JP2012251182A - 化学処理装置、めっき装置およびその装置を用いためっき処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 長尺シート状のワークを連続して化学処理槽に搬入して化学処理する化学処理装置において、リールに巻かれた長尺シート状のワークを連続的に供給するワーク供給装置と化学処理されたワークを連続的にリールに巻き取るワーク巻取装置を、ワークの化学処理槽搬入時にワークの上端および下端をそれぞれクランプする上下端搬送クランプ群を有する一対のエンドレスベルトの片側に配置し、めっき処理における前処理槽と後処理槽とによりワーク供給装置及びワーク巻取装置の両者を挟み込む位置で、かつ同じエンドレスベルト側の位置に配置し、化学処理槽を対向するエンドレスベルト側に設けた構造を特徴とする。
【選択図】図1
Description
そのようなフレキシブル回路基板の製造に用いられる従来のめっき装置は、例えば特許文献1に記載されるような装置が用いられてきている。
しかしながら、このような装置であっても、さらに生産性を向上させようとした場合、電流密度は既に高電流密度となっていることから、さらに高くすることも限界があるため、各処理槽の大型化によって対応することが考えられる。しかしながら、各処理槽が直線状に配置されている構成であり、装置の設置スペースに制約を抱える場合、その大型化も限度があり、そのため生産性の更なる向上を図るには、図6のような装置構成では問題があった。
特許文献2に開示される化学処理装置は、長尺シート状のワークをその幅方向を上下方向にして連続的に供給するワーク供給装置と、そのワークの幅方向を上下方向にしてワークを連続的にリールに巻き取るワーク巻取装置と、そのワーク供給装置とワーク巻取装置との間に配置され、かつその幅方向を上下方向にしてエンドレスベルトに設けられたクランプにより搬送されるワークに対し化学処理を行う化学処理槽を、そのエンドレスベルトの両側に備える構成の化学処理装置で、特許文献1記載のめっき装置40よりも装置の小型化を可能にしている。
図5、図6において、符号6、7はエンドレスベルト8の折り返し用プーリーで駆動用プーリーを兼ねている。
そのため、処理量を増やそうとすると巻き乱れ防止のため、ワークへのめっき処理時のワークに掛ける張力を上げることが行われたが、ワークが伸縮状態であることによるめっき不良の発生を招き易くなり生産性の低下を招く結果となっている。
さらに本発明によれば、水平な巻取軸でワークを巻き取ることで巻き乱れによるワーク表面不良の発生を防ぐことができ、その低張力熱処理により、巻取時におけるめっき皮膜の再結晶の進展により生じるめっき面のディンプル状凹みの発生を防ぎ、搬送中のワークの伸びとめっきの再結晶の完了によるウェーブ(波目模様)発生を防止する。さらに、本発明の非接触搬送構造の上下のクランプにより折り返し時に生じるワークの弛みが防止でき、ワークを弛ませずに搬送することを可能とするものである。
図1は、本発明の化学処理装置の全景を表す外観斜視図で、20は化学処理装置を表し、1はワーク供給装置、2はワーク巻取装置、3は前処理槽、4は化学処理槽、5は後処理槽、6はエンドレスベルトの折り返し用プーリー、8はエンドレスベルト、8aは上下端搬送クランプ群、9はめっき剥離槽、10はワーク、11は低張力熱処理装置、12は搬送方向変更ローラー、13は水平ローラー、20は化学処理装置である。
図2(b)は、他の実施例における配置模式図で、ワーク供給装置1、ワーク巻取装置2をエンドレスベルト8の内側、若しくは上方に配置した場合を表すものである。
一方、化学処理槽4は、ワーク供給装置1、前処理槽3、後処理槽5、ワーク巻取装置2が配置されるエンドレスベルト側(図1、2の[Aサイド側])と対向する向きのエンドレスベルト側(図1、2の[Bサイド側])に配置された構造となっている。
なお、9のめっき剥離槽は、エンドレスベルト8や上下搬送クランプ群8aに付着した「めっき」を取り除くものである。
すなわち、従来の装置では、アスペクト比が大きく、敷設形状(設置スペース)は長辺が大きな長方形敷地を必要としたために、設置場所の選定に制約を受けていたが、本発明ではアスペクト比が1.0に近くなるため、その設置スペースは正方形に近い長方形となり、従来の装置に比べて設置場所の制約を受けにくく、その自由度が大きいと言える。
このように、水平な巻取軸でワークを巻き取ることで、その巻き取る量が多くなっても、すなわち巻径が大きく、ワークのコイル自重が増大しても巻き乱れによるワーク表面不良の発生を防ぐことができる。
この低張力熱処理は、巻取時におけるめっき皮膜の再結晶の進展により生じるめっき面のディンプル状凹みの発生を防ぎ、搬送中のワークの伸びとめっきの再結晶の完了によるウェーブ(波目模様)発生を防止するために行うもので、張力5N以下で、めっきが再結晶する条件で行う。
そしてクランプ脱着部位6bの間は円弧状を形成し、その円弧状部分に、ワークの上端面および下端面が接した状態で搬送される。
このような機構により、折り返し時に上下のクランプ8b、8cがクランプ脱着部位6bに、はめ込まれことで折り返し時に生じるワークの弛みが防止でき、ワークを弛ませずに搬送することを可能とする。なお、クランプ脱着部位6bの一例は、図4(a)に見られるように上下の折り返しプーリー6間にクランプリード円板6aを設け、その全周に設ける形態としても良く、クランプ8b、8c間に連続した円柱状部材の上下端にクランプ脱着部位を設けても良い。
そして、上下の折り返しプーリー6間にそれぞれクランプリード円板6aを設けることにより、ワーク10と円弧状部分の接触面積が減少するので、ワークに傷や汚れの付着が防止できるためより好ましい。
表1に、装置の敷設形状、性能などを纏めて示す。
装置片側のみに処理工程を設けることで基板搬送のUターンがなく直線のみである図5に示す「直線型」の化学処理装置を作製した。設計製造能力は、実施例1の化学処理装置と同様に90km/月とした。
表1に、その敷設形状、性能などを実施例1と併せて示す。
ワークを垂直で巻取るワーク巻取装置を備えた図5に示す「直線型」の化学処理装置を用いた以外は、実施例2と同じ条件でワークにめっきを施した。ワークの処理長が300mを越えると巻き乱れが発生しはじめたため、その後、ワークの搬送張力を100Nに上げ1500mのめっき処理を行った。
その結果めっき後のワークにしわは生じなかったが、所々、めっき表面に傷状の不良が発生したが、不良部分を取り除くことで製品として用いる事ができた。
図6に記載した従来の化学処理装置を用いた以外は、実施例1と同じ条件でめっき処理を行った。
その結果、ワークの厚みが薄くなるほど、めっき後のワークにしわが生じており、ワーク厚みが50μm以下では、しわがワーク全体に多数発生しており、製品として供する事ができなかった。
2 ワーク巻取装置
3 前処理槽
4 めっき槽(化学処理槽)
5 後処理槽
6、7 エンドレスベルトの折り返し用プーリー
6a クランプリード円板
6b クランプ脱着部位
8 エンドレスベルト
8a 上下端搬送クランプ群
8b 上端クランプ
8c 下端クランプ
9 めっき剥離槽
10 ワーク
11 低張力熱処理装置
12 搬送方向変更ローラー
13 水平ローラー
14 吸着ロール
15 エアーフローターン部
16 熱風加熱装置
20 本発明の化学処理装置
30 従来のめっき装置
40 従来の化学処理装置(めっき装置)
Claims (7)
- 長尺シート状のワークを連続して化学処理槽に搬入して化学処理する化学処理装置において、
リールに巻かれた長尺シート状のワークを連続的に供給するワーク供給装置と化学処理されたワークを連続的にリールに巻き取るワーク巻取装置を、ワークの化学処理槽搬入時にワークの少なくとも上端をクランプする搬送クランプ群を有し、かつ一対の折り返しプーリーを備えてエンドレスループを構成するエンドレスベルトの片側に配置し、
めっき処理における前処理槽と後処理槽とにより、前記ワーク供給装置及びワーク巻取装置の両者を挟み込む位置で、かつ同じエンドレスベルト側の位置に、前記前処理槽、ワーク供給装置、ワーク巻取装置、及び後処理槽を配置し、
対向するエンドレスベルト側に化学処理槽を設けた構造を特徴とする化学処理装置。 - 長尺シート状のワークを連続して化学処理槽に搬入して化学処理する化学処理装置において、
前記ワークの化学処理槽搬入時にワークの少なくとも上端をクランプする搬送クランプ群を有する一対のエンドレスベルトを備え、
前記エンドレスベルトの片側に化学処理槽を配し、対向するエンドレスベルト側に化学処理の前処理を行う前処理槽と後処理を行う後処理槽を配して、
前記ワークが連続的に前処理槽に搬入される位置に配置されるワーク供給装置と、後処理槽を搬出されたワークが連続的にリールに巻き取られる位置に配置されるワーク巻取装置を有することを特徴とする化学処理装置。 - 前記化学処理槽が、ワークを搬入してめっき処理する際に、少なくとも上端を前記搬送クランプ群により把持して鉛直状態としたワークのワーク面に化学処理を施す化学処理槽であり、
前記ワーク巻取装置が、ワークを巻き取る際に、前記ワークを水平状態とした後に巻き取る巻取装置であることを特徴とする請求項1又は2記載の化学処理装置。 - 前記折り返しプーリーに、エンドレスベルトの移動に伴い前記エンドレスベルトに備えられた搬送クランプ群のクランプが着脱自在に嵌合するクランプ脱着部位を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の化学処理装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の化学処理装置の、前記後処理槽と前記ワーク巻取装置の間に、低張力熱処理装置を備えることを特徴とするめっき装置。
- ワークを化学処理槽に搬入してめっき処理する際に、少なくとも上端を端搬送クランプ群により把持してワークを鉛直状態としてワーク面にめっきを施し、
後処理槽での後処理を施したワークを巻き取る前に、前記ワークに低張力熱処理を施し、
低張力熱処理を施したワークを水平状態とした後にワーク巻取装置により巻き取ることを特徴とする請求項5に記載のめっき装置を用いためっき処理方法。 - 前記低張力熱処理が、めっきを施されたワークを5N以下の低張力状態で、前記めっきが再結晶する熱処理であることを特徴とする請求項6記載のめっき処理方法。
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