JP2012512135A - アルミニウム錯体と分子内閉環反応における触媒としてのその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、低エナンチオ選択率を有するシトロネラールより、一方の光学異性体のみを優先的に反応させ、前記光学異性体の比率を豊富化することによりシトロネラールを光学分割することができる。又は、このような基質選択的な閉環反応により、閉環反応しない特定の光学異性体の比率が豊富化されたイソプレゴールを得ることができる。
〔1〕下記一般式(1’)で示されるアルミニウム錯体。
[Al2(L1)n(L2)3-n]m (1’)
(式(1’)中、nは1又は2の整数を表し、mは自然数を表し、L1は下記式(2’)で表される配位子を表し、L2は下記式(3−A’)又は下記式(3−B’)で表される配位子を表す。ただし、n=2の場合、下記式(2’)で表される配位子は光学活性体であり、n=1の場合、下記式(3−A’)又は下記式(3−B’)で表される配位子は光学活性体である。)
式(3−A’)中、R5、R6、R7、及びR8はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい脂肪族鎖、又は置換基を有していてもよい脂環基を表し、環Aはヘテロ元素を有していても良い3〜8員環を表す。また、R5とR6及びR7とR8とは結合して環を形成してもよい。
式(3−B’)中、R5、R6、R7、及びR8は前記と同じ意味を表し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族鎖、置換基を有していてもよい脂環基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいシロキシ基、又はカルボキシル基を表す。また、R5とR6及びR7とR8とは結合して環を形成してもよい。)
〔2〕下記一般式(1)で表されるアルミニウム化合物
Al(Lg)3 (1)
(式(1)中、Lgは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。)、
下記一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物、及び下記一般式(3−A)又は下記一般式(3−B)で表されるジオール化合物とを反応させることを特徴とする〔1〕に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
式(3−A)中、R5、R6、R7、R8、及び環Aは〔1〕の式(3−A’)の定義と同じ意味を表す。
式(3−B)中、R5、R6、R7、R8、Y1、及びY2は、〔1〕の式(3−B’)の定義と同じ意味を表す。)
〔3〕一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物が光学活性体である〔2〕に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
〔4〕一般式(3−A)又は一般式(3−B)で表されるジオール化合物が光学活性体である〔2〕に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
〔5〕一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物が光学活性体であり、かつ、一般式(3−A)又は一般式(3−B)で表されるジオール化合物が光学活性体である〔2〕に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
〔6〕同一分子内にカルボニル−エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物の光学異性体混合物を、〔1〕に記載のアルミニウム錯体の存在下に閉環反応させることを特徴とする、閉環して生成する化合物のd体又はl体のいずれかが豊富化されている光学活性化合物の製造方法。
〔7〕同一分子内にカルボニル−エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物が下記一般式(4)で示される化合物である〔6〕に記載の製造方法。
〔8〕閉環して生成する化合物が下記一般式(5)で示される化合物である〔6〕に記載の製造方法。
〔9〕同一分子内にカルボニル−エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物が光学活性シトロネラールであり、閉環して生成する化合物が光学活性イソプレゴールである〔6〕に記載の製造方法。
〔10〕光学活性イソプレゴールがl−イソプレゴールである〔9〕に記載の製造方法。
〔11〕光学活性シトロネラールがl−シトロネラールである〔9〕に記載の製造方法。
〔12〕同一分子内にカルボニル−エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物の光学異性体混合物を、〔1〕に記載のアルミニウム錯体の存在下に閉環反応させることを特徴とする、光学異性体混合物のうち閉環しないd体又はl体のいずれかを豊富化する方法。
本発明におけるアルミニウム触媒の調製に用いる一般式(1)で表されるアルミニウム化合物において、Lgは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
Lgで表されるアルコキシ基としては、脂肪族アルコキシ基の他にアリールオキシ基、アラルキルオキシ基などが挙げられる。脂肪族アルコキシ基としては、直鎖又は分岐の炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素数6〜14、好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられ、具体的にはフェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、1−フェネチルオキシ基等が挙げられる。
Lgで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
Lgは必ずしも光学活性体である必要はない。
一般式(1’)においてn=1の場合、一般式(2)で表されるジオール化合物及びそれから誘導される一般式(2’)で表される配位子は必ずしも光学活性体でなくともよい。
チオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基等の炭素数1〜4のアルキル基と結合したチオ基、フェニルチオ基等の置換基を有してもよい炭素数6〜14のアリール基と結合したチオ基が挙げられる。アリール基が有する置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等が挙げられる。
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR4’、R4’とR3’、R3’とR2’、R2’とR1’とが結合して環を形成する場合、一般式(2)および一般式(2’)中のアリール基を包含した環構造としては、ナフタレン環、アントラセン環、キノリン環、フェナントレン環、1,3−ベンゾジオキソール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾキノリン環、ベンゾ−1,4―ジオキソラン環、ベンゾオキサゾリン環、ジヒドロベンゾオキサゾリン環、ベンゾフラン環、ベンゾフラザン環、ベンゾ−1,4―ジチオラン環、ベンゾイミダゾリン環、アズレン環等が挙げられる。
一般式(3−A)及び一般式(3−A’)中、環Aは、ヘテロ元素を有していてもよい3〜8員環である。
一般式(3−B)又は一般式(3−B’)中、Y1及びY2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族鎖、置換基を有していてもよい脂環基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいシロキシ基、又はカルボキシル基を表す。
環Aは置換基を有していてもよく、また、ヘテロ元素において置換基を有していてもよい。
環Aが有する置換基や炭素鎖を介して、一般式(3−A)や一般式(3−A’)で表されるジオール化合物がポリマー鎖を形成していてもよい。
以下の化合物中、Phはフェニル基を、Meはメチル基を意味し、以下同様である。
*印はポリマー鎖結合を示す。oは1〜500であり、pは1〜500である。
化合物中、*印はポリマー鎖結合を示す。oは1〜500であり、pは1〜500である。
以下の化合物中、Etはエチル基を意味し、以下同様である。
化合物中、*印はポリマー鎖結合を示す。oは1〜500である。
以下に示したR中、*印は結合点、**印はポリマー鎖結合を示す。oは1〜500である。
以下の化合物中、*印はポリマー鎖結合を示す。oは1〜500である。
以下の化合物中、*印はポリマー鎖結合を示す。oは1〜500である。
[Al2(L1)n(L2)3-n]m (1’)
式(1’)中、nは1又は2の整数を表し、mは自然数、好ましくは1〜10の自然数を表す。L1は一般式(2’)で表される配位子を表し、L2は一般式(3−A’)又は一般式(3−B’)で表される配位子を表す。ただし、n=2の場合、一般式(2’)で表される配位子は光学活性体であり、n=1の場合、一般式(3−A’)又は一般式(3−B’)で表される配位子は光学活性体である。
本発明のアルミニウム錯体は、一般式(1)で表されるアルミニウム化合物、一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物、及び一般式(3−A)又は一般式(3−B)で表されるジオール化合物とを反応させて得られる。
一般式(4)及び(5)で表される化合物において、R9、R10、R11、R12、R13、R14及びR15で表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、直鎖又は分岐の炭素数1〜8のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらアルキル基が有する置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基、トリル基等の炭素数6〜14のアリール基等が挙げられる。
また、R11で表される保護基で保護されていてもよい水酸基の保護基としては、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基等の炭素数1〜8のアシル基;ベンジル基等の炭素数7〜15のアラルキル基;トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の炭素数3〜30の置換シリル基等が挙げられる。
本発明の光学異性体比を豊富化させる選択的閉環反応について、一般式(2)のビアリールジオール化合物として2,2−ビナフトール(以下 BINOLともいう)、及び一般式(3−A)のジオール化合物として2,2−ジメチル−α,α,α’,α’−テトラフェニル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール(以下 TADDOLともいう)を用いたアルミニウム錯体を用い、シトロネラールの閉環反応によるイソプレゴールの製造を例に挙げて説明すると以下の通りである。
(A)(a)予め、反応系中において、一般式(1)のアルミニウム化合物と前記アルミニウム化合物に対して0.9〜1.3倍モルの一般式(2)のビアリールジオール化合物とを混合して反応させ、さらに前記アルミニウム化合物に対して0.4〜0.8倍モルの一般式(3−A)又は一般式(3−B)のジオール化合物を混合して反応させて触媒を調製した後、シトロネラールを仕込む方法(in situ法)、(b)一般式(1)のアルミニウム化合物と前記アルミニウム化合物に対して0.9〜1.3倍モルの一般式(3−A)又は一般式(3−B)のジオール化合物とを混合して反応させ、さらに前記アルミニウム化合物に対して0.4〜0.8倍モルの一般式(2)のビアリールジオール化合物を混合して反応させて触媒を調製した後、シトロネラールを仕込む方法(in situ法)、又は(B)上記のように調製された触媒を閉環反応時にシトロネラールとそれぞれ単独に仕込む方法;何れかの方法によっても同等の結果が得られる。
使用される溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶媒;シクロヘキサン、メチルイクロヘキサン等の脂環式炭化水素系有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系有機溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモトルエン等のハロゲン化炭化水素系有機溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル系有機溶媒等が挙げられる。これらのうちより好ましくは、トルエン、ヘプタン等の有機溶媒である。
また、反応の際に酸化合物や塩基化合物を加えてもよい。酸化合物の具体例としては、塩酸、硫酸、酢酸、シトロネリル酸、ゲラニル酸、ネリル酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピバロイル酸などが挙げられる。塩基化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミンなどが挙げられる。
これら溶媒の使用量は、シトロネラールの質量に対して約0〜20倍量、好ましくは0.5〜7倍量の範囲である。
使用分析機器:島津製作所社製GC−2010ガスクロマトグラフ
カラム: 転化率測定 Agilent社製DB−WAX(0.25mm x 30 m)、
光学純度 スペルコ社製beta−DEX−225(0.25mm x 30m)、
検出器:FID
なお本発明において使用した各シトロネラールの光学純度は以下の通りである。
d−シトロネラール:97.8%e.e.
l−シトロネラール:96.6%e.e.
ラセミ体シトロネラール:0.74%e.e.
窒素雰囲気、50ml反応フラスコに(R)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル(以下 (R)−BINOLともいう)286mg(1.00mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン9ml、トリエチルアルミニウム・ヘキサン溶液1ml(1.00mmol,1.0mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。参考として、この時点で系内の溶媒を留去、減圧乾燥し、得られた固体をNMRにて分析し、そのNMRチャートを図4に、低磁場側を拡大したものを図5に示す。
さらに(R,R)−2,2−ジメチル−α,α,α’,α’−テトラフェニル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール(以下、(R,R)−タドール若しくは(R,R)−TADDOLともいう)233mg(0.50mmol)を加えて、室温にて3時間撹拌した後、系内の溶媒を留去、減圧乾燥した。得られた固体をNMRにて分析し、配位子の他にアルミニウム錯体のピークを確認した。そのNMRチャートを図1に、低磁場側を拡大したものを図2示す。
上記で得られた固体300mgを0〜5℃に冷却したd−シトロネラール3.08g(20mmol)と塩化メチレン9mlの混合溶液に添加し、0〜5℃で3時間撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率96.9%、イソプレゴール選択率は99.0%で、l-イソプレゴールとその他の異性体の比率は96.9:3.1であった。
参考として、(R)−BINOLのNMRチャートを図3に、(R,R)−TADDOLのNMRチャートを図6に、図6のNMRチャートの低磁場側を拡大したNMRチャートを図7に示す。
50mlシュレンク管に(R)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル143mg(0.5mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン11.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.5ml(0.5mmol,1.0mol/L)を順次加え、室温にて1時間撹拌し、さらに(R,R)−タドール187mg(0.4mmol)を加えて室温にて1時間攪拌して触媒溶液を得た。触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、ラセミ体シトロネラール3.86g(25mmol)を滴下し、0〜5℃で5時間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率55.2%、イソプレゴール選択率は87.2%で、l−シトロネラールのエナンチオ選択率は42.8%e.e.、l−n−イソプレゴールのエナンチオ選択率は58.6%e.e.であった。
アルミニウムに対して1倍モルの(R)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、および0.8倍モルの(R,R)−タドールを配位子として使用した本発明のアルミニウム錯体は、ラセミシトロネラール中のd−シトロネラールを閉環し、l−n−イソプレゴールを生成するという選択性に優れていた。
種々のジオール化合物又はビアリールジオール化合物を用いてイソプレゴールの合成を行った。
50mlシュレンク管にLig1として実施例3〜7では一般式(2)のビアリールジオール化合物、実施例8では一般式(3−A)のジオール化合物を表1に記載量を入れ、窒素置換した後、溶媒3ml、トリエチルアルミニウム(0.32mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌した。さらに、Lig2として実施例3〜7では一般式(3−A)のジオール化合物、実施例8では一般式(2)のビアリールジオール化合物を表1に記載した量を加えて室温にて1時間撹拌し触媒溶液を得た。触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、シトロネラール1.00g(6.48mmol)を滴下し、0〜5℃で1時間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を表1に示す。
表中、conv.はシトロネラールの転化率を、sel.はイソプレゴールへの選択率を、n−sel.はn−イソプレゴールの選択率をそれぞれ表す。
Claims (12)
- 下記一般式(1’)で示されるアルミニウム錯体。
[Al2(L1)n(L2)3-n]m (1’)
(式(1’)中、nは1又は2の整数を表し、mは自然数を表し、L1は下記式(2’)で表される配位子を表し、L2は下記式(3−A’)又は下記式(3−B’)で表される配位子を表す。ただし、n=2の場合、下記式(2’)で表される配位子は光学活性体であり、n=1の場合、下記式(3−A’)又は下記式(3−B’)で表される配位子は光学活性体である。)
式(3−A’)中、R5、R6、R7、及びR8はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい脂肪族鎖、又は置換基を有していてもよい脂環基を表し、環Aはヘテロ元素を有していても良い3〜8員環を表す。また、R5とR6及びR7とR8とは結合して環を形成してもよい。
式(3−B’)中、R5、R6、R7、及びR8は前記と同じ意味を表し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族鎖、置換基を有していてもよい脂環基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいシロキシ基、又はカルボキシル基を表す。また、R5とR6及びR7とR8とは結合して環を形成してもよい。) - 下記一般式(1)で表されるアルミニウム化合物
Al(Lg)3 (1)
(式(1)中、Lgは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。)、
下記一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物、及び下記一般式(3−A)又は下記一般式(3−B)で表されるジオール化合物とを反応させることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
式(3−A)中、R5、R6、R7、R8、及び環Aは請求項1の式(3−A’)の定義と同じ意味を表す。
式(3−B)中、R5、R6、R7、R8、Y1、及びY2は、請求項1の式(3−B’)の定義と同じ意味を表す。) - 一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物が光学活性体である請求項2に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
- 一般式(3−A)又は一般式(3−B)で表されるジオール化合物が光学活性体である請求項2に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
- 一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物が光学活性体であり、かつ、一般式(3−A)又は一般式(3−B)で表されるジオール化合物が光学活性体である請求項2に記載のアルミニウム錯体の製造方法。
- 同一分子内にカルボニル−エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物の光学異性体混合物を、請求項1に記載のアルミニウム錯体の存在下に閉環反応させることを特徴とし、閉環して生成する化合物のd体又はl体のいずれかが豊富化されている光学活性化合物の製造方法。
- 同一分子内にカルボニル−エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物が光学活性シトロネラールであり、閉環して生成する化合物が光学活性イソプレゴールである請求項6に記載の製造方法。
- 光学活性イソプレゴールがl−イソプレゴールである請求項9に記載の製造方法。
- 光学活性シトロネラールがl−シトロネラールである請求項9に記載の製造方法。
- 同一分子内にカルボニル−エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物の光学異性体混合物を、請求項1に記載のアルミニウム錯体の存在下に閉環反応させることを特徴とする、光学異性体混合物のうち閉環しないd体又はl体のいずれかを豊富化する方法。
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