JP2012253203A - 太陽電池モジュール用裏面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】
発明が解決しようとする課題は、裏面保護シートが原因となる漏電の問題を解決し、天候状況によらず、安全かつ安定したシステム稼動を保証することである。
【解決手段】
基材シートの片面に紫外線吸収層が積層され、紫外線吸収層表面のぬれ張力がJIS K6768に準拠するぬれ試薬による評価において34〜44mN/mの範囲である太陽電池モジュール用裏面保護シート。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュール用裏面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
太陽光発電は、無尽蔵で無公害のエネルギー源として注目を浴びており、実用化が進んでいる。最近は、非晶質シリコン等の半導体装置を利用した太陽電池が急速に普及しつつあり、一般住宅用の電源としても使用されるようになってきた。
太陽電池を一般住宅の屋根部材と一体に構成して使用する際には、複数の太陽電池素子を組み合わせ、表裏面を適当なカバー材料で保護した太陽電池モジュールとして使用するのが一般的である。このための太陽電池モジュールは、表面保護シートあるいはガラス、接着性樹脂層、太陽電池素子、接着性樹脂層、裏面保護シートを積層したものが代表的なものである。
太陽電池モジュールの裏面保護シートとして、光反射フィルム、酸化物蒸着層、耐加水分解性ポリエステルフィルムを積層してなる方法が提案されている(特許文献1)。
また、太陽電池モジュールの裏面保護シートには、太陽電池モジュールを電圧印加による破損から保護する為にセルの発電容量に併せ部分放電電圧700Vもしくは1000Vの耐電圧特性が要求され、電気絶縁層や発泡層を含むことで部分放電電圧を向上させる提案がなされている(特許文献2)。
ところで、太陽電池モジュールの設置後の動作確認のため、交流電流による漏電診断がなされる事が一般的であり、漏電診断時の天候状況、すなわち雨天や高湿時にはシステムが稼動しない問題が散見されてきた。またこういった天候時に漏電がある場合は、設備の保安上の問題、感電・火災などの安全上の問題が本質的に懸念されることは言うまでもない。
特開2000―164907号公報 特開2008−270238号公報
発明が解決しようとする課題は、裏面保護シートが原因となる漏電の問題を解決し、天候状況によらず、安全かつ安定したシステム稼動を保証することである。
本発明者らは、上記漏電の問題は、太陽電池モジュールの裏面保護シートにより起こることを突き止め、太陽電池バックシート裏面のぬれ張力を一定値以下にする事で漏電電流を抑制し、かかる課題を解決することができることを明らかにした。このために次のような手段を採用するものである。
(1)基材シートの片面に紫外線吸収層が積層され、紫外線吸収層表面のぬれ張力がJIS K6768に準拠するぬれ試薬による評価において34〜44mN/mの範囲である太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(2)基材シートが少なくとも2層以上のプラスチックフィルムからなり、紫外線吸収層が形成される側のプラスチックフィルムが140℃高圧スチーム下10時間後の引張伸度保持率が60%以上であるポリエチレンテレフタレートフィルムである上記(1)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(3)上記(1)または(2)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートを使用した太陽電池モジュールであり、該太陽電池モジュールの設置傾斜角度25〜35度における紫外線吸収層表面への付着水滴の最大径が10mm以下であることを特徴とする太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池モジュールの裏面保護シートは、太陽電池モジュールの漏電電流を抑制し、安全かつ安定したシステム稼動を保証する性能を持つ。本発明の太陽電池モジュールの裏面保護シートは、漏電電流を抑制する事により感電や火災等に対する安全性が向上すると共に、インバーターの漏電閾値に対してより多くのモジュール設置が可能となる為、コスト低減が可能となる。
太陽電池モジュール用裏面保護シートの一実施形態の例を説明する側断面図である。 太陽電池モジュール用裏面保護シートの別の実施形態の例を説明する側断面図である。 太陽電池モジュール用裏面保護シートのさらに別の実施形態の例を説明する側断面図である。 太陽電池モジュールの実施形態の例を説明する側断面図である。
本発明は基材シートの片面に紫外線吸収層が積層されていることが必要である。
本発明における基材シートとは本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの主要構成部材であり、その片面に紫外線吸収層が形成されて太陽電池モジュール用裏面保護シートとなるものであって、太陽電池モジュールにおける太陽電池セルを、裏面からの機械的衝撃、温湿度の影響から保護するという機能を有し、各種プラスチックフィルム、アルミ箔、蒸着フィルムなどから選ばれたフィルム、シートが目的に応じて単層で、あるいは積層されて使用される。
紫外線吸収層は、基材シートの紫外線劣化を防ぐために設けられる。本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、その名の示すとおり太陽電池モジュールの裏面側に積層され、さらに紫外線吸収層は太陽電池モジュールの裏面側に配設され、長期の屋外暴露においても地面や屋根からの照り返しによる基材シートの色調変化、強度劣化などの紫外線劣化を防止する機能を担う。本発明における紫外線吸収層とは、波長380nmにおける光線透過率を10%以下とする機能を有する層をいい、該波長における光線透過率は7%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることが最も好ましい。この特性は、紫外線吸収層における紫外線吸収剤の濃度と紫外線吸収層の厚さにより決定され、要求される性能に応じて設計が行われる。
本発明における紫外線吸収層は、太陽電池モジュール用裏面保護シートの基材シートにコーティングにより形成することが好ましい。紫外線吸収層には、有機系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤、およびこれらの併用による添加が、いずれにも特に限定されずに好ましく用いることができるが、耐湿熱性に優れ、均一分散できることが望まれる。このような紫外線吸収剤としては有機系の紫外線吸収剤の場合は、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤があり、低抽出性、低揮発性でありポリマーへの相溶性にも優れたヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が好ましい。
これらの紫外線吸収剤は、具体的にはサリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、その他として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、ヒンダードアミン系のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、および2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
また、無機系の紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、などの金属酸化物や、カーボン、フラーレン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素系成分等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤を基材シートを構成するプラスチックフィルム上に紫外線吸収層として固定するには、これら紫外線吸収剤をバインダー樹脂に添加してバインダー樹脂ともに塗布するか、有機系の紫外線吸収剤であればバインダー樹脂に紫外線吸収剤能を有するモノマーを共重合させたものを塗布するなどして紫外線吸収層を形成することが好ましい。このためのバインダー樹脂としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系など公知の樹脂系から選択できる。長期の屋外使用下で考慮した場合、無機系の紫外線吸収剤使用が望ましく、無機系紫外線吸収剤をコーティング層として固定するバインダー樹脂の紫外線による劣化を防ぐために、有機系紫外線吸収剤をバインダー樹脂に併用添加するか、紫外線吸収剤能を有するモノマーを共重合させたバインダー樹脂を使用することが好ましい。
基材シートの片面に形成された紫外線吸収層表面のぬれ張力は、JIS K6768に準拠するぬれ試薬による評価において34〜44mN/mの範囲である必要がある。同ぬれ張力は、さらに好ましくは36〜43mN/mの範囲である。
紫外線吸収層表面のぬれ張力が44mN/mを越えると、紫外線吸収層表面に結露、雨滴の反跳等により水滴が付着し水滴が結合して濡れ広がった場合、交流印加による漏電システム診断時に水分がコンデンサとして働き、漏電電流としてインバーターが検知する為、システムが稼動しない恐れがある。なお、太陽電池モジュールは太陽に向けて水平からの傾斜角度約30°に傾けて設置されるのが一般的であるが、紫外線吸収層表面のぬれ張力が小さい、すなわち水滴をはじきやすい場合には、数滴は小さい段階で傾斜を滑り落ちてしまうので紫外線吸収層表面に付着する水の量が少なくなり、システム診断時の漏電電流が小さくなる。
ただし、基材シートの紫外線吸収層には端子ボックスの装着や端部からの水分侵入防止を目的として、シリコーンコーキング剤が塗布される。紫外線吸収層とシリコーンコーキング層との接着性より、紫外線吸収層のぬれ張力は、34mN/m以上であることが必要である。
紫外線吸収層表面のぬれ張力を34〜44mN/mとするには、紫外線吸収層の組成の選択・設計が重要である。紫外線吸収層として、耐擦過性や基材との密着強度を確保するために各種ポリオール樹脂とイソシアネートによるウレタン結合により架橋・硬化を行ったものをバインダー樹脂に使用することが好ましいが、中でもアクリルポリオールあるいはポリエステルポリオール樹脂に、必要によってはヒンダードアミン系紫外線吸収能を有する基を導入した樹脂をイソシアネートで架橋・硬化した樹脂が好ましく用いられる。これら樹脂では表面張力が大きく、本発明の表面張力とするには表面張力を下げる成分を添加することが好ましく、中でも水溶性あるいはエマルジョンタイプの有機珪素化合物(シリコーン)を添加して表面張力を調整することが紫外線吸収性能に影響を与えることがなく好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、基材シートは少なくとも2層以上のプラスチックフィルムからなることが好ましい。すなわち、太陽電池モジュールに組み込まれる際に太陽電池セルを封止する機能を有する接着性樹脂層との密着性能を担うプラスチックフィルム(以下接着層という)と、機械強度や耐候性を担うプラスチックフィルムからなることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの、太陽電池モジュールに組み込んだ際に太陽光受光面からは裏面側となる紫外線吸収層が形成される側のプラスチックフィルムは、上述の通り長期使用の観点から耐候性を有している事が望ましく、公知のフッ素系樹脂フィルムや耐加水分解性を有する公知のポリエステルフィルムなどが挙げられる。中でも、耐加水分解性ポリエステルフィルムが、紫外線吸収層との密着力に優れるため好ましい。すなわちフッ素系樹脂フィルムを用いた場合は上記シリコーンコーキング剤と紫外線吸収層との密着力に優れていても、フッ素系樹脂フィルムと紫外線吸収層との密着力が不十分となる懸念がある。
ポリエステルとは、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得られる樹脂であり、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、さらにテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が特に好ましい。またジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、さらにエチレングリコールが特に好ましい。
ポリエステルフィルムにおけるポリエステルの融点は耐熱性の点から250℃以上であることが好ましく、また300℃以下であることが生産性の面から好ましい。このようなポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称することがある)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート等を用いることができる。
本発明において、紫外線吸収層が形成される側のプラスチックフィルムは、耐加水分解性を有するポリエステルフィルムであることが好ましく、中でも耐熱性、機械強度、加工性、経済性から、耐加水分解性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましく、140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が初期の引張伸度の60%以上を保持するポリエチレンテレフタレートフィルムであることがさらに好ましい。
140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が初期の引張伸度の60%以上を保持することで、太陽電池モジュール用裏面保護シートの基材シートを構成するプラスチックフィルムとして使用されることで、太陽電池モジュール用裏面保護後シートの耐候性を大きく向上させ、太陽電池モジュールとしての10年以上の性能保証に寄与することができ、好ましい。
本発明において基材シートとして好ましく用いられるPETフィルムは、ジカルボン酸成分にテレフタル酸、ジオール成分にエチレングリコールを用いた固有粘度[η]が0.70〜1.20、より好ましくは0.75〜1.00のPETの二軸延伸フィルムにより達成される。ここで、固有粘度[η]は、o−クロロフェノールを溶媒としてPETフィルムを溶解し、25℃の温度で測定した値であり、該粘度はPETの重合度に比例する。耐加水分解性を向上させるためにはPETの重合度を上げることが重要であり、重合度を上げる方法として、減圧下重合時にエチレングリコールを取り除きながら重合時間を長く取って重合を進行させる方法、一旦上述の重合を行ったPET樹脂を結晶化処理を行った後、減圧下高温で熱処理を行い重合度をさらに上げるいわゆる固相重合と呼ばれる方法があり、これら方法により固有粘度[η]を目的の値にすることができる。この固有粘度が0.70以上である場合には、耐加水分解性、耐熱性を付与することが容易となり、裏面保護シート、さらには太陽電池モジュールの耐加水分解性能を向上させるため好ましい。また、該数値が1.2以下の場合には、溶融粘度が低くなり溶融押出成形が容易となり、フィルムの製膜性が向上するため好ましい。
これらのPETは、ホモPETであっても、共重合成分が含まれてもよく、共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。 また、このPETの中には、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない量で適宜な添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、耐侯安定剤、有機の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
上述のPETから二軸延伸フィルムにするには、PETを必要に応じて乾燥し、公知の溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシートを押出し、金属ドラムに密着させ該PETのガラス転移点以下の温度まで冷却して未延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを同時二軸延伸法や逐次二軸延伸法などの周知の方法で二軸延伸フィルムを得ることができる。この場合の条件としては、延伸温度は該PETのガラス転移点Tg以上Tg+100℃以下の任意の条件を選ぶことができ、通常は80〜170℃の温度範囲が最終的に得られるフィルムの物性と生産性から好ましい。また延伸倍率はフィルムの長手方向、幅方向とも1.6〜5.0、好ましくは1.7〜4.5の範囲が選べる。また、延伸速度は1000〜200000%/分であることが好ましい。更に延伸後にフィルムの熱処理を行うが、幅方向に延伸するテンターに後続する熱処理室で連続的に熱処理するか、別のオーブンで加熱したり、加熱ロールでも熱処理できる。熱処理条件は、温度が120〜245℃、時間が1〜60秒の範囲が通常用いられる。熱処理時に幅方向、長手方向に熱寸法安定性をよくする目的でリラックス処理が行われてもよい。
140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が60%以上を保持するPETフィルムとしては、JIS C2151(1996)によりフィルムの破断伸度を測定したとき、140℃高圧スチーム条件下でスチーム処理前と比較し、50%伸度低下時間が耐加水分解性を有しないフィルムの2倍以上になるポリエステルフィルムが上市されており、紫外線吸収層が形成される側のプラスチックフィルムとして用いることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。前述の通り、太陽電池モジュールは、表面保護シートあるいはガラス3、接着性樹脂層5に挟持された太陽電池素子4、裏面保護シート6が積層されるのが一般的である。該接着性樹脂層5としてはエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVAと省略することがある)が用いられることが一般的であり、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいては、該接着性樹脂層との安定した密着強度を得る為に、接着性樹脂側に接着層を設けることが好ましい。接着層としては、主としてポリエチレン樹脂からなる層であることが好ましく、太陽電池モジュールの接着性樹脂側に対向・接着される側に主としてポリエチレン樹脂からなる層を設けることが好ましい。この主としてポリエチレン樹脂からなる接着層と紫外線吸収層が設けられた基材シートとの間に他のフィルム層が積層されていてもよい。接着層を形成するポリエチレン樹脂としては、融点130℃以下である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が、接着性樹脂層との密着力に優れるため好ましい。
接着層としては、太陽光反射性を有する白色ポリエチレンフィルムであることが望ましい。白色ポリエチレンフィルムは公知のものを用いることができるが、融点130℃以下である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用い、白色微粒子を添加した白色ポリエチレンフィルムが好ましい。
白色ポリエチレンフィルムとしては、波長550nmの反射率が30%以上の白色ポリエチレンフィルムが好ましく、より好ましくは、反射率が40%以上の白色ポリエチレンフィルムであり、さらに好ましくは、反射率が50%以上の白色ポリエチレンフィルムである。
本発明において、白色ポリエチレンフィルムを使用する場合、白色に着色する方法は、好ましくは、酸化チタン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色微粒子を添加する。さらに白色度を高めるためにはチオフェンジイル等の蛍光増白剤を用いると効果的である。
接着性樹脂層に接する面の上記ポリエチレンフィルムは放電表面処理が行われず未処理であることが好ましい。コロナ処理等の放電表面処理を施した場合はポリエチレンフィルムの表面酸化により接着性樹脂層との密着強度が損なわれることがある。
接着層であるポリエチレンフィルム13あるいは白色ポリエチレンフィルム11は耐候性を有するフッ素フィルムや耐加水分解性のあるポリエチレンテレフタレートフィルム12と積層される。あるいは接着層であるポリエチレンフィルム13は白色ポリエチレンテレフタレートフィルム14と耐候性を有するフッ素系樹脂フィルムや耐加水分解性のポリエチレンテレフタレートフィルム12と積層されて本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートとなるが、接着剤には、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂、ポリオレフィン、アイオノマーが、接着力およびガスバリア性の点で好ましく、最も好ましくは、ウレタン樹脂であることが望ましい。
上記接着剤の厚さは、接着力の観点から、1.0〜10.0μmが好ましい。更に好ましくは、2.0〜8.0μmであり、特に好ましくは、3.0〜6.0μmである。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは接着性樹脂層を介して、太陽電池素子、接着性樹脂層、表面保護シートと積層され、接着性樹脂層を加熱溶融、圧着、冷却することにより、太陽電池モジュールが一体形成される。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを使用した太陽電池モジュールは、設置傾斜角度25〜35度における紫外線吸収層表面への付着水滴の最大径が10mm以下であることが好ましい。より好ましくは付着水滴の最大径が7mm以下である。紫外線吸収層表面への付着水滴の最大径を10mm以下とすることで、紫外線吸収層表面に付着した水滴が相互に合体して該表面全体を濡らすことなく漏電電流を小さく抑えることができることから好ましい。設置傾斜角度25〜35度における紫外線吸収層表面への付着水滴の最大径が10mm以下とするには、紫外線吸収層表面のぬれ張力や、表面粗さの設計が重要であり、中でもぬれ張力を小さくすることが最も効果的である。
太陽電池モジュールの接着性樹脂層は、光起電力素子の凹凸を被覆し、素子を温度変化、湿度、衝撃などから保護し、かつ表面ガラスや表面保護シートおよび裏面保護シートとの接着性を確保する目的で使用される。太陽電池モジュールの接着性樹脂層としては、公知の接着性フィルムを使用することができ、例えば、上述のEVA以外に、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、エチレン・酢酸ビニル部分鹸化物、シリコーン樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。太陽電池モジュールの接着性樹脂層は、耐光性、透過性、耐湿性、経済性の点からEVAが特に好ましく用いられ、酢酸ビニル含有量が接着性樹脂層を構成する全樹脂成分に対して15〜40モル%のものが特に好ましい。太陽電池モジュールの接着性樹脂層の酢酸ビニル含有量が15〜40モル%であると、透明性が低下せず、樹脂のべたつきがなく、加工性や取り扱い性がよい。
太陽電池モジュールの接着性樹脂層には、必要に応じて、有機過酸化物などの架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等添加剤を使用することができる。また、加熱溶融時のシワの発生を軽減し、加工性を向上させるため、予めエンボス加工を施した樹脂シートを使用してもよい。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの全厚さは170〜300μmであることが好ましく、経済性の観点からより好ましくは170〜250μmである。厚さが250μmを越えると、部分放電電圧が向上するが、枚葉にカットする際の断裁性が悪くなる場合があり、さらに、加工工程でのカール影響により太陽電池素子との熱圧着作業性が悪くなる場合がある。一方、フィルムの厚さが170μm未満の場合、太陽電池素子を繋ぐ配線等が透けて見えやすくなり、外観が悪くなる場合があると共に部分放電電圧が低下するため望ましくない。また、耐候性が十分でなく光起電力素子を十分保護できない。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、加工時のシワ抑制面から150℃、30分の熱処理における収縮率は、縦方向、横方向共に1.0%以下、より好ましくは、縦方向、横方向共に0.5%以下である。
太陽電池モジュール用裏面保護シートの150℃、30分の熱処理における収縮率を、縦方向、横方向共に0.5%以下に抑える方法としては、例えば、アニール処理により事前に熱履歴を与える事により収縮させ、後工程において熱が加わるラミネートや熱圧着等の工程での収縮を防ぐ技術が知られている。
以下、再度本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図に示すものは一実施形態であり、これに限定されるものではない。
図1は太陽電池モジュール用裏面保護シートの一実施形態の例を説明する側断面図である。基材シート1の片面に紫外線吸収層2が設けられている。図2は太陽電池モジュール用裏面保護シートの別の実施形態の例を説明する側断面図である。基材シート1は2層のプラスチックフィルムである白色ポリエチレンフィルム11と耐加水分解性PETフィルム12を積層したものであり、PETフィルム12側に紫外線吸収層2を形成したものを例示した。図3は太陽電池モジュール用裏面保護シートのさらに別の実施形態の例を説明する側断面図である。基材シート1は3層のプラスチックフィルムからなり、ポリエチレンフィルム13、白色ポリエステルフィルム14、耐加水分解性PETフィルム12を積層し、PETフィルム12側に紫外線吸収層2を形成したものを例示した。図4は、太陽電池モジュールの一実施形態を説明する側断面図である。表面ガラス3、太陽電池素子4、接着性樹脂層5、および、裏面保護シート6によって構成される。外部からの光は、表面ガラス3から入射し、接着性樹脂層5を通り、太陽電池素子4に到達し、光起電力が生ずる。また、裏面保護シートに反射した光も、太陽電池素子4に到達し、光起電力が生ずる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。本発明の実施例および比較例における特性値は、以下に示す測定方法ならびに評価基準によるものである。
実施例および比較例中の接着剤は、一方の材料に、ウレタン系接着剤層(東洋モートン(株)製「AD503」10重量部に同社製イソシアネート系硬化剤「CAT−10」1重量部の混合物)を塗布、熱風循環式オーブンにより80℃で2分間乾燥し、膜厚3μmとなるよう設けて、他の構成材料と貼り合わせ積層し、40℃オーブンにて48時間硬化エージングした。
実施例および比較例中の太陽電池モジュールは、表面保護シートとしてAGCファブリテック(株)製白板ガラスを使用し、接着性樹脂層としてEVAシートであるサンビック(株)製450μmPV−FR4500Sを使用し、太陽電池セルとして多結晶シリコンを使用し、裏面保護シートとして本発明の実施例、比較例のプラスチックシートを使用した。EVAシートで太陽電池セルの列を挟み込み、これを表面保護シートと裏面保護シートとで挟持した状態で、加熱及び減圧による圧着加工を(株)エヌ・ピー・シー製真空ラミネーターLM−110×160を使用し、真空時間4分、加熱時間12分、加熱温度145℃にて、1.1m×1.4m太陽電池モジュールを作製した。作製した太陽電池モジュールは、端部をブチルゴムで封止し、アルミフレームを取り付けた。
(1)漏電電流
1.1m×1.4mの太陽電池モジュールの裏面保護シート中央部に、導電性塗料である藤倉化成(株)製「ドータイト」(登録商標)D−362を用いて5mmφ×5mmtの円柱状銅製電極を接着した。該太陽電池モジュールを水平からの傾斜角度25〜35度に設置し、裏面保護シート全面に霧吹きにより10cm×10cmあたり10mlの水を吹きかけ水滴を形成した。漏電電流の測定には、日置電気(株)製の自動絶縁耐圧試験器3153を使用し、高圧側リードのワニ口クリップを上記銅製電極と接続し、低圧側リードのプラグを太陽電池モジュールのアルミフレームにつないだ。この状態で、500V交流(50Hz)を印加し、漏電電流を測定した。なお、四辺のアルミフレームはそれぞれ電気的に独立しており、各アルミフレームと中央部銅製電極との間で測定を行い、4辺の測定値で最大の漏電電流が1.5mA以下を実用範囲とした。
(2)ぬれ張力
和光純薬(株)製ぬれ試薬を使用し、JIS K6768に準じ、フィルム表面のぬれ張力測定を実施した。綿棒をぬれ試薬に浸し、5mm×100mmの形状にぬれ試薬を約1秒で塗布し、塗布後5秒後の塗布形状にて、塗布直後と形状変化無き状態となるぬれ指数をぬれ張力とした。
(3)最大水滴直径
太陽電池モジュールを水平からの傾斜角度25〜35度に設置し、裏面保護シート側を霧吹きにより10cm×10cmあたり10mlの水を吹きかけ、水滴を形成し、水滴径を(株)ミツトヨ製デジタルノギスCD67−SPS/PMを用いて測定した。水滴形状は、円形から楕円であり、1.1mのモジュール幅方向で10cm×10cmの3つの視野を観察し、これらの中で長径として最長となる水滴径を測定値とした。
(4)紫外線劣化
促進耐候性試験機である岩崎電気(株)アイスーパーUVテスターSUV−W131を用い、照度計を使用して、60℃×50%RH雰囲気にて紫外線強度100mW/cmに調整する。本装置条件にて、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの紫外線吸収層側へ48時間紫外線照射後の紫外線吸収層側から表色系b*値の測定を行った。シートの幅方向3点のサンプリング箇所で当該加速試験と評価を行った。
(5)黄変度
米国X−rite社製の色彩色差計SP68を用いて、紫外線照射前後での紫外線吸収層のL*a*b*表示色の黄色味を示すb*値の測定により、Δb*(黄変度):{(紫外線照射後のb*)−(紫外線照射前のb*)}を測定した。幅方向3点の平均値で評価し、Δb*が1.5以下であれば黄変度が小さく実用範囲と判断した。
(6)端子ボックス接着性評価
太陽電池モジュールの紫外線吸収層に、東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコーキング剤SH780を5mm程の厚みに塗布し、オーナンバ(株)製端子ボックス(PVU−B50 125mm×58mm)を押しあて接着させる。その後、常温で1週間保管し、シリコーンコーキング剤の硬化を待つ。
1週間後に、太陽電池モジュールを1mの高さに端子ボックスが下側に向くように、水平に置く。端子ボックスへ150Nの荷重をかけ、端子ボックスの剥がれが無いことを30秒後に確認する。
評価結果は以下の判定によった。
○:全く剥がれが生じない
△:若干剥がれが生じるが、端子ボックスが落下することはなかった。
×:端子ボックスが落下した。
(7)ポリエステルフィルムの伸度保持率
JIS C2151(1996)に記載の測定方法で、幅15mm長さ150mmの試験片を用いて、チャック間の初期距離を100mmとし、300mm/分の引張速度で、フィルムの引張伸度を測定した。さらに、140℃高圧スチーム下で10時間保管後のフィルムの引張伸度を同様の方法で測定した。本評価における140℃高圧スチーム中の湿度は当該温度における飽和水蒸気圧による。
140℃高圧スチーム中に保管する前のフィルムの引張伸度に対する140℃高圧スチーム下で10時間に保管後のフィルムの引張伸度の比率から、フィルムの引張伸度保持率を求めた。評価はフィルムのMD方向、TD方向にそれぞれ3サンプルで行い、これら6サンプルの平均値で代表させた。
[実施例1]
太陽電池モジュール用裏面保護シートの基材シートとして、東レフィルム加工(株)製ポリエチレンフィルムであって、厚さ50μmで密度0.94g/cmのLLフィルム(商品名)(4801)(幅1000mm、長さ4000m)を用いた。東レ(株)製の白色ポリエステルフィルム厚さ50μmの「ルミラー」(登録商標)E20(幅1000mm、長さ4000m)を富士機械工業(株)製のフィルムコーターを用いて180℃の乾燥温度にて30秒間処理し、150℃、30分熱処理後に収縮率0.2%となるフィルムを得た。波長550nmにおける反射率は、89%であった。
140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が60%以上を保持するポリエステルフィルムとして、東レ(株)製の厚さ125μmの「ルミラー」(登録商標)X10S(幅1000mm、長さ4000m)を用い、富士機械工業(株)製のフィルムコーターを用いて、180℃の乾燥温度にて30秒間処理した。このポリエステルフィルムの150℃、30分熱処理後の収縮率は、MD0.3%、TD0.1%であった。
しかる後に「ルミラー」X10Sに以下の塗液を準備し、富士機械工業(株)製のフィルムコーターを用いてリバースキスコート方式により塗液を塗工し、120℃の乾燥温度にて乾燥後の塗工層厚み3g/mとなるように無機の紫外線吸収剤(酸化チタン)を添加した紫外線吸収層を形成した。
(1)水溶性アクリルポリオール樹脂(DIC(株)製SF帯電防止コート剤M−2)60重量部
(2)ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(DIC株式会社製SF帯電防止剤M−2硬化剤)60重量部
(3)酸化チタン(堺化学(株)製D−918(粒子径0.26μm))30重量部
(4)エマルジョン型撥水シリコーン((株)タナック製TSW831)4重量部
LLフィルム4801のコロナ処理面と熱処理を行った「ルミラー」(登録商標)E20を前述の接着剤で貼合した後に、「ルミラー」(登録商標)X10Sを、紫外線吸収層を外側になるように貼合し、40℃オーブンにて48時間硬化エージングを実施して、裏面保護シートを作製した。本裏面保護シートを使用して、太陽電池モジュールを作製した。
[実施例2]
太陽電池モジュール用裏面保護シートに使用するフィルム基材シート部材は実施例1と同様で、厚さ125μmの「ルミラー」(登録商標)X10Sを180℃の乾燥温度にて30秒間処理した後に、下記塗液を準備し、富士機械工業(株)製のフィルムコーターを用いて120℃の乾燥温度にて乾燥後の塗工層厚さ3g/m2となるように無機の紫外線吸収剤(酸化チタン)を含む紫外線吸収層を形成させる以外は、実施例1と同様とした。
(1)ポリエステルポリオール樹脂(大日精化工業(株)製「セイカボンド」(登録商標)U230)65重量部
(2)ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製「デスモジュール」(登録商標)N3300)4重量部
(3)酸化チタン(堺化学(株)製D−918(粒子径0.26μm))35重量部
(4)メチルエチルケトン 180重量部。
[実施例3]
実施例1において、エマルジョン型撥水シリコーンの添加量を2重量部とした以外は実施例1と同じ処方で紫外線吸収層を形成し、実施例1と同じ構成の太陽電池モジュール用裏面保護シートを作成した。シリコーンの添加量が少ない分、ぬれ張力44mN/mと大きくなった。
[実施例4]
実施例1において、エマルジョン型撥水シリコーンの添加量を6重量部とした以外は実施例1と同じ処方で紫外線吸収層を形成し、実施例1と同じ構成の太陽電池モジュール用裏面保護シートを作成した。ぬれ張力は38mN/mとなった。
[実施例5]
実施例1において、エマルジョン型撥水シリコーンの添加量を8重量部とした以外は実施例1と同じ処方で紫外線吸収層を形成し、実施例1と同じ構成の太陽電池モジュール用裏面保護シートを作成した。ぬれ張力は36mN/mとなった。
[実施例6]
実施例1において、エマルジョン型撥水シリコーンの添加量を10重量部とした以外は実施例1と同じ処方で紫外線吸収層を形成し、実施例1と同じ構成の太陽電池モジュール用裏面保護シートを作成した。ぬれ張力は34mN/mとなった。端子ボックスの接着評価において若干の剥がれが生じたが実用範囲内であった。
[実施例7]
実施例1において、ポリエステルフィルムX10Sのかわりに、厚さ50μmの東レフィルム加工(株)製ETFEフィルム「トヨフロン」(登録商標)50Eを用い、ETFEフィルムのコロナ処理面に紫外線吸収層を形成した以外は実施例1と同様にして裏面保護シートを作製した。本裏面保護シートを使用して、太陽電池モジュールを作製した。基材ETFEフィルムと紫外線吸収層間に若干の剥離が認められたが、実用範囲内であった。
[実施例8]
実施例1において、ポリエステルフィルムX10Sのかわりに、厚さ38μmの米国デュポン社製ポリフッ化ビニルフィルム「Tedlar」(登録商標)を用いた以外は、実施例1と同様にして裏面保護シートを作製した。本裏面保護シートを使用して、太陽電池モジュールを作製した。基材「Tedlar」フィルムと紫外線吸収層間に若干の剥離が認められたが、実用範囲内であった。
[実施例9、10]
実施例3の太陽電池モジュールを使用して、設置角度を水平から25度としたものを実施例9、35度としたものを実施例10とした。設置角度の緩い実施例9では、水滴の最大径が大きくなり、漏電電流が大きくなる傾向が認められた。
[比較例1]
太陽電池モジュール用裏面保護シートに使用する基材シート部材は実施例1と同様で、140℃高圧スチーム下で10時間保管後の引張伸度が60%以上を保持するポリエステルフィルムX10Sを180℃の乾燥温度にて30秒間処理した後に、表面コロナ処理を実施し、紫外線吸収層を塗布しなかった以外は、実施例1と同様とした。
[比較例2]
実施例1において、以下のようにエマルジョン型撥水シリコーンを添加しない処方により紫外線吸収層を形成した以外は、実施例1と同様にして裏面保護シートを作製した。本裏面保護シートを使用して、太陽電池モジュールを作製した。ぬれ張力は48mN/mとなった。
(1)水溶性アクリルポリオール樹脂(DIC(株)製SF帯電防止コート剤M−2)60重量部
(2)ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂(DIC(株)製SF帯電防止剤M−2硬化剤)60重量部
(3)酸化チタン(堺化学(株)製D−918(粒子径0.26μm))30重量部。
[比較例3]
実施例1において、エマルジョン型撥水シリコーンの添加量を15重量部とした以外は実施例1と同じ処方で紫外線吸収層を形成し、実施例1と同じ構成の太陽電池モジュール用裏面保護シートを作成した。ぬれ張力は32mN/mとなった。
[比較例4]
実施例1において、塗液組成を下記と変えた以外は、実施例1と同様にして裏面保護シートを作製した。本裏面保護シートを使用して、太陽電池モジュールを作製した。特性を表1に示す。
(1)ポリビニルアルコール樹脂(クラレ(株)製PVA―217)20重量部
(2)酸化チタン(堺化学(株)製D−918(粒子径0.26μm))50重量部
(3)水210重量部。
[評価結果]
実施例1〜10、比較例1〜4で得られた裏面保護シートに対して、前記の方法により諸特性を測定し、表1に各物性を示した。表1の評価結果から明らかなように、本発明の太陽電池用裏面保護シートは紫外線吸収層のぬれ張力が34〜44mN/mの範囲とすることで、500V交流印加時の漏電電流が1.5mA以下となり実用範囲であるとともに、端子ボックスの密着強度も十分であることが示された。
Figure 2012253203
本発明の太陽電池モジュールの裏面保護シートは、漏電電流を抑制する事により感電や火災等の安全性が向上すると共に、インバーターの漏電閾値に対してより多くのモジュール設置が可能となる為、コスト低減が可能となる。
1: 基材シート
2: 紫外線吸収層
3: 表面ガラス
4: 太陽電池セル
5: 接着性樹脂層
6: 裏面保護シート
11: 白色ポリエチレンフィルム
12: 耐加水分解性PETフィルム
13: ポリエチレンフィルム
14: 白色ポリエステルフィルム

Claims (3)

  1. 基材シートの片面に紫外線吸収層が積層され、該紫外線吸収層表面のぬれ張力がJIS K6768に準拠するぬれ試薬による評価において34〜44mN/mの範囲であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. 基材シートが少なくとも2層以上のプラスチックフィルムからなり、紫外線吸収層が形成される側のプラスチックフィルムが140℃高圧スチーム下10時間後の引張伸度保持率が60%以上であるポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. 請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートを使用した太陽電池モジュールであって、該太陽電池モジュールの設置傾斜角度25〜35度における紫外線吸収層表面への付着水滴の最大径が10mm以下であることを特徴とする太陽電池モジュール。
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