JP2007533715A - GlyT1阻害剤として用いるためのモルホリニルおよびピペリジニル基を有する化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、選択的にGlyT2トランスポーターよりもGlyT1トランスポーターを阻害するものを含めた、GlyT1トランスポーターを阻害することができるさらなる化合物を同定する必要が依然としてある。
この度、一連の新規な化合物がGlyT1トランスポーターを阻害し、したがって、統合失調症を含む、特定の神経障害および神経精神障害の処置に有用であることが見出された。
RおよびR1は、その結合する炭素原子と一緒になって、置換されていてもよいC3−8シクロアルキルまたは置換されていてもよいC3−8複素環を形成するか;あるいは
Rは置換されていてもよいC1−8アルキル、置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、置換されていてもよいC3−8複素環、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールからなる群より選択され;R1は水素、ハロゲン、置換されていてもよいC1−8アルキルおよび置換されていてもよいC3−8シクロアルキルからなる群より選択され;
R2は水素、ハロゲン、置換されていてもよいC1−8アルキルおよび置換されていてもよいC3−8シクロアルキルからなる群より選択され;
R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素またはハロゲンから選択され;
R7およびR8は、独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキルからなる群より選択されるか、あるいはR7およびR8は一緒になってC3−4シクロアルキルを形成し;
Arは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;および
nは0、1、2または3を意味する]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本明細書で用いられる「シクロアルキル」なる語は、非芳香族の環状飽和炭化水素環を意味する。例えば、C3−4シクロアルキルとして、シクロプロピル、およびシクロブチルが含まれる。C3−8シクロアルキルの例には、さらに、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクタニルが挙げられる。
本明細書で用いられる「アリール」なる語は、5員または6員の単環芳香族基、または8員から11員の二環芳香族基を意味する。一例として、フェニル、インデニル、アズレニル、およびナフチルが挙げられる。
本明細書で用いられる「塩」なる語は、無機または有機の酸または塩基、4級アンモニウム塩、および内部に形成されている塩から調製される本発明による化合物のあらゆる塩を意味する。生理学的に許容できる塩は、親化合物に比べて水溶性が高いので医薬の応用に特に適している。そのような塩は、明らかに、生理学的に許容できる陰イオンまたは陽イオンを有していなければならない。本発明の化合物の適切に生理学的に許容できる塩には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、および硫酸などの無機酸で形成される酸付加塩、および酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、カンファースルホン酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、サッカリン酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(パモン)酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィニル酸、アルギン酸、ガラクトウロン酸、およびアリールスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸などの有機酸で形成される酸付加塩、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、ならびに、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(meglumaine)(N−メチルグルカミン)、リジン、およびプロカインなどの有機塩基で形成される塩基の付加塩、ならびに内部に形成される塩が含まれる。非生理学的に許容できる陰イオンまたは陽イオンを有する塩は、生理学的に許容できる塩の調製のための、および/または、例えばインビトロの状態の非治療で使用するための有用な中間化合物として、本発明の範囲内にある。
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、アリールC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルオキシ、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、アリールスルホニルC1−4アルキル、C1−4アルキルスルホンアミド、C1−4アルキルアミド、C1−4アルキルスルホンアミドC1−4アルキル、C1−4アルキルアミドC1−4アルキル、アリールスルホンアミド、アリールカルボキシアミド、アリールスルホンアミドC1−4アルキル、アリールカルボキシアミドC1−4アルキル、アロイル、アロイルC1−4アルキル、アリールC1−4アルカノイル、C1−4アシル、アリール、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、基R9R10N−、R9OCO(CH2)m、R9CON(R10)(CH2)m、R9R10NCO(CH2)m、R9RNSO2(CH2)mまたはR9SO2NR10(CH2)m(ここで、R9およびR10は、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択されるか、もしくは必要に応じてR9R10は、C3−6アザシクロアルカンもしくはC3−6(2−オキソ)アザシクロアルカン環の部分を形成し、mは0、1、2、3、もしくは4である)、または基R9R10N(CH2)p−またはR9R10N(CH2)pO−(ここで、pは1、2、3または4である);置換基がR9R10N(CH2)p−またはR9R10N(CH2)pO−である場合は、基の(CH2)p部分の少なくとも1つのCH2を有するR9は、C3−6アザシクロアルカンを形成することもでき、R10は水素であってもよく、C1−4アルキルまたはそれが結合している窒素とともに第1のC3−6アザシクロアルカンに縮合している第2のC3−6アザシクロアルカンを形成する。さらに、Rが所望により置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または所望により置換されていてもよいC3−8複素環である場合、所望により置換されていてもよいシクロアルキルまたは複素環の基はさらに、C1−3アルキレン基により所望により架橋されていてよい。
一実施形態では、RおよびR1は一緒になって、所望により置換されていてもよいC3−8シクロアルキルまたは所望により置換されていてもよいC3−8複素環を形成する。例えば、RおよびR1はテトラヒドロピラニル、シクロヘキシル、ピペリジニルを形成してもよく、それらは、各々、二重結合を有する、テトラヒドロピラニリデン、シクロヘキシリデンおよびピペリジニリデンを形成するであろう。
一の実施形態では、R1およびR2は共に水素である。
一の実施形態において、R3、R4およびR5は水素であり、R6はフッ素である。
一の実施形態において、Arは、C1−4アルキル、CF3、ハロゲンまたはC3−6シクロアルキルから選択される1個または2個の基により置換されていてもよいフェニルなどの所望により置換されていてもよいアリールである。
一の実施形態において、nは1である。
一の実施形態において、R7およびR8は共に水素である。
Rは、その各々が、ハロゲン、オキソ、シアノ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、アリールC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルC1−4アルキル、C1−4アルキルアミド、C1−4アルキルスルホンアミドC1−4アルキル、アロイル、アロイルC1−4アルキル、C1−4アシル、アリール、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、基R9R10N−、R9CON(R10)(CH2)mまたはR9R10NCO(CH2)m(ここで、R9およびR10は、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択されるか、または必要に応じてR9R10はC3−6アザシクロアルカン環の部分を形成し、mは0、1、2、3または4である)からなる群から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8複素環、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され;
Arは、その各々が、ハロゲン、オキソ、シアノ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、アリールC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルC1−4アルキル、C1−4アルキルアミド、C1−4アルキルスルホンアミドC1−4アルキル、アロイル、アロイルC1−4アルキル、C1−4アシル、アリール、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、基R9R10N−、R9CON(R10)(CH2)mまたはR9R10NCO(CH2)m(ここで、R9およびR10は、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択されるか、または必要に応じてR9R10はC3−6アザシクロアルカン環の部分を形成し、mは0、1、2、3または4である)からなる群から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、フェニルまたはヘテロアリールを意味する]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
好ましい実施形態の様々な態様は、不適切でない場合には、それぞれ他の好ましい実施形態の態様と組み合わせることができることを理解されたい。
本発明の化合物の一例として、(2E)−N−({1−[(4−エチルフェニル)メチル]−4−ピペリジニル}メチル)−N−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−3−フェニル−2−プロペンアミド、あるいはその塩または溶媒和物が挙げられる。
本明細書に記載した化合物のあるものは、立体異性体の形態で存在することができる(すなわち、これらは1つまたは複数の不斉炭素原子を含むことがあり、またはシス−トランス異性体を表すことがある)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)、およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。かくして、以下に示される式(I)の各形態、ならびにその混合物も本発明の範囲内にある。
上記したように、式(I)の化合物の個々のエナンチオマーを調製することができ、そのようなエナンチオマーに対する好ましい立体化学の指示が与えられている。好ましい一実施形態では、光学的に純粋なエナンチオマーが望ましい。「光学的に純粋なエナンチオマー」なる語は、化合物が、約90重量%を超えて所望の異性体を含み、好ましくは約95重量%を超えて所望の異性体を含み、最も好ましくは約99重量%を超えて所望の異性体を含み、この重量パーセントは化合物の異性体の全重量をもとにしている。
本発明の化合物は、標準的な化学を含む、様々な方法により製造することができる。先に定義したあらゆる変数は、別段の記載がなければ、先に定義した意味を継続して有する。例示的な一般的な合成方法を以下に述べ、次いで、本発明の特定の化合物を、実施例で調製する。
一般構造(2)および(3)の出発物質、ならびに試薬(7)、(8)、(9)および(13)は、文献で知られているか、当技術分野で知られている方法を用いて調製することができる。
還元工程(iii)および(vii)は、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、水素化アルミニウムリチウムを用いて還元するなどの標準的方法を用いて達成することができる。還元的アミノ化工程(vi)は、例えば、1,2−ジクロロエタンまたはジクロロメタンなどの不活性溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下、(3)をアルデヒド(8)と反応させる、既知の方法を用いて行われうる。
保護基Pの例として、t−ブチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニルおよび所望により置換されていてもよいベンジルが挙げられる。脱保護条件は個々の保護基に依存するであろう;上記した基の場合、これらの条件は、各々、酸性(例えば、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸)、塩基性(例えば、水性メタノールなどの溶媒中の炭酸カリウム)および不活性溶媒中の触媒性水素化分解(例えば、低級アルコールまたは酢酸エチル中のパラジウム/チャコールの使用)である。保護基を相互変換することもこの範囲内にある。
(a)式(II):
で示される化合物を、式(III):
で示される化合物と反応させるか;あるいは
で示される化合物を、式(V):
で示される化合物と反応させるか;あるいは
で示される化合物と反応させ;
いずれの保護基を除去してもよく、および/または、
式(I)の化合物を、別の式(I)の化合物に変換してもよく、および/または、
塩もしくは溶媒和物を形成してもよい
工程を含む、方法を提供する。
医薬上許容される塩は、慣例的には、好適な酸または酸誘導体との反応により調製することができる。
本発明の化合物は、GlyT1トランスポーターを阻害する。化合物は、GlyT2トランスポーターよりもGlyT1トランスポーターを選択的に阻害することができる。
このような化合物は、ある種の神経障害および神経精神障害の処置に適する。本明細書で用いられる「処置」、および「処置する」は、確立された症状の緩和および/または治療、ならびに予防を意味する。
グリシン(タイプ1)トランスポーターを発現するHEK293細胞を、L−グルタミン2mM、G418 0.8mg/ml、および加熱不活化したウシ胎児血清(Gibco BRL)10%を含む細胞培養液(DMEM/NUTmixF12)中、37℃、5%CO2で増殖させた。T175フラスコで70−80%のコンフルエントに増殖させた細胞を回収し、アッセイバッファー[NaCl(140mM)、KCl(5.4mM)、CaCl2(1.8mM)、MgSO4(0.8mM)、HEPES(20mM)、グルコース(5mM)、およびアラニン(5mM)、pH7.4]に、1.6x106細胞/mlで再懸濁した。等容量のLeadseeker(登録商標)SPAビーズ(アッセイバッファー中12.5mg/mlで懸濁)を細胞に加え、細胞/ビーズ懸濁液25μLを、アッセイバッファー14μLを含む384ウェルの白色固体底プレートの各ウェルに移した(20000細胞/ウェル)。化合物を、DMSO中10mMのストックとして調製した。5mMの最高濃度から化合物の2倍の段階希釈を、DMSOで作成した。各濃度の化合物1μLを、384ウェルのパラレル分取を用いてアッセイプレートに添加した。各ウェルに基質(10μL)を加えた(グリシン5mMを含むアッセイバッファーに[3H]−グリシンの1:40希釈)。最終のDMSO濃度=2%。5分間暴露して、PerkinElmer Viewluxを用いてデータを回収した。Grafitを用いてIC50値を決定した。
グリシン(タイプ1)トランスポーターを発現するHEK293細胞を、細胞培養液[L−グルタミン2mM、G418 0.8mg/ml、および加熱不活化したウシ胎児血清10%を含むDMEM/NUTmixF12]で、37℃および5%CO2で増殖させた。T175フラスコで70−80%のコンフルエントに増殖させた細胞を回収し、アッセイバッファー[NaCl 140mM、KCl 5.4mM、CaCl21.8mM、MgSO40.8mM、HEPES20mM、グルコース5mM、およびアラニン5mM、pH7.4]中、1.6x106細胞/mLで再懸濁した。10mMの最高濃度から化合物をDMSOで2倍に段階希釈し、各化合物から16データポイントの投与量−反応を得た。各濃度の化合物250nLをアッセイプレートに添加した。等容量のリードシーカー(LeadseekerTM)WGA SPAビーズ(アッセイバッファー中12.5mg/mlで懸濁)を細胞懸濁液に加え、細胞/ビーズ懸濁液12.5μLを、試験化合物250nLを含有する384ウェルの白色固体底プレートの各ウェルに移した(10000細胞/ウェル)。各ウェルに基質(12.5μL)を加えた[グリシン2mMを含むアッセイバッファーに[3H]−グリシンストックの1:100希釈]。最終のDMSO濃度は1v/v%であった。パーキン・エルマー・ビューレックスを用いてデータを集めた。Grafitを用いてIC50値を決定した。
したがって、本発明のさらなる一態様では、治療で使用するための、前述の式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本発明のもう一つ別の態様では、GlyT1が媒介する障害の処置に使用するための、前述の式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本発明のもう一つ別の態様では、上記で定義した式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の、GlyT1が媒介する障害を処置するための薬剤の調製における使用が提供される。
上記に記載した使用または方法で処置する、GlyT1が媒介する障害は、統合失調症、認知症、および注意欠陥障害を含む精神病、特に統合失調症であることが好ましい。
本発明にしたがって用いる化合物は原材料として投与することができるが、有効成分は医薬組成物の形態で提供することが好ましい。
したがって、本発明のさらなる一態様では、上記に記載した式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物、および少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
式(I)の化合物は、自閉性障害(299.00);亜型である注意欠陥多動障害混合型(314.01)、注意欠陥多動障害不注意優勢型(314.00)、注意欠陥多動障害多動性優勢型(314.01)、および他に特定されない注意欠陥多動障害(314.9)を含む注意欠陥多動障害;他動性障害;亜型である小児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)、および特定されない発症(312.89)を含む行為障害、反抗挑戦性障害(313.81)、および他に特定されない破壊的行動障害などの破壊的行動障害;ならびにトゥーレット障害(307.23)などのチック障害の処置にも有用である。
本発明の別の一態様では、上記で定義した式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の有効量を投与することを含む、GlyT1が媒介する障害に罹患しており、または感受性のある、ヒトを含む哺乳動物を処置する方法が提供される。
上記に記載した使用または方法により処置するGlyT1が媒介する障害は、統合失調症、認知症、および注意欠陥障害を含む精神病、特に統合失調症であることが好ましい。
本発明にしたがって用いる化合物は原材料として投与することができるが、有効成分は医薬組成物の形態で提供することが好ましい。
したがって、本発明のさらなる一態様では、上記に記載した式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物、および少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切なセロトニン拮抗薬には、スマトリプタン、ラウウォルシン(rauwolscine)、ヨヒンビン、メトクロプラミドが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切なSSRIには、フルオキセチン、シタロプラム、フェモキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、インダルピン、セルトラリン(setraline)、ジメルジンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切なSNRIには、ベンラファキシン、およびレボキセチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切なドパミン作動性抗うつ薬には、ブプロピオンおよびアミネプチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切な抗痙攣薬には、例えば、ジバルプロエクス、カルバマゼピン、およびジアゼパムが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切な非定型抗精神病薬には、例えば、リスペリドン、オランザピン、ジプラシドン、アリピプラゾール、およびクロザピンが含まれる。
組合せの化合物、または組成物は、同時に(同一の、もしくは異なる医薬処方のいずれかにおいて)、別々に、または逐次に投与することができることが理解されよう。
本発明の文脈の中で、精神障害は、統合失調症、気分障害、不安障害、物質に関連する障害、睡眠障害、摂食障害、自閉症障害、注意欠陥多動性障害、破壊的行為障害、チック障害、人格障害、他の疾患における認知損傷、性的機能不全、運動障害、うつ病、双極性障害、認知損傷、および強迫性障害、ならびに全ての本明細書で述べた様々な形態の障害など、上記に記載したこれらの障害を含み、これらは本発明の部分として企図される。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切なSSRIには、フルオキセチン、シタロプラム、フェモキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、インダルピン、セルトラリン、ジメルジンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切なSNRIには、ベンラファキシンおよびレボキセチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切なドパミン作動性抗うつ薬には、ブプロピオンおよびアミネプチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切な抗痙攣薬には、例えば、ジバルプロエクス、カルバマゼピン、およびジアゼパムが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる適切な非定型抗精神病薬には、例えば、リスペリドン、オランザピン、ジプラシドン、アリピプラゾール、およびクロザピンが含まれる。
可能な処方には、経口の、舌下の、バッカルの、非経口の(例えば、皮下の、筋肉内の、または静脈内の)、直腸の、局所の、および鼻腔内の投与に適するもの、および吸入または通気(口または鼻のいずれかによる)の投与に適する形態のものが含まれる。特定の患者に最も適する投与手段は、処置する病状の性質および重症度により、有効化合物の性質によるが、可能な場合には経口投与が好ましい。
舌下の、またはバッカルの投与に適する処方には、有効化合物、ならびに典型的には糖およびアラビアゴムもしくはトラガカントゴムなどの味付けされた基剤を含むロゼンジ剤、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアラビアゴムなどの不活性な基剤中に有効化合物を含む香錠が含まれる。
直腸投与に適する処方は、有効成分、および、座剤の基剤を形成する1つまたは複数の固体の担体、例えばココアバターを含む、単位投与量の座剤として提供することが好ましい。
局所の、または鼻腔内の適用に適する処方には、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、パスタ剤、ゲル剤、噴霧剤、エアロゾル、および油剤が含まれる。このような処方に適する担体には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、およびこれらの組合せが含まれる。
例えば、錠剤は、有効成分の粉末または顆粒、および1つまたは複数の所望の成分、例えば、結合剤、滑沢剤、不活性の希釈剤、もしくは界面活性の分散剤を含む均質な混合物を圧縮することにより、あるいは粉末化した有効成分および不活性の液体の希釈剤の均質な混合物を成形することにより、調製することができる。
非経口投与のための水溶液は、典型的には、有効化合物を十分な水に溶解して望ましい濃度にし、次いで得られた溶液を滅菌および等張にすることにより調製する。
統合失調症を含む、GlyT1阻害物質が媒介する神経障害および神経精神障害を処置するために、(体重約70kgの)ヒトに対する、経口の、舌下の、非経口の、バッカルの、直腸の、鼻腔内の、または局所の投与のために、本発明により使用するための有効成分の提唱されている投与量は、例えば、1日1回から4回投与することができる単位投与量あたりの有効成分が、約1から約1000mg、好ましくは約5から約500mg、より好ましくは約10から約100mgであることができる。
略語
テトラヒドロフラン THF
ジクロロメタン DCM
トリエチルアミン TEA
酢酸エチル EtOAc
重炭酸ナトリウム NaHCO3
水素化アルミニウムリチウム LAH
ジメチルスルホキシド DMSO
上記の酸塩化物のDCM(50ml)中溶液を0℃の3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)アニリン(7.13g、36ミリモル)およびトリエチルアミン(14ml、101ミリモル)のDCM(450ml)中攪拌溶液に滴下した。得られた混合物を室温にし、18時間攪拌し、ついでNaHCO3(飽和)と分配させた。有機相を乾燥させ、真空下で蒸発させて標記生成物(20.1g、91%)を灰白色固体として得た。マススペクトル(電子噴射 LC/MS):測定値 440(MH+)。C25H30FN3O3として、計算値 439。
Claims (18)
- 式(I):
RおよびR1は、その結合する炭素原子と一緒になって、置換されていてもよいC3−8シクロアルキルまたは置換されていてもよいC3−8複素環を形成するか;あるいは
Rは置換されていてもよいC1−8アルキル、置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、置換されていてもよいC3−8複素環、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールからなる群より選択され;R1は水素、ハロゲン、置換されていてもよいC1−8アルキルおよび置換されていてもよいC3−8シクロアルキルからなる群より選択され;
R2は水素、ハロゲン、置換されていてもよいC1−8アルキルおよび置換されていてもよいC3−8シクロアルキルからなる群より選択され;
R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素またはハロゲンから選択され;
R7およびR8は、独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキルからなる群より選択されるか、あるいはR7およびR8は一緒になってC3−4シクロアルキルを形成し;
Arは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;および
nは0、1、2または3を意味する]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。 - Rがフェニルなどのアリールであるところの、請求項1記載の化合物。
- R1およびR2が共に水素であるところの、請求項1記載の化合物。
- R3、R4およびR5が水素であり、R6がフッ素であるところの、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の化合物。
- ArがC1−4アルキル、CF3、ハロゲンまたはC3−6シクロアルキルより選択される1個または2個の基で置換されていてもよいフェニルなどの、置換されていてもよいアリールであるところの、請求項1−4のいずれか一項に記載の化合物。
- nが1であるところの、請求項1―5のいずれか一項に記載の化合物。
- R7およびR8が共に水素であるところの、請求項1−6のいずれか一項に記載の化合物。
- 式(Ia):
Rは、その各々が、ハロゲン、オキソ、シアノ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、アリールC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルC1−4アルキル、C1−4アルキルアミド、C1−4アルキルスルホンアミドC1−4アルキル、アロイル、アロイルC1−4アルキル、C1−4アシル、アリール、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、基R9R10N−、R9CON(R10)(CH2)mまたはR9R10NCO(CH2)m(ここで、R9およびR10は、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択されるか、または必要に応じてR9R10はC3−6アザシクロアルカン環の部分を形成し、mは0、1、2、3または4である)からなる群から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8複素環、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され;
Zは水素、フッ素または塩素であり;および
Arは、その各々が、ハロゲン、オキソ、シアノ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、アリールC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルカノイル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルC1−4アルキル、C1−4アルキルアミド、C1−4アルキルスルホンアミドC1−4アルキル、アロイル、アロイルC1−4アルキル、C1−4アシル、アリール、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、基R9R10N−、R9CON(R10)(CH2)mまたはR9R10NCO(CH2)m(ここで、R9およびR10は、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択されるか、または必要に応じてR9R10はC3−6アザシクロアルカン環の部分を形成し、mは0、1、2、3または4である)からなる群から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、フェニルまたはヘテロアリールを意味する]
で示される化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。 - (2E)−N−({1−[(4−エチルフェニル)メチル]−4−ピペリジニル}メチル)−N−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−3−フェニル−2−プロペンアミドまたはその塩もしくは溶媒和物である、請求項1記載の化合物。
- (a)式(II):
で示される化合物を、式(III):
で示される化合物と反応させるか;あるいは
(b)式(IV):
で示される化合物を、式(V):
で示される化合物と反応させるか;あるいは
(c)nが1、2または3である式(I)の化合物の場合、上記で定義した式(IV)の化合物を、式(VI):
で示される化合物と反応させ;
次いで、工程(a)、工程(b)または工程(c)について、
いずれの保護基を除去してもよく、および/または、
式(I)の化合物を、別の式(I)の化合物に変換してもよく、および/または、
塩もしくは溶媒和物を形成してもよい
工程を含む、請求項1に記載の化合物を調製する方法。 - 治療に使用するための、請求項1−9のいずれかに記載の化合物。
- GlyT1が媒介する障害の処置に使用するための、請求項1−9のいずれかに記載の化合物。
- 障害が、統合失調症、認知症または注意欠陥障害を含む精神病である、請求項12記載の化合物。
- 請求項1−9のいずれかに記載の化合物の有効量を投与することを含む、GlyT1が媒介する障害に罹患しているか、感受性であるヒトを含む哺乳動物を処置する方法。
- 障害が、統合失調症、認知症または注意欠陥障害を含む精神病である、請求項14記載の方法。
- GlyT1が媒介する障害を処置するための薬物の調製における、請求項1−9のいずれかに記載の化合物の使用。
- 障害が、統合失調症、認知症または注意欠陥障害を含む精神病である、請求項16記載の使用。
- 請求項1−9のいずれかに記載の化合物、および少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
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