニトール、デキストロース、ラクトース、ガラクトースならびにトレハロース等の糖類;シクロデキストリン等の環状糖類;リン酸ナトリウム、塩化ナトリウムならびにケイ酸アルミニウム等の無機塩類;グリシン、L−アラニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒドロキシプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシンならびにL−フェニルアラニン等の炭素原子数が2から12までのアミノ酸等が含まれる。
マトリックス形成剤は、その1種若しくはそれ以上を、固形化の前に、溶液または懸濁液中に導入することができる。かかるマトリックス形成剤は、界面活性剤に加えて存在していてもよく、また界面活性剤が排除されて存在していてもよい。マトリックス形成剤は、そのマトリックスを形成することに加えて、本発明化合物または併用薬物の拡散状態をその溶液または懸濁液中に維持する助けをすることができる。
保存剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、着色剤、pH調整剤、香味料、甘味料若しくは食味マスキング剤等の二次成分を組成物中に含有していてよい。適当な着色剤としては、赤色、黒色ならびに黄色酸化鉄類およびエリス・アンド・エベラールド社のFD&Cブルー2号ならびにFD&Cレッド40号等のFD&C染料が挙げられる。適当な香味料には、ミント、ラズベリー、甘草、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、カラメル、バニラ、チェリーならびにグレープフレーバーおよびこれらを組合せたものが含まれる。適当なpH調整剤には、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸およびマレイン酸が含まれる。適当な甘味料としては、アスパルテーム、アセスルフェームKならびにタウマチン等が含まれる。適当な食味マスキング剤としては、重炭酸ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン包接化合物、吸着質物質ならびにマイクロカプセル化アポモルフィンが含まれる。
製剤は、通常約0.1ないし約50重量%、好ましくは約0.1ないし約30重量%の本発明化合物または併用薬物を含み、約1分ないし約60分の間、好ましくは約1分ないし約15分の間、より好ましくは約2分ないし約5分の間に(水に)本発明化合物または併用薬物の90%以上を溶解させることが可能な製剤(上記、舌下錠、バッカル等)や、口腔内に入れられて1ないし60秒以内に、好ましくは1ないし30秒以内に、さらに好ましくは1ないし10秒以内に崩壊する口腔内速崩壊剤が好ましい。
上記賦形剤の製剤全体に対する含有量は、約10ないし約99重量%、好ましくは約30ないし約90重量%である。β−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体の製剤全体に対する含有量は、0ないし約30重量%である。滑沢剤の製剤全体に対する含有量は、約0.01ないし約10重量%、好ましくは約1ないし約5重量%である。等張化剤の製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約90重量%、好ましくは、約10ないし約70重量%である。親水性担体の製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約50重量%、好ましくは約10ないし約30重量%である。水分散性ポリマーの製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約30重量%、好ましくは約10ないし約25重量%である。安定化剤の製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約10重量%、好ましくは約1ないし約5重量%である。上記製剤はさらに、着色剤、甘味剤、防腐剤等の添加剤を必要に応じて含有していてもよい。
本発明の併用剤の投与量は、本発明化合物の種類;患者の年齢、体重、症状;剤形、投与方法、投与期間等により異なるが、例えば、癌患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、本発明化合物および併用薬物として、それぞれ1日約0.01ないし約1000mg/kg、好ましくは約0.01ないし約100mg/kg、より好ましくは約0.1ないし約100mg/kg、とりわけ約0.1ないし約50mg/kgを、なかでも約1.5ないし約30mg/kgを1日1回から数回に分けて静脈投与される。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、例えば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001ないし2000mg、好ましくは約0.01ないし500mg、さらに好ましくは、約0.1ないし100mg程度であり、これを通常1日1ないし4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明化合物と併用薬物とを同時期に投与してもよいが、併用薬物を先に投与した後、本発明化合物を投与してもよいし、本発明化合物を先に投与し、その後で併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分ないし3日以内、好ましくは10分ないし1日以内、より好ましくは15分ないし1時間以内に本発明化合物を投与する方法が挙げられる。本発明化合物を先に投与する場合、本発明化合物を投与した後、1分ないし1日以内、好ましくは10分ないし6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
好ましい投与方法としては、例えば、経口投与製剤に成型された併用薬物約0.001ないし200mg/kgを経口投与し、約15分後に経口投与製剤に成型された本発明化合物約0.005ないし100mg/kgを1日量として経口投与する。
さらに、本発明化合物または本発明の併用剤は、非薬剤療法と併用して用いることができる。具体的には、本発明化合物または本発明の併用剤は、例えば、(1)手術、(2)アンジオテンシンII等を用いる昇圧化学療法、(3)遺伝子療法、(4)温熱療法、(5)凍結療法、(6)レーザー焼灼法、(7)放射線療法の非薬剤療法と組み合わせることもできる。
例えば、本発明化合物または本発明の併用剤を手術等の前または後に、あるいはこれら2、3種を組み合わせた治療前または後に使用することによって、耐性発現の阻止、無病期(Disease-Free Survival)の延長、癌転移あるいは再発の抑制、延命等の効果が得られる。
また、本発明化合物または本発明の併用剤による治療と、支持療法〔(i)各種感染病の併発に対する抗生物質(例えば、パンスポリン等のβ−ラクタム系、クラリスロマイシン等のマクロライド系等)の投与、(ii)栄養障害改善のための高カロリー輸液、アミノ酸製剤、総合ビタミン剤の投与、(iii)疼痛緩和のためのモルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン濃度低下、脱毛、肝障害、腎障害、DIC、発熱等のような副作用を改善する薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性を抑制するための薬剤の投与等〕を組み合わせることもできる。
前記の処置を施す前または施した後に、本発明化合物または本発明の併用剤を経口投与(徐放性を含む)、静脈内投与(ボーラス(bolus)、輸液(infusion)、包接体を含む)、皮下および筋注(ボーラス(bolus)、輸液(infusion)、徐放性を含む)、経皮、腫瘍内および近位投与によって投与するのが好ましい。
手術等の前に本発明化合物または本発明の併用剤を投与する場合の時期としては、例えば、手術等の約30分ないし24時間前に1回投与することもできるし、あるいは手術等の約3ヶ月ないし6ヶ月前に1ないし3サイクルに分けて投与することもできる。このように、手術等の前に本発明化合物または本発明の併用剤を投与することにより、例えば、癌組織を縮小させることができるので、手術等がしやすくなる。
手術等の後に本発明化合物または本発明の併用剤を投与する場合の時期としては、手術等の約30分ないし24時間後に、例えば、数週間ないし3ヶ月単位で反復投与することができる。このように、手術等の後に本発明化合物または本発明の併用剤を投与することにより、手術等の効果を高めることができる。
本発明を以下の実施例、製剤処方例および実験例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例におけるカラムクロマトグラフィーの溶出は、TLC(薄層クロマトグラフィー)の観察により行った。TLC観察では、キーゼルゲル 60F254 プレート(Merck)もしくは富士シリシア化学(株)製NH TLC プレートをTLCプレートとして使用し、カラムクロマトグラフィーの溶出溶媒として使用した溶媒を展開溶媒として使用し、UV検出器を検出手段として使用した。カラム用シリカゲルとして、Merck製キーゼルゲル 60F254 (70-230 メッシュ)、富士シリシア化学(株)製クロマトレックス NH DM1020 (塩基性シリカゲル、100-200メッシュ)もしくは Teledyne ISCO製CombiflashシステムおよびRediSep Rfシリカカートリッジを使用した。シリカゲルクロマトグラフィーの溶媒比は、混合溶媒の容積比である。%は、特段の断りがない限り、重量パーセントを意味する。
プロトン核磁気共鳴スペクトルは、varian Gemini-200 MHz, varian Gemini-300 MHz, Varian mercury plus 300 MHz, Bruker Avance III plus 400 MHz, Bruker AV 300 MHzまたはBruker AV 500MHz上で得られた。スペクトルをppm (d)、カップリング定数Jで報告する。テトラメチルシランをプロトンスペクトルの内部基準として使用した。
実施例で使用する略号は以下を意味する:
s: シングレット、
br: ブロード、
d: ダブレット、
t: トリプレット、
q: カルテット、
dd: ダブルダブレット、
m: マルチプレット、
J: カップリング定数、
Hz: ヘルツ、
DMSO: ジメチルスルホキシド、
CDCl3: 重クロロホルム、
CD3OD: 重メタノール、
CSA: [(1S,4R)-7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ-1-イル]メタンスルホン酸、
DMA: N,N-ジメチルアセトアミド、
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド、
1H-NMR: プロトン核磁気共鳴、
MeCN: アセトニトリル、
MeOH: メタノール、
NH (カラムクロマトグラフィーにおける): クロマトレックス(登録商標)NH (富士シリシア) 、
PTSA: p-トルエンスルホン酸 一水和物、
THF: テトラヒドロフラン、
TFA: トリフルオロ酢酸。
分取用HPLCは次の条件で行った: カラム: Fuji C18 (300x25) もしくは YMC CombiPrep. Hydrosphere C18 (50×20 mm); 波長 220 nm; 移動相: A MeCN(0.1% TFA); B水(0.1% TFA)。
本明細書の配列表の配列番号はそれぞれ以下の配列を示す。
[SEQ ID NO: 1]
実験例1Aで使用したプライマーの塩基配列を示す。
[SEQ ID NO: 2]
実験例1Aで使用したプライマーの塩基配列を示す。
[SEQ ID NO: 3]
実験例1Aで使用したプライマーの塩基配列を示す。
[SEQ ID NO: 4]
実験例1Aで使用したプライマーの塩基配列を示す。
実施例1
2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
3-クロロ-3-(ピリジン-4-イル)アクリロニトリルの製造
氷冷したDMF(32.1 mL, 0.400モル)に、攪拌しながらPOCl3(18.6 mL, 0.200モル)を1時間かけて滴下した。30分後、混合物を放置して室温に戻し、次いで、4-アセチルピリジン(11.1 mL, 0.100モル)を2時間かけて滴下した。DMF(50 mL)を追加し、混合物を水浴で室温に維持した。反応温度を80℃℃以下に維持しながら、注意してヒドロキシルアミン塩酸塩(13.9 g, 200mmol)を2時間かけて分けて加えた。DMF(50 mL)を再び加え、ヒドロキシルアミン塩酸塩(13.9 g, 200mmol)を30分かけて分けて加えた。次いで、混合物を80℃に加熱した。1.5時間後、混合物を放置して室温に戻し、一晩攪拌を続けた。混合物を0℃に冷却し、水(500 mL)を加え、混合物を炭酸水素ナトリウムで中和した。水(500 mL)を再び加えてすべてを溶解し、混合物を酢酸エチル(500 mL, 3 x 200 mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。得られた黒色残渣を酢酸エチル(300 mL)に溶解し、溶液をシリカゲルパッド(100g)で濾過した。シリカゲルを酢酸エチル(1 L)で洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、灰色固体を得た。1H NMR 分析では純度は約60%であった。この固体をジクロロメタン(100 mL)中で粉末化し、濾過した。濾液をカラムクロマトグラフィー(120g x 2、シリカ、Combiflash、ジクロロメタン-50:50 ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して、白色固体の標題化合物(5.97 g, 36%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.25 (1H, s), 7.77 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.77 (2H, dd, J = 4.5, 2.0 Hz).
工程 2
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
ナトリウムメトキシド(2.12 g, 39.3 mmol)のメタノール(59 mL)溶液に、撹拌しながらメチル チオグリコラート(3.51 mL, 39.3 mmol)を加えた。10分後、3-クロロ-3-(ピリジン-4-イル)アクリロニトリル(6.47 g, 39.3 mmol)を加え、混合物50℃に加熱した。1時間後、混合物を約半分の容量まで減圧下濃縮し、水(500 mL)に注いだ。酢酸エチル/テトラヒドロフラン(4:1、500 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体の標題化合物(8.81 g, 96%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.79 (3H, s), 6.62 (2H, br s), 7.21 (1H, s), 7.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.63 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
工程 3
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(2.34 g, 10mmol)、ナトリウムメトキシド(1.62 g, 30mmol)、メタノール(40 mL)および水(10 mL)の混合物を4時間還流した。混合物を放置して室温に戻し、一晩攪拌を続けた。混合物を氷浴下冷却し、濃塩酸(2.48 mL, 30mmol)を加えた(pH は約4)。生じた黄色析出物を濾取し、水およびメタノールで洗浄して、黄色固体の標題化合物(2.02 g, 92%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.20 (1H, s), 7.62 (2H, dd, J = 4.8, 1.5 Hz), 8.62 (2H, d, J = 6.3 Hz), アミノ部分の2Hおよびカルボン酸の1Hはそれぞれ観察されなかった。
工程 4
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸(0.220g, 1.00mmol)、塩化アンモニウム(0.267 g, 5.00mmol)、トリエチルアミン(0.70 mL, 5.0mmol)およびDMF(3.0 mL)の混合物を5分間撹拌した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.204 g, 1.50mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(0.286 g, 1.50mmol)を加え、一晩攪拌を続けた。次いで、DMF(2 mL)、塩化アンモニウム(0.267 g, 5.00mmol)、トリエチルアミン(0.70 mL, 5.0mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.204 g, 1.50mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(0.286 g, 1.50mmol)を再び加えた。6時間後、混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、2 x 30 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体の標題化合物(0.185 g, 84%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 6.54 (2H, br s), 7.06 (2H, br s), 7.18 (1H, s), 7.54-7.58 (2H, m), 8.61 (2H, d, J = 6.3 Hz).
工程 5
2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(150mg, 0.68 mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(50mg)およびアセトン(10 mL)のトルエン(20 mL)中の混合物を一晩加熱還流した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH: ジクロロメタン= 1:9)で精製して、橙色固体の標題化合物(130mg, 収率 74%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 (6H, s), 7.62-7.65 (3H, m), 8.59-8.61 (2H, m).
実施例2
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(150mg, 0.68 mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(50mg)およびシクロペンタン-1-オン(10 ml)のトルエン(20 ml)中の混合物を一晩加熱還流した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH: ジクロロメタン= 1:9)で精製して、橙色固体の標題化合物(140mg, 収率 72%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.66-1.69 (4H, m), 1.83-1.89 (4H, m), 7.16 (1H, s), 7.24 (1H, s), 7.62 (2H, dd, J = 6.0 Hz), 7.80 (1H, s), 8.60-8.61 (2H, m).
実施例3
2-フェニル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(99.9 mg, 0.456 mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(8.67 mg, 0.046 mmol)、ベンズアルデヒド (0.056 mL, 0.547 mmol)およびトルエン(5 mL)の混合物を2時間還流した。反応は起こらなかった。冷却後、AcOH (3 mL)を加え、混合物を3時間還流した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をDMSO (3 mL)に懸濁し、不溶物を濾去した。濾液を分取用HPLC(ODS カラム、0.1% TFA、水-MeCN = 95:5-0:100)で精製した。目的物を含むフラクションを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にし、有機物をEtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、黄色固体の標題化合物(4.0mg, 収率2.86%)を得た:
1H NMR (DMSO-d6) δ 5.82 (1H, m), 7.22 (1H, s), 7.35-7.44 (3H, m), 7.51-7.55 (2H, m), 7.62-7.65 (5H, m), 8.06 (1H, br s), 8.60-8.62 (3H, m).
実施例4
1’-メチル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(1.21 g, 5.00mmol)のDMF(25 mL)溶液に、撹拌しながら水素化ナトリウム(60%, 0.220g, 5.50mmol)を加えた。10分後、ヨードメタン(0.34 mL, 5.5 mmol)を加え、攪拌を2.5時間続けた。混合物を水(60 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60 mL)の混合物に注いだ。酢酸エチル(100 mL)およびTHF(25 mL)を混合物に加えて抽出し、不溶の沈殿物を濾去した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル)で精製して、橙色固体の標題化合物(0.533 g, 43%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.00 (3H, s), 3.75 (3H, s), 6.80 (1H, m), 7.53 (1H, s), 7.72 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 8.64 (2H, dd, J = 1.8, 4.5 Hz). この物質は約16%のN-N’-ジメチル化誘導体をマイナー副生成物として含んでいた。
工程 2
3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(0.533 g, 2.15 mmol)、ナトリウムメトキシド(0.348 g, 6.45 mmol)、メタノール(8.0 mL)および水(2.0 mL)の混合物を4時間加熱還流した。混合物を氷浴で冷却し、濃塩酸(0.533 mL, 6.45 mmol)を加えてpHを4に調整した。得られた黄色析出物を濾取し、水およびメタノールで洗浄して、黄色固体の標題化合物(0.342 g, 68%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.98 (3H, s), 7.50 (1H, s), 7.72 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 8.61-8.63 (2H, m); アミノ部分の1Hおよびカルボン酸の1Hは観察されなかった。
工程 3
3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸(0.342 g, 1.46 mmol)、塩化アンモニウム(0.781 g, 14.6 mmol)、トリエチルアミン(2.05 mL, 14.6 mmol)およびDMF(8.7 mL)の混合物を5分間撹拌した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.592 g, 4.38 mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(0.840g, 4.38 mmol)を加え、攪拌を3日間続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)および水(60 mL)の混合物に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(3:1、2 x 100 mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この固体をジクロロメタン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.219 g, 64%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.94 (3H, d, J = 5.1 Hz), 7.06 (2H, br s), 7.25 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.49 (1H, s), 7.65 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 1.8, 4.5 Hz).
濾液をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製して、橙色固体の追加の標題化合物(0.034 g, 10%)を得た。
工程 4
1’-メチル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(300mg, 1.29 mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(120mg)およびシクロペンタン-1-オン(10 mL)のトルエン(30 mL)中の混合物を一晩加熱還流した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH: DCM= 1:9)で精製して、橙色固体の標題化合物(200mg, 収率 52%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.77-1.82 (4H, m), 1.92-2.12 (4H, m), 2.97 (3H, s), 5.65 (1H, br s), 7.00 (1H, s), 7.48 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.63 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例5
6’-(ピリジン-4-イル)-2,3,5,6-テトラヒドロ-1’H-スピロ[ピラン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.078 g, 0.36 mmol)、テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(0.200g, 2.00mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.076 g, 0.40mmol)およびトルエン(3.0 mL)の混合物を90℃で2時間攪拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)に注いだ。酢酸エチル/テトラヒドロフラン(2:1、2 x 30 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(12 g, シリカ、Combiflash、ジクロロメタン-80:20 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.050g, 46%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.86 (4H, m), 3.63-3.73 (4H, m), 7.22 (1H, s), 7.35 (1H, br s), 7.63 (2H, d, J = 5.4 Hz), 7.85 (1H, br s), 8.61 (2H, d, J = 4.8 Hz).
実施例6
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.110g, 0.500mmol)、シクロヘキサノン(0.245 g, 2.50mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.105 g, 0.550mmol)およびトルエン(5.0 mL)の混合物を90℃で1時間攪拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(30 mL)に注いだ。酢酸エチル/テトラヒドロフラン(2:1、2 x 30 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(12 g, シリカ、Combiflash、ジクロロメタン-80:20 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.053 g, 36%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.15-1.30 (1H, m), 1.40-1.66 (7H, m), 1.81-1.93 (2H, m), 7.15 (1H, br s), 7.18 (1H, s), 7.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 7.63 (1H, br s), 8.61 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz).
実施例7
1,2,2-トリメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(400mg, 1.72 mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(150mg)およびアセトン(40 mL)のトルエン(40 mL)中の混合物を一晩加熱還流した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH: ジクロロメタン= 1:9)で精製して、橙色固体の標題化合物(30mg, 収率 6%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 1.42 (6H, s), 2.93 (3H, s), 7.56 (1H, s), 7.68 (2H, dd, J = 4.2, 1.8 Hz), 8.61 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz).
実施例8
2-エチル-2-メチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、2-ブタノン(1.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0096 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を70℃で1時間攪拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)に注いだ。酢酸エチル(200 mL, 100 mL) で抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、残渣を得、これをジクロロメタン/酢酸エチル(1:1、6 mL)中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.095 g, 69%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.89 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.36 (3H, s), 1.63-1.77 (2H, m), 7.09 (1H, br s), 7.14 (1H, s), 7.59 (1H, br s), 7.62 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.60 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例9
ベンジル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.219 g, 1.00mmol)、ベンジル 4-オキソ-1-ピペリジンカルボキシラート(0.700g, 3.00mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.211 g, 1.10mmol)およびトルエン(10.0 mL)の混合物を90℃で2時間攪拌した。次いで、酢酸(10.0 mL)を加え、混合物を80℃で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した後、得られた残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)に注いだ。酢酸エチル(200 mL, 100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、固体を得た。固体を酢酸エチル/ジクロロメタン(1:1、10 mL)中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.276 g, 64%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.74-1.92 (4H, m), 3.33-3.37 (2H, m), 3.67-3.72 (2H, m), 5.09 (2H, s), 7.20 (1H, s), 7.30-7.39 (6H, m), 7.63 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 7.84 (1H, br s), 8.62 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例10
2,2-ジエチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、3-ペンタノン(1.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0096 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を70℃で3時間攪拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL, 50 mL)で抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(40g, シリカ、Combiflash、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製し、酢酸エチル中で粉末化した。析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.040g, 28%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.88 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.61-1.69 (4H, m), 7.03 (1H, br s), 7.12 (1H, s), 7.50 (1H, br s), 7.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.60 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例11
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[2,3-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
エチル 2-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-3-カルボキシラートの製造
4-メチルピリジン(3.7 g, 40mmol)およびビス(ジメチルアミノ)-tert-ブトキシメタン(8.44 g, 48 mmol)のDMF(10 mL)溶液を窒素雰囲気下で12時間加熱還流し、減圧下濃縮し、黄褐色固体を得た。これをシクロヘキサンから再結晶化して、明黄色結晶の化合物 4-(2-ジメチルアミノビニル)ピリジン(5.0g, 収率 85%)を得た。4-(2-ジメチルアミノビニル)ピリジン(5.0g, 33.8 mmol)、エチルシアノアセタート(3.8 g, 33.8 mmol)、硫黄(8.6 g, 270.2 mmol)およびモルホリン(1 mL)のEtOH (50 mL)溶液を窒素雰囲気下で80℃で3時間加熱し、氷で冷却した。生じた結晶を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、橙色固体の標題化合物(5.5 g, 66% 収率)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.38 (3H, t, J = 7.2Hz), 4.31 (2H, q, J = 7.2 Hz), 6.24 (2H, br s), 7.27 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 7.49 (1H, s), 8.50 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz).
工程 2
2-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-3-カルボン酸の製造
エチル 2-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-3-カルボキシラート(400mg, 1.53 mmol)のEtOH (50 mL)溶液に、水酸化リチウム 一水和物(256 mg, 6.1 mmol)の水(5 mL)溶液を加えた。反応混合物を80で2時間加熱した。溶媒を除去した後、残渣を水に溶解し、有機物をAcOEt (50 mL)で抽出した。有機層を廃棄し、水層を2N HCl水溶液でpH=5または6に中和した。その時沈殿物が生じた。固体を濾取し、乾燥して、橙色固体の標題化合物(277 mg, 77%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 7.40 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 7.59 (1H, s), 7.65-7.72 (2H, m), 8.39-8.43 (2H, m), 12.19-12.27 (1H, m).
工程 3
の製造 2-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-3-カルボキサミド
2-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-3-カルボン酸(2.20g, 10mmol)、塩化アンモニウム(1.09 g, 20mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(2.30g, 30mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1800mg, 12 mmol)のDMF(100 mL)溶液に、トリエチルアミン(3.0g, 30mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH: DCM= 1:19)で精製して、褐色固体の標題化合物(1100mg, 50%)を得た:
1H NMR (400 MHz、CD3OD): δ 7.44 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.79 (1H, s), 8.40 (2H, d, J = 6.4 Hz).
工程 4
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[2,3-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
2-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-3-カルボキサミド(300mg, 1.29 mmol)、p-トルエンスルホン酸(150mg)およびシクロペンタン-1-オン(10 mL)のトルエン(30 mL)中の混合物を一晩加熱還流した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH: ジクロロメタン = 1:9)で精製して、粗標題化合物(90mg)を得、これをさらに分取用TLCで精製して、褐色固体の標題化合物(55 mg, 収率 15%) を得た。
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ 1.68-1.70 (4H, m), 1.85-1.88 (4H, m), 7.45 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.64 (1H, s), 7.74 (1H, s), 8.31 (1H, s), 8.44 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例12
2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
2-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-3-カルボキサミド(300mg, 1.37 mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(150mg)およびアセトン(30 mL)のトルエン(30 mL)中の混合物を一晩加熱還流した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH: ジクロロメタン= 1:9)で精製して、粗標題化合物(70mg)を得、これをさらに分取用 TLCで精製して、橙色固体の標題化合物(37 mg, 収率 10%)を得た:
1H NMR (400 MHz、CD3OD): δ 1.58 (6H, s), 7.49 (2H, dd, J = 4.8, 1.6 Hz), 7.64 (1H, s), 8.43 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例13
2-メチル-2-プロピル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、2-ペンタノン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を封管中で70℃で2時間、次いで80℃で3時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、150 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をジクロロメタン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0632 g, 44%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.87 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.37-1.42 (5H, m), 1.63-1.67 (2H, m), 7.10 (1H, br s), 7.13 (1H, s), 7.60-7.63 (3H, m), 8.60 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例14
tert-ブチル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、N-Boc-ピペリジン-4-オン(0.600mg, 3.00mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を70℃で1時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(3:1、100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、固体を得た。固体を酢酸エチル-ジクロロメタン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.184 g, 92%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (9H, s), 1.67-1.88 (4H, m), 3.23-3.33 (2H, m), 3.58-3.64 (2H, m), 7.19 (1H, s), 7.31 (1H, br s), 7.63 (2H, d, J = 6.3 Hz), 7.81 (1H, br s), 8.61 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例15
1-エチル-2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(1.21 g, 5.00mmol)のDMF(25 mL)溶液に、撹拌しながら水素化ナトリウム(60%, 0.220g, 5.50mmol)を加えた。10分後、ヨードエタン(0.44 mL, 5.5 mmol)を加え、攪拌を4時間続けた。混合物を水(60 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60 mL)に注いだ。酢酸エチル(120 mL)およびTHF(60 mL)を混合物に加えて抽出し、不溶の沈殿物を濾去した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ヘキサン-30:70 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、橙色固体の標題化合物(0.636 g, 48%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.19 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.35-3.44 (2H, m), 3.76 (3H, s), 6.79-6.83 (1H, m), 7.57 (1H, s), 7.73 (2H, dd, J = 4.8 Hz, 1.8 Hz), 8.64 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz).
工程 2
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(0.636 g, 2.42 mmol)、ナトリウムメトキシド(0.393 g, 7.27 mmol)、メタノール(10 mL)および水(2.5 mL)の混合物を一晩還流した。混合物を氷浴で冷却し、濃塩酸(0.600 mL, 7.27 mmol)を加えてpHを4に調整した。得られた黄色析出物を濾取し、水およびメタノールで洗浄して、橙色固体の標題化合物(0.415 g, 69%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.18 (3H, t, J = 6.9 Hz), 3.33-3.41 (2H, m), 7.54 (1H, s), 7.70 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz); アミノ部分の1Hおよびカルボン酸の1Hは観察されなかった。
工程 3
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸(0.415 g, 1.67 mmol)、塩化アンモニウム(0.893 g, 16.7 mmol)、トリエチルアミン(2.35 mL, 16.7 mmol)およびDMF(10 mL)の混合物を5分間撹拌した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.676 g, 5.00mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(0.956 g, 5.00mmol)を加え、攪拌を3日間続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)および水(60 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(3:1、2 x 100 mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この固体をジクロロメタン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.258 g, 62%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.17 (3H, t, J = 6.9 Hz), 3.30-3.34 (2H, m), 7.07 (2H, br s), 7.31-7.35 (1H, m), 7.52 (1H, s), 7.65 (2H, dd, J = 4.8, 1.5 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz).
工程 4
1-エチル-2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.100g, 0.400mmol)、アセトン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で70℃で一晩撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.0898 g, 63%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.18 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.46 (6H, s), 3.36-3.44 (2H, m), 7.51 (1H, s), 7.65-7.73 (3H, m), 8.62 (2H, d, J = 5.7 Hz).
実施例16
2-イソ-プロピル-2-メチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、3-メチル-2-ブタノン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を封管中で70℃で一晩撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(3:1、2 x 100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、固体を得た。この固体をDMF-ジクロロメタン(2:5、7 mL)に溶解し、カラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で精製し、メタノール-酢酸エチルから再結晶化して、黄色固体の標題化合物(0.0125 g, 8.7%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.90-0.94 (6H, m), 1.32 (3H, s), 2.01-2.08 (1H, m), 7.11 (1H, br s), 7.13 (1H, s), 7.60-7.62 (3H, m), 8.60 (2H, d, J = 6.3 Hz).
実施例17
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
tert-ブチル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラート(0.154 g, 0.385 mmol)およびトリフルオロ酢酸(3.0 mL)の混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)、酢酸エチル(70 mL)およびテトラヒドロフラン(30 mL)に注いだ。十分に振とうした後、黄色析出物を濾取した。この固体を酢酸エチル-ジクロロメタン(1:2、10 mL)に懸濁し、混合物を60℃に加熱した。10分後、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.107 mg, 93%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.63-1.71 (3H, m), 1.77-1.85 (2H, m), 2.71-2.77 (4H, m), 7.20 (1H, s), 7.21 (1H, br s), 7.61 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.70 (1H, br s), 8.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例18
2,2-ジメチル-1-プロピル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-(プロピルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(1.21 g, 5.00mmol)のDMF(25 mL)溶液に、撹拌しながら水素化ナトリウム(60%, 0.220g, 5.50mmol)を加えた。10分後、1-ヨードプロパン(0.537 mL, 5.50mmol)を加え、一晩攪拌を続けた。混合物を水(60 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL)およびTHF(33 mL)を混合物に加えて抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ヘキサン-30:70 ヘキサン/酢酸エチル) で精製して、黄色固体の標題化合物(0.573 g, 41%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.93 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.52-1.62 (2H, m), 3.30-3.37 (2H, m), 3.75 (3H, s), 6.88 (1H, t, J = 6.3 Hz), 7.56 (1H, s), 7.73 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 8.64 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz).
工程 2
3-(プロピルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-(プロピルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(0.573 g, 2.07 mmol)、ナトリウムメトキシド(0.335 g, 6.21 mmol)、メタノール(8.0 mL)および水(2.0 mL)の混合物を一晩還流した。混合物を氷浴で冷却し、濃塩酸(0.510 mL, 6.21 mmol)を加えた。得られた黄色析出物を濾取し、水およびメタノールで洗浄して、黄色固体の標題化合物(0.477 g, 88%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.93 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.53-1.62 (2H, m), 3.29-3.33 (2H, m), 7.55 (1H, s), 7.72 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz); アミノ部分の1Hおよびカルボン酸の1Hは観察されなかった。
工程 3
3-(プロピルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
3-(プロピルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸(0.477 g, 1.82 mmol)、塩化アンモニウム(0.974 g, 18.2 mmol)、トリエチルアミン(2.56 mL, 18.2 mmol)およびDMF(11 mL)の混合物を5分間撹拌した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.743 g, 5.50mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(1.05 g, 5.50mmol)を加え、攪拌を3日間続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)および水(60 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(3:1、2 x 100 mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この固体をジクロロメタン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.374 g, 79%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.92 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.52-1.59 (2H, m), 3.22-3.29 (2H, m), 7.06 (2H, br s), 7.44-7.48 (1H, m), 7.53 (1H, s), 7.65 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
工程 4
2,2-ジメチル-1-プロピル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-(プロピルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.130g, 0.500mmol)、アセトン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で70℃で2日間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル)で精製し、酢酸エチルで洗浄して、黄色固体の標題化合物(0.094 g, 62%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.94 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.45 (6H, s), 1.54-1.62 (2H, m), 3.24-3.29 (2H, m), 7.47 (1H, s), 7.70 (1H, br s), 7.73 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 4.8, 1.5 Hz).
実施例19
1-ブチル-2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-(ブチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(1.21 g, 5.00mmol)のDMF(25 mL)溶液に、撹拌しながら水素化ナトリウム(60%, 0.220g, 5.50mmol)を加えた。10分後、1-ヨードブタン(0.626 mL, 5.50mmol)を加え、攪拌を5時間続けた。混合物を水(60 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL)およびTHF(33 mL)を混合物に加えて抽出し、不溶性の沈殿物を濾去した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ヘキサン-30:70 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、黄色油状物の標題化合物(0.460g, 32%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.93 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.31-1.43 (2H, m), 1.51-1.61 (2H, m), 3.33-3.40 (2H, m), 3.76 (3H, s), 6.84 (1H, m), 7.58 (1H, s), 7.72 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 8.64 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz). この固体は不純物を含んでいたが、これ以上の精製をせずに次の反応に用いた。
工程 2
3-(ブチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-(ブチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(0.460g, 1.58 mmol)、ナトリウムメトキシド(0.257 g, 4.75 mmol)、メタノール(6.4 mL)および水(1.6 mL)の混合物を一晩還流した。混合物を氷浴で冷却し、濃塩酸(0.390 mL, 4.75 mmol)を加えた。得られた黄色析出物を濾取し、水およびメタノールで洗浄して、黄色固体の標題化合物(0.370g, 85%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.92 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.33-1.41 (2H, m), 1.51-1.58 (2H, m), 3.32-3.36 (2H, m), 7.55 (1H, s), 7.70-7.72 (2H, d, J = 6.3 Hz), 8.62 (2H, d, J = 6.3 Hz); アミノ部分の1Hおよびカルボン酸の1Hは観察されなかった。
工程 3
3-(ブチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
3-(ブチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸(0.370g, 1.34 mmol)、塩化アンモニウム(0.717 g, 13.4 mmol)、トリエチルアミン(1.88 mL, 13.4 mmol)およびDMF(8.0 mL)の混合物を5分間撹拌した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.541 g, 4.00mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(0.767 g, 4.00mmol)を加え、攪拌を3日間続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)および水(60 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(3:1、2 x 100 mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この固体をジクロロメタン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.202 g, 55%)を得た。濾液をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製して、追加の標題化合物(0.067 g, 18%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.92 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.31-1.57 (4H, m), 3.25-3.33 (2H, m), 7.06 (2H, br s), 7.42 (1H, m), 7.53 (1H, s), 7.65 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
工程 4
1-ブチル-2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-(ブチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.100g, 0.400mmol)、アセトン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で70℃で3日間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.0879 g, 70%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.94 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.34-1.56 (10H, m), 3.27-3.33 (2H, m), 7.44 (1H, s), 7.70-7.72 (3H, m), 8.62 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例20
2-エチル-1,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.094 g, 0.40mmol)、2-ブタノン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で70℃で3日間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、100 mL, 50 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル)で精製し、酢酸エチル-ヘキサン(1:1)中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0578 g, 63%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.88 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.36 (3H, s), 1.57-1.67 (1H, m), 1.86-1.99 (1H, m), 2.90 (3H, s), 7.56 (1H, s), 7.65 (1H, br s), 7.68 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 8.61-8.63 (2H, m).
実施例21
6’-(ピリジン-4-イル)-4,5-ジヒドロ-1’H-スピロ[フラン-3,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、ジヒドロ-3(2H)-フラノン(0.215 g, 2.50mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を封管中で80℃で5時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、100 mL, 50 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.0165 g, 11%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.13-2.23 (2H, m), 3.61 (1H, d, J = 8.7 Hz), 3.77 (1H, d, J = 9.0 Hz), 3.85-3.91 (2H, m), 7.21 (1H, s), 7.63-7.66 (3H, m), 8.07 (1H, br s), 8.62 (2H, dd, J = 1.8, 4.8 Hz).
実施例22
2-メチル-6-(ピリジン-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、4,4,4-トリフルオロ-2-ブタノン(2.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を封管中で70℃で2時間攪拌した。混合物を80℃に加熱した。3日後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル-テトラヒドロフラン(2:1、100 mL, 50 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製し、酢酸エチル-ヘキサン(1:1)中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0249 g, 15%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.56 (3H, s), 2.69-2.76 (2H, m), 7.20 (1H, s), 7.42 (1H, br s), 7.65 (2H, d, J = 5.1 Hz), 7.89 (1H, br s), 8.62 (2H, d, J = 4.8 Hz).
実施例23
1,2-ジエチル-2-メチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.100g, 0.400mmol)、2-ブタノン(2.5 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で120℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物を封管中で150℃で3時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.0547 g, 45%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.87 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.18 (3H, t, J = 6.6 Hz), 1.44 (3H, s), 1.55-1.66 (1H, m), 1.87-2.01 (1H, m), 3.33-3.42 (2H, m), 7.48 (1H, s), 7.66 (1H, br s), 7.71 (2H, d, J = 4.8 Hz), 8.62 (2H, d, J = 4.8 Hz).
実施例24
2,2-ジエチル-1-メチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(メチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.094 g, 0.40mmol)、3-ペンタノン(2.5 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で120℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物を封管中で150℃で1.5時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ジクロロメタン-95:5 ジクロロメタン/メタノール)で精製し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0281 g, 23%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.86 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.50-1.62 (2H, m), 1.81-1.93 (2H, m), 2.88 (3H, s), 7.51 (1H s), 7.55 (1H, br s), 7.68 (2H, d, J = 6.0 Hz), 8.61 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例25
2-ブチル-2-メチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、2-ヘキサノン(2.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で80℃で3時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製し、酢酸エチル中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0747 g, 50%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.87 (3H, t, J = 6.6 Hz), 1.17-1.37 (7H, m), 1.65-1.68 (2H, m), 7.10 (1H, br s), 7.13 (1H, s), 7.61-7.63 (3H, m), 8.60 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz).
実施例26
1,2,2-トリエチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.100g, 0.400mmol)、3-ペンタノン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(3.0 mL)の混合物を封管中で120℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物を封管中で150℃で2時間攪拌し、撹拌を110℃で2日間続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製し、酢酸エチルから再結晶化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0194 g, 12%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.88 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.21 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.49-1.60 (2H, m), 1.83-1.95 (2H, m), 3.33-3.37 (2H, m), 7.42 (1H, s), 7.49 (1H, br s), 7.70 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 8.61 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz).
実施例27
1’-エチル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.100g, 0.400mmol)、シクロペンタノン(2.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で100℃で2時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL, 50 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製し、酢酸エチル中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0434 g, 28%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.15 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.63-1.99 (8H, m), 3.33-3.40 (2H, m), 7.57 (1H, s), 7.72 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 7.91 (1H, br s), 8.61-8.63 (2H, m).
実施例28
2-エチル-2-プロピル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、3-ヘキサノン(2.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で80℃で一晩撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製し、メタノールから再結晶化し、析出物を濾取した。このメタノールを含む黄色固体を酢酸エチル(5.0 mL)中で70℃で30分間撹拌した。冷却後、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0334 g, 22%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.84-0.90 (6H, m), 1.33-1.42 (2H, m), 1.57-1.69 (4H, m), 7.04 (1H, br s), 7.11 (1H, s), 7.50 (1H, br s), 7.61 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 8.60 (2H, dd, J = 1.8, 4.5 Hz).
実施例29
1’-エチル-6’-(ピリジン-4-イル)-2,3,5,6-テトラヒドロ-1’H-スピロ[ピラン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.100g, 0.400mmol)、テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(1.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で100℃で3時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル/THF(4:1、100 mL, 50 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製し、酢酸エチル中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0715 g, 54%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.12 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.88-1.99 (4H, m), 3.48 (2H, dd, J = 7.2, 14.1 Hz), 3.72 (4H, m), 7.62 (1H, s), 7.72 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 7.96 (1H, br s), 8.63 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz).
実施例30
1-ベンジル-2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-(ベンジルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(1.17 g, 5.00mmol)、ベンズアルデヒド (1.0 mL, 1.0g, 10mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.24 g, 20.0mmol)、酢酸(0.60g, 10mmol)およびTHF(30 mL)の混合物を3日間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。有機物を酢酸エチル(100 mL, 50 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル)で精製して、黄色固体の標題化合物(1.22 g, 75%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.77 (3H, s), 4.61 (2H, d, J = 6.6 Hz), 7.22-7.40 (6H, m), 7.56 (1H, s), 7.66 (2H, dd, J = 1.8, 4.8 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz).
工程 2
3-(ベンジルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-(ベンジルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(1.22 g, 3.76 mmol)、ナトリウムメトキシド(0.61 g, 11 mmol)、メタノール(15 mL)および水(3.75 mL)の混合物を1時間加熱還流した。THF(10 mL)を反応混合物をに加えた。一晩加熱後、混合物を氷浴で冷却し、濃塩酸(0.931 mL, 11.3 mmol)を混合物に加えた。10分後、生じた黄色析出物を濾取し、水およびメタノールで洗浄して、黄色固体の標題化合物(1.16 g, 99%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.59 (2H, s), 7.22-7.43 (6H, m), 7.54 (1H, s), 7.65 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 8.61 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 12.52 (1H, br s).
工程 3
3-(ベンジルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
3-(ベンジルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸(1.16 g, 3.73 mmol)、塩化アンモニウム(2.00g, 37.3 mmol)、トリエチルアミン(5.23 mL, 3.80g, 37.3 mmol)およびDMF(19 mL)の混合物を10分間撹拌した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリ-アゾール(1.51 g, 11.2 mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(2.15 g, 11.2 mmol)を加え、攪拌を3日間続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)および水(100 mL)に注いだ。混合物を酢酸エチル(2 x 100 mL)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この固体をジクロロメタン(20 mL)中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.689 g, 59%)を得た。濾液をカラムクロマトグラフィー (Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製して、追加の黄色固体の標題化合物(0.103 g, 8.9%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.54 (2H, d, J = 6.3 Hz), 7.14 (2H, br s), 7.23-7.38 (5H, m), 7.55 (1H, s), 7.59 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 7.87 (1H, t, J = 6.6 Hz), 8.60 (2H, dd, J = 1.8, 4.5 Hz).
工程 4
1-ベンジル-2,2-ジメチル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-(ベンジルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.124 g, 0.400mmol)、アセトン(3.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で70℃で3日間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL, 50 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、40g シリカゲル、ジクロロメタン-酢酸エチル)で精製し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0841 g, 60%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.46 (6H, s), 4.66 (2H, s), 7.22-7.36 (5H, m), 7.42 (1H, s), 7.61 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz), 7.84 (1H, br s), 8.58 (2H, dd, J = 1.8, 4.5 Hz).
実施例31
1’-エチル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(エチルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.100g, 0.400mmol)、シクロヘキサノン(2.0 mL, 1.9 g, 19 mmol)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で100℃で一晩撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチル(100 mL, 30 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、固体を得た。固体をDMF/ジクロロメタン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0738 g, 56%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.11-1.22 (4H, m), 1.54-1.66 (7H, m), 1.99-2.01 (2H, m), 3.43-3.50 (2H, m), 7.54 (1H, br s), 7.56 (1H, s), 7.70-7.72 (2H, m), 8.61-8.63 (2H, m).
実施例32
2,2-ジプロピル-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.120g, 0.550mmol)、4-ヘプタノン(1.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(1.5 mL)の混合物を封管中で100℃で1時間攪拌した。次いで、この混合物を120℃で2時間攪拌し、撹拌を110℃で2時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150 mL)に注いだ。酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、固体を得た。この固体をジクロロメタン(10 mL)中で粉末化し、析出物を濾取した。次いで、得られた固体を酢酸エチル(5 mL)中で60℃で撹拌した。10分後、混合物を冷却し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0406 g, 23%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.86 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.34-1.63 (8H, m), 7.05 (1H, br s), 7.10 (1H, s), 7.51 (1H, br s), 7.61 (2H, dd, J = 1.2, 4.5 Hz), 8.60 (2H, dd, J = 1.5, 4.5 Hz).
実施例33
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘプタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.108 g, 0.500mmol)、シクロヘプタノン(1.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(2.0 mL)の混合物を封管中で110℃で2時間攪拌した。次いで、この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製し、メタノール-酢酸エチルから再結晶化して、結晶を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0226 g, 14%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.52 (8H, m), 1.86-2.02 (4H, m), 7.13 (1H, s), 7.26 (1H, brs), 7.62 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 7.74 (1H, br s), 8.61 (2H, dd, J = 4.8, 1.5 Hz).
実施例34
2,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-チオフェン-2-カルボキシラート(25.0g, 159 mmol)のアセトニトリル(325 mL)溶液に、ピリジン(15.5 mL)およびトリフルオロ酢酸無水物(29.3 mL)を0℃で撹拌しながら加えた。5分後、混合物を室温に昇温し、さらに20分間撹拌した。混合物を氷水(3.0 L)に注ぎ、混合物を15分間撹拌した。析出物を濾取し、水で洗浄し、減圧下乾燥して、桃色固体の標題化合物(37.3 g, 93%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.86 (3H, s), 7.72 (1H, d, J = 5.4 Hz), 8.03 (1H, d, J = 5.4 Hz), 11.17 (1H, br s).
工程 2
メチル 5-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
テトラヒドロフラン(100 mL)に、撹拌しながら-78℃でジイソプロピルアミン(9.00 mL, 63.9 mmol)およびn-ブチルリチウム (37.1 mL, 59.4 mmol, 1.6M ヘキサン溶液)を順次滴下した。反応混合物を0℃に昇温し、さらに10分間攪拌した。混合物を再び-78℃に冷却し、メチル 3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)チオフェン-2-カルボキシラート(4.56 g, 18.0mmol)を混合物に加えた。 1時間後、臭素(2.78 mL, 54.0mmol)を混合物に加え、-78℃で2時間、次いで室温で30分間攪拌を続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(180 mL)に注いだ。酢酸エチル(150 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ヘキサン-90:10 ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、白色固体の、標題化合物とメチル 3-アミノチオフェン-2-カルボキシラートの混合物(1.86 g)を得た。1H NMR 分析により比率は約2:1 と推定した:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.84 (3H, s), 7.79 (1H, s), 11.22 (1H, br s).
工程 3
メチル 3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)チオフェン-2-カルボキシラート(1.86 g)、炭酸カリウム(3.72 g, 26.9 mmol)、メタノール(40 mL)および水(10 mL)の混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチルおよび水を加えて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ヘキサン-90:10 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、白色固体の標題化合物(0.781 g, メチル 3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)チオフェン-2-カルボキシラートからの収率18%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.70 (3H, s), 6.69 (2H,br s), 6.75 (1H, s).
工程 4
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキシラート(0.236 g, 1.00mmol)、ナトリウムメトキシド(0.162 g, 3.00mmol)、メタノール(4.0 mL)および水(1.0 mL)の混合物を75℃で5時間撹拌した。混合物を氷浴で冷却し、濃塩酸(0.250 mL, 3.00mmol)を加えた。混合物を減圧下濃縮して、メタノールを除去した。残渣を水中で粉末化し、析出物を濾取し、水で洗浄して、橙色固体の標題化合物(0.154 g, 69%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 6.72 (1H, s). アミノ基の2Hとカルボン酸の1Hはそれぞれ観察されなかった。
工程 5
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミドの製造
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボン酸(0.154 g, 0.690mmol)、塩化アンモニウム(0.369 g, 6.90mmol)、トリエチルアミン(0.964 mL, 6.90mmol)およびDMF(4.0 mL)の混合物を10分間撹拌した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.284 g, 2.10mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(0.403 g, 2.10mmol)を加え、攪拌を4日間続けた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に注いだ。酢酸エチル(60 mL, 20 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ヘキサン-90:10 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、褐色油状物の標題化合物(0.118 g, 78%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 6.56 (2H, br s), 6.70 (1H, s), 6.92 (2H, br s).
工程 6
6-ブロモ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド(0.118 g, 0.530mmol)、アセトン(2.0 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0095 g, 0.050mmol)および酢酸(1.0 mL)の混合物70℃で1時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に注いだ。酢酸エチル(70 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、褐色固体の標題化合物(0.125 g, 90%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.38 (6H, s), 6.69 (1H, s), 7.18 (1H, br s), 7.56 (1H, br s).
工程 7
2,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
6-ブロモ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.125 g, 0.480mmol)、4-ピラゾールボロン酸ピナコールエステル(0.279 g, 1.44 mmol)、炭酸ナトリウム(0.254 g, 2.40mmol)、1,2-ジメトキシエタン(2.4 mL)および水(1.2 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(0.041 g, 0.050mmol)を混合物に加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を封管中で120℃で4時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)に注いだ。酢酸エチル/THF(3:1、2 x 50 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製した。目的化合物を含むフラクションを集めた。少量の原料を回収し、上記の条件で再び反応と精製を行った。目的化合物を含むフラクションを合わせ、減圧下濃縮した。この残渣をさらにカラムクロマトグラフィー(Combiflash、12 g シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で精製し、ジクロロメタン中で粉末化した。析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0308 g, 26%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (6H, s), 6.61 (1H, s), 6.98 (1H, s), 7.36 (1H, s), 7.80 (1H, s), 8.16 (1H, s), 13.12 (1H, br s).
実施例35
6-(ピリジン-4-イル)-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロ-1H-スピロ[チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4’-チオピラン]-4(3H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.200g, 0.910mmol)およびテトラヒドロチオピラン−4-オン(0.528 g, 4.55 mmol)の氷酢酸(6 mL)溶液に、p-トルエンスルホン酸 一水和物(0.017 g, 0.091 mmol)を加えた。混合物を80℃で一晩加熱した。次いで、混合物を濃縮し、残渣をメタノール(20 mL)に溶解した。固体のNaHCO3 (1.00g, 11.9 mmol)を加え、混合物を短時間撹拌した。溶媒を除去し、得られた残渣をクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ジクロロメタン-93:7 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.263 g, 91%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.90-1.96 (2H, m), 2.17-2.20 (2H, m), 2.63-2.65 (2H, m), 2.78-2.83 (2H, m), 7.18 (1H, s), 7.27 (1H, s), 7.61-7.62 (2H, m), 7.79 (1H, s), 8.61-8.62 (2H, m).
実施例36
6-(ピリジン-4-イル)-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロ-1H-スピロ[チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4’-チオピラン]-4(3H)-オン 1’,1’-ジオキシドの製造
Figure 2012519653
工程 1
テトラヒドロ-4H-チオピラン-4-オン 1,1-ジオキシドの製造
テトラヒドロチオピラン−4-オン(0.400g, 3.40mmol)のアセトニトリル(4.5 mL)溶液に、撹拌しながらNa2EDTA (3 mL, 0.0004 M 水溶液)を加えた。別途、固体のNaHCO3(2.70g, 32.0mmol)およびオキソン(商品名、6.30g, 10.3 mmol)を合わせ、この乾燥混合物を30分かけて反応混合物に加え、50分間攪拌した。混合物をジクロロメタン(80 mL)で希釈し、白色の無機物を濾去した。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体の標題化合物(0.326 g, 64%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.97-3.01 (4H, m), 3.36-3.41 (4H, m).
工程 2
6-(ピリジン-4-イル)-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロ-1H-スピロ[チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4’-チオピラン]-4(3H)-オン 1’,1’-ジオキシドの製造
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.050g, 0.23 mmol)の酢酸(3 mL)溶液に、撹拌しながらテトラヒドロ-4H-チオピラン-4-オン 1,1-ジオキシド(0.068 g, 0.46 mmol)およびp-トルエンスルホン酸(0.0040g, 0.023 mmol)を加えた。混合物を80℃で一晩加熱した。次いで、溶媒を除去し、得られた残渣をメタノール(20 mL)に溶解した。固体のNaHCO3(1.5 g)を加え、混合物を10分間撹拌した。濁った懸濁液を濾過し、集めた固体をメタノール(20 mL)次いで水(30 mL)で洗浄して、黄色固体の標題化合物(0.0195 g, 24%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 2.29-2.38 (4H, m), 3.16-3.27 (4H, m), 7.21 (1H, s), 7.56 (1H, s), 7.65 (2H, d, J = 5.5 Hz), 8.06 (1H, s), 8.62 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例37
N-メチル-4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキサミドの製造
Figure 2012519653
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オン(0.065 g, 0.22 mmol)およびトリエチルアミン(0.090 mL, 0.66 mmol)のテトラヒドロフラン(5 mL)溶液を撹拌しながら氷浴で0℃に冷却した。イソシアン酸メチル(0.014 g, 0.24 mmol)を加え、一晩で室温に戻した。次いで、溶媒を除去し、得られた残渣をメタノール(25 mL)で希釈し、混合物を固体のNaHCO3(1.5 g)と共に20分間撹拌した。次いで、固体を濾去した。濾液を濃縮して、黄色固体を得、これを水(20 mL)中で粉末化し、濾取した。これを酢酸エチル中で粉末化して、黄色固体の標題化合物(0.0439 g, 61%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.68-1.73 (2H, m), 1.81-1.84 (2H, m), 2.56 (3H, d, J = 4.0 Hz), 3.20-3.24 (2H, m), 3.56-3.59 (2H, m), 6.44-6.45 (1H, m), 7.19 (1H, s), 7.28 (1H, s), 7.62-7.63 (2H, m), 7.77 (1H, s), 8.61-8.62 (2H, m).
実施例38
1-(フェニルカルボニル)-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オン(0.0500g, 0.170mmol)およびトリエチルアミン(0.070 mL, 0.51 mmol)のテトラヒドロフラン(4 mL)溶液を撹拌しながら氷浴で0℃に冷却した。ベンゾイルクロリド(0.0260g, 0.190mmol)のテトラヒドロフラン(0.1 mL)溶液を加え、一晩で室温に戻した。次いで、溶媒を除去し、得られた残渣をメタノール(25 mL)で希釈し、混合物を固体のNaHCO3(1.5 g)と共に20分間撹拌した。次いで、固体を濾去した。濾液を濃縮して、黄色固体を得、これを水中で粉末化し、濾取した。固体を熱メタノール/ヘキサンから再結晶化して、黄色固体の標題化合物(0.0315 g, 45%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.82-1.97 (4H, m), 3.41-3.97 (4H, m), 7.21 (1H, s), 7.36-7.38 (3H, m), 7.46-7.47 (3H, m), 7.63-7.64 (2H, m), 7.84 (1H, s), 8.61-8.62 (2H, m).
実施例39
1-(フェニルアセチル)-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オン(0.050g, 0.17 mmol)のDMF(5 mL)溶液に、撹拌しながらフェニル酢酸(0.030g, 0.22 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.12 mL, 0.68 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(0.050g, 0.26 mmol)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(0.035 g, 0.26 mmol)を加えた。混合物を一晩攪拌した。次いで、反応物を飽和NaHCO3(75 mL)に注ぎ、混合物を3:1 テトラヒドロフラン/酢酸エチル(3 x 75 mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣を水(5 mL)で希釈し、1分間超音波で分解した。次いで、固体を濾取して、黄色固体の標題化合物(0.0151 g, 21%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.68-1.76 (2H, m), 1.77-1.84 (2H, m), 3.30-3.35 (1H, m), 3.43-3.47 (1H, m), 3.69-3.78 (3H, m), 3.85-3.88 (1H, m), 7.18 (1H, s), 7.22-7.24 (3H, m), 7.30-7.33 (3H, m), 7.62-7.63 (2H, m), 7.83 (1H, s), 8.60-8.62 (2H, m).
実施例40
6-(ピリジン-4-イル)-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロ-1H-スピロ[チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4’-チオピラン]-4(3H)-オン 1’-オキシドの製造
Figure 2012519653
工程 1
テトラヒドロ-4H-チオピラン-4-オン 1-オキシドの製造
テトラヒドロチオピラン−4-オン(0.500g, 4.30mmol) の 15:1 メタノール/水(10 mL)溶液に、撹拌しながら過ヨウ素酸ナトリウム(0.962 g, 4.50mmol)を加えた。混合物を一晩攪拌した。次いで、反応物を酢酸エチル(50 mL)で希釈し、白色固体を濾去し、濾液を酢酸エチルと共に数回濃縮して、白色固体の標題化合物(0.241 g, 42%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.75-1.80 (2H, m), 2.01-2.11 (2H, m), 2.68-2.82 (4H, m).
工程 2
6-(ピリジン-4-イル)-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロ-1H-スピロ[チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4’-チオピラン]-4(3H)-オン 1’-オキシドの製造
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.050g, 0.23 mmol)の酢酸(3 mL)溶液に、撹拌しながらテトラヒドロ-4H-チオピラン-4-オン 1-オキシド(0.061 g, 0.46 mmol)およびp-トルエンスルホン酸(0.0040g, 0.023 mmol)を加えた。混合物を80℃で一晩加熱した。次いで、溶媒を除去し、得られた残渣をメタノール(20 mL)に溶解した。固体のNaHCO3(1.5 g)を加え、混合物を10分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液をクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ジクロロメタン-80:20 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.0127 g, 16%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.07-2.12 (2H, m), 2.27-2.34 (2H, m), 2.87-2.91 (2H, m), 3.00-3.09 (2H, m), 7.18 (1H, s), 7.54 (1H, s), 7.64-7.66 (2H, m), 7.96 (1H, s), 8.61-8.63 (2H, m).
実施例41
6-(2-アミノピリミジン-4-イル)-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
2-(メチルスルホニル)-4-(トリブチルスタニル)ピリミジンの製造
2-(メチルチオ)-4-(トリ-n-ブチルスタニル)ピリミジン (0.800g, 1.92 mmol)のジクロロメタン(110 mL)中の混合物に、3-クロロ過安息香酸(〜77%, 0.946 g, 4.22 mmol)を0℃で加え、0℃で7時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和亜硫酸水素ナトリウム(30 mL)、飽和NaHCO3(2 x 50 mL)および食塩水(50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、中性のアルミナ、ヘキサン-80:20 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、無色油状物の標題化合物(0.397 g, 46%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.80-1.80 (27H, m), 3.37 (3H, s), 7.60-7.66 (1H, m), 8.63-8.69 (1H, m).
工程 2
2,2-ジメチル-6-[2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル]-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
6-ブロモ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.110g, 0.420mmol)、2-(メチルスルホニル)-4-(トリブチルスタニル)ピリミジン (0.225 g, 0.504 mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.097 g, 0.084 mmol)の1,4-ジオキサン(10 mL)中の混合物を窒素雰囲気下にし、150℃で1時間マイクロ波を照射した。次いで、反応混合物を冷却し、シリカゲルと共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、酢酸エチル)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.080g, 56%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 (6H, s), 3.44 (3H, s), 7.21 (1H, s), 7.55 (1H, s), 7.84 (1H, s), 8.27 (1H, d, J = 5.4 Hz), 9.06 (1H, d, J = 5.4 Hz).
工程 3
6-(2-アミノピリミジン-4-イル)-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
2,2-ジメチル-6-[2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル]-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.044 g, 0.13 mmol)および7 M アンモニア-メタノール(2.0 mL, 14 mmol)の1,4-ジオキサン(8 mL)中の混合物に120℃で75分間マイクロ波を照射した。次いで、反応混合物を冷却し、シリカゲルと共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で2回精製して、黄色固体の標題化合物(0.019 g, 53%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, s), 6.73 (2H, s), 7.00 (1H, s), 7.02 (1H, d, J = 5.0 Hz), 7.21 (1H, s), 7.63 (1H, s), 8.28 (1H, d, J = 5.0 Hz).
実施例42
メチル(2-メチル-4-オキソ-6-(ピリジン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アセタートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.11 g, 0.50mmol)およびアセト酢酸メチル(0.54 mL, 5.0mmol)のメタノール(15 mL)中の混合物に、1滴の濃塩酸を加え、反応物を55℃で15時間加熱し、24時間還流した。次いで、反応混合物を冷却し、NaHCO3(0.5 g)およびシリカゲル(5 mL)と共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.075 g, 47%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.54 (3H, s), 2.67-2.80 (2H, m), 3.55 (3H, s), 7.19 (1H, s), 7.32 (1H, s), 7.64 (2H, dd, J = 4.5, 1.8 Hz), 7.75 (1H, s), 8.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例43
1-アセチル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
1-アセチル-4-ピペリドン(0.130g, 0.920mmol)およびp-トルエンスルホン酸 一水和物(0.004 g, 0.02 mmol)の酢酸(4 mL)溶液に、撹拌しながら3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.050g, 0.23 mmol)を加えた。混合物を80℃で5時間加熱した。次いで、反応物を室温に戻し、濃縮した。得られた残渣をメタノール(25 mL)に溶解し、溶液を固体のNaHCO3(1.5 g)と共に20分間撹拌した。次いで、溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をH2O中で粉末化し、得られた黄色固体を熱酢酸エチル中で粉末化して、黄色固体の標題化合物(0.0407 g, 52%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.70-1.93 (4H, m), 2.01 (3H, s), 3.27-3.32 (1H, m), 3.41-3.45 (1H, m), 3.60-3.63 (1H, m), 3.81-3.84 (1H, m), 7.20 (1H, s), 7.33 (1H, s), 7.63 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.84 (1H, s), 8.61 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例44
メチル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートの製造
0℃に冷却した4-ピペリドン 一水和物 塩酸塩(3.07 g, 20.0mmol)の水(12 mL)溶液に、冷却した(0℃)炭酸カリウム(6.97 g, 50.4 mmol)の水(40 mL)溶液を加えた。クロロギ酸メチル(2.80g, 29.6 mmol)を加え、混合物を0℃で2時間攪拌した。次いで、混合物をジクロロメタン(3 x 40 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン-95:5 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、透明な粘性液体の標題化合物(2.96 g, 94%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.37 (4H, t, J = 6.3 Hz), 3.64 (3H, s), 3.66 (4H, t, J = 6.3 Hz).
工程 2
メチル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
メチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート(0.145 g, 0.920mmol)およびp-トルエンスルホン酸 一水和物(0.004 g, 0.02 mmol)の酢酸(4 mL)溶液に、撹拌しながら3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.050g, 0.23 mmol)を加えた。混合物を80℃で5時間加熱した。次いで、反応物を室温に戻し、濃縮した。得られた残渣をメタノール(25 mL)に溶解し、溶液を固体のNaHCO3(1.5 g)と共に20分間撹拌した。溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をH2O中で粉末化し、得られた黄色固体を熱した酢酸エチル中で粉末化した。得られた固体を酢酸エチル/メタノールから再結晶化して、黄色固体の標題化合物(0.0327 g, 40%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.72-1.79 (2H, m), 1.86-1.91 (2H, m), 3.29-3.37 (2H, m), 3.60 (3H, s), 3.60-3.68 (2H, m), 7.20 (1H, s), 7.33 (1H, s), 7.62-7.64 (2H, m), 7.83 (1H, s), 8.60-8.63 (2H, m).
実施例45
N-メチル-2-(2-メチル-4-オキソ-6-(ピリジン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アセトアミドの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.132 g, 0.600mmol)およびp-トルエンスルホン酸 一水和物(0.023 g, 0.12 mmol)のN-メチル-3-オキソブタンアミド(2 mL)および酢酸(6 mL)中の混合物を50℃で15時間、次いで75℃で5時間撹拌した。次いで、反応混合物を冷却し、濃縮した。残渣をメタノール(15 mL)に溶解し、溶液をNaHCO3(1 g)およびシリカゲルと共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で精製して、粗生成物の黄色固体を得た。メタノール中で粉末化して、黄色固体の標題化合物(0.023 g, 12%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.48 (3H, s), 2.45-2.55 (1H, m), 2.58 (3H, d, J = 4.5 Hz), 2.65 (1H, d, J = 14.5 Hz), 7.13 (1H, s), 7.25 (1H, s), 7.57-7.65 (3H, m), 7.97 (1H, d, J = 4.5 Hz), 8.61 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例46
6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド(0.072 g, 0.33 mmol)およびp-トルエンスルホン酸 一水和物(0.013 g, 0.066 mmol)のシクロペンタノン(2 mL)および酢酸(1 mL)中の混合物を70℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を冷却し、飽和NaHCO3 (50 mL)に注意して注ぎ、2:1 酢酸エチル/テトラヒドロフラン(2 x 50 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、褐色ガム状物の粗6’-ブロモ-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オン(0.174 g)を得た。これを精製することなく使用した。粗6’-ブロモ-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オン(0.172 g)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.349 g, 1.80mmol)、2 M 炭酸ナトリウム(1.2 mL, 2.4 mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(0.073 g, 0.090mmol)の1,4-ジオキサン(3 mL)中の混合物に、140℃で1時間マイクロ波を照射した。次いで、反応混合物を冷却し、シリカゲルと共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で精製し、フラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で再び精製して、黄色固体の標題化合物(0.045 g, 2 工程収率 50%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.58-1.73 (4H, m), 1.75-1.90 (4H, m), 6.63 (1H, s), 7.09 (1H, s), 7.52 (1H, s), 7.80 (1H, s), 8.16 (1H, s), 13.12 (1H, br s).
実施例47
6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド(221 mg, 1 mmol)、PTSA(9.5 mg, 0.050mmol)、シクロヘキサノン(2.94 g, 30.0mmol)および酢酸(2 mL)の混合物を90℃で2時間撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この残渣を4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(582 mg, 3.00mmol)、炭酸ナトリウム(530mg, 5.00mmol)、1,2-ジメトキシエタン(2 mL)および水(2 mL)と混合した。混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(82 mg, 0.100mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を一晩還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(200 mL)およびEtOAc(200 mL)に注いだ。振とう後、不溶物を濾去した。濾液から有機層を集め、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、黄色固体(86 mg)を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、黄色固体の標題化合物(78.7 mg, 27%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.25-1.78 (8H, m), 1.82-1.88 (2H, m), 6.66 (1H, s), 6.98 (1H, s), 7.32 (1H, s), 7.79 (1H, br s), 8.15 (1H, br s), 13.12 (1H, br s).
実施例48
2-メチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド(221 mg, 1.0mmol)、4,4,4-トリフルオロブタン-2-オン(1.26 g, 10mmol)、PTSA(19.0mg, 0.1 mmol)および酢酸(2 mL)の混合物に120℃で1時間マイクロ波を照射した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この残渣を4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(582 mg, 3.0mmol)、炭酸ナトリウム(530mg, 5.0mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(2.5 mL)と混合した。混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(82 mg, 0.10mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を6時間還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(200 mL)およびEtOAc(200 mL)に注ぎ、混合物を十分に振とうした。不溶物を濾去した。濾液から有機層を集め、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色固体(105 mg)を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化して、濾取して、黄色固体の標題化合物(89.3 mg, 28%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.54 (3H, s), 2.61-2.79 (2H, m), 6.86 (1H, s), 7.27 (1H, s), 7.60 (1H, s), 7.83 (1H, br s), 8.19 (1H, br s), 13.13 (1H, br s).
実施例49
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(110mg, 0.502 mmol)、PTSA(9.5 mg, 0.050mmol)、シクロブタノン(1.0 mL, 13.3 mmol)および酢酸(1 mL)の混合物を80℃で16時間撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-95:5 EtOAc/MeOH)で精製して、黄色固体(30mg)を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、黄色固体の標題化合物(25.6 mg, 19%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.72-1.79 (2H, m), 2.22-2.37 (4H, m), 7.20 (1H, s), 7.64 (2H, dd, J = 1.5 Hz, 4.5 Hz), 7.69 (1H, br s), 8.21 (1H, br s), 8.61 (2H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz).
実施例50
2-メチル-6-(ピリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(110mg, 0.502 mmol)、1,1,1-トリフルオロアセトン(1 mL, 11.2 mmol)、PTSA(9.5 mg, 0.050mmol)、MgSO4(60.4 mg, 0.50mmol)およびDMF(1 mL)の混合物に100℃で1時間、次いで130℃で3時間マイクロ波を照射した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、ヘキサン-EtOAc)で精製して、黄色固体を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、黄色固体の標題化合物(94.3 mg, 60%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.61 (3H, s), 7.20 (1H, s), 7.65 (2H, dd, J = 4.5 Hz, 1.8 Hz), 7.99 (1H, br s), 8.54 (1H, br s), 8.63 (2H, dd, J = 4.5 Hz, 1.8 Hz).
実施例51
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(実施例34の工程 2 で記載のメチル 5-ブロモ-3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)チオフェン-2-カルボキシラートと同一) (996 mg, 3.00mmol)、炭酸カリウム(829 mg, 6.00mmol)、DMF(6 mL)およびヨウ化メチル(0.225 mL, 3.60mmol)の混合物を60℃で4時間撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、褐色油状物を得た。この残渣を炭酸カリウム(415 mg, 3.00mmol)、MeOH(20 mL)および水(10 mL)と混合した。混合物を一晩室温で撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、褐色油状物を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、白色固体の標題化合物(674 mg, 90%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.89 (3H, d, J = 5.1 Hz), 3.70 (3H, s), 6.82-6.88 (1H, m), 7.05 (1H, s).
工程 2
5-ブロモ-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
3 M水酸化ナトリウム(2.5 mL, 7.50mmol)、MeOH(10 mL)およびメチル 5-ブロモ-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキシラート(674 mg, 2.69 mmol)の混合物を70℃で一晩撹拌した。次いで、混合物を氷水浴で冷却し、6 M HCl(0.9 mL, 5.40mmol)を加えた。混合物を減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この残渣を塩化アンモニウム(2.88 g, 53.9 mmol)、トリエチルアミン(7.51 mL, 53.9 mmol)およびDMF(27 mL)と混合した。混合物を5分間撹拌し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.19 g, 16.2 mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(3.10g, 16.2 mmol)を加えた。撹拌を3日間続けた。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(200 mL)に注いだ。EtOAc(200 mL)で抽出し、飽和NaHCO3で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、褐色油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製して、褐色固体の標題化合物(536 mg, 85%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.83 (3H, d, J = 5.1 Hz), 6.92 (2H, br s), 6.98 (1H, s), 7.30-7.33 (1H, m).
工程 3
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミド(536 mg, 2.28 mmol)、アセトン(4.00 mL, 54.5 mmol)、PTSA(21.7 mg, 0.114 mmol)および酢酸(2 mL)の混合物を70℃で2時間攪拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、褐色固体を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、黄色固体の標題化合物(381 mg, 61%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.39 (6H, s), 2.84 (3H, s), 7.07 (1H, s), 7.64 (1H, br s).
工程 4
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(138 mg, 0.50mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(291 mg, 1.50mmol)、炭酸ナトリウム(265 mg, 2.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(2.5 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(40.8 mg, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を18時間還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)およびEtOAc(100 mL)に注ぎ、混合物を十分に振とうした。不溶物を濾去した。濾液から有機層を集め、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、白色固体(60mg)を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、白色固体の標題化合物(50.3 mg, 38%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (6H, s), 2.87 (3H, s), 6.97 (1H, s), 7.44 (1H, br s), 7.84 (1H, br s), 8.16 (1H, br s), 13.12 (1H, br s).
実施例52
2,2-ジメチル-1-(1-メチルエチル)-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-[(1-メチルエチル)アミノ]-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(0.469 g, 2.00mmol)、2-メトキシプロペン(0.29 mL, 3.0mmol)および酢酸(0.114 mL, 2.00mmol)のジクロロメタン(6 mL)中の混合物に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.636 g, 3.00mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NaHCO3(70 mL)に注ぎ、酢酸エチル(2 x 50 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.256 g, 46%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.22 (6H, d, J = 6.6 Hz), 3.76 (3H, s), 3.84-3.95 (1H, m), 6.62 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.60 (1H, s), 7.73 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.64 (2H, dd, J = 4.5, 1.8 Hz).
工程 2
3-[(1-メチルエチル)アミノ]-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸の製造
メチル 3-[(1-メチルエチル)アミノ]-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシラート(0.250g, 0.905 mmol)および2 M水酸化ナトリウム(1.36 mL, 2.72 mmol)のメタノール(5 mL)中の混合物を70℃で3時間加熱した。次いで、反応物を室温まで冷却し、濃縮した。得られた残渣を水(5 mL)に溶解し、1M HCl(2.7 mL)および4滴の酢酸で酸性化した。生じた黄色析出物を濾取し、水で洗浄し、乾燥して、黄色固体の標題化合物(0.229 g, 96%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.21 (6H, d, J = 6.5 Hz), 3.80-3.95 (1H, m), 6.60 (1H, br s), 7.56 (1H, s), 7.71 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.62 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 12.45 (1H, br s).
工程 3
2,2-ジメチル-1-(1-メチルエチル)-6-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-[(1-メチルエチル)アミノ]-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸(0.225 g, 0.858 mmol)、塩化アンモニウム(0.459 g, 8.58 mmol)およびトリエチルアミン(1.21 mL, 8.58 mmol)のDMF(5 mL)中の混合物を室温で15分間撹拌した。生じた混合物に1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-3-エチル カルボジイミド 塩酸塩(0.493 g, 2.57 mmol)および 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.347 g, 2.57 mmol)を加え、反応物を室温で65時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NaHCO3 (120 mL)で希釈し、酢酸エチル(3 x 100 mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2 x 50 mL)および食塩水(100 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、橙色固体の粗3-[(1-メチルエチル)アミノ]-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.225 g)を得た。3-[(1-メチルエチル)アミノ]-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.105 g)および2-メトキシプロペン(1.53 mL, 16.0mmol)の酢酸(1.5 mL)中の混合物を35℃で一晩加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。得られた残渣をメタノール(10 mL)に溶解し、溶液をNaHCO3(1 g)およびシリカゲル(5 mL)と共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、酢酸エチル-95:5 酢酸エチル/メタノール)で精製して、橙色固体の標題化合物(0.063 g, 2 工程収率 52%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.36 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.50 (6H, s), 3.92-3.98 (1H, m), 7.52 (1H, s), 7.69 (1H, s), 7.75 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例53
フェニル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
工程 1
フェニル 1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラートの製造
1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン(2.00g, 13.9 mmol)およびトリエチルアミン(2.90 mL, 20.9 mmol)の酢酸エチル(50 mL)溶液に、クロロギ酸フェニル(2.10 mL, 13.9 mmol)を0℃で撹拌しながら加えた。混合物を放置して一晩で室温に戻した。次いで、混合物を濾過して、トリエチルアミン 塩酸塩を除去した。濾液を濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、白色固体の標題化合物(3.48 g, 95%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.69 (4H, br s), 3.50-3.64 (4H, m), 3.93 (4H, s), 7.12-7.14 (2H, m), 7.20-7.23 (1H, m), 7.36-7.39 (2H, m).
工程 2
フェニル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートの製造
フェニル 1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート(0.500g, 2.50mmol)のアセトン(20 mL)溶液に、撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)(0.014 g, 0.025 mmol)を加えた。反応物を100℃で20分間加熱し、次いで、放置して一晩で室温に戻した。混合物を濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン-40:60 ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、白色固体の標題化合物(0.322 g, 58%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 2.36-2.37 (4H, m), 3.74 (2H, br s), 3.88 (2H, br s), 7.16-7.18 (2H, m), 7.22-7.25 (1H, m), 7.38-7.42 (2H, m).
工程 3
フェニル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
フェニル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート(0.322 g, 1.46 mmol)およびp-トルエンスルホン酸 一水和物(0.0040g, 0.023 mmol)の酢酸(4 mL)溶液に、撹拌しながら3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.050g, 0.23 mmol)を加えた。混合物を80℃で5時間加熱した。次いで、混合物を室温まで冷却し、濃縮した。得られた残渣をメタノール(25 mL)に溶解し、溶液を固体のNaHCO3(1.5 g)と共に20分間撹拌した。次いで、溶液を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をH2O中で粉末化した。得られた黄色固体を熱酢酸エチル中で粉末化して、黄色固体の標題化合物(0.0745 g, 77%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.81-2.05 (4H, m), 3.43-3.57 (2H, m), 3.72-3.85 (2H, m), 7.12 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.21-7.24 (2H, m), 7.38-7.41 (3H, m), 7.64 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.88 (1H, s), 8.62 (2H, d, J = 6.0 Hz).
実施例54
メチル 2-メチル-4-オキソ-6-(ピリジン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.044 g, 0.20mmol)のメチル 2,2-ジメトキシプロパノアート(0.3 mL)およびトリフルオロ酢酸(0.5 mL)中の混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をメタノール(10 mL)に溶解し、溶液をNaHCO3 (0.5 g)およびシリカゲル(2 mL)と共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、ジクロロメタン-90:10 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、粗生成物を得た。ヘキサン/酢酸エチル中で粉末化して、黄色固体の標題化合物(0.026 g, 42%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.59 (3H, s), 3.65 (3H, s), 7.22 (1H, s), 7.64 (2H, dd, J = 4.5, 2.0 Hz), 8.09 (1H, s), 8.32 (1H, s), 8.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例55
N,N-ジメチル-2-(2-メチル-4-オキソ-6-(ピリジン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アセトアミドの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.044 g, 0.20mmol)のN,N-ジメチル-3-オキソブタンアミド(0.3 mL)および酢酸(1 mL)中の混合物を60℃で20時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をメタノール(10 mL)に溶解し、溶液をNaHCO3 (0.5 g)およびシリカゲル(2 mL)と共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Combiflash、シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で精製し、粗生成物を得た。メタノール中で粉末化して、黄色固体の標題化合物(0.027 g, 41%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.53 (3H, s), 2.77 (1H, d, J = 15.5 Hz), 2.82 (3H, s), 2.89 (1H, d, J = 15.5 Hz), 2.94 (3H, s), 7.13 (1H, s), 7.28 (1H, s), 7.53 (1H, s), 7.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 8.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz).
実施例56
2-メチル-4-オキソ-6-(ピリジン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボン酸の製造
Figure 2012519653
メチル 2-メチル-4-オキソ-6-(ピリジン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキシラート(0.152 g, 0.500mmol)および2 M水酸化ナトリウム(0.75 mL, 1.5 mmol)のメタノール(10 mL)中の混合物を室温で3時間撹拌した。生じた懸濁液を-20℃で65時間保存した。次いで、反応混合物を室温に戻し、析出物を濾取し、メタノール(1 mL)で洗浄して、黄色固体を得た。この黄色固体を酢酸エチル(25 mL)および水(10 mL)で分液し、酢酸エチル層を水(2 x 5 mL)で抽出した。合わせた水層を酢酸でpH 5-6まで酸性化し、生じた橙色析出物を濾取し、水で洗浄して、橙色固体を得た。アセトニトリル/メタノール中で粉末化して、橙色固体の標題化合物(0.031 g, 21%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.57 (3H, s), 7.21 (1H, s), 7.64 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 7.94 (1H, s), 8.17 (1H, s), 8.61 (2H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 13.03 (1H, br s).
実施例57
2,2-ジメチル-6-(ピリミジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
2,2-ジメチル-6-[2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル]-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.034 g, 0.10mmol)のエタノール(2 mL)およびメタノール(15 mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.092 g, 2.4 mmol)を4回に分けて20分かけて加え、反応物を15時間室温で撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮した。残渣を水(15 mL)に溶解し、溶液を75:25 酢酸エチル/テトラヒドロフラン(2 x 40 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.012 g, 46%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 (6H, s), 7.13 (1H, s), 7.42 (1H, s), 7.74 (1H, s), 8.00 (1H, d, J = 5.1 Hz), 8.84 (1H, d, J = 5.4 Hz), 9.14 (1H, s) .
実施例58
1,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
5-ブロモ-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミド(236 mg, 1.0mmol)、4,4,4-トリフルオロブタン-2-オン(1.26 g, 10mmol)、PTSA(17.2 mg, 0.10mmol)、MgSO4(120mg)およびDMA(2 mL)の混合物に150℃で1.5時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、褐色結晶性固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(582 mg, 3.0mmol)、炭酸ナトリウム(300mg, 5.0mmol)および水(2.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(82 mg, 0.10mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。120℃で8時間撹拌後、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機層を集め、水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製して、黄色固体を得た。この固体をEtOAc/ヘプタンから結晶化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(81 mg, 25%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.59 (3H, s), 2.55-2.75 (1H, m), 2.84-3.03 (1H, m), 2.92 (3H, s), 7.00 (1H, s), 7.73 (1H, s), 7.85 (1H, br s), 8.19 (1H, br s), 13.15 (1H, br s).
実施例59
1,2,2-トリメチル-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
1,2,2-トリメチル-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒドの製造
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(259 mg, 0.941 mmol)のTHF(10 mL)懸濁液に、撹拌しながら1.6M n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.29 mL, 2.07 mmol)を-78℃で滴下した。20分後、DMF(0.146 mL, 1.88 mmol)を加え、混合物を30分間で-30℃まで昇温した。混合物を水(50 mL)および食塩水(50 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体の標題化合物(205 mg, 97%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 (6H, s), 2.90 (3H, s), 7.71 (1H, s), 8.06 (1H, br s), 9.90 (1H, s).
工程 2
1,2,2-トリメチル-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
THF(2.00 mL, 4.00mmol)中の、1,2,2-トリメチル-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルバルデヒド(100mg, 0.446 mmol)、MS4A 粉末(100mg)および2 M エチルアミンの混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、混合物を減圧下濃縮して、黄色固体を得た。次いで、残渣をTHF(2.00 mL, 4.00mmol)およびMgSO4(100mg)中の2 M エチルアミンに懸濁した。混合物を一晩撹拌し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。次いで、残渣をTHF(2.00 mL, 4.00mmol)中の2 M エチルアミンに懸濁した。混合物を4時間撹拌し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。次いで、残渣に1-[(イソシアノメチル)スルホニル]-4-メチルベンゼン(131 mg, 0.669 mmol)、炭酸カリウム(123 mg, 0.892 mmol)およびMeOH(3 mL)を加え、混合物を60℃で1時間撹拌した。1-[(イソシアノメチル)スルホニル]-4-メチルベンゼン(131 mg, 0.669 mmol)および炭酸カリウム(123 mg, 0.892 mmol)を再び加え、混合物を60℃で一晩撹拌した。1-[(イソシアノメチル)スルホニル]-4-メチルベンゼン(131 mg, 0.669 mmol)および炭酸カリウム(123 mg, 0.892 mmol)を再び加え、混合物を60℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(80 mL)に注ぎ、EtOAc(80 mL)で抽出し、抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、橙色ガム状物を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)および分取用HPLC(YMC CombiPrep. Hydrosphere C18)で精製した。標題化合物を含むフラクション を集め、飽和NaHCO3水溶液を添加して塩基性にした。EtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、淡黄色固体の標題化合物(11.5 mg, 9.8%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, s), 2.90 (3H, s), 7.23 (1H, s), 7.66 (1h, s), 7.71 (1H, br s), 8.48 (1H, s).
実施例60
1,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
5-ブロモ-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミド(235 mg, 1.00mmol)、1,1,1-トリフルオロアセトン(2.00 mL, 22.3 mmol)、PTSA(19.0mg, 0.100mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)およびDMF(2 mL)の混合物に、130℃で2時間、次いで140℃で4時間マイクロ波を照射した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注いだ。EtOAc(100 mL x 2)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黒ずんだ固体を得た。この残渣を炭酸ナトリウム(530mg, 5.00mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(582 mg, 3.00mmol)、1,2-ジメトキシエタン(2.5 mL)および水(5 mL)と混合した。混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(82 mg, 0.10mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を一晩還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黒ずんだ油状物を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製して、黒ずんだ固体(29 mg)を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、ベージュ色固体の標題化合物(13.6 mg, 4.3%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.74 (3H, s), 3.08 (3H, s), 7.06 (1H, s), 7.87 (1H, br s), 8.20 (1H, br s), 8.33 (1H, s), 13.16 (1H, br s).
実施例61
6-(1H-イミダゾール-1-イル)-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(138 mg, 0.50mmol)、イミダゾール(68.1 mg, 1.00mmol)、銅 (粉末) (6.35 mg, 0.10mmol)および水(2 mL)の混合物を1時間還流した。混合物を減圧下濃縮した。残渣にDMF(2 mL)、炭酸セシウム(326 mg, 1.00mmol)、イミダゾール(408 mg, 6.00mmol)およびヨウ化銅(I)(19.1 mg, 0.10mmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、混合物を140℃で4時間撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注ぎ、EtOAc/THF(2:1、100 mL x 2)で抽出した。抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残留した油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製して、固体(56 mg)を得た。固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取し、水で洗浄して、淡黄色固体の標題化合物(10.4 mg, 7.9%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 (6H, s), 2.90 (3H, s), 7.12 (1H, br s), 7.18 (1H, s), 7.63 (1H, br s), 7.68 (1H, br s), 8.22 (1H, br s).
実施例62
tert-ブチル [2-オキソ-2-(4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-イル)エチル]カルバメートの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをN-(tert-ブトキシカルボニル)グリシンに置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(2.2 mg, 6.0%)を合成した。
MS (ESI+) 458 (MH+).
実施例63
1-グリシル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンのDMF溶液(0.16 M、0.50 mL, 0.080mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)グリシンのDMF溶液(0.192 M、0.50 mL, 0.096 mmol)、および1-ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩のDMF溶液(0.192 M、0.50 mL, 各0.096 mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(3.5 mL)および2% 炭酸水素ナトリウム水溶液(1 mL)で抽出した。有機溶媒を留去した後、残渣に1M メタンスルホン酸/MeCN(0.5 mL)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を1M N-エチル-N-(1-メチルエチル)プロパン-2-アミン(0.5 mL)で中性にした後、粗生成物を分取用HPLC(YMC CombiPrep. Hydrosphere C18、10 mM NH4HCO3 水/MeCN溶液)でクロマトグラフィーして、標題化合物(0.8 mg, 2.8%)を得た:
MS (ESI+) 358 (MH+).
実施例64
tert-ブチル [(1S)-1-ベンジル-2-オキソ-2-(4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-イル)エチル]カルバメートの製造
Figure 2012519653
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンのDMF溶液(0.16 M、0.50 mL, 0.08 mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンのDMF溶液(0.192 M、0.50 mL, 0.096 mmol)、および1-ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩のDMF溶液(0.192 M、0.50 mL, 各0.096 mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(3.5 mL)および2% 炭酸水素ナトリウム水溶液(1 mL)で抽出した。有機溶媒を留去した後、粗生成物を分取用HPLC(YMC CombiPrep. Hydrosphere C18、10 mM NH4HCO3の水/MeCN溶液)でクロマトグラフィーして、標題化合物(16.5 mg, 37%)を得た:
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6) δ 1.28 (9H, s), 1.68-1.92 (4H, m), 2.71-2.93 (4H, m), 3.62-3.91 (2H, m), 4.63 (1H, m), 7.15 (1H, br s), 7.21-7.33 (5H, m), 7.65 (2H, d, J = 4.8 Hz), 8.61 (2H, d, J = 4.8 Hz). MS (ESI+) 548 (MH+).
実施例65
tert-ブチル [3-オキソ-3-(4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-イル)プロピル]カルバメートの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをN-(tert-ブトキシカルボニル)-b-アラニンに置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(11.0mg, 29%)を合成した。
MS (ESI+) 472 (MH+).
実施例66
1-(メトキシアセチル)-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをメトキシ酢酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(7.0mg, 23.5%)を合成した。
MS (ESI+) 373 (MH+).
実施例67
1-(3-メトキシプロパノイル)-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンを3-メトキシプロパン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(6.7 mg, 22%)を合成した。
MS (ESI+) 387 (MH+).
実施例68
メチル 4-オキソ-4-(4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-イル)ブタノエートの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンを4-メトキシ-4-オキソブタン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(7.5 mg, 23%)を合成した。
MS (ESI+) 415 (MH+).
実施例69
6’-(ピリジン-4-イル)-1-(ピリミジン-2-イルカルボニル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをピリジン-2-カルボン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(11.0mg, 34%)を合成した。
MS (ESI+) 406 (MH+).
実施例70
6’-(ピリジン-4-イル)-1-(ピリミジン-3-イルカルボニル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをピリジン-3-カルボン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(9.1 mg, 28%)を合成した。
MS (ESI+) 406 (MH+).
実施例71
6’-(ピリジン-4-イル)-1-(ピリジン-4-イルカルボニル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをピリジン-4-カルボン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(5.9 mg, 18%)を合成した。
MS (ESI+) 406 (MH+).
実施例72
6’-(ピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロフラン-2-イルカルボニル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをテトラヒドロフラン-2-カルボン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(3.4 mg, 11%)を合成した。
MS (ESI+) 399 (MH+).
実施例73
N-[2-オキソ-2-(4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-イル)エチル]アセトアミドの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンをN-アセチルグリシンに置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(6.4 mg, 20%)を合成した。
MS (ESI+) 400 (MH+).
実施例74
6’-(ピリジン-4-イル)-1-(3,3,3-トリフルオロプロパノイル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンを3,3,3-トリフルオロプロパン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(10.9 mg, 33%)を合成した。
MS (ESI+) 411 (MH+).
実施例75
1-(3-フェニルプロパノイル)-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンを3-フェニルプロパン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(5.4 mg, 16%)を合成した。
MS (ESI+) 433 (MH+).
実施例76
1-[(1-フェニルシクロプロピル)カルボニル]-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンを1-フェニルシクロプロパンカルボン酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(7.0mg, 20%)を合成した。
MS (ESI+) 445 (MH+).
実施例77
1-(1H-インドール-3-イルアセチル)-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンを1H-インドール-3-イル酢酸に置き換えたこと以外は、実施例64と同様の方法で標題化合物(8.0mg, 22%)を合成した。
MS (ESI+) 458 (MH+).
実施例78
エチル(4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-イル)アセタートの製造
Figure 2012519653
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンのDMF溶液(0.16 M、0.50 mL, 0.080mmol)、ブロモ酢酸エチルのDMF溶液(0.20 M、1.0 mL, 0.20mmol)、および炭酸カリウム(40mg, 0.29 mmol)の混合物を40℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(3.5 mL)および2% 炭酸水素ナトリウム水溶液(1 mL)で抽出した。有機溶媒を留去した後、粗生成物を分取用HPLCで (YMC CombiPrep. Hydrosphere C18、10 mM NH4HCO3水溶液/MeCN溶液)クロマトグラフィーして、標題化合物(6.5 mg, 21%)を得た:
MS (ESI+) 387 (MH+).
実施例79
1-(2-シクロヘキシル-2-オキソエチル)-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
ブロモ酢酸エチルを2-ブロモ-1-シクロヘキシルエタノンに置き換えたこと以外は、実施例78と同様の方法で標題化合物(9.1 mg, 27%)を合成した。
MS (ESI+) 425 (MH+).
実施例80
1-エチル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]-ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンのDMF溶液(0.16 M、0.50 mL, 0.080mmol)、アセトアルデヒドのDMF溶液(0.20 M、1 mL, 0.20mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(40mg, 0.19 mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(3.5 mL)および2% 炭酸水素ナトリウム水溶液(1 mL)で抽出した。有機溶媒を留去した後、粗生成物を分取用HPLCで (YMC CombiPrep. Hydrosphere C18、10 mM NH4HCO3 水/MeCN溶液)クロマトグラフィーして、標題化合物(2.4 mg, 9.1%)を得た:
MS (ESI+): 329 (MH+).
実施例81
1-ベンジル-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
アセトアルデヒドをベンズアルデヒドに置き換えたこと以外は、実施例80と同様の方法で標題化合物(9.3 mg, 30%)を合成した。
MS (ESI+) 391 (MH+).
実施例82
6’-(ピリジン-4-イル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
アセトアルデヒドをピリジン-4-カルバルデヒドに置き換えたこと以外は、実施例80と同様の方法で標題化合物(6.8 mg, 22%)を合成した。
MS (ESI+) 392 (MH+).
実施例83
1-[(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)メチル]-6’-(ピリジン-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
アセトアルデヒドを1-メチル-1H-ピロール-2-カルバルデヒドに置き換えたこと以外は、実施例80と同様の方法で標題化合物(3.3 mg, 11%)を合成した。
MS (ESI+) 394 (MH+).
実施例84
6-(2-フルオロピリジン-4-イル)-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
6-ブロモ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.052 g, 0.20mmol)、2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(0.085 g, 0.60mmol)、2 M 炭酸ナトリウム(0.30 mL, 0.60mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(0.033 g, 0.040mmol)の1,4-ジオキサン(2 mL)中の混合物を窒素で脱気し、70℃で15時間加熱した。次いで、反応物を室温まで冷却し、シリカゲル(2 mL)と共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル-80:20 酢酸エチル/メタノール)で精製して、黄色固体の標題化合物(0.038 g, 69%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 (6H, s), 7.19 (1H, s), 7.24 (1H, s), 7.51 (1H, s), 7.60 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.71 (1H, s), 8.27 (1H, d, J = 5.4 Hz).
実施例85
6-(2-アミノピリジン-4-イル)-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
6-ブロモ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.039 g, 0.15 mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(0.022 g, 0.10mmol)、2 M 炭酸ナトリウム(0.075 mL, 0.15 mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(0.024 g, 0.030mmol)の1,4-ジオキサン(0.5 mL)中の混合物に140℃で1時間マイクロ波を照射した。0.10mmolおよび 0.20mmolスケールで反応を繰り返した(ボロン酸エステル基準)。これらの反応混合物を合わせ、シリカゲル(10 mL)と共に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル-90:10 酢酸エチル/メタノール)で精製して、黄色固体の粗生成物を得た。これをさらに分取用HPLCで精製した。分取用HPLCは、UV 検出が254 nm、溶媒グラジェントが95:5 溶媒A/溶媒B - 5:95 溶媒A/溶媒B (溶媒A = 0.1% v/v トリフルオロ酢酸含有水; 溶媒B = 0.1% v/v トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)で、Phenomenex Luna C18(2) カラムを用いたVarian Prostar 210 HPLC システムで行なった。濃縮後、TFA塩を得た。これをメタノール(10 mL)に溶解し、溶液をNaHCO3(0.2 g)およびシリカゲル(1 mL)と共に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン-85:15 ジクロロメタン/メタノール)により、黄色固体の標題化合物(0.012 g, 11%)を得た:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, s), 6.07 (2H, s), 6.62 (1H, d, J = 1.0 Hz), 6.72 (1H, dd, J = 5.0, 1.5 Hz), 6.92 (1H, s), 7.07 (1H, s), 7.58 (1H, s), 7.93 (1H, d, J = 5.5 Hz).
実施例86
7-ブロモ-1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.111 g, 0.423 mmol)の酢酸(5 mL)溶液に、撹拌しながら臭素(0.030 mL, 0.582 mmol)を室温で加えた。1時間後、析出物を濾取し、EtOAcで洗浄して、黄色固体(111 mg) を得た。得られた固体をアセトン(4 mL)、酢酸(1 mL)およびPTSA(4.0mg, 0.021 mmol)と混合し、この混合物を60℃ で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この残渣をアセトン(4 mL)、酢酸(1 mL)およびPTSA(4.0mg, 0.021 mmol)と混合した。混合物を60℃で一晩撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出液をMgSO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、白色固体を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、白色固体の標題化合物(36.2 mg, 25%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, s), 2.68 (3H, s), 7.97-8.33 (3H, m), 13.36 (1H, br s).
実施例87
6-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(138 mg, 0.50mmol)、3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(333 mg, 1.50mmol)、炭酸ナトリウム(265 mg, 2.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(2 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(40.8 mg, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を18時間還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)およびEtOAc(100 mL)に注ぎ、混合物を十分に振とうした。不溶物を濾去した。濾液から有機層を集め、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc、then EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた黄色固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(52.2 mg, 36%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, s), 2.29-2.33 (6H, m), 2.88 (3H, s), 6.65 (1H, s), 7.44 (1H, br s), 12.53 (1H, br s).
実施例88
エチル [2,2-ジメチル-4-オキソ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-1(2H)-イル]アセタートの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノチオフェン-2-カルボキシラート(50g, 0.31 mmol)のMeCN(650 mL)溶液に、ピリジン(31 mL)およびトリフルオロ酢酸無水物(58.6 mL)を0℃で加えた。その温度で5分間撹拌した後、混合物を放置して室温に戻し、撹拌を10分間続けた。次いで、氷水(6.0 L)を加えて、反応をクエンチした。20分間撹拌後、析出物を濾取し、水で洗浄して、淡褐色固体の標題化合物(80g, 定量的)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.86 (3H, s), 7.72 (1H, d, J = 5.4 Hz), 8.03 (1H, d, J = 5.4 Hz), 11.17 (1H, br s).
工程 2
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
N-(1-メチルエチル)プロパン-2-アミン(20 mL, 142 mmol)のTHF(200 mL)溶液に、1.6M n-ブチルリチウム/ヘキサン(84.2 mL, 132 mmol)を0℃で加えた。この温度で15分間撹拌後、混合物を-78℃に冷却した。次いで、メチル 3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(10.1 g, 40.0mmol)のTHF(50 mL)溶液をゆっくり加えた。-78℃でもう1時間撹拌した後、1,2-ジブロモエタン(20.6 mL, 238 mmol)を一度に加えた。混合物を-78℃で30分間、次いで室温で30分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(600 mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-10:90 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(5.30g, 41%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.94 (3H, s), 8.11 (1H, s), 11.15 (1H, br s).
工程 3
メチル 3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(5.30g, 16.0mmol)、炭酸カリウム(10.2 g, 70.4 mmol)、MeOH(100 mL)および水(25 mL)の混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をEtOAcで抽出し、抽出液を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-10:90 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(3.32 g, 88%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.70 (3H, s), 6.68 (2H, br s), 6.75 (1H, s).
工程 4
3-アミノ-5-ブロモ-N-(4-メトキシベンジル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキシラート(1.2 g, 5.08 mmol)のMeOH(15 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(0.61 g, 15.2 mmol)および水(5 mL)を加えた。60℃で5時間撹拌後、6 M HCl(1.58 mL)を混合物に加えてpHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をDMF(35 mL)に溶解した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.1 g, 30.5 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(4.7 g, 30.5 mmol)および4-メトキシベンジル アミン(3.76 mL, 25.4 mmol)を加えた。室温で17時間撹拌した後、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色ガム状物の標題化合物(1.46 g, 84%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.80 (3H, s), 4.47 (2H, d, J = 5.5 Hz), 5.43 (1H, br s), 5.64 (2H, br s), 6.58 (1H, s), 6.82-6.93 (2H, m), 7.21-7.32 (2H, m).
工程 5
エチル(6-ブロモ-2,2-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-1(2H)-イル)アセテートの製造
3-アミノ-5-ブロモ-N-(4-メトキシベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.80g, 2.34 mmol)、MgSO4(320mg)、アセトン(2.5 mL)、PTSA(20mg)およびDMA(0.5 mL)の混合物に、120℃で1時間、次いで130℃で0.5時間マイクロ波を照射した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-60:40 ヘキサン/EtOAc)で精製して、淡褐色結晶性固体(685 mg)を得た。この固体をDMF(20 mL)に溶解し、水素化ナトリウム(50%, 128 mg, 2.67 mmol)を0℃で加えた。室温で20分間攪拌した後、ブロモ酢酸エチル(0.30 mL, 2.67 mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機層を集め、水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、90:10 ヘキサン/EtOAc-60:40 ヘキサン/EtOAc)で精製して、褐色油状物を得た。この褐色油状物をTFA (5.0 mL)に溶解し、混合物を70℃で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を飽和NaHCO3水溶液で処理した。有機物をEtOAcで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去して、黄色結晶性固体(628 mg)を得た。この固体(370mg)をアセトン(2 mL)およびDMA(1 mL)に溶解した。この溶液にPTSA(17 mg)およびMgSO4(150mg)を加えた。混合物に120℃で1時間マイクロ波を照射した。次いで、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出し、抽出液を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-25:75 ヘキサン/EtOAc)で精製して、淡黄色固体の標題化合物(135 mg, 28%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.21 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.39 (6H, s), 4.14 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.20 (2H, s), 6.98 (1H, s), 7.71 (1H, br s).
工程 6
エチル [2,2-ジメチル-4-オキソ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-1(2H)-イル]アセタートの製造
フラスコに、エチル (6-ブロモ-2,2-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-1(2H)-イル)アセタート(120mg, 0.346 mmol)、tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(288 mg, 0.978 mmol)、K3PO4 (277 mg, 1.3 mmol)およびDMF(1 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(8.0mg, 0.0098 mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。50℃で18時間、次いで80℃で18時間撹拌後、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘプタンから結晶化して、褐色固体の標題化合物(5.6 mg, 5%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.22 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.40 (6H, s), 4.10-4.25 (4H, m), 6.86 (1H, s), 7.52 (1H, s), 7.80 (1H, br s), 8.14 (1H, br s), 13.13 (1H, br s).
実施例89
2,2-ジメチル-1-(2-(モルホリン-4-イル)-2-オキソエチル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
6-ブロモ-3-(4-メトキシベンジル)-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-アミノ-5-ブロモ-N-(4-メトキシベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(160mg, 0.47 mmol)、MgSO4(60mg)、2,2-ジメトキシプロパン(0.5 mL)、PTSA(8.6 mg, 0.050mmol)およびDMA(0.5 mL)の混合物をマイクロウエーブ反応装置を用いて120℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をAcOEtで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-40:60 ヘキサン/EtOAc)で精製して、褐色固体の標題化合物(112 mg, 62%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.37 (6H, s), 3.71 (3H, s), 4.54 (2H, s), 6.72 (1H, s), 6.86 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.26 (1H, br s).
工程 2
5-ブロモ-3-[(2-(モルホリン-4-イル)-2-オキソエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミドの製造
6-ブロモ-3-(4-メトキシベンジル)-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(500mg, 1.31 mmol)のDMF(13 mL)溶液に、NaH(50%, 94 mg, 1.97 mmol)を0℃で加えた。室温で15分間攪拌した後、ブロモ酢酸エチル(0.16 mL, 1.44 mmol)を一度に加えた。室温で0.5時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。pH5になるまで水層に1M HClを加えた。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残留した褐色油状物を、DMF(5 mL)中でN-エチル-N-(1-メチルエチル)プロパン-2-アミン(0.24 mL, 1.37 mmol)およびモルホリン(0.072 mL, 0.82 mmol)と混合し、HATU (312 mg, 0.82 mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン-EtOAc-EtOAc)で精製して、褐色油状物を得た。油状物をTFA (2 mL)に溶解し、混合物を70℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、飽和NaHCO3水溶液を加えた。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をEtOAc中で粉末化し、濾取して、褐色固体の標題化合物(97 mg)を得た。濾液を濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、褐色固体の標題化合物(27 mg)を得た。標題化合物の総収率(97+27 mg)は27%だった:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.39-3.51 (4H, m), 3.53-3.65 (4H, m), 4.09 (2H, d, J = 4.9 Hz), 6.93 (2H, br s), 7.03 (1H, s), 7.84 (1H, t, J = 4.9 Hz).
工程3
6-ブロモ-2,2-ジメチル-1-(2-(モルホリン-4-イル)-2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-[(2-(モルホリン-4-イル)-2-オキソエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(120mg, 0.345 mmol)、CSA(10mg)、2,2-ジメトキシプロパン(1.0 mL)およびDMA(1 mL)の混合物を80℃で0.5時間撹拌した。次いで、水および飽和NaHCO3水溶液を加えて、反応をクエンチした。析出物を濾取して、褐色固体の標題化合物(66 mg)を得た。濾液から有機層を集め、水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下濃縮して、褐色固体の標題化合物(50mg)を得た。標題化合物の総収率(66+50mg)は87%だった:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.38 (6H, s), 3.39-3.52 (4H, m), 3.53-3.69 (4H, m), 4.26 (2H, s), 6.85 (1H, s), 7.61 (1H, br s).
工程 4
2,2-ジメチル-1-(2-(モルホリン-4-イル)-2-オキソエチル)-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
フラスコに、6-ブロモ-2,2-ジメチル-1-(2-(モルホリン-4-イル)-2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(115 mg, 0.296 mmol)、Na2CO3(89 mg, 1.48 mmol)、1,2-ジメトキシエタン(2 mL)、水(1 mL)およびtert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(261 mg, 0.888 mmol)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(24 mg, 0.0296 mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。100℃で3時間攪拌した後、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。不溶物を濾去し、濾液にNaClを加えた。有機物をEtOAc/THFで抽出し、抽出液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、褐色固体の標題化合物(31 mg, 27%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (6H, s), 3.39-3.71 (8H, m), 4.26 (2H, s), 6.69(1H, s), 7.43 (1H, s), 7.79 (1H, br s), 8.12 (1H, br s), 13.12 (1H, br s).
実施例90
4,4-ジフルオロ-1’-メチル-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(131 mg, 0.50mmol)、1M HCl水溶液(2.5 mL, 2.5 mmol)およびMeOH(2.5 mL)の混合物を50℃で1時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を添加した後、有機物をEtOAcで抽出した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を4,4-ジフルオロシクロヘキサノン(335 mg, 2.5 mmol)、CSA(12 mg, 0.050mmol)、MgSO4(96 mg, 1.0mmol)およびDMA(1 mL)と混合した。80℃で1.5時間攪拌した後、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(121 mg, 72%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.83-2.40 (8H, m), 2.91 (3H, s), 7.05 (1H, s), 7.76 (1H, s), 7.86 (1H, br s), 8.18 (1H, br s), 13.13 (1H, br s).
実施例91
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンの製造
4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.00g, 6.55 mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(2.16 g, 8.52 mmol)、ビフェニル-2-イル(ジシクロヘキシル)ホスファン(575 mg, 1.64 mmol)および酢酸カリウム(2.25 g, 22.9 mmol)の1,2-ジメトキシエタン懸濁液(20 mL)に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(600mg, 0.655 mmol)を加えた。混合物を脱気し、アルゴン雰囲気下で90℃で5時間攪拌した。生じた混合物にEtOAc(100 mL)および水(50 mL)を加えた。不溶物を濾過により除去し、濾液を分離した。水層をEtOAc(10 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をEtOAc/ヘキサン(1:1、10 mL)中で粉末化して、淡黄色固体(442 mg, 28%)を得た。濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-60:40 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色固体の標題化合物(320mg, 20%, 総収量 = 762 mg, 48%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) 1.35 (12H, s), 6.66 (1H, dd, J = 3.2, 1.9 Hz), 7.28 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.51 (1H, t, J = 3.2 Hz), 8.21 (1H, d, J = 4.5 Hz), 11.63 (1H, br s).
工程 2
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(138 mg, 0.50mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(183 mg, 0.75 mmol)、炭酸セシウム(489 mg, 1.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(1 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(40.8 mg, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を18時間還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注ぎ、2:1 EtOAc/THF(100 mL x 3)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた黄色固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、析出物を濾取して、淡黄色固体の標題化合物(46.9 mg, 30%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.45 (6H, s), 2.97 (3H, s), 6.86-6.87 (1H, m), 7.41-7.45 (2H, m), 7.63-7.64 (1H, m), 7.71 (1H, br s), 8.26 (1H, d, J = 5.1 Hz), 11.94 (1H, br s).
実施例92
1,2,2-トリメチル-6-キノリン-4-イル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(138 mg, 0.50mmol)、キノリン-4-イルボロン酸(173 mg, 1.00mmol)、炭酸セシウム(489 mg, 1.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(1 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(40.8 mg, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を18時間還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100 mL)に注ぎ、EtOAc(100 mL)で抽出し、抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた黄色固体(62 mg)をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、析出物を濾取して、淡黄色固体の標題化合物(47.2 mg, 29%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.47 (6H, s), 2.49 (3H, s), 7.27 (1H, s), 7.63 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.69-7.76 (2H, m), 7.86 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.13 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.32 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.95 (1H, d, J = 4.8 Hz).
実施例93
1’-メチル-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
3-(メチルアミノ)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド 二塩酸塩の製造
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(262 mg, 1.00mmol)、1M HCl(5 mL)およびMeOH(5 mL)の混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮して、淡黄色固体の標題化合物(292 mg, 99%)を得た。これはさらなる精製なしに次の反応に使用した。
工程 2
1’-メチル-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-(メチルアミノ)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド 二塩酸塩(145 mg, 0.491 mmol)、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)およびEtOAc(50 mL)の混合物を十分に振とうした。有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をシクロペンタノン(2.00 mL, 22.6 mmol)、PTSA(9.34 mg, 0.049 mmol)、MgSO4(118 mg, 0.982 mmol)およびDMF(2 mL)と混合した。この混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THF(100 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、黄色固体を得た。この固体をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(75.4 mg, 53%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.56-1.73 (4H, m), 1.81-2.03 (4H, m), 2.87 (3H, s), 6.99 (1H, s), 7.67 (1H, br s), 7.84 (1H, br s), 8.17 (1H, br s), 13.12 (1H, br s).
実施例94
1’-メチル-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-(メチルアミノ)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド 二塩酸塩(145 mg, 0.491 mmol)、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)およびEtOAc(50 mL)の混合物を十分に振とうした。有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をシクロヘキサノン(2 mL, 19.3 mmol)、PTSA(93 mg, 0.491 mmol)、MgSO4(118 mg, 0.982 mmol)およびDMF(2 mL)と混合した。この混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THF(100 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc then 次いで90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、黄色固体を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(24.5 mg, 16%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.16-1.90 (10H, m), 2.90 (3H, s), 7.00 (1H, s), 7.27 (1H, br s), 7.84 (1H, br s), 8.17 (1H, br s), 13.12 (1H, br s).
実施例95
7’-ブロモ-1’-メチル-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
4-ブロモ-3-(メチルアミノ)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド 二塩酸塩の製造
7-ブロモ-1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(171 mg, 0.50mmol)、1M HCl(2.5 mL, 2.50mmol)およびMeOH(5 mL)の混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮して、淡黄色固体の標題化合物(182 mg, 97%)を得た。これはさらなる精製なしに次の反応に使用した。
工程 2
7’-ブロモ-1’-メチル-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
4-ブロモ-3-(メチルアミノ)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド 二塩酸塩(90mg, 0.267 mmol)、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)およびEtOAc(50 mL)の混合物を十分に振とうした。有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をシクロペンタノン(2.00 mL, 22.6 mmol)、PTSA(5.1 mg, 0.027 mmol)、MgSO4(64.2 mg, 0.533 mmol)およびDMF(2 mL)と混合した。この混合物を80℃で4時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THF(100 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、白色固体を得た。この固体をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、白色固体の標題化合物(41.7 mg, 43%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67-1.92 (8H, m), 2.64 (3H, s), 7.98 (1H, br s), 8.13 (1H, br s), 8.35 (1H, br s), 13.35 (1H, br s).
実施例96
7’-ブロモ-1’-メチル-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
4-ブロモ-3-(メチルアミノ)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド 二塩酸塩(90mg, 0.267 mmol)、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)およびEtOAc(50 mL)の混合物を十分に振とうした。有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をシクロヘキサノン(2.00 mL, 19.3 mmol)、PTSA(93 mg, 0.491 mmol)、MgSO4(64.2 mg, 0.533 mmol)およびDMF(2 mL)と混合した。この混合物を80℃で4時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THF(100 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、白色固体を得た。この固体をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、白色固体の標題化合物(46.2 mg, 46%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.25-1.55 (8H, m), 1.91-1.97 (2H, m), 2.60 (3H, s), 7.90 (1H, br s), 8.01 (1H, br s), 8.32 (1H, br s), 13.36 (1H, br s).
実施例97
1,2,2-トリメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(138 mg, 0.50mmol)、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(208 mg, 1.00mmol)、炭酸セシウム(489 mg, 1.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(1 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(40.8 mg, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。この混合物を18時間還流した。室温まで冷却後、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.208 g, 1.00mmol)、Cs2CO3(0.489 g, 1.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(1 mL)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(0.041 g, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を6時間還流した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、(100 mL)およびEtOAc(100 mL)で抽出し、抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製した。得られた黄色固体をEtOAc中で粉末化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(52.7 mg, 38%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (6H, s), 2.40 (3H, br s), 2.88 (3H, s), 6.86 (1H, s), 7.44 (1H, br s), 7.77 (0.6H, br s), 8.10 (0.4H, br s), 12.86 (1H, m).
実施例98
tert-ブチル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-3,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(110mg, 0.50mmol)、CSA(12 mg, 0.050mmol)、tert-ブチル 3-オキソピペリジン-1-カルボキシラート(199 mg, 1.0mmol)、MgSO4(96 mg, 1.0mmol)およびDMA(1.0 mL)の混合物を80℃で1時間撹拌した。次いで、水、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、黄色結晶性固体(72 mg)を得た。この物質は少量の不純物を含んでいた。EtOAc/ヘキサンから結晶化し、濾過して、不純物を除去した。濾液を減圧下濃縮し、残渣を結晶化(MeOH/EtOAc/ヘキサン)で精製して、黄色固体の標題化合物(15 mg, 7%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.19 (9H, br s), 1.64-1.96 (4H, m), 2.87-3.05 (2H, m), 3.58-3.70 (1H, m), 3.84-4.01 (1H, m), 7.20 (1H, br s), 7.28 (1H, br s), 7.56-7.66 (2H, m), 7.77 (1H, br s), 8.55-8.76 (2H, m).
実施例99
tert-ブチル 1’-メチル-4’-オキソ-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
1,2,2-トリメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(131 mg, 0.50mmol)、1M HCl水溶液(2.5 mL, 2.5 mmol)およびMeOH(2.5 mL)の混合物を50℃で1時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を添加し、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を、tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート(498 mg, 2.5 mmol)、CSA(12 mg, 0.050mmol)、MgSO4(96 mg, 1.0mmol)およびDMA(2 mL) と混合した。80℃で1時間攪拌した後、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を結晶化(EtOAc/ヘキサン)で精製して、淡黄色固体の標題化合物(163 mg, 81%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 (9H, s), 1.70-1.97 (4H, m), 2.89 (3H, s), 3.04-3.27 (2H, m), 3.68-3.92 (2H, m), 7.03 (1H, s), 7.64 (1H, s), 7.85 (1H, br s), 8.17 (1H, br s), 13.14 (1H, br s).
実施例100
tert-ブチル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H,8H-スピロ[8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-8-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(110mg, 0.50mmol)、CSA(12 mg, 0.050mmol)、tert-ブチル 3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(225 mg, 1.0mmol)、MgSO4(96 mg, 1.00mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を80℃で1.5時間撹拌した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-93:7 EtOAc/MeOH)で精製して、黄色固体を得た。MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化し、濾過して、黄色固体の不純物を除去した。濾液を減圧下濃縮し、残渣を結晶化(MeOH/EtOAc/ヘキサン)で精製して、黄色固体の標題化合物(5.8 mg, 3%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 (9H, s), 1.74-1.95 (4H, m), 2.05-2.25 (4H, m), 4.03-4.13 (2H, m), 6.67 (1H, br s), 7.40 (1H, s), 7.62-7.70 (2H, m), 7.80 (1H, br s), 8.54-8.67 (2H, m).
実施例101
7-ブロモ-2,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
2,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(248 mg, 1.00mmol)の酢酸(5 mL)溶液に、勢いよく攪拌しながらゆっくりと臭素(0.077 mL, 1.50mmol)を加えた。3分後、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体を得た。この残渣を、アセトン(5.0 mL, 68.1 mmol)、PTSA(9.5 mg, 0.050mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)およびDMF(1 mL)と混合した。この混合物を60℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製して、淡黄色固体(100mg)を得た。この固体をEtOAc中で粉末化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(69.9 mg, 21%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.45 (6H, s), 6.69 (1H, br s), 7.65 (1H, br s), 7.95 (1H, br s), 8.30 (1H, br s), 13.33 (1H, br s).
実施例102
7’-ブロモ-6’-(1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
7-ブロモ-2,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(50mg, 0.153 mmol)、1M HCl(0.5 mL, 0.50mmol)およびMeOH(2.5 mL)の混合物を50℃で撹拌した。1時間後、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、MgSO4(18.4 mg, 0.153 mmol)、シクロヘキサノン(1 mL, 9.65 mmol)、PTSA(2.9 mg, 0.015 mmol)およびDMF(1 mL)と混合した。混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製した。次いで、得られた油状物をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、淡黄色固体の標題化合物(16.9 mg, 30%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.34-1.86 (10H, m), 6.24 (1H, br s), 7.67 (1H, br s), 7.95 (1H, br s), 8.31 (1H, br s), 13.33 (1H, br s).
実施例103
tert-ブチル 4’-オキソ-6’-(ピリジン-4-イル)-3’,4’-ジヒドロ-1H,1’H-スピロ[ピロリジン-3,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-1-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(ピリジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(150mg, 0.68 mmol)、CSA(16 mg, 0.068 mmol)、tert-ブチル 3-オキソピロリジン-1-カルボキシラート(380mg, 2.05 mmol)、MgSO4(131 mg, 1.37 mmol)およびDMA(1.0 mL)の混合物を80℃で5時間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAcから結晶化して、黄色固体の標題化合物(20mg, 8%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.32-1.48 (9H, m), 2.03-2.24 (2H, m), 3.33-3.53 (4H, m), 7.21 (1H, s), 7.58-7.63 (1H, m), 7.65 (2H, d, J = 5.3 Hz), 8.11 (1H, br s), 8.62 (2H, d, J = 5.3 Hz).
実施例104
1,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
6-ブロモ-1,2-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミド(940mg, 4.0mmol)、4,4,4-トリフルオロブタン-2-オン(5.04 g, 40mmol)、CSA(93 mg, 0.40mmol)、MgSO4(576 mg, 6.0mmol)およびDMA(4 mL)の混合物に150℃で1時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、90:10 ヘキサン/EtOAc-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体を得た。固体をEtOAc/ヘプタンからの結晶化で精製して、黄色固体の標題化合物(431 mg, 31%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.58 (3H, s), 2.53-2.73 (1H, m), 2.84-3.05 (1H, m), 2.88 (3H, s), 7.10 (1H, s), 7.91 (1H, br s).
工程 2
1,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
フラスコに、6-ブロモ-1,2-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(420mg, 1.22 mmol)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(1.13 g, 3.7 mmol)、炭酸ナトリウム(366 mg, 6.1 mmol)、1,2-ジメトキシエタン(6 mL)および水(3 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(98 mg, 0.12 mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。100℃で2時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(1 mL)を加えた。100℃で1時間撹拌した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、then MeOH/EtOAc/ヘプタンから結晶化して、淡黄色固体の標題化合物(212 mg, 50%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.59 (3H, s), 2.40 (3H, br s), 2.55-2.79 (1H, m), 2.84-3.06 (1H, m), 2.93 (3H, s), 6.88 (1H, s), 7.71 (1H, s), 7.79 (0.6H, br s), 8.12 (0.4H, br s), 12.87 (1H, br s).
実施例105
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.090g, 0.343 mmol)、1M HCl(1.2 mL, 1.2 mmol)およびMeOH(4 mL)の混合物を50℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を過剰の飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、シクロヘキサノン(2 mL, 19.3 mmol)、MgSO4(0.041 g, 0.343 mmol)、PTSA(3.3 mg, 0.017 mmol)およびDMF(2 mL)と混合した。混合物を80℃で3時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた油状物を再びカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色固体を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、濾取して、黄色固体の標題化合物(42.8 mg, 41%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.17-1.26 (1H, m), 1.43-1.62 (7H, m), 1.85-1.88 (2H, m), 2.38 (3H, m), 6.60 (1H, s), 6.98 (1H, br s), 7.30 (1H, br s), 7.68 (0.6H, br s), 8.03 (0.4H, br s), 12.77 (0.4H, br s), 12.87 (0.6H, br s).
実施例106
2-メチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン、1M HCl(1.2 mL, 1.2 mmol)およびMeOH(4 mL)の混合物を50℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を過剰の飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、4,4,4-トリフルオロブタン-2-オン(0.433 g, 3.43 mmol)、CSA(7.97 mg, 0.034 mmol)、MgSO4(0.041 g, 0.343 mmol)およびDMA(1 mL)と混合した。混合物に140℃で1時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた油状物を再びカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色油状物を得た。この油状物を少量のEtOAcに溶解し、撹拌しながらヘプタン(100 mL)に注いだ。5分後、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(33.5 mg, 30%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.54 (3H, s), 2.33 (1H, br s), 2.39 (2H, br s), 2.63-2.78 (2H, m), 6.58 (1H, s), 7.24 (1H, br s), 7.58 (1H, br s), 7.73 (0.6H, br s), 8.10 (0.4H, br s), 12.80 (0.4H, br s), 12.88 (0.6H, br s).
実施例107
7-ブロモ-2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
勢いよく撹拌した、2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.080g, 0.305 mmol)の酢酸(2 mL)溶液に、臭素(0.019 mL, 0.366 mmol)をゆっくりと加えた。5分後、混合物を過剰の飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、アセトン(5 mL)、PTSA(3 mg)およびDMF(1 mL)と混合した。混合物を70℃で30分間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色固体を得た。この固体をEtOAc/ヘキサン中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(65.4 mg, 63%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.46 (6H, s), 2.27 (1H, br s), 2.34 (2H, br s), 6.67 (1H, br s), 7.65 (1H, br s), 7.78 (0.6H, br s), 8.11 (0.4H, br s), 12.94 (0.4H, br s), 12.99 (0.6H, br s).
実施例108
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
4-ブロモ-3-メチル-1H-ピラゾール 臭化水素塩の製造
3-メチルピラゾール(23.2 mL, 289 mmol)の酢酸(100 mL)溶液に、撹拌しながら臭素(15.6 mL, 303 mmol)10分かけて滴下した。10分後、混合物をEtOAc(200 mL)で希釈し、析出物を濾取して、白色固体の標題化合物(53.4 g, 76%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.16 (3H, s), 7.64 (1H, s), 7.96 (2H, br s).
工程 2
tert-ブチル 4-ブロモ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシラートの製造
4-ブロモ-3-メチル-1H-ピラゾール 臭化水素塩(53.4 g, 221 mmol)および炭酸ナトリウム(70.2 g, 662 mmol)の混合物に、撹拌しながらTHF(420 mL)および水(210 mL)を加え、次いで、ジ-tert-ブチルジカルボナート(61.5 mL, 265 mmol)およびN,N-ジメチルピリジン-4-アミン(1.348 g, 11.0mmol)を加えた。一晩後、ジ-tert-ブチルジカルボナート(10.3 mL, 44.2 mmol)を加えた。30分後、混合物を水に注ぎ、EtOAc(500 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残留した油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色油状物の粗標題化合物(57.4 g, 定量的)を得た。この物質は位置異性体を含んでおり、さらなる精製なしに次の反応に使用した。
工程 3
tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラートの製造
tert-ブチル 4-ブロモ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(9.2 g, 35.2 mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(9.39 g, 37.0mmol)、酢酸カリウム(10.4 g, 106 mmol)および1,2-ジメトキシエタン(100 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(2.88 g, 3.52 mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を90℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を1:1 EtOAc/ヘキサンに懸濁し、濾過した。濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色油状物の粗標題化合物(7.0g, 65%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.32 (12H, s), 1.62 (9H, s), 2.42 (3H, s), 8.26 (1H, s). この物質は少量の不純物を含んでおり、さらなる精製なしに次の反応に使用した。
工程 4
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
6-ブロモ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(522 mg, 2 mmol)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(1.85 g, 6.00mmol)、炭酸セシウム(3.26 g, 10.0mmol)、1,2-ジメトキシエタン(20 mL)および水(5 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(163 mg, 0.20mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を2時間還流した。次いで、炭酸ナトリウム(636 mg, 6.00mmol)を加えた。30分後、8 M NaOH (1.5 mL, 12 mmol)を加えた。3時間後、混合物を室温まで冷却し、水(100 mL)およびEtOAc(200 mL)に注いだ。不溶物を濾去し、有機層を濾液から集めた。この有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残留した油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、EtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、淡黄色固体の標題化合物(312 mg, 60%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (6H, s), 2.37 (3H, br s), 6.53 (1H, s), 6.96 (1H, br s), 7.34 (1H, br s), 7.70 (0.6H, br s), 8.06 (0.4H, br s), 12.85 (1H, m).
実施例109
1’-エチル-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-(エチルアミノ)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(3.18 g, 9.58 mmol)、ヨードエタン(3.8 mL, 47.9 mmol)、炭酸セシウム(7.80g, 24.0mmol)およびDMF(10 mL)の混合物を70℃で3時間撹拌した。次いで、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をMeOH(15 mL)に溶解した。溶液に炭酸カリウム(3.97 g, 28.7 mmol)および水(10 mL)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-90:10 ヘキサン/EtOAc)で精製して、明緑色油状物の標題化合物(2.46 g, 97%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.12 (3H, t, J = 7.4 Hz), 3.27 (2H, q, J = 7.4 Hz), 3.71 (3H, s), 6.79-6.95 (1H, m), 7.09 (1H, s).
工程 2
5-ブロモ-3-(エチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 5-ブロモ-3-(エチルアミノ)チオフェン-2-カルボキシラート(2.46 g, 9.31 mmol)のMeOH(30 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(1.12 g, 27.9 mmol)の水(15 mL)溶液を加えた。60℃で4時間撹拌した後、6 M HCl水溶液(2.9 mL)を混合物に加えて、pHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をDMF(70 mL)で希釈した。次いで、トリエチルアミン(25.8 mL, 186 mmol)および塩化アンモニウム(10.0g, 186 mmol)を加えた。室温で10分間撹拌した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(10.7 g, 55.9 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(7.55 g, 55.9 mmol)を混合物に加え、撹拌を17時間続けた。次いで、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、淡緑色固体の標題化合物(0.97 g, 42%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.11 (3H, t, J = 7.1 Hz), 3.13-3.26 (2H, m), 6.93 (2H, br s), 7.00 (1H, s), 7.41 (1H, t, J = 5.9 Hz).
工程 3
6’-ブロモ-1’-エチル-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
5-ブロモ-3-(エチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミド(500mg, 2.0mmol)、シクロペンタノン(0.53 mL, 6.0mmol)、CSA(46 mg, 0.20mmol)、MgSO4(384 mg, 4.0mmol)およびDMA(1.5 mL)の混合物を90℃で1日間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、褐色固体を得た。固体をEtOAcで洗浄して、褐色固体の標題化合物(352 mg, 56%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.07 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.52-1.79 (4H, m), 1.79-2.01 (4H, m), 3.27 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.09 (1H, s), 7.80 (1H, br s).
工程 4
1’-エチル-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
フラスコに、6’-ブロモ-1’-エチル-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オン(158 mg, 0.50mmol)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(463 mg, 1.5 mmol)、炭酸ナトリウム(150mg, 2.5 mmol)、1,2-ジメトキシエタン(3.0 mL)および水(1.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(41 mg, 0.050mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。100℃で1時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(0.5 mL)を加えた。100℃で1時間撹拌した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、50:50 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(86 mg, 54%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.13 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.54-1.79 (4H, m), 1.79-2.03 (4H, m), 2.40 (3H, br s), 3.30 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.85 (1H, s), 7.60 (1H, s), 7.79 (0.6H, br s), 8.13 (0.4H, br s), 12.85 (1H, br s).
実施例110
1-エチル-2-メチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
5-ブロモ-3-(エチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミド(250mg, 1.0mmol)、4,4,4-トリフルオロブタン-2-オン(1.0 mL)、CSA(23 mg, 0.10mmol)、MgSO4(192 mg, 2.0mmol)およびDMA(0.5 mL)の混合物に150℃で1時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、褐色結晶性固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(3 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(555 mg, 1.8 mmol)、炭酸ナトリウム(180mg, 3.0mmol)および水(1.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(49 mg, 0.060mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。100℃で6時間撹拌した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、50:50 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘプタンから結晶化して、褐色固体の標題化合物(37 mg, 10%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.16 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.69 (3H, s), 2.40 (3H, br s), 2.53-2.71 (1H, m), 2.74-3.00 (1H, m), 3.32-3.50 (2H, m), 6.83 (1H, s), 7.66 (1H, s), 7.80 (0.6H, br s), 8.14 (0.4H, br s), 12.85 (1H, br s).
実施例111
5-エチル-N,N-ジメチル-4-(1,2,2-トリメチル-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-スルホンアミドの製造
Figure 2012519653
工程 1
N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-1-スルホンアミドの製造
ピラゾール(12 g, 176 mmol) のTHF(200 mL)溶液に、撹拌しながら0℃で水素化ナトリウム(50%, 8.46 g, 212 mmol)を少しずつ加えた。20分後、ジメチルスルファモイルクロライド(17 mL, 157 mmol)を滴下し、同温で1時間撹拌を続けた。次いで、混合物を1時間で室温に戻した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(400 mL)に注ぎ、EtOAc(400 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色油状物の標題化合物(25.3 g, 82%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.95 (6H, s), 6.40 (1H, m), 7.75 (1H, m), 7.99 (1H, d, J = 2.7 Hz).
工程 2
5-エチル-N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-1-スルホンアミドの製造
N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-1-スルホンアミド(25.3 g, 144 mmol)のTHF(200 mL)溶液に、撹拌しながら1.6M n-ブチルリチウム/ヘキサン(99 ml、159 mmol)を-78℃で滴下した。30分後、ヨードエタン(12.8 mL, 159 mmol)を滴下した。反応混合物を-78℃で30分間撹拌し、ゆっくりと室温に戻した。1時間後、白色沈殿物の形成により撹拌が困難となった。THF(200 mL)を滴下して、黄色溶液を得た。撹拌を2時間続けた。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液(600 mL)に注ぎ、EtOAc(400 mL x2)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-30:70 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色液体の標題化合物(19.8 g, 68%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.30 (3H, t, J = 7.8 Hz), 2.94 (2H, dd, J = 15.0, 7.5 Hz), 3.03 (6H, s), 6.13 (1H, br s), 7.55 (1H, br s).
工程 3
4-ブロモ-5-エチル-N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-1-スルホンアミドの製造
5-エチル-N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-1-スルホンアミド(19.8 g, 97 mmol)のTHF(300 mL)溶液に、撹拌しながら1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(20.8 g, 117 mmol)を加えた。混合物を50℃で2時間攪拌した。混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色油状物を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色油状物の標題化合物(26.2 g, 95%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.24 (3H, t, J = 7.5 Hz), 2.97 (2H, dd, J = 15.0 Hz, 7.8 Hz), 3.06 (6H, s), 7.54 (1H, s).
工程 4
5-エチル-N,N-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-スルホンアミドの製造
4-ブロモ-5-エチル-N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-1-スルホンアミド(13.0g, 46.1 mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(12.3 g, 48.4 mmol)、酢酸カリウム(13.6 g, 138 mmol)および1,2-ジメトキシエタン(300 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(3.76 g, 4.61 mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を90℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を1:1 EtOAc/ヘキサンに懸濁し、濾過した。濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製した。得られた油状物を室温で一晩放置して、沈殿物を得た。この析出物を濾取し、ヘキサンで洗浄して、白色固体の標題化合物(6.32 g, 42%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.25 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.31 (12H, s), 3.03 (6H, s), 3.17 (2H, dd, J = 15.0, 7.5 Hz), 7.75 (1H, s).
工程 5
5-エチル-N,N-ジメチル-4-(1,2,2-トリメチル-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-スルホンアミドの製造
6-ブロモ-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(138 mg, 0.50mmol)、5-エチル-N,N-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-スルホンアミド(329 mg, 1.00mmol)、炭酸セシウム(815 mg, 2.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(1.25 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(40.8 mg, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を90℃で1時間撹拌した。混合物を水(100 mL) およびEtOAc(200 mL)に注いだ。不溶物を濾去し、有機層を濾液から集めた。この有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残留した油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(139 mg, 70%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.24 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.42 (6H, s), 2.90 (3H, s), 3.01 (6H, s), 3.09 (2H, dd, J = 14.1, 6.9 Hz), 7.04 (1H, s), 7.59 (1H, br s), 8.16 (1H, s).
実施例112
7-ブロモ-2-メチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
3-アミノ-4-ブロモ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
7-ブロモ-2,2-ジメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(243 mg, 0.743 mmol)、1M HCl(2.60 mL, 2.60mmol)およびMeOH(7 mL)の混合物を50℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THFで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、淡黄色固体の標題化合物(147 mg, 69%)を得た。
工程 2
7-ブロモ-2-メチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-アミノ-4-ブロモ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(90mg, 0.313 mmol)、4,4,4-トリフルオロブタン-2-オン(395 mg, 3.13 mmol)、CSA(7.28 mg, 0.031 mmol)、MgSO4(37.7 mg, 0.313 mmol)およびDMA(2 mL)の混合物に150℃で3時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製した。得られた固体をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、白色固体の標題化合物(29.2 mg, 24%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.59 (3H, s), 2.64-2.84 (2H, m), 6.91 (1H, s), 7.87 (1H, s), 7.97 (1H, br s), 8.30 (1H, br s), 13.35 (1H, br s).
実施例113
6-(5-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,2,2-トリメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
5-エチル-N,N-ジメチル-4-(1,2,2-トリメチル-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-スルホンアミド(129 mg, 0.325 mmol)およびTFA (2.00 mL, 26.0mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、アセトン(5 mL, 68.1 mmol)、MgSO4(78 mg, 0.649 mmol)、PTSA(6.2 mg, 0.032 mmol)およびDMF(1 mL)と混合した。この混合物を60℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THFで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた固体をEtOAc中で粉末化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(41.2 mg, 44%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.23 (3H, t, J = 7.8 Hz), 1.40 (6H, s), 2.72-2.88 (5H, m), 6.84 (1H, s), 7.44 (1H, s), 7.76 (0.67H, br s), 8.08 (0.33H, br s), 12.79 (0.33H, br s), 12.88 (0.67H, br s).
実施例114
1-エチル-2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
1-エチル-2-メチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(120mg, 0.335 mmol)およびTFA (1.0 mL)の混合物を室温で1日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を飽和NaHCO3水溶液で処理した。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc)で精製して、黄色結晶性固体を得た。固体をDMA(1.5 mL)に溶解した。混合物に、2,2-ジメトキシプロパン(1.5 mL)、CSA(15 mg)およびMgSO4(100mg)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc)で精製して、黄色結晶性固体を得た。固体をMeOH(1.0 mL)および1M HCl水溶液(1.0 mL)と混合した。50℃で1時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液を混合物に加えた。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を酢酸(0.50 mL)に溶解した。溶液にアセトン(1.0 mL)およびPTSA(10mg)を加えた。60℃で1時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAc を混合物に加えた。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、EtOAc/ヘプタンから結晶化して、無色固体の標題化合物(24 mg, 24%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.16 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.44 (6H, s), 2.39 (3H, br s), 3.35 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.78 (1H, s), 7.37 (1H, s), 7.79 (0.6H, br s), 8.12 (0.4H, br s), 12.84 (1H, br s).
実施例115
1-(2,2-ジフルオロエチル)-2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-[(2,2-ジフルオロエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(500mg, 1.51 mmol)、2,2-ジフルオロエチル トリフルオロメタンスルホン酸塩(441 mg, 2.06 mmol)、炭酸セシウム(1.23 g, 3.78 mmol)およびDMF(10 mL)の混合物に、90℃で1時間にマイクロ波を照射した。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をMeOH(3 mL)に溶解した。溶液に炭酸カリウム(100mg)および水(1.5 mL)を加えた。混合物を室温で0.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-85:15 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(290mg, 64%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.51-3.67 (2H, m), 3.80 (3H, s), 5.60-6.09 (1H, m), 6.69 (1H, s), 7.05 (1H, br s).
工程 2
5-ブロモ-3-[(2,2-ジフルオロエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(2,2-ジフルオロエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(285 mg, 0.95 mmol)のMeOH(3.0 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(114 mg, 2.85 mmol)の水(1.5 mL)溶液を加えた。60℃で4時間撹拌した後、混合物に6 M HCl水溶液(0.3 mL)を加えて、pHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をDMF(5 mL)で希釈した。次いで、トリエチルアミン(2.6 mL, 19 mmol)および塩化アンモニウム(1.02 g, 19 mmol)を加えた。室温で5分間撹拌した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(1.09 g, 5.70mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.77 g, 5.70mmol)を混合物に加え、撹拌を17時間続けた。次いで、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(130mg, 48%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.41-3.83 (2H, m), 5.12 (2H, br s), 5.57-6.15 (1H, m), 6.75 (1H, s), 7.73 (1H, br s).
工程 3
1-(2,2-ジフルオロエチル)-2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-[(2,2-ジフルオロエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(130mg, 0.456 mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(1 mL)、CSA(11 mg, 0.046 mmol)、MgSO4(110mg, 0.912 mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を90℃で2時間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、無色結晶性固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(3.0 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(422 mg, 1.37 mmol)、炭酸ナトリウム(137 mg, 2.28 mmol)および水(1.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(37 mg, 0.046 mmol)を混合物に加えた。フラスコをアルゴンで置換した。100℃で2時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(0.5 mL)を加えた。100℃で1時間撹拌した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(78 mg, 52%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.44 (6H, s), 2.39 (3H, br s), 3.78 (2H, td, J = 15.1, 3.8 Hz), 5.95-6.44 (1H, m), 6.88 (1H, s), 7.58 (1H, s), 7.78 (0.6H, br s), 8.11 (0.4H, br s), 12.88 (1H, br s).
実施例116
2,2-ジメチル-6-(5-{[(2-フェニルエチル)アミノ]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
4-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルバルデヒドの製造
4-ブロモ-1H-ピラゾール-5-カルバルデヒド(1.93 g, 11 mmol)のTHF(50 mL)懸濁液に、撹拌しながら水素化ナトリウム(0.484 g, 12.1 mmol)を0℃で加えた。10分後、[2-(クロロメトキシ)エチル](トリメチル)シラン(2.34 mL, 13.2 mmol)を加えた。2時間後、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAc(100 mL)で抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-80:20 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色油状物の標題化合物(2.30g, 69%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.00 (9H, s), 0.94 (2H, t, J = 8.1 Hz), 3.60 (2H, t, J = 8.1 Hz), 5.48 (2H, s), 7.70 (1H, s), 10.00 (1H, s).
工程 2
(5-ホルミル-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)ボロン酸の製造
4-ブロモ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルバルデヒド(2.00g, 6.55 mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(1.75 g, 6.88 mmol)、酢酸カリウム(1.93 g, 19.7 mmol)および1,2-ジメトキシエタン(40 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(0.535 g, 0.655 mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を90℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色油状物の標題化合物(571 mg, 25%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.00 (9H, s), 0.98 (2H, t, J = 6.0 Hz), 1.23 (12H, s), 3.68 (2H, t, J = 8.1 Hz), 5.56 (2H, s), 8.81 (1H, s), 10.11 (1H, s).
工程 3
4-(2,2-ジメチル-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルバルデヒドの製造
6-ブロモ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(0.444 g, 1.70mmol)、(5-ホルミル-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)ボロン酸(0.554 g, 2.05 mmol)、炭酸セシウム(2.77 g, 8.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(15 mL)および水(4 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(0.139 g, 0.17 mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を2時間還流した。次いで、混合物を水(100 mL)およびEtOAc(100 mL)に注いだ。不溶物を濾去し、有機層を濾液から集めた。この有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残留した油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(374 mg, 54%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.03 (9H, s), 0.90 (2H, t, J = 7.8 Hz), 1.44 (6H, s), 3.65 (2H, t, J = 7.8 Hz), 5.58 (2H, s), 7.15 (1H, br s), 7.26 (1H, s), 7.51 (1H, br s), 8.58 (1H, s), 10.03 (1H, s).
工程 4
2,2-ジメチル-6-(5-{[(2-フェニルエチル)アミノ]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
4-(2,2-ジメチル-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルバルデヒド(122 mg, 0.30mmol)、2-フェニルエタンアミン(0.151 mL, 1.20mmol)およびTHF(5 mL)の混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(0.023 g, 0.60mmol)およびMeOH(2 mL)を加えた。30分後、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製して、2,2-ジメチル-6-(5-{[(2-フェニルエチル)アミノ]メチル}-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(140mg)を得た。2,2-ジメチル-6-(5-{[(2-フェニルエチル)アミノ]メチル}-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(140mg)をN,N,N,N-テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0 M THF溶液、3.0 mL, 3.00mmol)に溶解し、混合物を60℃で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製して、無色油状物の標題化合物(27.5 mg, 24%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (6H, s), 2.74 (4H, m), 3.88 (2H, m), 6.63 (1H, br s), 6.93 (1H, s), 7.16-7.28 (5H, m), 7.33 (1H, s), 7.70 (0.67H, br s), 8.05 (0.33H, br s), 12.92 (1H, br s).
実施例117
1,2,2,7-テトラメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 4-メチル-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 3-アミノ-4-メチルチオフェン-2-カルボキシラート(50g, 292 mmol)のMeCN(600 mL)溶液に、撹拌しながらピリジン(28.6 mL, 350mmol)およびトリフルオロ酢酸無水物(58.6 mL, 421 mmol)を0℃で加えた。5分後、混合物を放置して室温に戻し、撹拌を2時間続けた。混合物を氷水(2.5 L)に注ぎ、混合物を20分間撹拌した。次いで、EtOAc(1 L)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、褐色油状物を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、橙色油状物の標題化合物(74.8 g, 96%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.24 (3H, s), 3.90 (3H, s), 7.72 (1H, s), 9.68 (1H, br s).
工程 2
メチル 5-ブロモ-4-メチル-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 4-メチル-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(11.7 g, 43.8 mmol)および酢酸(150 mL)の混合物に、撹拌しながら1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(15.6 g, 88.0mmol)を室温で加えた。次いで、この混合物を80℃で6時間撹拌した。室温まで冷却後、混合物を水(600 mL)および食塩水(300 mL)に注いだ。析出物を濾取し、水で洗浄し、減圧下乾燥して、白色固体の標題化合物(9.40g, 62%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.15 (3H, s), 3.89 (3H, s), 9.62 (1H, br s).
工程 3
メチル 5-ブロモ-4-メチル-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-4-メチル-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(9.40g, 27.2 mmol)、K2CO3(7.51 g, 54.3 mmol)、ヨードメタン(2.04 mL, 32.6 mmol)およびDMF(60 mL)の混合物を60℃で6時間撹拌した。混合物を水(200 mL)に注ぎ、EtOAc(200 mL)で抽出し、抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、K2CO3(4.13 g, 29.9 mmol)、MeOH(200 mL)および水(100 mL)と混合した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を半分程度の容量まで減圧下濃縮し、飽和NaHCO3水溶液(300 mL)に注いだ。EtOAc(400 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、橙色固体を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、淡黄色固体の標題化合物(4.46 g, 62%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.08 (3H, s), 3.24 (3H, s), 3.86 (3H, s).
工程 4
5-ブロモ-4-メチル-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
水酸化ナトリウム(4.27 g, 107 mmol)を水(35 mL)およびMeOH(140 mL)に溶解した。次いで、メチル 5-ブロモ-4-メチル-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキシラート(4.46 g, 16.7 mmol)を混合物に加えた。混合物を70℃で一晩撹拌した。氷水浴で冷却後、6 M HCl(11.9 mL, 71.4 mmol)を加え、混合物を減圧下濃縮した。残渣をトルエンと共に濃縮して(2回)、黄色固体を得た。この残渣を塩化アンモニウム(38.1 g, 712 mmol)、トリエチルアミン(99 mL, 712 mmol)およびDMF(300 mL)と混合し、混合物を5分間撹拌した。次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(32.7 g, 214 mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(40.9 g, 214 mmol)を混合物に加え、撹拌を3日間続けた。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(1 L)に注いだ。EtOAc(1 L)で抽出し、飽和NaHCO3で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、褐色油状物を得た。この油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製して、褐色油状物の標題化合物(2.34 g, 56%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.26 (3H, s), 2.98 (3H, d, J = 5.4 Hz), 5.35 (2H, br s), 6.82 (1H, br s).
工程 5
6-ブロモ-1,2,2,7-テトラメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-4-メチル-3-(メチルアミノ)チオフェン-2-カルボキサミド(2.34 g, 9.39 mmol)、アセトン(10 mL, 136 mmol)、MgSO4(1.13 g, 9.39 mmol)、PTSA(0.089 g, 0.47 mmol)およびDMF(10 mL)の混合物を60℃で一晩撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、98:2 ヘキサン/EtOAc-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、橙色固体の標題化合物(1.17 g, 43%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.39 (6H, s), 2.08 (3H, s), 2.56 (3H, s), 7.87 (1H, br s).
工程 6
1,2,2,7-テトラメチル-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
6-ブロモ-1,2,2,7-テトラメチル-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(145 mg, 0.50mmol)、tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-ピラゾール-1-カルボキシラート(441 mg, 1.50mmol)、炭酸セシウム(815 mg, 2.50mmol)、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)および水(1.25 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下にした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(40.8 mg, 0.050mmol)を加え、混合物を再びアルゴン雰囲気下にした。混合物を90℃で一晩撹拌した。混合物を水(100 mL)およびEtOAc(100 mL)に注いだ。不溶物を濾去し、有機層を濾液から集めた。この有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残留した油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製し、EtOAc/ヘキサン中で粉末化した。固体を濾取して、白色固体の標題化合物(65.2 mg, 47%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.39 (6H, s), 2.15 (3H, s), 2.57 (3H, s), 7.70 (1H, s), 7.76 (1H, br s), 8.09 (1H, br s), 13.21 (1H, br s).
実施例118
2-フルオロ-1’-メチル-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
3-(メチルアミノ)-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
1,2,2-トリメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(378 mg, 1.37 mmol)、1M HCl(4.79 mL)およびMeOH(12 mL)の混合物を50℃で2時間攪拌した。混合物を過剰の飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THFで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をエタノール(6 mL)中で粉末化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(183 mg, 57%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.40 (3H, m), 2.90 (3H, d, J = 5.1 Hz), 6.73 (2H, br s), 6.80 (1H, s), 7.23-7.28 (1H, m), 7.73 (0.67H, br s), 8.06 (0.33H, br s), 12.75 (0.33H, br s), 12.83 (0.67H, br s).
工程 2
2-フルオロ-1’-メチル-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-(メチルアミノ)-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(70mg, 0.30mmol)、2-フルオロシクロヘキサノン(105 mg, 0.90mmol)、CSA(7.0mg, 0.030mmol)、MgSO4(72 mg, 0.60mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を70℃で5.5時間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(58 mg, 58%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.21-2.13 (8H, m), 2.39 (3H, br s), 2.99 (2H, s), 3.09 (1H, s), 4.77-5.02 (0.6H, m), 5.02-5.27 (0.4H, m), 6.91 (0.6H, s), 6.93 (0.4H, s), 7.40 (0.6H, s), 7.46 (0.4H, s), 7.79 (0.6H, br s), 8.11 (0.4H, br s), 12.86 (1H, br s).
実施例119
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ニトロベンジル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-[(3-ニトロベンジル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(500mg, 1.51 mmol)、1-(ブロモエチル)-3-ニトロベンゼン(490mg, 2.27 mmol)、炭酸セシウム(1.23 g, 3.78 mmol)およびDMF(10 mL)の混合物を70℃で1時間撹拌した。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-80:20 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色油状物を得た。この油状物、MeOH(5 mL)、炭酸カリウム(500mg)および水(2.5 mL)の混合物を室温で0.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、黄色油状物の標題化合物(495 mg, 88%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.82 (3H, s), 4.55 (2H, d, J = 6.2 Hz), 6.50 (1H, s), 7.36 (1H, br s), 7.49-7.60 (1H, m), 7.61-7.76 (1H, m), 8.01-8.25 (2H, m).
工程 2
5-ブロモ-3-[(3-ニトロベンジル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(3-ニトロベンジル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(495 mg, 1.33 mmol)のMeOH(4 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(160mg, 3.99 mmol)の水(2 mL)溶液を加えた。60℃で4時間撹拌した後、6 M HCl水溶液(0.42 mL)を混合物に加えて、pHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をDMF(6 mL)で希釈した。次いで、トリエチルアミン(3.7 mL, 27 mmol)および塩化アンモニウム(1.4 g, 27 mmol)を加えた。室温で5分間撹拌した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(1.5 g, 8.0mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.1 g, 8.0mmol)を混合物に加え、撹拌を17時間続けた。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(269 mg, 57%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 4.53 (2H, d, J = 6.4 Hz), 5.12 (2H, br s), 6.52 (1H, s), 7.47-7.57 (1H, m), 7.66 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.98-8.08 (1H, m), 8.14 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.18 (1H, s).
工程 3
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ニトロベンジル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-[(3-ニトロベンジル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(260mg, 0.730mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(2.0 mL)、CSA(17 mg, 0.073 mmol)、MgSO4(200mg)およびDMA(2 mL)の混合物に120℃で1時間マイクロ波を照射した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、黄色結晶性固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(4 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(675 mg, 2.19 mmol)、炭酸ナトリウム(219 mg, 3.65 mmol)および水(2 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(60mg, 0.073 mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。100℃で2時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(1.0 mL)を加えた。100℃で1時間撹拌した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(124 mg, 43%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.45 (6H, s), 2.30 (3H, br s), 4.74 (2H, s), 6.70 (1H, s), 7.54-7.77 (2.6H, m), 7.81 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.01 (0.4H, br s), 8.13 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.20 (1H, s), 12.85 (1H, br s).
実施例120
1-(3-アミノベンジル)-2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ニトロベンジル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(147 mg, 0.37 mmol)、酸化白金(IV)(15 mg)およびエタノール(20 mL)の混合物を水素雰囲気下(1 atm)室温で3時間撹拌した。次いで、触媒を濾去した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(52 mg, 38%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 (6H, s), 2.31 (3H, br s), 4.39 (2H, s), 5.07 (2H, s), 6.41 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.49 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.57 (1H, s), 6.63 (1H, s), 6.91-7.02 (1H, m), 7.50 (1H, s), 7.66 (0.6H, br s), 8.03 (0.4H, br s), 12.83 (1H, br s).
実施例121
1-エチル-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
N-(1-メチルエチル)プロパン-2-アミン(40.0 mL, 285 mmol)およびTHF(400 mL)の混合物に、撹拌しながら1.6M n-ブチルリチウム/ヘキサン(165 mL, 264 mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を放置して2時間かけて0℃まで放置した。次いで、混合物を再び-78℃に冷却した。次いで、メチル 3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(20.3 g, 80mmol)のTHF(80 mL)溶液を混合物にゆっくりと加えた。1時間後、1,2-ジブロモエタン(41.2 mL, 476 mmol)を一度に加えた。-78℃で1時間撹拌を続け、ドライアイス-アセトン浴を除去した。さらに30分間撹拌後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(1 L)およびEtOAc(1 L)に注いだ。十分に振とうした後、有機層を集め、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、橙色油状物を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-90:10 ヘキサン/EtOAc)で精製して、ベージュ色固体の標題化合物(10.4 g, 39%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.84 (3H, s), 7.79 (1H, s), 11.21 (1H, br s).
工程 2
メチル 3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(8.15 g, 24.5 mmol)、炭酸カリウム(4.15 g, 30mmol)、MeOH(200 mL)および水(100 mL)の混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を半分程度の容量まで濃縮し、飽和NaHCO3水溶液(300 mL)に注いだ。EtOAc(300 mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体の標題化合物 (5.67 g, 98%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.70 (3H, s), 6.69 (2H, br s), 6.75 (1H, s).
工程 3
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキシラート(5.67 g, 24.0mmol)、水酸化ナトリウム(2.94 g, 73.6 mmol)、MeOH(100 mL)および水(25 mL)の混合物を70℃で一晩撹拌した。0℃まで冷却した後、6 M HCl(8.17 mL, 49.0mmol)を加えた。この混合物を減圧下濃縮して、黄色固体を得た。トルエンと共に溶媒を留去した。生じた固体を減圧下十分に乾燥させた。この残渣を、塩化アンモニウム(26.3 g, 491 mmol)、トリエチルアミン(49.7 g, 491 mmol)およびDMF(230 mL)と混合した。室温で5分間攪拌した後、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.9 g, 144 mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(28.2 g, 147 mmol)を加えた。撹拌を2日間続けた。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(700 mL)に注ぎ、EtOAc(700 mL)で抽出し、抽出液を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残留した褐色油状物をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(4.05 g, 75%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 6.56 (2H, br s), 6.70 (1H, s), 6.91 (2H, br s).
工程 4
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
3-アミノ-5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド(1.99 g, 9.0mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(10 mL)、CSA(209 mg, 0.90mmol)、MgSO4(2.17 g, 18 mmol)およびDMA(10 mL)の混合物を90℃で2時間撹拌した。MgSO4を濾去した後、飽和NaHCO3水溶液を濾液に加えた。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、褐色結晶性固体を得た。フラスコに、この固体、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(6.0g, 19.5 mmol)、炭酸ナトリウム(2.3 g, 38.3 mmol)、1,2-ジメトキシエタン(30 mL)および水(15 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(626 mg, 0.766 mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。100℃で3.5時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(2.0 mL)を加えた。100℃で1時間撹拌した後、有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液をNa2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、褐色固体の標題化合物(1.97 g, 86%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (6H, s), 2.37 (3H, br s), 6.53 (1H, s), 6.95 (1H, s), 7.34 (1H, s), 7.71 (0.6H, br s), 8.06 (0.4H, br s), 12.84 (1H, br s).
工程 5
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの製造
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(1.97 g, 7.51 mmol)、1M HCl水溶液 (38 mL)およびMeOH(38 mL)の混合物を50℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液をNa2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製して、緑色固体の標題化合物(1.20g, 72%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.37 (3H, br s), 6.44 (2H, br s), 6.59 (1H, s), 6.75 (2H, br s), 7.63 (0.6H, br s), 7.95 (0.4H, br s), 12.83 (1H, br s).
工程 6
1-エチル-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.45 mmol)、1-エチルピペリジン-4-オン(0.067 mL, 0.50mmol)、CSA(125 mg, 0.54 mmol)、MgSO4(108 mg, 0.90mmol)およびDMA(2.0 mL)の混合物を100℃で4時間撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。水層にNaClを加えた。有機物を再びEtOAc/THFで抽出した。合わせた有機層を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(89 mg, 64%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.99 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.65-1.98 (4H, m), 2.21-2.44 (7H, m), 2.53-2.65 (2H, m), 6.62 (1H, s), 7.00 (1H, s), 7.35 (1H, s), 7.69 (0.6H, br s), 8.04 (0.4H, br s), 12.87 (1H, br s).
実施例122
2-フルオロ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(66 mg, 0.30mmol)、2-フルオロシクロヘキサノン(0.10 mL, 0.90mmol)、CSA(7.0mg, 0.030mmol)、MgSO4(72 mg, 0.60mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル 85:15 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、淡黄色固体の標題化合物(53 mg, 55%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.22-1.99 (8H, m), 2.38 (3H, br s), 4.49-4.79 (1H, m), 6.60 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.02-7.22 (1H, m), 7.48 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.70 (0.6H, br s), 8.05 (0.4H, br s), 12.87 (1H, br s).
実施例123
1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
5-ブロモ-3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(500mg, 1.55 mmol)、(2-ブロモエトキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(0.99 mL, 4.66 mmol)、炭酸セシウム(1.52 g, 4.66 mmol)、ヨウ化ナトリウム(24 mg, 0.16 mmol)およびDMF(3 mL)の混合物に130℃で1.5時間マイクロ波を照射した。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をMeOH(20 mL)に溶解した。溶液に炭酸カリウム(1.86 g)および水(5 mL)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-80:20 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色油状物を得た。油状物をMeOH(4 mL)、水(2 mL)および水酸化ナトリウム(147 mg, 3.68 mmol)と混合した。混合物を70℃で6時間撹拌した。次いで、6 M HCl水溶液(0.39 mL)を混合物に加えて、pHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を、塩化アンモニウム(1.32 g, 24.6 mmol)、トリエチルアミン(3.4 mL, 24.6 mmol)およびDMF(6.0 mL)と混合した。室温で5分間撹拌した後、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(997 mg, 7.38 mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(1.41 g, 7.38 mmol)を加えた。室温で18時間撹拌した後、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc)で精製して、褐色固体の標題化合物(108 mg, 26%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.15 (1H, s), 3.34-3.46 (2H, m), 3.70-3.85 (2H, m), 5.10 (2H, br s), 6.76 (1H, s), 7.58 (1H, br s).
工程 2
1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.377 mmol)、アセトン(1.0 mL)、PTSA(6.5 mg, 0.038 mmol)および酢酸(1.0 mL)の混合物を70℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、淡褐色アモルファス固体を得た。フラスコに、このアモルファス、1,2-ジメトキシエタン(3.0 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(349 mg, 1.13 mmol)、炭酸ナトリウム(113 mg, 1.89 mmol)および水(1.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(31 mg, 0.038 mmol)を混合物に加えた。フラスコをアルゴンで置換した。100℃で1時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(1.0 mL)を加えた。100℃で1.5時間撹拌した後、有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、褐色固体の標題化合物(40mg, 35%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 (6H, s), 2.29-2.45 (3H, m), 3.24-3.40 (2H, m), 3.45-3.62 (2H, m), 4.80 (1H, t, J = 5.6 Hz), 6.79 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.75 (0.6H, br s), 8.09 (0.4H, br s), 12.55-13.06 (1H, m).
実施例124
1’-(2,2-ジフルオロエチル)-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
5-ブロモ-3-[(2,2-ジフルオロエチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(150mg, 0.53 mmol)、シクロペンタノン(2.0 mL)、CSA(12 mg, 0.053 mmol)、MgSO4(100mg)およびDMA(1 mL)の混合物を110℃で20時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-80:20 ヘキサン/EtOAc)で精製して、褐色結晶性固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(4 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(370mg, 1.20mmol)、炭酸ナトリウム(120mg, 2.00mmol)および水(2 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(33 mg, 0.040mmol)を混合物に加えた。フラスコをアルゴンで置換した。100℃で2時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(1.0 mL)を加えた。100℃で30分間撹拌した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、ヘプタン/EtOAcから結晶化して、黄色固体の標題化合物(29 mg, 16%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.54-2.06 (8H, m), 2.41 (3H, br s), 3.63-3.84 (2H, m), 5.91-6.41 (1H, m), 6.93 (1H, s), 7.68-7.89 (1.6H, m), 8.11 (0.4H, br s), 12.88 (1H, br s).
実施例125
ベンジル [6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4’-オキソ-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4-イル]カルバメートの製造
Figure 2012519653
工程 1
の製造 3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オン(660mg, 2.52 mmol)、1M HCl(8.81 mL)およびMeOH(27 mL)の混合物を50℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を過剰の飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAc/THFで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、黄色固体の標題化合物(531 mg, 95%)を得た。
工程 2
ベンジル [6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4’-オキソ-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4-イル]カルバメートの製造
3-アミノ-5-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、ベンジル (4-オキソシクロヘキシル)カルバメート(495 mg, 2.00mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)、CSA(11.61 mg, 0.050mmol)およびDMA(3 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた残渣を2-プロパノール-EtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(58.4 mg, 26%, 4:1 シス/トランス異性体の混合物、絶対構造は未決定)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.51-1.73 (6H, m), 1.99-2.09 (2H, m), 2.33-2.38 (3H, m), 3.24 (1H, m), 5.01 (2H, s), 6.56 (0.2H, s), 6.62 (0.8H, s), 6.93 (0.8H, br s), 6.97 (0.2H, s), 7.21-7.38 (7H, m), 7.69 (0.67H, br s), 8.05 (0.33H, br s), 12.77 (0.33H, br s), 12.87 (0.67H, br s).
濾液を減圧下濃縮して、黄色油状物(約120mg)を得た。この残渣を少量の2-プロパノールに溶解し、攪拌したヘキサン(50 mL)に注いだ。析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(94 mg, 42%,シス/トランス異性体(1:1)の混合物)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.51-1.73 (6H, m), 1.99-2.09 (2H, m), 2.33-2.38 (3H, m), 3.24 (1H, m), 5.01 (2H, s), 6.56 (0.5H, s), 6.62 (0.5H, s), 6.93 (0.5H, br s), 6.97 (0.5H, s), 7.21-7.38 (7H, m), 7.69 (0.6H, br s), 8.05 (0.4H, br s), 12.77 (0.4H, br s), 12.87 (0.6H, br s).
実施例126
4-アミノ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
ベンジル [6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4’-オキソ-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4-イル]カルバメート(異性体比は1:1、78 mg, 0.173 mmol)、10% Pd/C (20mg, 50% wet)およびMeOH(5 mL)の混合物をH2雰囲気下で室温で1時間攪拌した。次いで、20% パラジウム水酸化物-炭素(200mg, 50% wet)を加えた。1時間後、混合物をセライトパッドで濾過し、セライトをMeOHで十分に洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、残渣をMeOH/EtOAc中で粉末化した。析出物を濾取して、白色固体の標題化合物(35.3 mg, 64%, 1:1 シス/トランス異性体の混合物)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.29-1.68 (8H, m), 1.99-2.07 (2H, m), 2.32-2.36 (3H, m), 2.55-2.73 (1H, m), 6.55 (0.5H, s), 6.63 (0.5H, s), 6.92 (0.5H, br s), 7.01 (0.5H, br s), 7.24-7.25 (1H, m), 7.81 (0.9H, m), 8.10 (0.1H, m), 12.85 (1H, m).
実施例127
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリミジン-2-イルメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-[(ピリミジン-2-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(500mg, 1.51 mmol)、2-(ブロモエチル)ピリジン 臭化水素塩(457 mg, 1.81 mmol)、炭酸セシウム(1.72 g, 5.29 mmol)およびDMA(15 mL)の混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をMeOH(5 mL)に溶解した。溶液に炭酸カリウム(500mg)および水(2.5 mL)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(336 mg, 68%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.82 (3H, s), 4.57 (2H, d, J = 6.0 Hz), 6.60 (1H, s), 7.16-7.24 (1H, m), 7.30 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.56 (1H, br s), 7.63-7.73 (1H, m), 8.44-8.72 (1H, m).
工程 2
5-ブロモ-3-[(ピリミジン-2-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(ピリミジン-2-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(336 mg, 1.03 mmol)のMeOH(3 mL)およびエタノール(10 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(124 mg, 3.09 mmol)の水(1.5 mL)溶液を加えた。100℃で5時間撹拌した後、6 M HCl水溶液(0.33 mL)を混合物に加えて、pHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をDMF(5 mL)で希釈した。次いで、トリエチルアミン(2.9 mL, 21 mmol)および塩化アンモニウム(1.1 g, 21 mmol)を加えた。室温で5分間撹拌した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(1.2 g, 6.2 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(835 mg, 6.2 mmol)を混合物に加え、撹拌を18時間続けた。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(160mg, 50%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.52 (2H, d, J = 6.2 Hz), 6.97 (1H, s), 7.00 (2H, br s), 7.24-7.35 (2H, m), 7.73-7.83 (1H, m), 8.13 (1H, t, J = 6.2 Hz), 8.45-8.64 (1H, m).
工程 3
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリミジン-2-イルメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-[(ピリミジン-2-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(160mg, 0.51 mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(1.5 mL)、CSA(12 mg, 0.051 mmol)、MgSO4(150mg)およびDMA(1.5 mL)の混合物に120℃で1時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、褐色固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(472 mg, 1.53 mmol)、炭酸ナトリウム(153 mg, 2.55 mmol)および水(2.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(42 mg, 0.051 mmol)を混合物に加えた。フラスコをアルゴンで置換した。100℃で0.5時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(1.0 mL)を加えた。100℃で1時間撹拌した後、有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAcから結晶化して、淡黄色固体の標題化合物(59 mg, 33%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.44 (6H, s), 2.31 (3H, br s), 4.64 (2H, s), 6.72 (1H, br s), 7.23-7.33 (1H, m), 7.39 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.56 (1H, s), 7.67 (0.6H, br s), 7.73-7.83 (1H, m), 8.03 (0.4H, br s), 8.50-8.61 (1H, m), 12.59-13.16 (1H, m).
実施例128
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリミジン-3-イルメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-[(ピリミジン-3-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(100mg, 1.51 mmol)、3-(ブロモメチル)ピリジン 臭化水素塩(457 mg, 1.81 mmol)、炭酸セシウム(1.72 g, 5.29 mmol)およびDMA(15 mL)の混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をMeOH(5 mL)に溶解した。溶液に炭酸カリウム(500mg)および水(2.5 mL)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(260mg, 53%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.81 (3H, s), 4.47 (2H, d, J = 6.2 Hz), 6.56 (1H, s), 7.27-7.33 (2H, m), 7.58-7.71 (1H, m), 8.49-8.65 (2H, m).
工程 2
5-ブロモ-3-[(ピリミジン-3-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(ピリミジン-3-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(260mg, 0.795 mmol)のMeOH(3 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(96 mg, 2.39 mmol)の水(1.5 mL)溶液を加えた。80℃で5時間撹拌した後、6 M HCl水溶液(0.25 mL)を混合物に加えて、pHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をDMF(5 mL)に懸濁した。次いで、トリエチルアミン(2.2 mL, 16 mmol)および塩化アンモニウム(850mg, 16 mmol)を加えた。室温で5分間撹拌した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(914 mg, 4.8 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(645 mg, 4.8 mmol)を混合物に加え、撹拌を18時間続けた。次いで、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(175 mg, 71%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.47 (2H, d, J = 6.6 Hz), 6.96-7.12 (3H, m), 7.33-7.41 (1H, m), 7.70 (1H, d, J = 7.6 Hz), 8.00 (1H, t, J = 6.6 Hz), 8.43-8.49 (1H, m), 8.54 (1H, s).
工程 3
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリミジン-3-イルメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-[(ピリミジン-3-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(175 mg, 0.56 mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(1.5 mL)、CSA(13 mg, 0.056 mmol)、MgSO4(150mg)およびDMA(1.5 mL)の混合物に120℃で1時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、褐色固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(5.0 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(518 mg, 1.68 mmol)、炭酸ナトリウム(168 mg, 2.80mmol)および水(2.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(41 mg, 0.056 mmol)を混合物に加えた。フラスコをアルゴンで置換した。100℃で1時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(1.0 mL)を加えた。100℃で1時間撹拌した後、有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAcから結晶化して、淡黄色固体の標題化合物(64 mg, 32%, 3 steps)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.44 (6H, s), 2.31 (3H, br s), 4.63 (2H, s), 6.72 (1H, br s), 7.33-7.43 (1H, m), 7.58 (1H, s), 7.63-7.78 (1.6H, m), 8.04 (0.4H, br s), 8.41-8.51 (1H, m), 8.58 (1H, d, J = 2.1 Hz), 12.85 (1H, br s).
実施例129
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
メチル 5-ブロモ-3-[(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラートの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(トリフルオロアセチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(500mg, 1.51 mmol)、4-(ブロモメチル)ピリジン 臭化水素塩(457 mg, 1.81 mmol)、炭酸セシウム(1.72 g, 5.29 mmol)およびDMA(15 mL)の混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をMeOH(5 mL)に溶解した。溶液に炭酸カリウム(500mg)および水(2.5 mL)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固体の標題化合物(238 mg, 48%)を得た:
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.82 (3H, s), 4.47 (2H, d, J = 6.2 Hz), 6.46 (1H, s), 7.23 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.34 (1H, br s), 8.53-8.63 (2H, m).
工程 2
5-ブロモ-3-[(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミドの製造
メチル 5-ブロモ-3-[(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキシラート(238 mg, 0.727 mmol)のMeOH(2 mL)およびエタノール(10 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(87 mg, 2.18 mmol)の水(1 mL)溶液を加えた。100℃で5時間撹拌した後、6 M HCl水溶液(0.23 mL)を混合物に加えて、pHを10に調整した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をDMF(4 mL)で希釈した。次いで、トリエチルアミン(2.0 mL, 15 mmol)および塩化アンモニウム(777 mg, 15 mmol)を加えた。室温で5分間撹拌した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(836 mg, 4.4 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(589 mg, 4.4 mmol)を混合物に加え、撹拌を18時間続けた。次いで、水およびEtOAcを加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、褐色固体の標題化合物(167 mg, 74%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.49 (2H, d, J = 6.8 Hz), 6.90 (1H, s), 7.06 (2H, br s), 7.27 (2H, d, J = 6.0 Hz), 8.02-8.12 (1H, m), 8.50 (2H, d, J = 6.0 Hz).
工程 3
2,2-ジメチル-6-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリジン-4-イルメチル)-2,3-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4(1H)-オンの製造
5-ブロモ-3-[(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]チオフェン-2-カルボキサミド(167 mg, 0.53 mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(1.5 mL)、CSA(12 mg, 0.053 mmol)、MgSO4(150mg)およびDMA(1.5 mL)の混合物に120℃で1時間マイクロ波を照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、褐色固体を得た。フラスコに、この固体、1,2-ジメトキシエタン(5 mL)、tert-ブチル 3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート(490mg, 1.59 mmol)、炭酸ナトリウム(159 mg, 2.65 mmol)および水(2.5 mL)を入れた。フラスコをアルゴンで置換した。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加体(43 mg, 0.053 mmol)を混合物に加えた。フラスコを再びアルゴンで置換した。100℃で0.5時間撹拌した後、8M NaOH水溶液(1.0 mL)を加えた。撹拌した後100℃で1時間、有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAcから結晶化して、淡黄色固体の標題化合物(38 mg, 20%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 (6H, s), 2.16-2.38 (3H, m), 4.62 (2H, br s), 6.56-6.71 (1H, m), 7.34 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.60 (1H, s), 7.66 (0.6H, br s), 8.02 (0.4H, br s), 8.52 (2H, d, J = 5.9 Hz), 12.71-12.93 (1H, m).
実施例130
エチル 6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4’-オキソ-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4-カルボキシラートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(0.111 g, 0.50mmol)、エチル 4-オキソシクロへキサンカルボキシラート(0.34 g, 2.00mmol)、MgSO4(0.120g, 1.00mmol)、CSA(0.012 g, 0.05 mmol)およびDMA(3 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた残渣をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(96 mg, 51%, 3:2 シス/トランス異性体の混合物、絶対構造は未決定)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.16-1.22 (3H, m), 1.51-2.39 (12H, m), 4.03-4.11 (2H, m), 6.56 (0.4H, s), 6.63 (0.6H, s), 7.00 (0.4H, br s), 7.09 (0.6H, br s), 7.33 (0.6H, br s), 7.42 (0.4H, br s), 7.69 (0.6H, m), 8.04 (0.4H, m), 12.78 (0.4H, br s), 12.87 (0.6H, br s).
実施例131
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-フェニル-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、4-フェニルシクロヘキサノン(261 mg, 1.50mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)、CSA(11.61 mg, 0.050mmol)およびDMA(3 mL)の混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液および2:1 EtOAc/THFに注いだ。析出物を濾取し、水およびEtOAcで洗浄して、灰色固体の標題化合物(28.7 mg, 15%, シクロヘキサン上の単一異性体、絶対構造は未決定)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.48-1.64 (4H, m), 1.90-2.02 (2H, m), 2.22-2.27 (2H, m), 2.38 (3H, m), 2.45-2.55 (1H, m), 6.56 (1H, s), 6.98 (1H, br s), 7.15-7.37 (5H, m), 7.68-7.73 (1.6H, m), 8.07 (0.4H, br s), 12.78 (0.4H, br s), 12.87 (0.6H, br s).
濾液から有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。残渣をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(70mg, 37%, 85:15 シス/トランス異性体の混合物、絶対構造は未決定、主異性体は上記の異性体と異なる)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.54-1.68 (4H, m), 1.73-1.88 (2H, m), 2.18-2.27 (2H, m), 2.35-2.41 (3H, m), 2.45-2.53 (1H, m), 6.56 (0.15H, s), 6.67 (0.85H, s), 6.98 (0.15H, br s), 7.16-7.23 (1.85H, br s), 7.27-7.37 (5H, m), 7.68 (0.7H, br s), 8.04 (0.3H, br s), 12.79 (0.3H, br s), 12.87 (0.7H, br s).
実施例132
tert-ブチル [6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4’-オキソ-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4-イル]カルバメートの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、tert-ブチル (4-オキソシクロヘキシル)カルバマート(320mg, 1.50mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)、CSA(11.6 mg, 0.05 mmol)およびDMA(3 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた残渣を少量のMeOH/EtOAcに溶解し、撹拌したヘキサン(100 mL)溶液に滴下した。析出物を濾取して、黄色固体の標題化合物(122 mg, 58%, 11:9 シス/トランス異性体の混合物、絶対構造は未決定)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.38-1.59 (15H, m), 1.99-2.09 (2H, m), 2.32-2.39 (3H, m), 3.15-3.30 (1H, m), 6.56 (0.45H, s), 6.62 (0.55H, s), 6.67-6.76 (1H, m), 6.89 (0.55H, br s), 6.96 (0.45H, br s), 7.21 (0.45H, br s), 7.28 (0.55H, br s), 7.70 (0.67H, br s), 8.05 (0.33H, br s), 12.77-12.87 (1H, m).
実施例133
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H,3H-スピロ[シクロペンタン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-3,4’(3’H)-ジオンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、1,3-シクロペンタンジオン(490mg, 5.00mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)、CSA(11.6 mg, 0.050mmol)およびDMA(3 mL)の混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液および2:1 EtOAc/THFに注いだ。有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc-70:30 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた固体をEtOAc中で粉末化し、濾取して、ベージュ色固体の標題化合物(21.2 mg, 14%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.25-2.29 (2H, m), 2.42 (3H, m), 2.76-2.80 (2H, m), 5.66 (1H, s), 7.32 (1H, s), 7.56 (2H, br s), 7.94 (0.6H, br s), 8.35 (0.4H, br s), 10.66 (1H, s), 12.90 (1H, br s).
実施例134
4,4-ジフルオロ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.45 mmol)、4,4-ジフルオロシクロヘキサノン(181 mg, 1.35 mmol)、CSA(10mg, 0.045 mmol)、MgSO4(108 mg, 0.90mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製し、MeOH/EtOAcから結晶化して、淡黄色固体の標題化合物(59 mg, 39%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.78-2.20 (8H, m), 2.39 (3H, br s), 6.60 (1H, s), 7.20 (1H, s), 7.58 (1H, s), 7.71 (0.6H, br s), 8.07 (0.4H, br s), 12.88 (1H, br s).
実施例135
1-ベンジル-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.45 mmol)、1-ベンジルピペリジン-4-オン(0.093 mL, 0.50mmol)、CSA(125 mg, 0.54 mmol)、MgSO4(108 mg, 0.90mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を100℃で3時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注いだ。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、90:10 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘキサンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(45 mg, 25%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.71-1.99 (4H, m), 2.27-2.44 (5H, m), 2.53-2.61 (2H, m), 3.49 (2H, s), 6.63 (1H, s), 7.02 (1H, s), 7.20-7.43 (6H, m), 7.69 (0.6H, br s), 8.06 (0.4H, br s), 12.73-12.93 (1H, m).
実施例136
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3-ジヒドロ-1’H-スピロ[インデン-2,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、2-インダノン(330mg, 2.50mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)、CSA(11.6 mg, 0.050mmol)およびDMA(3 mL)の混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液および2:1 EtOAc/THFに注いだ。有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-EtOAc-90:10 EtOAc/MeOH)で精製し、EtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、ベージュ色固体の標題化合物(21 mg, 12%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.31-2.38 (3H, m), 3.25 (4H, s), 6.56 (1H, s), 7.16-7.24 (4H, m), 7.38 (1H, br s), 7.68 (0.6H, br s), 7.79 (1H, br s), 8.06 (0.4H, br s), 12.78 (0.4H, br s), 12.87 (0.6H, br s).
実施例137
1-(4-フルオロフェニル)-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、N-(4-フルオロフェニル)-ピペリジン-4-オン(290mg, 1.50mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)、 CSA(11.6 mg, 0.05 mmol)およびDMA(4 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THFで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた残渣をEtOAc中で粉末化し、析出物を濾取して、明黄色固体の標題化合物(102 mg, 51%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.84-2.02 (4H, m), 2.37 (3H, br s), 3.06-3.15 (2H, m), 3.30-3.39 (2H, m), 6.62 (1H, s), 6.94-7.07 (4H, m), 7.16 (1H, br s), 7.51 (1H, br s), 7.71 (0.66H, br s), 8.05 (0.34H, br s), 12.86 (1H, br s).
実施例138
4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.450mmol)、4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}シクロヘキサノン(0.339 mL, 1.35 mmol)、CSA(10.5 mg, 0.0450mmol)、MgSO4(108 mg, 0.900mmol)の無水DMA(1.5 mL)中の混合物を90℃で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(20 mL)およびNaHCO3水溶液(10 mL)で分液した。水層をEtOAc(5 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(5 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、30:70 ヘキサン/EtOAc-EtOAc)で精製して、淡黄色油状物の4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンを得た.
4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オン(<0.450mmol)のTHF(4 mL)溶液に、N,N,N,N-テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0 M THF溶液、1.08 mL, 1.08 mmol)を加えた。混合物を室温で16時間、次いで50℃で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(20 mL)およびNaHCO3水溶液(10 mL)で分液した。水層をEtOAc(5 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(5 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-85:15 EtOAc/MeOH)で精製し、次いでEtOAc(5 mL)中で粉末化して、淡黄色固体の標題化合物(32.1 mg, 22%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42-1.75 (6H, m), 1.86-2.07 (2H, m), 2.36 (3H, s), 3.48 (0.5H, br s), 3.65 (0.5H, br s), 4.44 (0.5H, d, J = 2.8 Hz), 4.61 (0.5H, d, J = 3.2 Hz), 6.58 (0.5H, s), 6.62 (0.5H, s), 6.95 (0.5H, s), 7.06 (0.5H, s), 7.26 (0.5H, s), 7.35 (0.5H, s), 7.74 (1H, br s), 12.83 (1H, br s).
実施例139
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-フェニル-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
8-フェニル-1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカンの製造
1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン(0.65 mL, 5.0mmol)、1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジイルビス(ジフェニルホスファン)(255 mg, 0.375 mmol)、ナトリウム 2-メチルプロパン-2-オラート(1.44 g, 15 mmol)、ブロモベンゼン(0.684 mL, 6.5 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(114 mg, 0.125 mmol)およびトルエン(15 mL)の混合物をAr雰囲気下110℃で5時間撹拌した。水を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、90:10 ヘキサン/EtOAc-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、橙色油状物の標題化合物(1.09 g, 99%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.64-1.77 (4H, m), 3.20-3.30 (4H, m), 3.91 (4H, s), 6.70-6.80 (1H, m), 6.94 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.10-7.36 (2H, m).
工程 2
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-フェニル-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.45 mmol)、8-フェニル-1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン(109 mg, 0.50mmol)、CSA(125 mg, 0.54 mmol)、MgSO4(108 mg, 0.90mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3水溶液を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液をNa2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、80:20 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-95:5 EtOAc/MeOH)で精製し、MeOH/EtOAc/ヘプタンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(46 mg, 27%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67-2.07 (4H, m), 2.38 (3H, br s), 3.06-3.26 (2H, m), 3.38-3.55 (2H, m), 6.62 (1H, s), 6.75 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.95 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.13-7.28 (3H, m), 7.52 (1H, br s), 7.70 (0.6H, br s), 8.06 (0.4H, br s), 12.88 (1H, br s).
実施例140
(1r,4r)-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンおよび (1s,4s)-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
8-(4-フルオロフェニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オールの製造
1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(3.00g, 19.2 mmol)のTHF(80 mL)溶液に、(4-フルオロフェニル)マグネシウムブロミド (1.0 M THF溶液、28.8 mL, 28.8 mmol)を0℃で15分間かけて滴下した。混合物を0℃で30分間撹拌し、NH4Cl水溶液(100 mL)でクエンチした。分液し、水層をEtOAc(30 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(15 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、80:20 ヘキサン/EtOAc-50:50 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色固体の標題化合物(1.96 g, 40%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.46-1.72 (4H, m), 1.84-2.01 (4H, m), 3.33 (4H, s), 4.96 (1H, s), 7.06-7.16 (2H, m), 7.42-7.52 (2H, m).
工程 2
4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシシクロヘキサノンの製造
8-(4-フルオロフェニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オール(1.95 g, 7.73 mmol)のTHF(30 mL)溶液に、3 M HCl(10 mL)を加えた。混合物を50℃で1.5時間撹拌し、EtOAc(50 mL)およびNaHCO3水溶液(50 mL)に注いだ。 水層をEtOAc(20 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(15 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-60:40 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色固体の標題化合物(1.34 g, 83%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.86-1.97 (2H, m), 2.07-2.30 (4H, m), 2.76 (2H, td, J = 13.5, 6.3 Hz), 5.44 (1H, s), 7.09-7.19 (2H, m), 7.53-7.63 (2H, m).
工程 3
(1r,4r)-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンおよび (1s,4s)-4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(100mg, 0.450mmol)、4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシシクロヘキサノン(281 mg, 1.35 mmol)、CSA(10.5 mg, 0.0450mmol)、MgSO4(108 mg, 0.900mmol)のDMA(2 mL)中の混合物を80℃で45分間撹拌した。混合物をEtOAc(20 mL)およびNaHCO3水溶液(10 mL)で分液した。水層をEtOAc(5 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(5 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-95:5 EtOAc/MeOH)で精製し、次いでMeOH/EtOAcから結晶化して、黄色固体の(1r,4r)-標題化合物(低極性異性体、51.8 mg, 28%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.44-1.55 (2H, m), 1.85-2.06 (4H, m), 2.09-2.23 (2H, br s), 2.37 (3H, s), 4.94 (1H, s), 6.55 (1H, s), 7.04 (1H, s), 7.13 (2H, t, J = 8.9 Hz), 7.70 (1H, br s), 7.65 (2H, dd, J = 8.9, 5.7 Hz), 7.78 (1H, s), 12.82 (1H, br s).
(1s,4s)-標題化合物(高極性異性体、35.4 mg, 19%)は、対応フラクションをEtOH/水から結晶化することにより淡黄色固体として得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.48-1.58 (2H, m), 1.93-2.06 (6H, m), 2.38 (3H, s), 4.93 (1H, s), 6.65 (1H, s), 7.14 (2H, t, J = 8.9 Hz), 7.27 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.61 (2H, dd, J = 8.9, 5.7 Hz), 7.71 (1H, br s), 12.84 (1H, br s).
立体化学は(1r,4r)-異性体のX線結晶解析により決定した。
実施例141
(1r,4r)-4-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンおよび (1s,4s)-4-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
4-シクロヘキシル-4-ヒドロキシシクロヘキサノンの製造
1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(5.00g, 24.0mmol)のTHF(100 mL)溶液に、シクロヘキシルマグネシウムクロリド(2.0 M ジエチルエーテル溶液、24.0 mL, 48.0mmol)を-78℃で10分間かけて滴下した。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、次いでNH4Cl水溶液(100 mL)でクエンチした。分液し、水層をEtOAc(50 mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(20 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、ヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色固体の粗8-シクロヘキシル-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オールを得た。粗8-シクロヘキシル-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オール(<24.0mmol)のTHF(45 mL)溶液に、3 M HCl(15 mL)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、EtOAc(50 mL)およびNaHCO3水溶液(50 mL)に注いだ。水層をEtOAc(20 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(15 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲルヘキサン-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色固体の標題化合物(2.34 g, 37%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.90-1.34 (6H, m), 1.55-1.86 (9H, m), 2.02 (2H, dt, J = 14.4, 2.1 Hz), 2.50-2.67 (2H, m), 4.30 (1H, s).
工程 2
(1r,4r)-4-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンおよび (1s,4s)-4-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(150mg, 0.675 mmol)、4-シクロヘキシル-4-ヒドロキシシクロヘキサノン(397 mg, 2.02 mmol)、CSA(15.7 mg, 0.0675 mmol)、MgSO4(162 mg, 1.35 mmol)のDMA(3 mL)中の混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物をEtOAc(20 mL)およびNaHCO3水溶液(10 mL)で分液した。水層をEtOAc(5 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(5 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-97:3 EtOAc/MeOH)で精製し、次いでMeOH/EtOAcから結晶化して、淡黄色固体の(1r,4r)-標題化合物(低極性異性体、64.8 mg, 24%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 0.90-1.27 (6H, m), 1.29-1.41 (2H, m), 1.53-1.94 (11H, m), 2.36 (3H, s), 3.78 (1H, s), 6.53 (1H, s), 6.98 (1H, s), 7.39 (1H, s), 7.82 (1H, br s), 12.83 (1 H, br s).
(1s,4s)-標題化合物(高極性異性体、91.2 mg, 34%)は、対応フラクションをEtOH/水から結晶化することにより淡黄色固体として得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.90-1.25 (6H, m), 1.31-1.44 (2H, m), 1.45-1.67 (3H, m), 1.68-1.92 (8H, m), 2.37 (3H, s), 3.74 (1H, s), 6.62 (1H, s), 6.93 (1H, s), 7.30 (1H, s), 7.80 (1H, br s), 12.83 (1H, br s).
立体化学は(1s,4s)-異性体のX線結晶解析により決定した。
実施例142
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリミジン-2-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、1-(2-ピリミジニル)-ピペリジン-4-オン(266 mg, 1.50mmol)、CSA(11.6 mg, 0.05 mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)およびDMA(4 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THFで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた黄色固体をMeOH/EtOAc中で粉末化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(141 mg, 74%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.74-1.98 (4H, m), 2.34-2.40 (3H, m), 3.55-3.64 (2H, m), 4.12-4.20 (2H, m), 6.60-6.63 (2H, m), 7.24 (1H, br s), 7.52 (1H, br s), 7.71 (0.67H, br s), 8.08 (0.33H, br s), 8.35-8.37 (2H, m), 12.79 (0.33H, br s), 12.87 (0.67H, br s).
実施例143
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-(フェニルアミノ)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
工程 1
N-フェニル-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-アミンの製造
アニリン(0.58 mL, 6.4 mmol)および酢酸(0.73 mL, 12.8 mmol)のMeOH(6 mL)溶液に、1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(1.0g, 6.4 mmol)を加えた。混合物を50℃で2時間撹拌した。次いで、NaCNBH3(402 mg, 6.4 mmol)0℃でを加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、2M NaOH水溶液を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、95:5 ヘキサン/EtOAc-70:30 ヘキサン/EtOAc)で精製して、淡黄色固体の粗標題化合物(1.39 g, 93%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.34-1.93 (8H, m), 3.23-3.35 (1H, m), 3.88 (4H, br s), 5.41 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.46 (1H, t, J = 7.3 Hz), 6.56 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.00-7.07 (2H, m). これはさらなる精製なしに次の反応に使用した。
工程 2
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-(フェニルアミノ)-1’H-スピロ[シクロヘキサン-1,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(146 mg, 0.66 mmol)、N-フェニル-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-アミン(169 mg, 0.723 mmol)、CSA(183 mg, 0.788 mmol)、MgSO4(158 mg, 1.31 mmol)およびDMA(1 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。EtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液を加えて、反応をクエンチした。有機物をEtOAc/THFで抽出した。合わせた抽出液をNa2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、NH、95:5 ヘキサン/EtOAc-EtOAc-95:5 EtOAc/MeOH)で精製し、2-プロパノール/ヘプタンから結晶化して、黄色固体の標題化合物(41 mg, 16%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.39-1.71 (4H, m), 1.77-1.95 (2H, m), 2.03-2.21 (2H, m), 2.29-2.43 (3H, m), 3.08-3.24 (1H, m), 5.26-5.36 (1H, m), 6.44-6.54 (1H, m), 6.54-6.61 (2H, m), 6.62 (1H, s), 6.99-7.09 (3H, m), 7.38 (1H, s), 7.69 (0.6H, br s), 8.04 (0.4H, br s), 12.64-13.02 (1H, m).
実施例144
6’-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(ピリミジン-2-イル)-1’H-スピロ[ピペリジン-4,2’-チエノ[3,2-d]ピリミジン]-4’(3’H)-オンの製造
Figure 2012519653
3-アミノ-5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(111 mg, 0.50mmol)、1-(2-ピリジル)-ピペリジン-4-オン(264 mg, 1.50mmol)、CSA(11.6 mg, 0.05 mmol)、MgSO4(120mg, 1.00mmol)およびDMA(4 mL)の混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、3:1 EtOAc/THFで抽出し、抽出液をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Purif、シリカゲル、EtOAc-80:20 EtOAc/MeOH)で精製した。得られた黄色固体(190mg)をMeOH/EtOAc中で粉末化し、濾取して、淡黄色固体の標題化合物(147 mg, 77%)を得た:
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.74-1.96 (4H, m), 2.34-2.39 (3H, m), 3.38-3.47 (2H, m), 3.85-3.93 (2H, m), 6.59-6.63 (2H, m), 6.86 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.23 (1H, br s), 7.49-7.55 (2H, m), 7.71 (0.5H, br s), 8.05-8.12 (1.5H, m), 12.80-12.88 (1H, m).
試験例1A:ヒトMCM2タンパク質の調製
以下に記載の遺伝子操作法は、成書(Maniatisら、モレキュラー・クローニング、Cold Spring Harbor Laboratory、1989年)に記載されている方法または試薬の添付プロトコールに記載されている方法に従った。
10〜294番目に対応する、N末端His6タグ付組換えヒトMCM2タンパク質を大腸菌発現ベクターpET-21にクローニングした。
ベクターpET21-HHは、以下の6×Hisタグの合成DNA
5’-TATGCATCATCATCATCATCACGGATCCCATCATCATCATCATCACTGAGC-3’(配列番号1);および
5’- GGCCGCTCAGTGATGATGATGATGATGGGATCCGTGATGATGATGATGATGCA-3’(配列番号2)
をpET-21a(+)(Novagen)のNde I-Not I部位に挿入して作製した。
ヒトMCM2タンパク質のN末端側から10〜294番目のアミノ酸をコードする遺伝子「Mcm2(10-294 a.a.)遺伝子」は GenBank accession No.: NM_004526に記載の塩基配列を参照して作製した合成DNA
5’-CGCGGATCCATGGCATCCAGCCCGGCCCA-3’(配列番号3);および
5’-ATTCTTATGCGGCCGCtcacagctcctccaccagaggca-3’(配列番号4)
をプライマーセットとしHuman testis cDNA library(タカラバイオ) を鋳型として用いたPCR法によりクローニングした。PCR反応はPyrobest(タカラバイオ)を用いて添付のプロトコールに従って実施した。
得られた883 bpの断片を制限酵素BamHIとNotIで消化した後、pET21-HHのBamHI-NotI部位に挿入し、挿入塩基配列を確認して、プラスミドpET21-HHhMcm2(10-294)を得た。
pET21-HHhMcm2(10-294)プラスミドを大腸菌BL21(DE3)細胞(American Type Culture Collection)で発現させた。形質転換体を50 mg/L アンピシリンを含む、LB培地(1% トリプトン, 0.5% 酵母エキス, 0.5% NaCl) 中、37℃で培養し、MCM2の発現を1 mM IPTGを用い、6時間誘導した。MCM2発現細胞を遠心分離 (6000 rpm, 10分)により回収し、リン酸緩衝生理食塩水(Invitrogen, CA, USA)で洗浄した。細胞は-80℃で保存した。凍結保存した細胞を氷上で融解し、Complete EDTA-free(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)添加バッファーA (25 mM Tris-HCl (pH 7.4), 2.7 mM KCl, 137 mM NaCl, 10% グリセロール, 10 mM イミダゾール)で懸濁した。1 mg/mL リゾチームで1時間処理し、続いてInsonator 201M (Kubota, Tokyo, Japan)を用いて170W、30秒の超音波処理を4回行って細胞を破砕した。細胞抽出液を15000 rpm、20分の遠心分離によって澄明化し、0.22 mmフィルターで濾過した。濾液をNi-NTA Superflow樹脂(QIAGEN Inc., CA, U.S.A.)に通した。樹脂をバッファーAで洗浄し、バッファーB (25 mM Tris-HCl (pH 7.4), 2.7 mM KCl, 137 mM NaCl, 10% グリセロール, 200 mM イミダゾール)で溶出した。溶出液をAmicon Ultra 4 (5K MWCO, Millipore, MA, U.S.A.)で濃縮した。濃縮物を、バッファーC (25 mM Tris-HCl (pH 7.4), 2.7 mM KCl, 137 mM NaCl, 10% グリセロール)で平衡化したHiLoad 16/60 Superdex 200pg (GE Healthcare, Chalfont St. Giles, UK)を用いたゲル濾過により精製した。MCM2タンパク質を含有する画分を濃縮し、-80℃で凍結保存した。
試験例1B:cdc7キナーゼ阻害活性の測定
全長Dbf4を共発現させた全長cdc7は、カルナバイオサイエンス(神戸, 日本)から購入した。cdc7/Dbf4キナーゼ活性の検出には、ホモジニアス時間分解蛍光 (HTRF) Transcreener ADP アッセイ (Cisbio Inc., MA., U.S.A.)を用いた。1.0 mM ATP, 10 mg/ml MCM2, 及び0.1 mg/ml cdc7/Dbf4を含むキナーゼバッファー (20 mM HEPES, pH7.5, 10 mM 酢酸マグネシウム, 1 mM ジチオスレイトール)中、室温で90分間、反応を行った。ATPの加水分解反応による遊離ADPを、Eu3+-クリプテートで標識したモノクローナルADP抗体(ADP及びd2共役したADPの両方に競合する)で検出した。TR-FRETシグナルをEnVision (PerkinElmer Inc., MA, U.S.A.)で検出した。試験化合物のcdc7キナーゼ阻害率 (%)を下記式により算出した:
阻害率 (%) = (1-(試験化合物のカウント - ブランク) ÷ (コントロール -
ブランク)) × 100
化合物を添加せずに反応させた溶液のカウントを「コントロール」として用い、化合物及びcdc7/Dbf4を加えていない溶液のカウントを「ブランク」として用いた。
Figure 2012519653
試験例1C:細胞増殖阻害活性の測定
Cell Titer-Glo Luminescent Cell Viability Assay (Promega, Wisconsin, USA,)を用いて細胞増殖を測定した。CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assayは、代謝的に活性な細胞が存在することを示すATPの存在を定量することに基づく、培養中の生存細胞の数を測定する均一系の方法である。Colo205細胞(American Type Culture Collection)を3.0 × 103 細胞/ウェルで96ウェルマイクロプレートに播種し、インキュベーター(37℃, 5% 二酸化炭素)中で培養した。翌日、あらかじめ希釈しておいた、各試験化合物を100 μl添加した。製造供給元の取扱い説明書に従って、最終処理日の細胞ATP含量を測定した。3日間培養した後、Cell Titer-Glo Luminescent Cell Viability Assayの溶液を各ウェルに添加し、およそ15分間室温でインキュベートした。各ウェルの蛍光をARVO Light (PerkinElmer Inc., MA, USA)で測定した。化合物処理をしていないコントロール群のATP含量を100%として、各処理群の残存ATP含量の割合を測定した。
Figure 2012519653
製剤例1
本発明化合物を有効成分として含有する医薬は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)実施例1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)、(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.錠剤
(1)実施例1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
製剤例2
日局注射用蒸留水50mlに実施例1で得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留水を加えて100mlとする。この溶液を滅菌条件下でろ過し、次にこの溶液1mlずつを取り、滅菌条件下、注射用バイアルに充填し、凍結乾燥して密閉する。
本発明化合物は、cdc7に対して優れた阻害作用を示すので、cdc7関連疾患(例えば、癌等)の臨床上有用な予防・治療剤として有用である。また、本発明化合物は、薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点でも優れているので、医薬として有用である。
本出願は、アメリカ合衆国で出願された61/157,760、61/294,991および61/298,338を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (20)


  1. Figure 2012519653
    [式中、
    XおよびYは、
    (1) Xが硫黄原子でありかつYが炭素原子であるか、または
    (2) Xが炭素原子でありかつYが硫黄原子であり;
    は、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、または置換基を有していてもよい複素環基であり、
    は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、またはアシルであり、
    は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、またはアシルであるか、
    あるいは
    とRとが、結合して、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、
    とRとが、結合して、置換基を有していてもよい環を形成してもよく;
    は、置換基を有していてもよい複素環基であり;
    は、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基である]
    で表される化合物またはその塩。
  2. Xが、硫黄原子であり、かつ、Yが、炭素原子である、請求項1記載の化合物。
  3. が、水素原子または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である、請求項1記載の化合物。
  4. が、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基である、請求項1記載の化合物。
  5. が、水素原子、または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である、請求項1記載の化合物。
  6. とRとが、結合して、置換基を有していてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−8シクロアルカン、または置換基を有していてもよい、架橋していてもよい5または6員の非芳香族複素環を形成してもよい、請求項1記載の化合物。
  7. が、置換基を有していてもよい芳香族複素環基である、請求項1記載の化合物。
  8. が、水素原子である、請求項1記載の化合物。
  9. Xが硫黄原子であり;
    Yが炭素原子であり;
    が、
    (1)水素原子;または
    (2)(a)ハロゲン原子、
    (b)ヒドロキシ基、
    (c)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
    (d)(i)アミノ基、および
    (ii)ニトロ基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基、
    (e)芳香族複素環基、および
    (f)非芳香族複素環カルボニル基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;
    であり、
    が、
    (1)(a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルコキシ−カルボニル基、および
    (c)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;または
    (2)C6−14アリール基;
    であり、
    が、
    (1)水素原子;
    (2)(a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルコキシ−カルボニル基、および
    (c)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;または
    (3)−CO−ORA1(式中、RA1は、水素原子またはC1−6アルキル基);
    であるか、あるいは
    とRとが、結合して、
    (1)(a)ハロゲン原子、
    (b)ヒドロキシ基、
    (c)オキソ基、
    (d)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
    (e)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、
    (f)C3−10シクロアルキル基、および
    (g)(i)C6−14アリール基、および
    (ii)1ないし3個のC6−14アリール基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基
    から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−8シクロアルカン;または
    (2)(a)(i)C6−14アリール基、
    (ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
    (iii)C3−10シクロアルキル−カルボニル基、および
    (iv)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい芳香族複素環基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
    (b)1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、
    (c)芳香族複素環基、
    (d)(i)ハロゲン原子、
    (ii)C1−6アルコキシ基、
    (ii)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
    (iii)C6−14アリール基、
    (iv)芳香族複素環基、および
    (v)C1−6アルキル−カルボニル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、
    (e)1ないし3個のC6−14アリール基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、
    (f)C6−14アリール−カルボニル基、
    (g)C6−14アリールオキシ−カルボニル基、
    (h)1ないし3個のC6−14アリール基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル−カルボニル基、
    (i)芳香族複素環カルボニル基、
    (j)非芳香族複素環カルボニル基、および
    (k)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、架橋していてもよい5または6員の非芳香族複素環;
    を形成してもよく;
    が、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)アミノ基、
    (c)C7−13アラルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、および
    (d)C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいスルファモイル基
    から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン環または5または6員の芳香族複素環と縮合していてもよい5または6員の芳香族複素環基であり;かつ
    が、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基である、
    請求項1記載の化合物。
  10. 1’−エチル−6’−(ピリジン−4−イル−1’H−スピロ[シクロペンタン−1,2’−チエノ[3,2−d]ピリミジン]−4’(3’H)−オン、またはその塩。
  11. 1,2−ジメチル−6−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロチエノ[3,2−d]ピリミジン−4(1H)−オン、またはその塩。
  12. 2−フルオロ−6’−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1’H−スピロ[シクロヘキサン−1,2’−チエノ[3,2−d]ピリミジン]−4’(3’H)−オン、またはその塩。
  13. 請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  14. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  15. Cell division cycle 7阻害剤である、請求項14記載の医薬。
  16. 癌の予防または治療剤である、請求項14記載の医薬。
  17. 哺乳動物に対し、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるCell division cycle 7阻害方法。
  18. 哺乳動物に対し、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物における癌の予防または治療方法。
  19. Cell division cycle 7阻害剤を製造するための、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用。
  20. 癌の予防または治療剤を製造するための、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用。
JP2011537754A 2009-03-05 2010-03-04 Cdc7キナーゼ阻害剤としてのチエノピリミジン Active JP5645839B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15776009P 2009-03-05 2009-03-05
US61/157,760 2009-03-05
US29499110P 2010-01-14 2010-01-14
US61/294,991 2010-01-14
US29833810P 2010-01-26 2010-01-26
US61/298,338 2010-01-26
PCT/JP2010/054073 WO2010101302A1 (en) 2009-03-05 2010-03-04 Thienopyrimidine as cdc7 kinase inhibitors

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012519653A true JP2012519653A (ja) 2012-08-30
JP2012519653A5 JP2012519653A5 (ja) 2013-03-07
JP5645839B2 JP5645839B2 (ja) 2014-12-24

Family

ID=42112336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011537754A Active JP5645839B2 (ja) 2009-03-05 2010-03-04 Cdc7キナーゼ阻害剤としてのチエノピリミジン

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8691828B2 (ja)
EP (1) EP2403857B1 (ja)
JP (1) JP5645839B2 (ja)
WO (1) WO2010101302A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015115355A1 (ja) 2014-01-31 2015-08-06 カルナバイオサイエンス株式会社 抗がん剤組成物
JP2020511542A (ja) * 2017-05-21 2020-04-16 ゼンジ リサーチ ラボラトリーズZenji Research Laboratories 抗癌剤としての置換[5,6]シクロ−4(3h)−ピリミジノン

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2540728B1 (en) 2010-02-17 2019-04-10 Takeda Pharmaceutical Company Limited Heterocyclic compound
PL2797927T3 (pl) 2011-12-30 2019-12-31 Hanmi Pharm. Co., Ltd. Pochodne tieno[3,2-d]pirymidyny wykazujące działanie hamujące kinazy białkowe
GB201807147D0 (en) 2018-05-01 2018-06-13 Oncologica Uk Ltd Therapeutic combination
NL2021185B1 (en) 2018-06-26 2020-01-06 Stichting Het Nederlands Kanker Inst Antoni Van Leeuwenhoek Ziekenhuis Combination Therapy and Use Thereof for Treating Cancer
US20230101747A1 (en) * 2019-12-06 2023-03-30 Schrödinger, Inc. Cyclic compounds and methods of using same
TW202300150A (zh) * 2021-03-18 2023-01-01 美商薛定諤公司 環狀化合物及其使用方法
CN115260211B (zh) * 2021-04-29 2024-02-06 长春金赛药业有限责任公司 含噻吩稠环类衍生物、药物组合物及其制备方法和应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002094790A1 (fr) * 2001-05-23 2002-11-28 Mitsubishi Pharma Corporation Compose heterocyclique condense et son utilisation medicale
JP2006526581A (ja) * 2003-06-06 2006-11-24 アレクシス・アクチボラゲット 皮膚状態または癌の処置のためのscce阻害剤としての縮合複素環化合物の使用
WO2008072778A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Aska Pharmaceutical Co., Ltd. 尿路系疾患の処置剤
WO2008072779A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Aska Pharmaceutical Co., Ltd. キノキサリン誘導体
JP2009501217A (ja) * 2005-07-15 2009-01-15 アストラゼネカ アクチボラグ 治療薬

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7279575B2 (en) 2003-08-08 2007-10-09 Pfizer Italia S.R.L. Pyrimidylpyrrole derivatives active as kinase inhibitors
MXPA06001556A (es) 2003-08-08 2006-05-15 Pharmacia Italia Spa Derivados activos de pirimidilpirrol como inhibidores de la cinasa.
CA2561977A1 (en) 2004-03-30 2005-10-13 Chiron Corporation Substituted thiophene derivatives as anti-cancer agents
US20070142414A1 (en) 2005-12-16 2007-06-21 Pharmacia Italia S.P.A. N-substituted pyrrolopyridinones active as kinase inhibitors

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002094790A1 (fr) * 2001-05-23 2002-11-28 Mitsubishi Pharma Corporation Compose heterocyclique condense et son utilisation medicale
JP2006526581A (ja) * 2003-06-06 2006-11-24 アレクシス・アクチボラゲット 皮膚状態または癌の処置のためのscce阻害剤としての縮合複素環化合物の使用
JP2009501217A (ja) * 2005-07-15 2009-01-15 アストラゼネカ アクチボラグ 治療薬
WO2008072778A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Aska Pharmaceutical Co., Ltd. 尿路系疾患の処置剤
WO2008072779A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Aska Pharmaceutical Co., Ltd. キノキサリン誘導体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015115355A1 (ja) 2014-01-31 2015-08-06 カルナバイオサイエンス株式会社 抗がん剤組成物
JP2020511542A (ja) * 2017-05-21 2020-04-16 ゼンジ リサーチ ラボラトリーズZenji Research Laboratories 抗癌剤としての置換[5,6]シクロ−4(3h)−ピリミジノン

Also Published As

Publication number Publication date
US8691828B2 (en) 2014-04-08
EP2403857B1 (en) 2013-12-04
US20120040981A1 (en) 2012-02-16
EP2403857A1 (en) 2012-01-11
JP5645839B2 (ja) 2014-12-24
WO2010101302A1 (en) 2010-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5645839B2 (ja) Cdc7キナーゼ阻害剤としてのチエノピリミジン
JP7041198B2 (ja) Jak阻害剤である5-クロロ-2-ジフルオロメトキシフェニルピラゾロピリミジン化合物
JP5739334B2 (ja) 縮合複素環誘導体およびその用途
JP5490030B2 (ja) 縮合複素環誘導体およびその用途
JP2023123569A (ja) A2a/a2b阻害剤としてのイミダゾピリミジン及びトリアゾロピリミジン
JP5722781B2 (ja) 縮合複素環誘導体およびその用途
KR20090090336A (ko) 융합된 헤테로시클릭 화합물
TW202322810A (zh) 作為kras抑制劑之喹啉化合物
EP2597095A1 (en) Fused heterocyclic compound and application thereof
JP5659159B2 (ja) 縮合複素環誘導体およびその用途
JP5599802B2 (ja) 縮合複素環誘導体およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130117

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5645839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250