JP2012254743A - 潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】差動機構に対して適切に潤滑油を供給することができる潤滑装置を提供すること。
【解決手段】車両100の出力軸12に連結された第一回転要素51と、エンジンに連結された第二回転要素52と、モータジェネレータに連結された第三回転要素53とを有し、第一回転要素と第二回転要素と第三回転要素とが相対回転可能な差動機構5と、第一回転要素、第二回転要素あるいは第三回転要素のいずれか二つの回転要素にそれぞれ接続され、かつ当該二つの回転要素の相対回転によって潤滑油を吐出して差動機構に潤滑油を供給するポンプ4と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑装置に関する。
従来、差動機構の回転要素に接続されたポンプが公知である。例えば、特許文献1には、エンジン11と、発電機16と、エンジン入力軸14とをプラネタリギヤユニット13を介して連結し、プラネタリギヤユニット13とエンジン11の間にオイルポンプ55を設け、走行回転軸14とエンジン入力軸12に設けられた駆動歯車53、56に噛合する従動歯車54、57をオイルポンプ55の入力軸58に接続し、従動歯車54、57の間にワンウェイクラッチF6、F7を設けるハイブリッド車両の技術が開示されている。特許文献1のハイブリッド車両では、エンジン入力軸12と走行回転軸14の内、回転数が高い方の回転がオイルポンプ55へ伝達される。
特開平10−67238号公報
差動機構に対する潤滑油の供給を差動機構の回転要素に接続されたポンプによって行おうとする場合、供給量の過不足が生じる虞がある。差動機構において必要とされる油量は、差動機構の差動回転によって変化する。これに対して、回転要素の回転数に応じた流量で潤滑油が供給されると、供給油量の過剰あるいは不足を招く虞がある。差動機構に対して適切に潤滑油を供給できることが望まれている。
本発明の目的は、差動機構に対して適切に潤滑油を供給することができる潤滑装置を提供することである。
本発明の潤滑装置は、車両の出力軸に連結された第一回転要素と、エンジンに連結された第二回転要素と、モータジェネレータに連結された第三回転要素とを有し、前記第一回転要素と前記第二回転要素と前記第三回転要素とが相対回転可能な差動機構と、前記第一回転要素、前記第二回転要素あるいは前記第三回転要素のいずれか二つの回転要素にそれぞれ接続され、かつ当該二つの回転要素の相対回転によって潤滑油を吐出して前記差動機構に潤滑油を供給するポンプと、を備えることを特徴とする。
上記潤滑装置において、前記差動機構は、前記第一回転要素としてのリングギアと、前記第三回転要素としてのサンギアと、前記リングギアおよび前記サンギアにそれぞれ噛合うピニオンギアと、前記ピニオンギアを支持する前記第二回転要素としてのキャリアとを有し、前記二つの回転要素は、前記リングギアおよび前記キャリアであることが好ましい。
上記潤滑装置において、前記ポンプは、前記ピニオンギアを支持する支持部に潤滑油を供給することが好ましい。
上記潤滑装置において、更に、前記ポンプの吐出側に配置された流量制御弁を備え、前記ポンプは、前記第一回転要素および前記第二回転要素にそれぞれ接続され、前記第一回転要素と前記第二回転要素との相対回転によって潤滑油を吐出し、前記流量制御弁の開度を低減させて前記ポンプを介して前記エンジンと前記出力軸とで動力を伝達させることによって、前記差動機構を介した前記エンジンと前記出力軸との動力の伝達を抑制することが好ましい。
上記潤滑装置において、前記車両の発進時に前記流量制御弁の開度を低減させることが好ましい。
上記潤滑装置において、前記モータジェネレータと接続された蓄電装置の充電量に基づいて前記流量制御弁の開度を低減させることが好ましい。
上記潤滑装置において、前記差動機構が差動回転しない場合、前記流量制御弁の開度を低減させることが好ましい。
上記潤滑装置において、更に、前記第一回転要素と接続された出力側モータジェネレータを備え、走行中に前記出力側モータジェネレータの動力を前記エンジンに伝達して前記エンジンを始動するときに前記流量制御弁の開度を低減させることが好ましい。
上記潤滑装置において、更に、前記ポンプの吐出側に接続され、潤滑油を蓄圧する蓄圧装置を備え、前記車両の始動時に前記蓄圧装置に蓄圧された潤滑油を被潤滑部に供給することが好ましい。
上記潤滑装置において、更に、前記ポンプの吐出側に接続され、潤滑油を蓄圧する蓄圧装置を備え、前記ポンプは、前記第二回転要素に接続されており、前記エンジンの始動時に前記蓄圧装置に蓄圧された潤滑油を前記ポンプの吸入側に供給して前記エンジンを回転させることが好ましい。
本発明に係る潤滑装置は、差動機構の第一回転要素、第二回転要素あるいは第三回転要素のいずれか二つの回転要素にそれぞれ接続され、かつ当該二つの回転要素の相対回転によって潤滑油を吐出して差動機構に潤滑油を供給するポンプを備える。よって、本発明に係る潤滑装置によれば、差動機構に対して適切に潤滑油を供給することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係る車両の概略構成図である。 図2は、第1実施形態に係る遊星歯車機構の共線図である。 図3は、第2実施形態に係る潤滑装置の油圧回路図である。 図4は、第2実施形態に係る差動ポンプによるトルク伝達の説明図である。 図5は、第2実施形態の動作に係るフローチャートである。 図6は、第3実施形態に係る潤滑装置の油圧回路図である。 図7は、第4実施形態に係る潤滑装置の油圧回路図である。
以下に、本発明の実施形態に係る潤滑装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、潤滑装置に関する。図1は、第1実施形態に係る車両100の概略構成図、図2は、第1実施形態に係る遊星歯車機構の共線図である。
図1に示す車両100は、エンジン1、動力伝達装置110および出力軸12を備える。動力伝達装置110は、入力軸3、差動ポンプ4、遊星歯車機構(差動機構)5、第一モータジェネレータ6、第二モータジェネレータ7を備える。また、本実施形態の潤滑装置1−1は、差動ポンプ4および遊星歯車機構5を備えている。
エンジン1は、車両100の動力源の一つである。エンジン1は、燃料の燃焼エネルギーを回転軸1aの回転運動に変換して出力する。回転軸1aは、ダンパ2を介して動力伝達装置110の入力軸3に接続されている。
入力軸3は、遊星歯車機構5のキャリア52と接続されている。遊星歯車機構5は、リングギア51、キャリア52、サンギア53およびピニオンギア54を有する。サンギア53は、入力軸3と同軸上に配置されている。サンギア53の径方向において、リングギア51はサンギア53の径方向外側にサンギア53と同軸上に配置されている。ピニオンギア54は、サンギア53の径方向におけるリングギア51とサンギア53との間に配置され、サンギア53およびリングギア51とそれぞれ噛合っている。ピニオンギア54は、サンギア53の周方向に沿って所定の間隔で複数配置されている。キャリア52は、各ピニオンギア54を自転自在に支持している。キャリア52は、サンギア53と同軸上に回転自在に支持されている。すなわち、キャリア52は、ピニオンギア54をサンギア53と同軸上に公転自在に支持している。リングギア51は、内歯歯車であり、その外周面にはカウンタドライブギア55が配置されている。
本実施形態の遊星歯車機構5において、リングギア51は、カウンタドライブギア55、カウンタドリブンギア9、ドライブピニオンギア10およびデフリングギア11を介して出力軸12に連結された第一回転要素であり、キャリア52は、入力軸3およびダンパ2を介してエンジン1に連結された第二回転要素であり、サンギア53は、第一モータジェネレータ6に連結された第三回転要素である。リングギア51、キャリア52およびサンギア53の三つの回転要素は、相互に相対回転可能である。すなわち、リングギア51とキャリア52、リングギア51とサンギア53、キャリア52とサンギア53は、それぞれ相対回転することができる。
第一モータジェネレータ6および第二モータジェネレータ7は、それぞれモータ(電動機)としての機能と発電機としての機能とを備えている。第一モータジェネレータ6および第二モータジェネレータ7は、バッテリ8と接続されている。バッテリ8は、充放電可能な蓄電装置である。第一モータジェネレータ6および第二モータジェネレータ7は、バッテリ8等から供給される電力を機械的な動力に変換して出力することが可能であると共に、入力される機械的な動力を電力に変換して出力することが可能である。
第一モータジェネレータ6は、ステータ61およびロータ62を有しており、第二モータジェネレータ7は、ステータ71およびロータ72を有している。第一モータジェネレータ6のロータ62は、サンギア53と同軸上に配置されている。また、ロータ62の回転軸63は、サンギア53と接続されており、ロータ62とサンギア53とは一体回転する。第二モータジェネレータ7のロータ72の回転軸73には、MG2リダクションギア74が連結されている。
カウンタドライブギア55およびMG2リダクションギア74は、それぞれカウンタドリブンギア9と噛合っている。カウンタドリブンギア9と同軸上にはドライブピニオンギア10が配置されている。ドライブピニオンギア10は、カウンタドリブンギア9と接続されており、カウンタドリブンギアと一体回転する。ドライブピニオンギア10は、デフリングギア11と噛合っている。デフリングギア11は、デファレンシャルギアを介して出力軸12と接続されている。出力軸12は、車両100の左右の駆動輪とそれぞれ接続されており、デフリングギア11から伝達される動力を駆動輪に伝達する。
エンジン1から入力軸3に入力される動力は、遊星歯車機構5、カウンタドライブギア55、カウンタドリブンギア9、ドライブピニオンギア10およびデフリングギア11を介して出力軸12に伝達される。また、第二モータジェネレータ7が出力する動力は、MG2リダクションギア74、カウンタドリブンギア9、ドライブピニオンギア10およびデフリングギア11を介して出力軸12に伝達される。第二モータジェネレータ7は、リングギア51と接続されており、かつリングギア51よりも出力軸12側に配置された出力側モータジェネレータである。
本実施形態の車両100は、エンジン1の動力によらずに第二モータジェネレータ7の動力によって車両100を走行させるEV走行、および少なくともエンジン1の動力によって車両100を走行させるHV走行がそれぞれ可能である。HV走行では、適宜第二モータジェネレータ7にアシストトルクを発生させ、エンジン1および第二モータジェネレータ7の動力によって車両100を走行させることができる。走行モードの切り替えは、例えば、車速、負荷、バッテリ8の状態等に基づいてなされる。
デフリングギア11は、動力伝達装置110内の潤滑油を掻き揚げて各部に供給する。動力伝達装置110内の上部には、例えば、デフリングギア11が回転によって送り出す潤滑油を受けるキャッチタンクが設けられており、キャッチタンクから各モータジェネレータ6,7、各ギア9,10等の被潤滑部に潤滑油が供給される。
差動ポンプ4は、ラジアルピストンポンプである。差動ポンプ4は、シリンダ41、ピストン42およびカム43を備える。シリンダ41は、入力軸3に連結されており、入力軸3およびキャリア52と一体回転する。シリンダ41は、入力軸3と同軸上に配置されている。シリンダ41の断面形状は、任意の形状とすることができるが、本実施形態では、シリンダ41の断面形状が円形である場合、すなわちシリンダ41が円柱形状あるは円盤形状である場合を例に説明する。シリンダ41は、複数のシリンダ室44を有する。シリンダ室44は、シリンダ41の外周面からシリンダ41の中心軸線に向けて径方向に延在する凹部である。シリンダ室44は、シリンダ41の周方向に所定の間隔で配置されている。なお、差動ポンプ4の説明に関して、特に記載しない限り、「径方向」とはシリンダ41の径方向、すなわち入力軸3の中心軸線と直交する方向を示すものとする。
各シリンダ室44には、ピストン42が配置されている。ピストン42は、シリンダ室44に対して径方向の外側から係合してシリンダ室44を閉塞している。また、ピストン42は、シリンダ室44に対して径方向に相対移動することができる。ピストン42の径方向外側の端部は、球形状である。シリンダ室44には、導入通路および排出通路が接続されている。導入通路は、差動ポンプ4の吸入側に接続される油路であり、排出通路は、差動ポンプ4の吐出側に接続される油路である。導入通路は、オイルパンとシリンダ室44とを連通するものであり、例えば、入力軸3に形成されている。導入通路には、オイルパンからシリンダ室44に向かう潤滑油の流れを許容し、かつシリンダ室44からオイルパンに向かう潤滑油の流れを規制する逆止弁が設けられている。
排出通路は、シリンダ室44と潤滑部位、すなわち被潤滑部とを連通するものである。本実施形態の排出通路は、差動ポンプ4が吐出する潤滑油を遊星歯車機構5に導く。つまり、差動ポンプ4は、潤滑油を吐出して遊星歯車機構5に潤滑油を供給する。排出通路は、例えば、入力軸3およびキャリア52に形成されており、シリンダ室44とピニオンギア54とを連通している。排出通路は、キャリア52とピニオンギア54との差動部56、例えばピニオンギア54を回転自在に支持する軸受等の支持部に対して潤滑油を供給する。排出通路には、シリンダ室44からピニオンギア54に向かう潤滑油の流れを許容し、かつピニオンギア54からシリンダ室44に向かう潤滑油の流れを規制する逆止弁が設けられている。
カム43は、シリンダ41の径方向外側に配置されており、径方向においてシリンダ41と互いに対向している。カム43は、リングギア51に連結されており、リングギア51と一体回転する。カム43の内周側には、カム面43aが形成されている。カム面43aは、径方向の凹凸を有している。カム面43aの凹凸は、周方向に沿って連続的かつ周期的に形成されている。すなわち、カム面43aとシリンダ41の中心軸線との径方向の距離は、周方向の位相の変化に従い連続的かつ周期的に増減する。カム面43aは、シリンダ41の外周面との間に隙間を有している。
ピストン42は、径方向の外側に向けて付勢されており、カム面43aに当接する。シリンダ41とカム43とが相対回転すると、カム面43aの凹凸に応じてピストン42がシリンダ室44に対して径方向に相対移動する。例えば、相対回転に伴ってカム面43aがシリンダ室44に対して径方向外側に相対移動するときは、ピストン42は付勢力によってカム面43aに追随し、シリンダ室44に対して径方向外側に相対移動する。ピストン42がシリンダ室44に対して径方向外側に相対移動すると、シリンダ室44の圧力が低下し、オイルパンから導入通路を介してシリンダ室44に潤滑油が吸引される。
一方、相対回転に伴ってカム面43aがシリンダ室44に対して径方向内側に相対移動するときは、ピストン42はカム面43aによって押圧されてシリンダ室44に対して径方向内側に相対移動する。ピストン42がシリンダ室44に対して径方向内側に相対移動すると、シリンダ室44の圧力が上昇し、シリンダ室44の潤滑油が排出通路に吐出され、矢印Y1で示すように、排出通路を介してキャリア52とピニオンギア54との差動部56に供給される。
本実施形態の差動ポンプ4は、リングギア51とキャリア52との相対回転によってカム43とシリンダ41とが相対回転することで潤滑油を吐出する。これにより、以下に説明するように、遊星歯車機構5に対して適切に潤滑油を供給することができ、動力伝達装置110の損失が低減される。
例えば、ピニオンギア54やキャリア52に対して潤滑油を供給するポンプとして、入力軸3の回転によって潤滑油を吐出するポンプや、サンギア53の回転によって潤滑油を吐出するポンプなど、遊星歯車機構5のいずれかの回転要素の回転によって潤滑油を吐出するポンプを設けることが考えられる。しかしながら、このようなポンプでは、以下に図2を参照して説明するように、ポンプ損失や遊星歯車機構5の攪拌損失が増加してしまうことがある。
図2は、遊星歯車機構5の共線図である。図2において、Nsはサンギア53の回転数、Ncはキャリア52の回転数、Nrはリングギア51の回転数、Npはピニオンギア54の回転数をそれぞれ示す。キャリア52とピニオンギア54との差動部56において必要な潤滑油量は、ピニオンギア54の回転数Npとキャリア52の回転数Ncとの相対回転数である第一相対回転数N1に比例する。第一相対回転数N1が大きい場合、第一相対回転数N1が小さい場合よりも多くの潤滑油がキャリア52とピニオンギア54との差動部56において必要となる。
これに対して、例えば、キャリア52の回転によって潤滑油を吐出するポンプやサンギア53の回転によって潤滑油を吐出するポンプを設けた場合、ポンプの吐出量は、キャリア52の回転数Ncやサンギア53の回転数Nsに応じて決まる。サンギア53の回転数Ns、キャリア52の回転数Ncおよびリングギア51の回転数Nrは、いずれも第一相対回転数N1に比例しない回転数であるため、必要な油量とポンプの吐出量とにずれが生じる。
例えば、キャリア52の回転によって潤滑油を吐出するポンプの場合、ピニオンギア54とキャリア52との差動回転が生じないときであっても、キャリア52の回転数Ncに比例して大量の潤滑油がポンプから吐出されて、ポンプの仕事量に応じた損失および遊星歯車機構5内での攪拌損失が増大するといった問題が生じる。
本実施形態の差動ポンプ4の回転数(以下、単に「ポンプ回転数」と記載する。)N2は、リングギア51の回転数Nrとキャリア52の回転数Ncとの相対回転数(Nc−Nr)である。差動ポンプ4は、ポンプ回転数N2に比例した量の潤滑油を吐出する。このポンプ回転数N2は、第一相対回転数N1と比例関係にある。つまり、差動ポンプ4は、キャリア52の回転数Ncとピニオンギア54の回転数Npとの相対回転数に比例した流量の潤滑油を吐出するポンプである。従って、差動ポンプ4は、キャリア52とピニオンギア54との差動部56において必要とされる量の潤滑油を吐出することができる。
差動ポンプ4は、第一相対回転数N1が小さいときは差動部56に対して少量の潤滑油を供給し、第一相対回転数N1が大きいときは差動部56に対して多量の潤滑油を供給することができる。また、差動ポンプ4は、キャリア52とピニオンギア54との差動回転がないときは停止する。よって、本実施形態の差動ポンプ4は、差動部56に対して適量の潤滑油を供給することができ、ポンプ損失や遊星歯車機構5内の攪拌損失を低減することができる。なお、「遊星歯車機構5において差動回転がないとき」には、遊星歯車機構5において差動回転が小さく、実質的に差動回転がない状態を含む。
なお、本実施形態の差動ポンプ4は、キャリア52およびリングギア51にそれぞれ接続され、キャリア52とリングギア51との相対回転によって潤滑油を吐出するものであったが、これには限定されない。差動ポンプ4は、リングギア51、キャリア52あるいはサンギア53のいずれか二つの回転要素にそれぞれ接続され、当該二つの回転要素の相対回転によって潤滑油を吐出するものとすることができる。リングギア51の回転数Nrとサンギア53の回転数Nsとの相対回転数は、第一相対回転数N1に比例し、キャリア52の回転数Ncとサンギア53の回転数Nsとの相対回転数は、第一相対回転数N1に比例する。つまり、差動ポンプ4は、リングギア51、キャリア52あるいはサンギア53のどの二つの回転要素の相対回転によって潤滑油を吐出するものであっても、第一相対回転数N1に比例した流量の潤滑油を吐出することができる。
差動ポンプ4は、ラジアルピストンポンプに限定されるものではない。差動ポンプ4は、二つの回転要素の相対回転によって潤滑油を吐出するポンプであればよく、例えば、アキシャルピストンポンプであってもよい。
差動ポンプ4によって潤滑油が供給される被潤滑部は、キャリア52とピニオンギア54との差動部56には限定されない。差動ポンプ4は、差動部56以外の被潤滑部に潤滑油を供給することが可能である。例えば、差動ポンプ4は、遊星歯車機構5の各回転要素に潤滑油を供給することが可能である。また、差動ポンプ4は、動力伝達装置110の各構成要素、例えば、各モータジェネレータ6,7、各ギア9,10,11等に潤滑油を供給するようにしてもよい。
差動ポンプ4が接続される差動機構は、図示された遊星歯車機構5に限定されるものではなく、他の公知の差動機構によって差動ポンプ4が駆動されてもよい。また、キャリア52に接続される原動機は、エンジン1に限定されるものではなく、他の公知の原動機であってもよい。
[第2実施形態]
図3から図5を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。本実施形態の潤滑装置1−2において、上記第1実施形態の潤滑装置1−1と異なる点は、差動ポンプ4の吐出側に配置された流量制御弁を備える点である。流量制御弁の開度を絞ることにより、差動ポンプ4を介してエンジン1と出力軸12とで動力を伝達させることができる。
潤滑装置1−2は、バッテリ8の充電量が上限に近い場合に、流量制御弁の開度を絞り、差動ポンプ4によってエンジン1のトルクを出力軸12に伝達させる。これにより、バッテリ8の充電量が上限に近いときであってもエンジン1の動力を用いて車両100を発進させることが可能となる。図3は、本実施形態に係る潤滑装置1−2の油圧回路図、図4は、本実施形態に係る差動ポンプによるトルク伝達の説明図、図5は、本実施形態の動作に係るフローチャートである。
図3に示すように、差動ポンプ4は、導入通路13を介してオイルパン14と接続されており、排出通路15を介して潤滑部位、例えば差動部56と接続されている。排出通路15には、第一流量制御弁16が配置されている。第一流量制御弁16は、排出通路15を開閉することが可能である。第一流量制御弁16は、最小の開度とされた全閉状態であると排出通路15を閉塞して第一流量制御弁16を介した潤滑油の流通を規制する。また、第一流量制御弁16は、全閉状態から、最大開度の全開状態まで任意の開度に制御可能である。
潤滑装置1−2は、ECU30を備える。ECU30は、コンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU30は、第一流量制御弁16と接続されており、第一流量制御弁16を制御することができる。また、ECU30は、バッテリ状態センサ8aと接続されている。バッテリ状態センサ8aは、バッテリ8の電圧やバッテリ8の充放電電流の電流値、バッテリ8の温度等を検出することができる。ECU30は、バッテリ状態センサ8aの検出結果に基づいてバッテリ8の充電量を含むバッテリ状態を取得することができる。
従来、バッテリ8の充電量が上限、例えばバッテリ8に対する充電が許容される充電量の上限に近いときは、エンジン1の動力を用いた車両100の発進が制限されるという問題があった。遊星歯車機構5を介してエンジン1のトルクを出力軸12に伝達するためには、第一モータジェネレータ6がその反力を受け持って発電する必要がある。つまり、図4に矢印Y2で示すように、エンジン1からキャリア52、ピニオンギア54を介してリングギア51に対してトルクを伝達する場合、同時に、ピニオンギア54を介してサンギア53および第一モータジェネレータ6に対する伝達トルクが発生する。第一モータジェネレータ6は、サンギア53に伝達されるトルクに対する反力を受け持つ必要がある。
反力を受け持つときに第一モータジェネレータ6によって発電された電力は、第二モータジェネレータ7に供給して消費させることが可能ではあるものの、発進時には余剰電力が生じる。発進時に第二モータジェネレータ7の回転数が0に近く、第二モータジェネレータ7の消費電力が小さいと、第一モータジェネレータ6が発電した電力を第二モータジェネレータ7で全て消費させることができないため、バッテリ8に充電する必要がある。従って、バッテリ8に対する充電が許容されない場合、エンジン1の動力を用いた発進ができない場面が発生する。
本実施形態の潤滑装置1−2は、バッテリ8の充電量が上限に近い場合、第一流量制御弁16の開度を絞り、差動ポンプ4で発生する油圧を介してエンジン1のトルクを出力側に伝達する。これにより、図4に矢印Y3で示すように、入力軸3から差動ポンプ4を介してリングギア51に直接トルクが伝達される。よって、ピニオンギア54を介したエンジン1から出力軸12に対する動力の伝達が抑制され、第一モータジェネレータ6が受ける反力の大きさが低減される。
つまり、第一流量制御弁16の開度を低減させて差動ポンプ4を介してエンジン1と出力軸12とで動力を伝達させることによって、遊星歯車機構5のピニオンギア54を介したエンジン1と出力軸12との動力の伝達を抑制することができる。例えば、実質的にピニオンギア54を介した動力の伝達がなされないようにすることが可能である。なお、第一流量制御弁16の開度を低減させることには、開度を閉じ側の値に変化させること、および開度を予め定められた所定の開度に変化させることが含まれる。所定の開度は、少なくとも第一流量制御弁16の全開状態の開度よりも閉じ側の開度である。本実施形態の潤滑装置1−2によれば、バッテリ8の充電量が上限に近いときであっても、エンジン1の動力を用いて車両100を発進させることが可能となる。
図5を参照して、本実施形態の潤滑装置1−2の動作について説明する。図5に示す制御フローは、例えば、車両100の発進時に実行される。
まず、ステップS1では、ECU30により、バッテリ8の充電量が上限に近いか否かが判定される。ECU30は、例えば、バッテリ8の充電量が予め定められた閾値以上である場合にステップS1で肯定判定を行う。この閾値は、例えば、バッテリ8において充電が許容される充電量の範囲の上限に基づいて定められる。ステップS1の判定の結果、バッテリ8の充電量が上限に近いと判定された場合(ステップS1−Y)にはステップS3に進み、そうでない場合(ステップS1−N)にはステップS2に進む。
ステップS2では、ECU30により、第一流量制御弁16が緩められる。ECU30は、第一流量制御弁16の開度を開き側に変化させる。ECU30は、例えば、第一流量制御弁16の開度を一定量増加させるようにしても、現在の開度に対して一定の割合で開度を増加させるようにしてもよい。この場合、ECU30は、予め定められた開度を上限として第一流量制御弁16の開度を増加させるようにしてもよく、最大開度を上限として第一流量制御弁16の開度を増加させてもよい。また、ECU30は、一度の開弁操作で第一流量制御弁16の開度を予め定められた開度や最大の開度まで増加させてもよい。ステップS2が実行されると、ステップS1に移行する。なお、第一流量制御弁16の開度が上限の開度に達した場合、本制御フローが終了するようにしてもよい。
ステップS3では、ECU30により、第一モータジェネレータ6の発電量が、第二モータジェネレータ7の出力による消費電力以下であるか否かが判定される。ステップS3の判定の結果、第一モータジェネレータ6の発電量が、第二モータジェネレータ7の出力による消費電力以下であると判定された場合(ステップS3−Y)には本制御フローは終了し、そうでない場合(ステップS3−N)にはステップS4に進む。
ステップS4では、ECU30により、第一流量制御弁16が絞られる。ECU30は、第一流量制御弁16の開度を閉じ側に変化させる。ECU30は、例えば、第一流量制御弁16の開度を一定の開度減少させるようにしても、現在の開度に対して一定の割合で開度を減少させるようにしてもよい。ステップS4が実行されると、ステップS3に移行する。
このように、本実施形態によれば、バッテリ充電量が予め定められた上限に近い(S1−Y)場合、第一モータジェネレータ6の発電量が第二モータジェネレータ7の出力による消費電力以下(S3−Y)となるまで第一流量制御弁16が絞られる。よって、バッテリ8の充電量が上限に近いときであってもエンジン1の動力を用いて車両100を発進させることが可能となる。
なお、本実施形態では、バッテリ8の充電量が上限に近く、かつ車両100の発進時に第一流量制御弁16の開度を低減させたが、これに代えて、バッテリ8の充電量あるいは車両100の発進時のいずれかに基づいて第一流量制御弁16の開度を低減させるようにしてもよい。つまり、車両100の発進時であるか否かにかかわらず、バッテリ8の充電量に基づいて第一流量制御弁16の開度を低減させるようにしてもよく、バッテリ8の充電量にかかわらず、車両100の発進時に第一流量制御弁16の開度を低減させるようにしてもよい。
[第2実施形態の第1変形例]
第2実施形態の第1変形例について説明する。本変形例では、遊星歯車機構5の差動回転が無いときに第一流量制御弁16が閉じられる。遊星歯車機構5の差動回転がなく、リングギア51とキャリア52とが同じ回転数で回転するとき、すなわち、遊星歯車機構5が変速を行わないときであっても、エンジン1のトルクを出力軸12に伝達するためには第一モータジェネレータ6が反力を受ける必要がある。このため、第一モータジェネレータ6は反力を受け持つために発電を行い、発電された電力を第二モータジェネレータ7で消費させることとなる。このように反力を受けるために第一モータジェネレータ6に発電を行わせると、エンジン1と出力軸12との間の伝達効率が低下してしまう。
これに対して、ECU30は、遊星歯車機構5の差動回転が無いときは、第一流量制御弁16の開度を低減させ、例えば全閉状態とする。第一流量制御弁16が閉じられることにより、ピストン42を介してシリンダ41とカム43との差動回転がロックされる。これにより、入力軸3とリングギア51とが直結され、エンジン1の動力が電気変換を介さずに出力軸12に直達される。よって、エンジン1から出力軸12に対する動力の伝達効率が向上する。
[第2実施形態の第2変形例]
第2実施形態の第2変形例について説明する。本変形例では、EV走行からのエンジン始動時に第一流量制御弁16の開度が低減される。これにより、第一モータジェネレータ6の負荷(最大トルク)を低減させることができる。EV走行の実行中に、エンジン1を始動する場合、エンジン1を素早く始動させるために、第一モータジェネレータ6は、第二モータジェネレータ7からの動力の入力に対して大きな反力トルクを受け持たなければならない。これにより、第一モータジェネレータ6が受けるべき最大トルクが大きなものとなり、第一モータジェネレータ6の体格の大型化やコスト増につながる。
ECU30は、EV走行からのエンジン1の始動時に、第一流量制御弁16を絞る。ECU30は、エンジン1を始動するときの第一流量制御弁16の開度を閉じ側に変更し、所定の開度、例えば、全閉状態とする。これにより、第二モータジェネレータ7の動力がリングギア51から差動ポンプ4を介して入力軸3に直達される。つまり、ピニオンギア54を介した第二モータジェネレータ7からエンジン1に対する動力の伝達が抑制される。よって、第一モータジェネレータ6が受ける反力トルクが低減し、第一モータジェネレータ6が受けるべき最大トルクが低減する。これにより、第一モータジェネレータ6の小型化や低コスト化が可能となる。
[第3実施形態]
図6を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。本実施形態の潤滑装置1−3において、上記各実施形態の潤滑装置1−1,1−2と異なる点は、差動ポンプ4が吐出する潤滑油を蓄圧するアキュムレータを備える点である。アキュムレータに蓄圧された潤滑油は、冷間時等の車両100の始動時に潤滑部位に供給される。本実施形態の潤滑装置1−3によれば、車両100の始動前に予めギア等の噛合い部や摺動部の潤滑が可能となり、焼き付きを防止することができる。図6は、本実施形態に係る潤滑装置1−3の油圧回路図である。
図6に示すように、排出通路15は、第一排出通路15aと第二排出通路15bとに分岐している。第一排出通路15aおよび第二排出通路15bは、それぞれ潤滑部位に接続されている。第一排出通路15aと第二排出通路15bとは、同じ潤滑部位に接続されていても、異なる潤滑部位に接続されていてもよい。
第一排出通路15aには、第一流量制御弁16が設けられている。第二排出通路15bには、アキュムレータ17、逆止弁18および第二流量制御弁19が配置されている。アキュムレータ17は、潤滑油を蓄圧する蓄圧装置としての機能を有する。逆止弁18は、第二排出通路15bにおけるアキュムレータ17よりも差動ポンプ4側に配置されている。逆止弁18は、差動ポンプ4からアキュムレータ17に向かう潤滑油の流れを許容し、アキュムレータ17から差動ポンプ4に向かう潤滑油の流れを規制する。第二流量制御弁19は、第二排出通路15bを開閉することが可能である。第二流量制御弁19は、最小の開度とされた全閉状態であると第二排出通路15bを閉塞して第二流量制御弁19を介した潤滑油の流通を規制する。また、第二流量制御弁19は、全閉状態から、最大開度の全開状態まで任意の開度に制御可能である。第二流量制御弁19は、ECU30に接続されており、ECU30によって制御される。
ECU30は、上記第2実施形態あるいは上記第2実施形態の各変形例と同様に第一流量制御弁16を制御する。例えば、ECU30は、車両100の発進時に第一流量制御弁16の開度を低減させる。第一流量制御弁16が閉じられると、逆止弁18よりも差動ポンプ4側の排出通路15の油圧が上昇し、逆止弁18を介してアキュムレータ17に潤滑油が流入する。
本実施形態のECU30は、車両100の始動前、例えば車両100のシステム起動後でかつ発進前の所定時期に第二流量制御弁19を開く。また、ECU30は、所定時期以外は第二流量制御弁19を閉じ、例えば全閉状態とする。従って、車両100の発進時やEV走行中のエンジン始動時等に第一流量制御弁16が閉じられると、差動ポンプ4で発生する油圧はアキュムレータ17に蓄圧される。
ECU30が車両始動前の所定時期に第二流量制御弁19を開くと、アキュムレータ17に蓄圧された潤滑油が潤滑部位に供給され、走行開始前に予め潤滑部位が潤滑される。本実施形態の潤滑装置1−3によれば、発進時のエンジン1の動力やEV走行中のエンジン始動時の第二モータジェネレータ7の動力を有効に利用して潤滑部位に潤滑油を供給することができる。差動ポンプ4の始動前に潤滑部位に対して潤滑油を供給することが可能となり、フリクションロスの低減や焼き付きの防止等が可能となる。
なお、第二流量制御弁19を開く時期は、所定時期には限定されない。例えば、エンジン始動時やエンジン始動前に第二流量制御弁19が開かれるようにしてもよい。
[第4実施形態]
図7を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。本実施形態の潤滑装置1−4において、上記第3実施形態の潤滑装置1−3と異なる点は、アキュムレータ17に蓄圧された油圧をエンジン1の始動に用いる点である。図7は、本実施形態に係る潤滑装置1−4の油圧回路図である。
図7に示すように、排出通路15は、第一排出通路15aと第二排出通路15cとに分岐している。第一排出通路15aおよび第一流量制御弁16は、上記第3実施形態の第一排出通路15aおよび第一流量制御弁16と同様とすることができる。第二排出通路15cは、導入通路13に接続されている。つまり、第二排出通路15cは、差動ポンプ4によって発生した油圧を導入通路13に導くものである。第二排出通路15cには、上記第3実施形態の第二排出通路15bと同様に、アキュムレータ17、逆止弁18および第二流量制御弁19が配置されている。
導入通路13には、逆止弁20が配置されている。逆止弁20は、導入通路13における第二排出通路15cとの接続部13aよりもオイルパン14側に設けられている。逆止弁20は、オイルパン14から接続部13aに向かう潤滑油の流れを許容し、接続部13aからオイルパン14に向かう潤滑油の流れを規制する。
ECU30は、上記第3実施形態と同様に第一流量制御弁16を制御することができる。第一流量制御弁16が閉じられると、差動ポンプ4で発生した油圧がアキュムレータ17に蓄圧される。ECU30は、車両100の停止中にエンジン1を始動するときに、第二流量制御弁19を開く。ECU30は、車両100の停止中のエンジン始動時以外は、第二流量制御弁19を閉じ、例えば全閉状態とする。
車両100の停止中のエンジン始動時に第二流量制御弁19が開かれると、アキュムレータ17に蓄圧された高圧油により、差動ポンプ4がモータとして機能する。アキュムレータ17から導入通路13を介して差動ポンプ4に供給される油圧は、リングギア51とキャリア52とを相対回転させる力を発生させ、差動ポンプ4はエンジン1を回転・始動させるためのモータとして機能する。つまり、ECU30は、アキュムレータ17に蓄圧された潤滑油をエンジン1の始動時に差動ポンプ4の吸入側に供給してエンジン1を回転させる。これにより、エンジン始動時の第一モータジェネレータ6やバッテリ8の負荷が軽減される。
本実施形態の潤滑装置1−4によれば、車両発進時のエンジン1の動力によって蓄圧された油圧やEV走行中のエンジン始動時の第二モータジェネレータ7の動力によって蓄圧された油圧を有効に利用して停車中にエンジン1を始動することができる。
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1−1,1−2,1−3,1−4 潤滑装置
1 エンジン
4 差動ポンプ
5 遊星歯車機構
6 第一モータジェネレータ
7 第二モータジェネレータ
12 出力軸
16 第一流量制御弁
17 アキュムレータ
51 リングギア
52 キャリア
53 サンギア
54 ピニオンギア
56 差動部(支持部)
110 動力伝達装置

Claims (10)

  1. 車両の出力軸に連結された第一回転要素と、エンジンに連結された第二回転要素と、モータジェネレータに連結された第三回転要素とを有し、前記第一回転要素と前記第二回転要素と前記第三回転要素とが相対回転可能な差動機構と、
    前記第一回転要素、前記第二回転要素あるいは前記第三回転要素のいずれか二つの回転要素にそれぞれ接続され、かつ当該二つの回転要素の相対回転によって潤滑油を吐出して前記差動機構に潤滑油を供給するポンプと、
    を備えることを特徴とする潤滑装置。
  2. 前記差動機構は、前記第一回転要素としてのリングギアと、前記第三回転要素としてのサンギアと、前記リングギアおよび前記サンギアにそれぞれ噛合うピニオンギアと、前記ピニオンギアを支持する前記第二回転要素としてのキャリアとを有し、
    前記二つの回転要素は、前記リングギアおよび前記キャリアである
    請求項1に記載の潤滑装置。
  3. 前記ポンプは、前記ピニオンギアを支持する支持部に潤滑油を供給する
    請求項2に記載の潤滑装置。
  4. 更に、前記ポンプの吐出側に配置された流量制御弁を備え、
    前記ポンプは、前記第一回転要素および前記第二回転要素にそれぞれ接続され、前記第一回転要素と前記第二回転要素との相対回転によって潤滑油を吐出し、
    前記流量制御弁の開度を低減させて前記ポンプを介して前記エンジンと前記出力軸とで動力を伝達させることによって、前記差動機構を介した前記エンジンと前記出力軸との動力の伝達を抑制する
    請求項1から3のいずれか1項に記載の潤滑装置。
  5. 前記車両の発進時に前記流量制御弁の開度を低減させる
    請求項4に記載の潤滑装置。
  6. 前記モータジェネレータと接続された蓄電装置の充電量に基づいて前記流量制御弁の開度を低減させる
    請求項4または5に記載の潤滑装置。
  7. 前記差動機構が差動回転しない場合、前記流量制御弁の開度を低減させる
    請求項4に記載の潤滑装置。
  8. 更に、前記第一回転要素と接続された出力側モータジェネレータを備え、
    走行中に前記出力側モータジェネレータの動力を前記エンジンに伝達して前記エンジンを始動するときに前記流量制御弁の開度を低減させる
    請求項4に記載の潤滑装置。
  9. 更に、前記ポンプの吐出側に接続され、潤滑油を蓄圧する蓄圧装置を備え、
    前記車両の始動時に前記蓄圧装置に蓄圧された潤滑油を被潤滑部に供給する
    請求項1から8のいずれか1項に記載の潤滑装置。
  10. 更に、前記ポンプの吐出側に接続され、潤滑油を蓄圧する蓄圧装置を備え、
    前記ポンプは、前記第二回転要素に接続されており、
    前記エンジンの始動時に前記蓄圧装置に蓄圧された潤滑油を前記ポンプの吸入側に供給して前記エンジンを回転させる
    請求項1から9のいずれか1項に記載の潤滑装置。
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