JP2023014525A - エレベータ用待機型ブレーキの試験方法および試験装置 - Google Patents

エレベータ用待機型ブレーキの試験方法および試験装置 Download PDF

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Yasushi Ito
秀隆 座間
Hidetaka Zama
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Abstract

【課題】エレベータ用待機型ブレーキの制動力を的確に評価することができる試験方法および試験装置を提供する。【解決手段】エレベータ用待機型ブレーキの試験方法は、停止している乗りかごをフリーランさせ(S2)、待機型ブレーキを作動させて、フリーランする乗りかごを制動し(S3)、乗りかごがフリーランを開始してから、乗りかごが待機型ブレーキの作動後に停止するまで、乗りかごの速度および移動量を検出し(S2~S4)、乗りかごの速度および移動量の検出データに基づいて、乗りかごの減速度を算出する(S5)。【選択図】図4

Description

本発明は、エレベータ用待機型ブレーキの動作を確認するための試験方法および試験装置に関する。
戸開走行保護装置(UCMP)は、エレベータの乗りかごが、かごドアや乗場ドアが開いている状態で、走行することを防止する。UCMPにおいては、ロープブレーキのように、巻上機が備える常時作動ブレーキとは独立した待機型ブレーキが適用される。
待機型ブレーキの試験方法に関する従来技術としては、特許文献1および特許文献2に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の技術では、ロープブレーキの動作確認試験の際に、ロープブレーキにおいてロープを挟持する可動板側ライニングおよび固定板側ライニング間にロープとは別の挿入体を介在させる。これにより、ライニングを磨耗させることなく、ロープブレーキの動作を確認することができる。
特許文献2に記載の技術では、ロープブレーキの動作確認時に、乗りかごを最下階の床レベルよりも低い位置まで移動させることにより、通常運転時にシーブに負荷をかけることがないロープ位置をロープブレーキの位置まで移動させる。その後、ロープブレーキを動作させて、ロープブレーキにおける固渋や動作抵抗の有無を点検する。これにより、点検に伴う、ロープへのダメージが軽減される。
特開2017-65831号公報 特開2017-149525号公報
上記従来技術では、ロープブレーキの制動力を計測するものではないので、ロープブレーキの制動力を的確に評価することが難しい。
そこで、本発明は、待機型ブレーキの制動力を的確に評価することができる試験装置および試験方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明によるエレベータ用待機型ブレーキの試験方法は、停止している乗りかごをフリーランさせ、待機型ブレーキを作動させて、フリーランする乗りかごを制動し、乗りかごがフリーランを開始してから、乗りかごが待機型ブレーキの作動後に停止するまで、乗りかごの速度および移動量を検出し、乗りかごの速度および移動量の検出データに基づいて、乗りかごの減速度を算出する。
上記課題を解決するために、本発明によるエレベータ用待機型ブレーキの試験装置は、乗りかごの運転を制御する第1制御装置と、戸開走行保護を実行する第2制御装置と、を備え、乗りかごをフリーランさせるとき、第2制御装置が待機型ブレーキを作動させ、第1制御装置が、乗りかごがフリーランを開始してから、乗りかごが待機型ブレーキの作動後に停止するまで、乗りかごの速度および移動量を検出する。
本発明によれば、待機型ブレーキ作動時における乗りかごの減速度を算出することができるので、待機型ブレーキの制動力を的確に評価することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施形態であるエレベータシステムの全体構成図である。 ロープブレーキ200の機械的な構成を示す構成図である。 エレベータ制御装置108によって演算される乗りかごの速度および移動量の時系列データの一例を示すグラフである。 実施形態におけるロープブレーキの試験方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いながら説明する。各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
図1は、本発明の一実施形態であるエレベータシステムの全体構成図である。以下に説明するように、本エレベータシステムは戸開走行保護装置を備え、戸開走行保護装置に対して動作確認のための試験が実行される。戸開走行保護装置の動作確認試験において、待機型ブレーキ(図1においては、ロープブレーキ200)の制動力が評価される。
なお、本エレベータシステムは、巻上機や制御装置が設置される機械室を有している。
図1に示すように、建物に形成される昇降路内において複数の階床間を移動する乗りかご100が、主ロープ101を介して釣合おもり111に接続されている。主ロープ101は、巻上機用の電動機105の回転シャフトに機械的に接続される綱車103および反らせ車104に巻き掛けられる。これにより、乗りかご100および釣合おもり111は、昇降路内において、主ロープ101によって吊られる。
電動機105によって綱車103が回転駆動されることにより主ロープ101が駆動されると、乗りかご100および釣合おもり111は、昇降路内を互いに上下反対方向に移動する。電動機105(例えば、永久磁石同期電動機)は、電力変換器107(例えば、インバータ装置)によって供給される電力によって駆動され、乗りかご100を停止するときに巻上機用のブレーキ装置102によって制動される。
また、電動機105に取り付けられる回転検出器106が、電動機の回転に応じて回転子位置検出信号を発生する。エレベータ制御装置108は、この回転子位置検出信号に基づいて、乗りかご100の速度、乗りかご100の昇降路移動方向の位置、移動距離などを演算する。そして、エレベータ制御装置108は、演算結果に基づいて、電力変換器107によって電動機105を制御することにより、乗りかご100の運転を制御する。
なお、回転検出器106としては、例えば、エンコーダやレゾルバなどが適用される。
乗りかご100には、乗場側扉である乗場ドア109と係合して、乗場ドア109とともに開閉する乗りかご側扉であるかごドア110が設けられている。
UCMP制御装置1は、戸開走行保護機能を有する制御装置であり、エレベータ制御装置108とは独立に、ロープブレーキ200および電源遮断による乗りかご100の制動を制御する。UCMP制御装置1は、処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を主たる構成要素とし、CPUが所定のプログラムを実行することによって戸開走行保護機能を備える。なお、エレベータ制御装置108もCPUを備えているが、UCMP制御装置1のCPUとエレベータ制御装置108のCPUは互いに独立したCPUである。
なお、本実施形態では、ロープブレーキ200は、機械室内に設置されている。ロープブレーキ200の構成については後述する(図2)。
UCMP制御装置1は、位置センサ2と、かごドア110の開閉を検出するかごドアスイッチ4と、乗場ドア109の開閉を検出する乗場ドアスイッチ5とからの信号を入力し、これらの信号に基づいて、乗りかご100が昇降路内において乗場から特定距離以上離れた位置に位置し、かつかごドア110および複数の乗場ドア109の内のいずれかが開状態であると判定すると、すなわち乗りかご100が戸開走行状態であると判定すると、ロープブレーキ200の作動指令と電力変換器107の電源遮断指令を出力する。
ここで、特定距離は、戸開状態で乗りかご100の移動が許容される乗場床面(基準着床位置)から上下方向における距離である。
このような特定距離は、かごドア110および乗場ドア109が開いた状態で動き出した場合において、乗場から見たかご室の開口部の高さが挟まれ防止に必要な高さを確保できるように、また、乗りかごの床下部にできる隙間の高さが昇降路内への落下防止に必要な高さが確保できるように設定される。
位置センサ2は、乗りかご100に設けられ、昇降路内に固定的に設置される被検出体3を検出することで、乗りかご100が特定距離の範囲内に位置していることを検出する。なお、特定距離は、昇降路内において戸開動作が可能な位置の範囲(以下、「ドアゾーン」と記す)の内に設定される。ドアゾーンにおいては、かごドア110と乗場ドア109とが係合装置によって係合され、乗りかご100に設けられ、エレベータ制御装置108によって制御されるドア駆動装置(図示せず)によってかごドア110が駆動されると、かごドア110と乗場ドア109が共に開閉される。
なお、ドアゾーンは、通常の運転制御においても考慮される。通常の運転制御において、エレベータ制御装置108は、走行する乗りかご100が停止階のドアゾーン内に入ったことが、位置センサ2により検出されると、乗りかご100を停止階に着床および停止させるように、電力変換器107によって電動機105を制御する。
位置センサ2としては、光電式、磁気式(磁石式、高周波磁界式など)および静電容量式などの非接触型検出センサが適用できる。なお、本実施形態においては、特定距離の範囲とドアゾーンとが一致していれば、位置センサ2は、戸開走行判定と通常の運転制御とに兼用することができる。これにより、部品点数を低減できる。また、特定距離の範囲とドアゾーンとが一致している場合でも、位置センサ2を戸開走行判定に専用し、運転制御用に別の位置センサを設けてもよい。この場合、安全システムの信頼性が向上する。
なお、戸開許容ゾーンと特定距離が異なる場合、通常の運転制御に用いられる位置センサとは別に特定距離感知装置が乗りかごに設けられる。特定距離感知装置としては、例えば、位置センサ2と同様の非接触型検出センサが適用できる。この場合、本実施形態において、位置センサ2に代えて、特定距離感知装置がUCMP制御装置1に接続される。なお、位置センサに、戸開許容ゾーン感知機能に加えて、特定距離感知機能を持たせても良い。
UCMP制御装置1が出力するブレーキ作動指令は、ロープブレーキ200を作動させるための指令信号であり、ロープブレーキ200に供給される電源を遮断してロープブレーキ200に制動力を発生させ、乗りかご100を制動させる。また、UCMP制御装置1が出力する電源遮断指令は、電力変換器107およびブレーキ装置102の電源を遮断するための指令信号であり、電力変換器107およびブレーキ装置102への電力供給を停止して電動機105を停止させる。これらにより、乗りかご100は制動されて停止され、停止状態が保持される。
平常時の運行の際は、エレベータ制御装置108が電力変換器107とブレーキ装置102を制御して乗りかご100の運行を制御するが、戸開走行を検出したときには、UCMP制御装置1が、ブレーキ装置102およびロープブレーキ200の作動と電源遮断を制御して、乗りかご100を制動および停止させる。
上述のような、UCMP制御装置1、かごドアスイッチ4、複数の乗場ドアスイッチ5、位置センサ2、被検出体3およびロープブレーキ200を含む戸開走行保護装置の動作確認のための試験が実行されるとき、保守装置50が、UCMP制御装置1およびエレベータ制御装置108に電気的に通信可能に接続される。保守装置50は、携帯可能なコンピュータや端末装置から構成され、エレベータ機器の稼動データを取得してエレベータ機器の状態を判定したり、保守点検時における乗りかごの運転を操作したりする。なお、本実施形態において、保守装置50は、保守試験対象のエレベータの設置場所に搬入され、一連の保守試験作業において保守技術者によって使用される。
戸開走行保護装置の試験時には、まず、保守装置50が、UCMP制御装置1およびエレベータ制御装置108に電気的に通信可能に接続されるとともに、エレベータ制御装置108に電気的に接続される保守スイッチ群60(SW)中の特定のスイッチを操作して運転モードを通常運転から保守運転に切り替える。これにより、保守装置50によって、乗りかごの低速運転および停止、かごドア110の開閉駆動を操作することができる。
保守装置50による操作によって、着床停止している乗りかご100が、再床合わせ運転が有効な位置に移動される。ここで、再床合わせ運転では、エレベータ制御装置108は、乗りかご100の着床停止時に、乗りかご100の床面と乗場115の床面との間の段差を検出して、所定値以上の段差がある場合、段差をなくすように乗りかご100を運転して再度着床停止させる。
なお、再床合わせ運転は、通常運転時において実行されるが、保守運転時には、エレベータ制御装置108において、再床合わせ運転は無効化される。戸開走行保護装置の試験時には、UCMP制御装置1によって再床合わせ運転は有効化される。このため、保守装置50によって切り替えた運転モードを保守運転から通常運転に切り替えることで、自動再床合わせ運転が実行される。
再床合わせ運転が有効な位置までかごが移動した後、保守技術者の操作により保守装置50からエレベータ制御装置108へのドア開閉指令信号が出力されると、かごドア110および停止階の乗場ドア109が閉じられる。ここで、乗りかご100は、戸開走行保護装置の試験のための自動再床合わせ運転を含む試験運転待ちの状態となる。
乗りかご100の試験運転待ち状態で、保守技術者は、UCMP制御装置1が備える動作モード切替スイッチ(図示せず)もしくは保守装置50を用いて、UCMP制御装置1の動作モードを、通常モードから試験モードに切り替える。試験モードでは、UCMP制御装置1においては、かごドアスイッチ4および乗場ドアスイッチ5のドア開閉状態検出信号に関わらず、ドア開検出状態が設定される。本実施形態では、UCMP制御装置1は、かごドアスイッチ4および乗場ドアスイッチ5のドア閉状態検出信号を遮断する。これにより、UCMP制御装置1は、かごドア110および乗場ドア109が閉じていても、かごドア110および乗場ドア109が開いていると判定する。また同時にUCMP制御装置1は、電力変換器107の電源を遮断する電源遮断指令を出力する。この時、UCMP制御装置1は、ブレーキ装置102への作動指令は有効とし、ロープブレーキ200への作動指令は無効とする。
UCMP制御装置1の動作モードが試験モードになると、保守装置50によって設定された保守運転モードを通常運転モードに切り替えることで再床合わせ運転指令が与えられ、これによって、ドア閉状態で、戸開走行保護装置の試験が実行される。この試験においては、まず、エレベータ制御装置108によって自動再床合わせ運転が実行される。
このとき、UCMP制御装置1は、電源遮断指令を出力すると同時に、ブレーキ作動指令は出力しないので、ブレーキ装置102は、開放状態となり、電動機105はトルクを発生しないため、乗りかご100および釣合おもり111の重量差によるアンバランストルクによって綱車103が回転する。これにより、乗りかご100は、フリーラン状態となり、着床位置から上昇(下降)方向に移動する。そして、UCMP制御装置1は、ドア開検出状態が設定されているので、ドア開状態であると判定するとともに、位置センサ2からの位置検出信号に基づいて、乗りかご100の位置が乗場から特定距離以上離れたと判定すると、すなわち乗りかご100が戸開走行状態であると判定すると、ロープブレーキ200への作動指令を出力する。これにより、乗りかご100が、ロープブレーキ200によって制動され停止される。
なお、ブレーキ装置102は、自動再床合わせ運転後に、保守技術者が手動で開放してもよい。
乗りかご100が、着床位置から上昇(下降)方向に移動を開始してから、ロープブレーキ200によって制動されて停止するまで、エレベータ制御装置108は、回転検出器106からの回転子位置検出信号に基づいて、制御周期もしくは演算周期に応じた所定時間間隔で、乗りかご100の速度および移動量を演算する。エレベータ制御装置108は、演算した速度および移動量を逐次記憶する。すなわち、エレベータ制御装置108は、乗りかご100の速度および移動量の時系列データを記憶している。
乗りかご100が停止したら、保守装置50は、保守技術者の操作により、エレベータ制御装置108が記憶している、乗りかご100の速度および移動量の時系列データを読み出し、読み出した時系列データに基づいて、ロープブレーキ200の制動力を評価する。このとき、保守装置50は、乗りかご100の速度および移動量の時系列データに基づいて、ロープブレーキ200の制動力の力学的に直接的な指標となる、乗りかご100の減速度を演算する。
上述のように、本実施形態によれば、待機型ブレーキであるロープブレーキ200の制動力を計測できる。
図2は、本実施形態におけるロープブレーキ200の機械的な構成を示す構成図である。
図2に示すように、ロープブレーキ200は、一対のライニング、すなわち可動側ライニング208および固定側ライニング209と、可動側ライニング208を駆動する可動レバー210とを備えている。可動側ライニング208と固定側ライニング209との間の空間内には、主ロープ101が通る。
ロープブレーキ200は待機型ブレーキであり、エレベータの運転状態が正常であれば、可動側ライニング208および固定側ライニング209は、互いに離れ、主ロープ101を拘束しない。エレベータの運転状態に異常が発生すると、本実施形態では戸開走行状態が発生すると、可動レバー210によって、可動側ライニング208が固定側ライニング209の方へ引き寄せられる。このため、主ロープ101が、可動側ライニング208および固定側ライニング209によって挟圧される。これにより、主ロープ101が拘束され、乗りかご1の移動が停止される。
ロープブレーキ200は、可動レバー210を駆動するために、可動レバー210に付勢力を与えるバネなどの付勢手段と、電磁力を発生するソレノイドなどの駆動源とを含む駆動機構(図示せず)を備えている。付勢手段は、可動レバー210が動いて可動側ライニング208を固定側ライニング209の方へ引き寄せるように、可動レバー210に対して付勢力を与える。
正常時には、駆動源が発生する電磁力によって、付勢力による可動レバー210の動きが拘束される。このため、可動側ライニング208は固定側ライニング209の方へ引き寄せられず、可動側ライニング208および固定側ライニング209が互いに離れた状態が保持される。異常発生時には、駆動源への通電が遮断され、電磁力が消失するので、可動レバー210の拘束が解ける。このため、可動レバー210が付勢力によって駆動され、可動側ライニング208を固定側ライニング209の方へ引き寄せられる。
なお、本実施形態では、戸開走行状態が検出されるときに、UCMP制御装置1がロープブレーキ200に対して作動指令を出力すると、ロープブレーキ200が備える駆動源への通電が遮断される。
図3は、本実施形態における戸開走行保護装置の試験において、エレベータ制御装置108によって演算される乗りかご100の速度および移動量の時系列データの一例を示すグラフである。グラフ中の各プロットが演算された速度および移動量を示し、隣り合う二つのプロットの時間間隔が、エレベータ制御装置108の制御演算周期に相当する。
時間0で、ブレーキ装置102が開放され、乗りかご100が、アンバランストルクによって、着床位置より移動を開始する。乗りかご100は、移動開始後、アンバランストルクによって、略一定の加速度で加速される。
時間t’において、着床位置からの移動量dが、所定量、本実施形態では特定距離Sに到達する。このとき、UCMP制御装置1は、戸開走行状態であると判定し、ロープブレーキ200を作動させる。ロープブレーキ200が作動すると、乗りかご100は、ロープブレーキ200の制動力に応じた略一定の減速度で減速される。
時間tn+3において、乗りかご100の速度は零に到達し、乗りかご100は停止する。
本実施形態では、保守装置50が、図3に示すような時系列データに基づいて、次のようにして減速度を演算する。
時間tn+1を減速開始時間とし、tn+1における速度v=Vを減速開始速度とする。ここで、時系列データにおいては、tn+1よりも一時点前のtにおける速度の演算値が最大であるが、tの次の時点であるtn+1における速度Vを減速開始速度とする。これにより、確実に、ロープブレーキ200が作動した直後の速度演算値を減速開始速度にすることができる。
n+1から、速度vが零に到達するtn+3までの時間Tを制動時間とする。
n+1までのかご移動量と、かご移動量dの最大値との差異Lを制動距離とする。
保守装置50は、時系列データが示す減速開始速度V、制動時間T、制動距離Lの内の任意の二つの量に基づいて、減速度βを演算する。保守装置50は、減速開始速度Vおよび制動時間Tに基づき、式「β=V/T」を用いて、加速度βを演算する。または、保守装置50は、減速開始速度Vおよび制動距離Lに基づき、式「β=V/(2L)」を用いて、加速度βを演算する。もしくは、保守装置50は、制動時間Tおよび制動距離Lに基づき、式「β=2L/T」を用いて、加速度βを演算する。
なお、エレベータ制御装置108が、減速度βを演算して、演算したβを保守装置50に出力してもよい。
図4は、本実施形態におけるロープブレーキ200の試験方法を示すフローチャートである。
試験が開始されると、まずステップS1において、エレベータ制御装置108の動作モードが保守運転モードに設定されるとともに、UCMP制御装置1の動作モードが試験モードに設定される。
次に、ステップS2では、電動機105を通電せずに、巻上機用のブレーキ装置102が開放される。これにより、停止していた乗りかご100が、フリーラン状態になり、停止位置(着床位置)から移動を開始する。また、エレベータ制御装置108が、乗りかご100の速度および移動量の検出を開始する。
次に、ステップS3では、UCMP制御装置1が、ロープブレーキ200を作動させる。これにより、ロープブレーキ200は、制動状態になり、乗りかご100を制動する。
次に、ステップS4では、乗りかご100が停止すると、エレベータ制御装置108が、乗りかご100の速度および移動量の検出を終了する。
次に、ステップS5では、エレベータ制御装置108が、乗りかご100が移動を開始してから停止するまでに検出した乗りかご100の速度および移動量のデータに基づいて、ロープブレーキ200の作動後における乗りかご100の減速度を算出する。
上述の実施形態によれば、待機型ブレーキであるロープブレーキ200が作動する時の乗りかご100の減速度を計測することができる。したがって、本実施形態によれば、ロープブレーキ200の制動力を的確に評価することができる。
また、上述の実施形態によれば、UCMP制御装置1によってロープブレーキ200を作動させるので、異常(戸開走行)発生時と同様の状況でロープブレーキが作動される。したがって、ロープブレーキの制動力の評価の信頼性が向上する。
なお、上述の実施形態による試験手段は、他の待機型ブレーキ(例えばレールブレーキなど)にも適用できる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
たとえば、エレベータは、巻上機や制御装置が昇降路内に設置される、いわゆる機械室レスエレベータでもよい。
1…UCMP制御装置、2…位置センサ、3…被検出体、4…かごドアスイッチ、5…乗場ドアスイッチ、50…保守装置、60…保守スイッチ群、100…乗りかご、101…主ロープ、102…ブレーキ装置、103…綱車、104…反らせ車、105…電動機、106…回転検出器、107…電力変換器、108…エレベータ制御装置、109…乗場ドア、110…かごドア、111…釣合いおもり、115…乗場

Claims (8)

  1. エレベータ用待機型ブレーキの試験方法において、
    停止している乗りかごをフリーランさせ、
    待機型ブレーキを作動させて、フリーランする前記乗りかごを制動し、
    前記乗りかごがフリーランを開始してから、前記乗りかごが前記待機型ブレーキの作動後に停止するまで、前記乗りかごの速度および移動量を検出し、
    前記乗りかごの前記速度および前記移動量の検出データに基づいて、前記乗りかごの減速度を算出することを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験方法。
  2. 請求項1に記載のエレベータ用待機型ブレーキの試験方法において、
    前記待機型ブレーキを、戸開走行保護制御装置によって作動させることを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験方法。
  3. 請求項1に記載のエレベータ用待機型ブレーキの試験方法において、
    前記乗りかごの前記速度および前記移動量を、エレベータ制御装置によって検出することを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験方法。
  4. 請求項1に記載のエレベータ用待機型ブレーキの試験方法において、
    前記検出データに基づいて、前記乗りかごの減速開始速度、制動距離および制動時間の内の二つの量を計測し、計測された前記二つの量を用いて前記減速度を算出することを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験方法。
  5. 請求項1に記載のエレベータ用待機型ブレーキの試験方法において、
    前記待機型ブレーキがロープブレーキであることを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験方法。
  6. エレベータ用待機型ブレーキの試験装置において、
    乗りかごの運転を制御する第1制御装置と、
    戸開走行保護を実行する第2制御装置と、
    を備え、
    前記乗りかごをフリーランさせるとき、前記第2制御装置が待機型ブレーキを作動させ、
    前記第1制御装置が、前記乗りかごがフリーランを開始してから、前記乗りかごが前記待機型ブレーキの作動後に停止するまで、前記乗りかごの速度および移動量を検出することを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験装置。
  7. 請求項6に記載のエレベータ用待機型ブレーキの試験装置において、
    前記第1制御装置は、前記乗りかごの前記速度および前記移動量の検出データを記憶し、
    前記第1制御装置が記憶する前記検出データは、前記乗りかごの減速度を算出するために用いられることを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験装置。
  8. 請求項6に記載のエレベータ用待機型ブレーキの試験装置において、
    前記待機型ブレーキがロープブレーキであることを特徴とするエレベータ用待機型ブレーキの試験装置。
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