JP2005225912A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 Download PDF

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Hisanori Watanabe
尚紀 渡辺
Hironori Tamate
博則 玉手
Takatoshi Ikeuchi
孝敏 池内
Yoshinori Endo
由則 遠藤
Yoshihiro Mizukami
義裕 水上
Keizo Takemiya
慶三 武宮
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Abstract

【課題】 特に高温半田時の封止材と半導体インサートとの剥離や耐クラック性に優れた封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供する。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)下記一般式(I)で表される化合物のうち、n=4以上の成分量が50重量%以上であるシランポリスルフィドにより、一部または全部が予め表面処理された無機充填剤を含む封止用エポキシ樹脂成形材料。
【化1】
Figure 2005225912

(ここで、R〜R3及びR〜Rは、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の、炭化水素基及びアルコキシル基からそれぞれ独立して選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。少なくとも1つはアルコキシル基である。R4、R5は、置換又は非置換の炭素数1〜12の二価の炭化水素基から独立して選ばれる。nは1以上の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、成形性、信頼性に優れた封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
近年、電子部品装置の小型・軽量化、高性能・高機能化を図るために素子の高密度実装化、配線の微細化、多層化、多ピン化、素子のパッケージに対する占有面積増大化等が進んでいる。これに伴い、電子部品装置は、DIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Array)等の従来のピン挿入型のパッケージから、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等の表面実装型のパッケージへ主流が移行し、小型薄型化したTSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、より一層の高密度化、多機能化したCSP(Chip Size Package)、マルチチップパッケージ、ウエハレベルCSP、積層パッケージ等が開発されている。
表面実装型の電子部品装置は、従来のピン挿入型のものと実装方法が異なっている。すなわち、ピン挿入型パッケージはピンを配線板に挿入した後、配線板裏面からはんだ付けを行うため、パッケージが直接高温にさらされることがなかった。しかし、表面実装型パッケージは配線板表面に仮止めを行い、半田バスやIRリフロー、VPSリフロー等のリフロー装置などで処理されるため、直接半田付け温度(リフロー温度)の高温にさらされる。この結果、ICパッケージが吸湿した場合、吸湿水分が気化して発生した蒸気圧が剥離応力として働き、パッケージに用いられる封止用成形材料の接着力が弱いと、素子、リードフレーム等のインサート品と封止用成形材料との間で剥離が発生し、パッケージクラックや半田付け不良の原因となる。
さらに最近の傾向として、環境保護の観点から、従来はんだに用いていた鉛の使用を廃止しようとの動きが、世界規模で進んでいる。こうした状況のもと、鉛に代わる金属の探索が進んでおり、鉛以外の金属の使用により従来のはんだよりその融点が上昇することが見込まれている。これは、はんだ付け時にパッケージがより高温にさらされることを意味しており、前述の、封止樹脂/半導体インサートとの剥離、パッケージクラックといった問題に対し、これまで以上の信頼性が求められるようになってきた。
上記の問題に対し、これまでの検討から、インサート品との高接着性、低吸湿性、高温強度等が重要であることがわかっており、特にリードフレームのAgメッキ部分、Pd‐Auのプレプレーティングリードフレーム等との密着力を高める手法として、特許文献1、特許文献2、特許文献3等の報告がなされている。
特許第3240861号公報 特開2000-103940公報 特開2000-136290公報
上記したように、特にリードフレームのAgメッキ部分、Pd‐Auのプレプレーティングリードフレーム等との密着力を高める手法として、特許文献1〜3等の報告がなされているが、耐クラック性の問題を含め、充分な解決には至っていない。本発明は、かかる状況に鑑みなされたもので、特に高温半田時の封止材と半導体インサートとの剥離を抑え、耐クラック性にも優れた封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造・成分量を有するシランポリスルフィドにより、その一部を予め表面処理された無機充填剤を配合した封止用エポキシ樹脂成形材料により、上記の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
(1) (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)下記一般式(I)で表される化合物のうち、n=4以上の成分量が50重量%以上であるシランポリスルフィドにより一部または全部が予め表面処理された無機充填剤
を含む封止用エポキシ樹脂成形材料、
Figure 2005225912
(ここで、R〜R3及びR6〜Rは、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基、及び、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシル基からそれぞれ独立して選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。R1〜R3及びR6〜Rのうち、少なくとも1つはアルコキシル基である。R4、R5は、置換又は非置換の炭素数1〜12の二価の炭化水素基から独立して選ばれ、同一でも異なっていてもよい。nは1以上の整数を表す。)
(2) 前記シランポリスルフィドによる無機充填剤の表面処理量が、無機充填剤の全表面積の5〜35%である上記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(3) (C)無機充填剤が平均粒径の異なる2種以上の無機充填剤である上記(1)または(2)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(4) (C)無機充填剤のうち、前記表面処理された無機充填剤が10〜40μmの平均粒径を有する上記(1)〜(3)のいずれか記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(5) 前記表面処理された無機充填剤の表面処理量が、該無機充填剤の表面積の10〜40%である上記(1)〜(4)のいずれか記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(6) (C)無機充填剤のうち、前記表面処理された無機充填剤が40重量%以上である上記(1)〜(5)のいずれか記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された、半導体素子を搭載した電子部品装置、
に関する。
本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材料は、実施例で示したようにIRリフロー時の半導体インサート部品であるAgメッキ部分との接着性、耐クラック性も良好であり、この封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてIC、LSI等の電子部品を封止すれば、高温IRに対する耐リフロー性、耐湿性等に優れ、信頼性に優れた電子部品装置を得ることができ、その工業的価値は大である。
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂やビフェニル・アラルキル樹脂のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、耐リフロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が好ましく、これらの樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
ビフェニル型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2005225912
(ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(II)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、たとえば、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4´−ビフェノール又は4,4´−(3,3´,5,5´−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。
ビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2005225912
(ここで、R1〜R8は水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。R9は炭素数1〜6のアルキル基を示し、i個全てが同一でも異なっていてもよい。n及びiは0又は1〜3の整数を示す。)
上記一般式(III)で示されるビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂は、ビフェニル・アラルキル型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。一般式(III)中のR1〜Rとしては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素数1〜10のアルケニル基などが挙げられ、なかでも水素原子又はメチル基が好ましい。このような化合物としては、R1〜Rのすべてが水素原子であるCER-3000L(日本化薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2005225912
(ここで、R1〜R10は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0又は1〜3の整数を示す。)
上記一般式(IV)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール化合物にエピクロルヒドリンを公知の方法で反応させることによって得られる。一般式(IV)中のR1〜R10としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素数1〜10のアルケニル基などが挙げられ、なかでも水素原子又はメチル基が好ましい。
硫黄原子含有エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2005225912

(ここで、R1〜R8は水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(V)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R1〜R8が水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれるエポキシ樹脂が好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2、R3、R6及びR7がアルキル基であるエポキシ樹脂がより好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2及びR7がメチル基で、R3及びR6がt−ブチル基であるエポキシ樹脂がさらに好ましい。このような化合物としては、YSLV−120TE(新日鐵化学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
上記のエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、耐リフロークラック性の観点からは、下記一般式(VI)で表されるフェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂が好ましく、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
Figure 2005225912
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
上記一般式(VI)で示されるフェノール・アラルキル樹脂としては、たとえば、下記一般式(VII)及び(VIII)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2005225912
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
Figure 2005225912
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
上記一般式(VII)で示されるフェノール・アラルキル樹脂としては、市販品として三井化学株式会社製商品名XLCが挙げられ、上記一般式(VIII)で示されるフェノール・アラルキル樹脂としては、市販品として明和化成株式会社製商品名MEH−7851があげられる。
上記一般式(VI)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、たとえば、下記一般式(IX)及び(X)で示される樹脂等が挙げられる。
Figure 2005225912
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
Figure 2005225912
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
上記一般式(IX)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−170が挙げられ、上記一般式(X)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−475が挙げられる。
上記のビフェニル・アラルキル樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は硬化剤全量に対して合わせて60重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより好ましい。成形性及び耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
本発明において用いられる下記一般式(I)で表されるシランポリスルフィドは、封止用エポキシ樹脂成形材料の接着性向上に効果を示す化合物であるが、高温での確実な接着効果を得る為には、n=4以上の成分を全体の50重量%以上含むシランポリスルフィドを用いることが必要である。また、クラック防止の点からは、一般式(I)のR1〜R3及びR6〜R8のうち、少なくとも1つがアルコキシル基であるシランポリスルフィドを用い、予め無機充填剤の少なくとも一部について表面と反応させておく(表面処理)ことが必要である。
Figure 2005225912
(ここで、R〜R3及びR6〜Rは、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基、及び、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシル基からそれぞれ独立して選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。R1〜R3及びR6〜Rのうち、少なくとも1つはアルコキシル基である。R4、R5は、置換又は非置換の炭素数1〜12の二価の炭化水素基から独立して選ばれ、同一でも異なっていてもよい。nは1以上の整数を表す。)
上記一般式(I)中のR〜R及びR6〜Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基、及び、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基などの炭素数1〜10の一価の炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基、及びこれらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子などが置換したものからそれぞれ独立して選ばれるが、クラック防止の観点から、R〜R及びR6〜Rのうち、少なくとも一つ以上がアルコキシル基であることが必要である。これは、予め無機充填剤の表面と反応させ、特に高温時の封止材強度を上げる為である。クラック防止の観点からは、R〜R及びR6〜Rのうち、少なくとも4つ以上がアルコキシル基であることが好ましく、R〜R及びR6〜Rのすべてがアルコキシル基であることが特に好ましい。
上記一般式(I)中のR4、R5は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基等の炭素数1〜12のアルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、トリレン基等の炭素数6〜12のアリーレン基、炭素数6〜12の芳香族環を含む基などの炭素数1〜12の二価の炭化水素基、及びこれらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子などが置換したものからそれぞれ独立して選ばれるが、なかでも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基等のアルキル基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
上記一般式(I)中のnは1以上の整数を示し、本発明の目的を達成する為にはn=4以上の成分量が50重量%以上であることが必要である。n=4以上の成分量が50重量%未満では、特に接着性の点で本発明の目的達成には不十分である。これは、AgやPd等のリードフレーム部材との接着の為には、スルフィド結合の開裂が必要であり、nが大きいほどその確率も高くなる為と思われる。
上記一般式(I)で示される化合物としては、たとえば下記一般式(XI)で示される化合物等が好ましい化合物として挙げられる。
Figure 2005225912
(nは1以上の整数を示す。)
本発明の充分な効果を得る為には、上記一般式(XI)で示される化合物のなかでも、n=4の成分量が50重量%以上である化合物であることが必要である。
一般式(I)で表される化合物のうち、n=4以上の成分量が50重量%以上であるシランポリスルフィド(以下、(C1)シランポリスルフィドという。)は、特にクラック防止の観点から、シリカ等の無機充填剤の一部または全部と予め反応(表面処理)させておくことが必要である。本発明の目的を充分に達成する為には、無機充填剤の表面積に対する、表面処理による被覆率(以下、表面処理量という。)は、本発明の成形材料に配合される無機充填剤の全表面積に対して、5〜35%であることが好ましい。表面処理量が5%未満では接着力が、35%を超えると耐クラック性が、それぞれ不充分となる可能性がある。
無機充填剤をシランポリスルフィドにより表面処理する方法としては、ブレンダー中に投入した無機充填剤中にシランポリスルフィドを滴下しながら、室温、または70〜100℃程度に加温しながら30分〜1時間ほど混合する等の乾式処理を用いて行うことができる。
本発明において、シランポリスルフィドによる無機充填剤の表面処理量(%)は、次のように算出した値をいう。
例えば、上記一般式(XI)で表されるシランポリスルフィドによりシリカの処理を行った場合、その表面処理量(%)は下式(1)で表される。
(シリカの表面処理量)(%)
=(1.29×10−19×N×w×2/M)/S×100 ・・・式(1)
(ここで、Nはアボガドロ数、Mは一般式(XI)のトリアルコキシシランポリスルフィドの分子量、wは表面処理に用いたシリカ1gに対する上記シランポリスルフィドの使用重量、Sはシリカの単位重量あたりの表面積(m2/g)である。)
また、表面処理されたのが成形材料に配合されている無機充填剤の一部である場合、無機充填剤の全表面積に対する表面処理量(%)は、上記で得られた値と、表面処理をしていない無機充填剤の単位重量あたりの表面積(m2/g)と両者の配合重量比とから換算して求めることができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、上述したように、一般式(I)で表される化合物のうち、n=4以上の成分量が50重量%以上であるシランポリスルフィド(C1)により、予めその一部又は全部が表面処理された無機充填剤(C)を配合することが必要である。
無機充填剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上のために配合されるものであり、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されるもので特に制限はないが、たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上の無機充填剤を併用するのが好ましい。
本発明の効果を得る為には、無機充填剤としてシリカを用い、その一部を、(C1)シランポリスルフィドで表面処理することが好ましく、表面処理されるのが球状シリカであることがさらに好ましく、10〜40μmの平均粒径を有する球状シリカが表面処理されていることが特に好ましい。
(C)無機充填剤は、2種以上併用するのが好ましい。この場合、2種以上とは、無機充填剤の、平均粒径、組成、粒度分布のうち、いずれか一つが異なれば良く、二つ以上が異なっていても良い。特に、異なる平均粒径をもつ2種以上の無機充填剤であるのが好ましい。
また、(C)無機充填剤のうち、予め表面処理された無機充填剤は、10〜40μmの平均粒径を有するのが好ましい。この場合、他の平均粒径を有する無機充填剤が共に表面処理されていても良い。
さらに、上記表面処理された無機充填剤は、表面処理量10〜40%で表面処理されていることが好ましい。
さらにまた、(C)無機充填剤のうち、上記表面処理された無機充填剤が(C)無機充填剤全体の40重量%以上であるのが好ましい。
(C1)シランポリスルフィドによる表面処理は、例えば無機充填剤として複数種のシリカを併用する場合、予めそれらをブレンドしてから処理を行っても、特定種のシリカに処理を行ってからブレンドしても良い。本発明の効果を充分得る為には、例えば、前記(C1)による表面処理量が、無機充填剤の全表面積の5〜35%であることが好ましい。10〜40μmの平均粒径を有する無機充填剤をその表面積の表面処理量10〜40%で予め表面処理し、かかる無機充填剤の配合量が、(C)無機充填剤全体の40重量%以上となるような組成の成形材料とすることが好ましく、特に、2種以上の異なる平均粒径をもつ無機充填剤を併用する場合には効果的である。
(C)無機充填剤の配合量は、(C1)シランポリスルフィドによる処理品と無処理品の合計として、難燃性、成形性、吸湿性、線膨張係数低減及び強度向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して60重量%以上が好ましく、70〜95重量%がより好ましく、75〜92重量%がさらに好ましい。60重量%未満では難燃性及び耐リフロー性が低下する傾向があり、95重量%を超えると流動性が不足する傾向がある。
本発明には、(A)〜(C)成分以外にも、リン化合物系硬化促進剤、アミン化合物系硬化促進剤及びイミダゾール化合物系硬化促進剤等、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている硬化促進剤を、特に制限されることなく用いることができるが、耐リフロークラック性の観点からは、有機リン化合物とキノン化合物との付加物、アミン化合物とキノン化合物との付加物等を単独、又は併用して用いることが好ましい。
ここで、付加物とは特に限定はないが、付加反応物や、π電子密度の異なる2種の化合物の分子間力によって生成する化合物、内部塩化合物、外部塩化合物等が挙げられる。
有機リン化合物としては、たとえば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン等のジアルキルアリールホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等のアルキルジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン等のトリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィンなどの有機ホスフィン、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラブチルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のホスホニウムボレート、有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体などが挙げられ、なかでも、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、テトラブチルテトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、及び、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートが好ましい。
アミン化合物としては、たとえば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの誘導体、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物及びこれらの誘導体、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等が挙げられ、なかでも、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、及び、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5が好ましい。
キノン化合物としては、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、1,4‐アントラキノン、2,3−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、メチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、t−ブチル−1,4−ベンゾキノン等のアルキル基置換ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、メトキシ−1,4−ベンゾキノン等のアルコキシ基置換ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン等のアルコキシアルキルベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のアリール基置換ベンゾキノン及びこれらの誘導体等が挙げられ、なかでも、1,4−ベンゾキノンが好ましい。
有機リン化合物とキノン化合物との付加物としては、有機ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましく、なかでも、トリブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、及び、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物がより好ましい。
アミン化合物とキノン化合物との付加物としては、シクロアミジン化合物とキノン化合物との付加物が好ましく、なかでも、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7と1,4−ベンゾキノンとの付加物、及び、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネンと1,4−ベンゾキノンとの付加物がより好ましい。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が得られれば特に制限はないが、硬化性及び流動性の観点からは、0.005〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。0.05〜0.3重量%がさらに好ましい。0.005重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。硬化促進効果は硬化促進剤の種類によって異なるため、硬化促進剤の配合量は、用いる硬化促進剤の硬化促進効果に応じて調整される。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。これらは単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、カップリング剤以外に、接着性を向上させるために、必要に応じて接着促進剤を配合することができる。特に、銅フレームと封止用エポキシ樹脂成形材料との接着性を向上させるために接着促進剤の配合は有効である。接着促進剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体などが挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる観点から陰イオン交換体を添加することもできる。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイトや、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、下記一般式(XII)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
(化13)
Mg1−XAl(OH)(COX/2・mHO ……(XII)
(0<X≦0.5、mは正の整数)
陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉できる十分な量であれば特に制限はないが、(A)成分のエポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。配合量が0.1重量%未満ではイオン性不純物の捕捉が不十分になる傾向があり、30重量%を超えた場合それ以下に比べて効果に大差がないため経済的に不利である。
さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、その他の添加剤として、金型離型性を確保するためにカルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の酸化型又は非酸化型のポリオレフィン系ワックスなどの従来公知の離型剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の応力緩和剤、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤などを、必要に応じて配合することができる。
発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、液状樹脂を用いて又は各種有機溶剤に溶かして液状封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもでき、この液状封止用エポキシ樹脂成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、樹脂の硬化反応が余り進まないような条件で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルム状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもできる。
本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備えた電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、たとえば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の樹脂封止型IC、テープキャリアにリードボンディングした半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)、COG(Chip On Glass)等のベアチップ実装した半導体装置、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したハイブリッドIC、マルチチップモジュール、マザーボード接続用の端子を形成したインターポーザ基板に半導体チップを搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより半導体チップとインターポーザ基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で半導体チップ搭載側を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂成形材料が常温で液状又はペースト状の場合は、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられる。
また、素子を直接樹脂封止する一般的な封止方法ばかりではなく、素子に直接電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料が接触しない形態である中空パッケージの方式もあり、中空パッケージ用の封止用エポキシ樹脂成形材料としても好適に使用できる。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜17、及び比較例1〜6
次に示す原料を、それぞれ表1〜表3に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてエポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製商品名エピコートYX−4000H)、エポキシ当量245、軟化点113℃のスルフィド型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製商品名YSLV−120TE)。
(B)硬化剤として水酸基当量175、軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株式会社製商品名ミレックスXL−225)。
(C1)シランポリスルフィドとして、下記式(XI)で示され、n=4以上の成分量が70重量%以上の化合物(日本ユニカー株式会社製商品名A−1289)、及び、これを分留しn=5以上の成分量を70重量%とした分留品1。
(C)無機充填剤として、平均粒径25μm、比表面積2.5m2/gの溶融球状シリカ(株式会社マイクロン製商品名S30−71)を、シリカ重量に対し0.1重量%(処理シリカ1)、0.2重量%(処理シリカ2)、0.5重量%(処理シリカ3)の上記(C1)シランポリスルフィドで処理したシリカ、
同シリカを上記分留品1で0.1重量%処理したシリカ(処理シリカ4)、同じく0.2重量%処理したシリカ(処理シリカ5)、同じく0.5重量%処理したシリカ(処理シリカ6)、
平均粒径6μm、比表面積4.0m2/gの溶融球状シリカ(電気化学工業株式会社製商品名FB−304)を、シリカ重量に対し0.2重量%(処理シリカ7)、0.5重量%(処理シリカ8)、1.0重量%(処理シリカ9)の上記(C1)シランポリスルフィドで処理したシリカ、
及び平均粒径0.5μm、比表面積6.5m2/gの球状シリカ(株式会社アドマテックス製商品名SO-25R)を、シリカ重量に対し0.5重量%(処理シリカ10)、1.0重量%(処理シリカ11)、2.0重量%(処理シリカ12)の上記(C1)シランポリスルフィドで処理したシリカ。
(C)成分の比較充填剤として、前記平均粒径25μm、比表面積2.5m2/gの溶融球状シリカ(無処理シリカ1)、同シリカを前記シランポリスルフィドの分留品2(下式(XI)のn=1〜3成分70%品)で0.2重量%処理したシリカ(比較シリカ1)、同じく0.4重量%処理したシリカ(比較シリカ2)、平均粒径5.0μm、比表面積4.0m2の球状シリカ(無処理シリカ2)、及び平均粒径0.5μm、比表面積6.5m2/gの球状シリカ(無処理シリカ3)。
硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物。
離型剤として酸化型ポリエチレン(クラリアント株式会社製商品名PED191)及びモンタン酸エステル(クラリアント社製商品名Hoechst-Wax E)。
難燃剤として三酸化アンチモン及びエポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名ESB−400T)。
着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)。
なお、無機充填剤のシランポリスルフィドによる処理は、ブレンダー中に投入した無機充填剤中にシランポリスルフィドを滴下しながら、70℃程度に加温しながら30分ほど混合することで行った。
Figure 2005225912
(ここで、nは1以上の整数を示す。)
Figure 2005225912
Figure 2005225912
Figure 2005225912
作製した実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。評価結果を表4〜表6に示す。
なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
(1)接着性
リード先端にAgメッキが施されたCu(C−194)製のリードフレームに、Agペースト(日立化成工業株式会社製商品名EN‐4900)を用いてダミーチップ(8×10×0.3mm厚)を固定し、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して、十字スリットのアイランド形状を持った外形寸法20mm×14mm×1.4mm厚の80ピンフラットパッケージ(LQFP1420−80p)を作製し、85℃、85%RHの条件で168時間吸湿させて、株式会社ジャード製IRリフロー炉に通して最高温度245℃または265℃ ×10秒の条件でリフロー処理を行い、通過後のパッケージ内部を、株式会社日立製作所製SATを用いて観察した。
リード先端のAgメッキ部分と封止用エポキシ樹脂成形材料との剥離面積が、Agメッキ部分全体の20%以上に及んでいるパッケージ数(不良パッケージ数)をカウントし、試験パッケージ数(各温度n=30)に対する不良パッケージ数で評価した。
(2)耐リフロー性
上記(1)と同様に作製してリフロー処理を行ったパッケージの内部及び外部を観察して、クラックの有無を確認し、試験パッケージ数(各温度n=30)に対するクラック発生パッケージ数で評価した。
Figure 2005225912
Figure 2005225912
Figure 2005225912
本発明における(C1)シランポリスルフィドを無機充填剤に予め被覆する代わりに通常方法で添加した比較例2〜4は、特にIR温度が高い場合にクラックが発生し易かった。一般式(I)で表される化合物のうち、n=4以上の成分量が50重量%未満であるシランポリスルフィドで無機充填剤の一部を処理した比較例5〜6についてはAgメッキ部分との剥離が不充分となる。また、一般式(I)で表される化合物のうち、(C1)シランポリスルフィドも、n=4以上の成分量が50重量%未満であるシランポリスルフィドも添加しない比較例1については、Agメッキ部分の剥離が全く不充分である。
これに対して、本発明の(A)、(B)、及び(C)シランポリスルフィド(C1)で一部を予め表面処理した無機充填剤を含むエポキシ樹脂成形材料については、Agメッキ部剥離、耐クラック性ともに優れる。また、シランポリスルフィド(C1)のうち、n=5の成分量が50重量%以上であるものを用いても充分な効果を得られることがわかる。

Claims (7)

  1. (A)エポキシ樹脂、
    (B)硬化剤、
    (C)下記一般式(I)で表される化合物のうち、n=4以上の成分量が50重量%以上であるシランポリスルフィドにより一部または全部が予め表面処理された無機充填剤
    を含む封止用エポキシ樹脂成形材料。
    Figure 2005225912
    (ここで、R〜R3及びR6〜Rは、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基、及び、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシル基からそれぞれ独立して選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。R1〜R3及びR6〜Rのうち、少なくとも1つはアルコキシル基である。R4、R5は、置換又は非置換の炭素数1〜12の二価の炭化水素基から独立して選ばれ、同一でも異なっていてもよい。nは1以上の整数を表す。)
  2. 前記シランポリスルフィドによる無機充填剤の表面処理量が、無機充填剤の全表面積の5〜35%である請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. (C)無機充填剤が平均粒径の異なる2種以上の無機充填剤である請求項1または2記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  4. (C)無機充填剤のうち、前記表面処理された無機充填剤が10〜40μmの平均粒径を有する請求項1〜3のいずれか記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  5. 前記表面処理された無機充填剤の表面処理量が、該無機充填剤の表面積の10〜40%である請求項1〜4のいずれか記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  6. (C)無機充填剤のうち、前記表面処理された無機充填剤が40重量%以上である請求項1〜5のいずれか記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された、半導体素子を搭載した電子部品装置。
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