JP2012509239A - 金属製坩堝の構成部材をガラス及びセラミックの混合物でコーティングする方法 - Google Patents

金属製坩堝の構成部材をガラス及びセラミックの混合物でコーティングする方法 Download PDF

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Abstract

本発明によれば、鋼鉄から成り高温にさらされる、廃棄物ガラス固化坩堝の円筒壁の角度のあるセクターは、主にガラスとセラミックからなる混合物で覆われ、そのコーティングは、開放孔を塞ぐ混合物の表面溶解を起こすために、650℃から850℃の段階を含む熱処理を受けるので、過度な熱膨張を起こすことも、コーティングの急速な剥落をもたらし得るいかなる基板酸化も伴わずに、絶縁抵抗及びコーティングの結合を強化することができる。
【選択図】なし

Description

本発明の目的は、金属製坩堝だけでなくこのような坩堝の構成部材をもコーティングする方法である。
この方法は、特に、坩堝(るつぼ)が冷却された場合、坩堝の装填物を高温誘導加熱で、ガラス固化する方法に用いられる坩堝のために企図された。このような坩堝は、酸化物からガラスを作り、溶融ガラスの槽で低‐中レベル(活性度)の放射性有機廃棄物を処分し、高、中、及び低レベルの放射能を有する放射性廃棄物又は放射性廃液をガラス固化するために用いられている。坩堝は耐火コンクリートの炉床の上に設置され、且つ誘導子によって形成された磁場の中に設置され、この磁場には、坩堝の装填物を加熱させる高周波電流が流れる。坩堝の円筒壁は金属製であることが好ましく、この円筒壁が内包する溶融した装填物による著しい加熱にさらされ、存在する誘導電流によって変性される。これが、何故冷却回路が坩堝の壁を貫通しているかの理由である。しかし、壁の中に誘導される電流は、加熱を減少させるためだけでなく、坩堝の誘導子と内容物との間の直接電磁結合を増大させるために、制限されなければならない。したがって壁は、横方向面がバレル(樽)の樽板の形状に組み立てられた垂直のセクターのアッセンブリ(組立体)から成り、このアッセンブリは、各対の隣接した要素間に電気絶縁体を有する。この電気絶縁体は通常はマイカ(雲母)である。坩堝のセクターは、通常、誘導子より上方の高い部分で互いに溶接することにより、又は上部のフランジ(つば)にねじ止めすることによって組み立てられる。それらはまた、外部周囲において、エラストマー又はエポキシレジンを含浸させたガラス繊維を有するフープ(輪状部材)によって保持されてもよい。
仏国特許第2835601号 米国特許公報第200610023号 国際公報第02/18128号
《プラズマ溶射によるガラス‐アルミナ複合コーティング、パートI:微細構造及びメカニズムの特性評価》、表面&コーティング技術[2005] ;《Glass-alumina composite coatings by plasma spraying, Part I: microstructural and mechanical characterization》,Surface & Coating Technology [2005]》 《プラズマ溶射したガラス複合コーティングの温度プロフィールと熱応力解析》、溶射:応用研究による表面工学(C.ベルント編)ASM溶射学会、ドイツ溶接学会(DUS)、国際溶接学会(IIW)、国際標準図書番号0-87170-680-6, SAN: 204-7986 (2000), 355-361)、《Temperature profiles and thermal stress analysis of plasma sprayed glass-composite coatings》, Thermal spray:surface engineering via applied research, edited by C. Berndt, ASM Thermal Spray Society, German Welding Society (DUS) and International Institute of Welding 《IIW》, ISBN 0-87170-680-6, SAN: 204-7986 (2000), 355-361)
特許文献1は、セクターの内面又は側面のような、坩堝の表面の少なくとも一部にセラミックコーティングを堆積させることにより、電気絶縁保護が強化されてもよいことを教示している。セラミックは結晶構造を有する耐熱性要素であり、坩堝の金属より高い温度で溶融する。坩堝の機能は、従って、高温及びしばしば腐食性の高い大気などの難しい条件にもかかわらず、大抵の場合満足のいくものである。とはいえ、この方法を適用するのはある状況では困難である。これは、特に、例えばガラス固化される装填物へ液体排出物が到達するときなど、大量の液体(酸、水、液体排出物)がガラス槽の表面にあるような場合である。しかし一方で、大抵は、セクターの冷却は、坩堝の壁と接触している、装填物の残余より熱くないだけでなく活性も低い装填物の固化層の保存を確実にする。ここで、セラミックコーティングは作られた時点で多孔質であるので、それらが受ける熱衝撃により、ひび割れや貫入さえ起こしがちである。この多孔性は、ガラス固化で発生したガスや、とりわけ、セラミック層のガラスの上に時々大量に存在し、一方では層の電気剛性を減少させ、他方では基板の腐食を招くおそれのある液体を浸透させる。このセラミック層は、なくなるまで剥がれ落ちる可能性がある。
セラミック層の厚さを増大させると、その開放気孔率及び誘電剛性を増大させる。しかしこれは、装填物と冷却されたセクターとの間で遭遇する高い温度勾配と、特に、厚いセラミック層を破壊し得る、セクターの垂直方向に沿って対応する熱膨張差とのため、ここでは適切でない。
純粋なセラミックの代わりに、ガラスとセラミックとの混合物から成るコーティングへも関心が寄せられた。溶射の間にセラミックの隙間に充填してその多孔率を減少させる、又は、ガラスに粘性を与えることにより、続く一部の焼なまし処理で多孔率をさらに減少させるためのガラスの低い融点からは、利益を得られるものと予測されていた。また、基板のうちより高い膨張係数に近い、コーティングの全体の膨張係数を得るには、セラミックの係数より高いその膨張係数からも、利益を得られるものと予測されていた。
発明者らの研究によって確認された、本発明以前の研究では、多孔率を減少させるという目的はどうしても達成し難かったことが立証されている。
マンフレディーニの研究(非特許文献1)により、更に、セラミック基板に対して粘性を有するガラスの浸透によって、コーティングの構造の再構成をすると推測されていた1000℃の熱処理は、実際には、コーティングの多孔率及びその機械的強度に対していかなる影響も持たず、有害でさえあり得るということが立証されている。理由は、準安定性のガンマ相から、準安定中間体のデルタ及びカッパ状態を経て、安定したアルファ相へと収縮するセラミック(アルミナ)の相変態と、コーティングに閉じ込められた気泡の膨張である。約80%のアルミナと約20%のガラスの内容以外には、コーティングの機械的強度が低下していることが判った。
このような熱処理法の、同質な、但しステンレススチール基板に堆積されたコーティングへの応用は、発明者らが気付いたところでは、また別の有害な作用を持つ可能性がある。有害な作用とはすなわち、ガラスと酸化還元化学反応することにより、基板の鉄が酸化し、ガラスがその酸化物の一部の減少を経て腐食することによる、コーティングの結合及び強度に破滅的結末を伴う、基板の酸化である。
チャンの研究にもまた言及がなされるかもしれない。非特許文献2は、複合コーティングへの内部圧力は、ガラス転移点が低く線膨張率の高いガラスを選択することにより緩和される可能性があることを教示している。500℃以下のガラス転移点を持つガラスが考えられる。しかし、コーティングの多孔率に対する作用については言及されておらず、また、発明者らは、これらの試験を再現することによって、いかなる作用もなかったこと、また、コーティングの顕微鏡構造もまた認め得るほどの修正はされなかったことを立証することができた。
特許文献2は、非晶質母材で覆われた堅い粒子から成る砥粒を開示している。このコーティングは、プラズマ溶射され、例えば1300度の高温の熱処理を受けている。
特許文献3は、ガラス状物質及び結晶物質の複合コーティングを開示している。この結晶化は、1100℃から、少なくとも1200℃の熱処理後に生じる。
本発明の目的は、従って、絶縁耐力と、腐食及び熱に対する耐性について通常の必要条件を満たすが、溶融された装填物に存在する液体の浸透を促進する過度の開放気孔率の欠点を含まない、冷却された坩堝の壁の金属製セクターのコーティングを提案することにある。
このコーティングは、さらに、取り扱われる廃棄物によって決まる、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、モリブデン酸塩など、遭遇する化学物質に耐えなくてはならない。放射性廃棄物への最新の応用では、コーティングはその放射能にも耐えなければならない。最後に、勿論、コーティングはそれが覆う基板と物理的にも化学的にも相性が良くなければならない。すなわち、コーティングは基板になんとか接着し、基板とあまり違わない熱膨張を有し、基板に対して反応しないことが必要である。
誘導炉のこの技術分野における従来のコーティングはセラミックであり、特にアルミナ、ムライト、アルミナ‐ルチル、又は別の素材である。これらのコーティングを施す方法は、通常はプラズマ溶射である。プラズマ溶射により入念に作られた層は、その体積全体に、開放され相互に連通した気孔を有する。
最も一般的な形態の本発明は、ガラス固化坩堝の鋼鉄製のセクターをコーティングする方法に関する。その方法は、ガラスとセラミックとの混合物をセクターに塗布すること、その混合物を熱処理にかけること、その混合物が、50%から70%の量の650℃以下のガラス転移点を持つガラスと、30%から50%の量のセラミックで構成されること、また、熱処理は、混合物の鋳込み温度以上であって650℃から850℃の間に含まれる最高温度で行われること、から成ることを特徴とする。
従って本発明は、コーティングの特定の構成と低い熱処理温度とが組み合わされ、しかもガラス転移点が同様に低いガラスをコーティングに結びつけているところにある。
プラズマ溶射後の、すべての体積全体にわたり開放し互いに連通した気孔は、熱処理によって完全に除去される。後者(熱処理)はガラスに粘性を与え、コーティングの多孔構造を圧縮する。しかし、コーティングに閉じ込められた空気が膨張することで、閉じた気孔を持つことになるので、コーティングの密度は高くない。この気孔は、コーティングの中で偏在しており、化学種を浸透させず、力学的性質に対して有害ではないので、コントロールされていれば、当然問題ではない。
混合物の量に対して30%のセラミックと70%のガラスという構成は、よい結果をもたらしている。
第一態様によれば、本発明はコーティングの構成に関する。ガラスは約50%から70%の間に含まれる質量比率を有し、残りはセラミックである。セラミックは、コーティング及び、層間剥離又は熱膨張差によって生じる小剥れに対する耐性性能をもつガラスに、力学的強度を与える。異なる配分では、特にガラスとセラミックが等量の場合には、とりわけコーティングされた部分の境界において耐剥離性はとても低くなる。それはコーティングの微細構造の不均質性によって説明され得る。セラミックの占める割合が多いと、コーティングは基本的にはガラスとセラミックの、おそらくは結合の弱い交代層を有する薄板状の構造を持つようになる。本発明の比率では、コーティングは、分離されたセラミック粒子を取り囲む、連続的なガラス母材の形態をとる。ガラス母材は、求める結合をコーティングに与え、セラミック粒子はさらに、求める機械的強度を確実にするコーティングによりもたらされる圧力の結果として、母材中に生じる微小亀裂を停止させる可能性を与える。
第二態様では、本発明はコーティングに適用される熱処理に関する。高熱処理(1000℃近い)を用いて行われる先行技術の研究では、コーティングの多孔率の減少を認めない。しかし、発明者らはこの目的を達成することができ、また以下の条件によって定められる温度の範囲を発見した。
a)まず第一に、コーティングの細孔へのガラスの浸透が起こるように、混合物は粘性でなければならない。これは、混合物中にセラミックが存在するためにガラスのガラス転移点より若干高い、混合物の鋳込み温度で起き、その温度は混合物の雫が散開する温度を観測することにより発見することができる。
b)次に、コーティングと基板との間の接合部分において熱処理温度を中程度のままにする基板の酸化を避けるべきである。
c)コーティングに閉じ込められた気泡の膨張により、またセラミックの状態の変化により、新たな気孔を生むことを避けるために、その温度はまた、実際のコーティングでは中程度にとどめるべきである。
その試験は、ガラスによる、関連する鋼鉄の酸化が約550℃で始まるが、その進行は650℃又はそれ以上ではもっと速いことを立証した。上記の約650℃の温度で行う、コーティング及び基板間の接合部分における加熱工程には、短時間しか耐えられないので、低温で加熱することが望ましい。
満足できる種類の熱処理は、温度の指示範囲の頂点近くの比較的高温での艶出しを備え、空気中での焼入れと、この範囲の下の方の、又は同じく明らかに低い温度での焼きなましが続けて行われる。艶出しは、コーティングの自由表面の溶融を行い、焼きなましは、内部応力を解消する間、基板を酸化させない目的でコーティングの基部を改善する。艶出しは短く、数分間、長くても約15分間続き、約750℃から850℃の間で行うことができる。
艶出しが行われた場合、コーティングに供給された熱の一部は、後者(コーティング)の基部の加熱にもまた使われることになるので、焼きなましは650℃以下の温度で、又は例えば500℃以下で、すなわち、ガラスのガラス転移点の近くで行われてもよい。この焼きなまし工程は少なくとも1時間、可能ならもっと長い時間続く。
満足のいく別の熱処理は、その持続時間については焼きなましに似ているが、艶出し工程を含まず、ここでは焼きなまし用と考えられる温度よりも高い温度、具体的には、約650℃から750℃を含む温度範囲で、独立して行われる。基板の腐食を避けなければならないので、これは不活性雰囲気下で進められるべきである。
本発明は、特に、基板が急速に酸化してしまう温度でコーティング表面を熱しなくてはならないという矛盾を解決することにより、設計されている。
I)1゜)従って、熱処理の選択についてさらに自由度を与え、従ってより容易に好結果を得られるとここで考えられるコーティングに加えるには、ガラス転移点Tgが約650℃以下、望ましくは約500℃以下のガラスの選択へと導かれる。
2゜) 次に考慮されなければならない熱処理は、以下の条件に従う。
a) これらの熱処理のうち最初のものは、表面の、又はコーティング全体の溶融を得るための艶出し加工、すなわち強く短い加熱から成り、空気中での焼入れへと続く。焼入れで生じる熱応力を緩和するために、艶出し加工は、基板の酸化を生じない温度での焼きなましをしながら続けられる。この温度は、500℃のガラス転移点に対して通常は550℃以下である。艶出し加工は数分間続き、焼きなましは数時間続く。艶出し加工はガラス転移点の3/2倍に近い温度で行われ、その温度はここでは800℃から850℃の間に含まれてもよい。
b) 従来の処理法による、艶出し加工と焼きなましの中間温度に単独の水平状態を有する熱処理には、別の可能性がある。この中間温度は650と700℃の間に達してもよい。基板の酸化及びコーティング中での気泡の増大は避けるべきなので、密閉された囲いの中で作業することが推奨される。基板とコーティングとの間の酸化還元反応は完全には止まらないので、これらの熱処理は過度に長引かせるべきではない。
3゜)他の要因の影響についてもここで言及される。
a)コーティングを施す方法は、プラズマ溶射、凝集と乾燥、及びジェルの塗布による処理であってもよい。使用される粉末は、均質で球状の微粒子(直径約45μm以下)から成ることが望ましい。
b)セラミックは、アルミナ、ムライト、とりわけアルミナ‐ルチルであってもよい。
c)ガラス転移点の低いガラスは、普通の工業用ホウケイ酸ガラスであってもよい。
d)セラミックの溶射前に、基板に副層を塗布する可能性は存在する。コーティングの基板との密着性の向上のために、副層が使用されてもよい。ニッケル基合金は、鋼鉄とセラミックとの間に一般的な副層を作るが、亜硝酸化合物に対する耐化学性の低さのためにここでは放棄される。副層はもはやニッケル合金のように、基板及びコーティングの中間の膨張係数を持たないので、意外にも、均質な副層を基板へ施すこと(特に、ステンレススチールを違う鋼種のステンレススチールへ)は、熱膨張係数の不適合にもかかわらず、よい結果をもたらすことが判った。また、優れた接着抵抗は、基板に比べて大きな、副層の粗さのせいである。副層は、コーティングのようにプラズマ溶射されることが有利である。それは、基板以外の鋼種(例えばそれぞれ316Lや304L)でもよい。
II)ここでは、その結果が本発明の個々の実施例を十分に表す、いくつかの試験について説明される。それらはすべて、質量30%のアルミナと質量70%のガラスとの混合物で行われた。このガラスは、ガラス転移点が470℃、熱膨張係数が14.47×10−6、粒径が32と45マイクロメートルの間、密度が2.626の、エスコール銘柄の工業用ガラスである(データは製造元による)。このガラスの2つの主要な特性は、低いガラス転移点と高い膨張係数であるが、その耐酸性もまた実用において評価されている。混合物は、直径25ミリメートル、厚さ6ミリメートル、その端部に45゜の簡単な面取り(1×1mm)が施されている、ステンレススチール304Lの円形の試料に塗布された。混合物の鋳込み温度、つまり重力の影響によって拡がり、従って細孔に浸透することができる温度は、およそ640℃である。
1゜)最初の満足な試験は、コーティングを800℃で5分間艶出し加工した後、空気中で焼入れをし、次に480℃で1時間、酸性雰囲気の中で焼きなましをすることから成る。中間の水平期が観察された。工程の終わりには、申し分なく均質で、接着したコーティングが試料上にあるのがわかった。
2゜)2番目の試験は、おおむね同じやり方で行われたが、艶出し加工については少し違った温度(850℃)で、5分という同じ持続時間、いかなる中間水平期もなしで行われた。焼きなましの後、480℃から100℃への冷却が1時間以内で徐々に行われた。エッジ効果の減少がまだ大きいために、部品の外観はさらに良い。
類似した、但し焼きなまし工程を含まない比較試験は、試料の端部付近のコーティングの完全除去を招く重大な層間剥離と、他の場所への粗さの重大な増加のために、粗末な結果をもたらした。また、焼きなまし工程を含むが、アルミナ比率を大きくした他の比較試験では、アルミナの重さ40%から、端部において重大な層間剥離を示し始めた。
3゜)3番目の満足のいく試験は、アルゴン雰囲気下で、試料とコーティングを700℃で1時間、1分毎に5℃ずつ温度を上昇させる熱処理にさらすことで行われた。ここでもまた、比較試験が行われた。混合物の構成の中のアルミナ比率の増大は、先行する試験の条件よりも、更に著しい剥離をもたらした。反復試験は、同じ構成のコーティングで、但し酸性雰囲気下で行われた。すると、基板の酸化によるコーティングの化学的変質が見られた。
これら3つの主要な試験は、良い外観で、乾燥及び多湿の(アルカリ塩)媒体において、50ヘルツでは1200ボルトの絶縁破壊電圧に対して抵抗するコーティングをもたらした。
他の試験では、650℃の温度で5時間、続いて焼きなましが480℃で30分間行われた。すべての場合において、開放及び交差多孔率は減少したが、基板反応はそれ自体の酸化のほかに、内部に生じる気泡の増大も招いている。

Claims (8)

  1. ガラス固化坩堝の鋼鉄製セクターをコーティングする方法であって、
    ガラスとセラミックとの混合物をプラズマ溶射によってセクターの鋼鉄に塗布すること、及び、得られたコーティングを熱処理にさらすことから成り、
    該混合物は、50%から70%の、650℃以下のガラス転移点を有するガラスと、30%から50%のセラミックの質量組成を有し、
    該熱処理は、混合物の鋳込み温度より高く、かつ650℃から850℃の間に含まれる、最高温度で行われることを特徴とする、
    ガラス固化坩堝の鋼鉄製セクターをコーティングする方法。
  2. 前記熱処理は、750℃から850℃の間で、長くても15分間の持続時間で行われる艶出しであり、さらにガラスのガラス転移点に近い温度で行われる焼きなましを含むことを特徴とする、請求項1に記載の、坩堝のセクターをコーティングする方法。
  3. 前記ガラスは500℃以下のガラス転移点を持つことを特徴とする、請求項2に記載の、坩堝のセクターをコーティングする方法。
  4. 前記熱処理は、650℃と750℃との間で、不活性雰囲気下で行われる、単一の段階を含むことを特徴とする、請求項1に記載の、坩堝のセクターをコーティングする方法。
  5. 焼きなまし又は単一の熱処理段階は、少なくとも1時間続くことを特徴とする、請求項2又は3に記載の、坩堝のセクターをコーティングする方法。
  6. 前記混合物の質量組成は、30%のセラミックと70%のガラスであることを特徴とする、請求項1に記載の、坩堝のセクターをコーティングする方法。
  7. 前記ガラスとセラミックとの混合物の塗布の前に、プラズマ溶射によりステンレススチールの複層を基板に施すことを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の、坩堝のセクターをコーティングする方法。
  8. 前記セラミックは、アルミナ、ムライト、アルミナ‐ルチルの中から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の、坩堝のセクターをコーティングする方法。
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