JP4032810B2 - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性、信頼性に優れた封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
近年、電子部品装置の小型・軽量化、高性能・高機能化を図るために素子の高密度実装化、配線の微細化、多層化、多ピン化、素子のパッケージに対する占有面積増大化等が進んでいる。これに伴い、電子部品装置は、DIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Array)等の従来のピン挿入型のパッケージから、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等の表面実装型のパッケージへ主流が移行し、小型薄型化したTSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、より一層の高密度化、多機能化したCSP(Chip Size Package)、マルチチップパッケージ、ウエハレベルCSP、積層パッケージ等が開発されている。表面実装型の電子部品装置は、従来のピン挿入型のものと実装方法が異なっている。すなわち、ピン挿入型パッケージはピンを配線板に挿入した後、配線板裏面からはんだ付けを行うため、パッケージが直接高温にさらされることがなかった。しかし、表面実装型パッケージは配線板表面に仮止めを行い、半田バスやIRリフロー、VPSリフロー等のリフロー装置などで処理されるため、直接半田付け温度(リフロー温度)の高温にさらされる。この結果、ICパッケージが吸湿した場合、吸湿水分が気化して発生した蒸気圧が剥離応力として働き、パッケージに用いられる封止用成形材料の接着力が弱いと、素子、リードフレーム等のインサート品と封止用成形材料との間で剥離が発生し、パッケージクラックや半田付け不良の原因となる。
さらに最近の傾向として、環境保護の観点から、従来はんだに用いていた鉛の使用を廃止しようとの動きが、世界規模で進んでいる。こうした状況のもと、鉛に代わる金属の探索が進んでおり、鉛以外の金属の使用により従来のはんだよりその融点が上昇することが見込まれている。これは、はんだ付け時にパッケージがより高温にさらされることを意味しており、前述の、封止樹脂/半導体インサートとの剥離、パッケージクラックといった問題に対し、これまで以上の信頼性が求められるようになってきた。
また、半導体内部の部材としては、従来からリードフレームの材質として用いられている42アロィ合金に加え、最近では、CuやCuに予めPd若しくはPd‐Auのプレプレーティングを施したものも増えている。プレプレーティングを施していないCuを用いたものについては、インナーリードとアウターリード間の接合部分にAgメッキが施されたものが多い。上記した、いわゆる脱鉛はんだを用いることによるはんだ付け温度の上昇に伴い、このAgメッキ部分と封止材との剥離の問題がクローズアップされてきた。
これらの問題に対して、これまでの検討から、インサート品との高接着性、低吸湿性、高温強度等が重要であることがわかっており、封止用エポキシ樹脂成形材料とインサート品との接着性を高めかつ低吸湿化するために、ビフェニル型エポキシ樹脂やフェノール・アラルキル樹脂硬化剤を用いる手法、吸湿率低減のために無機充填剤を増量する手法等の提案が行われ、それらに加え、半導体インサートとの密着力を上げる各種添加剤等の提案も行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
半導体インサートとの密着力を上げる手法としては、スルフィド化合物を用いる手法等が提案されている(特開2000−103940号公報、特開2000−136290号公報)が、硬化性等の成形性に問題があり、十分な解決を得るには至っていない。
本発明は、かかる状況に鑑みなされたもので、硬化性等の成形性が良好で、接着性、耐湿性、耐リフロー性等の信頼性に優れた封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、硫黄含有有機ケイ素化合物及び硬化促進剤を配合した、特定の熱時硬度を有する封止用エポキシ樹脂成形材料により、上記の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物及び(D)硬化促進剤を含有し、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物の配合量が封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.03〜0.5重量%であり、熱時硬度が70以上である封止用エポキシ樹脂成形材料、
(2)(C)硫黄含有有機ケイ素化合物がシランポリスルフィドである上記(1)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(3)(E)無機充填剤をさらに含有する上記(1)又は(2)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(4)(D)硬化促進剤が、有機リン化合物とキノン化合物との付加物、有機リン化合物とフェノール樹脂との付加物、有機リン化合物とフェノール樹脂との混融物、アミン化合物とキノン化合物との付加物、及び、アミン化合物とフェノール樹脂との付加物のうち1種以上を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(5)(D)硬化促進剤が、有機リン化合物及び/又はアミン化合物を含有し、さらにキノン化合物を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(6)(A)エポキシ樹脂が結晶性の低分子型二官能エポキシ樹脂又は150℃における溶融粘度が0.3Pa・s以下の多官能エポキシ樹脂を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、及び
(7)(A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の1種以上を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、並びに
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、結晶性の低分子型二官能エポキシ樹脂や、150℃における溶融粘度が0.3Pa・s以下の多官能エポキシ樹脂が好ましい。
耐リフロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性及び低反り性の観点からはナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましく、これらのエポキシ樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
【0007】
ビフェニル型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、スチルベン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、硫黄原子含有エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化1】
(ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
【化2】
(ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
【化3】
(ここで、R1〜R8は水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(I)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、たとえば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。
上記一般式(II)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、たとえば3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5′,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられ、なかでも3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメチルスチルベン、及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール類は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記一般式(III)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R1〜R8が水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれるエポキシ樹脂が好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2、R3、R6及びR7がアルキル基であるエポキシ樹脂がより好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2及びR7がメチル基で、R3及びR6がt−ブチル基であるエポキシ樹脂がさらに好ましい。このような化合物としては、YSLV−120TE(新日鐵化学社製)等が市販品として入手可能である。
これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
【0008】
ノボラック型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化4】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(IV)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。なかでも、一般式(IV)中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式(IV)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましい。
【0009】
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化5】
(ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立して選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
上記式(V)中のR1としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。R2としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子が好ましい。また、n=0を主成分とするエポキシ樹脂がより好ましく、例えば、EXA−7200、EXA−7200H(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましい。
【0010】
ナフタレン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
下記一般式(VI)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、下記一般式(VII)で示されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては特に制限はないが、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂が好ましい。
【化6】
(ここで、R1〜R3は水素原子及び置換又は非置換の炭素数1〜12の一価の炭化水素基から選ばれ、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数となるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。)
【化7】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。)
これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても両者を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
【0011】
上記のビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量はエポキシ樹脂全量に対して合わせて50重量%以上とすることが好ましく、60重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。
【0012】
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のジクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、低吸湿性の観点からはビフェニル型フェノール樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好ましく、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からはトリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型フェノール樹脂が好ましく、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
【0013】
ビフェニル型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(VIII)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
【化8】
上記式(VIII)中のR1〜R9は全てが同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基、及び、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、なかでも水素原子とメチル基が好ましい。nは0〜10の整数を示す。
上記一般式(VIII)で示されるビフェニル型フェノール樹脂としては、たとえばR1〜R9が全て水素原子である化合物等が挙げられ、なかでも溶融粘度の観点から、nが1以上の縮合体を50重量%以上含む縮合体の混合物が好ましい。このような化合物としては、MEH−7851(明和化成株式会社製商品名)が市販品として入手可能である。
ビフェニル型フェノール樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。
【0014】
アラルキル型フェノール樹脂としては、たとえばフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等が挙げられ、下記一般式(IX)で示されるフェノール・アラルキル樹脂が好ましく、一般式(IX)中のRが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノール・アラルキル樹脂がより好ましい。具体例としては、p−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂、m−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂等が挙げられる。これらのアラルキル型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【化9】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の整数を示す。)
【0015】
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(X)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
【化10】
(ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立して選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0016】
トリフェニルメタン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XI)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。下記一般式(XI)で示されるトリフェニルメタン型フェノール樹脂としては特に制限はないが、たとえば、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、o−ヒドロキシベンズアルデヒド型フェノール樹脂、m−ヒドロキシベンズアルデヒド型フェノール樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。なかでもサリチルアルデヒド型フェノール樹脂が好ましい。
【化11】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。)
トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0017】
ノボラック型フェノール樹脂としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられ、なかでもフェノールノボラック樹脂が好ましい。ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0018】
上記のビフェニル型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は硬化剤全量に対して合わせて60重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0019】
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより好ましい。成形性及び耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
【0020】
本発明において用いられる(C)硫黄含有有機ケイ素化合物は、封止用エポキシ樹脂成形材料の接着性向上に効果があり、特に限定はないが、半導体インサート部品、Agメッキ等との高接着性の観点からは、シランポリスルフィドが好ましく、下記一般式(XII)で示される化合物を含有することがより好ましい。
【化12】
(ここで、R1〜R3及びR5〜R8は、置換又は非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基、及び、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシル基からそれぞれ独立して選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。R3、R4は、置換又は非置換の炭素数1〜12の二価の炭化水素基から独立して選ばれ、同一でも異なっていてもよい。nは1以上の整数を示す。)
上記一般式(XII)中のR1〜R3及びR5〜R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基、及び、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基などの炭素数1〜10の一価の炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基、及びこれらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子などが置換したものからそれぞれ独立して選ばれるが、なかでも、アルキル基又はアルコキシル基が好ましく、接着性の観点からは、R1〜R3及びR5〜R8のうち、少なくとも一つ以上がアルコキシル基であることがより好ましい。
上記一般式(XII)中のR3、R4は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基等の炭素数1〜12のアルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、トリレン基等の炭素数6〜12のアリーレン基、炭素数6〜12の芳香族環を含む基などの炭素数1〜12の二価の炭化水素基、及びこれらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子などが置換したものからそれぞれ独立して選ばれるが、なかでも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基等のアルキル基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
上記一般式(XII)中のnは、1以上の整数を示し、1〜10であることが好ましく、2〜5がより好ましい。上記一般式(XII)で示される化合物としては、接着性及び耐湿性の観点から、n=2〜5の成分量が50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上がより好ましく、なかでもn=3〜4の成分量が30重量%が好ましく、40重量%以上がより好ましい。n=1の成分量が多くなると、硫黄原子に対するAg等の金属原子の配位性が低くなり、接着性向上効果が不十分となりやすいので、n=1の成分量は20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらに好ましい。また、n=6以上の成分量が多くなると、スルフィド結合の開裂により、SO4−イオン等のイオン性不純物が発生し易くなり、耐湿性に劣る傾向があるので、n=6以上の成分量は30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
【0021】
上記一般式(XII)で示される化合物としては、たとえば下記一般式(XIII)で示される化合物等が好ましい化合物として挙げられる。
【化13】
(ここで、nは1以上の整数を示す。)
上記一般式(XIII)で示される化合物のなかでも、n=2〜5の成分量が70重量%以上で、n=3〜4の成分量が40重量%以上の化合物が好ましい。
【0022】
(C)硫黄含有有機ケイ素化合物の配合量は、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して合計で0.03〜0.5重量%であることが必要で、0.1〜0.3重量%が好ましい。0.03重量%未満では、接着性向上効果が不十分となり、0.5重量%を超えると硬化性が低下し、成形性、耐湿性の向上効果が不十分となる。
【0023】
本発明において用いられる(D)硬化促進剤は特に制限はなく、リン化合物系硬化促進剤、アミン化合物系硬化促進剤及びイミダゾール化合物系硬化促進剤等の封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている硬化促進剤を用いることができる。
硬化性及び成形性の観点からは、有機リン化合物とキノン化合物との付加物、有機リン化合物とフェノール樹脂との付加物、有機リン化合物とフェノール樹脂との混融物、アミン化合物とキノン化合物との付加物、及び、アミン化合物とフェノール樹脂との付加物のうち1種以上を含有することが好ましい。また、同様の観点から、(D)硬化促進剤が有機リン化合物及び/又はアミン化合物を含有し、さらに封止用エポキシ樹脂成形材料にキノン化合物を含有することが好ましい。これらを(D)硬化促進剤中に50重量%以上含有することが好ましく、60重量%以上含有することがより好ましく、80重量%以上含有することがさらに好ましい。
ここで、付加物とは特に限定はないが、付加反応物や、π電子密度の異なる2種の化合物の分子間力によって生成する化合物、内部塩化合物、外部塩化合物等が挙げられる。
【0024】
有機リン化合物としては、たとえば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン等のジアルキルアリールホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等のアルキルジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン等のトリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィンなどの有機ホスフィン、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラブチルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のホスホニウムボレート、
有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体などが挙げられ、なかでも、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、テトラブチルテトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、及び、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートが好ましい。
【0025】
アミン化合物としては、たとえば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの誘導体、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物及びこれらの誘導体、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等が挙げられ、なかでも、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、及び、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5が好ましい。
【0026】
キノン化合物としては、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、1,4‐アントラキノン、2,3−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、メチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、t−ブチル−1,4−ベンゾキノン等のアルキル基置換ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、メトキシ−1,4−ベンゾキノン等のアルコキシ基置換ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン等のアルコキシアルキルベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のアリール基置換ベンゾキノン及びこれらの誘導体等が挙げられ、なかでも、1,4−ベンゾキノンが好ましい。
【0027】
有機リン化合物とキノン化合物との付加物としては、有機ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましく、なかでも、トリブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、及び、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物がより好ましい。
有機リン化合物とフェノール樹脂との付加物としては、有機ホスフィン又は有機ホスフィン及びキノン化合物とフェノール樹脂との付加物が好ましく、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物のフェノールノボラック塩がより好ましい。
有機リン化合物とフェノール樹脂との混融物としては、ホスホニウムボレートとフェノール樹脂との混融物が好ましく、なかでも、テトラブチルテトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレートとフェノールノボラック樹脂との混融物、及び、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートとフェノールノボラック樹脂との混融物がより好ましい。
アミン化合物とキノン化合物との付加物としては、シクロアミジン化合物とキノン化合物との付加物が好ましく、なかでも、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7と1,4−ベンゾキノンとの付加物、及び、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネンと1,4−ベンゾキノンとの付加物がより好ましい。
アミン化合物とフェノール樹脂との付加物としては、シクロアミジン化合物とフェノール樹脂との付加物を含有することが好ましく、なかでも、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のフェノールノボラック樹脂塩がより好ましい。
【0028】
(D)硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が得られれば特に制限はないが、硬化性及び流動性の観点からは、0.005〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。0.05〜0.3重量%がさらに好ましい。0.005重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。硬化促進効果は硬化促進剤の種類によって異なるため、(D)硬化促進剤の配合量は、用いる硬化促進剤の硬化促進効果に応じて調整される。
【0029】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、熱時硬度が70以上であることが必要である。ここで、熱時硬度とは、JIS−K−7215のタイプDで規定された硬度(デュロメータ硬さ)をいい、封止用エポキシ樹脂成形材料を180℃、6.9MPa、90秒の成形条件で直径30mm×厚さ4mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型硬度計を用いて測定した値をいう。
連続成形性の観点から、熱時硬度が70以上であることが必要で、75以上が好ましく、80以上がさらに好ましい。また、耐リフロー性の観点からは、熱時硬度が100以下であることが好ましく、95以下がより好ましく、90以下がさらに好ましい。
本発明においては、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤及びその他の添加剤として用いる成分の組み合わせ及び配合量を調整することによって、熱時硬度が70以上である封止用エポキシ樹脂成形材料を得ることができる。(A)エポキシ樹脂、(B)硬化促進剤、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物及び(D)硬化促進剤の選定と(D)無機充填剤を用いる場合にはその配合量が重要であり、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物及び(D)硬化促進剤の選定は特に重要である。
【0030】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、必要に応じて(E)無機充填剤を配合することができる。(E)無機充填剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上のために配合されるものであり、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されるもので特に制限はないが、たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましく、充填剤形状は成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。
(E)無機充填剤の配合量は、難燃性、成形性、吸湿性、線膨張係数低減及び強度向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して60重量%以上が好ましく、70〜95重量%がより好ましく、75〜92重量%がさらに好ましい。60重量%未満では難燃性及び耐リフロー性が低下する傾向があり、95重量%を超えると流動性が不足する傾向がある。
【0031】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。これらは単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、カップリング剤以外に、接着性を向上させるために、必要に応じて接着促進剤を配合することができる。特に、銅フレームと封止用エポキシ樹脂成形材料との接着性を向上させるために接着促進剤の配合は有効である。接着促進剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体などが挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる観点から陰イオン交換体を添加することもできる。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイトや、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、下記一般式(XIV)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
【化14】
Mg1−XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O ……(XIV)
(0<X≦0.5、mは正の整数)
陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉できる十分な量であれば特に制限はないが、(A)成分のエポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。配合量が0.1重量%未満ではイオン性不純物の捕捉が不十分になる傾向があり、30重量%を超えた場合それ以下に比べて効果に大差がないため経済的に不利である。
【0033】
さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、その他の添加剤として、金型離型性を確保するためにカルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の酸化型又は非酸化型のポリオレフィン系ワックスなどの従来公知の離型剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の応力緩和剤、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤などを、必要に応じて配合することができる。
【0034】
発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、液状樹脂を用いて又は各種有機溶剤に溶かして液状封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもでき、この液状封止用エポキシ樹脂成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、樹脂の硬化反応が余り進まないような条件で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルム状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもできる。
【0035】
本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備えた電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、たとえば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の樹脂封止型IC、テープキャリアにリードポンディングした半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)、COG(Chip On Glass)等のベアチップ実装した半導体装置、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したハイブリッドIC、マルチチップモジュール、マザーボード接続用の端子を形成したインターポーザ基板に半導体チップを搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより半導体チップとインターポーザ基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で半導体チップ搭載側を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
【0036】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂成形材料が常温で液状又はペースト状の場合は、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられる。
また、素子を直接樹脂封止する一般的な封止方法ばかりではなく、素子に直接電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料が接触しない形態である中空パッケージの方式もあり、中空パッケージ用の封止用エポキシ樹脂成形材料としても好適に使用できる。
【0037】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
実施例1〜15、及び比較例1〜6
(A)エポキシ樹脂としてエポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製商品名エピコートYX−4000H)、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量262、軟化点63℃のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製商品名EXA−7200)、エポキシ当量195、軟化点68℃のビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄化学株式会社製商品名YDF−8170C)、エポキシ当量245、軟化点113℃の硫黄原子含有エポキシ樹脂(新日鐵化学社製商品名YSLV−120TE)、(B)硬化剤として水酸基当量175、軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株式会社製商品名ミレックスXL−225)、水酸基当量106、軟化点80℃のフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名H−1)、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物として、下記一般式(XIII)で示され、n=2〜5の成分量が70重量%以上で、n=3〜4の成分量が40重量%以上の化合物(日本ユニカー株式会社製商品名A−1289)、(D)硬化促進剤として、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物(硬化促進剤1)、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物(硬化促進剤2)、トリブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物(硬化促進剤3)、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(北興化学株式会社製商品名TPP−K)とフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名H−1、水酸基当量106、軟化点80℃)との混融物(TPP−K含有率10重量%)(硬化促進剤4)、1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7と1,4−ベンゾキノンとの付加物(硬化促進剤5)、1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)のフェノールノボラック塩(DBU含有率30重量%)(硬化促進剤6)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(2P4MZ)とフェノールノボラック樹脂の混融物(2P4MZ含有率10重量%)(硬化促進剤7)、トリフェニルホスフィン(硬化促進剤8)、及びテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(TPP−K)(硬化促進剤9)、(E)無機充填剤として平均粒径17.5μm、比表面積3.8m2/gの球状溶融シリカ、離型剤として酸化型ポリエチレン(クラリアント株式会社製商品名PED191)及びモンタン酸エステル(クラリアント社製商品名Hoechst-Wax E)、難燃剤として三酸化アンチモン及びエポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名ESB−400T)、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)を、それぞれ表1及び表2に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
【0039】
【化15】
(ここで、nは1以上の整数を示す。)
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
作製した実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
(1)熱時硬度
中央部に直径30mm、深さ4mmのカル部分を持った三富金属株式会社製バリ金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で直径30mm×厚さ4mmの円板に成形し、成形後直ちに(トランスファプレスの下型が開き始めてから5秒後に金型を取リ出し、その直後に)、成形品(金型中央部のカル部分)のショアD硬度を測定した。
(2)スパイラルフロー(流動性の指標)
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(3)接着性
リード先端にAgメッキが施されたCu(C−194)製のリードフレームに、Agペースト(日立化成工業株式会社製商品名EN‐4900)を用いてダミーチップ(8×10×0.3mm厚)を固定し、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して、十字スリットのアイランド形状を持った外形寸法20mm×14mm×1.4mm厚の80ピンフラットパッケージ(LQFP1420−80p)を作製し、85℃、85%RHの条件で168時間吸湿させて、株式会社ジャード製IRリフロー炉に通して最高温度250℃、10秒の条件でリフロー処理を行い、通過後のパッケージ内部を、株式会社日立製作所製SATを用いて観察した。
リード先端のAgメッキ部分と封止用エポキシ樹脂成形材料との剥離面積が、Agメッキ部分全体の30%以上に及んでいるパッケージ数(不良パッケージ数)をカウントし、試験パッケージ数(12)に対する不良パッケージ数で評価した。
(4)耐リフロー性
上記(3)と同様に作製してリフロー処理を行ったパッケージの内部及び外部を観察して、クラックの有無を確認し、試験パッケージ数(12)に対するクラック発生パッケージ数で評価した。
(5) 耐湿性
42Alloy合金製のリードフレームに、Agペースト(日立化成工業株式会社製商品名EN‐4000)を用いてチップ(9.6×5.1mm)を固定し、Au線(φ25μm)を用いて、これらを電気的に導通させ、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して作製したSOP−28pパッケージ(18×8.4×2.6mm厚)を、85℃、85%RHの条件で、48時間吸湿させ、株式会社ジャード製IRリフロー炉に通して最高温度240℃、10秒の条件でリフロー処理を行った後、PCT(プレッシャークッカーテスト:121℃、2×105Pa)に投入し、500時間経過後の不良パッケージ数をカウントし、試験パッケージ数(10)に対する不良パッケージ数で評価した。なお、外部からの電圧に対するパッケージの電気的導通のないパッケージを不良と判定した。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
本発明の(C)硫黄含有有機ケイ素化合物の配合量が本発明の規定範囲外の比較例1〜4では接着性及び耐湿性に劣り、熱時硬度が発明の規定範囲外の比較例5、6では著しく成形性に劣り成形品が得られない。
これに対して、本発明の(A)〜(D)をすべて含有し、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物の配合量及び熱時硬度も規定範囲内である実施例1〜15は、いずれも流動性及び硬化性が良好で、接着性、耐湿性及び耐リフロー性にも優れる。
【0046】
【発明の効果】
本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材料は、実施例で示したように硬化性、流動性が良好で成形性に優れ、半導体インサート部品であるAgメッキ部分との接着性も良好であり、この封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてIC、LSI等の電子部品を封止すれば、高温IRに対する耐リフロー性、耐湿性等に優れ、信頼性に優れた電子部品装置を得ることができ、その工業的価値は大である。
Claims (5)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物、(D)硬化促進剤及び(E)無機充填剤を含有し、(C)硫黄含有有機ケイ素化合物がシランポリスルフィドで、配合量が封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.03〜0.5重量%であり、(D)硬化促進剤が、有機リン化合物とキノン化合物との付加物、有機リン化合物とフェノール樹脂との付加物、有機リン化合物とフェノール樹脂との混融物、アミン化合物とキノン化合物との付加物、及び、アミン化合物とフェノール樹脂との付加物のうち1種以上を含有し、熱時硬度が70以上である封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (D)硬化促進剤が、有機リン化合物又はアミン化合物を含有し、さらにキノン化合物を含有する請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (A)エポキシ樹脂が結晶性の低分子型二官能エポキシ樹脂又は150℃における溶融粘度が0.3Pa・s以下の多官能エポキシ樹脂を含有する請求項1または請求項2のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の1種以上を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置。
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