JP2012251599A - 摩擦車式無段変速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルクカムからなる押圧装置は、ボールに作用する遠心力が円弧面のカム溝に作用するため、接触角が変化して正確に設定することが困難である。
【解決手段】カム溝26,27又は29,30におけるボール28又は31が接触する外周面26b,27b又は30bを直線形状とする。上記外周面26b,27bが所定傾斜角なるトルクカム15は、遠心力に基づき設定された軸力を発生し、上記外周面30bが軸線と平行なトルクカム20は、遠心力に基づく軸力が0となる。
【選択図】図4
【解決手段】カム溝26,27又は29,30におけるボール28又は31が接触する外周面26b,27b又は30bを直線形状とする。上記外周面26b,27bが所定傾斜角なるトルクカム15は、遠心力に基づき設定された軸力を発生し、上記外周面30bが軸線と平行なトルクカム20は、遠心力に基づく軸力が0となる。
【選択図】図4
Description
本発明は、入力側摩擦車と出力側摩擦車との間にオイルを介在して摩擦部材を接触し、該接触位置を変更することにより入力軸と出力軸との間の回転を無段に変速する摩擦車式無段変速装置に係り、好ましくは平行な軸線上に配置された入力軸及び出力軸にそれぞれ円錐形状の摩擦車(コーン)を配置し、軸方向移動可能に配置したリングを介して入力側及び出力側摩擦車の間で回転を伝達する円錐摩擦車リング式無段変速装置に用いて好適であり、詳しくは、コーン等の摩擦車に軸方向の軸力を付与して、リング等の摩擦部材との間にトラクション力を得る押圧装置に関する。
従来、それぞれ円錐形からなる2個の摩擦車(プライマリコーン、セカンダリコーン)の間に、プライマリコーンを取り囲む形で鋼製のリングを介在し、プライマリコーンからリングを介してセカンダリコーンに動力伝達し、かつ上記リングを軸方向に移動することにより該リングが上記2個のコーンの接触位置を変更して、無段変速する円錐摩擦車リング式無段変速装置が知られている。
上記円錐摩擦車リング式無段変速装置の押圧装置として、下記特許文献1に記載のものが提案されている。該押圧装置は、セカンダリコーンとセカンダリシャフトとの間に配置されるトルクカムを基本構成として、3段階の軸力特性を実現している。該トルクカムは、セカンダリコーン及びセカンダリシャフト側にそれぞれ形成されたカム溝と、これら両カム溝に挟持されるボールからなり、セカンダリコーンとセカンダリシャフトの相対回転方向のトルクに応じた軸力をセカンダリコーンに付与して、軸方向に移動不能に支持されているプライマリコーン及び上記軸力を付与されたセカンダリコーンとリングとの間にトラクション力を保持して、上記無段変速を行う。
上記トルクカムのカム溝は、径方向断面(軸線を含む平面での断面)において、前記ボールはボール径より僅かに大きな半径の円弧面により構成されており、ボールに作用する遠心力によりボールが径方向に移動すると、ボールとカム溝との接触角が変化する。このため、上記セカンダリシャフトに作用するトルクによる軸力の外に、セカンダリコーンの回転数に基づく遠心力により上記軸力が変化するが、該遠心力による軸力は、上記ボールとカム溝との接触角が変化するため、正確に設定することが困難であって、押圧装置の設計を面倒にしている。
そこで、本発明は、上記ボールに作用する遠心力による軸力を容易に把握し得るように構成し、もって上述した課題を解決した摩擦車式無段変速装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、互いに平行な軸線上に配置された入力軸(4)及び出力軸(11)と、前記入力軸(4)に駆動連結される入力側摩擦車(2)と、前記出力軸(11)に駆動連結される出力側摩擦車(10)と、前記入力側摩擦車(2)及び出力側摩擦車(11)にオイル環境下で圧接してこれら両摩擦車との間で動力伝達する摩擦部材(3)と、を備え、前記摩擦部材(3)を、前記入力側摩擦車(2)及び出力側摩擦車(11)との接触位置を変更することにより前記入力軸(4)及び出力軸(11)との間の回転を無段に変速する摩擦車式無段変速装置(1)において、
前記入力軸(4)と前記入力側摩擦車(2)、又は前記出力側摩擦車(10)と前記出力軸(11)の間に配置され、前記入力側摩擦車(2)及び前記出力側摩擦車(10)と前記摩擦部材(3)とを圧接する軸力を付与する押圧装置(12)を備え、
前記押圧装置(12)は、前記出力軸(11)又は入力軸(4)に固定されたフランジ部(19)と、前記出力軸(11)又は入力軸(4)と相対的に回転可能で軸方向に移動自在な出力側摩擦車(10)又は入力側摩擦車(2)に回転不能で軸方向に拘束されている部位(14,10)とに、それぞれ対向するように形成されたカム溝(26,27)(29,30)と、これら両カム溝の間に挟持されたボール(28)(31)と、を有するトルクカム(15)(20,202)からなり、
前記ボールの外径側が接触する前記カム溝の外周面(26b,27b)(29b,30b)は、前記軸線(l−l)を含む平面による断面において直線形状からなる、
ことを特徴とする摩擦車式無段変速装置にある。
前記入力軸(4)と前記入力側摩擦車(2)、又は前記出力側摩擦車(10)と前記出力軸(11)の間に配置され、前記入力側摩擦車(2)及び前記出力側摩擦車(10)と前記摩擦部材(3)とを圧接する軸力を付与する押圧装置(12)を備え、
前記押圧装置(12)は、前記出力軸(11)又は入力軸(4)に固定されたフランジ部(19)と、前記出力軸(11)又は入力軸(4)と相対的に回転可能で軸方向に移動自在な出力側摩擦車(10)又は入力側摩擦車(2)に回転不能で軸方向に拘束されている部位(14,10)とに、それぞれ対向するように形成されたカム溝(26,27)(29,30)と、これら両カム溝の間に挟持されたボール(28)(31)と、を有するトルクカム(15)(20,202)からなり、
前記ボールの外径側が接触する前記カム溝の外周面(26b,27b)(29b,30b)は、前記軸線(l−l)を含む平面による断面において直線形状からなる、
ことを特徴とする摩擦車式無段変速装置にある。
なお、上記互いに平行な軸線とは、同一軸線も含む。
例えば図2の第1及び第2トルクカム(15)(20)を参照して、前記カム溝(26,27)(29,30)の外周面(26b,27b)(29b,30b)の直線形状は、前記軸線(l−l)に直交する線(v)に対して所定傾斜角(γ)を有し、
前記ボール(28,31)が前記カム溝の外周面に接触する点を含む前記断面において、前記ボールは、該ボールに前記カム溝からトルクを作用する該カム溝の背面(26a,27a)(29b,30b)との間に所定間隙(d,d)を存してなる。
前記ボール(28,31)が前記カム溝の外周面に接触する点を含む前記断面において、前記ボールは、該ボールに前記カム溝からトルクを作用する該カム溝の背面(26a,27a)(29b,30b)との間に所定間隙(d,d)を存してなる。
例えば図4の第2トルクカム(202)を参照して、前記両カム溝(29,30)は、溝の深さが異なり、前記ボール(31)の外径側が接触する側の前記カム溝(30)の外周面(30b)は、前記断面において、前記軸線(l−l)と平行な直線形状からなる。
例えば図2又は図4を参照して、前記押圧装置(12)は、トルクの伝達経路に対して並列に配置された第1トルクカム(15)と第2トルクカム(20)(202)を有し、
前記第1トルクカム(15)は、前記出力側摩擦車(10)に回転方向一体でかつ軸方向にスプリング(13)を介して拘束されている受圧部材(14)に形成された前記カム溝(27)と、前記出力軸(11)に固定された前記フランジ部(19)に形成された前記カム溝(27)と、これら両カム溝の間に挟持されたボール(28)と、を有する前記トルクカムであり、伝達トルクが所定値より小さな領域において該伝達トルクが経由され、該伝達トルクに応じた軸力を発生し、
前記第2トルクカムは、前記出力側摩擦車(10)に形成された前記カム溝(29)と、前記出力軸(11)に固定された前記フランジ部(19)に形成された前記カム溝(30)と、これら両カム溝の間に挟持されたボール(31)と、を有する前記トルクカムであり、伝達トルクが前記所定値より大きな領域において該伝達トルクが経由され、該伝達トルクに応じた軸力を発生してなる。
前記第1トルクカム(15)は、前記出力側摩擦車(10)に回転方向一体でかつ軸方向にスプリング(13)を介して拘束されている受圧部材(14)に形成された前記カム溝(27)と、前記出力軸(11)に固定された前記フランジ部(19)に形成された前記カム溝(27)と、これら両カム溝の間に挟持されたボール(28)と、を有する前記トルクカムであり、伝達トルクが所定値より小さな領域において該伝達トルクが経由され、該伝達トルクに応じた軸力を発生し、
前記第2トルクカムは、前記出力側摩擦車(10)に形成された前記カム溝(29)と、前記出力軸(11)に固定された前記フランジ部(19)に形成された前記カム溝(30)と、これら両カム溝の間に挟持されたボール(31)と、を有する前記トルクカムであり、伝達トルクが前記所定値より大きな領域において該伝達トルクが経由され、該伝達トルクに応じた軸力を発生してなる。
例えば図1を参照して、前記入力側摩擦車(2)及び出力側摩擦車(10)は、径大部と径小部とが軸方向逆になるように配置された円錐形摩擦車であり、
前記摩擦部材(3)は、前記入力側摩擦車及び出力側摩擦車のいずれか一方(2)を囲むようにして前記両円錐形摩擦車(2,10)の対向する傾斜面に挟持されて、軸方向移動可能なリングであり、
前記オイルは、前記摩擦車式無段変速装置を収納するケース(5)内に封入されたトラクション用オイルである。
前記摩擦部材(3)は、前記入力側摩擦車及び出力側摩擦車のいずれか一方(2)を囲むようにして前記両円錐形摩擦車(2,10)の対向する傾斜面に挟持されて、軸方向移動可能なリングであり、
前記オイルは、前記摩擦車式無段変速装置を収納するケース(5)内に封入されたトラクション用オイルである。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、トルクカムのカム溝におけるボールの外径側が接触する外周面は、軸線を含む平面による断面において直線形状からなるので、ボールに作用する遠心力に基づく軸力を正確かつ容易に設定することができ、伝達トルクに限らず、遠心力をも考慮して軸力を正確に設定した押圧装置を容易に設計することができる。
請求項2に係る本発明によると、上記カム溝外周面の直線形状を、軸線に直交する線に対する所定傾斜角としたので、押圧装置は、該押圧装置を配置した出力側摩擦車又は入力側摩擦車の回転数に応じた軸力を発生することができる。
請求項3に係る本発明によると、上記カム溝のボールの外径側が接触するカム溝の外周面を、上記軸線と平行な直線形状としたので、ボールに作用する遠心力に基づく軸力を0[N]として、該遠心力による外乱を排除して伝達トルクに応じた正確な軸力を発生する押圧装置を得ることができる。
請求項4に係る本発明によると、押圧装置は、第1及び第2トルクカムを用いて、伝達トルクに対応する軸力を機械的に発生し、油圧を用いる押圧装置に比してエネルギ消費の少ないものでありながら、2個のトルクカムは、伝達経路に並列に配置され、伝達トルクが所定値より小さい領域では、専ら第1トルクカム経由でトルクが伝達されて、上記所定値より大きい領域では、第2トルクカムが伝達トルクを分担して、第1及び第2トルクカムは、それぞれ異なる伝達トルク領域で機能して軸力を発生し、かつ上記第1及び第2トルクカムは、それぞれにボールに作用する遠心力も考慮して軸力を適宜設定することができるので、摩擦車式無段変速装置が必要とする軸力を、各変速域及び各負荷トルクに合せて適正に設定することが可能となり、摩擦車式無段変速装置による確実で信頼性の高い無段変速を可能とし、また過大な軸力を付与することがなく、動力伝達に際してのエネルギロスを減少して伝動効率を向上し、かつ摩擦車式無段変速装置の長寿命化を可能とすると共に、軸力を担持する軸受及びケース等の部品を小型化、軽量化してコンパクト性を向上することができる。
請求項5に係る本発明によると、摩擦車式無段変速装置として、円錐摩擦車及び両円錐摩擦車の対向する傾斜面に挟持されるリングからなる円錐摩擦車リング(コーンリング)式無段変速装置を適用したので、前記押圧装置によりリングと円錐摩擦車との間のトラクション力を保持して、正確で確実な無段変速を素早い応答で行うことができ、自動車のトランスミッションとして最適である。
自動車等の車輌に搭載される無段変速機Uは、図1に示すように、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータや多板湿式クラッチ等の発進装置T、前後進切換え装置32、本発明に係る円錐摩擦車リング式無段変速装置1、及びディファレンシャル装置33からなり、これら各装置がケースに組み込まれて構成される。前記円錐摩擦車リング式無段変速装置1は、油密状のケース5内に収納されており、該ケース5内にはトラクション用オイルが封入されて、オイル溜り8となっている。
エンジンEによって発生した動力は、発進装置T、該発進装置Tの動力伝達経路下流側に配置される前後進切換え装置32を介して円錐摩擦車リング式無段変速装置1の入力軸(軸)4へ動力伝達され、円錐摩擦車リング式無段変速装置1によって無段変速され、セカンダリシャフト(出力軸)11へ出力される。さらに、該セカンダリシャフト11に設けられたセカンダリギヤ36及びそれと噛合するマウントギヤ34によりディファレンシャル装置33へ動力伝達され、左右の駆動輪35,35に出力される。
なお、本無段変速機Uは、円錐摩擦車リング式無段変速装置1を適用した一例として示すもので、これに限らず、エンジン及びモータを駆動源とするハイブリッド駆動装置等の他の装置に適用してもよい。また、上記円錐摩擦車リング式無段変速装置は、摩擦車式無段変速装置の一例として代表して示すものであり、リングを両円錐摩擦車を囲むように配置したリングコーン式無段変速装置、その外、トロイダル式無段変速装置等、入力側摩擦車と出力側摩擦車との間にオイルを介在して摩擦部材を接触し、該接触位置を変更することにより入力軸と出力軸との間の回転を無段に変速する摩擦車式無段変速装置に適用可能である。また、本摩擦車式無段変速装置1は、トラクション用オイルに一部浸されており、接触部分に掻上げ等により上記トラクション用オイルが介在しており、該オイルの剪断力を介して動力伝達される。なお、上記接触部へのオイルの供給は、掻上げ式に限らず、オイルポンプにより供給する強制式でもよい。
上記円錐摩擦車リング式無段変速装置1は、入力側摩擦車であるプライマリコーン(円錐形摩擦車)2と、出力側摩擦車であるセカンダリコーン(円錐形摩擦車)10と、プライマリコーン2及びセカンダリコーン10との間に介在する摩擦部材であるリング3と、上記プライマリコーン2及びセカンダリコーン10とリング3との間に挟圧力を付与するための軸力を発生する押圧装置12と、によって構成されている。前記プライマリコーン2及びセカンダリコーン10を支持するプライマリシャフト(入力軸)4及びセカンダリシャフト(出力軸)11は、互いに平行な軸線上に配置されている。
プライマリコーン2は、前後進切換え装置32と連結しているプライマリシャフト(入力軸)4に一体に連結されていると共にケース5に回転自在に支持されており、一定の傾斜角を有した円錐形状をしている。また、該プライマリコーン2には、鋼製のリング3がその外周を取り囲むようにしてセカンダリコーン10との間に配置されており、該リング3は、両コーン2,10の対向する傾斜面に挟持されて、軸方向に移動することにより接触部を変更して無段変速がなされる。
セカンダリコーン10は、プライマリコーン2と同じ傾斜角を有した円錐中空形状をしており、プライマリシャフト4と平行に設けられたセカンダリシャフト11(出力軸)に、プライマリコーン2とは径大部と径小部とが軸方向逆向きに嵌挿されて、ケース5にベアリング37,38により回転自在に支持されている。そして、セカンダリコーン10は、セカンダリシャフト11と相対的に回転可能でかつ軸方向に移動自在となっており、上記セカンダリコーン10とセカンダリシャフト11との間に本発明に係る押圧装置12が介在されている。
上記押圧装置12は、図2に示すように、セカンダリコーン10の中空部内に配置されており、セカンダリシャフト11(該シャフトに連結するスプライン貫通孔19eを示す)に対して固定されるフランジ部19と、受圧部材14と、スプリング13と、受圧部材14及びフランジ部19の間に配置された第1トルクカム15と、セカンダリコーン10及びフランジ部19の間に配置された第2トルクカム20とによって構成されている。
上記フランジ部19は、段付きのフランジ状に形成された部材で、セカンダリシャフト11とスプライン19eによって相対回転不能に配置されると共に、段差部19fによってセカンダリシャフト11に対して軸方向(X2方向)への移動が規制されている。即ち、詳しくは後述する第1及び第2トルクカム15,20によってセカンダリコーン10から離れる方向(X2方向)に力を受けるフランジ部19は、セカンダリシャフト11に対して固定されている。また、セカンダリシャフト11は、ケース5に対して円錐コロ軸受け39(図1参照)により回転自在、かつ軸方向、特にセカンダリコーン10から離れる方向(X2方向)のスラスト力を担持して一体に支持されている。さらに、セカンダリシャフト11は、段差部とスナップリング25によってセカンダリコーン10に対して軸方向移動が規制された支持部材24を嵌挿している。なお、押圧装置12は、入力側摩擦車2と入力軸4との間に配置されてもよい。
上記受圧部材14は、セカンダリコーン10の小径側(X1方向側)の内周面において、セカンダリコーン10に対してスプラインgによって相対回転不能かつ軸方向移動可能に配置されている。また、上記スプリング13は、上記受圧部材14と上記セカンダリコーン10の間に縮設されており、軸方向(X1−X2方向)に複数枚並べて配置された皿ばね13aとその間に配置された所定肉厚のシム13bからなり、厚さの異なるシム13bを介在することによりスプリング13の長さを調整し得る。即ち、セカンダリシャフト11に対して段差部19fにて軸方向移動が規制されると共にスプライン19eにより相対回転を阻止されて固定されているフランジ部19と、セカンダリコーン10の段差部10aとの間に、前記第1トルクカム15、受圧部材14、スプリング13は、軸方向に直列状に配置されている。
上記受圧部材14は、セカンダリコーン10とスプラインgにより一体に回転するように連結され、かつスプリング13を介してセカンダリコーン10と軸方向に拘束されて連結されている。なお、スプリング13は、皿ばねが望ましいが、例えばコイルスプリングであってもよく、つまりセカンダリコーン10に予圧を付与し得るスプリングであればどのようなスプリングであってもよい。
上記第1トルクカム15は、上記受圧部材14と上記フランジ部19との対向する部分にそれぞれ形成されたカム溝26,27と、これらカム溝26,27の間に挟持されてそれぞれ配置された複数の第1ボール28と、で構成されている。前記カム溝26,27は、それぞれ軸線方向に凹凸する波状の背面26a,27aを有すると共に、前記ボール28の外径側が接触する外周面26b,27bは、前記軸線l−lを含む平面による断面(図2参照)において直線形状からなる。図2に示す実施の形態にあっては、上記直線形状が、軸線l−lに直交する線vに対して所定傾斜角(0°及び90°を含まない)γからなり、該角度γからなる外周面26b,27bは、鏡面対称にて受圧部材14側のカム溝26及びフランジ部19側のカム溝27に形成されている。セカンダリコーン10の内周先端側(X1方向側)から、スプリング13、受圧部材14のカム溝26、第1ボール28、及びフランジ部19のカム溝27は、軸方向に直列状に配置されている。
そして、上記カム溝26,27の間に配置される複数の第1ボール18を有する第1トルクカム15は、受圧部材14とフランジ部19との相対回転により一方の部材に対して他方の部材が軸方向に沿って互いが離反する方向に移動するように構成されている。即ち、上述のようにフランジ部19のX2方向への移動は規制されており、受圧部材14がX1方向側に移動し、スプリング13を圧縮するように構成されている。
上記第2トルクカム20は、上記セカンダリコーン10とフランジ部19とが対向した対向部にそれぞれ形成されたカム溝29及び30と、これら両カム溝の間に挟持されてそれぞれ配置された複数の第2ボール31と、で構成されている。上記1対のカム溝29,30は、それぞれ軸線方向に凹凸する波状の背面29a,30aを有しており、これら背面形状は、周方向に延びる長溝形状からなり、これらカム溝29,30の所定回転量では第2ボール31がカム対の底面を遊転する所定遊びlを形成している(図3参照)。第2トルクカム20は、上記第1トルクカム15よりも外周側に配置されており、これら第1トルクカム15及び第2トルクカム20は、トルク伝達経路に対して並列して配置されている。
前記ボール31の外径側が接触する前記両カム溝29,30の外周面29b,30bは、前記軸線l−lを含む平面による断面において直線形状からなる。本図2に示す実施の形態にあっては、第1トルクカム15と同様に、上記直線形状が、軸線l−lに直交する線vに対して所定傾斜角γからなり、該角度γからなる外周面29b,30bは、鏡面対称にてセカンダリコーン10側のカム溝29及びフランジ部19側のカム溝30に形成されている。
そして、上記第2トルクカム20は、セカンダリコーン10とフランジ部19との上記所定遊びを越えた相対回転により一方の部材に対して他方の部材が軸方向に沿って互いが離反する方向に移動するように構成されている。即ち、上述のようにフランジ部19のX2方向への移動は規制されており、セカンダリコーン10がX1方向側に押圧されるように構成されている。なお、第1トルクカム15の一方のカム溝26が形成されている受圧部材14は、セカンダリコーン10と回転方向一体にかつスプリング13により軸方向が拘束され、第2トルクカム20の一方のカム溝29は、セカンダリコーン10に直接形成されているが、第1及び第2トルクカム15,20の上記カム溝26,29は、出力側摩擦車であるセカンダリコーン10に回転不能で軸方向に拘束されている部位である点で同一であり、かつトルクカム15,20の軸力をセカンダリコーン10に作用する機能において同一である。
上記第1トルクカム15及び第2トルクカム20の両カム溝26,27、29,30は、ボール28,31が上記外周面26b,27b、29b,30bに当接している点を含む上記軸線平面の断面にあっては、それぞれボールと背面26a,27a、29a,30aとの間に所定間隙d,dを存している。従って、第1トルクカム15又は第2トルクカム20は、出力軸(セカンダリシャフト)11に作用するトルクに応じた軸力が、上記各カム溝26,27又は29,30の互いに周方向にズレた背面26a,27a又は29a,30aにより発生すると共に、セカンダリシャフト11の回転数に応じた各ボール28,30の遠心力に基づく軸力が、上記カム溝の外周面26b,27b又は29b、30bにより発生する。
図3に示すように、第1トルクカム15は、セカンダリコーン10からセカンダリシャフト11(と一体のフランジ部19)に作用する出力トルクに応じて直ちに軸力を発生するが、第2トルクカム20は、セカンダリコーン10とセカンダリシャフト11との間に所定相対回転(遊び)をした後、出力トルクに応じた軸力を発生する。また、第2トルクカム20のカム角度εが第1トルクカム15のカム角度δより大きく設定されている。なお、図3の各トルクカム15,20のカム溝は、周方向で断面した展開図である。
以上のように構成された押圧装置12は、まず、スプリング13が軸方向に固定されているセカンダリシャフト11に対してセカンダリコーン10をX1方向側に常時(つまり、円錐摩擦車リング式無段変速装置1による動力伝達が行われない非作動時でも)付勢することで、リング3をプライマリコーン2及びセカンダリコーン10に押付ける(圧接させる)軸力の予圧として作用する(第1段階)。
次に、押圧装置12は、セカンダリコーン10からセカンダリシャフト11にトルクが伝達される作動時となる際に、セカンダリシャフト11に作用する負荷トルクに対応して(順じて)第1トルクカム15が相対回転する。該第1トルクカム15の相対回転に基づき、軸方向に固定されているセカンダリシャフト11(フランジ部19)に対してセカンダリコーン10(受圧部材14)は、該負荷トルクに対して軸力の増加率の大きいX1方向の軸力が付与される(第2段階)。
このとき、プライマリコーン2から伝達されたトルクは、セカンダリコーン10、受圧部材14、第1トルクカム15、及びフランジ部19を介してセカンダリシャフト11に伝達される。そして、第1トルクカム15は、上記セカンダリコーン10とセカンダリシャフト11との間に作用する出力(負荷)トルクに対応した軸力を発生し、該軸力はスプリング13を介してセカンダリコーン10に作用する。第1トルクカム15の作用を受けた受圧部材14は、図3(b)に示すように、X1方向側にXだけ移動し、スプリング13は、上記第1段階の軸方向長さAから、A−Xに縮められる。
ついで、押圧装置12は、上記第2段階の場合よりも強いトルクが伝達されて、第2トルクカム20の遊びlを越えてセカンダリコーン10とセカンダリシャフト11(フランジ部19)とが相対回転すると、セカンダリシャフト11に作用する負荷トルクに対応して第2トルクカム20のカム部分が作動する。該第2トルクカム20の相対回転に基づき、軸方向に固定されているセカンダリシャフト11(フランジ部19)に対してセカンダリコーン10は、第2段階の軸力よりも増加率の小さいX1方向の軸力が付与される(第3段階;図3参照)。このとき、プライマリコーン2から伝達されたトルクは、上記第1トルクカム15を経由するトルクに加えて、セカンダリコーン10、第2トルクカム20、及びフランジ部19を介してセカンダリシャフト11に伝達される。従って、軸方向X2に対して固定状態にあるセカンダリシャフト11(フランジ部19)に対して、第2トルクカム20は、上記出力トルクに対応したX1方向の軸力をセカンダリコーン10に作用し、該セカンダリコーン10には、直列状の第1トルクカム15及びスプリング13に基づく第2段階の最大軸力(一定)に加えて、上記第2トルクカム20による軸力が作用する(第3段階)。
このように、上記スプリング13、第1トルクカム15、及び第2トルクカム20によりセカンダリコーン10に作用するX1方向の軸力は、軸方向へ移動が規制されているプライマリコーン2に対して、リング3を両コーン2,10に押付ける狭圧力として作用し、トラクション用オイルの中でリング3と両コーン2,10との間でトルク伝達に必要とするトラクションを付与し、両コーン2,10の間で動力伝達がなされる。また、押圧装置12によって付与される軸力は、図3に示すように、第1段階、第2段階、及び第3段階の3段階となっており、伝動効率の向上を図ることができる。
なお、上記説明は、セカンダリコーン10からセカンダリシャフト11へトルク伝達する正トルクについて述べたが、エンジンブレーキ等で、セカンダリシャフト11からセカンダリコーン10へトルク伝達する逆トルク(逆駆動)にあっても、第1及び第2端面カム対17,22の端面カムの形状が波状からなるため、同様にX1方向の軸力が発生する。
図3は、第1段階、第2段階、第3段階からなる押圧装置の軸力特性と、各段階における押圧装置12の作動状態を模式的に示した図である。第1段階は、スプリング13に基づき軸力が付勢されている状況で、出力トルクに関係なく軸力(F1)が発生している。即ち、図3(a)に示すように、スプリング13は、該一定の軸力が発生するように予め圧縮された状態(予圧)でセカンダリコーン10と受圧部材14との間に配設されている。この状態では、セカンダリコーン10からセカンダリシャフト11(フランジ部19)への出力トルクが0であって、第1トルクカム15及び第2トルクカム20がボールを端面カムの最深部に保持する場合でもスプリング13の予圧に基づく一定軸力F1が発生しており、所定出力トルクaが第1トルクカム15に作用しても、該第1トルクカムが上記スプリング予圧を超える軸力を発生するまでは、受圧部材14はスプリング予圧に基づき上記最深部である所定位置(スプリング13の予圧長さA位置)に止まり、一定軸力状態にある。
ついで、図3(b)に示す第2段階にあっては、上記所定出力トルクa以上のトルクが作用し、受圧部材14とフランジ部19との間で相対回転を生じて、第1トルクカム15が上記スプリング予圧以上の軸力を発生する。すると、フランジ部19はセカンダリシャフト11により軸方向位置が一定に保持されているので、受圧部材14が軸方向X1方向に移動し、スプリング13を圧縮しつつセカンダリコーン10に軸力を作用する。該第2段階にあっては、第1トルクカム15に基づき、比較的急な勾配αにより出力トルクの増加に対応して増加する軸力を発生する。なおこの際、受圧部材14と回転方向一体のセカンダリコーン10とセカンダリシャフトと一体のフランジ部19との間で相対回転を生ずるが、第2トルクカム20は、対向するカム溝29,30に周方向に延びる長溝状の所定遊びlが形成されており、ボールがカム対の底面を転がるだけでトルク伝達並びに軸力を発生することがない。この状態は、前記第2トルクカム20の所定遊びlがなくなり、ボールがカム溝29,30の傾斜面に当接するまで続く。該第2段階は、伝達トルクが所定値a以上でかつ所定値bより小さい領域で機能する。
ついで、図3(c)に基づき第3段階について説明する。第1トルクカム15は、出力トルクの増加に応じて受圧部材14をスプリング13を圧縮しつつ軸力を増大する。出力トルクが所定値bを超えて受圧部材14が軸方向X1方向に所定量Xストロークする。即ち、スプリング13が予圧状態である長さAから上記ストロークX分だけ圧縮され(A−X)、フランジ部19に対して受圧部材14が所定量X軸方向に移動すると共に所定量回転し、かつスプラインで一体に回転するセカンダリコーン10もフランジ部19に対して上記所定量回転すると、第2トルクカム20は上記所定遊びlがなくなり、ボールが端面カム対の傾斜面に当接する。すると、セカンダリコーン10からフランジ部19に第2トルクカム20を介してトルクが直接作用し、第2トルクカム20は、上記トルクに基づき軸力を発生する。
この際、第2トルクカム20のカム溝のカム角度εは、第1トルクカム15のカム溝のカム角度δより大きく設定されている。これにより、出力トルクに基づくフランジ部19に対するセカンダリコーン10の相対回転量は、第1トルクカム15に比して第2トルクカム20の方が小さく、上記セカンダリコーン10からフランジ部(セカンダリシャフト)19に伝達されるトルクは、専ら第2トルクカム20を経由して伝達されることになる。従って、第1トルクカム15は、スプリング13をA−X圧縮した圧縮位置にあって、出力トルクbに対応する軸力F2を発生する状態に保持され、第2トルクカム20が上記一定値からなる軸力F2に加えて、勾配βによる出力トルクに対応して増大する軸力を発生する。第2トルクカム20は、カム角εが第1トルクカム15のカム角δより大きいので、斜面の原理によって出力トルクに対する軸力の増加が小さく、第3段階は、第2段階に比してなだらかな勾配(β<α)となり、第3段階は、伝達トルクが所定値bより大きな領域において機能する。
第1及び第2トルクカム15,20は、上述した伝達トルクに応じた、カム溝26,27,29,30の背面26a,27a,29a,30aに基づく軸力の外に、セカンダリコーン10の回転数に応じた各ボール28,31に作用する遠心力に基づく軸力が作用する。上記各ボール28,31は、カム溝の外周面26b,27b,29b,30bに接触しており、該外周面の直線形状の傾斜角をγ、上記各ボールに作用する遠心力をFωとすると、遠心力により生じる軸力Fbは、
Fb=Fω/tanγとなる。
Fb=Fω/tanγとなる。
上記カム溝外周面の傾斜角γは、任意に設定することができ、各ボール28,31の質量及び各ボールが位置する半径が定まっているので、上記傾斜角γを適正に設定することにより、セカンダリシャフト11の回転数に応じた軸力Fbが容易に把握でき、上記伝達トルクに応じた軸力に、該遠心力による軸力Fbを加えて、正確な軸力を設定することができる。
例えば、上記遠心力Fω=600N、傾斜角γ=60°とすると、上記軸力Fbは、
Fb=600/tan60°=346N
となる。β=90°とすると、Fb=0[N]となる。
Fb=600/tan60°=346N
となる。β=90°とすると、Fb=0[N]となる。
図4は、第2トルクカム20のみを一部変更した実施の形態を示すもので、先の実施の形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
第2トルクカム202は、ボール31の接触するカム溝30の直線形状外周面30bを軸線l−lと平行にしたもの、即ち上記傾斜角βを90°に設定したものである。該第2トルクカム202は、受圧部材14側のカム溝29がボール31の半径より小さい深さからなる溝からなり、フランジ部19側のカム溝30がボール半径より大きい深さからなる。従って、ボール31の外径側は、深い溝からなるフランジ部側カム溝30の外周面30bにのみ接触して、浅い溝からなる受圧部材側カム溝29には接触しない。対向する両カム溝29,30全体で、ボール31を遊転する大きさの4隅が面取りされた矩形状からなる。
従って、上記第2トルクカム202は、ボールに作用する遠心力による軸力Fbは0[N]となり、伝達トルクに応じた軸力のみを設計で考慮すればよい。
本実施の形態では、第1トルクカム15は、所定傾斜角γからなる外周面を有するカム溝を採用し、第2トルクカム20が、傾斜角γ=90°からなるカム溝を用いたので、第1トルクカム15は、遠心力による軸力Fbが作用するが、これを逆にして、第1トルクカム15を傾斜角γ=90°とし、第2トルクカム20を所定傾斜角γとしてもよく、また第1及び第2トルクカム15,20の両方を傾斜角γ=90°からなるカム溝を採用してもよい。また、各トルクカム15,20の傾斜角γは、それぞれ任意に設定可能である。
また、第1トルクカム及び第2トルクカムの2種類のトルクカムを用いずに、1種類のトルクカムのものにも同様に適用し得、また2種類以上のトルクカムを用いたものにも同様に適用可能である。また、スプリング13を省いたものにも適用可能である。
本発明に係る押圧装置を有する摩擦車式無段変速装置は、円錐形摩擦車リング式無段変速装置として好適であり、産業機械、運輸機械等のあらゆる分野の動力伝達装置として利用可能であり、特に自動車に搭載されてトランスミッションに用いて好適である。
1 摩擦車式無段変速装置(円錐摩擦車リング式無段変速装置)
2 入力側摩擦車(円錐形摩擦車、プライマリコーン)
3 摩擦部材(リング)
4 入力軸(プライマリシャフト)
10 出力側摩擦車(円錐形摩擦車、セカンダリコーン)
11 出力軸(セカンダリシャフト)
12 押圧装置
13 スプリング(皿ばね)
14 部位(受圧部材)
15 トルクカム(第1トルクカム)
19 フランジ部
20,202 第2トルクカム
26,27 カム溝
26a,27a 背面
26b,27b 外周面
28 ボール
29,30 カム溝
29a,30a 背面
29b,30b 外周面
31 ボール
l−l 軸線
γ 傾斜角
d 所定隙間
2 入力側摩擦車(円錐形摩擦車、プライマリコーン)
3 摩擦部材(リング)
4 入力軸(プライマリシャフト)
10 出力側摩擦車(円錐形摩擦車、セカンダリコーン)
11 出力軸(セカンダリシャフト)
12 押圧装置
13 スプリング(皿ばね)
14 部位(受圧部材)
15 トルクカム(第1トルクカム)
19 フランジ部
20,202 第2トルクカム
26,27 カム溝
26a,27a 背面
26b,27b 外周面
28 ボール
29,30 カム溝
29a,30a 背面
29b,30b 外周面
31 ボール
l−l 軸線
γ 傾斜角
d 所定隙間
Claims (5)
- 互いに平行な軸線上に配置された入力軸及び出力軸と、前記入力軸に駆動連結される入力側摩擦車と、前記出力軸に駆動連結される出力側摩擦車と、前記入力側摩擦車及び出力側摩擦車にオイル環境下で圧接してこれら両摩擦車との間で動力伝達する摩擦部材と、を備え、前記摩擦部材を、前記入力側摩擦車及び出力側摩擦車との接触位置を変更することにより前記入力軸及び出力軸との間の回転を無段に変速する摩擦車式無段変速装置において、
前記入力軸と前記入力側摩擦車、又は前記出力側摩擦車と前記出力軸の間に配置され、前記入力側摩擦車及び前記出力側摩擦車と前記摩擦部材とを圧接する軸力を付与する押圧装置を備え、
前記押圧装置は、前記出力軸又は入力軸に固定されたフランジ部と、前記出力軸又は入力軸と相対的に回転可能で軸方向に移動自在な出力側摩擦車又は入力側摩擦車に回転不能で軸方向に拘束されている部位とに、それぞれ対向するように形成されたカム溝と、これら両カム溝の間に挟持されたボールと、を有するトルクカムからなり、
前記ボールの外径側が接触する前記カム溝の外周面は、前記軸線を含む平面による断面において直線形状からなる、
ことを特徴とする摩擦車式無段変速装置。 - 前記カム溝の外周面の直線形状は、前記軸線に直交する線に対して所定傾斜角を有し、
前記ボールが前記カム溝の外周面に接触する点を含む前記断面において、前記ボールは、該ボールに前記カム溝からトルクを作用する該カム溝の背面との間に所定間隙を存してなる、
請求項1記載の摩擦車式無段変速装置。 - 前記両カム溝は、溝の深さが異なり、前記ボールの外径側が接触する側の前記カム溝の外周面は、前記断面において、前記軸線と平行な直線形状からなる、
請求項1記載の摩擦車式無段変速装置。 - 前記押圧装置は、トルクの伝達経路に対して並列に配置された第1トルクカムと第2トルクカムを有し、
前記第1トルクカムは、前記出力側摩擦車に回転方向一体でかつ軸方向にスプリングを介して拘束されている受圧部材に形成された前記カム溝と、前記出力軸に固定された前記フランジ部に形成された前記カム溝と、これら両カム溝の間に挟持されたボールと、を有する前記トルクカムであり、伝達トルクが所定値より小さな領域において該伝達トルクが経由され、該伝達トルクに応じた軸力を発生し、
前記第2トルクカムは、前記出力側摩擦車に形成された前記カム溝と、前記出力軸に固定された前記フランジ部に形成された前記カム溝と、これら両カム溝の間に挟持されたボールと、を有する前記トルクカムであり、伝達トルクが前記所定値より大きな領域において該伝達トルクが経由され、該伝達トルクに応じた軸力を発生してなる、
請求項1ないし3のいずれか記載の摩擦車式無段変速装置。 - 前記入力側摩擦車及び出力側摩擦車は、径大部と径小部とが軸方向逆になるように配置された円錐形摩擦車であり、
前記摩擦部材は、前記入力側摩擦車及び出力側摩擦車のいずれか一方を囲むようにして前記両円錐形摩擦車の対向する傾斜面に挟持されて、軸方向移動可能なリングであり、
前記オイルは、前記摩擦車式無段変速装置を収納するケース内に封入されたトラクション用オイルである、
請求項1ないし4のいずれか記載の摩擦車式無段変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011124292A JP2012251599A (ja) | 2011-06-02 | 2011-06-02 | 摩擦車式無段変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011124292A JP2012251599A (ja) | 2011-06-02 | 2011-06-02 | 摩擦車式無段変速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012251599A true JP2012251599A (ja) | 2012-12-20 |
Family
ID=47524595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011124292A Withdrawn JP2012251599A (ja) | 2011-06-02 | 2011-06-02 | 摩擦車式無段変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012251599A (ja) |
-
2011
- 2011-06-02 JP JP2011124292A patent/JP2012251599A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140805 |