JP2016098207A - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アルコールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016098207A
JP2016098207A JP2014237882A JP2014237882A JP2016098207A JP 2016098207 A JP2016098207 A JP 2016098207A JP 2014237882 A JP2014237882 A JP 2014237882A JP 2014237882 A JP2014237882 A JP 2014237882A JP 2016098207 A JP2016098207 A JP 2016098207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
substituent
general formula
optionally substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014237882A
Other languages
English (en)
Inventor
央徳 伊藤
Hisanori Ito
央徳 伊藤
容嗣 堀
Yasushi Hori
容嗣 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago International Corp, Takasago Perfumery Industry Co filed Critical Takasago International Corp
Priority to JP2014237882A priority Critical patent/JP2016098207A/ja
Publication of JP2016098207A publication Critical patent/JP2016098207A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】同一分子内の不斉カルボニル−エン閉環反応を行い、高光学純度で高選択的に、香料素材又は冷感素材になりうる光学活性アルコールを得る方法及び光学活性アルコールの炭素−炭素二重結合を水素化した光学活性アルコールを得る方法の提供。【解決手段】下記反応式で例示される様に特定の不斉アルミニウム触媒存在下に、同一分子内の不斉カルボニル−エン閉環反応を行ない得るホルミル基と炭素−炭素二重結合とを有するアキラルなアルデヒド化合物を不斉閉環反応させる、光学活性アルコールを製造する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性アルコールの製造方法に関し、より詳しくは光学活性な有機化合物の合成手法として有用であり、メントール類似化合物の香料素材又は冷感素材として有用な光学活性アルコールの製造方法に関するものである。
従来より、光学活性な化合物を合成する手法は医薬中間体や香料、有機材料など多くの化合物合成において需要があり、長年に渡り様々な方法による不斉合成が開発されている。これまでに不斉選択を伴う分子間及び分子内エン反応は多数報告例があるが、中でもルイス酸やブレンステッド酸カルボニル化合物とオレフィンを反応させるエン反応若しくはプリンス反応は広く知られており、これまでに多くの研究が行われている。
代表的な例として、近年ではアルミニウム触媒を用いた光学活性シトロネラールのジアステレオ選択的な閉環反応(特許文献1〜3)や、光学活性なアルミニウム触媒を用いた光学異性体混合物の閉環反応(特許文献4〜6)、光学活性なチタン触媒を用いたエナンチオ選択的なエン反応(非特許文献1〜3)、光学活性なクロム錯体を用いた閉環反応(非特許文献4)等が知られている。
また、アルキル亜鉛化合物を用いた量論的なメチルイソプレゴールの不斉合成が報告されている(非特許文献5)。
特開2002−212121号公報 国際公開第2006/092433号 特表2009−510005号公報 国際公開第2009/144906号 特表2012−512135号公報 特表2012−512136号公報
Tetrahedron Asymmetry 1998,9,P3889 Tetrahedron Asymmetry 1991,2,P1403 Tetrahedron Letters 1991,32,P6571 Angewandte Chemie International Edition 2008,Vol.47,P1469 Tetrahedron 1986,Vol.42,No.8,P2203
しかし、アルミニウム化合物を触媒的に用いた不斉エン反応、特に六員環を形成する不斉エン反応はこれまでに報告がされていない。また、特許文献4〜6に記載の反応は速度論的光学分割(kinetic resolution)に基づく選択的な光学活性化合物の生成を行うものである。
そこで、本発明の目的は、分子内不斉カルボニル−エン閉環反応(プリンス反応)を行い、高エナンチオ選択的に目的の光学活性アルコールを得る方法、特に3−メチルシトロネラール、3−メチル−2,3−ジメチルファルネソールを高選択的閉環反応によって、それぞれ光学活性の5−メチルイソプレゴール(2−イソプロペニル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)、光学活性の5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール及び光学活性の5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールを得る方法に関する。
更に、得られた光学活性の5−メチルイソプレゴール(2−イソプロペニル−5,5−ジメチルシクロヘキサノールの炭素−炭素二重結合を水素化することにより光学活性5−メチルメントールを得る方法に関する。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特殊なアルミニウム触媒を用いることにより、不斉配位子の立体に対応して3−メチルシトロネラールが容易に閉環し、光学活性な5−メチルイソプレゴール(2−イソプロペニル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)及び、光学活性の5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール及び光学活性の5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールが高光学純度で、かつ高収率で得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の各発明を包含する。
〔1〕一般式(1)で表されるアルミニウム化合物1当量と、一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物及び一般式(2b)で表される光学活性ジオール化合物から選ばれる少なくとも1種の光学活性ヒドロキシ化合物1.5当量とを不活性有機溶媒中で反応させて得られるアルミニウム化合物を触媒として、一般式(3)で表されるアキラルなアルデヒド化合物を分子内不斉カルボニル−エン閉環反応をさせることを特徴とする一般式(4)で表される光学活性アルコールの製造方法。
Al(Lg) (1)
(一般式(1)中、Lgは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子である。)
Figure 2016098207
(一般式(2a)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基又はニトロ基であり、更に、RとR、RとR、RとR、R5とR、RとR、RとR及びRとRのうちのいずれかが結合して環を形成してもよい。)
Figure 2016098207
(一般式(2b)中、*は、不斉炭素原子であり、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、環Aはヘテロ元素を有していてもよい脂肪族3〜8員環であり、更に、RとR10及びR11とR12は結合して環を形成してもよい。)
Figure 2016098207
(一般式(3)中、二重結合は、炭素鎖とRに対し(Z)−体であり、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基である。)
Figure 2016098207
(一般式(4)中、*は、不斉炭素原子を表し、波線は、(E)−体もしくは(Z)−体または(E)−体と(Z)−体の混合物であり、R、R及びRは、前記と同義である。)
〔2〕前記光学活性ヒドロキシ化合物が前記一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物であることを特徴とする前記〔1〕記載の製造方法。
〔3〕前記一般式(3)及び前記一般式(4)において、R及びRがメチル基であり、Rが水素原子であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕前記一般式(3)及び前記一般式(4)において、Rがメチル基であり、Rがメチル基である場合、Rは3−メチル−2−ブテニル基であり、Rがメチル基であり、Rが4−メチル−3−ペンテニル基である場合、Rは水素原子であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
〔5〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一つに記載の製造方法で得られた光学活性アルコールを、水素添加することを特徴とする光学活性アルコール水素添加体の製造方法。
〔6〕前記〔3〕に記載の製造方法によって得られる光学活性アルコールの炭素−炭素二重結合を水素化することを特徴とする一般式(5)で表される光学活性5−メチルメントールの製造方法。
Figure 2016098207
(式(5)中、*は、不斉炭素原子を表す。)
〔7〕前記〔4〕に記載の製造方法によって得られる光学活性アルコールの炭素−炭素二重結合を水素化することを特徴とする一般式(6)で表される光学活性5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−2−イル)シクロヘキサノールの製造方法。
Figure 2016098207
(式(6)中、*は、不斉炭素原子を表す。)
本発明は、不斉アルミニウム錯体を触媒とし、分子内カルボニル−エン閉環反応を行い、アキラルなホルミル基と二重結合とを有する化合物を閉環反応させ、高い光学異性体比率及び構造異性体比率を伴い目的の光学活性アルコールを得ることが出来る。
特に、シトラールの3位にメチル基を導入した3−メチルシトロネラールを、不斉触媒により閉環させ、高光学純度の、5−メチルイソプレゴール(1R,2S−2−イソプロペニル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)又は5−メチルイソプレゴール(1S,2R−イソプロペニル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)を得ることができる。
また、反応終了後に配位子を系内より回収し処理することで、再びアルミニウム触媒の配位子として再利用ができる。
更に、得られた光学活性の5−メチルイソプレゴール(2−イソプロペニル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)の炭素−炭素二重結合は、通常の水素化触媒により容易に水素化することができるため、光学活性5−メチルメントールを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光学活性アルコールを製造するために触媒として使用されるアルミニウム化合物は、一般式(1)で表されるアルミニウム化合物1当量と、一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物及び一般式(2b)で表される光学活性ジオール化合物から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシ化合物1.5当量とを不活性有機溶媒中で反応させて得られるアルミニウム化合物である。
Al(Lg) (1)
(一般式(1)中、Lgは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子である。)
Figure 2016098207
(一般式(2a)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基又はニトロ基であり、更に、RとR、RとR、RとR、R5とR、RとR、RとR及びRとRのうちのいずれかが結合して環を形成してもよい。)
Figure 2016098207
(一般式(2b)中、*は、不斉炭素原子であり、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、環Aはヘテロ元素を有していてもよい脂肪族3〜8員環であり、更に、RとR10及びR11とR12は結合して環を形成してもよい。)
前記一般式(1)で表されるアルミニウム化合物において、Lgは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子である。
Lgは、同一でも異なっていてもよく、更に3つのうち2つが同一となっていてもよい。
Lgにおけるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソブトキシ基、tert−ブチル基等が挙げられる。
Lgにおけるアルコキシ基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルコキシ基が挙げられ、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
Lgにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
前記一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物において、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基又はニトロ基であり、更に、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR及びRとRのうちのいずれかが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(2b)で表される光学活性ジオール化合物において、*は、不斉炭素原子であり、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、環Aはヘテロ元素を有していてもよい脂肪族3〜8員環であり、更に、RとR10及びR11とR12とは結合して環を形成してもよい。
上記一般式(2a)及び(2b)における特定の基は、以下の例を挙げることができる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などを例示することができる。中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などを例示することができる。中でも、炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、炭素数6〜20の芳香族単環式基、芳香族多環式基または芳香族縮合環式基が挙げられる。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基などを例示することができる。さらに、フェロセニル基等のメタロセニル基も例示することができる。中でも、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基などを例示することができる。中でも、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基としては、脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
脂肪族複素環基としては、例えば、炭素数2〜14で、異種原子を少なくとも1個、好ましくは1〜3個含んでいる3〜8員環、好ましくは5又は6員の単環、多環または縮合環式等が挙げられる。異種原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ元素が挙げられる。
脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、オキシラニル基、アジリジニル基、2−オキソピロピジル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基などが例示される。中でも炭素数2〜6の脂肪族複素環基が好ましい。
一方、芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、ヘテロ元素を少なくとも1個、好ましくは1〜3個含んでいる5〜8員環、好ましくは5又は6員の単環、多環または縮合環式等の芳香族複素環(ヘテロアリール)基等が挙げられる。異種原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ元素が挙げられる。
芳香族複素環基の具体例としては、例えば、テトラジニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリニジル基、ピラジニル基、ピラダジニル基、イミダゾイル基、オキサゾイル基、チアゾイル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサノイル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチルジニル基、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリン基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等を例示することができる。中でも炭素数4〜9の芳香族複素環基が好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、テrt−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基等を例示することができる。中でも炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジsec−ブチルアミノ基、ジtert−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基等を例示することができる。中でもジイソプロピルアミノ基が好ましい。
5〜8員の環状アミノ基としては、例えば、ピロリジノ基、ピペリジノ基等を例示することができる。中でもピロリジノ基が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。中でもフッ素原子、塩素原子が好ましい。
炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基としては、トリフロロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、ペンタフロロエチル基、ノナフロロブチル基、ヘプタデカフロロオクチル基等を例示することができる。中でも炭素数1〜4のパーハロゲノアルキル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、インデニルオキシ基等を例示することができる。中でも炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、α−ナフチルメチルオキシ基、β−ナフチルメチルオキシ基等を例示することができる。中でも炭素数7〜12のアラルキルオキシ基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチロイル基、イソブチロイル基、ベンゾイル基等を例示することができる。中でも炭素数1〜4のアシル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n−ブチロイルオキシ基、イソブチロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等を例示することができる。中でも炭素数1〜4のアシルオキシ基が好ましい。
トリ置換オルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基などのトリアルキルシリル基等を例示することができる。中でも炭素数3〜18のトリ置換オルガノシリル基が好ましい。
トリ置換オルガノシリルオキシ基としては、例えば、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジメチルイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジメチルヘキシルシリルオキシ基などのトリアルキルシリルオキシ基等を例示することができる。中でもトリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基が好ましい。
保護基で保護されていてもよいカルボキシル基としては、例えば、カルボキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基等を例示することができる。中でもエトキシカルボニル基が好ましい。
ポリマー鎖としては、例えば、6,6−ナイロン鎖、ビニルポリマー鎖、スチレンポリマー鎖等を例示することができる。中でもビニルポリマー鎖が好ましい。
前記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プルピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などの炭素数5〜8のシクロアルキル基;トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基及びノナフロロブチル基などの炭素数1〜4のパーフロロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシル基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子などのハロゲン原子;ベンジル基、フェニルエチル基及びナフチルメチル基などの炭素数7〜12のアラルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基及びジメチルヘキシルシリル基などのトリ−炭素数1〜6アルキルシリル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びジブチルアミノ基などの炭素数2〜8のジアルキルアミノ基等を例示することができる。
一般式(2a)において、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR又はRとRが結合して環を形成する場合は、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基を形成してもよい。これらの中で、RとR及びRとRが一緒になって縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基を形成したものが好ましい。特に、RとR及びRとRが一緒になって縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基を形成したものが好ましい。
また、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基には、本発明に製造方法において不活性な官能基を置換基として、好ましくは1〜4個の範囲で有していてもよい。ここで、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソポロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;6,6−ナイロン鎖、ビニルポリマー鎖、スチレンポリマー鎖等のポリマー鎖などを例示することができる。
さらに、縮合ベンゼン間、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基に存在する置換基や炭素鎖を関して、一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物がポリマー鎖を形成してもよい。
一般式(2b)において、環Aはヘテロ元素を有していてもよい脂肪族3〜8員環である。環A中のヘテロ元素としては、たとえば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ホウ素原子、珪素原子、その他メタラサイクルを形成可能な金属原子などが挙げられる。ヘテロ元素は、環A中に複数存在してもよく、その場合は同一のヘテロ元素でもよいし、異なるヘテロ元素でもよい。
環Aとして、具体例としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環、ジオキサン環、ジオキサシクロヘプタン環、トリオキソシクロヘプタン環、ラクトン環、ラクタム環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロチオフェン環等を例示することができる。
また、環Aには、本発明に製造方法において不活性な官能基を置換基を有していてもよい。ここで、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソポロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;6,6−ナイロン鎖、ビニルポリマー鎖、スチレンポリマー鎖等のポリマー鎖などを例示することができる。
さらに、環Aに存在する置換基や炭素鎖を関して、一般式(2b)で表される光学活性ジオール化合物がポリマー鎖を形成してもよい。
一般式(2b)において、RとR10及びR11とR12が結合して環を形成する場合、RとR10及びR11とR12が結合してヘテロ元素を有していてもよい3〜9員環を形成することができる。この場合、ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ホウ素原子、珪素原子、その他メタラサイクルを形成可能な金属原子などが挙げられる。ヘテロ元素は、環中に複数存在してもよく、その場合は同一のヘテロ元素でもよいし、異なるヘテロ元素でもよい。
ヘテロ元素を有していてもよい3〜9員環の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ナフタレン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、デカリン環、フラン環、テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環、ジオキサン環、ジオキサシクロヘプタン環、トリオキソシクロヘプタン環、ラクトン環、ラクタム環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピリジン環、ピラジン環、チオフェン環、テトラヒドロチオフェン環等を例示することができる。
また、ヘテロ元素を有していてもよい3〜9員環には、本発明に製造方法において不活性な官能基を置換基として有していてもよい。ここで、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソポロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;6,6−ナイロン鎖、ビニルポリマー鎖、スチレンポリマー鎖等のポリマー鎖などを例示することができる。
さらに、ヘテロ元素を有していてもよい3〜9員環に存在する置換基や炭素鎖を関して、一般式(2b)で表される光学活性ジオール化合物がポリマー鎖を形成してもよい。
一般式(2a)の軸不斉ビアリールジオール化合物は、例えば、特表2008−538101号公報に記載されている。
好ましい一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下の化合物中、Phはフェニル基を、Meはメチル基を、*は結合手を意味し、m及びnは2〜15000の自然数を表し、以下同様である。
Figure 2016098207
Figure 2016098207
本発明の一般式(2b)で表される光学活性ジオール化合物の好ましい具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下の化合物中、Etはエチル基を、*は結合手を意味し、nは2〜15000の自然数を表し、以下同様である。
Figure 2016098207
上記化合物中のRは置換基を表し、Rについての具体例としては以下によって示される。上記の化合物に示される4箇所のRは、それぞれ独立して同じ置換基でもよく、それぞれ異なる置換基でもよく、4箇所中の2箇所或いは3箇所が同じ置換基でもよい。
以下の置換基中、Meはメチル基を、Phはフェニル基を、*は結合手を意味し、nは2〜15000の自然数を表し、以下同様である。
Figure 2016098207
なお、本発明におけるアルミニウム触媒を調製した後、不斉閉環して得られる光学活性アルコールの光学純度を落とさない程度に、光学活性でないアルコールを触媒中に添加してもよい。
添加物の具体例としては、例えば2,6−ジフェニルフェノール(DPPともいう)、o−フェニルフェノール(2−PPともいう)、フェノール、2,2’−ビフェノール(ビフェノールともいう)、シクロプロパノール、トリメチルシラノール、tert−ブチルジメチルシラノール、tert−ブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。
本発明の分子内不斉カルボニル−エン閉環反応に使用される光学活性アルミニウム化合物の調製方法は、例えば以下の通りである。
反応系中において一般式(1)のアルミニウム化合物1当量(アルミ原子基準)を、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)又はエーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなど)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモトルエンなど)等の不活性有機溶媒中で、一般式(2a)又は(2b)で表される不斉ジオール化合物を1.5当量と反応させる。具体的には、一般式(1)のアルミニウム化合物のアルミニウム原子に対して一般式(2a)又は(2b)で表される不斉ジオール化合物1〜5倍モル、より好ましくは1.5〜2倍モルを結合させて反応させる。反応温度は−30〜60℃の温度範囲で、好ましくは−10〜40℃で、より好ましくは0〜30℃であり、反応時間は0.25〜30時間反応させることにより触媒としてのアルミニウム化合物を容易に合成できる。一般式(1)で表されるアルミニウム化合物と一般式(2a)又は(2b)で表されるジオール化合物との混合は、両者が不活性有機溶媒で希釈された溶液を用いてもよく、一方の溶液を他方の溶液に一度に添加してもゆっくり滴下してもよい。
本発明の光学活性アルコールの製造方法は、上記方法にて調製した光学活性アルミニウム化合物を触媒として、以下に示される反応により行われる。
下記化学式に示したように、光学活性アルミニウム化合物を触媒として、一般式(3)で表されるアキラルなアルデヒド化合物を不斉誘導(asymmetric induction)により分子内不斉カルボニル−エン閉環反応させることによって、一般式(4)で表される光学活性アルコールが得られる。
Figure 2016098207
一般式(3)中、二重結合は、炭素鎖とRに対し(Z)−体であり、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基であり;一般式(4)中、*は、不斉炭素原子を表し、波線は、(E)−体もしくは(Z)−体または(E)−体と(Z)−体の混合物であり、R、R及びRは、前記と同義である。
本発明の光学活性アルコールを製造するための原料である一般式(3)で表されるアキラルなアルデヒド化合物について説明する。
Figure 2016098207
一般式(3)中、二重結合は、炭素鎖とRに対し(Z)−体であり、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基である。
置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などが例示することができる。中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基としては、具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブチニル基、2−メチルアリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、4,8−ジメチル−3,7−ノナジエニル基等を例示することができる。中でも、炭素数2〜15のアルケニル基が好ましい。
前記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プルピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などの炭素数5〜8のシクロアルキル基;トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基及びノナフロロブチル基などの炭素数1〜4のパーフロロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシル基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子などのハロゲン原子;ベンジル基、フェニルエチル基及びナフチルメチル基などの炭素数7〜12のアラルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基及びジメチルヘキシルシリル基などのトリ−炭素数1〜6アルキルシリル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びジブチルアミノ基などの炭素数2〜8のジアルキルアミノ基等を例示することができる。
一般式(3)において、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。R及びRは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基又が好ましく、Rはメチル基、4−メチル−3−ペンテニル基がより好ましい。Rは水素原子、3−メチル−2−ブテニル基がより好ましい。
本発明の一般式(3)で表されるアキラルなアルデヒド化合物(以下、「アルデヒド化合物(3)」と称する場合もある。)としては、具体的には次の化合物を例示することができる。
例えば、
6−オクテン−1−アール、7−メチル−6−オクテン−1−アール、3,3−ジメチル−6−オクテン−1−アール、3,3,7−トリメチル−6−オクテン−1−アール(3−メチルシトロネラール)、
6−ノネン−1−アール、7−メチル−6−ノネン−1−アール、3,3−ジメチル−6−ノネン−1−アール、3,3,7−トリメチル−6−ノネン−1−アール、
6−デセン−1−アール、7−メチル−6−デセン−1−アール、3,3−ジメチル−6−デセン−1−アール、3,3,7−トリメチル−6−デセン−1−アール、
6−ウンデセン−1−アール、7−メチル−6−ウンデセン−1−アール、3,3−ジメチル−6−ウンデセン−1−アール、3,3,7−トリメチル−6−ウンデセン−1−アール、
6,10−ウンカジエン−1−アール、7−メチル−6,10−ウンカジエン−1−アール、3,3−ジメチル−6,10−ウンカジエン−1−アール、3,3,7−トリメチル−6,10−ウンカジエン−1−アール、
6−ドデセン−1−アール、7−メチル−6−ドデセン−1−アール、3,3−ジメチル−6−ドデセン−1−アール、3,3,7−トリメチル−6−ドデセン−1−アール、
11−メチル−6−ドデセン−1−アール、7,11−ジメチル−6−ドデセン−1−アール、3,3,11−トリメチル−6−ドデセン−1−アール、3,3,7,11−テトラメチル−6−ドデセン−1−アール、
6,10−ドデカジエン−1−アール、7−メチル−6,10−ドデカジエン−1−アール、3,3−ジメチル−6,10−ドデカジエン−1−アール、3,3,7−トリメチル−6,10−ドデカジエン−1−アール、
11−メチル−6,10−ドデカジエン−1−アール、7,11−ジメチル−6,10−ドデカジエン−1−アール、3,3,11−トリメチル−6,10−ドデカジエン−1−アール、3,3,7,11−テトラメチル−6,10−ドデカジエン−1−アール(3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール)
等を例示することができる。
光学活性アルミニウム化合物を触媒として、アキラルなアルデヒド化合物(3)を分子内不斉カルボニル−エン閉環反応させることにより得られる一般式(4)で表される光学活性アルコール(以下、「光学活性アルコール(4)」と称する場合もある。)について説明する。
Figure 2016098207
一般式(4)中、*は、不斉炭素原子を表し、波線は、(E)−体もしくは(Z)−体または(E)−体と(Z)−体の混合物であり、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基である。
、R及びRの具体的な態様は、一般式(3)にて説明したR、R及びRと同様である。
本発明に光学化成アルコール(4)としては、具体的には次の化合物を例示することができる。
例えば、
2−エテニルシクロヘキサノール、2−イソプロペニルシクロヘキサノール、2−エテニル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール、2−イソプロペニル−5,5−シクロヘキサノール(イソプレゴール)、
2−(1−プロペニル)シクロヘキサノール、
2−(ブタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(ブタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ブタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ブタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1−ブテニル)シクロヘキサノール、
2−(ペンタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(ペンタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−ブテニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ペンタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ペンタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1−ペンテニル)シクロヘキサノール、
2−(ヘキサ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(ヘキサ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−ペンテニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘキサ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘキサ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1,4−ペンタジエニル)シクロヘキサノール、
2−(ヘキサ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(ヘキサ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1,4−ペンタジエニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘキサ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘキサ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1−ヘキセニル)シクロヘキサノール、
2−(ヘプタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(ヘプタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−ヘキセニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘプタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘプタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−1−ヘキセニル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−ヘプタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−ヘプタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−1−ヘキセニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−ヘプタ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−ヘプタ−2−エン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1,4−ヘキサジエニル)シクロヘキサノール、
2−(ヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(ヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1,4−ヘキサジエニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−1,4−ヘキサジエニル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−ヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−ヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−1,4−ヘキサジエニル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−ヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−ヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール、
等を例示することができる。
本発明の分子内不斉カルボニル−エン閉環反応においては、上記調製方法にて得たアルミニウム化合物を触媒として使用する。アルミニウム化合物の量は、特に限定されないが、アルデヒド化合物(3)に対して、アルミニウム1モル原子量換算で、通常0.05〜10モル%、好ましくは0.5〜5モル%、更に好ましくは0.7〜2モル%である。
閉環反応の温度は、特に限定されないが、通常−30〜50℃であり、好ましくは−10〜30℃であり、0〜20℃が更に好ましく、前記の温度を保ちながら通常0.25〜30時間、好ましくは0.5〜20時間反応させることによって、光学活性アルコール(4)を円滑に製造することができる。
本発明における反応は、無溶媒条件又は不活性溶媒存在下で行うことができる。使用される溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルチクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサオラン等のエーテルなどを例示することができる。これらのうち好ましくは、トルエン、ヘプタン等の脂肪族又は芳香族炭化水素である。
これら溶媒の使用量は、アルデヒド化合物(3)に対して、通常0〜20倍質量、好ましくは0.5〜7倍質量の範囲である。閉環反応は、窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが閉環反応の円滑な進行のために好ましい。
反応終了後は、蒸留、晶析、各種クロマトグラフィーなど通常の後処理を単独又は組み合わせることにより反応生成物を精製することができる。また、例えば光学活性5−メチルイソプレゴールの精製においては、晶析あるいは、単に蒸留による処理を行うことによって高光学純度の光学活性5−メチルイソプレゴールを得ることができる。更に、蒸留処理後の残留物を酸またはアルカリにて通常の処理を行い、アルミニウムを含む不純物などを除去し、晶析を行うことで配位子の再利用が可能である。
さらに、溶媒に溶けにくいアルミニウム触媒は、反応終了後ろ過して取り除き、そのまま、次の反応に使用することもできる。
下記反応式に示すように、本発明の分子内不斉カルボニル−エン閉環反応により得られた光学活性アルコール(4)を、触媒を用いて水素化することにより、一般式(5)で表される光学活性アルコール水素添加体を製造することができる。
Figure 2016098207
一般式(4)中、*は、不斉炭素原子を表し、波線は、(E)−体もしくは(Z)−体または(E)−体と(Z)−体の混合物であり、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基であり;一般式(5)中、*は、不斉炭素原子を表し、Ra’、Rb’及びRc’は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、また、一般式(4)において、R、R及びRが、置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基の場合、二重結合が水素添加された置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルキル基である。
光学活性アルコール(4)を、触媒を用いて水素化することにより得られる一般式(5)で表される光学活性アルコール水素添加体(以下、「光学活性アルコール水素添加体(5)」と称する場合もある。)について説明する。
Figure 2016098207
一般式(5)中、*は、不斉炭素原子を表し、Ra’、Rb’及びRc’は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、また、一般式(4)において、R、R及びRが、置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基の場合、二重結合が水素添加された置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルキル基である。
a’、Rb’及びRc’の具体的な態様は、一般式(3)にて説明したR、R及びRと同様である。
本発明において得られる光学活性アルコール水素添加体(5)としては、具体的には次の化合物を例示することができる。
例えば、
2−エチルシクロヘキサノール、2−イソプロピルシクロヘキサノール、2−エチル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール、2−イソプロピルル−5,5−シクロヘキサノール(メントール)、
2−(1−プロピル)シクロヘキサノール、
2−(ブタン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−プロピル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ブタン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1−ブチル)シクロヘキサノール、
2−(ペンタン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−ブチル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ペンタン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1−ペンチル)シクロヘキサノール、
2−(ヘキサン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−ペンチル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘキサン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(1−ヘキシル)シクロヘキサノール、
2−(ヘプタン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(1−ヘキシル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(ヘプタン−2−イル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−1−ヘキシル)シクロヘキサノール、
2−(5−メチル−ヘプタン−2−イル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−1−ヘキシル)シクロヘキサノール、
5,5-ジメチル−2−(5−メチル−ヘプタン−2−イル)シクロヘキサノール、
等を例示することができる。
光学活性アルコール(4)の炭素―炭素二重結合部分を水素化する方法は、通常の方法でできる。すなわち、ラネーニッケル、Pd/C等の水素化能力のある触媒を、オートクレーブ中に投入し、光学活性アルコール(4)を無溶媒あるいは、溶媒存在化水素圧をかけて、水素化を行い光学活性アルコール水素添加体(5)を製造できる。
光学活性アルコール(4)の水素化の温度は、約0〜80℃の範囲とすることが好ましく、約20〜60℃の範囲とすることが特に好ましい。反応時間は好ましくは約1〜30時間、より好ましくは約3〜15時間である。その後、光学活性アルコール水素添加体(5)をろ過し、蒸留することによって、光学活性アルコール水素添加体(5)を製造することができる。
使用される溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン及び石油エーテルなど)、脂環式炭化水素(シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン及びキシレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びジオキアオランなど)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)及びケトン(アセトン、メチルエチルケトンなど)、あるいはそれらの混合溶媒が挙げられる。これらのうちで好ましくは、ヘプタン、石油エーテル、アセトン等の有機溶媒である。これら溶媒は、予め乾燥されたものかまたは無水溶媒を用いることが好ましい。
これら溶媒の使用量(L)は、光学活性アルコール(4)の質量(kg)に対して約0〜5倍容量〔L/kg〕とすることが好ましく、0〜3倍容量〔L/kg〕の範囲とすることがより好ましい。
反応終了後は、蒸留、晶析、各種クロマトグラフィーなど通常の後処理を単独又は組み合わせることにより反応生成物を精製することができる。また、例えば光学活性メントールの精製においては、晶析あるいは、単に蒸留による処理を行うことによって高光学純度の光学活性メントールを得ることができる。
本発明の製造方法の具体例として、光学活性アルミニウム触媒を用い、カルボニル化合物(3)が3−メチルシトロネラール(R=メチル基、R=メチル基、R=水素原子)の閉環反応による光学活性5−メチルイソプレゴール、さらに光学活性5−メチルイソプレゴールを水素化することによる光学活性5−メチルメントールの製造を例に挙げて説明すると以下の通りである。
Figure 2016098207
すなわち、アキラルな3−メチルシトロネラールを光学活性アルミニウム触媒を用いて不斉カルボニル−エン閉環反応を行うことにより、高い光学純度を有した5−メチルイソプレゴールが生成する。
さらには、得られた光学活性5−メチルイソプレゴールを通常の水素化触媒で水素化することにより、光学活性5−メチルメントールが生成する。
本発明の分子内不斉カルボニル−エン閉環反応および炭素―炭素二重結合部分を水素化する方法の反応条件については、上記記載したとおりである。
また、本発明の製造方法の具体例として、光学活性アルミニウム触媒を用い、カルボニル化合物(3)が3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール(R=メチル基、R=メチル基、R=3−メチル−ブタ−2−エン−1−イル基((E)−3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール)/R=メチル基、R=4−メチル−ペンタ−3−エン−1−イル基((Z)−3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール))の閉環反応による光学活性アルコール(4a)又は(4b)、さらに光学活性アルコール(4)を水素化することによる光学活性5,5-ジメチル−2−(5−メチル−ヘプタン−2−イル)シクロヘキサノールの製造を例に挙げて説明すると以下の通りである。
Figure 2016098207
Figure 2016098207
すなわち、アキラルな3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサールを光学活性アルミニウム触媒を用いて不斉カルボニル−エン閉環反応を行うことにより、高い光学純度を有した光学活性アルコール(4a)又は(4b)が生成する。
さらには、得られた光学活性アルコール(4a)又は(4b)を通常の水素化触媒で水素化することにより、光学活性5,5-ジメチル−2−(5−メチル−ヘプタン−2−イル)シクロヘキサノールが生成する。
本発明の分子内不斉カルボニル−エン閉環反応および炭素―炭素二重結合部分を水素化する方法の反応条件については、上記記載したとおりである。
このようにして得られた光学活性アルコール(4)や光学活性アルコール水素添加体(5)は、香料素材又は冷感素材として有用な化合物となりうる。
以下、本発明を比較例および実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
生成物の測定は、ガスクロマトグラフィー法(GLC)及び旋光度測定装置により行った。条件は以下に述べる通りである。
使用分析機器:株式会社島津製作所製GC−2010ガスクロマトグラフ
カラム:転化率測定 Agilent社製DB−WAX(0.25mm×30m)、
光学純度 スペルコ社製beta−DEX−225(0.25mm×30m)、
beta−DEX−325(0.25mm×30m)
検出器:FID
旋光度測定装置:日本分光株式会社製P−1020(Naランプ・589nm)
PTC−102型ペルチェ式高温セルホルダ
なお、本反応における3−メチルシトロネラール及び3−メチルファルネサールは非特許文献5(Tetrahedron 1986,Vol.42,No.8,P2203)と同様の手法により合成した。
[実施例1]アルミニウム触媒の調製及び(1R,2S)−メチルイソプレゴールの合成
窒素雰囲気、50ml反応フラスコに(R)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル(以下、「(R)−BINOL」ともいう)153mg(0.53mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.3ml(0.30mmol,1.0mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した後、系内の溶媒を留去、減圧乾燥した。得られた固体100mgを0〜5℃に冷却したメチルシトロネラール0.6g(3.6mmol)と塩化メチレン2mlの混合溶液に添加し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、メチルイソプレゴールのピークが確認された。基質転化率99.9%、(1R,2S)−メチルイソプレゴール選択率は92.0%(98.9%de,84.3%ee)であった。
[実施例2]5−メチルイソプレゴールの合成
窒素雰囲気、50ml反応フラスコに(R)−BINOL153mg(0.53mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.3ml(0.30mmol,1.0mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、3−メチルシトロネラール1.00g(5.9mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率98.2%、(1R,2S)−メチルイソプレゴール選択率98.7%(99.7%de,88.1%ee)にて(1R,2S)−5−メチルイソプレゴールが得られた。
また、(R)−BINOLの代わりに(S)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル(以下、「(S)−BINOL」ともいう)153mg(0.53mmol)を入れて行った結果、基質転化率98.3%、(1S,2R)−5−メチルイソプレゴール選択率は96.1%(99.4%de,89.8%ee)であった。
[実施例3]5−メチルイソプレゴールの合成
窒素雰囲気、50ml反応フラスコに(R,R)−2,2−ジメチル−α,α,α’,α’−(1−ナフチル)−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール(以下、「(R,R)−ナフチルタドール」または「(R,R)−NAPHTADDOL」ともいう)317mg(0.48mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.3ml(0.30mmol,1.0mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、3−メチルシトロネラール1.00g(5.9mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率100%、(1R,2S)−メチルイソプレゴール選択率88.7%(97.8%de,30.6%ee)にて(1R,2S)−5−メチルイソプレゴールが得られた。
また、(R,R)−NAPHTADDOLの代わりに(S,S)−2,2−ジメチル−α,α,α’,α’−(1−ナフチル)−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール(以下、「(S,S)−ナフチルタドール」又は「(S,S)−NAPHTADDOL」ともいう)317mg(0.48mmol)を入れて行った結果、基質転化率98.9%、(1S,2R)−5−メチルイソプレゴール選択率は84.9%(96.6%de,31.0%ee)であった。
[実施例4〜12]アルミニウム触媒による5−メチルイソプレゴールの合成
種々の軸不斉ビアリールジオール化合物又は光学活性ジオール化合物を用いて下記反応式に示すように5−メチルイソプレゴールの合成を行った。
50mlシュレンク管に、Lg1として表1に記載の一般式(2)の光学活性ヒドロキシ化合物を、同じく表1に記載した量だけ入れ、窒素置換した後、溶媒3ml、トリエチルアルミニウム(0.30mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌した。さらに、Lg2として実施例4では表1に記載の一般式(2b)のジオール化合物を、実施例5及び6では表1に記載の添加物を、同じく表1に記載した量を加えて室温にて1時間撹拌し触媒溶液を得た。触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、3−メチルシトロネラール1.00g(5.9mmol)を滴下し、0〜5℃で18時間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1に示す。
表1中、「conv.」はメチルシトロネラールの転化率を、「sel.」はメチルイソプレゴールへの選択率を、「de」はメチルイソプレゴールのジアステレオ選択率、「ee」はエナンチオ過剰率をそれぞれ表す。また、表1中、(R)−BINOL、(S)−BINOL、(R)−PhSiBINOL、(R,R)−PH−TADDOL、(S,S)−NAPH−TADDOL、(R,R)−PHEN−TADDOL、BIPHENOL、DPPはそれぞれ以下の化合物を表す。
Figure 2016098207
Figure 2016098207
Figure 2016098207
[実施例13〜18]5−メチルイソプレゴールの合成
種々の軸不斉ビアリールジオール化合物又は光学活性ジオール化合物を用いて下記反応式に示すように5−メチルイソプレゴールの合成を行った。
50mlシュレンク管に実施例13〜18ではBINOL(0.47mmol)を表1に記載したエナンチオ過剰率にて入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3ml、トリエチルアルミニウム(0.30mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌した。触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、3−メチルシトロネラール1.00g(5.9mmol)を滴下し、0〜5℃で18時間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表2に示す。
表2中、「conv.」はメチルシトロネラールの転化率を、「sel.」は5−メチルイソプレゴールへの選択率を、「de」は5−メチルイソプレゴールのジアステレオ選択率、「ee」はエナンチオ過剰率をそれぞれ表す。
Figure 2016098207
Figure 2016098207
[実施例19](1R,2S)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールの合成
窒素雰囲気下、50ml反応フラスコに(R)−BINOL117mg(0.41mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.25ml(0.25mmol,1mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、(Z)−3,3,7,11−テトラメチルドデカ−6,10−ジエナール(以下、「(Z)−3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール」とも言う)1.20g(5.1mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率98.3%で、目的の(1R,2S)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールを得た。閉環生成物中の目的物の選択率は>98%,エナンチオ選択率は85.3%であった。
[実施例20](1S,2R)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)の合成
窒素雰囲気下、50ml反応フラスコに(S)−BINOL117mg(0.41mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.25ml(0.25mmol,1mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、(Z)−3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール1.20g(5.1mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率98.5%で、目的の(1S,2R)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)を得た。閉環生成物中の目的物の選択率は>98%,エナンチオ選択率は89.5%であった。
[実施例21](1R,2S)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールの合成
窒素雰囲気下、50ml反応フラスコに(R)−BINOL117mg(0.41mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.25ml(0.25mmol,1mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、(E)−3,3,7,11−テトラメチルドデカ−6,10−ジエナール(以下、「(E)−3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール」とも言う)1.20g(5.1mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率96.2%で、目的の(1R,2S)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールを得た。閉環生成物中の目的物の選択率は>98%,エナンチオ選択率は62.7%であった。
[実施例22](1S,2R)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールの合成
窒素雰囲気下、50ml反応フラスコに(S)−BINOL117mg(0.41mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.25ml(0.25mmol,1mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、(E)−3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサール1.20g(5.1mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率96.4%、目的の(1S,2R)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールを得た。閉環生成物中の目的物の選択率は>98%,エナンチオ選択率は64.8%であった。
[実施例23](1R,2S)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール及び(1R,2S)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール混合物の合成
窒素雰囲気下、50ml反応フラスコに(R)−BINOL117mg(0.41mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.25ml(0.25mmol,1mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、(E/Z)−3,3,7,11−テトラメチルドデカ−6,10−ジエナール(以下、「(E/Z)−3−メチル−2,3−ジヒドロファルネサールとも言う)1.20g(5.1mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率97.0%で、目的の(1R,2S)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール及び(1R,2S)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール混合物を得た。閉環生成物中の目的物の選択率は>98%,エナンチオ選択率はそれぞれ(1R,2S)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールが88.3%、(1S,2R)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノールが57.9%であった。
[実施例24](1R,2S)−2−(1−プロペ−2−ニル)シクロヘキサノールの合成
窒素雰囲気下、50ml反応フラスコに(R)−BINOL74mg(0.26mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン3ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液0.14ml(0.14mmol,1mol/L)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。系内を0〜5℃に冷却し、7−メチル−6−オクテナール200mg(1.4mmol)をゆっくりと滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2mlを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。基質転化率80.2%で、目的の(1R,2S)−2−(1−プロペ−2−ニル)シクロヘキサノールを得た。閉環生成物中の目的物の選択率は36.2%,エナンチオ選択率は3.0%であった。
[実施例25]2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール(5−メチルメントール)の合成
水素雰囲気下、(1R,2S)−メチルイソプレゴール10.5g(63.4mmol)、パラジウム10重量%炭素担持0.53g、エタノール20mlを添加し、室温にて終夜攪拌した。GCにて反応の終了を確認し、後処理を行った。パラジウム炭素担持を濾別し、得られた溶液を減圧濃縮して目的の(1R,2S)−2−イソピロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノールを白色固体として6.52g得た(61.7%y.)。白色個体をヘキサン33mlと共に還流攪拌して冷却して濾過し、白色結晶1.67gを得た。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、エナンチオ選択率は>99%eeであった。濾過後に同様の操作をもう一度行い、白色結晶1.76gを得た。
また、(1S,2R)−5,5−ジメチル―2−(6−メチルヘプタ−2,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール200mgを用いて同様の実験を行い、(1S,2R)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール合成を白色固体7.01gとして得た。同様の再結晶により合計2.19gの白色結晶を得た。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、エナンチオ選択率は>99%eeであった。濾過後に同様の操作をもう一度行い、白色結晶1.99gを得た。
[実施例26]5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタン―2−ニル)シクロヘキサノールの合成
水素雰囲気下、(1R,2S)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサノール200mg(63.4mmol)、パラジウム10重量%炭素担持0.020g、エタノール10mlを添加し、室温にて終夜攪拌した。GCにて反応の終了を確認し、後処理を行った。パラジウム炭素担持を濾別し、得られた溶液を減圧濃縮、精製して目的の(1R,2S)−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタン―2−ニル)シクロヘキサノールを強粘性のオイルとして167mg(83.5%)得た。
また、(1S,2R)−2−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタン―2−ニル)シクロヘキサノールを10.5gを用いて同様の実験を行い、(1S,2R)−2−5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタン―2−ニル)シクロヘキサノールを強粘性のオイルとして156mg(78.0%)得た。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表されるアルミニウム化合物1当量と、一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物及び一般式(2b)で表される光学活性ジオール化合物から選ばれる少なくとも1種の光学活性ヒドロキシ化合物1.5当量とを不活性有機溶媒中で反応させて得られるアルミニウム化合物を触媒として、一般式(3)で表されるアキラルなアルデヒド化合物を分子内不斉カルボニル−エン閉環反応をさせることを特徴とする一般式(4)で表される光学活性アルコールの製造方法。
    Al(Lg) (1)
    (一般式(1)中、Lgは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子である。)
    Figure 2016098207
    (一般式(2a)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基又はニトロ基であり、更に、RとR、RとR、RとR、R5とR、RとR、RとR及びRとRのうちのいずれかが結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2016098207
    (一般式(2b)中、*は、不斉炭素原子であり、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8員環のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の複素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基、炭素数1〜8のパーハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシルオキシ基、トリ置換オルガノシリル基、トリ置換オルガノシリルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、環Aはヘテロ元素を有していてもよい脂肪族3〜8員環であり、更に、RとR10及びR11とR12は結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2016098207
    (一般式(3)中、二重結合は、炭素鎖とRに対し(Z)−体であり、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20アルケニル基である。)
    Figure 2016098207
    (一般式(4)中、*は、不斉炭素原子を表し、波線は、(E)−体もしくは(Z)−体または(E)−体と(Z)−体の混合物であり、R、R及びRは、前記と同義である。)
  2. 前記光学活性ヒドロキシ化合物が前記一般式(2a)で表される軸不斉ビアリールジオール化合物であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記一般式(3)及び前記一般式(4)において、R及びRがメチル基であり、Rが水素原子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記一般式(3)及び前記一般式(4)において、Rがメチル基であり、Rがメチル基である場合、Rは3−メチル−2−ブテニル基であり、Rがメチル基であり、Rが4−メチル−3−ペンテニル基である場合、Rは水素原子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の製造方法で得られた光学活性アルコールを、水素添加することを特徴とする光学活性アルコール水素添加体の製造方法。
  6. 請求項3に記載の製造方法によって得られる光学活性アルコールの炭素−炭素二重結合を水素化することを特徴とする一般式(5)で表される光学活性5−メチルメントールの製造方法。
    Figure 2016098207
    (式(5)中、*は、不斉炭素原子を表す。)
  7. 請求項4に記載の製造方法によって得られる光学活性アルコールの炭素−炭素二重結合を水素化することを特徴とする一般式(6)で表される光学活性5,5−ジメチル−2−(6−メチルヘプタ−2−イル)シクロヘキサノールの製造方法。
    Figure 2016098207
    (式(6)中、*は、不斉炭素原子を表す。)
JP2014237882A 2014-11-25 2014-11-25 光学活性アルコールの製造方法 Pending JP2016098207A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237882A JP2016098207A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 光学活性アルコールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237882A JP2016098207A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 光学活性アルコールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016098207A true JP2016098207A (ja) 2016-05-30

Family

ID=56077044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014237882A Pending JP2016098207A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 光学活性アルコールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016098207A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212121A (ja) * 2001-01-18 2002-07-31 Takasago Internatl Corp イソプレゴールの製造方法
DE102005023953A1 (de) * 2005-05-20 2006-11-23 Basf Ag Verfahren zur Cyclisierung von Citronellal zu Isopulegol
JP2009510006A (ja) * 2005-09-26 2009-03-12 シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト 分子内プリンス反応およびそれに適する触媒(シトロネラールからのイソプレゴールの生成)
WO2009144906A1 (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 高砂香料工業株式会社 アルミニウム錯体とその使用
JP2010534216A (ja) * 2007-07-23 2010-11-04 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソプレゴールの水素化によるメントールの製造方法
JP2011246366A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Takasago Internatl Corp 有機アルミニウム化合物
WO2014014035A1 (ja) * 2012-07-19 2014-01-23 国立大学法人名古屋大学 ピロリン酸エステル化合物、ビスリン酸エステル化合物及び触媒
WO2014077321A1 (ja) * 2012-11-15 2014-05-22 高砂香料工業株式会社 アルミニウム触媒

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212121A (ja) * 2001-01-18 2002-07-31 Takasago Internatl Corp イソプレゴールの製造方法
DE102005023953A1 (de) * 2005-05-20 2006-11-23 Basf Ag Verfahren zur Cyclisierung von Citronellal zu Isopulegol
JP2009510006A (ja) * 2005-09-26 2009-03-12 シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト 分子内プリンス反応およびそれに適する触媒(シトロネラールからのイソプレゴールの生成)
JP2009510005A (ja) * 2005-09-26 2009-03-12 シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト 分子内プリンス反応および該反応に適する触媒
JP2010534216A (ja) * 2007-07-23 2010-11-04 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソプレゴールの水素化によるメントールの製造方法
WO2009144906A1 (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 高砂香料工業株式会社 アルミニウム錯体とその使用
JP2011246366A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Takasago Internatl Corp 有機アルミニウム化合物
WO2014014035A1 (ja) * 2012-07-19 2014-01-23 国立大学法人名古屋大学 ピロリン酸エステル化合物、ビスリン酸エステル化合物及び触媒
WO2014077321A1 (ja) * 2012-11-15 2014-05-22 高砂香料工業株式会社 アルミニウム触媒

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
IMACHI, SHOHEI ET AL.: "Intramolecular carbonyl-ene reaction of citronellal to isopulegol over ZnBr2-loading mesoporous sili", J MOL CATAL A CHEM, vol. vol.272 no.1-2, JPN6018021185, 2007, pages 174 - 181, ISSN: 0003812142 *
MAEDA, HIRONORI ET AL.: "A dual catalyst system provides the shortest pathway for L-menthol synthesis", CHEM COMMUN, vol. 48, no. 12, JPN6018021184, 2012, pages 1772 - 1774, ISSN: 0003812141 *
SAKANE, SOICHI ET AL.: "Asymmetric cyclization of unsaturated aldehydes catalyed by a chyral lewis acid", TETRAHEDRON, vol. 42, no. 8, JPN6018021183, 1986, pages 2203 - 2209, ISSN: 0003932626 *
坂根壮一ほか: "有機アルミニウムを用いる不飽和アルデヒドの閉環反応", 日本化学会誌, vol. 3, JPN2085001175, 1965, pages 324 - 327, ISSN: 0003932627 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5648240B2 (ja) 有機アルミニウム化合物
JP5671456B2 (ja) 3座配位子を有する新規ルテニウムカルボニル錯体、並びにその製造法及び用途
Okano Synthesis and application of chiral hydrobenzoin
JP5432895B2 (ja) アルミニウム錯体とその使用
WO2012074075A1 (ja) 光学活性メントールの製造方法
JP6389307B2 (ja) アルミニウム触媒の製造方法
Zhang et al. Alkoxyl-radical-mediated synthesis of functionalized allyl tert-(hetero) cyclobutanols and their ring-opening and ring-expansion functionalizations
Chen et al. Synthesis of Enantioenriched 1, 2‐cis Disubstituted Cycloalkanes by Convergent NiH Catalysis
Guo et al. A facile Zr-mediated multicomponent approach to arylated allylic alcohols and its application to the synthesis of highly substituted indenes and spiroindenes
JP5564506B2 (ja) アルミニウム錯体と分子内閉環反応における触媒としてのその使用
JP2012512136A (ja) アルミニウム錯体と分子内閉環反応における触媒としてのその使用
JP2016098207A (ja) 光学活性アルコールの製造方法
JP2015172024A (ja) 水素結合形成アミド基を持つキラル二環式ジエン配位子
JP5507285B2 (ja) 光学活性含フッ素オキセタンの製造方法
JP5179430B2 (ja) 光学活性アルコールの製造方法
JP4696274B2 (ja) 固体キラルジルコニウム触媒及びそれを用いたアルドール反応物又は環化体化合物の合成方法
JP2011178699A (ja) ルテニウム化合物及びそれを用いた不斉シクロプロパン化合物の製造方法
JP2008222568A (ja) 新規キラルサレン化合物とその応用
JP4918736B2 (ja) 新規光学活性ルテニウム錯体、その製法並びにそれを用いた光学活性化合物の製造方法
JP2008239593A (ja) 光学活性含フッ素カルボニル−エン生成物の製造方法
JP5722887B2 (ja) チタン含有触媒、及び光学活性シアノ化合物を製造する方法
JP5692812B2 (ja) 不斉合成触媒用配位子及びそれを用いたα−アルケニル環状化合物の製造方法
Conner Cycloadditions of Allenes and Alkenes: Rapid Access to Small Carbocycles
JPS59118733A (ja) アンゲリカ酸の製造法
Medina Diastereoselective intramolecular carbonyl hydrosilation for complex polyketide synthesis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180612

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181204