JP2012255132A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 Download PDF

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尚紀 渡辺
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Abstract

【課題】接着性と耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止された素子を備える電子部品装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)無機充てん剤と、(D)一般式(I)で示されるベンゼンジオールモノエーテル化合物とを含有する封止用エポキシ樹脂成形材料。一般式(I)において、Rは置換又は非置換の炭素数1以上7以下の炭化水素基を示す。

【選択図】なし

Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの成形材料で封止された素子を備える電子部品装置に関する。
近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、実装の高密度化が進み、電子部品装置は従来のピン挿入型から、表面実装型のパッケージがなされるようになってきている。表面実装型のIC、LSI等は、実装密度を高くし、実装高さを低くするために薄型、小型のパッケージになっており、素子のパッケージに対する占有面積が大きくなり、パッケージの肉厚は非常に薄くなってきた。さらにこれらのパッケージは従来のピン挿入型のものと実装方法が異なっている。すなわち、配線板に取り付ける場合、従来のピン挿入型パッケージはピンを配線板に挿入した後、配線板裏面から半田付けを行うため、パッケージが直接高温にさらされることはなかった。しかし、表面実装型パッケージでは半導体装置全体が半田バスやリフロー装置などで処理されるため、パッケージが直接半田付け温度(リフロー温度)にさらされる。この結果、パッケージが吸湿した場合、水分が半田付け時にパッケージ内部で急激に膨張あるいは気化し、発生した蒸気圧が剥離応力として働き、素子、リードフレーム等のインサートと封止材との間で剥離が発生し、パッケージクラックの発生や電気的特性不良の原因となる。このため、半田耐熱性(耐リフロー性)に優れた封止材料の開発が望まれている。
これらの要求に対応するために、これまで、主材となるエポキシ樹脂側から様々な検討がされているが、エポキシ樹脂側の改良だけでは、低吸湿化に伴う耐熱性の低下、密着性の向上に伴う硬化性の低下等が生じ、物性のバランスをとることが困難であった。従って、上記背景から種々のエポキシ樹脂改質剤が検討されており、その例として素子、リードフレーム等のインサートとの密着力向上に注目した硫黄原子含有化合物(例えば特許文献1、2参照)及び硫黄原子含有シランカップリング剤(例えば特許文献3参照)や、インデン・スチレン・フェノール共重合オリゴマー(例えば特許文献4参照)がある。
特開平11−12442号公報 特開2002−3704号公報 特開2000−103940号公報 特開平10−265650号公報
しかしながら、硫黄原子含有シランカップリング剤(例えば特許文献3参照)を用いた場合はAgやAuのような貴金属との接着性向上効果が十分でなく、また硫黄原子含有化合物(例えば特許文献1、2参照)を用いて、文献開示の量を添加しても貴金属との接着性が十分に向上せず、場合によっては化合物中の硫黄に起因すると考えられる電気特性の悪化を引き起こす場合がある。インデン・スチレン・フェノール共重合オリゴマー(例えば特許文献4参照)は他の特性の悪化はないものの耐リフロー性の向上効果に乏しい。
上述したように、接着性と耐リフロー性の両方を満足する封止用エポキシ樹脂成形材料は得られておらず、本発明はかかる状況に鑑みなされたものであり、接着性と耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止された素子を備える電子部品装置を提供しようとするものである。
本発明は、特定のベンゼンジオールモノエーテル化合物を含有する封止用エポキシ樹脂成形材料及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電子部品装置に関する。より具体的には、以下の通りである。
本発明は、(1)(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)無機充てん剤と、(D)下記一般式(I)で示されるベンゼンジオールモノエーテル化合物とを含有する封止用エポキシ樹脂成形材料に関する。


(一般式(I)で、Rは置換又は非置換の炭素数1以上7以下の炭化水素基を示す。)
また、本発明は、(2)さらに(E)硬化促進剤を含有する(1)項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料に関する。
また、本発明は、(3)(1)項又は(2)項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電子部品装置に関する。
本発明によれば、接着性と耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を提供することができ、この封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて信頼性の高い電子部品装置を得ることができ、その工業的価値は大である。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明は、(A)エポキシ樹脂の少なくとも1種と、(B)硬化剤の少なくとも1種と、(C)無機充てん剤の少なくとも1種と、(D)一般式(I)で示されるベンゼンジオールモノエーテル化合物の少なくとも1種とを含有する封止用エポキシ樹脂成形材料である。
かかる構成により本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、接着性と耐リフロー性に優れる。また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、流動性及び難燃性が低くなく良好である。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、常温常圧下において固体である。固体の形状に制限はなく、粉状、粒状、タブレット状など如何なる形状でもよい。
本発明の詳細について、以下に記載する。
本発明で用いられる(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物は、下記一般式(I)で示される化合物である。このような化合物としては、例えば、カテコール、レゾルシノール及びヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類の水酸基の一つを炭化水素基で置換した化合物が挙げられる。

(一般式(I)で、Rは置換又は非置換の炭素数1以上7以下の炭化水素基を示す。)
上記一般式(I)中のRとしてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等の鎖状アルキル基、シクロヘキシル基等の脂環式アルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられ、これらの基の一部の水素原子がその他の有機基で置換されていてもよい。
Rが置換された炭化水素基である場合の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、アセトキシ基等が挙げられる。
Rとしては、一般式(I)で示される化合物の入手の容易性の観点から、ブチル基、シクロヘキシル基、及びベンジル基が好ましい。シクロヘキシル基は接着性に優れ、ベンジル基は流動性及び難燃性に優れ、ブチル基は各特性のバランスに優れる傾向がある。
本発明における(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物の製造方法は、特に制限なく公知の方法で製造することができる。例えば、前記一般式(I)中のRのハロゲン化物とヒドロキノンの存在下、トリアルキルアミン等の塩基を加えることによる、脱ハロゲン化水素反応により得ることができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料における(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物の含有割合は、本発明の効果を達成できる範囲であれば特に制限はない。(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物は、その含有割合が高いほど接着性増加、高温領域の弾性率低減、及び流動性向上の傾向があり、その含有割合が低いほど熱時硬度および難燃性が高い傾向がある。これらを鑑み、封止用エポキシ樹脂成形材料に対する要求特性に応じて(D)成分の含有割合を選定すればよい。
上記の特性のバランス及び特に耐リフロー性の観点からは、封止用エポキシ樹脂成形材料中の(A)エポキシ樹脂の質量に対する比率として、1質量%以上45質量%以下が好ましく、2質量%以上30質量%以下がより好ましく、3質量%以上20質量%以下が更に好ましく、4質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
また、封止用エポキシ樹脂成形材料中における(B)硬化剤の質量と(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物の質量比((B)硬化剤の質量/(D)ベンゼンジオールモノエーテルの質量)としては、各特性のバランス及び耐リフロー性の観点から、0超1300以下が好ましく、0.3以上100以下がさらに好ましく、特に接着性の観点からは、0.3以上80以下がより好ましい。
(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物は、封止用エポキシ樹脂成形材料の製造時におけるエポキシ樹脂や硬化剤への溶解性の観点から、融点が250℃以下であることが好ましく、150℃以下がより好ましい。
本発明において(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、特に制限はないが、1分子中にエポキシ基を2個以上含有するものが好ましい。例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとする、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類から選ばれる少なくとも1種とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂;アルキル置換、芳香環置換又は非置換のビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、チオジフェノール等のジグリシジルエーテル;スチルベン型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物;ナフタレン環を有するエポキシ樹脂;フェノール類及びナフトール類から選ばれる少なくとも1種とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂;ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;テルペン変性エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;脂環族エポキシ樹脂などが挙げられる。(A)エポキシ樹脂は、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、流動性と硬化性の両立の観点からは、アルキル置換、芳香環置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。硬化性の観点からは、ノボラック型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。低吸湿性の観点からは、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。耐熱性及び低反り性の観点からは、ナフタレン型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。流動性と難燃性の両立の観点からは、アルキル置換、芳香環置換又は非置換のビスフェノールFのジグリシジルエーテルであるビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。流動性とリフロー性の両立の観点からは、アルキル置換、芳香環置換又は非置換のチオジフェノールのジグリシジルエーテルであるチオジフェノール型エポキシ樹脂を含有していることが好ましい。硬化性と難燃性の両立の観点からは、アルキル置換、芳香環置換又は非置換のフェノールとジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂のエポキシ化物を含有していることが好ましい。保存安定性と難燃性の両立の観点からは、アルキル置換、芳香環置換又は非置換のナフトール類とジメトキシパラキシレンから合成されるナフトール・アラルキル樹脂のエポキシ化物を含有していることが好ましい。
(A)エポキシ樹脂は、成形性、耐リフロー性及び電気的信頼性などの各種特性のバランスの観点から、エポキシ当量が100〜1000(g/eq)の範囲であることが好ましく、150〜500(g/eq)の範囲であることがより好ましい。また、成形性、耐リフロー性及び電気的信頼性などの各種特性のバランスの観点から、軟化点が40〜150℃の範囲であることが好ましく、封止用エポキシ樹脂成型材料の製造時における取扱い性の観点から、50〜130℃の範囲であることがより好ましい。
(A)エポキシ樹脂が復数種含まれる場合、各々の種類が示す性能を発揮するために、(A)エポキシ樹脂各々の含有割合は、(A)エポキシ樹脂全量に対して30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上とすることがさらに好ましい。
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はない。例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、チオジフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類から選ばれる少なくとも1種とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノール類及びナフトール類から選ばれる少なくとも1種とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂;ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;フェノール・ノボラック構造とフェノール・アラルキル構造がランダム、ブロック又は交互に繰り返された共重合型フェノール・アラルキル樹脂;パラキシリレン及びメタキシリレンの少なくともいずれかにより変性された変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂などが挙げられる。(B)硬化剤は、これらを単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
(B)硬化剤は、成形性、耐リフロー性及び電気的信頼性などの各種特性のバランスの観点から、水酸基当量が70〜1000(g/eq)の範囲であることが好ましく、80〜500(g/eq)の範囲であることがより好ましい。また、成形性、耐リフロー性及び電気的信頼性などの各種特性のバランスの観点から、軟化点が40〜180℃の範囲であることが好ましく、封止用エポキシ樹脂成型材料の製造時における取扱い性の観点から、50〜130℃の範囲であることがより好ましい。
(B)硬化剤としては、流動性、難燃性及び耐リフロー性の観点からは、フェノール・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂が好ましい。低吸湿性の観点からは、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好ましい。硬化性の観点からは、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、上記の4種類のフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
上記の4種類の樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いる場合の含有割合は、(B)硬化剤全量中合わせて50質量%以上とすることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
本発明において、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤及び(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物との当量比、すなわちエポキシ基に対する(B)成分及び(D)成分中の水酸基数の合計の比((B)成分及び(D)成分中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、本発明の効果が達成される範囲であれば特に制限はないが、当量比が大きいほど流動性、硬化性及び難燃性に優れ、当量比が小さいほど接着性に優れる傾向がある。これらを鑑み、封止用エポキシ樹脂成形材料に対する要求特性に応じて当量比を選定すればよいが、それぞれの未反応分を少なく抑えてブリードアウトを抑制するために0.6以上1.3以下の範囲が好ましい。また、接着性向上の観点からは0.6以上1.0以下が好ましく、耐リフロー性向上の観点からは0.8以上1.2以下が好ましく、特に接着性向上及び耐リフロー性向上の観点からは0.8以上1.0以下の範囲が好ましい。一方、流動性向上の観点からは1.0を超えて1.3以下が好ましい。
本発明で用いられる(C)無機充てん剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上のために成形材料に含まれるものであり、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているものであれば特に制限されるものではない。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましく、充てん剤形状は成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。特にコストと性能のバランスの観点からは球状溶融シリカが好ましい。
(C)無機充てん剤は、成形性の観点から、平均粒径が5μm〜50μmの範囲であることが好ましく、10μm〜30μmの範囲であることがより好ましい。また、成形性及び硬化物の強度の観点から、比表面積が0.5m/g〜12m/gの範囲であることが好ましく、1m/g〜5m/gの範囲であることがより好ましい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料における(C)無機充てん剤の含有割合は、本発明の効果が達成される範囲であれば特に制限はない。難燃性、成形性、吸湿性、線膨張係数の低減、及び強度向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料中70〜95質量%が好ましく、吸湿性、線膨張係数低減の観点から85〜95質量%がより好ましい。70質量%以上であると、難燃性及び耐リフロー性がより向上し、95質量%以下であると、流動性がより良好である。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、さらに(E)硬化促進剤を含有することが好ましい。
本発明で用いられる(E)硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているもので特に限定はない。例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類及びこれらのホスフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられる。(E)硬化促進剤は、これらの1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
なかでも、硬化性及び流動性の観点からは第三ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましく、トリフェニルホスフィンとベンゾキノンとの付加物又はトリブチルホスフィンとベンゾキノンとの付加物がより好ましい。保存安定性の観点からはシクロアミジン化合物とフェノール樹脂との付加物が好ましく、ジアザビシクロウンデセンのノボラック型フェノール樹脂塩がより好ましい。
第三ホスフィンとキノン化合物との付加物及びシクロアミジン化合物とフェノール樹脂との付加物の含有割合は、(E)硬化促進剤全量中合わせて60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
第三ホスフィンとキノン化合物との付加物に用いられる第三ホスフィンとしては特に制限はない。例えば、トリブチルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(tert−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメチル−4−エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−エトキシフェニル)ホスフィン等のアリール基を有する第三ホスフィンが挙げられ、成形性の点からはトリフェニルホスフィン及びトリブチルホスフィンが好ましい。
また、第三ホスフィンとキノン化合物との付加物に用いられるキノン化合物としては特に制限はない。例えば、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン等が挙げられ、耐湿性又は保存安定性の観点からはp−ベンゾキノンが好ましい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料における(E)硬化促進剤の含有割合は、硬化促進効果が達成される割合であれば特に限定されるものではない。(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤の合計量100質量部に対する比として、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましい。0.1質量部以上であると、短時間で硬化しやすく、10質量部以下であると、硬化速度が速過ぎることなく良好な成形品を得やすい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、成形材料中の樹脂成分と無機成分との接着性の向上等の観点から、必要に応じてシラン化合物を含有することが好ましい。シラン化合物とは、一分子中にエポキシ基、メルカプト基、アミノ基、アルキル基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、ウレイド構造、スルフィド構造、イミダゾール等の各種有機または構造と、アルコキシシリル基、ハロゲン化シリル基、ヒドロキシシリル基等のシリル基を有する各種シラン系化合物である。これらを例示すると、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルシランジオール、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルシラノール、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のシラン系化合物が挙げられる。これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料がシラン化合物を含有する場合、その全含有割合は、成形性及び接着性の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料中0.06〜2質量%が好ましく、0.1〜0.75質量%がより好ましく、0.2〜0.7質量%がさらに好ましい。0.06質量%以上であると、接着性向上効果が現れやすく、2質量%以下であると、ボイド等の成形不良が発生しにくい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、成形材料中の樹脂成分と無機成分との接着性を向上させる等の観点から、上記シラン化合物以外の従来公知のカップリング剤を含有してもよい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。またこれらカップリング剤を含有する場合、その全含有割合は、成形性及び接着性の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料中0.06〜2質量%が好ましく、0.1〜0.75質量%がより好ましく、0.2〜0.7質量%がさらに好ましい。0.06質量%以上であると、各種パッケージ部材との接着性が良好であり、2質量%以下であると、ボイド等の成形不良が発生しにくい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、IC等の素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる目的で陰イオン交換体を必要に応じて含有することができる。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、下記組成式(II)で示されるハイドロタルサイトが好ましい。

(式(II)で、Xは0<X≦0.5であり、mは正の数を示す。)
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料における陰イオン交換体の含有割合は、ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉できる十分量であれば特に限定されるものではない。(A)エポキシ樹脂100質量部に対する比として、0.1〜30質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、接着性をより向上させるために、必要に応じて接着促進剤を用いることができる。接着促進剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等の誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、必要に応じて離型剤を用いてもよい。離型剤としては、酸化型又は非酸化型のポリオレフィンを(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部用いることが好ましく、0.1〜5質量部用いることがより好ましい。0.01質量部以上であると、十分な離型性が得られ、10質量部以下であると、接着性が低下しにくい。
酸化型又は非酸化型のポリオレフィンとしては、ヘキスト株式会社製商品名H4やPE、PEDシリーズ等の数平均分子量が500〜10000程度の低分子量ポリエチレンなどが挙げられる。また、これ以外の離型剤としては、例えば、カルナバワックス、モンタン酸エステル、モンタン酸、ステアリン酸等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。酸化型又は非酸化型のポリオレフィンに加えてこれら他の離型剤を併用する場合、その含有割合は合わせて、(A)エポキシ樹脂100質量部に対する比として、0.l〜10質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、成形材料の難燃性向上のために、従来公知の難燃剤を必要に応じて含有することができる。例えば、ブロム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、赤リン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の無機物及び/又はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等で被覆された赤リン、リン酸エステル等のリン化合物、メラミン、メラミン誘導体、メラミン変性フェノール樹脂、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シクロホスファゼン等のリン及び窒素含有化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び下記組成式(III)で示される複合金属水酸化物などが挙げられる。

(式(III)で、M及びMは互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、p、q及びmは正の数を示す。)
上記組成式(III)中のM及びMは互いに異なる金属元素であれば特に制限はない。難燃性の観点からは、Mが第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、MがIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選ばれることが好ましく、Mがマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれ、Mが鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれることがより好ましい。
流動性の観点からは、Mがマグネシウム、Mが亜鉛又はニッケルであるものが好ましい。p及びqのモル比は特に制限はないが、p/qが1/99〜1/1であることが好ましい。
なお、金属元素の分類は、典型元素をA亜族、遷移元素をB亜族とする長周期型の周期律表(出典:共立出版株式会社発行「化学大辞典4」1987年2月15日縮刷版第30刷)に基づいて行った。
難燃剤としてほかに、酸化亜鉛、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、ジシクロペンタジエニル鉄等の金属元素を含む化合物などが挙げられる。
難燃剤は、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃剤の含有割合は特に制限はない。例えば(A)エポキシ樹脂100質量部に対する比として、1〜30質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤を含有してもよい。さらに、その他の添加剤として、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末、シリコーンレジン等の応力緩和剤や、インデンオリゴマー等の熱可塑性樹脂を必要に応じて含有することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の含有割合の各成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。例えば、上述した各成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め70〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダーなどで混練、冷却し、粉砕するなどの方法で得ることができる。成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化すると使いやすい。
続いて本発明の電子部品装置について説明する。本発明の電子部品装置は、既述の本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電子部品装置である。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備える電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[封止用エポキシ樹脂成形材料の作製]
(実施例1〜15、比較例1〜6)
以下の成分をそれぞれ下記表1〜表3に示す質量部で混合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例1〜15及び比較例1〜6の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
なお、表中の空欄は配合無しを表す。「当量比」は、[(B)硬化剤及び(D)ベンゼンジオールモノエーテル化合物中の水酸基数/(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基数]を表す。
(A)エポキシ樹脂としては、エポキシ当量241、軟化点96℃のビフェニレン骨格含有フェノール・アラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂1、日本化薬株式会社製商品名CER−3000L)及び、エポキシ当量238、軟化点52℃のフェノール・アラルキル樹脂のエポキシ化物(エポキシ樹脂2、日本化薬株式会社製商品名NC−2000L)を使用した。
(B)硬化剤としては、水酸基当量176、軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株式会社製商品名ミレックスXLC)を使用した。
(C)無機充てん剤としては、平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/gの球状溶融シリカ使用した。
(D)成分のベンゼンジオールモノエーテル化合物としては、融点67℃のヒドロキノンn−ブチルエーテル(ベンゼンジオールモノエーテル化合物1)、融点121℃のヒドロキノンベンジルエーテル(ベンゼンジオールモノエーテル化合物2)及び、融点65℃のヒドロキノンシクロヘキシルエーテル(ベンゼンジオールモノエーテル化合物3)を使用した。
(D)成分との比較となるフェノール類としては、フェノール(フェノール類1)、p−クレゾール(フェノール類2)及び、ヒドロキノン(フェノール類3)を使用した。
(E)硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物を使用した。
シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用した。
その他の添加成分としては、カルナバワックス及びカーボンブラックを使用した。
[封止用エポキシ樹脂成形材料の評価]
実施例1〜15及び比較例1〜6で作製した封止用エポキシ樹脂成形材料の特性を、次の(1)〜(6)の各特性試験により評価した。評価結果を下記表1〜表3に示した。なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、明記しない限りトランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒で成形した。また、必要に応じて後硬化は180℃で5時間の条件で行った。
(1)スパイラルフロー
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ成形材料を上記条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)熱時硬度
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型硬度計(株式会社上島製作所製HD−1120(タイプD))を用いて測定した。
(3)260℃曲げ弾性率
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で10mm×70mm×3mmに成形し、後硬化して試験片を作製し、株式会社エー・アンド・デイ製テンシロンを用いて、JIS−K−6911に準拠した3点支持型曲げ試験を260℃の恒温槽内、ヘッドスピード1.5mm/minの条件で行い、260℃での曲げ弾性率(MPa)を求めた。
(4)260℃せん断接着力
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で、銀メッキした銅板に底面直径4mm、上面直径3mm、高さ4mmのサイズに成形し、後硬化し、デイジ・ジャパン株式会社製シリーズ4000を用い、銅板の温度を260℃に保ちながら、せん断速度50μm/sでせん断接着力(MPa)を求めた。
(5)耐リフロー性
8mm×10mm×0.4mmのシリコンチップを搭載した外形寸法20mm×14mm×2mmの80ピンフラットパッケージ(QFP)(リードフレーム材質:銅合金、ダイパッド部上面およびリード先端銀メッキ処理品)を、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形し、後硬化して作製した。このパッケージを、85℃、85%RHの条件で168時間加湿した後、所定温度(235℃、245℃、255℃、265℃)、10秒の条件でリフロー処理を行い、パッケージ外部のクラックの有無を目視で、パッケージ内部の剥離発生の有無を超音波探傷装置(日立建機株式会社製HYE−FOCUS)でそれぞれ観察し、試験パッケージ数(10)に対する、クラック及び剥離発生の少なくとも何れかが観察されたパッケージ数で評価した。
(6)難燃性
厚さ1/16インチ(約1.6mm)の試験片を成形する金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形して後硬化を行い、UL−94試験法に従って難燃性を評価した。
表1〜表3に明らかなとおり、(D)成分を含有していない比較例1〜6は何れも耐リフロー性が劣っている。(D)成分の代わりにフェノール類を含有している比較例2〜4及び6は接着性が向上せず、特に比較例4では弾性率低減効果が少ないことがわかる。
これに対し、(D)成分を含有している実施例1〜15は、(D)成分の代わりにフェノール類を含有している類似組成の比較例と比べ、接着性及び耐リフロー性に優れている。また、流動性及び難燃性が良好で、弾性率低減効果に優れている。

Claims (3)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)無機充てん剤と、(D)下記一般式(I)で示されるベンゼンジオールモノエーテル化合物とを含有する封止用エポキシ樹脂成形材料。


    (一般式(I)で、Rは置換又は非置換の炭素数1以上7以下の炭化水素基を示す。)
  2. さらに(E)硬化促進剤を含有する請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. 請求項1または請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電子部品装置。
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