JP2012251858A - 角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器 - Google Patents

角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】ボールベアリング寿命の兆候を事前に検出、自己診断できることによって計画的な修理交換を可能とし、十分に高い信頼性を角度検出器に付与することのできる、角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器を提供する。
【解決手段】角度検出器の軸受自己診断構造10は、軸受としてボールベアリング8、9を使用する角度検出器6における一定の構造であって、軸受9の設けられた軸受固定板1と、軸受固定板1上に設けられていて回転動作不良発生時に生じる振動を一軸検出するための加速度センサ3A等とからなる構成とする。加速度センサは二個(3A、3B)を、90度回転した配置で設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器に係り、特に、軸受にボールベアリングを使用した角度センサにおける自己診断を可能とする軸受自己診断構造等に関するものである。
回転部品や電動機における異常有無の診断や異常部位の特定については、従来から技術的提案がなされている。たとえば後掲特許文献1に開示されている技術は、機械設備中の回転部品・減速機や電動機あるいは風車における異常有無診断等の精度を高めるために、転がり軸受から運転中に発生する振動を加速度センサで検出しデジタル信号に変換してエンベロープ分析・周波数分析を行い周波数スペクトルのレベルを求め、異常部位に起因する振動の異常周波数を所定の関係式に基づいて算出し、対応する周波数スペクトルのレベルを抽出し、予め設定されたしきい値と比較照合するというものである。
また特許文献2に開示されている技術は、誘導電動機の軸受診断装置として、ころがり軸受の振動を検出する加速度センサ、振動信号を原音声信号に変換するPCカード、原音声信号ならびに診断情報を共通の診断データファイルに記録する記録手段、診断機能および原音声信号に基づき振動音を出力する振動音出力機能を備えた構成を提案するものである。
特開2009−20090号公報「異常診断装置、及び異常診断方法」 特開2003−149090号公報「回転機の軸受診断装置」
さてこのように、回転部品や電動機の転がり軸受の異常診断を行うための技術は従来開示されているが、より高い精度での動作が要求される角度検出器において利用可能な技術は、未だに提案されていない。すなわち、ボールベアリングを軸受に用いた角度センサにおいて、ボールベアリングの劣化や異物混入による回転動作不良が発生しても、定期的な保守点検時にしか発見することができない。
ボールベアリングを内蔵した機器の使用において、ボールベアリングがその寿命限界を超てしまい、設備稼働中に機器が突発的に故障して稼働停止することはリスクが大きい。このような突発的な故障は現に発生しており、決して希なことではない。殊に鉄鋼業界や原子力関連など、産業分野によっては、極めて高い信頼性を備えた角度検出器が必要とされる。
そこで本発明が解決しようとする課題は、ボールベアリング寿命の兆候を事前に検出、自己診断できることによって計画的な修理交換を可能とし、十分に高い信頼性を角度検出器に付与することのできる、角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、角度検出器内に振動を検出する加速度センサを内蔵し、ボールベアリングが回転動作不良時に発生する振動を検出することによって課題を解決できることに想到し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
(1) 軸受としてボールベアリングを使用する角度検出器における軸受自己診断構造であって、該軸受の設けられた軸受固定板と、該軸受固定板上に設けられていて回転動作不良発生時に生じる振動を一軸検出するための加速度センサとからなることを特徴とする、角度検出器の軸受自己診断構造。
(2) 前記加速度センサは二個以上設けられていることを特徴とする、(1)に記載の角度検出器の軸受自己診断構造。
(3) 前記加速度センサは三個以上設けられており、これにより軸受の立体的な動作不良を検出可能であることを特徴とする、(1)に記載の角度検出器の軸受自己診断構造。
(4) 軸受としてボールベアリングを使用する角度検出器において回転動作不良が発生した際に生じる振動を検出することのできる加速度センサが設けられている、軸受診断用センサ付き角度検出器。
(5) 前記加速度センサは前記軸受の設けられた軸受固定板上に二個以上設けられていることを特徴とする、(4)に記載の軸受診断用センサ付き角度検出器。
(6) 前記加速度センサは前記軸受の設けられた軸受固定板上に三個以上設けられており、これにより軸受の立体的な動作不良を検出可能であることを特徴とする、(4)に記載の軸受診断用センサ付き角度検出器。
本発明の角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器は上述のように構成されるため、これによれば、ボールベアリングの寿命(劣化)の兆候を事前に検出して、角度検出器自体において、異常発生の有無を自己診断することができる。これによって、軸受の計画的な修理交換が可能となり、十分に高い信頼性を角度検出器の信頼性を十分に高くすることができる。そして、角度検出器の設置された装置や設備における突発的な故障発生を有効に防止することができ、装置や設備を安全に、かつ安定した状態で稼働することができる。
本発明の角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器において、設ける加速度センサを特に二個以上とすることによって、回転動作する軸受における360度の全ての範囲内での異常動作を検出することができる。したがって、いわゆるゴロツキなどの異常動作も、問題なく検出可能である。さらに本発明において、設ける加速度センサを三個、あるいはそれ以上とすることによって、軸受の立体的な動作不良を検出することができ、異常動作検出・自己診断の精度・性能をさらに高めることができる。
本発明の角度検出器の軸受自己診断構造の構成例を示す断面図である。 図1に示す軸受自己診断構造の要部平面図である。 本発明の角度検出器の軸受自己診断構造の別の構成例を示す断面図である。 図3に示す軸受自己診断構造の要部平面図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の角度検出器の軸受自己診断構造の構成例を示す断面図である。また、図2は、図1に示す軸受自己診断構造の要部平面図である。これらに図示するように、本発明の角度検出器の軸受自己診断構造10は、軸受としてボールベアリング8、9を使用する角度検出器6における一定の構造であって、軸受9の設けられた軸受固定板1と、軸受固定板1上に設けられていて回転動作不良発生時に生じる振動を一軸検出するための加速度センサ3A等とからなることを、基本的な構成とする。加速度センサは二個以上設けることとする。図では、加速度センサ3A、3Bの二個が設けられた例を示している。
また、軸受9の設けられた軸受固定板1上には、載置基板2が固定部4によって固定され、載置基板2上に加速度センサ3A等が設けられる。載置基板2は、軸受固定板1に対して平行に設けるようにすることが望ましい。固定部4は、図では支柱形態のものが三個用いられている構成であるが、固定部の具体的な形態や使用個数はこれに限定されない。要するに、軸受9、8において回転動作不良発生時に生じる振動を十分な感度で載置基板2上の加速度センサ3A等に伝達できる構成であればよい。
本発明に係る加速度センサ3A等は、1軸の前後方向の加速度を検出(1軸検出)するセンサであるが、軸受異常動作を検出するためには、かかる加速度センサが二個必要である。もし、加速度センサの搭載が一個の場合は、1軸上の加速度の検出、すなわち一定の一直線上の前後における振動の検出がなされる。しかし、軸受は回転動作し、ゴロツキなどの異常動作は360度の全ての範囲で起こり得るため、1軸分の加速度センサだけでは検出不可能な範囲が生じ得る。したがって、図1、2に示すように本発明においては、加速度センサを最低二個(図では3A、3B)設けることとする。
かかる構成により本発明の軸受自己診断構造10においては、軸受8または9において回転動作不良が生じると、それにより生じる振動が軸受固定板1、固定部4、載置基板2へと伝達され、載置基板2上の加速度センサ3A等により検出される。かかる振動の検出はすなわち、軸受8または9における回転動作不良を示すものであり、装置の一時停止とその後の軸受8等の交換・修理を促すものであり、これにより軸受自己診断が遂行される。
このようにして、従来は発生してから発見されることが多かったボールベアリングの故障を、そのわずかな兆候が出た早期段階で発見することができ、角度検出器6が設けられた装置・設備における突発的な故障や長期的な稼働停止を、有効かつ確実に防止することができる。
図示するように、二個の加速度センサ3A、3Bを設けることとする場合、各加速度センサ3A、3Bは相互に90度回転した配置とすればよい。これにより、二個設ける場合としては最大限、軸受8、9の回転動作不良による振動検出範囲を、精度良くカバーすることができる。
図3は、本発明の角度検出器の軸受自己診断構造の別の構成例を示す断面図である。また、図4は、図3に示す軸受自己診断構造の要部平面図である。これらに図示するように、本発明の角度検出器の軸受自己診断構造210は、軸受としてボールベアリング28、29を使用する角度検出器26における一定の構造であって、軸受29の設けられた軸受固定板21と、軸受固定板21上に設けられていて回転動作不良発生時に生じる振動を一軸検出するための加速度センサ23A等とからなることを、基本的な構成とする。加速度センサは三個以上設けることとする。図では、加速度センサ23A、23Bおよび23Cの三個が設けられた例を示している。
かかる構成により本例の軸受自己診断構造210においては、二個の加速度センサを用いる場合の軸受28または29における360度範囲での振動検出に加え、立体的な動作不良をも振動として検出することが可能であり、異常発生有無の自己診断構造としては、さらに高精度・高性能の検出・診断機能を実現することができる。なお、加速度センサを四個以上設けてもよいが、実際上図示するように三個(23A、23B、23C)設けることにより、上記立体的動作不良も含めた十分な振動検出・異常動作有無の自己診断機能を発揮することができる。
なお図示するように、三個目の加速度センサ23Cは、他の二個23A、23Bいずれとも直交する姿勢、つまりこれら二個のセンサ23A、23Bが配置された面から見て90度回転させた配置にて、載置基板22上に取り付けることが望ましい。かかる配置によって、最大限、軸受28、29の回転動作不良による振動検出範囲を、立体的なものも含めて精度良くカバーすることができるからである。
以上、本発明の軸受自己診断構造について説明した各図において、回転動作不良が発生した際に生じる振動を検出することのできる加速度センサ3A等が設けられた、軸受診断用センサ付き角度検出器6等もまた、本発明の範囲内である。加速度センサ3A等は、軸受9等の設けられた軸受固定板1等上に二個以上設けるべきこと、また三個設けることによって、立体的なものも含めた軸受の動作不良を十分に検出可能であることは、上述のとおりである。
本発明の角度検出器の軸受自己診断構造および軸受診断用センサ付き角度検出器によれば、ボールベアリングの寿命(劣化)の兆候を事前に検出して、異常発生の有無を自己診断することができ、角度検出器の信頼性を十分に高め、角度検出器の設置された装置や設備における突発的な故障発生を有効に防止し、安全かつ安定した状態で稼働することができる。したがって、角度検出器製造・利用の全分野および関連する分野において、産業上利用性が高い発明である。
1、21…軸受固定板
2、22…載置基板
3A、3B、23A、23B、23C…加速度センサ
4、24…固定部
5、25…回転軸
6、26…角度検出器
8、9、28、29…軸受(ボールベアリング)
10、210…軸受自己診断構造


Claims (6)

  1. 軸受としてボールベアリングを使用する角度検出器における軸受自己診断構造であって、該軸受の設けられた軸受固定板と、該軸受固定板上に設けられていて回転動作不良発生時に生じる振動を一軸検出するための加速度センサとからなることを特徴とする、角度検出器の軸受自己診断構造。
  2. 前記加速度センサは二個以上設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の角度検出器の軸受自己診断構造。
  3. 前記加速度センサは三個以上設けられており、これにより軸受の立体的な動作不良を検出可能であることを特徴とする、請求項1に記載の角度検出器の軸受自己診断構造。
  4. 軸受としてボールベアリングを使用する角度検出器において回転動作不良が発生した際に生じる振動を検出することのできる加速度センサが設けられている、軸受診断用センサ付き角度検出器。
  5. 前記加速度センサは前記軸受の設けられた軸受固定板上に二個以上設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の軸受診断用センサ付き角度検出器。
  6. 前記加速度センサは前記軸受の設けられた軸受固定板上に三個以上設けられており、これにより軸受の立体的な動作不良を検出可能であることを特徴とする、請求項4に記載の軸受診断用センサ付き角度検出器。




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