JP2012519225A - エポキシ樹脂の製造 - Google Patents

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Abstract

多価フェノール又は多価脂肪族アルコールを、シッフ塩基金属錯体を含む触媒の存在下でエピハロヒドリンと接触させることを含む方法が開示される。

Description

本明細書中に開示される実施形態は一般には、多価フェノール又は多価脂肪族アルコールのどちらかをシッフ塩基触媒の存在下でエピハロヒドリンと接触させることによってエポキシ樹脂を製造する方法に関する。
エポキシ樹脂が2工程の方法で作製される。第1の工程において、多価フェノール又は多価脂肪族アルコールのどちらかが、ハロヒドリンエーテルを形成するために、塩基触媒による条件のもとでエピハロヒドリンと接触させられる。第2の工程において、ハロヒドリンエーテルが、エポキシ樹脂を形成するために、水酸化アルカリ及び水酸化アルカリ土類からなる群より選択される化合物と接触させられる。
典型的には、第1の工程で使用される塩基触媒はブレンステッド塩基(例えば、水酸化ナトリウム)又は求核剤(例えば、RCl)のどちらかであり得る。これらの触媒は、望ましくない影響をもたらし得る。このことの一例がエピハロヒドリンのホモオリゴマー化であり、この結果、原料の非効率性がもたらされる。別の一例が、エピハロヒドリンの開環が、より大きい立体障害を有する炭素において生じる、ハロヒドリンエーテル生成物の形成であり、この結果、結合したハリドが液状エポキシ樹脂に存在することがもたらされる。これは、エピハロヒドリンが方法での第2の工程においてオキシラン形成を受けないからである。副反応のさらなる例としては、エピハロヒドリンの加水分解、及び、2つ以上のエピハロヒドリンが1つのOH開始部位において付加されたハロヒドリンエーテル生成物の形成が挙げられる。これらの主な副次的化学反応を抑えるために、カップリング化学が、数時間〜数日の程度での長い反応時間をもたらす非常に穏和な温度条件のもとで完結される。
従って、これらの望ましくない影響を最小限に抑える触媒を利用することが有益であると考えられる。
本発明の1つの実施形態は、a)多価フェノール又は多価脂肪族アルコールのどちらかを、反応条件下の反応域において、シッフ塩基金属錯体を含む触媒の存在下でエピハロヒドリンと接触させて、ハロヒドリンエーテルを含む第1の反応生成物を生じさせることを含む方法、或いは、a)多価フェノール又は多価脂肪族アルコールのどちらかを、反応条件下の反応域において、シッフ塩基金属錯体を含む触媒の存在下でエピハロヒドリンと接触させて、ハロヒドリンエーテルを含む第1の反応生成物を生じさせることからなる方法、或いは、a)多価フェノール又は多価脂肪族アルコールのどちらかを、反応条件下の反応域において、シッフ塩基金属錯体を含む触媒の存在下でエピハロヒドリンと接触させて、ハロヒドリンエーテルを含む第1の反応生成物を生じさせることから本質的になる方法を開示する。
本発明の1つの実施形態はまた、b)ハロヒドリンエーテルを反応条件下の反応域において塩基と接触させて、エポキシ樹脂を含む第2の反応生成物を生じさせることをさらに含むことができる。
本発明の1つの実施形態において、多価脂肪族アルコール又は多価フェノール(例えば、ビスフェノールAなど)のどちらかが、ハロヒドリンエーテルを形成するために、シッフ塩基金属錯体を含む触媒の存在下でエピハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリンなど)と接触させられる。生じたハロヒドリンエーテルはその後、エポキシ樹脂を形成するために塩基と接触させることができる。
本明細書中に開示される実施形態において使用され得る好適な多価フェノールには、下記の式によって表されるそのような単核多価フェノール及び多核多価フェノールが含まれるが、これらに限定されない:
Figure 2012519225
式中、それぞれのDは独立して、1個〜約12個の炭素原子を有する二価の炭化水素基、
Figure 2012519225
である;D’は、1個〜約12個の炭素原子を有する三価の炭化水素基である;それぞれのRは独立して、水素、1個〜約10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、ハロゲン原子(例えば、塩素又は臭素など)又はヒドロキシル基である;pは約1〜約100の値を有する;mは約1〜約6の値を有する;かつ、nはゼロ又は1の値を有する。
他の多価フェノールが米国特許第4,582,892号及び同第4,373,073号に記載される(これらの米国特許は参照によって本明細書中に組み込まれる)。好適なポリシクロペンタジエンポリフェノール及びそれらの調製方法が米国特許第4,390,680号において見出され得る(この米国特許は参照によって本明細書中に組み込まれる)。1つの実施形態において、多価フェノールのビスフェノールAが使用される。
本明細書中に開示される実施形態において使用され得る好適な多価脂肪族アルコールは、2つ以上の脂肪族アルコール基を含有する化学物質であり、これには、グリコール及びポリオール、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、アルコキシル化グリセロール、ヒマシ油、ソルビトール、グリセロール、ペンタエリトリトール、アマニ油及びトリメチロールプロパンなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中に開示される実施形態において使用され得る好適なエピハロヒドリンには、下記の式によって表されるエピハロヒドリンが含まれる:
Figure 2012519225
式中、Rは水素であるか、又は、1個〜約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、Xはハロゲンであり、例えば、塩素又は臭素などである。1つの実施形態において、使用されるエピハロヒドリンはエピクロロヒドリンである。
シッフ塩基金属錯体触媒のモノマーが下記の式によって定義される:
Figure 2012519225
、R、R、R、Y、Y、X、X、X、X、X、X、X及びXは互いに独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロカルビル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、アルコキシル、ジオール、アミン、イミン、アミド、ホスホリル、ホスホナート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド及びエステルからなる群より選択される置換基を含むことができる。
1つの実施形態において、R、R、R、R、Y、Y、X、X、X、X、X、X、X及びXの2つ以上は一緒になって、炭素環式の環及び複素環式の環からなる群より選択される環を形成することができ、但し、環は4個〜10個の原子を環に有する。1つの実施形態において、R及びRは非存在であり、かつ、R及びRは一緒になって、芳香族環を形成することができる;
は、炭素−炭素の結合、メチレン基、エチレン基、アミン、酸素原子及びイオウ原子からなる群より選択される。
、R、R、R、Y、Y、X、X、X、X、X、X、X及びXの2つ以上は場合により、オリゴマー又はポリマーを形成するための相補的な相互作用をもたらすことができる。相補的な相互作用には、炭素−炭素カップリング、縮合、エーテル化、アミド形成、エステル化、開環重合、オレフィンメタセシス、オレフィン重合(例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、基移動(group transfer)重合、不均一チーグラー・ナッタ重合及び均一チーグラー・ナッタ重合など)が含まれるが、これらに限定されない。
t+は金属原子である。Mは一般に、触媒作用に影響を及ぼすために配位子と錯体形成することができる周期表の2族〜15族の金属から選択され、tは2〜4の間の整数である。本発明の1つの実施形態において、Mは、コバルト、クロム又はアルミニウムである。1つの実施形態において、Mはコバルトである。
Aは、中性基、結合したアニオン基、非結合のアニオン基及びそれらの組合せからなる群より選択される。1つの実施形態において、Aは、3−ニトロベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート、カンファースルホナート、アセタート、クロリド、ブロミド、ヨージド、アンチモンヘキサフルオリド、ヘキサフルオロホスファート、テトラフルオロボラート又はテトラペルフルオロフェニルボラートである。1つの実施形態において、Aは3−ニトロベンゼンスルホナートである。sは、金属と会合するA基の数であり、0〜2の間の整数である。
触媒組成物はアキラルであり得るか、或いは、キラルなシッフ塩基モノマーのラセミ混合物、非ラセミ混合物又はジアステレオマー混合物であり得る。
1つの実施形態において、触媒は、モノマー、オリゴー、ポリマー、コポリマー及びそれらの組合せとして存在し得る。本発明の1つの実施形態において、触媒は、担体に結合するモノマー又はオリゴマーとして存在する。1つの実施形態において、オリゴマーは、上記で定義されるモノマーの1個〜20個の反復ユニットを有する。使用することができる担体の例としては、有機ポリマー、イオン交換樹脂、無機担体、金属有機骨組み及び炭素が挙げられるが、これらに限定されない。触媒は、当業者に公知であるいずれかの好適な方法によって担体の内部又は表面に組み込むことができ、そのような方法には、共有結合形成、イオン結合形成、水素結合形成、金属錯体形成、封入化及び層間挿入が含まれるが、これらに限定されない。
下記の文書はそのような担持技術の例を提供しており、それらの全内容が参照によって本明細書中に開示される:Baleizoら、Chemical Reviews、2006、106(9)、3987〜4043;Orejonら、Industrial and Engineering Chemical Research、2008、47(21)、8032〜8036;Yangら、Journal of Catalysis、2007、248、204〜212;Kimら、Catalysis Today、2000、63、537〜547。
本発明の1つの実施形態において、触媒は、いくつかの異なる方法のいずれかを利用することによってポリマー構造に組み込むことができる。下記の文書はそのような技術の例を提供しており、それらの全内容が参照によって本明細書中に開示される:Huら、Journal of Applied Polymer Science、第101巻、2431〜2436;Songら、Tetrahedron Letters、2003、44、7081〜7085;Kwonら、Catalysis Today、2003、87、145〜151;Gillら、Chemistry - A European Journal、2008、14、7306〜7313;Zhengら、Chemistry - A European Journal、2006、12、576〜583;Zhengら、Advanced synthesis and Catalysis、2008、350、255〜261。
本発明の1つの実施形態において、2つ以上の組成物が存在し、多官能性のAによってつながれる。この場合、Aは、ポリカルボキシラート、ポリスルホナート及びポリトリフラート、又は、それらの混合からなる群より選択される。
本発明の1つの実施形態において、2つ以上のモノマー型のシッフ塩基組成物を、ただ1つだけのモノマーよりも大きい触媒活性を得るために1つ又はそれ以上のシッフ塩基モノマーにより連結することができる。
本発明の様々な実施形態において、触媒は下記の式によって定義することができる:
Figure 2012519225
これら3つの上記式のそれぞれにおいて、Aは3−ニトロベンゼンスルホナートであり、nは1〜3の間の整数である。
工程(a)で用いられる触媒の量は、多価フェノールと、エピハロヒドリンとの間、又は、多価脂肪族アルコールと、エピハロヒドリンとの間のどちらかでの反応を好適に触媒する任意の量である。
本明細書中に開示される実施形態は、有機溶媒を何ら加えることなく行うことができる。使用されるとき、好適な溶媒には、ケトン、芳香族炭化水素、ハロゲン化脂肪族化合物、アルコール及びグリコールエーテルが含まれ得るが、これらに限定されない:例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチレンクロリド、エチレンジクロリド、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール及びそれらの混合物など。
1つの実施形態において、エピハロヒドリン及び多価フェノール又は多価脂肪族アルコールは、約1:1から約40:1までの、OH官能基のモル当量に対するエピハロヒドリンのモル数のモル比率で存在する。
工程(a)及び工程(b)の両工程の反応域における反応条件は、約−10℃〜約140℃の範囲における温度を含むことができる。1つの実施形態において、反応条件は、0℃〜60℃の範囲における温度を含むことができる。
ハロヒドリンエーテルは、好適な塩基であれば、どのような塩基とも接触させることができる。1つの実施形態において、塩基はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が可能である。水酸化アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、水酸化ナトリウムが使用される。塩基は連続的又は漸増的のどちらかで加えることができる。
1つの実施形態において、工程(a)及び工程(b)を同じ容器において行うことができる。1つの実施形態において、工程(a)及び工程(b)を異なる容器において行うことができる。これらの実施形態における方法は、回分式方法、半回分式方法又は連続式方法であり得る。
1つの実施形態において、工程(a)におけるエーテル生成物は、下記の一般式:
Figure 2012519225
(式中、Xはハロゲンである)
の、95%超を構成するハロヒドリンエーテル官能性末端基又はグリシジルエーテル官能性末端基を有する。別の実施形態において、工程(b)におけるエポキシ樹脂生成物は0.2wt%未満のハロゲン含有量を有する。
下記の実施例は、本発明を例示するために意図され、かつ、本発明を完成し、使用することを当業者に教示するために意図される。これらの実施例は、本発明をいかなる点でも限定するために意図されない。エポキシ樹脂化学において典型的である成分の短縮名の構造表示が下記の表において提供される。
Figure 2012519225
Figure 2012519225
S,S−シクロヘキサンジアミンオリゴマー型salen配位子(A)及びR,R−シクロヘキサンジアミンオリゴマー型salen(A’)の調製。
White,D.E.、ハーバード大学学位論文「非対称エポキシド開環反応のための高活性かつ高選性のオリゴマー型(salen)Co(III)触媒の開発及び機構研究」(2005年、169頁〜174頁)に記載される手順の通りに調製した。
エチレンジアミンオリゴマー型salen配位子(B)の調製
テフロン(登録商標)被覆された撹拌子を含む丸底フラスコ(100mL)に、ビス(3−t−ブチル−5−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタンジオアート(0.40g、0.78mmol、これは、White,D.E.、ハーバード大学学位論文「非対称エポキシド開環反応のための高活性かつ高選性のオリゴマー型(salen)Co(III)触媒の開発及び機構研究」(2005年、172頁)によって提供される手順の通りに合成された)、エタン−1,2−ジアミン(0.047g、0.78mmol)及びベンゼン(50mL)を装荷した。丸底フラスコに、ディーン・スターク型トラップ及び冷水冷却器を備え付けた。反応液をN雰囲気下に置き、18時間還流した。反応混合物をジエチルエーテル(50mL)により希釈し、脱イオン水(50ml)により洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過した。ロータリーエバポレーション及び真空下でのさらなる乾燥(50℃)を行ったとき、330mg(39%の収率)の黄色/オレンジ色の固体を得た。
フェニレンジアミンオリゴマー型シッフ塩基配位子(C)の調製
テフロン(登録商標)被覆された撹拌子を含む丸底フラスコ(100mL)に、ビス(3−t−ブチル−5−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタンジオアート(0.40g、0.78mmol、これは、White,D.E.、ハーバード大学学位論文「非対称エポキシド開環反応のための高活性かつ高選性のオリゴマー型(salen)Co(III)触媒の開発及び機構研究」(2005年、172頁)によって提供される手順の通りに合成された)、ベンゼン−1,2−ジアミン(0.048g、0.44mmol)及びベンゼン(50mL)を装荷した。p−トルエンスルホン酸(PTSA、0.035g、0.19mmol)を反応混合物に加え、丸底フラスコに、ディーン・スターク型トラップ及び冷水冷却器を備え付けた。反応液をN雰囲気下に置き、磁石により撹拌し、一晩還流した。翌朝、反応混合物のアリコートをH−NMR分析のために濃縮乾固し、CDClに溶解した。H−NMR分析は、出発ジアルデヒドのほぼ完全な消費を示した。未溶解のPTSAをろ過し、ベンゼン溶液をd.i.水により洗浄し、MgSOで乾燥した。ろ過、ロータリーエバポレーションによる溶媒の除去、及び、真空下での乾燥により、0.43g(94%)のオレンジ色の固体を得た。
ジアステレオマー状のtrans−ジアミノシクロヘキサンオリゴマー型salen(D)の調製
丸底フラスコ(250mL)に、テフロン(登録商標)被覆された撹拌子を備え付け、ビス(3−t−ブチル−5−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタンジオアート(0.512g、0.999mmol、これは、White,D.E.、ハーバード大学学位論文「非対称エポキシド開環反応のための高活性かつ高選性のオリゴマー型(salen)Co(III)触媒の開発及び機構研究」(2005年、172頁)によって提供される手順の通りに合成された)、trans−ジアミノシクロヘキサン(0.114g、0.999mmol)及びベンゼン(75mL)を装荷した。反応液を50℃に1.5時間加熱し、HPLCによって進行について調べた。そのとき、残留するフリーのジアルデヒドは検出されなかった。丸底フラスコに、ディーン・スターク型トラップを取り付け、反応液を、8時間、一晩還流した。反応混合物のアリコートを新鮮なベンゼンに希釈し、HPLCによって分析した。HPLCは、2つの分離されないピークを蒸発光散乱検出器によって21.715分及び21.751分において示した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)により希釈し、分液ロートに入れた。有機混合物をd.i.水及びブラインにより順次洗浄した。相が分離すると、有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーションによって濃縮乾固し、その後、真空下で乾燥した。H−NMRによって、ベンゼンが生成物に存在することが明らかにされたので、固形物をメチレンクロリドに溶解し、ロータリーエバポレーションによって2回濃縮し、最後に真空下で乾燥し、このようにして、黄色/褐色の結晶性の固体を得た(0.580g、94%)。
Co(III)シッフ塩基錯体の一般的調製:酢酸Co(II)四水和物(0.036g、0.14mmol)を不活性雰囲気ボックスにおいて2mLのメタノールとともに溶液にした。この溶液をシッフ塩基配位子(0.083mmol)のトルエン(3mL)溶液に加え、嫌気的条件下で1.5時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、これにより、赤レンガ色の固体残渣が残った。これに0.083mmolの有機酸(3−ニトロベンゼンスルホン酸1HO、トルエンスルホン酸又は酢酸)を加え、混合物を10mLのメチレンクロリド及び2mLのトルエンに溶解した。混合物をグローブボックスから取り出し、一晩、空気にさらしながら撹拌した。溶媒を除いた後、褐色がかった/緑色の固体を、さらなる精製を行うことなく使用した(それぞれの錯体が「配位子」−Co(III)−Xとして記され、但し、Xは、酸化工程で使用される酸に依存して、3−ニトロベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート又はアセタートである)。
A’−Co(III)−Cl錯体の調製:A’−Co(III)−3NOBS(0.05g)をアセトニトリルとともに溶液にし、NaClの水溶液により6回洗浄した。アセトニトリル溶液を濃縮し、これにより、固体触媒(A’−Co(III)−Cl)を得た。これを、さらなる精製を行うことなく使用した。
A’−Cr(III)−Cl錯体の調製:(Inorganic Chem.、2008、47(24)、11868〜11878;Inorg. Chim. Acta、1990、172、135〜136を参照のこと)。A’(0.100g、0.169mmol)及びCr(III)Cl(0.027g、0.169mmol)を50mLの2口丸底フラスコに計り取った。これに、10mLのトルエン及び0.034g(0.34mmol)のトリエチルアミンを加えた(注意:Cr(III)Clはトルエンに可溶性でない)。混合物を撹拌し、100℃で3日間加熱した。24時間後、溶液は褐色に変わり、3日後、沈殿物が認められ、溶液は、懐中電灯で照らされたとき、赤レンガ色の色調を伴った暗褐色であった。トルエン溶液を取り出し、水により洗浄し、乾燥した。残留する固体沈殿物はトルエン又は水に可溶性でなく、しかし、若干の溶解性をアセトニトリルにおいて有した。トルエン溶液を濃縮した。残渣のH−NMRは出発配位子と一致していた。アセトニトリルに溶解した固体沈殿物は、活性なカップリング触媒であることが認められた(注意:CrClは活性な触媒ではない)。
モノマー型のSi担持Salen(E):
Figure 2012519225
10−ウンデセン酸,3−tert−ブチル−5−ホルミル−4−ヒドロキシフェニルエステル(2)の合成。
撹拌子を備えるシュレンクフラスコに、3−tert−ブチル−2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(2.730g、14.06mmol)、10−ウンデセン酸(2.590g、14.06mmol)及びN,N−ジメチルアミノピリジン(0.172g、1.406mmol)を装荷した。フラスコをNによりパージし、THF(12mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL)を加えた。混合物を氷浴で0℃に冷却し、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.86mL、14.76mmol)を加えた。混合物を0℃で5分間撹拌し、その後、室温にまで加温し、一晩撹拌した。沈殿したウレアをろ過により除き、混合物を6mLの水により洗浄した。その後、THFを真空下で除いた。オレンジ色の粗製液体を、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、4.354g(86%)の黄色がかったオレンジ色の液体を得た。1H ΝMR (RT, 500 MHz, C6D6): δ = 12.09 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 7.30 (d, JHH = 5 Hz, 1H), 6.77 (d, JHH = 5 Hz, 1H), 5.79 (m, 1H), 5.02 (m, 2H), 2.33 (t, JHH = 13 Hz, 2H), 1.99 (m, 2H), 1.65 (m, 2H), 1.37 (s, 9H), 1.35-1.17 (m, 10H). 13C ΝMR (RT, 126 MHz, C6D6): δ = 196.3, 171.6, 158.9, 143.1, 139.9, 139.1, 123.6, 120.5, 114.6, 35.25, 34.52, 34.30, 29.82, 29.72, 29.57, 29.55, 29.42, 29.27, 29.25, 25.37.
3−tert−ブチル−5−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル−11−(ジエトキシ(メチル)シリル)ウンデカノアート(3)の合成。
50mLの丸底フラスコに、オレフィン結合ヒドロキシベンズアルデヒド2(1.939g、5.379mmol)及びジエトキシメチルシラン(0.939g、6.9924mmol)を計り取った。その後、PtO(0.009g、0.040mmol)を加えた。フラスコに還流冷却器を備え付け、混合物を85℃で20時間撹拌した。反応後、混合物を無水エタノール(20mL)に溶解し、活性炭に通してろ過した。その後、揮発物を真空下で除いて、2.541g(96%)の黄色がかったオレンジ色の油状液体を単一の位置異性体として得た。注意:化学量論的量のジエトキシメチルシランを使用して3を合成することを目指した以前の試みでは、少量の未反応の出発オレフィン物質がもたらされた。1H NMR (RT, 500 MHz, C6D6): δ = 12.12 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 3.71 (q, JHH= 7 Hz, 4H), 2.33 (t, JHH = 7.5 Hz, 2H), 1.67 (m, 2H), 1.53 (m, 2H), 1.37 (s, 9H), 1.35-1.20 (m, 10H), 1.17 (t, JHH = 7 Hz, 6H), 0.73 (m, 2H), 0.17 (s, 3H). 13C NMR (RT, 126 MHz, C6D6): δ = 196.3, 171.6, 158.9, 143.1, 139.9, 123.6, 120.5, 58.24, 35.25, 34.53, 33.90, 30.10, 30.07, 29.95, 29.81, 29.62, 29.27, 25.40, 23.64, 18.92, 14.75, -4.28. 29Si NMR (RT, 99 MHz, C6D6): δ = -5.97 (s).
3−tert−ブチル−5−((E)−((1R,2R)−2−((E)−3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)シクロヘキシルイミノ)メチル−4−ヒドロキシフェニル−11−(ジエトキシ(メチル)シリル)ウンデカノアート(5)の合成。
250mLの2口フラスコに、1R,2R−ジアミノシクロヘキサン一塩酸塩(0.255g、1.693mmol)、3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.397g、1.693mmol)及び4Åモレキュラーシーブ(0.166g)を入れた。フラスコを窒素雰囲気下に置き、無水エタノール(10mL)をシリンジで加えて、黄色の混合物を得た。混合物を一晩撹拌した。アリコートのH−NMRにより、反応が進行したことが確認された(出発アルデヒドのほんの約3%が残っただけであった)。結合ベンズアルデヒド3(0.397g、1.693mmol)を6mLのCHClに溶解し、反応フラスコにシリンジにより注入した。その後、NEt(0.47mL、3.385mmol)を5分かけてシリンジにより滴下した。混合物を窒素下で一晩撹拌した。その後、反応液をガラスフリット上のシリカゲルのパッドに通してろ過し、CHClにより洗浄した。ろ液をエバポレーションして、黄色の油状残渣を得た。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(95%ヘキサン:5%酢酸エチル;R=0.15)、明黄色のオイルを得た(0.931g、68%)。1H NMR (RT, 300 MHz, C6D6): δ = 14.15 (s, 1H), 13.96 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.48 (d, JHH= 2.5 Hz, 1H), 7.19 (d, JHH = 2.5 Hz, 1H), 6.95 (d, JHH= 2.5 Hz, 1H), 6.81 (d, JHH = 2.5 Hz, 1H), 3.71 (q, JHH= 7 Hz, 4H), 2.84 (m, 2H), 2.32 (t, JHH = 7.5 Hz, 2H), 1.70-1.21 (m, 24H), 1.60 (s, 9H), 1.48 (s, 9H), 1.26 (s, 9H), 1.17 (t, JHH= 7 Hz, 6H), 0.72 (m, 2H), 0.17 (s, 3H). 13C NMR (RT, 76 MHz, C6D6): δ = 171.7, 166.5, 165.4, 158.6, 158.3, 142.6, 140.2, 138.7, 136.8, 127.1, 126.4, 123.3, 122.1, 118.6, 118.4, 72.17, 71.88, 58.21, 35.46, 35.26, 34.61, 34.32, 33.90, 33.09, 33.04, 31.76, 30.09, 30.06, 29.93, 29.88, 29.82, 29.62, 29.49, 25.44, 24.46, 23.61, 18.89, 14.69, -4.33.
シリカに担持されたモノマー型salen配位子Eの合成。
50mLのフラスコに、非晶質シリカゲル(0.320g;200m/g、完全ヒドロキシル化物;これは100℃の真空オーブンで20時間にわたって事前に活性化された)を入れた。モノマー型salen配位子5(2.31mL;2:1のCHCl/DMFにおける0.0411M溶液として、0.095mmol)をシリカの上部にシリンジにより加えた。フラスコの側面を1mLのCHClによりすすぎ、スラリーを、室温で30分間、窒素下で撹拌した。真空を混合物に加えて、CHCl及びほとんどのDMFをエバポレーションし、その後、フラスコを、十分な真空のもとでの一晩の撹拌のために真空下において100℃の油浴に入れた。20時間後、フラスコの内容物をCHClによりすすぎ、ガラスフリットでろ過し、CHCl、MeOH及びCHClにより順次洗浄した。固体をバイアルに集め、真空オーブンにおいて50℃で48時間乾燥して、明黄色の粉末(0.345g)を得た。黄色のろ液を真空下で濃縮して、0.034gの黄色のオイルEを得た;重量差に基づく配位子濃度が157μmol/g固体として計算される。サンプルの熱重量分析により、149μmol/g固体の配位子濃度が明らかにされた。元素分析、実測(%):C、7.1;N、0.38。C4468Siについて計算されたC/Nのwt%比率:18.86。実測:18.68。
シリカに担持されたモノマー型コバルト(III)−salen錯体(E−Co(III)−3NOBS)の合成。
窒素パージされたグローブボックスにおいて、バイアルに、シリカに担持された配位子E(0.055g、0.008mmolの配位子)及び撹拌子を装荷した。別個のバイアルにおいて、Co(OAc)・4HO(0.003g、0.011mmol)を3mLのMeOH/トルエン(1:1)に溶解して、ピンク色の溶液を得た。その後、この溶液を担持配位子に加え、30分間撹拌した。混合物は直ちにオレンジ色がかった赤色に変わった。赤色混合物をガラスフリットでろ過し、MeOH及びCHClにより洗浄した。その後、固体をバイアルに入れ、3−NO−CSOH・xHO(式中、xはおよそ1である)(0.002g、0.009mmol)をCHClにおける懸濁物として加えた。得られた混合物(これは暗緑色に変わった)を一晩撹拌した。揮発物をエバポレーションした後、残留する緑色固体をMeOH及びCHClによりすすぎ、MeOH及びCHClにより十分に洗浄し、その後、真空オーブンで乾燥した。
シリカに担持されたモノマー型コバルト(III)−salen錯体(E−Co(III)−SbF)の合成。
窒素パージされたグローブボックスにおいて、バイアルに、シリカに担持された配位子E(0.10g、0.015mmolの配位子)及び撹拌子を装荷した。別個のバイアルにおいて、Co(OAc)・4HO(0.004g、0.015mmol)を5mLのMeOH/トルエン(1:1)に溶解して、ピンク色の溶液を得た。その後、この溶液を担持配位子に加え、30分間撹拌した。混合物は直ちにオレンジ色がかった赤色に変わった。赤色混合物(E−Co(II))をガラスフリットでろ過し、MeOH及びCHClにより洗浄し、真空下で1.5時間乾燥した。E−Co(II)錯体(0.070g、0.0105mmolの配位子)をバイアルに入れ、1mLのアセトニトリルにおけるAgSbF(3.61mg、0.0105mmol)の溶液を加え、混合物を暗所において24時間スラリーとした。得られた混合物をろ過し、アセトニトリルにより数回洗浄し、その後、真空オーブンにおいて50℃で乾燥して、0.06gのE−Co(III)−SbFを得た。これを、さらなる精製を行うことなく使用した。
一般的なBPA/EPIカップリング反応(回分式):Co(III)−シッフ塩基触媒(BPAに対して0.4mol%)を、磁石式撹拌子が備え付けられた肉厚バイアルに計り取った。これに9/1のモル比のEPI対ビスフェノールAを加えた。混合物にふたをし、混合物を室温で撹拌した。1時間後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析した。場合により、2回目の分析がしばらく経って完了した。結果が下記の表にまとめられる。
Figure 2012519225
一般的なBPA/EPIカップリング反応(連続式の固定床反応):0.2μmのPTFEメンブランを有するPallブランドのAcrodisc(登録商標)CR 25mmシリンジフィルターに、30mgのシリカ担持Co(III)錯体(E−Co(III)−3NOBS又はE−Co(III)−SbF)を詰めた(フィメイル端)。9/1のモル比のエピクロロヒドリン及びビスフェノールAを含有するシリンジ(20mL)をシリンジフィルターのフィメイル端に取り付け、組み立て物全体を、垂直に配置された(シリンジが下を向く)実験室規模のシリンジポンプに取り付けた。シリンジポンプを、触媒を受け入れているフィルターを通って0.12mL/hのエピクロロヒドリン/ビスフェノールAの混合物を供給するように設定した。シリンジフィルターの出口端における物質を、一定期間毎に取り換えられ、かつ、組成についてHPLCによって分析されたバイアルに集めた。結果が下記の表にまとめられる。
Figure 2012519225
Figure 2012519225
液状エポキシ樹脂生成物、総クロリドの比較:
E−Co(III)−3NOBSを使用するEPI/BPAカップリング反応:エピクロロヒドリン(30.15g)及びビスフェノールA(8.21g)の混合物を、0.58gのE−Co(III)−3NOBSを含有する広口びんに加えた。室温で2.5時間の撹拌の後、反応生成物のサンプルをHPLCによって分析し、サンプルは、微量レベルの、ビスフェノールA(98.6%)DCHRのモノクロロヒドリンと、微量レベルのα−MCHRとを有することが見出された。触媒を、ガラスウールの詰め物でのろ過、その後、0.2μmのPTFEシリンジフィルターによる第2のろ過によって生成物から除いた。合計で26.9gのエピクロロヒドリン中のカップリング生成物が回収され、次のエポキシ化工程に持ち込まれた。
E−Co(III)−3NOBSによりカップリングされたEPI/BPAのエポキシ化:26.9gのエピクロロヒドリン中のカップリングEPI/BPAを、機械的撹拌装置及び窒素パージが備え付けられた3口丸底フラスコに入れた。撹拌されている混合物に、17wt%の水酸化ナトリウムを含む水溶液の12gと、水溶液における60wt%ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドの0.1mlとを加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、その後、撹拌を停止し、水層及び有機層を分離させた。下側の水層を除き、17wt%の水酸化ナトリウムを含む水溶液の新しい12gの2回目の添加、及び、60wt%ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドの0.1mlを有機層に加えた。室温で30分間撹拌した後、下側の水層を再び除き、17wt%の水酸化ナトリウムを含む新しい12gの水溶液の3回目の量と、60wt%ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドの0.1mlとを加えた。室温で30分間撹拌した後、水層を有機層から分離した。有機層を水により3回洗浄した。有機層が水洗い後に濁っており、最後の水をガラスウールの密な詰め物による緩速ろ過による合体化によって除き、これにより、透明な有機溶液を得た。エピクロロヒドリンを最初にロータリーエバポレーションによって、次いで、クーゲルロールを使用する160℃及び0.5Torrでの加熱によって除き、これにより、最終的な液状エポキシ樹脂生成物を得た。最終的樹脂における、XRF(X線蛍光)によって測定される総クロリド=0.119%、及び、加水分解性クロリド=40ppm。
比較例(The Daw Chemical Co.によって提供されるカップリングEPI/PBAの市販サンプルのエポキシ化):30gのEPI/BPAカップリング生成物(これは、EPIにおける21wt%のBPA、及び、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド触媒を典型的な現行の商業的製造条件のもとで使用して製造された)を、機械的撹拌装置及び窒素パージが備え付けられた3口丸底フラスコに入れた。撹拌されている混合物に、17wt%の水酸化ナトリウムを含む水溶液の13gを加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、その後、撹拌を停止し、水層及び有機層を分離させた。下側の水層を除き、17wt%の水酸化ナトリウムを含む新しい13gの水溶液の2回目の添加、及び、60wt%ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドの0.11mlを有機層に加えた。室温で30分間撹拌した後、下側の水層を再び除き、17wt%の水酸化ナトリウムを含む新しい13gの水溶液の3回目の量と、60wt%ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドの0.11mlとを加えた。室温で30分間撹拌した後、水層を有機層から分離した。有機層を水により3回洗浄した。有機層が水洗い後に濁っており、最後の水をガラスウールの密な詰め物による緩速ろ過による合体化によって除き、これにより、透明な有機溶液を得た。未反応のエピクロロヒドリンを最初にロータリーエバポレーションによって、次いで、クーゲルロールを使用する160℃及び0.5torrでの加熱によって除いて、最終的な液状エポキシ樹脂生成物を得た。最終的樹脂におけるXRF総クロリド=0.356%、及び、加水分解性クロリド=211ppm。
本発明が例示目的のために詳細に記載されているが、本発明は、それによって限定されるとして解釈してはならず、その精神及び範囲に含まれるすべての変化及び改変を包含することが意図されなければならない。

Claims (27)

  1. a)多価フェノール又は多価脂肪族アルコールを、反応条件下の反応域において、シッフ塩基金属錯体を含む触媒の存在下でエピハロヒドリンと接触させて、ハロヒドリンエーテルを含む第1の反応生成物を生じさせることを含む方法。
  2. b)前記ハロヒドリンエーテルを反応条件下の反応域において塩基と接触させて、エポキシ樹脂を含む第2の反応生成物を生じさせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シッフ塩基金属錯体のモノマーが、下記の式:
    Figure 2012519225
    (式中、R、R、R、R、Y、Y、X、X、X、X、X、X、X及びXは互いに独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロカルビル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ジオール、アルコキシル、アミン、イミン、アミド、ホスホリル、ホスホナート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド及びエステルからなる群より選択される置換基を含む;
    或いは、R、R、R、R、Y、Y、X、X、X、X、X、X、X及びXの2つ以上が一緒になって、炭素環式の環及び複素環式の環からなる群より選択される環を形成し、但し、前記環は4個〜10個の原子を環に有する;
    或いは、R及びRが非存在であり、かつ、R及びRが一緒になって、芳香族環を形成する;
    基は、炭素−炭素の単結合、メチレン基、エチレン基、アミン、酸素原子及びイオウ原子からなる群より選択される;
    t+は、触媒作用に影響を及ぼすために配位子と錯体形成することができる第2族〜第15族の金属であり、但し、tは2〜4の間の整数である;かつ
    Aは、中性基、結合したアニオン基、非結合のアニオン基及びそれらの組合せからなる群より選択され、sは、前記金属と会合するA基の数であり、0〜2の間の整数である)によって定義される、請求項1に記載の方法。
  4. Mが、第2族〜第15族の金属及びそれらの組合せからなる群より選択され、但し、前記金属原子は配位子との錯体を形成することができる、請求項3に記載の方法。
  5. Mがコバルトである、請求項4に記載の方法。
  6. Aが、カルボキシラート、スルホナート、ハリド、アルコキシド及びビス(トリアルキルシリル)アミドからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  7. 前記触媒が、1個〜20個の反復ユニットを有するオリゴマーとして存在する、請求項3に記載の方法。
  8. 前記触媒がポリマーとして存在する、請求項3に記載の方法。
  9. 前記触媒がコポリマーとして存在する、請求項3に記載の方法。
  10. 前記触媒が担体に結合する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記モノマーの置換基が、前記モノマーをアキラルにするような様式で配置される、請求項3に記載の方法。
  12. 前記触媒がキラルである、請求項3に記載の方法。
  13. 前記触媒が、前記モノマーのジアステレオマー混合物、ラセミ混合物又は非ラセミ混合物である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記多価フェノールがビスフェノールAである、請求項1に記載の方法。
  15. 前記多価脂肪族アルコールが、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、アルコキシル化グリセロール、ヒマシ油、ソルビトール、グリセロール、ペンタエリトリトール、アマニ油及びトリメチロールプロパンからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記エピハロヒドリンがエピクロロヒドリンである、請求項1に記載の方法。
  17. 前記エピハロヒドリン及び前記多価フェノール又は前記多価脂肪族アルコールが、約1:1から約40:1までの、OH官能性のモル当量数に対するエピハロヒドリンのモル数の比率で存在する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記反応条件が約−10℃〜約140℃の範囲における温度を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  19. 前記反応条件が0℃〜60℃の範囲における温度を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  20. 前記塩基が、水酸化アルカリ及び水酸化アルカリ土類からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  21. 前記水酸化アルカリが水酸化ナトリウムである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記触媒が、下記の式:
    Figure 2012519225
    (式中、Aは3−ニトロベンゼンスルホナートであり、nは1〜3の間の整数である)によって定義される、請求項1に記載の方法。
  23. 前記触媒が、Aが3−ニトロベンゼンスルホナートであり、かつ、nが1〜3の間の整数である式によって定義される、請求項1に記載の方法。
  24. 前記触媒が、下記の式:
    Figure 2012519225
    (式中、Aは3−ニトロベンゼンスルホナートであり、nは1〜3の間の整数である)によって定義される、請求項1に記載の方法。
  25. 前記触媒が、下記の式:
    Figure 2012519225
    (式中、Aは3−ニトロベンゼンスルホナートであり、nは1〜3の間の整数である)によって定義され、かつ、前記触媒がエナンチオマーのラセミ混合物又は非ラセミ混合物として存在する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記ハロヒドリンエーテル生成物のエーテル官能性末端基の98%超が、下記の式:
    Figure 2012519225
    (式中、Xはハロゲンであるか、又は、下記の式:
    Figure 2012519225
    のグリシジルエーテル基である)のハロヒドリンエーテル基を含む、請求項1に記載の方法。
  27. 前記エポキシ樹脂が0.2wt%未満のハロゲンを含有する、請求項2に記載の方法。
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