JP2008525403A - グリシントランスポーター阻害化合物としての酸素含有複素環 - Google Patents

グリシントランスポーター阻害化合物としての酸素含有複素環 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I):
Figure 2008525403

の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、神経障害および精神神経障害、特に、統合失調症、認知症もしくは注意欠陥障害を処置するための医薬の製造におけるその使用に関する。本発明は、これらの化合物の製法および医薬処方をさらに含む。式(I)におけるR1は式:
Figure 2008525403

から選択される基である。

Description

本発明は、グリシントランスポーター阻害化合物、神経障害および精神神経障害、特に、統合失調病、認知症または注意欠如障害を処置する医薬の製造におけるその使用に関する。本発明はさらにかかる化合物の製法およびその医薬処方を含む。
分子クローニングは、哺乳類の脳にGlyT1およびGlyT2と称される、2群のグリシントランスポーターが存在することを明らかにする。GlyT1は主に前脳で見出され、その分布はグルタミン酸経路およびNMDA受容体の分布と一致する(Smith,ら,Neuron,8,1992:927−935)。さらに、分子クローニングは、GlyT−1a、GlyT−1bおよびGlyT−1cと称される(Kimら,Molecular Pharmacology,45,1994:608−617)、GlyT1の3種の変種の存在を明らかにし、それぞれ脳および末梢組織において特有の分布を示す。変種は異なるスプライシングおよびエクソンを用いることにより生じ、そのN末端領域は異なる。一方、GlyT2は主に脳幹および脊髄で見出され、その分布はストリキニーネ選択性グリシン受容体の分布と非常に一致する(Liuら,J.Biological Chemistry,268,1993:22802−22808;JurskyおよびNelson,J.Neurochemistry,64,1995:1026−1033)。GlyT2が介在するグリシントランスポーターのもう一つの際だった特徴は、GlyT1が介在するグリシントランスポーターのようにはサルコシンにより阻害されないことである。これらのデータは、グリシンのシナプスレベルを調節することにより、GlyT1およびGlyT2が、各々、選択的にNMDA受容体およびストリキニーネ選択性グリシン受容体の活性に影響を及ぼすという見解と一致する。
NMDA受容体は、記憶および学習に関し(RisonおよびStaunton,Neurosci.Biobehav.Rev.,19 533−552(1995);Danyszら,Behavioral Pharmacol.,6 455−474(1995));さらに、NMDA介在神経伝達の減少機能は、統合失調症の症状の基礎となるかまたはそれに寄与するように思われる(OlneyおよびFarber,Archives General Psychiatry,52,998−1007(1996))。したがって、GlyT1を阻害し、それによりNMDA受容体のグリシン活性を増大する試薬は、新規な抗精神病薬および抗認知症薬として用いることができ、注意欠如障害および器質脳症候群などの認知過程を損なう他の疾患を処置するために用いられうる。逆に、NMDA受容体の過活性は、多数の病態、特に、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDS認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症または脳梗塞もしくは頭部外傷などの神経細胞死がもたらす他の病態などの脳梗塞もしくはおそらく神経変性病に付随する神経細胞死に関する。Coyle&Puttfarcken,Science,262,689−695(1993);LiptonおよびRosenberg,New Engl.J.of Medicine330,613−622(1993);Choi,Neuron,1,623−634(1988)。したがって、GlyT1の活性を増大する薬剤は、NMDA受容体のグリシン活性の減少をもたらすだろうし、活性はこれらおよび関連の病態を処置するために用いられうる。同様に、NMDA受容体のグリシン部位を直接阻害する薬剤は、これらおよび関連の病態を処置するために用いられうる。
グリシントランスポーター阻害薬はすでに当業者に公知であり、例えば、公開された国際特許出願WO03/055478に開示されている(スミスクライン・ビーチャム(SmithKline Beecham))。
しかしながら、GlyT2トランスポーターより選択的にGlyT1トランスポーターを阻害する化合物を含む、GlyT1を阻害しうる化合物をさらに同定する必要が現在も依然としてある。
この度、新規クラスの化合物がGlyT1トランスポーターを阻害し、さらに、統合失調症を含む特定の神経疾患かつ精神神経疾患の処置に有用であることを見出す。
したがって、最初の態様において、式(I):
Figure 2008525403
(I)
[式中:Rは、式:
Figure 2008525403
{式中:各Zは、独立して、水素、ハロゲン、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ハロC1−4アルキルチオ、C3−7シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホキシ、C1−4アルキルスルホニル、またはシアノから選択され;
および各Z’は、独立して、水素、フルオロまたはC1−4アルキルから選択される}
から選択される基であり;
は、ハロゲン、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C(O)NR10(ここで、各RおよびR10は、独立して、水素もしくはC1−4アルキルであるかまたはRおよびR10はそれらが結合している窒素原子と一緒になって4−、5−、6−もしくは7−員飽和環を形成し、その4−、5−、6−もしくは、7−員飽和環はO、NおよびS(O)(ここで、mは0、1、または2である)から選択される付加的なヘテロ原子を所望によりさらに含んでいてもよい)、C3−7シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、およびハロC1−4アルキルチオからなる群より選択され;
nは、0、1または2であり、
およびRは、独立して、水素、所望により1個もしくはそれ以上の置換基Yで置換されていてもよいC1−4アルキルから選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって所望により置換基Y’で置換されていてもよい飽和もしくは部分的不飽和環式4−、5−、6−もしくは7−員環を形成し;
YはC1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシおよびC3−5シクロアルキルならびにC5−10アリールからなる群より選択され;
Y’はC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシ、C3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群より選択されるかまたはY’は4−、5−もしくは6−員環上の2個の原子間で−CH−もしくは−CH−CH−架橋を形成し;
およびRは、独立して、所望により1個もしくはそれ以上の置換基Xで置換されていてもよいC1−4アルキルであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって所望により1個もしくはそれ以上の置換基X’で置換されていてもよい飽和5−もしくは6−員炭素環を形成し、RおよびRがそれらが結合している炭素原子と一緒になって5−員飽和炭素環を形成する場合において、その環は、O、NおよびS(O)(ここで、m=0、1または2)から選択される付加的なヘテロ原子を所望によりさらに含んでいてもよく;
Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択され;ならびに
X’はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択される]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
本明細書で用いられる「アルキル」なる語は、全異性体における直鎖もしくは分岐鎖アルキル基をいう。C1−4アルキルの例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルが挙げられる。
本明細書で用いられる「シクロアルキル」なる語は、非芳香族環状飽和ヘテロ炭素環をいう。C3−7シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書で用いられる「アルコキシ」なる語は、−O−アルキル基(ここで、アルキルは上記のとおりである)をいう。
本明細書で用いられる「アルキルチオ」なる語は、−S−アルキル基(ここで、アルキルは上記のとおりである)をいう。
本明細書で用いられる「C5−10アリール」なる語は、5−もしくは6−員単環式芳香族基または8−ないし10−員二環式芳香族基をいう。C5−10アリールの例として、フェニル、インデニル、アズレニルおよびナフチルが挙げられる。
本明細書で用いられる「ハロゲン」およびその略称「ハロ」なる語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
本明細書で用いられる「ハロアルキル」なる語は、いくつかのフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子で置換されている上記のアルキル基をいい、それらの原子の混合物で置換されているものを含む。ハロアルキル基は、例えば、1、2または3個のハロゲン原子を含んでいてもよい。例えば、ハロアルキル基はハロゲン原子で置換される全ての水素原子を有していてもよい。ハロアルキル基の例として、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルが挙げられる。
本明細書で用いられる「塩」なる語は、無機または有機酸または塩基から調製される本発明に記載の化合物の塩、第4級アンモニウム塩および内部形成塩をいう。生理学上許容される塩は、親化合物と比べてより高い水性溶解度のために医学的応用に特に適当である。かかる塩は、生理学上許容されるアニオンまたはカチオンを明確に有していなければならない。本発明の化合物の適当な生理学上許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸などの無機酸、ならびに酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、カンファー硫酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィニル酸、アルギン酸、ガラクツロン酸およびアリールスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸などの有機酸と形成する酸付加塩:アルカリ金属およびアルカリ土類金属ならびにN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、リジンおよびプロカインなどの有機塩基と形成する塩基付加塩;および内部形成塩を含む。非生理学上許容されるアニオンまたはカチオンを有する塩は、生理学上許容される塩の調製および/または非治療的状況、例えば、インビトロでの使用のための有用な中間体として本発明の範囲内である。かかる塩は、適当な化学量論を有していてもよい。例えば、塩は、1:1または2:1の化学量論を有していてもよい。整数でない化学量論比もまたとりうる。
本明細書で用いられる「溶媒和物」なる語は、溶質(本発明において、式(I)の化合物またはその塩)および溶媒により形成される可変化学量論の複合体をいう。本発明の目的のかかる溶媒は、溶質の生物活性を阻害しなくてもよい。適当な溶媒の例として、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましくは用いられる溶媒は、医薬上許容される溶媒である。適当な医薬上許容される溶媒の例として、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。最も好ましくは用いられる溶媒は水である。
一の実施態様において、Rはベンゾフラニルおよびベンゾジオキソリルからなる群より選択される。
一の実施態様において、Zは水素、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキルおよびC1−4アルキルチオからなる群より選択される。
さらなる実施態様において、Zは水素、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、C1−4アルキルチオおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択される。さらなる実施態様において、Zは水素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオおよびハロC1−4アルコキシからなる群より選択される。さらなる実施態様において、Zは水素およびメトキシから選択される。
一の実施態様において、全て、または1、2もしくは3個の置換基Z以外全て水素である。一の実施態様において、1または2個の置換基Z以外全て水素である。例えば、1個の置換基Zは水素ではない。
一の実施態様において、Z’はメチルである。
一の実施態様において、Rはハロゲン、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、およびハロC1−4アルコキシからなる群より選択される。一の実施態様において、Rはメトキシ、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルからなる群より選択される。
例えば、nは0、1または2であってもよい。例えば、nは0であってもよい。
一の実施態様において、RおよびRは、両方同時に、同一のC1−4アルキル、1個もしくはそれ以上の置換基Yで置換されている同一のC1−4アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって所望により置換基Y’で置換されていてもよい飽和5−もしくは6−員環を形成している。
一の実施態様において、RおよびRは両方共にC1−4アルキル、例えば、メチルまたはエチル、例えば、メチルである。
例えば、YはC1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択されていてもよい。一の実施態様において、YはC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択される。
例えば、Y’はハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択されていてもよい。一の実施態様において、Y’はC1−4アルキル、C1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択される。
一の実施態様において、RおよびRは、独立して、水素、所望により置換基Yで置換されていてもよいC1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)から選択されるかまたはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって所望により置換基Y’で置換されていてもよい飽和もしくは部分的不飽和(例えば、飽和)4−、5−、6−もしくは7−員環を形成する。
さらなる実施態様において、RおよびRは所望により置換基Yで置換されていてもよいメチルもしくはエチルから選択されるかまたはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって所望により置換基Y’で置換されていてもよい飽和4−、5−もしくは6−員環を形成する。例えば、RおよびRは両方共に非置換のメチルであるかまたはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、例えば、RおよびRが両方共に非置換のメチルである飽和5−もしくは6−員環を形成する。
例えば、YはC1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群より選択されていてもよい。
例えば、Y’はハロゲンおよびC1−4アルキルからなる群より選択されていてもよく、またはY’は5−もしくは6−員環上の2個の原子間で−CH−架橋を形成していてもよい。さらなる実施態様において、Y’はハロゲンおよびC1−4アルキルからなる群より選択される。
一の実施態様において、RおよびRは、両方同時に、同一のC1−4アルキル、1個もしくはそれ以上の置換基Xで置換されているC1−4アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって所望により置換基X’で置換されていてもよい飽和5−もしくは6−員炭素環を形成し、その5−もしくは6−員飽和炭素環はO、NおよびS(O)(ここで、mは0、1、または2である)から選択される付加的なヘテロ原子を所望によりさらに含んでいてもよい。
さらなる実施態様において、RおよびRは両方共にメチルであるかまたはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−もしくは6−員炭素環、例えば、5−員炭素環を形成する。
例えば、Xはハロゲン、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択される。
一の実施態様において、RおよびRは、独立して、所望により1個もしくはそれ以上の置換基Xで置換されていてもよいメチルもしくはエチルから選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−もしくは6−員炭素環を形成し、RおよびRがそれらが結合している炭素原子と一緒になって炭素環式5−員環を形成する場合において、その環は、所望により酸素ヘテロ原子をさらに含んでいてもよい。
例えば、一の実施態様において、RおよびRは、独立して、メチルもしくはエチルから選択されるかまたはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−員炭素環を形成する。例えば、さらなる実施態様において、RおよびRは両方共にメチルであるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−員炭素環を形成する。例えば、さらなる実施態様において、RおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−員炭素環を形成する。
例えば、XはヒドロキシおよびC1−4アルコキシからなる群より選択されていてもよい。
例えば、X’はヒドロキシおよびC1−4アルコキシからなる群より選択されていてもよい。
一の実施態様において、一組の置換基R3/R4およびR5/R6の少なくとも一つは、それらがそれぞれに結合している窒素または炭素原子と環状基を形成する。例えば、該環状基は5−員環であってもよい。
したがって、一の実施態様において、本発明は式(Ia):
Figure 2008525403
(Ia)
[式中:Rは式:
Figure 2008525403
{式中:各Zは、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルからなる群より選択され;
各Z’はメチルである}
から選択される基であり;
およびRは、独立して、水素、所望により置換基Yで置換されていてもよいC1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)から選択されるか、またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって所望により置換基Y’で置換されていてもよい飽和もしくは部分的不飽和(例えば、飽和)4−、5−、6−もしくは7−員環を形成する。
YはC1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群より選択され;
Y’はハロゲンおよびC1−4アルキルからなる群より選択され;
およびRは、独立して、所望により1個もしくはそれ以上の置換基Xで置換されていてもよいメチルもしくはエチルから選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−もしくは6−員炭素環を形成し、RおよびRがそれらが結合している炭素原子と一緒になって炭素環式5−員飽和環を形成する場合において、その環は所望により酸素ヘテロ原子をさらに含んでいてもよく;ならびに
XはヒドロキシおよびC1−4アルコキシからなる群より選択される]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
式(I)の化合物の全ての実施態様および特徴は、式(Ia)の化合物に適用する。
本発明の化合物の例として、以下に示される実施例1ないし5ならびにその塩および溶媒和物が挙げられる。
式(I)の化合物は、複数の形態において結晶化能を有していてもよい。これは多形として知られる特徴であり、かかる多形(「多形体」)が式(I)の範囲内であることは理解される。多形は、一般に、温度もしくは圧力またはその両方における変化に対する応答として生じ、結晶化工程における変化にも起因しうる。多形体は、X線回折パターン、溶解度、および融点などの当業者に公知な様々な物理的特徴により区別されうる。
本明細書に記載の特定の化合物は、立体異性体で存在してもよい(すなわち、それらは1個もしくはそれ以上の不斉炭素原子を含んでいてもよく、またはシス−トランス異性を示していてもよい)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。同様に、式(I)の化合物は、式で示されるもの以外の互変異性型で存在していてもよく、これらはまた本発明の範囲内に含まれる。
上記のように、式(I)の化合物の個々のエナンチオマーを調製してもよい。好ましい実施形態において、光学的に純粋なエナンチオマーが望ましい。「光学的に純粋なエナンチオマー」なる語は、化合物が重量あたり所望の異性体を約90%以上含むこと、好ましくは重量あたり所望の異性体を約95%以上、最も好ましくは重量あたり所望の異性体を約99%以上含むことを意味し、該重量パーセントは、化合物の異性体(複数でも可)の総重量に基づく。いくつかの場合で、特定の構造のあるエナンチオマーは、同じ構造の他のエナンチオマーよりも有意に高い活性を有することがある。キラルに純粋な化合物、またはキラルに豊富化された化合物は、キラル選択的合成によってか、またはエナンチオマーの分離によって調製することができる。エナンチオマーの分離は、最終生成物にて行うことができるし、あるいは適当な中間体にて行うこともできる。
本発明の化合物は、標準化学を含む、様々な方法により生成されうる。上記の可変基は、特に示されない限り、上記の意味を継続して有するものである。例示的な一般的な合成方法を以下に記載し、次いで、本発明の特定の化合物を実施例において調製する。
一般式(I)の化合物は、以下の合成スキームにより一部に記載の有機合成の分野における既知の方法により調製してもよい。下記の全てのスキームにおいて、感受性または反応性基の保護基は、化学の原則にしたがって必要に応じて用いられることは十分理解され、認められる。保護基は、有機合成の標準方法にしたがって処理される(T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts(1991)Protecting Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons)。これらの基は、当業者が容易に理解する方法を用いて化合物合成の都合のよい工程で除去される。工程の選択ならびに反応条件およびその実施の順序は、式(I)の化合物の調製と一致するであろう。当業者であれば、立体中心が式(I)の化合物中に存在するかどうか分かるであろう。したがって、本発明は両方の可能な立体異性体を含み、ラセミ化合物だけでなくエナンチオマーも同様に含む。立体化学が特定の部位で可変であるとして示されると、立体異性体の混合物を得てもよく、該混合物は示されるように分離される。立体異性体は、高速液体クロマトグラフィーまたは他の適当な方法により分離してもよい。化合物が単一のエナンチオマーであることが望まれると、立体特異的合成または最終生成物もしくはいずれかの都合のよい中間体の分解により得てもよい。最終生成物、中間体または出発物質の分解を、当該分野に既知のいずれかの適当な方法によりもたらしてもよい。例えば、Stereochemistry of Organic Compounds by E.L.Eliel,S.H.Wilen,およびL.N.Mander(Wiley−Interscience,1994)を参照のこと。
本明細書の上記の式(I)の化合物の調製についての典型的な反応経路は、以下のスキームにより示される。出発物質および試薬は当業者に公知でありおよび/または当業者に公知な方法を用いて調製しうる。
式(I)の化合物は、公知な方法、例えば、以下のスキームで説明される合成経路により合成されうるが、これに限定されるものではない;
スキーム1
Figure 2008525403
[式中:n、R、R、R、R、RおよびRは、式(I)の化合物と同義である]
工程(i)を、例えば、水などの溶媒中で無機シアン化物、例えば、シアンカリウムの存在下において、アミンもしくはアミン塩とケトンの反応によりまたは無溶媒もしくは酢酸などの溶媒中のいずれかでアミンおよびシアン化トリメチルシリルとケトンの反応により実施する。
工程(ii)は、適当な不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン中で適当な有機金属試薬、例えば、フェニルリチウムとの一連の反応、次いで、適当な溶媒、例えば、メタノール中で還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウムとの還元により達成されうる。
工程(iii)のアシル化は、式(III):
Figure 2008525403
(III)
[式中:Rは式(I)の記載と同義であり、Lは適当な脱離基を表す]
の化合物との反応により達成されうる。
脱離基の例として、ハロゲン、ヒドロキシ、OC(=O)アルキル、OC(=O)O−アルキルおよびOSOMeが挙げられる。Lはハロゲンであってもよく、工程(iii)のアシル化を、トリエチルアミンなどの塩基存在下において、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中で実施してもよい。Lがヒドロキシを表す場合、反応は、好ましくはカップリング試薬、例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、塩酸N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N−エチルカルボジイミド(EDC)、ポリマー担持EDC、ポリマー担持DCCまたはヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HATU)などのジイミド試薬の存在下において、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中で起こる。
スキームには、基Rを他の基Rに変換し、同様に基R、R、R、RおよびRに変換する自由がある。
したがって、第二の態様において、本発明は、式(II):
Figure 2008525403
(II)
[式中:R、R、R、RおよびRは、式(I)の記載と同義である]
の化合物を式(III):
Figure 2008525403
(III)
[式中:Rは式(I)の記載と同義であり、Lは適当な脱離基を表す]
の化合物と反応させ、その後、所望により:
・保護基を除去し、および/または
・式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換し、および/または
・塩もしくは溶媒和物を形成させてもよい工程
を含む、式(I)の化合物を調製する方法を提供する。
適当な脱離基Lは、ハロゲン、ヒドロキシ、OC(=O)アルキル、OC(=O)O−アルキルおよびOSOMeを含む。
式(I)の化合物を、標準的技法を用いて式(I)のさらなる化合物に変換しうる。例えば、限定よりむしろ例示として、可能な変換反応は、塩化アセチルなどのアシル化剤とのアシル化、ヨウ化メチルなどの適当なアルキル化試薬を用いるアルキル化、およびメタンスルホン酸無水物などのスルホニル化剤を用いるスルホニル化ならびにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下でケトンまたはアルデヒドを用いた還元的アミノ化によるN−アルキル化を含む。
医薬上許容される塩を、適当な酸または酸誘導体との反応により慣習的に調製してもよい。
本発明の化合物は、GlyT1トランスポーターを阻害する。化合物は、GlyT2よりもGlyT1を選択的に阻害してもよい。
かかる化合物は、特定の神経障害および精神神経障害の処置に適しているであろう。本明細書で用いられる「処置」および「処理」なる語は、既存の症状の軽減および/または治療ならびに予防をいう。
GlyT1トランスポーターに対する本発明の化合物のアフィニティーは、以下のアッセイにより決定されうる:
グリシン(I型)トランスポーターを発現するHEK293細胞を、37℃および5%COで細胞培地[2mMのL−グルタミン、0.8mg/mLのG418および10%熱不活化ウシ胎児血清を含むDMEM/NUTミックスF12]中にて成長させた。T175フラスコにて70−80%密集度に成長させた細胞を集め、アッセイ緩衝液[140mMのNaCl、5.4mMのKCl、1.8mMのCaCl、0.8mMのMgSO、20mMのHEPES、5mMグルコースおよび5mMアラニン、pH7.4]中に1.32×10細胞/mLで再懸濁した。化合物を、各化合物の2.5mMの最大濃度からDMSO中にて2.5倍で連続的に希釈し、11点の用量応答を得た。100nLの各濃度の化合物をアッセイプレートに添加した。等容量のLeadseeker(登録商標)WGA SPAビーズ(12.5mg/mlのアッセイ緩衝液中懸濁物)を、細胞懸濁液(1.32×10)に添加し、5μLの細胞/ビーズ懸濁液を、100nLの試験化合物を含む384ウェルの白色固体底プレートの各ウェルに移した(3300細胞/ウェル)。基質(5μL)を、各ウェル([H]−グリシンストックの2.5μMグリシンを含むアッセイ緩衝液中1:100希釈液)に添加した。最終DMSO濃度は1%v/vであった。データは、Perkin Elmer Viewluxを用いて集めた。pIC50値は、ActivityBaseを用いて決定した。
以下のアッセイはまた用いられてもよい:
グリシン(I型)トランスポーターを発現するHEK293細胞を、5%CO中37℃で2mMのL−グルタミン、0.8mg/mLのG418および10%熱不活化ウシ胎児血清(Gibco BRL)を含む細胞培地(DMEM/NUTミックスF12)中にて成長させる。T175フラスコにて70〜80%密集度に成長された細胞を集め、アッセイ緩衝液[NaCl(140mM)、KCl(5.4mM)、CaCl2(1.8mM)、MgSO4(0.8mM)、HEPES(20mM)、グルコース(5mM)およびアラニン(5mM)、pH7.4]中に4×105細胞/mlで再懸濁する。等量のLeadseeker(登録商標)SPAビーズ(12.5mg/mlのアッセイ緩衝液中懸濁物)を、細胞懸濁液に添加する。化合物をDMSO中で10mMストックとして調製する。化合物の2.5倍の連続希釈物を最大濃度2.5mMからDMSO中で作製する。100nLの各濃度の化合物を、アッセイプレート(384ウェル白色固体底プレート)に、ハミングバードディスペンサーを用いて添加する。次いで、5μLの細胞/ビーズ混合液を、マルチドロップディスペンサーを用いて最大濃度の化合物に添加する。次いで、基質(5μL)を各ウェル(H3−グリシンの2.5μMグリシンを含むアッセイ緩衝液中1:100希釈液)に添加する。データは、5分間の照射としてPerkin Elmer Viewluxを用いて集める。pIC50値は、Activity Baseを用いて決定する。
化合物を、その遊離塩基型または塩、例えば、塩酸塩もしくはギ酸塩の形態でアッセイしてもよい。上記のアッセイは、一般に、±3標準偏差=±0.5に合わせるデータを提供すると考えられる。
5.0と同等またはそれ以上のGlyT1トランスポーターに対するpIC50を有する化合物は、GlyT1に対して活性であると考えられる。以下の実施例の化合物は、5.0と同等またはそれ以上のGlyT1トランスポーターに対するpIC50を有していることを見出した。
したがって、本発明のさらなる態様において、治療に用いるための式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の他の態様において、GlyT1が介在する障害の処置に用いるために、上記の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
本明細書で用いられる「GlyT1が介在する障害」なる語は、GlyT1トランスポーターの活性を変化させる薬剤の投与により処置してもよい障害をいう。前述したように、GlyT1トランスポーターの作用は、NMDA受容体付近のグリシンの局所濃度に影響を及ぼす。一定量のグリシンがNMDA受容体の効率的機能を必要とするため、局所濃度の変化が、NMDA介在神経伝達に影響を及ぼしうる。前述したように、NMDA介在神経伝達における変化は、認知症、抑うつ症および精神病性障害、例えば、統合失調症および学習や記憶障害、例えば、注意欠陥障害および自閉症などの特定の神経精神障害に関する。したがって、GlyT1トランスポーターの活性における変化は、かかる障害に影響を及ぼすことが期待される。
本明細書に記載のGlyT1が介在する障害には、統合失調症、認知症ならびに注意欠如障害および器質脳症候群などの他の形態の認知障害などの精神病性障害を含む、神経障害および精神神経障害を含む。他の精神神経障害は、薬物誘導性(フェンシクリジン、ケタミンおよび他の解離性麻酔薬、アンフェタミンおよび他の精神刺激薬およびコカイン)精神病、情動障害に付随する精神病、短期反応精神病、統合失調性精神病、および精神病NOS、統合失調症もしくは統合失調型人格障害などの「統合失調症スペクトル」障害、または精神病に付随する疾患(例えば、大うつ病、躁うつ(双極性)障害、アルツハイマー病および心的外傷後ストレス症候群)、ならびに自閉症、抑うつ症、良性健忘症、小児期学習障害および閉鎖性頭部外傷などのNMDA受容体関連障害が含まれる。
式(I)の化合物は、抗精神病薬として、例えば、統合失調症、統合失調感情障害、統合失調様疾患、心因性うつ病、躁病、急性躁病、妄想障害および妄想性障害の処置に用いるものである。
本発明の内容の範囲内で、本明細書で用いられる語は、American Psychiatric Associationにより発刊されたDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版(DSM−IV)および/またはInternational Classification of Diseases、第10版(ICD−10)において分類される。本明細書に記載の障害の様々なサブタイプは、本明細書の一部として考えられる。以下に記載の疾患の後ろにある括弧内の数字は、DSM−IVにおける分類コードを示す。
特に、式(I)の化合物は、サブタイプの妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、未分化型(295.90)および残遺型(295.60)を含む統合失調症;統合失調様障害(295.40);サブタイプの双極型およびうつ病型を含む統合失調感情障害(295.70);サブタイプの色情型、誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、混合型および不特定型を含む妄想性障害(297.1);短期精神病性障害(298.8);二人組精神病(297.3);妄想や幻覚を伴うサブタイプを含む一般健康状態による精神病性障害;妄想(293.81)や幻覚(293.82)を伴うサブタイプを含む物質誘発性精神病性障害;ならびに特定不能の精神病性障害(298.9)の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合エピソードおよび軽躁エピソードを含む気分障害;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、特定不能の抑うつ障害(311)を含む抑うつ障害;双極I型障害、双極II型障害(軽躁エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および特定不能の双極性障害(296.80)を含む双極性障害;うつ病症状、大うつ病様エピソード、躁病症状および混合症状を伴うサブタイプを含む一般的病状による気分障害(293.83)、(うつ病症状、躁病症状および混合症状を伴うサブタイプを含む)物質誘発性気分障害ならびに特定不能の気分障害(296.90)を含む他の気分障害の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、パニック発作、広場恐怖症、パニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖症(300.22)、サブタイプの動物型、自然環境型、血液−注射−外傷型、状況型およびその他の型を含む特定恐怖症(300.29)、対人恐怖症(300.23)、強迫性障害(300.3)、心的外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般的病状による不安障害(293.84)、物質誘発性不安障害および特定不能の不安障害(300.00)を含む不安障害の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、物質依存症や薬物乱用などの物質使用障害;物質中毒、物質離脱、物質誘発性せん妄、物質誘発性持続性認知症、物質誘発性持続性健忘症、物質誘発性精神病性障害、物質誘発性気分障害、物質誘発性不安障害、物質誘発性性機能障害、物質誘発性睡眠障害および幻覚持続知覚障害(フラッシュバック)などの物質誘発性障害;アルコール依存症(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール性持続性認知症、アルコール性持続性健忘症、アルコール性精神病性障害、アルコール性気分障害、アルコール性不安障害、アルコール性性機能障害、アルコール性睡眠障害および特定不能のアルコール関連障害(291.9)などのアルコール−関連障害;アンフェタミン依存症(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘導性精神病性障害、アンフェタミン誘導性気分障害、アンフェタミン誘導性不安障害、アンフェタミン誘導性性機能障害、アンフェタミン−誘導性睡眠障害および特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)などのアンフェタミン(もしくはアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘導性不安障害、カフェイン誘導性睡眠障害および特定不能のカフェイン関連障害(292.9)などのカフェイン関連障害;大麻依存症(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒性せん妄、大麻誘導性精神病性障害、大麻誘導性不安障害および特定不能の大麻関連障害(292.9)などの大麻関連障害;コカイン依存症(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン−誘導性精神病性障害、コカイン誘導性気分障害、コカイン誘導性不安障害、コカイン誘導性性機能障害、コカイン誘導性睡眠障害および特定不能のコカイン関連障害(292.9)などのコカイン関連障害;幻覚剤依存症(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚持続知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘導性精神病性障害、幻覚剤誘導性気分障害、幻覚剤誘導性不安障害および特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)などの幻覚剤関連障害;吸入剤依存症(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘導性持続性認知症、吸入剤誘導性精神病性障害、吸入剤誘導性気分障害、吸入剤誘導性不安障害および特定不能の吸入剤関連障害(292.9)などの吸入剤関連障害;ニコチン依存症(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および特定不能のニコチン関連障害(292.9)などのニコチン関連障害;オピオイド依存症(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘導性精神病性障害、オピオイド誘導性気分障害、オピオイド誘導性性機能障害、オピオイド誘導性睡眠障害および特定不能のオピオイド関連障害(292.9)などのオピオイド関連障害;フェンシクリジン依存症(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘導性精神病性障害、フェンシクリジン誘導性気分障害、フェンシクリジン誘導性不安障害および特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)などのフェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害;鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤依存症(304.10)、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤乱用(305.40)、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤中毒(292.89)、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤離脱(292.0)、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤中毒せん妄、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤離脱せん妄、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤持続性認知症、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤持続性健忘症、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤誘導性精神病性障害、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤誘導性気分障害、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤誘導性不安障害、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤誘導性性機能障害、鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤誘導性睡眠障害および特定不能の鎮静剤、睡眠剤、もしくは不安緩和剤関連障害(292.9)などの鎮静剤、睡眠剤もしくは不安緩和剤関連障害;各種物質依存症(304.80)などの各種薬物関連障害;ならびにアナボリックステロイド、硝酸塩吸入剤および亜酸化窒素などの他の(もしくは未知の)物質関連障害を含む物質関連障害の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、原発性睡眠障害、例えば、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および特定不能の睡眠不全(307.47)などの睡眠不全;原発性睡眠障害、例えば、悪夢障害(307.47)、夜驚症(307.46)、睡眠時遊行症(307.46)および特定不能の錯眠(307.47)などの錯眠;他の精神障害に関連する不眠症(307.42)および他の精神障害に関連する過眠症(307.44)などの他の精神障害に関連する睡眠障害;一般的病状による睡眠障害;ならびにサブタイプの不眠型、過眠型、錯眠型および混合型を含む物質誘発性睡眠障害を含む睡眠障害の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、サブタイプの制限型および過食型/排出型を含む神経性無食欲症(307.1);サブタイプの排出型および非排出型を含む神経性大食症(307.51);肥満症;強迫摂食障害;ならびに特定不能の摂食障害(307.50)などの摂食障害の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、自閉性障害(299.00);サブタイプの注意欠陥/多動性障害混合型(314.01)、注意欠陥/多動性障害注意力障害優位型(314.00)、注意欠陥/多動性障害多動衝動型(314.01)および特定不能の注意欠陥/多動性障害(314.9)を含む注意欠陥/多動性障害;運動過剰障害;サブタイプの小児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)および発症不明(312.89)を含む行為障害、反抗挑戦性障害(313.81)および特定不能の破壊的行動障害などの破壊的行動障害;ならびにツレット病(307.23)などのチック障害の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、サブタイプの妄想性人格障害(301.0)、統合失調質人格障害(301.20)、統合失調型人格障害(301.22)、反社会性人格障害(301.7)、境界型人格障害(301.83)、演技性人格障害(301.50)、自己愛性人格障害(301.81)、回避性人格障害(301.82)、依存性人格障害(301.6)、強迫性人格障害(301.4)および特定不能の人格障害(301.9)を含む人格障害の処置に用いるものである。
式(I)の化合物はまた、統合失調症、双極性障害、抑うつ症、他の精神障害および認知障害に付随する精神病の病態などの他の疾患における認知障害の処置を含む認知の向上に用いるものである。本発明の内容の範囲内で、認知障害なる語には、例えば、注意力、位置確認、学習障害、記憶(すなわち、記憶障害、記憶喪失、健忘症、一過性全健忘症候群および加齢に伴う記憶障害)および言語機能を含む認知機能の障害;脳卒中、アルツハイマー病、ハンチントン病、ピック病、エイズによる認知症または多発性脳梗塞認知症、アルコール性認知症、甲状腺機能低下による認知症ならびに小脳萎縮および筋萎縮性側索硬化症などの他の変性疾患に付随する認知症などの他の認知症状態の結果としての認知障害;せん妄などの認識衰退または抑うつ症(偽認知症状態)外傷、頭部外傷、加齢による認識衰退、脳卒中、神経変性、薬物誘発状態、神経毒剤、軽度認知障害、加齢による認知障害、自閉症による認知障害、ダウン症候群、精神病による認知障害および電気ショック療法後による認知障害を引き起こしうる他の急性または亜急性の病態;ならびにパーキンソン病、神経弛緩薬誘発性パーキンソンニズムおよび遅発性ジスキネジーなどの運動異常障害の処置を含む。
式(I)の化合物はまた、性的欲求低下障害(302.71)、および性嫌悪障害(302.79)などの性的欲求障害;女性の性的興奮の障害(302.72)および男性の勃起障害(302.72)などの性的興奮の障害;女性オルガズム障害(302.73)、男性オルガズム障害(302.74)および早漏(302.75)などのオルガズム障害;性交疼痛症(302.76)および膣けいれん(306.51)などの性交疼痛障害;特定不能の性機能障害(302.70);露出症(302.4)、フェティシズム(302.81)、窃触症(302.89)、小児性愛(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯性フェティシズム(302.3)、窃視症(302.82)および特定不能の性嗜好異常(302.9)などの性嗜好異常;小児の性同一性障害(302.6)および青年期または成人の性同一性障害(302.85)などの性同一性障害;ならびに特定不能の性的障害(302.9)を含む性機能障害の処置に用いるものである。
本発明はまた、統合失調症、気分障害、不安障害、物質関連障害、睡眠障害、摂食障害、自閉性障害、注意欠陥/多動性障害、破壊的行動障害、チック障害、人格障害、他の疾患における認知機能障害、性機能障害、パーキンソン病、運動異常障害、抑うつ症、双極性障害、認知障害、肥満症、嘔吐、運動障害、強迫性障害、記憶喪失、攻撃性、めまい、認知症および概日リズム障害の処置に用いるための、上記の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明はまた、精神病性障害、統合失調症、パーキンソン病、薬物乱用、運動異常障害、抑うつ症、双極性障害、不安症、認知障害、摂食障害、肥満症、性機能障害、睡眠障害、嘔吐、運動障害、強迫性障害、記憶喪失、攻撃性、自閉症、めまい、認知症、概日リズム障害および胃運動性障害の処置に用いるための、上記の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の他の態様において、GlyT1が介在する障害に罹患しているかまたは罹患しやすい、ヒトを含む哺乳類を処置する方法であって、上記の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
本発明はまた、統合失調症、気分障害、不安障害、物質関連障害、睡眠障害、摂食障害、自閉性障害、注意欠陥/多動性障害、破壊的行動障害、チック障害、人格障害、他の疾患における認知機能障害、性機能障害、パーキンソン病、運動異常障害、抑うつ症、双極性障害、認知障害、肥満症、嘔吐、運動障害、強迫性障害、記憶喪失、攻撃性、めまい、認知症および概日リズム障害を処置する方法であって、上記の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の有効量をそれを必要とする哺乳類に投与することを含む方法を提供する。
本発明はまた、精神病性障害、統合失調症、パーキンソン病、薬物乱用、運動異常障害、抑うつ症、双極性障害、不安症、認知障害、摂食障害、肥満症、性機能障害、睡眠障害、嘔吐、運動障害、強迫性障害、記憶喪失、攻撃性、自閉症、めまい、認知症、概日リズム障害および胃運動性障害を処置する方法であって、上記の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の有効量をそれを必要とする哺乳類に投与することを含む方法を提供する。
式(I)の化合物はまた、抗けいれん薬として用いるものである。したがって、式(I)の化合物は、哺乳類のけいれん、特にヒトのてんかんの処置に有用である。「てんかん」は、以下の発作:単純部分発作、複雑部分発作、続発性全身発作、アプサンス発作、ミオクローヌス発作、間代発作、強直発作、強直間代発作および強直発作を含む全身発作を含むと意図される。本発明はまた、けいれんを処置する方法であって、上記の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の有効量をそれを必要とする哺乳類に投与することを含む方法を提供する。てんかんの処置は、上記の式(III)の化合物または医薬上許容される塩もしくは組成物の無毒で抗けいれん性を有する有効な量を投与することにより実施してもよい。
式(I)の化合物はまた、神経因性疼痛、例えば、糖尿病性神経障害、坐骨神経痛、不特定の腰痛、多発性硬化疼痛、繊維筋痛、HIV関連神経障害、ヘルペス後神経痛および三叉神経痛などの神経痛ならびに身体外傷、切断術、癌、毒素または慢性炎症状態の結果生じる疼痛の処置の使用も見出す。
本発明の他の態様において、GlyT1が介在する障害の処置のための医薬の調製における上記の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
好ましくは、上記の使用または方法により処置されるGlyT1が介在する障害は、統合失調症、認知症および注意欠如障害を含む精神病であり、特に統合失調症である。
本発明はまた、統合失調症、気分障害、不安障害、物質関連障害、睡眠障害、摂食障害、自閉性障害、注意欠如/多動性障害、破壊的行動傷害、チック障害、人格障害、他の疾患における認知機能障害、性機能障害、パーキンソン病、運動異常障害、抑うつ症、双極性障害、認知障害、肥満症、嘔吐、運動障害、強迫性障害、記憶喪失、攻撃性、めまい、認知症および概日リズム障害の処置の医薬の製造における、上記の式(I)の化合物まあはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明はまた、精神病性障害、統合失調症、パーキンソン病、薬物乱用、運動異常障害、抑うつ症、双極性障害、不安症、認知障害、摂食障害、肥満症、性機能障害、睡眠障害、嘔吐、運動障害、強迫性障害、記憶喪失、攻撃性、自閉症、めまい、認知症、概日リズム障害および胃運動障害の処置の医薬の製造における上記の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本明細書で用いられる「有効量」なる語は、例えば、研究者または臨床医が求めている組織、体系、動物またはヒトに対して生物学的または医学的応答を引き起こすであろう薬剤または医薬品の量を意味する。
本発明にしたがって用いる化合物は原料として投与してもよいが、活性成分は、好ましくは医薬組成物の形態で提供される。
したがって、本発明のさらなる態様において、上記の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、および少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
かかる医薬組成物は、GlyT1阻害薬を必要とする病態、例えば、統合失調症の処置に用いてもよい。担体は、患者に対し医薬上許容されるものでなければならず、組成物中の他の成分と適合的、すなわちそれらに有害な影響を及ぼしてはならない。担体は、固体または液体であってもよく、好ましくは単回量製剤として少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物と処方される。必要であれば、他の生理学的活性成分はまた、本発明の医薬組成物中に含まれる。
本発明に記載の化合物を、1つまたはそれ以上の他の治療薬、例えば、5HT3アンタゴニスト、セロトニンアゴニスト、NK−1アンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬、ドーパミン作動性抗うつ薬、H3アンタゴニスト、5HT1Aアンタゴニスト、5HT1Bアンタゴニスト、5HT1Dアンタゴニスト、D1アゴニスト、M1アゴニストおよび/または抗けいれん薬、ならびに非定型抗精神病薬および向知性薬などの異なる抗うつ薬と組み合わせて有利に用いてもよいことは当業者に明らかであろう。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な5HT3アンタゴニストには、例えば、オンダセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミドが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なセロトニンアゴニストには、スマトリプタン、ラウオルシン、ヨヒンビン、メトクロプラミドが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なSSRIには、フルオキセチン、シタロプラム、フェモキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、インダルピン、セルトラリン、ジメルジンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なSNRIには、ベンラファキシンおよびレボキセチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な三環系抗うつ薬には、イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミンおよびノルトリプチリンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なドーパミン作動性抗うつ薬には、ブプロピオンおよびアミネプチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な抗けいれん薬には、例えば、ジバルプロックス、カルバマゼピンおよびジアゼパムが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な非定型抗精神病薬には、例えば、リスペリドン、オランザピン、ジプラシドン、アリピプラゾールおよびクロザピンが含まれる。
該化合物の組み合わせまたは組成物を、(同一または異なる医薬製剤のいずれかで)同時に、別々にまたは順番に投与してもよいことが分かるであろう。
式(I)の化合物ならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物はまた、精神病性障害の改善された処置を提供するために、他の定型および非定型抗精神病薬と組み合わせるのに適している。式(I)の化合物ならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物の組み合わせ、使用および処置方法に付随する特定の利点は、個々の成分について一般に用いられる投与量よりも低い投与量で等価な効果または改善された効果を有する。精神病性障害の陽性症状および/または陰性症状および/または認知的症状の処置の改善をまた観察してもよい。本発明の組み合わせ、使用および処置方法はまた、十分に応答しない患者または特定の神経弛緩薬での処置に対して耐性を有する患者の処置に効果をもたらしてもよい。
本発明の併用治療は、好ましくは補助的に投与される。補助的な投与による、医薬組成物または装置を分離した形態中の各成分が、延長してまたは重複して投与されることを意味する。2つまたはそれ以上の治療薬の治療的投与の投与計画は、一般に当業者に委ねられており、本明細書では補助的な治療的投与とされている;これは、付加(add−on)治療的投与としても知られている。式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および少なくとも1つの神経弛緩薬の延長または重複治療的投与を受けるありとあらゆる処置計画は、本発明の範囲内にある。本明細書に記載の補助的な治療的投与の一の実施態様において、患者は、典型的には、ある期間内に1つまたはそれ以上の成分の治療的投与で安定し、次いで、他の成分の投与を受ける。本発明の範囲内において、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの神経弛緩薬の補助的な治療的投与を受けている患者に補助的な治療的処置として投与することが好ましいが、本発明の範囲はまた、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の投与を受けている患者に対する少なくとも1つの神経弛緩薬の補助的な治療的投与も含む。
本発明の併用治療はまた、同時に投与してもよい。同時投与による、両方の成分を含むもしくは含有する単一の医薬組成物もしくは装置の形態で、個々の成分が一緒に投与されるか、または各成分の一方を含む分離した組成物もしくは装置として同時に投与されるかのいずれかの処置計画を意味する。同時に併用するための分離した個々の成分のかかる組み合わせは、部品のキットの形態で提供してもよい。
したがって、さらなる態様において、本発明は、少なくとも1つの神経弛緩薬の治療投与を受けている患者に対する式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の補助的な治療的投与による精神病性障害の処置方法を提供する。さらなる態様において、本発明は、少なくとも1つの神経弛緩薬の治療的投与を受けている患者の精神病性障害の処置の補助的な治療的投与のための医薬の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。さらに本発明は、少なくとも1つの神経弛緩薬の治療的投与を受けている患者に対する精神病性障害の処置の補助的な治療的投与に用いるための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の治療的投与を受けている患者に対する少なくとも1つの神経弛緩薬の補助的な治療的投与による精神病性障害の処置方法を提供する。さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の治療的投与を受けている患者に対する精神病性障害の処置のための補助的な治療的投与の医薬の製造における少なくとも1つの神経弛緩薬の使用を提供する。さらに本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の治療的投与を受けている患者に対する精神病性障害の処置のための補助的な治療的投与の少なくとも1つの神経弛緩薬を提供する。
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1つの神経弛緩薬と組み合わせて式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の同時の治療的投与による精神病性障害の処置方法を提供する。さらに本発明は、精神病性障害の処置における同時の治療的投与の医薬の製造における、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および少なくとも1つの神経弛緩薬の組み合わせの使用を提供する。さらに本発明は、精神病性障害の処置における少なくとも1つの神経弛緩薬との同時の治療的投与の医薬の製造における、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。さらに本発明は、精神病性障害における少なくとも1つの神経弛緩薬との同時の治療的投与の使用のための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。さらに本発明は、精神病性障害の処置における式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩との同時の治療的投与の医薬の製造における少なくとも1つの神経弛緩薬の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および少なくとも1つの精神安定薬または抗躁薬を含む医薬組成物、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および少なくとも1つの精神安定薬または抗躁薬を含む医薬組成物、精神病性障害の処置の医薬の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および少なくとも1つの精神安定薬または抗躁薬を含む医薬組成物の使用、ならびに精神病性障害の処置に用いるための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および少なくとも1つの精神安定薬または抗躁薬を含む医薬組成物の同時の治療的投与による精神病性障害の処置方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含む最初の剤形ならびに同時の治療的投与のための神経弛緩薬を含む1つまたはそれ以上の各剤形を含む精神病性障害の処置における使用のための部品のキットを提供する。
本発明の内容の範囲内において、精神病性障害なる語は、上記の障害、例えば、統合失調症、気分障害、不安障害、物質関連障害、睡眠障害、摂食障害、自閉性障害、注意欠陥/多動性障害、破壊的行動障害、チック障害、人格障害、他の疾患における認知機能障害、性機能障害、運動異常障害、抑うつ症、双極性障害、認知機能障害および強迫性障害ならびに本発明の一部とする本明細書に記載の全ての様々な形態の障害を含む。
本発明に有用な神経弛緩薬/抗精神病薬の例として、ハロペリドール、ピモジド、およびドロペリドールなどのブチロフェノン系;クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフロペラジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、チフプロマジン(thiflupromazine)、プロクロルペラジン、およびアセトフェナジンなどのフェノチアジン系;チオチキセンおよびクロルプロチキセンなどのチオキサンチン系;チエノベンゾジアゼピン系;ジベンゾジアゼピン系;ベンズイソオキサゾール系;ジベンゾチアゼピン系;イミダゾリジノン系;ベンズイソ−チアゾリル−ピペラジン;ラモトリジンなどのトリアジン系;ロキサピンなどのジベンゾオキサゼピン類;モリンドンなどのジヒドロインドローン類;アリピラゾール;ならびに抗精神病活性を有するそれらの誘導体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明に用いるのに好ましい神経弛緩薬の例を、表Aに示す。
Figure 2008525403
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選択された神経弛緩薬の商標名および供給者の例は、以下のとおりである:クロザピン(商標名クロザリル(登録商標)でマイラン(Mylan)、ゼニス・ゴールドライン(Zenith Goldline)、UDL、ノバルティス(Novartis)から入手可能);オランザピン(商標名ジプレキサ(登録商標)でリリー(Lilly)から入手可能);ジプラシドン(商標名ゲオドン(登録商標)でファイザー(Pfizer)から入手可能);リスペリドン(商標名リスパダール(登録商標)でヤンセン(Janssen)から入手可能);フマル酸クエチアピン(商標名セロクエル(登録商標)でアストラゼネカ(AstraZeneca)から入手可能);ハロペリドール(商標名ハルドール(登録商標)でオーソ・マクニール(Ortho−McNeil)から入手可能);クロルプロマジン(商標名トラジン(登録商標)でスミスクライン・ビーチャム(GSK)から入手可能;フルフェナジン(商標名プロリキシン(登録商標)でアポザコン(Apothecon)、コプレイ(Copley)、シェリング(Schering)、テバ(Teva)およびアメリカン・ファーマシューティカル・パートナーズ(American Pharmaceutical Partners)、パサデナ(Pasadena)から入手可能);チオチキセン(商標名ナーベン(登録商標)でファイザーから入手可能);トリフルオペラジン(10−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピル]−2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン二塩酸塩(商標名ステラジン(登録商標)でスミスクライン・ベックマン(Beckman)から入手可能);ペルフェナジン(商標名トリラホン(登録商標)で;シェリングから入手可能);チオリダジン(商標名メレリル(登録商標)で;ノバルティス、ロクサン(Roxane)、ハイテック(HiTech)、テバおよびアルファーマ(Alpharma)から入手可能);モリンドン(商標名モーバン(登録商標)でエンド(Endo)から入手可能);およびロキサピン(商標名ロキシタン(登録商標)で;ワトソン(Watson)から入手可能)。さらに、ベンペリドール(グリアニモン(Glianimon)(登録商標))、ペラジン(タキシラン(Taxilan)(登録商標))またはメルペロン(ユーネルパン(Eunerpan)(登録商標))を用いてもよい。
他の好ましい神経弛緩薬には、プロマジン(商標名スパライン(登録商標)で入手可能)、トリフルプロマジン(商標名ベスプリン(登録商標)で入手可能)、クロルプロキチセン(商標名タラクタン(登録商標)で入手可能)、ドロペリドール(商標名インアプシン(登録商標)で入手可能)、アセトフェナジン(商標名ティンダル(登録商標)で入手可能)、プロクロルペラジン(商標名コンパジン(登録商標)で入手可能)、メトトリメプラジン(商標名ノジナン(登録商標)で入手可能)、ピポチアジン(商標名ピポトリル(登録商標)で入手可能)、ジプラシドンおよびホペリドンが挙げられる。
本発明に用いるのに特に好ましい神経弛緩薬には、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタントがある。
本発明に記載の化合物は、1つまたはそれ以上の他の治療薬、例えば、5HT3アンタゴニスト、セロトニンアゴニスト、NK−1アンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬、ドーパミン作動性抗うつ薬、H3アンタゴニスト、5HT1Aアンタゴニスト、5HT1Bアンタゴニスト、5HT1Dアンタゴニスト、D1アゴニスト、M1アゴニストおよび/または抗けいれん薬ならびに非定型抗精神病薬および向知性薬などの異なる抗うつ薬と併用して有利に用いてもよいことは当業者に明らかであろう。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な5HT3アンタゴニストには、例えば、オンダセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミドが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なセロトニンアゴニストには、スマトリプタン、ラウオルシン、ヨヒンビン、メトクロプラミドが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なSSRIには、フルオキセチン、シタロプラム、フェモキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、インダルピン、セルトラリン、ジメルジンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なSNRIには、ベンラファキシンおよびレボキセチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な三環系抗うつ薬には、イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミンおよびノルトリプチリンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当なドーパミン作動性抗うつ薬には、ブプロピンおよびアミネプチンが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な抗けいれん薬には、例えば、ジバルプロックス、カルバマゼピンおよびジアゼパムが含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて用いてもよい適当な非定型抗精神病薬には、例えば、リスペリドン、オランザピン、ジプラシドン、アリピプラゾールおよびクロザピンが含まれる。
該化合物の組み合わせまたは組成物を、(同一または異なる医薬製剤のいずれかで)同時に、別々にまたは順番に投与してもよいことが分かるであろう。
医薬の使用について、本発明の化合物は、通常、標準的な医薬組成物として投与される。したがって、さらなる態様において、本発明は、上記の式(I)の化合物またはその医薬上(すなわち、生理学上)許容される塩および医薬上(すなわち、生理学上)許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、本明細書に記載のいずれかの病態の処置に用いることができる。
可能な製剤には、経口、舌下、口腔、非経口(例えば、皮下、筋肉内または静脈内)、直腸、局所および鼻腔内投与に適したもの、および吸入もしくは通気による(口または鼻のいずれかを通る)投与に適した形態が含まれる。特定の患者に投与する最も適した方法は、処置する病態の性質および重症度、さらに活性化合物の性質によるものであろうが、可能であれば、経口投与が好ましい。
経口投与に適した製剤は、それぞれが所定量の活性化合物を含む、錠剤、カプセル、カシェ剤、またはトローチ剤などの個々の単位として;散剤または顆粒剤として;水性または非水性液体中の液剤または懸濁液として;あるいは油中水または水中油の乳剤として提供してもよい。例えば、本発明の化合物は、放出制御特徴を有する製剤として調製してもよい。これは、上記の医薬形態中にあってもよい。例えば、必要に応じて適当なゲル化剤、例えば、メチルセルロースまたは疎水性コロイド状シリカを含んだ、非水性油状ビヒクル、例えば、ミグリオール(Miglyol)中のゲル製剤であってもよい。
舌下または口腔投与に適した製剤には、活性化合物および典型的には、糖およびアカシアまたはトウガカントなどの風味基剤を含むトローチ剤(lozenge)ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤中の活性化合物を含むトローチ剤(pastille)が含まれる。
非経口投与に適した製剤には、典型的には、所定の濃度の活性化合物を含む滅菌水性溶液が含まれ;該液剤は、好ましくは、対象とする患者の血液と等張である。該液剤を、好ましくは、静脈内に投与するが、それらをまた、皮下または筋肉内注射により投与してもよい。
直腸投与に適した製剤は、好ましくは、活性成分および坐剤の基剤、例えば、ココア脂を成形する1つまたはそれ以上の固体担体を含む単位量坐剤として提供する。
局所または鼻腔内投与に適した製剤には、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルおよび油が含まれる。該製剤の適当な担体には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコールおよびその組み合わせが含まれる。
本発明の化合物の製剤は、例えば、本発明の化合物の曝露特性を改善するように構成してもよい。
経皮投与に適した組成物には、軟膏、ゲルおよびパッチ剤が含まれる。好ましくは、組成物は、錠剤、カプセルまたはアンプルなどの単位量形態である。
本発明の製剤は、いずれかの適当な方法、典型的には、活性化合物(複数でも可)を液体もしくは微粉化した固体担体、またはその両方と必要な割合で均一かつ完全に合わせ、次いで必要に応じて、得られた混合物を望ましい形状に成形することにより調製してもよい。
例えば、錠剤は、活性成分の粉末剤または顆粒剤および1つもしくはそれ以上の所望の成分、例えば、結合剤、就活剤、不活性な希釈剤、もしくは表面活性分散剤を含むよく合わさった混合物を圧縮すること、または粉末化した活性成分および不活性な液体希釈剤のよく合わさった混合物を成形することにより調製してもよい。
非経口投与の水性液剤は、典型的には、望ましい濃度を得るために十分な水中で活性化合物を溶解し、次いで、得られた液剤を無菌かつ等張にすることにより調製される。
的確な投与量は、患者の年齢および状態ならびに投与頻度および経路に依存し、担当医の最終判断であることが分かるであろう。該化合物は、単回量または分割量で投与してもよく、1日当たり1回またはそれ以上、例えば、1回ないし4回投与してもよい。
統合失調症を含む、GlyT1阻害薬が介在する神経障害および精神神経障害の処置のために(体重約70kgの)ヒトに経口、舌下、非経口、口腔、直腸、鼻腔内または局所投与する、本発明にしたがって用いる活性成分の計画用量は、例えば、1日当たり1回ないし4回投与されうる単位量当たりの活性成分が、約1mgないし約1000mg、好ましくは約5mgないし約500mg、より好ましくは約10mgないし約100mgであってもよい。
本明細書で引用される特許および特許出願を含むがこれに限定されるものではない全ての刊行物は、それぞれの刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする。
本発明は、以下の限定されない実施例によりさらに説明される。
略語:
THF テトラヒドロフラン
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
EDC 塩酸N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N−エチルカルボジイミド
HOAt 3H−(1,2,3)−トリアゾロ(4,5−b)ピリジン−3−オール
NMP N−メチルピロリジオン
HOBt 1−ヒドロキシベンゾチアゾール水和物
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
分析用LC/MSクロマトグラフィー条件:
カラム: ウォーターズ社製Atlantis 50mm×4.6mm、粒径3μm
移動相: A:0.05%ギ酸+水
B:アセトニトリル+0.05%ギ酸
勾配: 5分実行時間:4分かけて3%Bないし97%B
流速: 3ml/分
UV波長帯:220−330nm
温度: 30℃
質量ダイレクティッド自動精製系クロマトグラフィー条件:
カラム: ウォーターズ社製Atlantis 19mm×100mmまたは
30mm×100mm、粒径5μm
移動相: A:0.1%ギ酸+水
B:アセトニトリル+0.1%ギ酸
勾配: 分析保持時間に応じた勾配10分を含む13.5分の実行時間
流速: 20または40ml/分
概要:
実施例の章を通じて、以下の用語は、キラル化合物に関して用いられる:2つのエナンチオマーの混合物が調製されると、該化合物は(±)と表される。単一のエナンチオマー(すなわち、1つのエナンチオマーがキラル的に豊富化している混合物と称されるもの)が調製されると、「キラル」と表される。絶対立体化学は、出願時には解明されていない。調製された物質の個々のエナンチオマーは施光度により同定され、かかる物質は(+)または(−)のエナンチオマーとして同定される。施光度の情報がいまだに利用できないと、生成物の個々のエナンチオマーは、アミン中間体のキラルHPLC特性により個々に同定しうる。
反応が、より速く、より完全に記載の反応と同様の方法で実施されているとして記載されると、用いられる一般的反応条件は本質的に同一である。用いられる処理条件は、当該分野で標準的な類型であるが、ある反応から別の反応に適合させてもよい。
記載例1:1−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボニトリル
Figure 2008525403
冷却した(氷浴)塩酸ジメチルアミン(8.15g;0.1mol)のシクロペンタノン(8.4g;0.1mol)中懸濁液に、シアン化カリウム(6.5g;0.1mol)の水(50ml)中溶液を10分かけて滴下した。室温で18時間激しく攪拌した後、粗反応混合物を、ジエチルエーテルで3回抽出し(3x200ml)、合わせた抽出物を水で2回洗浄し(2x50ml)、乾燥し(NaSO)、蒸発し、淡黄色油として標記生成物を得(12.5g)、さらに精製することなく用いた。H NMR(CDCl)δ:1.7−2.0(6H,m)、2.15−2.3(2H,m)、3.3(6H,s)。マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値112(MH−HCN)。C14理論値138。
別法:
塩酸ジメチルアミン(26.32g;0.323mol)およびシクロペンタノン(27.15g;0.323mol)の攪拌し、氷冷した混合物に、シアノ化カリウム(21.02g;0.323mol)の水(170ml)中溶液を10分かけて滴下した。該混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、該混合物をジエチルエーテル中で抽出し(2x200ml)、合わせた有機物をブラインで洗浄し(200ml)、乾燥し(NaSO)、真空下で蒸発し、無色液体として標記生成物を得た(43g、96.5%)。
記載例2:(±){1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミン
Figure 2008525403
アルゴン下、−70℃の1−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボニトリルD1(4g;28.9mmol)のTHF(30ml)中溶液にフェニルリチウムのジブチルエーテル中溶液(17.7mlの1.8M溶液;32mmol)を滴下した。反応混合物を3時間かけて室温に加温し、0℃に再冷却し、メタノール(30ml)を添加し、次いで、水素化ホウ素ナトリウム(3.3g;87mmol)を慎重に添加した。室温で18時間攪拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。有機層を蒸発し、得られたスラリーをDCMで3回抽出した(3x150ml)。合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、蒸発し、黄色油として粗生成物を得た(6.8g)。粗生成物の半分を、DCM−メタノール(9/1)およびDCM−メタノール混合物中2Mアンモニア(95/5ないし9/1ないし8/2)で溶出しながらシリカゲル上でクロマトグラフィーに付して、無色油として標記生成物を得た(2.3g)。かかる油をジエチルエーテル(20ml)で溶解し、ジエチルエーテル中塩化水素を0℃で添加した。20分後、懸濁液を濾過し、白色固体として標記生成物の二塩酸塩を得た(2.8g)。H NMR(DMSO)δ:1.25(2H,bs)、1.36(2H,bs)、1.66−2.13(4H,m)、2.64(3H,s)、2.79(3H,s)、4.92(1H,bs)、7.32(3H,m)、7.54(2H,m)、8.95(3H,bs)、10.82(1H,bs)。
別法:
アルゴン下、−70℃の1−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボニトリルD1(43g;311mmol)のTHF(1L)中溶液に、フェニルリチウムのジブチルエーテル中溶液(346mlの1.8M溶液;622mmol)を10分かけて滴下した。反応混合物を−70℃で2時間攪拌し、次いで、室温に加温し、一晩攪拌した。反応混合物を氷冷し、飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。混合物を30分間攪拌し、分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機物を乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮し、油を得た。油をメタノール(1.2L)で溶解し、氷冷した。水素化ホウ素ナトリウム(20g)を、5分かけて4回に分けて添加し、混合物を氷冷しながら30分間攪拌した。次いで、冷却をやめ、攪拌を室温で1時間半継続した。次いで、反応混合物を氷冷し、水を添加した。得られた混合物を真空下で蒸発し、2NのHClおよび酢酸エチルの間に分配した。有機物を2NのHClで抽出した。合わせた酸抽出物を酢酸エチルで洗浄し、NaOHで塩基性化し、DCMで抽出した。合わせたDCM抽出物を乾燥し(NaSO)、真空下で蒸発し、淡緑色液体として生成物を得た(64.66g、95.4%)。
記載例3:{1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミンのエナンチオマー1およびエナンチオマー2
Figure 2008525403
方法1.
ラセミ体{1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミンD2(0.6g;2.75mmol)を、下記の条件を用いて分取キラルHPLCにより分離し、標記生成物を得た、エナンチオマー1(0.27g);キラルHPLC:98%ee;H NMR(CDCl)δ:0.42(1H,m)、1.32(3H,m)、1.49(1H,m)、1.63(1H,m)、1.76(1H,m)、1.95(3H,m)、2.29(6H,s)、4.39(1H,s)、7.28(3H,m)、7.50(2H,d);マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値219(MH)。C1422理論値218;およびエナンチオマー2(0.28g);キラルHPLC:98%ee;H NMR(CDCl)δ:0.42(1H,m)、1.32(3H,m)、1.49(1H,m)、1.63(1H,m)、1.76(1H,m)、1.95(3H,m)、2.29(6H,s)、4.39(1H,s)、7.28(3H,m)、7.50(2H,d);マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値219(MH)。C1422理論値218。
分取HPLC条件:
カラム: キラルパックAD−H 5μm、250×21mm
移動相: A:n−ヘキサン;B:エタノール+0.1%イソプロピルアミン
勾配: 均一濃度の5%B
流速: 7ml/分
UV波長帯:225nm
溶出時間: 30分
分析用クロマトグラフィー条件:
カラム: キラルパックAD−H 5μm、250×4.6mm
移動相: A:n−ヘキサン;B:エタノール+0.1%イソプロピルアミン
勾配: 均一濃度の5%B
流速: 1ml/分
UV波長帯:200−400nm
分析時間: 10分
保持時間: 5.9分(エナンチオマー1);7.6分(エナンチオマー2)
方法2.
塩形成:
50℃のラセミ化合物{1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミンD2(16.9g;77.5mmol)のイソプロパノール(170ml)中溶液に、(R)−メトキシフェニル酢酸(12.84g;77.5mmol)のイソプロパノール(75ml)中溶液を滴下した。20分後、混合物を室温に冷却し、さらに4時間攪拌した。沈殿した固体を濾過により収集した(13.42g)。
キラル遊離塩基の再生:
次いで、固体を1MのNaOH(50ml)およびDCM(167ml)で処理した。かかる層を分離し、水層をDCMで洗浄した(4×167ml)。合わせた有機層を1MのNaOH(2×35ml)、次いで、ブライン(100ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮し、無色油として、標記化合物である、エナンチオマー2を得た(7.6g)。キラルHPLC:>96%ee;H NMR(CDCl)δ:0.42(1H,m)、1.32(3H,m)、1.49(1H,m)、1.63(1H,m)、1.76(1H,m)、1.95(3H,m)、2.29(6H,s)、4.39(1H,s)、7.28(3H,m)、7.50(2H,d);マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値219(MH)。C1422理論値218。
複素環カルボン酸を商業的に得るかまたは既存の方法で合成した。
実施例1:(±)−N−[[1−(ジメチルアミノ)シクロペンチル](フェニル)メチル]−5−(メチルオキシ)−1−ベンゾフラン−4−カルボキサミド
Figure 2008525403
DCM(4.5ml)およびDMF(0.5ml)中の(±){1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミンD2(75mg;0.344mmol)、5−メトキシ−ベンゾフラン−4−カルボン酸(86mg;0.447mmol)、HOBt(68mg;0.447mmol)およびPS−DCC(1.3mmol/gの350mg充填、0.447mmol)を66時間振盪した。混合物を濾過し、使用済み樹脂をDCMで洗浄し、濾液および洗浄物を合わせ、飽和重炭酸ナトリウムと30分間攪拌した。層を相分離カートリッジを用いて分離し、有機層をSCXカートリッジ(2g)上で直接適用した。DCM(2カラム体積)、50%DCM/メタノール(1カラム体積)および(2カラム体積)で洗浄し、次いで、メタノール中1Mアンモニア(2カラム体積)で溶出し、蒸発し、標記生成物を得た。H NMR(CDCl)δ:1.10−1.20(1H,m)、1.4−1.7(4H,m)、1.75−1.90(3H,m)、2.31(6H,s)、4.07(3H,s)、5.34(1H,d,J=7Hz)、7.01(1H,d,J=8Hz)、7.19−7.23(1H,m)、7.29−7.30(2H,m)、7.41−7.43(2H,m)、7.52−7.54(1H,m)、7.61(2H,m)、9.06(1H,d,J=7Hz)。マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値393(MH)。C2428理論値392;保持時間2.08分。かかる生成物を25%メタノール/DCM(2ml)で溶解し、エーテル(1ml)中1MのHClを添加した。蒸発し、標記生成物の塩酸塩を得た(145mg;98%)。
実施例2:(±)−N−[[1−(ジメチルアミノ)シクロペンチル](フェニル)メチル]−7−(メチルオキシ)−1−ベンゾフラン−4−カルボキサミド
Figure 2008525403
7−(メチルオキシ)−1−ベンゾフラン−4−カルボン酸(20.17mg;0.105mmol)のDCM(2ml)およびNMP(0.5ml)中溶液に、HOBt(18mg;0.133mmol)およびPL−DCC(88mg;0.140mmol;Polymer Labs 1.59mmol/g)を添加した。混合物を室温で90分間振盪し、次いで、1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミンD2二塩酸塩(20mg;0.070mmol)およびPS−ジイソプロピルエチルアミン(82mg;0.212mmol;Polymer Labs 2.59mmol/g)を添加し、暗所にて室温で18時間振盪し続けた。次いで、PS−トリスアミン(85mg;約0.350mmol;アルゴノート4.11mmol/g)を添加し、さらに3時間振盪した後、混合物を濾過し、樹脂をDCMおよびメタノールできれいに洗浄した。濾液を真空下で蒸発させて体積を減少し、SCXカートリッジ(500mg)上に充填した。DCM、次いで、メタノールで洗浄し、次いで、メタノール中1Mアンモニアで溶出し、標記生成物を得た(27.9mg)。
分析用クロマトグラフィー条件:
カラム: XTerra MS C18 5μm、50×4.6mm
移動相: A:NHHCO溶液、10mM、pH10;B:アセトニトリル
勾配: 1分間30%(B)、9分中に30%(B)から95%(B)、
3分間95%B
流速: 1ml/分
UV波長帯:210−350nm
質量範囲: 100−900amu
イオン化: ES+;実測値393(MH)。C2428理論値392。 保持時間7.57分
純度:100%。
マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値393(MH)。C2428理論値392;保持時間1.92分。
実施例3:N−[[1−(ジメチルアミノ)シクロペンチル](フェニル)メチル]−2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド キラル
Figure 2008525403
PS−EDC(0.068g;0.10mmol;1.42mmol/g)に、HOAt(0.8ml中0.01mmol(THF:DCM、1:1))溶液を添加し、次いで、1:3のNMP:THF(0.25ml)中2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸(0.010g;0.05mmol)、次いで、DCM(0.25ml)中{1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミンD3エナンチオマー2(0.011g 0.05mmol)を添加した。反応物を60時間合わせた。次いで、かかるPS−イソシアン酸塩(0.068g、0.1mmol、1.5mmol/g)およびPS−CO3(0.068g、0.1mmol、1.5mmol/g)を添加し、さらに24時間合わせた。反応混合物を濾過し、SCXブロック(500mg)(DCMでぬらす前)に通した。Robbinsブロックの内容物を、より多くの溶媒(DCM:THF、1:1)で洗浄し、次いでDCM(2mlx2)およびメタノール(2mlx2)で洗浄したSCXに通した。次いで、SCXをメタノール中0.5Mアンモニアで溶出し、溶出液を含む生成物を蒸発し、標記生成物を得た(20.7mg;100%)。マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値395(MH)。C2430理論値394;保持時間2.03分。
実施例4:N−[[1−(ジメチルアミノ)シクロペンチル](フェニル)メチル]−1−ベンゾフラン−3−カルボキサミド キラル
Figure 2008525403
標記化合物(20.5mg;100%)を、E3に記載の方法を用いて{1−[アミノ(フェニル)メチル]シクロペンチル}ジメチルアミンD3エナンチオマー2(0.011g 0.05mmol)およびベンゾフラン−3−カルボン酸(0.008g;0.05mmol)から調製した。マススペクトル(エレクトロスプレー LC/MS):実測値363(MH)。C2326理論値362;保持時間2.02分。
以下の表の化合物を、上記の実施例に記載の方法と同様の方法を用いて調製した。カップリング法:P=(実施例2と同様の方法を用いた)ポリマー担持DCC。処理および精製を上記の実施例と同様の適当な方法を用いて実施した。
Figure 2008525403
上記の実施例の化合物を、DCMまたはDCM/メタノール混合物中の親遊離塩基を溶解し、エーテル中1M塩化水素を添加し、次いで、蒸発し、真空下で乾燥することによりその対応する塩酸塩に変換してもよい。

Claims (13)

  1. 式(I):
    Figure 2008525403
    (I)
    [式中:Rは式:
    Figure 2008525403
    {式中:各Zは、独立して、水素、ハロゲン、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ハロC1−4アルキルチオ、C3−7シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホキシ、C1−4アルキルスルホニル、またはシアノから選択され;
    ならびに各Z’は、独立して、水素、フルオロまたはC1−4アルキルから選択される}
    から選択される基であり;
    は、ハロゲン、シアノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C(O)NR10(ここで、それぞれのRおよびR10は、独立して、水素もしくはC1−4アルキルであるかまたはRおよびR10はそれらが結合している窒素原子と一緒になって4−、5−、6−もしくは7−員飽和環を形成し、その4−、5−、6−もしくは7−員飽和環は、O、NおよびS(O)(ここで、mは0、1、または2である)から選択される付加的なヘテロ原子をさらに含んでいてもよい)、C3−7シクロアルキルC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、およびハロC1−4アルキルチオからなる群より選択され;
    nは0、1または2であり、
    およびRは、独立して、水素、1個もしくはそれ以上の置換基Yで置換されていてもよいC1−4アルキルから選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって置換基Y’で置換されていてもよい飽和もしくは部分的不飽和環式4−、5−、6−もしくは7−員環を形成し;
    Yは、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシおよびC3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群より選択され;
    Y’は、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシ、C3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群より選択されるか、またはY’は4−、5−もしくは6−員環上の2個の原子間で−CH−もしくは−CH−CH−架橋を形成し;
    およびRは、独立して、1個もしくはそれ以上の置換基Xで置換されていてもよいC1−4アルキルであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって1個もしくはそれ以上の置換基X’で置換されていてもよい飽和5−もしくは6−員炭素環を形成し、RおよびRがそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−員炭素環を形成する場合において、その環は、O、NおよびS(O)(ここで、m=0、1または2)から選択される付加的なヘテロ原子をさらに含んでいてもよく;
    Xは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択され;ならびに
    X’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群より選択される]
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
  2. 式(Ia):
    Figure 2008525403
    (Ia)
    [式中:Rは、式:
    Figure 2008525403
    {式中:各Zは、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキルからなる群より選択され;
    各Z’はメチルである}
    から選択される基であり;
    およびRは、独立して、水素、置換基Yで置換されていてもよいC1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)から選択されるかまたはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって置換基Y’で置換されていてもよい飽和もしくは部分的不飽和(例えば、飽和)4−、5−、6−もしくは7−員環を形成し;
    Yは、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群より選択され;
    Y’は、ハロゲンおよびC1−4アルキルからなる群より選択され;
    およびRは、独立して、1個もしくはそれ以上の置換基Xで置換されていてもよいメチルもしくはエチルから選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって飽和5−もしくは6−員炭素環を形成し、それらが結合している炭素原子と一緒になってRおよびRが飽和5−員環を形成する場合において、その環は、酸素ヘテロ原子をさらに含んでいてもよく;ならびに
    XはヒドロキシおよびC1−4アルコキシからなる群より選択される]
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物である請求項1記載の化合物。
  3. 実施例1ないし5のいずれかまたはその塩もしくは溶媒和物である請求項1または2記載の化合物。
  4. 式(II):
    Figure 2008525403
    (II)
    [式中:n、R、R、R、RおよびRは、請求項1ないし3のいずれか一項における式(I)の記載と同義である]
    の化合物を式(III):
    Figure 2008525403
    (III)
    {式中:Rは、請求項1ないし3のいずれか一項における式(I)の記載と同義であり、Lは適当な脱離基を表す}
    の化合物と反応させ、その後、
    ・保護基を除去し、および/または
    ・式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換し、および/または
    ・塩もしくは溶媒和物を形成させてもよい工程
    を含む請求項1ないし3のいずれか一項に記載の化合物の調製方法。
  5. 治療に用いるための請求項1−3のいずれかに記載の化合物。
  6. GlyT1が介在する障害の処置に用いるための請求項1−3のいずれかに記載の化合物。
  7. 障害が、統合失調病、認知症または注意欠如障害を含む精神病である請求項6記載の化合物。
  8. GlyT1が介在する障害に罹患しているかまたは罹患しやすい、ヒトを含む哺乳類を処置する方法であって、請求項1−3のいずれかに記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。
  9. 障害が、統合失調病、認知症または注意欠如障害を含む精神病である請求項8記載の方法。
  10. GlyT1が介在する障害の処置のための医薬の調製における請求項1−3のいずれかに記載の化合物の使用。
  11. 障害が、統合失調病、認知症または注意欠如障害である請求項10記載の使用。
  12. 請求項1−3のいずれかに記載の化合物、および少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
  13. 5HT3アンタゴニスト、セロトニンアゴニスト、NK−1アンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬、ドーパミン性抗うつ薬、H3アンタゴニスト、5HT1Aアンタゴニスト、5HT1Bアンタゴニスト、5HT1Dアンタゴニスト、D1アゴニスト、M1アゴニストから選択される抗うつ薬;抗けいれん薬;非定型抗精神病薬または向知性薬から選択される1つまたはそれ以上の治療薬をさらに含む請求項12記載の医薬組成物。
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