JP2012500941A5 - - Google Patents
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Description
本出願は、2005年12月16日出願の米国出願第11/304,608号の一部継続出願であり、その全内容は参照により本出願に組み込まれている。
本開示は内燃機関に関し、より詳しくはロータリ内燃機関に関する。
このセクションの記述は本開示に関連する背景情報のみ提供し、従来技術を構成しない可能性がある。従来型式の燃焼機関では、燃焼室の境界を定める壁は円筒形状であり、一端部でシリンダ・ヘッドで閉じられている。ピストンは、もう1つの端部を介してこのシリンダ内に移動可能にガイドされる。内燃機関は4つの基本的なステップ、すなわち(1)吸入、(2)圧縮、(3)燃焼及び膨張と(4)排気を有する。吸気ステップ中、可燃性混合物が燃焼室内に注入される。この混合物は、シリンダ内へのピストンの圧縮によって圧力下に置かれる。次いでこの混合物は点火され、燃焼させられる。高温の燃焼生成物は最終的に膨張し、ピストンを反対方向に強制的に移動させ、クランクシャフトなどの、ピストンに連結又は結合される機械的な構成部品にエネルギーの伝達を生じさせる。冷却された燃焼生成物は最終的に排気され、この燃焼サイクルが再開する。この原理に従って動作する代表的な燃焼機関は、オットー・エンジン及びディーゼル・エンジンなどにおけるように、2サイクル又は4サイクルで機能することができる。
従来型の燃焼機関によって示される比較的低い効率に関連する継続的な問題点が存在する。エンジン効率は、エンジンを介して伝達される運動エネルギーの形態で燃料から抽出される有用なエネルギーに対して燃料内の理論的化学エネルギーを比較することによって通常定義される。代表的な燃料からエネルギーを抽出するための熱力学的な限界は約37%であるが、代表的な燃焼機関は約20%の平均効率しか示さない。
したがって、高められた効率を提供する内燃機関が継続的に求められている。そのような内燃機関のサイズがよりコンパクトであり、重量がより軽く、内部潤滑の必要性がより少なく、容易に製造できることがさらに望ましい。
本開示は、効率を改善し、重量及びサイズを減少させ、そのようなエンジンを作るための能力を簡略化する内燃機関を提供する。本開示の一形態では、この内燃機関は、部分的な円環面の軌道に沿って移動する複数のロータリ・ピストンを有する。
本開示の形態では、内燃機関は、第1の燃焼室の境界を定める第1の壁と第2の燃焼室の境界を定める第2の壁とを伴うハウジングを備え、この第1の壁及び第2の壁のそれぞれは、円環面の少なくとも一区画を画成する。これらの燃焼室は、第1のピストン及び第2のピストンによってさらに境界が定められ、各ピストンは円環面の形状及び2つのピストン・ヘッドを有する。燃焼室の境界を定める壁の端部は、ピストンの端部のところに配置されるピストン・ヘッドのためのガイド部としてさらに機能する。
第1の燃焼室は、第1のピストンの第1のピストン・ヘッドによって境界がさらに定められる。同様に第2の燃焼室は、第1のピストンの第2のピストン・ヘッドによって境界がさらに定められる。この第1の燃焼室は、やはり第2のピストンの第1のピストン・ヘッドによって境界がさらに定められ、一方第2の燃焼室は、第2のピストン(35)の第2のピストン・ヘッドによってやはり境界がさらに定められる。
本開示の別の形態では、第1のピストンは、第1のコネクティング・ロッドに連結される第1の枢動アームと、共通の枢動点に連結される第2の枢動アームとをさらに備えて示されている。同様に第2のピストンは、第2のコネクティング・ロッドに連結される第1の枢動アームと、共通の枢動点に連結される第2の枢動アームとをさらに備える。各ピストンの第2の枢動アームは、エンジンの中心に向かって半径方向に延びる。
本開示のさらに別の形態では、第1のクランクシャフトは第1のコネクティング・ロッドに連結され、一方第2のクランクシャフトは第2のコネクティング・ロッドに連結される。この第1のクランクシャフト及び第2のクランクシャフトは、共通の枢動軸によって画成される第1のピストン及び第2のピストンの曲線の軌道と、それぞれ第1の燃焼室及び第2の燃焼室の境界を定める第1の壁及び第2の壁との外側に配置される。
一般に、第1のピストン及び第2のピストンは、共通の枢動軸によって画成される曲線の軌道に沿ってガイドされる。第1のピストンの第2の枢動アーム及び第2のピストンの第2の枢動アームは、共通の枢動軸の周りを揺動する。この第1のピストン及び第2のピストンは反対方向に同時に移動し、それによってピストン・ヘッドは、対応する燃焼室の容積を拡大させる又は減少させるのいずれかを生じさせる。
本開示のさらに別の形態では、第2の枢動アームは係合部材を介してガイド・フレームに連結される。このガイド・フレームは、中に係合部材及び共通の枢動軸が配設される、開口する受け領域を有する。このガイド・フレームは、2本の平行なガイド柱を含むガイド手段と一体化される。このガイド柱に沿ったガイド・フレームの動きは、第2の枢動アームの係合部材を介したガイド・フレームへの結合の結果としてピストンに伝達される。このガイド・フレームがガイド・ポストに沿って一方向に移動するとき、ピストンは円形の軌道に沿って移動し、結果として1つ燃焼室の容積を最小化させ、もう1つの燃焼室の容積を最大化させる。このガイド・フレームが移動する方向を逆転させると、逆の結果になる。
適用可能性のさらなる領域は、本明細書で提供される記載から明らかになるであろう。この記載及び具体的な実例は説明の目的のためのみであり、本開示の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。
本明細書に記載される図面は説明の目的のためのみであり、いかなる方式でも本開示の範囲を限定するためのものではない。
以下の記載は本質的に例示に過ぎず、決して本開示又はその用途又は使用を限定するためのものではない。この記載及び図面を通して、対応する参照番号は同様な又は対応する部品及び機構を示すことを理解されたい。
本開示は、特に2サイクル、4サイクルのオットー・エンジン、及びディーゼル・エンジンなどの内燃機関に関する。図1及び2を参照すると、本開示の一形態は、2つのクランクシャフト(45、50)を含むエンジン(1)の構成部品を取り囲むエンジン・ハウジング(5)を有する内燃機関(1)に関する。このエンジン・ハウジング(5)は、単一の構成部品又は互いに締結される複数の構成部品で作ることができる。各クランクシャフト(45、50)は少なくとも1つのフライホイール(75)に連結することができ、追加のフライホイール(76)に連結することも可能である。この内燃機関は排気弁列と吸気弁列の1つ又は両方をさらに備えることができる。現行の実施例は、グロー・プラグ(61)及びシリンダ圧力マウント(60)並びに噴射ポート(55)を備える。その表示される実施例でのこのエンジンは、掃気工程を利用する吸気ポート(62)及び排気ポート(63)を備える。
図3〜6を参照すると、本開示の一形態は、第1の燃焼室(11)の境界を定める第1の壁(10)と第2の燃焼室(16)の境界を定める第2の壁(15)を伴うエンジン・ハウジング5(部分的に示す。)を有する内燃機関(1)に関し、この第1の壁(10)及び第2の壁(15)はそれぞれ少なくとも円環面の一区画を画成する。この開示の範囲内では、円環面は共通の枢動点(30)の周りを揺動するピストン(20、35)によって画成されるリング形状を意味すると理解されたい。ピストン・ヘッド(21、36)及び燃焼室(11、16)の横断面形状は円形であるとして示されているが、それらは正方形、長方形又は楕円形などの別の形状であり得ることが可能であり、それらにも限定されない。この燃焼室(11、16)は、第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)によってさらに境界が定められ、各ピストンは図4及び6に示すように、円環面形状と2つのピストン・ヘッド(21、36)とを有する。燃焼室(11、16)の境界を定める壁(10、15)の端部は、ピストン(20、35)の端部のところに配置されるピストン・ヘッド(21、36)のためのガイド部としてさらに機能する。
図3、4、及び6では、第1のピストン(20)は、第1のコネクティング・ロッド(25)に連結される第1の枢動アーム(22A)と、共通の枢動点(30)に連結される第2の枢動アーム(22B)をさらに備えるように示されている。同様に、第2のピストン(35)は、第2のコネクティング・ロッド(40)に連結される第1の枢動アーム(37A)と共通の枢動点(30)に連結される第2の枢動アーム(37B)をさらに備える。各ピストン(20、35)のこの第2の枢動アーム(22B、37B)は、エンジンの中央部に向かって半径方向に延びる。本開示の一形態では、第1のコネクティング・ロッド(25)は、第1の接合部軸(100A)を備える第1の接合部のところで第1のピストン(20)の第1のピストンアーム(22A)に連結され、第2のコネクティング・ロッド(40)は、第2の接合部軸(100C)を備える第2の接合部のところで第2のピストン(35)の第2の枢動アーム(37A)に連結される。この第1の枢動アーム(22A)及び第2の枢動アーム(22B)は、共通の枢動軸(100B)を備える共通の枢動点(30)のところで連結される。この第1の接合部軸(100A)、第2の接合部軸(100C)、及び共通の枢動軸(100B)は、共通の面内に位置合わせされるとき互いに平行である。
第1のクランクシャフト(45)は、第1のコネクティング・ロッド(25)に連結され、一方第2のクランクシャフト(50)は、第2のコネクティング・ロッド(40)に連結される。この第1のクランクシャフト(45)及び第2のクランクシャフト(50)は、共通の枢動点(30)によって画成される第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)の曲線の軌道と、それぞれ第1の燃焼室(11)及び第2の燃焼室(16)の境界を定める第1の壁(10)及び第2の壁(15)との外側に配置される。このコネクティング・ロッド(25、40)は、エンジンの当業者に知られる、限定はされないが、軸受け及びボルトを含む任意の手段を使用してクランクシャフト(45、50)に連結することができる。
各クランクシャフト(45、50)は、例えば変速機輪を介してフライホイール(75)に連結することができる。このクランクシャフト(45、50)は、限定はされないが、チェイン又は歯付ベルトを使用することを含む、当業者に知られている任意の手段によってフライホイール(75)に連結することもできる。この第1のクランクシャフト(45)及び第2のクランクシャフト(50)は、反対方向に回転することができる。第1のクランクシャフト(45)及び第2のクランクシャフト(50)が反対方向に回転するとき追加のフライホイール(76)への連結は簡略化される、何故ならそれらは図2に示すようにクランクシャフト間に直接挿入することができるからである。
本開示の一形態では、この第1のクランクシャフト(45)は第1のロータリ軸(102A)を備え、第2のクランクシャフト(50)は第2のロータリ軸(102C)を備える。上記で記載されるこの第1のロータリ軸(102A)及び第1の接合部軸(100A)は互いに平行であり、第1の面(103A)内で位置合わせされ、一方第2のロータリ軸(102C)及び第2の接合部軸(100C)は互いに平行であり、第2の面(103C)内で位置合わせされる。第1のピストン(20)と、第2のピストン(35)と、第1の面(103A)と、第2の面(103C)の中心の位置は、第1の接合部軸(100A)と、第2の接合部軸(100C)と、共通の枢動軸(100B)の位置合わせについて上記で記載される共通の面(101)に対して垂直である。
それぞれ第1の燃焼室(11)及び第2の燃焼室(16)の境界を定める第1の壁(10)及び第2の壁(15)は、単一の構成部品として、又は複数の構成部品として構築することができる。本開示の一形態では、この第1の壁(10)及び第2の壁(15)は、互いに締結される(右及び左の)2つの構成部品として構築される。そのような締結は、限定はされないが、ボルト及び接着剤の使用を含む、エンジンの当業者に知られている任意の手段によって実施することができる。ガスケット及び封止剤の使用を、この壁を含むこれらの締結される(右及び左の)構成部品間に生じる可能性のある、起こりうるどのような漏れの発生も減少させるために行うことができる。
図3に示すように、この第1の壁(10)及び第2の壁(15)は、冷却溝(17)をさらに備えることができる。これらの冷却溝(17)は、燃焼室(11、16)と、ピストン・ヘッド(21、36)と、ピストン(20、35)とに冷却効果を与えるために、空気などの気体の流れ、又は水又は油などの液体の流れを使用することができる。そのような冷却効果は、壁から離れる熱の、冷却溝(17)内を流れる液体又は気体への熱伝達の結果として得られる。
エンジン(1)は、吸気ポート(62)と、排気ポート(63)と、シリンダ圧力マウント(60)と、第1の壁(10)及び第2の壁(15)のうちの少なくとも1つの内部のスパーク・プラグ又はグロー・プラグ(61)とをさらに備えることができる。ダブル・スパーク点火システムを設けることもできる。通常、この吸気ポート(62)及び排気ポート(63)は、第1の壁(10)及び第2の壁(15)のうちの少なくとも1つの中で燃焼室(11、16)と交差する。その上、燃料噴射器ポートが、燃焼室(11、16)のうちの少なくとも1つと交差するように設けられる。燃焼室(11、16)、吸気(62)ポート及び排気(63)ポートと噴射器ポート(55)との間の交差の角度は約90度である。2サイクルの実施例の通常の掃気工程中、この排気ポート(63)は吸気ポート(62)より長い時間にわたって開いていることが好ましい。
次に図2を参照すると、第1の燃焼室(11)は、第1のピストン(20)の第1のピストン・ヘッド(21A)によってさらに境界が定められる。第2の燃焼室(16)は、第1のピストン(20)の第2のピストン・ヘッド(21B)によってさらに境界が定められる。この第1の燃焼室(11)は、第2のピストン(35)の第1のピストン・ヘッド(36A)によってやはりさらに境界が定められ、一方第2の燃焼室(16)は、第2のピストン(35)の第2のピストン・ヘッド(36B)によってやはりさらに境界が定められる。図6Bに示すような本開示の一形態では、この第1のピストン(20)の第1のピストン・ヘッド(21A)及び第2のピストン・ヘッド(21B)は、互いにある角度(αl)を形成し、一方第2のピストン(35)の第1のピストン・ヘッド(36A)及び第2のピストン・ヘッド(36B)はある角度(α2)を形成する。角度(α1)及び(α2)は少なくとも110度であることが好ましい。ピストン・ヘッド(21、36)は、ピストン・ヘッドをエンジン・ハウジング(5)の壁(10、15)に対して封止するピストン・リング(85)を含むことができる。
第1のピストン(20)と、第2のピストン(35)と、ピストン・ヘッド(21、36)と、第1の壁(10)又は第2の壁(15)は、金属、炭素複合材料、又は特にセラミック複合材料から構成することができる。このピストン・ヘッド(21、36)は、グラファイト複合材料から作ることができる。ピストン(20、35)及びピストン・ヘッド(21、36)は、用途に応じて完全に中実又は部分的に中空のいずれかであることができる。金属の例には、限定はされないが、アルミニウム及び熱処理鋼を含むことができる。セラミック複合材料の例には、特に炭化珪素又は窒化珪素を含むことができる。炭素複合材料及びセラミック複合材料の強度は、繊維強化を用いて高めることができる。
ピストン・ヘッド(21、36)及び壁(10、15)によって画成される燃焼室(11、16)の形状は、限定はされないが、円錐又は円筒形状を含む、エンジン燃焼の当業者に知られる任意の形状であることができる。本開示のエンジン(1)内のピストン(20、35)の動きは、順次的に図6A〜6Cに示す。図6Aでは、ピストン(20、35)は上方位置に回転させられ、それによってピストン・ヘッド(21A、36A)は燃焼室(11)の容積を減少させ、一方ピストン・ヘッド(21B、36B)は燃焼室(16)の容積を増加させる。ピストン(20、35)が中間位置に回転させられるとき(図6B参照)、燃焼室(11、16)の容積は同様になる。図6Cでは、ピストン(20、35)は下方位置に回転させられ、それによってピストン・ヘッド(21B、36B)は燃焼室(16)の容積を減少させ、一方ピストン・ヘッド(21A、36A)は燃焼室(11)の容積を増加させる。
次に図7〜8を参照すると、ピストン・プレート(65)と主部材プレート(70)の組み合わせが各ピストン・ヘッド(21、36)を対応するピストン(20、35)に連結するために使用される。ピストン・プレート(65)と主部材プレート(70)の組み合わせを1つしか図示していないが、当業者は誰もそのようなプレート(65、70)の組み合わせを各ピストン・ヘッド(21、36)に使用できることを理解するであろう。プレート(65、70)のこの組み合わせは、様々な種類のボルト及び接続具(66、67)を使用してピストン・ヘッド(21、36)に締結することができる。これらのプレート(65、70)の目的は、モータの動作中に生じる力をピストン(20、35)から対応するピストン・ヘッド(21、36)に、より均一に伝達し、分配することである。これらの力の伝達は、そのような結合部の近くの応力及び潜在的に可能性のある破損、例えば応力割れの形成の危険性を減少させるために、ピストン(20、35)へのプレートの組み合わせ(65、70)の広い結合領域にわたって行われる。
本開示に示すようなロータリ燃焼機関に対する様々な実施例は、クランクシャフト(45、50)がピストン(20、35)のトロイダル軌道の外側にあるように示されてきたが、当業者はこのクランクシャフト(45、50)をピストンのトロイダル軌道の直径の内側に位置決めすることができることを理解するであろう。単一のクランクシャフトがピストンのトロイダル軌道の直径の内側に位置決めされる、本開示の一実施例の一例が、図9、10及び11に示されている。
図10及び11において、内燃機関(1)には第1の燃焼室(11)の境界を定める第1の壁(10)と第2の燃焼室(16)の境界を定める第2の壁(15)を伴うエンジン・ハウジング5(部分的に示す。)を有する内燃機関(1)が設けられ、第1の壁(10)及び第2の壁(15)はそれぞれ、円環面の少なくとも一区画を画成する。この燃焼室(11、16)は第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)によってさらに境界が定められ、各ピストンは円環面形状と2つのピストン・ヘッド(21、36)を有する。この燃焼室(11、16)の境界を定める壁(10、15)の端部は、ピストン(20、35)の端部のところに配置されるピストン・ヘッド(21、36)のためのガイド部としてさらに機能する。この第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)は反対方向に同時に移動し、それによってピストン・ヘッド(21、36)は、対応する燃焼室(11、16)の容積の膨張又は減少のいずれかを生じさせる。本開示の一例では、このピストン(20、35)の移動は、ピストン(20、35)の揺動を持続させることができる少なくとも1つの長楕円形のプレート(120)と共に、共通の枢動点(30)の回転可能なクランクピン(150)に連結されるガイド・フレーム(90)を有する、図9に指示される機構を使用することができる。このエンジン(1)は、吸気ポート(62)と、排気ポート(63)と、グロー・プラグ(61)と、第1の壁(10)と第2の壁(15)のうちの少なくとも1つの中の、燃焼室(11、16)と交差するシリンダ圧力マウント(60)とをさらに備えることができる。第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)は共通の枢動点(30)及び該枢動点に関連する回転可能なクランクピン(150)によって画成される湾曲した通路に沿って案内される。
図10は、ピストンの移動又は動きと、各ピストン(20、35)の枢動アーム(22B、37B)と共通の枢動点(30)及び回転クランクピン(150)との相互作用を示す。第1のピストン(20)の枢動アーム(22B)及び第2のピストン(35)の枢動アーム(37B)は、共通の枢動点(30)を中心にして揺動する。
図10では、ピストン(20、35)が両方とも回転して頂部位置になり、それにより第1の燃焼室(11)の容積が減少して、第2の燃焼室(16)の容積が増大する。ピストン(20、35)がその頂部位置から底部位置へと移動すると、第1の燃焼室(11)の容積が増大し、一方第2の燃焼室(16)の容積が減少する。
図9では、図10及び11によるピストン(20、35)の移動が、回転クランクピン(150)及び共通の枢動点(30)によって画成され、これはガイドフレーム(90)を通して係合部材(91)によって枢動アーム(22B、37B)に連結される。ガイドフレーム(90)は、枢動アーム(22B、37B)間に配置される。ガイドフレーム(90)は、係合部材(91)及び共通の枢動点(30)の回転クランクピン(150)が配設された開口する受け領域を有する。ガイドフレーム(90)は、2本の平行なガイド柱(93R、93L)を含むガイド手段と一体化されている。このガイドフレーム(90)は、ガイド柱(93)によって示される方向に移動することができる。枢動アーム(22B、37B)が係合部材(91)を介してガイドフレーム(90)に結合されるので、ガイド柱(93)に沿ったガイドフレーム(90)の動きがピストン(35)に伝達される。ガイドフレーム(90)がガイドポスト(93)に沿って上向き方向に移動すると、ピストン(20、35)が円軌道に沿って移動し、結果として図6Aに示すように燃焼室(11)の容積を最小限にし、燃焼室(16)の容積を最大にする。クランクピン(150)の回転運動は、それに装着された長楕円形のプレート(120)によって維持される。このピストンの移動はさらに、本出願の権利者が所有する(2006年5月30日出願の)米国特許第7,600,490号に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。
当業者は前述の記載から、以下の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱することなく、さらなる改変及び変更を行うことができることを認識するであろう。
Claims (27)
- 第1の燃焼室(11)の境界を定める第1の壁(10)と第2の燃焼室(16)の境界を定める第2の壁(15)を有し、前記第1の壁(10)及び第2の壁(15)それぞれが円環面の少なくとも1つの区画を画成するエンジン・ハウジング(5)と、
前記第1の燃焼室(11)の境界をさらに定める第1のピストン・ヘッド(21A)と、前記第2の燃焼室(16)の境界をさらに定める第2のピストン・ヘッド(21B)と、第1のコネクティング・ロッド(25)に連結される第1の枢動アーム(22A)と、共通の枢動点(30)に連結される第2の枢動アーム(22B)とを有する第1のピストン(20)と、
前記第1の燃焼室(11)の境界をさらに定める第3のピストン・ヘッド(36A)と、前記第2の燃焼室(16)の境界をさらに定める第4のピストン・ヘッド(36B)と、第2のコネクティング・ロッド(40)に連結される第3の枢動アームと、前記共通の枢動点(30)に連結される第4の枢動アーム(37B)とを有する第2のピストン(35)と、
前記第1のコネクティング・ロッド(25)に連結される第1のクランクシャフト(45)と、前記第2のコネクティング・ロッド(40)に連結される第2のクランクシャフト(50)とを備え、
前記第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)が前記共通の枢動点(30)によって画成される曲線の軌道に沿ってガイドされ、
前記第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)が反対方向に移動し、
前記第1のピストン(20)の前記第2の枢動アーム(22B)及び前記第2のピストン(35)の前記第4の枢動アーム(37B)が前記共通の枢動点(30)の周りを揺動する、内燃機関(1)。 - 前記第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)が同時に移動する、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1の壁(10)及び前記第2の壁(15)のうちの少なくとも1つが、互いに連結される右側構成部品及び左側構成部品から構成される、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1の壁(10)及び前記第2の壁(15)がさらに冷却溝(17)を備える、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記冷却溝(17)が、熱的熱伝達機構によって冷却を与えるために、空気又は液体のいずれかを使用する、請求項4に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1の壁(10)及び第2の壁(15)のうちの少なくとも1つ内に配設される、吸気ポート(62)と、排気ポート(63)と、燃料噴射器ポート(55)と、スパーク・プラグ(61)とのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1のピストン(20)と、第2のピストン(35)と、第1のピストン・ヘッド(21A)と、第2のピストン・ヘッド(21B)と、第3のピストン・ヘッド(36A)と、第4のピストン・ヘッド(36B)と、第1の壁(10)又は第2の壁(15)のうちの少なくとも1つが、アルミニウム、鋼、炭素複合材料、又はセラミック複合材料からなる群より選択される1つから構成される、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記炭素複合材料又はセラミック複合材料が繊維強化される、請求項7に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1、第2、第3及び第4のピストン・ヘッド(21A、21B、36A、36B、)を前記対応する第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)に連結するために、ピストン・プレート(65)と主部材プレート(70)の組み合わせが使用される、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記吸気ポート(62)が、前記第1の壁(10)及び第2の壁(15)のうちの少なくとも1つ内で約90度の角度で燃焼室(11,16)と交差する、請求項6に記載の内燃機関(1)。
- 前記排気ポート(63)が前記吸気ポート(62)より長い時間にわたって開いている、請求項6に記載の内燃機関(1)。
- 2サイクル機関、4サイクル機関、オットー・エンジン、及びディーゼル・エンジンのうちの1つである、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 各ピストン(20、35)の前記第1のピストン・ヘッド(21A)と前記第2のピストン・ヘッド(21B)の間の角度(α1、α2)が少なくとも110度である、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1のコネクティング・ロッド(25)が、第1の接合部軸(100A)を備える第1の接合部のところで前記第1のピストン(20)の前記第1のピストンアーム(22A)に連結され、前記第2のコネクティング・ロッド(40)が、第2の接合部軸(100C)を備える第2の接合部のところで前記第2のピストン(35)の前記第3の枢動アーム(37A)に連結され、前記第1の接合部軸(100A)、前記第2の接合部軸(100C)、及び前記共通の枢動軸(100B)のそれぞれが共通の面(101)内に位置合わせされるとき互いに平行である、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1のクランクシャフト(45)が第1のロータリ軸(102A)を備え、前記第2のクランクシャフト(50)が第2のロータリ軸(102C)を備え、前記第1のロータリ軸(102A)と前記第1の接合部軸(100A)が互いに平行であり、第1の面(103A)内で位置合わせされ、前記第2のロータリ軸(102C)と前記第2の接合部軸(100C)が互いに平行であり、第2の面(103C)内で位置合わせされ、前記第1のピストン(20)と前記第2のピストン(35)の中心位置で、前記第1の面(103A)と前記第2(103C)の面が前記共通の面(101)に対して垂直である、請求項14に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1のクランクシャフト(45)及び第2のクランクシャフト(50)がフライホイール(75)に連結される、請求項1に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1のクランクシャフト及び第2のクランクシャフトが同じ方向に回転する、請求項16に記載の内燃機関(1)。
- 第1の燃焼室(11)の境界を定める第1の壁(10)と第2の燃焼室(16)の境界を定める第2の壁(15)を有し、前記第1の壁(10)及び第2の壁(15)それぞれが円環面の少なくとも1つの区画を画成するエンジン・ハウジング(5)と、
前記第1の燃焼室(11)の境界をさらに定める第1のピストン・ヘッド(21A)と、前記第2の燃焼室(16)の境界をさらに定める第2のピストン・ヘッド(21B)と、共通の枢動点(30)に連結される枢動アーム(22B)と、係合部材(91)とを有する第1のピストン(20)と、
前記第1の燃焼室(11)の境界をさらに定める第1のピストン・ヘッド(36A)と、前記第2の燃焼室(16)の境界をさらに定める第2のピストン・ヘッド(36B)と、前記共通の枢動点(30)に連結される枢動アーム(37B)と、係合部材(91)とを有する第2のピストン(35)と、
回転するクランク・ピン(150)と係合部材(91)のための開口する受け領域を有するガイド・フレーム(90)であって、前記受け領域はガイド・フレーム(90)を直線状の一端から他端へ移動してクランク・ピン(150)を回転させる、ガイド・フレーム(90)と、
2つの平行なガイド柱(93)を含むガイド手段と、を備える内燃機関(1)であって、
前記ガイド・フレーム(90)の動きは定義され、
前記第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)が前記共通の枢動点(30)によって画成される曲線の軌道に沿ってガイドされ、
前記第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)が反対方向に移動し、
前記第1のピストン(20)の前記枢動アーム(22B)及び前記第2のピストン(35)の前記枢動アーム(37B)が前記共通の枢動点(30)の周りを揺動する、内燃機関(1)。 - 前記第1の壁(10)及び前記第2の壁(15)のうちの少なくとも1つが、互いに連結される右側構成部品及び左側構成部品から構成される、請求項18に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1の壁(10)及び前記第2の壁(15)がさらに冷却溝(17)を備える、請求項18に記載の内燃機関(1)。
- 前記冷却溝(17)が、熱的熱伝達機構によって冷却を与えるために、空気又は液体のいずれかを使用する、請求項20に記載の内燃機関(1)。
- 前記第1の壁(10)及び第2の壁(15)のうちの少なくとも1つ内に配設される、吸気ポート(62)と、排気ポート(63)と、燃料噴射器ポート(55)と、スパーク・プラグ(61)とのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項18に記載の内燃機関(1)。
- 前記排気ポート(63)が前記吸気ポート(62)より長い時間にわたって開いている、請求項22に記載の内燃機関(1)。
- 2サイクル機関、4サイクル機関、オットー・エンジン、及びディーゼル・エンジンのうちの1つである、請求項18に記載の内燃機関(1)。
- 各ピストン(20、35)の前記第1のピストン・ヘッド(21A)と前記第2のピストン・ヘッド(21B)の間の角度(α1、α2)が少なくとも110度である、請求項18に記載の内燃機関(1)。
- 前記内燃機関の1つ又は複数の構成部品が複合材料から製造されたものである、請求項18に記載の内燃機関。
- 前記第1のピストン・ヘッド(21)及び第2のピストン・ヘッド(36)を前記対応する第1のピストン(20)及び第2のピストン(35)に連結するために、ピストン・プレート(65)と主部材プレート(70)の組み合わせが使用される、請求項18に記載の内燃機関。
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