JP2012512116A - エレベータブレーキ制御 - Google Patents

Abstract

例示的なエレベータ装置は、エレベータかご（２２，４２）を含む。かご状態指示装置（６０）が、かごの全ての位置および速度を示す情報を提供する。制御装置（７０）が、エレベータかごの予定停車階に対応する乗場の近傍におけるエレベータかごの移動速度が速すぎることを示す状態指示装置（６０）からの指示に応答して、エレベータかごの移動を制御する。

Description

本発明は、エレベータのブレーキの制御に関する。

エレベータは、典型的に、昇降路を通ってビルの異なる階床間を垂直に移動するかごを含む。種々の周知の制御機能によって、所望の質のエレベータサービスが保証される。例えば、乗客の乗り心地を維持しながら速やかなサービスを確実に提供するように、所定のプロファイルに従ってエレベータかごの移動速度を制御する周知の技術がある。エレベータの移動プロファイルは、加速度、等速度、減速度などを含む。加速および減速の制御は、エレベータかごが停車している乗場からどのように出発するか、および予定された停車のために乗場にどのように接近するかの制御に有用である。

エレベータの速度制御に使用される例示的な装置は、乗場の近傍に配置された近接スイッチを含む。エレベータが所望の移動プロファイルと一致しない方法で乗場に接近した場合には、対応する近接スイッチが作動し、エレベータかごの制御された停止が開始される。このような制御された停止は、エレベータかごの移動を担うモータに関連するブレーキの制御によって達成される。上述のスイッチを使用する周知の装置に関連する難点の１つは、設置手順および整備手順を要することである。

他の速度制御装置は、エレベータかごが所望の速度閾値を超えて移動している状態の検知に使用される過速度ガバナである。このガバナは、典型的に、エレベータかごに取り付けられた非常止めを使用して非常停止を開始するために使用される。ガバナは、比較的高い頻度で保守が必要な装置である。

単一の昇降路内に２つ以上のかごを含むいくつかの装置が提案されている。昇降路に２つ以上のエレベータを配置すると、かご間の接触を避けるためにかごの位置および移動の制御に関して特別の考慮が必要となる。このような考慮事項は、昇降路内に単一のかごを有する装置における移動の制御に関する問題に加えて生じるものである。

例示的なエレベータ装置は、エレベータかごを含む。かご状態指示装置が、かごの全ての位置およびかごの速度を示す情報を提供する。制御装置が、エレベータかごの予定停車階に対応する乗場の近傍においてエレベータかごの移動速度が速すぎることを示すかご状態指示装置からの指示に応答してエレベータかごの移動を制御する。

エレベータかごの移動を制御する例示的な方法は、エレベータかごの絶対位置および速度を得ることを含む。ブレーキの作動は、エレベータかごの予定停車階に対応する乗場の近傍におけるエレベータかごの移動速度が速すぎることを示す指示に応答して制御される。

一例は、単一の昇降路内に設けられた複数のエレベータかごを含み、各々のエレベータかごのブレーキの作動は、対応するエレベータかごが予定停車階の近傍に移動するときのかごの位置および速度に基づいて個々に制御される。

開示された例の種々の特徴および利点は、以下の好適実施例の詳細な説明により当業者に明らかになる。詳細な説明に付随する図面は、以下に簡単に説明する。

本発明の実施例に従って設計された移動制御装置を組み込んだエレベータ装置の選択された部分の概略説明図である。

図１は、昇降路２４内で移動するように設けられた第１のエレベータかご２２を含むエレベータ装置２０の選択された部分を概略的に示している。エレベータかご２２は、モータ３２とブレーキ３４を含む巻上機３０の動作に応じて移動する。第１の巻上機制御装置３６が、モータ３２とブレーキ３４の動作を制御して、第１のエレベータかご２２の所望の移動を生じさせるか、かご２２を昇降路２４内の所望の静止位置に維持する。

図示の例は、昇降路２４内に第２のエレベータかご４２を含む。第２のエレベータかご４２は、モータ５２とブレーキ５４を含む関連する巻上機５０を有する。第２の巻上機制御装置５６が、モータ５２とブレーキ５４の動作を制御して、第２のエレベータかご４２の所望の移動または位置を実現する。

エレベータかご状態指示装置６０が、昇降路２４内の対応するエレベータかごの全移動経路に沿ったエレベータかご２２，４２のそれぞれの位置と、エレベータかご２２，４２のそれぞれの速度を示す情報を提供する。一例では、状態指示装置６０は、昇降路２４内にかごがある場合は必ず絶対位置情報を提供する。位置に関する情報は、一例では位置および時間の変化の関係に基づいて速度情報を求めるために使用される。他の例では、位置および速度が別々に求められる。

例示的な状態指示装置６０は、第１のエレベータかご２２に関連する位置特定装置６２と第２のエレベータかご４２に関連する位置特定装置６４とを含む。この例では、装置６２，６４は、昇降路２４内の固定位置指示器６６から位置情報を検知あるいは読み取る。一例は、テープに沿って非反復性のコードを有するスチールテープを含み、位置特定装置６２，６４によってそれぞれ検知あるいは読み取られたコードに基づいて、昇降路２４内の対応するかごの絶対位置情報が得られる。図示の実施例のテープおよびコードを用いる検知器あるいは読取機の代わりに、他の位置指示装置および対応するセンサを使用してもよい。

図１と一致する例示的な装置は、国際公開第２００７／１４５６１３号パンフレットの教示に従って設計され、この出願の内容は本明細書に参照として含まれる。このような装置は、上述の文献の教示に従ってエレベータかご間の距離を制御するとともに、本明細書に従って予定停車階の近傍におけるエレベータかごの速度を制御する機能を有する。

制御装置７０が、位置特定装置６２，６４と通信して、各々のエレベータかごの位置をそれぞれ監視する。一例では、速度特定モジュール７２が、速度を求めるために時間に対する位置情報を使用する。他の例では、速度特定モジュール７２は、位置特定装置６２，６４が収集した位置情報を必要とせずに速度を独自に求める。

制御装置７０は、巻上機制御装置３６，５６と通信して、エレベータかごの移動を所望のパラメータ内に維持する。特に、制御装置７０は、エレベータかご２４，４２のいずれかが対応するかごの予定停車階の比較的近傍で移動しているときに、いずれかのエレベータかごが所望よりも速い速度で移動しいるかを判断する。一例では、制御装置７０は、エレベータかごが予定停車階に接近するに従って、エレベータかご速度を監視するようにプログラムされる。他の例では、制御装置７０は、エレベータかごが予定停車階に接近あるいは予定停車階から出発するときにエレベータかご速度を監視する。予定された停車は、昇降路２４の端部における終端停止位置を含む、エレベータかご２４，４２の垂直な移動経路に沿ったどの位置でもよい。一例では、制御装置７０は、エレベータかごがそれぞれのかごの予定停車階に接近する度にエレベータかご速度を監視する。

エレベータかごが予定停車階の乗場の近傍で予想よりも速い速度で移動している場合には、制御装置７０は対応する巻上機制御装置３６，５６と通信して、対応するエレベータかごの制御された停止を開始する。一例では、対応する巻上機制御装置３６，５６は、対応する巻上機のブレーキ３４，５４を使用してブレーキをかける。

これにより、予定された停車のためにその位置に接近するエレベータかごの速度を検知する機械的な近接スイッチや関連するベーンを昇降路内に設ける必要がなくなる。

一例の他の特徴は、制御装置７０が、いずれかのかごが過速度状態に対応する閾値を超える速度で移動していることを判断するようにプログラムされていることである。昇降路の端部などの特定位置は異なる速度閾値を有しうるが、上記の判断は、昇降路２４内のエレベータかごの位置とは無関係に行うことができる。このようなかごが閾値を超えて移動した場合には、制御装置７０は対応する巻上機制御装置と通信し、この巻上機制御装置は、対応するエレベータかごの移動を停止するように対応するブレーキ３４，５４をかけることによって応答する。

一例は、各々のかごと関連する非常止め作動装置８０を含み、この非常止め作動装置８０は、巻上機のブレーキの適用がエレベータかごを所望のように停止させるのに十分でない場合に、非常停止に有用な非常止め８２を作動させる。非常止め８２は、周知の方法で作動して関連するエレベータかごを停止させる。一例では、非常止め８２は、非常停止を開始する指令または操作に応答してガイドレール（図示省略）と周知の方法で係合する。制御装置７０の判断に応答して非常止めを作動させることによって、エレベータ装置２０に別個のガバナ装置を設けなくて済む。この例では、制御装置７０は、必要に応じて非常止め作動装置８０と通信し、非常止め８２を含むブレーキ動作を起動する。

図示の例により、近接スイッチや過速度ガバナなどのエレベータ装置に以前から設けられていた機械的または電子的な構成要素をなくすことができる。このような装置の必要性がなくなることにより、材料や労働コストが減少し、エレベータシステムの設置や保守の経済性が改善される。

位置の特定、速度の監視およびブレーキ作動情報の通信のために制御装置７０が実行する機能は、種々のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらを組み合わせた構成により実現可能である。いくつかの例では、制御装置７０は、専用の装置あるいはソフトウェアモジュールである。他の例では、制御装置７０は、巻上機制御装置３６，５６、群制御装置（図示省略）、または出発制御装置（図示省略）などの１つまたはそれ以上の制御装置に組み込まれる。本明細書の恩恵を受ける当業者は、特定の状況における必要性を満たすように、例示的な制御装置７０の説明された機能と一致するよう動作する制御装置を実現できる。

上述の説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。開示された実施例の変更および改良は当業者には明らかであり、本発明の趣旨から必ずしも逸脱しない。本発明に与えられる法的保護の範囲は、以下の請求項を検討することによってのみ判断できる。

Claims (14)

1. エレベータかごと、
   前記エレベータかごの全ての位置と、該エレベータかごの速度と、を示す情報を提供するかご状態指示装置と、
   前記エレベータかごの予定停車階に対応する乗場の近傍における該エレベータかごの移動速度が速すぎることを示す情報に応答して、前記エレベータかごの移動を制御する制御装置と、を有することを特徴とするエレベータ装置。
2. 前記制御装置は、前記乗場の近傍における前記エレベータかごの移動速度が速すぎることを示す情報に応答して、該エレベータかごを停止させることを特徴とする請求項１記載のエレベータ装置。
3. 前記エレベータかごの移動を制御するためにモータとブレーキとを備える巻上機を有し、前記制御装置は、前記ブレーキの動作を制御して、前記乗場の近傍における前記エレベータかごの移動速度が速すぎることを示す情報に応答して該エレベータかごを停止させることを特徴とする請求項１記載のエレベータ装置。
4. 前記エレベータかごを選択的に停止させるように該エレベータかごに関連する非常止めを有し、前記制御装置は、前記非常止めの動作を制御して、前記エレベータかごが過速度閾値を超える速度で移動していることを示す情報に応答して該エレベータかごを停止させることを特徴とする請求項１記載のエレベータ装置。
5. 前記制御装置は、前記エレベータかごの時間に対する位置に関する情報を使用して、該エレベータかごの速度を求めることを特徴とする請求項１記載のエレベータ装置。
6. 前記エレベータかごと同じ垂直経路に沿って移動可能な第２のエレベータかごを有し、
   前記かご状態指示装置は、各々のエレベータかごの全ての位置を示す情報をそれぞれ提供し、前記制御装置は、前記情報に応答して前記各々のエレベータかごの移動をそれぞれ制御することを特徴とする請求項１記載のエレベータ装置。
7. 前記かご状態指示装置は、前記エレベータかごの全ての位置に関する絶対位置情報を提供することを特徴とする請求項１記載のエレベータ装置。
8. エレベータかごの全ての位置と該エレベータかごの速度とに関する情報を提供し、
   前記エレベータかごの予定停車階に対応する乗場の近傍におけるエレベータかごの移動速度が速すぎることを判断し、
   前記判断に応答してエレベータかごの移動を制御することを含むことを特徴とするエレベータかごの移動制御方法。
9. 前記乗場の近傍における前記エレベータかごの速度が速すぎることを示す情報に応答して、該エレベータかごを停止させることを含むことを特徴とする請求項８記載のエレベータかごの移動制御方法。
10. 前記エレベータかごを移動させる巻上機に関連するブレーキの動作を制御し、前記乗場の近傍における前記エレベータかごの移動速度が速すぎることを示す情報に応答して、該エレベータかごを停止させることを含むことを特徴とする請求項８記載のエレベータかごの移動制御方法。
11. 前記エレベータかごが過速度閾値を超える速度で移動していることを示す情報に応答して、前記エレベータかごに関連する非常止めを作動させて該エレベータかごを停止させることを特徴とする請求項８記載のエレベータかごの移動制御方法。
12. 前記エレベータかごの時間に対する位置に関する情報から該エレベータかごの速度を求めることを含むことを特徴とする請求項８記載のエレベータかごの移動制御方法。
13. 単一の昇降路内に２つ以上のエレベータかごが存在し、
    各々のエレベータかごの全ての位置を示す情報をそれぞれ提供し、
    前記の情報に応答して、各々のエレベータかごの移動をそれぞれ制御することを含むことを特徴とする請求項８記載のエレベータかごの移動制御方法。
14. 前記エレベータかごの全ての位置に関する絶対位置情報を提供することを特徴とする請求項８記載のエレベータかごの移動制御方法。

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