JP2012251893A - 形状計測装置、形状計測装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】形状計測装置100は、スリット光1により物体を走査する光学走査手段10と、物体からの、スリット光1の反射光による計測画像を取得する撮像手段20と、取得した計測画像を基に、物体の反射位置を算出する反射位置検出手段30と、を備え、反射位置検出手段30は、取得した計測画像を構成する複数の画素に分布する計測輝度パターンから、物体の反射位置候補座標を算出し、計測輝度パターンと、反射位置候補座標を含む比較座標範囲内において所定の分解能の間隔で用意された複数の参照輝度パターンとを比較して、計測輝度パターンとそれぞれの参照輝度パターンとのパターン類似度を算出し、パターン類似度が最も大きな参照輝度パターンが特定する座標情報から、物体の反射位置座標を求める。
【選択図】図1
Description
また、複数の画素に分布する計測輝度パターンと参照輝度パターンとの類似度を算出し、算出した類似度の大小を比較することで、物体の反射位置座標を求めることができるため、都度ガウスフィッティングを行う処理に比較して要する時間が短く、高速な計測が可能となる。
また、予め測定対象として想定される様々な物体に対応した反射特性の参照パターンセットを準備しておくことで、計測に際し、最適な参照パターンセットを選択するだけで様々な物体の精度の良い測定が可能となる。
従って、反射特性により測定対象の限定がされることのない、より精度の高い計測が可能な形状計測装置を提供することができる。
また、測定に際してパターンの比較を行う座標範囲が設定できるため、比較に要する時間を必要充分な範囲で調整することができる。具体的には、比較座標範囲の設定において、算出された反射位置候補座標の前後・周辺で比較する範囲を狭くした場合には、パターンの比較回数が減少するため、計測時間が短縮される。
また、複数の画素に分布する計測輝度パターンと参照輝度パターンとの類似度を算出し、算出した類似度の大小を比較することで、物体の反射位置座標を求めることができるため、都度ガウスフィッティングを行う処理に比較して要する時間が短く、高速な計測が可能となる。
また、予め測定対象として想定される様々な物体に対応した反射特性の参照パターンセットを準備しておくことで、計測に際し、最適な参照パターンセットを選択するだけで様々な物体の精度の良い測定が可能となる。
従って、反射特性により測定対象の限定がされることのない、より精度の高い計測が可能な形状計測装置を提供することができる。
また、測定に際してパターンの比較を行う座標範囲が設定できるため、比較に要する時間を必要充分な範囲で調整することができる。具体的には、比較座標範囲の設定において、算出された反射位置候補座標の前後・周辺で比較する範囲を狭くした場合には、パターンの比較回数が減少するため、計測時間が短縮される。
図1(a)は、実施形態1にかかる形状計測装置100の構成を示すブロック図、図1(b)は、形状計測方法を説明する斜視図である。
形状計測装置100は、非接触型の形状計測装置であり、光学走査手段10、撮像手段20、反射位置検出手段30などから構成される。光学走査手段10から照射されるスリット光1をステージ14に乗せた物体2に投影し、撮像手段20により別の角度から物体2を撮像すると、物体2の形状に合わせて変形したスリット画像が得られる。スリット光1の投影角度と、変形したスリット画像各点の観察角度などにより、幾何学的に物体2の座標を算出することができる。さらにスリット光1を物体2上で走査することで、物体2の三次元情報を得ることができる。
図2(a)は、計測画像の例を示す説明図である。図2(a)におけるX軸、Y軸は、計測画像を構成する画素の座標であり、図1(b)のXp、Ypの方向に対応している。
図2(b)において、輝線3は、画素n−4〜画素n+5の幅を持った計測輝度パターンDmとして分布している。計測輝度パターンDmは、それぞれの画素に分布する輝度情報の離散データから成る。従って、実際の物体2の反射位置は、この輝度の離散データから精度良く算出し特定することが望まれる。
物体2の表面が半透明な場合や、表面にコーティングが施されている場合などは、スリット光1の投影に対する反射は、物体2の表面からの反射だけではなく、物体2の深層(表面下)からの反射が合成される場合がある。また、例えば大理石のような物質では、表面の反射に加えて、表面下散乱(サブサーフェススキャタリング)が見られる。
図3において、分布P1は、表面からの反射による輝度分布、分布P2は、物体2の表面下からの反射のよる輝度分布を示している。実際の計測においては、これらの反射が合成された分布Pmが観測される。分布Pmのピーク点(y=y0)は、実際の反射位置に略等しい分布P1のピーク点(y=yr)との間にズレ量erがあり計測誤差の原因となり得る。このような単一のガウス分布に従わない分布を呈する物体の計測方法を以下に実施例として説明する。
1.測定の概要
本実施例による測定方法の概要を説明する。
図4(a)は、計測輝度パターンDmの例を示すグラフ、図4(b)は、計測輝度パターンDmにフィッティングさせる分布関数Pm(y)の作成例を示すグラフである。
まず、予め、物体2からの反射による輝度分布を計測し、計測輝度パターンDmを取得する。次に、一または複数のガウス関数を合成するなどして、計測輝度パターンDmにフィッティングする分布関数Pm(y)を求める。この際、分布関数Pm(y)と共に分布関数Pm(y)のピーク点y0、および物体2の反射位置yrの情報を特定しておく。物体2の反射位置yrは、合成に使用したガウス関数の中から、表面反射部分に関わるガウス関数を抽出してそのピーク値をyrとする方法や、実際に他の物理的測定を行って求めておく方法などがある。
具体的には、まず、ひとつの画素が反射位置y0と重なった場合の参照輝度パターンDs0を求め、次に反射位置y0からY軸上のプラスマイナスに必要な範囲で分解能δyずつずらして複数の参照輝度パターンDsiを生成する。それぞれの参照輝度パターンDsiは、反射位置y0からのずれ量の位置情報を持っている。
この複数の参照輝度パターンDsiは、予め、反射特性の異なる物体の種類毎に生成し、物体の種類毎に参照パターンセットPSとして記憶しておき、実際の物体の形状測定にあたって、その物体に該当する参照パターンセットPSを選択して使用するのが好ましい。
なお、本実施例では、相関値として正規化相互相関値Rを用いている。正規化相互相関(NCC:normalized cross correlation)は、平均と標準偏差とによって正規化された絶対測度であり、値が1に近く大きいほど類似性が高いことを表す。
2.準備
準備段階では、参照輝度パターンDsiを作成して参照パターンセットPSを準備する。
まず、形状の計測に先立ち、物体2の反射輝度分布を実測し反射特性を確認する。
図4(a)に、実測で得られた計測輝度パターンDmを示す。
次に、この計測輝度パターンDmの分布に略フィットする分布関数Pm(y)を作成する。分布関数Pm(y)の作成は、下記数1に示すように、複数のガウス関数を合成することにより行う。C1、C2、・・・、σ1、σ2、・・・、y1、y2、・・・の定数は、計測輝度パターンDmの分布に略フィットするように適正に設定する。
ここで得られた分布関数Pm(y)、分布関数Pm(y)のピーク点y0、反射位置yr、ズレ量er=y0−yrは、物体2専用、あるいは、物体2と同等の反射特性を示す物体群専用の参照輝度分布関数、およびこの分布における反射位置情報として外部記憶装置などに保存しておく。
参照輝度パターンDsiは、物体2を撮像して得られた計測輝度パターンDmと比較照合して相関を評価し、反射位置を特定するための位置情報を持った輝度分布データのセットである。参照輝度パターンDsiは、画素輝度パターン(参照輝度パターンDs0)とそれ以外のサブピクセル輝度パターンから成り、それぞれ生成する方法が異なる。
サブピクセル輝度パターンは、サブピクセルの分解能δyで位置検出するための参照輝度パターンDsiであり、参照輝度パターンDs0を画素nの位置を中心として画素方向にサブピクセルの分解能δyずつシフトして作成する。つまり、分布関数Pm(y)のピーク点y0を、画素nの位置から、所望の分解能δyに相当するピッチだけY方向にシフトさせて、各画素位置に対応する分布関数Pm(y)の値をデータセットとして参照輝度パターンDsiを作成する。
図6は、この様にして求めた参照輝度パターンDs−4〜Ds4(Ds0を除く)を示すグラフである。この参照輝度パターンDs−4〜Ds4のセットが、分解能δyが四分の一画素(サブピクセル)の参照パターンセットPSであり、この参照パターンセットおよびy0、yr、erの値を記憶することで準備が完了する。
図7に本実施例による形状計測のフローチャートを示す。本フローチャートに従い、形状計測の方法を具体的に説明する。
なお、形状計測装置100は、本フローチャートに従った形状計測のための制御方法を含み機能させるプログラムを備えている。
次に、物体2用に準備した参照輝度パターンDs−4〜Ds4のセットを計測における参照パターンセットPSとして選択する(ステップSA2)。また、同時に対応するy0、yr、erの値を読み出しておく。
次に、光学走査手段10とステージ14との位置を調整し、投影の基点とステージ14上の基準点との距離を求める。あるいは、予めセットした距離の位置に調整する(ステップSA3)。
次に、光学走査手段10からスリット光1を投影し(ステップSA4)、撮像手段20によってスリット画像を撮像する(ステップSA5)。その結果、例えば、図2(a)の画像が得られる。
まず、X=0として(ステップSA6)、X=0における反射位置を検出する(ステップSA7)。反射位置検出のステップSA7は、サブルーチンとして後述する。
処理が終了した場合は(ステップSA8においてYes)、光学走査範囲が終了し計測を終了して良いか確認し(ステップSA10)、終了していない場合(No)には、光学走査手段10により光学走査をインデックスして(ステップSA11)、次のスリット光1の投影処理を行う(ステップSA4)。
また、図9(a)、(b)は、計測輝度パターンDmと参照輝度パターンDsiとの関係を示すグラフである。これらの図に従い、反射位置検出の方法を具体的に説明する。
従って、反射特性により測定対象の限定がされることのない、より精度の高い計測が可能な形状計測装置を提供することができる。
次に、実施形態2に係る形状計測装置100、形状計測装置の制御方法について説明する。なお、説明にあたり、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
反射光の分布Pm′には画素nおよび画素n+1に対応する部分にノイズがあり、それぞれの画素の輝度が低下した計測輝度パターンDm′が得られている。実施形態1(実施例1)では、図9(a)に示すように、反射位置候補座標として、最大輝度を示す画素nが選択されたが、この例では、画素n+2が反射位置候補座標として選択され、参照輝度パターンDs0の最大輝度の位置が、図10に示すように、画素n+2の位置と一致するように、Y方向にシフトさせることになる。このように、反射光にノイズが含まれる場合には、反射位置候補座標は本来の位置からずれて検出される事がある。図10からも明らかなように、実際の反射位置から離れた位置で反射位置検出を行うことになる。
なお、形状計測装置100は、本フローチャートに従った形状計測のための制御方法を含み機能させるプログラムを備えている。
次に、それぞれの参照輝度パターンDs0iと計測輝度パターンDm′との相関値を計算する(ステップSC2〜SC4)。
次に、計算の結果、もっとも大きな相関値の得られた画素を反射位置候補座標とする(ステップSC5)。このようにすることで、実際の反射位置により近い画素を反射位置候補座標として選択することができる。
実施形態1では、計測輝度パターンDmと複数の参照輝度パターンDsiとの比較によって得られる相関値の最も大きな値となった参照輝度パターンDsiを特定し、この参照輝度パターンDsiの位置および付随するy0、yr、erの情報から反射位置を求めていた。これに対し、本変形例は、相関値の分布を二次関数で近似した場合に、二次関数の値が最大値を示す位置情報および付随するy0、yr、erから、物体2の反射位置座標を求めることを特徴としている。以下、具体的に説明する。
前述した反射位置検出のステップSA7(ステップSB1〜SB6)により、分解能δyずつシフトさせて正規化相互相関値Rを算出し、横軸に分解能δyのシフト量、縦軸に正規化相互相関値Rを取りプロットしている。プロットした各点を二次関数で近似して結ぶことにより、二次関数が最大値となる点が導出される。
Claims (17)
- 投射光により物体を走査する光学走査手段と、
前記物体からの、前記投射光の反射光による計測画像を取得する撮像手段と、
取得した前記計測画像を基に、前記物体の反射位置を算出する反射位置検出手段と、を備え、
前記反射位置検出手段は、取得した前記計測画像を構成する複数の画素に分布する計測輝度パターンから、前記物体の反射位置候補座標を算出し、
前記計測輝度パターンと、前記反射位置候補座標を含む比較座標範囲内において所定の分解能の間隔で用意された複数の参照輝度パターンとを比較して、前記計測輝度パターンとそれぞれの前記参照輝度パターンとのパターン類似度を算出し、
前記パターン類似度が最も大きな前記参照輝度パターンが特定する座標情報から、前記物体の反射位置座標を求めることを特徴とする形状計測装置。 - 前記複数の参照輝度パターンは、複数種類の前記物体の前記反射光の分布特性に合わせ、複数の参照パターンセットとして予め備えられ、
計測に際し、前記物体の種類に応じて、対応する前記参照パターンセットが選択できることを特徴とする請求項1に記載の形状計測装置。 - 前記分解能および前記比較座標範囲は、計測に際し、予め設定できることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形状計測装置。
- 前記分解能は、前記画素間隔以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の形状計測装置。
- 前記パターン類似度が最も大きくなる前記参照輝度パターンのピーク点を示す座標を、前記物体の反射位置座標とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の形状計測装置。
- 前記パターン類似度は、前記計測輝度パターンと前記参照輝度パターンとの正規化相互相関値であり、
前記計測輝度パターンと前記複数の参照輝度パターンとの比較によって得られる前記正規化相互相関値の分布を二次関数で近似した場合に、
前記二次関数の値が最大値を示す位置情報から、前記物体の反射位置座標を求めることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の形状計測装置。 - 前記参照輝度パターンは、画素輝度パターンとサブピクセル輝度パターンから成り、
前記画素輝度パターンは、一または複数のガウス関数が合成された関数から導出され、
前記サブピクセル輝度パターンは、前記画素輝度パターンから導出されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の形状計測装置。 - 前記参照輝度パターンは、画素輝度パターンとサブピクセル輝度パターンから成り、
前記画素輝度パターンは、前記計測輝度パターンから導出され、
前記サブピクセル輝度パターンは、前記画素輝度パターンから導出されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の形状計測装置。 - 投射光により物体を走査するステップと、
前記物体からの、前記投射光の反射光による計測画像を取得するステップと、
取得した前記計測画像を構成する複数の画素に分布する計測輝度パターンから、前記物体の反射位置候補座標を算出するステップと、
前記計測輝度パターンと、前記反射位置候補座標を含む比較座標範囲において所定の分解能の間隔で用意された複数の参照輝度パターンとを比較して、前記計測輝度パターンとそれぞれの前記参照輝度パターンとのパターン類似度を算出するステップと、
前記パターン類似度が最も大きな前記参照輝度パターンが特定する座標情報から、前記物体の反射位置座標を求めるステップと、を含むことを特徴とする形状計測装置の制御方法。 - 前記複数の参照輝度パターンを、複数種類の前記物体の前記反射光の分布特性に合わせ、複数の参照パターンセットとして予め備えるステップと、
計測に際し、前記物体の種類に応じて、対応する前記参照パターンセットを選択するステップと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の形状計測装置の制御方法。 - 前記分解能および前記比較座標範囲を、計測に際し、予め設定することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の形状計測装置の制御方法。
- 前記分解能は、前記画素間隔以下であることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか一項に記載の形状計測装置の制御方法。
- 前記パターン類似度が最も大きくなる前記参照輝度パターンのピーク点を示す座標を、前記物体の反射位置座標とすることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか一項に記載の形状計測装置の制御方法。
- 前記パターン類似度は、前記計測輝度パターンと前記参照輝度パターンとの正規化相互相関値であり、
前記計測輝度パターンと前記複数の参照輝度パターンとの比較によって得られる前記正規化相互相関値の分布を二次関数で近似した場合に、
前記二次関数の値が最大値を示す位置情報から、前記物体の反射位置座標を求めることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか一項に記載の形状計測装置の制御方法。 - 前記参照輝度パターンは、画素輝度パターンとサブピクセル輝度パターンから成り、
前記画素輝度パターンは、一または複数のガウス関数が合成された関数から導出され、
前記サブピクセル輝度パターンは、前記画素輝度パターンから導出されることを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれか一項に記載の形状計測装置の制御方法。 - 前記参照輝度パターンは、画素輝度パターンとサブピクセル輝度パターンから成り、
前記画素輝度パターンは、前記計測輝度パターンから導出され、
前記サブピクセル輝度パターンは、前記画素輝度パターンから導出されることを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれか一項に記載の形状計測装置の制御方法。 - 形状計測装置を、請求項9ないし請求項16のいずれか一項に記載の制御方法を含み機能させることを特徴とするプログラム。
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