JP2012516562A - 固体レーザのレーザ放射を、異なる放射波長の間で切り換える方法、及び対応する固体レーザ装置 - Google Patents

固体レーザのレーザ放射を、異なる放射波長の間で切り換える方法、及び対応する固体レーザ装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、固体レーザのレーザ放射を、異なる放射波長の間で切り換える方法であって、前記異なる放射波長が、前記固体レーザの固体レーザ媒体3における異なる電子遷移に基づいている方法に関する。前記固体レーザの少なくとも2つの端部ミラー1、2は、前記異なる放射波長におけるレーザのレーザ発振、及び前記レーザキャビティの1つの端部ミラー2における前記異なる放射波長の外への結合を可能にするよう設計される。前記レーザ放射の切り換えは、前記レーザキャビティのキャビティ長を、異なるキャビティ長の間で切り換えることによって達成され、前記異なるキャビティ長は、前記キャビティ長の各々において、前記固体レーザが、選択された前記キャビティ長のうちの他のものにおける放射波長とは異なる前記異なる放射波長のうちの1つでしかレーザ発振しないように選択される。前記方法及び対応する装置によって、固体レーザの放射波長間の容易な切り換えが可能である。

Description

本発明は、固体レーザのレーザ放射を、異なる放射波長の間で切り換える方法であって、前記異なる放射波長が、前記固体レーザの固体レーザ媒体における異なる電子遷移に基づいている方法に関する。本発明は、前記方法に従って異なる放射波長の間で切り換え可能な固体レーザ装置も含む。
ここ数年、可視波長領域において放射する新しい固体レーザの開発への関心が高まっている。実際、これらのレーザ源は、新世代のカラーディスプレイ、新しいデータ記憶技術、ホログラフィック技術、天体物理学実験のための較正用の星の開発において有用であるかもしれず、生医学的応用タスク及び他の技術分野においても有用であるかもしれない。青色、緑色及び赤色において放射する固体レーザが利用可能であれば、それらは、例えば、投影においてUHPランプに取って代わり得る。
Pr3+イオンは、その電子配置のため、希土類イオンの中で、青色ダイオード励起固体レーザにおけるアクティベータとして最も有望な候補の1つである。Pr3+イオンは、青色波長において著しい吸収を示し、この放射線を、シアン色、緑色、赤色及びオレンジ色の波長のレーザ放射に変換し得る。この事実は、同じ活性媒体から様々な可視波長のレーザ放射線を投射することを可能にする。
室温におけるPr3+イオンのレーザ動作は、YAlO3において実証されたが、最も良好な結果は、パルスとcwレジームとの両方において、フッ化物材料において得られた。フッ化物の低いフォノンエネルギのため、可視レーザ放射のためのより上のレベルである3P0レベルは、無放射緩和によって消失されない。最初のレーザ実験は、励起源として、キセノン・フラッシュランプ、色素レーザ又はAr+レーザを用いた。最近、固体技術の進歩が、励起源としてレーザダイオード又は光励起半導体レーザ(OPS)を用いる放射を向上させている。
Pr3+イオンにおける可視レーザ遷移は、多くの場合、2つの主な方法で、即ち、赤外線領域における励起を伴うPr3+/Yb3+共ドーピング(codoping)を用いて、又はPr3+イオンの3P0マニフォールドを直接励起して、達成される。Pr3+/Yb3+におけるなだれ励起(avalanche excitation)プロセスによるアップコンバージョン発光は、赤外励起の下で可視発光を得るために用いられている。赤色スペクトル領域におけるレーザ発振は、Pr3+/Yb3+:LiYF4結晶、及びPr3+/Yb3+:ZrF4、BaF2、LaF3、AlF3、NaF3(ZBLAN)ガラスにおいて報告されている。赤色及びオレンジ色レーザ発振は、Pr3+/Yb3+:BaY2F8の場合、赤外励起の下で引き起こされる。OPSで3P0レベルを直接励起することで、単一のPr3+をドープしたLiLuF4結晶からの640nm、721nm、607nm及び522nmにおけるレーザ放射も実証されている。
放射される様々なレーザ波長は、レーザ発振波長において高い反射率を持つ適切な出力カプラを別々に用いることで、得られる。しかしながら、単一のレーザ装置から2つ以上の波長を得ることが、多様なアプリケーションにとって非常に望ましい。特に、異なる放射波長の間での切り換えを可能にする装置は、大いに役に立つであろう。
DE 3730563 C2は、Nd:YAG固体レーザ媒体の異なる電子遷移に基づいている2つの異なる放射波長の間で切り換え可能なNd:YAG固体レーザを記載している。この装置においては、レーザキャビティの2つの異なるアウトカップリングミラーが、異なる放射波長のために異なる位置に設けられる。これらのアウトカップリングミラーのうちの1つは、放射波長のうち、より低いゲインを持つ一方に対しては完全に反射性であり、他方の放射波長に対しては透過性であるよう設計される。第2アウトカップリングミラーは、第1アウトカップリングミラーの後ろに配設され、第2放射波長に対して高反射性であるよう設計される。2つのアウトカップリングミラーの間のビーム路を遮る又は開けることによって、レーザ放射波長が、2つの放射波長の間で切り換えられ得る。
本発明の目的は、固体レーザのレーザ放射を、異なる放射波長の間で切り換える方法であって、前記異なる放射波長が、前記固体レーザの固体媒体における異なる電子遷移に基づいている方法、及び前記方法に従って切り換え可能な対応する固体レーザ装置であって、簡単なスイッチング機構で、前記異なる放射波長の間の容易且つ便利な切り換えを可能にする方法及び装置を提供することである。
前記目的は、請求項1及び6に記載の方法及び装置で達成される。前記方法及び装置の有利な実施例は、従属請求項の内容である、又は明細書の後部に記載されている。
提案方法においては、固体レーザに、レーザキャビティを形成する少なくとも2つの端部ミラーが設けられ、前記端部ミラーは、前記異なる放射波長における前記レーザのレーザ発振、及び前記レーザキャビティの1つの端部ミラーにおける前記異なる放射波長の外への結合を可能にするよう設計される。前記固体レーザ媒体はまた、明らかに、光学的に又は電子的に励起される場合、前記異なる放射波長に対応する前記異なる電子遷移におけるレーザ発振を可能にするよう選択される。同業界においては既に知られているように、前記レーザキャビティの前記端部ミラーは、レーザ発振を可能にするために前記異なる放射波長に対して十分に高い反射率を持たなければならず、これらのミラーのうちの1つは、アウトカップリングのための前記レーザ放射のごく一部の透過も可能にする。提案方法においては、前記レーザキャビティのキャビティ長は、異なるキャビティ長の間で切り換えられる。これは、前記端部ミラーのうちの少なくとも1つを異なる位置の間で動かすことによって、又は前記光キャビティ長を変更する他のいかなる技術によっても、例えば、前記キャビティ内のビーム路中のガラスプレートを回転させることによって、若しくは前記キャビティ内のビーム路中の液晶素子のような適切な素子の屈折率を変えることによって、達成され得る。前記異なるキャビティ長は、前記異なるキャビティ長の各々において、前記固体レーザが、前記異なる放射波長のうちの1つであって、前記1つの放射波長が、前記異なるキャビティ長のうちの他のものにおける放射波長とは異なる前記異なる放射波長のうちの1つでしかレーザ発振しないように選択される。これは、前記方法に従って調節される、選択された前記異なるキャビティ長の各々において、前記固体レーザが、異なる放射波長においてレーザ発振することを意味する。前記異なる放射波長におけるこのレーザ発振に適切である、対応する前記キャビティ長は、前記キャビティ長の調整中の、又は対応する前記端部ミラーの移動中の、前記レーザの出力の分光測定によって容易に見つけられ得る。
前記対応する固体レーザ装置は、前記レーザキャビティを形成する少なくとも2つの端部ミラーであって、前記端部ミラーが、前記異なる放射波長におけるレーザのレーザ発振、及び前記レーザキャビティの1つの端部ミラーにおける前記異なる放射波長の外への結合を可能にするよう設計される少なくとも2つの端部ミラーと、前記レーザキャビティ内に配設される固体レーザ媒体であって、前記異なる放射波長が、前記固体レーザ媒体における異なる電子遷移に基づいている固体レーザ媒体とを有する。前記固体レーザ装置は、前記レーザキャビティのキャビティ長を変更するよう構成されるアクチュエータと、前記キャビティ長を異なるキャビティ長の間で変更するよう前記アクチュエータを制御するよう設計される制御ユニットとを更に有する。前記異なるキャビティ長は、前記異なるキャビティ長の各々において、前記固体レーザが、前記異なるキャビティ長のうちの他のものにおける放射波長とは異なる前記異なる放射波長のうちの1つでしかレーザ発振しないように規定される。更に、ポンプ光源が、前記固体レーザ媒体を光学的に励起するよう構成される。
好ましい実施例においては、前記アクチュエータは、前記キャビティ長を変更するよう、前記端部ミラーのうちの少なくとも1つを動かすよう構成され、前記制御ユニットは、対応する前記端部ミラーを、前記異なるキャビティ長に対応する異なる位置の間で動かすよう、前記アクチュエータを制御するよう設計される。前記制御ユニットは、電気的な構成要素であってもよく、又は機械的な構成要素であってもよい。
提案方法及び装置では、前記異なる放射波長間の切り換えが、前記キャビティ長のわずかな変更によって、簡単に達成される。前記キャビティ長の変更は、例えば、電気的に制御され得る圧電素子によって非常に簡単な方法で達成され得る。それ故、本発明は、同じレーザ構成を用いて、固体レーザのレーザキャビティの長さだけを変更して、2つ以上の異なるレーザ発振波長を得る可能性を供給する。前記キャビティ長のわずかな変更によるスイッチング機構は、他の適切なアクチュエータでも容易に達成され得る。レーザ放射の、緑色波長と赤色波長との間での切り換えは、前記固体レーザ媒体を適切に選択することによって、達成され得る。このようなレーザ波長は、例えば、レーザディスプレイに適している。それ故、このような、技術的に進んだ、更に簡単な、切り換え可能なレーザ装置を、投影光源として用いることによって、カラーホイールのようなプロジェクタ光学部品の機能は、レーザ源自体に組み込まれ、非常に簡単で、よりコンパクトなプロジェクタ構成をもたらす。一般に、提案方法及び固体レーザ装置は、切り換え可能なレーザ放射が必要とされるあらゆるアプリケーションにおいて用いられ得る。このようなアプリケーションは、例えば、可視領域においては、新世代のカラーディスプレイ、新しいデータ記憶技術、ホログラフィック技術、天体物理学実験のための較正用の星、及び生医学的応用タスクである。
有利な実施例においては、前記固体レーザ媒体は、Pr3+をドープした母材、とりわけPr3+:YLF結晶で形成される。この固体レーザ媒体は、青色波長領域において放射するレーザダイオードによって励起され得る。
しかしながら、Pr3+放射に基づく可視レーザアプリケーションのための母体結晶として他のあり得る候補は、この分野の専門家にはよく知られており、例えば、LiYF4、LiLuF4、K2YF5、KY3F10、KYF4、LiKYF5、LiKGdF5、LiCaAlF6、LiSrAlF6、LiGdF4、ZBLAN、CaF2、SrF2、YF3、CsY2F7、CsGs2F7、BaF2、BaMgF4、BaY2F8、LaF3、CeF3、PrF3、LiPrP4O12、KY(MO4)2、KY(WO4)2、KGd(WO4)2、Ca(NbO3)2、CaWO4、SrMoO4、YAlO3、LuAlO3、SrAl12O19、Sr3Al2O6、LaCl3、LaBr3、PrCl3、PrBr3であり得る。
以下に、請求項によって規定される保護の範囲を限定しない、添付の図に関連する提案方法及び装置を、一例として、記載する。
Pr3+イオンの可視電子遷移を示す。 本発明による装置のレーザ共振器及び励起スキームの概略図を示す。 図2の固体レーザ媒体の寸法及び向きを示す。 POS1における赤色及びオレンジ色レーザ放射のための正規化取得スペクトルを示す。 POS2における赤色及びオレンジ色レーザ放射のための正規化取得スペクトルを示す。
以下においては、Pr3+:BaY2F8結晶が、固体レーザ媒体として用いられ、青色波長領域において放射するレーザダイオードによって光学的に励起される方法及び装置が、示されている。この例示的な固体レーザ装置は、各々、640nm及び609nmにおける、赤色及びオレンジ色レーザ放射の間で切り換えられる。本発明が、この特定の材料又はこれらの2つの特定のレーザ波長に限定されないことは理解されたい。他の材料も、同じ効果を可能にするであろう。共振器端部ミラーの反射率の変更によって、例えば、緑色及び赤色レーザ放射の間での切り換えも可能である。
図1は、固体レーザ媒体の母材のドーピングの好ましい候補であるPr3+イオンの様々な可視電子遷移を示している。この図を見て分かるように、Pr3+イオンは、可視領域、とりわけ、シアン色、緑色、赤色及びオレンジ色波長範囲における遷移を可能にする。用いられる母材に依存して、示される波長は、少しシフトされる。本例においては、母材としてBaY2F8を用いることで、640nm及び609nmにおけるレーザ放射が可能である。
図2は、提案レーザ装置の例示的な構成の概略図を示している。固体レーザのレーザキャビティは、2つの端部ミラー、この場合には、入力平面鏡1及びアウトカップリングミラー2で形成される。入力平面鏡1は、430nmと460nmとの間のダイオードポンプレーザ4の波長範囲において高い透過率を持ち、605nmと650nmとの間の波長範囲において高い反射率を持つ。アウトカップリングミラー2は、50mmの曲率半径を持つ凹面鏡である。このミラーは、640nmにおいてR 〜99%の、609nmにおいてR 〜98%の高い反射率を持つ。固体レーザ媒体3は、図2に示されているようにレーザキャビティのビームウエストに配設される。この固体レーザ媒体3は、443nmにおいてダイオードポンプレーザ4によって光学的に励起される。ポンプビームは、入力平面鏡1を通って固体レーザ媒体3に入る前に、6.2mmの焦点距離fを持つ非球面レンズ5、アナモルフィックプリズム6、及び80mmの焦点距離fを持つ色消しレンズ7によって成形される。
アウトカップリングミラー2は、圧電性アクチュエータ8に取り付けられる。圧電性アクチュエータ8は、キャビティ長Lを変えるために、このミラーを、レーザキャビティの光軸の方向に動かすことができる。キャビティ長Lは、入力鏡1とアウトカップリングミラー2との間の距離である。圧電性アクチュエータ8は、アウトカップリングミラー2を、2つのレーザ発振波長、即ち、赤色(640nm)及びオレンジ色(609nm)のレーザ放射に対応する2つの位置の間で動かすようアクチュエータを制御する制御ユニット9に接続される。
赤色及びオレンジ色のレーザ放射を検出するため、焦点距離f=50mmのレンズ10、及び2mmの厚さを持つGG495タイプの黄色フィルタ11が、レーザ放射のビーム路中の、アウトカップリングミラー2の後ろに配設される。1つのレーザ波長(赤色又はオレンジ色)しか生成されていないことを確かめるため、フィルタ11の後ろには分光計が配設された。
赤色及びオレンジ色のレーザ放射を得るために用いられる固体レーザ媒体3は、1.25%の公称Pr3+ドーピングを持つBaY2F8結晶である。BaY2F2は、単斜晶である。結晶学上のb軸が、主対称軸であり、a軸及びc軸に対して垂直である。a軸及びc軸は、互いに対して垂直ではない。本例においては、この結晶は、a軸及びb軸に沿って配向され、切断された。図3は、レーザキャビティ内の結晶、即ち、固体レーザ媒体3の配向を示している。ポンプレーザビームの方向12が示されている。本例におけるこの固体レーザ媒体の寸法は、2.17×3.59×5.83mm3(w×h×l、図3参照)である。
レーザキャビティを位置合わせする場合、オレンジ色及び赤色のレーザ遷移において、レーザ放射が観察され得る。これは、両方の波長の共振器又はキャビティを形成する共振器ミラーの広い反射率のためである。しかしながら、本発明の発明者は、共振器ミラーを調整しながら、驚くべきことに、レーザが2つの遷移のうちの1つだけで動作する構成を見出した。本例の場合には、赤色とオレンジ色との間の切り換えがキャビティ長のわずかな変更だけで可能である、以下ではPOS1及びPOS2と示される、2つの幾何学的配置構成が見出された。
以下に、同じ構成要素配置を維持するキャビティ長を変更することによって赤色及びオレンジ色の固体ポンプレーザ放射を生成するために用いられる幾何学的なキャビティパラメータを記載する。赤色及びオレンジ色の波長の間で切り換えるため、アウトカップリングミラー2が、図2に示されているz方向に沿って動かされた。以下の表及び図において、2つの幾何学的配置構成POS1及びPOS2について、出力、測定スペクトル及び幾何学的配置パラメータを示す。
POS1構成においては、48.25mmのキャビティ長が設定され、赤色のレーザ放射からオレンジ色のレーザ放射に切り換えるためにアウトカップリングミラー2を対応する方向に動かすことにより、0.34mmの距離だけ増大される。表1は、キャビティ長L、アウトカップリングミラー2と色消しレンズ7との間の距離D、及び異なるレーザ発振波長で測定された出力を示している。構成における赤色及びオレンジ色のレーザ放射の正規化取得スペクトルは、図4に示されている。
Figure 2012516562
赤色放射に対しては38.24mm及びオレンジ色放射に対しては38.47mmという異なるキャビティ長LだけによりPOS1の構成とは異なるPOS2の構成について、同じパラメータ及び測定値を示す。これは、この構成において赤色レーザ放射からオレンジ色レーザ放射に切り換えるためには、キャビティ長が、それに応じてアウトカップリングミラー2を動かすことによって、0.23mmの距離だけ増大されることを意味する。表2は、対応する幾何学的パラメータ及び測定出力を示しており、図5は、この構成における赤色及びオレンジ色のレーザ放射の正規化取得スペクトルを示している。
Figure 2012516562
原則的に、本発明は、他のレーザ波長にも適用可能である。入力鏡及びアウトカップリングミラーの適切な広いコーティングによって、単一の集積レーザキャビティが、例えば、ディスプレイアプリケーションのための全ての必要な色を生成することができる。同時の緑色及び赤色のレーザ動作を可能にするミラーコーティングも実施可能であり、緑色レーザ放射と赤色レーザ放射との間での切り換えを可能にするであろうことは、言及されるべきである。
本発明を、図面において図示し、上記の説明において詳細に説明しているが、このような図及び説明は、説明的なもの又は例示的なものとみなされるべきであって、限定するものとみなされるべきではない。本発明は、開示されている実施例に限定されない。また、上記及び請求項に記載の様々な実施例は組み合わされ得る。当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の請求項の研究から、開示されている実施例の他の変形を、理解することができ、達成することができる。例えば、キャビティ長の変更は、入力平面鏡を適切なアクチュエータで動かすことによっても達成され得る。更に、キャビティ設計は、例えば、ビームウエストが、端部ミラーから或る距離離れたところに位置し、従って、固体レーザ媒体も端部ミラーから或る距離離れたところに位置するような2つの湾曲端部ミラーを用いることによって、図2に示されているものと異なってもよい。
請求項において、「有する」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単に、手段が、互いに異なる従属請求項において列挙されているという事実は、これらの手段の組み合わせが有利には用いられることができないこと示さない。請求項における参照符号は、これらの請求項の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
1 入力平面鏡
2 アウトカップリングミラー
3 固体レーザ媒体
4 ダイオードポンプレーザ
5 非球面レンズ
6 アナモルフィックプリズム
7 色消しレンズ
8 圧電性アクチュエータ
9 制御ユニット
10 レンズ
11 黄色フィルタ
12 ポンプビーム方向

Claims (13)

  1. 固体レーザのレーザ放射を、異なる放射波長の間で切り換える方法であり、前記異なる放射波長が、前記固体レーザの固体レーザ媒体における異なる電子遷移に基づいている方法であって、前記方法が、
    前記固体レーザに、レーザキャビティを形成する少なくとも2つの端部ミラーを設けるステップであって、前記端部ミラーが、前記異なる放射波長における前記レーザのレーザ発振、及び前記レーザキャビティの1つの端部ミラーにおける前記異なる放射波長の外への結合を可能にするよう設計されるステップと、
    前記レーザキャビティのキャビティ長を、異なるキャビティ長の間で切り換えるステップであって、前記異なるキャビティ長が、前記異なるキャビティ長の各々において、前記固体レーザが、前記異なるキャビティ長のうちの他のものにおける放射波長とは異なる前記異なる放射波長のうちの1つでしかレーザ発振しないように、選択されるステップとを有する方法。
  2. 前記レーザキャビティの前記キャビティ長が、前記端部ミラーのうちの少なくとも1つを異なる位置の間で動かすことによって、異なるキャビティ長の間で切り換えられる請求項1に記載の方法。
  3. 前記レーザ放射が、前記端部ミラーのうちの前記少なくとも1つを2つの異なる位置の間で動かすことによって、2つの放射波長の間で切り換えられる請求項2に記載の方法。
  4. 前記固体レーザが、Pr3+をドープした母材で形成される固体レーザ媒体を具備する請求項1に記載の方法。
  5. 前記固体レーザが、青色波長領域において放射するレーザダイオードによって、光学的に励起される請求項4に記載の方法。
  6. 異なる放射波長の間で切り換え可能な固体レーザ装置であって、
    レーザキャビティを形成する少なくとも2つの端部ミラーであって、前記端部ミラーが、前記異なる放射波長におけるレーザのレーザ発振、及び前記レーザキャビティの1つの端部ミラーにおける前記異なる放射波長の外への結合を可能にするよう設計される少なくとも2つの端部ミラーと、
    前記レーザキャビティ内に配設される固体レーザ媒体であって、前記異なる放射波長が、前記固体レーザ媒体における異なる電子遷移に基づいている固体レーザ媒体と、
    前記固体レーザ媒体を光学的に励起するよう構成されるポンプ光源と、
    前記レーザキャビティのキャビティ長を変更するよう構成されるアクチュエータと、
    前記キャビティ長を異なるキャビティ長の間で変更するよう前記アクチュエータを制御するよう設計される制御ユニットであって、前記異なるキャビティ長が、前記異なるキャビティ長の各々において、前記固体レーザが、前記異なるキャビティ長のうちの他のものにおける放射波長とは異なる前記異なる放射波長のうちの1つでしかレーザ発振しないように規定される制御ユニットとを有する固体レーザ装置。
  7. 前記アクチュエータが、前記キャビティ長を変更するよう、前記端部ミラーのうちの少なくとも1つを動かすよう構成され、前記制御ユニットが、前記端部ミラーのうちの前記少なくとも1つを、前記異なるキャビティ長に対応する異なる位置の間で動かすよう、前記アクチュエータを制御するよう設計される請求項6に記載の装置。
  8. 前記固体レーザ媒体が、Pr3+をドープした母材で形成される請求項6に記載の装置。
  9. 前記固体レーザ媒体が、Pr3+:YLF結晶で形成される請求項6に記載の装置。
  10. 前記ポンプ光源が、青色波長領域において放射するレーザダイオードである請求項7又は8に記載の装置。
  11. 前記端部ミラー及び前記制御ユニットが、前記放射波長を、緑色波長領域内の放射波長と、赤色波長領域内の放射波長との間で切り換えるよう設計される請求項6に記載の装置。
  12. 前記アクチュエータが、圧電素子である請求項6に記載の装置。
  13. 投影光源として請求項6に記載の固体レーザ装置を少なくとも1つ持つ投影装置。
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