JP2012504574A - M1受容体において活性を有する化合物およびその医薬における使用 - Google Patents

M1受容体において活性を有する化合物およびその医薬における使用 Download PDF

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Abstract

式(I)の化合物またはその塩を提供する(式中、R、R、R、R、Q、A、Y、およびnは、明細書で定義されているとおりである)。精神病性障害、認識機能障害、およびアルツハイマー病を治療するための医薬として、ならびに、前記医薬の製造において、前記化合物を用いることを開示する。本発明はさらに、前記化合物を含んでなる医薬組成物を開示する。

Description

発明の背景
技術分野
本発明は、新規化合物、それらを含有する医薬組成物、ならびに、治療において、特に、抗精神病薬として、統合失調症に付随する認識機能障害の治療薬として、およびアルツハイマー病治療薬としてそれらを使用することに関する。
背景技術
ムスカリン性アセチルコリン受容体は、中枢神経系および末梢神経系の両方において神経伝達物質アセチルコリンの作用を媒介するGタンパク質共役受容体スーパーファミリーのメンバーである。5種のムスカリン受容体サブタイプ:M〜Mがクローン化されている。ムスカリンM受容体は、大脳皮質および海馬で主に発現するが、その末梢、例えば外分泌腺でも発現する。
中枢神経系におけるムスカリン受容体、特にMは、高次の認知処理を媒介する際に重要な役割を果たす。認識機能障害に付随する疾患(アルツハイマー病など)は、前脳基底部におけるコリン作動性ニューロンの消失を伴う。さらに、動物モデルにおいては、中枢コリン作動性経路の遮断または損傷は、重度の認識障害をもたらす。
コリン補充療法は主に、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬を用いて内因性アセチルコリンの分解を予防することに基づいている。これらの化合物は、臨床において、症候性認識低下に対する効能を示しているが、末梢ムスカリン受容体の刺激に起因する副作用(胃腸運動障害および悪心を含む)を引き起こす。
統合失調症のドーパミン仮説では、過度のドーパミン作動性刺激が、統合失調症の陽性症状に関与するので、精神病症状を低下させるのにドーパミン受容体アンタゴニストを利用することが示唆されている。しかしながら、従来のドーパミン受容体アンタゴニストは、患者において、振せんおよび遅発性ジスキネジアを含む錐体外路系副作用(EPS)を引き起こすことがある。
受容体アゴニストは、認識低下の対症療法として模索されてきている。最近になって、ムスカリン受容体アゴニストが、前臨床パラダイムの範囲で非定型抗精神病薬のようなプロファイルを示すことを多くのグループが示している。ムスカリン性アゴニストのキサノメリンは、ラットにおけるアンフェタミン誘発性移動、マウスにおけるアポモルヒネ誘発性クライミング、片側6−OH−DA破壊ラットにおけるドーパミンアゴニスト駆動性回転、およびサルにおけるアンフェタミン誘発性運動過多(EPS易出現性を伴わず)を含む多数のドーパミン駆動性行動を逆転させる。また、A9ではなくA10、ドーパミン細胞発火、および条件回避を阻害することも示されており、ラットにおいて、前頭前皮質および側坐核ではc−fos発現を誘発させるが、線条体では誘発させない。これらのデータはいずれも、非定型抗精神病薬のようなプロファイルを示唆している。
キサノメリンはまた、アルツハイマー患者における不信感、幻覚、および妄想のような精神病症状を低下させることが示されてきたと共に、その後、統合失調症患者における小規模フェーズII試験にて評価されてきており、PANSSが改善されると共に、認識の読み出し(readout)においてプラセボと異なる傾向を示した。しかしながら、この化合物の比較的非選択的な性質は、用量を制限する末梢コリン作動性副作用を引き起こす。
βアミロイドの過剰産生は、アルツハイマー病(AD)における重大な病原イベントであり、M受容体アゴニストが、βアミロイドの前駆体であるβ−APPのプロセシングを調節して、sAPPα(非アミロイド産生性)の産生を増加させることを示すデータが公開されている。その後の研究では、このイベントは、βアミロイドの分泌の低下を伴うことが立証されている(概説については、Current Opinion in Investigational Drugs, 2002, 3 (11), 1633-1636を参照されたい)。これに加えて、最近になって、M受容体アゴニストが、インビボにおいて、非アミロイド産生経路でのAPPのプロセシングに影響を及ぼしうることが報告されている(Neuron, 2006, 49, 671-682)。したがって、M選択的アゴニストには、ADの治療において予防的役割/疾患修飾的役割を果たす可能性がある。
特定のM受容体アゴニストは、例えば国際公開第WO2007/036715号、および同第WO2007/036718号において知られている。本発明者らは、M受容体アゴニストである化合物の新規グループを見出した。
したがって、第一の態様においては、本発明は、下記の式(I)の化合物またはその塩を提供する:
Figure 2012504574
〔上記の式において、
・R、RおよびRは独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、−C(=NO C1−6アルキル)C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、および−C(O)NRから選択され、
・RとRはそれぞれ独立して、水素およびC1−6アルキルから選択されるか、またはそれらが結合する窒素原子と共に、ピロリジン環もしくはピペリジン環を形成し、
・環Aは、ベンゼン環、または1つもしくは2つの窒素原子を含む6員の芳香族複素環であり、
・Qは、水素およびC1−6アルキルから選択され、
・nは、1、2および3から選択され、
・Rは、C1−6アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキル、およびC3−6シクロアルキルから選択され、
・Yは、O、S、CH、CHF、CF、CHMe、C(Me)、CHCH、OCH、およびCHOから選択される〕。
発明の具体的説明
本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、特定数の炭素原子を含む直線状または分岐炭化水素鎖を指す。例えば、「C1−6アルキル」は、少なくとも1つかつ最大6個の炭素原子を含む直線状または分岐アルキルを意味する。「C1−6アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソブチル、イソプロピル、t−ブチル、および1,1−ジメチルプロピルが挙げられるが、これらに限らない。「C1−4アルキル」は、少なくとも1つかつ最大4個の炭素原子を含む直線状または分岐アルキルを意味する。「C1−4アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、イソプロピル、およびt−ブチルが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「アルコキシ」という用語は、「O−アルキル」であって、その「アルキル」が上で定義したとおりであるものを指す。例えば、「C1−6アルコキシ」は、少なくとも1つかつ最大6個の炭素原子を含む直線状または分岐アルコキシ基を意味する。本発明で用いられる「C1−6アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロプ−2−オキシ、ブトキシ、ブタ−2−オキシ、1−メチルエチル−オキシ、2−メチルプロプ−1−オキシ、2−メチルプロプ−2−オキシ、ペントキシ、またはヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、特定数の炭素原子を含む非芳香族炭化水素環を指す。例えば、「C3−6シクロアルキル」は、少なくとも3個かつ最大で6個の環炭素原子を含む非芳香族炭素環を意味する。本発明で用いられる「C3−6シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」(または省略形の「ハロ」)という用語は、フッ素(「フルオロ」または「F」と略される場合もある)、塩素(「クロロ」または「Cl」と略される場合もある)、臭素(「ブロモ」または「Br」と略される場合もある)、およびヨウ素(「ヨード」または「I」と略される場合もある)という元素を指す。ハロゲンの例は、フッ素、塩素、および臭素である。
本明細書で使用する場合、「C1−6アルキルスルホニル」という用語は、SO−C1−6アルキル(式中、C1−6アルキルは上で定義したとおりである)という基を指す。本発明で用いられる「C1−6アルキルスルホニル」の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、およびヘキシルスルホニルが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「C1−6アルカノイル」という用語は、−C(O)C1−6アルキル(式中、C1−6アルキルは上で定義したとおりである)という基を指す。本発明で用いられる「C1−6アルカノイル」の例としては、メタノイル、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、およびヘキサノイルが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「C1−6アルコキシC1−6アルキル」という用語は、C1−6アルキル−O−C1−6アルキル(式中、C1−6アルキルは上で定義したとおりである)という基を指す。本発明で用いられる「C1−6アルコキシC1−6アルキル」の例としては、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル、メトキシペンチル、メトキシヘキシル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキシブチル、エトキシペンチル、およびエトキシヘキシルが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「置換された」という用語は、指定された1つの置換基または複数の置換基での置換を指し、別段の定めのない限り、多様な置換度が可能である。例えば、所与の置換基には、1、2、または3個の置換基が存在してよい。例えば、Rは、C1−6アルキル基である場合、1、2、3、または4個のフルオロ基によって置換されていてもよく、Rは、C1−6アルコキシ基である場合、1、2、3、または4個のフルオロ基で置換されていてもよい。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、−C(=NOC1−6アルキル)C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルキル、シアノ、C1−4アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、−C(=NOC1−5アルキル)C1−5アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−2アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキル、シアノ、C1−2アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−2アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルコキシ、C1−2アルカノイル、−C(=NOC1−2アルキル)C1−2アルキル、C1−2アルコキシC1−2アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素およびハロゲンから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素およびフッ素から選択される。
一つの実施態様では、Rは水素である。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、−C(=NOC1−6アルキル)C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルキル、シアノ、C1−4アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、−C(=NOC1−5アルキル)C1−5アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−2アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキル、シアノ、C1−2アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−2アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルコキシ、C1−2アルカノイル、−C(=NOC1−2アルキル)C1−2アルキル、C1−2アルコキシC1−2アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素およびハロゲンから選択される。
一つの実施態様では、Rは水素およびフッ素から選択される。
一つの実施態様では、Rは水素である。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、−C(=NOC1−6アルキル)C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルキル、シアノ、C1−4アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、−C(=NOC1−5アルキル)C1−5アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1−2アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキル、シアノ、C1−2アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−2アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルコキシ、C1−2アルカノイル、−C(=NOC1−2アルキル)C1−2アルキル、C1−2アルコキシC1−2アルキル、および−C(O)NRから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、C1−2アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキル、およびシアノから選択される。
一つの実施態様では、Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、およびシアノから選択される。
一つの実施態様では、Rはシアノである。
一つの実施態様では、Rは、C1−4アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−4アルキル、およびC3−6シクロアルキルから選択される。
一つの実施態様では、Rは、C1−2アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−2アルキル、およびC3−6シクロアルキルから選択される。
一つの実施態様では、Rはメチルである。
一つの実施態様では、Yは、O、S、CF、C(Me)、CHCH、OCH、およびCHOから選択される。
一つの実施態様では、Yは、O、S、CHCH、OCH、およびCHOから選択される。
一つの実施態様では、YはOである。
一つの実施態様では、Aはベンゼン環である。
一つの実施態様では、Qは、水素およびC1−4アルキルから選択される。
一つの実施態様では、Qは、水素およびC1−2アルキルから選択される。
一つの実施態様では、Qは、水素およびメチルから選択される。
一つの実施態様では、Qは水素である。
一つの実施態様では、nは、1または2から選択される。
一つの実施態様では、nは1である。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は、下記の式(Ia)の化合物である:
Figure 2012504574
〔上記の式中、R、R、R、R、n、Y、およびQは、上で定義したとおりである〕。
一つの実施態様では、式(I)の化合物であって、式中、Rが水素であり、Rが水素であり、Rがシアノであり、Aがベンゼン環であり、QがHであり、Rがメチルであり、nが1であり、Yが0である化合物と、その塩を提供する。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物であって、式中、Rが水素であり、Rが水素であり、Rがシアノであり、QがHであり、Rがメチルであり、nが1であり、Yが0である化合物である。
本発明は、前述の特徴および実施態様のすべての組み合わせにまで及ぶことは明らかであろう。
式(I)のすべての特徴および実施態様は、変更すべきところを変更して、式(Ia)の化合物に適用する。以下では、式(I)の化合物について言及した場合には必ず、式(Ia)の化合物が含まれる。
一つの実施態様では、式(I)の化合物の塩は、製薬学的に許容される塩である。一つの実施態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその製薬学的に許容される塩を提供する。
医薬中で用いるためには、式(I)の塩は、製薬学的に許容可能であるべきであることは明らかであろう。好適な塩は当業者には明らかであろう。好適な塩としては例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、スルファミン酸、リン酸、ヨウ化水素酸、リン酸、またはメタリン酸のような無機酸と形成される一塩基性塩または二塩基性塩、ならびに、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸、およびアリールスルホン酸、例えば、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,3−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸のような有機酸と形成される一塩基性塩または二塩基性塩が挙げられる。他の製薬学的に許容可能でない塩、例えばシュウ酸塩は、例えば式(I)の化合物の単離に用いてもよく、本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物のうちの特定の化合物は、1当量未満(例えば、0.5当量の二塩基酸)または1当量以上の酸と酸付加塩を形成することができる。本発明は、その範囲内に、すべての考え得るその化学量論的および非化学量論的形態を含む。
本発明の化合物は、その遊離塩基またはその製薬学的に許容される塩、特に、塩酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、または4−メチルベンゼンスルホン酸塩の形態であってよい。
一つの実施態様では、製薬学的に許容される塩は、塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、またはギ酸塩である。
一つの実施態様では、製薬学的に許容される塩は塩酸塩である。
式(I)の化合物の溶媒和物、および式(I)の化合物の塩の溶媒和物は、本発明の範囲内に含まれる。本明細書で使用する場合、「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明では、式(I)の化合物またはその塩)と溶媒によって形成される可変の化学量の錯体を指す。多数の有機化合物が、それらを反応させるかまたはそれらを沈殿もしくは結晶化させる溶媒と上記の錯体を形成できることは、有機化学分野の者であれば分かるであろう。本発明の目的における上記のような溶媒は、溶質の生物活性を妨げないものであってよい。好適な溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、および酢酸が挙げられるが、これらに限らない。用いる溶媒は、製薬学的に許容される溶媒であるのが好ましい。好適な製薬学的に許容される溶媒の例としては、水、エタノール、および酢酸が挙げられるが、これらに限らない。用いる溶媒は水であるのが最も好ましい。用いる溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物とも称される。
式(I)の化合物の特定の保護誘導体(最終的な脱保護段階の前に生成することができる)は、それ自体は薬理活性を有さない場合もあるが、場合によっては、経口または非経口投与の後に体内で代謝されて、薬理活性のある本発明の化合物を形成する場合があることは、当業者であれば分かるであろう。したがって、このような誘導体は、「プロドラッグ」として記載してよい。さらに、本発明の特定の化合物は、本発明の他の化合物のプロドラッグとして作用してもよい。本発明の化合物のすべての保護誘導体およびプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物に適した保護基の例は、Drugs of Today, Volume 19, Number 9, 1983, pp 499-538、Topics in Chemistry, Chapter 31, pp 306-316、および“Design of Prodrugs” by H. Bundgaard, Elsevier, 1985, Chapter 1に記載されている(これらの文書の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。さらに、例えばH.Bundgaardが「Design of Prodrugs」(この文書の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載しているように、適当な官能基が本発明の化合物中に存在する場合には、当業者に「プロ部分」として知られている特定の部分をその適当な官能基上に置くことができることは、当業者であれば分かるであろう。本発明のいくつかの化合物の考え得るプロドラッグとしては、エステル、カルボン酸エステル、ヘミ−エステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カルバミン酸塩、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタール、およびケタールが挙げられる。
式(I)の化合物またはそれらの塩は、1種超の形態で結晶化する能力を有する場合がある。これは、多形性として知られている特徴であり、このような多形形態(「多形体」)は、式(I)の範囲内であることが分かる。多形性は一般に、温度もしくは圧力またはこの両方の変化に対する反応として生じることができると共に、結晶化プロセスの変化の結果として生じることができる。多形体は、X線回折パターン、溶解度、および融点など、当該技術分野において既知の種々の物理的特徴によって識別することができる。
以下では、本発明のいずれかの態様(化学的プロセスにおける中間体を除く)で定義されている式(I)の化合物(溶媒和形態または非溶媒和形態のいずれか)、またはその製薬学的に許容される塩(溶媒和形態または非溶媒和形態のいずれか)もしくはそのプロドラッグは、「本発明の化合物」と称する。
また、本発明は、本発明の化合物のすべての好適な同位体変形形態も含む。本発明の化合物の同位体変形形態は、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが、自然界で通常見られる原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられたものとして定義する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、および塩素の同位体(それぞれH、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、および36Clなど)が挙げられる。本発明の特定の同位体変形形態、例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化同位体、すなわち、Hおよび炭素−14、すなわち、14Cは、それらの調製および検出のしやすさから、特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHのような同位体との置換は、代謝安定性がより大きいことから生じる特定の治療的利点、例えば、インビボ半減期の延長または必要用量の減少をもたらすことができるので、状況によっては好ましい場合がある。発明の化合物の同位体変形形態は一般に、従来の手順によって、例えば、実例的な方法によって、または後述の実施例に記載されている調製法によって、好適な試薬の適当な同位体変形形態を用いて調製することができる。
式(I)の化合物が、シスまたはトランス異性体(ピペリジン置換基に関するシクロヘキサン環上の(CHOR)で存在できることは明らかであろう。
シス形は、下記の異なる方法で示すことができるが、いずれも、同じ異性体を表していることは明らかであろう。
Figure 2012504574
トランス形は、下記の異なる方法で示すことができるが、いずれも、同じ異性体を表していることは明らかであろう。
Figure 2012504574
個々の異性体(シスおよびトランス)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。これらの異性体は、常法によって、または後述の実施例の化合物について詳述されている方法によって、相互に分離させてよい。また、いずれかの所与の異性体は、立体特異的合成法によって得てもよい。また、本発明は、いずれの互変異性体およびその混合物にまで及ぶ。
シスおよびトランス化合物の混合物、またはシス/トランス配座が確定されていない化合物は、本明細書では下記のように示される。
Figure 2012504574
本発明の化合物としては、
3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、
3−(1−{トランス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、
3−(1−{シス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、
およびこれらの塩
が挙げられる。
一つの実施態様では、本発明の化合物は、3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、またはその塩である。
一つの実施態様では、本発明の化合物は、3−(1−{トランス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、またはその塩である。
一つの実施態様では、本発明の化合物は、3−(1−{シス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、またはその塩である。
一つの実施態様では、上に列挙されている化合物の塩は、製薬学的に許容される塩である。
一つの実施態様では、上記の塩は、塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、またはギ酸塩である。
一つの実施態様では、上記の塩は塩酸塩である。
一つの実施態様では、本発明の化合物は、
3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル塩酸塩、
3−(1−{トランス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル塩酸塩、および
3−(1−{シス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル塩酸塩
から選択される。
一つの実施態様では、本発明の化合物は、3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル塩酸塩である。
一つの実施態様では、本発明の化合物は、3−(1−{トランス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル塩酸塩である。
一つの実施態様では、本発明の化合物は、3−(1−{シス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル塩酸塩である。
さらなる態様では、本発明は、Q=Hである式(I)の化合物を調製するための一般的プロセス(A1)であって、
下記の式(II):
Figure 2012504574
の化合物を、下記の式(III):
Figure 2012504574
の化合物とカップリングさせることを含んでなるプロセスを提供する。
上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、YはO、S、1つもしくは2つのフッ素原子で置換されていてもよいCH、1つもしくは2つのメチル基で置換されていてもよいCH、CHCH、OCH、またはCHOである。
上記の反応は、還元的アルキル化に適した条件下で行う。還元的アルキル化反応は典型的には、ジクロロエタン中のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを用いて、任意でトリエチルアミンの存在下で、かつ任意でテトライソプロポキシチタンの存在下で行う。あるいは、メタノールまたはエタノールのような溶媒中で、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを還元試薬として用いることができ、あるいは、パラジウム触媒を用いて、接触水素化条件下で還元的アルキル化を行うこともできる。さらなる変形形態では、化合物(II)および(III)を脱水条件下、例えば分子ふるいまたは硫酸マグネシウムで濃縮することができ、得られたイミンまたはエナミンを、例えば水素化ホウ素ナトリウムを用いて、または接触水素化によって還元することができる。
QがC1−6アルキルである場合には、一般的なプロセス(A1)の修正が必要である。したがって、一般的なプロセス(A2)では、シアン化物源、例えばアセトンシアノヒドリンの存在下で、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて、シアノ中間体(IV)を形成させることができ、この中間体をアルキルグリニャール試薬QMgXと反応させて、Q=C1−6アルキルである式(I)の化合物を形成させることができる。
Figure 2012504574
上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、YはO、S、1つもしくは2つのフッ素原子で置換されていてもよいCH、1つもしくは2つのメチル基で置換されていてもよいCH、CHCH、OCH、またはCHOであり、QはC1−6アルキルであり、Xはブロモまたはヨードまたはクロロである。
さらなる態様では、本発明は、Y=OまたはSである式(I)の化合物を調製するための一般的プロセス(B)であって、
下記の式(V):
Figure 2012504574
の化合物を、下記の式(VI):
Figure 2012504574
の化合物とカップリングさせることを含んでなるプロセスを提供する。
上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、YはOまたはSであり、Qは上で定義したとおりであり、XおよびX’はいずれも脱離基を表している。XとX’は同じであることも異なることもでき、例はCl、PhO、EtO、イミダゾールである。XとX’のいずれもClである場合(すなわちホスゲンである場合)、この試薬は、インサイチューで、例えばジホスゲンまたはトリホスゲンから生成させることができる。
上記の反応は、標準的な方法を用いて行う。例えば、不活性溶媒、例えばジクロロメタンまたはトルエン中で、任意でトリエチルアミンまたは炭酸カリウムのような塩基の存在下で、かつ任意で加熱しながら、アミン(V)を試薬(VI)と反応させる。
さらなる態様では、本発明は、Y=CHである式(I)の化合物を調製するための一般的プロセス(C)であって、Tet Lett 2001, 42, 6943に公開されている条件と同様の条件を用いて、下記の式(VII)の化合物を加水分解、脱カルボキシル化、および環化させることを含んでなるプロセスを提供する。
Figure 2012504574
上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Y’はCHであり、Qは上で定義したとおりであり、Rは、C1−6アルキル、ベンジル、またはその他の酸保護基を表している。
さらなる態様では、本発明は、Y=CHCHである式(I)の化合物を調製するための一般的プロセス(D)であって、
下記の式(VIII):
Figure 2012504574
の化合物を加水分解および環化させることを含んでなるプロセスを提供する。
上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Rは、C1−6アルキル、ベンジル、またはその他の酸保護基を表している。エステルCOの基の加水分解は、標準的な条件を用いて行うことができ、環化は、例えばEDCおよびHOBTを用いて、酸基を活性化させることによって行うことができる。
さらなる態様では、本発明は、Y=OCHである式(I)の化合物を調製するための一般的プロセス(E)であって、不活性溶媒、例えばTHF中で、任意で加熱しながら、下記の式(IX):
Figure 2012504574
の化合物をKOBuのような塩基で処理することを含んでなるプロセスを提供する。
上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Zは、ブロモまたはクロロのような脱離基である。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物を調製するための一般的プロセス(F)であって、下記の式(X):
Figure 2012504574
の化合物をパラジウムまたは銅触媒(XII)で処理して、分子内環化反応を起こすことを含んでなるプロセスを提供する。上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、YはO、S、1つもしくは2つのフッ素原子で置換されていてもよいCH、1つもしくは2つのメチル基で置換されていてもよいCH、CHCH、OCH、またはCHOであり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Zは、ブロモ、ヨード、クロロ、またはトリフラートのような脱離基である。
上記の環化反応は、文献(JACS, 2003, 125, 6653、Tet. Lett., 2004, 45, 8535、またはJACS, 2002, 124, 7421)に記載されているように、種々のパラジウムまたは銅触媒を用いて行うことができる。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物を調製するための一般的プロセス(G)であって、
下記の式(XIII):
Figure 2012504574
の化合物を、下記の式(XIV):
Figure 2012504574
の化合物とカップリングさせることを含んでなるプロセスを提供する。
上記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、YはO、S、1つもしくは2つのフッ素原子で置換されていてもよいCH、1つもしくは2つのメチル基で置換されていてもよいCH、CHCH、OCH、またはCHOであり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Zは、ヒドロキシ、またはクロロ、ブロモ、もしくはヨードのような脱離基、またはアルキル/アリールスルホン酸塩である。
上記のアルキル化反応は、古典的アルキル化(Z=脱離基)または光延反応(Z=OH)の条件下で行うことができる。古典的アルキル化の条件を用いて、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中の塩基(水素化ナトリウムなど)を用いて中間体(XIII)を脱プロトン化してから、任意で加熱しながら、アルキル化剤(XIV)で処理することができる。(XIII)とZ=OHである(XIV)との光延反応は、標準的な条件、例えば、室温で、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中のトリフェニルホスフィンおよびジエチルアゾジカルボン酸塩を用いて行うことができる。
6’のRへの変換、R5’のRへの変換、R4’のRへの変換、またはR、RおよびRの相互変換は、R6’について下に示されているように行ってよい。
例えば、R6’がハロゲンである場合、R6’は、銅触媒反応によって、アルコールを用いてアルコキシ基に、フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチルを用いてトリフルオロメチル基に、またはメタンスルフィン酸ナトリウムを用いてメチルスルホニル基に変換することができる。また、有機金属試薬、例えばアルキルスタンナンによってアルキル基に変換してもよい。
別の例としては、R6’がヒドロキシである場合、R6’は、ハロゲン化アルキルまたはスルホン酸アルキルとの反応によってアルコキシに変換してよく、あるいは、キサントゲン酸塩に変換してから、フッ素イオンの存在下で酸化させることによって、トリフルオロメトキシに変換してよい。
さらなる例としては、R6’がメチルである場合、R6’は、塩素化または臭素化してから、導入ハロゲンをフッ素に置換することによってトリフルオロメチルに変換してよい。
式(II)の化合物は、文献で一般的に知られているか、または例えば下記のような多種多様なプロセスによって調製することができる。
(a)アミン(XV)のケトン(XVI)との還元的アミノ化を行って、(XVII)を得てから、必要に応じて、Y’の脱保護を行い、ホスゲンまたはホスゲン等価物を用いて環化させ、標準的な文献の条件を用いてピペリジン窒素の脱保護を行う(スキーム1)(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Y’は、OHもしくはSHの基、またはY’に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基(例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)を表している)。
Figure 2012504574
式(IV)の化合物は市販されており、あるいは、標準的な方法によって調製することもできる。P=Bocである化合物(XVI)は市販されている。
(b)中間体(XVIII)を金属触媒によって環化させてから、ピペリジン窒素の脱保護を行う(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Yは、O、S、1つもしくは2つのフッ素原子で置換されていてもよいCH、1つもしくは2つのメチル基で置換されていてもよいCH、CHCH、OCH、またはCHOであり、Pは、窒素保護基(例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニル)を表しており、Zは、ブロモ、ヨード、クロロ、またはトリフラートのような脱離基を表している)。上記の金属触媒環化の反応条件は、プロセスFに要約されている。カルバメート、チオカルバメート、またはアミド(XVIII)は、スキーム2に記載されているように、この官能基を形成するための古典的方法のうちのいずれかを用いて調製することができる。式(XIX)および(XI)の化合物は市販されており、あるいは、既知の方法によって調製することができる。P=Bocである式(XX)の化合物は市販されている。
Figure 2012504574
(c)アミン(XX)と適切に置換した芳香族化合物(XXI)とを金属触媒によって反応させる(スキーム3)(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Y’は、OHもしくはSH、またはY’に変換可能な基であり、Pは、窒素保護基(例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニル)を表しており、Zは、ブロモ、ヨード、クロロ、またはトリフラートのような脱離基を表している)。このプロセスによって、式(XXII)の中間体を生成させ、その後の反応は、スキーム1における反応と同様である。式(XXI)の化合物は市販されており、あるいは、既知の方法によって調製することもできる。P=Bocである化合物(XX)は市販されている。
Figure 2012504574
(d)複素環(XIII)を中間体(XXIII)によってアルキル化して中間体(XXIV)を得てから、ピペリジン窒素の脱保護を行う(スキーム4)(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Yは、O、S、1つもしくは2つのフッ素原子で置換されていてもよいCH、1つもしくは2つのメチル基で置換されていてもよいCH、CHCH、OCH、またはCHOであり、Pは、窒素保護基(例えば、Boc、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニル)を表しており、Zは、ブロモ、ヨード、クロロ、またはメシラートのような脱離基を表している)。式(XIII)の化合物は市販されており、あるいは、既知の方法によって調製することもできる。
Figure 2012504574
式(V)の化合物は、例えば下記のような多種多様なプロセスによって調製することができる。
(e)アミン(XXV)をオルト置換芳香族化合物(XXI)と金属触媒によって反応させる(スキーム5)(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Y’は、OHもしくはSH、またはY’に変換可能な基であり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Zは、ブロモ、ヨード、クロロ、またはトリフラートのような脱離基を表している)。式(XXI)の化合物は市販されており、あるいは、標準的な方法によって調製することもできる。式(XXV)の化合物は、スキーム12および13に示されているように調製することができる。
Figure 2012504574
(f)例えばジクロロエタン中のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを用いて、アミン(XV)のピペリドン(XXVI)との還元的アルキル化を行って中間体(XXVII)を得てから、必要に応じて、Y’の脱保護を行う(スキーム6)(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Y’は、OHもしくはSH、またはY’に変換可能な基であり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりである)。式(XXVI)の化合物は、スキーム13および14に示されているように調製することができる。
Figure 2012504574
式(VI)の化合物は市販されており、例えば、カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸フェニル、炭酸ジエチルである。
Y’がCHである式(VII)の化合物は、スキーム7に示されているように調製することができる。
芳香族求核置換の標準的な条件を用いて、置換ニトロ化合物(XXVIII)をマロン酸塩(XXIX)に置換して(XXX)を得てから、ニトロ基を還元し、得られたアニリン(XXXI)のケトン(XXVI)との還元的アルキル化を行う(スキーム7)(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、RはC1−6アルキルまたはアリールアルキル基である)。
Figure 2012504574
式(VIII)の化合物は、スキーム8に示されているように調製することができる。
アルデヒド(XXXII)と適切なホスホノ酢酸塩とのウィッティヒ・ホーナー反応によって、ケイ皮酸塩(XXXIII)をもたらす。ニトロ基および二重結合の還元によってアニリン(XXXIV)をもたらしてから、還元的アルキル化を行って、(VIII)を得ることができる(スキーム8)(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、RはC1−6アルキル基またはその他の酸保護基である)。
Figure 2012504574
式(IX)の化合物は、スキーム9に示されているように調製することができる。
アミン(XXXV)のケトン(XXVI)との還元的アルキル化によって、中間体(XXXVI)をもたらしてから、標準的なアルキル化条件を用いて、この中間体を適切な酸塩化物でアシル化して、(IX)を得ることができる(下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、Qは上で定義したとおりであり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Zは、クロロまたはブロモのような脱離基である)。
Figure 2012504574
式(X)の化合物は、各種のプロセスによって、例えばスキーム10に示されているように、下記の操作によって調製することができる。
・標準的な条件を用いて、アルコール/チオール(XIX)およびアミン(XXV)をホスゲンまたはホスゲン等価物(ホスゲン等価物としては、カルボニルジイミダゾール、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸フェニルが挙げられる)と組み合わせるか、または
・アルコール/チオール(XIX)をイソシアネート(XXXVII)と反応させる。
下記の式中、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、R’は、上で定義したRの基、またはRに変換可能な基であり、環Aは上で定義したとおりであり、YはOまたはSであり、Zは、ブロモ、ヨード、クロロ、またはトリフラートのような脱離基であり、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりであり、Qは上で定義したとおりである。
イソシアネート(XXXVII)は、イソシアネートを形成するための標準的な方法を用いて、対応するアミン(XXV)から調製することができる。
Figure 2012504574
パラジウムと銅触媒(XII)は市販されており、あるいは、文献(プロセスFの文献参照)に記載されているように調製することもできる。
式(XIII)の化合物は市販されており、あるいは、文献のプロセスによって調製することもできる。
式(XIV)の化合物のうち、Q=Hであり、Zが、ヒドロキシ、またはクロロ、もしくはヨードのような脱離基、またはスルホン酸アルキル/アリールであり、nが上で定義したとおりであり、Rが上で定義したとおりである化合物は、スキーム11に示されているように、(XXXVIII)のケトン(III)との還元的アルキル化によって調製することができる(下記の式中、Z’は、Z、またはZに変換可能な基である)。ヒドロキシ基であるZ’のZ(=クロロまたはブロモ)への変換は、標準的な方法を用いて、例えば、塩化チオニルまたはトリフェニルホスフィン/四臭化炭素による処理によって、行うことができる。
Figure 2012504574
化合物(XXV)のうち、Q=Hであり、nが上で定義したとおりであり、Rが上で定義したとおりである化合物は、スキーム12に示されているように調製することができる。例えばジクロロエタン中のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを用いて、市販のアミン(XXXIX)のシクロヘキサノン(III)との還元的アルキル化を行うことによって中間体(XL)をもたらし、エタノール中のHClまたはトリフルオロ酢酸を用いて、この中間体の脱保護を行って、一級アミン(XXV)をもたらす。
Figure 2012504574
化合物(XXV)のうち、Qがアルキルであり、nが上で定義したとおりであり、Rが上で定義したとおりである化合物は、中間体(XXXIX)および(III)から、プロセスA2と同様の方法を用いてから、脱保護を行うことによって調製することができる。
あるいは、化合物(XXV)および(XXVI)のうち、Q=Hであり、nが上で定義したとおりであり、Rが上で定義したとおりである化合物は、スキーム13に示されているように調製することができる。例えばアンモニア溶液を用いて、接触水素化の条件下で、シクロヘキサノン(III)の還元的アミノ化を行うことによって、中間体アミン(XLI)をもたらし、四級ピペリジン塩(XLII)と反応させることによって、この中間体をピペリジノン(XXVI)に変換することができる。例えばアンモニアと接触水素化を用いた還元的アミノ化によって、一級アミン(XXV)が得られる。
Figure 2012504574
化合物(XXV)および(XXVI)のうち、Q=Meであり、nが上で定義したとおりであり、Rが上で定義したとおりである化合物は、スキーム14に示されているように調製することができる。
Figure 2012504574
式(III)の化合物は、スキーム15に示されているように調製することができる。
例えばTHF中のn−ブチルリチウムを用いて、ケトン(XLIII)のホスホニウム塩(XLIV)とのウィッティヒ反応の後に、水素化と脱保護を行って、式(III)の化合物をもたらす(スキーム15)(下記の式中、nは上で定義したとおりであり、Rは上で定義したとおりである)。
Figure 2012504574
化合物(XLIII)は市販されており、式(XLIV)の化合物は市販されており、あるいは、文献のプロセスによって調製することができる。
本発明の化合物は、M1受容体アゴニストである。選択的M受容体アゴニストは、統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様疾患、精神病性うつ病、躁病、急性躁病、パラノイアおよび妄想性障害、ならびに認識機能障害(主にMおよびM受容体を通じて媒介される末梢コリン作用性副作用を伴わないアルツハイマー病のような記憶障害を含む)などの精神病性障害の陽性症状と認知的症状を改善するのに有用であると言われている。また、M受容体アゴニストは、精神病性障害の治療を改善させるために、他の定型および非定型抗精神病薬、ならびに、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬のような他の薬剤と組み合わせるのに適する場合もある。
また、M受容体アンタゴニストは、アルツハイマー病に付随する基礎的病状の治療、または予防的役割に適している場合もある。
したがって、さらなる態様では、本発明は、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩であって、治療で用いるための化合物または塩を提供する。
別の態様では、本発明は、ムスカリンM受容体アゴニスト作用が有益である状態の治療で用いるための式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。
一つの実施態様では、本発明は、精神病性障害の治療で用いるための式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。
本明細書で用いられている、尺度を説明する用語は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition(American Psychiatric Association出版)(DSM−IV)、および/またはInternational Classification of Diseases, 10th Edition(ICD−10)で分類されている。本明細書に記載されている障害のさまざまなサブタイプの治療は、本発明の一部として意図されている。以下に列挙されている疾患の後ろに付いている括弧内の数字は、DSM−IVにおける分類コードを指す。
本発明においては、精神病性障害という用語には、統合失調症(妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、未分化型(295.90)、および残遺型(295.60)というサブタイプを含む)、統合失調症様障害(295.40)、統合失調性感情障害(295.70)(双極型および抑うつ型というサブタイプを含む)、妄想障害(297.1)(恋愛妄想型、誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、混合型、および特定不能型というサブタイプを含む)、短期精神病性障害(298.8)、共有精神病障害(297.3)、全般的な健康状態に起因する精神病性障害(妄想を伴うサブタイプ、および幻覚を伴うサブタイプを含む)、物質誘発性精神病性障害(妄想を伴うサブタイプ(293.81)、および幻覚を伴うサブタイプ(293.82)を含む)、ならびに、別段の定めのない精神病性障害(298.9)が含まれる。
治療の際にM受容体アゴニスト作用が有益であると見られる他の状態としては、以下のものが挙げられる。
うつ病および気分障害(大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合エピソード、および軽躁病エピソードを含む)、抑うつ障害(大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、別段の定めのない抑うつ障害(311)を含む)、双極性障害(双極I型障害、双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う再発性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環障害(301.13)、および別段の定めのない双極性障害(296.80)を含む)、他の気分障害(全般的な健康状態に起因する気分障害(293.83)(躁病性特徴を伴うサブタイプ、大うつ病様エピソードを伴うサブタイプ、躁病性特徴を伴うサブタイプ、および混合性特徴を伴うサブタイプを含む)、物質誘発性気分傷害(うつ病性特徴、を伴うサブタイプ、躁病性特徴を伴うサブタイプ、および混合性特徴を伴うサブタイプを含む)、ならびに、別段の定めのない気分傷害(296.90)を含む)
社会不安障害、パニック発作、広場恐怖症、パニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖症(300.22)、特定恐怖症(300.29)(動物型、自然環境型、血液・注射・外傷型(Blood-Injection-Injury Type)、状況型、および他の型のサブタイプを含む)、社会恐怖症(300.23)、強迫性障害(300.3)、心的外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、全般的な健康状態に起因する不安障害(293.84)、物質誘発性不安障害、および別段の定めのない不安障害(300.00)を含む不安障害
物質使用障害(物質依存、物質渇望、および物質乱用など)、物質誘発性障害(物質中毒、物質離脱、物質誘発性せん妄、物質誘発性持続性認知症、物質誘発性持続性健忘性障害、物質誘発性精神病性障害、物質誘発性気分障害、物質誘発性不安障害、物質誘発性性機能障害、物質誘発性睡眠障害、および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)など)、アルコール関連障害(アルコール依存(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘発性持続性認知症、アルコール誘発性持続性健忘性障害、アルコール誘発性精神病性障害、アルコール誘発性気分障害、アルコール誘発性不安障害、アルコール誘発性性機能障害、アルコール誘発性睡眠障害、および別段の定めのないアルコール関連障害(291.9)など)、アンフェタミン(またはアンフェタミン様物質)関連障害(アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘発性精神病性障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性性機能障害、アンフェタミン誘発性睡眠障害、および別段の定めのないアンフェタミン関連障害(292.9)など)、カフェイン関連障害(カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発性不安障害、カフェイン誘発性睡眠障害、および別段の定めのないカフェイン関連障害(292.9)など)、大麻関連障害(大麻依存(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘発性精神病性障害、大麻誘発性不安障害、および別段の定めのない大麻関連障害(292.9)など)、コカイン関連障害(コカイン依存(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘発性精神病性障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性性機能障害、コカイン誘発性睡眠障害、および別段の定めのないコカイン関連障害(292.9)など)、幻覚剤関連障害(幻覚剤依存(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘発性精神病性障害、幻覚剤誘発性気分障害、幻覚剤誘発性不安障害、および別段の定めのない幻覚剤関連障害(292.9)など)、吸入剤関連障害(吸入剤依存(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘発性持続性認知症、吸入剤誘発性精神病性障害、吸入剤誘発性気分障害、吸入剤誘発性不安障害、および別段の定めのない吸入剤関連障害(292.9)など)、ニコチン関連障害(ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)、および別段の定めのないニコチン関連障害(292.9)など)、オピオイド関連障害(オピオイド依存(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘発性精神病性障害、オピオイド誘発性気分障害、オピオイド誘発性性機能障害、オピオイド誘発性睡眠障害、および別段の定めのないオピオイド関連障害(292.9)など)、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様物質)関連障害(フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘発性精神病性障害、フェンシクリジン誘発性気分障害、フェンシクリジン誘発性不安障害、および別段の定めのないフェンシクリジン関連障害(292.9)など)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬関連障害(鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬依存(304.10)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬乱用(305.40)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬中毒(292.89)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬離脱(292.0)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬中毒せん妄、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬離脱せん妄、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬持続性認知症、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬持続性健忘性障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性精神病性障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性気分障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性不安障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性性機能障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性睡眠障害、および別段の定めのない鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬関連障害(292.9)など)、多物質関連障害(多物質依存(304.80)など)、ならびに、アナボリックステロイド、硝酸塩吸入剤、および亜酸化窒素のような他の(または未知の)物質関連障害を含む物質関連障害
睡眠不全のような原発性睡眠障害(原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)、および別段の定めのない睡眠不全(307.47)など)、錯眠のような原発性睡眠障害(悪夢障害(307.47)、睡眠恐怖障害(307.46)、夢遊病障害(307.46)、および別段の定めのない錯眠(307.47)など)、別の精神病性障害に関連する睡眠障害(別の精神病性障害に関連する不眠症(307.42)、および別の精神病性障害に関連する過眠症(307.44)など)、全般的な健康状態に起因する睡眠障害、ならびに、物質誘発性睡眠障害(不眠型、過眠型、錯眠型、および混合型というサブタイプを含む)を含む睡眠障害
摂食障害(無食欲症(307.1)(制限型および無茶食い/排泄型というサブタイプを含む)、神経性大食症(307.51)(排泄型および非排泄型というサブタイプを含む)、肥満症、強迫性摂食障害、ならびに、別段の定めのない摂食障害(307.50)など)
自閉症(299.00)、注意欠陥/多動性障害(混合型注意欠陥/多動性障害(314.01)、不注意優位型注意欠陥/多動性障害(314.00)、多動−衝動型注意欠陥/多動性障害(314.01)、および別段の定めのない注意欠陥/多動性障害(314.9)というサブタイプを含む)、多動性障害、破壊的行動障害(行為障害(小児児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)、および発症期特定不能型(312.89)というサブタイプを含む)、反抗挑戦性障害(313.81)、および別段の定めのない破壊的行動障害)、ならびに、チック障害(ツレット障害(307.23)など)
妄想障害(301.0)、統合失調質性障害(301.20)、統合失調型人格障害(301.22)、反社会的人格障害(301.7)、境界性人格障害(301.83)、演技性人格障害(301.50)、自己愛性人格障害(301.81)、回避性人格障害(301.82)、依存性人格障害(301.6)、強迫性人格障害(301.4)および別段の定めのない人格障害(301.9)というサブタイプを含む人格障害
性的欲求障害(性的欲求低下障害(302.71)および性的嫌悪障害(302.79)など)、性的刺激障害(女性の性的刺激障害(302.72)および男性の勃起障害(302.72)など)、オルガスム障害(女性のオルガスム障害(302.73)、男性のオルガスム障害(302.74)、および早漏(302.75)など)、性的疼痛障害(性交疼痛症(302.76)および膣痙(306.51)など)、別段の定めのない性機能障害(302.70)、性欲倒錯(露出症(302.4)、フェチシズム(302.81)、摩擦症(302.89)、小児愛(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯性フェチシズム(302.3)、窃視症(302.82)、および別段の定めのない性欲倒錯(302.9)など)、性同一性障害(小児の性同一性障害(302.6)および青年または成人の性同一性障害(302.85)など)、ならびに、別段の定めのない性障害(302.9)を含む性機能障害
行動障害を伴わない早期性アルツハイマー型認知症(294.10)、行動傷害を伴わない遅発性アルツハイマー型認知症(294.10)、行動障害を伴う早期性アルツハイマー型認知症(294.11)、行動傷害を伴う遅発性アルツハイマー型認知症(294.11)を含むアルツハイマー型認知症
また、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩は、認識機能障害そのものの治療、ならびに、統合失調症、双極性障害、うつ病、他の精神病性障害、および認識機能障害に付随する精神病状態のような他の疾患における認識機能障害の治療の両方を含め、認知力の強化に有用である場合もある。認識機能障害が、ある疾患の治療に起因する場合、Mアゴニストが有益である場合がある。例えば、鎮痙薬によるてんかんの治療によって、認識機能障害が生じる場合、Mアゴニストは、認識機能障害の緩和または治療に有用である場合がある。
本発明においては、認識機能障害という用語には、例えば、注意力、見当識を含む認識機能の障害、学習障害、記憶障害(すなわち、記憶障害、健忘症、健忘障害、一過性全健忘症候群、および加齢に関連する記憶障害)、および言語機能障害、脳卒中、アルツハイマー病、ハンティングトン病、ピック病、エイズ関連認知症、または他の認知症状態(多発脳梗塞性認知症、アルコール性認知症、甲状腺機能低下関連認知症、ならびに、小脳萎縮症および筋萎縮性側索硬化症のような他の変性障害に付随する認知症など)の結果としての認識機能障害、せん妄またはうつ病などの認識力低下を引き起す場合のある他の急性または亜急性状態(偽認知症状態)、外傷、頭部外傷、加齢に関連する認識力低下、脳卒中、神経変性、薬物誘発性状態、神経毒性剤、軽度認識機能障害、加齢に関連する認識機能障害、自閉症に関連する認識機能障害、ダウン症候群、精神病に関連する認知障害、および電気痙攣療法後に関連する認知障害、ならびに、運動障害(パーキンソン病、精神遮断薬誘発性振せん麻痺、および遅発性ジスキネジアなど)が含まれる。
また、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩は、認知障害および/または記憶障害を有さない健康なヒトにおいて、記憶および/または認知増強剤として用いてもよい。
別の態様では、本発明は、精神病性障害の治療で用いるための上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。一つの実施態様では、本発明は、統合失調症の治療で用いるための上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。
また、本発明は、認識機能障害の治療で用いるための上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩も提供する。
また、本発明は、アルツハイマー病の治療で用いるための上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩も提供する。
別の態様では、本発明は、M受容体アゴニスト作用が有益である状態を治療するための医薬の製造の際に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を使用することを提供する。
別の態様では、精神病性障害を治療するための医薬の製造の際に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を使用することを提供する。一つの実施態様では、本発明は、統合失調症を治療するための医薬の製造の際に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を使用することを提供する。
別の態様では、本発明は、M受容体アゴニスト作用が有益である状態を治療するための上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。
別の態様では、精神病性障害を治療するための上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。一つの実施態様では、本発明は、統合失調症を治療するための上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。
また、本発明は、認識機能障害を治療するための医薬の製造の際に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を使用することを提供する。
また、本発明は、アルツハイマー病を治療するための医薬の製造の際に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を使用することを提供する。
別の態様では、本発明は、M受容体アゴニスト作用が有益である状態を治療する方法であって、治療を必要とする哺乳類に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効量投与することを含んでなる方法を提供する。一つの実施態様では、上記の哺乳類はヒトである。
別の態様では、本発明は、精神病性障害を治療する方法であって、治療を必要とする哺乳類に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効量投与することを含んでなる方法を提供する。一つの実施態様では、本発明は、統合失調症を治療する方法であって、治療を必要とする哺乳類に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効量投与することを含んでなる方法を提供する。一つの実施態様では、上記の哺乳類はヒトである。
また、本発明は、認識機能障害を治療する方法であって、治療を必要とする哺乳類に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効量投与することを含んでなる方法も提供する。一つの実施態様では、上記の哺乳類はヒトである。
また、本発明は、アルツハイマー病を治療する方法であって、治療を必要とする哺乳類に、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効量投与することを含んでなる方法も提供する。一つの実施態様では、上記の哺乳類はヒトである。
式(I)の化合物およびその製薬学的に許容される塩は、精神病性障害の治療を改善させる目的で、定型および非定型抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬のような他の薬剤と併用するのに適している。
本発明の併用療法剤は例えば、補助的に投与する。補助的投与とは、個別の医薬組成物または器具の形態で各成分を連続投与または重複投与することを意味する。2種以上の治療薬のこの治療投与レジメンは、一般に当業者から、および本明細書において、補助的投与として称され、これは、アドオン投与としても知られている。患者に、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、または向知性薬とを個別投与(ただし、連続投与または重複投与)するあらゆる治療レジメンは、本発明の範囲内である。本明細書に記載されているような補助的投与の一つの実施態様では、患者に対しては、典型的には、ある期間、1種以上の成分を投与して安定化させてから、別の成分を投与する。式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩は、少なくとも1種の抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、または向知性薬を投与されている患者に、補助的治療薬として投与できるが、本発明の範囲には、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を投与されている患者に、少なくとも1種の抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、または向知性薬を補助的に投与することも含まれる。
本発明の併用療法薬は、同時投与してもよい。同時投与とは、両方の成分を含んでなるかもしくは含有する単一の医薬組成物もしくは器具の形態で、または当該成分のうちの1つをそれぞれ含んでなる個別の組成物または器具であって、同時に投与される個別の組成物または器具としてのいずれかで、個々の成分を一緒に投与する治療レジメンを意味する。このように同時併用用の個々の成分を組み合わせたものは、キットの形態で提供してもよい。
したがって、さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬を投与されている患者に、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を補助的に投与することによって、精神病性障害を治療する方法を提供する。さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための医薬の製造の際に、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を使用することを提供する。さらなる実施態様では、本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を提供する。本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するために用いられる式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩をさらに提供する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を投与されている患者に、少なくとも1種の抗精神病薬を補助的に投与することによって、精神病性障害を治療する方法を提供する。さらなる態様では、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための医薬の製造の際に、少なくとも1種の抗精神病薬を使用することを提供する。さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための少なくとも1種の抗精神病薬を提供する。本発明は、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するのに用いられる少なくとも1種の抗精神病薬をさらに提供する。
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬と併せて、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を同時投与することによって、精神病性障害を治療する方法を提供する。本発明は、精神病性障害の治療時に同時投与するための医薬の製造の際に、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の抗精神病薬との組み合わせを使用することをさらに提供する。本発明は、精神病性障害の治療時に同時投与するための、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の抗精神病薬との組み合わせをさらに提供する。本発明は、精神病性障害の治療時に、少なくとも1種の抗精神病薬と共に同時投与するための医薬の製造の際に、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を使用することをさらに提供する。本発明は、精神病性障害の治療時に、少なくとも1種の抗精神病薬と共に同時投与するのに用いられる式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩をさらに提供する。本発明は、精神病性障害の治療時に、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と共に同時投与するための医薬の製造の際に、少なくとも1種の抗精神病薬を使用することをさらに提供する。本発明は、精神病性障害の治療時に、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と共に同時投与するための少なくとも1種の抗精神病薬をさらに提供する。
さらなる態様では、本発明は、精神病性障害の治療で用いるためのキットであって、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を含んでなる第一の剤形と、同時投与用の抗精神病薬をそれぞれが含んでなる1種以上のさらなる剤形とを含んでなるキットを提供する。
さらなる態様では、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を投与されている患者に、本発明の化合物を補助的に投与することによって、精神病性障害を治療する方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための医薬の製造時に、本発明の化合物を使用することを提供する。
また、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための本発明の化合物も提供する。
また、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的投与を行う際に、本発明の化合物を使用することも提供する。
本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的投与用に用いるために、本発明の化合物を使用することもさらに提供する。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物を投与されている患者に、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を補助的に投与することによって、精神病性障害を治療する方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための医薬の製造の際に、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を使用することを提供する。
また、本発明は、本発明の化合物を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するための、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を提供する。
また、本発明は、本発明の化合物を投与されている患者の精神病性障害を治療する目的で補助的に投与するために、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を使用することを提供する。
さらなる態様では、本発明は、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分と併せて、本発明の化合物を同時投与することによって、精神病性障害を治療する方法を提供する。
本発明は、精神病性障害の治療時に同時投与するための医薬の製造の際に、本発明の化合物と、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分との組み合わせを使用することをさらに提供する。
本発明は、精神病性障害を治療する目的で同時投与するための本発明の化合物と、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分との組み合わせをさらに提供する。
本発明は、精神病性障害を治療する目的で同時投与するために、本発明の化合物と、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分との組み合わせを使用することをさらに提供する。
本発明は、精神病性障害の治療時に、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分と共に同時投与するための医薬の製造の際に、本発明の化合物を使用することをさらに提供する。
本発明は、精神病性障害を治療する目的で、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分と共に同時投与するための本発明の化合物をさらに提供する。
本発明は、精神病性障害の治療時に、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分と共に同時投与するために、本発明の化合物を使用することをさらに提供する。
本発明は、精神病性障害の治療時に、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分と共に同時投与するのに用いられる本発明の化合物をさらに提供する。
本発明は、精神病性障害の治療時に、本発明の化合物と共に同時投与するための医薬の製造の際に、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を使用することをさらに提供する。
本発明は、精神病性障害を治療する目的で本発明の化合物と共に同時投与するための、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分をさらに提供する。
本発明は、精神病性障害を治療する目的で本発明の化合物と共に同時投与するために、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分を使用することをさらに提供する。
さらなる態様では、本発明は、精神病性障害の治療で用いるキットであって、同時投与するための、本発明の化合物を含んでなる第一の剤形と、気分安定剤、抗うつ薬、抗不安薬、錐体外路系副作用治療薬、および向知性薬からなる群から選択した有効成分をそれぞれが含んでなる1種以上のさらなる剤形とを含んでなるキットを提供する。
一つの実施態様では、上記の患者はヒトである。
本発明に有用な場合のある抗精神病薬の例としては、ナトリウムチャネル遮断薬、混合型5HT/ドーパミン受容体アンタゴニスト、mGluR5陽性モジュレーター、D3アンタゴニスト、5HT6アンタゴニスト、ニコチン性α−7モジュレーター、グリシントランスポーターGlyT1阻害薬、D2部分的アゴニスト/D3アンタゴニスト/H3アンタゴニスト、AMPAモジュレーター、NK3アンタゴニスト(オサネタントおよびタルネタントなど)、非定型抗精神病薬(例えば、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピラゾール、ジプラシドン、およびアミスルプリド)、ブチロフェノン(ハロペリドール、ピモジド、およびドロペリドールなど)、フェノチアジン(クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、チフルプロマジン(thiflupromazine)、プロクロルペラジン、およびアセトフェナジンなど)、チオキサンテン(チオチキセンおよびクロルプロチキセンなど)、チエノベンゾジアゼピン、ジベンゾジアゼピン、ベンズイソキサゾール、ジベンゾチアゼピン、イミダゾリジノン、ベンズイソチアゾリル−ピペラジン、トリアジン(ラモトリジンなど)、ジベンゾオキサゼピン(ロキサピンなど)、ジヒドロインドロン(モリンドンなど)、アリピプラゾール、ならびに、抗精神病活性を有するこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限らない。
選択される抗精神病薬で、本発明で用いるのに適する場合のある抗精神病薬の商標名および供給元の例は、クロザピン(CLOZARIL(登録商標)という商標名で、マイラン、ゼニス・ゴールドライン、UDL、ノバルティスから入手可能)、オランザピン(ZYPREX(登録商標)という商標名で、リリーから入手可能)、ジプラシドン(GEODON(登録商標)という商標名で、ファイザーから入手可能)、リスペリドン(RISPERDAL(登録商標)という商標名で、ヤンセンから入手可能)、フマル酸クエチアピン(SEROQUEL(登録商標)という商標名で、アストラゼネカから入手可能)、セルチンドール(SERLECT(登録商標)という商標名で入手可能)、アミスルプリド(SOLION(登録商標)という商標名で、サノフィ−シンセラボから入手可能)、ハロペリドール(HALDOL(登録商標)という商標名で、オーソ−マクニールから入手可能)、デカン酸ハロペリドール(HALDOL decanoate(登録商標)という商標名で入手可能)、乳酸ハロペリドール(HALDOL(登録商標)およびINTENSOL(登録商標)という商標名で入手可能)、クロルプロマジン(THORAZINE(登録商標)という商標名で、スミスクライン・ビーチャム(GSK)から入手可能)、フルフェナジン(PROLIXIN(登録商標)という商標名で、アポテコン(Apothecon)、コプレー(Copley)、シェーリング、テバ、およびアメリカン・ファーマシューティカル・パートナーズ、パサディナから入手可能)、デカン酸フルフェナジン(PROLIXIN decanoate(登録商標)という商標名で入手可能)、エナント酸フルフェナジン(PROLIXIN(登録商標)という商標名で入手可能)、塩酸フルフェナジン(PROLIXIN(登録商標)という商標名で入手可能)、チオチキセン(NAVANE(登録商標)というで、ファイザーから入手可能)、塩酸チオチキセン(NAVANE(登録商標)という商標名で入手可能)、トリフルオペラジン(10−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピル]−2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン二塩酸塩(STELAZINE(登録商標)という商標名で、スミスクライン・ベックマンから入手可能)、ペルフェナジン(TRILAFON(登録商標)という商標名で、シェーリングから入手可能)、ペルフェナジンおよびアミトリプチリン塩酸塩(ETRAFON TRILAFON(登録商標)という商標名で入手可能)、チオリダジン(MELLARIL(登録商標)という商標名で、ノバルティス、ロクサン、ハイテック(HiTech)、テバ、およびアルファーマから入手可能)、モリンドン(MOBAN(登録商標)という商標名で、エンドから入手可能)、塩酸モリンドン(MOBAN(登録商標)という商標名で入手可能)、ロキサピン(LOXITANE(登録商標)という商標名で、ワトソンから入手可能)、塩酸ロキサピン(LOXITANE(登録商標)という商標名で入手可能)、およびコハク酸ロキサピン(LOXITANE(登録商標)という商標名で入手可能)である。さらに、ベンペリドール(Glianimon(登録商標))、ペラジン(Taxilan(登録商標))、またはメルペロン(Eunerpan(登録商標))を用いてもよい。
その他の好適な抗精神病薬としては、プロマジン(SPARINE(登録商標)という商標名で入手可能)、トリフルロプロマジン(VESPRIN(登録商標)という商標名で入手可能)、クロルプロチキセン(TARACTAN(登録商標)という商標名で入手可能)、ドロペリドール(INAPSINE(登録商標)という商標名で入手可能)、アセトフェナジン(TINDAL(登録商標)という商標名で入手可能)、プロクロルペラジン(COMPAZINE(登録商標)という商標名で入手可能)、メトトリメプラジン(NOZINAN(登録商標)という商標名で入手可能)、ピポチアジン(PIPOTRIL(登録商標)という商標名で入手可能)、イロペリドン、ピモジド、およびフルペンチキソールが挙げられる。
また、上に商標名によって列挙した抗精神病薬は、異なる商標名で他の供給元から入手可能することもできる。
本発明の1つのさらなる態様では、好適な抗精神病薬として、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アミスルプリド、アリピラゾール、ハロペリドール、クロザピン、オランザピン、ジプラシドン、タルネタント、およびオサネタントが挙げられる。
本発明の療法で用いてよい気分安定剤としては、リチウム、バルプロ酸ナトリウム/バルプロ酸/ジバルプロエクス、カルバマゼピン、ラモトリギン、ガバペンチン、トピラメート、オキスカルバゼピン、およびチアガビンが挙げられる。
本発明の療法で用いてよい抗精神病薬としては、セロトニンアンタゴニスト、CRF−1アンタゴニスト、およびCox−2阻害薬/SSRIデュアルアンタゴニスト、ドーパミン/ノルアドレナリン/セロトニン三重再取り込み阻害薬、NK1アンタゴニスト、NK1およびNK2デュアルアンタゴニスト、NK1/SSRIデュアルアンタゴニスト、NK2アンタゴニスト、セロトニンアゴニスト(ラウオルシン、ヨヒンビン、およびメトクロプラミドなど)、セロトニン再取り込み阻害薬(シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、フェモキセチン、インダルピン、ジメルジン、パロキセチン、およびセルトラリンなど)、デュアルセロトニン/ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ベンラファキシン、レボキセチン、デュロキセチン、およびミルナシプランなど)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(レボキセチンなど)、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、およびトリミプラミンなど)、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(イソカルボキサジド、モクロベミド、フェネルジン、およびトラニルシプロミンなど)、5HT3アンタゴニスト(例えばオンダンセトロンおよびグラニセトロンなど)、ならびに、およびその他の抗精神病薬(ブプロピオン、アミネプチン、ラダファキシン、ミアンセリン、ミルタザピン、ネファゾドン、およびトラゾドンなど)が挙げられる。
本発明の療法で用いてよい抗不安薬としては、V1bアンタゴニスト、5HT7アンタゴニスト、ならびにベンゾジアゼピン(アルプラゾラムおよびロラゼパムなど)が挙げられる。
本発明の療法で用いてよい錐体外路系副作用治療薬としては、抗コリン作用薬(ベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジン、およびトリヘキシフェニジルなど)、抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンなど)、ならびにドーパミン作動薬(アマンタジンなど)が挙げられる。
本発明の療法で用いてよい向知性薬としては、例えば、コリンエステラーゼ阻害薬(タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、およびガランタミンなど)、H3アンタゴニスト、およびムスカリンM受容体アゴニスト(セビメリンなど)が挙げられる。
本発明の化合物は、医薬として用いるには、通常、標準的な医薬組成物として投与する。したがって、本発明は、さらなる態様においては、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、製薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含んでなる医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、本明細書に記載されている状態のいずれかの治療で用いることができる。さらなる態様では、本発明は、医薬組成物を調製するプロセスであって、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、1種以上の製薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを混合することを含んでなるプロセスを提供する。さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬と組み合わせた状態の上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、1種以上の製薬学的に許容される担体とを含んでなる医薬組成物を提供する。さらなる態様では、本発明は、医薬組成物を調製するプロセスであって、上記のような式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の抗精神病薬と、1種以上の製薬学的に許容される担体とを混合することを含んでなるプロセスを提供する。
本発明の化合物は、いずれかの利便的な方法によって投与、例えば、経口投与、非経口投与(例えば静脈内投与)、口腔投与、舌下投与、鼻腔内投与、直腸投与、または経皮投与してもよく、医薬組成物は、投与方法に適合させてよい。
経口投与したときに活性を有する本発明の化合物は、液剤または固形剤、例えば、シロップ剤、懸濁剤または乳剤、錠剤、カプセルおよびロゼンジとして調合することができる。
液体製剤は一般に、好適な液体担体(1種または複数)、例えば、水、エタノール、もしくはグリセリンのような水性溶媒、またはポリエチレングリコールもしくは油のような非水性溶媒中に、本発明の化合物または塩を懸濁または溶解させたものから構成されることになる。また、液体製剤は、懸濁化剤、保存剤、矯味矯臭剤、または着色剤を含有してもよい。
錠剤の形態の組成物は、固体製剤を調製するのに通常用いられているいずれかの好適な医薬担体(1種または複数)を用いて調製することができる。このような担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、乳糖、ショ糖、およびセルロースが挙げられる。
カプセルの形態の組成物は、通常のカプセル化手順を用いて調製することができる。例えば、有効成分を含有するペレットを標準的な担体を用いて調製してから充填して、硬ゼラチンカプセルにすることができる。あるいは、分散液または懸濁液を好適な医薬担体(1種または複数)、例えば、水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩、または油を用いて調製してから、その分散液または懸濁液を充填して、軟ゼラチンカプセルにすることができる。
典型的な非経口用組成物は、無菌水性担体または非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ラッカセイ油、またはゴマ油中に、本発明の化合物または塩を溶解または懸濁させたものからなる。あるいは、上記の溶液を凍結乾燥させてから、投与の直前に好適な溶媒で再構成させることもできる。
鼻腔内投与用組成物は利便的なことに、エーロゾル、点滴剤、ゲル、および散剤として調合してよい。エーロゾル製剤は典型的には、製薬学的に許容される水性または非水性溶媒中に、有効物質を溶解または微細に懸濁させたものを含んでなり、通常、単回量または複数回量で無菌形態にて密封容器中に入れる。この密閉容器は、噴霧器と共に用いるためのカートリッジまたはリフィルの形態をとることができる。あるいは、密封容器は、計量バルブを備えた単回用量の鼻吸入器またはエアゾールディスペンサーのような一体型の分注器具であって、容器の中身が無くなったら破棄するように意図されている器具であってもよい。投与形態がエーロゾルディスペンサーを含んでなる場合には、圧縮空気のような圧縮気体、またはフルオロクロロ炭化水素のような有機推進剤であることができる推進剤を含有することになる。エーロゾルの投与形態は、ポンプ式噴霧器の形を取ることもできる。
口腔投与または舌下投与に適した組成物としては、錠剤、ロゼンジ、およびトローチが挙げられ、この場合の有効成分は、砂糖およびアカシア、トラガカント、またはゼラチンおよびグリセリンのような担体と共に調合される。
直腸投与用組成物は利便的なことに、ココアバターのような従来の坐剤基剤を含有する坐剤の形態である。
経皮投与に適した組成物としては、軟膏、ゲル、およびパッチが挙げられる。この組成物は、錠剤、カプセル剤、またはアンプルのような単位投与形態であってもよい。
経口投与用の各投与単位は、例えば、遊離塩基として算出した場合、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を1〜250mg含有する(非経口投与用の場合には、例えば0.1〜25mg含有する)。
1日の投与量は、遊離塩基として算出した場合、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩を0.01mg/kg〜100mg/kg含有するのが好適である。
正確な投与量は、患者の年齢および状態、ならびに、投与頻度および投与経路によって決まることになると共に、主治医の最終的な裁量によることになるのは明らかであろう。
また、本発明の補助的療法で用いる単一または複数の抗精神病薬成分は、適切なその塩基性形態もしくは酸性形態で、または、適切な場合、製薬学的に許容される塩またはその他の誘導体の形態で投与してもよい。また、本明細書に記載されているような単一もしくは複数の抗精神病薬、またはその塩もしくは誘導体のすべての溶媒和物およびすべての代替的な物理的形態(代替的な結晶形、非晶形、および結晶多形が挙げられるが、これらに限らない)も、本発明の範囲内である。単一または複数の抗精神病薬の場合には、その形態および誘導体は例えば、単剤療法剤として投与が認められているもの(上記のものが挙げられる)であるが、本明細書において抗精神病薬について言及した場合にはいずれも、すべてのその塩または他の誘導体、ならびに、すべてのその溶媒和物および代替的な物理的形態が含まれる。
本発明による補助的投与では、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩、および、単一もしくは複数の抗精神病薬またはその塩、誘導体、もしくは溶媒和物はそれぞれ、純粋な形態で投与してよいが、各成分は、例えば、調合して、体内に各成分を有効なレベル提供するいずれかの好適な製薬学的に許容可能かつ有効な組成物にすることになる。各成分に最も適した医薬組成物の選択は、当該技術分野の範囲内であり、各成分に関しては同一の形態であっても、異なる形態であってもよい。好適な製剤としては、錠剤、カプセル、散剤、顆粒剤、ロゼンジ、坐剤、再構成可能な散剤、または液体調製剤(経口用もしくは無菌非経口用水剤もしくは懸濁剤など)が挙げられるが、これらに限らない。
本発明に従って、式(I)の化合物と単一または複数の抗精神病薬との混合組成物として同時投与する場合には、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、単一もしくは複数の抗精神病薬およびその塩、誘導体、もしくは溶媒和物は、純粋な形態で一緒に投与してよいが、その混合成分は例えば、調合して、体内に各成分を有効なレベル提供するいずれかの好適な製薬学的に許容可能かつ有効な組成物にすることになる。この混合成分に最も適した医薬組成物の選択は、当該技術分野の範囲内である。好適な製剤としては、錠剤、舌下用錠剤、口腔用組成物、カプセル、散剤、顆粒剤、ロゼンジ、坐剤、再構成可能な散剤、または液体調製剤(経口用もしくは無菌非経口用水剤もしくは懸濁剤など)が挙げられるが、これらに限らない。
補助的投与の整合性を得るために、各成分の組成物または成分の組み合わせの組成物は例えば、単位用量の形態である。
「治療」という用語には、予防が含まれる(関連する状態(単一または複数)に予防が適している場合)。
生物学的試験法
アゴニスト/アンタゴニストの効力を割り出すことを目的とする、M 受容体におけるFLIPR実験
FLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)技術を用いて、ヒトムスカリンM受容体を安定発現しているCHO細胞の細胞内カルシウム経路を本発明の化合物が活性化させる能力を割り出す目的で、本発明の化合物を機能アッセイにて特徴付けることができる。簡潔に言うと、CHO−M細胞を播いて(15,000/ウェル)、37度で一晩培養した。培地を除去し、30μLのローディングバッファー(2.5mMのプロベネシド、2μMのFluo−4、500μMのブリリアントブラックと併せたHBSS、pH7.4)を加えた。37℃にて90分間インキュベート後、試験化合物を含有する10μLのアッセイバッファー(2.5mMのプロベネシドと併せたHBSS、pH7.4)をFLIPR装置上で各ウェルに加えた。カルシウム反応をモニタリングして、アゴニスト作用を割り出した。続いて、プレートをさらに30分間インキュベートした後、アセチルコリンを含有する10μLのアッセイバッファーをアゴニスト攻撃としてEC80で加えた。続いて、カルシウム反応を再度モニタリングして、アセチルコリンに対する化合物のアンタゴニスト作用を割り出した。各化合物に関して、M受容体におけるアゴニスト作用とアタゴニスト作用の両方の濃度反応曲線を作成した。結果をActivityBaseというデータ解析スイート(ニュージャージー州パーシッパニーのIDビジネス・ソリューション社)にインポートし、非線形カーブフィッティングによって上記の曲線を解析し、得られるpEC50/fpkiを算出した。同じ化合物プレート上にコントロールとして加えた塩化カルバモイルクロリンによって誘発される最大FLIPR反応のパーセンテージとして、アゴニスト化合物の最大漸近線を算出した。
上記のアッセイで、後述の実施例1および2の化合物を試験したところ、ムスカリンM受容体におけるpEC50平均値が>5.5であり、固有活性が>50%であることが分かった。
受容体サブタイプの選択性を割り出すことを目的とする、M 2−5 受容体におけるFLIPR実験
本発明の化合物の他のムスカリン受容体サブタイプに対する選択性を割り出すために、ヒトムスカリン受容体M、M、MまたはMを安定発現しているCHO細胞におけるFLIPR実験で、本発明の化合物を特徴付けることができる。MおよびM受容体のケースでは、キメラGタンパクGqi5も共発現させて、受容体をカルシウムシグナル経路に結合させた。簡潔に言うと、細胞を播いて(15,000/ウェル)、37度で一晩培養した。続いて翌日に、CHO−M1細胞に関する上記のプロトコールと同じプロトコールを用いてFLIPR実験を行った。結果をデータ解析スイートActivityBaseにインポートし、非線形カーブフィッティングによって曲線を解析し、得られるpEC50/fpkiを算出した。
このM2−5受容体アッセイにおいて、後述の実施例1および2の化合物を試験したところ、これらの実施例の大半には、M、M、MおよびM受容体に対する選択性よりもM受容体に対する選択性の方があると共に、その典型的な選択性(pEC50の比)が≧10倍、特定のケースでは≧100倍であることが分かった。
下記の非限定的な実施例によって、本発明についてさらに説明する。下記の手順では、各出発材料の後には典型的に、記載例番号が示されている。これは、当該技術分野の化学者を補助するために提供しているに過ぎない。出発材料は必ずしも、言及されている群から調製されたものでなくてもよい。
SCXカラム(SCX、SCX−2、SCX−3を含む)は、バリアン、IST、およびラドリーズによって供給されているスルホン酸イオン交換樹脂を指す。
アミノドープシリカカラムは、バイオタージによって供給されている。
SPE−Siカートリッジは、バリアンによって供給されているシリカ固相抽出カラムである。
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは、例えば、230〜400メッシュのシリカゲル(独国ダルムシュタットのメルクAGによって供給されている)で、あるいは、Biotage Horizon、SP1、またはSP4マシンのバイオタージ製のプレパックシリカカートリッジ(例えば、12+Mまたは65i)で行った。
特定の水素化反応については、H-cubeを用いた。H-cubeは、タレス・ナノテクノロジーによって開発された連続フロー式水素化装置である。HPLCポンプを用いて、水素化するサンプルの溶液を連続して反応槽に送達する。反応槽では、この溶液を水素(水の電気分解によって生成)と混合し、加熱してから、触媒(例えば炭素担体パラジウム)カートリッジ(最大100℃および100bar圧)に通して、水素化産物の連続フローをもたらす。
別段の定めのない限り、NMRスペクトルは、298Kにて、Bruker(商標)DPX400またはOxford Instruments(商標)250 MHzのマシンのいずれかを用いて、指定の周波数で得て、CDClの希釈溶液として行った。すべてのNMRスペクトルは、テトラメチルシラン(TMS δ 0,δ 0)を基準とした。すべてのカップリング定数はヘルツ(Hz)で記録し、多重度は、s(単一線)、bs(幅広単一線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、dd(二重線二重線)、dt(二重線三重線)、およびm(多重線)と表す。NMRスペクトルデータを提供する場合、そのデータは、別段の定めのない限り、それぞれの記載例または実施例における標記の物質(例えば、塩酸塩または遊離塩基)について得たものである。
質量スペクトル(MS)は、トリプル四重極質量分析計4 II(英国Micromass)、またはES(+)およびES(−)イオン化モードで作動している質量分析計Agilent MSD 1100、またはES(+)およびES(−)イオン化モードで作動している質量分析計Agilent LC/MSD 1100であって、HPLC装置Agilent 1100 Series[LC/MS−ES(+)]と連結された分析計で得た。分析は、3.5マイクロメートルの固定相粒径を有するカラムSunfire C18(30×4.6mm)で行った。移動相A(水相)は水+0.1%ギ酸であり、移動相B(有機溶媒)はアセトニトリル+0.1%ギ酸であった。方法は下記のとおりである。
Figure 2012504574
高pHの方法の分析は、3.5マイクロメートルの固定相粒径を有するカラムXbridge C18(50×4.6mm)で行った。移動相A(水相)は、アンモニア溶液でpH10に調節した10mMの重炭酸アンモニウム水溶液であり、移動相B(有機溶媒)はアセトニトリルであった。方法は下記のとおりである。
Figure 2012504574
上記の方法の流速は3mL/分であった。注入量は5μLであった。カラム温度は30℃であった。UV検出範囲は、210〜350nmであった。
マスディレクティッド自動精製(MDAP)は、Waters 2525 Binary Gradient Module、Waters 515 Makeup Pump、Waters Pump Control Module、Waters 2767 Inject Collect、Waters Column Fluidics Manager、Waters 2996 Photodiode Array Detector、Waters ZQ Mass Spectrometer、フラクションコレクターGilson 202、および廃棄物コレクターAspecを用いて行った。
低pHの方法では、カラムは、Waters AtlantisまたはSunfire C18のカラム(19×100mmm、または30×100mm、塔径5μm)であり、溶媒Aは水+0.1%ギ酸であり、溶媒Bはアセトニトリル+0.1%ギ酸であった。勾配は、下記のように、保持時間(Rt)によって決定した。
Figure 2012504574
高pHの方法では、カラムは、X Bridge C18のカラム(30×100mm、塔径5μm)であり、溶媒Aは、アンモニア溶液を用いてpH10に調節した10mMの炭酸アンモニウム水溶液であり、溶媒Bはアセトニトリルであった。勾配は、下記のように、保持時間(Rt)によって決定した。
Figure 2012504574
マイクロ波照射に関する反応では、Biotage Initiatorを用いた。
略語
NMR 核磁気共鳴
THF テトラヒドロフラン
DMSO ジメチルスルホキシド
DCM ジクロロメタン
EDC 1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtO ジエチルエーテル
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeOH メタノール
DIPEA(ヒューニッヒ塩基) ジイソプロピルエチルアミン
EtOAc 酢酸エチル
MDAP マスディレクティッド自動精製
aq 水性
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
Rt 保持時間
rt 室温
すべての出発材料は、別段の定めのない限り、市販されている。
記載例1. 3−アミノ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(D1)
Figure 2012504574
4−ヒドロキシ−3−ニトロベンゾニトリル(0.5g、3.05mモル)をエタノール(20mL)およびメタノール(10mL)に溶解させ、ラネーニッケル(1mL、10%水溶液)をrtで加えてから、ヒドラジン一水和物(0.296mL、6.09mモル)を加えた。この混合物をrtにて一晩攪拌した。続いて、この混合物をセライトろ過し、回転蒸発によって濃縮した。この残渣をクロマトグラフィー(シリカ、n−ヘキサン〜酢酸エチル)によって精製し、3−アミノ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(D1、200mg、29%)をオレンジ色の固体として得た。
M+H+ 135
記載例2. 1,1−ジメチルエチル4−[(5−シアノ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボキシレート(D2)
Figure 2012504574
3アミノ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(D1、477mg、3.56mモル)、1,1−ジメチルエチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(709mg、3.56mモル)、および酢酸(1mL、17.5mモル)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させた溶液に、ポリマー担持型シアノ水素化ホウ素ナトリウム(353mg、7.20mモル、2.04mモル/g)を加えた。この混合物をマイクロ波によって100℃で30分間加熱し、さらに30分間加熱した後にろ過し、回転蒸発によって濃縮して、1,1−ジメチルエチル4−[(5−シアノ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボキシレート(D2、982mg、3.09mモル、収率87%)を黄色の固体として得た。
M-H+ 316
記載例3. 1,1−ジメチルエチル4−(5−シアノ−2−メチリデン−1,3−ベンゾオキサゾール−3(2H)−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(D3)
Figure 2012504574
1,1−ジメチルエチル4−[(5−シアノ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ]−1−ピペリジンカルボキシレート(D2、977mg、3.08mモル)をジクロロメタン(20mL)に溶解させた溶液に、ヒューニッヒ塩基(1mL、5.73mモル)を室温にてアルゴン下で加えた。この反応物を0℃まで冷却し、トリホスゲン(373mg、1.26mモル)を加えた。続いて、この反応物を30分間、0℃で攪拌し、飽和水性NaHCO(20mL)でクエンチした後、ジクロロメタンと水に分液した。水層をジクロメタンで抽出し(2回)、合わせた有機物を(NaSOで)乾燥させ、回転蒸発によって濃縮して、黄色の油を得た。この粗残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン〜0.5%アンモニア/9.5%メタノール/90%ジクロロメタン)によって精製して、1,1−ジメチルエチル4−(5−シアノ−2−メチリデン−1,3−ベンゾオキサゾール−3(2H)−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(D3、1.22g、収率92%、LCMSによる純度80%)を黄色の油として得た。
[M-OtBu]+ 270
記載例4. 2−オキソ−3−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリルモノヒドロクロリド(D4)
Figure 2012504574
1,1−ジメチルエチル4−(5−シアノ−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−3(2H)−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(D3、1.22g、2.84mモル、80重量%)をジクロロメタン(20mL)にrtで溶解させ、HCl(20mL、80mモル、4Mの1,4−ジオキサン溶液)を加えた。この反応物を2時間攪拌した。この反応物をジエチルエーテル(20mL)で希釈し、ろ過した。この固体をジエチルエーテルで洗浄し(2回)、高真空下で乾燥して、2−オキソ−3−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリルモノヒドロクロリド(D4、557mg、収率70%)を淡いピンク色の固体として得た。
[M+H]+ 244
記載例5. 8−[(メチルオキシ)メチリデン]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(D5)
Figure 2012504574
[(メチルオキシ)メチル](トリフェニル)塩化ホスホニウム(2.93g、8.55mモル)をTHF(30ml)に懸濁させた懸濁液に、n−ブチルリチウム(3.25ml、8.13mモル)を0℃にてAr下で滴下した。この反応物をrtまで加温し、2時間攪拌した後、−78℃まで冷却した。1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(893mg、5.72mモル)をTHF(5ml)に溶解させた溶液を上記の反応物に滴下し、−78℃で30分間、攪拌を続けた。続いて、この反応物をrtまで加温し、一晩攪拌し多後、HO(30ml)でクエンチした。続いて、この混合物をEtOで抽出し(3回)、合わせた有機物をブラインで洗浄し(2回)、(NaSOで)乾燥し、回転蒸発によって濃縮して、茶色の油を得た。この油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、イソ−ヘキサン〜10%EtOAc/90%イソ−ヘキサン)によって精製して、8−[(メチルオキシ)メチリデン]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(D5、713mg、68%)を無色の油として得た。
1H NMR δ (CDCl3, 400 MHz) 1.56-1.68 (4 H, m), 2.10 (2 H, m), 2.32 (2 H, m), 3.55 (3 H, s), 3.96 (4 H, s), 5.79 (1 H, s)
記載例6. 8−[(メチルオキシ)メチル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(D6)
Figure 2012504574
H-Cube(フルHモード、25℃、1ml/分)を用いて、8−[(メチルオキシ)メチリデン]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(D5、710mg、3.85mモル)をエタノール(77ml)に溶解させた溶液を還元した。この反応物を回転蒸発によって濃縮して、8−[(メチルオキシ)メチル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(D6、614mg、86%)を無色の油として得た。
1H NMR δ (CDCl3, 400 MHz) 1.19-1.32 (2 H, m), 1.49-1.68 (3 H, m), 1.73-1.81 (4 H, m), 3.22 (2 H, d, J 6.6), 3.33 (3 H, s), 3.94 (4 H, s)
記載例7. 4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキサノン(D7)
Figure 2012504574
8−[(メチルオキシ)メチル]−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(D6、609mg、3.27mモル)をTHF(10ml)に溶解させた溶液に、HCl(4ml、20mモル、5M)をrtで滴下した。この反応物を48時間攪拌した後、回転蒸発によって有機溶媒を除去した。2MのNaOHを用いて、水性残渣を塩基化してpH−10にしてから、EtOで抽出した(2回)。合わせた有機抽出物を(NaSOで)乾燥し、回転蒸発によって濃縮して、4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキサノン(D7、417mg、90%)を淡い黄色の油として得た。
1H NMR δ (CDCl3, 400 MHz) 1.38-1.51 (2 H, m), 1.99-2.16 (3 H, m), 2.28-2.40 (4 H, m), 3.30 (2 H, d, J 6.4), 3.36 (3 H, s)
実施例1および2. 3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリルヒドロクロリド、異性体混合物A(E1)、および、3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリルヒドロクロリド、異性体混合物B(E2)
Figure 2012504574
2−オキソ−3−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキザゾール−5−カルボニトリルヒドロクロリド(D4、86mg、0.31mモル)を高温のMeOH(数滴の水を加えて塩を可溶化した)に溶解させ、SCXによって遊離塩基に変換した(MeOHで溶出してから、2MのNHのMeOH溶液で溶出)。この遊離塩基、4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキサノン(D7、46mg、0.32mモル)、および酢酸(0.09ml、1.54mモル)をTHF(2.5ml):DCM(2.5ml)に懸濁させた懸濁液に、ポリマー担持型シアノ水素化ホウ素(150mg、0.64mモル、4.3mモル/g)を加えた。この混合物をマイクロ波によって100℃にて30分間加熱した。続いて、この反応物をろ過し、回転蒸発によって濃縮して、オレンジ色の油を得た。この油を静置して凝固させた。この粗残渣を高pHのMDAPによって精製し、標記の化合物の遊離塩基の混合物を2種得た。第一の混合物は、Rt=2.88である異性体の比率の方が高い3:1混合物(高pHのLCMSによって分析)であり、白色の固体として単離した。第二の混合物は、Rt=2.92である異性体の比率の方が高い2:1混合物(高pHのLCMSによって分析)であり、黄色の固体として単離した。
標記の化合物の遊離塩基の3:1混合物をDCM(2ml)にrtで溶解させた溶液に、HCl(0.15ml、0.15mモル、1MのEtO溶液)を加えた。この反応物を30分間攪拌した後、回転蒸発によって溶媒を除去して、淡い黄色の固体を得た。この固体をEtOでトリチュレーションして、ジアステレオマー比(高pHのLCMSによって分析)が6:1である3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリルヒドロクロリド(E1、21mg、16%)、混合物Aを淡い黄色の固体として得た。
1H NMR δ (DMSO-d6, 400 MHz) 0.99-1.12 (2 H, m), 1.45-1.65 (3 H, m), 1.76-1.92 (3 H, m), 2.04-2.13 (4 H, m), 2.59-2.74 (2 H, m), 3.12-3.29 (7 H, m), 3.50-3.62 (2 H, m), 4.56 (1 H, m), 7.60 (1 H, d, J 8.3), 7.70 (1 H, dd, J 8.3 and 1.5), 8.08-8.12 (1 H, m), 9.78-9.97 (1 H, m)
LCMS:[M+H]370(Rt3.08および3.14)
標記の化合物の遊離塩基の2:1混合物をDCM(2ml)にrtで溶解させた溶液に、HCl(0.09ml、0.09mモル、1MのEtO溶液)を加えた。この反応物を1時間攪拌した後、回転蒸発によって溶媒を除去して、黄色の固体を得た。この固体をEtOでトリチュレーションして、ジアステレオマー比(高pHのLCMSによって分析)が2:1である3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリルヒドロクロリド(E2、8mg、6%)、混合物Bを黄色の固体として得た。
1H NMR δ (DMSO-d6, 400 MHz) 0.99-1.11 (0.66 H, m), 1.44-1.69 (4 H, m), 1.74-1.95 (4.66 H, m), 2.03-2.14 (2.66 H, m), 2.62-2.77 (2 H, m), 3.13-3.30 (7 H, m), 3.50-3.64 (2 H, m), 4.56 (1 H, m), 7.60 (1 H, d, J 8.3), 7.70 (1 H, dd, J 8.3 and 1.5), 8.10-8.17 (1 H, m), 9.87-10.06 (1 H, m)
LCMS:[M+H]370(Rt3.11および3.17)

Claims (15)

  1. 式(I)の化合物またはその塩:
    Figure 2012504574
    〔上記の式において、
    ・R、RおよびRは独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルスルホニル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、−C(=NOC1−6アルキル)C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、および−C(O)NRから選択され、
    ・RとRはそれぞれ独立して、水素およびC1−6アルキルから選択されるか、またはそれらが結合する窒素原子と共に、ピロリジン環もしくはピペリジン環を形成し、
    ・環Aは、ベンゼン環、または1つもしくは2つの窒素原子を含む6員の芳香族複素環であり、
    ・Qは、水素およびC1−6アルキルから選択され、
    ・nは、1、2および3から選択され、
    ・Rは、C1−6アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換されたC1−6アルキル、およびC3−6シクロアルキルから選択され、
    ・Yは、O、S、CH、CHF、CF、CHMe、C(Me)、CHCH、OCH、およびCHOから選択される〕。
  2. が水素である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  3. が水素である、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
  4. がシアノである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  5. がメチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  6. YがOである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  7. Aがベンゼン環である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  8. Qが水素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  9. nが1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  10. 3−(1−{4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、
    3−(1−{トランス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、および
    3−(1−{シス−4−[(メチルオキシ)メチル]シクロヘキシル}−4−ピペリジニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−5−カルボニトリル、
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
  11. 前記塩が製薬学的に許容される塩である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  12. 治療で用いられる、請求項11に記載の化合物またはその塩。
  13. 精神病性障害の治療で用いられる、請求項11に記載の化合物またはその塩。
  14. 統合失調症、認識機能障害、またはアルツハイマー病の治療で用いられる、請求項11に記載の化合物またはその塩。
  15. a)請求項15に記載の化合物またはその塩と、
    b)製薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と
    を含んでなる、医薬組成物。
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