JP2012513464A - ホスホジエステラーゼ阻害剤及びその使用 - Google Patents

ホスホジエステラーゼ阻害剤及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ホスホジエステラーゼタンパク質に結合し、それを調節する化合物をスクリーニングするための方法を提供する。さらに、本発明は、ホスホジエステラーゼ結合化合物を対象に投与することによって、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積に関連する状態を治療するための方法を提供する。

Description

本明細書に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物は、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。これらの刊行物の開示は、本明細書に記載され、特許請求される本発明の日付において、当業者に知られる最先端技術をより完全に説明するために、参照によって、それらの全体が本出願に組み込まれる。
本特許開示は、著作権保護の対象である資料を含む。著作権保有者は、米国特許商標局の包袋又は記録に見られるように、特許文献又は特許開示が誰によって複製されることにも異議は無いが、他の点ではあらゆる著作権を保有する。
政府支援
本明細書で説明される研究の全体又は一部は、National Institute in Aging(国立老化研究所)助成金番号R21AG027468によって支援された。したがって、合衆国政府は本発明の特定の権利を有する。
アルツハイマー病(AD)は、記憶喪失、シナプス機能障害、及びアミロイドβペプチド(Aβ)の蓄積によって特徴づけられる神経変性疾患である。これは、アミロイドβペプチド1−42(Aβ42)のレベルの増加に一部起因する。ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤は、勃起不全及び肺高血圧症に対して広範に使用される薬物である。これらの阻害剤は、cGMPレベルを増加させ、cGMP依存性タンパク質キナーゼの活性化を介して、転写因子及び記憶に影響する分子cAMP応答配列結合(CREB)のリン酸化を増強させると考えられる。
環状アデノシン一リン酸(cAMP)及び環状グアノシン一リン酸(cGMP)、ヌクレオチド生物学的二次メッセンジャーは、血流調節、心筋収縮、細胞分化、神経伝達、腺分泌物、及び遺伝子発現等の様々な生物学的プロセスを制御する。これらの分子の細胞内受容体は、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)、環状ヌクレオチド依存性タンパク質キナーゼ(PGK)、及び環状ヌクレオチド感受性チャネルを含む。PDEは、3’,5’−環状ヌクレオチドの加水分解を対応する5’一リン酸に触媒するタンパク質の大きなファミリーである。関連するが生化学的に異なった、11のヒトPDE遺伝子群が存在する。幾つかのPDEはcAMP(PDE4、PDE7、及びPDE8等)の加水分解に特異的であり、幾つかはcGMP特異的(PDE5、PDE6、及びPDE9等)であるが、幾つかのPDEは混合特異性(PDE1、PDE2、PDE3、PDE10、及びPDE11等)を有する。
PDE5阻害剤は環状グアノシン3’、5’−一リン酸タイプ5cGMP PDE阻害剤であり、シルデナフィル、タダラフィル、ザプリナスト、及びバルデナフィルを含むが、それらに限定されない。PDE5阻害剤は、cGMP上でPDE5の分解作用を阻害することによって、cGMPレベルを増加させる。PDE阻害剤は中枢神経系の疾患の市場に到達しておらず、PDE5阻害剤はADの治療のために使用されてはいない。
本発明は、PDE5阻害効力、高い選択性、及び血液脳関門(BBB)透過性を伴う、キノリン含有化合物のクラスを対象とする。一態様において、化合物は本明細書で説明される式Vである。一実施形態において、化合物は本明細書で説明される式V−1である。別の実施形態において、本明細書で説明されるように、化合物は式V−1aである。さらなる実施形態において、本明細書で説明されるように、化合物は式V−1a1である。幾つかの実施形態において、本明細書で説明されるように、化合物は、化合物1〜18中に示されるそれらの化合物である。具体的な実施形態において、化合物は化合物3(YF012403)又は化合物8(YF016203)である。
様々な態様において、本発明は、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積に関連する状態を治療する化合物をスクリーニングするための方法を提供し、該方法は、(a)アミロイドβペプチド沈着物の蓄積の動物モデルへの、PDE5阻害剤化合物の投与の完了後少なくとも1ヶ月間、セクレターゼ活性を調節できるPDE5阻害剤化合物を選択すること(又は同定すること、もしくはスクリーニングすること)、を含む。
一態様において、本発明は、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積に関連する状態を治療する化合物をスクリーニングするための方法を提供し、該方法は、(a)PDE5阻害剤化合物を選択することを含み、該化合物は以下の特徴、(i)該化合物は、ホスホジエステラーゼタンパク質の2個以上のアミノ酸残基と相互作用し、前記アミノ酸残基はF787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせを含む、あるいは(ii)該化合物とホスホジエステラーゼタンパク質との間の第2の架橋リガンド(BL2)はOH−である、のうちの1つ又は双方を含む
一態様において、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積に関連する状態を治療するホスホジエステラーゼ結合化合物を同定するための方法であり、該方法は、PDE5阻害剤化合物を選択することを含み、PDE5阻害剤化合物は以下の特徴、(a)化合物のIC50は約1000nMを越えない、(b)化合物の選択性は、PDE1、PDE2、PDE3、PDE4、PDE6、PDE7、PDE8、PDE9、PDE10、又はPDE11と比較して、PDE5に対して、少なくとも50倍大きな効力である、(c)該化合物のインビトロでの該PDE5阻害活性は約50nMを越えないIC50を有する、(d)化合物は血液脳関門を透過する、(e)化合物は、cGMPを約20%〜約80%加水分解する、(f)化合物及びホスホジエステラーゼタンパク質間の前記第2の架橋リガンド(BL2)はOH−である、又は(g)該化合物は、ホスホジエステラーゼタンパク質の2個以上のアミノ酸残基と相互作用し、前記アミノ酸残基はF787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせを含む、の1つ以上を含む。7。特徴(g)のホスホジエステラーゼは、例えば、ホスホジエステラーゼタイプV(PDE5)又はさらに別のPDEを含むことができる。一態様において、特徴(g)は、化合物が少なくとも全ての4個のアミノ酸残基PDE5のF787、L804、I813、及びM816と相互作用する場合である。一態様において、化合物は、ホスホジエステラーゼタイプV(PDE5)タンパク質の活性又は発現を低下させることができる。
幾つかの態様において、上述の方法は、前記選択されたPDE5阻害剤が、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積の動物モデルでの投与後少なくとも1ヶ月間、セクレターゼ活性を調節できるかを試験することを、さらに含む。セクレターゼはαセクレターゼ又はβセクレターゼであり得る。調節は、β−セクレターゼ活性又は発現レベルの低下、及び/又はαセクレターゼ活性又は発現レベルの増加を含むことができる。幾つかの態様において、調節されるセクレターゼ活性又はβ−セクレターゼの発現は低下したまま残存する。幾つかの態様において、調節されるセクレターゼ活性又はαセクレターゼの発現は増加したまま残存する。幾つかの態様において、調節されるセクレターゼ活性は、投与期間の完了後2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又は7ヶ月を越えて持続する。
上述の方法の幾つかの態様において、アミロイドβペプチド沈着物蓄積の動物モデルは、APP/PS1二重遺伝子組換えマウスを含む。動物モデルがこの遺伝子組換えマウスを含む場合、幾つかの態様において、選択されたPDE5阻害剤が、APP/PS1二重遺伝子組換えマウスに投与後少なくとも1ヶ月間、セクレターゼ活性を調節できるかを試験するステップは、(a)投与期間最大21日間、APP/PS1二重遺伝子組換えマウスに選択されたPDE5阻害剤を投与すること、(b)選択されたPDE5阻害剤が、負の対照と比較して、投与期間の完了後直ちに、APP/PS1二重遺伝子組換えマウスにおけるセクレターゼ活性又は発現を調節するかを試験することと、(c)負の対照と比較して、ステップ(b)のAPP/PS1二重遺伝子組換えマウスにおける調節されたセクレターゼ活性又は発現が、投与期間の完了後1ヶ月以上持続するかを試験することを含む。
上記の方法の幾つかの態様において、特徴に基づいた化合物の選択ステップは、シリコスクリーニング、分子ドッキング、インビボスクリーニング、インビトロスクリーニング、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
上記の方法に関連する幾つかの態様において、動物モデル対象へのPDE5阻害剤化合物の投与期間は、最大約5日、最大約6日、最大約7日、最大約8日、最大約9日、最大約10日、最大約11日、最大約12日、最大約13日、最大約14日、最大約15日、最大約16日、最大約17日、最大約18日、最大約19日、又は最大約20日である。
上記の方法に関連する幾つかの態様において、血液脳関門に透過するため、該化合物は約500Da未満の分子量を有するか、約90Å2未満の極性表面積を有するか、8個未満の水素結合を有するか、又はそれらの組み合わせを有する。
上記の方法に関連する幾つかの態様において、PDE5阻害剤化合物は、(a)試験化合物の電子ライブラリーを提供すること、(b)表1に列挙される、PDE5タンパク質の活性部位に対して少なくとも20個のアミノ酸残基の原子座標を提供すること(その座標は、そこからCα原子の少なくとも50%に関し、約2Åを越えない、関係をコンピューター可読のフォーマットで有する)、(c)PDE5タンパク質の三次元モデルを生成するため、コンピュータープロセッサによって可読な電気シグナルへと原子座標を転換すること、(d)データ処理方法を行うことと、(該ライブラリーからの電子試験化合物はPDE5タンパク質の三次元モデル上にドッキングされる)、(e)どの試験化合物がPDE5タンパク質の三次元モデルの活性部位に適合するかを決定すること、それによって、どの化合物がPDE5に結合するかを同定することを含む方法によって、プレスクリーニングされる。一態様において、この方法は、(f)PDE5タンパク質の活性部位をドッキングするために決定された化合物を合成すること、又は得ること、(g)結合に好適な条件下でPDE5タンパク質を化合物に接触させることと、(h)化合物がPDE5タンパク質発現又はmRNA発現、もしくはPDE5タンパク質活性を、診断アッセイを使用して調節するかを決定すること、をさらに含む。
本方法の幾つかの態様において、本明細書で説明されるように、PDE5阻害剤化合物は、式Ia、式Ib、式Ic、式Id、式Ie、式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIIa−1、式IIIb−1、式IIIc−1、式IIId、式IIIe、式IIIf;式IVa、式IVb、式V、式V−1、式V−1−a、又は式V−a−1(化合物1〜18のうちのいずれか1つ等)。
幾つかの態様において、PDE5阻害剤は、PDE5タンパク質又はmRNA発現、もしくはPDE5活性を少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%、又は100%低下させる。
幾つかの態様において、PDE5阻害剤は、IC50少なくとも約0.1nM、少なくとも約1nM、少なくとも約5nM、少なくとも約10nM、少なくとも約25nM、少なくとも約50nM、少なくとも約100nM、少なくとも約200nM、少なくとも約300nM、少なくとも約400nM、少なくとも約500nM、少なくとも約600nM、少なくとも約700nM、少なくとも約800nM、少なくとも約900nM、又は少なくとも約1000nMを有する。
幾つかの態様において、PDE5阻害剤を選択するための方法は、阻害剤が第2のメッセンジャー濃度中で増加又は死亡に起因するかを検出することを含み得る。第2のメッセンジャーは、例えば、環状GMP、タンパク質キナーゼG(PKG)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。該検出は、GTP、環状GMP、タンパク質キナーゼG(PKG)、又はCREBの細胞内濃度を測定するアッセイを含むことができる。
幾つかの態様において、PDE5阻害剤化合物は、ホスホジエステラーゼタイプV(PDE5)の活性部位に結合する。
幾つかの態様において、化合物は、IC50少なくとも約0.1nM、少なくとも約1nM、少なくとも約5nM、少なくとも約10nM、少なくとも約25nM、少なくとも約50nM、少なくとも約100nM、少なくとも約200nM、少なくとも約300nM、少なくとも約400nM、少なくとも約500nM、少なくとも約600nM、少なくとも約700nM、少なくとも約800nM、少なくとも約900nM、又は少なくとも約1000nMを有する。
一態様において、本発明は、対象中のαセクレターゼタンパク質活性又は発現を増加させるための方法を提供し、該方法は、(a)PDE5阻害剤化合物を含む有効量の組成物を対象に投与し、それによって対象におけるαセクレターゼタンパク質活性又は発現を増加させることを含む。
一態様において、本発明は、対象中のβセクレターゼタンパク質活性又は発現を減少させるための方法を提供し、該方法は、(a)PDE5阻害剤化合物を含む有効量の組成物を対象に投与し、それによって対象におけるβセクレターゼタンパク質活性又は発現を減少させることを含む。
一態様において、本発明は、対象においてアミロイドβ(Aβ)タンパク質沈着物を減少するための方法を提供し、該方法は、(a)PDE5阻害剤化合物を含む有効量の組成物を対象に投与し、それによって対象におけるAβタンパク質沈着物又は発現を減少することを含む。
幾つかの態様において、対象は異常に上昇したアミロイドβプラークを示す。幾つかの態様において、対象はアルツハイマー病、レビー小体型認知症、封入体筋炎、又は脳アミロイド血管症を患っている。幾つかの態様において、対象はマウス、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、又はヒトである。
幾つかの態様において、対象に投与される化合物は、式Ia、式Ib、式Ic、式Id、式Ie、式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIIa−1、式IIIb−1、式IIIc−1、式IIId、式IIIe、式IIIf;式IVa、式IVb、式V、式V−1、式V−1−a、又は式V−a−1(化合物1〜18のうちのいずれか1つ等)を含む。幾つかの態様において、化合物はシルデナフィル、タダラフィル、又はバルデナフィルである。幾つかの態様において、投与は、皮下、筋肉内、腹腔内、又は静脈注射、注入、経口又は経鼻送達、もしくはそれらの組み合わせを含む。幾つかの態様において、有効量は少なくとも約1mg/kg体重、少なくとも約2mg/kg体重、少なくとも約3mg/kg体重、少なくとも約4mg/kg体重、少なくとも約5mg/kg体重、少なくとも約6mg/kg体重、少なくとも約7mg/kg体重、少なくとも約8mg/kg体重、少なくとも約9mg/kg体重、又は少なくとも約10mg/kg体重である。他の態様において、投与される化合物の有効量は、少なくとも約3mg/kg体重である。幾つかの態様において、組成物は、少なくとも1日1回、最大18日間、最大19日間、最大20日間、最大21日間、最大22日間、最大23日間、最大24日間、又は最大25日間投与される。幾つかの態様において、αセクレターゼタンパク質活性又は発現は、治療後最大3ヶ月間、治療後最大4ヶ月間、治療後最大5ヶ月間、又は治療後最大6ヶ月間増加される。幾つかの態様において、β−セクレターゼタンパク質活性又は発現は、治療後最大3ヶ月間、治療後最大4ヶ月間、治療後最大5ヶ月間、又は治療後最大6ヶ月間減少される。幾つかの態様において、Aβタンパク質はAβ40異性体、Aβ42異性体、又はそれらの組み合わせを含む。
幾つかの態様において、PDE5阻害剤は、投与後長い間セクレターゼ活性に長期にわたる又は持続する影響を引き起こすことができるという本明細書で提供される知見のため、セクレターゼ活性又は発現を調節するために対象に投与されるPDE5阻害剤化合物が投与される頻度は低い。したがって、幾つかの態様において、治療の方法は、対象にPDE5阻害剤を定期的であるが低い頻度で、短期間投与する場合に提供される。例えば、投与は、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、又はそれ以上、続いて1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、1年又はそれ以上を含む投与無しの期間を含む投薬計画を含むことができ、この投薬計画は繰り返すことができ、変えることができる。つまり、投薬計画は、薬物の投与無しの期間が続き、任意にさらなるサイクルが続くPDE5阻害剤投与の期間を含む。そのような環状療法の利点は、例えば、長期にわたる総薬物摂取負荷による副作用の可能性を減らす。
異なる刺激強度(5〜35V)のフィールドの入力出力関係のグラフであり、BSTは、3ヶ月齢のAPP/PS1動物及びWT同腹子において同様であることを表す。35Vと等しい刺激強度での入出力曲線の勾配は、APP/PS1マウスにおいてWT同腹子の〜97%であった(APP/PS1マウス:1.21±0.08V/秒、n=6匹のオスからの7スライス、WTマウス:1.25±0.06V/秒、n=6匹のオスからの7スライス)。双方向分散分析は、二重遺伝子組換えマウス及びそれらの同腹子と対照との差異の無さを表した[F(1,12)=0.05、P=0.81]。同様の結果が、fEPSP勾配対求心性繊維斉射の振幅をプロットする際に観察された。
シルデナフィル(50nM)による10分間の灌流が、APP/PS1マウスにおいてLTP機能障害を逆にすることを表すグラフである(テタヌス後120分、媒体処置されたWT同腹子の〜100%と等しいシルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスと媒体処置されたAPP/PS1マウスの〜65%との対比、テタヌス後120分シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウス:215.08±11.85%、n=7匹のオスからの8スライス、媒体処置されたAPP/PS1マウス:128.47±16.79%、n=7匹のオスからの9スライス、[F(1,15)=4.98、P=0.041])。テタヌスの刺激が適用されない実験中のその適用の終了120分後又はその適用の間のどちらかで、阻害剤は基底神経伝達に何の効果もない(シルデナフィル処置されたAPP/PS1スライス中の媒体処置されたWTスライスの〜96%、媒体処置された遺伝子組換えスライスの〜97%、シルデナフィル処置されたスライスのAPP/PS1:99.99±3.71%、n=4匹のオスからの4スライスと媒体処置されたスライス100.88±1.02%との対比、n=4匹のオスからの5スライス[F(1,7)=1.15、P=0.31])。矢印は、これ及び以下の図における、テタヌスの時間及びパターンを示唆する。バーは、これ及び以下の図における、薬物又は媒体の適用の時間を表す。シルデナフィルは、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスのCA1領域のスライスにおけるLTPの機能障害を逆にする。
シルデナフィル(50nM)がWTマウスのLTPに影響を与えないことを表しているグラフである。テタヌス後120分のLTPのレベルは、媒体処置されたWTスライスの〜99%であった(媒体処置されたWTマウス:214.28±17.49%、n=8匹のオスからの10スライス、シルデナフィル処置されたWTマウス:213.26±13.66%、n=8匹のオスからの9スライス[F(1,17)=0.23、P=0.63])。テタヌスの刺激が適用されない実験中のその適用の終了120分後又はその適用の間のどちらで、阻害剤は、基底シナプス反応に何の効果もない(媒体処置されたWTスライスの〜97%、シルデナフィル処置されたスライスの100.51±2.34%、n=4匹のオスからの5スライス、と媒体処置されたスライス103.72±3.86%との対比、n=4匹のオスからの4スライス[F(1,7)=0.26、P=0.62])。これらの実験を、APP/PS1マウスのそれらとインタリーブした。
シルデナフィルが3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの認知障害を寛解することを表しているグラフである。シルデナフィル(腹腔内、3mg/Kg)は、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスにおけるコンテキスト恐怖条件付けを改善した。シルデナフィルで処置したAPP/PS1及びWT同腹子又は媒体は、訓練前にすくみの差異の無さを表すが(ベースライン、4つの群間の一方向分散分析:F(3,79)=2.39、P=0.07)、訓練後24時間行われたコンテキストFCは、媒体処置されたWT同腹子と比較して、媒体で処置されたAPP/PS1マウスのすくみ反応の減少を表す[媒体処置されたAPP/PS1マウスのすくみ時間は媒体処置されたWTマウスの〜63%であった、APP/PS1の21.36±3.94%、n=21(12匹のオス及び9匹のメス)と、WT同腹子の33.81±4.05%との対比、n=20(11匹のオス及び9匹のメス)、F(1,39)=6.64、P=0.01]。シルデナフィルを用いた処置は、APP/PS1マウスのすくみ反応における欠損を寛解する(シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスのすくみ時間は、媒体処置されたWTマウス:28.95±3.94%の約87%、n=22(12匹のオス及び10匹のメス)、F(1,40)=0.73、P=0.39)。シルデナフィルは、媒体処置されたWT同腹子と比較して、WTマウスのすくみ反応に何の効果も無い[媒体処置されたWTマウスの約89%:30.1±3.11%、n=20(11匹のオス及び9匹のメス)、F(1,38)=0.52、P=0.47)。手掛かり恐怖条件付けは4つの群間で同様であった[F(3,79)=0.89、P=0.44]。
シルデナフィルが、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの認知障害を寛解することを示すグラフである。シルデナフィル(腹腔内、3mg/Kg)は、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの空間作業記憶を改善した。媒体で処置されたAPP/PS1マウスは、媒体処置されたWT同腹子と比較して、隠しプラットフォームの位置を学習しない[最初の取得試験(A1)のAPP/PS1:5.91±0.19エラー、第4の連続試験(A4)による4.83±0.52エラー、及び想起試験(R)による5.29±0.31エラー、n=8(4匹のオス及びメス)、WT:A1=5.36±0.27エラー、A4=1.63±0.39エラー、R=2.00±0.32エラー、n=10(5匹のオス及びメス)]。双方向分散分析は、媒体処置されたAPP/PS1マウスの能力及び媒体処置されたWT同腹子の能力間の有意な差異を表す(F(1,16)=39.66、P<0.0001)、計画比較は、2群が試験で有意に異なることを表すA2(P=0.05)、A3(P=0.02)、A4及びR(P=<0.0001)。しかしながら、シルデナフィルを用いた処置は、媒体処置されたAPP/PS1と比較して、二重遺伝子組換え同腹子の能力を寛解する[A1=5.87±0.22エラー、A4=3.39±0.39エラー、R=3.57±0.31エラー、n=11(6匹のオス及び5匹のメス)、F(1,17)=5.99、P=0.02]。計画比較は、2群が試験A4(P=0.03)及びR(P=0.001)で有意に異なることを表す。シルデナフィルは、媒体処置されたWTマウス[シルデナフィルと比較してWTマウスの能力に影響を与えない:A1=5.5±0.23エラー、A4=1.5±0.21エラー、R=1.9±0.35エラー、n=10(5匹のオス及びメス)、F(1,18)=0.09、P=0.76)。
シルデナフィル(腹腔内3mg/Kg、3ヶ月の年齢で3週間)が、遺伝子組換えマウスにおいてコンテキスト恐怖条件付けを寛解することを表す棒グラフである。24時間後、WTと比較して、APP/PS1マウスにおけるすくみ挙動の減少が存在し、シルデナフィル処置によって救われる[シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスにおける媒体処置されたWTマウスの〜97%と、媒体処置されたAPP/PS1マウスの〜66%との対比、30.32±1.98%、n=シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウス中の12匹(7匹のオス及び5匹のメス)、20.66±2.42%、n=媒体処置されたAPP/PS1マウス中の17匹(10匹のオス及び7匹のメス)、F(1,27)=7.10、P=0.013]。シルデナフィルは、媒体で処置されたWTマウスと比較して、WT同腹子のすくみ時間を増加しなかった[媒体処置されたWTマウスの〜104%、32.41±1.88%、n=17(10匹のオス及び7匹のメス)と、31.16±1.21%、n=14(8匹のオス及び6匹のメス)との対比、F(1,29)=0.28、P=0.06]。手掛かり条件付け試験において、4群間に有意な差異は存在しなかった[F(3,56)=0.07、P=0.097]。
APP/PS1マウスにおけるラジアルアーム水迷路試験中の能力の機能障害が、シルデナフィルを用いた処置によって救われることを表すグラフである(腹腔内3mg/Kg、3ヶ月の年齢で3週間)。媒体処置されたAPP/PS1及びWT同腹子による、数々のエラー間には有意な差異が存在した[最初の取得試験A1のAPP/PS1:6.04±0.21エラー、A2の5.38±0.34エラー、A3の5.14±0.36、第4の連続試験A4による4.52±0.33、及び想起試験Rによる4.95±0.28エラー、n=7(4匹のオス及び3匹のメス)、WT:A1=5.60±0.62エラー、A2=3.46±0.34エラー、A3=2.66±0.82エラー、A4=1.86±0.16エラー、R=2.13±0.34エラー、n=5(3匹のオス及び2匹のメス)]。双方向分散分析は、2群の能力間で有意な全体の差異を明らかにした[F(1,10)=33.98、P=0.0001]、計画比較は、第2の取得試験A2(P=0.003)及び想起試験での差異を明白としたことを(P=0.0001)表した。シルデナフィルはAPP/PS1マウスの能力を改善し、WTマウスの能力に影響を与えない[シルデナフィル処置されたAPP/PS1:A1=6.16±0.39、A2=4.16±0.53、A3=3.5±0.41、A4=2.83±0.61、R=3±0.75エラー、n=4(3匹のオス及び1匹のメス)、シルデナフィル処置されたWT動物:A1=6±0.29、A2=3.22±0.56、A3=2.5±0.36、A4=1.83±0.16、R=2.33±0.36エラー、n=6(4匹のオス及び2匹のメス)、F(1,7)=3.42、P=0.1及びF(1,8)=4.04、媒体処置されたWT動物と比較してP=0.07 ]。統計解析は、媒体で処置されたAPP/PS1 動物と比較して、シルデナフィルで処置とされたAPP/PS1マウスにおける処置の強い効果を明らかにした(F(1,9)=18.53、P=0.002)、計画比較は、それらの群がA3(P=0.019)、A4(P=0.026)、及びR(P=0.017)で有意に異なることを表した。
シルデナフィルを用いた先の処置によって、Morris水迷路におけるAPP/PS1マウスの能力が改善されたことを記すグラフである(腹腔内3mg/Kg、3ヶ月の年齢で3週間)。WT同腹子で必要とされた28.91±3.94秒と比較して、媒体処置された遺伝子組換えマウスは、6セッション後に隠しプラットフォームを見出すために44.83±3.77秒必要とした[媒体処置されたWTマウスによって必要とされる時間の〜155%、F(1,21)=13.73、P=0.001、計画比較は第4、第5、及び第6セッションで有意に異なることを表した、それぞれ、P=0.001、P=0.009、P=0.008]。シルデナフィルを用いた先の処置は、APP/PS1マウスにおいてプラットフォームを見出すために必要とされた時間を減少させた(32.92±3.50秒、媒体処置されたWTマウスに必要とされた時間の〜114%、F(1,16)=2.97、P=0.10)。シルデナフィルは、25.64±3.16秒必要としたWT同腹子の能力に影響を与えなかった(媒体処置されたWTマウスに必要とされた時間の〜89%、F(1,23)=0.981、P=0.37)。統計解析は、媒体処置されたAPP/PS1マウスのそれと比較して、シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスの全体の能力において有意な差異を明らかにした[F(1,15)=0.85、P=0.02)]、それぞれ個々のセッションで潜時の計画比較は、差異が第4、第5、及び第6セッションで有意であったことを明らかにした(それぞれ、P=0.0001、P=0.011、P=0.034)。
シルデナフィルで先に処置されたAPP/PS1マウスが、プラットフォームが訓練中に位置づけられたターゲット象限(TQ)において、プローブ試験中の媒体処置されたAPP/PS1同腹子よりも、有意により長い時間探索したことを示す棒グラフである。(F(1,16)=8.42、P=0.01)。TQにおいて、次いで他の象限において、WTマウスは所与の時間の33.37±2.10%を費やした[F(3,44)=3.85、P=0.016]。計画比較は、右の隣接象限(AR)、左の隣接象限(AL)、又は逆の象限(OQ)においてよりも、彼らがTQにおいて有意により長い時間を費やしたことを確認した(TQ対AR、P=0.03、TQ対OQ、P=0.04、TQ対AL、P=0.02)。シルデナフィルは、APP/PS1マウスの能力を改善した[他の象限においてよりも、TQにおいて所与の時間の32.25±0.58%を費やした、又は媒体処置されたWT同腹子によって使用される時間の〜97%、F(3,24)=14.73、P<0.0001]。計画比較は、彼らがAR、AL、OQにおいてよりも、TQにおいて有意により長い時間を費やしたことを確認した(P<0.0001)。媒体処置されたAPP/PS1マウスは、TQにおいて時間の21.39±1.46%[F(3,40)=0.52、P=0.66]、又は媒体処置されたWT同腹子によって使用された時間の〜64%のみを費やした。シルデナフィル処置されたWTマウスは、TQにおいて時間の33.35±1.38%[F(3,48)=3.63、P=0.019、計画比較TQ対AR、P=0.03、TQ対OQ、P=0.04、TQ対AL、P=0.02]、又は媒体処置されたWT同腹子によって使用された時間の〜100%を費やした。統計は、TQにおいて、シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスによって費やされた時間の割合において、媒体処置されたAPP/PS1マウスのそれと比較して、有意な差異を明らかにした(F(1,16)=8.42、P=0.01)。TQにおいて、シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスによって費やされた時間の割合において、媒体処置された及びシルデナフィル処置されたWTマウスと比較して、統計学的に有意な差異は見出されなかった(それぞれF(1,17)=0.04、P=0.84、F(1,18)=0.03、P=0.85)。
6〜8ヶ月齢のAPP/PS1動物のBST機能障害は、シルデナフィル−処置(腹腔内3mg/Kg、3ヶ月の年齢で3週間)によって改善されることを表すグラフである[APP/PS1:媒体処置されたWTマウスの〜57%、0.62±0.09V/秒、(n=5匹のオスからの6スライス)、F(1,9)=7.26、P=0.02、媒体処置されたWTマウスと比較、APP/PS1+シルデナフィル:媒体処置されたAPP/PS1マウスの〜160%、1.03±0.12V/秒、(n=6匹のオスからの8スライス)、F(1,12)=5.51、媒体処置された遺伝子組換えマウスと比較してP=0.03]。媒体処置された及びシルデナフィル処置されたWTマウスと比較して、シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスのfEPSP勾配の値において統計学的に有意な差異は見出されなかった(それぞれ、F(1,11)=0.07、P=0.79;F(1,12)=0.03、P=0.84)。シルデナフィルはWTマウスのBSTを変化させない[シルデナフィル処置されたWTマウスにおける、入出力曲線の勾配:媒体処置されたWTマウスの〜94%、シルデナフィル処置されたWTマウス:1.01±0.12V/秒(n=5匹のオスからの6)、媒体処置されたマウス:1.08±0.11V/秒(n=5匹のオスからの5スライス)、双方向分散分析F(1,9)=0.34、P=0.57]。同様の結果が、fEPSP勾配対求心性繊維斉射の振幅をプロットする際に観察された。
シルデナフィル(腹腔内3mg/Kg、3ヶ月の年齢で3週間)が6〜8ヶ月齢のAPP/PS1マウスのLTP機能障害を救出することを示すグラフである[APP/PS1+シルデナフィル:シルデナフィル処置されたWTマウスの〜100%、120分でベースラインの233.81±30.47%、n=6匹のオスからの7スライス、F(1,12)=1.18、シルデナフィル処置されたWT同腹子と比較してP=0.29、APP/PS1+媒体:媒体処置されたWTマウスの〜65%、ベースラインの135.56±22.02%、n=6匹のオスからの7スライス、F(1,12)=14.82、媒体処置されたWT同腹子と比較してP=0.002]。
シルデナフィル(腹腔内3mg/Kg、3ヶ月の年齢で3週間)は6〜8ヶ月齢のWTマウスのLTPに影響を与えないことを記すグラフである[シルデナフィル処置されたマウスにおける媒体処置されたマウスの〜112%、シルデナフィル処置されたマウス:ベースラインの234.67±17.19%、n=6匹のオスからの7スライス、媒体処置されたマウス:ベースラインの210.01±16.62%、n=6匹のオスからの7スライス、F(1,12)=2.16、P=0.16]。テタヌスの不在における、マウスの4つの群のベースライン伝達中の差異は記されなかった(n=各群に対して4匹の動物からの4スライス、F(3、12)=0.17、P=0.91)。
リン酸化CREB抗体で染色された海馬のスライスの代表例を表す免疫蛍光写真である。3ヶ月齢のWT及びAPP/PS1動物中で、テタヌスを用いた媒体又はシルデナフィルのどちらか(50nM)60分後、スライスは固定される。左、全体のスライスの低倍率(4X)視野。右、CA1細胞錐体領域の高倍率(16X)視野。シルデナフィルは、APP/PS1マウスのテタヌスの刺激に続き、CREBリン酸化の通常の増加を回復させる。
テタヌスの適用後、CA1細胞体領域における免疫蛍光(IF)の強度の増加が、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスには見られないことを表す棒グラフである(WT:対照の160.51±14.96%、n=4;t(6)=3.44、テタヌス刺激されていないスライス対照と比較してP=0.014;APP/PS1:対照の111.89±6.62%、n=4;t(6)=2.96、テタヌス刺激されたスライスと比較してP=0.025)。シルデナフィル(sild)は、テタヌス後、APP/PS1マウスにおいてCREBリン酸化の増加を回復させるが、WTテタヌス刺激されたスライス中のリン酸化CREBレベルには影響を与えない(APP/PS1+シルデナフィル:対照の162.58±17.09%、n=4;t(6)=0.09、P=0.93;WT+シルデナフィル:対照の163.54±13.52%、n=4;t(6)=0.15、WTマウスのテタヌス刺激されたスライスと比較してP=0.88)。
シルデナフィルの連日注射(腹腔内3mg/Kg、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスで3週間)が、6〜8ヶ月の年齢の同一マウスからの海馬のスライス中のCREBリン酸化のテタヌス誘導性増加を回復させることを示す棒グラフである(WT:対照の151.60±8.25%、n=4/4;t(6)=4.70、テタヌス刺激されていないスライスと比較してP=0.003;APP/PS1:対照の114.96±9.12%、n=4、t(6)=2.96、それらのWTからの同腹子テタヌス刺激されたスライスと比較してP=0.025;APP/PS1+シルデナフィル:対照の163.6±15.14%、n=4;t(6)=0.69、媒体処置されたWT動物のテタヌス刺激されたスライスと比較してP=0.53(t(6)=2.75、媒体処置されたAPP/PS1動物のテタヌス刺激されたスライスと比較してP=0.041)。シルデナフィルは、WTマウスにおいてCREBリン酸化の増加に影響を与えない(対照の151.73±12.24%、n=4、t(6)=0.009、P=0.993、WTマウスのテタヌス刺激されたスライスと比較)。
3週間にわたるシルデナフィルの連日注射が、3ヶ月齢の遺伝子組換えマウスにおけるAβ40及びAβ42レベルを低下させることを表す棒グラフである(Aβ40:媒体処置されたAPP/PS1マウスの〜64%、Aβ42:〜80%;Aβ40及びAβ42値は、それぞれ1.71±0.22及び3.56±0.23ng/mg皮質であった、シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスにおいて、n=7と、2.67±0.35及び4.43±0.34ng/mg皮質、媒体処置されたAPP/PS1マウスにおいて、それぞれn=7との対比、t(12)=2.26、P=0.043、及びt(12)=2.09、P=0.058)。シルデナフィルは、3〜4ヶ月齢のAPP/PS1のAβレベルを低下させた。
全長APP、sAPPα、sAPPβ、CT83、CT99に対して、シルデナフィル(カラム右)で処置された、又は媒体(カラム左)で染色されたAPP/PS1の3ヶ月齢の遺伝子組換えマウスの脳の免疫ブロットの写真である。対照として、チューブリンを使用した。
シルデナフィル処置された3ヶ月齢の遺伝子組換えマウスが、APPレベルにおける変化を表さないことを示す棒グラフである(媒体処置されたマウスにおける対照の125.75±4.44%対媒体処置されたマウスにおける119.75±8.99%、n=4/4、t(6)=0.59、P=0.572)。
シルデナフィル処置された3ヶ月齢の遺伝子組換えマウスが、sAPPαにおける変化を表さないことを示す棒グラフである(86.25±5.02%対87.75±4.90、n=4/4、t(6)=0.21、P=0.838)。
シルデナフィルで処置された3ヶ月齢の遺伝子組換え動物において、sAPPβが低下することを示す棒グラフである(43.25±3.90%対62.75±4.58%、n=4/4、t(6)=3.68、P=0.010)。シルデナフィルは、3〜4ヶ月齢のAPP/PS1のβ−セクレターゼ活性を修飾する。
3ヶ月齢の遺伝子組換え動物のシルデナフィル処置後、CT83及びCT99断片が増加することを表すことを示す棒グラフである(CT83:74.5±6.73%対40.00±7.73%、n=4/4、t(6)=3.36、P=0.015;CT99:95.25±5.66%対70.5±7.70%、n=4/4、t(6)=2.58、P=0.041)。
3ヶ月の年齢において、3週間にわたるシルデナフィルの連日注射が、7〜10ヶ月の年齢でマウスのAβ40及びAβ42レベルを低下させることを表す棒グラフである(Aβ40:媒体処置されたAPP/PS1マウスの〜65%、Aβ42:〜73%;Aβ40及びAβ42値は、それぞれ49.59±7.93及び32.55±3.27ng/mg皮質であった、シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスにおいて、n=6と、76.98±8.88及び44.77±4.08ng/mg、媒体処置されたAPP/PS1マウスにおいて、それぞれn=7との対比、t(11)=2.26、P=0.045、及びt(11)=2.24、P=0.047)。
3ヶ月の年齢で3週間にわたりシルデナフィル又は媒体で処置され、全長APP、sAPPα、sAPPβ、CT83、CT99に対して染色された年齢7〜10ヶ月のAPP/PS1マウスの脳の免疫ブロットの写真である。
シルデナフィル処置されたマウスが、APPレベルにおいて変化を表さないことを表す棒グラフである(116.33±3.32%対107.4±3.88%、n=3/5、t(6)=1.51、P=0.180)。3ヶ月齢のAPP/PS1マウスにおいて3週間にわたりシルデナフィルを連日注射された、年齢7〜10ヶ月の同一マウス中でAPPが変化しなかった。
3ヶ月の年齢で3週間にわたるシルデナフィルの連日注射を受取した、年齢7〜10ヶ月のAPP/PS1 マウス中でsAPPαが増加すること(97±3.12%対153.65±11.95、n=3/4、t(5)=3.52、P=0.017)を表す棒グラフである。
3ヶ月の年齢で3週間にわたるシルデナフィルの連日注射を受取した、年齢7〜10ヶ月のAPP/PS1マウス中でsAPPβを低下させることを表す棒グラフである(28.33±2.84%対25.6±2.83%、n=3/5、t(6)=2.84、P=0.029)。
3ヶ月の年齢で3週間にわたるシルデナフィルの連日注射を受取した、年齢7〜10ヶ月のAPP/PS1マウス中でCTFに対して、いずれの差異も観察されなかった(CT83:75.66±1.92%対82.75±6.78%、n=3/5、t(6)=1.13、P=0.299;CT99:96.66±5.29%対87.2±7.63%、n=3/5、t(6)=0.85、P=0.427)ことを表す棒グラフである。
タダラフィル(50nM)は、APP/PS1マウスのLTP機能障害を逆転させることを示すグラフである(LTPのレベル:テタヌス後120分媒体処置されたWT同腹子の〜96%と等しいタダラフィル処置されたAPP/PS1マウスと、媒体処置されたAPP/PS1マウスにおける〜56%との対比;タダラフィル処置されたAPP/PS1マウス:120分で209.49±13.89%。テタヌス後、n=6匹のオスからの8スライス;媒体処置されたAPP/PS1マウス:123.14±5.98%、n=7匹のオスの8スライス;媒体処置されたWTマウス:219.88±19.35%、n=7匹のオスからの8スライス、F(1,14)=15.57、P=0.001]。タダラフィルは、実験中のその適用の終了後テタヌスの刺激が適用されないその適用の間、又は120分後、基底神経伝達を変化させない[F(1,6)=1.007、P=0.93]。PDE5阻害は、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスのCA1領域のスライスにおけるLTPの機能障害を逆にする。
タダラフィル(50nM)を用いた10分の灌流が、LTPの振幅[媒体処置されたテタヌス刺激されたWTスライスの〜106%、232.45±21.92%対219.88±19.35%、n=8/8、F(1,14)=0.24、P=0.62)及びWTマウスのベースライン(媒体処置されたWTスライスの〜98%、103.65±1.63%対104.71±6.13、n=4/4、F(1,6)=1.05、P=0.34]を変化させないことを表すグラフである。これらの実験を、APP/PS1マウスのそれらとインタリーブした。
IC354(1μM)はAPP/PS1マウスのLTP機能障害を逆転させないことを示すグラフである[LTPのレベル:テタヌス後120分で媒体処置されたWT同腹子の〜58%と等しいIC354処置されたAPP/PS1マウスと、媒体処置されたAPP/PS1マウスにおける〜57%との対比;IC354処置されたAPP/PS1マウス:120分で129.33±8.71%。テタヌス後、n=5匹のオスからの5スライス;媒体処置されたAPP/PS1マウス:126.81±12.39%、n=5匹のオスからの5スライス;媒体処置されたWTマウス:220.82±9.49%、n=5匹のオスからの5スライス、F(1,8)=0.03、P=0.85]。IC354は、実験中のその適用の終了後テタヌスの刺激が適用されないその適用の間、又は120分後、基底神経伝達に影響を与えない[F(1,6)=0.006、P=0.94]。
IC354(1μM)を用いた10分灌流が、WTマウスのLTPに影響を与えないことを記すグラフである[媒体処置されたWTスライスの〜102%、226.05±18.76%、n=5匹のオスからの5スライス、F(1,8)=0.84、P=0.38]。阻害剤は、実験中のその適用の終了後テタヌスの刺激が適用されないその適用の間、又は120分後、基底シナプス反応に何の効果もない[F(1,6)=0.072、P=0.79]。これらの実験を、APP/PS1マウスのそれらとインタリーブした。
タダラフィルは3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの認知を寛解しない棒グラフである。タダラフィル(腹腔内1mg/Kg)は、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスにおけるコンテキスト恐怖条件付けを修飾しない。タダラフィル又は媒体で処置されたAPP/PS1及びWT同腹子は、訓練前に、すくみにおいていずれの差異も表さない[F(3,39)=0.26、P=0.853]。訓練24時間後に行われた恐怖条件付けは、媒体処置されたWT同腹子と比較して、媒体処置されたAPP/PS1マウスにおいてすくみ反応の減少を表す[媒体処置されたAPP/PS1マウスにおけるすくみ時間は、媒体処置されたWTマウスの〜47%である;APP/PS1の15.34±3.15%、n=12(オス6匹、メス6匹)と、WT同腹子の33.03±5.52%、n=10(オス5匹、メス5匹)の対比、F(1,20)=8.19、P=0.011]。タダラフィルを用いた処置は、媒体処置されたAPP/PS1動物と比較して、APP/PS1マウスのすくみ挙動を救わない[タダラフィル処置されたAPP/PS1マウスのすくみ時間は媒体処置されたAPP/PS1マウスの〜122%:18.76±3.89%、n=8(オス4匹、メス4匹)、F(1,18)=0.08、P=0.778]。タダラフィルは、WTマウスのすくみ反応に影響を与えない[媒体処置されたWTマウスの〜85%:28.29±3.30%、n=13(オス7匹、メス6匹)、F(1,21)=0.58、P=0.453]。手掛かり恐怖条件付けは4つの群間で同様であった[F(3,39)=0.21、P=0.884]。
マウスの4つの群が、可視のプラットフォームを見出すために必要な時間においていずれの差異も表さないことを示すグラフである[シルデナフィルで処置されたAPP/PS1マウス、試験の第1のセッションで26.73±3.43秒及び第4で21.14±3.28秒;媒体で処置されたAPP/PS1マウス、第1、第4セッションでそれぞれ29.33±4.62秒及び20.49±4.20秒;シルデナフィルで処置されたWTマウス、第1、第4セッションでそれぞれ26.64±3.11秒及び20.17±4.01秒;媒体で処置されたWTマウスは、第1、第4セッションでそれぞれ26.88±2.58秒及び19.49±2.65秒、F(3,35)=0.02、P=0.994]。APP/PS1マウスは、3ヶ月の年齢でいずれの感覚機能障害も表さない。
また、その4群間で泳ぐ速度においていずれの差異も見出されないことを表す棒グラフである[シルデナフィルで処置されたAPP/PS1マウス、18.21±1.96cm/秒、媒体で処置されたAPP/PS1マウス、18.65±2.31cm/秒、シルデナフィルで処置されたWTマウス、17.42±1.72cm/秒、及び媒体で処置されたWTマウス、18.42±1.81cm/秒、F(3,35)=0.073;P=0.974]。APP/PS1マウスは、3ヶ月の年齢でいずれの運動機能障害も表さない。
可視のプラットフォーム試験は、4群間で、プラットフォームに達するための時間において、いずれの有意な差異も明らかにしないことを示すグラフである[シルデナフィルで処置されたAPP/PS1マウス、試験の第1セッションで24.40±2.06秒及び第4で20.37±2.35秒;媒体で処置されたAPP/PS1マウス、第1、第4のセッションでそれぞれ24.40±3.49秒及び21.09±2.83秒;シルデナフィルで処置されたWTマウス、第1、第4のセッションでそれぞれ22.79±2.51秒及び20.91±2.21秒;媒体で処置されたWTマウス、第1、第4のセッションでそれぞれ21.16±3.11秒及び19.90±2.50秒;F(3,39)=0.01、P=0.997]。APP/PS1マウスは、7ヶ月〜10ヶ月の年齢でいずれの感覚機能障害も表さない。これらの動物は、3ヶ月の年齢で3週間にわたり、シルデナフィルの連日注射を受取した。
マウスの4つの群は、泳ぐ速度におけるいずれの差異も表さないことを記す棒グラフである[シルデナフィルで処置されたAPP/PS1マウス、15.81±1.88cm/秒、媒体で処置されたAPP/PS1マウス、17.05±1.45cm/秒、シルデナフィルで処置されたWTマウス、16.97±1.49cm/秒、及び媒体で処置されたWTマウス、17.36±1.34cm/秒、F(3,39)=0.023;P=0.995]。APP/PS1マウスは、7ヶ月〜10ヶ月の年齢でいずれの/運動機能障害も表さない。これらの動物は、3ヶ月の年齢で3週間にわたり、シルデナフィルの連日注射を受取した。
報告されるPDE5阻害剤中の縮合平面環系構造を表す略図である。
報告されるPDE5阻害剤の構造解析及び既知の構造活性関係(SAR)データに基づいて、構造的に関する、公式に独立した足場(I〜IV)の4つのクラスを記す化学構造である。
足場Iaを含む化合物の合成を表す略図である。
足場IIa〜cを含む化合物の合成を表す略図である。
足場IIdを含む化合物の合成を表す略図である。
足場IIIを含む化合物の合成を表す略図である。
足場IVaを含む化合物の合成を表す略図である。
NO/cGMP/CREB経路の略図である。
APPプロセシングの略図である。PDE5阻害剤シルデナフィルの投与は、APP/PS1マウスにおけるAPPプロセシングを修飾する。CT83及びCT99断片の増加が観察されたにもかかわらず、シルデナフィルで処置された3ヶ月齢のAPP/PS1マウスにおいて、sAPPβレベルの低下が検出された。sAPPβレベル中の持続性低下及びsAPPαレベル中の持続性増加を、7〜10ヶ月の年齢で、3ヶ月の時にシルデナフィルで先に処置されたAPP/PS1マウスにおいて検出した。
シナプス性、可塑性、記憶、及びアミロイドβ(Aβ)ペプチド合成及び分解へのPDE5阻害剤の作用を記すモデルの略図である。PDE5阻害剤は、APP/PS1マウスのシナプス性可塑を増加できる;APP/PS1マウスの記憶、恐怖条件付け、及びRAWMを増加させる;APP/PS1マウスのCREBリン酸化を増加させる;及びAPP/PS1マウスのAβペプチドレベルを低下できる。
APP及びPS1導入遺伝子の細胞培養物中の活性終末ボタンへの発現の効果を表す。図22Aは、WT及びAPP/PS1海馬の培養のグルタミン酸前後の活性放出部位のFM1〜43染色の例の写真である。スケールバー、15μm。図22Bは、WT同腹子と比較して、Tgマウスからの培養物中で、単位長さ神経突起当たりの活性終末ボタンの基底数が高いことを表すグラフである。図22Cは、WT及びAPP/PS1培養物中の0Mg++中のグルタミン酸の30分後の、シナプス前活性終末ボタンにおける増加パーセントを示すグラフである。グルタミン酸は、WT中の活性終末ボタン数を増加させるが、APP/PS1培養物中では増加しない。
実験的設置を表す。横行海馬スライスの略図が、一番上の画像に表される。Schaeffer側枝線維及びCA1放線状層を標識した。刺激及び記録電極の位置が示唆される。長期増強(LTP)は、側枝線維のシータバースト刺激によって誘発された。一番下の画像は、電気生理学的実験のために使用された界面記録チャンバーの写真を表す
新規PDE5阻害剤の合成の模式図を表す。新規PDE5阻害剤の必要性に基づいて、キノリン誘導体のクラスを設計した。
幾つかの合成の模式図の例を記す。SARに基づいて、YF012403(シクロプロピルリード)及びYF016203(ジメチルアミノリード)は、さらなる研究のために選択された。
合成された化合物のIC50を表す。YF012403及びYF016203は赤色で強調される。
PDE5阻害剤のインビトロ選択性を記す。2つの化合物、YF012403及びYF016203、は選択性プロファイリングのためのSARに基づいて設定された。a)BPS Bioscienceによって得られたデータ、b)Graeme L.Card,et.al.Structure,2004,12,2233−2247;c)I Saenz de Tejada,et al.,International Journal of Impotence Research,2001,13,282−290;d)Alain,Daugan,et.Al,Journal of Medicinal Chemistry,2003,46,4533−4542。
薬物動態プロファイルを表す。シルデナフィルと比較して、1つの化合物、YF012403、をPKプロファイリングのインビトロでの活性及び選択性に基づいて同定した。
薬物動態プロファイルを表す。グラフは、脳組織及び血漿中の候補YF012403及びシルデナフィル濃度/時間曲線を記す。データはオスC57/BALB/cマウスを用いて収集された、各ポイントに対して3匹のマウス。
ジメチルアミノ誘導体(YF016203)のプロセス化学の合成経路を記す。
電気生理学データを表すグラフである。YF012403は、200nMオリゴマーのAβ42で処置された3〜4ヶ月齢のマウスからのスライスのCA1領域のLTP機能障害を逆転させる。双方向分散分析を行った:AβプラスYF012403と比較してAβ=F(1,11)=6.073、p=0.0314。
中間体Aの合成模式図を記す。模式図中の破線は、予測される反応を示唆する。
中間体Bの合成模式図を記す。
中間体Cの合成模式図を記す。
中間体Dの合成模式図を記す。
式Eの合成模式図を記す。
式Fの合成模式図を記す。
模式図Aの一般的合成方法を記す。
化合物9aの合成模式図Iを記す(YF012403、シクロプロピルリード)。
化合物11aの合成模式図IIを記す(YF016203、ジメチルアミノリード)。
中間体10aの合成模式図III〜A1を記す。
ヒトの心臓、全脳、海馬及び大脳中のPDE5 mRNAの発現レベルを表すグラフである。図42Aにおいて、値はβアクチンmRNAに規格化された。図42Bにおいて、図42A中に表される値は、それぞれの心臓mRNAレベルに規格化された。
cGMPに基づく分子の構造を表す。
βカルボリン由来分子の構造を表す。
ピラゾロピリジン、フタラジン、及びキノリン誘導体の構造を表す。
イソキナゾリノン(isoquinazolinone)及びイソキノリノン誘導体の構造を表す。
cGMP基質の100nMが使用されたPDE5活性を記すグラフである。
マウス脳組織及び血漿中のYF012403の濃度時間曲線である(n=群当たり3マウス)。
Aβ42誘発シナプス及び認知障害へのYF012403の有益な効果を表すグラフである。図49Aは、YF012403がAβ42処置されたスライス中のLTP欠損を寛解することを表す。グラフは、テタヌス後60分、記録の最後の5分の平均を表す。図49Bは、YF012403はAβ42注入されたマウスのコンテキスト恐怖記憶欠損を寛解することを表す。
YF012403のC8での修飾を表す略図である。
YF012403のC3での修飾を表す略図である。
YF012403のC3での修飾を表す略図である。
YF012403のC3での修飾を表す略図である。
YF012403の他の位置での修飾を表す略図である。
コンテキスト恐怖条件付け(FC)(図55A)及びRAWM(図55B)試験中、5ヶ月齢のJ20マウスの認知障害へのシルデナフィルの急性の有益な効果を表すグラフである。
シルデナフィルを用いた海馬のスライスの短時間灌流が、3ヶ月齢のAPP/PS1マウス中のCA1−LTP機能障害を逆転させることを表すグラフである。図56A中のグラフは、BSTが3ヶ月齢のAPP/PS1動物及びWT同腹子と同様であることを表す。EPSP勾配の概要グラフと5〜35Vの範囲である異なる刺激強度に対する線維斉射振幅との対比[35V:APP/PS1マウス中のWT同腹子の〜97%、n=6匹のオスからの7スライスと、WTスライス中のn=6匹のオスからの7スライスとの対比;双方向分散分析:F(1,12)=0.05、P=0.81]。WT及び遺伝子組換え動物間の線維斉射における差異は存在しない(F(1,12)=3.97、P=0.06)。図56Bは、遺伝子組換え動物からのスライス中のシナプス可塑性への異なる濃度のシルデナフィルの効果を表す用量反応曲線である。シナプス可塑性を完全に救出する最小有効量は50nMである(n=各群に対して6匹のオスからの6スライス)。図56Cは、シルデナフィル(50nM)が、1又は2連のシータバースト刺激を介して増強されたAPP/PS1マウスからのスライス中のLTPを寛解することを表すグラフである(1テタヌス:t(1,10)=3.38、媒体処置されたAPP/PS1スライスと比較してP=0.007;2強縮:t(1,10)=3.92、P=0.003;3強縮:t(1,10)=13.47、P<0.001;n=各群に対して6匹のオスからの6スライス)。1回のシータバースト刺激を受取したWTマウスからのスライスは、媒体処置されたWTスライスと比較して、50nMシルデナフィルで灌流された場合、LTPにおいて有意な増加を表した(1テタヌス:t(1,10)=2.25、P=0.048;2強縮:t(1,10)=1.37、P=0.200;3強縮:t(1,10)=1.26、P=0.236;n=各群に対して6匹のオスからの6スライス)。
3ヶ月齢のAPP/PS1マウスは、AMPA及びNMDA受容体電流中の無変化に関連する通常のBSTを有することを表すグラフである。図57A〜Bは、成体WT(n=3細胞)及びAPP/PS1(n=3細胞)CA1錐体細胞からのAMPA受容体(AMPAR)(図57A)及びNMDA受容体(NMDAR)(図57B)電流の規格化された電流電位プロットを表す。AMPAR媒介EPSCは、−90mVでEPSCに規格化された。NMDAR媒介EPSCは、+50mVでNMDA応答に規格化された。図57Cは、WT及びAPP/PS1錐体細胞中におけるAMPARのNMDAR電流比率との比較である。比率を、+50mVでのピーク後50ms、測定されたNMDAR電流によって、−70mVで測定されたAMPAR電流の振幅を分割することによって、算出した。
シルデナフィルが、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの認知機能を寛解することを表すグラフである。図58Aは、APP/PS1マウスのコンテキスト恐怖記憶を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度は3mg/kgであることを表す。6mg/kgは3mg/kgと同一効果を有するが、1.5mg/kgの濃度は、すくみを改善しない[1.5mg/kgシルデナフィル:n=8(オス4匹、メス4匹)と媒体処置された動物n=14(オス7匹、メス7匹)との対比、F(1,20)=0.82、P=0.375;3mg/kgシルデナフィル:n=8(オス4匹、メス4匹)、F(1,20)=11.58、P=0.003;6mg/kgシルデナフィル:n=8(オス4匹、メス4匹)、F(1,20)=8.48、P=0.009。図58Bは、APP/PS1マウスの空間作業記憶を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度は、3週間で3mg/kgであることを表す。6mg/kgは3mg/kgと同一効果を有するが、1.5mg/kgの濃度はRAWM能力を改善しない[1.5mg/kgシルデナフィル:n=8(オス4匹、メス4匹)と媒体処置された動物n=14(オス7匹、メス7匹)との対比、F(1,20)=0.82、P=0.375及びF(1,20)=0.05、A4及びRに対してそれぞれP=0.824;3mg/kgシルデナフィル:n=8(オス4匹、メス4匹)、F(1,20)=11.58、P=0.003及びF(1,20)=11.36、P=0.003;6mg/kgシルデナフィル:n=8(オス4匹、メス4匹)、F(1,20)=8.48、P=0.009及びF(1,20)=7.12、P=0.015]。図58Cは、シルデナフィルがAPP/PS1マウスの空間作業記憶にプラス効果を与えるために必要とされる最短時間は、3mg/kgの濃度で2週間であることを表す概要グラフである[1週間:F(1,20)=1.81、P=0.19及びF(1,20)=0.82、A4及びRはそれぞれP=0.386;2週間:F(1,20)=9.69、P=0.005及びF(1,20)=10.35、P=0.004;3週間:F(1,20)=13.19、P=0.002及びF(1,20)=11.36、P=0.003;n=各条件に対して8(オス4匹、メス4匹)]。
シルデナフィルが、3ヶ月齢のマウスの手掛かり条件付けを修飾しないことを表すグラフである。媒体処置されたAPP/PS1マウスは、媒体処置されたWT同腹子と同様の能力を有する(F(1,39)=0.16、P=0.691)。シルデナフィル(3mg/kg)の注射は、APP/PS1マウス及びWT同腹子の手掛かり条件付けの間、すくみに影響しない(F(1,38)=1.2、P=0.279及びF(1,40)=0.08、媒体処置されたWTマウスと比較して、それぞれP=0.773)。
APP/PS1マウスのコンテキスト恐怖記憶機能障害のシルデナフィルによる救出が、すくみの高い量を誘発する高い強度のフットショックであることを表すグラフである[F(1,26)=52.24;P=0.001]。
タダラフィルは、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの認知を寛解しないことを表すグラフである。図61Aは、ダラフィル(腹腔内1mg/Kg)が3ヶ月齢のAPP/PS1マウスのコンテキスト恐怖条件付けを修飾しないことを表す。タダラフィル又は媒体で処置されたAPP/PS1及びWT同腹子は、訓練前に、すくみにおいていずれの差異も表さない[F(3,39)=0.26、P=0.853]。訓練24時間後に行われた恐怖条件付けは、媒体処置されたWT同腹子と比較して、媒体処置されたAPP/PS1マウスにおいてすくみ反応の減少を表す[媒体処置されたAPP/PS1マウスにおけるすくみ時間は、媒体処置されたWTマウスの〜47%である;n=12(オス6匹、メス6匹)と、n=WT同腹子に対して10(オス5匹、メス5匹)との対比、F(1,20)=8.19、P=0.011]。タダラフィルを用いた処置は、媒体処置されたAPP/PS1動物と比較して、APP/PS1マウスのすくみ挙動を救わない[タダラフィル処置されたAPP/PS1マウスのすくみ時間は媒体処置されたAPP/PS1マウスの〜122%:n=8(オス4匹、メス4匹)、F(1,18)=0.08、P=0.778]。タダラフィルは、WTマウスのすくみ反応に影響を与えない[媒体処置されたWTマウスの〜85%:n=13(オス7匹、メス6匹)、F(1,21)=0.58、P=0.453]。図61Bは、4つの群間で同様である手掛かり恐怖条件付けを表す[F(3,34)=1.42、P=0.253]。図61Cは、タダラフィルが、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの空間作業記憶を改善しないことを表す。タダラフィルで処置されたAPP/PS1マウスは、媒体処置されたAPP/PS1と比較して、隠しプラットフォームの位置を学習しない[APP/PS1+タダラフィル:n=8(オス4匹、メス4匹);APP/PS1+媒体:n=8(オス5匹、メス3匹);F(1,14)=0.71、P=0.736及びF(1,14)=2.46、A4及びRは、それぞれP=0.139]。タダラフィルは、媒体処置されたWTマウスと比較して、WTマウスの能力に影響しない[WT+タダラフィル:n=8(オス4匹、メス4匹);WT+媒体:n=8(オス4匹、メス4匹);F(1,14)=0.32、P=0.579及びF(1,14)=0.09、A4及びRは、それぞれP=0.763]。
6〜8ヶ月齢のAPP/PS1マウスの連合及び空間記憶の双方を改善するために、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスにおいて必要とされるシルデナフィルを用いた処置の最小濃度及び持続時間を示すグラフを表す。図62Aは、コンテキスト恐怖記憶を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度が、3mg/kgであることを表す概要グラフである[n=これおとび以下のパネルの条件に対して8(オス4匹、メス4匹);F(1,14)=6.5、3mg/kgシルデナフィルでP=0.023]。図62Bは、シルデナフィルがコンテキスト恐怖記憶へのプラス効果を有するために必要とされる最短時間は、3mg/kgの濃度で、2週間であることを表す概要グラフである[F(1,14)=13.9、2週間でP=0.002]。図62Cは、空間作業記憶を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度が、3mg/kgであることを表す概要グラフである[A4:F(1,14)=12.7、P=0.001及びR:F(1,14)=13.6、3mg/kgシルデナフィルでP=0.002]。図62Dは、シルデナフィルが空間作業記憶へのプラス効果を有するために必要とされる最短時間が、3mg/kgの濃度で、2週間であることを表す概要グラフである[A4:F(1,14)=12.9、P=0.001及びR:F(1,14)=9.6、2週間でP=0.008]。図62Eは、MWMを用いた能力を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度が、3mg/kgであることを表す概要グラフである(隠しプラットフォームの最後の試験でプラットフォーム達するために必要とされる時間を表すグラフである)[F(1,14)=16.9、3mg/kgシルデナフィルでP=0.001]。図62Fは、プローブ試験での能力を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度が、3mg/kgであることを表す概要グラフである(グラフは、ターゲット象限−TQ中で費やした時間の割合を表す)[F(1,14)=18.3、3mg/kgシルデナフィルでP=0.001]。図62Gは、シルデナフィルがMWMを用いた能力を改善するために必要とされる最短時間が、3mg/kgの濃度で、2週間であることを表す概要グラフである[F(1,14)=16.8、2週間でP=0.001]。図62Hは、シルデナフィルがプローブ試験での能力を改善するために必要とされる最短時間が、3mg/kgの濃度で、2週間であることを表す概要グラフである[F(1,14)=16.8、2週間でP=0.001]。
6〜8ヶ月の年齢に達するにつれて、BST及びLTPを改善するために3ヶ月齢のAPP/PS1マウスにおいて必要とされるシルデナフィルを用いた処置の最小濃度及び持続時間を示すグラフを表す。図63Aは、BSTを改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度が3mg/kgであることを表す概要グラフである[n=この、及び以下のパネルにおける各条件に対する8匹のオス;F(1,14)=23.32、3mg/kgシルデナフィルでP<0.001]。図63Bは、LTPを改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度が、3mg/kgであることを表す概要グラフである[F(1,14)=70.3、3mg/kgシルデナフィルでP<0.001]。図63Cは、シルデナフィルがBSTへのプラス効果を有するために必要とされる最短時間が、3mg/kgの濃度で、2週間であることを表す概要グラフである[F(1,14)=39.4、2週間でP=0.001]。図63Dは、シルデナフィルがLTPへのプラス効果を有するために必要とされる最短時間が、3mg/kgの濃度で、2週間であることを表す概要グラフである[F(1,14)=64.5、2週間でP=0.001]。
浴溶液を通して10分間適用される、シルデナフィルの6ヶ月齢のAPP/PS1動物からのスライス中のBST及びLTPへの異なる濃度の効果を表す用量反応曲線である。図64Aは、異なる濃度のシルデナフィルがfEPSP勾配を変化しないことを表すグラフである(F(4,30)=0.09、P=0.985)。図64Bは、LTPを完全に救出する阻害剤の最小有効量が、500nMであることを表すグラフである(媒体処置されたWTスライスの93%;t(1,11)=7.04、P<0.001、n=様々な群に対して7/4)。
シルデナフィルがAPP/PS1マウスのAβレベルを低下させることを表すグラフである。図65Aは、シルデナフィルが最小有効量の3mg/kgで、3ヶ月齢の遺伝子組換えマウスのAβ40及びAβ42レベルを低下させることを表す(t(12)=2.32、P=0.039及びt(12)=2.30、Aβ40及びAβ42に対して、それぞれP=0.04;様々な群に対してn=7)。図65Bは、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスにおいて3週間にわたるシルデナフィルの連日注射が、年齢7〜10ヶ月の同一マウスにおいて、Aβレベルを減少することを表す。Aβ40及びAβ42レベルを低下させる最小有効量は、3mg/kgである(t(12)=2.22、P=0.04及びt(12)=2.85、Aβ40及びAβ42に対して、それぞれP=0.01;様々な群に対してn=7)。図65Cは、3mg/kgのシルデナフィルがAβ40にプラス効果を有するために必要とされる最短時間は2週間であるが(t(12)=2.43、P=0.03)、この時、Aβ42レベルの値は有意性には達さなかったことを表す(2週間:t(12)=2.22、P=0.04;3週間:t(12)=2.85、P=0.01;様々な群に対してn=7)。図65Dは、3ヶ月の年齢で投与された3mg/kgのシルデナフィルが、7〜8ヶ月の年齢の同一マウスのAβ40にプラス効果を有するために必要とされる最短時間は、3週間であるが(t(12)=2.33、P=0.03)、2週間でAβ42のレベルは、わずかに優位性を上回ることを表す(2週間:t(12)=2.02、P=0.06;3週間:t(12)=2.95、P=0.01;様々な群に対してn=7)。
本発明は、優れたPDE5阻害効力、高い選択性、血液脳関門(BBB)を越える合理的な薬物動態及び良好な透過性を有するキノリン含有化合物のクラスを提供する。これらの化合物は、米国で第3に費用のかかる疾患である、AD患者の副作用を最小化するために使用することができる。また、本発明の化合物は、勃起不全(ED)、肺高血圧症、心血管障害、糖尿病、及び消化器疾患を治療するために使用することができる。
幾つかの実施形態において、本発明は、対象中のβセクレターゼ活性又は発現の、持続された又は長期の低下を引き起こすことができるPDE5阻害剤を同定するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、PDE5阻害剤の投与終了後、対象中のβセクレターゼ活性又は発現の順調な低下を引き起こすことができるPDE5阻害剤を選択するための方法を提供する。例えば、PDE5阻害剤は、少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれ以上のAβ蓄積の動物モデル(APP/PS1マウス等)中のβセクレターゼ活性又は発現の低下を引き起こすそれらの能力に基づいてスクリーニング又は選択されることができる。
Aβ蓄積動物モデルで試験されるPDE5阻害剤化合物の候補プールを収縮するため、最初にPDE5阻害剤は、それら所有の特定の特徴、1つ又はそれ以上を有する等、に基づいてスクリーニング又は選択されることができる:約100nMを越えないIC50;他のPDEに対してよりも、PDE5に対して少なくとも50倍を超える選択性;約50nMを越えないIC50を有するインビトロでのPDE5阻害活性、BBBを透過する能力;cGMPを、少なくとも約20%(又は少なくとも約80%)加水分解する能力;化合物及びヒドロキシル基である第2の架橋リガンドを有するPDE5間の相互作用;ならびに化合物及びアミノ酸残基F787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせ(全ての4つの残基での接触を含む)でのPDE5との接触を含むPDE5間の相互作用。
幾つかの実施形態において、Aβ蓄積動物モデルで試験されるPDE5阻害剤の候補プールは、最初に本明細書で説明される「医薬品化学」戦略(実施例を参照されたい)に基づいてスクリーニング又は選択されることができる。例えば、報告されるPDE5阻害剤及び知られているSARデータ(図12)の構造分析に基づいて、構造的に関するが、公式に独立した足場I〜IVである4つのクラス(図13を参照されたい)の構造解析は、PDE5阻害剤候補として見なされる。最初に、これらの足場に由来する化合物は、スクリーニングされ、計算モデル上で最適化され得る。最も高いスコアを伴う化合物は、合成され、効力に対して試験されるであろう。この段階で、合成努力は、効力/選択性の結果を試験することによって導かれる。満足な効力及び選択性(リード化合物)を伴う化合物は、PK、生物学的利用率/脳透過、及びオフターゲット活性(安全性)に対してさらに研究されるであろう。選択された化合物を、βセクレターゼ活性又は発現の持続された又は長期の低下の持続を引き起こすかを決定するために、Aβ蓄積動物モデルで試験することができる。本明細書で使用されるように、PDE5阻害剤化合物は、化合物がまた他のPDEを阻害することができる可能性を必ずしも妨げない。
したがって、本開示は、PDE5阻害剤化合物が、シナプス機能障害及び阻害剤の投与を超えて持続する記憶喪失に対して、持続及び保護効果を示すという発見を提供する。幾つかの実施形態において、PDE5阻害剤化合物は、望まれ、スクリーニングされ、αセクレターゼへの持続増強効果を有するものの、βセクレターゼに影響を与える持続阻害を有するものが選択される。幾つかの実施形態において、治療薬(AD等のアミロイドβペプチド蓄積に関連する条件)をスクリーニングするための方法は、薬剤が、βセクレターゼ活性又は発現への持続阻害影響及び/又はαセクレターゼ活性又は発現への持続刺激影響に発現するかを試験することを含む。
幾つかの実施形態において、本発明は、神経機能障害へと導くAβ標的と相互作用する薬剤を同定、かつ使用することを対象とする。また、本発明は、PDE5タンパク質発現又は活性を調節する化合物、又はセクレターゼ(例えば、α及びβセクレターゼ)の活性又は発現を調節する化合物を提供する。例えば、化合物はPDE5阻害剤であり得る、AD等の神経変性疾患の進行を相殺する化合物のクラス(Puzzo t al [12])。現在使用されるAD治療法(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤又はNMDA拮抗薬等)は、制限された有効性を有する。
アルツハイマー病
アルツハイマー病(AD)は、神経細胞脱落、細胞外老人性プラーク、及び細胞内神経原線維変化、記憶喪失を引き起こすことによって特徴づけられる。ADは、その称するところでは、少なくとも一部、Aβによって産生されるシナプス傷害として始まる(Selkoe,D.J. Alzheimer’s disease is a synaptic failure.Science(New York,N.Y 298,789−791(2002))。長期増強(LTP)中のAβ誘発された減少、学習及び記憶の基礎をなすと考えられているシナプス可塑性の生理学的相関物、及び記憶転写因子CREBのリン酸化は、一酸化窒素(NO)ドナー及びcGMP類似体によって寛解される(Puzzo,D.,et al.Amyloid−beta peptide inhibits activation of the nitric oxide/cGMP/cAMP−responsive element−binding protein pathway during hippocampal synaptic plasticity.J Neurosci 25,6887−6897(2005))。逆もまた同様に、NOシンターゼ2(NOS2)の遺伝手術は、変異アミロイド前駆タンパク質(APP)を発現するマウスのAD表現型の悪化を引き起こす(Colton,C.A.,et al.NO synthase 2(NOS2)deletion promotes multiple pathologies in a mouse model of Alzheimer’s disease.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 103,12867−12872(2006))。まとめると、これらの知見は、NO経路の上方制御がADにおいて保護的であり得ることを表す。
ADは、神経細胞脱落、細胞外老人性プラーク(SP)及び細胞内神経原線維変化(NFT)によって、神経病理的に特徴づけられる。SPは、主にAβ凝集物を含む。NFTの主要な成分は、微小管結合タンパク質タウである。臨床的に、ADは認知障害によって特徴づけられ、時間とともに、脳の進行的に大きな領域を含むシナプス傷害として始まる[1]。プロセシングの新生の概論は、脳損傷のいずれの他の臨床徴候の不在の中発生する、早期の健忘の症状の機微及び可変性が、単一のシナプスの機能における分離変化のためであり得、少なくとも一部はAβによって産生され得ることを表すシナプス機能障害[5、7、10、11]を含む。
アルツハイマー病の原因療法を発達させる重要な標的の1つは、シナプスによって表される。老人性プラーク及び神経原線維変化等の他の重要な変数は少ない程度に含まれるが[1]、シナプス変化は、臨床認知症[1、2]の重症度と高度に相関する。ADのシナプス変化の重要性は、ADの遺伝子組換え(Tg)マウスモデルの研究[3]、ならびに長期増強(LTP)の研究、スライス及びインビボの双方におけるアミロイドβ(Aβ)の適用に続いて障害される[3、5〜12]学習及び記憶(L&M)の広範に研究される細胞モデル[4]によって確認された。Aβは、顕著にLTPを阻害することが見出された。Tgを使用する電気生理学的研究、ヒトAβを産生するマウスは、基底シナプス伝達の有意な欠損及び/又は海馬中のLTPを度々明らかにした[23〜30]。
NOは、細胞生化学的プロセシング中の中枢分子である。ガスは、シナプス可塑性ならびに学習及び記憶への発達から、脳生理学の様々なステップにおいて重要なメッセンジャー分子を樹立した。AD研究において、NOは、神経系のAβ誘発性障害への保護効果を有することが見出された[38〜40]。PC12細胞、交感神経細胞、及び海馬の神経細胞に行われた研究は、N−ニトロ−L−アルギニンメチルエステルによるNO合成の阻害は、Aβ誘発性神経毒性に対して保護しないが、NO発生装置Sニトロソペニシラミンを用いた処置が、ニトロシル化[39]によって、アポトーシス促進性の因子カスパーゼ2の阻害のため神経保護効果を発現することを表した。Aβは、NMDA受容体シグナル伝達を低下させることによって、NOシンターゼ(NOS)からNADPH有効性を引くことによって[41]、又はセリンスレオニンキナーゼAktのリン酸化を阻害することによって[42]、NO産生を障害することが見出された[38]。なお、i−NOS欠失は、APPマウスのAD病態を増強する[43]。したがって、NOカスケードを増強する薬物は、ADに対して有益な効果を有する[44]。
NOの神経保護的機能は明白であり、議論の余地はないが、またガスは高濃度で産生される場合、神経病態及び細胞死の主要な薬剤として見られる。NOの高量は、Aβ誘発性細胞死中の酸化的及びニトロソ化ストレスの原因である有意な量のペルオキシナイトライトの産生へと導く[45−51]。実際に、NOS(i−NOS)の誘導型による高量のガスの制御されない産生が、ペルオキシナイトライトの産生を通して酸化的及びニトロソ化ストレスを促進できるにもかかわらず、神経細胞及び内皮アイソフォーム、n−NOS及びe−NOS、の双方を含むNOSの構成型による低量のNOの放出は、シナプス可塑性及び学習を促進する[45〜51]。したがって、可塑性及び記憶を遮断、細胞死へと導くペルオキシナイトライトの産生の双方のNOカスケードのAβ誘発性下方制御は、ADにおいて役割を果たすことができる。これらの発見を活用する薬物研究の現状は、NOカスケードを上方制御し、したがって神経保護を誘発する方法を見出し、かつ神経病態を制限するため、ペルオキシナイトライト毒性作用を遮断する方法を見出すことの双方に集中している[52]。
PDE5阻害
本明細書において、治療方針は、NO産生の下流レベルで、ステップに集中することによって、NO産生をバイパスすることができる。PDE5、GMPを分解する酵素は、その必要のある対象中のAβ沈着物を治療することを目標とした本開示の治療法の下流標的である。PDE5は、PDEの11型/ファミリー(PDE1〜PDE11)を含む酵素のスーパーファミリーの一部であり、それらの幾つかは、ショウジョウバエ(キイロショウジョウバエ)からヒトの範囲の多種多様な生体における記憶及び行動において、重大な役割を果たす[53]。PDEはマルチドメインタンパク質であり、C−終端に局在している約270個のアミノ酸は、11ファミリー間で高度に保存される。このドメインは、PDEの触媒作用機能を含有する。非相同アミノ酸セグメントは、制御機能をゆうするか、あるいは特異的結合特性を与える。PDE2、PDE5、PDE6、及びPDE10は、それらの制御アミノ末端部内で、推定GAFドメインを含有し、cGMPに結合することを表す。
PDE5、cGMP特異的PDEは、血管及び内臓平滑筋、血小板、ならびに骨格筋等の様々な組織中の濃度を変化させることに見られる。cGMP特異的PDEは遍在的に発現され、海馬、皮質、及び小脳を含む、認知機能に関連する数個の脳領域に見出すことができる[17、18]。PDE5は、保存されたC終端、亜リード含有、触媒作用ドメイン、及びN終端制御ドメインを含む。N終端は2つのGAFドメイン反復を含有すると同時に、PDE5のC終端はcGMPの切断を触媒し、それぞれはcGMP結合部位を含有する(高い親和性及び他の低い親和性のうちの1つ)。PDE5活性の制御は、高い及び低い親和性cGMP結合部位へのcGMPの結合を介して発生し、その後リン酸化が発生し、それは、双方の部位が占有されている場合にのみ発生する。PDE5の阻害はcGMP分解を低下し、したがってcGMPレベルの維持を可能にする。例えば、シルデナフィルは、PDE5の強力な阻害剤であり、Viagra(商標)の活性成分である。
幾つかの臨床的に有用な薬物は、PDEのファミリー選択的阻害剤として開発された。しかしながら、いずれも、βセクレターゼ発現又は活性への長期にわたる阻害効果、ならびにαセクレターゼ発現又は活性への長期にわたる興奮効果を発現しないことを表している。前臨床研究は、選択的PDE5阻害剤シルデナフィル及びバルデナフィルが海馬のcGMPレベルを上昇させ、高齢のラット(Prickaerts et al,2002)及びマウス(Baratti & Boccia,2001)の記憶を改善することを表している。ヒト研究において、シルデナフィルは、ヒトにおける選択的保持及び言語認識記憶を増強することが見出された(Schultheiss et al,2001)。シルデナフィル(Pfizer社よりViagra、ピラゾロ−[4,3−d]−ピリミジノン誘導体)は血液脳関門(BBB)を通過することが報告されているため、それは中枢神経系の研究のための良好な候補を表す。バルデナフィルの証拠は間接的であり(Prickaerts,J.,et al.Neurochem Int 45,915−928(2004))、及びダラフィルはそれを通過する見込みは無い。シルデナフィルは、6.0nMのPDE5に対してIC50、及びげっ歯類において0.4時間のインビボ半減期を有する(ヒトにおいて〜4時間)(Walker,D.K.,et al.Xenobiotica 29,297−310(1999);Daugan,A.,et al.J Med Chem 46,4533−4542(2003))。加えて、脳のそばの心筋及び血管で発現されるPDE1を含む全ての他のPDEイソ酵素よりも、それはPDE5に対して非常に選択的であり、血管拡張及び頻脈(選択性比率180)を引き起こすことができ(Daugan,A.,et al.J Med Chem 46,4533−4542(2003))、網膜中でのみ発現されるPDE6は、過渡的に視覚を障害することができる(選択性比率12)(Daugan,A.,et al.J Med Chem 46,4533−4542(2003))。
神経、心血管、及び免疫系の様々な生理的プロセシングは、NO/cGMPシグナル経路によって調節される。例えば、平滑筋において、NO及びナトリウム利尿ペプチドは、cGMPを通して緩和を刺激することにより、血管緊張を制御する。cGMPの分解は環状ヌクレオチドPDEによって調節され、PDE5は最も発現された、これらの細胞中でcGMPを加水分解するPDEである。NO経路を上方制御する1つの効果的手段は、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)の阻害剤、PDEの11型を含む酵素のスーパーファミリーのメンバーを通してcGMPレベルを増加することにより、それらの幾つかは、ショウジョウバエ(キイロショウジョウバエ)からヒトの範囲の多種多様な生体における記憶及び行動において、重大な役割を果たす(Davis,1996、Barad et al,1998、Zhang et al,2004)。これらの薬物は、勃起不全及び肺高血圧症を治療するために、広範に使用されている。したがって、それらの副作用は知られており、ヒトのそれらの使用を妨げてはいない。興味深いことに、PDE5は、認知機能に関連する、海馬、皮質、及び小脳等の数個の脳領域で発現される(van Staveren,W.C.,Steinbusch,H.W.,Markerink−van Ittersum,M.,Behrends,S.& de Vente,J.Eur J Neurosci 19,2155−2168(2004);Van Staveren,W.C.,et al.J Comp Neurol 467,566−580(2003))。
転写因子CREBをリン酸化し、cGMP依存性タンパク質キナーゼ(PKG)を活性化する環状GMPは、神経伝達、LTP、及び記憶の調節に関係している[13〜16]。認知機能に関連する、海馬、皮質、及び小脳等の数個の脳領域で発現される酵素[17、18]、cGMP分解酵素ホスホジエステラーゼ−5(PDE5)の阻害を介すcGMPレベルの上昇は、高齢のラット[14]及びマウス[16]の記憶を改善する。また、PDE5阻害剤シルデナフィル(Viagra)を介したcGMPの上昇は、ヒトにおける選択的保持及び言語認識記憶を増強する[19]。L&M上のcGMPの効果は細胞内及び外一酸化窒素(NO)によって媒介され、分子の産生は、溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)によって刺激される[20〜22]。前臨床研究は、選択的PDE5阻害剤シルデナフィル及びバルデナフィルが海馬のcGMPレベルを上昇させ、高齢のラット(Prickaerts,J.,de Vente,J.,Honig,W.,Steinbusch,H.W.& Blokland,A.Eur J Phアームacol 436,83−87(2002))及びマウス(Baratti,C.M.& Boccia,M.M.Behav Pharmacol 10,731−737(1999))の記憶を改善することを表している。Tg Aβを産生しているマウスを使用するさらなる研究は、CREBタンパク質のリン酸化において年齢依存性の低下を明らかにし、これらの研究は、LTP中のAβ媒介性変化の根底にある機構への手がかりを提供した[31〜33]。CREBリン酸化は記憶形成に必要であり、cAMPレベルによって制御され、cAMP依存性タンパク質キナーゼ(PKA)によって[34〜36]、ならびにcGMPレベルによって活性化され、cGMP依存性タンパク質キナーゼ(PKG)によって活性化される[37]。重要なことに、インビトロ研究は、PKA及びPKGをAβ不活性化し、それによってcAMP、リン酸化CREB、及びLTPを減少することが報告されている[10、12、33]。これらの観察は、CREBシグナル経路を増強し、NO活性化カスケードを介して作用する薬剤は、ADの治療に対する可能性を有することを表す。
中枢神経系疾患のために最適化されたPDE5阻害剤
いずれの市販のPDE5阻害剤も、AD等の中枢神経系の慢性疾患に対する投与に必要とされる特徴を有するようには開発されていなかった。したがって、幾つかの実施形態において、本発明は、中枢神経系疾患を治療するために最適化された化合物を作成する1つ以上の特徴を有することに基づいて、薬剤又は化合物を選択することを含む、AD(もしくは他のAβ蓄積に関する状態)の治療のための薬剤又は化合物を同定するための方法を提供する。例えば、特徴は、約100nMを越えないIC50;他のPDEに対してよりも、PDE5に対して少なくとも50倍大きい選択性;約50nMを越えないIC50を有するインビトロでのPDE5阻害活性、BBBを透過する能力;少なくとも約20%(又は少なくとも約80%)cGMPを加水分解する能力;化合物とヒドロキシル基である第2の架橋リガンドを有するPDE5との間の相互作用;ならびに化合物とアミノ酸残基F787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせでのPDE5との接触を含むPDE5との間の相互作用を含み得る。
幾つかの実施形態において、本発明は、Aβ蓄積に関連する状態の治療のための薬剤又は化合物を同定又は設計するための方法を提供し、コンピューター支援医薬品化学方法が、上述の特徴の1つ以上を満足させる、かつ/又は本明細書で説明される様々なバイオアッセイの強度に適するために合わせて作られた薬剤又は化合物を、同定及び/又は設計するために使用される。
幾つかの実施形態において、本発明は、既存のPDE5阻害剤の構造活性関係(SAR)特徴の徹底解析を通して同定された4つの足場構造に基づいて、PDE5阻害剤化合物を提供する。足場構造は、未来の化合物の発達のためのリードとして役立ち、かつ役立ち続けるであろう[実施例3を参照されたい]。4つの足場構造に基づいて化合物は、上記の[0091]項で説明された特徴の1つ以上を有する、及び/又はAβ蓄積の動物モデル(APP/PS1マウス等)中のβセクレターゼ活性又は発現の低下を引き起こすそれらの能力を求めてスクリーンされ得る。
本発明は、異常に上昇したアミロイドβプラークを示す対象を治療するために使用することができる化合物を、同定するための方法を提供する。加えて、本発明は、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、封入体筋炎、又は脳アミロイド血管症、高血圧、及び勃起不全の治療のために使用できる化合物を同定するための方法を提供する。方法は、PDE5ポリペプチド分子に結合できる及び/又はPDE5の生物活性又はその発現への阻害効果を有する試験化合物又は薬剤(例えば、ペプチド(抗体又はその断片等の)、小さい分子、核酸(siRNA又はアンチセンスRNA等の)、もしくは他の薬剤)の同定を含むことができ、その後、これらの化合物は、セクレターゼ活性を調節及び/又はAβ沈着物を低下することができるかを決定する。一実施形態において、化合物はPDE5阻害剤である。
本明細書に見られる「調節」という用語は、タンパク質分子の活性又は発現における変化を指す。例えば、調節は、タンパク質活性、結合特徴、又はセクレターゼタンパク質分子のいずれの他の生物学的、機能的、もしくは免疫学的特性における、増加あるいは低下を引き起こすことができる。
一実施形態において、PDE5阻害剤化合物は、ホスホジエステラーゼタンパク質に結合するPDE5タンパク質のペプチド断片であり得る。例えば、PDE5分子は、配列番号1又は配列番号2の少なくとも約8連続アミノ酸のいずれの部分も包含できる。断片は、配列番号1又は配列番号2の少なくとも約10アミノ酸、少なくとも約20アミノ酸、少なくとも約30アミノ酸、少なくとも約40アミノ酸、少なくとも約50アミノ酸、少なくとも約60アミノ酸、又は少なくとも約75アミノ酸を含むことができる。
配列番号1は、PDE5酵素(残基1〜875、Genbank登録番号第AAI26234)に対応するヒト野生型アミノ酸配列である:
Figure 2012513464
配列番号2は、PDE5酵素(残基1〜865、Genbank登録番号第NP_700471)に対応するマウス野生型アミノ酸配列である:
Figure 2012513464
断片は、約8〜100アミノ酸までを含む、全ての可能なアミノ酸の長さを含む、例えば、長さ約10〜100アミノ酸、約15〜100アミノ酸、約20〜100アミノ酸、約35〜100アミノ酸、約40〜100アミノ酸、約50〜100アミノ酸、約70〜100アミノ酸、約75〜100アミノ酸、又は約80〜100アミノ酸である。これらのペプチド断片は、商業的に得ることができるか、もしくは液相又は固相合成方法を通して合成され得る(Atherton et al.,(1989)Solid Phase Peptide Synthesis:a Practical Approach.IRL Press,Oxford,England)。PDE5ペプチド断片は、自然源、遺伝子改変、又は化学的調製から単離され得る。これらの方法は、当技術分野においてよく知られている。
また、PDE5阻害剤化合物は、ホスホジエステラーゼ酵素、PDE5に対する、抗体(単クローン、ポリクローナル、ヒト化等)又はその結合断片等のタンパク質であり得る。抗体断片は、全長形態の他に、抗体の形態であり得、操作された抗体断片に加えて、全長抗体範囲内で存在する部分又は成分を含む。抗体断片は、単鎖Fv(scFv)、二重特異性抗体、Fv、及び(Fab′)2、三重特異性抗体、Fc、Fab、CDR1、CDR2、CDR3、CDRの組み合わせ、変数領域、四重特異性抗体(tetrabody)、二機能性雑種抗体、フレームワーク領域、定常部等(Maynard et al.,(2000)Ann.Rev.Biomed.Eng.2:339−76、Hudson(1998)Curr.Opin.Biotechnol.9:395−402、を参照されたい)を含むことができるが、それらに限定されない。抗体は、商業的に得ることができ、カスタム生成され得る、もしくは当技術分野において樹立された方法に従って、目的の抗原に対して合成され得る(Janeway et al.,(2001)Immunobiology,5th ed.,Garland Publishing)。
PDE5タンパク質をコード化するRNAの阻害は、RNAが転写されるもののPDE5遺伝子の発現を効果的に調節できる。阻害剤は、RNA又はRNAiを干渉するsiRNA、dsRNA、RNAポリメラーゼIIIが転写されたDNA、リボザイム、及びRNA、DNA又は人工核酸であり得るアンチセンス核酸を含む群より選択される。
アンチセンスDNA、RNA、及びDNA/RNA分子を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは標的mRNAに結合することによって、タンパク質翻訳を防止することによって、mRNAの翻訳を直接遮断するように作用する。例えば、少なくとも約15塩基の、及びDE5ポリペプチドをコード化するDNA配列のユニーク領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、従来のフォスフォジエステル技術によって、合成することができる(Dallas et al.,(2006)Med.Sci.Monit.12(4):RA67−74、Kalota et al.,(2006)Handb.Exp.Pharmacol.173:173−96;Lutzelburger et al.,(2006)Handb.Exp.Pharmacol.173:243−59)。
siRNAは、約15〜約50個の塩基対、例えば約21〜約25個の塩基対を含有し、細胞内の発現された標的遺伝子もしくはRNAと同一、又はほぼ同一のヌクレオチド配列を有する二本鎖構造を含む。アンチセンスヌクレオチド配列は、モルフォリノ、2’−O−メチルポリヌクレオチド、DNA、RNA等、を含むが、それらに限定されない。RNAポリメラーゼIIIが転写されたDNAは、U6プロモーター等のプロモーターを含有する。これらのDNAは、アンチセンスRNAとして機能できるsiRNA又は直鎖RNAとして機能できる、細胞中の小さなヘアピンRNAを産生するために転写できる。PDE5阻害剤化合物は、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、合成ヌクレオチド、又は標的RNA及び/又は遺伝子が阻害されるのに好適ないずれの組み合わせを含有できる。加えて、核酸のこれらの形態は、単鎖、二本鎖、三本鎖、又は四本鎖であり得る。(例えば、Bass(2001)Nature,411,428 429、Elbashir et al.,(2001)Nature,411,494 498、及びPCT公報番号国際公開第00/44895号、国際公開第01/36646号、国際公開第99/32619号、国際公開第00/01846号、国際公開第01/29058号、国際公開第99/07409号、国際公開第00/44914号)。
幾つかの実施形態において、PDE5阻害剤は、ホスホジエステラーゼタンパク質(例えば、PDE5タンパク質)に結合し、その機能を破壊する小分子であり得る。小分子は、概して、低分子量を有する合成及び天然物質の多種多様な群である。それらは、自然源(例えば、植物、真菌、微生物等)から単離され得、商業的に得ることができ、及び/又はライブラリー、又はコレクション、又は合成として利用可能である。PDE5を阻害する候補小分子は、インシリコでのスクリーニング、又はコンビナトリアルラブラリーのハイスループット(HTP)スクリーニングを介して同定できる。アスピリン、ペニシリン、及び多くの化学療法剤等の多くの従来の医薬品は、小分子であり、商業的に得ることができ、化学的に合成することができ、又は以下で説明されるように、ランダム又はコンビナトリアルラブラリーから得ることができる(Werner et al.,(2006)Brief Funct.Genomic Proteomic 5(1):32−6)。
PDE5ポリペプチド等の目的の分子の第1の配列の知識、及び同一PDEファミリー(PDE1、PDE2、PDE3、PDE4、PDE6、PDE7、PDE8、PDE9、PDE10、又はPDE11等)の他のタンパク質を伴う配列の類似性は、目的のタンパク質へ、阻害剤又は拮抗薬として情報を提供できる。拮抗薬の同定及びスクリーニングは、タンパク質の構造的特徴を決定することによって、例えば、X線結晶解析、中性子回折法、核磁気共鳴分析法、及び構造決定のための他の技術を使用して、さらに促進できる。これらの技術は、タンパク質刺激薬に加えて、合理的設計、又は拮抗薬の同定を提供する。
本発明は、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積、かかるAD、に関連する状態を治療するために使用される化合物をスクリーニング及び同定するための方法を提供する。一実施形態において、その方法は、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積の動物モデルへのPDE5阻害剤化合物の投与の完了後少なくとも1ヶ月間、セクレターゼ活性を調節できるPDE5阻害剤化合物を選択すること、を含む。別の実施形態において、方法は、以下の1つ、又は双方の特徴を含むPDE5阻害剤化合物を選択することを含む:(a)該化合物は、ホスホジエステラーゼタンパク質の2個以上のアミノ酸残基と相互作用し、前記アミノ酸残基はF787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせを含む、あるいは(b)該化合物と、ホスホジエステラーゼタンパク質との間の第2の架橋リガンド(BL2)はOH−である。別の実施形態において、方法は、以下の1つ以上の特徴を有するPDE5阻害剤化合物を選択することを含む:(a)化合物のIC50は約1000nMを越えない、(b)化合物の選択性は、PDE1、PDE2、PDE3、PDE4、PDE6、PDE7、PDE8、PDE9、PDE10、又はPDE11と比較して、PDE5に対して、少なくとも50倍大きな効力である、(c)化合物のインビトロでのPDE5阻害活性は約50nMを越えないIC50を有する、(d)化合物は血液脳関門を透過する、(e)化合物は、cGMPを約20%〜約80%加水分解する、(f)化合物と、ホスホジエステラーゼタンパク質との間の第2の架橋リガンド(BL2)はOH−である、又は(g)該化合物は、ホスホジエステラーゼタンパク質の2個以上のアミノ酸残基と相互作用し、アミノ酸残基はF787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態において、その化合物、例えば、PDE5阻害剤は、少なくとも約0.1nM、少なくとも約1nM、少なくとも約5nM、少なくとも約10nM、少なくとも約25nM、少なくとも約50nM、少なくとも約100nM、少なくとも約200nM、少なくとも約300nM、少なくとも約400nM、少なくとも約500nM、少なくとも約600nM、少なくとも約700nM、少なくとも約800nM、又は少なくとも約900nMを有する。別の実施形態において、インビトロでのPDE5阻害活性は、少なくとも約0.1nM、少なくとも約1nM、少なくとも約5nM、少なくとも約10nM、少なくとも約15nM、少なくとも約20nM、少なくとも約25nM、少なくとも約30nM、少なくとも約35nM、少なくとも約40nM、少なくとも約45nMであるが、約50nMを越えないIC50を有する。幾つかの実施形態において、PDE5阻害剤化合物は、血液脳関門を透過するために、分子量約500Da未満を有することができる。他の実施形態において、PDE5阻害剤化合物は、極性表面積約90Å2未満を有することができ、血液脳関門を透過するために、8個又はそれより少ない水素結合を有するべきである。化合物のスクリーニング及び同定は、インシリコスクリーニング、分子ドッキング、インビボスクリーニング、インビトロスクリーニング、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
PDE5阻害剤化合物等の試験化合物は、合成又は天然化合物の大きなライブラリーからスクリーニングされ得る(Wang et al.,(2007)Curr Med Chem,14(2):133−55、Mannhold(2006)Curr Top Med Chem,6(10):1031−47、及びHensen(2006)Curr Med Chem 13(4):361−76を参照されたい)。多数の手段は、ペプチド、及び核酸に基づく化合物のランダム及び定方向合成のために、現在使用されている。合成化合物ライブラリーは、Maybridge化学的Co.(Trevillet,Cornwall,UK)、Comgenex(Princeton,N.J.)、Brandon Associates(Merrimack,N.H.)、及びMicrosource(New Milford,Conn.)より商業的に入手可能である。まれな化学的ライブラリーは、Aldrich(Milwaukee,Wis.)より入手可能である。代替的に、細菌性、真菌性、植物性、及び動物性抽出物の形態の天然化合物のライブラリーは、例えば、Pan研究室oratories(Bothell,Wash.)又はMycoSearch(N.C.)より入手可能であり、容易に産生可能である。加えて、天然及び合成的に産生されたライブラリー及び化合物は、従来の化学的、物理的な、及び生化学的手段を通して、容易に修飾される(Blondelle et al.,(1996)Tib Tech 14:60)。
分子のライブラリーを調製するための方法は、当技術分野においてよく知られており、多くのライブラリーは商業的に入手可能である。本発明における目的のライブラリーは、ペプチドライブラリー、ランダム化オリゴヌクレオチドライブラリー、合成有機コンビナトリアルライブラリー等を含む。縮重ペプチドライブラリーは、細菌性鞭毛ペプチドディスプレイライブラリーとして、又はファージディスプレイライブラリーとして固定化形態で、溶液中で容易に調製することができる。ペプチドリガンドは、少なくとも1個のアミノ酸を含有するペプチドのコンビナトリアルラブラリーから、選択することができる。ライブラリーは、合成されたペプトイド及び非ペプチド合成部分であり得る。かかるライブラリーをさらに合成することができ、それは、それらの自然発生の対応物と比較して、酵素分解に供じにくい非ペプチド合成部分を含有する。また、ライブラリーは、例えば、プラズミド上ペプチド(peptide−on−plasmid)ライブラリー、ポリソームライブラリー、アプタマーライブラリー、合成ペプチドライブラリー、合成小分子ライブラリー、神経伝達物質ライブラリー、及び化学的ライブラリーを含むが、これらに限定さないことを意図する。また、ライブラリーは、環状炭素、もしくはヘテロ環状構造、及び/又は本明細書で説明される機能的基の1つ以上で置換される芳香族又は多環芳香族構造も含むことができる。
また、小分子コンビナトリアルラブラリーは、生成され得、スクリーニングされ得る。小さな有機化合物のコンビナトリアルライブラリーは、多様性の1つ以上点において互いとは異なる、密接に関する類似体のコレクションであり、多段階プロセシングを使用した有機技術によって合成される。コンビナトリアルラブラリーは、膨大な数の小さな有機化合物を含む。コンビナトリアルライブラリーの一タイプは、化合物アレイを産生するための平行合成方法の手段によって、調製される。化合物アレイは、Cartesian座標中のそれらの空間アドレスによって同定可能な化合物のコレクションであり得、それぞれの化合物は、分子のコア及び1つ以上の可変性の構造的多様性エレメントを有するように配置され得る。そのような化合物アレイ中の化合物は、別々の反応槽中に、それらの空間アドレスによって同定、追跡されたそれぞれの化合物と共に、平行に産生される。平行合成混合物及び平行合成方法の実施例は、1994年1月5日に提出された米国特許出願第08/177,497号、及び1995年7月13日に公開されたその対応するPCT公開された特許出願国際公開第95/18972、及び1998年1月27日に付与された米国特許第5,712,171号、及びその対応するPCT公開された特許出願国際公開第96/22529号に提供され、参照により組み込まれる。
化学的に合成されたライブラリーの例は、Fodor et al.,(1991)Science 251:767−773、Houghten et al.,(1991)Nature 354:84−86、Lam et al.,(1991)Nature 354:82−84、Medynski,(1994)BioTechnology 12:709−710、Gallop et al.,(1994)J.Medicinal Chemistry 37(9):1233−1251、Ohlmeyer et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922−10926、Erb et al.,(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422−11426、Houghten et al.,(1992)BioTechnology 13:412、Jayawickreme et al.,(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1614−1618、Salmon et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11708−11712、1993年10月14日出願のPCT公報番号国際公開第93/20242号、及びBrenner et al.,(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5381−5383に説明される。
ファージディスプレイライブラリーの実施例は、Scott et al.,(1990)Science 249:386−390、Devlin et al.,(1990)Science,249:404−406、Christian,et al.,(1992)J.Mol.Biol.227:711−718、Lenstra,(1992)J.Immunol.Meth.152:149−157、Kay et al.,(1993)Gene 128:59−65、及びPCT公報番号国際公開第94/18318号に説明される。
インビトロ翻訳に基づくライブラリーは、PCT公報番号国際公開第91/05058、及びMattheakis et al.,(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9022−9026に説明されるものを含むが、それらに限定されない。
一非限定的例において、ベンゾジアゼピンライブラリー等の非ペプチドライブラリー(例えば、Bunin et al.,(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:4708−4712を参照されたい)は、スクリーニングされ得る。また、Simon et al.,(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367−9371に説明されるもの等のペプトイドライブラリーも、使用され得る。ペプチド中のアミド機能性が、化学的に形質転換されたコンビナトリアルライブラリーを生成するためにペルメチレン化されている、使用され得るライブラリーの別の実施例は、Ostresh et al.(1994),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11138−11142に説明される。
活性部位の三次元幾何構造、例えば、PDE5ポリペプチドのそれは、完全な分子構造を決定できるX線結晶解析等の、当技術分野において知られている方法によって決定され得る。固相又は液相NMRは、特定の分子内距離を決定するために使用され得る。構造決定のいずれの他の実験方法も、部分的な又は完全な幾何構造を得るために、使用され得る。幾何構造は、決定された活性部位構造の正確性を増加できる、自然又は人口の複合型リガンドを用いて測定することができる。一実施形態において、PDE5タンパク質に結合する化合物は、:(1)試験化合物の電子ライブラリーを提供すること、(2)表1に列挙される、PDE5の活性部位に対して少なくとも20個のアミノ酸残基の原子座標を提供すること、その座標は、そこからCα原子の少なくとも50%に関し、約2Åを越えない、標準偏差をコンピューター可読のフォーマットで有する(PDB Entry No.1RKPを参照されたい)、(3)PDE5タンパク質の三次元モデルを生成するため、コンピュータープロセッサによって可読な電気シグナルへと原子座標を転換すること、(4)データ処理方法を行うことと、(該ライブラリーからの電子試験化合物はPDE5タンパク質の三次元モデル上にドッキングされる)、(5)いずれの試験化合物がPDE5タンパク質の三次元モデルの活性部位に適合するかを決定すること、それによって、どの化合物がPDE5に結合するかを同定すること、を通して同定され得る。別の実施形態において、その方法は、PDE5タンパク質の活性部位をドッキングするために決定された化合物を合成すること、又は得ること、結合に好適な条件下でPDE5タンパク質を化合物に接触させることと、化合物がPDE5タンパク質発現又はmRNA発現、もしくはPDE5タンパク質活性を、診断アッセイを使用して調節するかを決定すること、をさらに含む。
表1.ホスホジエステラーゼV型結晶の残基の原子座標(http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1RKPを参照されたい)。
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タンパク質配列中のタンパク質立体構造の変化への効果を予測するための方法は、当技術分野において知られており、したがって当業者は、知られている方法に従って拮抗薬として機能する変異体を設計できる。そのような方法の一実施例は、タンパク質のデノボ設計を説明する、Dahiyat and Mayo in Science(1997)278:82 87に説明される。方法は、ポリペプチド配列の一部のみ変える、知られているタンパク質に適用され得る。同様に、Blake(米国特許第5,565,325)は、同様の、又は修飾された機能を伴う変異体を予測し、合成するために、知られているリガンド構造の使用を教示する。
標的に結合するペプチドを調製、又は同定するための他の方法は、当技術分野において知られている。分子インプリントは、例えば、分子に結合するペプチド等の巨大分子構造のデノボ構成のために、使用できる。例えば、Kenneth J.Shea,Molecular Imprinting of Synthetic Network Polymers:The De Novo synthesis of Macromolecular Binding and Catalytic Sites,TRIP Vol.2,No.5,May 1994、Mosbach,(1994)Trends in Biochem.Sci.,19(9)、及びWulff,G.,in Polymeric Reagents and Catalysts(Ford,W.T.,Ed.)ACS Symposium Series No.308,pp 186−230,American Chemical Society(1986)を参照されたい。PDE5阻害剤の模倣物を調製するための一方法は、(i)望まれる活性を示す既知の基質(鋳型)周囲の機能的モノマーの重合、(ii)鋳型分子の除去、及び次いで(iii)鋳型のものと同様である1つ以上の望まれる特性を示す新規分子を提供するための、鋳型によって残された空隙中のモノマーの第2のクラスの重合、のステップを含む。また、ポリサッカライド、ヌクレオチド、薬物、核タンパク質、リポタンパク質、炭水化物、糖タンパク質、ステロイド、脂質、及び他の生物活性物質等の他の結合分子が、調製され得る。この方法は、機能的モノマーのフリーラジカル重合によって調製されるため、それらの自然対応物よりも安定している様々な生物学的模倣物を設計するのに有用であり、非生分解性骨格を伴う化合物をもたらす。かかる分子を設計するための他の方法は、例えば、多数の化合物及び分子モデルの合成、及び評価を必要とする構造活性関係に基づいた薬物設計を含む。
また、本発明は、PDE5タンパク質に結合する化合物を同定するためのインビボ及びインビトロ方法を提供する。一実施形態において、その方法は、(a)組織及び/又はPDE5タンパク質を発現する細胞を得ること、(b)効果的な期間、組織及び/又は細胞をリガンド源に接触させること、(c)第2のメッセンジャーの応答を測定すること、ただしその応答がPDE5タンパク質に結合するリガンドを示す、(d)リガンド源からリガンドを単離することと、(e)PDE5タンパク質を結合するリガンドの構造を同定すること、それによってPDE5タンパク質に結合し得る化合物を同定すること、を含む。本明細書で使用されるように、用語「リガンド源」は、本明細書で説明されるいずれの化合物ライブラリー、又はPDE5の刺激薬もしくは拮抗薬として作用し得る化合物を求めてスクリーニングするために使用できる、神経伝達物質のライブラリーであり得る。本明細書に列挙される、インビボ動物研究との組み合わせでのスクリーニング化合物ライブラリー[また、参照によってその全体が組み込まれる米国特許出願公報第2005/0009163号も参照されたい]、ならびに機能的及びシグナルアッセイは、AD等の異常Aβ沈着物を患っている、対象を治療するために使用できるPDE5阻害剤化合物を同定するために、使用できる。
PDE5阻害剤化合物は、PDE5分子インビボ及び/又はインビトロの活性及び/又は発現を低下する化合物であり得る。PDE5阻害剤化合物は、発現を介する、翻訳後の修飾を介する、又は他の手段によるPDE5の活性へのそれらの効果を発現する化合物であり得る。一実施形態において、PDE5阻害剤は、PDE5タンパク質又はmRNA発現、もしくはPDE5活性を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%、又は100%低下させ得る。
PDE5分子に結合する、かつ/又はPDE5分子の活性又は発現への刺激又は阻害効果を有する試験化合物又は薬剤を、様々なアッセイによって、同定することができる。そのアッセイは、試験化合物又は知られているPDE5リガンドの、PDE5タンパク質の活性部位への結合の直接又は間接測定を含む結合アッセイであり得る。また、そのアッセイは、PDE5分子の活性の直接又は間接測定を含む活性アッセイであり得る。また、そのアッセイは、PDE5mRNA又はタンパク質の発現の直接又は間接測定を含む発現アッセイであり得る。様々なスクリーニングアッセイは、AD等の神経変性疾患の動物モデルの認知及びシナプス機能への試験化合物の効果を測定することを含むインビボアッセイと組み合わせることができる。PDE5阻害剤の活性は、NO経路の下流の第2のメッセンジャーにおける変化を検出する等の、様々な手段で測定できる[図19を参照されたい]。その変化は、細胞内環状グアノシン一リン酸(cGMP)濃度、細胞内GTP濃度、細胞内タンパク質キナーゼG(PKG)濃度、CREBの細胞内リン酸化、又はそれらの組み合わせ中であり得る。例えば、PDE阻害剤の投与に続き、cGMPレベルの増加が観察される場合、阻害剤又は透析液中にその代謝物が検出される場合、その試験化合物が活性、したがってPDE5阻害剤であると見なされるであろう。
また、本発明のスクリーニング方法の診断アッセイは、PDE5分子の発現を監視することを含み得る。例えば、PDE5分子の発現の阻害剤は、PDE5陽性細胞又は組織を試験化合物と接触させる、その細胞中のPDE5タンパク質又はPDE5mRNAの発現を決定することを通して同定することができる。試験化合物の存在下でのPDE5のそのタンパク質又はmRNA発現レベルを、試験化合物の不在下でのPDE5のそのタンパク質又はmRNA発現レベルと比較する。その試験化合物を、次いでこの比較に基づいて、PDE5発現の阻害剤として同定することができる。例えば、PDE5タンパク質又はmRNAの発現は、試験化合物の不在下よりも存在下において統計学的にあるいは有意に小さい場合、その化合物は、阻害剤のPDE5タンパク質又はmRNAの発現として同定される。言い換えれば、また、その試験化合物も、PDE5阻害剤化合物(拮抗薬等の)であると言うことができる。細胞中のPDE5タンパク質又はmRNAのその発現レベルを、本明細書で説明される方法によって決定することができる。
PDE5分子、又は本明細書で説明されるPDE5変異体等の、その変異体に結合する試験化合物の能力を決定することは、実時間の二分子の相互作用解析(BIA)を使用して達成することができる[McConnell,(1992)、Sjolander,(1991)]。BIAは、相互作用のいずれも標識することなく、実時間で生体分子特異的相互作用を研究するための科学技術である(例えば、BIA−core(商標))。光学的現象表面プラズモン共鳴法(SPR)の変化は、生物学的分子間の実時間反応の示唆として使用することができる。
既知のPDE5阻害剤の構造活性関係(SAR)
既存のPDE5阻害剤の化学構造の解析は、それらを以下のクラスに分けることができることを明らかにした、1)シルデナフィル及びバルデナフィルによって表されるcGMPに基づく分子、2)タダラフィルによって表されるβカルボリン由来分子、3)ピラゾロピリジン、フタラジン、及びキノリン誘導体、4)イソキナゾリノン及びイソキノリノン誘導体。
シルデナフィル及びバルデナフィル(Bayer社よりLevitra)によって例証されるように、cGMPに基づくPDE5阻害剤は、cGMPの単純類似体であり、cGMPのプリン環上で窒素等のヘテロ原子の数及び位置においてのみ異なる(図43)。これらの早期のPDE5阻害剤は、良好な効力を表すが、PDE1及びPDE6よりも乏しい選択性を有する。例えば、PDE5のIC50は、シルデナフィル及びバルデナフィルのそれぞれ10nM及び5nMであるが、PDE6/PDE5選択性比は、シルデナフィルで12のみ、バルデナフィルで3.5のみである[Boschelli et al.,J Med Chem,2001.44(5):p.822−33、Wang et al.,Bioorg Med Chem Lett,2000.10(21):p.2477−80]。シルデナフィル及びバルデナフィルは、それらの多環式コア間の差異に基づいて、化学構造の完全に異なるクラスを表すが、これら2個の化合物は、有意な構造的類似性を共有し、それはそれらの双方が乏しい選択性と有するという事実を説明する。シルデナフィル及びバルデナフィルへの着手の成功に伴い、ピラゾロピリミジノンコア構造(例えば、Dong−A Pharm社よりUdenafil)に基づいて、新規PDE5阻害剤を開発する多数の試みが行われてきた。残念ながら、新しく設計された化合物の大抵は、たとえそれらが優れたPDE5阻害剤であったとしても、PDE6を越える乏しい選択性をシルデナフィルから受け継いだ。選択性を改善するために、幾つかの群は、シルデナフィルのフェニル環上の修飾を調査した。フェニルのピリジンへの形質転換と組み合わせたシルデナフィルのピラゾロ部分の置換パターンを変化することによって、選択性を改善した。また、化合物のこのクラスは、ピラゾロピリミジノンの6位置で窒素上に導入された、窒素又は酸素を含有する置換基を特徴付けた、それは高いPDE5効力及び選択性対最大2482倍のPDE6を有する[Barrios Sosa et al.,Bioorg Med Chem Lett,2004.14(9):p.2155−8](図43中のPf−1 、ならびに、例えば、国際公開第2002074774号、国際公開第2002074312号、欧州特許第995750号、国際公開第9849166号、欧州特許第995751号、国際公開第9307149号;欧州特許第636626号;米国特許第5294612号、欧州特許第1092718号、国際公開第9924433号;米国特許第2003199693号)。しかしながら、化合物のこのクラスの残存するPDE、ならびにPK、BBB透過、及び毒性プロファイルの選択性は知られていないことは留意されるべきである。
βカルボリンを特徴付ける分子は、PDE5阻害剤の第2のクラスの基礎を構成する。エチルβ−カルボリン−3−カルボン酸(β−CCE)は、わずかに選択的なヒダントイン、及び最終的にタダラフィルへと導いた、弱い、非選択的PDE5阻害剤であった(Lilly社よりCialis;図44)。タダラフィルは、1000を越えるPDE5/PDE1〜4及びPDE5/PDE6の選択性を伴うが、精子形成及び受精の可能性を変化できるPDE11(〜5)の乏しい選択性を伴う、非常に強力であり(IC50=5nM)、非常に選択的なPDE5阻害剤である[Graham et al.,Bioorg Med Chem Lett,2007.17(21):p.5886−93;Masliah,Histol Histopathol,1995.10(2):p.509−19]。AD薬物のためである場合、生殖機能障害が主要な問題を表す可能性は低く、タダラフィルの別の副作用である背痛が、老年人口における慢性使用の大きな問題と成り得る[Selkoe et al.,Science,2002.298(5594):p.789−91;Sant’Angelo et al.,Neurochem Res,2003.28(7):p.1009−15;Bliss et al.,Nature,1993.361(6407):p.31−9;Cullen et al.,Neuroreport,1997.8(15):p.3213−7](偶発的に、この副作用が、PDE11又は他のオフターゲット分子の阻害のためであるかは明白ではない)。SAR研究は、NH基が必須であることを示唆している。窒素のアルキル化又は硫黄による窒素の置換は、活性を消失し、必須H結合ドナーとしてのNHの役割と一致する。また、SARも、疎水性芳香族環(3,4−メチレンジオキシフェニル)が、高い効力のために必要不可欠であることを示唆した。PDE5は、ヒダントインのイミド窒素ならびにタダラフィルの遊離ピペラジンジオン窒素で、広域の範囲の置換基を許容する。少なくとも、1つのカルボニル基は重要である。いずれか1つの除去が、わずかにのみ有害であるにもかかわらず、双方の欠失は顕著に効力を低下する[Wang et al.,Bioorg Med Chem Lett,2000.10(21):p.2477−80]。それでもなお、PDE11、背痛、及びBBBを通過する能力の無さ(clogP=1.43;ほとんど酸性であるNH基は、それらの活性に対して必須であるが、化合物を極性にはできず、その結果として、BBBを透過することが困難である)に関連した乏しい選択性の問題(克服されなかった)、のため、この化合物が、AD薬物を開発するための基礎としての役割を果たすことができる可能性は低い。
また近年、一連のピリミジニルピロロキノロンも、強力及び選択的なPDE5阻害剤としてJohnson & Johnson(JJ)によって、開発された。JJ1の合成の際(図44)、ピロロキノロンJJ2を微量副産物として形成した。高いNHの酸性度(pKa〜9)が、PDE5との水素結合のその傾向を増加させるため、PDE5に対するJJ2の効力は、βカルボリン及びJJ1を越えた([Freir et al.,J Neurophysiol,2001.85(2):p.708−13],国際公開第2001087882号)。JJ2は、EDのイヌモデルにおいて、非常に良好な効力、優れた選択性及びインビボ有効性を表したが、乏しい溶解性が、この化合物のさらなる使用を妨げた。タダラフィル及び類似体に対するSARと同様に、ピロール窒素上で置換基の広域範囲に対する許容度は、効力及び選択性を保持すると同時に、溶解性及び吸収等の望まれる物理的及び化学的特性を発達させることを可能とした。結果として、JJ3は、オスラットにおいて30%を越える経口生物学的利用率、ならびにEDのイヌモデルにおいて良好なインビボ有効性を発達させ、表した[Itoh et al.,Eur J Pharmacol,1999.382(3):p.167−75;Kim et al.,J Neurosci,2001.21(4):p.1327−33]。追加の特徴(完全なPDE選択性プロファイル、PK、BBB透過)は知られていない。
さらなる別の一連の構造において、BMS1を、強力なPDE5阻害剤として報告(IC50=1nM、図45)。鋳型としてBMS1を使用し、Bristol−Myer Squibb(BMS)はBMS2(図3)を、シルデナフィル(IC50<0.8nM)と比較して改善された効力及び選択性を伴うPDE5阻害剤として同定した((Stephan et al.,J Neurosci, 2001.21(15):p.5703−14)、国際公開第2000015222号)。BMS2のX線構造は、ベンジルアミン−NH−が、アミドカルボニルとの水素結合を形成したことを表した。Eisaiの強力なPDE5阻害剤E1の構造と関連した(図45、IC50=0.56nM)、EC50=13nM)(Vitolo et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,2002.99(20):p.13217−21、国際公開第9807430号)この観察は、BMSの科学者を、化合物を束縛された立体構造及びピラゾロピリドピリダジン足場を用いて設計することへと導き、シルデナフィルのそれらより優れたPDE1及びPDE6アイソザイム選択性を伴う、強力なPDE5阻害剤BMS3(IC50=0.3nM、EC50=13nM、図45)を得た。注目すべきことに、BMS3は、2つの動物種において、視覚障害等の、少ないPDEに関する副作用を伴い望ましいPKプロファイルを有した(Walsh et al.,Nature,2002.416(6880):p.535−9)。より近年、BMS及び日本企業は、BMS2及びE1の重要な特徴の組み合わせが、BMS4により解説されるキノリン一連の誘導体へと導くことを独立して報告した。BMS4は、今までで、最も強力及び選択的なPDE5阻害剤であり、シルデナフィルよりも30倍さらに強力であり、他のPDEアイソザイムに対してシルデナフィルよりもより有意に選択的である(IC50=0.05nM、>7800選択性とPDE1〜6との対比)(Selig et al.,Learn Mem,1996.3(1):p.42−8、国際公開第0112608,2001号)。しかしながら、BMS4は、完全なPDE特異性プロファイル、ADに対するPKプロファイル及びインビボ有効性を欠乏している。加えて、ベンジルアルコールの存在は、オフターゲット副作用への懸念をもたらす。したがって、YF012403は、本明細書で考察されるように開発された。
PDE5阻害剤に基づくcGMPへの追加の環の組み込みは、構造の新しいクラスを生成した。その平面3環系、N−3置換イミダゾキナゾリノンは、シルデナフィルと比較して、改善された効力及び選択性を表す(BMS5、IC50=0.5nM、PDE1−3/PDE5>10,000、PDE6/PDE5 60、図46)。中間環への別の窒素及びベンジル基の組み込みは、強力及び選択的PDE5阻害剤の別のファミリーを形成し、BMS6によって表される(IC50=0.31nM、>10,000倍選択性とPDE1との対比及び160倍とPDE6との対比)(米国特許第2002133008号)。報告されるインビトロ特性に基づき、この足場は、PDE5/PDE6の値が60に達するため、新規PDE5阻害剤を開発することに関して、興味深い、しかしながら、また、PDE6に対するBMS6のIC50は約50nMであるため、この足場に由来する化合物も、幾つかのオフターゲット毒性をもたらし得、これらの誘導体が未だに良好なPDE6阻害剤であり得ることを示唆していることは、指摘される必要がある。
ナフタレン類似体TS1は、日本企業によって、強力及び選択的PDE5阻害剤として発見された(IC50=6.2nM、PDE1−4/PDE5>16000;図46)。cGMPを用いたTS1の上書きは、TS1のナフタレン環が、cGMPのプリン核を有意に重複し、TS1の1位置でペンダントフェニル基が、cGMPの環状リン酸基によって占有される空間を充填することを表す。この観察に基づき、強力及び選択的PDE5阻害剤のクラスは、T1032によって解説されるように同定される(IC50<1.0nM、PDE1/PDE5、1300、PDE2/PDE5>10000、PDE3/PDE5>10000、PDE4/PDE5 4700、PDE6/PDE5 28;図46)。T1032は、単離されたウサギ海綿体(EC50 7.9nM)への最も強力な弛緩作用示す(Prickaerts et al.,Eur J Pharmacol,2002,436(1−2):p.83−7、国際公開第9838168号、日本特許第2000072675号)。T1032のフェニル環への窒素原子の導入は、強力PDE5阻害(IC50=0.23nM)及び他のPDEs1〜4、6に対して優れたPDE5選択性(>100,000倍選択性とPDE1〜4との対比、240倍選択性とPDE6との対比)を用いて解説されたT1056(図46)、強力及び特異的PDE5阻害剤の別の新しい構造的クラスをさらに導いた。この化合物は、シルデナフィル(EC50=8.7nM)よりもさらに強力な、単離されたウサギ海綿体(EC50=5.0nM)への弛緩作用を表した[Ukita a et al.,Bioorg Med Chem Lett,2003.13(14):p.2341−5.]。しかしながら、T1056はPDE6に対する56nMのIC50を有するため、BMS6と同一の懸念が生じる。
現在使用されるAD治療法(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤又はNMDA拮抗薬)は、制限された有効性を有する。主要な試みは、濃縮体形成を阻害するため、炎症及び酸化障害と闘うため、β及びγセクレターゼを阻害又はセクレターゼを増加する薬剤の使用のいずれかによって、Aβオリゴマー形成を阻害する薬物の使用によって、[Nakagami et al,Br J Pharmacol,2002.137(5):p.676−82;Walsh et al.,J Neurosci,2005.25(10):p.2455−62]、又は脳からのAの除去が増大することが見られる、Aβ免疫化等の治療の使用によって[Schenk et al.,Nature,1999.400(6740):p.173−7]脳のAβ負荷を低下するために進行中である。しかしながら、APPの役割、Aβ40、及び通常の生理的機能のセクレターゼ[Wu et al.,Eur J Pharmacol,1995.284(3):p.R1−3;Kowalska et al.,Biochem Biophys Res Commun,1994.205(3):p.1829−35、Mattson et al.,J Neurochem,1999.73(2):p.532−7]は、効果的及び安全なAD治療へのアプローチを提供することにおける問題を、提示できる。
中枢神経系障害に対して最適化された例示的PDE5阻害剤化合物
本発明は、PDE5に結合する化合物を提供する。これらの化合物を、本明細書で説明されるスクリーニング方法及びアッセイによって同定することができ、PDE5タンパク質の活性又は発現を阻害する。一実施形態において、本発明は、以下の式の化合物:
Figure 2012513464
を包含し、R7及びR8は、それぞれ独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、本発明は、式Ia:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
XはCR又はNであり、
それぞれRは独立して、該環上の2、3、又は4位置で、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲン、Xと相対的である、
Rは独立して、該環上の2、3、4、5、又は6位置で、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、Rは−Hである。
別の実施形態において、Rは−OCH3等の−O−C1−C6アルキルである。
さらに別の実施形態において、Rは、ベンジル等の−C1−C6アルキル−C6−C10アリールである。
一実施形態において、XのR及び該環上のRは異なる。
別の実施形態において、R2は−Hである。
一実施形態において、本発明は、式Ib:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
XはCR又はNであり、
Rは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
1は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールであり、
2及びR3は、それぞれは独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、Rは−Hである。
一実施形態において、本発明は、式Ic:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
XはCR又はNであり、
Rは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
1は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールであり、
2及びR3は、それぞれは独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、Rは−Hである。
一実施形態において、本発明は、式Id:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
XはCR又はNであり、
Rは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
1は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールであり、
2及びR3は、それぞれは独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、Rは−Hである。
一実施形態において、本発明は、式Ie:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
XはCR又はNであり、
Rは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
1は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールであり、
2及びR3は、それぞれは独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
Rは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、ハロゲン、又はCO2−C1−C6アルキルである。
一実施形態において、Rは−Hである。
別の実施形態において、R2は−OHである。
さらなる実施形態において、R2は−Cl等のハロゲンである。
一実施形態において、R3は−Hである。
別の実施形態において、R4は、−CO2Me等の−CO2−C1−C6アルキルである。
さらに別の実施形態において、R4は−Hである。
一実施形態において、本発明は、式IIa:
Figure 2012513464
の化合物包含し、式中、
1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
実施形態において、R2はフェニル等のアリールである。
別の実施形態において、R1は−Hである。
別の実施形態において、R3は−Hである。
一実施形態において、本発明は、式IIb:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、−H、−OH、−C−Cアルキル、−O−C−Cアルキル、−C−Cアルキル−C−C10アリール、−C−C10アリール、−O−C−C10アリール、又はハロゲンである。
実施形態において、C−C10アリールは、-OH、−C−Cアルキル、−O−C1−Cアルキル、−C−Cアルキル−C−C10アリール、−C−C10アリール、−O−C−C10アリール、又はハロゲンの1個以上で置換される。
実施形態において、R2はフェニル等のアリールである。
別の実施形態において、R2は、トルイル等の−C1−C6アルキルで置換される−C6−C10アリールである。
一実施形態において、R1は−Hである。
一実施形態において、R3は−Hである。
別の実施形態において、R3は、イソプロピル等の−C1−C6アルキルである。
一実施形態において、本発明は、式IIc:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
2及びR3は、それぞれは独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
2は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、R1は−Hである。
一実施形態において、R2は−Hである。
別の実施形態において、R2は、ベンジル等の−C1−C6アルキル−C6−C10アリールである。
さらに別の実施形態において、R3は−Hである。
一実施形態において、本発明は、式IId:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
2は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C(O)−C1−C6アルキル、又はC6−C10アリールであり、
3は、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
一実施形態において、C6−C10アリールは、−OH,−C1−C6アルキ、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンの1個以上で置換される。
実施形態において、R2は、ベンジル等の−C1−C6アルキル−C6−C10アリールである。
別の実施形態において、R2は−C1−C6アルキル−C6−C10アリールであり、該−C6−C10アリール基は、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、又はハロゲンの1個以上で置換される。
具体的実施形態において、R2は−C1−C6アルキル−C6−C10アリールであり、該−C6−C10アリール基は、−OMe等の−O−C1−C6アルキルで置換される。
別の具体的実施形態において、R2は−C1−C6アルキル−C6−C10アリールであり、該−C6−C10アリール基は、−Cl等のハロゲンで置換される。
一実施形態において、R3は−Hである。
具体的実施形態において、R3は−Cl等のハロゲンである。
一実施形態において、本発明は、式IIe:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1及びR2は、それぞれ独立して、−H、−OH、−C1−C6 アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、R1はキノリン環の5、6、7、又は8位置上にあり得る、
3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、C6−C10アリールは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンの1個以上で置換される。
実施形態において、R1は、−Cl等のハロゲンである。
一実施形態において、本発明は、式IIIa:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
Rは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
1及びR2は、それぞれ独立して、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、本発明は、式IIIa−1:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
2は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、化合物は、式IIIb:
Figure 2012513464
を含み、式中、
Rは、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
1及びR2は、それぞれ独立して、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、Rは−Hである。
一実施形態において、R1は−Hである。
一実施形態において、R2は−Hである。
一実施形態において、式 IIIbの化合物はIIIb−1:
Figure 2012513464
の化合物はであり、式中、
1及びR2は、式IIIbに対して定義される。
一実施形態において、本発明は、式IIIc:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
R、R1、R4、及びR2は、それぞれ独立して、−H、−OH、−C−Cアルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、Rは−Hである。
実施形態において、R1は、−Cl等のハロゲンである。
実施形態において、R2は、−Cl等のハロゲンである。
一実施形態において、本発明は、式IIIc−1:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1及びR2は、式IIIaに対して定義される。
一実施形態において、本発明は、式IIId:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、本発明は、式IIIe:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1は、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10 アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
2は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、本発明は、式IIIf:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1及びR2は、それぞれ独立して、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、本発明は、式IVa:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1及びR3は、それぞれは独立して、−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンであり、
2は、−H、−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、又はC6−C10アリールである。
一実施形態において、R1は−Hである。
一実施形態において、R2は、メチル等の−C1−C6アルキルである。
一実施形態において、R3は−Hである。
別の実施形態において、R3は、−C1−C6アルキル又はC1−C6アルキル−C6−C10アリールである。
一実施形態において、本発明は、式IVb:
Figure 2012513464
の化合物を包含し、式中、
1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して−H、−OH、−C1−C6アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C1−C6アルキル−C6−C10アリール、−C6−C10アリール、−O−C6−C10アリール、又はハロゲンである。
一実施形態において、R1は−Hである。
一実施形態において、R2は−Hである。
一実施形態において、R3は−Hである。
一実施形態において、R4は−Hである。
一実施形態において、R5は−Hである。別の実施形態において、R5は−C1−C6アルキル又はC1−C6アルキル−C6−C10アリールである。
一実施形態において、化合物は縮合平面環系を含み、この環系は、:(1)水素結合受容体(例えば、ピリミジル環上のN及びシルデナフィル上のC=O)、又は(2)H結合ドナー(NH)もしくはH結合受容体(C=O)又は双方(アミドNH−C=O)、を含有する。
別の実施形態において、化合物は、3疎水性基(R、R、及びR)を伴う縮合平面環系を含有する。PDE5への密接な結合のため、これら3個の疎水性基の最適寸法及び本質は、酵素と、H結合受容体又はドナーとの間の水素結合の強さに依存するように思われる。縮合平面環系上のH結合受容体(C=O、N:)を用いた阻害剤のため、巨大な芳香族R基は、cGMPのリン酸によって占有される部位で、最適な適合を達成することを助ける。縮合平面環系上のH結合ドナー(すなわち、タダラフィルのNH)を用いた阻害剤のため、巨大な芳香族R1基は、疎水性Q2ポケットで最適な適合を達成することを助ける。Rは小さくあり得る、それはR及びRよりも有意ではないように見える。これらの観察は、PDE5阻害剤複合体のX線構造からの見識に適合する。R、R、Rの修飾、効力、選択性、及び経口生物学的利用率、細胞透過、ならびに血液脳関門透過等のPK特性を、微調整することができる。
一実施形態において、本発明は、式(V):
Figure 2012513464
(V)
の化合物を包含し、式中、
AはO又はNであり、
Xは−(CH2)n、C(O)、S(O)、又はS(O)2であり、
1は水素、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、−NR78、−SR7、又はヘテロシクリルであり、
2は−CH2OR6又はCO28であり、
3は水素又はハロゲンであり、
4は−CN又はハロゲンであり、
5は水素又はOR6であり、
6は水素、−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、又はC(O)R9であり、
7及びR8は、それぞれ独立して、水素、−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、又はC(O)R9であり、前記C1−C6アルキル又はC3−C8シクロアルキルは、任意に−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、−NR910、−SR9、又はヘテロシクリルで置換され、
9及びR10は、それぞれ独立して、水素、C1−C6アルキル、又はC3−C8シクロアルキルであり、nは1、2、又は3である、化合物、
あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
一実施形態において、AはNである。
一実施形態において、Xは−(CH2nであり、nは1、2、又は3である。
一実施形態において、R1は水素である。別の実施形態において、Rはシクロアルキルである。具体的実施形態において、Rはシクロプロピルであり、別の特定の実施形態において、Rはジメチルアミノである。
一実施形態において、R2はCH2−OHである。
一実施形態において、R3はHである。具体的実施形態において、Rは、クロロ等のハロゲンである。
一実施形態において、R4は−CNである。別の実施形態において、R4はハロゲン(例えば、フッ素)である。
一実施形態において、R5は水素である。別の実施形態において、R5は−OR6であり、R6は−C1−C6アルキル、又はC3−C8シクロアルキルである。具体的実施形態において、R5は−OCである。
別の実施形態において、該化合物は、式(V−1):
Figure 2012513464
(V−1)
の化合物であって、式中、
1は水素、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、−NR78、−SR7、又はヘテロシクリルであり、
2は−CH2OR6又はCO28であり、
3は水素又はハロゲンであり、
4は−CN又はハロゲンであり、
6は水素、−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、又はC(O)R9であり、
7及びR8は、それぞれ独立して、水素、−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、又はC(O)R9であり、前記C1−C6アルキル又はC3−C8シクロアルキルは、任意に−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、−NR910、−SR9、又はヘテロシクリルで置換され、
9及びR10は、それぞれ独立して、水素、C1−C6アルキル、又はC3−C8シクロアルキルである化合物、あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
一実施形態において、R1は水素である。別の実施形態において、R1はシクロアルキルである。具体的実施形態において、R1はシクロプロピルであり、別の特定の実施形態において、R1はジメチルアミノである。
一実施形態において、R2はCH2−OHである。
一実施形態において、R3はHである。具体的実施形態において、Rは、クロロ等のハロゲンである。
一実施形態において、R4は−CNである。別の実施形態において、R4はハロゲン(例えば、フッ素)である。
一実施形態において、R6はCである。
別の実施形態において、該化合物は、式(V−1a):
Figure 2012513464
(V−1a)
の化合物であって、式中、
1は水素、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、−NR78、−SR7、又はヘテロシクリルであり、
2は−CH2OR6又はCO28であり、
3は水素又はハロゲンであり、
4は−CN又はハロゲンであり、
7及びR8は、それぞれ独立して、水素、−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、又はC(O)R9であり、前記C1−C6アルキル又はC3−C8シクロアルキルは、任意に−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、−NR910、−SR9、又はヘテロシクリルで置換され、
9及びR10は、それぞれ独立して、水素、C1−C6アルキル、又はC3−C8シクロアルキルである化合物、あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
一実施形態において、R1は水素である。別の実施形態において、R1はシクロアルキルである。具体的実施形態において、R1はシクロプロピルであり、別の特定の実施形態において、R1はジメチルアミノである。
一実施形態において、R2はCH2−OHである。
一実施形態において、R3はHである。具体的実施形態において、R3は、クロロ等のハロゲンである。
一実施形態において、R4は−CNである。別の実施形態において、R4はハロゲン(例えば、フッ素)である。
別の実施形態において、該化合物は、式(V−1a1):
Figure 2012513464
(V−1a1)
の化合物であって、式中、
1は水素、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、−NR78、−SR7、又はヘテロシクリルであり、
7及びR8は、それぞれ独立して、水素、−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、又はC(O)R9であり、前記C1−C6アルキル又はC3−C8シクロアルキルは、任意に−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、−NR910、−SR9、又はヘテロシクリルで置換され、
9及びR10は、それぞれ独立して、水素、C1−C6アルキル、又はC3−C8シクロアルキルである化合物、あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
一実施形態において、R1は水素である。別の実施形態において、R1はシクロアルキルである。具体的実施形態において、R1はシクロプロピルであり、別の特定の実施形態において、R1はジメチルアミノである。
特定の実施形態において、該化合物は、
Figure 2012513464
Figure 2012513464
である。
具体的な実施形態において、該化合物は、
Figure 2012513464
である。
一実施形態において、本発明の化合物は、式X:
Figure 2012513464
(X)
の化合物を含まず、式中、
2、R6、R7、及びR8は、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクロであり、
3は−(CH2)z、Yであり、式中、zは0、1、2、又は3であり、
4及びR5は、(i)R4及びR5が双方とも水素ではないという条件付きで、独立して水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである、(ii)まとめると、ヘテロシクロ環を形成する、あるいは(iii)R4及びR5のうちの1個は、Yと共にヘテロシクロ環を形成する、
Yは、(i)−OR9、−CO2R9、−CH(CO292、−O(C=O)NR1011、−NR1011、−NR10(C=O)NR1112、−CH[(C=O)NR10112、−(C=O)NR1011、−NR10(C=O)R12、−S(O)m9、−SO2NR1011、イミダゾール、置換イミダゾール、トリアゾール、置換トリアゾール、又はシアノ、独立して選択される、あるいは(ii)R4又はR5と共にヘテロシクロ環を形成し、
mは0、1、又は2である、
9は、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、又はペンタフルオロフェニルであり、
10、R11、及びR12は、(i)水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロ、及びヘテロアリールから独立して選択される、あるいは(ii)まとめると、式中、R10は、R11又はR12を用いて、3〜7員ヘテロシクロ環を形成し、もしくはR11は、R12を用いて3〜7員ヘテロシクロ環を形成する。
また、本発明は、上記の式Ia、式Ib、式Ic、式Id、式Ie、式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIIa−1、式IIIb−1、式IIIc−1、式IIId、式IIIe、式IIIf;式IVa、式IVb、式V、式V−1、式V−1−a、又は式V−a−1(1〜18のいずれか1つの化合物等))を有する化合物のいずれか1つを投与することによって、対象中のαセクレターゼタンパク質活性又は発現を増加させるための方法を提供する。また、本発明は、上記の式Ia、式Ib、式Ic、式Id、式Ie、式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIIa−1、式IIIb−1、式IIIc−1、式IIId、式IIIe、式IIIf;式IVa、式IVb、式V、式V−1、式V−1−a、又は式V−a−1(1〜18のいずれか1つの化合物等))を有する化合物のいずれか1つを投与することによって、対象中のβセクレターゼタンパク質活性又は発現を低下させるための方法を提供する。加えて、本発明は、本発明は、上記の式Ia、式Ib、式Ic、式Id、式Ie、式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIIa−1、式IIIb−1、式IIIc−1、式IIId、式IIIe、式IIIf;式IVa、式IVb、式V、式V−1、式V−1−a、又は式V−a−1(1〜18のいずれか1つの化合物等))を有する化合物のいずれか1つを投与することによって、対象中のアミロイドβ(Aβ)タンパク質沈着物を減少するための方法を提供する。
幾つかの実施形態において、式Ia、式Ib、式Ic、式Id、式Ie、式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIIa−1、式IIIb−1、式IIIc−1、式IIId、式IIIe、式IIIf;式IVa、式IVb、式V、式V−1、式V−1−a、又は式V−a−1(化合物1〜18のうちのいずれか1つ等))を有する化合物は、以下の特徴のうちの1つ以上を満足させる能力を求めて、最初にスクリーニングされる:約100nMを越えないIC50;他のPDEに対してよりも、PDE5に対して少なくとも50倍を超える選択性;約50nMを越えないIC50を有するインビトロPDE5阻害活性、BBBを透過する能力;少なくとも約20%(又は少なくとも約80%)cGMPを加水分解する能力;化合物及びヒドロキシル基である第2の架橋リガンドを有するPDE5間の相互作用;ならびに化合物及びアミノ酸残基F787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせでのPDE5との接触を含むPDE5間の相互作用。その後、又は独立して、該化合物を、βセクレターゼ活性又は発現の阻害及び/又はαセクレターゼ活性又は発現(マウスAPP遺伝子組換えモデルにおいて等)の活性へのへの長期にわたる効果を提供する能力に対して試験することができる。
一実施形態において、該方法は、対象へのPDE5阻害剤化合物を含む有効量の組成物の投与を含む。別の実施形態において、該対象は、異常に上昇したアミロイドβプラークを示す。さらなる実施形態において、対象はアルツハイマー病、レビー小体型認知症、封入体筋炎、又は脳アミロイド血管症を患っている。幾つかの実施形態において、Aβタンパク質沈着物は、Aβ40異性体、Aβ42異性体、又はその組み合わせを含む。さらなる実施形態において、αセクレターゼタンパク質活性又は発現は、最大3ヶ月、治療後最大4ヶ月、治療後最大5ヶ月、又は治療後最大6ヶ月増加される。他の実施形態において、βセクレターゼタンパク質活性又は発現は、最大3ヶ月、治療後最大4ヶ月、治療後最大5ヶ月、又は治療後最大6ヶ月低下される。
本発明のPDE5阻害剤化合物は、投与に好適な薬学的組成物に組み込まれることができる。かかる組成物は、PDE5阻害剤化合物(シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、又は式Ia、式Ib、式Ic、式Id、式Ie、式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIIa−1、式IIIb−1、式IIIc−1、式IIId、式IIIe、式IIIf;式IVa、式IVb、式V、式V−1、式V−1−a、又は式V−a−1(化合物1〜18のうちのいずれか1つ等)を有する化合物等)及び薬学的に許容される担体を含むことができる。組成物は、単独で、又は化合物等の少なくとも1つの他の薬剤との組み合わせで投与され得る、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ブドウ糖、及び水も含むが、それらに限定されない、いずれの無菌、生体適合性薬学的担体に投与することができる。組成物は、単独で、又は他の薬剤、薬物、又はホルモンとの組み合わせで、患者に投与することができる。一実施形態において、PDE5阻害剤化合物の有効量は、少なくとも約3mg/kg体重であり得る。別の実施形態において、組成物は、最大18日間、最大19日間、最大20日間、最大21日間、最大22日間、最大23日間、最大24日間、又は最大25日間、少なくとも1日1回投与される。
追加のPDE5阻害剤の非限定的例は、1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−−イル)−4−エトキシフェニル]スルフォニル]−4−メチルピペラジンとしても知られている5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルフォニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピ−l−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)(EP−A−0463756を参照されたい);5−(2−エトキシ−5−モルフォリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(EP−A−0526004を参照されたい);3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルフォニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(国際公開第98/49166号を参照されたい);3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルフォニル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−−3−イル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(国際公開第99/54333号を参照されたい);6−ベンゾ[1,3]ジオキソl−5−イル−2−メチル−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−ピラジノ[1’,2’:−1,6]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(cialis);3−エチル−5−{5−[4−エチルピペラジン−1−イルスルフォニル]−2−([(1R)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]オキシ)ピリジン−3−イル}−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロo[4,3−d]ピリミジン−7−−オンとしても知られている(+)−3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルフォニル)−2−(2−メトキシ−1(R)−メチルエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(を参照されたい国際公開第99/54333号);1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ−o[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルフォニル}−4−エチルピペラジンとしても知られている5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルフォニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7オン(を参照されたい国際公開第01/27113号,実施例8);5−[2−イソ−ブトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルフォニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−−(1−メチルピペリジン−4−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(国際公開第01/27113号、実施例15を参照されたい);5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルフォニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−フェ−ニル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(国際公開第01/27113号、実施例66を参照されたい);5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジン−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(国際公開第01/27112号、実施例124を参照されたい);5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(国際公開第01/27112号、実施例132を参照されたい);(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351)、すなわち、公開された国際出願国際公開第95/19978号の実施例78及び95の化合物、ならびに実施例1、3、7、及び8の化合物;1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−as−トリアジン−2−イル)−−4−エトキシフェニル]スルフォニル]−4−エチルピペラジンとしても知られている、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルフォニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロ−ピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、すなわち公開された国際出願国際公開第99/24433号の実施例20、19、337、及び336の化合物;国際公開第93/07124号(EISAI)中の実施例11の化合物;ならびにRotella D P,J.Med.Chem.,2000,43,1257からの化合物3及び14を含む。
本発明に従って、薬学的に許容される担体は、薬学的投与と互換性があるいずれの、及び全ての溶剤、分散媒、コーティング、抗菌性及び抗真菌性薬剤、等張性及び吸収遅延薬剤等も含むことができる。薬学的活性物質のかかる培地及び薬剤の使用は、当技術分野においてよく知られている。いずれの従来の培地又は活性化合物と互換性がある薬剤も、使用することができる。また、補足活性化合物は、組成物に組み込まれることができる。
本明細書で説明されるいずれの治療上の適用も、かかる治療の必要ないずれの対象にも適用することができる、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、ブタ、ヒツジ、ヤギ、又はヒト等の哺乳類を含む。
本発明の薬学的組成物は、それらの意図される投与の経路と互換性があるように製剤化される。投与の経路の例は、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、及び直腸投与を含む。非経口、皮内、又は皮下適用に使用された溶液又は懸濁液は、以下の成分を含むことができる:注射のための水等の無菌の希釈液、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶剤;ベンジルアルコール又はエチルパラベン等の抗菌性薬剤;アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム等の抗酸化剤;エチレンジアミンテトラ酢酸等のキレート化薬剤;酢酸、クエン酸、又はリン酸、及び塩化ナトリウム又はブドウ糖等の浸透圧の調整のための薬剤等の緩衝液。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウム等の酸又は塩基で調整できる。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジ、又はガラス又はプラスチックで作成された複数の用量バイアルに封入できる。
注射可能な使用に好適な薬学的組成物は、無菌水溶液(水溶性である)、又は無菌の注射可能な溶液又は分散の即時調製物のための分散及び無菌粉末を含む。静脈内投与に対して、好適な担体は、生理的生理食塩水、静菌性水、Cremophor EM(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。全ての場合において、組成物は無菌でなくてはならず、容易なシリンジ化の可能性が存在する程度まで流体であるべきである。それは、製造及び貯蔵の状態下で安定していなければならず、細菌及び真菌等の微生物の汚染作用に対抗して保存されなければならない。その担体は、例えば、水、エタノール、薬学的に許容されるポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの好適混合物等)を含有する溶剤又は分散媒であり得る。適した流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用によって、分散の場合において必要とされる粒径の維持によって、界面活性剤の使用によって、維持されることができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌性及び抗真菌性薬剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェタノール、アスコルビン酸、及びチメロサールによって達成することができる。多くの場合において、それは、等張薬剤、例えば、糖、多価アルコール(組成物中のマンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム等)を含むために有用であり得る。注射可能な組成物の持続吸収は、組成物中に吸収を遅延する薬剤(例えば、アルミニウムモノステアレート及びゼラチン)を含むことによって、もたらされることができる。
無菌の注射可能な溶液は、必要に応じて、本明細書に列挙される成分の1つ、又は組み合わせと共に、適切な溶剤中の必要量のPDE5阻害剤化合物を組み込み、その後濾過滅菌することによって、調製することができる。概して、分散は、塩基分散及び本明細書で列挙されるものからの必要とされる他の成分を含有する、無菌の媒体に活性化合物を組み込むことによって調製される。無菌の注射可能な溶液の調製のための無菌粉末の場合において、有用な調製方法の例は、真空乾燥及び凍結乾燥であり、活性成分の粉末に加えて、予め無菌濾過されたその溶液からのいずれの追加の望まれる成分ももたらす。
概して、経口組成物は、不活性希釈液又は可食担体を含む。それらは、ゼラチンカプセル剤に封入され得るか、あるいは錠剤に圧縮され得る。経口治療上の投与の目的のために、活性化合物は、賦形剤と共に組み込まれることができ、錠剤、トローチ剤、又はカプセル剤の形態で使用され得る。また、経口組成物は、口腔洗浄薬としての使用のための流体担体を使用して調製されることができ、液体担体中の化合物は、経口的に適用され、含嗽され、喀痰され、又は嚥下される。
薬学的に互換性の結合薬剤、及び/又はアジュバント物質は、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、ピル、カプセル剤、ローチ剤等は、以下のいずれの成分又は同様の本質の化合物も含有できる:結晶セルロース、トラガカントゴム、又はゼラチン等の結合剤;デンプン又はラクトース等の賦形剤、崩壊薬剤(アルギン酸、Primogel、又はコーンスターチ等);マグネシウムステアリン酸又はステロート(sterote)等の潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素等の流動促進剤;ショ糖又はサッカリン等の甘味料;もしくはペパーミント、メチルサリチル酸、又はオレンジ香料等の香味料。
また、全身投与は、経粘膜又は経皮的手段によることができる。経粘膜又は経皮投与のため、バリアを透過するのに適切な浸透性が、製剤中で使用される。概して、かかる浸透性は、当技術分野において知られており、例えば、経粘膜投与、洗浄剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、点鼻薬又は座薬の使用を通して達成することができる。経皮投与のために、活性化合物は、軟膏、軟膏(salve)、ゲル、又はクリームに製剤化され、概して、当技術分野において知られている。
実施例
実施例を、本発明のさらなる完全な理解を促進するために、以下に提供する。以下の実施例は、本発明の作成及び実践の例示的様式を解説する。しかしながら、代替的方法を利用し、同様の結果を得ることができるため、本発明の範囲は、これらの実施例において開示される具体的な実施形態には限定されず、それらは解説の目的のためのみである。
実施例1−シルデナフィル(Viagra)は、アルツハイマーマウスモデルの海馬のシナプス可塑性、記憶及びAβ負荷の即時的及び持続性改善へと導く
この実施例は、シルデナフィルが、変異体アミロイド前駆タンパク質(APP;K670N、M671L)及びプレセニリン−1(PS1;M146L)(APP/PS1マウスと称される)の双方を保有するマウスのシナプス機能障害及び記憶喪失に対して、有益な効果を発現することができるかを考察する。PDE5阻害剤シルデナフィル(Viagra)を試験し、アミロイド沈着のマウスモデルのAD表現型に対して有益であったかを見極めた。阻害剤は、シナプス機能、CREBリン酸化、及び記憶の即時的、及び長期にわたる寛解を産生する。この効果は、Aβレベルの減少に関連した。したがって、PDE5阻害剤は、上昇したAβレベルに関連するAD、及び他の疾患の治療の可能性を有する。
先の研究は、a)NOがAβ誘発性LTP遮断から保護する、b)sGCがAβ誘発性LTP遮断に対するNO保護に含まれる、c)cGMP及びその下流標的の活性化、PKGは、Aβ誘発性LTP遮断に対して有益な効果を有する、d)NO及びcGMPレベルの増加は、LTP中のリン酸化CREB増加のAβ抑制から保護し得る、e)sGCは、LTPの間の、リン酸化CREBにおける、Aβ誘発性遮断に対するNO保護の増加に含まれる、f)PKGは、Aβ処置中のCREBリン酸化上のcGMP類似体の効果に含まれる、g)LTPのAβ誘発性抑制は、cGMPレベル中の遮断の増加に関連する、を表す(Puzzo,D.,et al.,J Neurosci,2005.25(29):p.6887−97)。様々な説明は、これらの知見、a)補助因子NADPHが可溶性Aβと強く複合するならば、NOS機能のその減少した有効性をもたらし[Colton,C.A.,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,2006.103(34):p.12867−72]、AβはNADPHのシンクとして機能することができ、NOSによってNOの産生を防止し、その結果として、cGMP産生を含む現象の得られたカスケードを停止し、CREBリン酸化で終わる、b)Aβ適用に続くPDE活性の増加[Wirtz−Brugger,F.and A.Giovanni,Neuroscience,2000.99(4):p.737−50]、c及びd)sGC活性及び/又は発現の低下[Baltrons,M.A.,et al.,Neurobiol Dis,2002.10(2):p.139−49](すなわち、PDE活性の増加を、単離された血管及び培養されたミクログリアの双方で示し、それらにおけるPDE5阻害は、通常の血管活性を回復させ、Aβによる炎症反応を遮断する[Paris,D.,et al.,Exp Neurol,1999.157(1):p.211−21])、ならびにf)NOS発現の減少、を支持する。NOカスケード及びAβ誘発性シナプス機能障害の関連の同定は重要な研究対象を構成し得るが、新規PDE5阻害剤薬物が開発されるであろう。
APP/PS1マウスの海馬のスライス中のシナプス機能へのシルデナフィルの急性影響。シルデナフィルの短時間の適用を試験し、基底シナプス伝達(BST)が正常であるにもかかわらずA12、シナプス可塑性機能障害がまず開始し出す際、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスに由来するスライスのLTPの欠損を救出するかを見極めた。BSTを、APP/PS1及び野生型(WT)マウスの刺激強度における増加する、興奮性シナプス後場電位(fEPSP)の勾配を測定することによって決定した。異なる群間のBSTにおいていかなる差異も観察されなかった(図1a)。次いで、海馬のスライスを、Schaeffer側枝経路のテタヌスの刺激を介してLTPを誘発する前に、シルデナフィル(50nM)で10分灌流させた。シルデナフィルで処置されたAPP/PS1スライス中の増強は、媒体で処置されたAPP/PS1スライスの増強をはるかに越えていた(図1b)。一方で、媒体のみで処置されたWTスライスと比較して、シルデナフィルは、WTマウスのスライス中のLTPの振幅を変化しなかった(図1c)。シルデナフィルは、APP/PS1マウス又はWT同腹子からのいずれのスライスにもテタヌスを適用しなかった場合、その適用中の基底シナプス反応、又は実験中のその適用の終了後120分の基底シナプス反応に何の効果も有さなかった(図1b、c)。
シナプス機能障害へのシルデナフィル効果のPDE5特異性の対照として、より特異的なPDE5阻害剤、タダラフィルを使用した。cGMPに基づく阻害剤であるシルデナフィル及びバルデナフィルとは異なり、タダラフィルはβカルボリン由来薬物であり、PDE1(選択性比率>2000)及びPDE6(選択性比率1000)、5.0nMA11のPDE5に対するIC50への効果を伴わない。これらの実験において、スライスを、テタヌスの前に10分間、50nMのタダラフィルに浸した。タダラフィルで処置されたAPP/PS1スライス中の増強は、媒体で処置されたAPP/PS1スライスの増強をはるかに越えていた(図8A−B)。タダラフィルは、WTマウスのベースラインの振幅及びLTPを変化させなかった(図8A−B)。
また、PDE5特異性の追加の対照として、IC354を使用した(PDE1阻害剤)。これはIC224A13のHCl塩であり、非常に選択的なPDE1阻害剤である(80nMのPDE1に対してIC50、次に最も感受性の高いPDEのIC50値とPDE1のIC50値との比率は127に等しい)。これらの実験において、スライスを、テタヌス前に10分間、1μMのIC354に浸した。シルデナフィル又はタダラフィルとは異なり、処置はLTPを増大させなかった。IC354で処置されたAPP/PS1スライスの増強は、媒体で処置されたAPP/PS1スライスと同様であった(図8C−D)、IC354は、WTマウスの海馬のスライス中のLTPの振幅を変化させなかった(図8C−D)。したがって、これらの結果をシルデナフィル及びタダラフィルの実験とまとめると、PDE5の阻害(PDE1ではない)がシナプス機能障害からADのような動物モデルを保護し、PDE5の阻害が、ADのシナプス機能障害に対して有益であることを支持していることを示す。
APP/PS1マウスの認知機能へのシルデナフィルの急性影響。シルデナフィルが3ヶ月齢のAPP/PS1のLTP欠損を逆転することから考え、次いでそれを、その阻害剤がこれらの動物の認知欠損を逆転するかを試験した。上記で報告されるように、シルデナフィルは、BBBを通過する利点を提供し、それは行動実験において容易に利用することができる。3ヶ月齢のマウスを4つの群に分けた:シルデナフィルを用いたAPP/PS1、媒体を用いたAPP/PS1、シルデナフィルを用いたWT、及び媒体を用いたWT。シルデナフィル及び媒体対照溶液を、3mg/kgの濃度で腹腔内投与した。この濃度は、シルデナフィルのこれらの量が海馬のcGMPレベルを上昇させ、高齢のラットA6及び血管効果A6には依存しないマウスA7の記憶を改善することを表している、先の研究に基づいて選択した。最初に、シルデナフィルの急性投与の効果を、恐怖条件づけ学習、幾つかのADマウスモデルA14において障害された、かつ海馬及び扁桃体に依存する学習のタイプにおいて検討した。海馬は、マウスが中性刺激を有害なものと連合させなければならない連想的学習の形態、コンテキスト恐怖条件付けA15に不可欠である。マウスを訓練し、中性刺激を有害なものと連合させた。それらを新しいコンテキスト(恐怖条件付け箱)中に配置し、軽度フットショック(US)と対になった白色雑音キュー(CS)に暴露し、訓練後、即時にシルデナフィルを注射した。恐怖学習を、コンテキストの表示又は完全に異なるコンテキスト内の聴覚キューに応答した、すくみ行動(必然的に生じる呼吸を除外して全ての運動の不在)を測定することによって24時間後に評価した。いずれの差異も、訓練段階の前に、マウスの4つの群間のすくみ行動において見出せなかった(図2a)。24時間後、媒体処置されたAPP/PS1マウスのすくみ行動の低下が、媒体処置されたWT同腹子のものと比較して、コンテキスト学習の解析において観察された(図2a)。シルデナフィル処置は、すくみにおいて、シルデナフィル処置されたWT動物は有意な増加を表さないにもかかわらず(図2a)、遺伝子組換え動物のコンテキスト学習を改善した(図2a)、ショウジョウバエ及びマウスA16、A17の双方において見出されたように、訓練セッション後、記憶の最大レベルがすでに、媒体処置されたWTマウスにおいて誘発されているためであろう。次に、恐怖条件付け、海馬非依存性作業A15を試験し、APP/PS1マウスが、連想的学習A14において選択的海馬依存性機能障害を有することで知られているように、4つの群間ですくみにおいていずれの差異も見出さなかった。
シルデナフィルが、末梢血管作用を通してその行動的影響を産生する可能性を除外するため、恐怖記憶の研究を、BBBを通過することが不可能であるタダラフィルを用いて繰り返した(cLogP=1.43及びその製造者からの情報)。タダラフィル及び媒体対照溶液を、1mg/kgの濃度で腹腔内投与した。タダラフィルは、APP/PS1マウスの連想的学習を改善させなかった。したがって、シルデナフィルの効果は、血管区画中のPDE5の阻害のためではない(図9)。
次に、シルデナフィルを用いた処置の、空間作業記憶、ラジアルアーム水迷路試験を用いて研究することができる短期記憶のタイプへの効果を検討した。すでに、この作業は、ADA12、A18の他の遺伝子組換えモデルの記憶欠損を示し、海馬の機能A19に依存することを表した。マウスは、空間キューに関して迷路のアームの1つにおいて、隠しプラットフォームの位置を学習、かつ記憶することを必要とした。媒体注射されたWT同腹子と比較して、媒体を用いて注射されたAPP/PS1は、作業の取得及び保持の双方の間、プラットフォームの位置に対する空間記憶に重篤な異常を表した(図2b)。しかしながら、3週間にわたるシルデナフィルの連日注射は、第4の取得試験後、即時にAPP/PS1マウスの行動能力を寛解した(図2b)。シルデナフィルを用いた処置は、媒体注射されたWT同腹子と比較して、WTマウスの能力に影響しなかった(図2b)。マウスの4つの群は、可視のプラットフォーム作業においてプラットフォームを見出すの必要とされる時間、ならびに泳ぐ速度において、いずれの差異も表さなかった(図10)。したがって、視覚、運動協調性、又は動機づけは、マウスの4つの群において影響されず、ラジアルアーム水迷路試験結果にも影響を与えなかった。
APP/PS1マウスの認知及びシナプス機能へのシルデナフィルの持続的効果。シルデナフィルを試験し、処置の短時間過程が、長期の利点を提供することができるかを決定した。PDE5阻害剤を検討し、シナプス機能障害及び記憶喪失に対して、その保護効果を維持するかを見極めた。これらの実験において、年齢3ヶ月のAPP/PS1及びWTマウスの双方を、3mg/kg/日のシルデナフィルを3週間にわたって腹腔内注射し、次いで、試験前に、その処置を9〜12週間中止した。次に、マウスを、コンテキスト学習の訓練に供した。急性実験におけるように、訓練される9〜12週間前に、動物が同一コンテキストに再導入された場合、そのすくみ時間は、媒体処置されたAPP/PS1同腹子と比較して、シルデナフィルを用いて先に処置されたAPP/PS1マウスにおいて、大いに増加した(図3a)。シルデナフィルは、媒体を用いて処置されたWTマウスと比較して、WT同腹子のすくみ時間を増加させなかった(図3a)。手掛かり条件付け試験において、4郡間に差異は存在しなかった。これらのデータは、PDE5の阻害が、薬物投与の持続時間を越えて拡張された時間、APP/PS1マウスの恐怖コンテキスト学習を保護することを示唆する。
次に、3週間のシルデナフィルを用いた処置の一過程の空間作業記憶への効果を、ラジアルアーム水迷路作業を使用して試験した。媒体処置されたAPP/PS1及びWTマウスによるエラーの数間に、差異は存在しなかった(図3b)A12。3週間にわたるシルデナフィルの投与は、試験の9〜12週間前、WT動物の能力に影響を与えることなく、2つの群間の差を減少させた(図3b)。これらのデータは、PDE5阻害剤を用いた長期処置の一過程が、APP/PS1マウスの空間作業記憶を保護することを示唆する。
長期記憶へのシルデナフィルの効果を調査するため、参照記憶を、海馬の機能A20が必要とされることで知られているMorris水迷路作業、及び年齢6ヶ月後に障害されたAPP/PS1マウスA12を用いて試験した。媒体処置された遺伝子組換えマウスは、WT同腹子と比較して、6セッション後、隠しプラットフォームを見出すために、より長い時間を必要とした(図3c)。シルデナフィルを用いてAPP/PS1マウスを先に処置した場合、それらは、それらの行動能力の顕著な改善を表した。シルデナフィルは、WT同腹子の能力に影響しなかった(図3c)。また、参照記憶を、プローブ試験、空間参照記憶A20の別の試験を用いて評価した。この作業を、第6の隠しプラットフォームセッション後に行った。そのプラットフォームを水から除去し、動物に60秒間探させた。プラットフォームが特定の位置にあることを知っているマウスは、繰り返しその位置を徹底的に探すであろう。したがって、そのマウスが、プラットフォームにぶつかる等の触覚キューから独立して、その位置を知っていることを示唆する。迷路の各象限で費やしたその時間は、動物の探索パターンの空間的バイアスを評価するために使用することができる。媒体処置されたWTマウスは、右の隣接象限(AR)、左の隣接象限(AL)、又は逆の象限(OQ)よりも、プラットフォームが訓練の間に位置づけられたターゲット象限(TQ)で、より長い時間を費やした(図3d)。また、シルデナフィルは、他の象限よりも、プラットフォームが訓練の間に位置づけられた象限でより探索したAPP/PS1マウスの能力を改善した(図3d)。対照的に、媒体処置されたAPP/PS1マウスは、その情報を保持せず、媒体処置されたWT同腹子と比較して、TQでより少ない時間を費やした。シルデナフィル処置されたWTマウスは、前の日にプラットフォームがどこにあったかを記憶しており、媒体処置されたWT同腹子と約同一の時間を費やした。プローブ試験後に行われた可視のプラットフォーム試験は、4つの群間のプラットフォームに達するまでの時間、及び泳ぐ速度においていずれの差異も明らかにはしなかった(図11A〜B)。
APP/PS1マウスの行動能力への、シルデナフィルの顕著な効果の根底にある機能的変化の解析に深さを加えるため、同一マウスからの海馬中のシナプス機能を検討した。3ヶ月齢の二重遺伝子組換えマウスとは対照的に、8〜9ヶ月齢のAPP/PS1動物は、シナプス強度A12の減少を表す。APP/PS1マウスにおけるシルデナフィルを用いた先の処置は、8〜9ヶ月齢からのスライス、次いで、媒体処置されたAPP/PS1同腹子スライスへの35V刺激に応答して、fEPSP勾配のより大きな値を産生した(図4a)。一方で、シルデナフィルは、WT同腹子における応答を変化させなかった。また、BSTに対して試験されたCA3−CA1結合を、増強を経験するそれらの能力に対して評価した。シルデナフィルを用いて先に処置された、APP/PS1から得られたスライスから記録されたLTP値は、シルデナフィル処置されたWT同腹子と同様であり、媒体処置されたAPP/PS1同腹子からのものをはるかに越えた(図4b、c)。8〜9ヶ月齢のWTマウスは、シルデナフィルを用いて処置されようと、又は媒体を用いて処置されようと、同様量の増強を表した(図4c)。テタヌスの不在の時、いずれの差異も、マウスの4つの群のベースライン伝達において、示さなかった(図4b、c)。まとめると、これらのデータは、シルデナフィルを用いた処置の一過程が、長期にわたってシナプス機能障害からAPP/PS1マウスを保護することを、示唆する。
APP/PS1マウスのCREBリン酸化へのシルデナフィルの効果。シルデナフィルの作用の持続時間が比較的短いことから、PDE5阻害剤の直接的効果は、その長期効果の原因ではあり得ない。CREBは、遺伝子の制御に関係しており、その遺伝子の発現は長期記憶の形成及び安定化をもたらし、CREBリン酸化は、CREB結合タンパク質(CBP)に結合し、CRE依存性遺伝子発現A21を刺激するためのCREB能力のために必要である。また、Aβ上昇は、記憶分子CREBのリン酸化におけるテタヌス誘導性増加を遮断することでも知られている(Puzzo,D.,et al.Amyloid−beta peptide inhibits activation of the nitric oxide/cGMP/cAMP−responsive element−binding protein pathway during hippocampal synaptic plasticity.J Neurosci 25,6887−6897(2005);)A22。したがって、阻害剤がシナプス生理機能及び行動に長期的変化を産生する機構への洞察を得るために、CREBリン酸化のレベルを、シルデナフィル、及び媒体処置された遺伝子組換え及びWTマウスにおいて測定した。電気生理学的実験で説明されるように海馬のスライスを処置し、処置後60分固定し、Ser−133で抗リン酸化CREB抗体を用いて染色し、共焦点顕微鏡上で見た。テタヌスの適用後、WTマウスのCA1細胞体領域における免疫蛍光の強度における増加を、対照のテタヌス刺激されていないスライスと比較して(図5a、b)、観察した。APP/PS1動物は、テタヌス後、CA1リン酸化CREB免疫蛍光の生理的増加を有さなかった(図5a、b)、しかしながら、シルデナフィルは、二重遺伝子組換えのテタヌス刺激されたスライス中で通常のリン酸化CREB増加を回復させた(図5a、b)。シルデナフィルは、WT動物における免疫蛍光のテタヌス誘導性増加に影響しなかった(図5a、b)。
マウスを、年齢3ヶ月で、3mg/kg/日のシルデナフィル又は媒体を用いて注射し、次いで9〜12週間にわたって処置無しで放置した。テタヌスの適用後、WTマウスのCA1細胞体領域の免疫蛍光強度の増加を、テタヌス刺激されていない対照のスライスと比較して、観察した(図5c)。APP/PS1マウスは、テタヌス後、リン酸化CREBの生理的増加を明らかにしないが、シルデナフィルを用いた先の処置は、それを回復させた(図5c)。なお、リン酸化CREB免疫蛍光は、テタヌスの刺激と共に、シルデナフィル処置されたWTマウスからのスライスにおいては変わらなかった(図5c)。したがって、理論にとらわれることなく、シナプス生理機能及び行動における長期改善の根本において、Schaffer側枝CA1結合のテタヌスの刺激に続く、APP/PS1マウスのCREBリン酸化の増加の回復が存在する。
APP/PS1マウスのAβレベルへのシルデナフィルの効果。APP/PS1マウス中のCREBリン酸化の改善を、その阻害剤が、Aβレベル(ADの特徴)にも影響を与えるかに関して検討した。大脳皮質の抽出物のELISAは、年齢3ヶ月齢のAPP/PS1マウス及び7〜10ヶ月で、第2回目の行動試験後に殺処理されたマウスへの、3週間にわたるシルデナフィルを用いた処置の一過程後即時に、ヒトAβ40及びAβ42レベルの双方における差異を明らかにした(図6a、7a)。したがって、理論にとらわれることなく、Aβレベルの減少は、シルデナフィルによる持続性の有益な効果の根底である。
Aβは、セクレターゼによって触媒されるタンパク質分解プロセシングを介すAPPから生じ、特徴的機能A24を伴う異なる断片を産生する。APPは、最初にα及びβセクレターゼによって切断され、α及びβセクレターゼは、α−APP及びβ−APPと呼ばれる可溶性細胞外断片、C末端断片(CTF)の3つの形態(α−セクレターゼ切断によるC83、β−セクレターゼ切断A25、A26によるC89及びC99)を生成する。CTFは、γセクレターゼの基質であり、57〜58残基(APP細胞内ドメイン、AID)のC終端ペプチド及びCTFβA27からのAβ断片を生成する。Aβレベルの低下が、APPプロセシングの変化に関連していたか[図20を参照されたい]を評価するため、マウス脳皮質で全長APP及びそれらの断片のウエスタンブロット分析を行った。媒体処置された遺伝子組換えと比較して、シルデナフィル処置後、sAPPβ(図6b、e)の低下及びCTF断片C83及びC99の増加を、APP/PS1中に見出した(図6b、f)にもかかわらず、全長APP及びsAPPαのレベルにおけるいずれの差異も、媒体又はシルデナフィルで処置された3ヶ月齢のAPP/PS1マウス中には観察されなかった(図6b、c、d)。
APPレベルが、7〜10ヶ月齢の遺伝子組換えマウスにおいて不変であることを発見した(図7b、c)。それらを、年齢3ヶ月で、3週間にわたりシルデナフィルの連日注射で処置する。シルデナフィルで処置されたAPP/PS1マウスは、sAPPαタンパク質レベルの増加を表した、処置が、αセクレターゼ活性を修飾することを表す(図7b、d)。なお、シルデナフィルで処置された遺伝子組換えマウス中のsAPPβの低下を観察した(図7b、e)、BACE活性の下方制御を表す。CTF断片C83及びC99のレベルの解析は、処置に起因する(図7b、f)、いずれの変化も明らかにはしなかった。したがって、理論にとらわれることなく、シルデナフィルによるAβレベルの減少は、α及びβセクレターゼ活性への阻害剤の作用に起因する。
考察
PDE5阻害剤シルデナフィルを用いた処置が、アミロイド沈着の遺伝子組換えマウスモデル中のシナプス及び記憶欠損を救出することを表す。また、シルデナフィルは、転写因子及び記憶分子CREBのリン酸化の増加を回復させる。加えて、その阻害剤は、即時的にだけではなく、薬物投与を超えて長期にわたっても、シナプス機能、記憶及びCREBリン酸化への、Aβの高いレベルの負の効果に反作用する。最後に、シルデナフィルは、Aβ40及びAβ42レベルの即時的及び長期にわたる減少を引き起こす。シルデナフィルは、Aβレベルの持続減少を引き起こし、次に、通常のシナプス機能及び記憶を回復させる。
本研究の関連する知見は、アミロイド沈着のマウスモデル中のシナプス機能障害へのシルデナフィルの有益な効果である。この知見は、NOドナーの使用を介するcGMP増加を表すスライスでの研究と一致しており、又はcGMP類似体は、Aβの外来適用によって、LTPの減少及びCREBリン酸化誘発性の阻害を救出する(Puzzo,D.,et al..J Neurosci 25,6887−6897(2005))。変化したシナプス機能は、ADA28の認知低下における基本面であることから、ADにおけるPDE5阻害剤の使用の利点は、化合物のこのクラスが、記憶喪失に関連し得るシナプス機能障害に結びつけられる疾患の態様に、反作用するであろうことであり得る。
研究で報告される別の発見は、PDE5阻害に続くアミロイド沈着マウスモデルの記憶機能障害の回復である。これらの結果は、NO模倣分子が、スコポラミンA29、又は前脳コリン作動性枯渇A30によって、引き起こされる認知機能障害を逆転できるという観察と一致しており、NO/cGMPシグナル伝達系を刺激することが、認知障害のための新しい、効果的な治療を提供できることを表す。記憶への有益な効果に関しては、恐怖学習の訓練、又は空間作業の取得後即座(しかし、恐怖学習の訓練又は空間作業の取得前5分ではない)に、狭い時間窓でのPDE5活性の阻害が、遺伝子組換え動物の学習を改善することは興味深い。シルデナフィルのインビボ半減期は、げっ歯類A10において0.4時間であることを考慮すると、電気ショック、又は空間作業の取得後、最初の20〜25分間は時間窓が存在し得、その間は、PDE5阻害による改善の影響を受けやすい学習過程である。なお、シルデナフィルの有益な効果が、訓練後それらの注射を用いて観察されたことから、PDE5の阻害は、疼痛又は環境の知覚等の能力の態様ではなく、記憶固定機構に作用する。
本研究において、シルデナフィルの短時間過程は、薬物投与から3〜5ヶ月後もまだ有益であった。シルデナフィルが短い半減期を有することを考慮すると、この効果は、遺伝子発現への作用を介した長期にわたるシナプス修飾のためであり得る。CREBは、遺伝子の制御に関係しており、その遺伝子の発現は、新しいシナプス結合A16の形成を恐らく介する長期記憶の形成及び安定化をもたらす。リン酸化CREBがCREB結合タンパク質(CBP)に結合する場合、それはCRE依存性遺伝子発現を刺激する。CBPは、クロマチンのヒストH3のアセチル化を触媒するアセチルトランスフェラーゼとして働くことによって、基底転写装置との相互作用を促進する活性化補助因子として機能し、記憶関連遺伝子の転写における染色体抑制及び増加の損失を引き起こす。ヒストンアセチル化は自己永続的であることができ、機能的に安定したクロマチン状態を作り、したがってラットの特異的遺伝子発現A31~A33に慢性変化を作る。したがって、理論にとらわれることなく、シルデナフィルの持続性の有益な効果は、ヒストンアセチル化中の永久増加に起因する。通常、CBPの逆効果を伴う酵素の群に起因するヒストン脱アセチル化の阻害は、APP/PS1マウスA34の通常のLTP及び記憶を回復させる。
遺伝子組換えマウス中のPDE5阻害によるAβレベルの低下は、本研究の別の重要な知見である。IC354、選択的である阻害剤のPDE1、シルデナフィルによって阻害できる別のPDEは、二重遺伝子組換えマウスからのスライス中の通常のLTPを回復させなかったにもかかわらず、タダラフィル、非常に選択的なPDE5阻害剤は、シナプス機能障害へのシルデナフィルの効果を再現したため、理論にとらわれることなく、シルデナフィルの有益な効果は、PDE5阻害に特異的である。なお、投与後即時に空間作業記憶を改善しないロリプラムとは異なり、シルデナフィルは、即時に空間作業記憶を増大させた。最も重要なことに、シルデナフィルの効果及びロリプラムの効果との間の著しい差異は、前者がAPP/PS1マウスの脳中のAβレベルを減少するににもかかわらず、後者はAβ濃度に影響を与えないことである。
治療薬として薬物の新しいクラスを提唱する場合、それらの副作用を考慮することは重要である。これは、記憶を増強するためのPDE4阻害剤の失敗を決定することができる。PDE5阻害剤使用の利点は、多年にわたってすでに利用されていることにより、それらの副作用が知られていることである。持続勃起症が、PDE5阻害剤の摂取により、幾つかの場合に発生することを報告されている。しかしながら、持続勃起症の要因についての現在の概論は、PDE5機能の調節不全のためであり、NO経路A40の下方制御に続き(また、Aβ増加により引き起こされる現象である)(Puzzo,D.,et al.Amyloid−beta peptide inhibits activation of the nitric oxide/cGMP/cAMP−responsive element−binding protein pathway during hippocampal synaptic plasticity.J Neurosci 25,6887−6897(2005))、よって、逆説的に、PDE5阻害剤が、持続勃起症A41、A42に対して、治療薬として提唱される。PDE5阻害剤の追加の有害事象は、頭痛、紅潮、胃腸障害、及び経鼻鬱血又は鼻炎等の軽度血管拡張作用を含み、AD薬剤としてPDE5阻害剤を提唱することにおける注意は当然であり得る。しかしながら、Aβは中枢神経系に第1に蓄積するが、またAβは、ADに影響される患者、及び異常なAβ産生A43、A44によって特徴づけられる他の神経障害の血液中にも存在する。興味深いことに、全身Aβは、脳血管系中のみだけでなく、血管系A45~A51の他の区域中でも血管収縮を増強する。なお、高血圧症は、大抵ADA46、A48、A49に関連する。したがって、PDE5阻害剤が、記憶喪失及びAβ生成のみではなく、AD患者に大抵影響を与える血管症状にも反作用できると考えるのは、非常に魅力的である。
NOカスケードに作用する薬物は、認知能力に影響を与えることができる血管効果を有する。したがって、シルデナフィルの有益な効果に対する代替的説明は、神経細胞内効果に代わり、血管効果を介して阻害剤が働くことである。これは、PDE5の阻害が、PDE5阻害剤に直接的に暴露されたスライスの通常のLTPを回復させたため、起こり得ない。なお、cAMP類似体は、cGMP類似体A55よりも頭頂葉皮質中の脳細動脈のさらなる拡大を誘発することを表すが、8−Br−cGMP(しかし、8−Br−cAMPではない)のみしか、げっ歯類A6の記憶能力を改善させなかった、血管機構がcGMP効果の原因ではあり得ないことを表す。最も重要なことに、BBBを通過しないタダラフィルは、シルデナフィルの行動的影響を再現しなかった。
本知見は、中枢神経系A56~A58のAβ誘発性障害への保護効果を有するNOカスケードの上方制御を表す、報告と一致している。例えば、PC12細胞、交感神経細胞、及び海馬の神経細胞で行われた研究は、NO発生装置S−ニトロソペニシラミンを用いた処置が、アポトーシス促進性の因子カスパーゼ2A57を阻害するニトロシル化を介する神経保護的作用を有することを表している。Aβは、NMDA受容体シグナル伝達A56の低下、NOSA59からNADPH有効性を引くこと、及びセリンスレオニンキナーゼAktA51のリン酸化の阻害を含む異なる機構によって、NO生成を障害することが見出された。AD患者の上側頭葉皮質は、可溶性グアニリルシクラーゼ活性A60の減少を表す。可溶性グアニリルシクラーゼは、脳アストログリア細胞A61のAβ暴露に続き、低下した。PDE活性の増加は、単離されたた血液細胞及び培養されたミクログリアの双方で見出され、PDE5阻害は、通常の血管活性を回復させ、AβA62によってもたらされる炎症反応を遮断する。しかしながら、また、NOは、高量で産生される場合、神経病態及び細胞死の主要な薬剤として見られる。NOの高量は、Aβ誘発性細胞死A63~A69中の酸化的及びニトロソ化ストレスの原因である有意な量のペルオキシナイトライトの生成へと導く。これらの逆の知見は、NOシンターゼ(iNOS)の誘導型による高量のガスの制御されない産生が、ペルオキシナイトライトA63~A69の産生を介する酸化的及びニトロソ化ストレスを促進できるにもかかわらず、神経細胞及び内皮アイソフォーム、n−NOS及びe−NOSの双方を含むNOSの構成型によって、低量のNOの放出が、シナプス可塑性及び学習を促進するという観察を伴う知見と調和できる[図19及び図21を参照されたい]。これらの発見を活用する薬物研究の現状は、NOカスケードを上方制御し、したがって神経保護を誘発する方法を見出し、かつ神経病態A70を制限するため、ペルオキシナイトライト毒性作用を遮断する方法を見出すことの双方に集中している。PDE5と介在する本治療方針は、NO産生の下流レベルで、ステップに集中することによって、NO生成をバイパスする利点を提供する[図19及び図21を参照されたい]。
結論
シルデナフィル処置は、ADマウスモードのシナプス及び認知障害を寛解する。cGMPレベルを増加する薬剤は、L−LTPの減少、CREBリン酸化のテタヌス誘導性増加、及びAPP/PS1マウスのコンテキスト学習を救出する。認知、シナプス伝達及びCREBリン酸化への、シルデナフィルによるcGMPレベルの増加の有益な効果を、それらの投与の持続時間を越えて拡張できる。
方法
動物:ヒトAPP(K670M:N671L)及びPS1(M146L)(ライン6.2)変異の双方を発現する二重遺伝子組換えマウスを、WT同腹子と比較した。それらを、APPをPS1動物と交差させることによって得た。動物の遺伝子型を同定するために、ポリメラーゼ連鎖反応は、試料の尾A12で使用された。全ての実験を、オスのマウスを使用して行った。動物は、Columbia University Animal Facilityの温度及び湿度を調節された部屋で、12−12時間明暗周期(06:00時で明期開始)を維持した。食物及び水は、自由に入手可能であった。
薬物調製:シルデナフィルを、報告された手順に従って、6つのステップで合成した(Terrett et al.,1996)(米国特許第5,346,901号.1994)。手短に述べると、市販の2エトキシ安息香酸を、塩化チオニルを用いて2エトキシベンゾイルクロリドに転換させた。4−アミノ−1−メチル−3−N−プロピルピラゾロ−5−カルボキサミドを用いた2−エトキシベンゾイルクロリドの反応は、収率90%でアミドをもたらした。NaOHを使用するアミドの環化は、収率77%でピラゾロピリミジノンを産出した。後にN−メチルピペラジンとの反応に続く、クロロスルホン酸中のピラゾロピリミジノンのクロロスルホニル化は、収率90%でシルデナフィルを提供した。また、タダラフィルを、報告された手段に従って合成した(Daugan et al.,2003b)。手短に述べると、D−トリプトファンメチルエステルはPictet−Spengler反応条件(TFA/CH2Cl2/MeOH)下で、ピペロナールと反応した、得られた産生物をクロロアセチルクロリドで凝縮し、アシル化された中間体を得た。N−メチルアミンとの中間体の反応は、タダラフィルを提供した。タダラフィルを0.1%のDMSO中で希釈した。
薬物投与:3ヶ月齢のAPP/PS1及びWTマウスを、4つの群に分けた:媒体で処置されたAPP/PS1マウス、PDE阻害剤で処置されたAPP/PS1マウス、媒体で処置されたWTマウス、PDE阻害剤で処置されたWTマウス。シナプス機能障害へのPDE阻害の急性影響を評価する実験において、シルデナフィル(50nM)又はタダラフィル(50nM)もしくはIC354(1μM)を、シータバーストの前に10分間、灌流システムを介する海馬のスライスに直接与えた[図23を参照されたい]。残りの実験において、腹腔内を介してシルデナフィルを注射した。その薬物を、急性的にあるいは3週間にわたる処置の一過程のいずれかで投与した。シルデナフィルの短期効果の評価のため、その薬物を濃度の3mg/kgで、訓練後即時に与えた。この用量は、〜2.5μMの濃度のcGMPを海馬A53にもたらした。長期効果の評価のため、シルデナフィルを、3mg/kgの濃度で3週間にわたる腹腔内注射によって連日与え、次いで処置を行動試験の9〜12週間前に中止した。コンテキスト及び手掛かり恐怖条件付けを、3日にわたって行った。ラジアルアーム水迷路(RAWM)を、3週間にわたって行った。次いで、その動物を、電気生理学的記録のために殺処理した。急性実験におけるシルデナフィルの投与の時間を決定するために、一連の研究を行った、そこで、その阻害剤を、電気ショックの5分前、又はラジアルアーム水迷路を用いた最初の取得試験の5分前に、腹腔内注射した。いずれの有益な効果も、シルデナフィル注射されたAPP/PS1マウスにおけるすくみ時間及びエラーの数の双方では観察されなかった(シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスと媒体処置されたAPP/PS1マウスのそれと〜90%等しい、すくみ時間を示した;n=シルデナフィル処置された遺伝子組換えの7匹のオス及び媒体処置された遺伝子組換えの6匹のオス、P>0.05;シルデナフィル及び媒体処置された遺伝子組換えの双方に対する保持試験において〜5つのエラー、n=シルデナフィル処置された遺伝子組換えの6匹のオス及び媒体処置された遺伝子組換えの5匹のオス、P>0.05、シルデナフィルは、双方の作業において、WTマウスの行動能力に影響を与えなかった、n=全ての条件のための5匹のオス)。したがって、結果の項で報告される、シルデナフィルの急性影響の全ての行動実験は、訓練後、注射を用いて行った。
電気生理学的分析:動物を頸椎脱臼させ、断頭により殺処理した。海馬をすぐに取り出した。横断海馬のスライス(400μm)をカットし、基準手段A54に従って記録した。例えば、次のカットする海馬のスライスを記録チャンバーに移動させた、それらは29℃で維持され、人工脳脊髄液(ACSF)で灌流し、95%のO2及び5%のCO2で連続的に沸き立てた。mM中のACSF組成物は、124.0NaCl、4.4KCl、1.0Na2HPO4、25.0NaHCO3、2.0CaCl2、2.0MgSO4、10.0グルコースであった。CA1fEPSPを、CA1放線状層において刺激及び記録電極の双方を配置することによって、記録した。BSTを、fEPSPの勾配に対する線維斉射のピーク振幅をプロットすることによって、又はfEPSPの勾配に対する刺激電圧をプロットすることによって、のいずれかでアッセイした。LTP実験のために、15分のベースラインを、毎分、最大誘発反応の〜35%応答を誘発する強度で記録した。LTPをθバースト刺激を使用して誘発させた(100Hzで4パルス、5Hzで繰り返すバーストを用いた、及び15秒で隔てた3回の10バースト訓練を含む各テタヌス)。一連の実験において、LTPを1回又は2回の10バースト訓練を用いて誘発し、テタヌスの異なる強度で誘発されたLTPへのシルデナフィルの効果を評価した。テタヌス刺激後、応答を2時間にわたり記録し、ベースラインの割合として発現された興奮性シナプス後場電位(fEPSP)勾配を測定した。その結果を平均値±標準誤差(SEM)として表した。
行動研究−恐怖条件付け:認知試験のこのタイプは、訓練及び試験A14、A17の複数の日を必要とする他の行動作業よりも、非常に速い。条件付けチャンバーは、防音箱中にあった。クリアなPlexiglas窓は、実験で、脚上に配置され、静止画ソフトウェアに接続されたカメラを用いてマウスの能力を撮影することを可能にした(MED Ass.Inc.)。背景白色雑音(72dB)を得るため、単一のコンピュータファンを、防音チャンバーの1つの側面にインストールした。条件付けチャンバーは、36本のバーで絶縁されたショックグリッドの床を有した。その床は除去可能であり、各実験対象後、床を75%のエタノール、次いで水を用いて浄化した。一度に1匹のみの動物が、実験室に存在した。手掛かり及びコンテキスト条件付け実験のために、マウスを、分散トーン(CS)(2800Hz及び85dBで30秒持続した音)の開始前に、2分にわたり条件付けチャンバー中に配置した。CSの最後の2秒において、マウスに床のバーを通して、2秒にわたり0.50mAのフットショック(US)を与えた。CS/US対呈示後、マウスを、さらに30秒にわたって条件付けチャンバー中に放置し、次いでそれらのホームケージに戻した。必然的に生じる呼吸を除外して全ての運動の不在として定義されるすくみ挙動を、静止表示ソフトウェアをしようしてスコア化した。
コンテキスト恐怖学習を評価するために、訓練後24時間、マウスを訓練したチャンバー内において、すくみを5分にわたり(連続的に)測定した。手掛かり恐怖学習を評価するために、次のコンテキスト試験、マウスを、新しいコンテキスト(平滑な床及びバニラ臭を伴う三角形のケージ)に2分(CS試験前)にわたり配置した、その後、それらをCSに3分(CS試験)にわたり暴露し、すくみを測定するであろう。ショックの感覚知覚を閾値評価を通して決定した。単一のフットショックの配列を、恐怖条件付けのために使用した同一帯電体グリッド上に配置した動物に送達した。最初に、0.1mVのショックを1秒にわたり送達し、その動物行動を尻込み、跳躍、及び啼鳴に対して評価した。30秒間隔で、そのショック強度を0.1mV〜0.7mVまで増加させ、次いで30秒間隔で0.1mV増加において、0mVに戻した。啼鳴、尻込み、及び次いで跳躍の闘値を、各動物がフットショックに対して行動応答を表すショック強度を平均化することによって、各動物に対して定量化した。恐怖条件付けをシルデナフィル又は媒体の存在下で試験した、実験におけるマウスの異なる群間で、いずれの差異も観察されなかった。
行動研究−空間作業記憶:これは、RAWM試験12で研究できる短期記憶のタイプである。手短に述べると、RAWMは、水(24〜25oC)で満たされている白色水槽(直径120cm)から成り、非有毒性白色ペンキの追加によって不透明になった。水槽壁内を、6つのアームを産生するために位置し、中枢領域から照射した。空間キューを試験室の壁上に提示した。アームの1つの末端に、明瞭な10cmの水浸した(1.5cm)プラットフォームを位置づけ、これは1日の全ての試験で同一位置にとどめたが、日々ランダムに移動させた。各試験で、そのマウスは、異なるランダムに選択されたアームで作業を開始した。そのマウスは、前の日のプラットフォームの位置のその長期記憶を使用しなかったが、部屋に提示された空間キューに基づいて、問題になっている日のその位置の短期記憶に頼った。各試験は1分持続し、マウスが間違ったアームに入る、又はプラットフォームに達するのに20秒以上必要とするたびに、エラーを数えた。各エラー後、そのマウスを試験の開始アームへと戻した。4つの連続取得試験後、そのマウスをそれらのホームケージに30分間配置し、次いで迷路へと戻し、第5の保持試験を実施した。試験を、第4、第5の試験で同一の数のエラーをWTマウスがしたことによって、完了したと考慮した。試験の最終3日間の各マウスのスコアを平均化し、統計解析のために使用した。
行動研究−参照記憶:Morris水迷路を用いて研究された作業を、先に説明した12。手短に述べると、マウスを訓練した、2回の一日のセッション(4時間離して)、3つの試験(各1分)から成り、3日にわたる。隠しプラットフォームに達するために必要とした時間を記録した。空間記憶の保持を試験するため、移動したプラットフォームを用いた訓練後、4つのプローブ試験を行った。その迷路を4つの象限に分けた。以前にプラットフォームを含有していた象限で費やした時間の割合を、記録し、ビデオトラッキングシステム(HVS2020、HVS画像)を使用して分析した。
行動研究−可視のプラットフォーム試験:視覚及び運動欠損を試験するための可視のプラットフォーム訓練は、黒色の旗で標識されたプラットフォームを伴うMorris水迷路と同一プールで、試験ごとにランダムに位置付けして行った。プラットフォームに達する時間及び速度を、記録し、ビデオトラッキングシステム(HVS2020、HVS画像、UK)を用いて分析した。
免疫細胞化学的実験:リン酸化CREBの免疫細胞化学的測定を、すでに説明したように行った(Puzzo,D.,et al.Amyloid−beta peptide inhibits activation of the nitric oxide/cGMP/cAMP−responsive element−binding protein pathway during hippocampal synaptic plasticity.J Neurosci 25,6887−6897(2005))。手短に述べると、海馬のスライスは、処置後1分で、氷冷の4%のパラホルムアルデヒドで固定した。スライスをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で3回洗浄し、60分にわたり0.3%のTriton X−100で処置し、再度PBS中で3回洗浄し、50mMの塩化アンモニウムで20分にわたり処置し、60分にわたり10%のヤギ血清中でインキュベートした。スライスを、第1の抗体(Upstate Biotechnologyからの、10%のヤギ血清中で1:100に希釈されたウサギポリクローナル抗リン酸化CREB)を用いて、4℃で36時間、インキュベートした。スライスを、PBS中で洗浄し(6回、毎回2時間)、第2の抗体(Molecular Probesからの、Alexa Fluor488で標識されたヤギ抗ウサギ抗体)とインキュベートし、4℃で12時間、10%のヤギ血清中で1:100に希釈し、再度PBS中で洗浄した(6回、毎回2時間)。スライスを、4X及び16X対物レンズを使用する、共焦点顕微鏡(Nikon D−Eclipse C1)によって検討した。4つの走査のカルマン平均を、各画像に対して収集した。その解析を、実験処置に盲目である観察者によって、NIH画像ソフトウェアを使用して行った。背景よりも上に設定された闘値を越える平均蛍光強度を、CA1細胞体領域の各スライスに対して決定した。その値を、同一動物の無処置の対照スライスからの値に規格化し、対照±SEMの平均割合として表した。免疫蛍光の特異性を第1の抗体を取り除くことによって確認し、蛍光強度の有意な減少をもたらした。
Aβレベルの決定:凍結した脳半球を秤量し、5MのグアニジンHCL/50mMのTris HCL溶液でホモジナイズした。製造者のプロトコルに従って、Aβ40及びAβ42を、ヒトβアミロイドELISAキット(Biosource,CA)を使用して測定した。ELISAシグナルを、皮質のミリグラム当たりのAβのナノグラムで、平均値±s.e.m.として報告した。例えば、海馬のスライスは、処置後1分で、氷冷の4%のパラホルムアルデヒド中で固定した。スライスをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で3回洗浄し、60分にわたり0.3%のTriton X−100で処置し、再度PBS中で3回洗浄し、50mMの塩化アンモニウムで20分にわたり処置し、60分にわたり10%のヤギ血清中でインキュベートした。スライスを、第1の抗体(Upstate Biotechnologyからの、10%のヤギ血清中で1:100に希釈されたウサギポリクローナル抗リン酸化CREB)を用いて、4℃で36時間、インキュベートした。スライスを、PBS中で洗浄し(6回、毎回2時間)、第2の抗体(Molecular Probesからの、Alexa Fluor 488で標識されたヤギ抗ウサギ抗体)とインキュベートし、4℃で12時間、10%のヤギ血清中で1:100に希釈し、再度PBS中で洗浄した(6回、毎回2時間)。スライスを、4X及び16X対物レンズを使用する、共焦点顕微鏡(Nikon D−Eclipse C1)によって検討した。4つの走査のカルマン平均を、各画像に対して収集した。その解析を、実験処置に盲目である観察者によって、NIH画像ソフトウェアを使用して行った。背景よりも上に設定された闘値を越える平均蛍光強度を、CA1細胞体領域の各スライスに対して決定した。その値を、同一動物の無処置の対照スライスからの値に規格化し、対照±SEMの平均割合として表した。免疫蛍光の特異性を第1の抗体を取り除くことによって確認し、蛍光強度の有意な減少をもたらした。
ウエスタンブロット:マウス脳を、プロテアーゼ阻害剤を含有する緩衝液(20mMのトリス塩剤、1mMのEDTA、1mMのEGTA、250mMのショ糖)中でホモジナイズした。ホモジネートの一部を100,000gで1時間にわたり超遠心し、その上清を使用し、sAPPα及びsAPPβ断片を分析した。各ホモジネート中のタンパク質濃度を定量化し、各試料からの等しい量のタンパク質を分析した。試料を、4〜12%のBis−Trisプレキャストゲルのウェルに負荷し、製造者のプロトコルに従って、電気泳動し、移動させた。ポンソーS染色後、膜を洗浄し、室温で1時間にわたり、PBS中で5%の無脂粉乳中でインキュベートした。次いで、それらを、以下の第1の抗体を用いて、4℃で一晩インキュベートし、PBS中の5%のヤギ血清中で希釈した:APP全長検出のマウス22C11(1:4000,Sigma);マウスsAPPα及びSwedish sAPPβ(1:4000及び1:1000,IBL)、CTFのウサギAbD(1:250,Zymed)、対照としてマウスチューブリン(1:20.000,Sigma)。一晩のインキュベーション後、膜を30分にわたりPBS中で3回洗浄し、ヤギ抗マウス又はヤギ抗ウサギ抗体でインキュベートし、PBS中の5%の無脂粉乳中で希釈した(1:4000及び1:2000)。30分にわたるPBS中での洗浄後、ECL(Pierce)への暴露後、X線検出を行った。その解析を、実験処置に盲目である観察者によって、NIH画像ソフトウェアを使用して行った。各試料に対して決定された平均強度及び値を、チューブリンからの値に規格化し、対照の平均割合±SEMとして表した。
統計解析。全ての実験に対して、マウスを、遺伝子型及び処置に関して研究者を「盲目」にするようにコード化した。データを平均値±SEMとして表した。結果を、スチューデントt検定(対比較)又は事後補正(複数の比較)を用いた分散分析で分析した。有意性のレベルを、P<0.05に設定した。
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実施例2−ADのために最適化されたPDE5阻害剤の同定−PDE5の高い親和性及び他のPDEと比較して良好な選択性を伴う化合物
シナプス伝達及び認知は、ヒトアミロイド前駆タンパク質(APP)変異(K670M:N671L)及びヒトプレセニリン−1(PS1)変異(M146L)(APP/PS1マウス[23]と称される)の双方を発現する、二重Tg(遺伝子組換え)マウス中で変化した。いずれの既存のPDE5阻害剤も、中枢神経系の疾患に反作用するように開発されてはおらず、同時に、AD患者等の併発状態を患う高齢者人口への、慢性投与に必要とされている選択性を保有する。AD患者に使用するための目的に合わせたPDE5阻害剤を、スクリーニングし、これらの化合物が、Tg ADモデルの通常の認知を回復できるかを見極めるために試験した。
PDE5の阻害を介するNO/sGC/cGMP/PKG/CREB経路の増強は、Aβ誘発性シナプス及び認知異常に反作用する。NO/sGC/cGMP/PKG/CREB 経路に作用し、中枢神経系のために最適化される双方の薬物が、欠乏している。新しい薬物を、a)高い特異性及び効力、b)良好なPK、生物学的利用率及び中枢神経系透過、c)安全性を用いて同定する。既存の薬物のいずれも、これらの判断基準の全てに適合しないことで知られる。シルデナフィルがBBB[72]を通過することが報告されており[72]、6.0nMのPDE5に対してIC50、げっ歯類(ヒトにおいて〜4時間)において0.4時間のインビボ半減期を有する[70、74]。しかしながら、脳を除く心筋及び血管中で発現され、軽度血管拡張効果をもたらすことができるそのPDE1の選択性比率は180であり、網膜中のみで発現され、視覚を過渡的に妨げることができるPDE6の選択性比率は、12と等しい[67、86]。BBBを通過するバルデナフィル能力の証拠は、間接的であり[87](0.17nMのPDE5に対するIC50、PDE1>1000及びPDE6=3.5の選択性比率)[88、89]、タダラフィルはそれを通過しない(また、タダラフィルもAPP/PS1マウスの認知能力を改善しない)(5nMのPDE5に対するIC50、PDE1>2000及びPDE6=1000の選択性比率)[86]。報告されたPDE5阻害剤の構造活性関係(SAR)解析が行われ、次いでComputer−Aided MedChem Strategyを利用し、これら判断基準の全てに適合する化合物を開発する。
医薬品化学戦略。この提唱の強みは、プロジェクトの段階での、機能的アッセイの集約的使用毎及び検証されたインビボ疾患モデルの平行使用というところにある。その医薬品化学アプローチを、バイオアッセイの強度、ならびに医薬品化学の資金が、業界に見出すことが出来るそれよりも一桁低いという現実に適合するように調整なければならない。既存のPDE5阻害剤をEDの処置として使用する。報告されるPDE5阻害剤の構造解析及び知られるSARデータ(図12)に基づいて、構造的に関連するが公式に独立した足場I〜IVである、4つのクラス(図13を参照されたい)は、PDE5阻害剤候補として見なされる。これらの足場に由来する化合物は、スクリーニングされ、計算モデル上で最適化される。最も高いスコアを伴う化合物は、合成され、効力に対して試験される。この段階で、合成努力は、効力/選択性の結果を試験することによって導かれる。満足な効力及び選択性(リード化合物)を伴う化合物は、PK、生物学的利用率/脳透過、及びオフターゲット活性(安全性)に対してさらに研究される。
既知のPDE5阻害剤の構造活性関係(SAR):早期のPDE5阻害剤の設計はcGMPの構造の模倣に頼ったが、現在は、SARデータの広域なアレイ及びPDE5複合型のシルデナフィル、バルデナフィル、及びタダラフィルを用いた非常に近年の高解像度X線構造が利用可能であり、望まれる特性を伴うPDE5阻害剤を開発するための素晴らしい基礎を提供する。PDE5阻害剤の複数の異なった足場構造の調査及び発表された報告からのSARデータの入念な解析の後、それらの足場は、非常に一般的で重要な特徴を共有する:全ての構造は、縮合平面環系を含み、この環系は、:(1)水素結合受容体(例えば、ピリミジル環上のN及びシルデナフィル上のC=O)、又は(2)H結合ドナー(NH)もしくはH結合受容体(C=O)又は双方(アミドNH−C=O)、を含有する。これらの観察は、PDE5阻害剤複合体のX線構造からの見識に適合する。この平面環系に加えて、全てのPDE5阻害剤は、3疎水性基(R1、R2、R3)を含有する。これら3個の疎水性基の寸法及び本質は、酵素と、H結合受容体又はドナーとの間のH結合の強さに依存するように思われる。H結合受容体(C=O、N:)を用いた阻害剤のため、縮合平面環系上で、巨大な芳香族R2基は、cGMPのリン酸によって占有される部位で、最適な適合を達成する。環系上のH結合ドナー(すなわち、タダラフィルのNH)を用いた阻害剤のため、巨大な芳香族R1基は、疎水性Q2ポケットで最適な適合を達成する。R1及びR2と比較して、R3は小さく、有意ではないように見える。R1、R2、R3の修飾、効力、選択性、ならびに経口生物学的利用率及び細胞透過等のPK特性を、最適化することができる。今までに報告されたPDE5阻害剤の縮合平面環系が図12に列挙される。
合成される足場:上記のSAR解析に基づいて、足場の4つのセット(図13)を提示する:1)シルデナフィル(Viagra)及びバルデナフィル(Levitra)によって表される(Pfizer、Bayer、Sheering−Plough)cGMPに基づくもの、2)タダラフィル(Cialis)によって表される(Lilly、Johnson&Johnson(J&J))、βカルボリン由来のもの、3)キナゾリン及びイソキノリノン誘導体(Bristol−Myers−Squibb(BMS),Japan)、4)フタラジン誘導体(BMS,Japan)。これらの化合物クラスは、以下の判断基準に適う:1)H結合受容体又はドナーを伴う縮合環系、2)容易に入手可能な出発物質から容易に合成される、3)スクリーニングのために比較的大きい数の化合物を生成するために、修飾可能な十分な部位。
足場Ia〜Icの設計は、強力なPDE5阻害(IC50=0.23nM)を伴う既知の構造T1056(図13中に表される)、及び他のPDE1〜4、6に対する優れたPDE5選択性(>100,000倍の選択性とPDE1〜4との対比、240倍とPDE6との対比)に基づく(国際公開第9838168号、日本特許第2000072675号)。cGMPのリン酸の部位に適合するため、足場Iaにおいて、R2疎水性基を、多用途の中間体5との鈴木クロスカップリング反応によって、容易に導入できる(模式図Ia)。別のR1基がQ2ポケットに必要とされる場合、そのアミドのNHが置換のための部位に成り得る。足場Ibにおいて、そのエナミン部分を、アミドで置換した。足場Icにおいて、そのS=Oは、H結合受容体として機能する。
また、足場は、図13に列挙されるキノリン構造(IIa−IId)に基づいた。2つの特許は、構造IIeを伴うPDE5阻害剤としてキノリン誘導体を報告する(国際公開第2001012608号、日本特許第2002308877号)。BMSによって報告されるキノリンに基づくPDE5阻害剤は、シルデナフィルよりも120倍さらに強力であり、他のPDEアイソザイムに対してシルデナフィルよりもより有意に選択的である(IC50=0.05nM、PDE1−4/PDE5>7800、及びPDE6/PDE5=160)。この化合物より、新しい化合物が開発される。例えば、O、C又はS、もしくはヘテロ原子によって置換され得る窒素を、いずれの環の様々な位置でも導入でき、化合物の新しいクラスを生成できる。わずかなSAR情報がキノリンで入手可能であるが、2〜3のステップで合成でき、概して構造IIeと等比体積である一連の分子は、インシリコスクリーニングのための予測された誘導体をガイドし得る(足場IIa〜IIcの合成を参照されたい)。
図13に解説される足場IIIa〜c及びIIIa−1〜IIIc−1を、全ての報告されるPDE5阻害剤が、H結合受容体又はドナーを伴う平面縮合環系を保有するという観察に、主に基づき設計する。疎水性相互作用は、タダラフィル結合中の主な力であり、関連する足場をIVa及びIVbによって解説する(図13)。
足場Iaの合成:標的化合物Iaの合成を、模式図Ia(図14)に概略する。鍵となる中間体キノリノン3を、マロンアミド2の環化によって得ることができ、市販のEatonの試薬の存在下で、二塩化マロニル及び置換アニリンから容易に調製できる。次いで、キノリノン3を、単純な二段階塩素化/加水分解配列を介して、4−クロロ誘導体5に転換する。鈴木クロスカップリング反応は、化合物5をフェニルボロン酸と結合させることが可能であり、良好な収率で標的化合物Iaを得る。
足場IIa〜IIcの合成:IIcは、置換アニリンを高温でエトキシメチレンマロン酸エステルと、その後ベンジル臭化物等のアルキル化反応物と反応させることによって合成し、IIc−4を得る。その中間体4−ヒドロキシキノリン(IIc−1)を、非常に多用途の中間体である、4−クロロキノリンIIc−2に転換する。異なるアミンとのIIc−2の反応は、大きな数の化合物を提供する、例えば、4−アミノキノリンIIc−3を、アンモニアとの反応によって、4−クロロキノリンから得ることができる。IIc−3を、アミドIIa−1及びスルホンアミドIIb−1に容易に転換できる(模式図IIa〜IIc、図15)。
足場IIdの合成:IIdを、模式図IId(図16)に概略されるように合成できる。アントラニル酸を、過剰のホルムアミジン酢酸を用いて、高温で処置し、化合物IId〜1を得る。その塩化物産生物IId−2を、還流で、塩化チオニルを用いたIId−1の処置によって得る。3−クロロ−4−メトキシベンジルアミンとの結合塩化物IId−2は、IId−3を提供する。
足場IIIの合成:(模式図IIIを参照されたい、図17)2−アミノ安息香酸メチルエステルとジメチルアセチレンジカルボン酸の反応、続いてt−BuOKによって誘発される環化は、産生物IIIc−1を提供する。NH2NH2を用いたIIIc−1の処置は、産生物IIIb−1をもたらし、それをIIIa−1に転換する。アミンを用いたIIIa−1の反応は、IIIaを提供する。アミンを用いたIIIc−1の反応は、IIIcを提供する。IIIb−1のアルキル化は、IIIbを提供する。
足場Ivaの合成:模式図Ivaに表されるように(図18)、その標的化合物IVを、容易に入手可能であるアミノ酸メチルエステルから調製できる。芳香族アルデヒとの反応は、イミンIV−1を提供する。ナフトキノンとのイミンIV−1の1.3−双極子環化付加は、鍵となる中間体IV−2をもたらす。標的ペペラジンジオン(peperazinedione)IVを、化合物IV−2のクロロアセチル化によって、その後に続く第1のアミンの存在下における閉環によって得ることができる。
薬物活性の評価
インビトロ試験:候補化合物を、最初にPDE5阻害活性のために試験する。その活性がわずかである場合、化合物を、他のPDEに対して試験し、選択性を評価する。そのPDEを購入、又は刊行物に説明される方法に従って調製する。PDEアッセイを、マルチスクリーニングプレート(Millipore)、及び研究室において利用可能である真空マニホールド(Millipore)を使用した、報告される方法に従って行う[90、91]、そこで、反応ならびに基質及び産生物の後の分離の双方が達成できる。そのアッセイは、50mMのTris pH 7.5、5mMのMg酢酸、1mMのEGTA、及び250μg/mLのヘビ毒ヌクレオチダーゼ、50nMの[8−3H]−cGMP(15Ci/mmol、Amersham)又は[8−3H]−cAMP(25Ci/mmol、Amersham)を使用する。反応を、25μLの希釈した酵素調製物の添加によって、開始する。そのアッセイを、30分にわたり、30℃でインキュベートする。微小カラムを、水中で(12mL/g)、2時間にわたり先に腫大させたQAE Sephadexのウェル当たり300μLを一定分量化することによって、調製する。インキュベーションの最後に、アッセイの総量を、濾過によって微小カラムプレートに負荷する。遊離放射能の溶出を、200μLの水によって得、50μLの一定分量が、シンチレーション測定によって分析される
PDE5の強力阻害剤に成ることに加えて、また、その候補化合物は、選択的でなくてはならない(知られている阻害剤の幾つかの副作用は、心臓に見出されるPDE1及び主に網膜に位置づけられるPDE6等の、他のPDEの非特異的阻害のため、少なくとも部分的にはそのためであると考えられる、また[92]を再検討のために参照されたい)。他のPDEファミリーに対してアッセイされる場合、それらは、PDE5に向けて少なくとも50倍大きな効力を表さなければならない。これらのファミリーは、PDE1、Ca2+/カルモジュリン依存性;PDE2、cGMP刺激;PDE3、cGMP阻害;PDE4、cAMP特異的;PDE5、cGMP特異的;PDE6、光受容体cGMP特異的;PDE7、cAMP特異的;PDE8、cAMP特異的;PDE9、cGMP特異的;PDE10及びPDE11を含み、cAMP及びcGMPの双方を加水分解する。加えて、これらの化合物は、PKG、PKA、PKC、及びPKB等のキナーゼに対して、選択的でなければならない。これらのPDE、ならびにPKG及びPKAのためのアッセイは、研究室において確立されている。
第1の培養物及び成体マウスの試験:十分なインビトロでのPDE5阻害活性(IC50<50nM)を伴う化合物を、機能的アッセイでさらに試験し、その化合物が、神経細胞のcGMPを増加できるかを決定する。海馬の神経細胞を、すでに説明したように調製し[93]、24ウェルの培養皿において、(1−2)×105細胞/ウェルの密度で、播種する。実験は、細胞がコンフルエンスに達し、シナプス接触を形成する、培養物中の10日後に行う。培地を吸引、PDE阻害剤を含有する0.5mLのPBSと置換する。37℃で30分後、可溶性グアニリルシクラーゼを、100μMのBAY41−2272(PDE活性への効果を伴わないsGC刺激剤[94])の添加によって、37℃で10分にわたり刺激する。インキュベーションの最後に、その培地を除去し、細胞外環状ヌクレオチド決定のために、−20℃で貯蔵する。細胞内環状ヌクレオチドを、4℃で、5分にわたる2回のエタノール性(65%)洗浄によって抽出する。そのエタノール性抽出物をプールし、蒸発乾固させ、−20℃で貯蔵する。cGMPを、シンチレーション近接イムノアッセイ(Amersham)によって、測定する。全ての実験を、三つの組で行う。
また、海馬の培養物の試験を通過する化合物を、成体マウスにおいて試験する、急性毒性の評価が後に続き、動物に投与される化合物の用量を決定する(下記の「毒性試験」を参照されたい)。動物をPDE阻害剤を用いて処置し、試料を収集し、即時にホモジナイズし、4mMのEDTA(Amersham,IL)を含有する、BIOTRAK cGMP酵素イムノアッセイキット緩衝液中で超音波処理し、試料を遠心分離(12,000xg、5分間)し、キットを使用して上清中でcGMPを測定する(結果は、Lowryの方法を用いて、ペレットタンパク質レベルを規格化する)。次のPDE阻害剤及びそれらの阻害剤又はそれらの代謝物に続いて、cGMPレベルの増加を透析液中に検出し、見出す場合、その候補化合物を、活発であると見なす。
計算戦略
一般研究。PDE5に結合する新しい薬物候補を発見するため、医薬品化学の試みを計算モデルによって助ける。Xiong et al.,(“Dynamic structures of phosphodiesterase−5 active site by combined molecular dynamics simulations and hybrid quantum mechanical/molecular mechanical calculations,” Dec 27 2007,J Comp Chem [Epub ahead of print])に説明される構造に基づく仮想スクリーニング等の合理的設計アプローチは、アミノ酸残基、F787、L804、I813、M816、又はPDE5のそれらの組み合わせ(Card et al.,2004,Structure,12:2233−47)と連合する新しい薬物を見出す機会を最大化することを助けることができる。計算プロトコルを、図13に表された足場の4つの主要なクラスによって表された構造 を使用して、予備ドッキング研究のために使用できる。その計算結果は、幾つかの構造又はそれらの構造的変異体が、PDE5の結合部位に適合するかを質的に表すことができる。
一般的ADMETの考慮
ライブラリーメンバーのADMET特性に関する最適化は、合成努力を導くように薬物発見の早期の段階で考慮されるべきである[167、168]。設計目的のために、med chemフィルター(MCF)を使用し[169、170](例えば、反応性、不安定、又はトキシコフォア群の存在)、設計された化合物のコンプライアンスを、Lipinski「5の法則」[171、172][それは、1)5又はそれ以下の水素結合ドナー、2)10又はそれ以下の水素結合受容体、3)500未満の分子量、4)産出されたlogPは、5未満又は5と等しい、と記載する]によって調節し、極性及び親油性表面領域を、溶解性及び細胞透過性特性[173]、及びADMET予測装置を利用して[149]、潜在的阻害剤の最適な生物学的利用率スコア[174]に、最適のまま保持する。
ADMET予測装置[149]、よく知られる5の法則を越えて、追加のADME予知モデルを含む先端ADMET構造特性予測プログラムを、可動性ドッキングを介して潜在的リガンドを予測するために使用できる。プログラムは、経口吸収(pKa’sを含む)、ならびに幾つかの薬物動態特性及び毒性の多くの態様[149]に重大な全ての重要な特性を予測する。また、BBB透過を、各候補化合物の極性表面積(PSA)及び油/水分配係数(logP)を算出する、確立された定量構造活性関係(QSAR)及び人工神経網(ANN)モデル[150、151]を使用することによって、理論的に推定する。これらのQSAR及びANNモデルは、化合物のBBB透過を、化合物のPSA及びlogP(又はPSA及び分子量)によって決定することを示し、双方をADMET予測装置によって、便利に算出できる。通常、BBBを通過できる化合物は、450Da未満の分子量及び90Å2未満のPSAを有するべきである[150]。
かかる考慮は、膜を透過する化合物の能力を保証し、したがって細胞及び動物レベルの双方で、研究を可能とするために適切である。だが、薬らしいと計算的に予測された分子は、実際のインビボ活性に影響する非常に多くの異なる機構及びパラメーターが存在するため、「自動的に薬らしく」[175]はないことが、留意されるべきである。ADMETプロファイルを改善するために必要とされ得るさらなる修飾を可能にするため、「リード類似」[176、177]判断基準を使用することに、主要な重点を置く。得られた「リード類似」化合物の活性及びADMETプロファイルを、後に、計算機モデリングの追加のラウンド及び医薬品化学の試み、ならびに細胞及び分子薬理学及びインビトロ及びインビボ毒性学のための、様々な細胞に基づくアッセイを通して改善することができる。
実施例3−ADのために最適化されたPDE5阻害剤の同定−化合物が、良好なPK、生物学的利用率、及び脳透過を有するかの決定
中枢神経系薬物を開発する時、行う必要がある薬物動態アッセイは、a)生物学的利用率及びb)脳取り込みの測定を含むであろう。それらを、候補化合物を腹腔内注射されるマウスにおいて行う(最終薬物候補のために、また、PK試験を経口及び点滴投与の経路を使用して行う)。5〜6匹のマウス/性別を、各時点に対して使用する。生物学的利用率(投与後、時間の関数として血液中の化合物の濃度)の評価のため、血液試料を、単一急性投与に続いて試験動物から得る。薬物投与後の時間過程研究は、少なくとも6つの点(5分、15分、1時間、2時間、5時間、及び24時間)を含む。その動物を、ペントバルビタール(50mg/kg)で麻酔する。血液を心腔内穿刺によって収集し、ヘパリン化管に収集し、遠心分離によって血漿を得る。試料を、候補化合物及び代謝物の量を測定するために、LC−MSによって分析する。脳取り込み及び血液脳関門透過の示唆は、マウスのPBSを用いた灌流が続く、脳からの候補化合物の組織抽出物を得る。手短に述べると、脳ホモジネートを、10分にわたり12,000xg遠心分離する。その化合物を、固相抽出物によって単離し、次いでHPLCによって分析し、LC−MSを使用して測定する。脳濃度の時間依存性変化のパターンを、血液濃度のそれと比較する。同様のパターンは、脳取り込みが血液の濃度を反映する事実を示す。ピーク脳/血液濃度比率>1は、化合物の脳取り込みが、臨床用途において、知られる中枢神経系薬物のそれと匹敵することを表す。例えば、ミナプリン、6フェニルアミノピリダジン中枢神経系薬物の脳/血液比率は、>2である[178]。
一般的考慮:注目すべきことに、シルデナフィルがBBBを通過することを表し[179]、AD動物モデルでのシルデナフィルの有効性は、PDE5阻害剤が、中枢神経系標的のために脳透過を達成することができることをさらに示す。脳透過のための「黄金則」が存在しないにもかかわらず、経験的相関関係は、400〜500Daより小さい分子量、又は8以下の水素結合、及びカルボン酸よりはむしろ塩基性アミンの存在の重要性を表す。また、計算的なアプローチ(上記の「計算的な設計」の「段階#2」を参照されたい)を含む様々な方法は、薬物候補の中枢神経系透過を評価するために開発された。また、PDE5は細胞内酵素であり;PDE5阻害剤は、cGMPを増加するために細胞膜を通過せねばならず、したがって、PDE5活性のための細胞に基づくスクリーニングは、吸光度の課題にも取り組むことになる。最後に、候補薬物の構造は、BBB透過への化学に基づくアプローチを支持することができる。例えば、水溶性上の極性機能的群、非中枢神経系透過薬物を、脂質可溶性部分を導入することによって遮蔽することができ、又は水溶性薬物を、脂質可溶性薬物担体と抱合させることができる。理想的に、その新しい薬物又はプロドラッグは、脳内で代謝され、親薬物に転換される。臨床実践において[180]、この化学に基づくアプローチは、BBB薬物送達問題を解決するための使用に成功している。段階#2で説明された計算的方法と併用して、それはBBBアクセスの信頼できる予測を提供すべきである。
新しく同定された化合物が安全であるかの確認
APP/PS1マウスにおいて薬物有効性を決定する前であるが、十分な量の化合物の合成及び送達のための製剤の決定後に、薬物動態特性及び化合物の毒性に取り組むデータを生成する。ADMETに伴う問題のため[181]、全ての薬物の半分以上が、標識に達することに失敗することが推定される。したがって、費用のかかる動物毒性学の過程に乗り出す前に、Charles River Laboratoriesによって行われた迅速で、安価な一連のアッセイを用いて、化合物をスクリーニングするためにインビトロADMET試験の近年の進歩が利用される。市場からの多くの薬物の撤回をもたらし、時に全体の化学系統に影響し得る、2つの領域:薬物薬物相互作用(肝臓代謝)、hERGチャネル妨害物(心機能不全)に焦点が置かれるであろう。肝毒性(過去25年における薬物撤回の主な要因、及び大量の投薬治療を受けているアルツハイマーの集団に特に重要である)に関連した薬物薬物相互作用を試験するため[182]、チトクロムP450阻害アッセイを使用する。チトクロムP450は、肝臓代謝の重要な成分である。なお、PDE5阻害剤、及びアゾール抗真菌、エリスロマイシン、及びHIVプロテアーゼ阻害剤等のチトクロムP450(P3A4アイソフォーム)によって代謝される他の薬物間の薬理学的相互作用が存在する。したがって、このELISAアッセイから集められたIC50データは、CYP450のアイソザイムを阻害する化合物の除去を可能にする。適した心臓電気生理学を障害し、トルサードポアン(Torsades−de−pointes)及び致死へと導き得るhERGチャネル妨害物の試験のために、ルビジウムフラックス方法を、リード化合物が、これらの重要な心筋チャネルを通るイオンの流動に影響するかを評価するために使用する。
次に、急性毒性を評価する。全ての臨床徴候、開始の時間、持続時間、毒性及び死亡率の可逆性を記録する。動物を、最初の4時間に与えられた連続的監視と共に最初の24時間にわたり周期的に観察する、次いで14日にわたり、又は死ぬまで少なくとも1日1度、食物及び液体摂取量、体重、ならびに自発運動及び探索行動を調べるため、観察する。
また、最大耐性用量(MTD)及び慢性毒性も評価する。MTDを、倦怠感又は死(時間とともに体重を監視する)に関して、いずれの毒性効果も産生しない最大投薬量として計算する。慢性毒性をMTDで評価する。全ての臨床徴候、開始の時間、持続時間、毒性及び死亡率の可逆性を記録する。
慢性毒性徴候の出現を、処置の終了後、少なくとも1ヶ月にわたって評価する。総剖検を、瀕死の犠牲となった、死亡が確認された、もしくは急性処置又は30日にわたる慢性処置の終了14日後に殺処理したものを含む、全ての動物で行う。剖検での総評価は、体重、臓器の測定を含む。臓器の色を、脂肪変化、出血、色素沈着、又は他の変化が存在するかを決定するために記す。臓器を、異常成長、線維症、壊死、又は脂肪沈着等の一貫性における、病変及び変化の検討のために、触診、直接的に可視化する。肝臓、腎臓、脳、及び筋肉の病理組織評価を行う。
肝臓切片を、アポトーシス及び壊死、線維症、脂肪肝、肥大、色素沈着(胆汁、鉄分、及び銅)ならびに膨大細胞(ミトコンドリア増殖性)変化を含む、肝細胞炎症、胆管増殖、肝細胞損傷に対して評価する。スライドを、初期検討のために、ヘマトキシリン及びエオシン及びトリクローム染色を用いて染色する。
腎臓切片を、ヘマトキシリン及びエオシン、トリクローム染色及び過ヨウ素酸シッフ(PAS)を用いて検討する。糸球体、血管、尿細管、集合管及び間質を、細胞充実性、炎症、コラーゲン沈着/線維症/硬化症に対して評価する。近位尿細管上皮細胞障害又は腎臓乳頭壊死、より一般的な腎毒性作用の幾つかが存在するかを決定する。
神経毒性を、新皮質、線条体、視床、海馬、小脳、脳幹及び脊髄を含む脳の全ての領域において、評価する。脳を、細胞構築、神経細胞脱落(アポトーシス及び壊死)、炎症、軸索変性、神経膠症、及びミエリン形成に対して検討する。ヘマトキシリン及びエオシン染色されたスライドが、一般的評価のために使用され、必要な場合、追加の染色にミエリン形成のためのルクソールファストブルー−PAS、アストロサイト反応のためのGFAP(グリア線維酸性タンパク質)、及びミクログリア応答に対するCD68が含まれるだろう。
筋肉を、神経原性又は筋障害性萎縮、壊死性繊維、再生繊維、脂肪沈着、又は炎症に対して検討するために、ヘマトキシリン及びエオシンを用いて評価する。トリクローム染色を、線維症を決定するために使用する。変化を初期のスクリーニング中に決定する場合、凍結した切片を、ATP合成酵素染色を用いて繊維型分布を評価するために、作成する。フルオレセイン二酢酸方法を使用した第1の神経細胞培養物中への薬物の投与後、インビトロ細胞毒性アッセイを、細胞生存率を評価するため行う。運動、センサー、動機づけ及び認知能力を、可視の及び隠しプラットフォーム試験、ならびに総行動評価(探索行動、PICA、給餌、窮迫)を使用した、急性及び慢性毒性評価の双方中、監視する。動物に過剰な疼痛又は組織障害を引き起こすことを避けるために、刺激薬又は腐食性特徴を用いた医薬品を、局所効果からのみ重篤な毒性を産生できる濃度では投与しない。
一般的考慮:インビボ毒性は予測するのに非常に困難な特性であるが、幾つかの一般的戦略が続く。分子求電子(すなわち、アルキルハロゲン化物又はMichael受容体)を与えることができる機能性に、即時的に取り組む。かかる機能性は、毒性をもたらすことが一般的に見出されている。例えば、的中がブロモメチル基を含有する場合、誘導体を調製し、臭化物を除去し、それを電子吸引性及び/又はトリフルオロメチル等の疎水性基(しかし、良好な離脱基ではない)と置換し、又は臭素及びメチレンに結合する他の置換基間のメチレンを除去(すなわち、ベンジル臭化物をブロモフェニルに形質転換する)し得る。
また、代謝安定性を経験的に予測するのは困難である。しかしながら、代謝的に不安定(すなわち、エステル)であるとして一般的に知られている機能性は、知られている生物学的等価物と置換される[183]。低い代謝安定性へと導く別の一般的経路は、芳香族環酸化である。したがって、SAR研究の間、芳香族及びヘテロ環状環に、電子吸引性基(例えば、F又はCl)の戦略的な配置によって、又は置換(すなわち、ピリジン環とのフェニル環の置換)によって、電子豊富にはならない。この変化が低下した有効性をもたらさない場合において、代謝安定性の有意な増加を理解できる。加えて、生物抱合[184]を起こしやすい代謝物を産生することで知られている、機能性を除去するための試みが成され得る。かかる代謝物は肝毒性であり得、化合物の有用性を限定し得、その化合物は捨てられる。
化合物分析。合成し、生物活性に対して試験した全ての化合物を、完全に特徴づけ、HPLC及び1H NMRによって決定することにより、>95%まで精製する。さらに、追加の分析技術(すなわち、13C NMR、IR、融点、MS及び/又はエレメント分析)を使用し、構造を決定し、精製する。光学的に純粋な物質の場合において、その純度をキラル固定相HPLCによって評価する。構造的不確実性が残存する特定のの場合において、他の技術(すなわち、2−D NMR、及びX線結晶解析)が利用される。
実施例4−APP/PS1マウスのシナプス機能障害を救出する化合物を選択することによる、新規PDE5阻害剤のスクリーニング
シナプス機能障害は、AD[1]の主要な特徴である。ADの幾つかの動物モデルは、過去12年にわたって、利用可能と成った。最速のモデルにおいても、AD病態が2ヶ月目の最終前に開始することはないため、動物に薬物を注射し、シナプス機能障害、プラーク形成、及びAβレベルの増加に有益であるかを評価するのに、少なくともこの年齢まで待つことが必要であった。かかるインビボアプローチは、労働集約的であり得る。代替的アプローチを、Tg動物からの細胞培養物の使用によって達成し、それはAD又はAβに関連する疾患の治療及び療法のための化合物(米国特許出願番号第10/980,922号を参照されたい)のスクリーニング及び試験の新しく、速く、効果的であり、再現できるインビトロ方法を提供する。これらの候補を検討し、それらが活性終末ボタンの基底数、及びAPP/PS1培養物中の活性終末ボタン数の、グルタミン酸誘発性の長期にわたる増加の変化を救出するかを見極める。この方法は、比較的速く、容易に行える[93、185]。
そのPDE5阻害剤が、通常の数の活性終末ボタン、及びAPP/PS1マウスからの培養物中の活性終末ボタンのグルタミン酸誘発性増加を回復するかを検討する。次に、これらの結果を海馬のスライスで検証し、エンハンサーが、APP/PS1マウスからのスライスのCA1領域中の通常のLTPを回復するかを見極める。
既存のPDE5阻害剤のmed/chem解析に基づいて、足場の4つのクラスを同定し、新規PDE5阻害剤候補の開発のための役割を果たす。これらの化合物をスクリーニングし、本明細書で説明される計算モデルを使用して、最適化する。したがって、新規PDE5阻害剤を、a)高い特異性及び効力、b)優れた中枢神経系透過、及びc)安全性を用いて同定する。以下の基本的な3つのエンドポイントは、a)PDE5の高い親和性及び他のPDEに関する良好な選択性を伴う化合物の同定、b)かかる化合物が、良好なPK、生物学的利用率、及び脳透過を有するかの決定、c)前述の判断基準に適う化合物が安全かの確認に集中する。
実験設計:APP/PS1培養物が機能的シナプス前放出部位の基底数の増加を表す知見に基づいて(図22Bを参照されたい)、その化合物を、活性終末ボタンの通常の基底数を回復できるものを選択するため、MedChem研究によって表されるようにスクリーニングする。PDE5阻害剤処置有り及び無しでの活性終末ボタンの数を、二重Tg−及びWT−同腹子からの培養物中において検討する。APP/PS1及びWT同腹子からの10日目の培養物を、4日にわたり処置し、化合物が、活性終末ボタン数の増加を救出することができるかを試験する。また、APP/PS1及びWT同腹子からの10日目の培養物を、20分にわたり処置し、短い処置が、機能的活性終末ボタンの増加を救出するかを試験する。二重Tg及びWT動物からの化合物処置された培養物間で、基底活性終末ボタン数にいずれの差異も存在しないが、媒体単独で処置された二重Tgマウスからの培養物は、増加した基底活性終末ボタン数を表し、化合物を、AD動物モデルからの培養物中の機能的終末ボタンの基底数の変化の発達の遮断薬と見なす。
活性終末ボタンの数のグルタミン酸誘発性増加の欠乏は、APP/PS1マウスからの培養物中で発生する別の現象である(図22Cを参照されたい)。新しい化合物を、この可塑性変化の機能障害を救出することができるかに関して、検討する。同一戦略を、活性終末ボタンの基底数に関して使用する。手短に述べると、APP/PS1及びWT同腹子からの培養物を、活性終末ボタン数のグルタミン酸誘発性増加を誘発する前に、10日目から4日にわたり、又は10日目に20分にわたり処置する。活性終末ボタン数のグルタミン酸誘発性増加の回復を検討する。これを観察する場合、その化合物が、APP/PS1マウスからの培養物中のシナプス可塑性の機能障害を救出することができると見なす。
方法
二重Tgマウスを、PS1(M146L)(ライン6.2)動物を用いてAPP(K670M:N671L)を通過することによって得る。その遺伝子型を、尾試料でのPCRによって同定する[186〜188]。第1の培養物を、すでに説明したように、1日目のマウスの子から調製する(Ninan et al [189]を参照されたい)。
小胞サイクリング研究を、蒔いた後、7〜21日目に行う(Ninan et al[189]の詳述を参照されたい)。手短に述べると、FM1〜43の負荷を、灌流培地が通常の浴溶液から、45秒にわたって、5μMのFM1〜43を用いた高カリウム血性溶液へと変化することによって、誘発する。ADVASEP−7(1mM)を、1分及び6分の洗浄で、洗浄溶液に60秒にわたって導入する。負荷軽減を、高カリウム血性溶液(FM1〜43無しで)の複数の15秒間の適用を用いて行う。高カリウム血性溶液への複数回の暴露前後の画像間の差異は、FM1〜43染色された小胞の測定を提供する[図22Aを参照されたい]。細胞体からの12μMで、ランダムに選択された神経突起(15X6.85μm視野)の均一長さ当たりの活性終末ボタンの数を、盲検法で測定する。可塑性を、グルタミン酸(30秒にわたるMg2+遊離浴溶液中に200μM)を通して誘発する。染色及び脱染手段を、グルタミン酸後、30分繰り返す。全ての画像を、Nikon D−Eclipse C1共焦点顕微鏡を使用して取得する。ランダムに選択された視野(30.8X30.8μm)からの終末ボタンの総数を、NIH画像(v.1.61)を使用して、盲検的に評価する。
電気生理学的解析を、オスで行う(Gong et al,[83]の詳述を参照されたい)。400μMのスライスを、組織チョッパーを用いてカットし、記録前に、29℃で90分にわたり界面チャンバーで維持する。手短に述べると、CA1fEPSPを、刺激及び記録電極の双方をCA1放線状層に配置することによって、記録する。BSTを、fEPSPの勾配に対する刺激電圧をプロットすること、又はfEPSPの勾配に対する線維斉射のピーク振幅をプロットすること、のいずれかによってアッセイする。LTP実験のために、15分のベースラインを、毎分、最大誘発反応の〜35%応答を誘発する強度で記録する。LTPをθバースト刺激を使用して誘発する(100Hzで4パルス、5Hzで繰り返すバーストを用いた、及び15秒で隔てた3つの10バースト訓練を含む各テタヌス)。
統計解析を、本明細書で説明されるように行う。
実施例5−APP/PS1マウスの認知異常を防止するかを検討するための、シナプス機能の試験を通して選択されたPDE5阻害剤のスクリーニング
NO/sGC/cGMP/PKG/CREB経路のエンハンサーは、年齢3ヶ月及び6ヶ月のAPP/PS1マウスにおいて、観察された認知欠損を救出することができる。Tg培養物及びスライスの新規PDE5阻害剤スクリーニングを、空間作業記憶、参照記憶、及びコンテキスト恐怖学習の機能障害からAPP/PS1マウスを保護できるかに関して、決定する。新規PDE5阻害剤を用いた処置を、それらがAPP/PS1マウスの異常認知への有益な効果を有するかを見極めるため、検討する。
実験設計:第1連の実験において、空間作業記憶、ADに影響されている患者及びAPP/PS1マウスにおいて、早期の段階で障害されている短期記憶のタイプを、RAWMを使用して試験する。次に、FCを用いて試験され、APP/PS1マウスにおいて年齢3ヶ月で障害されている連合記憶、コンテキスト記憶のタイプを、検討する。最後に、MWMを用いて試験され、APP/PS1マウスにおいて年齢6ヶ月で障害されている参照記憶、長期記憶のタイプを、評価する。加えて、対照を、可視のプラットフォーム作業、感覚闘値及び手掛かり条件付け試験を用いて、行う。その処置を、予備研究(すなわち、訓練後即時に)と同一適時選択を用いて、行う。試験するための条件は、PDE5阻害剤で処置されたAPP/PS1及びWT、媒体で処置されたAPP/PS1及びWT、を含む。行動試験後、マウスを殺処理し、それらの血液及び脳を、Aβレベルの測定のために使用する。PDE5阻害の有効性に対する対照として、APP/PS1マウスの海馬のcGMPレベルを、化合物の投与後に測定する。化合物が有益な効果を有する場合、RAWM、及び/又はMWMにおいて、及び/又は化合物で処置されたTgs及びWT同腹子間のFC作業において、媒体処置された二重Tgsが、異常L&Mを表すべきであるにもかかわらず、いずれの差異又は少しの差異も存在しないべきである。化合物で処置されたWTマウスは、通常の学習を表すべきである。いずれの差異も、速度及びプラットフォーム(可視のプラットフォーム試験)への潜時、ならびに様々な群のマウスに対する手掛かり条件付けにおいて期待されない。また、いずれの差異も、様々な群のマウスのショックの感覚知覚において、期待されない。これらの結果は、これらの化合物を用いた処置が、AD動物モデルの認知異常の発達を防止できることを示唆するであろう。また、化合物が、記憶の、他ではない1つのタイプを寛解できる可能性も存在する。化合物の有益な効果は、記憶のそのタイプに限定される。
これらの研究において、RAWM及びFCへのシルデナフィルの有益な効果は、薬物の適用の持続時間を越えて持続することが観察される。RAWM及びFCへのこの持続効果が、新しく同定されたPDE5阻害剤を使用して観察されるかに取り組めため、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスの一群を使用し、2つのサブグループに分け、それぞれ化合物及び媒体を用いて、処置する。その処置は、3週間にわたって持続する。WT同腹子は、対照として役割を果たし、同一処置を受取する。動物が生後6ヶ月になるため、それらは、RAWM、MWM、及びコンテキストFC、ならびに可視のプラットフォーム試験、感覚闘値試験、及び手掛かり条件付けを含む、行動試験の完全なバッテリーを行う。次いで、その動物を、海馬のcGMPレベル、ならびに血液及び脳Aβレベルの測定のために殺処理する。その化合物が通常の認知を回復する場合、これらの化合物の有益な効果を、薬物適用を超えて持続する、成体AD動物モデルの認知機能障害に作用するとものと見る。
方法
これらの研究で使用される動物を、本明細書で説明する。
行動研究:実験を、変動を減少するため、オスの動物のみに盲検法で行う。
空間作業記憶。このタイプの短期記憶は、RAWM試験を用いて研究することができる。その作業は、ADの他のTgモデル[23、33、76、211]の解析において、情報価値があることが立証されている。手短に述べると、そのRAWMは、粉乳による不透明水で満たされている水槽から成る。壁内を、6つのアームを産生するために位置し、中枢領域から照射する。空間キューを試験室の壁上に提示する。アームの1つの末端は、明瞭な10cm水浸したプラットフォームであり、所与の日の全ての試験で同一位置にとどめるが、日々ランダムに移動する。各試験のために、そのマウスは、異なるランダムに選択されたアームで作業を開始する。そのマウスは、前の日のプラットフォームの位置のその長期記憶を使用できないが、部屋に提示された空間キューに基づいて、問題になっている日のその位置の短期記憶に頼らなければならない。各試験は1分持続する、マウスが間違ったアームに入る、又はプラットフォームに達するのに10秒以上必要とするたびに、エラーを数える。各エラー後、そのマウスを試験の開始アームへと戻す。4つの連続取得試験後、そのマウスをそれらのホームケージに30分間配置し、次いで迷路へと戻し、第5の保持試験を実施する。試験は、第4、第5の試験で同一の数のエラーをWTマウスが出すことによって、完了したと考慮する。試験の最終3日間の各マウスのスコアを平均化し、統計解析のために使用する。視覚及び運動欠損を試験するための可視のプラットフォーム訓練を、黒色の旗で標識されたプラットフォームを伴う、同一であるがアームの無いプールで、試験ごとにランダムに位置して行う。各動物を、1分にわたり泳がせる。プラットフォームに達する時間及び速度を記録する。
参照記憶。記憶のこの長期にわたるタイプを、以前に説明されているように[23]、MWMを用いて試験する。手短に述べると、その試験を、上記と同一であるがアームの無いプールで行う。そのプールを、4つのセクションに分ける。そのマウスは1つのセクションから開始し、水の表面真下の隠しプラットフォームを見出す。プラットフォームの位置は、異なる日々を通して一定に残存する。隠しプラットフォーム(潜時)に達するために必要とした時間を記録する。その訓練の後に、プラットフォームを用いた4つのプローブ試験が続き、空間記憶の保持を試験する。プラットフォームを含有するために使用した象限で、費やした時間の割合を、ビデオトラッキングシステム(HVS Image,UK)を用いて記録し、分析する。
FC。連合記憶は、訓練及び試験の複数の日を必要とする他の行動作業よりも、非常に速い[33]。条件付けチャンバーは、防音箱中にある。条件付けチャンバーは、36本のバーで絶縁されたショックグリッドの除去可能な床を有する。手掛かり及びコンテキスト条件付け実験のために、マウスを、分散トーン(CS)(2800Hz及び85dBで30秒持続した音)の開始前に、2分にわたり条件付けチャンバー中に配置する。CSの最後の2秒において、マウスに床のバーを通して、2秒にわたり0.50mAのフットショック(US)を与える。CS/US対呈示後、マウスを、さらに30秒にわたって条件付けチャンバー中に放置し、次いでそれらのホームケージに戻す。必然的に生じる呼吸を除外して全ての運動の不在として定義されるすくみ挙動を、静止表示ソフトウェアをしようしてスコア化する(MEDAss.Inc.)。コンテキスト恐怖学習を評価するために、訓練後24時間、マウスを訓練するチャンバー内において、すくみを5分にわたり(連続的)測定する。手掛かり恐怖学習を評価するために、次のコンテキスト試験、マウスを、新しいコンテキスト(平滑な床及びバニラ臭を伴う三角形のケージ)に2分(CS試験前)にわたり配置する、その後、それらをCSに3分(CS試験)にわたり暴露し、すくみを測定する。説明されたように[33]、ショックの感覚知覚を閾値評価を通して決定する。
cGMP及びcAMPの決定:その方法を、「薬物活性の評価」、「成体マウスにおける試験」のセクション(cAMPに対して、BIOTRAK cAMP酵素イムノアッセイキット緩衝液を使用する)に、説明した。
Aβレベルの決定を、すでに説明したように[23]、凍結した脳半球のホモジネートで行う。ホモジネートをギ酸と混合い、超音波処理し、4℃で、50,000rpmでスピンする。上清を、中和溶液中で希釈する。その中和した物質を、ELISAプレートに負荷する前に、−80℃で貯蔵する。Aβを、Aβ40(JRF/cAβ40/10)又はAβ42(JRF/cAβ42/26)のいずれかに対する単クローン抗体でトラップする、次いで西洋ワサビペルオキシダーゼ抱合JRF/Aβtot/17[212]を用いて検出する。ELISAシグナルを、合成Aβ40及びAβ42ペプチド基準値(American Peptide)を使用した基準曲線に基づいて、fmolのアミロイドβ当たりmgのタンパク質(BCAタンパク質アッセイ試薬キットを用いて決定、PIERCE)で、2つのレプリカウェルの平均値±s.e.m.として報告する。
血液を、10mMのEDTAを含有する管に収集し、4℃で5分にわたり、4000rpmで遠心分離する。ELISAプレートに負荷する前に、血漿を、−800Cで貯蔵する。
統計解析:全ての実験のために、マウスをコード化し、研究者を遺伝子型及び処置に関して盲目にする。結果を標準誤差(SEM)として表す。有意性のレベルを、P<0.05に設定する。結果を、薬物又は遺伝子型を主作用として用いた、事後補正を用いて分散分析で分析する。実験を、バランスの取れた方法で設計する、マウスを訓練し、3つ又は4つの別々の実験において、それぞれの異なる条件で試験する。プローブ試験のために、データを、象限で費やした時間の割合の反復測定に対する、分散分析を用いて分析する、象限は、他の象限に対して、訓練中にプラットフォームを位置づけており、マウスがターゲット象限から右、左、又は逆の隣接象限よりも、標的でより多くの時間を費やすかを確認するために、計画比較を後に行う。
実施例2〜5の参考文献
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実施例6−キノリン化合物及び薬理学研究
電気生理学的プロトコル
次のカットする海馬のスライスを記録チャンバーに移動した、それらは29℃で維持され、人工脳脊髄液(ACSF)で灌流し、95%のO2及び5%のCO2で連続的に沸き立てた。mM中のACSF組成物は、124.0NaCl、4.4KCl、1.0Na2HPO4、25.0NaHCO3、2.0CaCl2、2.0MgSO4、10.0グルコースであった。CA1fEPSPを、CA1放線状層において刺激及び記録電極の双方に配置することによって、記録した。BSTを、fEPSPの勾配に対する刺激電圧をプロットすること、又はfEPSPの勾配に対する線維斉射のピーク振幅をプロットすること、のいずれかによってアッセイした。15分のベースラインを、毎分、最大誘発反応の〜35%応答を誘発する強度で記録した。LTPをq−バースト刺激を使用して誘発した(100Hzで4パルス、5Hzで繰り返すバーストを用いた、及び15秒で隔てた3つの10バースト訓練を含む各テタヌス)。テタヌス刺激後、応答を1時間にわたり記録し、ベースラインの割合として発現された興奮性シナプス後場電位(fEPSP)勾配を測定した。
これらの実験において、YF012403(シクロプロピルリード化合物)を、シータバーストの前に、10分にわたる灌流システムを通して、海馬のスライスに直接与えた。Aβ42を、シータバースト前に、20分にわたり与えた。オリゴマーのAβ42を、すでに説明したように調製した(Stine et al.,2003)。手短に述べると、凍結乾燥したペプチド(American Peptide)を、100%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP;Sigma,St.Louis,MO)で1mMまで再懸濁した。その溶液を一定分量し、HFIPをドラフトで蒸発させた。得られた明瞭なペプチド膜を、SpeedVac中の真空で乾燥し、−20℃で貯蔵した。使用前24時間、一定分量をジメチルスルホキシド(DMSO;Sigma)に添加し、10分にわたって超音波処理した。オリゴマーのAβ−42を、Aβ−42−DMSOをACSF濃度まで希釈することによって得、30秒にわたってボルテックスし、24時間にわたって4℃でインキュベートした。使用前、この化合物をACSFに添加し、200nMを得た。
急性毒性プロファイル
時間記録:24時間−7日。時間記録において、いずれの致死的効果も観察しなかった。
用量:
●500mg/kgで単一用量、腹腔内(ip)。
●1,000mg/kgで単一用量、腹腔内(ip)。
●2000mg/kgで単一用量、経口(po)。
種:マウス
化合物
キノリン含有化合物の新しいクラスを合成し、優れたPDE5阻害剤効力、高い選択性、血液脳関門(BBB)に対する合理的な薬物動態及び良好な透過性を有する。これらの化合物は、米国で第3に費用のかかる疾患である、AD患者の副作用を最小化するために使用することができる。また、本発明の化合物は、勃起不全(ED)、肺高血圧症、心血管障害、糖尿病、及び消化器疾患を治療するために使用することができる。
リード化合物は、8−シクロプロピルキノリン誘導体(YF012403)及び8−ジメチルアミノキノリン(YF016203)誘導体である。PDE5に対するこれらの化合物のIC50は、それぞれ1.2nM及び4.5nMである。例えば、BABL/cマウスにおいて、YF012403化合物半減期は、シルデナフィル(既知のPDE5阻害剤)と比較して、脳中で1.04時間、血漿中で1.33時間であり、シルデナフィルは、0.84時間の脳半減期及び1.21時間の血漿半減期を有する。脳組織中のYF012403の分布と、血漿中のそれ(非タンパク質結合遊離型、C脳/C血漿)との対比は0.41であり、BBBに対する化合物の透過が、妥当性(Druggability)に関して容認可能であることを示唆する。したがって、その化合物は、AD患者の治療に対する潜在的候補である。
YF012403は高い効力(IC50=0.27nM)、及び他のPDEアイソフォームよりも、PDE5の優れた選択性を有する(図27)。加えて、それは、50mg/kgの投与で、T最大=0.5時間及びC最大=385ng/gを用いた経口投与後、BBBを透過する。さらに、その化合物は、急性毒性試験において、最大で2g/kg(経口)まで安全である。最も重要なことに、それはエクスビボ及びインビボ有効性の双方を表す:それは、Aβ42を用いて処置した海馬のスライスのLTP、及びAβ42を用いて注入されたマウスのコンテキスト恐怖記憶を寛解する。YF012403は、Aβ上昇の後に続くシナプス及び認知機能の試験において、生物学的に活性がある。
リード候補としてYF012403を使用し、我々は、C3及びC8位置、ならびにキノリンの他の部分で異なる部分を有するPDE5阻害剤を設計し、合成する。キノリンのC8位置で置換されるN、及びS基(また、図50を参照されたい)は、以前に報告されたことがないことを留意されたい。
模式図Aの一般的合成方法
式XIII’及びXIV’の誘因化合物を、便利に、模式図Aで表されるように合成配列に従って、調製することができる(図38)。
図38で表されるように、市販の4−アミノ−3−ブロモベンゾニトリル(I’)から開始し、鍵中間体、置換4−ヒドロキシキノリンIII’を、ジエチルエトキシメチレンマロン酸とのアニリンI’の反応、その後の高温での分子内環化反応によって便利に調製する。次いで、置換4−ヒドロキシキノリンIII’を、フェニルアルキルハロゲン化物、ベンゾイルハロゲン化物又はフェニルスルホニルハロゲン化物と反応させ、8−ブロモキノリンV’を得た。代替的に、POCl3との反応によって、4−ヒドロキシキノリンを、対応する4−クロロキノリンVI’に容易に転換し、それは、フェニルアルキルアミンと反応し、鍵中間体VIII’を得るか、又はアンモニアと直接反応し、4−アミノキノリンIX’を得る。次いで、4−4−アミノキノリンを、フェニルアルキルハロゲン化物、ベンゾイルハロゲン化物又はフェニルスルホニルハロゲン化物と反応させ、別の鍵中間対X’を得た。式XI’によって表される鍵中間体V’、VIII’、X’から開始し、その誘因式XIII’を、8−ブロモキノリンXI’とのシクロアルキルボロン酸又は置換アミンの結合、その後のエチルエステル、得られた中間体XII’の減少によって調製する。置換アミン等の求核試薬、又はアルキルハロゲン化物、アシル、もしくはスルホアイル等の求電子試薬との反応物による置換を介して、その誘因式XIII’を誘因式XIV’に便利に転換する。
化合物の合成実施例
以下の実施例は、誘因化合物及び中間体の例証目的のためであり、いずれの様態においても、請求項の範囲を限定することを意図しない。当業者は、それらを変化又は修飾することができ、本質的に同一である結果を得ることができる、様々な重要性の低いパラメーターを容易に認識する。
実施例1。本発明の範囲内である化合物9aの合成を、図39に提供される個々のステップの詳細と共に、模式図Iに概略する。
ジエチル2−((2−ブロモ−4−シアノフェニルアミノ)メチレン)マロン酸
Figure 2012513464
(中間体3a)の調製物:
30mLのトルエン中の5.00g(25.4mmol)の4−アミノ−3−ブロモベンゾニトリルの溶液に、8.23g(38.1mmol)のジエチルエトキシメチレンマロン酸(2a)を添加した。次いで、冷却器を空気に開放して、一晩にわたってその混合物を、加熱還流した。得られた溶液を室温まで冷却し、100mLのヘキサンに注いだ。白色の沈殿物を収集し、ヘキサン(30mLx3)を用いて洗浄し、望まれる産生物として、11.9gのオフホワイトの固体を得た。MS ESI(m/z)367(M+1)+。
エチル8−ブロモ−6−シアノ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボン酸(中間体4a)の調製物:
Figure 2012513464
100mLのジフェニルエーテルを還流まで加熱し、その後、30分で5.00g(13.6mmol)のジエチル2−((2−ブロモ−4−シアノフェニルアミノ)メチレン)マロン酸を部分的に添加した。得られた茶色の溶液をさらに1時間還流し、次いで室温まで冷却した。その沈殿物を収集し、ヘキサン(15mLx3)を用いて洗浄し、望まれる産生物として、5.69gの淡褐色の固体を得た。MS ESI(m/z)321(M+1)+。
エチル8−ブロモ−4−クロロ−6−シアノキノリン−3−カルボン酸(中間体5a)の調製物:
Figure 2012513464
3.85g(12mmol)及び50mLのPOCl3の混合物を、48時間にわたって還流まで加熱した。その溶剤を真空中で除去し、CHCl3(50mL)及びトルエン(50mLx2)を用いて共蒸留した。得られた暗褐色のシロップを50mLのCH2Cl2中で溶解し、PH>10までEt3Nを用いて処置した。次いで、濃い赤色の溶液にシリカゲルパッド(3cm x 4 cm)を通過させた。そのシリカパッドを、100mLのCH2Cl2を用いて洗浄した。その濾液を収集し、濃縮し、茶色の固体を得た、それを直接的にさらなる精製無しで、次のステップにおいて使用した。
エチル8−ブロモ−4−クロロ−6−シアノキノリン−3−カルボン酸(中間体7a)調製物:
Figure 2012513464
上記の得られたエチル8−ブロモ−4−クロロ−6−シアノキノリン−3−カルボン酸の粗産生物に、3.12g(15mmol)の(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メタンアミン塩酸塩(6a)、7.74gのジイソプロピルエチルアミン、及び50mLのn−プロパノールを添加した。得られた混合物を2.5時間にわたって還流し、次いで100mLの冷水に注いだ。沈殿物を濾過によって収集し、H2O(30mL x2)及びエタノール(30mL x 3)によって洗浄し、表題化合物として5.0gの黄色固体を得た。MS ESI(m/z)474(M+1)+。
エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルアミノ)−6−シアノ−8−シクロプロピ−キノリン−3−カルボン酸(中間体8a)の調製物:
Figure 2012513464
窒素下で、5mLの乾燥トルエン内の475mg(1mmol)の8−ブロモ−4−クロロ−6−シアノ−キノリン−3−カルボン酸の溶液に、129mg(1.5mmol)のシクロプロピルボロン酸、58mg(0.05mmol)の(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、及び815mg(2.5mmol)のCs2CO3を添加した。混合物を一晩還流した後、溶液中のその沈殿物を濾過によって除去した。その濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(エチル酢酸:ヘキサン=1:4)によって精製し、望まれる化合物として366mgの黄色の固体を得た。MS ESI(m/z)436(M+1)+。
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルアミノ)−8−シクロプロピル−3−(ヒドロキシメチル)−キノリン−6−カルボニトリル(化合物9a)の調製物:
Figure 2012513464
窒素下で、5mLの乾燥THF中の180mg(0.43mmol)の中間体8の溶液に、2.2mL(2.2mmol)のリチウムtri(tert−ブトキシ)アルミニウム水素化物(1Mのヘキサン)を添加した。得られた溶液を一晩還流し、次いで1mLのMeOHを用いて停止させた。30分後、その混合物を分液漏斗に注ぎ、その後、150mLのCH2Cl2及び50mLの1N NaOHを添加した。その有機層を分離し、1N NaOH(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。固体を濾過した。濾液の濃度から、誘因化合物として、156mgの黄色の固体を得た。1H NMR(DMSO−d6,300 MHz):δ8.69(d、J=1.2Hz、1H)、8.48(s、1H)、7.42(t、J=7Hz、1H)、7.37(d、J=2.1Hz、1H)、7.33(d、J=1.2Hz、1H)、7.21(dd、J1=8.4Hz、J2=2.1Hz、1H)、7.08(d、J=8.4Hz、1H)、5.38(t、J=5.1Hz、1H)、4.79(d、J=7Hz、2H)、4.43(d、J=5.1Hz、2H)、3.79(s、3H)、3.09−3.14(m、1H)、1.02−1.08(m、2H)、0.72−0.87(m、2H);MS ESI(m/z)394(M+1)+
実施例2。本発明の範囲内である化合物11aの合成を、図40に提供される個々のステップの詳細と共に、模式図IIに概略する。
エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルアミノ)−6−シアノ−8−(ジメチルアミノ)−キノリン−3−カルボン酸(中間体10a)の調製物:
Figure 2012513464
窒素下で、5mLの乾燥トルエン内の475mg(1mmol)の8−ブロモ−4−クロロ−6−シアノ−キノリン−3−カルボン酸の溶液に、11mg(0.05mmol)のパラジウム(II)酢酸、50mgの(R)−BINAP、及び812mg(2.5mmol)のCs2CO3、及びエタノール(5.6M)内の3mLの溶液ジメチルアミンを添加した。混合物を一晩還流した後、溶液中のその沈殿物を濾過によって除去した。その濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(エチル酢酸:ヘキサン=1:2)によって精製し、望まれる化合物として140mgの黄色の固体を得た。MS ESI(m/z)439(M+1)+
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルアミノ)−8−(ジメチルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−キノリン−6−カルボニトリル(化合物11a)の調製物:
Figure 2012513464
化合物11aを、エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルアミノ)−6−シアノ−8−(ジメチルアミノ)−キノリン−3−カルボン酸から開始する化合物9aの調製で説明されるものと類似する方法によって、調製した。1H NMR(CDCl3、300MHz):δ8.37(s、1H)、7.90(d、J=1Hz、1H)、7.31(d、J=2Hz、1H)、7.16(dd、J1=8.7Hz、J2=2Hz、1H)、7.05(d、J=1Hz、1H)、6.90(d、J=8.7Hz、1H)、5.70(t、J=4.2Hz、1H)、4.67(s、2H)、4.64(d、J=4.2Hz、2H)、3.89(s、3H)、3.04(s、6H);MS ESI(m/z)397(M+1)+
また、本発明の範囲内である中間体10aを、図41に提供される個々のステップの詳細と共に、模式図III〜A1で概略される合成経路を通して合成する。
3−(ジメチルアミノ)−4−ニトロベンゾニトリル(中間体13a)の調製物:
Figure 2012513464
3−フルオロ−4−ニトロベンゾニトリルの16.7g(100mmol)の混合物及びエタノール(5M)中のジメチルアミンの100mLの溶液を一晩還流した。次いで、得られた濃い赤色の溶液を、100mLの冷水に注いだ。その沈殿物を濾過によって収集し、H2O(50mL x 2)及びエタノール(50mL x 2)によって洗浄し、望まれる産生物として、16.9gの橙色の針状結晶を得た。MS ESI(m/z)192(M+1)+
4−アミノ−3−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル(中間体14a)の調製物:
Figure 2012513464
16g(84mmol)の3−(ジメチルアミノ)−4−ニトロベンゾニトリルに、1gのパラジウム炭素(10%、w/w)及び100mLのメタノールを添加した。その混合物を水素で飽和させ、室温で一晩撹拌した。そのパラジウム炭素を、次いで濾過した。濾過の濃度から、望まれる産生物として12.8の濃い赤色の固体を得た。MS ESI(m/z)162(M+1)+
ジエチル2−((4−シアノ−2−(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)メチレン)マロン酸(中間体15a)の調製物:
Figure 2012513464
中間体15aを、4−アミノ−3−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリルから開始する中間体3aの調製に説明されるものと類似する方法によって、調製した。MS ESI(m/z)332(M+1)+
エチル6−シアノ−8−(ジメチルアミノ)−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボン酸(中間体16a)の調製物:
Figure 2012513464
中間体16aを、ジエチル2−((4−シアノ−2−(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)−メチレン)マロン酸から開始する中間体4aの調製に説明されるものと類似する方法によって、調製した。MS ESI(m/z)286(M+1)+
エチル4−クロロ−6−シアノ−8−(ジメチルアミノ)キノリン−3−カルボン酸(中間体17a)の調製物:
Figure 2012513464
中間体17aを、エチル6−シアノ−8−(ジメチルアミノ)−4−ヒドロキシ−キノリン−3−カルボン酸から開始する化合物5aの調製で説明されるものと類似する方法によって、調製した。MS ESI(m/z)304(M+1)+
エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルアミノ)−6−シアノ−8−(ジメチルアミノ)−キノリン−3−カルボン酸(中間体10a)の調製物:
Figure 2012513464
中間体10aを、エチル6−シアノ−8−(ジメチルアミノ)−4−ヒドロキシ−キノリン−3−カルボン酸から開始する化合物7aの調製で説明されるものと類似する方法によって、調製した。MS ESI(m/z)439(M+1)+
化合物スクリーニングのためのPDEアッセイのプロトコル
物質:Molecular Devices(R8160)社からのProgressive Binding Kitを用いたIMAPTM TR−FRET Screening Express、Molecular Devices(R7507)社からのFAM−Cyclic−3’,5’−GMP、PDE5阻害剤。
方法
ステップ1:300pM〜10μMの1X PDEアッセイ緩衝液の範囲である阻害剤の希釈系列を、作成した。続いて、FAM−cGMPを、1X PDEアッセイ緩衝液で200nMまで希釈する。次いで、PDE5A1酵素を、1X PDEアッセイ緩衝液で0.125ng/μlまで希釈する。
ステップ2:次の成分を、低結合ブラックプレートに添加する:a)25μlの200nMのFAM−cGMP(最終濃度は100nMであろう)、b)5μlの化合物(最終濃度=30pM〜1μM)、c)20μlのPDE5A1(0.125ng/μl)(最終量=2.5ng/反応)。その成分を混合し、室温で1時間インキュベートした。
ステップ3:次いで、1X試薬結合緩衝液(75%の1X結合緩衝液A及び25%の1X結合緩衝液B)を、後に結合試薬を1X試薬結合緩衝液で希釈することによって(1:600)調製する結合溶液によって、調製する。次いで、120μlの結合溶液を各ウェルに添加し、そのプレートを室温で1時間にわたりインキュベートする。
ステップ4:蛍光偏光を、BioTek SynergyTM2マイクロプレートリーダーにおいて、485nmの励起及び520nmの発光で測定した。
薬物動態試験のプロトコル
薬物動態研究をオスBABL/cマウスにおいて行った。その血液及び脳試料を、時点当たり3匹のマウスから、予定された回数で収集した。6つの時点を各化合物に対して測定した:0、0.25、0.5、1.0、2.0、及び4.0時間。LC−MS/MS方法を開発し、血漿及び脳試料中のこれらの化合物を決定した。
数量化を、血漿及び脳の内部基準に対し、解析のピーク領域比を使用して内部基準方法により達成した。濃度を、加重最小二乗直線回帰(W=1/x2)を使用して算出した。その主要な薬物動態パラメーターを算出し、脳血漿分布比を推定した。
用量調製物及び用量投与:そのPDE5阻害剤を、試験物を0.5%メチルセルロースに溶解することによって調製し、PO投与のため、5mg/mLで最終濃度を得た。シルデナフィルを、試験物を0.2Mの塩酸溶液(pH=1)に溶解することによって調製し、5mg/mLで最終濃度を得た。各試験動物に対する投与量を、最新の体重に基づいて決定した。
試料収集
血液。血液(約250μL)を、投与後、時点当たり3匹のマウスからプレ用量(0時間)及び0.25、0.5、1.0、2.0、及び4.0時間で、ヘパリンナトリウム抗凝固薬を含有する管に眼窩穿刺を通して収集した。マウスを、血液収集後、頸椎脱臼によって殺処理した。その血漿を遠心分離(4℃、3500rpm、10分)を通して分離し、分析前に−80℃で貯蔵した。
血漿試料の調製物。凍結した知られていない血漿試料を室温で解凍し、徹底的にボルテックスした。ピペットを用いて、25μLの血漿を、1.5mLのエッペンドルフ管に移動させた。各試料に、25μLのメタノール及び25μLの内部基準を添加し、続いて100μLのメタノールを添加した。試料混合物を約1分にわたりボルテックスした。11000gで5分にわたって遠心分離後、有機層上部をガラス管に移動させ、40℃で、窒素の緩流下で蒸発させた。残基を150μLの移動相に溶解し、ボルテックスミキサーで混合した。20μLの一定分量の得られた溶液を、分析のために、LC/MS/MSシステムに注射した。
脳。マウスの死後、脳を即時に収集した。脳を切除し、秤量し、冷たい生理食塩水を用いて濯ぎ、次いでLC/MS/MS分析のためのさらなるプロセシングまで、−80℃で凍結した。
脳試料の調製物。アッセイの日、凍結した組織試料を室温で補助無しで解凍した。完全に解凍した場合、200mgの各組織試料を秤量し、可塑性管に配置した。メタノール(1.0mL)を添加し、均質化を促進し、約1分にわたり、Fluko F6/10超ホモジナイザーを使用して行った。次いで、ホモジナイズした試料を1分にわたりボルテックスした。25μLの一定分量のホモジナイズされた試料を、エッペンドルフ管に移動させた。各試料に、25μLのメタノール及び25μLの内部基準を添加した。その試料混合物を、5分にわたり、11000gで遠心分離した。20μLの一定分量の上清を、移動相を用いて80μL又は60μLまで希釈し、分析のために、10μLの一定分量をLC/MS/MSシステムに注射した。
実施例7−キノリン誘導体を、ADの治療のために強力及び選択的PDE阻害剤として、開発することができる。
我々の知見は、PDE5の阻害が、ADの認知欠損に対して有益であり得るこを支持している。しかしながら、シルデナフィルを含む既存の市販されている阻害剤のいずれも、中枢神経系に最適化されていない。なお、市販されていない合成阻害剤でさえも、中枢神経系使用に対しては、完全に特徴づけられてはいない。良好な中枢神経系薬物は、高い特異性及び効力、ならびに良好なPK、生物学的利用率及び中枢神経系透過を有するべきであり、かつ最後に安全であるべきである。例えば、シルデナフィルがBBBを通過することが報告されており[S137]、6.0nMのPDE5に対してIC50、げっ歯類(ヒトにおいて〜4時間)において0.4時間のインビボ半減期を有する[S135、S138]。しかしながら、脳を除く心筋及び血管中で発現され、軽度血管拡張効果をもたらすことができるそのPDE1の選択性比率は180であり、網膜中のみで発現され、視覚を過渡的に妨げることができるPDE6の選択性比率は、12と等しい[S106、S107]。BBBを通過するバルデナフィル能力の証拠は、間接的であり[150]、PDE5に対するそのIC50が0.17nMであっても、PDE6の選択性比率は3.5と等しい[S151、S152]。理論にとらわれることなく、タダラフィルはBBBを通過できない。したがって、我々の研究室は、既存のPDE5阻害剤の構造の知識に基づいて、a)高い特異性及び効力、b)優れたPK特性及び中枢神経系透過、及びc)ADにおいて使用するための安全性、を伴う新規PDE5阻害剤を開発するプログラムに着手している。
多くのPDE5阻害剤が過去数十年に開発され、多数の強力な化合物が刊行物で報告されている。故に、我々は、高い効力及び優れた選択性を伴う完全に新しい足場を開発するため、資源を消耗することを避けた。代わりに、我々は既知の阻害剤に集中し、ADの治療に役立つことができる化合物のクラスの発見に導くことができる構造を選択するため、既存の足場のSAR解析を行った。シルデナフィル及びバルデナフィル等のcGMPに基づく分子、又はタダラフィル等のβカルボリン由来分子を選択するより、我々は、設計のための一番の候補として、BMS4の高い効力及び選択性に基づいて、キノリン誘導体、及びADに対する最適化のためのPDE5阻害剤の合成を同定した。この化合物は、2つの他の強力な阻害剤、BMS2及びE1の重要な特徴含有する(図45)。それは、これまでに同定された中で、最も強力及び選択的PDE5阻害剤として報告された[S19]。この化合物のインビトロ試験は、PDE1〜6の効力及び選択性に対する我々の判断基準に達っしたが、残存するPDEのそれらの選択性、ADモデル又は他の疾患のインビボ有効性、BBB透過、毒性、及び溶解性を含むPKは、依然として不明である。加えて、キノリン環の数個の置換基のみが調査され、1つの化合物だけが支配的であった。したがって、我々は、YF012403を合成し(図24)、この足場の効力及び選択性、ならびにAβによるシナプス及び認知欠損に対するその有効性を検証し、また、効果的にADにおけるシナプス及び記憶喪失に反作用する薬物の開発するを考慮して、リード最適化の足場を修飾する可能性を調査した。
2−ブロモ−4−シアノアニリンから開始し、YF012403を、エステルの減少後、6つのステップで調製した、エステルは、Pd(PPh3)4の存在下で、キノリン臭化物7とシクロプロピルボロン酸のクロスカップリングによって得られた。カップリング前駆体7を[S19]で説明される手段を使用して合成できる。注目すべきことに、その有機金属触媒クロスカップリング反応は、この足場のさらなる修飾のための大きな自由を我々に残した。例えば、Buchwald−Hartwig反応条件を使用することによって、YF012403、YF016203の8−ジメチル類似体を合成した。インビトロアッセイは、これらの2つの化合物が、PDE5に対して優れた阻害活性及び全ての他のPDEアイソフォームに対する選択性を有するこを表した(図27を参照されたい)。PDE5のYF012403及びYF016203のIC50‘は、それぞれ0.27nM(図47)及び0.4nMである。これらの化合物は、いずれの他のPDEも阻害しない(PDE5/PDE>1000)。
次いで、我々は、YF012403のPK及びBBB透過能力を調査した。50mg/kgでのBABL/cマウスへの経口投与後、LC−MS/MSによって血漿及び脳濃度を決定した。各試料時間での、その血漿及び脳濃度を図48に表す。図28のそのデータは、投薬後0.5時間で発生するピーク血漿濃度によって解説されるように、YF012403が急速に吸収されることを示唆する。なお、脳及び血漿のT最大値は同様であり、また、脳へのYF012403の分布も速いことを示唆した。最後に、脳内のYF012403の量は、0.41のAUC0-t比で、血漿中のそれよりも低く、脳及び血漿中のYF012403の半減期の除去は、それぞれ1.04及び1.33であった。
我々の次の目標は、YF012403が、APP/PS1マウスのシナプス及び認知障害を減弱できるかを調べることであった。我々は、オリゴマーのAβ42、又は媒体の存在下で[S18]、LTP又はコンテキスト恐怖記憶を誘発した。LTP実験において、200nMのAβ42又は媒体を、θ−バーストの適用前に20分にわたり、浴溶液を通して灌流した。行動実験において、200nMのAβ42又は媒体を、フットショック15分前に、1週間前にカニューレでプレ移植された動物の背側海馬に両側注入した。Aβは、LTP及びコンテキスト恐怖記憶を減少させた(図49)。しかしながら、YF012403(50nM;LTP実験におけるθ−バースト前の10分間;行動実験において、訓練後即時に3又は10mg/Kg経口)は、電気生理学的及び行動欠損を寛解した(図49)。まとめると、これらの結果は、YF012403が、最適化に対して良好な化合物であることを示唆する。
計算モデルは、PDE阻害剤活性及び選択性の予測に信頼性が高い。PDE1〜PDE5、PDE7、及びPDE9[S27−S35]のX線結晶構造が報告されているが、活性部位での微細構造は、例えば、OH-(水酸化物アニオン)、又はH2O(水分子)が第2の架橋リガンド(BL2)であろうと、水素原子をX線回折技術によって決定することができないため、不確かである。様々な最新式の計算的な技術の使用:分子力学(MD)[S21]、第一原理量子力学(QM)[S22]、組織内開発された第一原理QM−完全な分極連続体モデル(QM/FPCM)方法[S21、S2、S36〜S50]及び雑種QM/分子力学(QM/MM)[S21]、HO-(水酸化物アニオン)、H2Oではない[142〜154]、報告されたPDE結晶構造において、BL2であることが発見された。基質[S21、S22]の触媒作用加水分解を惹起する水酸化物アニオン(HO-)は、求核試薬としての役割を果たすことが期待されているため、これらの知見は、正確な3D構造モデルを構成するための塩基を提供し、X線結晶構造が知られていない各他のPDEファミリーの相同性モデルを行うために重大である。PDE5及び他のPDEのこれらの新しく決定された微細3D構造は、中枢神経系に対して作用する選択的PDE5阻害剤を見出すことを助けるための、ユニークな機会を提供する。
ADに対して最適化される新規PDE5阻害剤の設計及び合成のための医薬品化学戦略。我々のデータは、PDE5の阻害を介するNO/sGC/cGMP/PKG/CREB経路の増強は、Aβ誘発性シナプス及び認知異常に反作用する。NO/sGC/cGMP/PKG/CREB経路に作用し、中枢神経系のために最適化される双方の薬物が、欠乏している。我々は、a)高い特異性及び効力、b)良好なPK、生物学的利用率及び中枢神経系透過、c)安全性、を伴う新しい薬物を得るであろう。既存の薬物のいずれも、これらの判断基準の全てに当てはまらないことで知られる。したがって、Computer−Aided MedChem Strategyを、本明細書で説明される判断基準に適合する化合物を開発するために使用する。
機能的アッセイを、検証されたインビボ疾患モデルの平行使用に加えて、PDE5阻害剤等のPDE5調節化合物の試験において使用するであろう。化合物を次の判断基準に従って選択するであろう:高い効力、優れた選択性、合理的なPKプロファイル、及び良好なBBB透過。PDE5とシルデナフィル、バルデナフィル、及びタダラフィルの複合体の高解像度X線構造の有効性に基づいて、コンピュータによる算出を使用し、設計された構造の妥当性及び透過性を決定するであろう。最も高いスコアを伴う化合物を合成するであろう。満足な効力及び選択性を伴う化合物は、PK、生物学的利用率/脳透過、及び他の安全性プロファイルに対してさらに研究されるであろう。
我々の研究設計は、それらの妥当性を最適化するためのYF012403の修飾に集中するであろう。YF012403は3位置(C3)で第1のベンジル型アルコールを有し、それはベンズアルデヒドを生成するミクロソームによって酸化することができ、その結果として、タンパク質共役付加のため、初回通過代謝問題及び重篤な副作用を引き起こす。また、それらの半減期は、したがって劇的に限定され得る。したがって、ベンジリックアルコールを他のさらに薬物に優しい基に転換することが必要不可欠である。第2に、YF012403は8位置(C8)でシクロプロピル基を有し、開環を起こすことによってインビボでは安定し得ず、したがって求電子傾向を表す。この問題を避けるため、我々は、シクロプロピルを他の置換基に変化するであろう。第3に、YF012403のlogBBは−0.38のみであり、したがって中枢神経系疾患に対する薬物にとって理想的ではない(ピーク脳/血液濃度比率>1は、臨床用途において知られた中枢神経系薬物と同程度である)。最後に、幾つかの3シアノキノリン誘導体は、NF−κB及び他のキナーゼ(例えば[S51−S56]を参照されたい)に対する阻害活性、3シアノ基のエステル基との置換を表し、又はアルコールはこれらの活性を完全に[S53、S55]除去することが見出されているため、我々は、オフターゲット活性を最小化するため、C3でその基を修飾するであろう。したがって、我々は、C3及びC8位置の双方で、部分の修飾に集中する構造を説明する。加えて、我々は、キノリンの他の部分を修飾し、一番の候補の薬理学的特性を改善し、他のADMET問題を避けるであろう。
C8での修飾。先の研究は、C8での修飾が、新規化合物[S19]の阻害活性のために非常に重大であることを示唆している。キノリンのC8位置で水素及びエチル基のみを調査するが、そのエチル基が最高の結果を提供することを考えれば、C8でのさらに巨大な基は、さらに優れた活性をもたらすであろう。これは、この位置で最高の置換基を同定するため、C8位置での位置決めシクロアルキル、ヘテロ環状基、又はアルキルアミノ基等の、この位置でのさらに大きな変異でさえも探究することを我々に可能とした。YF012403の調製物と同様に、これらの化合物を、Heckカップリング、Negishiカップリング、及びBuchwald−Hartwigカップリング反応等の、Pd、Cu、又はFeの存在下で有機金属触媒作用によって助けられるカップリング反応によって合成することができ、ハロゲン化物より開始し、それは報告される手段[S19]を使用することで入手可能である(図50)。
C3での修飾。対応するアルコールへのC3エチルエステルの減少は、IC50を一桁低下させ、PDE6を超える選択性を70倍増加させる。活性の改善が、電子吸引性基がアリール環の電子供与基により、又は得られたアルコール及び5アミン間の水素結合により、又は遊離ヒドロキシル基によって供給されるH受容体/ドナーの必要性により置換される事実のためなのかは、不明である。しかしながら、上述のように、C3位置でのそのベンジル型アルコール及びシアノ基は、潜在的問題を引き起こし得る。したがって、本明細書で説明される幾つかの戦略は、C3位置での構造を最適化することを助けることができる。
エステル/エーテルL02、チオエーテル/チオエステルL03、アミン/アミドL04を、それぞれ塩基の存在下で、アルコール/酸、チオール/チオール酸、又はアミン/アミドと遊離アルコールL01に由来するベンジル塩化物又はベンジルメシレートの反応によって、容易に得ることができる。また、上述のベンジルクロリド/メシレートをヘテロサイクルによって置換し、L05を得ることができる。アルコールL01又はチオール(L03、R’=H)もしくはアミン(L04、R’=H)とトリホスゲン/カルボニルジイミダゾール(CDI)又は塩化チオニルの反応は、それぞれ環状尿素/カルバミド(L06)、及び環状チオ尿素/スルホンアミド(L07)へと導くであろう。これらの単純な転換は、我々がベンジル型アルコールに由来する幾つかの化合物ライブラリーを用意に構成することを可能とし、それはこの足場の妥当性を改善するであろう。加えて、これらの化合物は低級tPSAを有し得るため、それらは極性アルコール(図51)よりも、より優れたBBB透過性を有し得る。
別の戦略において、フッ素化した化合物は通常良好なPKを有し、分子内F−H結合は親油性、BBB透過、及び生物学的利用率を増加できるため、フッ素をC3で導入するこができる。アルコールL01とDeoxo−fluoro(登録商標)との反応は、ベンジルフルオライドL08を産出する。Deoxo−fluoro(登録商標)との反応が後に続く、L01のその対応するアルデヒドへの転換は、ジフルオロ誘導体L09を提供する。トリフルオロメチル類似体L10を、Deoxo−fluoro(登録商標)と3−カルボンキノリンとの反応によって、容易に得る(図52)。
C3位置でのアミノ基の導入を、3−カルボンキノリンに由来するアジドより、Curtis転位を通して理解できる。3−アミノ−キノリンL11に着手して、その3−フルオロ誘導体を調製し、HBF4の存在下でSandmeyer反応条件を利用することができる。アルキルハロゲン化物、1,2−ジブロモエタン、トリホスゲン/カルボニルジイミダゾール(CDI)、又は塩化チオニルを用いてL11の処置は、他の誘導体L13〜L16をもたらす(図53)。
他の部分での修飾。我々の研究が進行するたびに、我々のSARデータベースはさらに拡張するであろう、C3及びC8でのその最高の置換基を同定するであろう。この足場の薬理学的特性及び妥当性をさらに改善するため、また、我々は、この足場の他の部分を修飾することができる。置換アニリンL17から開始し、3−ヒドロキシキノリンL19を、メチレンマロン酸を用いたL17の処置、後に、上昇した温度での環化によって調製することができる。POCl3を用いた還流L19は3−クロロキノリンL20をもたらすであろう、次いで、それをアンモニアを用いた処置によって、3−アミノ誘導体L21に転換することができる。異なる求電子試薬を用いたL19及びL21の処置は、それぞれアミド/スルホンアミドL22及びエステル/スルホン酸塩/エーテルL24を提供する。次いで、セクションbで上述のC3でのSAR研究に基づいて(図54)、L22及びL24の双方を、望まれる誘導体(L23及びL25)に転換するであろう。
本明細書で説明される構造は多数の変異を包含し、それらの幾つかは、改善された選択性、BBB透過性、PK、及び/又は他の薬理学的特性を伴う良好なPDE5阻害剤ではあり得ない。したがって、実際の合成を開始する前に限定された資源の消耗を避けるため、計算的な化学を、ドッキング及びAMDETパラメーター(clogP、tPSA、clogBB等の)算出に基づいて、top−tier候補に優先順位をつけ、同定することを補助するために使用するであろう。それに加えて、最適化プロセシングの間、すでに得られたデータに注意しなければならない、よって、後の研究をそれに従って導くことができる。
ADに対して最適化される新規PDE5阻害剤の設計及び合成のための計算戦略。
PDE5阻害剤特性を、幾つかの主要な段階から成る計算的設計を使用して最適化するであろう。段階1は、新規の設計又はコンビナトリアルライブラリードッキングを通した、初期構造に基づく実質的スクリーニング(強固な酵素構造)を含む。段階1で使用するその計算的方法は非常に速く、したがって、実質的分子又は分子断片の大きな数の自動スクリーニングに有用である。段階1のその高くランク付けされた実質的化合物を、より洗練された可動性ドッキングのために、段階2でさらに考慮するであろう。段階2を通過する限定された数の実質的化合物(上位100又は以下)は、水中のPDE5の微細結合のより洗練されたMDシミュレーション、及びMM−PBSA結合自由エネルギー計算(段階#3)を受けるであろう。次に、予測されるPDE5阻害剤の選択性を、段階4で評価するであろう。本明細書で説明される構造の中で、これらの計算的研究によって表されるものを、酵素活性に対して合成し、試験するであろう、それにより、我々は、医薬品化学、計算的研究、及び薬物活性の解析含む完全に結合的なアプローチを利用するであろう。
i.段階#1。初期構造に基づく実質的スクリーニング:2つの計算的アプローチを使用し、固定酵素構造を用いて自動化された大規模な実質的スクリーニングを行うであろう:新規設計及びコンビナトリアルライブラリードッキング。自動様式で使用される双方のアプローチはそれら固有の利点を有し、したがって相互補完的である。その新規リガンド設計は、微細酵素リガンド結合の詳細にわたる分析に基づいており、既知の酵素又は受容体の結合部位を考慮する。既存のPDE5阻害剤の構造解析及び我々の近年に決定した結合部位の3D構造は、我々が高い効力を伴うファルマコフォア/足場のクラスを決定することを可能とする。次いで、このファルマコフォア/足場を、受容体に対する、リガンドの新規設計の基礎として使用することができる。酵素の3D構造を前提とする場合、個人は、理想的にリガンドによって満たされるサブサイトの相互作用を同定することができる。次いで、コンピュータープログラムは、データベースからの断片を相互作用サブサイトと比較し、実結合を反映するスコアルールに従って的中が提唱される。この自動比較は、相互作用の異なるサブサイトにおける断片の好ましい組み合わせを予測する。数々のコンピュータープログラムは断片の組み合わせ方法を提供することができ、LUDI[S183〜S185]、CLIX[S186]、SPLICE[S187]、GroupBuild[S188]、及びSPROUT[S189〜S191]を含む。我々は、このプロジェクトのためにLUDIプログラムを選択した。また、そのプログラムは、好ましい相互作用が酵素と共に形成される様式で、相互作用サブサイトに分子断片を位置することができるであろう。次いで、断片の各組み合わせは単一の実質的分子に結合し、PDE5を結合するそれら分子の能力をスコアするであろう。
コンビナトリアルライブラリードッキングアプローチにおいて、我々は、ドッキング戦略(DOCK6.0プログラム[S192]を使用)を用いて、実質的コンビナトリアルライブラリーを構成するであろう、次いで、PDE5活性部位とのこれらの実質的化合物のそれぞれのドッキングを構成するであろう。一般的に使用されるドッキング戦略は、リガンドを足場及び強固な部分構造断片に精査するためであり、次いでコンビナトリアル様式で多くの異なる断片を探索することによって、新しい分子構造を生成するためである。リード化合物から最初の断片(置換基)の除去後、我々は、ZINCデータベース[S193]中の「断片」の様な化合物を、複数の位置でのこれらの断片及び配向をPDE5活性部位のサブサイトにドッキングすることによって、スクリーニングするであろう。各サブサイトのその上位の断片(例えば、500)をランク付けし、CombilibMakerTMプログラム(Tripos,Inc.)によって使用し、(500)n実質的化合物から成るコンビナトリアルライブラリーを構築するであろう。2つのサブサイトのみが計算的な設計の各ラウンドに対して考慮された場合、各リード化合物から構築されたn=2及び(500)n=250,000化合物を有するであろう。最後に、コンビナトリアルライブラリーの各実質的化合物を、PDE5活性部位にドッキングし、それらの結合を、ドッキング6.0プログラム[S192]の自動可動性ドッキング機能によってスコア化するであろう。DOCK6.0プログラム及びドッキング幾何学の使用によっても決定されるドッキングスコアの相対的値に基づいて、その上位にスコアされた化合物を、次の段階でさらに評価するために選択するであろう。これらのアプローチは、我々がキノリン足場のさらなる修飾の可能性を調査することを可能とする。
ii.段階#2。可動性ドッキング及びBBB透過予測:強固な酵素構造を伴う上位にスコアされた化合物の段階#1で予測されたその結合構造を、さらに精密化し、DOCK6.0プログラム[S192]で実装されたAmberスコアアプローチを使用することによって、再スコア化するであろう。Amberスコア算出の間、酵素リガンド複合体のその入力座標及びパラメーターを、システム中に読み込むであろう。次いで、共役勾配法を使用するエネルギー最小化を行い、酵素リガンド接触を最適化するであろう。そのエネルギー最小化は、一定温度で(短時間)Langevin MDシミュレーション、最後に短期エネルギー最小化が続き、システムの最終のエネルギー結果を得るであろう。最高のドッキングスコア及び合理的なドッキング幾何学の双方を有する化合物を、次の段階におけるさらなる評価のために選択するであろう。
また、我々は、BBB透過を各候補化合物の極性表面積(PSA)及び油/水分配係数(logP)を算出する、確立された定量構造活性関係(QSAR)及び人工神経網(ANN)モデル[S194、S195]を使用することによって、理論的に推定するであろう。これらのQSAR及びANNモデルは、化合物のBBB透過を、化合物のPSA及びlogP(又はPSA及び分子量)によって決定することを示し、双方を市販のソフトウェアによって、便利に算出できる。通常、BBBを通過できる化合物は、450Da未満の分子量及び90.2Å2[S194]未満のPSAを有するべきである。
iii.段階#3。水中のMDシミュレーション及びMM−PBSA結合自由エネルギー計算:段階#2において可動性ドッキング及びBBB透過試験の双方を通過する上位にスコアされた化合物のそれぞれに対して、我々は、PDE5−リガンド複合体でMDシミュレーションをさらに行うであろう。MDシミュレーションを、Cornell et al [S197]によって開発された新しい産生力場を伴う、Amberプログラムパッケージソフト[S196]を使用して水浴中で行うであろう。また、NAMDプログラム(同一のAmber力場又はCHARMM力場を使用)[S198]を、大規模な平行MDシミュレーション[S199〜S207]のために使用するであろう。最後に、MDシミュレーションのその安定軌道を使用し、より洗練された分子力学/Poisson−Boltzmann表面積(MM−PBSA)[S208、S209]結合自由エネルギー計算を行うであろう;このプロジェクトで使用されるその詳細なMM−PBSAプロトコル及びタンパク質リガンド結合の予測におけるそれらの高い正確性を、PDE及び他のタンパク質の阻害の我々の近年に達成した計算的研究[S204、S210]で、詳細に説明し、考察している。その算出された結合自由エネルギーは、酵素(PDE5)とのリガンド結合の結合親和性を理論的に示唆している。PDE5の高い結合親和性を有すると予測された化合物のみを、それらの選択性に対して、段階#4で評価するであろう。
iv.段階#4。予測されたPDE5阻害剤の選択性の計算評価:全てのPDEファミリーのモデル化された3D構造に基づいて、改善された選択性を伴う新規PDE5阻害剤を、阻害剤がPDEの一般的な残基との良好な相互作用を保持するだけでなく、PDE5の非一般的残基(例えば、F787、L804、I813、及びM816)との改善された相互作用も有するように設計することができる。これらの非一般的残基はPDE5にユニークではないが、いずれの他のPDEファミリーもこれらの非一般的残基の全ては有していない。もし、一般的残基に加えて、これらの非一般的残基の全てとの好ましい相互作用を有する場合、PDE5阻害剤は選択的であることが期待される。我々は、実質的ライブラリー及び他のPDEとの化合物の結合をモデル化し、それらの選択性を評価するであろう。その結果は、実質的ライブラリー中の幾つかの化合物が、他のPDEとの有意に低い結合親和性を有することを示唆するであろう。
我々は、他のPDEファミリーとの予測されたPDE5阻害剤結合のそれぞれに対して、PDE構造の3Dモデルを使用し、段階#2で可動性ドッキングを繰り返すであろう(かつ、もし必要であれば、段階#3でMD及びMM−PBSA算出)。PDE5の潜在的に強力及び選択的であるその予測された新しい化合物(すなわち、その予測されたIC50<50nM及び予測された選択性>100倍)を、化学的合成及び生化学的アッセイにかけるであろう。ウェット実験試験の実際の結果を使用し、後の予測に対して、計算的設計プロトコルを精密化し、合理的根拠を改善するであろう。
化合物分析。合成し、生物活性に対して試験した全ての化合物を、完全に特徴づけ、HPLC及び1H NMRによって決定することにより、>95%まで精製するであろう。さらに、追加の分析技術(すなわち、13C NMR、IR、融点、MS及び/又はエレメント分析)を使用し、構造を決定し、精製するであろう。光学的に純粋な物質の場合において、その純度をキラル固定相HPLCによって評価するであろう。構造的不確実性が残存する特定のの場合において、他の技術(すなわち、2−D NMR、及びX線結晶解析)が利用されるであろう。
実施例7の参考文献
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実施例8−心臓、全脳、ヒトの海馬及び大脳のPDE5mRNAの発現レベル
定量RT−PCRを、SYBR green及びプライマーの3つの異なるセットを使用して行った。プライマーの特異性を融解曲線を用いて確認した。総RNAをClontech Laboratories,Inc.によって調製した。プライマー1、2、及び3の標的は、PDE5 mRNAの3’UTRであった。プライマー1順方向:5’−TGATGCAAAGCAGGTGAAACC−3’(配列番号3)、逆:5’−ATCCAAGGCCATTCCATTTCT−3’(配列番号4)、プライマー2順方向:5’−TTCCATGTGCTAGCCAGGTAAA’(配列番号5)、逆:5’−GGTCCAAAACCATG CACAATTT−3’(配列番号6)、プライマー3順方向:5’−ACCGTGCCAATCACAATCCT’−3’(配列番号7)、逆:5’−AGCTGCCTTCTGTGACATTCTG−3’(配列番号8)。
我々は、ヒト海馬においてPDE5メッセンジャーの非常に高いレベル、心臓においてはさらに高いレベルが存在することを示した(図42を参照されたい)。この観察は、ヒト脳Gene Logic’s ASCENTA Systemのデータベースと一致する。これらの実験を行うことは、ヒト海馬におけるメッセンジャーの存在を示すことができない他の群からの先の試みを考慮すると、2つの理由のため、我々のプロジェクトに対して重要であった:a)げっ歯類配列を使用し、ヒトRNAを検出した;b)PDE5遺伝子が長い3’UTR(5000bpを越える長さ)を有することが考えられる。他がコード配列を使用したにもかかわらず、我々はその3’UTRを選択した、コード配列の選択は、6000bpを越える長さのcDNAを含む。したがって、他の群によって行われたmRNA発現の数量化は正しくはなかった。
実施例9−ADの異なる動物モデルにおけるシルデナフィルの効果
APP/PS1動物において発現されるAβ以外のAPPの断片は、記憶の変化に寄与するこができる。したがって、また我々は、J20マウスとして知られる変異体ヒトAPP(V717F、K670M、N671L)マウスへのシルデナフィル(3mg/kg、腹腔内)投与によって、異なるADモデルの我々の知見を検証した。我々は、APP/PS1動物に関して同一実験プロトコルを繰り返した。マウスを4つの群に分けた:シルデナフィルを用いたJ20(n=10)、媒体用いたJ20(n=7)、シルデナフィルを用いたWT(n=8)、及び媒体を用いたWT(n=8)。我々は、FCの訓練段階中に、いずれの差異もマウスの4つの群間のすくみ行動において見出せなかった。24時間後、我々は、コンテキスト学習の解析で(図55A)、媒体処置されたWT同腹子と比較して、媒体処置されたJ20マウスにおいて低下したすくみを見出した。しかしながら、訓練後即時のシルデナフィル処置は、Tg動物のコンテキスト学習を改善した。我々は、マウスの4つの群間の手掛かり学習の間のすくみ挙動において、差異を見出さなかった。また、シルデナフィルは、3週間にわたる訓練後、即時に連日注射されたJ20マウスの空間作業記憶を改善した(図55B)。その同一動物を可視のプラットフォーム作業を用いて試験した場合、4つの群間でいずれの感覚運動機能障害も見られなかった。
実施例10−ADマウスモデルのPDE5及びシナプス機能、記憶、ならびにAβ負荷の阻害
記憶喪失、シナプス機能障害、及びアミロイドβペプチド(Aβ)の蓄積は、アルツハイマー病(AD)の主要な特徴である。一酸化窒素/cGMP/cGMP−依存性−タンパク質キナーゼ/c−AMP応答配列結合タンパク質(CREB)カスケードの下方制御は、シナプス欠損、後にAβ上昇に関連している。ここで、我々は、ホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5)シルデナフィル(Viagra)、cGMPレベルの上昇を通して記憶分子CREBのリン酸化を増強する分子は、アミロイド沈着のマウスモデルのAD表現型に対して有益であることを報告する。我々は、阻害剤は、シナプス機能、CREBリン酸化、及び記憶の即時的、及び長期にわたる寛解を産生することを示す。また、この効果は、Aβレベルの長期の減少に関連する。PDE5阻害剤の副作用が広く知られており、老年人口へのそれらの投与を妨げないことを考え、これらの薬物は、上昇したAβレベルに関連するAD及び他の疾患の治療の潜在力を有する。
導入
アルツハイマー病(AD)は、神経細胞脱落、細胞外老人性プラーク、及び細胞内神経原線維変化、記憶喪失を引き起こすことによって特徴づけられる。ADは、少なくとも一部、Aβによって産生されるシナプス傷害として始まる(Selkoe,2002)。長期増強(LTP)、記憶の細胞モデル、及びCREBのリン酸化、記憶に関与する転写因子は、Aβによって減少する(Vitolo et al.,2002)。興味深いことに、一酸化窒素(NO)ドナー及びcGMP類似体の双方は、LTP及びCREBリン酸化におけるAβ誘発性機能障害に反作用する(Puzzo et al.,2005)。逆もまた同様に、NOシンターゼ2(NOS2)の遺伝手術は、変異アミロイド前駆タンパク質(APP)を発現しているマウスのAD表現型の悪化をもたらし(Colton et al.,2006)、NO経路の上方制御がADにおいて保護的であり得ることを示唆する。
NO経路を上方制御するための一効果的な様式は、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)(海馬、皮質、及び小脳等の認知機能に関連する幾つかの脳領域で発現される酵素)の阻害剤を通した、cGMPレベルの増加によるものである(Van Staveren et al.,2003、van Staveren et al.,2004)(また、ヒト脳 Gene Logic’s ASCENTA System及びM.Sakuraiとの私信を参照されたい)。前臨床研究は、選択的PDE5阻害剤シルデナフィル(Pfizer社よりViagra)及びバルデナフィル(Bayer社よりLevitra)が海馬のcGMPレベルを上昇させ、高齢のラット(Prickaerts et al,2002a)及びマウス(Baratti & Boccia,1999)の記憶を改善することを表している。興味深いことに、近年、FDAは、阻害剤タダラフィル(Lilly社よりCialis)の日常使用を承認した(を参照されたいhttp://www.clinicaspace.com/news_story.aspx?NewsEntityId=82124)。なお、PDE5阻害剤を広範に使用し、勃起不全及び肺高血圧症を治療することにより、それらの副作用が知られる。理論にとらわれることなく、PDE5阻害剤を、AD患者等の老年人口への投与と互換性があり得る。本研究におけるこれらのエレメント基づいて、我々は、変異体アミロイド前駆タンパク質(APP;K670N、M671L)及びプレセニリン−1(PS1;M146L)の双方を保有する、APP/PS1マウスと称されるマウスのAD表現型に対して、PDE5阻害が有益な効果を発現するかを調査した。
物質及び方法
動物。実施例1で説明されたように、ヒトAPP(K670M:N671L)及びPS1(M146L)(ライン6.2)変異の双方を発現する二重遺伝子組換えマウスを使用し、処理した。
薬物調製。薬物調製物を、実施例1で説明したように、行った。
薬物投与。3ヶ月齢のAPP/PS1及びWTマウスを4つの群に分けた:媒体で処置されたAPP/PS1マウス、PDE阻害剤で処置されたAPP/PS1マウス、媒体で処置されたWTマウス、PDE阻害剤で処置されたWTマウス。一連の実験において、我々は、海馬のスライスを、シルデナフィル(50nM)、又はタダラフィル(50nM)、もしくはIC354(1μM)を用いてシータバースト前に10分にわたり灌流することによって、シナプス機能障害へのPDE阻害の急性影響を評価した。別々の一連の実験において、また、我々は、シルデナフィルの異なる濃度の急性影響を検討し、それらの最小量の効果的濃度を樹立した。残存する実験において、我々は、シルデナフィルを腹腔内注射した。シルデナフィルの短期効果の評価のため、その薬物を濃度の3mg/kgで、訓練後即時に与えた。この用量は、〜2.5μMの濃度のcGMPを海馬にもたらした(Prickaerts et al.,2002b)。これらの実験において、また、我々は、シルデナフィルの最小量の効果的濃度及びシルデナフィル送達の最低限の効果的日数も樹立した。長期効果の評価のため、シルデナフィルを、3mg/kgの濃度で3週間にわたる腹腔内注射によって連日与え、次いで処置を行動試験の9〜12週間前に中止した。また、6ヶ月目で記憶の長期救出をさらに引き起こすことができる、シルデナフィル送達の最低限の効果的日数及びその最小量のシルデナフィル効果的濃度も研究した。コンテキスト及び手掛かり恐怖条件付けを、3日にわたって行った。ラジアルアーム水迷路(RAWM)を、3週間にわたって行った。Morris水迷路は、3日間持続した。次いで、その動物を、電気生理学的記録のために殺処理した。
短期効果実験におけるシルデナフィルの投与の時間を決定するために、我々は一連の予備研究を行った、そこで、その阻害剤を、電気ショックの5分前、又はRAWMを用いた最初の取得試験の5分前に、腹腔内注射した。我々は、いずれの有益な効果も、シルデナフィル注射されたAPP/PS1マウスにおけるすくみ時間及びエラーの数の双方では見出さなかったかった(シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスと媒体処置されたAPP/PS1マウスのそれと〜90%等しい、すくみ時間を示した;n=シルデナフィル処置された遺伝子組換えの7匹のオス及び媒体処置された遺伝子組換えの6匹のオス、P>0.05;シルデナフィル及び媒体処置された遺伝子組換えの双方に対する保持試験において〜5つのエラー、n=シルデナフィル処置された遺伝子組換えの6匹のオス及び媒体処置された遺伝子組換えの5匹のオス、P>0.05、シルデナフィルは、双方の作業において、WTマウスの行動能力に影響を与えなかった、n=全ての条件のための5匹のオス)。したがって、結果の項で報告される、シルデナフィルの短期効果の全ての行動実験は、訓練後、注射を用いて行った。最後に、別の一連の実験のにおいて、我々は、記憶へのタダラフィルの腹腔内注射の効果を試験した。
電気生理学的分析。実施例1で説明されるように、電気生理学的分析を行った。
また、NMDA受容体電流及びAMPA受容体電流の両方を評価するために、パッチクランプ実験も行った。この技術は、以前説明されている(Puzzo et al.,2008)。 簡潔に言えば、350μmの海馬のスライスをビブラトームでカットし、水浸チャンバー内で29℃で維持し、125NaCl、2.5KCl、1.25Na2HPO4、25NaHCO3、2CaCl2、1.4MgCl2、25グルコース、0.1ピクロトキシン、pH7.4(95%O2、5%CO2)を含有する(mM単位)人工脳脊髄液で灌流した。記録前に、スライスを、37℃で30分間再生させ、次いで室温で少なくとも60分間再生させた。実験全体を通して、神経細胞を電圧固定した。パッチピペット(4〜6MΩ)は、溶液117.5Cs−メチル−スルホネート、17.5CsCl2、4NaCl、0.1EGTA、10HEPES、5QX−314Cl、4MgATP、0.3Na2GTP、10クレアチンリン酸−Tris(CsOHを用いてpHを7.3に調整、ショ糖を用いてモル浸透圧濃度を290mOsmに調整)を含有した(mM単位)。電流を、Warner増幅器(PC−501A)を用いて記録し、1kHz(保持電位、−70mV)で濾過した。振幅を、Molecular DevicesからのClampfitプログラム(バージョン10.1)を使用することによって自動的に測定した。ピーク応答で測定された−70mVのAMPAR電流の振幅を、ピークの30ミリ秒後に測定された−50mVのNMDAR電流で割ることによって、AMPAR/NMDAR受容体比率を算出した。
行動研究
恐怖条件付け−実施例1で説明されるように研究を行った。
空間作業記憶−実施例1で説明されるように研究を行った。
参照記憶−実施例1で説明されるように研究を行った。
可視のプラットフォーム試験−実施例1で説明されるように訓練を行った。
免疫細胞化学的実験 実施例1で説明されるように、免疫細胞化学的実験及び測定を行った。
Aβレベルの決定 凍結した脳半球を秤量し、5MのグアニジンHCL/50mMのTris HCL溶液でホモジナイズした。製造者のプロトコルに従って、Aβ40及びAβ42を、ヒトβアミロイドELISAキット(Biosource、CA)を使用して測定した。ELISAシグナルを、皮質のミリグラム当たりAβのナノグラム単位で、平均値±s.e.m.として報告した。すでに説明したように、代替的に、凍結した脳半球のホモジネートに基づいて、Aβレベルを決定することができる[Trinchese et al.,Ann Neurol,2004.55(6):p.801−14]。Aβを、Aβ40(JRF/cA40/10)又はAβ42(JRF/cA42/26)のいずれかに対する単クローン抗体を用いてトラップすることができ、次いでセイヨウワサビペルオキシダーゼ抱合JRF/A tot/17を用いて検出することができる[Janus et al.,Nature,2000.408(6815):p.979−82]。ELISAシグナルを、合成Aβ40及びAβ42ペプチド基準値(American Peptide)を使用した基準曲線に基づいて、mgタンパク質当たりfmol Aβ(BCAタンパク質アッセイ試薬キットを用いて決定、PIERCE)単位で、2つのレプリカウェルの平均値として報告することができる。血液を、10mMのEDTAを含有する管に収集し、次いで40℃で5分間にわたり、4000rpmで遠心分離することができる。次いで、ELISAプレートに負荷する前に、血漿を、−80℃で貯蔵することができる。
統計解析 実施例1で説明されるように、統計解析を行った。異なる濃度についての曲線を当てはめるために、ソフトウェア(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)を用いた非線形回帰解析を使用した。
結果
APP/PS1マウスの海馬のスライス中のシナプス機能へのシルデナフィルの急性影響。我々の第1の目的は、PDE5阻害がシナプス機能を寛解し得るかどうかを決定することである。シルデナフィルは、血液脳関門(BBB)を通過することが報告されるため(FDA,1998)、バルデナフィルの証拠が間接的であり(Prickaerts et al.,2004)、タダラフィルがそれを通過しないにもかかわらず、我々は、中枢神経系研究のために、この化合物をPDE5を阻害する第1の薬物として選択した。シルデナフィルは、6.0nMのPDE5に対してIC50、及びげっ歯類において0.4時間のインビボ半減期を有する(ヒトにおいて約4時間)(Walker et al.,1999;Daugan et al.,2003b)。我々は第1に、シルデナフィルの短時間の適用を試験し、基底シナプス伝達(BST)が正常であるにもかかわらず、シナプス可塑性機能障害がまず開始しだす際、3ヶ月齢のAPP/PS1マウスに由来するスライスのLTPの欠損を救うかを見極めた(Trinchese et al.,2004)。BSTを、APP/PS1マウス及び野生型(WT)マウスの刺激強度の増加における、視野興奮性シナプス後潜在的(fEPSPs)の勾配、またさらにfEPSP勾配に対して、線維斉射のピーク振幅をプロッティングすることによって決定した。我々は、異なる群の間のBSTにおける差異を見出さなかった(図56A、図67)。次いで、海馬のスライスを、Schaeffer側枝経路のテタヌスの刺激を介してLTPを誘発する前に、シルデナフィル(50nM)で10分灌流した。シルデナフィルで処置されたAPP/PS1スライス中の増強は、媒体で処置されたAPP/PS1スライスの増強をはるかに越えていた(図1B)。一方で、媒体のみで処置されたWTスライスと比較して、シルデナフィルは、WTマウスのスライス中のLTPの振幅を変化させなかった(図1C)。シルデナフィルは、APP/PS1マウス又はWT同腹子からのいずれのスライスにもテタヌスを適用しなかった場合、その適用中の、又は実験中のその適用の終了後120分の基底シナプス反応に何の効果も有さなかった(図1B、C)。シルデナフィルの異なる濃度の使用は、より低い濃度がより低い効果を有する一方で、50nMが、遺伝子組換え動物からのスライス中のシナプス可塑性を完全に救う薬物の最小用量であることを表した(図56B)。阻害剤の同一濃度は、WTスライスのLTPへの効果を有さない。さらなる実験で、50nMのシルデナフィルは、1連又は2連のシータバースト刺激を通して増強された、APP/PS1マウスからのスライス中のLTPを寛解した(図56C)。興味深いことに、NO経路の刺激薬と対になったより弱いテタヌスの刺激を受取したWTマウスからのスライスについてすでに表されているように(Puzzo et al.,2005)、50nMのシルデナフィルは、1回のシータバースト刺激を受取したWTスライス中のLTP振幅を増加させた(図56C)。
シナプス機能障害へのシルデナフィル効果のPDE5特異性に対する対照として、我々は次に、より特異的PDE5阻害剤である、タダラフィルを使用した。cGMPに基づく阻害剤であるシルデナフィル及びバルデナフィルとは異なり、タダラフィルはβカルボリン由来薬物であり、PDE1(選択性比率>2000)及びPDE6(選択性比率1000)、ならびに5.0nMのPDE5に対するIC50への効果を伴わない(Daugan et al.,2003b)。スライスをタダラフィルに浸したとき(50nM、テタヌス前に10分間)、APP/PS1スライスにおける増強は、媒体処置されたAPP/PS1スライスにおける増強をはるかに超えていた(図8A)。タダラフィルは、WTマウスにおけるベースライン及びLTPに影響しなかった(図8B)。
PDE5特異性に対する追加の対照として、我々はまた、IC224のHCl塩であり、IC354と呼ばれる非常に選択的であるPDE1阻害剤を使用した[80nMのPDE1に対してIC50;次に最も感受性の高いPDEのIC50値と、PDE1のIC50値との比率は、127に等しい(Snyder et al.,2005)]。シルデナフィル又はタダラフィルとは異なり、APP/PS1スライスをIC354に浸しとき(1μM、テタヌス前に10分)、LTPは影響されなかった(図8C)。IC354は、WTマウスの海馬のスライス中のLTP振幅を変化させなかった(図8D)。したがって、シルデナフィル及びタダラフィルの実験とまとめたこれらの結果は、PDE5の阻害(PDE1ではない)がシナプス機能障害からADのような動物モデルを保護することを示し、PDE5の阻害が、ADのシナプス機能障害に対して有益であり得ることを支持する。
APP/PS1マウスの認知機能へのシルデナフィルの急性影響 上記で報告されるように、シルデナフィルは、BBBを通過する利点を提供し、したがってそれは行動実験において容易に利用することができる。我々は、3ヶ月齢のマウスを4つの群に分けた:シルデナフィルを用いるAPP/PS1、媒体を用いるAPP/PS1、シルデナフィルを用いるWT、及び媒体を用いるWT。シルデナフィル溶液及び媒体対照溶液を、3mg/kgの濃度で腹腔内投与した。この濃度は、シルデナフィルのこれらの量が、海馬のcGMPレベルを上昇させ、高齢のラット(Prickaerts et al.,2002a)及び血管効果(Prickaerts et al.,2002a)に依存しないマウス(Baratti and Boccia,1999)における記憶を改善することを表す先の研究に基づいて選択された。我々は第1に、恐怖条件づけ学習、幾つかのADマウスモデル(Gong et al.,2004b)において損なわれ、かつ海馬及び扁桃体に依存(Phillips and LeDoux,1992)する学習のタイプへのシルデナフィルの急性投与の効果を検討した。コンテキスト恐怖条件付けのために、マウスを訓練して中性刺激を有害刺激と関連付けさせた。それらを新しいコンテキスト(恐怖条件付け箱)中に配置し、軽度フットショック(無条件刺激、US)と対になったホワイトノイズキュー(条件刺激、CS)に暴露し、訓練後、即時にシルデナフィルを注射した。恐怖学習を、コンテキストの表示又は完全に異なるコンテキスト内の聴覚キューに応答した、すくみ行動(必然的に生じる呼吸を除外して全ての運動の不在)を測定することによって24時間後に評価した。我々は、訓練段階の前に、マウスの4つの群間のすくみ行動において、いずれの差異も見出さなかった(図2A)。24時間後、我々は、媒体処置されたAPP/PS1マウスのすくみ行動の低下を、媒体処置されたWT同腹子のものと比較して、コンテキスト学習の解析において観察した(図2A)。すくみにおいて、シルデナフィル処置されたWT動物は有意な増加を表さなかったにもかかわらず(図2A)、シルデナフィル処置は、遺伝子組換え動物のコンテキスト学習を改善し(図2A)、これは、ショウジョウバエ及びマウスの双方において見出されたように、恐らく、訓練セッション後、記憶の最大レベルがすでに、媒体処置されたWTマウスにおいて誘発されているためであろう(Tully et al.,2003;Gong et al.,2004a)。我々は次に、海馬非依存性作業である、手掛かり恐怖条件付けを試験したが(Phillips and LeDoux,1992)、APP/PS1マウスが、連想的学習において選択的海馬依存性機能障害を有することで知られているように(Gong et al.,2004b)、4つの群間ですくみにおいて差異を見出さなかった(図59)。なお、電気生理学的実験に関しては、我々は、1.5mg/kg、3mg/kg、及び6mg/kgの阻害剤を注射することによって、APP/PS1マウスにおけるコンテキスト恐怖記憶を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度を決定した。3mg/kgの濃度は、恐怖記憶を完全に復元した(図58A)。阻害剤の異なる濃度を注射されたWT同腹子においては、記憶増強は観察されなかった。
次に、我々は、シルデナフィルを用いた処置の、空間作業記憶、RAWM試験を用いて研究することができる短期記憶のタイプへの効果を検討した。この作業はすでに、ADの他の遺伝子組換えモデル(Morgan et al.,2000、Trinchese et al.,2004)の記憶欠損を示しており、海馬の機能(Diamond et al.,1999)に依存することが表されている。マウスは、空間キューに関して迷路のアームの1つにおいて、隠しプラットフォームの位置を学習、かつ記憶することを必要とされた。媒体注射されたWT同腹子と比較して、媒体を用いて注射されたAPP/PS1は、作業の取得及び保持の双方の間、プラットフォームの位置に対する空間記憶に重篤な異常を表した(図2B)。しかしながら、3週間にわたるシルデナフィルの連日注射は、第4の取得試験後、即時にAPP/PS1マウスの行動能力を寛解した(図2B)。シルデナフィルを用いた処置は、媒体注射されたWT同腹子と比較して、WTマウスの能力に影響しなかった(図2B)。我々はまた、1.5mg/kg、3mg/kg、及び6mg/kgの阻害剤を注射することによって、APP/PS1マウスの空間作業記憶を改善するために必要とされるシルデナフィルの最小濃度を決定した。3mg/kgの濃度は、記憶を完全に復元した(図58B)。次いで、我々は、シルデナフィルが空間作業記憶へのプラス効果を有するために必要とされる最短時間を試験した。3mg/kgのシルデナフィルの連日注射は、2週間後、APP/PS1マウスの能力を改善した(図58C)。マウスの4つの群は、可視のプラットフォーム作業においてプラットフォームを見出すのに必要とされる時間、ならびに泳ぐ速度において、いずれの差異も表さなかった(図10)。したがって、視覚、運動協調性、又は動機づけは、マウスの4つの群において影響されず、RAWM結果にも影響を与え得ない。
RAWM及び恐怖条件付けによる結果の間の興味深い差異は、シルデナフィルが、APP/PS1マウスにおけるRAWM実験で、部分的救済を産生した一方で、救済がコンテキスト恐怖条件付けで完全であったという事実に関連した。この差異が、WTマウスにおける記憶の不完全な形成のためであり、遺伝子組換えとWT同腹子との間の記憶を均等化するシルデナフィルの作業を促進するということを除外するために、我々は、フットショックの強度を0.50mAから0.75mAへ増加させた追加的一連の実験を行った。この手段は、すくみの度合いを増加させることで知られている。すくみの度合いに関わらず、シルデナフィルは、RAWM実験とは異なり、より低い強度のフットショックを用いた実験同様に、APP/PS1マウスにおける記憶を完全に復元する(図60)。
シルデナフィルが、末梢血管作用を通してこの行動効果を産生した可能性を除外するために、我々は、BBBを通過することができないタダラフィルを使用する記憶研究を繰り返した(cLogP=1.43及びその製造者からの情報)。タダラフィル(1mg/kg、腹腔内)は、APP/PS1マウスにおけるコンテキスト恐怖条件付け又は空間作業記憶のいずれも改善しなかった。したがって、シルデナフィルの効果は、血管区画中のPDE5の阻害のためではあり得ない(図61)。
APP/PS1マウスにおける認知及びシナプス機能へのシルデナフィルの持続的効果。先の研究は、PDE4阻害剤ロリプラムが、阻害剤の投与を超えて持続する、APP/PS1マウスにおけるシナプス異常及び認知異常への持続された有益な効果を有することを示している(Gong et al.,2004a)。この知見は、ADにおけるCREBリン酸化を上方制御する薬物を使用するときの、非常に興味深い治療上の観点を広げている:短時間の処置の過程は、長期にわたって有益であり得る。シルデナフィル処置に続いて、同一効果が存在するかどうかを調べるために、我々は、PDE5阻害剤が、シナプス機能障害及び記憶喪失に対して、その保護効果を維持するかどうかを検討した。これらの実験において、年齢3ヶ月のAPP/PS1及びWTマウスの双方を、3mg/kg/日のシルデナフィルを3週間にわたって腹腔内注射し、次いで、試験前に、その処置を9〜12週間中止した。次に、マウスを、コンテキスト学習の訓練に供した。急性実験におけるように、動物が9〜12週間前に訓練された同一コンテキストに、動物を再導入した場合、そのすくみ時間は、媒体処置されたAPP/PS1同腹子と比較して、シルデナフィルを用いて先に処置されたAPP/PS1マウスにおいて、大いに増加した(図3A)。シルデナフィルは、媒体を用いて処置されたWTマウスと比較して、WT同腹子のすくみ時間を増加しなかった(図3A)。手掛かり条件付け試験において、4郡間に差異は存在しなかった。3mg/kgは、コンテキスト恐怖記憶への持続された有益な効果を産生する阻害剤の最小用量であり(図62A)、2週間は、シルデナフィル送達の最小限の効果的日数であった(図62B)。これらのデータは、PDE5の阻害が、薬物投与の持続時間を越えて拡張された時間、APP/PS1マウスの恐怖コンテキスト学習を保護することを示唆する。
RAWM作業を使用して、空間作業記憶への、シルデナフィルを用いた3週間にわたる処置の一過程の効果を、次に試験した。媒体処置されたAPP/PS1及びWTマウスによるエラーの数の間に、差異は存在しなかった(図3B)(Trinchese et al.,2004)。試験の9〜12週間前の、3週間にわたるシルデナフィルの投与は、WT動物の能力に影響を与えることなく、2つの群間の間隙を減少させた(図3B)。加えて、恐怖条件付けを用いた実験と一致するように、3mg/kgは、空間作業記憶への持続された有益な効果を産生する阻害剤の最小用量であり(図62C)、2週間は、シルデナフィル送達の最小限の効果的日数であった(図62D)。これらのデータは、PDE5阻害剤を用いた長期処置の一過程が、APP/PS1マウスの空間作業記憶を保護することを示唆する。
シルデナフィルの長期記憶への効果を調査するために、我々は、海馬の機能を必要とし(Schenk and Morris,1985)、APP/PS1マウスにおいて6ヶ月を過ぎた年齢で障害されることで知られる(Trinchese et al.,2004)Morris水迷路作業を用いて参照記憶を試験した。媒体処置された遺伝子組換えマウスは、WT同腹子と比較して、6セッション後、隠しプラットフォームを見出すために、より長い時間を必要とした(図3C)。APP/PS1マウスをシルデナフィルを用いて先に処置した場合、それらは、それらの行動能力の顕著な改善を表した。シルデナフィルは、WT同腹子の能力に影響しなかった(図3C)。我々はまた、プローブ試験、空間参照記憶の別の試験を用いた参照記憶を評価した(Schenk and Morris,1985)。隠しプラットフォームの第6のセッション後、プラットフォームを水から除去し、動物に60秒間探させた。したがって、そのマウスは、プラットフォームにぶつかる等の触覚キューとは独立して、プラットフォームの位置を知っていることを示唆している。媒体処置されたWTマウスは、他の象限内より、ターゲット象限(TQ)内でより多くの時間を費やし、そこは、訓練の間プラットフォームが位置づけられていた場所であった(図3D)。加えて、シルデナフィルは、媒体処置されたAPP/PS1マウスよりも、TQ内で探したAPP/PS1マウスの能力を改善した(図3D)。シルデナフィル処置されたWTマウスは、プラットフォームが前日にどこにあったかを記憶しており、媒体処置されたWT同腹子が費やした時間とおよそ同一の時間を費やした。さらに、恐怖条件付け及びRAWMを用いた実験と一致するように、3mg/kgは、参照記憶への持続された有益な効果を産生する阻害剤の最小用量であり(図62E、F)、2週間は、シルデナフィル送達の最小限の効果的日数であった(図62G、H)。プローブ試験後に行われた可視のプラットフォーム試験は、4つの群間のプラットフォームに達するまでの時間、及び泳ぐ速度においていずれの差異も明らかにはしなかった(図11)。
APP/PS1マウスの行動能力への、シルデナフィルの顕著な効果の根底にある機能的変化の解析に深さを加えるため、我々は、同一マウスからの海馬中のシナプス機能を検討した。3ヶ月齢の二重遺伝子組換えマウスとは対照的に、8〜9ヶ月齢のAPP/PS1動物は、シナプス強度の減少を表す(Trinchese et al.,2004)。APP/PS1マウスにおけるシルデナフィルを用いた先の処置は、8〜9ヶ月齢のマウスからのスライスにおいて、媒体処置されたAPP/PS1のスライスへのよりも、fEPSP勾配のより大きな値を産生した(図4A)。一方で、シルデナフィルは、WT同腹子における応答を変化させなかった。また、BSTに対して試験されたCA3−CA1結合を、増強を経験するそれらの能力に対しても評価した。シルデナフィルを用いて先に処置された、APP/PS1から得られたスライスから記録されたLTP値は、シルデナフィル処置されたWT同腹子と同様であり、媒体処置されたAPP/PS1同腹子からのものをはるかに越えた(図4B、C)。8〜9ヶ月のWTマウスは、シルデナフィルを用いて処置されようと、又は媒体を用いて処置されようと、同様量の増強を表した(図4C)。テタヌスの不在の時、いずれの差異も、マウスの4つの群のベースライン伝達において、示されなかった(図4B、C)。3mg/kgは、BST及びLTPへの持続された有益な効果を産生する阻害剤の最小用量であり(図62A、B)、2週間は、これらの現象を救うための、シルデナフィル送達の最小限の効果的日数であった(図63C、D)。これらのデータは、シルデナフィル処置の一過程が、長期にわたってシナプス機能障害からAPP/PS1マウスを保護することを示唆する。
追加的一連の実験において、我々はまた、6ヶ月齢のAPP/PS1マウスからの海馬のスライスのシルデナフィルを用いた処置が、シナプス機能の即時の改善を産生するかどうかを検討した。化合物によって寛解されなかったBSTとは対照的に、LTPは、500nMのシルデナフィルを用いて通常のレベルに達した(図64A、B)。したがって、いったんシナプス機能の障害が樹立されると、PDE5阻害は、シナプス可塑性の欠損にすぐに反作用し得るが、基底シナプス機能の欠損には反作用し得ない。
APP/PS1マウスにおけるCREBリン酸化及びAβレベルへのシルデナフィルの効果シルデナフィルの作用の持続時間が比較的短いことから、PDE5阻害剤の直接的効果は、その長期効果の原因ではあり得ない。CREBは、その発現が長期記憶の形成及び安定化をもたらす遺伝子の制御に関係している。CREBリン酸化は、CREB結合タンパク質(CBP)に結合し、CRE依存性遺伝子発現を刺激するCREBの能力に必要とされる(Silva et al.,1998)。また、Aβ上昇は、記憶分子CREBのリン酸化におけるテタヌス誘導性増加を遮断することでも知られている(Puzzo et al.,2005、Gong et al.,2006)。したがって、我々は、シルデナフィル処置及び媒体処置された遺伝子組換えマウスならびにWTマウスにおける、CREBリン酸化のレベルを測定した。電気生理学的実験で説明されるように海馬のスライスを処置し、処置後60分固定し、Ser−133で抗リン酸化CREB抗体を用いて染色し、共焦点顕微鏡上で見た。我々は、テタヌス後、対照のテタヌス刺激されていないスライス(図5A、B)と比較して、WTマウスのCA1細胞体領域における免疫蛍光強度の増加を表す先の知見を確認した(Lu et al.,1999、Puzzo et al.,2005)。APP/PS1動物は、テタヌス後、CA1リン酸化CREB免疫蛍光の生理的増加を有さなかった(図5A、B)。しかしながら、シルデナフィルは、二重遺伝子組換えのテタヌスされたスライスにおける通常のリン酸化CREB増加を回復させた(図5A、B)。シルデナフィルは、WT動物における免疫蛍光のテタヌス誘導性増加に影響しなかった(図5A、B)。
我々は、3ヶ月の年齢で3mg/kg/日のシルデナフィル又は媒体を注射され、次いで9〜12週間にわたって処置なしで放置されたマウスを調査したとき、同様の結果を得た。より若い動物と同様に、我々は、テタヌス刺激されていない対照スライスと比較して、テタヌス後、WTマウスのCA1細胞体領域における免疫蛍光強度の増加を見出した(図5C)。APP/PS1マウスは、テタヌス後、リン酸化CREBの生理的増加を明らかにしなかったが、シルデナフィルを用いた先の処置は、それを回復させた(図5C)。なお、リン酸化CREB免疫蛍光は、テタヌスの刺激と共に、シルデナフィル処置されたWTマウスからのスライスにおいては変わらなかった(図5C)。したがって、シナプス生理機能及び行動における長期改善の根本において、Schaffer側枝CA1結合のテタヌスの刺激に続く、APP/PS1マウスのCREBリン酸化の増加の回復が存在する。
APP/PS1マウスにおけるCREBリン酸化の長期にわたる改善の根底にあるものは何であろうか?この質問に取り組むために、Aβがリン酸化CREBを下方制御することから、我々は、シルデナフィルがAβレベルに影響するかどうかを検討した。大脳皮の抽出物のELISAは、3ヶ月及び7〜10ヶ月で、3mg/kgならびに6mg/kgのシルデナフィルを用いた3週間の処置後の、シルデナフィル処置されたAPP/PS1マウスにおけるヒトAβ40及びAβ42レベルの減少を明らかにした(図65A,B)。1.5mg/kgを用いた処置は、次に、Aβレベルを低下させなかった。最後に、我々が、異なる期間で3mg/kgのシルデナフィルで処置された動物におけるAβレベルを決定したとき、Aβレベルは、処置後、即時に殺処理された動物(図65C)及び3ヶ月の年齢で3mg/kg/日のシルデナフィルを注射され、次いで9〜12週間にわたって処置なしで放置された動物(図65D)の両方において、2週間後にすでに減少していた。したがって、Aβレベルの減少は、シルデナフィルによる、リン酸化CREBへの持続された有益な効果の根拠である。
考察
本研究は、PDE5阻害剤シルデナフィルでの処置が、アミロイド沈着の遺伝子組換えマウスモデルにおけるシナプス欠損及び記憶欠損を救うことを示す。また、シルデナフィルは、転写因子のリン酸化及び記憶分子CREBの増加を回復させる。加えて、阻害剤は、高レベルのAβの、シナプス機能、記憶、及びCREBリン酸化への負の効果に、即時的のみならず、薬物投与を超える長期にわたって反作用する。最後に、シルデナフィルは、Aβ40及びAβ42レベルの即時的ならびに長期にわたる減少を引き起こす。これらの知見は、PDE5阻害剤が、Aβ合成/分解を調節する遺伝子の転写を制御することを通して、即時的のみならず、長期間にわたって、AβによるCREBリン酸化における欠損に反作用するというモデルを支持する。
本研究の関連する知見は、PDE5阻害に続く、APP/PS1マウスの記憶機能障害の回復である。これらの結果は、NO模倣分子が、スコポラミン(Thatcher et al.,2004)、又は前脳コリン作動性枯渇(Bennett et al.,2007)によって引き起こされる認知機能障害を逆転できるという観察と一致しており、NO/cGMPシグナル伝達系を刺激することが、認知障害のための新しい、効果的な処置を提供できることを示唆する。記憶への有益な効果に関しては、恐怖学習の訓練、又は空間作業の取得後即座(しかし、恐怖学習の訓練又は空間作業の取得の5分前ではない)に、わずかな時間窓の間のPDE5活性の阻害が、遺伝子組換え動物の学習を改善することは興味深い。シルデナフィルのインビボ半減期は、げっ歯類において0.4時間である(Walker et al.,1999)ことを考慮すると、電気ショック、又は空間作業の取得後、最初の20〜25分間は時間窓が存在し得、その間は、PDE5阻害による改善の影響を受けやすい学習過程である。なお、シルデナフィルの有益な効果が、訓練後それらの注射を用いて観察されたことから、PDE5の阻害は、疼痛又は環境の知覚等の能力の態様ではなく、記憶固定機構に作用する。
本研究で報告された別の発見は、シルデナフィルの、APP/PS1マウスにおけるシナプス機能障害に対する有益な効果である。この知見は、NOドナー又はcGMP類似体の使用を介するcGMP増加が、Aβの外来適用によって誘発される、LTPの減少及びCREBリン酸化の阻害を救うことを表すスライスに関する研究と一致している(Puzzo et al.,2005)。変化したシナプス機能は、ADの認知低下における基本面であることから(Masliah,1995)、ADにおけるPDE5阻害剤の使用の利点は、化合物のこのクラスが、記憶喪失に関連し得るシナプス機能障害に結びつけられる疾患の態様に、反作用するであろうことであり得る。
遺伝子組換えマウスにおけるPDE5阻害によるAβレベルの低下は、本研究の別の重要な知見である。この結果は、NO放出薬物NCX−2216が、APP/PS1マウスにおけるAβ負荷を減少させるという観察と一致する(Jantzen et al.,2002)。なお、NOS2の遺伝子欠失は、APP過剰発現マウスにおけるAβレベルを増加させる(Colton et al.,2006)。興味深いことに、Aβレベルの低下は、シルデナフィル投与の終了から3〜5ヶ月後に依然として存在する。シルデナフィルが短い半減期を有することを考慮すると、この効果は、Aβ産生及び/又はAβクリアランスを制御する遺伝子の発現への作用のためであり得る。CREBは、遺伝子の制御に関係しており、その遺伝子の発現は、新しいシナプス結合の形成を恐らく介する長期記憶の形成及び安定化をもたらす(Tully et al.,2003)。リン酸化CREBがCBPに結合する場合、それはCRE依存性遺伝子発現を刺激する。CBPは、染色質のヒストンH3のアセチル化を触媒するアセチルトランスフェラーゼとして働くことによって、基底転写装置との相互作用を促進する活性化補助因子として機能し、記憶関連遺伝子の転写における染色体抑制及び増加の損失を引き起こす。ヒストンアセチル化は自己永続的であることができ、機能的に安定したクロマチン状態を作り、したがって特異的遺伝子発現に慢性変化を作る(Battaglioli et al.,2002、Lunyak et al.,2002、Turner,2002)。理論にとらわれることなく、シルデナフィルの持続性の有益な効果は、ヒストンアセチル化中の永久増加に起因する。これと一致するように、我々は近年、通常、CBPの逆効果を伴う酵素の群に起因するヒストン脱アセチル化の阻害が、APP/PS1マウスの通常のLTP及び記憶を回復させることを示した(Francis,Y.I.,et al.in Soc Neurosci.Abstr.548.545,San Diego,2007)。
シルデナフィルの有益な効果は、cAMPレベルを上昇させるPDE4阻害剤であるロリプラムの効果の多くの態様に類似し、したがって、本研究のパラダイムと同一の実験パラダイムでそれを使用した実験において、PKAを介してCREBを活性化させる(Gong et al.,2004b)。なお、カフェイン、パパベリン、及びイソブチルメチルキサンチン等の幾つかの非特異的PDE阻害剤が、恐らくアデノシン受容体に拮抗することによって、又は細胞内Ca2+貯蔵に作用することによって、実験動物における幾つかの行動能力を改善することが報告されている(Villiger and Dunn,1981、Randt et al.,1982、Nicholson,1990、Nehlig et al.,1992)。しかし、IC354、選択的である阻害剤のPDE1、シルデナフィルによって阻害できる別のPDE(選択性比率180)(Daugan et al.,2003b)は、二重遺伝子組換えマウスからのスライス中の通常のLTPを回復させなかったにもかかわらず、タダラフィル、非常に選択的であるPDE5阻害剤は、シナプス機能障害へのシルデナフィルの効果を再現したため、シルデナフィルの有益な効果は、PDE5阻害に特異的であり得る。なお、投与後即時に空間作業記憶を改善しないロリプラムとは異なり、シルデナフィルは、即時に空間作業記憶を増大させた。最も重要なことに、シルデナフィルの効果及びロリプラムの効果との間の著しい差異は、前者がAPP/PS1マウスの脳中のAβレベルを減少させるにもかかわらず、後者はAβ負荷に影響を与えないことである。
治療薬として薬物の新しいクラスを提唱するとき、それらの副作用を考慮することは必須である。これは、PDE4阻害剤が記憶を増強させることの失敗を決定し得る。PDE5阻害剤を使用する利点は、それらがすでに長年利用されてきたため、FDAが近年、タダラフィルの日常使用を許可したように、それらの副作用が知られていることである。幾つかのケースで、PDE5阻害剤の摂取に続き、持続勃起症が発生することが報告されている。しかしながら、持続勃起症の原因についての現在の概論は、それが、NO経路の下方制御に続く、PDE5機能の調節不全のためであり(Champion et al.,2005)、Aβ増加によっても引き起こされる現象である(Puzzo et al.,2005)ということである−それゆえに、PDE5阻害剤は、持続勃起症に対する治療薬として提唱されている(Burnett et al.,2006、Rajfer et al.,2006)。PDE5阻害剤の追加の有害事象は、頭痛、紅潮、胃腸障害、及び経鼻鬱血又は鼻炎等の軽度血管拡張作用を含み、AD薬剤としてPDE5阻害剤を提唱することにおける注意は当然であり得る。しかしながら、Aβは中枢神経系に第1に蓄積するが、Aβはまた、異常なAβ産生によって特徴づけられるAD及び他の神経障害(Basun et al.,2002、Andreasen et al.,2003)に影響される患者の血液中にも存在する。 興味深いことに、全身Aβは、脳血管系中のみだけでなく、血管系の他の区域中でも血管収縮を増強する(Pasquier and Leys,1998、Khalil et al.,2002、Kalaria,2003、Suhara et al.,2003、Gentile et al.,2004、Price et al.,2004、Smith et al.,2004)。なお、高血圧症は、大抵ADに関連する(Pasquier and Leys,1998、Gentile et al.,2004、Price et al.,2004)。したがって、PDE5阻害剤が、記憶喪失及びAβ産生のみではなく、AD患者に大抵影響を与える血管症状にも反作用できると考えるのは、非常に魅力的である。
我々の知見は、PDE5の阻害が、ADにおける認知欠損に対して有益であり得るということを強力に支持する。しかしながら、シルデナフィルを含む既存の市販されている阻害剤のいずれも、中枢神経系に最適化されていない。良好な中枢神経系薬物は、高い特異性及び効力、ならびに良好な薬物動態、生物学的利用率、及び中枢神経系透過を有するべきであり、かつ最後に安全であるべきである。例えば、シルデナフィルがBBBを通過することが報告されており(FDA,1998)、6.0nMのPDE5に対してIC50、及びげっ歯類(ヒトにおいて約4時間)において、0.4時間のインビボ半減期を有する(Walker et al.,1999;Daugan et al.,2003b)。しかしながら、脳を除く心筋及び血管中で発現され、軽度血管拡張効果をもたらすことができるそのPDE1の選択性比率は180であり、網膜中のみで発現され、視覚を過渡的に妨げることができるPDE6の選択性比率は、12と等しい(Corbin and Francis,2002、Daugan et al.,2003a)。BBBを通過するバルデナフィル能力の証拠は、間接的であり(Prickaerts et al.,2004)、PDE5に対するそのIC50が0.17nMであっても、PDE6の選択性比率は3.5と等しい(Saenz de Tejada et al.,2001、Zhang et al.,2005)。理論にとらわれることなく、タダラフィルはBBBを通過し得ない。したがって、我々の知見は、中枢神経系のために最適化され、AD患者に使用することができる新規PDE5阻害剤を開発することを支持する。
補足的考察
AMPA受容体電流及びNMDA受容体電流は、3ヶ月齢の二重遺伝子組換えマウスにおいて変化しなかった。これらの知見と一致するように、基底シナプス伝達は、同様の年齢のAPP/PS1マウスにおいて通常であった。文献で公開されたデータの入念な解析は、AMPA受容体が疾患の最も早期段階では影響されないことを示唆する。例えば、この年齢でLTPはすでに損なわれいたにもかかわらず、Changらは、7〜8ヶ月齢の2xKIマウスにおける、AMPA受容体電流及び基底シナプス伝達の機能障害を見極めることができなかった(Chang et al.,2006)。これらの知見と一致するように、AMPA受容体機能を干渉したAβ42の濃度は非常に高かった(2μM)(Hsieh et al.,2006)。なお、微小EPSC振幅は、器官培養型海馬のスライス中でAPPを過剰発現する神経細胞中で変化しなかった(Kamenetz et al.、2003)。同様の考慮をNMDA受容体に適用することができる。Aβの濃度は、ADにおけるNMDA受容体の関与を示すマニュスクリプト中で高かった(1μM)(Snyder et al.,2005)。加えて、細胞外Aβは、NMDA受容体への効果を見極めるために、長時間にわたって適用された(Shankar et al.,2007)。したがって、AMPA受容体及びNMDA受容体は、AD病態の最も早期段階では影響されない。むしろ、我々のデータは、AMPA受容体及びNMDA受容体の疾患への関与前に、LTP内因性機構が影響されることを示唆する。
NO−カスケードに作用する薬物は、認知能力に影響し得る血管効果を有する。したがって、シルデナフィルの有益な効果についての代替的説明は、神経細胞内効果に代わり、血管効果を介して阻害剤が働くことである。これは、PDE5の阻害が、PDE5阻害剤に直接的に暴露されたスライスにおいて通常のLTPを回復させたため、起こりそうにない。なお、cAMP類似体は、cGMP類似体よりも頭頂葉皮質中の脳細動脈のさらなる拡大を誘発することを表すが(Paterno et al.,1996)、8−Br−cGMP(しかし、8−Br−cAMPではない)のみしか、げっ歯類の記憶能力を改善しなく、血管機構がcGMP効果の原因ではあり得ないことを示唆する。最も重要なことに、BBBを通過しないタダラフィルは、シルデナフィルの行動的影響を再現しなかった。
われわれの知見は、NOカスケードの上方制御が、中枢神経系内のAβ誘発性障害への保護効果を有することを表す報告と一致している(McCarty,1998、Troy et al.,2000、Wirtz−Brugger and Giovanni,2000)。例えば、PC12細胞、交感神経細胞、及び海馬の神経細胞で行われた研究は、NO発生装置S−ニトロソペニシラミンを用いた処置が、アポトーシス促進性の因子カスパーゼ2を阻害するニトロシル化を介する神経保護的作用を有することを表している(Troy et al.,2000)。Aβは、NMDA受容体シグナル伝達の低下(McCarty,1998)、NOSに対するNADPH有効性の減算(Venturini et al.,2002)、及びセリンスレオニンキナーゼAktのリン酸化の阻害(Suhara et al.,2003)を含む異なる機構によって、NO産生を損なうことが見出されている。AD患者の上側頭葉皮質は、可溶性グアニリルシクラーゼ活性の減少を表す(Bonkale et al.,1995)。可溶性グアニリルシクラーゼは、脳アストログリア細胞のAβ暴露に続き、低下した(Baltrons et al.,2002)。PDE活性の増加は、単離されたた血液細胞及び培養されたミクログリアの双方で見出され、PDE5阻害は、通常の血管活性を回復させ、Aβによってもたらされる炎症反応を遮断する(Paris et al.,1999)。しかしながら、また、NOは、高量で産生される場合、神経病態及び細胞死の主要な薬剤として見られる。NOの高量は、Aβ誘発性細胞死における酸化ストレス及びニトロソ化ストレスの原因である有意な量のペルオキシナイトライトの産生につながる(McCann,1997、Tran et al.,2001、Wong et al.,2001、Haas et al.,2002、Xie et al.,2002、Monsonego et al.,2003、Wang et al.,2004)。これらの逆の知見は、NOシンターゼ(iNOS)の誘導型による高量のガスの制御されない産生が、ペルオキシナイトライトの産生を介する酸化的及びニトロソ化ストレスを促進し得るにもかかわらず、神経細胞アイソフォーム及び内皮アイソフォーム、n−NOS及びe−NOSの双方を含むNOSの構成型による、低量のNOの放出が、シナプス可塑性及び学習を促進するという観察を伴う我々の知見と調和し得る(McCann,1997、Tran et al.,2001、Wong et al.,2001、Haas et al.,2002、Xie et al.,2002、Monsonego et al.,2003、Wang et al.,2004)。これらの発見を活用する薬物研究の現状は、NOカスケードを上方制御し、したがって神経保護を誘発する方法を見出すこと、ならびに神経病態を制限するため、ペルオキシナイトライト毒性作用を遮断する方法を見出すことの双方に集中している(Contestabile et al.,2003)。PDE5に介入する我々の本治療方針は、NO産生の下流レベルで、ステップに集中することによって、NO産生をバイパスする利点を提供する。
実施例11についての参考文献
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Claims (37)

  1. 式(V)
    Figure 2012513464
    (V)
    の化合物であって、式中、
    AはO又はNであり、
    Xは−(CH、C(O)、S(O)、又はS(O)であり、
    は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−NR、−SR、又はヘテロシクリルであり、
    は−CHOR又はCOであり、
    は水素又はハロゲンであり、
    は−CN又はハロゲンであり、
    は水素又はORであり、
    は水素、−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、又はC(O)Rであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、−C1−C6アルキル、−C3−C8シクロアルキル、又はC(O)Rであり、前記C−Cアルキル又はC−Cシクロアルキルは、任意に−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、−NR10、−SR、又はヘテロシクリルで置換され、
    及びR10は、それぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、又はC−Cシクロアルキルであり、nは1、2、又は3である、化合物、
    あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
  2. AはNである、請求項1に記載の化合物。
  3. は水素である、請求項1に記載の化合物。
  4. はOCである、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記化合物は、式(V−1)
    Figure 2012513464
    (V−1)
    の化合物であり、式中、
    は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−NR、−SR、又はヘテロシクリルであり、
    は−CHOR又はCOであり、
    は水素又はハロゲンであり、
    は−CN又はハロゲンであり、
    は水素、−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、又はC(O)Rであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、又はC(O)Rであり、前記C−Cアルキル又はC−Cシクロアルキルは、任意に−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、−NR10、−SR、又はヘテロシクリルで置換され、
    及びR10は、それぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、又はC−Cシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、
    あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
  6. はCである、請求項5に記載の化合物。
  7. 前記化合物は、式(V−1a)
    Figure 2012513464
    (V−1a)
    の化合物であり、式中、
    は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−NR、−SR、又はヘテロシクリルであり、
    は−CHOR又はCOであり、
    は水素又はハロゲンであり、
    は−CN又はハロゲンであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、又はC(O)Rであり、前記C−Cアルキル又はC−Cシクロアルキルは、任意に−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、−NR10、−SR、又はヘテロシクリルで置換され、
    及びR10は、それぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、又はC−Cシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、
    あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
  8. はCH−OHである、請求項1、請求項5、又は請求項7に記載の化合物。
  9. はHである、請求項1、請求項5、又は請求項7に記載の化合物。
  10. はハロゲンである、請求項1、請求項5、又は請求項7に記載の化合物。
  11. は塩素である、請求項1、請求項5、又は請求項7に記載の化合物。
  12. はCNである、請求項1、請求項5、又は請求項7に記載の化合物。
  13. はハロゲンである、請求項1、請求項5、又は請求項7に記載の化合物。
  14. はフッ素である、請求項1、請求項5、又は請求項7に記載の化合物。
  15. 前記化合物は、式(V−1a1)
    Figure 2012513464
    (V−1a1)
    の化合物であり、式中、
    は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−NR、−SR、又はヘテロシクリルであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、又はC(O)Rであり、前記C1−C6アルキル又はC3−C8シクロアルキルは、任意に−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、−NR10、−SR、又はヘテロシクリルで置換され、
    及びR10は、それぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、又はC−Cシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩又は互変異性体。
  16. は水素である、請求項1、請求項5、請求項7又は請求項15に記載の化合物。
  17. はシクロアルキルである、請求項1、請求項5、請求項7又は請求項15に記載の化合物。
  18. はシクロプロピルである、請求項1、請求項5、請求項7又は請求項15に記載の化合物。
  19. はジメチルアミノである、請求項1、請求項5、請求項7又は請求項15に記載の化合物。
  20. 前記化合物は、
    Figure 2012513464

    Figure 2012513464
    である、請求項1に記載の化合物。
  21. 前記化合物は、
    Figure 2012513464
    である、請求項1に記載の化合物。
  22. アミロイドβペプチド沈着物の蓄積に関連する状態を治療するための式(V)の化合物をスクリーニングするための方法であって、前記方法は、
    a)アミロイドβペプチド沈着物の蓄積の動物モデルに式(V)のPDE5阻害剤化合物を投与することと、
    b)アミロイドβペプチド沈着物の蓄積の動物モデルでのPDE5阻害剤化合物の投与の完了後少なくとも1ヶ月間、セクレターゼ活性を調節できる式(V)の前記PDE5阻害剤化合物を選択することと、を含む、方法。
  23. アミロイドβペプチド沈着物の蓄積に関連する状態を治療するための式(V)の化合物をスクリーニングするための方法であって、前記方法は、
    a)式(V)のPDE5阻害剤化合物を選択することを含み、前記化合物は以下の特徴、
    i.前記化合物は、ホスホジエステラーゼタンパク質の2個以上のアミノ酸残基と相互作用し、前記アミノ酸残基は、F787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせを含む、あるいは
    ii.前記化合物とホスホジエステラーゼタンパク質との間の第2の架橋リガンド(BL2)は、OHである、
    のうちの1つ又は双方を含む、方法。
  24. アミロイドβペプチド沈着物の蓄積に関連する状態を治療するための式(V)のホスホジエステラーゼ結合化合物を同定するための方法であって、前記方法は、式(V)のPDE5阻害剤化合物を選択することを含み、式(V)のPDE5阻害剤化合物は以下の特徴、
    a)前記化合物のIC50は約1000nMを越えない、
    b)前記化合物の前記選択性は、PDE1、PDE2、PDE3、PDE4、PDE6、PDE7、PDE8、PDE9、PDE10、又はPDE11と比較して、PDE5に対して、少なくとも50倍大きな効力である、
    c)前記化合物のインビトロでの前記PDE5阻害活性は、約50nMを越えないIC50を有する、
    d)前記化合物は血液脳関門を透過する、
    e)前記化合物はcGMPを約20%〜約80%加水分解する、
    f)前記化合物とホスホジエステラーゼタンパク質との間の第2の架橋リガンド(BL2)は、OH−である、あるいは
    g)前記化合物は、ホスホジエステラーゼタンパク質の2個以上のアミノ酸残基と相互作用し、前記アミノ酸残基は、F787、L804、I813、M816、又はそれらの組み合わせを含む、
    のうちの1つ以上を有する、方法。
  25. 前記選択されたPDE5阻害剤が、アミロイドβペプチド沈着物の蓄積の動物モデルでの投与後少なくとも1ヶ月間、セクレターゼ活性を調節するかを試験することをさらに含む、請求項23又は請求項24に記載の方法。
  26. 前記化合物は、血液脳関門を透過するために、約500Da未満の分子量を有するか、約90Å未満の極性表面積を有するか、8個未満の水素結合を有するか、又はそれらの組み合わせである、請求項22、請求項23、又は請求項24に記載の方法。
  27. 対象におけるαセクレターゼタンパク質活性又は発現を増加させるための方法であり、前記方法は、
    a)式(V)のPDE5阻害剤化合物を含む有効量の組成物を前記対象に投与し、
    それによって、前記対象におけるαセクレターゼタンパク質活性又は発現を増加させることを含む、方法。
  28. 対象におけるβセクレターゼタンパク質活性又は発現を低下させるための方法であり、前記方法は、
    a)式(V)のPDE5阻害剤化合物を含む有効量の組成物を前記対象に投与し、
    それによって、前記対象におけるβセクレターゼタンパク質活性又は発現を低下させることを含む、方法。
  29. 対象におけるアミロイドβ(Aβ)タンパク質沈着物を減少するための方法であって、前記方法は、
    a)式(V)のPDE5阻害剤化合物を含む有効量の組成物を対象に投与し、
    それによって、対象におけるAβタンパク質沈着物を低下させることを含む、方法。
  30. 前記対象は異常に上昇したアミロイドβプラークを示す、請求項27、請求項28、又は請求項29に記載の方法。
  31. 前記対象はアルツハイマー病、レビー小体型認知症、封入体筋炎、又は脳アミロイド血管症を患っている、請求項27、請求項28、又は請求項29に記載の方法。
  32. 前記化合物はシルデナフィル、タダラフィル、もしくはバルデナフィル、又はそれらの誘導体である、請求項27、請求項28、又は請求項29に記載の方法。
  33. 前記有効量は、少なくとも約1mg/kg体重、少なくとも約2mg/kg体重、少なくとも約3mg/kg体重、少なくとも約4mg/kg体重、少なくとも約5mg/kg体重、少なくとも約6mg/kg体重、少なくとも約7mg/kg体重、少なくとも約8mg/kg体重、少なくとも約9mg/kg体重、又は少なくとも約10mg/kg体重である、請求項27、請求項28、又は請求項29に記載の方法。
  34. 前記組成物は、最大18日間、最大19日間、最大20日間、最大21日間、最大22日間、最大23日間、最大24日間、又は最大25日間、少なくとも1日1回投与される、請求項27、請求項28、又は請求項29に記載の方法。
  35. αセクレターゼタンパク質活性又は発現は、治療後最大3ヶ月、治療後最大4ヶ月、治療後最大5ヶ月、又は治療後最大6ヶ月増加される、請求項27に記載の方法。
  36. β−セクレターゼタンパク質活性又は発現は、治療後最大3ヶ月、治療後最大4ヶ月、治療後最大5ヶ月、又は治療後最大6ヶ月低下される、請求項28に記載の方法。
  37. 前記Aβタンパク質沈着物はAβ40異性体、Aβ42異性体、又はその組み合わせを含む、請求項29に記載の方法。
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