JP2012256477A - 基板用コネクタの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雄ハウジング11の背面の左右両端部には、回路基板1に形成された円形の取付孔2に挿入される取付部20が設けられている。この取付部20は、3本の挿入片が略等角度間隔を開けて平面円形をなすように配されることで構成され、前側に配された1本が固定片23とされている一方、残りの2本は、先端に取付孔2の裏側の孔縁に係止する係止部31を有して弾性変位可能な弾性係止片30とされている。また、固定片23が弾性係止片30よりも所定寸法長く形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、製造コストの低減を図り、その上にコネクタハウジングを正規姿勢で取り付けることができる基板用コネクタの取付構造を提供するところにある。
また、固定片が先に取付孔に挿入されて位置決めされたのち、同固定片が引き続き挿入状態にあるままに他の弾性係止片も揃って取付孔に挿入されて押し込まれ、言い換えると固定片が誘い込みの機能を果たして、全挿入片を揃ってスムーズに取付孔に押し込むことができる。
(1)前記固定片の外面の平面形状が、前記取付孔の内周面に倣った円弧面として形成され、その外面上には長さ方向に沿ってリブが形成されている。
固定片の外面にリブが立てられていることにより、挿入抵抗が小さく抑えられた上で、固定片から取付孔の内周面の所定位置に対して確実に押付力を作用させることができる。
弾性係止片は後方への抜き型により形成され、前側に位置する固定片は、同固定片の長さ方向に移動するスライド型によって形成することが可能である。そのため、取付部をコネクタハウジングの背面側に設定しても、コネクタハウジングに成形型の抜き用の開口を設けることなく取付部を形成できる。
そのため、取付部をコネクタハウジングの側方に張り出して設ける必要がなく、またコネクタハウジングに対して抜き用の開口を設けるための余分な部分を設ける必要もないから、コネクタハウジングひいては基板用コネクタの小型化を図ることに寄与することができる。
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
本実施形態の基板用コネクタ10は、回路基板1の所定の端縁位置に載置されて取り付けられるものであって、合成樹脂製の雄側のコネクタハウジング11(以下、単に雄ハウジング11という)と、複数の雄端子15とを備えて構成されている。
雄端子15は、L型に曲げ形成されたタブによって構成されており、各雄端子15は、それぞれの前端15Aが、嵌合凹部12の奥壁13から複数段に亘り横方向に列をなして同嵌合凹部12に突出した形態で装着されており、各雄端子15の後端15B側は、奥壁13の背面側において、縦横に整列された形態で下向きに突出されている。
図2ないし図5に示すように、雄ハウジング11の背面における左右両端部の略中央高さに位置には、それぞれ取付板17が水平姿勢で形成されており、各取付板17の下面からは、回路基板1に形成された取付孔2に挿入される取付部20が、下向きに突設されている。回路基板1の取付孔2は円形孔からなり、上記したスルーホールの形成領域の両側に一対が形成されている。
上記の弾性係止片30の外面30Aの下端部には、断面略山形をなす係止部31が全幅に亘って膨出形成されている。この係止部31の上側の傾斜面が、回路基板1の取付孔2における裏側の孔縁に係止する係止面32となっているとともに、下側の傾斜面がガイド面33とされている。
また、固定片23の円弧形をなす外面24における中央幅位置には、略半円形断面をなす背の低いリブ27が全長に亘って形成されている。
2本の弾性係止片30における係止部31を含む円弧形をなす外面30Aは、当該取付部20を含む雄ハウジング11を成形するべく前後の成形型のうち、後側の成形型40によって成形可能である。
また、上記の各弾性係止片30の両側面30Bと、リブ27を含む固定片23の全周面とは、上下方向に可動のスライド型41によって成形される。弾性係止片30並びに固定片23について、スライド型41に対するアンダーカット部分がないから、無理抜きされることはない。
雄ハウジング11を回路基板1に取り付けるには、雄ハウジング11の背面の左右両端部に下向きに形成された一対の取付部20が、図3及び図4の矢線に示すように、回路基板1に形成された対応する取付孔2に挿入される。そのとき他の2本の弾性係止片30よりも長い固定片23の先端が、必要に応じてガイド面25で案内されながら、先に取付孔2内に挿入される。続いて2本の弾性係止片30が挿入されるが、係止部31の下面側のガイド面33が取付孔2の表側の孔縁に当たることで弾性係止片30が内方に撓み変位しつつ、係止部31の頂点が取付孔2の内周面に摺接して押し込まれる。
また、固定片23が先に取付孔2に挿入されて位置決めされたのち、同固定片23が引き続き挿入状態にあるままに他の2本の弾性係止片30も揃って取付孔2に挿入されて押し込まれ、言い換えると固定片23が誘い込みの機能を果たして、固定片23並びに両弾性係止片30の全てを揃ってスムーズに取付孔2に押し込むことができる。
なお、固定片23の外面にリブ27を設けて同リブ27を取付孔2の内周面に摺接させるようにしたから、挿入抵抗は小さく抑えられる。
結果、取付部20を雄ハウジング11の側方に張り出して設ける必要がなく、また雄ハウジング11に対して抜き用の開口を設けるための余分な部分を設ける必要もないから、雄ハウジング11ひいては基板用コネクタ10の小型化を図ることに寄与し得る。
次に、本発明の実施形態2を図12ないし図15によって説明する。
この実施形態では、雄ハウジング11Aに設ける取付部50の形成位置並びに取付部50自身の構造に変更が加えられている。
雄ハウジング11Aの背面における左右両端部の略中央高さに位置には、それぞれ取付板17Aが水平姿勢で形成され、特に各取付板17Aは雄ハウジング11Aの側面から外側に張り出して形成されており、各取付板17Aにおける雄ハウジング11Aの側面から張り出した部分における下面に、回路基板1に形成された取付孔2(図3参照)に挿入される取付部50が下向きに形成されている。なお、実施形態2における取付孔2の形成位置は、取付部50の形成位置と対応している。
取付部50は、円盤状の基板21の周縁部に、1本の固定片51と2本の弾性係止片55とが等角度間隔(120°)を開けて配され、より詳細には、図14に示すように、基板21の周縁部のうち前縁位置に固定片51が、左右の斜め後方位置にそれぞれ弾性係止片55が形成されている。
弾性係止片55の外面55Aの下端部には、実施形態1と同様に、断面略山形をなす係止部31が全幅に亘って膨出形成され、その上側の傾斜面が係止面32で、下側の傾斜面がガイド面33とされている。
端的には、当該取付部50を含む雄ハウジング11を成形するべく前後の成形型45,46のみで成形可能であり、より具体的には、両弾性係止片55における外面55A(係止部31を含む)と互いに対向した側の側面55B(テーパ面55Cを含む)、並びに固定片51における両側面51Bと内面51Cは、後側の成形型46によって成形され、また、両弾性係止片55における他方の側面55B(テーパ面55Cを含む)、並びに固定片51におけるリブ27を含む外面51Aは、前側の成形型45によって成形可能である。
簡単に繰り返すと、雄ハウジング11Aに一体的に形成した取付部50を回路基板1の取付孔2に押し込んで取り付ける構造であるから、部品点数の削減と、取付作業の簡易化が図られる。また、固定片51が誘い込みの機能を果たして、取付部50全体をスムーズに取付孔2に押し込むことができる。
実施形態2の取付部50は、スライド型を用いることなく前後方向に開閉する成形型45,46のみで成形可能である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、取付部を構成する挿入片が3本の場合を例示したが、挿入片は4本以上が略等角度間隔で配されて、そのうちの1本が固定片とされていればよい。
(2)固定片の外面にリブを設けることは割愛してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(3)上記実施形態では、雄ハウジングに装着された雄端子の後端を回路基板のスルーホールに固定する手段として半田付けする場合を例示したが、プレスフィット端子のようにスルーホール内に圧入して固定する形式の基板用コネクタについても、本発明は同様に適用することが可能である。
2…取付孔
10…基板用コネクタ
11,11A…雄ハウジング(コネクタハウジング)
15…雄端子(端子金具)
15B…(雄端子15の)後端
17,17A…取付板
20…取付部
21…基板
23…固定片
24…(固定片23の)外面
27…リブ
30…弾性係止片
31…係止部
50…取付部
51…固定片
51A…(固定片51の)外面
Claims (3)
- コネクタハウジングに複数本の端子金具が列設された基板用コネクタが回路基板上に装着され、前記端子金具の後端が前記回路基板に形成されたスルーホールに挿入固定されるものにおいて、前記コネクタハウジングを前記回路基板に取り付ける構造であって、
前記コネクタハウジングの側面には、前記回路基板に形成された円形の取付孔に挿入される取付部が設けられ、
この取付部は、3以上の複数本の挿入片が略等角度間隔を開けて平面円形をなすように配されることで構成され、前記挿入片のうちの1本の挿入片が固定片とされている一方、残りの挿入片は、先端に前記取付孔の裏側の孔縁に係止する係止部を有して弾性変位可能な弾性係止片とされており、かつ前記固定片が前記弾性係止片よりも所定寸法長く形成されていることを特徴とする基板用コネクタの取付構造。 - 前記固定片の外面の平面形状が、前記取付孔の内周面に倣った円弧面として形成され、その外面上には長さ方向に沿ってリブが形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板用コネクタの取付構造。
- 前記取付部が、1本の前記固定片と2本の前記弾性係止片とが平面円形に配されて構成され、かつ前記固定片が前記円のうちの前側領域に位置して配されていることを特徴とする請求項2記載の基板用コネクタの取付構造。
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