JP2012518613A - スイッチング可能な親和性結合剤 - Google Patents

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Abstract

生物学的細胞の結合及び遊離を行うための方法及びキットが提供される。これらの方法及びキットは、標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含む結合剤を含んでいる。
【選択図】図4

Description

本発明は、一般的には、環境キューへの暴露時に親和性の変化を受ける親和性結合剤(例えば、抗体、ペプチドなど)に関する。
生物学的研究、技術及び医学の状態が進行するのに伴い、穏やかで偏りのないやり方で生物学的挙動の探査及び/又は操作を行うための改良された組成物及び方法に対するニーズが増加している。例えば、新たに登場しつつある細胞療法の分野では、合併症又は効果のない治療のリスクを最小限に抑えるため所望の細胞を修飾も活性化もされない状態に保つようにして所望の細胞を確実に同定、精製及び投与し得ることが近いうちに要求されることになろう。このような同定及び精製を支援するための方策は、通例、特異的な高親和性抗体に頼っている。例えば、DETACHaBeads(Dynal/Invitrogen社)は、抗体被覆磁気ビーズ上にB細胞及びT細胞を捕獲する市販製品である。次いで、投与を助けるため、第1の抗体と競合的に結合して細胞を遊離させる第2の抗体を投入することで細胞の遊離が達成される。別の製品であるIsolex Magnetic Cell Selection System(Baxter社)は、磁気ビーズ上にCD34+幹細胞を捕獲するために類似のアプローチに頼っている。しかし、この場合における細胞の遊離は、ビーズに結合した二次抗体と競合的に結合する遊離ペプチドの添加によって行われる。これらのシステムの有用性は証明されているものの、追加の試薬を添加する必要性は、時間の増加、コストの増加、及び添加される抗体又はペプチドによる細胞生成物の汚染の可能性をもたらす。
同様に、病気診断及び治療決定のための生物学的試料のスクリーニング並びに生物学的用途又は防御用途のためのセンサーにおいては、抗体のような古典的な高親和性結合剤の使用によって標的同定が制限される。かかる結合剤は、試料に損害を与え、さらなる分析のための能力を低下又は排除することなしに除去するのが困難である。これらの制約のため、特異的な高親和性標識結合の機能的優越性を保持しながら、指令を受けた際には生物学的試料をインタクトで修飾されない状態に保つようにして標的の遊離を可能にする生物学的同定及び操作のための次世代プラットホームを開発しようという強い刺激が今なお存在している。
米国特許出願公開第2007/202530号明細書
本発明は、特定の環境キューへの暴露時に親和性の顕著な変化を受ける親和性結合剤(例えば、抗体、ペプチドなど)に関する。ある環境状態の下では、これらの結合剤は所望の標的に対して高親和性かつ高選択性の結合を示すのに対し、別の状態では同じ標的に対して低親和性で最小の結合を示す。これらのスイッチング可能な親和性結合剤は、高親和性で高選択性の結合剤−標的相互作用の利点を保持しながら標的への結合及び標的からの遊離を制御下で可能にすることにより、古典的な親和性結合剤を実質的に改良する。
細胞の結合及び遊離を行うための本発明キットの一実施形態は、細胞を結合するための高親和性状態と細胞を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつアフィボディ、抗体、ペプチド、そのフラグメント又はこれらの組合せの1以上を含む結合剤を含む。
標的の結合及び遊離を行うための本発明キットの一実施形態は、標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ2ヘリックス結合剤を含む結合剤を含む。標的は、細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質、核酸、ペプチド、脂質、多糖或いはこれらの組合せからなり得る。
標的の結合及び遊離を行うための本発明キットの別の実施形態は、標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ化学修飾抗体又はそのフラグメントを含む結合剤を含む。標的は、細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質、核酸、ペプチド、脂質、多糖及びこれらの組合せから選択できる。
細胞の結合及び遊離を行うための本発明方法の一例は、細胞を結合するための高親和性状態と細胞を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含む1種以上の結合剤を細胞に接触させる段階、及びスイッチが結合剤への細胞の結合又は結合剤からの細胞の遊離を引き起こすためのトリガーを導入する段階を含む。トリガーは、酸、塩基、熱、光、磁場、電場、還元剤、塩又はこれらの組合せの1以上からなる。結合剤は、アフィボディ、抗体、ペプチド、そのフラグメント又はこれらの組合せの1以上からなり得る。
標的の結合及び遊離を行うための本発明方法の一例は、標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ2ヘリックス結合剤を含む1種以上の結合剤を標的に接触させる段階、及びスイッチが結合剤への標的の結合又は結合剤からの標的の遊離を引き起こすためのトリガーを起動する段階を含む。標的は、細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質、核酸、ペプチド、脂質、多糖及びこれらの組合せから選択できる。トリガーは、酸、塩基、熱、光、磁場、電場、還元剤、塩又はこれらの組合せの1以上からなる。
標的の結合及び遊離を行うための本発明方法の別の例は、標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ化学修飾抗体又はそのフラグメントを含む1種以上の結合剤を標的に接触させる段階、及びスイッチが結合剤への標的の結合又は結合剤からの標的の遊離を引き起こすためのトリガーを起動する段階を含む。標的は、細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質及び核酸から選択できる。トリガーは、酸、塩基、熱、光、還元剤、塩又はこれらの組合せの1以上からなる。
試料中の複数の標的を検出するための本発明方法の一例は、異なる親和性状態の間でのスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含む結合剤を含むプローブを試料に適用して検査対象標的に結合する段階、プローブを検出する段階、外部刺激を適用してプローブを検査対象標的から遊離させる段階、第2のプローブを適用して第2の検査対象標的に結合する段階、第2のプローブを検出する段階、並びに段階c及びdを必要に応じて複数回繰り返す段階を含む。
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読んだ場合に一層よく理解されよう。添付の図面中では、図面全体を通じて類似の部分は同一の符号で表されている。
図1は、様々なタイプの細胞に対する2ヘリックス結合剤の比較結合の例を示すグラフである。 図2は、CS1、CS4及びスイッチング可能でないAb対照と共にインキュベートした後における結合SKOV3細胞及び遊離SKOV3細胞のパーセントの例を示すグラフである。 図3は、CHO及びSKOV3細胞を9:1の比で含む混合細胞集団からのSKOV3細胞の選択的捕獲及び遊離の例を示すグラフである。 図4は、CS3−PEG12−ビオチン/SKOV3複合体をDynal Streptavidinビーズに固定化した場合における細胞の捕獲及び遊離の例を示すグラフである。 図5は、様々な波長の光に暴露してから様々な時間にわたって緩和させた場合におけるSPの光スイッチング可能な異性化の例を示している。 図6は、αCD34−SPコンジュゲーションのUV−Vis分析の例のグラフてある。 図7は、固定化抗CD34 Mabの細胞捕獲に対するUV−Vis効果の例のグラフである。 図8は、αCD34に対するCTGR標識KG1a結合のUV−Vis効果の例のグラフである。
特許請求される発明の主題を一層明確で簡潔に記載するため、以下の説明及び添付の特許請求の範囲中に使用される特定の用語に関して以下に定義を示す。
本明細書中で使用する「分子スイッチ」という用語は、2以上の状態間におけるスイッチングが可能な化学成分をいう。スイッチングは可逆又は不可逆であってよい。このような状態間シフトは、個別に又は組み合わせて投与される各種の環境因子又はリガンドを含む1以上の外部刺激に応答して引き起こすことができる。分子スイッチの例には、特に限定されないが、pHスイッチ、フォトクロミックスイッチ、キロプティカルスイッチ、ホスト−ゲストスイッチ、熱スイッチ、磁気スイッチ及び電気スイッチがある。
本明細書中で使用する「抗体」という用語は、別の分子と特異的に結合し、したがってそれの特定の空間構成及び極性構成と相補的なものと定義される免疫グロブリンをいう。抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよく、宿主の免疫化及び血清(ポリクローナル)の回収のような当技術分野で公知の技法により、或いは連続したハイブリッド細胞株を作製して分泌されるタンパク質(モノクローナル)を回収することにより、或いは少なくとも天然抗体の特異的結合のために必要なアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列又はその突然変異バージョンをクローニングして発現させることによって製造できる。抗体は完全な免疫グロブリン又はそのフラグメントを含み得ると共に、免疫グロブリンはIgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3及びIgMのような様々なクラス及びアイソタイプを包含する。機能性抗体フラグメントは、完全長抗体に類似した親和性で結合を保持できる抗体部分(例えば、Fab、Fv及びF(ab')2又はFab')を含み得る。さらに、特定の分子に対する結合親和性が実質的に維持される限り、免疫グロブリン又はそのフラグメントの凝集体、ポリマー及びコンジュゲートを必要に応じて使用することができる。
本明細書中で使用する「結合剤」という用語は、生物学的試料中の1種以上の標的と結合し得る分子をいう。結合剤は標的と特異的に結合し得る。好適な結合剤は、天然又は修飾ペプチド、タンパク質(例えば、抗体、アフィボディ)、多糖(例えば、レクチン、糖類)、脂質、酵素、酵素基質、酵素阻害剤、リガンド、レセプター、抗原又はハプテンの1以上を含み得る。好適な結合剤は、分析すべき試料及び検出のために利用できる標的に応じて選択できる。例えば、試料中の標的がリガンドを含み、結合剤がレセプターを含むか、或いは標的がレセプターを含み、結合剤がリガンドを含むことができる。同様に、標的が抗原を含み、結合剤が抗体又は抗体フラグメントを含むことができ、或いはその逆も可能である。若干の実施形態では、標的が核酸を含み、結合剤が相補的な核酸を含むことができる。若干の実施形態では、標的及び結合剤の両方が互いに結合し得るタンパク質を含むことができる。
本明細書中で使用する「生物学的試料」という用語は、インビボ又はインビトロで得られた生物学的組織又は液体由来の試料を含む、生物学的被験体から得られた試料をいう。かかる試料は、特に限定されないが、ヒトを含む哺乳動物から分離された体液(例えば、血液、血漿、血清又は尿)、器官、組織、破片及び細胞であり得る。生物学的試料はまた、組織を含む生物学的試料の切片(例えば、器官又は組織の断片)も含み得る。生物学的試料はまた、生物学的試料からの抽出物、例えば生物学的液体(例えば、血液又は尿)からの抗原も含み得る。
生物学的試料は、原核生物由来のものでも真核生物(例えば、昆虫、原生動物、鳥類、魚類、爬虫類)由来のものでもよい。若干の実施形態では、生物学的試料は哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウシ、イヌ、ロバ、モルモット又はウサギ)由来のものである。ある種の実施形態では、生物学的試料は霊長類(例えば、チンパンジー又はヒト)由来のものである。
本明細書中で使用する「プローブ」という用語は、結合剤及びシグナルジェネレーターを有する薬剤をいう。若干の実施形態では、プローブの結合剤及びシグナルジェネレーターは単一のもの(例えば、標的を結合し得る放射性又は蛍光性分子)において実現される。別の実施形態では、結合剤及びシグナルジェネレーターは別々のもの(例えば、標的を結合し得る一次抗体及び一次抗体を結合し得る標識二次抗体)において実現される。結合剤及びシグナルジェネレーターが別々のものである場合、これらは単一の段階又は複数の段階で生物学的試料に適用できる。
結合剤及び結合剤に対するシグナルジェネレーターは、直接に(例えば、結合剤中に組み込まれた放射性標識原子を解して)又は間接に(例えば、切断部位を含み得るリンカーを介して)結合し、そして単一の段階で生物学的試料に適用することができる。若干の実施形態では、結合剤及びシグナルジェネレーターは別々のものであり、これらが生物学的試料への適用に先立って予め結合され、そして単一の段階で生物学的試料に適用される。他の実施形態では、結合剤及びシグナルジェネレーターは別々のものであり、これらが独立に生物学的試料に適用され、そして適用後に化合される。
本明細書中で使用する「シグナルジェネレーター」という用語は、1以上の検出技法(例えば、分光測定、比色定量、分光分析又は目視検査)を用いて検出可能なシグナルを生じ得る分子をいう。検出可能なシグナルの好適な例としては、光学信号、電気信号及び放射性信号が挙げられる。シグナルジェネレーターの例には、発色団、発蛍光団、ラマン活性タグ又は放射性標識の1以上がある。上述の通り、プローブに関して言えば、若干の実施形態では、シグナルジェネレーター及び結合剤は単一のもの(例えば、蛍光標識又は放射性標識を有する標的結合タンパク質)中に存在し得る。他の実施形態では、結合剤及びシグナルジェネレーターは別々のもの(例えば、レセプタータンパク質及びその特定のレセプタータンパク質に対する標識抗体)であり、これらは試料への導入前又は導入後に互いに結合する。
本明細書中で使用する「発蛍光団」という用語は、特定波長の光への暴露によって励起された場合に(異なる波長の)光を発生する化合物をいう。発蛍光団はその発光プロファイル又は「色」を用いて記述できる。緑色の発蛍光団(例えば、Cy3、FITC及びOregon Green)は、一般に515〜540ナノメートルの範囲内の波長での発光によって特徴づけることができる。赤色の発蛍光団(例えば、Texas Red、Cy5及びテトラメチルローダミン)は、一般に590〜690ナノメートルの範囲内の波長での発光によって特徴づけることができる。発蛍光団の例には、特に限定されないが、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、アクリジン、アクリジン及びアクリジンイソチオシアネートの誘導体、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アミノ−N−[3−ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5−ジスルホネート(Lucifer Yellow VS)、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、Brilliant Yellow、クマリン、クマリン誘導体、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC、Coumarin 120)、7−アミノ−トリフルオロメチルクマリン(Coumaran 151)、シアノシン、4’,6−ジアミニジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、5’,5”−ジブロモピロガロール−スルホンフタレイン(Bromopyrogallol Red)、7−ジメチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリン、4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、5−[ジメチルアミノ]ナフタレン−1−スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド)、エオシン、エオシン誘導体(例えば、エオシンイソチオシアネート)、エリスロシン、エリスロシン誘導体(例えば、エリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネート)、エチジウム、フルオレセイン及び誘導体(例えば、5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)及びQFITC(XRITC))、フルオレスカミン誘導体(アミンと反応して蛍光を発する)、IR 144、IR 1446、マラカイトグリーンイソチオシアネート、4−メチルウンベリフェロン、o−クレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラロサニリン、Phenol Red、B−フィコエリトリン、o−フタルジアルデヒド誘導体(アミンと反応して蛍光を発する)、ピレン及び誘導体(例えば、ピレン、ピレンブチレート及びスクシンイミジル1−ピレンブチレート)、Reactive Red 4(Cibacron.RTM.Brilliant Red 3B−A)、ローダミン及び誘導体(例えば、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101及びスルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(Texas Red)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン及びテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC))、リボフラビン、ロゾール酸及びランタニドキレート誘導体、量子ドット、シアニン類、ピレリウム色素並びにスクアライン類がある。
本明細書中で使用する「固体担体」という用語は、被検体又は結合剤を固定化できる物品をいう。結合剤又は被検体は、物理吸着により、共有結合形成により、又はこれらの組合せによって固体担体上に固定化できる。固体担体としては、ポリマー、ガラス又は金属材料が挙げられる。固体担体の例には、膜、マイクロタイタープレート、ビーズ、ミクロ流体チップ、フィルター、テストストリップ、スライド、カバースリップ及び試験管がある。
本明細書中で使用する「特異的結合」という用語は、他の分子の認識が実質的に低いことに比べ、2種の分子の一方が他方を特異的に認識することをいう。これらの分子は、静電相互作用、水素結合又は疎水的相互作用の1以上から生じる2種の分子間の特異的認識をもたらす領域をその表面上又はキャビティ内に有し得る。特異的結合の例には、特に限定されないが、抗体−抗原相互作用、酵素−基質相互作用、ポリヌクレオチド相互作用などがある。若干の実施形態では、結合剤分子は周囲条件(即ち、約6〜約8のpH及び約0〜約37℃の範囲内の温度)下で標的に対して約105-1以上の固有平衡会合定数(KA)を有し得る。
本明細書中で使用する「標的又は被検体」という用語は、生物学的試料又は他の検査対象試料に関し、試料中に存在する場合に検出又は単離できる成分をいう。標的は、それに対する天然の特異的結合剤(例えば、抗体)が存在するか、或いはそれに対する特異的結合剤(例えば、小分子結合剤又はアプタマー)を製造できる任意の物質であり得る。一般に、結合剤は標的の1以上の異なる化学的部分又は標的の三次元構造成分(例えば、ペプチドの折りたたみから生じる3D構造)を介して標的に結合し得る。標的は、天然又は修飾ペプチド、タンパク質(例えば、抗体、アフィボディ又はアプタマー)、核酸(例えば、ポリヌクレオチド、DNA、RNA又はアプタマー)、多糖(例えば、レクチン又は糖類)及び脂質を含み得る。標的はまた、化学的又は生物学的薬剤並びに全細胞も含み得る。
本明細書中で使用する「ペプチド」という用語は、隣接するアミノ酸のα−アミノ基とカルボキシル基との間のペプチド結合によって互いに連結されたアミノ酸の配列をいう。アミノ酸は標準的アミノ酸であってもよいし、他の非標準的アミノ酸であってもよい。標準的な非極性(疎水性)アミノ酸の若干の例には、アラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)、プロリン(Pro)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)及びメチオニン(Met)がある。極性中性アミノ酸には、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Asn)及びグルタミン(Gln)がある。正に帯電した(塩基性)アミノ酸には、アルギニン(Arg)、リシン(Lys)及びヒスチジン(His)がある。負に帯電した(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸(Asp)及びグルタミン酸(Glu)がある。非標準的アミノ酸は体内で例えば翻訳後修飾によって形成され、かかるアミノ酸の若干の例はセレノシステイン及びピロリシンである。ペプチドは、中性の(非帯電)形態又はその塩のような形態のいずれであれ、様々な長さを有し得る。ペプチドはグリコシル化、側鎖酸化又はリン酸化のような修飾を受けたものでも受けていないものでもよい。配列中のアミノ酸の置換基は、そのアミノ酸が属する部類の他のメンバーから選択することもできる。好適なペプチドはまた、グリコシル単位、脂質又はリン酸イオンなどの無機イオンのような追加置換基のアミノ側鎖への結合並びに連鎖の化学的修飾によって修飾されたペプチドも含み得る。したがって、「ペプチド」という用語又はその同等物は、上述の適切なアミノ酸配列であって、その官能性を破壊しない上記の修飾を受けたものも含むものとする。
本明細書中で使用する「ヌクレオチド」という用語は、天然及び修飾ヌクレオシドのリン酸エステルをいう。「ヌクレオシド」という用語は、プリン、デアザプリン、ピリミジン又は修飾塩基が糖又は糖代替物(例えば、炭素環式又は非環式部分)に1’位又は同等の位置で結合した化合物をいう。ヌクレオシドは、糖又は糖代替物の2’−デオキシ体、2’−ヒドロキシル体又は2’,3’−ジデオキシ体並びに他の置換体も含み得る。ヌクレオシドリン酸エステル中の糖部分はリボースのようなペントース糖であり得ると共に、リン酸エステル化部位はヌクレオシドのペントース糖のC−5位に結合したヒドロキシル基に対応し得る。ヌクレオチドは、特に限定されないが、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)であり得る。デオキシリボヌクレオシド三リン酸は、特に限定されないが、デオキシリボアデノシン三リン酸(2’−デオキシアデノシン5’−三リン酸又はdATP)、デオキシリボシトシン三リン酸(2’−デオキシシチジン5’−三リン酸又はdCTP)、デオキシリボグアノシン三リン酸(2’−デオキシグアノシン5’−三リン酸又はdGTP)又はデオキシリボチミジン三リン酸(2’−デオキシチミジン5’−三リン酸又はdTTP)であり得る。
本明細書中で使用する「オリゴヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチド又はその誘導体のオリゴマーをいう。本明細書全体を通して、オリゴヌクレオチドを文字の配列で表す場合には必ず、ヌクレオチドは左から右に5’→3’の順序で示す。文字の配列中では、文字Aはアデノシンを表し、Cはシトシンを表し、Gはグアノシンを表し、Tはチミジンを表し、WはA又はTを表し、SはG又はCを表す。Nはランダム核酸塩基を表す(例えば、NはA、C、G、U又はTであり得る)。合成のロックトランダムヌクレオチドは+Nによって表され、ホスホロチオエート修飾ランダムヌクレオチドは*Nによって表される。
本明細書中で使用する「核酸」又は「オリゴヌクレオチド」は、DNA又はRNA、或いはその類似体(例えば、ホスホロチオエート類似体)であり得る。核酸又はオリゴヌクレオチドはまた、修飾された塩基、骨格及び/又は末端を含み得る。合成骨格の非限定的な例には、核酸に対して安定性及び/又はその他の利点を与えるホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ボラノホスフェート、ホスホロアミデート、ペプチド核酸、モルホリノロックト核酸、キシロース核酸或いはこれらの類似体がある。
本明細書中で使用する「細胞」という用語は、真核細胞及び原核細胞の両方をいい、各種の組織又は器官から導かれた細胞、成熟細胞、未熟細胞、前駆細胞及び幹細胞を包含する。この用語はまた、標識、遺伝子工学、又は当技術分野で知られるその他任意の手段によって1以上の望ましい性質を導入するために実験室内で操作された細胞も包含する。
「幹細胞」という用語は、特に限定されないが、胚幹細胞、成体幹細胞、誘導多能性幹細胞、癌幹細胞、及び体細胞核移植によって生成された幹細胞を包含する。幹細胞は、血液、骨髄、脂肪組織又はその他の組織及び器官から単離できる。
「検査対象分子」及び「被検体」という用語は互換的に使用される。若干の実施形態では、検査対象分子は、試料に関して要求される分析又は分離のタイプ及び性質によって決定できる。若干の実施形態では、分析は試料中における検査対象分子の有無に関する情報を提供できる。別の実施形態では、分析は試料の状態に関する情報を提供できる。例えば、試料が飲料水試料を含む場合、分析は試料中における細菌の濃度、したがって試料の可飲性に関する情報を提供できる。同様に、試料が組織試料を含む場合、本明細書中に開示される方法は検査対象分子を検出するために使用できる。かかる方法は、異なるタイプの細胞又は組織を比較し、様々な発生段階を比較し、疾患又は異常の存在を検出し、疾患又は異常のタイプを決定し、或いは複数の検査対象分子間の相互作用を研究することを支援できる。
一実施形態では、スイッチング可能な親和性結合剤は、分子設計及び結合剤の分子骨格中への環境感受性構成要素の直接組込みによって開発できる。これにより、設定された環境変化に応答して一貫した分子変化(立体転位、電荷など)を与える特定の構成要素が保存される一方、結合/標的認識ポケットを形成する他の分子構成要素を変化させ得る結合剤プラットホームが可能となる。このようにすれば、スイッチング可能な結合剤足場は、特定の環境変化に対する感受性を保持しながら様々な標的を認識するように修飾できる。このようなアプローチは、スイッチング可能な骨格構成要素の保存によって改善された一貫性の遊離機構及びマグニチュードを与えるが、変化させ得る親和性配列の数及び位置を制限することで所望の標的に対する高親和性結合剤の開発の困難性を増加させる。
別の実施形態では、当業者にとって周知である任意の技法を用いて特定の検査対象標的に対するスイッチング可能でない結合剤を選択又は設計し、次いで得られた結合剤を環境感受性部分の結合剤により化学的に修飾して環境応答性のスイッチング可能な結合剤を生み出すことにより、スイッチング可能な親和性結合剤を製造できる。この実施形態では、以後の修飾を可能にするのに十分な化学的ハンドルが存在する限り、ある標的から次の標的までの間にいかなる足場部分も保存しなくてよいので、親和性結合剤の設計及び選択における融通性が増大する。しかし、このように足場骨格中の融通性が同じである結果、異なる標的に対する結合剤は(或いは同じ標的に対する異なる結合剤も)修飾に対して異なる感受性を示し、したがって分子スイッチ修飾の効率、位置などに基づいて所望の環境キューに対し異なるレベルの感度を示すことが多い。
製造方法は使用する結合剤足場及び開発方法に応じて変化し得るものの、本発明は適当な環境スイッチの選択によって多数の親和性結合剤に適用することができる。可能な親和性結合剤の非網羅的なリストは、抗体、抗体フラグメント、アフィボディ及びペプチド系結合剤を含んでいる。これらの親和性足場の各々は意図される用途に応じて変化する明確な利点及び欠点を示し、それは文献中に詳しく総説されている。1以上の実施形態のためには、選択された親和性結合剤に環境感受性分子スイッチを直接又は間接に付加できる限り、正確な選択はユーザーの判断に任される。
1以上の実施形態のためには、分子スイッチ又は環境スイッチは、結合剤に組み込まれ又は付加された化学的部分であって、外部刺激に応答して明確な物理的変化(例えば、コンホメーションシフト、電気的変化、pI変化など)を受けるものとして定義される。分子スイッチの選択を変更することにより、多種多様の環境キュー及び多種多様の刺激強度に対して感受性を有するスイッチング可能な結合剤を開発することが可能である。これらの環境刺激は、特に限定されないが、温度、pH、塩/イオン濃度、特定波長の光への暴露、化合物の導入などを包含し得る。単一タイプのスイッチの組込み及び単一刺激の使用に加えて、同じ結合剤上に複数タイプのスイッチを使用し、及び/又は複数の刺激を加えることも可能である。
さらに、注意深く選択することにより、これらのスイッチのうち、適度の刺激変化及び強度に応答する結果としてスイッチング前及びスイッチング後の環境条件の両方が核酸、タンパク質、細胞、組織及び動物のような生物学的試料に適用し得るサブクラスを同定することが可能である。これにより、標的を損傷又は変質させるリスクなしにかかるスイッチをインサイチュ、インシリコ(in silico)、インビトロ及びインビボ用途で使用することが可能となり、それを生物学的分離、標的の標識や可視化、多重化分析及びセンサーのようなタスクのために利用することができる。可能な分子スイッチ並びに関連する利点及び欠点は、文献中において広範に論議されている。1以上の実施形態のためには、それを選択された親和性結合剤の骨格中に直接組み込む手段又はそれを結合剤に間接的に付加する手段が、所望の標的を認識する親和性結合剤の能力を実質的に破壊することなしに考案できる限り、これらのスイッチの任意のものが利用できる。
構築された場合、使用した製造方法に関係なく、得られたスイッチング可能な親和性結合剤はそれの標的に対してある環境条件下で高選択性かつ高特異性の結合が可能な初期親和性を与えるが、別の環境条件下では結合親和性の劇的な減少を示す。このような結合親和性の減少は、穏やかな洗浄段階によって結合剤をそれの標的から取り除き、試料を修飾されない分析前の状態に戻すのに十分である。
かかるスイッチング可能な親和性結合剤は、修飾された親和性結合剤の初期標的結合又はその後の標的遊離を阻害しない任意のフォーマットで使用できる。例えば、溶液ベースの状態又は固体に固定化した状態が使用できる。これには、特に限定されないが、溶液状態で利用される直接コンジュゲート化色素−親和性結合剤リガンド(例えば、蛍光活性化細胞選別用、生細胞又は固定細胞染色用、及び組織試料染色用のもの)並びに固体表面への固定化(例えば、顕微鏡スライド、磁気ビーズ又はクロマトグラフィービーズ、フローチャンバー表面、センサーアレイなど)がある。このような融通性により、スイッチング可能な親和性結合剤は、特に限定されないが細胞及び組織の分析、細胞及びタンパク質の分離、再生可能なセンサーなどを含む様々な用途において利用できる。
若干の実施形態では、標的は特に限定されないが1種以上の生物学的細胞を含む。例えば、細胞は原核生物由来のもの及び真核生物由来のものを含み得る。真核細胞は、特に限定されないが昆虫、両生類、鳥類、哺乳類及びヒトをはじめとする任意の分類のものであり得る。好適なヒト細胞には、幹細胞、癌細胞及び血液細胞のような、(例えば、内胚葉、外胚葉及び中胚葉由来の)臨床的に重要な細胞がある。
若干の実施形態では、標的は特に限定されないが1種以上の生物学的因子を含む。例えば、生物学的因子は病原体、毒素又はこれらの組込みを含み得る。生物学的因子には、プリオン、微生物(ウイルス、細菌及び真菌)、ある種の単細胞及び多細胞真核生物(例えば、寄生体)並びにこれらに関連する毒素がある。病原体は、それの宿主(動物又は植物)に疾患又は病気を引き起こすことがある感染性因子である。病原体は、細菌、ウイルス、原生動物、真菌、寄生体又はプリオンの1種以上を含み得る。
若干の実施形態では、分離は、特に限定されないが、天然の供給源又は実験室内で作製された供給源からの生物学的試料からタンパク質、抗体又は他の生物学的因子を単離することを含む。その例には、特に限定されないが、インスリンのような治療用タンパク質、治療用又は診断用抗体、ワクチン、酵素及びホルモンがある。
実施例セクションで使用される略語は、以下に示す通りである。「min」:分、「h」:時間、「s」:秒、「rt」:室温、「mg」:ミリグラム、「mL」:ミリリットル、「mg/mL」:ミリグラム/ミリリットル、「mmol」:ミリモル、「μL」:マイクロリットル、「KDa」:キロダルトン、「MALDI−TOF−MS」:マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析法、「HPLC」:高圧液体クロマトグラフィー、「(LC−MS)」:液体クロマトグラフィー質量分析法、「ESI−MS」:エレクトロスプレーイオン化質量分析法、「TFA」:トリフルオロ酢酸、「HOAc」:酢酸、「DMSO」:ジメチルスルホキシド、「DMF」:ジメチルホルムアミド、「DVB」:ジビニルベンゼン、「DTT」:ジチオトリエトール、「NMM」:N−メチルモルホリン、「HCl」:塩酸、「MeCN」:アセトニトリル、「NHS」:N−ヒドロキシスクシンイミジル、「PBS」:リン酸緩衝食塩水、「SP」:1−(β−カルボキシエチル)−3,3−ジメチル−6’−ニトロスピロ(インドリン−2,2’−2H−ベンゾピラン)、「MWCO」:分子量カットオフ、「Fmoc」:9−フルオレニルメチルカルバメート、「HBTU」:o−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、「TIPS」:トリイソプロピルシラン、「EDT」:エタンジチオール、「Rinkアミド樹脂LS」:4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ樹脂、100〜200メッシュ。特記しない限り、すべての試薬用化学薬品は受け入れたままで使用し、すべての水溶液の調製にはミリポア(Millipore)水を使用した。
実施例1 ビオチン−CS1の調製
標準的な固相技法を用い、0.2mmol/g置換Rink Amide Resin LSを40〜100μmoleスケールで使用しながらN−α−Fmoc保護アミノ酸で線状ペプチド(ビオチン−GSGSCNKEMRNRYWEAALDPNLNNQQKRAKIRSIYDDPC)を合成した。ペプチドはSymphonyペプチド合成機(Protein Technologies Inc.)を用いて合成した。樹脂を塩化メチレン中で1時間膨潤させ、続いてDMFで30分間洗浄して塩化メチレンを交換した。各カップリング反応は、カップリング試薬としてのHBTU及び塩基としてのNMMを用いて室温で実施した。各段階に関し、カップリング剤及びアミノ酸の各々を推定樹脂容量に対して5当量のスケールで供給した。残基2〜5を除き、大部分の残基についてダブルカップリングを実施した。カップリング時間はシングルカップリングについては30分(最初のカップリングでは40分)であり、ダブルカップリングについては2×20分であった。反応はアミノ酸の側鎖に影響を与えなかったが、これらは酸不安定基で保護した。システインの場合には、酸及び塩基不安定のアセトアミドメチル(Acm)基を使用した。各カップリング反応の後、N−末端のFmoc保護アミンを、DMF中の20%ピペリジンを室温で15分間適用することで脱保護した。最後のアミノ酸カップリング及びN−末端のFmoc保護基の脱保護の後、他のアミノ酸残基に関して使用したのと同じ手順を用いてビオチンをコンジュゲートした。次いで、固体担体をDMFで6回及びDCMで6回洗浄し、反応器内に窒素を流すことで50分間乾燥した。
切断及び脱保護:94:2.5:2.5:1の比でTFA、EDT、水及びTIPSを含む混合液を(ペプチド合成開始時の)出発樹脂100mg当たり1.2mlの量で使用し、担体を混合液と共に約2〜2.5時間撹拌することで、ペプチドを担体から切断すると共に、(システインを除き)側鎖を脱保護した。混合物をグラスウールで濾過し、樹脂を2×0.5mLのTFAで洗浄した。濾液及び洗液を固体ドライアイス中で冷却し、冷エーテル(約10〜15ml/ml濾液)で希釈した。懸濁液を3000rcfで4℃で10分間遠心分離した。上澄み液をデカントし、残留物を冷エーテル(約20ml)中に再懸濁し、遠心分離及びデカンテープションのプロセスを3回繰り返した。最終残留物を水に溶解し、凍結乾燥した。各ペプチドについては、上記プロセスからの変更及びさらなる詳細を以下に記載する。
酸化(環化):粗線状ペプチド(6mg)2mLの50%HOAcに溶解した。溶液を18mLの1N HClで希釈した。この溶液に、244.4μLのヨウ素溶液(0.1M、1容の1N(0.5M)I2溶液を4容の50%HOAcと混合して調製した)を添加し、混合物を90分間撹拌した。色が残らなくなるまで1Mチオ硫酸ナトリウムを滴下することで反応を奪活した。得られた混合物を、以下の方法を用いるAKTA精製装置上での逆相HPLCによって精製した。0〜25%B 6.875CV(カラム容積)、25〜35%B 41.25CV及び35〜100%B 1.875CV、カラム:Xterra MS C18 19×100mm、5μm粒度、流量:10ml/分、緩衝液:A,水中0.1%TFA、B,アセトニトリル(ACN)中0.1%TFA。主ピークが溶出し始めたとき、複数の画分を手作業で回収した。分析HPLCにより、ただ1つの画分が純粋であることが判明し、これを凍結乾燥した。MS(単一同位体質量):計算値:4763.2、実測値:4763.8。
実施例2 ビオチン−CS2の調製
ビオチン−CS1に関して記載したのと全く同じ方法で線状ペプチド(ビオチン−VENKCNKEMRNAYWEIALLPNLNNQQKRAFIRSLYDDPC)を調製した。
ビオチン−CS2の酸化(環化):ビオチン−CS2の酸化(環化)は、ビオチン−CS1に関して記載したのと全く同じ方法で実施した。最初に、100%の水中0.1%TFAで始まって100%のアセトニトリル中0.1%TFAで終わり、50%までは10%ずつ階段状の変化し、次いで100%にジャンプする階段勾配を用いて、SepPak C18プラスカラム上で粗混合物を精製した。生成物の大部分は40%Bで溶出した。凍結乾燥後、残留物を300μLの水に溶解し、分析HPLC(カラム:Xterra C18 4.6×50mm、5μm粒度、流量:1ml/分、勾配方法:ビオチン−CS1の精製に関して上記に示したのと同じ)によってさらに3回精製した。主ピークを回収して合わせ、凍結乾燥した。凍結乾燥後、分析HPLCは20.8分にシフトバックした単一のピークを示した。質量(単一同位体質量):計算値:4919.2、実測値:4920.3。
実施例3 Cy5−CS3の調製
色素の結合に関して若干の変更を加えながらビオチン−CS1に関して上記に記載したようにして、線状ペプチド(Cy5−VENKhCNKEMRNRYWEAALDPNLNNQQKRAKIRSIYDDPhC(式中、hCはホモシステインを表す)の色素標識線状ペプチド)を調製しかつ精製した。さらに、システインの側鎖保護のために酸不安定基(トリチル基)を使用した。
色素結合:最終アミノ酸の付加及びN末端アミノ基の保護の後、ビオチン−CS1に関して上記に記載したようにして樹脂を洗浄し乾燥した。固体担体(10μmolスケール)の一部をペプチド合成機に戻し、ジクロロメタン(DCM)中で30分間膨潤させ、DCM及びDMFでそれぞれ3回ずつ洗浄し、次いで処理済みの固体担体を2mLの無水DMF中に懸濁した。懸濁液に、約10μLのNMMを添加し、次いで0.5mLの無水DMF中のCy5−NHSエステル溶液を添加した。色素容器を0.5mlのDMFですすぎ、この溶液も反応混合物に添加した。約30秒ごとに懸濁液中に窒素を吹き込むことでかきまぜながら、反応混合物を一晩放置した。次いで、色素溶液を排液し、次いで乾燥前に担体をDMF(9回)及びDCM(6回)で繰返し洗浄した。次いで、窒素を30分間流すことで担体を乾燥した。切断及び脱保護は、線状ビオチン−CS1に関して上記に記載したようにして実施した。粗材料を環化ビオチン−CS1に関して使用した方法によって精製した。
酸化(環化):酸化のために2つの方法を試みた。第1の方法では、線状ペプチド精製からの材料の一部を4mLの0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.8)に溶解した。溶液中に空気を2分間吹き込んだ後、容器をアルミニウム箔で包み、(空気循環を可能にするため)上部をChemwipeで覆った。混合物を室温で撹拌し、反応をHPLCで追跡した。1日後、2つの重なり合ったピークがほぼ等しい比率で認められた。4日後、反応が完了した。試料をLCMSに付したところ、酸化生成物の生成が示された(線状ペプチドの質量5388.7に対し、実測質量5386.1)。
第2の方法では、線状ペプチド精製からの残りの材料を9mLの0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.8)中に取った。これに、1mLのDMSOを添加し、混合物を暗所において室温で撹拌した。一晩の撹拌後、出発原料及び生成物の領域にただ1つのピークが認められた。2つのバッチからの反応混合物を合わせ、上記に記載したのと同じ方法を用いてAKTA精製装置上で精製した。生成物は画分14及び15中に溶出し、これらを合わせて凍結乾燥することで青色固体を得た。HPLCはただ1つのピークを示した。質量(単一同位体質量):計算値:5386.5、実測値:5386.1。
実施例4 Cy5−CS4の調製
Cy5−CS3に関して上記に記載したようにして、Cy5−CS4(式中、hCはホモシステインを表し、iBuはイソ酪酸を表す)を調製しかつ精製した。使用した酸化方法はDMSO支援酸化であった。分析HPLCは97%の純度を示した。質量(単一同位体質量):計算値:5414.3、実測値:5414.5。
実施例5 Cy5−CS1の調製
Cy5−CS4に関して上記に記載したようにして、Cy5−CS1を合成しかつ精製した。分析HPLCは、8.3分の保持時間を有する単一の化学種を示した。質量(単一同位体質量):計算値:5358.3、実測値:5358.6。
実施例6 Cy5−CS5の調製
Cy5−CS3用の線状ペプチド中間体に関して上記に記載したようにして、Cy5−CS5(Cy5−VENKFNKEMRNRYWEAALDPNLNNQQKRAKIRSIYDDPS)線状ペプチドを合成しかつ精製した。3組の画分、即ち画分14〜15(純度96.5%、8.9分の保持時間を有するやや幅広のピーク)、画分16〜19(純度97.5%、鋭いピーク、保持時間9.4分)及び画分20〜22(純度98%、鋭いピーク、保持時間9.4分)を回収して凍結乾燥した。質量(単一同位体質量):計算値:5388.4、実測値:5389.4。このペプチドはシステインを含まず、その合成は環化段階を含まない。
実施例7 ビオチン−LC−LC−CS4の調製
Cy5標識ペプチドに関して上記に記載したようにして、ビオチン−LC−LC−CS4線状ペプチドを合成した。市販のビオチン−LC−LC−NHSエステル(14mg)及び2倍量の樹脂(20μmol当量)を使用した。精製は、以下の条件を用いるAKTA精製装置上での逆相HPLCによって実施した。使用した条件は、6.25CVについて20%B、35.5CVで20〜30%B、及び2.5CVで30〜100%Bであった。質量(単一同位体質量):計算値:5229.3、実測値:5230.6。
ビオチン−LC−LC−CS4の酸化:両カラム精製からの材料を合わせ、4.5mLの0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.8)中に取った。これに、450μLのDMSOを添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過して不溶物を除去し、勾配方法(25CVについて20%B、37.5CVで20〜30%B、及び2.5CVで30〜100%B、カラム:Xterra MS C18 19×100mm、流量:10ml/分、溶媒A:0.1%TFA/水及び溶媒B:0.1%TFA/ACN)を用いてAKTA精製装置上で精製した。主画分をMALDIによって分析したところ、所望の生成物であることが判明した。質量(単一同位体質量):計算値:5229.3、実測値:5227.0。
実施例8 ビオチン−PEG12−CS3の調製
Cy5標識ペプチドに関して上記に記載したようにして、ビオチン−PEG12−CS3線状ペプチドを合成した。26μmolの樹脂担持CS3を上記のようにして膨潤させ、次いで15μLのNMMを含む約3mLのDMF中に懸濁した。Quanta Biodesign社からの市販のビオチン−PEG12−NHS(80mg)を1mLの無水DMFに溶解した。これの一部(0.6mL)をCS3樹脂に添加した。色素標識ペプチドに関して記載したようにして、混合及び洗浄を行った。やはり上記に記載したようにして、切断及び追加の処理を行った。
ビオチン−PEG12−CS3の酸化:粗ビオチン−PEG12−CS3の一部(10mg)を10mLの0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.8)に溶解した。これに、1mLのDMSOを添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応を分析HPLCで追跡した。使用したLC方法は次の通りである。カラム:Xterra RP 4.6×50mm、溶媒A:0.1%TFA/水、溶媒B:0.1%TFA/ACN、流量:1ml/分、勾配:30分(37.5CV)で0〜25%B、30分(37.5CV)で25〜35%B。Xterra MS C18 19×100mmカラムを使用し、かつカラム容積に変換した後に同じ緩衝液及び勾配方法を使用して、粗混合物をAKTA精製装置上で精製した。流量は10ml/分であった。溶出した生成物を凍結乾燥した。HPLCはただ1つのピークを示した。質量:計算値:5572.3、実測値:5573.2。
実施例9 ビオチン−PEG12−CS4の調製
ビオチン−PEG12−CS3に関して記載したのと全く同様にして、ビオチン−PEG12−CS4線状ペプチドを合成した。
ビオチン−PEG12−CS4の酸化:(恐らくはオリゴマー化による)不溶物の生成を減少させるため、以前の酸化反応の多くに比べて2倍高い希釈度で酸化を実施した。粗ビオチン−PEG12−CS4(10mg)を20mLの0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.8)に溶解した。これに、2mLのDMSOを添加し、混合物を室温で撹拌した。2日後、粗生成物を濾別し、以下の方法を用いてAKTA上で精製した。37.5CVで0〜25%B、37.5CVで25〜35%B、及び1.875CVで35〜100%B、カラム:Xterra MS C18 19×100mm、流量:10ml/分、溶媒A:0.1%TFA/水及び溶媒B:0.1%TFA/ACN。主ピークの大部分は単一の画分中に溶出し、この画分を凍結乾燥してHPLC及びMALDI−TOF−MSで分析した。HPLCはわずか85%の純度を示した。分析HPLCを用いてさらなる精製を実施した。質量:計算値:5600.3、実測値:5600.5。
実施例10 溶液中における2ヘリックスペプチド結合剤の細胞結合及び細胞遊離の実証
Her2発現に関する陽性対照としてSKOV3ヒト卵巣細胞(ATCC)を使用した。ATCCプロトコルに従い、10%FBS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシンを含むMcCoy5a培地中でSKOV3細胞を培養した。
ATCC推奨条件に従い、10%FBS及び1%ペニシリン−ストレプトマイシンを補ったF−12K培地中でチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO、ATCC)を培養し、陰性対照として使用した。
可視化のため、PBS中1μMの最終濃度のCell Tracker Green(Invitrogen社)で標識した。色素標識細胞をロッカー(rocker)上で37℃で30分間インキュベートし、1000rpmで遠心分離し、PBSで1回洗浄し、所望の濃度でPBS中に再懸濁した。
溶液中での細胞結合:SKOV3及びCHO細胞を揺動しながら1%BSAを用いて4℃で15分間ブロックした(全量200μL/試料)。標識結合剤又は抗Her2 Abで標識した対照を5μg/mLの最終濃度で細胞(106個/試料)に添加し、ロッカー上で4℃で30分間インキュベートした。細胞を1000rpmで5分間スピンすることにより、未結合画分及び非特異的結合画分をPBSで洗浄除去した。次いで、試料を全量200μLとして4℃の1%パラホルムアルデヒド(PFA)中に保存した。細胞をBeckman Coulter FC500フローサイトメーター上で分析した。
溶液中での細胞遊離:上述したようにして結合した後、しかしパラホルムアルデヒド中に貯蔵する前に、遊離分率を推定するために使用する試料をロッカー上で37℃で30分間インキュベートした。37℃で15分間インキュベートした後、細胞をスピンダウンし、上澄み液を除去した。次いで、細胞ペレットを37℃でPBS中に再懸濁し、さらに37℃で15分間インキュベートした。最後に、細胞をスピンダウンし、200μLの1%PFA中に再懸濁し、4℃で保存した。細胞をBeckman Coulter FC500フローサイトメーター上で分析した。
図1に示す通り、2ヘリックス結合剤CS1及びCS3〜5のCy5変異体を用いると、Her2発現SKOV3細胞の顕著で選択的な結合が生じる。他方、陰性対照のCHO細胞株に対するこれらのペプチドの結合はわずかである。
図2は、SKOV3細胞に対するCy5−CS1及びCy5−CS4の結合及び遊離を対照の抗Her2 Abと比較している。温度上昇後、対照Abは細胞に完全に結合したままに残るのに対し、ペプチド結合剤は顕著な遊離レベルを示している。
実施例11 溶液中における混合細胞集団中のSKOV3細胞に対するCy5−CS4 2ヘリックスペプチド結合剤の結合及び遊離
上記実施例10に記載したようにしてSKOV3を調製して標識し、次いで未標識CHO細胞と混合することで、10%SKOV3細胞及び90%CHO細胞を得た。続く結合及び遊離試験は、上記実施例10に記載したようにCy5−CS4を用いて実施した。
図3は、非標的化CHO細胞の存在下におけるSKOV3細胞の選択的捕獲を実証している。SKOV3細胞は高い効率で捕獲されるのに対し、CHO細胞は結合されないままである。
実施例12 固体担体上におけるビオチン−PEG12−CS3 2ヘリックスペプチド結合剤の細胞結合及び遊離
細胞結合及びビーズ捕獲:SKOV3及びCHO細胞(106個/試料)をPBS中の1%BSAを用いて4℃で15分間ブロックした後、200μLの5μg/mLビオチン−PEG12−CS3結合剤を添加した。次いで、この混合物を穏やかに振盪しながら4℃で30分間インキュベートした。次いで、試料を遠心分離し、PBSで2回洗浄して過剰の未結合ビオチン−PEG12−CS3を除去した。Dynal Streptavidin磁気ビーズ(Invitrogen社)を室温のPBSで3回洗浄した後、150μLのこのビーズスラリーを細胞−結合剤混合物の各々に添加し、30〜60分間インキュベートした。インキュベーション後、磁石でビーズを捕獲し、未結合細胞を4℃で洗浄除去した後、イメージングによって結合細胞を定量化した。
た。
ビーズからの細胞遊離:上記の細胞−結合剤−ビーズ混合物を4℃の条件から37℃でのインキュベーションに移した。37℃で15分間のインキュベーション後、ビーズを磁石で引きつけながら、遊離した細胞を洗浄除去した。インキュベーション及び洗浄をもう1回繰り返した後、イメージングによって非遊離細胞を定量化した。可視化は、Typhoon 9410蛍光イメージングシステム(GE Healthcare社)を用いて達成された。蛍光の定量化は、ImageQuantソフトウェア(バージョン5.2、GE Healthcare社)を用いて達成された。
図4は、細胞のビオチン−PEG12−CS3ビーズ固定化捕獲及び遊離を詳しく示している。溶液結合及び遊離データの傾向に従い、この結合剤を用いればSKOV3細胞の選択的捕獲が認められ、37℃でのインキュベーション後には結合SKOV3細胞のかなりの部分がビーズから遊離する。
実施例13 細胞結合及び遊離用のαCD34−SP抗体コンジュゲートの調製
SP−NHSの合成:元来はAizawa et alによって発表されたプロトコルの修正バージョンを用いてスピロピラン前駆体分子SPを合成した。磁気撹拌棒を備えたフラスコに、2,3,3−トリメチルインドレニン(3.2mL、20mmol)及びβ−ヨードプロピオン酸(4.0g、20mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で3時間加熱した後、室温(rt)に冷却し、メタノール(30〜50mL)で希釈した。酢酸エチル(150mL)の添加は、所望の1−カルボキシエチル−2,3,3−トリメチルインドレニウムヨージド生成物(TMII)の沈殿が誘起した。このピンク色固体をさらに過剰の酢酸エチルで数回洗浄し、減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに使用した。生成物の正体及び相対純度は、TLC(5%MeOH/95%CH2Cl2)を用いて確認した。
次に、清浄な反応管に、1.25mLのメチルエチルケトン(MEK)中に懸濁したTMII(0.5mg、1.39mmol)を添加し、次いでピペリジン(125μL、1.27mmol)を添加した。この混合物を、TMIIが完全に溶解するまで110℃で加熱した。次に、500μLのMEKに溶解した5−ニトロサリチルアルデヒド(250mg、1.91mmol)を添加し、得られた反応液を110℃で5分間加熱した。粗生成物混合物を室温で一晩放置した後、メタノール(10mL)で希釈した。過剰の酢酸エチル(60mL)の添加は、SP生成物の沈殿を誘起した。次いで、この黄褐色固体を濾別し、数回洗浄し、減圧下で数時間乾燥し、次いでそれ以上精製せずに使用した。
SPのDMF溶液(263μL中10mg、26.3mmol)を乾燥反応バイアルに添加し、次いでジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(16mg、79μmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(9mg、79μmol)を添加した。反応混合物をパラフィルムで密封し、光から保護し、室温で4時間撹拌した。得られたこはく色の溶液を濾過して白色の固体尿素沈殿物を除去した後、最後に真空下で濾液を濃縮することでSP−NHSを油状残留物として得た。
生成物の正体及び純度をHPLC及びESI−MSで確認した後、SP−NHSを無水DMFで67μMに希釈し、湿気に対して密封し、−20℃で貯蔵した。分析HPLCの条件:Xbridge C18,2.5μm,1.0×50mmカラム(Waters社)上において10分でH2O/0.1%〜MeCN/0.1%TFAの直線勾配、254nm及び345nmでのUVモニタリング。SPは8.0分で溶出し、SP−NHSは8.4分で溶出した。C252337に関するESI−MS(m/z計算値=477.15、m/z実測値=477.15)。
SPによるαCD34の修飾:Lifespan社から購入したIgG3,kアイソタイプの抗CD34抗ヒトマウスモノクローナル抗体(αCD34、100μg)を3.5LのPBS緩衝液に対して4℃で一晩透析し、次いで3.5Lの0.1M NaHCO3,pH8.3に対して室温で2時間透析した。得られた試料を遠心限外濾過によって1〜3mg/mL(5〜17nmol)に濃縮した。タンパク質濃度は、UV−Vis分光測光及びLDS−PAGEタンパク質ゲル電気泳動により、既知量の抗体に対して測定した。20μLのこの溶液に、無水DMFで希釈したSP−NHSの1μLアリコートを添加して5〜5000nM(全抗体1当量に対して1〜1000モル当量のSP−NHS)の濃度を得た。反応混合物を室温で2時間又は4℃で15時間インキュベートした。この時間後、試料をPBS/0.05%Tween−20(PBST)で平衡化したZeba脱塩スピンカラム(Thermo Scientific社)に付し、前述のようなUV−Vis測定及びタンパク質ゲル電気泳動によってタンパク質回収率及び修飾度を定量化した。試料を4℃で数週間貯蔵し、必要に応じて以後の細胞結合及び遊離アッセイのために使用した。
図5は、吸光度変化によって表されるアセトン中のSPの光スイッチング可能な挙動を示している。図6は、αCD34、SP−NHS及びαCD34−SPのUV−Visスペクトル比較を示している。
実施例14 CD34+KG1a細胞の固定化αCD34捕獲
細胞株及び培養条件:ヒト急性骨髄性白血病細胞KG1の変異体亜株KG1a(ATCC)及び前骨髄細胞株HL−60(ATCC、カタログ番号CCL−240)をそれぞれ培養し、製造者のプロトコルに従って2×105〜1×106個/mLの濃度に維持した。簡単に述べれば、細胞を5%CO2の雰囲気下において20%のウシ胎児血清を含むIscove's Modified Dulbecco's Medium(IMDM)(ATCC)中で37℃で維持した。週2回又は必要に応じて継代培養を行った。
マイクロプレート細胞結合アッセイ:天然Ab、修飾Ab又は対照AbをPBS/0.05%Tween−20/0.2%BSA(PBSTB)で約1μg/mLに希釈し、Ab添加の直前にPBSTで3回洗浄したReacti−Bind Protein G被覆96ウェルプレート(Thermo Scientific社)に添加した(100μL/ウェル)。37℃で1時間のインキュベーション後、Ab溶液を除去し、プレートをPBS/0.1%BSA/2mM EDTA(PBSBE)で3回洗浄した。
既知濃度のKG1a又はHL−60細胞を培養物から取り出し、遠心分離し(1000RPM、5分)、Dulbeco's PBS(DPBS)で洗浄し、再び遠心分離した。洗浄緩衝液を除去した後、細胞を10mLのDPBS中に再懸濁し、CellTracker Green CFMDA、CellTracker Red CMTPX又はCellTrace Far Red DDAO−SE(Invitrogen社)の10mMDMSO溶液1μLを添加した。標識反応物を培養管ローティッセリー(rotisserie)上で穏やかにかきまぜながら37℃で30分インキュベートした。遠心分離後、得られた標識細胞をPBSBEで1回洗浄し、再び遠心分離し、PBSBE中に再懸濁して500個/μLの最終濃度を得た。標識細胞は直ちにマイクロプレート結合アッセイで使用するか、或いは遮光して氷上に置き、数時間以内に使用した。
Ab被覆マイクロプレート又は対照マイクロプレートに標識細胞懸濁液混合物の100μLアリコートを添加した。インキュベーション後、穏やかなピペット吸引によってウェルを200μLのPBSBEで3回洗浄した。最後に100μLのPBSBEを各ウェルに添加し、Typhoon 9410蛍光イメージングシステム(GE Healthcare社)上で蛍光プレート読取りを行った。蛍光の定量化は、ImageQuantソフトウェア(バージョン5.2、GE Healthcare社)を用いて達成された。
実施例15 CellTracker Greenで標識したCD34+KG1a細胞の固定化αCD34−SP捕獲及びUVA誘起遊離
実施例14と全く同様にして、CellTracker Green(CTG)細胞標識及び2つの独立したマイクロプレートの抗体固定化を実施した。細胞添加後、一方のプレートは室温で明視野照明に30分間暴露したのに対し、他方のプレートは室温で20分間の暗所インキュベーションと共に(ベンチトップ型トランスイルミネーターを用いて365nmの)UVA光に10分間暴露した(即ち、20分間の暗所インキュベーションによって隔てられた2×5分間のUVA暴露)。次いで、PBSBEで3回洗浄し、得られた保持細胞を上記のようにして可視化しかつ定量化した。
図7は、αCD34−SPコンジュゲートへのUVA照射後には、非修飾αCD34への同様な照射に比べ、標的KG1a細胞集団の遊離の増加を明確に示している。
実施例16 CellTrace Far Redで標識したCD34+KG1a細胞の固定化αCD34−SP捕獲及びUVA誘起遊離
実施例15と全く同様にして、CellTrace Far Red(CTFR)細胞標識、抗体固定化、並びにマイクロプレートインキュベーション及び露光条件を実施した。
図8は、固定化αCD34−SPをUVAに暴露した場合、CTG標識細胞に関して認められる結果に比べ、CTFR標識KG1aの遊離の増加を示している。CTFRは共有結合によって細胞の外部を修飾し、抗体によるCD34バイオマーカーの固有認識を妨害すると推測される。
本明細書中には本発明の若干の特徴のみを例示し説明したが、当業者には数多くの修正及び変更が想起されるであろう。したがって、添付特許請求の範囲は本発明の真の技術思想の範囲内に含まれるすべてのかかる修正及び変更を包含することを理解すべきである。

Claims (15)

  1. 細胞の結合及び遊離を行うためのキットであって、
    細胞を結合するための高親和性状態と細胞を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつアフィボディ、抗体、ペプチド、そのフラグメント又はこれらの組合せの1以上を含む結合剤
    を含むキット。
  2. 標的の結合及び遊離を行うためのキットであって、
    標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ2ヘリックス結合剤を含む結合剤
    を含むキット。
  3. 標的が細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質、核酸、ペプチド、脂質、多糖或いはこれらの組合せである、請求項2記載のキット。
  4. 標的の結合及び遊離を行うためのキットであって、
    標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ化学修飾抗体又はそのフラグメントを含む結合剤
    を含むキット。
  5. 標的が細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質、核酸、ペプチド、脂質、多糖或いはこれらの組合せである、請求項4記載のキット。
  6. 細胞の結合及び遊離を行うための方法であって、
    細胞を結合するための高親和性状態と細胞を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含む1種以上の結合剤を細胞に接触させる段階、及び
    スイッチが結合剤への細胞の結合又は結合剤からの細胞の遊離を引き起こすためのトリガーを導入する段階
    を含む方法。
  7. トリガーが酸、塩基、熱、光、磁場、電場、還元剤、塩又はこれらの組合せの1以上を含む、請求項6記載の方法。
  8. 結合剤がアフィボディ、抗体、ペプチド、そのフラグメント又はこれらの組合せの1以上を含む、請求項6記載の方法。
  9. 標的の結合及び遊離を行うための方法であって、
    標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ2ヘリックス結合剤を含む1種以上の結合剤を標的に接触させる段階、及び
    スイッチが結合剤への標的の結合又は結合剤からの標的の遊離を引き起こすためのトリガーを起動する段階
    を含む方法。
  10. 標的が細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質、核酸、ペプチド、脂質、多糖或いはこれらの組合せである、請求項9記載の方法。
  11. トリガーが酸、塩基、熱、光、磁場、電場、還元剤、塩又はこれらの組合せの1以上からなる、請求項9記載の方法。
  12. 標的の結合及び遊離を行うための方法であって、
    標的を結合するための高親和性状態と標的を遊離するための低親和性状態との間のスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含み、かつ化学修飾抗体又はそのフラグメントを含む1種以上の結合剤を標的に接触させる段階、及び
    スイッチが結合剤への標的の結合又は結合剤からの標的の遊離を引き起こすためのトリガーを起動する段階
    を含む方法。
  13. 標的が細胞、病原体、ウイルス、抗体又は抗体フラグメント、タンパク質及び核酸から選択される、請求項12記載の方法。
  14. トリガーが酸、塩基、熱、光、還元剤、塩又はこれらの組合せの1以上からなる、請求項12記載の方法。
  15. 試料中の複数の標的を検出する方法であって、
    異なる親和性状態の間でのスイッチングが可能な環境反応性分子スイッチを含む結合剤を含むプローブを試料に適用して検査対象標的に結合する段階、
    プローブを検出する段階、
    外部刺激を適用してプローブを検査対象標的から遊離させる段階、
    第2のプローブを適用して第2の検査対象標的に結合する段階、
    第2のプローブを検出する段階、並びに
    段階c及びdを必要に応じて複数回繰り返す段階
    を含む方法。
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